以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態に係る弾球遊技機について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。
弾球遊技機1は、発射装置(図示しない)から発射された遊技球を盤面に沿って落下させることにより遊技を行うための遊技盤2(図2参照)と、遊技盤2を保持する正面視略矩形の前枠3と、前枠3の前面全域を覆う前扉4とを備えている。前扉4は、前枠3に対し、左端縁を中心に開閉可能となっている。
前枠3の下部分には、遊技盤2に向けて発射すべき遊技球(パチンコ球)を貯留しておくための上皿5と、上皿5に貯留しきれない遊技球を受け止めて貯留しておくための下皿6とを備えている。下皿6の上方には、上皿5から溢れた遊技球が供給される供給口(図示しない)が形成されている。下皿6の下面には、下皿6に貯留されている遊技球を排出させるための排出口(図示しない)が形成されている。この排出口は通常の状態では覆われており、下皿6の前面下部から突出する排出レバー9が操作されて、排出口が開放されると、下皿6内の遊技球が排出口から下方に排出される。
下皿6の右方には、遊技盤2に向けて発射される遊技球の勢いを調節するためのハンドル10が配設されている。ハンドル10は、前枠3に回転可能に保持されている。上皿5に遊技球が貯留された状態でハンドル10が回転操作されると、発射装置(図示しない)が作動し、上皿5内の遊技球が1球ずつ発射装置に取り込まれて、当該発射装置から遊技盤2の盤面に向けて発射される。
前扉4には、たとえばほぼ円形(上下方向に長軸を有する楕円形)の開口11が形成されている。開口11は、たとえば、その後方がガラス板などの透明板12により覆われていて、前扉4を閉じた状態では、透明板12を介して、その後方に設けられた遊技盤2を視認できるようになっている。
前扉4の左上部分および右上部分には、それぞれ、音声を出力するためのたとえばスピーカからなる音声発生手段(演出手段)13が設けられている。この弾球遊技機1における遊技中は、音声発生手段13から出力される音声により、遊技の雰囲気を盛り上げることができるようになっている。音声発生手段13は、大当たり遊技(特別遊技状態)中において、後述する演出表示手段(演出手段)15の表示内容に応じた内容の音声を発生(出力)する。
遊技盤2の盤面には、発射装置(図示しない)から発射された遊技球を遊技盤2の左上部分に導くための略円弧状のガイドレール14が配設されている。遊技盤2の盤面には、多数本の障害釘(図示しない)が配設されており、ガイドレール14に沿って遊技盤2の左上部分から右斜め上方に向けて放たれた遊技球は、遊技盤2の盤面に沿って多数本の障害釘の間を通って落下していく。
遊技盤2の中央部分には、たとえば液晶表示器により構成された演出表示手段15が配置されている。演出表示手段15では、遊技中に、遊技の進行状況に応じた演出が行われる。具体的には、後述する普通図柄表示手段31の図柄の変動動作に対応して、複数の演出図柄が変動表示(スクロール表示)される。また、後述する大当たり遊技時には、大当たり遊技中であることを示す演出が表示される。演出表示手段15の表示画面の周囲は、フレーム(図示しない)によって取り囲まれている。このフレームの前面には、十手など江戸時代の捕り物をモチーフとした装飾部材16が取り付けられている。また、フレームにおける演出表示手段15の上方の左右方向中央には、遊技を盛り上げるための演出ランプ(演出手段)17が配設されている。演出ランプ17は、大当たり遊技中において、演出表示手段15の表示内容に応じた態様で、点灯/消灯制御される。
遊技盤2の盤面における演出表示手段15の直下でかつ左右方向中央には、遊技盤2の盤面に沿って落下する遊技球が入球(通過)可能な普通図柄始動口(普通図柄始動領域)18が配設されている。普通図柄始動口18を区画する普通図柄始動役物19内には、普通図柄始動口センサ20(図3参照)が配設されている。普通図柄始動口18に入球した遊技球(普通図柄始動領域を通過した遊技球)は、その普通図柄始動口18への入球直後にその普通図柄始動口センサ20の近傍を通過し、その通過が普通図柄始動口センサ20によって検出されるようになっている。普通図柄始動口センサ20は、遊技球を検出すると、後述する主制御基板40(図3参照)に対して検出信号を出力する。普通図柄始動口18への遊技球の入球に応じて、次に述べる特別図柄始動口21を所定の態様で開放する特別図柄始動口開放遊技(後述する)を実行するか否かを決定するための普通図柄抽選が実行される。
遊技盤2の盤面における普通図柄始動口18の下方には、特別図柄始動口21および特別入賞口22が上下に並べて配設されている。特別図柄始動口21の下方に、特別入賞口22が配設されている。言い換えれば、普通図柄始動口18と特別入賞口22とで特別図柄始動口21を上下方向に挟んでいる。
特別図柄始動口21は、たとえば左右に長い長方形状をなし、複数個(3〜4個)の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成されている。この特別図柄始動口21に関連して、特別図柄始動口21を開閉可能な第1開閉板(特別図柄始動口開閉手段)23が配設されている。第1開閉板23は、遊技盤2の盤面に沿った状態で特別図柄始動口21を閉塞して、特別図柄始動口21に遊技球が入るのを阻止することができる一方、この状態から特別図柄始動口21の下端縁に沿って配置された回動軸(図示しない)を中心に手前側に傾倒することにより、特別図柄始動口21を開放して、特別図柄始動口21に落下してくる遊技球を特別図柄始動口21の内部に導き入れることができる。特別図柄始動口21に入球した遊技球は、球回収路(図示しない)に落ち入り、この球回収路を通って弾球遊技機1内へと回収される。この球回収路の途中部には、特別図柄始動口センサ24(図3参照)が介装されている。球回収路における特別図柄始動口センサ24を遊技球が通過すると(すなわち、特別図柄始動口センサ24が遊技球を検出すると)、特別図柄始動口センサ24は、後述する主制御基板40(図3参照)に対して検出信号を出力する。特別図柄始動口21に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば10球)の賞球が、賞球払出装置(図示しない)から払い出される。賞球払出装置から払い出された遊技球は上皿5へと供給される。第1開閉板23が、遊技盤2の盤面に沿った状態で特別図柄始動口21を閉塞するので、第1開閉板23の閉状態では、特別図柄始動口21に遊技球を入球させることはできない。
また、特別図柄始動口21への遊技球の入球に応じて、特別入賞口22を所定の態様で開放する特別入賞口開放遊技を実行するか否かを決定するための特別図柄抽選が実行される。特別図柄抽選により特別入賞口22を開放すると決定される確率は、後述する確率変動モード中において、予め定める高確率(1/1)であり、確率変動モードでないモード(後述する時短モードまたは後述する通常モード)中において、予め定める低確率(たとえば999/1000)である。
特別入賞口22は、たとえば、左右に長い長方形状をなし、複数個の遊技球(3〜4個)が同時に入球可能な大きさに形成されている。この特別入賞口22は、左右方向に関して、特別図柄始動口21とほぼ同じサイズに形成されている。特別入賞口22の左右端は、左右方向に関して、特別図柄始動口21の左右端とそれぞれ揃っている。この特別入賞口22に関連して、特別入賞口22を開閉するための第2開閉板(特別入賞口開閉手段)25が設けられている。
第2開閉板25は、遊技盤2の盤面に沿った状態で特別入賞口22を閉塞して、特別入賞口22に遊技球が入るのを阻止することができる一方、この状態から特別入賞口22の下端縁に沿って配置された回動軸(図示しない)を中心に手前側に傾倒することにより、特別入賞口22を開放して、特別入賞口22に落下してくる遊技球を特別入賞口22の内部に導き入れることができる。特別入賞口22に入球した遊技球は、球回収路(図示しない)に落ち入り、この球回収路を通って弾球遊技機1内へと回収される。この球回収路の途中部には、特別入賞口センサ26(図3参照)が介装されている。球回収路における特別入賞口センサ26を遊技球が通過すると(すなわち、特別入賞口センサ26が遊技球を検出すると)、特別入賞口センサ26は、後述する主制御基板40(図3参照)に対して検出信号を出力する。特別入賞口22に遊技球が入ると、予め定める個数の賞球(たとえば3球)が、賞球払出装置(図示しない)から払い出される。賞球払出装置から払い出された遊技球は上皿5へと供給される。特別入賞口22への入球に対して払い出される賞球の個数(たとえば3球)は、特別図柄始動口21への入球に対して払い出される賞球の個数(たとえば10球)よりも少なく設定されている。第2開閉板25が、遊技盤2の盤面に沿った状態で特別入賞口22を閉塞するので、第2開閉板25の閉状態では、特別入賞口22に遊技球を入球させることはできない。
特別入賞口開放遊技では、所定の短時間(たとえば0.5秒間)が経過するまで、または、特別入賞口22に所定数(たとえば2球)の遊技球が入球するまで、特別入賞口22を開放するといった動作を1ラウンドとして、このような動作が、所定時間(たとえば2.0秒間)のインターバルを挟んで少数のラウンド数(たとえば2ラウンド)だけ行われる(以下、この仕様の特別入賞口開放遊技を、「0.5秒間×2R」と表わす場合がある)。この特別入賞口開放遊技の各ラウンドにおける特別入賞口22の開放時間が短時間(たとえば0.5秒間)であるので、1回の特別入賞口開放遊技において、少数の遊技球(平均して、たとえば2球程度)の遊技球が入球する。そして、特別入賞口22に対して払い出される賞球個数が少ない(たとえば3球)ので、特別入賞口開放遊技において遊技者が獲得可能な賞球は、非常に少ない。つまり、特別入賞口開放遊技は特別図柄利益状態というものの、遊技者に対して直接大きな利益を付与するものではない。なお、この特別入賞口開放遊技が実行される状態を「特別利益状態」という。
遊技盤2の右部分(演出表示手段15の右方)には、遊技盤2の盤面に沿って落下する遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)27が配設されている。普通図柄始動ゲート27を通過した遊技球は、普通図柄始動ゲートセンサ28(図3参照)によって検出される。普通図柄始動ゲートセンサ28は、遊技球を検出すると、後述する主制御基板40(図3参照)に対して検出信号を出力する。普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に応じて、特別図柄始動口21を所定の態様で開放する特別図柄始動口開放遊技を実行するか否かを決定するための普通図柄抽選が実行される。すなわち、普通図柄始動口18に遊技球が入球した場合および普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過した場合の双方で普通図柄抽選が実行される。普通図柄抽選により特別図柄始動口21を開放すると決定される確率は、次に述べる確率変動モードおよび次に述べる時短モード中において、予め定める高確率(1/1)であり、次に述べる通常モード中において、予め定める低確率(1/300)である。
特別図柄始動口開放遊技では、所定の時間(たとえば3.0秒間)が経過するまで、特別図柄始動口21を開放するといった動作を1回として、このような動作が、所定時間(たとえば2.0秒間)のインターバルを挟んで2回繰り返される(以下、この仕様の特別図柄始動口開放遊技を、「3.0秒間×2回」として表わす場合がある)。特別図柄始動口21が複数個(3〜4個)の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成されており、かつ、特別図柄始動口21の開放時間が通算6.0秒間であるので、この特別図柄始動口開放遊技では、遊技盤2の盤面に沿って流下する遊技球の特別図柄始動口21への入球が容易である。そのため、1回の特別図柄始動口開放遊技において、多数個(たとえば10球程度)の遊技球が入球する。すなわち、特別入賞口開放遊技よりも特別図柄始動口開放遊技の方が、当該遊技により特別図柄始動口21または特別入賞口22に入球する遊技球の個数が多い。そして、特別図柄始動口21への入球に対して払い出される賞球の個数(たとえば、10球)が、特別入賞口22への入球に対して払い出される賞球の個数(たとえば、3球)よりも多くなるように設定されている。これらにより、特別図柄始動口開放遊技の方が、特別入賞口開放遊技よりも遊技者に付与される利益よりも高い。この特別図柄始動口開放遊技は、特別入賞口開放遊技とは、独立して実行される。なお、この特別図柄始動口開放遊技が実行される状態を「普通利益状態」という。
弾球遊技機1では、確率変動モード、時短モードおよび通常モードが用意されている。通常モードは、確率変動モードおよび時短モードのいずれでもないモードである。弾球遊技機1では、確率変動モード、時短モードおよび通常モードは、選択的に実行可能とされている。
確率変動モードでは、特別図柄抽選の当選確率が高確率(たとえば1/1)に、普通図柄抽選の当選確率が高確率(たとえば1/1)に設定される。この弾球遊技機1では、いわゆるリミッタ付の確率変動モードが採用されている。そのため、確率変動モードが連続して実行する回数(以下、「確率変動連続実行回数」という場合もある。)が予め定める制限回数に達すると、その次回以降において、確率変動モードは実行されず、時短モードまたは通常モードが実行される。つまり、確率変動モード中において特別入賞口開放遊技が連続して実行される回数に制限が設けられている。
時短モードでは、特別図柄抽選の当選確率が低確率(たとえば999/1000)に、普通図柄抽選の当選確率が高確率(たとえば1/1)に設定される。この弾球遊技機1では、いわゆる回数切りの時短モードが採用されている。そのため、時短モードにおける後述する特別図柄表示手段29の変動回数が予め定める回数(たとえば100回)経過するまで、または、次に特別図柄抽選に当選するまで時短モードが継続される。そして、特別図柄抽選に当選しないまま特別図柄表示手段29の変動回数が予め定める回数(たとえば100回)経過すると、その次回以降において通常モードが実行される。
しかしながら、この実施形態では、時短モードの場合における特別図柄抽選の当選確率は低確率であるが、非常に高い値(999/1000)であるので、後述する特別図柄表示手段29の変動回数が予め定める回数(100回)経過することなく、次の特別図柄抽選に当選する可能性が非常に高い。そのため、時短モードが、回数切りのものでなく次回までのものであってもよく、この場合、弾球遊技機1の遊技性にほとんど影響を及ぼさない。
通常モードでは、特別図柄抽選の当選確率が低確率(999/1000)に、普通図柄抽選の当選確率が低確率(1/300)に設定されている。
そして、弾球遊技機1の遊技状態(モード)が確率変動モード中、時短モード中または通常モードのいずれにあるかに拘わらず、特別入賞口開放遊技中は、弾球遊技機1の遊技状態が、一旦通常モードに移行している。
確率変動モード中または時短モード中は、普通図柄始動口18への遊技球の入球または普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に対する普通図柄抽選の当選確率が高確率(1/1)であるので、特別図柄始動口開放遊技が頻繁に実行される。
一方、通常モード中は、普通図柄始動口18への遊技球の入球または普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に対する普通図柄抽選の当選確率が低確率(1/300)であるので、特別図柄始動口開放遊技がめったに実行されない。また、第1開閉板23の閉状態では特別図柄始動口21に遊技球を入球させることができないので、通常モード中は、特別図柄始動口21に遊技球を入球させることはほとんどできない。
特別図柄抽選の低確率時の当選確率は、極めて高いこと(すなわち1/1に近いこと)が望ましい。これにより、弾球遊技機1の遊技状態(確率変動モード中であるか、時短モード中であるか、通常モード中であるか)に拘わりなく、特別図柄抽選にほとんど当選させることができる。そして、特別図柄始動口開放遊技が実行されると、ほとんどの場合、その後特別入賞口開放遊技を実行(発生)させることができる。
