以下、本発明に係る第1実施形態について説明する。図1に示す第1実施形態の充電システムは、電気自動車40に搭載された駆動用バッテリー44を充電するためのものであり、例えば、駆動用バッテリー44を充電する充電スタンドやコンビニエンスストアに設置される。ここで、駆動用バッテリー44は、電気自動車40の動力となる直流電力(電気エネルギー)を蓄える部分である。
この充電システムは、集中管理装置10と、複数台の急速充電器20と、急速充電器20以外の負荷(その他負荷)30とを有している。
集中管理装置10は、この充電システムにおける制御を担当する装置であり、充電制御装置に相当する。この集中管理装置10は、各急速充電器20と通信をして、各急速充電器20による充電動作を制御する。なお、集中管理装置10については後で説明する。
急速充電器20は、電気自動車40に搭載された駆動用バッテリー44を充電する装置であり、1つの充電システムに複数台が設置され、増設も可能である。この充電システムでは、1台の急速充電器20が1台の駆動用バッテリー44を充電する。便宜上、3台の急速充電器20を図示しているが、台数は3台に限られるものではない。また、各急速充電器20は、充電対象の駆動用バッテリー44を搭載した電気自動車40との間でも通信をし、各種の情報を交換する。なお、急速充電器20についても後で説明する。
その他負荷30は、急速充電器20を除いた各種の機器が該当する。例えば、エアコンや照明がこの負荷に該当する。また、コンビニエンスストアであれば、冷蔵庫や冷凍庫といった設備もこの負荷に該当する。本実施形態において、集中管理装置10は、屋内配線に設けた電力センサー51からの検出信号を取得し、この検出信号のレベルに基づいて各負荷に供給される電力量を認識する。また、集中管理装置10は、引き込み線や電力量計等に設けた電力センサー52からの検出信号を取得し、この検出信号のレベルに基づいて商用系統から供給される電力量を認識する。
この充電システムでは、集中管理装置10が急速充電器20を介して電気自動車40と通信し、必要な情報を電気自動車40から取得するように構成されている。このため、図2に示すように、集中管理装置10は管理側制御部11を、急速充電器20は充電側制御部21を、電気自動車40は車両側制御部41をそれぞれ有しており、管理側制御部11と充電側制御部21、及び、充電側制御部21と車両側制御部41とが通信可能な状態で接続されることにより、情報の送受信が行われるようになっている。なお、図2の太線は電源の供給線を示し、細線はデータや信号の通信線を示している。
次に、集中管理装置10について説明する。図2に示すように、集中管理装置10は、管理側制御部11と入力表示器12とを有している。管理側制御部11は、集中管理装置10における制御の中心となる部分であり、CPU11a及びメモリー11bを有している。この管理側制御部11では、CPU11aがメモリー11bに記憶された制御プログラムを実行することで各種の制御動作が実現される。例えば、各急速充電器20に対する充電制御が実現される。また、メモリー11bには、各急速充電器20に対する充電制御を行う際に必要となる各種の情報が記憶される。
例えば、メモリー11bには、各急速充電器20での充電用として商用系統50から受電し得る交流の上限値が時間帯毎に記憶される。交流の上限値として上限電力を用いた場合、この上限電力は、契約電力からその他負荷30で消費される電力(実績に基づく予測値)を減算することで算出できる。そして、時間帯とは、制御の単位となる時間を意味し、システムの管理者によって任意の時間幅に定めることができる。例えば、正時毎の1時間や30分間隔に定めることができる。なお、交流の上限値は電力に限らず、電流の上限値であってもよい。このような交流の上限値を記憶するメモリー11bは、商用系統50から受電し得る交流の上限値が記憶される上限値記憶部に相当する。
また、メモリー11bには、ユーザーが希望する駆動用バッテリー44への完了時間を示す希望充電完了時間が記憶されたり、ユーザーが希望する駆動用バッテリー44への充電量を示す希望充電量が記憶されたりする。このため、メモリー11bは、希望充電完了時間を記憶する希望充電完了時間記憶部、及び、希望充電量を記憶する希望充電量記憶部に相当する。
さらに、メモリー11bには、急速充電器20や電気自動車40から取得された各種の情報も記憶される。例えば、交流(AC)から直流(DC)に変換する際における急速充電器20毎の変換効率の情報、急速充電器20毎の優先順位の情報、及び、駆動用バッテリー44についての総容量、残容量、出力電圧(充電電圧)の情報なども記憶される。
次に、入力表示器12について説明する。入力表示器12は、集中管理装置10におけるユーザーインタフェースを提供する部分であり、図2に示すように、ユーザーの指示を入力するための入力部12aと、各種の表示を行う表示部12bとを有している。本実施形態の入力表示器12は、タッチパネル式の液晶表示装置によって構成されている。この装置では、タッチパネルが入力部12aに相当し、液晶表示装置が表示部12bに相当する。なお、入力表示器12に関し、他の種類の装置を用いてもよい。そして、入力表示器12を介して入力されるユーザーの指示としては、例えば希望充電完了時間の情報や希望充電量の情報がある。これらの情報は、前述したように、管理側制御部11のメモリー11bに記憶される。
次に、急速充電器20について説明する。急速充電器20は、駆動用バッテリー44を充電するための直流の充電電力を供給することを主たる機能とする。本実施形態の急速充電器20は、この機能に加えて駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を、商用系統50の交流と同種の交流に変換して放出させる機能も有している。
図2に示すように、急速充電器20は、充電側制御部21、及び、充放電部22を有している。充電側制御部21は、急速充電器20における制御の中心となる部分であり、CPU21a及びメモリー21bを有している。この充電側制御部21でも、CPU21aがメモリー21bに記憶された制御プログラムを実行することで各種の制御動作、例えば駆動用バッテリー44に対する充電制御が実現される。また、メモリー21bは、制御動作を行う際に必要となる各種の情報が記憶される。例えば、集中管理装置10から送信された使用可能な最大充電電流値の情報、電気自動車40から送信された要求電流値の情報、及び、駆動用バッテリー44に対する残り充電時間の情報が記憶される。
充放電部22は、駆動用バッテリー44に対する急速充電や駆動用バッテリー44からの放電を制御する部分であり、充電部22a及び放電部22bを有している。
充電部22aは、商用系統50から供給された交流を、駆動用バッテリー44の急速充電に適した直流に変換して出力する部分である。例えば、三相200Vや単相200Vの交流を300V〜400Vの直流に変換して出力する。そして、出力された直流は駆動用バッテリー44の充電に供される。放電部22bは、駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を、商用系統50と同種の交流に変換して出力する部分である。例えば、駆動用バッテリー44に蓄えられた300V〜400Vの直流電力を、三相200Vや単相200Vの交流に変換して出力する。そして、出力された交流は、他の急速充電器20による他の駆動用バッテリー44の充電に供される。
これらの充電部22a及び放電部22bは、充電側制御部21によって動作が制御される。例えば、駆動用バッテリー44に対する充電時には充電部22aによる充電動作が有効とされ、放電時には放電部22bによる放電動作が有効とされる。そして、充電側制御部21は、管理側制御部11からの指令に従って充電部22aによる充電動作と放電部22bによる放電動作を制御する。
