JP2013152445A - 液晶と高分子の配向相分離構造とその製造方法 - Google Patents

液晶と高分子の配向相分離構造とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化する固相系の構造を提供する。
【解決手段】異方性高分子中に液晶材料が相分離して液晶滴として分散してなり、前記液晶材料の相は、ネマチック−等方相転移による光学異方−等方性変化を有し、前記異方性高分子の相は、該異方性高分子の相とネマチック状態にある前記液晶材料の相との屈折率差が独立した偏光成分ごとに合致する屈折率を有した固相系の構造である。ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光シャッター、調光窓ガラス、センサー、アメニティ、熱駆動型光スイッチ、光熱書き込み型メモリーなどの分野に利用される液晶とポリマーの配向相分離構造とその製造方法にかかわる技術分野に属する。
光は空間を超えてエネルギーや情報を伝達し、その伝播状態、とくに透過する強度や偏光を制御することは産業上重要であり、これまで様々な技術が開発され実用化に至っている。その制御法として、温度、電気、圧力、湿度、化学反応などの状態変化に応じて様々な方式がある。その中でも温度変化は我々の周囲で起こる最も身近な現象であることから、熱応答型の光透過制御材料あるいはそれを基にした素子や装置は様々な場面で使われる可能性が高く重要とされている。とくに、室温付近の温度変化に応答する材料は、例えば季節を通した寒暑に応じて自律的に日射制御可能な感温型調光窓ガラスなど次世代の省エネ環境建築部材への応用が期待されている。
この温度変化応答型材料には様々なタイプがあるが、その中でも、透明と光散乱の状態を温度により可逆的に変化させる調光技術が報告され、一部実用化に至っている。例えば、溶媒中にゲルが分散した系で、ゲルが熱的に膨潤−収縮転移し、この系の屈折率分布の均一/不均一変化によって可逆的に透明/光散乱状態になる、いわゆる感温性ハイドロゲルが提案されている(例えば、特許文献1−2、非特許文献1参照)。より具体的には、例えばアフィニティー社は両親媒性多糖類誘導体と両親媒性物質の水溶液を基本組成とし、上述の転移現象を利用し透明/散乱状態が温度で制御される窓ガラスを既に製品化している。膨潤−収縮転移を利用したその他の材料としては、ポリN-イソプロピルアクリルアミドゲル(Poly-NIPAM)を用いた感温型の調光材料が多数報告されている(例えば、特許文献3、非特許文献2参照)。
液晶の相転移現象を用いた熱応答型調光材料も幾つか報告されている。例えば、低分子液晶と光重合性の液晶モノマーとを相溶させた状態でUV照射により液晶モノマーを架橋化し、この網目構造中に低分子液晶が配向付けられて溶けた構造が報告されている。これは、温度によるスメクチックA (SA)−カイラルネマチック(N*)相間の転移を利用し、低温のN*相での特定の波長域で反射特性を利用し、熱的に光透過/反射状態でスイッチングさせることが報告されている(例えば、特許文献4参照)。さらに他には、高分子と微粒子とからなるコロイド結晶に液晶が添加された組成物が提案されており、これは配列した微粒子が一種のフォトニック結晶の役割を果たし、その隙間を埋めるホメオトロピック配向されたネマチック液晶の等方相への熱転移にともなう配向秩序の低下で屈折率分布が変わり、Bragg反射の発現/消失による特定の波長範囲での調光機能も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
一方、本発明者はこれまで、ホログラフィック高分子分散型液晶(H-PDLC)の研究に取り組み、熱的に回折強度を効率良くスイッチングできる技術を開発してきた。より具体的には、これは、回折格子を構成する(サブ)ミクロンピッチの一次元空間周期構造の一方の相にネマチック等方相転移による屈折率変化及び光学異方−等方性変化を有する低分子液晶を用い、もう一方の相に低分子液晶相の複屈折率と屈折率を合致させた異方性高分子相を用い、ホログラフィック露光あるいは二光束干渉露光による光重合・相分離過程で、周期構造の形成で分子配向を誘起させ、偏光選択的に回折強度を適切にスイッチングできる技術である(特許文献6,7)。