この弾球遊技機1では、通常は、ハンドル10の回転角度が調節されて、ガイドレール14に沿って遊技盤2の盤面における左上部分に遊技球が放たれる。遊技盤2の盤面の左上部分へと達した遊技球は、遊技盤2の左半分(左上部分、左部分および左下部分)に植設された障害釘によって、遊技盤2の普通図柄始動口18付近に導かれることが可能になっている。
また、この弾球遊技機1では、いわゆる右打ち遊技(遊技盤2の盤面の右部分に向けて遊技球を発射させる遊技)を行うことができるようになっている。具体的には、ハンドル10の回転角度を最大角度とすると、非常に強い勢いで遊技球が発射される。そして、ガイドレール14に沿って遊技盤2の盤面における左上部分から右斜め上方に向けて、遊技球が勢い良く放たれる。放たれた遊技球は、演出表示手段15の上方を通って、遊技盤2の盤面の右部分へと達するようになる。
遊技盤2の盤面の右部分へと達した遊技球は、遊技盤2の右上部分および右部分に植設された障害釘によって、遊技盤2の右部分にある普通図柄始動ゲート27付近に導かれることが可能になっている。また、普通図柄始動ゲート27付近に到達した遊技球は、その付近の障害釘によって、遊技盤2の下部にある特別図柄始動口21付近や同じく遊技盤2の下部にある特別入賞口22付近に導かれることが可能になっている。
つまり、右打ち遊技中は、遊技盤2の盤面に発射された遊技球が、普通図柄始動ゲート27付近に導かれるとともに、遊技盤2の下部にある特別図柄始動口21または特別入賞口22付近に導かれる。
遊技盤2の右下部分には、ガイドレール14の外側の領域に、特別図柄表示手段29、普通図柄保留表示手段30、普通図柄表示手段31、遊技状態表示手段32およびラウンド状態表示手段33が配設されている。これらの表示手段29〜33は、遊技盤2の右下部分から左下方向に向けてこの順で一列に並んでいる。
特別図柄表示手段29は、特別図柄始動口21への遊技球の入球に対して行われる特別図柄抽選の結果を表示するためのものである。特別図柄表示手段29は、たとえば1つの7セグメント表示器によって構成されている。特別図柄始動口21に遊技球が入ると、特別図柄表示手段29の特別図柄が「8」と「−」との間で交互に高速で切り換わることにより、特別図柄表示手段29の特別図柄の変動が開始され、所定時間経過後に停止される。このとき、特別図柄抽選の結果が当たり(当選)である場合は、特別図柄表示手段29には、特別図柄である図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」のいずれか1つ(当たり図柄)が停止され、特別図柄抽選の結果がはずれである場合には、特別図柄表示手段29には図柄「−」(はずれ図柄)が停止される。
弾球遊技機1では、特別図柄始動口21への遊技球の入球に対する特別図柄表示手段29の図柄変動動作は保留されない。そのため、特別図柄表示手段29の図柄変動中に特別図柄始動口21に遊技球が入った場合であっても、その入球に対する特別図柄表示手段29の図柄変動動作は、直ちに破棄されるようになっている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄始動口18への遊技球の入球、または普通図柄始動ゲート27の遊技球の通過に対して行われる普通図柄抽選の結果を表示するためのものである。普通図柄表示手段31は、たとえば1つの7セグメント表示器によって構成されている。普通図柄始動口18に遊技球が入るか、または普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過すると、普通図柄表示手段31の普通図柄が「8」と「−」との間で交互に高速で切り換わることにより、普通図柄表示手段31の普通図柄の変動が開始され、所定時間経過後に停止される。このとき、普通図柄抽選の抽選結果が当たり(当選)である場合、すなわち第1開閉板23を開閉動作させて、特別図柄始動口21を予め定める態様で開放させると決定されている場合は、普通図柄表示手段31には、普通図柄「7」(当たり図柄)が停止され、普通図柄抽選の結果がはずれである場合は、普通図柄表示手段31には普通図柄「−」(はずれ図柄)が停止される。
普通図柄表示手段31の図柄変動(以下、「普通図柄の変動」という場合がある。)中、および、普通利益状態中(特別図柄始動口開放遊技中)に、普通図柄始動口18に遊技球が入るか、または普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過した場合は、その入球に対する普通図柄表示手段31の図柄変動動作が所定数(たとえば、4回)まで保留可能となっている。保留された普通図柄表示手段31の図柄変動動作は、実行中の普通図柄表示手段31の図柄変動動作が終了した後に、保留された順序に従って実行される。保留されている普通図柄表示手段31の図柄変動動作の回数は、普通図柄保留表示手段30に表示される。この普通図柄保留表示手段30は、たとえば7セグメント表示器によって構成されており、保留されている図柄変動動作の回数を、数字で表すことができるようになっている。
遊技状態表示手段32は、普通図柄表示手段31に隣接して並べられた2つのランプにより構成されている。各ランプは点灯/消灯切換え可能に構成されている。これらのランプの点灯/消灯の組み合わせにより、弾球遊技機1の遊技状態が確率変動モード、時短モード、または通常モードのいずれであるのかが表示される。
ラウンド状態表示手段33は、遊技状態表示手段32に隣接して並べられた、点灯/消切換え可能な3つのランプにより構成されている。各ランプの点灯/消灯の組み合わせ
によって、実行中の一連の大当たり遊技における現在の特別入賞口開放遊技の実行回数が表示される。
遊技盤2の盤面に沿って落下する遊技球のうち、普通図柄始動口18、特別図柄始動口21、および特別入賞口22のいずれにも入球しなかった遊技球(アウト球)は、遊技盤2の下部に形成されたアウト球回収口34から機内に回収される。
図3は、図1に示す弾球遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
弾球遊技機1の制御回路は、弾球遊技機1における遊技に関する制御を司る主制御基板(遊技制御手段)40と、弾球遊技機1における演出に関する制御を司る演出制御基板(演出制御手段)60とを有する。主制御基板40は、弾球遊技機1における遊技の基本となる動作を制御するためのものであり、制御の中枢をなすCPU41、各種乱数を発生する乱数発生部42、プログラムソフトなどが記憶されるメモリ43、および各種回数をカウントするカウンタ部44を含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ43は、たとえばROMやRAMによって構成されている。主制御基板40には、普通図柄始動口センサ20、普通図柄始動ゲートセンサ28、特別図柄始動口センサ24および特別入賞口センサ26から、それぞれ検出信号が入力されるようになっている。そして、主制御基板40には、第1開閉板23を開閉動作させるための第1開閉板駆動部材(特別図柄始動口開閉手段)36、第2開閉板25を開閉動作させるための第2開閉板駆動部材(特別入賞口開閉手段)37、特別図柄表示手段29、普通図柄表示手段31、普通図柄保留表示手段30、遊技状態表示手段32およびラウンド状態表示手段33が制御対象として接続されている。
主制御基板40のCPU41には、演出制御基板60の後述するコマンド受信部65(演出制御基板60のCPU41に含まれる)にコマンドを送信するためのコマンド送信部(現在連続回数指定コマンドおよび許容回数指定コマンドを出力する手段)45、所定のタイミングで計時を行う計時部46、および各種抽選を行う抽選実行部47が含まれる。
主制御基板40の乱数発生部42には、普通図柄抽選に用いられる乱数を発生する普通図柄当たり判定用乱数発生部48と、特別図柄抽選に用いられる乱数を発生する特別図柄当たり判定用乱数発生部49と、特別図柄表示手段29に停止させる図柄(停止図柄)を決定するための停止図柄決定抽選に用いられる乱数を発生する停止図柄決定抽選用乱数発生部50とが含まれる。
CPU41の抽選実行部47は、乱数発生部42の普通図柄当たり判定用乱数発生部48から取得した乱数値を、それぞれメモリ43に記憶された普通図柄当たり判定用乱数テーブル(図示しない)と照らし合わせることにより、普通図柄抽選を行う。同様に、抽選実行部47は、乱数発生部42の特別図柄当たり判定用乱数発生部49および停止図柄決定抽選用乱数発生部50から取得した乱数値を、それぞれメモリ43に記憶された特別図柄当たり判定用乱数テーブル(図示しない)および停止図柄決定抽選用乱数テーブル(図示しない)と照らし合わせることにより、特別図柄抽選および停止図柄抽選を行う。
主制御基板40のメモリ43には、普通図柄始動記憶部51、特別図柄始動記憶部52、特別図柄−遊技状態対応テーブル記憶部53、特図高確率フラグ54および普図高確率フラグ55が備えられている。
普通図柄始動記憶部51は、普通図柄始動口18への遊技球の入球または普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に対して取得される普通図柄当たり判定用乱数発生部48で発生される普通図柄当たり判定用乱数の値を格納する。普通図柄始動記憶部51には、取得した普通図柄当たり判定用乱数の値を最大で5回分まで記憶可能であり、そのうちの1回分は普通図柄表示手段31の図柄変動の実行用として、その他の最大4回(上限)分は普通図柄表示手段31の図柄変動の保留用として記憶できる。普通図柄表示手段31の図柄変動が行われておらず、保留もされていない状態で、普通利益状態中でない場合には、普通図柄始動口18に遊技球が入球し、または普通図柄始動ゲート27に遊技球が通過した場合、その入球または通過に対して取得された普通図柄当たり判定用乱数の値は、普通図柄始動記憶部51に実行用として記憶される。そして、その後すぐに普通図柄抽選が実行され、その実行された普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄表示手段31の図柄変動が行われる。
一方、普通図柄始動記憶部51に普通図柄当たり判定用乱数の値が実行用として既に記憶されている状態で、普通図柄始動口18に遊技球が入球し、または普通図柄始動ゲート27に遊技球が通過した場合、その入球または通過に対して取得された普通図柄当たり判定用乱数の値は、普通図柄始動記憶部51に保留用として記憶され、その保留用として記憶されている普通図柄当たり判定用乱数の値の数が、後述する普通図柄保留カウンタ56によりカウントされる(普通図柄始動記憶部51に保留用として記憶された普通図柄当たり判定用乱数の値を、以下、単に「普通図柄の始動記憶」という場合がある)。普通図柄始動記憶部51に保留用として記憶されている普通図柄当たり判定用乱数の値は、実行用として記憶されている普通図柄当たり判定用乱数の値に応じた普通図柄表示手段31の図柄変動が終了した後に、実行用として順次繰り上げられて記憶され、それらの保留されていた普通図柄当たり判定用乱数の値に応じた普通図柄表示手段31の図柄変動が順次実行される。
特別図柄始動記憶部52は、特別図柄始動口21への遊技球の入球に対して実行される特別図柄抽選の結果(特別図柄当たり判定用乱数および特別図柄決定抽選用乱数)を格納する。特別図柄表示手段29の図柄変動が行われておらず、保留もされていない状態で、特別利益状態中でない場合には、特別図柄始動口21に遊技球が入球した場合には、その入球に対して行われた特別図柄抽選の結果は、特別図柄始動記憶部52に実行用として記憶される。そして、その後すぐに、その記憶された特別図柄抽選の結果に応じた特別図柄表示手段29の図柄変動(以下、「特別図柄の変動」という場合がある)が行われる。
特図高確率フラグ54は、特別図柄抽選の当選確率が高いモードであるか否か、すなわち確率変動モード中であるか否かを記憶するためのものであって、確率変動モード中は「1」の値が記憶され、時短モード中または通常モード中は「0」の値が記憶される。
普図高確率フラグ55は、普通図柄抽選の当選確率が高いモードであるか、すなわち確率変動モード中または時短モード中のいずれであるか否かを記憶するためのものであって、確率変動モード中または時短モード中は「1」の値が記憶され、通常遊技モード中は「0」の値が記憶される。
カウンタ部44は、普通図柄保留カウンタ56、現在連続回数カウンタ(現在連続回数計数手段)57および許容回数カウンタ(許容回数計数手段)58を備えている。普通図柄保留カウンタ56は、普通図柄始動記憶部51に保留用として記憶されている普通図柄当たり判定用乱数の値の数をカウントするものである。
現在連続回数カウンタ57および許容回数カウンタ58は、ともに、確率変動モードが連続して実行する確率変動連続実行回数、言い換えれば、確率変動モード中において特別入賞口開放遊技が連続して実行される回数をカウントするものである。現在連続回数カウンタ57が現在までに連続して実行された(発生した)確率変動モードの回数(確率変動モード中において現在までに連続して実行された特別入賞口開放遊技の回数)をカウントし、許容回数カウンタ58が以後に連続して実行が許容される確率変動モードの回数(確率変動モード中において以後に連続して実行が許容される特別入賞口開放遊技の回数)をカウントする点で、両者は相違する。
各カウンタ56,57,58のカウント値は、メモリ43に設けられた記憶領域(図示しない)に記憶される。初期状態では、現在連続回数カウンタ57の値は「0」に設定されており、許容回数カウンタ58の値は、予め定める制限回数(たとえば、30)に設定されている。
一方、演出制御基板60は、演出表示手段15、音声発生手段13および演出ランプ17を制御するためのものであり、制御の中枢をなすCPU61、各種乱数を発生する乱数発生部62、各種データなどが記憶されるメモリ63、および各種回数をカウントするカウンタ部64を含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ63は、たとえばROMやRAMによって構成されている。演出制御基板60には、演出表示手段15、音声発生手段13および演出ランプ17が制御対象として接続されている。
演出制御基板60のCPU61には、主制御基板40のCPU41に含まれるコマンド送信部45からのコマンドを受信するコマンド受信部(コマンド受信手段)65、演出表示手段15の表示動作を制御する表示制御部66、音声発生手段13の出力動作を制御する音声制御部67、演出ランプ17の点灯/消灯を制御するランプ制御部68、および各種抽選を行う抽選実行部69が含まれる。
演出制御基板60の乱数発生部62には、後述する演出シナリオに係る演出を実行するか否か、そしていずれの演出シナリオを実行するかを決定するための演出シナリオ決定抽選に用いられる乱数を発生する演出シナリオ決定抽選用乱数発生部76が含まれる。
CPU61の抽選実行部69は、演出シナリオ決定抽選用乱数発生部76から取得した乱数値を、それぞれメモリ63に記憶された演出シナリオ決定抽選用乱数テーブル(図示しない)と照らし合わせることにより、演出シナリオ決定抽選を行う。
演出制御基板60のメモリ63には、演出シナリオ決定抽選用乱数テーブル(図示しない)の他、演出パターンデータ記憶部70、演出シナリオ決定抽選用テーブル71、序盤フラグ72、演出可能フラグ73および抽選可能フラグ74が備えられている。
演出パターンデータ記憶部70は、演出シナリオを構成する演出パターンのデータを記憶している。具体的には、各演出パターンの表示データ、音声データおよびランプ制御データを記憶している。大当たり遊技時には、表示制御部66は、演出パターンデータ記憶部70に記憶されている表示データに基づいて、演出表示手段15の表示動作を制御する。音声制御部67は、演出パターンデータ記憶部70に記憶されている音声データに基づいて、音声発生手段13の出力動作を制御する。また、大当たり遊技時には、ランプ制御部68は演出パターンデータ記憶部70に記憶されているランプ制御データに基づいて、演出ランプ17の点灯/消灯を制御する。なお、演出シナリオ決定抽選用テーブル71は、演出シナリオを抽選決定するためのものである。
序盤フラグ72は、演出表示手段15で現在実行中の演出が、一連の演出処理のうち、後述する最初演出または後述する序盤の演出(序盤処理)であることを記憶するためのものであって、最初演出処理中または後述する序盤の演出中は「1」の値が記憶され、後述する中盤の演出(中盤処理)の演出中または後述する終盤の演出(終盤処理)の演出中は「0」の値が記憶される。