次に、電気自動車40について説明する。図3に示すように、電気自動車40は、車両側制御部41と、普通充電インレット42Aと、急速充電インレット42Bと、車載充電器43と、駆動用バッテリー44と、補機用バッテリー45と、インバーター46と、駆動モーター47と、トランスミッション48とを有している。なお、図3の太線は電源の供給線を示し、細線はデータや信号の通信線を示している。
車両側制御部41は、電気自動車40における制御の中心となる部分であり、図2に示すように、CPU41a及びメモリー41bを有している。管理側制御部11や充電側制御部21と同様に、CPU41aがメモリー41bに記憶された制御プログラムを実行することで各種の制御動作が実現される。また、メモリー41bには制御動作を行う際に必要となる各種の情報が記憶される。
普通充電インレット42Aは普通充電器60の充電プラグPLG(図11参照)が接続される部分であり、急速充電インレット42Bは急速充電器20の充電プラグPLG(図1参照)が接続される部分である。これらの充電インレット42A,42Bに関し、普通充電インレット42Aは普通充電器60からの単相交流がケーブルCBを通じて供給されるのに対し、急速充電インレット42Bは急速充電器20からの直流がケーブルCBを通じて供給される点で相違している。本実施形態において、急速充電インレット42Bは、駆動用バッテリー44の放電時に急速充電器20へ向けて直流を流すように構成されている。
加えて、普通充電インレット42Aは、車両側制御部41と通信線を介して接続されていないのに対し、急速充電インレット42Bは、車両側制御部41と通信線を介して接続されている。これにより、充電プラグPLGやケーブルCBを介して、車両側制御部41と充電側制御部21とが通信可能な状態で接続されている。
車載充電器43には、駆動用バッテリー44及び補機用バッテリー45が接続されている。そして、車載充電器43は、供給された単相交流によって、これらの駆動用バッテリー44及び補機用バッテリー45を充電する。この車載充電器43は、駆動用バッテリー44に付設された付設充電器に相当する。なお、駆動用バッテリー44は、駆動モーター47を動作させるための直流電力を蓄える部分である。補機用バッテリー45は、車両側制御部41等の計器類を動作させるための直流電力を蓄える部分である。
各バッテリー44,45への充電時において、車載充電器43は、充電電圧の調整や充電終了といった充電に関する制御も行う。なお、駆動用バッテリー44と補機用バッテリー45とは、蓄える直流電力の電圧が異なっている。このため、車載充電器43には、DC/DCコンバーター回路が設けられており(図示せず)、適した電圧で充電が行えるように構成されている。
インバーター46は、駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力から交流電力を生成する電力変換装置である。このインバーター46からは、車両側制御部41からの制御信号に応じて周波数が調整された交流電力が出力される。そして、インバーター46で生成された交流電力は、駆動モーター47に供給される。従って、駆動モーター47の回転数は、車両側制御部41からの制御信号に応じて制御される。
駆動モーター47は、タイヤTRを回転させる駆動源となる部分である。すなわち、駆動モーター47の回転軸は、トランスミッション48に接続されており、駆動モーター47からの回転力は、適宜減速されて車軸DFに伝達されている。車軸DFの端部にはタイヤTRが取り付けられているため、駆動モーター47の回転によってタイヤTRが回転する。
次に、この充電システムにおける動作について説明する。図4は、この充電システムによる電気自動車40の充電制御を説明するメインフローチャートである。なお、図4のフローチャート、及び、後述する図5のフローチャートにおいて、「QC」と記載されているが、これは急速充電器20を意味している。
この充電システムでは、充電動作を行う急速充電器20の選択の有無を判定する(S1)。すなわち、管理側制御部11は、ユーザーによって入力部12aに対する充電器の選択動作がなされたか否かを判断する。例えば、選択可能な急速充電器20のボタン画像が表示部12bに表示され、これらのボタン画像がタッチされた場合に、管理側制御部11は、タッチされた急速充電器20が選択されたことを認識する。
急速充電器20が選択されたならば、管理側制御部11は、充電対象の電気自動車40について車両情報を取り込む(S2)。ここで、車両情報とは、駆動用バッテリー44についての総容量の情報、残容量の情報、出力電圧の情報などである。管理側制御部11は、取得した各情報をメモリー11bに記憶する。
車両情報が取得されたならば、管理側制御部11は、ユーザーの希望する希望充電量、及び、ユーザーの希望する希望充電完了時間の入力を待つ(S3,S4)。ここでは、選択可能な希望充電量や希望充電完了時間のボタン画像が表示部12bに表示され、これらのボタン画像がタッチされた場合に、管理側制御部11は、タッチされた希望充電量や希望充電完了時間が選択されたことを認識する。例えば、希望充電量に関して、駆動用バッテリー44の残容量が50%程度であった場合、希望充電量として、「60%以上」及び「80%以上」といったボタン画像が表示される。また、希望充電完了時間に関して、「1.5時間」及び「2時間」といったといったボタン画像が表示される。
次に、管理側制御部11は、充電制御の内容を決定する(S5)。本実施形態では、時間帯毎の上限電力を用いて制御内容を決定する。このため、先の処理で取得された希望充電量及び希望充電完了時間の情報から、管理側制御部11は、充電対象の駆動用バッテリー44を希望充電時間で充電するために必要な最小電力を取得し、各駆動用バッテリー44について取得された最小電力を時間帯毎に合計する。そして、管理側制御部11は、最小電力の合計値を商用系統50から受電し得る上限電力と比較し、最小電力の合計値が各時間帯の上限電力以下になるように、充電制御パターンを決定する。
この際、管理側制御部11は、或る駆動用バッテリー44に対する充電を行うと商用系統50から受電し得る上限電力を超えてしまう場合に、他の駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を放出させて或る駆動用バッテリー44の充電に供するように、充電制御パターンを決定する。このような充電制御パターンを選定することで、受電設備の容量を考慮した効率のよい充電制御を実現できる。例えば、充電完了まで時間的余裕のある駆動用バッテリー44について充電を先送りできるので、設備の使用率を平準化することができる。また、充電用の交流が不足しがちな時間帯での制約を緩和できる。なお、この充電制御の決定処理については、後で詳しく説明する。
充電制御の内容を決定したならば、管理側制御部11は、決定結果の通知処理を行う(S6)。この通知処理では、充電完了までの予想時間を表示部12bに表示させる。また、ユーザーによる充電要望を達成することはできない場合には、その旨が表示される。通知処理が行われたならば、充電処理が行われる(S7)。この充電処理において、管理側制御部11は、対象となる急速充電器20の充電側制御部21に充電制御パターンの情報を送信する。また、充電側制御部21は、受信した充電制御パターンに従って駆動用バッテリー44の充電を行う。