H. Watanabe, Sol. Energy Mater. Sol. Cells, 54 (1998) 203. A. Szilagyi, Macromol. Symp. 227 (2005) 227.
特開2000-155345号公報 特開平08-11256号公報 特開2003-113249号公報 特開2002-265945号公報 特開2009-235259号公報 特開2008-134628号公報 特開2009-300629号公報 特開平08-286162号公報
従来技術には幾つか問題点がある。まず、特許文献4で記述される低分子液晶と高分子液晶の相溶構造では、温度変化とともに特定の波長範囲で光反射/透過状態へのスイッチングを可能にするが、この波長範囲の制限が、調光変動幅の拡大を阻むだけでなく、これらの波長範囲は角度により変化するという特徴を有し、取り扱いが煩雑となる。また、この材料では等方(I)−カイラルネマチック(N*)−スメクチックA(SA)相の相転移を有する材料に制約されるため、作製の簡便さという点でも改良の余地がある。一方、特許文献5に記述される液晶添加コロイド結晶の場合、反射/透過状態の熱的切換えという点で特許文献4に記述した内容と同様の欠点がある。前述の感温性ハイドロゲルについては、溶液中のゲルの膨潤−収縮転移にともなう屈折率変化により、高温/低温で散乱/透明状態となり、熱応答型調光窓ガラスとして既に製品化されている。しかしながら、基本的に液相である構造はその封入の必要性など、汎用的な扱いに課題が残る。
本発明は、以上のとおりの背景から、ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化する固相系の構造とその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の液晶と高分子の配向相分離構造は、異方性高分子中に液晶材料が相分離して液晶滴として分散してなり、前記液晶材料の相は、ネマチック−等方相転移による光学異方−等方性変化を有し、前記異方性高分子の相は、該異方性高分子の相とネマチック状態にある前記液晶材料の相との屈折率差が独立した偏光成分ごとに合致する屈折率を有した固相系の構造であって、ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化可能であることを特徴とする。
また、この液晶と高分子の配向相分離構造においては、異方性高分子中に液晶材料が相分離して液晶滴として分散してなり、それら液晶滴が高分子相の中で不規則な位置に分布し且つそれらの液晶滴内部の液晶分子が異方性高分子の配向と同方向に配向づけられていることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記構造で発生させた散乱光の光波が一つの特定方向に偏光を帯び、ネマチック−等方相転移点を超える温度域においてその特定方向と垂直方向な偏光成分で光透過状態を保持可能であることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記液晶滴の大きさが、10nm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記液晶材料は、20℃以上120℃以下の範囲内にネマチック−等方相転移点を有することが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記構造が、可視又は近赤外線透過性を有する一対の基板の間に挟まれていることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記一対の基板が、軟質材で形成されていることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記一対の基板間の距離が、5μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造においては、前記基板の内側面に、特定方向に分子配向させる配向膜を有することが好ましい。
本発明の調光窓ガラスは、上記のいずれかの液晶と高分子の配向相分離構造を有することを特徴とする。
本発明の液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法は、一対の基板の間に、光重合性液晶モノマーと液晶材料との混合液を注入し、次いで、光照射によって前記光重合性液晶モノマーを重合させて前記液晶材料を相分離して液晶滴として分散させることを特徴とする。
この液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法においては、前記光照射は、照射強度分布を不均一にした状態で露光することが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法においては、光拡散板を介して光照射することが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法においては、前記基板として、予め分子配向処理を施した基板を用いることが好ましい。