演出可能フラグ73は、演出表示手段15における演出を実行することが許容されているか否かを記憶するものであって、演出表示手段15での演出が許容されている状態では「1」の値が記憶され、演出表示手段15での演出が禁止されている状態では「0」の値が記憶される。
抽選可能フラグ74は、抽選実行部69による演出シナリオ決定抽選の実行が許容されているか否かを記憶するものであって、演出シナリオ決定抽選の実行が許容されている状態では「1」の値が記憶され、演出シナリオ決定抽選の実行が禁止されている状態では「0」の値が記憶される。
カウンタ部64は、次回の演出シナリオ決定抽選の実行が可能な状態となるまでに、実行が必要な演出パターンの回数をカウントする抽選可能カウンタ75を備えている。この抽選可能カウンタ75のカウント値は、メモリ63に設けられた記憶領域(図示しない)に記憶される。
特別図柄抽選に当選する場合、特別図柄表示手段29に表示される特別図柄として図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」の4種類の図柄が用意されている。
図4は、特別図柄−遊技状態対応テーブルの一例を示す図である。
特別図柄−遊技状態対応テーブルには、決定された特別図柄の種類と、各特別図柄に対応する当該特別入賞口開放遊技終了後における特別図柄抽選および普通図柄抽選の確率状態(それぞれの当選確率が高確率であるのか低確率であるのか)、すなわち当該特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態(確率変動モード、時短モードまたは通常モードのいずれであるのか)が書き込まれている。そして、確率変動モードが連続して実行する確率変動連続実行回数(確率変動モード中において特別入賞口開放遊技が連続して実行される回数)が予め定める制限回数(たとえば、30回)に到達するリミッタ作動時と、確率変動連続実行回数が予め定める制限回数に未だ到達していないリミッタ未作動時とでは、特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態が異なっている。
まず、リミッタ未作動時について説明する。図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」が選択されると、特別入賞口開放遊技終了後、特別図柄抽選の当選確率および普通図柄抽選の当選確率がともに、次回の特別図柄の当選まで高確率になる。すなわち、特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態が確率変動モードになる。また、図柄「1」が選択されると、特別入賞口開放遊技終了後、特別図柄抽選の当選確率が低確率であるが、普通図柄抽選の当選確率が高確率になる。すなわち、特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態が時短モードになる。前述のように、この時短モードは、いわゆる回数切りの時短モードである。つまり、時短モードにおける特別図柄表示手段29の変動回数が予め定める回数(たとえば、100回)経過するまで、または、次に特別図柄抽選に当選するまで継続可能な時短モードである。
このリミッタ未作動時では、言い換えれば、図柄「2」、図柄「3」および図柄「4」はいわゆる確変図柄であり、図柄「1」はいわゆる時短図柄である。リミッタ未作動時における特別図柄抽選と同時に行われる図柄決定抽選において、図柄「1」の選択確率(以下、「選択確率」という。)は2%であり、図柄「2」の選択確率は50%であり、図柄「3」の選択確率は40%であり、図柄「4」の選択確率は8%である。
次いで、リミッタ作動時について説明する。図柄「1」、図柄「3」または図柄「4」が選択されると、特別入賞口開放遊技終了後、特別図柄抽選の当選確率が低確率であるが、普通図柄抽選の当選確率が高確率になる。すなわち、特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態が時短モードになる。また、図柄「2」が選択されると、特別入賞口開放遊技終了後、特別図柄抽選の当選確率および普通図柄抽選の当選確率がともに低確率状態になる。すなわち、特別入賞口開放遊技終了後における弾球遊技機1の遊技状態が通常モードになる。
このリミッタ作動時では、言い換えれば、図柄「1」、図柄「3」および図柄「4」はいわゆる時短図柄であり、図柄「2」はいわゆる通常図柄である。リミッタ作動時における特別図柄抽選と同時に行われる図柄決定抽選において、図柄「1」の選択確率は2%であり、図柄「2」の選択確率は50%であり、図柄「3」の選択確率は40%であり、図柄「4」の選択確率は8%である。つまり、リミッタ作動時の特別入賞口開放遊技終了後において、50%の確率で時短モードが実行され、50%の確率で通常モードが実行される。なお、図柄決定抽選における各図柄の選択確率は、リミッタ作動時とリミッタ未作動時とで共通している。
この特別図柄−遊技状態対応テーブルは、特別図柄と遊技状態との間の対応関係だけでなく、特別図柄と遊技状態と特別入賞口開放遊技との間の対応関係を規定している。図4に示すテーブルでは、いずれの特別図柄が選択される場合であっても、実行される特別入賞口開放遊技は、共通する態様の特別入賞口開放遊技(この実施形態では、「0.5秒間×2R」の特別入賞口開放遊技)であるが、各特別図柄に対応する特別入賞口開放遊技の態様が共通している必要はない。ある特別図柄に対応する特別入賞口開放遊技の態様を、他の特別図柄に対応する特別入賞口開放遊技の態様と異ならせていてもよい。
普通図柄抽選が高確率であるモード、すなわち時短モードまたは確率変動モードでは、普通図柄抽選に頻繁に当選する。弾球遊技機1の遊技性の特徴は、弾球遊技機1の遊技状態を確率変動モード(または時短モードのいずれか)に保ち続けることにより、特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技が連続して実行され、これにより、多量の遊技球を獲得することにある。前述のように、特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技がそれぞれ所定の期間連続して実行されることにより、遊技者に有利な一連の大当たり遊技が構成されている。
弾球遊技機1が通常モードにある状態から、確率変動モードまたは時短モードに移行させるためには、まず、当選確率が低確率の普通図柄抽選に当選させて特別図柄始動口21を開放させる必要がある。次いで、特別図柄抽選に当選させる必要がある。通常モードにおける普通図柄抽選の当選確率は、低確率(1/300)であるので、普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過や、普通図柄始動口18への遊技球の通過があっても、普通図柄抽選にはめったに当選しない。
そして、普通図柄抽選に当選すると、特別図柄始動口開放遊技が実行される。特別図柄始動口開放遊技中に特別図柄始動口21に遊技球が入球すると、特別図柄抽選が実行される。特別図柄抽選の低確率時の当選確率が極めて高い(999/1000)ので、ほとんどの場合、特別図柄抽選に当選する。このとき、特別図柄表示手段29に当たり図柄(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)が停止表示される。その後、特別入賞口開放遊技(0.5秒間×2R)が実行される。
特別図柄表示手段29に表示される図柄が確変図柄(図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)である場合は、特別入賞口開放遊技の終了後、確率変動モードが実行される。すなわち、通常モードから確率変動モードに移行する。この弾球遊技機1では、確変図柄が停止表示される確率が98%であるので、特別入賞口開放遊技の終了後は、ほとんどの場合確率変動モードが実行される。
確率変動モードでは、特別図柄抽選の当選確率は極めて高く(1/1)設定されているので、特別図柄抽選に当選する。そして、特別図柄表示手段29に当たり図柄(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)が停止表示された後、特別入賞口開放遊技(0.5秒間×2R)が実行される。特別図柄表示手段29に表示される図柄が確変図柄(図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)である場合は、特別入賞口開放遊技の終了後、再度確率変動モードが実行される。確変図柄の選択率が極めて高い(98%)ので、確率変動モードへの移行後は、確率変動モードが連続して実行されるようになる。これにより、一旦、普通図柄抽選に当選すると、その後、確率変動モードが連続して実行されるようになる。
この弾球遊技機1では、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21への遊技球の入球が容易でありかつ、特別図柄抽選の当選確率が極めて高い(高確率時=1/1、低確率時=999/1000)ので、ほとんどの場合で、特別図柄始動口開放遊技の実行に伴って特別入賞口開放遊技が実行される(発生する)ようになる。そして、普通図柄抽選の当選確率が高い確率変動モードが連続して実行されるので(時短モードが実行される場合であっても、普通図柄抽選の当選確率は高い)が連続するので、特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技が繰り返し実行されるようになる。そのため、特別図柄始動口開放遊技が連続して実行され、また、特別入賞口開放遊技が連続して実行される。これら特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技は互いに独立して実行される。
この実施形態では、連続して実行される特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技が、一連の大当たり遊技に含まれている。すなわち、一連の大当たり遊技を実行するか否かは、普通図柄抽選に当選するか否かによって決定される。また、一連の大当たり遊技は、最初の(通常モードにおける普通図柄抽選後の)特別図柄始動口開放遊技の実行によって開始される。この大当たり遊技では、特別図柄始動口開放遊技と特別入賞口開放遊技とが基本的に1対1で対応している。
そして、連続して実行される確率変動モードを、リミッタ付の確率変動モードとすることにより、一連の大当たり遊技を終了させることができる。すなわち、確率変動連続実行回数が予め定める制限回数(たとえば、30回)に到達すると、リミッタが作動し、特別入賞口開放遊技の終了後に、確率変動モードではなく時短モードまたは通常モードが実行される。弾球遊技機1では、強制的に確率変動モードの実行が制限されない限り、この一連の大当たり遊技を終了させることはできない。
一連の大当たり遊技は、複数(たとえば、30個)の特別図柄始動口開放遊技および複数(たとえば、30個)の特別入賞口開放遊技を含んでいる。この大当たり遊技では、特別図柄始動口開放遊技と特別入賞口開放遊技とが基本的に1対1で対応しているので、その進行状況を、確率変動連続実行回数、つまり、確率変動モード中において連続して実行される特別入賞口開放遊技の回数(何回目の特別入賞口開放遊技であるか)に基づいて表わすことができる。
便宜上、特別入賞口開放遊技の開始から次の特別入賞口開放遊技の開始までを、1つの遊技単位期間とする。一連の大当たり遊技は、連続する複数セット(たとえば、30セット)の遊技単位期間を備えている。N回目の遊技単位期間は、N回目の特別入賞口開放遊技の開始によって開始され、その次(N+1)回目の特別入賞口開放遊技の開始によって終了する。
但し、1セット目の遊技単位期間は、普通図柄の変動開始(普通図柄抽選時としても可)から開始する。そして、1回目の特別入賞口開放遊技を経て、2回目の特別入賞口開放遊技の開始によって終了する。また、最終(たとえば、30)セット目の遊技単位期間は、その遊技単位期間に含まれる特別入賞口開放遊技の終了時点で終了する。
一連の大当たり遊技の終了タイミングが確率変動連続実行回数によって規定されているので、一連の大当たり遊技中の進行状況を確率変動連続実行回数、言い換えれば、確率変動モード中において連続して実行される特別入賞口開放遊技の回数(何回目の特別入賞口開放遊技であるか)に基づいて表わすことができる。そして、遊技単位期間の数(セット数)に基づいて、大当たり遊技中の進行状況を表わすことができる。
そして、一連の大当たり遊技の終了後に時短モードが実行される場合、後述するように程なくして特別入賞口開放遊技が実行され、確率変動モードが実行される。すなわち、この場合、一連の大当たり遊技の終了後、一連の大当たり遊技が再度発生するようになる。 図5A〜図5Nは、遊技盤2の盤面の状態を示す模式的な図である。図5A〜図5Nのうち図5H〜図5Lは、普通図柄始動口18(普通図柄始動ゲート27)、特別図柄始動口21、特別入賞口22、特別図柄表示手段29および普通図柄表示手段31の図示を省略し、演出表示手段15の表示内容だけを表示している。
弾球遊技機1のRAMクリア時は、弾球遊技機1の遊技状態は通常モードにある。そして、弾球遊技機1の遊技状態が通常モードにある状態で、遊技者による遊技が開始される。遊技者がハンドル10を回転操作させることにより、発射装置(図示しない)から遊技盤2の盤面に向けて遊技球が発射される。遊技盤2の盤面に発射された遊技球は、盤面に沿って落下する。このとき、たとえば、遊技盤2の盤面の左部分(左半分)に向けて遊技球が発射される。
そして、図5Aに示すように、遊技盤2の盤面を落下する遊技球が普通図柄始動ゲート27を通過したときは、主制御基板40による普通図柄抽選が実行される。また、図5Aに示すように、遊技盤2の盤面を落下する遊技球が普通図柄始動口18に入球したときも、主制御基板40による普通図柄抽選が実行される。そして、普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過または普通図柄始動口18への遊技球の入球に応答して、普通図柄表示手段31に図柄の変動が開始されるとともに、演出表示手段15が待機画面(図示しない)から図柄変動画面(図5A参照)に切り換わり、この図柄変動画面で、複数の演出図柄が上から下に向けて高速でスクロール表示される(図5Aでは、高速でスクロール表示される演出図柄は図示しない。また、1セット目の遊技単位期間の開始)。
通常モード中は、普通図柄抽選の当選確率が低確率(1/300)であるので、普通図柄抽選にはめったに当選しない。所定の変動時間(たとえば15秒間)の経過後、普通図柄表示手段31に図柄が停止表示される。なお、普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過および普通図柄始動口18への遊技球の入球に基づく普通図柄表示手段31の変動動作は、合わせて最大「4」まで保留可能とされている。
そして、普通図柄抽選に当選すると、すなわち一連の大当たり遊技が実行されると決定されると、図5Bに示すように、普通図柄表示手段31に当たり図柄「7」が停止表示される。次いで、演出表示手段15には、いわゆる右打ち遊技を促す画面(右打ち示唆演出画面。図5B参照)が表示される。この図5Bに示す画面は、右打ち遊技中の遊技盤2の盤面を模した画像と、「右打ちしてください」というメッセージ表示とを組み合わせたものである。
大当たり遊技開始後の弾球遊技機1では、大当たり遊技の開始後(言い換えれば、通常モードで普通図柄抽選に当選した後)は、遊技盤2の盤面に発射された遊技球が、特別図柄始動口21に集まることが望ましい。遊技盤2の盤面の右部分に遊技球が導かれることにより、普通図柄始動ゲート27に多数の遊技球を通過することができるとともに、特別図柄始動口21に多数の遊技球を入球させることが可能になる。そのため、遊技者は、演出表示手段15の図5Bに示す画面の指示に従って、右打ち遊技(遊技盤2の盤面の右部分に向けて遊技球を発射させる遊技)を行う。そして、遊技者は、一連の大当たり遊技中右打ち遊技を継続して行う。
その後、図5Cに示すように第1開閉板23が開閉動作され、特別図柄始動口開放遊技が実行される。このとき、演出表示手段15には、特別図柄始動口21を狙うように促す画面(図5C参照)が表示される。この図5Cに示す画面は、特別図柄始動口21が開放している遊技盤2の盤面を模した画像と、「玉を入れてください」というメッセージ表示とを組み合わせたものである。