ここで、充電制御パターンとしては、その時間帯における最大充電電流値を示す情報が用いられる。各急速充電器20では、現時間帯での最大充電電流値を最大値として、電気自動車40からの要求電流値に従った量の充電電流を駆動用バッテリー44に流し込む。このため、充電側制御部21は、管理側制御部11から送信された現時間帯の最大充電電流値、及び、車両側制御部41から送信された要求電流値をメモリー21bに記憶し、最大充電電流値と要求電流値とを比較して少ない方の電流で駆動用バッテリー44を充電する。
この充電処理は、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了するまで継続して行われる(S8)。そして、新たな急速充電器20が選択されるまでは、決定された充電制御パターンで充電を行う(S9)。一方、新たな急速充電器20が追加で選択された場合には、ステップS2に戻って車両情報の取り込み以降の処理を繰り返し行う。なお、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了した場合には(S8)、ステップS1に戻って急速充電器20が選択されるまで待機する。
次に、図5のフローチャートを参照して、管理側制御部11による充電制御決定処理(S5)の詳細について説明する。
この充電制御決定処理では、まず最優先の急速充電器20が選択される(S11)。本実施形態では、前述の選択処理(S1)で最も早く選択された急速充電器20を、最優先の急速充電器20として選択する。なお、2番目以降の優先順位も選択の早い順に定められる。すなわち、追加の急速充電器20の判断処理(S9)で追加された順に高い優先順位に設定される。これらの優先順位の情報は、管理側制御部11が有するメモリー11bに記憶される。
次に、選択された急速充電器20に関して予想総充電量が算出される(S12)。本実施形態において、この予想総充電量は、次式(1)によって算出される。
予想総充電量=バッテリー総容量×希望充電量(%)−バッテリー残容量 …(1)
予想総充電量が算出されたならば、希望充電完了時間に対応する最小充電電流値が算出される(S13)。この最小充電電流値は、希望充電完了時間で充電を完了するために必要とされる充電電流値の最小値を意味し、次式(2)によって算出される。なお、式(2)において、出力電圧値は、駆動用バッテリー44に対する充電電圧の値であり、管理側制御部11のメモリー11bから読み出される。
最小充電電流値=予想総充電量÷(出力電圧値×希望充電完了時間) …(2)
次に、最小充電電流値に対応する一次側の最小充電電力、すなわち充電時に商用系統50から連続的に供給される電力の最小値が算出される(S14)。この最小充電電力は、次式(3)によって算出される。便宜上、以下の説明では、最小充電電流値に対応する一次側の充電電力のことを一次側最小充電電力という。
一次側最小充電電力=最小充電電流値×出力電圧値÷AC/DC変換効率 …(3)
次に、算出した一次側最小充電電力を、充電が予定されている時間帯(充電予定時間帯)に仮設定する(S15)。ここで、仮設定とは、一次側最小充電電力を充電予定時間帯に積算することを意味する。例えば、1番目の急速充電器20であれば、それまでの電力が0Wであるので、充電予定時間帯に亘って一次側最小充電電力が仮設定される。また、2番目の急速充電器20の場合には、1番目の急速充電器20と2番目の急速充電器20とがともに充電される時間帯において、1番目の急速充電器20の一次側最小充電電力に、2番目の急速充電器20の一次側最小充電電力が加算される。また、2番目の急速充電器20のみが充電される時間帯については、2番目の急速充電器20の一次側最小充電電力が仮設定される。
次に、仮設定した一次側最小充電電力が全ての時間帯に亘って制約条件を超過しているか否かの判断が行われる(S16)。この判断は、仮設定した一次側最小充電電力と商用系統50から受電し得る上限電力とを時間帯毎に比較することで行われる。そして、仮設定した一次側最小充電電力が、全ての時間帯に亘って上限電力を超える場合に制約条件を超過していると判断され、少なくとも一部の時間帯で超過していなければ制約条件を超過していないと判断される。
制約条件を超過していると判断された場合には、充電要望を達成することはできないとして(S17)、充電制御決定処理からメインフローチャートに復帰する。この場合、結果通知処理(S6)において、充電要望は達成できない旨がユーザーに通知される。そして、設定された条件の下で、希望充電完了時間以降についても継続して充電が行われることになる。
一方、制約条件を超過していないと判断された場合には、全ての時間帯で制約条件を満足しているか否かが判断される(S18)。ここで、一部の時間帯で制約条件を超過していると判断された場合には、蓄電アルゴリズムの判定処理が行われる(S19)。この判定処理では、或る駆動用バッテリー44に対する充電を行うと上限電力を超えてしまう場合に、他の駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を放出させて或る駆動用バッテリー44の充電に供するように、充電制御パターンが定められる。なお、この判定処理については後で詳しく説明する。
ステップS18で全ての時間帯で制約条件を満足していると判断された場合には、その充電制御パターンが当該急速充電器20の充電パターンとして仮決定される。次に、全ての急速充電器20について駆動用バッテリー44の充電制御パターンが仮決定されたか否かが判断される(S20)。まだ充電制御パターンが仮決定されていない急速充電器20があった場合には、それらの中で優先順位の最も高い急速充電器20を選択し(S21)、ステップS12以下の処理を繰り返し行う。一方、全ての急速充電器20について充電制御パターンが仮決定された場合には、その充電制御パターンで決定させてメインフローチャートに復帰する。
次に、図6のフローチャートを参照して、管理側制御部11による蓄電アルゴリズム判定処理(S19)の詳細について説明する。
この蓄電アルゴリズム判定処理では、まず受電設備に余力のない時間帯が選択され、その時間帯において充電停止や抑制を回避するために必要な電力が算出される(S31)。この処理では、受電設備に余力のない時間帯として、仮設定した一次側最小充電電力(積算値)が上限電力を超えている時間帯が選択される。そして、仮設定した一次側最小充電電力と上限値との差が充電停止や抑制を回避するために必要な電力として算出される。なお、受電設備に余力のない時間帯の情報、及び、充電停止や抑制を回避するために必要な電力の情報はメモリー11bに記憶される。
次に、蓄電車両(直流電力の放出対象となる電気自動車40)を特定する処理を行う(S32)。この特定処理では、希望充電条件を充足する電気自動車40のうち、充電余力があり、充電完了時間に余裕のあるものを蓄電車両として特定する。すなわち、直流電力を放出させた後に充電を行うことによって、希望充電完了時間内に希望充電量まで駆動用バッテリー44を充電できる電気自動車40を蓄電車両として特定する。
この特定処理は、メモリー11bに記憶された時間帯毎の上限電力の情報、希望充電完了時間(残り充電時間)の情報、希望充電量の情報、判断時点における残容量の情報などを管理側制御部11のCPU11aが読み出し、希望充電完了時間内に希望充電量まで駆動用バッテリー44を充電できるかを判断することで行われる。
蓄電車両を特定したならば、不足分の電力量と蓄電可能な電力量の比較を行う(S33)。ここでは、不足分の電力量として、余力のない時間に充電停止や抑制を回避するために必要な電力を乗じた値が算出される。また、蓄電可能な電力量として、余力のある時間に蓄電可能な電力を乗じた値が算出される。そして、不足分の電力量と蓄電可能な電力量とを比較する。