この液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法においては、前記分子配合処理は、基板表面に対し平行かつ特定方向に配向づけられる処理、又は基板表面に垂直に配向づけられる処理であることが好ましい。
本発明によれば、ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化する固相系の構造を得ることができる。また、広範囲の波長にわたって高効率で光の透過状態を制御できる。制御方式が温度であるため、基本的に電力などのユーティリティを必要とせず自律的に動作できる単純な構成とすることができる。さらに固相系の構造であるので、プラスチックフィルムなどの透明フレキシブル基材上にも作製でき、より汎用性の高い製品にすることができる。また、この構造において、光透過状態が偏光選択的に制御される機能をさらに付加することで、より高度な光伝播制御が可能になる。
(a)、(b)は従来のPDLCの断面模式図であり、(c)は低分子液晶の屈折率ne、no、niの温度依存性と高分子の屈折率npの温度依存性の模式図である。 (a)、(b)は本実施形態に係るPDLCの断面模式図であり、(c)は低分子液晶の屈折率ne、no、niの温度依存性と異方性高分子の屈折率npe、npoの温度依存性の模式図である。 (a)、(b)はそれぞれ、実施例で作製した試料の光学偏光顕微鏡写真およびセル断面のSEM写真である。 水平配向処理ポリイミド膜付き透明ガラス基板で作製した試料の温度に対する挙動であり、(a)は直交した偏光成分(P、S)での透過スペクトルの温度に対する振る舞いを示し、(b)は温度変化により調光する様子を示す。 ガラス面鉛直配向処理を施した透明ガラス基板で作製した試料における直交した偏光成分(P、S)での透過スペクトルの温度に対する振る舞いを示す。 直交した偏光成分(P、S)での透過スペクトルの温度に対する振る舞いを示す。 直交した偏光成分(P、S)での透過スペクトルの温度に対する振る舞いを示す。 直交した偏光成分(P、S)での透過スペクトルの温度に対する振る舞いを示す。 光拡散板のメッシュ番号、設置位置、露光温度、露光波長、原料の選択により透過率変化幅が変わる様子を示す。 (a)は本実施例のPDLCの透過・散乱変化を直交した偏光(P、S)別に観察した写真であり、(b)は濁り度(Haze)と温度との関係を直交した偏光成分(P、S)別に示した図である。
以下、本発明の液晶と高分子の配向相分離構造の一実施形態である高分子分散型液晶(以下、単に「PDLC」と記載する。)について説明する。
本実施形態に係るPDLCの前提となる従来のPDLCは、高分子相に微細な液晶滴が分散した構造を有する固相系の材料として公知である。高分子相とともにPDLCを構成する低分子液晶が有する光学異方性と分子双極子モーメントを利用し、これに電場を印加することで、滴内の液晶分子配向方向を切り換え屈折率分布を発現させたり消失させたりして、電場に対し可逆的に光透過状態又は光散乱状態とする技術である。そして近年では、電子ペーパーやプライバシー調光ガラス、光シャッターなどへの応用が行われ、幾つか実用化に至っている。とくに自動調光建材への製品化として瞬間調光ガラスが商品化され、電子カーテン的な使途で室内あるいは部屋間のプライバシー保護に利用されている(特許文献8)。
本発明者は、電場応答型調光材料として開発されてきた上述の従来のPDLCの構造と光学的挙動に対する着目点を変え、これを熱応答型の調光材料として本実施形態に係るPDLCを設計、開発し、課題の解決を図った。より具体的には、熱可逆的に、ネマチック−等方相転移点(TNI)を超える温度(以下、単に「高温」と記載する。)で光散乱状態、ネマチック−等方相転移点(TNI)未満の温度(以下、単に「低温」と記載する。)で透明状態(光透過状態)となるPDLCを開発した。このPDLCは、そのPDLCで発生させた散乱光の光波が一つの特定方向に偏光を帯び、高温でその特定方向と垂直方向な偏光成分で透明状態を保持することもできる。
まず比較のため、従来のPDLCの断面模式図を図1(a)、(b)に示す。図1(a)、(b)はそれぞれ低温(T<TNI)の状態、高温(T>TNI)の状態を示す。また図1(c)に、低分子液晶の屈折率ne、no、niの温度依存性と高分子の屈折率npの温度依存性を示す。