そして、開放中の特別図柄始動口21に遊技球が入球すると、特別図柄抽選が実行される。通常モード中の特別図柄抽選の当選確率は極めて高いので(999/1000)、ほとんどの場合、特別図柄抽選に当選する。また、特別図柄始動口21への遊技球の入球に応答して、特別図柄表示手段29の図柄が変動開始する。さらに、特別図柄始動口21への遊技球の1球の入球に対して、10個の賞球が払い出される。
そして、所定の変動時間の経過後、図5Dに示すように、特別図柄表示手段29に当たり図柄のいずれか(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)が停止表示されるとともに、演出表示手段15に、一連の大当たり遊技が発生した旨を報知する画面が表示される。この図5Dに示す演出表示手段15の画面では、「灼熱連鎖ボーナス」という大メッセージが表示されている。すなわち、最初演出が実行される。また、特別図柄表示手段29への当たり図柄の停止表示後、第2開閉板25が開閉動作され、特別入賞口開放遊技が実行される(一連の大当たり遊技のうち、1回目の特別入賞口開放遊技の実行)。特別図柄表示手段29に表示される図柄が確変図柄(図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)である場合は、特別入賞口開放遊技の終了後、確率変動モードが実行される。
そして、図5Eに示すように、普通図柄始動記憶部51に普通図柄の始動記憶がある場合は、特別入賞口開放遊技の終了後まもなく普通図柄抽選が実行されて、普通図柄表示手段31に図柄の変動が開始されるとともに、演出表示手段15に、登場するキャラクタを紹介する画面(図5E〜図5G参照)が表示される。
そして、確率変動モードでは、普通図柄抽選の当選確率が高確率(1/1)であるので普通図柄抽選に必ず当選し、図5Fに示すように、特別図柄始動口開放遊技が実行される。そして、特別図柄始動口開放遊技中に特別図柄始動口21に遊技球が入球すると、特別図柄抽選が実行され、特別図柄表示手段29における図柄の変動が開始される。確率変動モードでは、特別図柄抽選の当選確率が高確率(1/1)であるので特別図柄抽選に必ず当選し、図5Gに示すように、特別入賞口開放遊技が実行開始される(一連の大当たり遊技のうち、2回目の特別入賞口開放遊技の実行。2セット目の遊技単位期間の開始)。
2セット目の遊技単位期間の開始(2回目の特別入賞口開放遊技の開始)から、4セット目の遊技単位期間の終了(5回目の特別入賞口開放遊技の開始)まで、序盤の演出(序盤処理)が演出表示手段15に実行される。この序盤の演出に含まれる画面として、図5E〜図5Gに示す画面のほか、図5Hに示す遊技内容を説明するための画面が含まれる。図5Hに示す画面は、「火が消えるまでは灼熱連鎖ボーナス継続!」というメッセージを有している。
5セット目の遊技単位期間の開始(5回目の特別入賞口開放遊技の開始)から、29セット目の遊技単位期間の終了(30回目の特別入賞口開放遊技の開始)までは、演出表示手段15に中盤の演出(中盤処理)が表示される。この中盤の演出に含まれる画面として、図5I、図5Jおよび図5Kに示す画面を例示することができる。弾球遊技機1の中盤の演出では、江戸時代の捕り物をモチーフとした演出シナリオが複数個用意されており、演出シナリオ決定抽選によって決定された演出シナリオに含まれる演出パターンが表示される。
そして、30セット目の遊技単位期間が開始されると(30回目の特別入賞口開放遊技の開始)、演出表示手段15には、終盤の演出(終盤処理)が表示される。この終盤の演出には、一連の大当たり遊技の終了を報知するための画面(図示しない)が含まれる。そして、特別入賞口開放遊技の最終部分で、図5Lに示す画面が表示される。この図5Lに示す画面は、「灼熱連鎖ボーナス終了! 獲得×××××両!」という獲得遊技球個数を示すメッセージを有している。
そして、30セット目の遊技単位期間の終了後(30回目の特別入賞口開放遊技の終了後)、すなわち一連の大当たり遊技の終了後、50%の確率で時短モードが実行され、50%の確率で通常モードが実行される。一連の大当たり遊技の終了後に時短モードが実行された場合は、その時短モードにおける普通図柄抽選の当選確率が高確率(1/1)であるので、次いで特別図柄始動口開放遊技の実行が開始される。大当たり遊技の終了後、50%の確率で一連の大当たり遊技が再度実行される。この引き続き発生する大当たり遊技を、「復活の大当たり遊技」という。一連の大当たり遊技の終了後に時短モードが実行された場合は、図5Mに示す復活の大当たり遊技を予告する画面が演出表示手段15に表示される。
その後、特別図柄始動口開放遊技が開始され、特別図柄始動口開放遊技中における特別図柄始動口21への遊技球の入球に基づいて特別図柄抽選が実行される。そして、その特別図柄抽選に当選すると、図5Nに示す復活の大当たり遊技が開始される旨の画面が演出表示手段15に表示される。この図5Nに示す画面では、「灼熱継続」というメッセージが表示される。その後、1セット目の遊技単位期間が開始される。そして、2〜4セット目の遊技単位期間では、序盤の演出の演出(図5E〜図5Gに示す画面)が演出表示手段15に表示される。また、5〜29セット目の遊技単位期間では、中盤の演出(図5I、図5Jおよび図5Kに示す画面)が演出表示手段15に表示される。さらに、30セット目の遊技単位期間では、終盤の演出(図5Lに示す画面)が演出表示手段15に表示される。
図6は、普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過または普通図柄始動口18への遊技球の入球に対して主制御基板40が行う入球処理の流れを示すフローチャートである。
この弾球遊技機1による遊技中、主制御基板40は、普通図柄始動ゲートセンサ28からの入力信号の有無に基づいて、普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過したか否かを監視している(ステップS1)。また、主制御基板40は、普通図柄始動口センサ20からの入力信号の有無に基づいて、普通図柄始動口18に遊技球が入球したか否かを監視している(ステップS2)。
普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過または普通図柄始動口18への遊技球の入球があると(ステップS1でYES、またはステップS2でYES)、主制御基板40は、普通図柄保留カウンタ56のカウント値を確認し(ステップS3)、そのカウント値(保留数)が「4」に達していなければ(ステップS3でNO)、普通図柄当たり判定用乱数発生部48から普通図柄当たり判定用乱数を取得する(ステップS4)。主制御基板40は、普通図柄当たり判定用乱数を普通図柄始動記憶部51に記憶させるとともに(ステップS5)、普通図柄保留カウンタ56のカウント値をインクリメント(+1)し(ステップS6)、その後、普通図柄始動口18への入球または普通図柄始動ゲート27への通過に対する処理を終了する。
一方、普通図柄保留カウンタ56のカウント値が「4」であれば(ステップS3でYES)、普通図柄当たり判定用乱数を記憶することなく、普通図柄始動口18への入球または普通図柄始動ゲート27への通過に対する処理を終了する。
図7は、図6に示す入球処理の後の遊技の流れを示すフローチャートである。
普通図柄始動記憶部51に普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると(ステップS11でYES)、主制御基板40は、普図高確率フラグ55の値を確認した上で(ステップS12)、普通図柄抽選の当たり判定を行う(ステップS13,S15)。
弾球遊技機1の遊技状態が確率変動モード中または時短モード中である場合、すなわち、普図高確率フラグ55に「1」の値が記憶されている場合(ステップS12でYES)には、主制御基板40は、高確率(1/1)の判定基準を用いて普通図柄当たり判定を行う(ステップS13)。そして、普通図柄抽選後、主制御基板40は、普通図柄表示手段31の図柄の変動時間をたとえば0.6秒間にセットし(ステップS14)、普通図柄表示手段31の図柄変動を開始させる(ステップS17)。また、主制御基板40は、演出制御基板60に対して制御コマンドを付与する。演出制御基板60はこの制御コマンドに応答して、演出表示手段15の図柄変動を開始させる。具体的には、図柄変動画面(図5A参照)において、複数の演出図柄が上から下に向けて高速でスクロール表示される(図5Aでは、高速でスクロール表示される演出図柄は図示しない)。
一方、弾球遊技機1の遊技状態が通常モード中である場合、すなわち、普図高確率フラグ55に「0」の値が記憶されている場合(ステップS12でNO)には、主制御基板40は、低確率(1/300)の判定基準を用いて普通図柄当たり判定を行う(ステップS15)。そして、普通図柄抽選後、主制御基板40は、普通図柄表示手段31の図柄の変動時間をたとえば15秒間にセットし(ステップS16)、普通図柄表示手段31の図柄変動を開始させる(ステップS17)。また、主制御基板40は、演出制御基板60に対して制御コマンドを付与する。演出制御基板60はこの制御コマンドに応答して、演出表示手段15の図柄変動を開始させる。具体的には、図柄変動画面(図5A参照)において、複数の演出図柄が上から下に向けて高速でスクロール表示される(図5Aでは、高速でスクロール表示される演出図柄は図示しない)。
ステップS14またはステップS16においてセットされた変動時間の経過後(ステップS18でYES)、普通図柄表示手段24の図柄変動が停止され、停止図柄が表示される(ステップS19)。また、普通図柄表示手段24の図柄変動が停止に伴って、演出表示手段15に演出図柄が停止される。
普通図柄抽選の結果がはずれである場合(ステップS20でNO)、停止図柄としてはずれの図柄「−」を表示し、その後、主制御基板40は、普通図柄始動口18への遊技球の入球または普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に対する処理を終了する。この場合、演出制御基板60は、演出表示手段15にはずれの演出図柄の組み合わせを停止表示させる。
一方、普通図柄抽選に当選している場合(ステップS20でYES)、主制御基板40は、停止図柄として当たり図柄「7」を表示し、普通図柄抽選に当選した旨を遊技者に報知する。この場合、演出制御基板60は、演出表示手段15に、当たりの演出図柄の組み合わせを停止表示する。その後、主制御基板40は、第1開閉板23を開動作させて、特別図柄始動口21を3.0秒間開放させるとともに、この特別図柄始動口21の開放を2回繰り返す(特別図柄始動口開放遊技。ステップS21)。その後、普通図柄始動口18への遊技球の入球または普通図柄始動ゲート27への遊技球の通過に対する処理を終了する。
なお、特別図柄始動口開放遊技は、普通図柄抽選の当選確率が高確率であるのか否か、すなわち確率変動モード中または時短モード中であるのか否かによって、特別図柄始動口21の開放時間が異ならせられていてもよい。また、たとえば通常モード中は、確率変動モード中または時短モード中の場合と比較して、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放時間が短く設定されていてもよい。
図8Aおよび図8Bは、特別図柄始動口21に遊技球が入球した場合における遊技の流れを示すフローチャートである。
弾球遊技機1による遊技中、主制御基板40は、特別図柄始動口センサ24からの入力信号の有無に基づいて、特別図柄始動口21に遊技球が入球したか否かを監視している(ステップS31)。
特別図柄始動口21に遊技球が入球すると(ステップS31でYES)、主制御基板40は、特別図柄始動記憶部52に既に乱数値が記憶されていなければ(ステップS32でNO)、特別図柄当たり判定用乱数発生部49から特別図柄当たり判定用乱数を取得する(ステップS33)。また、主制御基板40は、停止図柄決定抽選用乱数発生部50から停止図柄決定抽選用乱数を取得する(ステップS34)。その後、主制御基板40は、特別図柄当たり判定用乱数および停止図柄決定抽選用乱数を特別図柄始動記憶部52に記憶(格納)させる(ステップS35)。
その後、主制御基板40は、特図高確率フラグ54の値を確認した上で(ステップS36)、特別図柄抽選の当たり判定、および停止図柄の種類の判定を行う(ステップS37,S38,S39)。
確率変動モード中である場合、すなわち、特図高確率フラグ54に「1」の値が記憶されている場合(ステップS36でYES)には、主制御基板40は、高確率(1/1)の判定基準を用いて特別図柄当たり判定を行う(ステップS37)。
一方、時短モード中または通常モード中である場合、すなわち、特図高確率フラグ54に「0」の値が記憶されている場合(ステップS36でNO)には、主制御基板40は、低確率(999/1000)の判定基準を用いて特別図柄当たり判定を行う(ステップS38)。
ステップS39における停止図柄の種類の判定では、主制御基板40は、ステップS34の処理において取得された特別図柄用乱数と、図4に示す特別図柄−遊技状態対応テーブルに記された図柄選択割合とに基づいて、4種類の特別図柄(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)の中から1つの特別図柄を選択する。この場合、図柄「1」の選択確率は2%であり、図柄「2」の選択確率は50%である。また、図柄「3」の選択確率は40%であり、図柄「4」の選択確率は8%である。
そして、主制御基板40は特別図柄表示手段29の図柄変動を開始させる(ステップS40)。特別図柄表示手段29には、所定の変動時間の経過後(ステップS41でYES)停止図柄(特別図柄)が停止表示される。特別図柄抽選の結果が当たりの場合は、特別図柄表示手段29に、図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」のいずれかが表示され(ステップS42)、特別図柄抽選の結果がはずれの場合は、特別図柄表示手段29に、図柄「−」(はずれ図柄)が表示される(ステップS42)。
特別図柄抽選の結果が当たりの場合は(ステップS43でYES)、主制御基板40(のコマンド送信部45)は、演出制御基板60(のコマンド受信部65)に対して特別入賞口開放開始インターバルコマンド(F0??H)、リミッタ指定1コマンド(F6??H。許容回数指定コマンド)およびリミッタ指定2コマンド(F7??H。現在連続回数指定コマンド)を送信する(ステップS44,S45)。また、主制御基板40は特別入賞口開放遊技を実行する(ステップS46)。
ステップS46の特別入賞口開放遊技では、所定時間(たとえば0.5秒間)が経過するまで、または特別入賞口22に所定数(たとえば、10球)の遊技球が入球するまで、特別入賞口22を開放するといった動作を1ラウンドとして、このような動作が、所定時間(たとえば、1秒間)のインターバルを挟んで少数のラウンド数(たとえば、2ラウンド)だけ行われる(特別入賞口開放遊技)。
特別入賞口開放遊技後の終了後には、弾球遊技機1の遊技状態は、特別図柄−遊技状態対応テーブルおよび特別入賞口開放遊技の開始時に特別図柄表示手段29に停止表示される停止図柄(特別図柄)の種類に基づいて決定される。
そして、特別入賞口開放遊技の終了後、確率変動モードが実行される場合(ステップS47でYES)、すなわち、リミッタ未作動時でかつ特別入賞口開放遊技の開始にかかる停止図柄が図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」である場合は、特図高確率フラグ54が「1」にセットされるとともに、普図高確率フラグ55が「1」にセットされる。そして、現在連続回数カウンタ57の値がインクリメント(+1)されるとともに、許容回数カウンタ58の値がデクリメント(−1)される(ステップS49)。
また、特別入賞口開放遊技の終了後、時短モードが実行される場合(ステップS47でNOでかつステップS48でYES)、すなわち、特別入賞口開放遊技の開始にかかる停止図柄が図柄「1」である場合、またはリミッタ作動時でかつ特別入賞口開放遊技の開始にかかる停止図柄が図柄「3」または図柄「4」である場合は、特図高確率フラグ54が「0」にセットされるとともに普図高確率フラグ55が「1」にセットされる。そして、現在連続回数カウンタ57の値が「0」にリセットされるとともに許容回数カウンタ58の値が元の値(たとえば「30」)にリセットされる(ステップS50)。