この比較処理にて、不足分の電力量が蓄電可能な電力量以下と判定された場合には、充電用の電力に余力のある時間帯(一次側最小充電電力が上限電力よりも小さい時間帯)に、蓄電車両が有する駆動用バッテリー44へ余剰の充電を行う充電制御パターンを設定する(S34)。続いて、蓄電車両が有する駆動用バッテリー44へ蓄電した電力量を、充電用の電力に余力のない時間帯に放出する充電制御パターンを設定する(S35)。これにより、蓄電アルゴリズム処理を終了し、充電制御決定処理へ復帰する。
一方、上記の比較処理にて、不足分の電力量が蓄電可能な電力量よりも大きいと判定された場合には、充電要望が達成されない可能性があることを示す通知データが生成される(S36)。この通知データは通知処理(S6)で参照され、充電要望は達成できない旨がユーザーに通知される。そして、充電用の電力に余力のある時間帯に、全ての余力を蓄電車両が有する駆動用バッテリー44への充電に使用する充電制御パターンが設定される(S37)。さらに、蓄電車両が有する駆動用バッテリー44へ蓄電した電力量を、充電用の電力に余力のない時間帯に放出する充電制御パターンが設定され(S35)、充電制御決定処理へ復帰する。
このような蓄電アルゴリズム判定処理を行うことで、或る駆動用バッテリー44の充電時における電力不足を他の駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力によって補うことができる。このため、受電設備の容量に起因する制約を緩和でき、複数台の駆動用バッテリー44を効率よく充電することができる。
次に、前述した充電制御決定処理(S5)について、具体例を挙げて詳しく説明する。図7及び図8は第1具体例を説明する図であり、図9及び図10は第2具体例を説明する図である。これらの図において、横軸が時間であり、縦軸が電力である。
まず第1具体例について説明する。この具体例は、蓄電車両(充電余力があって時間的にも余裕がある電気自動車40)の駆動用バッテリー44(便宜上駆動用バッテリー44Aという)の充電が完了している状態で、別の電気自動車40の駆動用バッテリー44(便宜上駆動用バッテリー44Bという)を充電する場合を示している。なお、図1において、駆動用バッテリー44A,44Bがかっこ書きで示されている。同様に、蓄電車両が接続されている急速充電器20が急速充電器20Aとして、別の電気自動車40が接続されている急速充電器20が急速充電器20Bとして、かっこ書きで示されている。
そして、急速充電器20Aに関し、充電開始時に設定された希望充電完了時間が8T(Tは任意の単位時間)であり、充電開始時の設定に基づく必要充電量(バッテリー総容量×希望充電量−バッテリー残容量)がPX1〔kWh〕であり、充電開始時から現時点(別の電気自動車40の充電が選択された時間)までの経過時間が4Tであり、現時点までの充電量がPX1〔kWh〕であるとする。また、急速充電器20Bに関し、希望充電完了時間が3Tであり、必要充電量がPX2〔kWh〕であり、現時点での経過時間が0Tであり、現時点までの充電量が0〔kWh〕であるとする。
さらに、図7(a)に示すように、現時点をt0とする、充電に使用可能な商用系統50からの上限電力〔kW〕は、時間帯毎に電力P1〜P6と定められている。すなわち、時刻t0からt1までの時間Tでは電力P1に定められ、時刻t1からt2までの時間Tでは電力P2に定められている。以下同様に、時間T毎に電力P3〜P6と定められている。そして、電力P1,P6は同じ値であって最も低い値に定められている。また、電力P2は最も高い値に定められ、電力P3は電力P1よりも若干高い値に定められている。さらに、電力P4,P5は同じ値であって電力P2と電力P3のほぼ中間の値に定められている。
この具体例では、現時点(時刻t0)で急速充電器20Aによる駆動用バッテリー44Aの充電が完了しているため、急速充電器20Bによる駆動用バッテリー44Bへの充電制御パターンが設定される。従って、まずは駆動用バッテリー44Bに対する必要充電量が予想総充電量として算出される(S12)。次に、希望充電時間に対する最小充電電流値が算出され(S13)、最小充電電流値に対応する一次側最小充電電力が算出される(S14)。そして、算出された一次側最小充電電力が仮設定される(S15)。
図7(b)は、算出された一次側最小充電電力が仮設定された状態を説明する図である。同図において、ハッチングで示す矩形状の領域が必要充電量PX2に相当する。そして、この必要充電量PX2を充電時間3Tに割り振った際の電力が、一次側最小充電電力paに相当する。
この図から、一次側最小充電電力paは電力P4,P5とほぼ同じであり、時間帯(t0−t1)、及び、時間帯(t2−t3)の間で、上限電力P1,P3を超えていることが判る。そして、図7(c)に示すように、超過分を充電電力に余裕のある時間帯(t1−t2)に移し、この時間帯の充電電力を上限電力P2まで引き上げても、依然として時間帯(t0−t1)での充電電力pb、及び、時間帯(t2−t3)の充電電力pcは、上限電力P1,P3を越えている。このため、全時間帯で制約の超過はしていないが満足もしていないと判定され(S16,S18)、蓄電アルゴリズム判定処理(S19)に移行する。
蓄電アルゴリズム判定処理では、余力のない時間帯として、時間帯(t0−t1)と時間帯(t2−t3)が選択され、これらの時間帯で必要とされる充電電力として、電力(pb−P1)と電力(pc−P3)が算出される(S31)。そして、急速充電器20Aに接続された電気自動車40Aが蓄電車両となり得るかが判定される(S32)。この電気自動車40Aは、時刻t4までに充電を完了すればよいため、余力があるとして蓄電車両と判定される。
そして、不足分の電力量が蓄電可能な電力量よりも大きいか否かが判定される(S33)。この例では、不足分の電力量〔(pb−P1)×T+(pc−P3)×T〕が、蓄電可能な電力量(P4×T)よりも小さい。このため、駆動用バッテリー44Bへの希望充電条件を満たすと判断される(S33でY)。
この判断に基づき、余力のある時間帯(t3−t4)に駆動用バッテリー44Aへ充電する充電制御パターンが設定される(S34)。例えば、図8(a)に示すように、不足分の電力量PX1´を時間帯(t3−t4)で充電するための最低一次側電力pdが算出され、図8(b)に示すように、この電力量PX1´を上限電力P4で充電する充電制御パターンが設定される。
駆動用バッテリー44Aへの充電制御パターンが設定されたならば、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力を、放電部22bを通じて放出することで駆動用バッテリー44Bへの充電に供する充電制御パターンが設定される(S35)。例えば、図8(c)に示すように、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t3)において、駆動用バッテリー44Aを電源とする駆動用バッテリー44Bの充電量PX2´が設定される。
このような充電制御パターンを設定することにより、充電処理(S7)では、時間帯(t0−t1)と時間帯(t2−t3)において、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力が放電部22bで交流に変換され、商用系統50からの交流と共に急速充電器20Bへ供給される。このため、駆動用バッテリー44Bの充電を時刻t3までに完了させることができる。また、駆動用バッテリー44Aについては、時刻t3aまでに充電が完了されるので、希望充電完了時間内に充電を完了させることができる。
次に第2具体例について説明する。この具体例は、蓄電車両の駆動用バッテリー44Aが充電途中の状態で、別の電気自動車40の駆動用バッテリー44Bの充電を開始する場合を示している。なお、第2具体例の説明において、第1具体例と同じものについては、説明を省略する。