一般にPDLCは、低分子液晶(以下、液晶材料ともいう)と光重合性モノマーを主とする混合原料を一対の透明基板間に挟んで露光することで作製され、光重合とともに誘起された相分離により微細な液晶滴が高分子中に分散した二相構造を有する。低分子液晶相は、ネマチック−等方相転移による光学異方−等方性変化を有する。このPDLC作製の際、さらに基材表面上への配向膜処理、原料の組み合わせや組成あるいは露光時の温度などにより、電場が印加されていない状態で低分子液晶相が低温のネマチック状態で特定方向に強く自然配向させることができる。一方、高分子相は光学的に等方性であり、図1(c)に屈折率の温度依存性で示すように、この等方性高分子(屈折率np)と、低温時ネマチック相で異方性を示す液晶滴(屈折率:ne、no)との二相間で屈折率を合致させることは原理的にできない。
したがって従来のPDLCは、低温では二相間に屈折率差があるため、分散した液晶滴により光散乱が生じるのに対し、高温では低分子液晶、及び高分子の両相ともに等方性となるため、図1(c)に示す例のように、これらの屈折率を一致(ni=np)するよう設計、作製することで、液晶滴は透明状態となる。よって従来PDLCでも光散乱状態をスイッチングすること自体はできる。しかしこの構造では、低温で光散乱、高温で透明状態のスイッチングは可能であるが、逆の低温で透明、高温で光散乱状態とする動作は原理的に不可能である。
本実施形態に係るPDLCは、従来のPDLCにおいて等方性の高分子相の代わり異方性の高分子材料を導入して異方性の高分子相を形成している。
本実施形態に係るPDLCの断面模式図を図2(a)、(b)に示す。図2(a)、(b)はそれぞれ低温(T<TNI)の状態、高温(T>TNI)の状態を示す。また図2(c)に、低分子液晶の屈折率ne、no、niの温度依存性と異方性高分子の屈折率npe、npoの温度依存性を示す。
図2(a)に示すように、本実施形態に係るPDLCは、異方性高分子(図2では「異方性ポリマー」と表記)中に低分子液晶(図2では液晶と表記)が相分離して液晶滴として分散している。液晶滴は、異方性高分子の相の中で不規則な位置に分布しており、且つ液晶滴内部の液晶分子が異方性高分子の配向と同方向に配向づけられている。このように、本実施形態に係るPDLCの構造は、低温では低分子液晶及び異方性高分子の両相ともに分子配向した状態となっている。その結果、図2(c)に示すように、異方性高分子が常に複屈折率(npe、npo)を有する状態を維持する。このため、異方性高分子の相とネマチック状態にある低分子液晶の相との屈折率差が独立した偏光成分ごとに合致するように、例えば、異方性高分子の複屈折率(npe、npo)とネマチック状態の低分子液晶の複屈折率(ne、no)とが合致するよう設計、作製することで、低温ではこれら二相に屈折率差は生じず、その一方で高温になり低分子液晶が等方相に転移すると、屈折率差(ni≠npeかつni≠npo)を生じさせることができる。ここで、異方性高分子の複屈折率(npe、npo)とネマチック状態の低分子液晶の複屈折率(ne、no)とが合致するとは、低温状態の少なくとも一温度において、異方性高分子の複屈折率(npe、npo)と低分子液晶の複屈折率(ne、no)とが合致もしくは略合致していることを意味する。本発明者は、この構造を作製することに成功し、低温で透明状態、高温で光散乱状態となる動作を初めて実現した。
本実施形態において、液晶滴は球状とすることができる。液晶滴の大きさとしては、例えば、粒径が10nm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。液晶滴の大きさをかかる範囲内とすることによって、高温時に効果的に光散乱させることができる。液晶滴の大きさは、PDLC作成の際、光重合性液晶モノマーと液晶材料との混合液の重合時の温度等の重合条件を変えることによって所望の大きさに設定することができる。
本実施形態では、液晶滴を形成する液晶材料は、20℃以上120℃以下の範囲内にネマチック−等方相転移点を有することが好ましい。本発明の液晶と高分子の配向相分離構造は、光シャッター、調光窓ガラス、センサー、アメニティ、熱駆動型光スイッチ、光熱書き込み型メモリー等への用途に幅広く利用することができるが、かかる範囲内にネマチック−等方相転移点を有することによって、より効果的にこれらの用途に利用することができる。さらに高温の光散乱状態が偏光性を有する本発明の特徴を利用し、例えば夏季の日射などのように、光が窓ガラス内に高角で斜入射する際の偏光選択性を考慮した調光窓材への応用が見込まれる。あるいは、本発明素子と偏光子とを組合せることで、散乱と透過状態でのコントラスト変化を拡大したり縮小したりすることができるため、感度可変型の熱検知シートなどへの応用が見込まれる。
本実施形態に係るPDLCは、上記のとおり一対の透明基板を有している。この基板としては、可視又は近赤外線透過性を有するものであればよく、例えば、ガラス基材あるいはプラスチックフィルム等で形成することができる。また、この基板は、柔軟な形状を有するなど、軟質材で形成することもできる。
基板間の距離は、5μm以上500μm以下の範囲内とすることができる。かかる範囲内とすることで、所望の光散乱特性を満足させることができる。
基板の内側面には、液晶材料及び異方性高分子を特定の方向に配向させるための配向(ラビング)処理が施されていてもよい。また、配向処理を施したポリイミド等の薄膜(配向膜)を配設することもできる。