さらに、特別入賞口開放遊技の終了後、通常モードが実行される場合(ステップS47およびステップS48でNO)、すなわち、リミッタ作動時でかつ特別入賞口開放遊技の開始にかかる停止図柄が図柄「2」である場合は、特図高確率フラグ54が「0」にセットされるとともに、普図高確率フラグ55が「0」にセットされる。そして、現在連続回数カウンタ57の値が「0」にリセットされるとともに、許容回数カウンタ58の値が元の値(たとえば「30」)にリセットされる(ステップS51)。
その後、主制御基板40は特別図柄始動口21への遊技球の入球に対する処理を終了する。
図9は、特別入賞口開放遊技開始時に、主制御基板40(のコマンド送信部45)から演出制御基板60(のコマンド受信部65)へ送信される制御コマンドを説明する図である。
制御コマンドは、1バイトのモードデータと、1バイトのイベントデータとを含む2バイト構成である。そして、各制御コマンドでは、モードデータとイベントデータとは、連続して個別に送受される。モードデータは、演出内容の概要部分を指定するためのものであり、16進数2桁の値を有している。イベントデータは、演出内容の具体的部分を指定するためのものであり、01〜7Fの値(16進数2桁)を有している。また、図9に示す各データ(モードデータ、イベントデータ)の後尾に付された「H」という字は添え字であり、16進数であることを意味するためのものである。
弾球遊技機1のモードデータの2桁の値のうち最初の1桁の値は、「A」、「B」、「E」または「F」に設定されている(図9には、モードデータの2桁の値のうち前の1桁の値が「F」のものだけを図示)。そのため、モードデータをビット列で表わしたときの最上位ビットの値は「0」である。また、イベントデータの2桁のうち最初の1桁の値は、「0」〜「7」のいずれかに設定されている。そのため、モードデータをビット列で表わしたときの最上位ビットの値は「0」である。したがって、演出制御基板60は、主制御基板40から受信する制御コマンド(データ)の最上位ビットを判定するだけで、その制御コマンド(データ)がモードデータであるのか、あるいはイベントデータであるかを判別することができる。
特別入賞口開放遊技開始時には、制御コマンドとして、特別入賞口開放開始インターバルコマンド、リミッタ指定1コマンドおよびリミッタ指定2コマンドの3つのコマンドが、主制御基板40から演出制御基板60に対して送信される。特別入賞口開放開始インターバルコマンドの全てのモードデータは「F0」(「F0H」のHは添え字。以下、この項において同じ。)の値を有している。リミッタ指定1コマンドのモードデータは全て「F6」の値を有している。リミッタ指定2コマンドのモードデータは全て「F7」の値を有している。
特別入賞口開放開始インターバルコマンドは、演出制御基板60に対して、特別入賞口開放遊技に対応する演出制御を実行するように指示するコマンドである。特別入賞口開放開始インターバルコマンドのイベントデータは、当該特別入賞口開放遊技の実行時における特別図柄の種別(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」のいずれであるか)に対応する値を有している。また、イベントデータは、当該特別入賞口開放遊技が実行される前の弾球遊技機1の遊技状態(すなわち、確率変動モード、時短モードまたは通常モードのいずれであるのか)に応じて互いに異なる値を有している。
具体的には、特別入賞口開放開始インターバルコマンドのイベントデータの2桁の値のうち後の1桁の値(すなわち、イベントデータの下位4ビットに相当する部分)が、特別入賞口開放遊技の実行時における特別図柄の種別に対応している。特別図柄が図柄「1」である場合は、イベントデータの2桁の値のうち後の1桁の値が「1」であり、特別図柄が図柄「2」である場合は、イベントデータの2桁の値のうち後の1桁の値が「2」である。特別図柄が図柄「3」である場合は、イベントデータの2桁の値のうち後の1桁の値が「3」であり、特別図柄が図柄「4」である場合は、イベントデータの2桁の値のうち後の1桁の値が「4」である。
また、特別入賞口開放開始インターバルコマンドのイベントデータの2桁の値のうち前の1桁の値(すなわち、イベントデータの上位4ビットに相当する部分)が、当該特別入賞口開放遊技が実行される前の弾球遊技機1の遊技状態に対応している。特別入賞口開放遊技前における弾球遊技機1の遊技状態が、通常モードである場合、すなわち普通図柄抽選の当選確率が低確率でかつ特別図柄抽選の当選確率が低確率である場合は、イベントデータの2桁の値のうち前の1桁の値が「0」である。特別入賞口開放遊技前における弾球遊技機1の遊技状態が、時短モードである場合、すなわち普通図柄抽選の当選確率が高確率でかつ特別図柄抽選の当選確率が低確率である場合は、イベントデータの2桁の値のうち前の1桁の値が「1」である。特別入賞口開放遊技前における弾球遊技機1の遊技状態が、確率変動モードである場合、すなわち普通図柄抽選の当選確率が高確率でかつ特別図柄抽選の当選確率が高確率である場合は、イベントデータの2桁の値のうち前の1桁の値が「2」または「3」のいずれかである。この場合、「2」となるのはリミッタ未作動時であり、「3」となるのはリミッタ作動時である。
なお、リミッタ作動時は、リミッタ指定1コマンドの値が「1」になったことに基づいて判断される。
リミッタ指定1コマンドは、許容回数カウンタ58の値、すなわち以後に連続して実行が許容される確率変動モードの回数(確率変動モード中において以後に連続して実行が許容される特別入賞口開放遊技の回数)を、演出制御基板60に対して通知するものである。そして、リミッタ指定1コマンドのイベントデータの値は、この許容される確率変動モードの回数を示している。
リミッタ指定2コマンドは、現在連続回数カウンタ57が現在までに連続して実行された確率変動モードの回数(確率変動モード中において現在までに連続して実行された特別入賞口開放遊技の回数)を、演出制御基板60に対して通知するものである。リミッタ指定2コマンドのイベントデータの値は、連続して実行された確率変動モードの回数を示している。
図10および図11は、普通図柄表示手段31における図柄変動開始から特別入賞口開放遊技の終了に至るまでの主制御基板40による制御を説明するためのタイムチャートである。図10は、一連の大当たり遊技において特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技がそれぞれ1回目である場合を示し、図11は、一連の大当たり遊技において特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技がそれぞれ2回目以降である場合を示す。
通常モード中は普通図柄の変動時間が極めて長いので(たとえば15秒間)、普通図柄の結果(始動記憶)が消化されにくい。
図10(a)を参照して、通常モード中に、普通図柄始動ゲートセンサ28または普通図柄始動口センサ20からの入力信号が検出されると、主制御基板40のCPU41は、普通図柄表示手段31の図柄変動を開始させる(図10(a)に示す普図変動)。普通図柄表示手段31の図柄変動が、所定の変動時間(たとえば15秒間)実行された後、所定の停止図柄(普通図柄)がたとえば0.5秒間停止表示される(図10(a)に示す普図確定)。これにより、普通図柄が確定表示される。その後、普電開放開始インターバル(開放開始インターバル。たとえば5.0秒間)を挟んで、特別図柄始動口開放遊技(図10(a)に示す特図始動口開放)が開始される。
普電開放開始インターバル(たとえば5.0秒間)の期間中、演出表示手段15には、図5Bに示す画面(いわゆる右打ち遊技を促す画面(右打ち示唆演出画面))が表示される。具体的には、普通図柄表示手段31における普通図柄の確定表示後、主制御基板40から演出制御基板60に対して、普図停止コマンドBE01H(図9には図示しない)が送信される。演出制御基板60は、この普図停止コマンドを受信すると、演出表示手段15に図5Bに示す画面を表示する。普電開放開始インターバル(たとえば5.0秒間)の終了後、特別図柄始動口開放遊技が開始される。
特別図柄始動口開放遊技では、たとえば1.0秒間のインターバルを間に挟んで、特別図柄始動口21のたとえば3.0秒間の開放が2回実行される。この特別図柄始動口開放遊技における先の開放(前半部分。たとえば3.0秒間の開放)の開始から、特別図柄始動口21における後の開放(後半部分。たとえば3.0秒間の開放)の終了までの期間は、1、0秒間のインターバルを含めて7.0秒間である。そして、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放時間は通算6.0秒間である。特別図柄始動口開放遊技では、遊技球の入球が容易である。特別図柄始動口21に遊技球が入球すると特別図柄始動口センサ24からの入力信号が検出される。
特別図柄始動口21の開放時間の経過後、主制御基板40のCPU41は第1開閉板23を制御して、特別図柄始動口21を閉塞する。第1開閉板23による特別図柄始動口21の閉塞後、主制御基板40は、排出確認のためにたとえば2.0秒間待つ。前述のように特別図柄始動口センサ24が特別図柄始動口21から所定距離を隔てて配置されている。そのため、特別図柄始動口21に入球した遊技球を、特別図柄始動口センサ24で確実に検出できるように、所定の排出確認期間(たとえば、2.0秒間)だけ待つことにしたものである。
そして、所定の排出確認期間の経過後、たとえば5.0秒間の普電開放終了インターバルの経過を待って、主制御基板40のCPU41は、次の普通図柄の始動記憶に基づく普通図柄変動動作を普通図柄表示手段31に開始させる(図11(a)参照)。
一方、図10(b)を参照して、特別図柄始動口開放遊技中に特別図柄始動口センサ24からの入力信号が検出されると、主制御基板40は、特別図柄表示手段29の図柄変動を開始させる(図10(b)に示す特図変動)。特別図柄表示手段29の図柄変動が、所定の変動時間(たとえば0.6秒間)実行された後、所定の停止図柄(特別図柄)が0.5秒間停止表示される(図10(b)に示す特図確定)。これにより、特別図柄が確定表示される。その後、特別入賞口開放遊技が実行される。
具体的には、特別図柄が確定表示された後、所定の特別入賞口開放開始インターバル(たとえば1.0秒間)の経過後、第2開閉板25が駆動されて特別入賞口22が開放開始される。特別入賞口開放遊技では、特別入賞口22を0.5秒間開放するといった動作を1ラウンドとしてたとえば2.0秒間のインターバルを間に挟んで、2ラウンド行われる。そして、各ラウンドの終了後、すなわち第2開閉板25による特別入賞口22の閉塞後、主制御基板40は、排出確認のためにたとえば2.0秒間待つ。前述のように特別入賞口センサ26が特別入賞口22から所定距離を隔てて配置されているので、特別入賞口22に入球した遊技球を、特別入賞口センサ26で確実に検出できるように、所定の排出確認期間(たとえば2.0秒間)だけ待つことにしたものである。後のラウンドに対応する排出確認期間の終了後、特別入賞口開放終了インターバル(0.5秒間)の経過を待って、特別入賞口開放遊技は終了する。この1回目の特別入賞口開放遊技の終了後は、確率変動モードまたは時短モードが選択的に(ほとんどの場合、確率変動モードが)実行される。
この実施形態では、特別入賞口開放遊技における特別入賞口22の前後2回の開放の間のインターバルの期間が、上記の排出確認期間(最初のラウンド後の排出確認期間)と一致している。すなわち、特別入賞口開放遊技に要する期間は、特別入賞口開放開始インターバル(1.0秒間)、特別入賞口22の2回の開放時間(各0.5秒間)、特別入賞口22の各開放に対応して設けられる排出確認期間(各2.0秒間)、および特別入賞口開放終了インターバル(0.5秒間)を足し合わせた期間(合計6.5秒間)である。
図11(a)を参照して、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技について説明する。普通図柄始動記憶部51に普通図柄の始動記憶がある場合は、主制御基板40のCPU41は、普通図柄抽選の結果に基づく普通図柄変動動作を普通図柄表示手段31に開始させる。このとき弾球遊技機1の状態は、確率変動モードまたは時短モード(ほとんどの場合、確率変動モード)であるので、普通図柄表示手段31の図柄変動が短い変動時間(たとえば0.6秒間)実行された後(図11(a)に示す普図変動)、所定の停止図柄(普通図柄)がたとえば0.5秒間停止表示される。これにより、普通図柄が確定表示される(図11(a)に示す普図確定)。その後、たとえば0.1秒間の普電開放開始インターバルを挟んで、特別図柄始動口開放遊技が実行される(図11(a)に示す特図始動口開放)。この2回目以降の特別図柄始動口開放遊技は、前述の1回目の特別図柄始動口開放遊技と同様の遊技である。そして、その特別図柄始動口開放遊技における所定の排出確認期間(たとえば2.0秒間)の経過後、普電開放終了インターバルの経過を待って、主制御基板40のCPU41は、次の普通図柄の始動記憶(普通図柄抽選の結果)に基づく普通図柄変動動作を普通図柄表示手段31に開始させる。
2回目以降の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルが複数種類(たとえば3種類。たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間)用意されている。具体的には、主制御基板40は、各特別図柄始動口開放遊技に関連して、普電開放終了インターバルとして3種類のうちから1つを選択的に決定する。そして、主制御基板40は、選択された普電開放終了インターバルを実行する。そのため、普電開放終了インターバルの期間が特別図柄始動口開放遊技ごとに異なる。なお、普通図柄の当たり図柄を複数種類設け、当たり図柄の種類に応じて普電開放終了インターバルの期間を選択するようにしてもよい。
そして、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技において、特別図柄始動口開放遊技中に特別図柄始動口センサ24からの入力信号が検出されると、図11(b)に示すように、主制御基板40は、特別図柄表示手段29の図柄変動を開始させる。特別図柄表示手段29の図柄変動が、所定の変動時間(たとえば0.6秒間)実行された後(図11(b)に示す特図変動)、所定の停止図柄(特別図柄)が0.5秒間停止表示される。これにより、特別図柄が確定表示される(図11(b)に示す特図確定)。その後、特別入賞口開放遊技が実行される。この特別入賞口開放遊技は、前述の1回目の特別入賞口開放遊技と同様のものである。すなわち、特別入賞口開放遊技に要する期間は、特別入賞口開放開始インターバル(1.0秒間)、特別入賞口22の2回の開放時間(各0.5秒間)、特別入賞口22の各開放に対応して設けられる排出確認期間(各2.0秒間)および特別入賞口開放終了インターバル(0.5秒間)を足し合わせた期間(合計6.5秒間)である。
前述のように、特別図柄始動口21が複数個(3〜4個)の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成されている。そのため、各特別図柄始動口開放遊技において、当該特別図柄始動口開放遊技の開始から間もなく、特別図柄始動口21に遊技球が入球するようになる。
しかしながら、1回目の特別図柄始動口開放遊技の開始時には、右打ち遊技が開始されてから間がないので、遊技球が、特別図柄始動口21への流れが集まらないことも考えられる。この場合、特別図柄始動口開放遊技の開始後しばらくの期間が経過しても、特別図柄始動口21に遊技球が入球しないことが考えられる。
弾球遊技機1では、2回目の特別図柄始動口開放遊技の普電開放開始インターバルの期間が0.1秒間に設定されているのに対し、1回目の特別図柄始動口開放遊技の普電開放開始インターバルの期間が5.0秒間に設定されている。そのため、特別図柄始動口開放遊技の開始タイミングを、特別図柄始動口21への流れができるまで遅らせることができる。そして、特別図柄始動口開放遊技の開始直後から、特別図柄始動口21に遊技球を入球させることができる。
そして、1回目の特別入賞口開放遊技では、普電開放開始インターバル(5.0秒間)中に、演出表示手段15に右打ち指示画面(図5B参照)が表示されている(図10(a)に示す右打ち示唆期間)。そのため、この右打ち指示に従って遊技者が右打ち遊技を行う。すると、普電開放開始インターバル(5.0秒間)の経過時、すなわち、特別図柄始動口21の開放開始時に、遊技盤2を流下する遊技球を、特別図柄始動口21の周囲に集めることができる。