第2具体例では、急速充電器20Aの充電開始時に設定された希望充電完了時間が8Tであり、充電開始時の設定に基づく必要充電量がPX1〔kWh〕であり、充電開始時から現時点までの経過時間が3Tであり、現時点までの充電量が0.8PX1〔kWh〕であるとする。また、急速充電器20Bに関し、希望充電完了時間が3Tであり、必要充電量がPX2〔kWh〕であり、現時点での経過時間が0Tであり、現時点までの充電量が0〔kWh〕であるとする。
この具体例では、現時点で駆動用バッテリー44Aの充電が途中であるため、急速充電器20Aについても充電制御パターンが組み直される。従って、駆動用バッテリー44Aに対する必要充電量が予想総充電量として算出される(S12)。次に、希望充電時間に対する最小充電電流値が算出され(S13)、最小充電電流値に対応する一次側最小充電電力が算出される(S14)。そして、算出された一次側最小充電電力が仮設定される(S15)。
前述の条件から駆動用バッテリー44Aの充電には最大で5T分の時間を使用できる。このため、図9(a)に示すように、充電量PX1a(=0.2PX1)が時間帯(t0−t5)に亘って仮設定される(S11−S15)。これに伴い、一次側の最低充電電力として電力peが設定される。仮設定された充電制御パターンは、全時間帯に亘って上限電力の制約を満たすので、次順である急速充電器20Bについて充電制御パターンが仮設定される(S21,S12−15)。
図9(b)に示すように、充電量PX2が時間帯(t0−t3)に亘って仮設定されることで、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t3)における必要電力(pe+pf)が上限電力P1,P3を超える。そこで、図9(c)に示すように、充電電力に余裕のある時間帯(t1−t2)の充電電力を上限電力P2まで引き上げ、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t3)の充電電力を引き下げるように、充電制御パターンの変更がなされる。
しかしながら、依然として時刻t0−t1での充電電力pg、及び、時刻t2−t3の充電電力phは、上限電力P1,P3を越えている。このため、図10(a)に示すように、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t3)における急速充電器20Aの充電量を時間帯(t3−t4)に移す。それでもなお、時刻t0−t1での充電電力pi、及び、時刻t2−t3の充電電力pjは、上限電力P1,P3を越えている。そこで、蓄電アルゴリズム判定処理(S19)に移行する。
蓄電アルゴリズム判定処理では、余力のない時間帯として、時間帯(t0−t1)と時間帯(t2−t3)が選択され、これらの時間帯で必要とされる充電電力として、電力(pi−P1)と電力(pj−P3)が算出される(S31)。そして、急速充電器20Aに接続された電気自動車40Aが蓄電車両となり得るかが判定される(S32)。この電気自動車40Aは、時刻t5までに充電を完了すればよいので、蓄電車両と判定される。
そして、不足分の電力量が蓄電可能な電力量よりも大きいか否かが判定される(S33)。この例では、不足分の電力量〔(pi−P1)×T+(pj−P3)×T〕が、蓄電可能な電力量〔(P4−pk)×T+(P5−pk)×T〕よりも小さい。このため、駆動用バッテリー44Bへの希望充電条件を満たすと判断される(S33でY)。
この判断に基づき、余力のある時間帯(t3−t5)に駆動用バッテリー44Aへ充電する充電制御パターンが設定される(S34)。例えば、図10(b)に示すように、不足分の電力量PX1´を時間帯(t3−t5)で充電するための最低一次側電力が算出され、図10(c)に示すように、この電力量PX1´と充電量PX1aを上限電力P4,P5で充電する充電制御パターンが設定される。さらに、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力を、放電部22bを通じて放出することで駆動用バッテリー44Bへの充電に供する充電制御パターンも設定される(S35)。この例では、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t3)において、駆動用バッテリー44Aを電源とする駆動用バッテリー44Bの充電量PX2´が設定される。
このような充電制御パターンを設定することにより、充電処理(S7)では、時間帯(t0−t1)と時間帯(t2−t3)において、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力が放電部22bで交流に変換され、商用系統50からの交流と共に急速充電器20Bへ供給される。このため、駆動用バッテリー44Bの充電を時刻t3までに完了させることができる。また、駆動用バッテリー44Aについては、時刻t4aまでに充電が完了するので、希望充電完了時間内に充電を完了させることができる。
以上説明したように、本実施形態の充電システムは、商用系統50からの交流を直流に変換して駆動用バッテリー44を充電する複数台の急速充電器20と、この急速充電器20と通信可能に構成され、急速充電器20の動作を制御する集中管理装置10とを有している。また、急速充電器20は、接続された駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を交流に変換して放出させる放電部22bを備えており、集中管理装置10は、商用系統50から受電し得る交流の上限電力が記憶されるメモリー11bを備えている。
そして、急速充電器20Bに接続された駆動用バッテリー44Bに対する充電を行うと上限電力を超えてしまう場合に、急速充電器20Aに接続された駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力を放電部22bによって交流に変換して放出させ、駆動用バッテリー44Bの充電に供するようにしている。これにより、駆動用バッテリー44Bの充電時における電力不足を駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力によって補うことができる。その結果、受電設備の容量に起因する制約を緩和でき、複数台の駆動用バッテリー44A,44Bを効率よく充電することができる。また、急速充電器20を用いているので、駆動用バッテリー44に対する充電を短時間で終わらせることができる。
そして、メモリー11bには、交流の上限電力が時間帯毎に記憶されているので、駆動用バッテリー44の充電に使用可能な上限電力が時間帯毎に変化する場合においても、複数台の駆動用バッテリー44を効率よく充電することができる。
また、メモリー11bには、駆動用バッテリー44に対する希望充電完了時間と駆動用バッテリー44に対する希望充電量とが記憶されており、直流電力を放出させた後の充電によって希望充電完了時間内に希望充電量まで、その駆動用バッテリー44を充電できる場合に、当該駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を放出させるようにしているので、充電完了が希望充電完了時間よりも遅れてしまう不利益を防止できる。
また、急速充電器20は、上限電力に達するまでの範囲で、駆動用バッテリー44への直流の供給量を増加可能であるので、駆動用バッテリー44に対する充電を短時間で終わらせることができる。