本実施形態では、さらに、視野角制限透過フィルムや特定の角度の直線偏光のみを透過するフィルター(偏光板)などをPDLCの光の入射側か出射側に必要に応じて配設することができる。これらフィルムやフィルターの角度や偏光状態によって透過光量を可変とすることができ、より高度な光伝播制御が可能になる。例えば、PあるいはS偏光のどちらか一方の透過光量を優先的に温度で制御することができる。
本発明は、前述のように、特定方向に配向し光学的異方性を有する高分子相中に、ネマチック−等方相転移点以下で配向秩序が高い状態となっている微細な低分子液晶滴が分散した構造であり、その構造により温度変化に対して光散乱/透明状態がスイッチングされる特性を示すものである。以下に、その構造の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法は、従来のPDLC作製で用いた光重合性モノマーに代えて、光重合性液晶モノマーを使用する。すなわち、光重合性液晶モノマーと液晶材料の混合液を、一対の基板の間に注入し、光照射によって光重合性液晶モノマーを重合させて液晶材料を相分離して液晶滴として分散させて上記の構造を得る。
光重合性液晶モノマーの光重合過程における不均一露光によって、その光重合過程で高分子相と液晶材料の相とに相分離する際に光重合性液晶モノマーと液晶材料の分子配列方向を制御して、高分子相及び液晶材料の相を特定の方向に配向させることができる。なお、不均一露光とは、様々な粗さの光拡散板を通して照射強度分布を不均一にした状態で露光することである。光拡散板は、レーザ等の照射光源と照射対象面である基板との間に配置される。例えば、前記基板から10mm〜500mm程度離れた位置に光拡散板が配置される。光拡散板としては、各種の表面粗さを有する光拡散板、例えば、メッシュ番号♯240〜♯1500の光拡散板を使用することができる。光拡散板の配置される位置や光拡散板の表面粗さは上記した範囲に限定されるものではなく、光重合性液晶モノマーや液晶材料の種類、露光温度、光源波長等に応じて適宜設定される。また、光拡散板を介さずに露光(均一露光)することもできる。
また、基板として、予め分子配向処理を施した基板を用いることができる。例えば、内側面に配向処理を施した一対の基板の間、又は配向膜を配設した一対の基板の間に、光重合性液晶モノマーと液晶材料の混合液を注入することで、特定方向への配向秩序を高く維持することができ、光重合、相分離させることで高分子相及び液晶材料の相を特定の方向に配向させることができる。分子配合処理は、基板表面に対し平行かつ特定方向に配向づけられる処理、又は基板表面に垂直に配向づけられる処理のいずれの処理であってもよい。
また、原料種、原料混合比、あるいは重合開始剤、増感剤、さらには界面活性剤などの添加物、あるいはラビングなどの表面配向処理法、あるいは露光時の温度や露光強度の空間的、時間的変調、さらにそれらの組み合わせを変えるなどして、偏光選択的に透明/散乱状態の温度による切り換えができる。また、二相液晶の挟持構造と露光用光源との間の特定の位置に光拡散用のガラスあるいはフィルムを追加挿入することもできる。
液晶材料としては、ネマチック−等方相転移による光学異方−等方性変化を有するものであれば特に限定されず、市販原料を使用することができる。例えば、ネマチック−等方相転移温度(TNI)が20〜120℃の範囲の原料、複屈折率(Δn=ne-no)が0.06〜0.29の範囲の原料等を使用することができる。具体例として、4-シアノ-4'-ヘキシルビフェニル(メルク:K18、TNI:29℃)や、4-シアノ-4'-ペンチルビフェニル(メルク:K15、TNI:35℃)などのシアノビフェニル系の液晶材料、48℃にTNIを有するDIC株式会社のRDP-98487などを挙げることができる。これらは、ネマチック−等方相転移温度の低い液晶材料である。80℃以上の温度にネマチック−等方相転移温度をもつ液晶材料としては、メルクの製品名BL024やE44などを挙げることができる。これら液晶材料は何れでも使用可能であり、光透過状態の様々な切り換え温度を設計、作製することができる。
光重合性液晶モノマーとしては、例えば、アゾ、アゾキシ、ビフェニル、ターフェニル、エステル、シクロヘキサンといった系、さらに他の例としてアクリラート、メタクリラート、ジエン、シアナート、アクリロイ、ビニル、エポキシといった光重合性基を含むものなどを挙げることができる。具体例として、メルク社製のRM257、RM82、DIC(株)製のULC-001、ULC-011、ULC-008等を挙げることができる。メルク社製のRM257は、液晶性ジアクリレートモノマー:1,4-ジ(4-(3-アクリロイルオキシプロピルオキシ)ベンゾイルオキシ)-2-メチルベンゼンであり、複屈折率(Δn=npe-npo)が約0.18である。液晶材料である