この弾球遊技機1の一連の大当たり遊技では、前述のように特別図柄始動口開放遊技および特別入賞口開放遊技が連続して実行されることにより構成されているが、この一連の大当たり遊技において、特別入賞口開放遊技中に普通図柄抽選が実行された場合は、一連の大当たり遊技における特別図柄始動口開放遊技の連続性が失われることになる。以下、具体的に説明する。
前述のように、弾球遊技機1の遊技状態が確率変動モード中、時短モード中または通常モードのいずれにあるかに拘わらず(特図高確率フラグ54または普図高確率フラグ55に「1」がセットされているか否かに拘わらず)、特別入賞口開放遊技中は、弾球遊技機1の遊技状態が通常モードにある。したがって、特別入賞口開放遊技中(特別入賞口開放開始インターバルの開始から特別入賞口開放終了インターバルの経過まで)に、特別入賞口開放遊技が終了し普通図柄の始動記憶がある場合、その始動記憶に対応する普通図柄抽選は、低確率(1/300)の当選確率で実行される。
普通図柄抽選の当選確率が低確率(1/300)のとき、当該普通図柄抽選に対応する普通図柄の変動動作が長い変動時間(たとえば15秒間)となる。そして、図柄の変動動作にリーチなど含まれている場合は、普通図柄の変動時間はさらに長くなる。
弾球遊技機1では、通常、特別図柄始動口開放遊技(2回目以降の特別図柄始動口開放遊技)における特別図柄始動口21の開放の終了から次の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放の開始までの間の期間は、排出確認期間(たとえば、2.0秒間)、普電開放終了インターバル(たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間)、普通図柄の変動時間(たとえば0.6秒間)、普通図柄の確定時間(たとえば0.5秒間)および普電開放開始インターバル(たとえば0.1秒間)を足し合わせた期間(たとえば、合計3.7秒間、合計4.2秒間または合計4.7秒間)である。
これに対し、普通図柄抽選が低確率(1/300)で実行された場合は、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放の終了から次の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放の開始までの間の期間は、この期間(たとえば、合計3.7秒間、合計4.2秒間または合計4.7秒間)に、普通図柄の変動時間(たとえば15秒間)および普電開放開始インターバル(5.0秒間)を置き換えた期間(たとえば、合計23.0秒間、合計23.5秒間または合計24.0秒間)となる。
したがって、特別入賞口開放遊技中に普通図柄抽選が実行された場合は、特別図柄始動口開放遊技同士の間に長いインターバルが生じ、一連の大当たり遊技における特別図柄始動口開放遊技の連続性が失われることになる。この弾球遊技機1では、大当たり遊技中に普通図柄抽選が低確率で抽選されないように、次に述べる対策が講じられている。
ある特別図柄始動口開放遊技に対応する特別入賞口開放遊技中に、当該特別図柄始動口開放遊技の次の特別図柄始動口開放遊技に先立って普通図柄が変動開始された場合を想定する。
1回目の特別入賞口開放遊技が終了していないうちに2回目の特別図柄始動口開放遊技が終了すると、特別入賞口開放遊技中に普通図柄抽選が実行されて、その結果、普通図柄抽選が低確率(たとえば、1/300)で抽選されるおそれがある。
言い換えれば、普通図柄抽選が低確率(1/300)で実行されないためには、各特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口開放遊技の終了タイミング(以下、「特別図柄始動口開放終了タイミング」という。すなわち、普電開放終了インターバルの経過時)が、当該特別図柄始動口開放遊技に対応する特別入賞口開放遊技の終了タイミング(以下、「特別入賞口開放終了タイミング」という。すなわち、特別入賞口開放終了インターバルの経過時)よりも常に遅くなることが望ましい。
特別図柄始動口開放終了タイミングを特別入賞口開放終了タイミングよりも常に遅くさせる手法として、特別図柄始動口開放遊技において、特別図柄始動口21の開放開始から特別図柄始動口開放遊技終了(すなわち、普電開放終了インターバルの経過時)までの期間を、特別入賞口開放遊技の全期間よりも、著しく長く設定することが考えられる。
しかしながら、1回の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放時間は通算6.0秒間以内に設定しなければならないとする制約があることから、特別図柄始動口開放遊技の期間をあまり長期に設定することはできない。その一方で、特別入賞口開放遊技では、1回の特別入賞口開放遊技中に複数ラウンドの特別入賞口開放遊技を実行させる必要があり、しかも、各ラウンドにおける特別入賞口22への遊技球の入球に対し、排出確認期間(たとえば、2.0秒間)が設けられている。そのため、特別入賞口開放遊技の期間をあまり短期に設定することもできない。さらに、前述のように、特別入賞口開放遊技は、対応する特別図柄始動口開放遊技中における特別図柄始動口21への遊技球の入球に基づいて開始される。遊技盤2を流下する遊技球が特別図柄始動口21に入球するタイミングを想定するのは難しい。
弾球遊技機1では、図11(a)に示すように、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技に関連して、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の最初の開放後の期間(たとえば9.5秒間、10.0秒間または10.5秒間)が、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21への遊技球の想定入球期間(図11(a)に示す前付加期間)に、特別入賞口開放遊技の全期間(たとえば合計6.5秒間)、特別図柄の変動時間(たとえば0.6秒間)および特別図柄の確定時間(たとえば0.5秒間)を足し合わせた期間(たとえば9.1秒間)よりも長くなるように設定されている。
そのため、大抵の場合において、特別図柄始動口開放終了タイミングを、特別入賞口開放終了タイミングよりも遅くさせることでき、これにより、次の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルの終了前に、前の特別図柄始動口開放遊技に対応する特別入賞口開放遊技を終了させることができる。
「想定入球期間(前付加期間)」とは、特別図柄始動口開放遊技の開始から、1球の遊技球が特別図柄始動口21に入球するのに十分な期間のことをいう。そのため、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技では、その開放後間もなく(たとえば1.5秒間以内に)、特別図柄始動口21に遊技球が入球するようになる。
2回目以降の特別図柄始動口開放遊技における普電開放開始インターバルの期間は、たとえば0.1秒間に設定されている。また、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルとして、たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間の普電開放終了インターバルが用意されている。そのため、特別図柄始動口開放遊技全体の期間は、普電開放開始インターバル(たとえば0.1秒間)、特別図柄始動口21の2回の開放時間(たとえば各3.0秒間)、特別図柄始動口21の2回の開放の間のインターバル(たとえば1.0秒間)、特別図柄始動口21の各開放に対応して設けられる排出確認期間(たとえば各2.0秒間)、および普電開放終了インターバル(たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間)を足し合わせた期間(たとえば9.6秒間、10.1秒間または10.6秒間)である。そして、特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の最初の開放後の期間は、特別図柄始動口開放遊技全体の期間から、普電開放開始インターバル(たとえば0.1秒間)を差し引いた期間(たとえば9.5秒間、10.0秒間または10.5秒間)である。
これに対し、2回目以降の特別入賞口開放遊技の全期間は、前述のようにたとえば合計6.5秒間である。
また、前述のように、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技では、互いに期間の異なる普電開放終了インターバルが複数種類(たとえば3種類。たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間)用意されている。
普電開放終了インターバルの期間が一定であると、特別図柄始動口21の開閉動の終了後、その次の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開閉動作の開始までの間の期間が一定になる。そのため、弾球遊技機1で何度か遊技した遊技者は、特別図柄始動口21の開放の終了から次の特別図柄始動口21の開放までの時間を知得することが可能である。そして、発射した遊技球が、特別図柄始動口21の開放時に特別図柄始動口21に到達するような発射タイミングで遊技球を発射させることが可能になる。
ハンドル10には、押し込み操作可能な発射停止ボタン(図示しない)が突出して設けられている。この発射停止ボタンを押し込み操作することにより、ハンドル10の回転操作に拘わらず、発射装置(図示しない)から遊技球が発射されなくなるようになっている。遊技者は、この発射停止ボタンを押し込み操作することにより遊技球の発射を停止させておいて、特別図柄始動口21の開放時に遊技球が特別図柄始動口21に到達するような前記の発射タイミングで、発射停止ボタンの押し込み操作を解除することにより、遊技球を発射させることができる。このような操作は、止め打ちと呼ばれ、この止め打ちが行われると、遊技球の消費が抑えられ、弾球遊技機1を設置している遊技店の売上げが減少するおそれがある。
しかしながら、弾球遊技機1では、各特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルの期間が一定ではない(不定である)。そのため、特別図柄始動口21の開放終了後、その次の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21の開放開始までの間の期間が一定ではない(不定である)。したがって、特別図柄始動口21の開放時を狙って遊技球を発射させることができない。これにより、遊技者による止め打ちを防止することができる。
また、1回目の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルの期間は、たとえば5.0秒間に設定されている。1回目の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバルは、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技における普電開放終了インターバル(たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間)と比較して、長い期間に設定されている。この理由は、次に述べる。
前述のように、1回目の特別図柄始動口開放遊技の普電開放開始インターバルの期間(図10(a)に示す右打ち示唆期間)は、前述のようにたとえば5.0秒間に設定されている。そして、1回目の特別図柄始動口開放遊技では、普電開放開始インターバル(5.0秒間)中に、演出表示手段15に右打ち示唆演出画面(図5B参照。右打ち示唆期間)が表示されるので、特別図柄始動口21の周囲に集めることができる。
しかしながら、遊技盤2における障害釘の配置状況、ならびに特別図柄始動口21の配置位置およびサイズなどによっては、右打ち遊技の開始(すなわち、右打ち遊技の指示開始)から5.0秒間を経過しても、遊技球が特別図柄始動口21に十分に集めることができないことも考えられる。この場合、普電開放開始インターバルの長さを、5.0秒間を超えて設定することもできるが、そうすると、普通図柄表示手段31に普通図柄(当たり図柄)の停止表示後(演出表示手段に当たりの演出図柄の組み合わせが表示された後)、特別図柄始動口開放遊技の開始までに非常に長い間隔が空くことになり好ましくない。
この実施形態における特別図柄始動口開放遊技では、特別図柄始動口21における先の開放(前半部分。たとえば3.0秒間の開放)の開始から、特別図柄始動口21における後の開放(後半部分。たとえば3.0秒間の開放)の終了までの期間は、1.0秒間のインターバルを含めて7.0秒間である。また、特別図柄始動口21に入球した遊技球は保留されないので、特別図柄始動口開放遊技中に1球の始動球を入球させさえすれば十分である。
この場合、2回目の特別図柄始動口開放遊技における想定入球期間は1.5秒間に設定されている(右打ち遊技が行われている場合は、特別図柄始動口開放遊技の開始後間もなく遊技球が入球する)のに対し、1回目の特別図柄始動口開放遊技における想定入球期間は5.9秒間と比較的長く設定されている。図10(b)では、1回目の特別図柄始動口開放遊技中における5.9秒間の想定入球期間の終了間際(考えられる最も遅いタイミングでの遊技球の入球)に特別図柄始動口21に入球した遊技球に基づいて特別入賞口開放遊技が実行される場合を例に挙げて説明している。
ところで、1回目の特別図柄始動口開放遊技における想定入球期間が長いので、その想定入球期間(5.9秒間)の経過後から、当該特別図柄始動口開放遊技の終了までの期間は、特別図柄始動口21の残りの開放期間(1.1秒間)に、排出確認期間(たとえば、2.0秒間)と、普電開放終了インターバルとを足し合わせた期間になる。そして、普電開放終了インターバルが比較的短い期間に設定されていると、1回目の特別入賞口開放遊技(1回目の特別図柄始動口開放遊技に基づいて実行される(発生する)特別入賞口開放遊技)が終了しないうちに、次の回、すなわち2回目の普通図柄の抽選が開始するおそれがある。
そのため、弾球遊技機1では、1回目の特別図柄始動口開放遊技の普電開放終了インターバルの期間(たとえば5.0秒間)が、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技の普電開放終了インターバルの期間(たとえば0.5秒間、1.0秒間または1.5秒間のいずれか)よりも長い時間に設定されている。これにより、2回目の普通図柄抽選の開始タイミングを、1回目の特別入賞口開放遊技の終了タイミングよりも遅くすることができる。これにより、1回目の特別入賞口開放遊技の終了タイミング、すなわち普通図柄抽選の当選確率が低い期間(図10(b)に示す普図低確率期間)に、普通図柄抽選の実行を防止することができる。
なお、2回目以降の特別図柄始動口開放遊技では、特別図柄始動口21の開放の開始(前半の開放の開始)から、特別図柄始動口21の開放の終了(後半の開放の終了)までの期間は、7.0秒間に限られないが、特別図柄の変動時間(たとえば0.6秒間)と、特別図柄の図柄確定時間(たとえば0.5秒間)と、特別入賞口開放遊技(たとえば、6.5秒間)とを足し合わせた期間(たとえば7.6秒間)よりも短いことが望ましい。この場合、特別図柄始動口開放遊技に対応する特別入賞口開放遊技が終了する前に、特別図柄始動口21が閉塞される。そのため、1つの特別図柄始動口開放遊技に対応して2つの(複数の)特別入賞口開放遊技が実行されることが確実に防止される。この弾球遊技機1は、一連の大当たり遊技中において、特別図柄始動口開放遊技と特別入賞口開放遊技とを1対1で対応させることを前提にしているので、1つの特別図柄始動口開放遊技に対応して2回の特別入賞口開放遊技が実施されると、弾球遊技機1のゲーム性が崩れるおそれがある。しかし、1回目の特別図柄始動口開放遊技に対応して2つの(複数の)特別入賞口開放遊技が実行されることが確実に防止されるので、弾球遊技機1のゲーム性が崩れるおそれがない。
そして、最終回の特別入賞口開放遊技が終了すると、一連の大当たり遊技は終了する。最終回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口開放終了インターバルの有無またはその態様は、当該特別入賞口開放遊技に対応する特別図柄の種別(図柄「1」、図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」)に基づいて異なっている。