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態の充電システムもまた、電気自動車40に搭載された駆動用バッテリー44を充電するためのものである。図11に示すように、この充電システムは、集中管理装置10と、複数台の普通充電器60と、普通充電器60以外の負荷(その他負荷30)とを有している。
なお、第2実施形態の充電システムに関し、第1実施形態の充電システムとの相違は、主に、急速充電器20に代えて普通充電器60が用いられている点、及び、車載放電器49(図12を参照)が電気自動車40に搭載されている点にある。このため、これらの相違点を中心に、充電システムの構成を説明する。
普通充電器60は、電気自動車40に搭載された車載充電器43(図3,図12を参照)を通じて駆動用バッテリー44を充電する装置であり、1つのシステムに複数台が設置され、増設も可能である。このシステムでは、1台の普通充電器60が1台の駆動用バッテリー44を充電する。便宜上、3台の普通充電器60を図示しているが、台数は3台に限られるものではない。
この普通充電器60は、例えば図12に示すように、充電側制御部61、及び、開閉器62を有している。
充電側制御部61は、普通充電器60における制御の中心となる部分であり、CPU61a及びメモリー61bを有している。この充電側制御部61でも、CPU61aがメモリー61bに記憶された制御プログラムを実行することで各種の制御動作、例えば駆動用バッテリー44に対する充電制御が実現される。また、メモリー61bは、制御動作を行う際に必要となる各種の情報が記憶される。また、充電側制御部61は、車両側制御部41と通信可能に構成されており、充電制御に必要な電気自動車40に関する各種情報、例えば駆動用バッテリー44についての総容量、残容量、出力電圧(充電電圧)の情報などが取得される。さらに、電気自動車40に対する指令も出力することができる。
これに伴い、電気自動車40が有する車両側制御部41にも充電側制御部61との通信を実現するための通信機能が付与されている。なお、車両側制御部41と充電側制御部61との通信には、無線送受信機などの各種の通信手段を用いることができる。
開閉器62は、単相交流の供給制御を行う部分である。この開閉器62は充電側制御部61によって開閉動作が制御され、充電時間に亘って閉状態になり、供給線を通じて商用系統50から供給された単相交流を車載充電器43に供給する。また、接続された電気自動車40が蓄電車両に定められた場合には、駆動用バッテリー44の放電時にも閉状態となる。この場合には、後述する車載放電器49からの単相交流を、供給線を通じて放出させる。なお、充電側制御部61は、管理側制御部11からの動作指示信号に基づいて、開閉器62の開閉動作を制御する。
次に、電気自動車40について説明する。第2実施形態の電気自動車40は、第1実施形態の電気自動車40と基本的な構成は同じであるが、車載放電器49を備えている点で相違している。この車載放電器49は、駆動用バッテリー44と普通充電インレット42Aとの間に、車載充電器43と並列に設けられている。この車載放電器49は、車載充電器43と同様に車両側制御部41によって動作が制御され、動作時にあっては駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を単相交流に変換して放出させる。
車載放電器49から放出された単相交流は、充電プラグPLGやケーブルCBを通じて普通充電器60へ向けて流れる。このとき、開閉器62が閉状態にあれば、単相交流は商用系統50からの単相交流と合流し、別の普通充電器60等による別の駆動用バッテリー44の充電に供される。
次に、この充電システムにおける動作について説明する。図13は、この充電システムによる電気自動車40の充電制御を説明するメインフローチャートである。なお、図13のフローチャート、及び、後述する図14のフローチャートにおいて、「NC」と記載されているが、これは普通充電器60を意味している。
この充電システムでは、充電動作を行う普通充電器60の選択の有無を判定する(S41)。すなわち、管理側制御部11は、ユーザーによって入力部12aに対する充電器の選択動作がなされたか否かを判断する。普通充電器60が選択されたならば、管理側制御部11は、充電側制御部61を介して電気自動車40の車両側制御部41と通信をし、充電制御に必要な車両情報を取り込む(S42)。車両情報が取得されたならば、管理側制御部11は、ユーザーの希望する希望充電量、及び、ユーザーの希望する希望充電完了時間の入力を待つ(S43,S44)。なお、ここまでの処理は第1実施形態におけるステップS1〜S4と同様である。
次に、管理側制御部11は、充電制御の内容を決定する(S45)。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、時間帯毎の上限電力を用いて制御内容を決定する。この第2実施形態では、普通充電器60が有する開閉器62の開閉制御によって充電量を制御する。そして、第1実施形態と同様に、或る駆動用バッテリー44に対する充電を行うと商用系統50から受電し得る上限電力を超えてしまう場合に、他の駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を放出させて或る駆動用バッテリー44の充電に供するように、充電制御パターンを決定する。なお、この充電制御の決定処理については、後で詳しく説明する。
充電制御の内容を決定したならば、管理側制御部11は、決定結果の通知処理を行う(S46)。この通知処理は、第1実施形態と同様の処理である。通知処理が行われたならば、充電処理が行われる(S47)。この充電処理において、管理側制御部11は、対象となる普通充電器60の充電側制御部61に充電制御パターンの情報を送信する。また、充電側制御部61は、受信した充電制御パターンに従って駆動用バッテリー44の充電を行う。ここで、充電制御パターンとしては、開閉器62の開閉状態を時系列で示す開閉情報が用いられる。
また、電気自動車40の車両側制御部41に対しては、車載充電器43による充電動作であるのか車載放電器49による放電動作であるのかを示す充放電選択情報が、充電側制御部61を通じて送信される。そして、車両側制御部41は、充電動作が指定された場合には、車載充電器43を動作させて駆動用バッテリー44に対する充電を行う。一方、放電動作が指定された場合には、車載放電器49を動作させて駆動用バッテリー44から直流電力を放出させ、単相交流に変換して出力する。
この充電処理は、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了するまで継続して行われる(S48)。そして、新たな普通充電器60が選択されるまでは、決定された充電制御パターンで充電を行う(S49)。一方、新たな普通充電器60が追加で選択された場合には、ステップS42に戻って車両情報の取り込み以降の処理を繰り返し行う。なお、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了した場合には(S48)、ステップS41に戻って普通充電器60が選択されるまで待機する。
次に、図14のフローチャートを参照して、管理側制御部11による充電制御決定処理(S45)の詳細について説明する。
この充電制御決定処理では、対象の普通充電器60のうち、識別番号が最も若いものを選択する(S51)。ここで、普通充電器60に付された識別番号がアルファベットで構成されている場合にはアルファベット順の最も若いものが選択され、識別番号が順序数で構成されている場合には最も小さな数字が付されたものが選択される。
次に、選択された普通充電器60に関して予想総充電量が算出される(S52)。本実施形態において、この予想総充電量は、前述した式(1)によって算出される。