メルク社製のK18もこのメルク社製のRM257の複屈折率の値に近く、両者を組み合わせて使用することで、本発明の所期の効果をより一層高めることができる。
光重合性液晶モノマーは、光重合性液晶モノマーと液晶材料の混合液中、例えば、20重量%以上90重量%以下の割合で含有することができる。
混合液には、さらに、液晶材料や光重合性液晶モノマーに合わせた光重合開始剤、増感剤等を配合することができる。これらの添加剤の配合は特性向上に有効な手段である。具体例として、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ローズベンガル、ローダミン6G、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等が挙げられる。さらに、作製原料の粘性調整や均一混合を手助けするために、界面活性剤を入れると有効な場合がある。具体例として、オクタン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。また、さらに色素を添加することもできる。
以上のようにして作製された液晶と高分子の配向相分離構造は、ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化する特性を有する。
以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって本発明が限定されることはない。
本実施例で作製した試料(PDLC)1〜5の作製条件を表1に示す。試料は下記のとおり作製した。
液晶材料としてネマチック液晶:4-シアノ-4'-ヘキシルビフェニル(メルク:K18)、光重合性液晶モノマーとして液晶性ジアクリレートモノマー:1,4-ジ(4-(3-アクリロイルオキシプロピルオキシ)ベンゾイルオキシ)-2-メチルベンゼン(メルク:RM257)を、重量比70:30または60:40または50:50で混合し、さらにこれに光重合開始剤と色素として、N-フェニルグリシン(NPG:東京化成)とジブロモフルオレセイン(DBF:東京化成)をそれぞれ0.1、0.1(重量%)、あるいは1-ハイドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(和光純薬:HCHPK)を1(重量%)加え、80℃に維持しつつ攪拌して均一な液状混合原料を作製した。
一対のガラス基板で10あるいは30μm程に固定した隙間に上記の液状混合原料を注入し、照射対象面であるガラス基板から距離10mm離れた位置に配置したメッシュ番号♯1500の光拡散板を介して、この液状混合原料を光重合するのに適した波長532nmのレーザをガラス基板中の面内で散乱させ面内位置で不均一強度分布を持たせ露光した(なお、試料5については紫外線(中心波長351nm)露光して作製した)。この不均一露光によって、強度の高い部分は光重合性液晶モノマーが重合し、強度が低い部分は液晶が凝集し、その結果、液晶相と高分子相に相分離し、その際に、液晶及び高分子の両相の分子が配向付けられた。
上記のレーザ露光は具体的には、20〜60℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。その後、UVランプ(波長365nm)で5分ほど照射して重合により形成した構造を定着させて試料(PDLC)を得た。
本実施例では、ガラス基板として透明な素ガラス基板(配向処理なし)を用いて試料(PDLC)を作製している。また、材料の配向をより効果的に制御するため、水平配向処理ポリイミド膜付き透明ガラス基板(以下、水平配向処理基板ともいう)、及びガラス面鉛直配向処理を施した透明ガラス基板(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド膜付き)(以下、ガラス面鉛直配向処理基板ともいう)をそれぞれ用いて試料(PDLC)を作製してもいる。
試料1の光学顕微鏡写真および試料断面のSEM写真をそれぞれ図3(a)と(b)に示す。
図3(a)は、クロスニコル配置の偏光顕微モードとし微細な光学異方構造を観察したもので、ミクロンオーダーでランダムな濃淡画像が見られ、これらは低分子液晶と液晶ポリマーの僅かな配向秩序性の違いが現れていると考えられる。図3(b)は、作製した試料を割って断面を出し、ガラス基板から露出した断面付近の低分子液晶をメタノールで洗い流して残った高分子相モフォロジーを観察したものである。断面上部の凹凸や微細な孔や窪みには低分子液晶の凝集滴が存在し相分離構造が形成されていたことを示唆する。
図4から図8に、PとS偏光に分けて異なる温度で測定した試料1〜5の分光透過率を示す。分光透過率は、PおよびS偏光(図1あるいは図2を参照)の垂直入射・透過で測った透過率であり、20℃および35℃の2つの試料温度で測定している。
図4(a)は試料1の分光透過率を示しており、図5は試料2の分光透過率を示している。試料2は、ガラス基板としてガラス面鉛直配向処理基板を用い、露光温度を40℃にした点で試料1と異なっている。