図12は、最終回(30回目)の特別入賞口開放遊技の特別入賞口開放終了インターバを説明するための図である。最終回の特別入賞口開放遊技は、いわゆるリミッタ作動時である。
最終回の特別入賞口開放遊技に対応する特別図柄が図柄「2」である場合は、最終回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口開放終了インターバルとして、特別入賞口開放終了インターバル(1)が実行される。図柄「2」はいわゆる通常図柄であり、最終回の特別入賞口開放遊技の終了後(すなわち、一連の大当たり遊技の終了後)、弾球遊技機1の遊技状態は通常モードになる。
特別入賞口開放終了インターバル(1)の長さは、所定の第1の期間(たとえば、10秒間)に設定されている。この特別入賞口開放終了インターバル(1)では、その全期間にわたって、エンディングのための演出が実行される。具体的には、演出表示手段15には図5Lに示す画面が表示される。また、音声発生手段13からは、図5Lの画面に対応する音声が出力される。さらに、演出ランプ17は、図5Lの画面に対応する態様で点灯/消灯される。
特別入賞口開放終了インターバル(1)の経過後、特別入賞口開放遊技が終了する。その後、弾球遊技機1の遊技状態は通常モードになる。そのため、復活の大当たり遊技は実行されない。なお、図柄「2」の選択確率は50%である。
最終回の特別入賞口開放遊技に対応する特別図柄が図柄「3」である場合は、最終回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口開放終了インターバルとして、特別入賞口開放終了インターバル(2)が実行される。図柄「3」はいわゆる時短図柄であり、最終回の特別入賞口開放遊技の終了後(すなわち、一連の大当たり遊技の終了後)、弾球遊技機1の遊技状態は時短モードになる。
特別入賞口開放終了インターバル(2)の長さは、第1の期間と所定の第2の期間(たとえば、10秒間)とを足し合わせた期間(たとえば、20秒間)に設定されている。この特別入賞口開放終了インターバル(2)では、当該インターバルの開始から第1の期間(たとえば、10秒間)にわたって、エンディングのための演出が実行される。第1の期間の経過後、次いで、復活のための演出が第2の期間にわたって実行される。この第2の期間では、演出表示手段15に、図5Mに示す画面が表示される。また、音声発生手段13からは、図5Mに示す画面に対応する音声が出力される。さらに、演出ランプ17は、図5Mに示す画面に対応する態様で点灯/消灯される。終盤の演出処理の終了後、序盤フラグ72に「0」がセット(記憶)される(ステップS73)。その後、演出制御基板60による処理は終了する。
特別入賞口開放終了インターバル(2)の経過後、特別入賞口開放遊技が終了し、その後、復活の大当たり遊技は実行される。なお、図柄「3」の選択確率は40%である。
最終回の特別入賞口開放遊技に対応する特別図柄が図柄「4」である場合は、最終回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口開放終了インターバルとして、特別入賞口開放終了インターバル(3)が実行される。図柄「4」はいわゆる時短図柄であり、最終回の特別入賞口開放遊技の終了後(すなわち、一連の大当たり遊技の終了後)、弾球遊技機1の遊技状態は時短モードになる。
特別入賞口開放終了インターバル(3)の長さは、第1の期間と所定の第3の期間(たとえば、30秒間)と第2の期間とを足し合わせた期間(たとえば、50秒間)に設定されている。この特別入賞口開放終了インターバル(3)では、当該インターバルの開始から第1の期間(たとえば、10秒間)にわたって、エンディングのための演出が実行される。第1の期間の経過後、次いで、普通図柄の変動時における演出が第3の期間にわたって実行される。この第3の期間では、演出表示手段15に図柄変動画面(図5A参照)が表示され、この図柄変動画面で、複数の演出図柄が上から下に向けて高速でスクロール表示される(図5Aでは、高速でスクロール表示される演出図柄は図示しない)。また、音声発生手段13からは、スクロール表示に対応する音声が出力される。さらに、演出ランプ17は、スクロール表示に対応する態様で点灯/消灯される。第3の期間の経過後、次いで、復活のための演出が第2の期間にわたって実行される。具体的には、演出表示手段15に、図5Mに示す画面が表示される。終盤の演出処理の終了後、序盤フラグ72に「0」がセット(記憶)される(ステップS73)。その後、演出制御基板60による処理は終了する。
特別入賞口開放終了インターバル(3)の経過後、特別入賞口開放遊技が終了し、その後、復活の大当たり遊技は実行される。なお、図柄「4」の選択確率は8%である。
なお、図5Mに示す画面とともに、いわゆる右打ち遊技を促す画面(右打ち示唆演出画面。たとえば図5Bのような画面)が表示されていてもよい。また、図5Mに示す画面に、図5Bに示す右打ち遊技中の遊技盤2の盤面を模した画像や、図5Bに示す「右打ちしてください」というメッセージ表示が組み込まれていてもよい。
なお、特別入賞口開放遊技に対応する特別図柄が図柄「1」の場合は、リミッタ未作動時と同様の特別入賞口開放終了インターバルが実行され、中盤の演出(中盤処理)が継続されるため、一連の大当たり遊技は終了しない。
つまり、最終回の特別図柄抽選に対応する特別図柄が図柄「1」である場合は、エンディング演出が実行されない。それに対し、最終回の特別図柄抽選に対応する特別図柄が図柄「2」、図柄「3」または図柄「4」である場合は、エンディング演出が実行される。
そして、最終回の特別図柄抽選に対応する特別図柄が図柄「2」である場合は、エンディング演出後、直ちに特別入賞口開放遊技が終了するのに対し、最終回の特別図柄抽選に対応する特別図柄が図柄「3」である場合は、エンディング演出後、復活演出が実行される。また、最終回の特別図柄抽選に対応する特別図柄が図柄「4」である場合は、エンディング演出後、普通図柄の変動の演出および復活演出が、この順が実行される。
図13A、図13Bおよび図13Cは、特別入賞口開放遊技開始時における演出制御基板60による制御の流れを示すフローチャートである。演出制御基板60のCPU61(のコマンド受信部65)は、図8BのステップS44で主制御基板40(のコマンド送信部45)が送信した特別入賞口開放開始インターバルコマンドを受信し(ステップS61)、また、図8BのステップS45で主制御基板40(のコマンド送信部45)が送信したリミッタ指定1コマンドおよびリミッタ指定2コマンドを受信する(ステップS62)。CPU61(のコマンド受信部65)が、特別入賞口開放開始インターバルコマンド、リミッタ指定1コマンドおよびリミッタ指定2コマンドを受信すると(ステップS61でYESかつ、ステップS62でYES)、序盤フラグ72の値をチェックする(ステップS63)。CPU61は、序盤フラグ72の値が「0」であるとき(ステップS63でNO)、受信したリミッタ指定2コマンドの種別およびリミッタ指定1コマンドの種別に基づいて、何回目の特別入賞口開放遊技であるかを判別する(ステップS64,S66,S69)。
コマンド受信部65が受信したリミッタ指定2コマンドの種別がF701H(モードデータの値が「F7」でイベントデータの値が「01」)である場合、すなわち、確率変動連続実行回数が1回である場合(すなわち、1回目の特別入賞口開放遊技である場合。ステップS64でYES)、一連の大当たり遊技が開始された旨の演出を実行する(S65:最初演出処理)。具体的には、演出制御基板60は、演出表示手段15に図5Dに示す画面を表示する。また、演出制御基板60の音声制御部67は、この図5Dの画面に対応する音声を出力する。さらに、演出制御基板60のランプ制御部68は、この図5Dの画面に対応する態様で、演出ランプ17の点灯制御を行う。最初演出処理の終了後、演出制御基板60による処理は終了する。
また、受信したリミッタ指定2コマンドの種別がF702H、F703HまたはF704Hのいずれかである場合、すなわち、確率変動連続実行回数が2〜4回である場合(すなわち、2〜4回目の特別入賞口開放遊技である場合。ステップS64でNOでかつステップS66でNO)は、一連の演出動作のうち序盤の演出が実行される(S67:序盤処理)。具体的には、演出制御基板60は、演出表示手段15に図5E〜図5Gに示す画面、または図5Hに示す画面を表示する。また、演出制御基板60の音声制御部67は、各画面に対応する音声を出力する。さらに、演出制御基板60のランプ制御部68は、各画面に対応する態様で、演出ランプ17の点灯制御を行う。ステップS67の序盤処理の終了後、序盤フラグ72に「1」の値がセット(記憶)される(ステップS68)。そして、演出制御基板60のCPU61による処理は終了する。
また、この実施形態では、確率変動連続実行回数が5回(基準回数)以上である(に達した)場合(5回以上の特別入賞口開放遊技である場合)、CPU61は、リミッタ指定2コマンドではなく、リミッタ指定1コマンドを参照する。
そのため、受信したリミッタ指定2コマンドの種別がF705H以降の範囲内にある場
合(F705H、F706H…である場合)(ステップS64でNOでかつステップS66でYES)、CPU61は、リミッタ指定2コマンドの値ではなく、リミッタ指定1コマンドの値を参照する(ステップS69)。そして、リミッタ指定1コマンドの種別がF619H以内にある場合(F619H、F618H、…である場合)、すなわち、残りの特別入賞口開放遊技の回数が25回以内である場合(確率変動連続実行回数が5回以上である場合。5回目以降の特別入賞口開放遊技である場合。ステップS64でNO、ステップS66でYESかつステップS69でYES)は、ステップS74に移行する。
なお、ステップS69の判断において、「リミッタ指定1コマンドの種別がF619H以内にある場合(残りの特別入賞口開放遊技の回数が25回以内である場合)」であるか否かを問わず、ステップS74に移行するものであってもよい。この場合、確率変動連続実行回数の制限回数を変更(たとえば「30」から「40」に変更)するような仕様変更が施されても、演出制御基板60側の変更が不要である。
一方、ステップS63においてチェックされた序盤フラグ72の値が「1」であるとき(ステップS63でYES)は、リミッタが作動していないことを条件に(ステップS71でNO)、ステップS74に移行する。そして、受信した特別入賞口開放開始インターバルコマンドの種別がF032H、F033HまたはF034Hのいずれかである場合(ステップS71でYES)、すなわち、リミッタの作動時は、一連の大当たり遊技が終了する旨の演出(終盤の演出)を実行する(S72:終盤処理)。終盤処理の終了後、序盤フラグ72に「0」がセット(記憶)される(ステップS73)。その後、演出制御基板60による処理は終了する。
次いで、ステップS74では、抽選可能フラグ74の値が「1」であるか否かが判別される。この抽選可能フラグ74は、演出シナリオ決定抽選の実行が必要であるか否かを示すためのフラグである。
演出シナリオ決定抽選は、演出パターンの演出動作を実行するか否かを決定するとともに、演出パターンの演出動作を実行すると決定される際に、実行される演出シナリオを決定するものである。この演出シナリオ決定抽選は、特別入賞口開放遊技の開始のタイミングで実行される(ステップS75)。
演出シナリオ決定抽選の結果、所定の演出を実行すると決定される場合は(ステップS76でYES)、抽選可能カウンタ75に、シナリオ決定抽選によって抽選されたシナリオに含まれる演出パターンの数がセットされる(ステップS80)とともに、主制御基板40は、抽選可能フラグ74に「0」の値をセットして(ステップS77)、ステップS78に移行する。一方、抽選可能フラグ74の値が「0」であるとき(ステップS74でNO)、ステップS78に移行する。
次いで、ステップS78では、演出可能フラグ73の値が「1」であるか否かが判別される。この演出可能フラグ73は、演出表示手段15、音声発生手段13または演出ランプ17による演出の実行が可能であるか否かを示すためのフラグである。演出の実行が可能な状態では、演出可能フラグ73には「1」の値がセット(記憶)されている。また、演出実行中など演出の実行が不能な状態では、演出可能フラグ73には「0」がセット(記憶)されている。
演出可能フラグ73の値が「1」であるとき(ステップS78でYES)、演出可能フラグ73に「0」の値がセットされる(ステップS79)。そして、中盤の演出(中盤処理)が実行される(S81:演出パターン実行)。具体的には、演出制御基板60は、演出表示手段15に図5Iに示す画面、図5Jに示す画面、図5Kに示す画面などを表示する。また、演出制御基板60の音声制御部67は、各画面に対応する音声を出力する。さらに、演出制御基板60のランプ制御部68は、各画面に対応する態様で、演出ランプ17の点灯制御を行う。
中盤の演出の終了後、演出可能フラグ73に「1」の値がセット(記憶)されるとともに、抽選可能カウンタ75の値がデクリメント(「−1」)される(ステップS82,S83)。そして、抽選可能カウンタ75の値が「0」になった場合は(ステップS84でYES)、抽選可能フラグ74に「1」の値がセット(記憶)される(ステップS85)。すなわち、当該演出シナリオ決定抽選により、前回決定された演出シナリオに含まれる全ての演出パターンの演出動作が終了したタイミングで、抽選可能フラグ74に「1」の値がセット(記憶)されて(ステップS85)、演出シナリオ決定抽選の実行が可能になる。すなわち、当該演出シナリオ決定抽選により、前回決定された演出シナリオに含まれる全ての演出パターンの演出動作が終了したタイミングでなければ、演出シナリオ決定抽選は実行されない。その後、演出制御基板60による処理は終了する。
演出表示手段15、音声発生手段13または演出ランプ17には、演出シナリオ決定抽選によって抽選決定された演出シナリオに沿った演出が実行される。
図14は、演出シナリオ決定抽選の際に用いられる演出シナリオ決定テーブルの一例を示す図である。
具体的には、図14に示すように、弾球遊技機1には複数(種類)の演出シナリオが用意されている。演出シナリオ決定抽選によって、複数の演出シナリオから一の演出シナリオが抽選決定される。この実施形態では、弾球遊技機1に6種類の演出シナリオが用意されている場合を例に挙げて説明しているが、それ以上の数の演出シナリオが用意されていてもよいのは言うまでもない。
図14に示すように、この弾球遊技機1には、演出パターンの数が4の演出シナリオとしてシナリオ「XXXA」が用意されている。シナリオ「XXXA」は、「X」という演出パターンの実行が3回繰り返された後、「A」という演出パターンが1回実行される。また、演出パターンの数が3の演出シナリオとしてシナリオ「XXA」とシナリオ「XXB」とが用意されている。このシナリオ「XXA」は、「X」という演出パターンの実行が2回繰り返された後「A」という演出パターンが1回実行される演出シナリオである。また、シナリオ「XXB」は、「X」という演出パターンの実行が2回繰り返された後「B」という演出パターンが1回実行される演出シナリオである。また、演出パターンの数が2の演出シナリオとしてシナリオ「XB」とシナリオ「XC」とが用意されている。シナリオ「XB」は、「X」という演出パターンが1回実行された後「B」という演出パターンが1回実行される演出シナリオである。シナリオ「XC」は、「X」という演出パターンが1回実行された後「C」という演出パターンが1回実行される演出シナリオである。また、演出パターンの数が1の演出シナリオとして「C」という演出パターンが1回実行されるシナリオ「C」が用意されている。なお、「X」という演出パターンは、必ずしも単一種の演出パターンには限られないが、「X」という演出パターンの長さは、それぞれ同じに設定されている。
また、この演出シナリオ決定抽選では、演出パターンを実行しない旨が決定される(図14に示す演出シナリオ決定テーブルに「−」で表示)。すなわち、この演出シナリオ決定抽選は、演出パターンの演出動作を実行するか否かを決定するための抽選と、演出パターンの演出動作を実行する際に、演出シナリオを決定する抽選とを兼ねている。
この6つの演出シナリオのうちいずれの演出シナリオが抽選決定されるかは、演出シナリオ決定抽選時における残りの遊技単位期間のセット数(残りの確率変動連続実行回数(以後に連続して実行が許容される確率変動モードの回数))に基づいて異なっている。