予想総充電量が算出されたならば、一次側の充電電力が算出される(S53)。本実施形態において、この充電電力は、次式(4)によって算出される。なお、式(4)において、充電電流は、車載充電器43に供給する単相交流の電流値であり、入力電圧は、車載充電器43に入力される単相交流の電圧値である。
充電電力=充電電流×入力電圧×力率 …(4)
一次側の充電電力が算出されたならば、充電完了予想時間が算出される(S54)。本実施形態において、この充電完了予想時間は、次式(5)によって算出される。なお、式(5)において、AC/DC変換効率は車載充電器43における変換効率である。このため、この処理では管理側制御部11のメモリー11bから車載充電器43の変換効率が読み出される。
充電完了予想時間=予想総充電量÷AC/DC変換効率÷充電電力 …(5)
充電完了予想時間が算出されたならば、ステップS52からS54までの各算出処理が、対象となる全ての普通充電器60に対して行われたか否かが判断される(S55)。ここで、算出処理が行われていない普通充電器60があった場合には、次に識別情報の若い普通充電器60が選択され(S56)、この普通充電器60に対する各算出処理(S52−S54)が行われる。
一方、各算出処理が、全ての普通充電器60に対して行われた場合には、対象断面の設定が行われる(S57)。ここで断面とは、充電制御パターンにおける制御の切換時点であり、各普通充電器60で充電に使用できる電力が上限電力を超えているか否かの判断タイミングに相当する。この断面としては、普通充電器60でなされる単位充電動作の開始時点や終了時点がある。また、上限電力を規定する時間帯同士の境界も断面に該当する。従って、充電の開始時点が1番目の断面になる。このため、ステップS55から移行してきた場合には、充電の開始時点(具体例における時刻t0)が対象断面として設定される。
対象断面を設定したならば、対象断面における制約条件を満足するか否かが判断される(S58)。ここでは、優先順位(充電緊急度)の高い順に充電時の個別電力が積算される。そして、全ての普通充電器60の充電電力の合計が、対象断面における上限電力以下である場合に、制約条件を満足すると判断される。
ここで、制約条件を満足している場合には、その断面における充電制御パターンが決定される(S59)。一方、制約条件を満足していない場合には、蓄電アルゴリズム判定が行われる(S60)。この処理では、充電を後回しにでき、かつ、不足分を補うために必要な量が充電済の駆動用バッテリー44が搭載された電気自動車40を蓄電車両に決定し、優先順位の高い駆動用バッテリー44の充電が優先されるように、その断面の充電制御パターンが決定される。
対象断面の充電制御パターンが決定されたならば、全ての対象断面について充電制御パターンが決定されたか否かが判断される(S61)。ここで、充電制御パターンが決定されていない断面があった場合には、その断面を対象断面に設定し(S57)、前述の処理を繰り返し行う(S58−S60)。
全ての断面について充電制御パターンが決定されたならば(S61)、全ての普通充電器60について充電要望を満足しているか否かが判断される(S62)。ここで、希望する充電量を希望する時間内に充電できる場合、充電要望を満足していると判断される。一方、希望する充電量を充電するに際して希望する時間を超えてしまう場合、充電要望を満足していないと判断される。
そして、充電要望を満足していると判断された場合には、要望達成見込みである旨の通知データが作成される(S63)。この通知データはステップS46の結果通知で表示される。一方、充電要望を満足していないと判断された場合には、要望不達成である旨の通知データが作成される(S64)。この通知データもまたステップS46の結果通知で表示される。これらの通知データ作成処理を行ったならば、充電制御決定処理(S45)を終了し、メインフローチャートに復帰する。
以上の充電制御決定処理について、図15,図16の具体例に基づいて詳しく説明する。これらの図において、横軸は時間、縦軸は電力であり、第1実施形態で説明した具体例と同様である。
まず、図15を参照して第1具体例について説明する。この具体例は、蓄電車両となる電気自動車40の駆動用バッテリー44Aの充電が完了している状態で、別の電気自動車40の駆動用バッテリー44Bを充電する場合を示している。なお、図11には、駆動用バッテリー44A,44B、及び、対応する普通充電器60A,60Bをかっこ書きの符号で示している。
そして、普通充電器60Aに関し、充電開始時に設定された希望充電完了時間が8Tであり、充電開始時の設定に基づく必要充電量がPX1〔kWh〕であり、充電開始時から現時点までの経過時間が4Tであり、現時点までの充電量がPX1〔kWh〕であり、蓄電車両が有する車載充電器43Aの充電定格が0.3PX1/T〔kW〕であるとする。また、普通充電器60Bに関し、希望充電完了時間が3Tであり、必要充電量がPX2〔kWh〕であり、現時点での経過時間が0Tであり、現時点までの充電量が0〔kWh〕であり、この電気自動車40Bが有する車載充電器43Bの充電定格が0.4PX2/T〔kW〕であるとする。
この具体例では、現時点で普通充電器60Aによる駆動用バッテリー44Aの充電が完了しているため、普通充電器60Bによる駆動用バッテリー44Bへの充電制御パターンが設定される。従って、まずは、駆動用バッテリー44Bに対する必要充電量が予想総充電量として算出される(S52)。次に、一次側の充電電力が算出され(S53)、充電完了予想時間が算出される(S54)。
次に、対象断面が設定される(S57)。これに伴い、駆動用バッテリー44Bに対する充電制御パターンが仮設定される。この時点では、駆動用バッテリー44Bのみが充電されると判定されているため、図15(a)に示すように、時刻t0から時刻t2aまでの時間2.5Tに亘って連続した充電制御パターンが仮設定される。また、車載充電器43Bの充電定格が0.4PX2/T〔kW〕であるため、この充電定格に対応した充電電力paが仮設定される。
そして、対象断面として時刻t0,t1,t2が設定され、それぞれの断面において制約を満たすか否かが判定される(S57,S58)。ここで、時間帯(t1−t2)については、上限電力P2が充電電力paよりも大きいので、制約を満たすと判定される。しかし、時間帯(t0−t1)及び時間帯(t2−t2a)については、上限電力P1,P3が充電電力paよりも小さいので、制約を満たさないと判定される。これに伴い、蓄電アルゴリズム判定(S60)が行われる。
この蓄電アルゴリズム判定では、第1実施形態と同様に蓄電車両として電気自動車40Aが特定され、不足分の電力量と蓄電可能な電力量の比較が行われる。そして、不足分の電力量と蓄電可能な電力量とのバランスに応じて充電制御パターンが組み替えられる。
この具体例では、図15(b)にクロスハッチングの矩形状領域PX2´で示すように、時間帯(t0−t1)と時間帯(t2−t2a)にて、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた電力を放出させ、駆動用バッテリー44Bの充電に供する充電制御パターンが設定される。さらに、駆動用バッテリー44Aから放出させた電力を補うため、図15(c)に右下ハッチングの矩形状領域PX1´で示すように、時間帯(t1−t2)と時間帯(t2a−t3)にて、駆動用バッテリー44Aを充電させる充電制御パターンが設定される。
その結果、駆動用バッテリー44Bについては希望充電完了時間である3T以内に充電を完了させることができ、駆動用バッテリー44Aについても希望充電完了時間である8T(図15(c)では時刻4t)以内に充電を完了させることができる。