水平配向処理基板の配向はP偏光と同方向となっており、その結果、図4(a)で示すように、低温ではPおよびS偏光ともに高透過率を示し、高温になると両偏光ともに透過率が下がり、とくにP偏光が選択的に下がる。この透過変化の様子を図4(b)に写真で示す。
一方、基板面に鉛直方向で配向処理すると、分子はその方向に沿って並ぶ、いわゆるホメオトロピック配向の傾向を示す。その結果、図5に示すように、PおよびS偏光に依存なく低温で高透過率、高温で低透過率を示す素子とすることができる。
図6は、試料3の分光透過率を示している。試料3は、K18とRM257の組成比が試料1と比べると10重量%異なるが、基本的には相転移点より十分に高い温度(60℃)で露光したことに効果を見た結果である。
図6に示すように、図4の結果と温度に対する振る舞いが逆転し、低温で低透過率、高温で高透過率になる。光透過状態の熱応答特性は、原料種や混合比率を選ぶことで制御できるが、本結果のように、配向処理条件や作製温度を変えることで、使用する原料やその組成を大きく変えなくても様々な特性制御ができる。
図7は、試料4の分光透過率を示している。図7に示すように、配向膜を付けない素ガラス基板で作製した試料でも機能をある程度発現できることを見出した。
図8は、試料5の分光透過率を示している。本試料では、重合開始剤としてより紫外に応答するHCHPKを使用し、温度を30℃とし、紫外線(中心波長351nm)露光した。図8の結果から、本試料においても光透過状態が偏光選択的に制御される機能が発現できることが確認された。
本実施例として作製した試料(PDLC)6〜19の作製条件を表2に示す。試料は下記のとおり作製した。
表2に記載の試料6から19においては、液晶材料としてネマチック液晶:4-シアノ-4'-ヘキシルビフェニル(メルク:K18)あるいは4-シアノ-4'-ペンチルビフェニル(メルク:K15)、光重合性液晶モノマーとして液晶性ジアクリレートモノマー:1,4-ジ(4-(3-アクリロイルオキシプロピルオキシ)ベンゾイルオキシ)-2-メチルベンゼン(メルク:RM257)を用いた。この液晶材料と光重合性液晶モノマーとを重量比50:50で混合し、さらにこれに光重合開始剤と色素として、N-フェニルグリシン(NPG:東京化成)とジブロモフルオレセイン(DBF:東京化成)をそれぞれ0.1、0.1(重量%)、あるいは1-ハイドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(和光純薬:HCHPK)を1(重量%)加え、80℃に維持しつつ攪拌して均一な液状混合原料を作製した。
一対のガラス基板で10μm程に固定した隙間に上記の液状混合原料を注入し、照射対象面であるガラス基板から距離20mm又は500mm離れた位置に配置したメッシュ番号♯240〜♯1500の光拡散板を介して、この液状混合原料を光重合するため波長532nmあるいは351nmのレーザをガラス基板中の面内で散乱させ面内位置で不均一強度分布を持たせ露光した。この露光によって、強度の高い部分は光重合性液晶モノマーが重合し、強度が低い部分は液晶が凝集し、その結果、液晶相と高分子相に相分離し、その際に、液晶及び高分子の両相の分子が配向付けられた。なお、試料6については、光拡散板を介さず露光して作製した。
上記のレーザ露光は具体的には、30〜50℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。その後、UVランプ(波長365nm)で5分ほど照射して重合により形成した構造を定着させて試料(PDLC)を得た。
試料6から19では、材料の配向をより効果的に制御するため、水平配向処理基板を用いて試料(PDLC)を作製した。
液晶と光重合性モノマーの組合せによっては、均一露光では相分離構造が制御し難い場合があり、その際は照射光源と照射対象面との間の光路中の適切な位置に、光拡散板を挿入することで解決することができる。図9はその実施例で、光拡散板を入れて照射面で不均一強度分布を形成し、露光作製した場合に得られた試料の温度に対する透過率変化の幅を示している。図9aは光拡散板の目の細かさ(粗さ)が透過率変化の幅に及ぼす効果を示している。この原料系では、光拡散板無しでは透過率変化が発現しないが、光拡散板の目が細かくなる(横軸に示す番号が増える)とともに透過率変化の幅が増大する。一方、光拡散板と照射対象面との距離を変えた際の効果を調べたところ、図9bに示すように、距離が20mmと近い場合に透過率変化幅が増えた。この原料系ではさらに照射対象面との距離を縮めて照射すれば透過率変化の幅が増える可能性が高い。光拡散板を介した照射時の露光温度の影響については図9cに示すように、適切な温度が存在し、この原料系の場合には40℃が適切な温度であることがわかった。また、図9dに示すように、原料系と露光波長とのマッチングも検討するべき項目であり、波長に合わせた重合開始剤などの選択により、透過率変化幅を最大限に向上することが可能である。