すなわち、図13AのステップS62のタイミングで受信したリミッタ指定1コマンド(またはリミッタ指定2コマンド)から導かれる確率変動連続実行回数に基づいて、採用される抽選テーブルが異なる。
そして、演出パターンの実行時には、表示制御部66は、演出シナリオ決定抽選によって決定された演出シナリオに含まれる演出パターンの表示データを、演出パターンデータ記憶部70から読み出す。そして、表示制御部66は、この表示データに基づいて、演出表示手段15を表示制御する。また、音声制御部67は、演出シナリオ決定抽選によって決定された演出シナリオに含まれる演出パターンの音声データを、演出パターンデータ記憶部70から読み出す。そして、音声制御部67は、この音声データに基づいて、音声発生手段13の出力動作を制御する。さらに、ランプ制御部68は、演出シナリオ決定抽選によって決定された演出シナリオに含まれる演出パターンのランプ制御データを、演出パターンデータ記憶部70から読み出す。そして、ランプ制御部68は、演出パターンデータ記憶部70に記憶されているランプ制御データに基づいて、演出ランプ17の点灯/消灯を制御する。
具体的には、一連の大当たり遊技における残りの遊技単位期間のセット数が少なくなるのに従って(実行済みの確率変動連続実行回数が多くなるのに従って)、含有する演出パターン数の少ない演出シナリオが選択される。演出シナリオ決定抽選の結果演出が実行される場合において、演出シナリオ決定抽選による選択される演出シナリオに含まれる演出パターンの平均の数は、残り2セット以上残り4セット以下の場合(ステップS62で受信するリミッタ指定1コマンドがF602H、F603HまたはF604Hである場合)1であり、残り5セット以上残り9セット以下の場合(ステップS62で受信するリミッタ指定1コマンドがF605H、F606H、F607H、F608HまたはF609Hである場合)1.65であり、残り10セット以上残り14セット以下の場合(ステップS62で受信するリミッタ指定1コマンドがF60AH、F60BH、F60CH、F60DHまたはF60EHである場合)1.93であり、残り15セット以上残り19セット以下の場合(ステップS62で受信するリミッタ指定1コマンドがF60FH、F610H、F611H、F612HまたはF613Hである場合)2.39であり、残り20セット以上の場合(ステップS62で受信するリミッタ指定1コマンドが、F614H、F615H、…、F618H、F619Hである場合、またはステップS62で受信するリミッタ指定2コマンドが、F701H、F702H、F703HもしくはF704Hである場合)2.93である。すなわち、一連の大当たり遊技における残りの遊技単位期間のセット数が少なくなるのに従って、含有する平均演出パターン数は少なくなる。
図15は、中盤の演出時における演出シナリオの表示開始タイミングを説明するための図である。図15では、演出シナリオとして、演出シナリオ決定抽選においてシナリオ「XXA」が抽選決定された場合を例に挙げて説明する。
この場合、演出パターンXの演出が実行されるのに要する期間は、ある特別図柄始動口開放遊技の終了後直ちにその次の回の特別図柄始動口開放遊技に対応する普通図柄の変動が開始されるようになっている場合(すなわち、一連の大当たり遊技中を通じて、普通図柄始動記憶部51に始動記憶が少なくとも1つ記憶されている場合で、かつ前付加期間内に特別図柄始動口へ遊技球が入球する場合)における遊技単位期間の2倍よりもやや少ない期間に設定されている。
また、演出パターンAの演出が実行されるのに要する期間は、ある特別図柄始動口開放遊技の終了後直ちにその次の回の特別図柄始動口開放遊技に対応する普通図柄の変動が開始されるようになっている場合(すなわち、一連の大当たり遊技中を通じて、普通図柄始動記憶部51に始動記憶が少なくとも1つ記憶されている場合で、かつ前付加期間内に特別図柄始動口へ遊技球が入球する場合)における遊技単位期間の3倍よりもやや少ない期間に設定されている。
そのため、図15(a)に示すように、各特別図柄始動口開放遊技の終了後、直ちにその次の回の特別図柄始動口開放遊技に対応する普通図柄の変動が開始されるようになっている場合(すなわち、一連の大当たり遊技中を通じて、普通図柄始動記憶部51に普通図柄が少なくとも1つ記憶されている場合)、1セット目(中盤の演出の開始から数えて1セット目であり、本実施形態では、5セット目に相当)の遊技単位期間の開始(特別入賞口開放遊技の開始)タイミング、3セット目(中盤の演出の開始から数えて3セット目であり、本実施形態では、7セット目に相当)の遊技単位期間の開始タイミングおよび5セット目(中盤の演出の開始から数えて5セット目であり、本実施形態では、9セット目に相当)の遊技単位期間の開始タイミングに合わせて、それぞれ演出パターンX、演出パターンXおよび演出パターンAが実行されるようになる。
図10および図11を用いて説明したように、この弾球遊技機1では、大当たり遊技中に普通図柄抽選が低確率(1/300)で実行されないために、種々の対策が講じられている。しかしながら、前述の対策は、前付加期間内に特別図柄始動口へ遊技球が入球することを前提にしており、前付加期間を過ぎてから特別図柄始動口へ遊技球が入球する場合は、普通図柄抽選が低確率(1/300)の実行を確実に阻止することはできない。そして、普通図柄抽選が低確率(1/300)で実行された場合は、その普通図柄抽選に対応する普通図柄の変動時を含む遊技単位期間が著しく長くなる。しかも、この期間は長いだけでなく不定である。
また、大当たり遊技中に普通図柄始動口18に遊技球が入球しない場合、または大当たり遊技中に普通図柄始動ゲート27を遊技球が通過せず、始動記憶の数が0となる場合も、一または複数の遊技単位期間が長くなるおそれがある。
そして、演出の終了から次回の演出の開始までのインターバルを一定に固定している場合、図15(b)に示すように、たとえば中盤処理における1セット目の遊技単位期間が長いものである場合、次に実行される演出パターン(2回目の演出パターンX)の開始タイミングが、3セット目の遊技単位期間の開始タイミングよりも先にずれるおそれがある。また、その次に実行される演出パターン(演出パターンA)の開始タイミングが、5セット目の遊技単位期間の開始タイミングよりも先にずれるおそれがある。
一方、図15(c)に示すように、演出の開始タイミングを、予め定める遊技単位期間の開始に固定している場合について説明する。たとえば1回目の演出パターンXの開始タイミングを1セット目の遊技単位期間の開始タイミングに合わせるとともに、2回目の演出パターンXの開始タイミングを3セット目の遊技単位期間の開始タイミングに合わせ、さらに、3回目の演出パターンXの開始タイミングを5セット目の遊技単位期間の開始遊技単位期間に合わせされている場合、たとえば中盤処理における1セット目の遊技単位期間の期間が長くなってしまい、1セット目の遊技単位期間の途中で1回目の演出パターンXの演出が終了してしまい、1回目の演出パターンXの演出終了後2回目の演出パターンXの演出開始まで、長期間演出が実行されない。そのため、演出が間延びするおそれがある。
これに対し、図13Aおよび図13Bに示すように、この実施形態の中盤の演出では、特別入賞口開放遊技の開始時、すなわち特別入賞口開放開始インターバルコマンドの受信時(ステップS61でYES)のみ、演出を実行するかが判断される。したがって、それ以外のときは、演出パターンの演出動作は開始されない。
なお、この実施形態では、演出シナリオ決定抽選が、演出パターンの演出動作を実行するか否かを決定するための抽選と、演出パターンの演出動作を実行する際に演出シナリオを決定する抽選とを兼ねているが、これらの抽選が個別に行われていてもよい。
すなわち、特別入賞口開放開始インターバルコマンドを受信する毎に(ステップS61でYES)に、演出可能フラグ73の値が「1」であるか否か、すなわち、演出表示手段15、音声発生手段13および演出ランプ17による演出の実行中であるか否かが判断される。そして、特別入賞口開放開始インターバルコマンドを受信し、かつ演出可能フラグ73の値が「1」である場合のみ(ステップS61でYES、ステップS78でYES)、演出表示手段15、音声発生手段13および演出ランプ17による演出の実行が開始される。
図15(d)に示すように、演出パターンの演出動作の終了後、次いで実行されるべき演出パターンの演出動作の開始が、演出動作の終了に実行される次の特別入賞口開放遊技の開始まで保留される。
そのため、一連の大当たり遊技に含まれる遊技単位期間の1つ(または複数)が長いものであっても、次に実行されるべき演出パターンの開始タイミングを、遊技単位期間の開始タイミングに合致させることができる。これにより、演出表示手段15における演出パターンの開始タイミングを、一連の大当たり遊技の進行状況に合わせることができる。
また、演出パターンの実行終了時の次の特別図柄表示手段29の図柄変動開始時に演出パターンが実行されるので、先の演出パターンの実行終了から次の演出パターンの実行開始まで長期間待つことがない。
以上により、この実施形態によれば、CPU41は、確率変動連続実行回数が予め定める所定の基準回数(たとえば5回)に達するまでは、リミッタ指定2コマンドに基づいて、音声発生手段13、演出表示手段15および演出ランプ17を制御する。また、CPU41は、基準回数(たとえば5回)に達した後(中盤の演出の開始以降)は、リミッタ指定1コマンドに基づいて、音声発生手段13、演出表示手段15および演出ランプ17を制御する。リミッタ指定2コマンドは、最初に特別利益状態が発生したときからの確率変動モードの連続実行回数を保持しており、また、リミッタ指定1コマンドは、確率変動モードの実行が制限されるまで許容される確率変動モードの回数を保持している。
そのため、大当たり遊技全体の期間を変更するために、確率変動連続実行回数の制限回数を変更(たとえば「30」から「40」に変更)するような仕様変更が施されても、単に確率変動連続実行回数の制限回数の設定変更だけで足り、メモリ63の制御プログラムに大幅な変更を施す必要はない。これにより、演出制御基板60の制御プラグラムに大幅な変更を施すことなく、確率変動連続実行回数の制限回数を変更することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態でも実施することが可能である。
前述の実施形態では、基準回数を5回としたが、基準回数としては、適宜所望の値が設定されるようになっている。たとえば、基準回数を6〜29回に設定する場合、CPU61によるリミッタ指定1コマンドの参照が、中盤の演出の開始からではなく、中盤の演出の途中で行われる。
演出パターンの演出動作の開始タイミングは、次いで実行される遊技単位期間に関連する所定のタイミングであれば、遊技単位期間の開始タイミングに限られるものではない。 また、遊技単位期間を、特別図柄の変動開始(特別図柄抽選時としても可)から次の特別図柄の変動開始(特別図柄抽選時としても可)までとすることもできる。この場合、N回目の遊技単位期間は、N回目の特別入賞口開放遊技の契機となるN回目の特別図柄の変動開始によって開始され、その次(N+1)回目の特別入賞口開放遊技の契機となる(N+1)回目の特別図柄の変動開始によって終了する。
この場合、演出パターンの実行終了後、次いで実行されるべき演出パターンの開始が、その演出パターンの実行終了時にいるラウンドの次のラウンドの開始に関する所定のタイミング(たとえば、次のラウンドの開始タイミング)まで保留されるものであってもよい。
また、演出ランプ17が遊技盤2の盤面に設けられる構成に限られず、前扉4の前面にも、遊技の雰囲気を盛り上げるための演出ランプが設けられていてもよい。
また、前述の実施形態では、第1開閉板23および第2開閉板25は、主制御基板40によって制御されるものとして説明したが、これらの開閉板23,25が演出制御基板60に接続されており、主制御基板40から演出制御基板60に付与される制御コマンドに基づいて制御されるようになっていてもよい。
図3に示す電気ブロック図では、主制御基板40と演出制御基板60とが直接接続されている構成を示しているが、主制御基板40と演出制御基板60との間に、両基板40,60の制御コマンドの送受を中継する中継基板が介在されていてもよい。
また、音声発生手段13が演出制御基板60によって制御されるとして説明したが、演出制御基板60とは別に設けられた音声制御基板によって制御されるものであってもよい。この音声制御基板は、主制御基板40に接続され、主制御基板40から与えられる制御コマンドに基づいて音声発生手段13を制御するものであってもよいし、演出制御基板60に接続され、演出制御基板60から与えられる制御コマンドに基づいて、音声発生手段13を制御するものであってもよい。
さらに、演出ランプ17が演出制御基板60によって制御されるとして説明したが、演出制御基板60とは別に設けられたランプ制御基板によって制御されるものであってもよい。このランプ制御基板は、主制御基板40に接続され、主制御基板40から与えられる制御コマンドに基づいて演出ランプ17を制御するものであってもよいし、演出制御基板60に接続され、演出制御基板60から与えられる制御コマンドに基づいて、演出ランプ17を制御するものであってもよい。
また、弾球遊技機1では、特別図柄始動口開放遊技において遊技者に付与される利益状態が、特別入賞口開放遊技において遊技者に付与される利益状態よりも高いことが望ましい。そして、特別図柄始動口21への入球に対する賞球数が、特別入賞口22への入球に対する賞球数と同程度か、特別入賞口22への入球に対する賞球数よりも少ない場合は、1回の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21への遊技球の入球個数が、1回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口22への遊技球の入球個数よりも多くなるように設定されていてもよい。また、1回の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21への遊技球の入球個数が、1回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口22への遊技球の入球個数と同程度か、1回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口22への遊技球の入球個数よりも少なくなるように設定されている場合は、特別図柄始動口21への入球に対する賞球数が、特別入賞口22への入球に対する賞球数よりも多くされていてもよい。むろん、特別図柄始動口21への入球に対する賞球数が、特別入賞口22への入球に対する賞球数よりも多くされておりかつ、1回の特別図柄始動口開放遊技における特別図柄始動口21への遊技球の入球個数が、1回の特別入賞口開放遊技における特別入賞口22への遊技球の入球個数よりも多くなるように設定されていてもよいのは言うまでもない。
また、特別図柄始動口21は、複数個の遊技球が同時に入球できない(すなわち、遊技球が1球ずつしか入球できない)ものであってもよい。そして、この特別図柄始動口21に関連して、第1開閉板23に代えて、1対の羽根を有し、各羽根の先端部が互いに接近する閉状態と、各羽根の先端部が互いに離間する拡開状態との間で開閉可能に設けられた電動チューリップ役物が設けられていてもよい。さらに、特別図柄始動口21は、1つに限られず、2つ以上であってもよい。また、特別図柄始動口21は、遊技盤2の盤面上における特別入賞口22と離れた位置に配置されていてもよい。
また、特別入賞口22は、複数個の遊技球が同時に入球できない(すなわち、遊技球が1球ずつしか入球できない)ものであってもよい。そして、この特別入賞口22に関連して、第2開閉板25に代えて、1対の羽根を有し、各羽根の先端部が互いに接近する閉状態と、各羽根の先端部が互いに離間する拡開状態との間で開閉可能に設けられた電動チューリップ役物が設けられていてもよい。さらに、特別入賞口22は、1つに限られず、2つ以上であってもよい。
さらに、普通図柄始動領域として、普通図柄始動ゲート27と普通図柄始動口18との2つを設ける構成に限られず、普通図柄始動ゲート27を1つのみ設ける構成であってもよいし、普通図柄始動口18を1つのみ設ける構成であってもよい。または、普通図柄始動ゲート27または/および普通図柄始動口18を、合計3つ以上設ける構成であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。