次に、図16を参照して第2具体例について説明する。この具体例は、電気自動車40Aの駆動用バッテリー44Aが充電途中の状態で、電気自動車40Bの駆動用バッテリー44Bの充電を開始する場合を示している。
そして、普通充電器60Aに関し、充電開始時に設定された希望充電完了時間が8Tであり、充電開始時の設定に基づく必要充電量がPX1〔kWh〕であり、充電開始時から現時点までの経過時間が2Tであり、現時点までの充電量が0.4PX1〔kWh〕であり、蓄電車両が有する車載充電器43Aの充電定格が0.3PX1/T〔kW〕であるとする。また、普通充電器60Bに関し、希望充電完了時間が3Tであり、必要充電量がPX2〔kWh〕であり、現時点での経過時間が0Tであり、現時点までの充電量が0〔kWh〕であり、この電気自動車40Bが有する車載充電器43Bの充電定格が0.4PX2/T〔kW〕であるとする。
この場合、時刻t0にて、各普通充電器60A,60Bによる予想総充電量、一次側の充電電力、及び、充電完了予想時間が算出される(S51−S56)。その際、充電途中の普通充電器60Aについては、充電開始からの経過時間2Tが考慮されて予想総充電量等が再計算される。
次に、対象断面が設定されるが(S57)、対象断面の設定に際しては、まず充電制御パターンの仮設定が行われる。
この具体例では、優先順位の高い普通充電器60A(駆動用バッテリー44A)の充電制御パターンが先に仮設定される。普通充電器60Aについての希望充電完了時間は8Tであり、時刻t0で2T分の時間が経過しているので、時刻t6までに充電が完了すればよいと認識される。そして、時刻t0時点での充電量は0.4PX1であるので、残りの必要充電量は0.6PX1になる。車載充電器43Aの充電定格が0.3PX1/T〔kW〕であるから、必要な充電時間は2Tとなる。従って、図16(a)に示すように、時間帯(t0−t2)に亘って連続した充電制御パターンが仮設定される。また、車載充電器43Aの充電定格に対応した充電電力paが仮設定される。
次に、普通充電器60B(駆動用バッテリー44B)の充電制御パターンが仮設定される。この普通充電器60Bについての希望充電完了時間は3Tであるので、時刻t3までに充電が完了すればよいと認識される。そして、時刻t0時点での必要充電量はPX2〔kWh〕であり、車載充電器43Bの充電定格が0.4PX2/T〔kW〕であるから、必要な充電時間は2.5Tとなる。従って、図16(a)に示すように、時間帯(t0−t2)では車載充電器43A,43Bの合計充電定格に対応した充電電力pbが仮設定され、時間帯(t2−t2a)では車載充電器43Bの充電定格に対応した充電電力pcが仮設定される。
このようにして充電制御パターンが仮設定されると、対象断面として時刻t0,t1,t2が設定される。そして、それぞれの断面において制約を満たすか否かが判定される(S58)。ここで、時間帯(t1−t2)については、上限電力P2が充電電力pbよりも大きいので、制約を満たすと判定される。しかし、時間帯(t0−t1)については、上限電力P1が充電電力pbよりも小さく、時間帯(t2−t2a)については、上限電力P3が充電電力pcよりも小さいので、制約を満たさないと判定される。これに伴い、蓄電アルゴリズム判定(S60)が行われる。
蓄電アルゴリズム判定では、上限電力を超えた時間帯について、希望充電完了時間に余裕のある普通充電器60による充電を他の時間帯に割り振り、上限電力を超えた時間帯における充電電力を下げる。
この例では、図16(b)に示すように、時間帯(t0−t1)における普通充電器60Aによる充電を時間帯(t2a−t3a)に割り振り、時間帯(t0−t1)の充電電力を充電電力pcまで下げる。この充電電力pcは上限電力P1よりも低いので、この時間帯における制約は満たされたと判定される。
このように、充電パターンを変更しても、時間帯(t2−t2a)については依然として制約を満たさない。そこで、時間帯(t2−t2a)での充電電力の不足分(超過電力)を算出し、この不足分を駆動用バッテリー44Aから放電された電力で補うように充電制御パターンが再設定される。
この具体例では、図16(c)にクロスハッチングの矩形状領域で示すように、時間帯(t2−t2a)にて、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた電力を放出させ、駆動用バッテリー44Bの充電に供する充電制御パターンPX2´が設定される。さらに、駆動用バッテリー44Aから放出させた電力を補うため、図16(d)に矩形状領域で示すように、時間帯(t3a−t4)にて、駆動用バッテリー44Aを充電させる充電制御パターンPX1´が設定される。
その結果、駆動用バッテリー44Bについては希望充電完了時間である3T以内に充電を完了させることができ、駆動用バッテリー44Aについても希望充電完了時間である8T以内に充電を完了させることができる。
以上説明したように、本実施形態の充電システムは、商用系統50からの交流を直流に変換して駆動用バッテリー44を充電する複数台の普通充電器60及び車載充電器43の組と、普通充電器60と通信可能に構成され、普通充電器60や車載充電器43の動作を制御する集中管理装置10とを有している。また、電気自動車40は、接続された駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力を交流に変換して放出させる車載放電器49を備えており、集中管理装置10は、商用系統50から受電し得る交流の上限電力が記憶されるメモリー11bを備えている。
そして、駆動用バッテリー44Bに対する充電を行うと上限電力を超えてしまう場合に、駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力を車載放電器49で単相交流に変換させ、開閉器62を通じて単相交流の供給線に放出させて駆動用バッテリー44Bの充電に供するようにしている。これにより、駆動用バッテリー44Bの充電時における電力不足を駆動用バッテリー44Aに蓄えられた直流電力によって補うことができる。その結果、受電設備の容量に起因する制約を緩和でき、複数台の駆動用バッテリー44A,44Bを効率よく充電することができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
充電対象のバッテリーに関し、電気自動車40に搭載された駆動用バッテリー44を例に挙げて説明したが、このバッテリーに限定されない。例えば、工事用重機に搭載された動力用バッテリーを充電する充電システムであってもよい。また、住宅で消費される電力を賄うことのできる住宅用バッテリーを充電する充電システムであってもよい。すなわち、これらのバッテリーと同等の蓄電容量を有し、車両で運搬できる大きさであり、かつ、急速充電器20や普通充電器60で充電可能な大容量のバッテリーであれば、この充電システムによる充電対象となる。
交流の上限電力に関し、時間帯毎に設定されるケースを例に挙げて説明したが、上限電力が固定値であってもよい。また、上限電力に代えて上限電流を用いてもよい。なお、上限電流を用いる場合には、各充電器での積算値も電流に変更する。
また、第1実施形態では、複数台の急速充電器20を用いた充電システムを例示し、第2実施形態では複数台の普通充電器60及び車載充電器43の組を用いた充電システムを例示したが、これらの構成に限られるものではない。本発明は、受電設備の制約から充電に使用可能な交流が制限される場合に、余力のあるバッテリーに蓄えられた直流電力を放出させることで、交流の制限を緩和することを要旨とする。このため、急速充電器20と普通充電器60及び車載充電器43の組とが混在した充電システムであってもよい。