本相分離構造により生じる散乱光は偏光選択性が高くすることが可能で、それは図4のスペクトルデータから明らかであるが、同試料でさらに図10に一例として、直交する偏光成分毎(PおよびS偏光成分)に視覚的な結果を示す。図10(a)の写真に示すように、本試料を通して像を観察すると、相転移点より低温側ではPおよびSの両偏光で本試料が透明状態となっているため観察される像は鮮明である。昇温して相転移温度を超えると、P偏光では光散乱状態となり本試料を通して像を観察できないが、S偏光ではある程度の透明状態を維持しており、本試料を通して像を観察できる。図10(b)は、偏光成分別に濁り度(Haze)と温度との関係を示している。この図では、30℃近傍で透明状態又は光散乱状態に変化し、光散乱状態は偏光成分により異なっている。

Claims (15)

  1. 異方性高分子中に液晶材料が相分離して液晶滴として分散してなり、前記液晶材料の相は、ネマチック−等方相転移による光学異方−等方性変化を有し、前記異方性高分子の相は、該異方性高分子の相とネマチック状態にある前記液晶材料の相との屈折率差が独立した偏光成分ごとに合致する屈折率を有した固相系の構造であって、ネマチック−等方相転移点温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック−等方相転移点温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化可能であることを特徴とする液晶と高分子の配向相分離構造。
  2. 異方性高分子中に液晶材料が相分離して液晶滴として分散してなり、それら液晶滴が高分子相の中で不規則な位置に分布し且つそれらの液晶滴内部の液晶分子が異方性高分子の配向と同方向に配向づけられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  3. 前記構造で発生させた散乱光の光波が一つの特定方向に偏光を帯び、ネマチック−等方相転移点を超える温度域においてその特定方向と垂直方向な偏光成分で光透過状態を保持可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  4. 前記液晶滴の大きさが、10nm以上10μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  5. 前記液晶材料は、20℃以上120℃以下の範囲内にネマチック−等方相転移点を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  6. 前記構造が、可視又は近赤外線透過性を有する一対の基板の間に挟まれていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  7. 前記一対の基板が、軟質材で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  8. 前記一対の基板間の距離が、5μm以上500μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  9. 前記基板の内側面に、特定方向に分子配向させる配向膜を有することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の液晶と高分子の配向相分離構造。
  10. 請求項1から9のいずれかの液晶と高分子の配向相分離構造を有することを特徴とする調光窓ガラス。
  11. 一対の基板の間に、光重合性液晶モノマーと液晶材料との混合液を注入し、次いで、光照射によって前記光重合性液晶モノマーを重合させて前記液晶材料を相分離して液晶滴として分散させることを特徴とする液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法。
  12. 前記光照射は、照射強度分布を不均一にした状態で露光することを特徴とする請求項11に記載の液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法。
  13. 光拡散板を介して光照射することを特徴とする請求項12に記載の液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法。
  14. 前記基板として、予め分子配向処理を施した基板を用いることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法。
  15. 前記分子配合処理は、基板表面に対し平行かつ特定方向に配向づけられる処理、又は基板表面に垂直に配向づけられる処理であることを特徴とする請求項14に記載の液晶と高分子の配向相分離構造の製造方法。
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