JP2013150198A - 超音波エレメントおよび超音波プローブシステム - Google Patents

超音波エレメントおよび超音波プローブシステム Download PDF

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Abstract

【課題】特性が安定したエレメント20を提供する。
【解決手段】エレメント20は、シリコン基板11と、複数の下部電極部12Aと複数の下部電極部12Aを接続する複数の下部配線部12Bとを有する直流電圧が印加される下部電極層12と、それぞれのキャビティ14を介して、それぞれの下部電極部12Aと対向配置している複数の上部電極部16Aと複数の上部電極部16Aを接続する複数の上部配線部16Bとを有する接地電位となる上部電極層16と、下部電極層12または上部電極層16の少なくともいずれかと直列接続されたコンデンサ60と、を具備する。
【選択図】図6

Description

本発明は、静電容量型の超音波エレメント、および、静電容量型の超音波エレメントを具備する超音波プローブシステムに関する。
体内に超音波を照射し、エコー信号から体内の状態を画像化して診断する超音波診断法が普及している。超音波診断法に用いられる超音波診断装置の1つに超音波内視鏡がある。超音波内視鏡は、体内へ導入される挿入部の先端硬性部に超音波振動子ユニットが配設されている。超音波振動子ユニットは電気信号を超音波に変換し体内へ送信し、また体内で反射した超音波を受信して電気信号に変換する機能を有する。
超音波ユニットを構成する複数の超音波エレメント(以下、単に「エレメント」という)には、圧電セラミックス材料(例えばPZT:チタン酸ジルコン酸鉛)を用いたセル、またはMEMS技術を用いて製造される静電容量型超音波振動子(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducer、以下「c−MUT」という)からなるセルが使用されている。c−MUTは鉛等を使用しないため、圧電セラミックスを用いた超音波振動子よりも環境負荷が小さい。
<セルの構造>
図1に示すように、エレメント20のセル10は、基体であるシリコン基板11上に、順に積層された、下部電極層12と、下部絶縁層13と、キャビティ14が形成された上部絶縁層15と、上部電極層16と、保護層17と、を有する。なお、図1は1個のセル10の断面構造で示しているが、一般的には数十個〜数千個のセル10が1個のエレメント20を構成している。
下部電極層12は、複数の下部電極部12Aと、下部電極部12Aの縁辺部から延設している複数の下部配線部12Bと、を有する。下部配線部12Bは、同じエレメント20の他のセル10の下部電極部12Aを接続している。上部電極層16は、複数の上部電極部16Aと、上部電極部16Aから延設している複数の上部配線部16Bと、を有する。上部配線部16Bは、同じエレメント20の他のセル10の上部電極部16Aを接続している。それぞれのセル10は、キャビティ14を介して対向配置している下部電極部12Aと上部電極部16Aとを有する。
同じエレメント20に配置された複数のセル10の全ての下部電極部12Aは互いに接続されており、全ての上部電極部16Aも互いに接続されている。そして下部電極層12には、駆動電圧が印加され、上部電極層16は接地電位となっている。
エレメント20の下部電極層12と上部電極層16との間にパルス電圧が印加されると、静電力により上部電極部16Aを含むメンブレン(振動部)が振動することで、超音波が発生する。また外部から超音波が入射するとメンブレン(振動部)が変形し下部電極層12と上部電極層16との間隔が変化するため、静電容量の変化から超音波を電気信号に変換する。
なお、容量検出のために、下部電極層12には常時、一定の直流電圧がバイアス電圧として印加されており、超音波発生時にはこれに重畳して大きなパルス電圧が印加される。
下部電極層12と上部電極層16の間には、絶縁層(下部絶縁層13と上部絶縁層15)が配設されているため、たとえメンブレンが大きく変形しても下部電極層12と上部電極層16とは短絡しない。しかし、絶縁層に欠陥があった場合等には、下部電極層12と上部電極層16とが短絡し、直流電圧が印加されると、電極層間に直流電流が流れる。
図2に示すように、特開2006−343315号公報には、複数のセル110で構成された超音波エレメント120に電圧を印加する配線181に、ヒューズ64を直列に接続した超音波内視鏡システム101が開示されている。キャビティ14を介して対向配置されている下部電極部112Aと上部電極部116Aは、それぞれ下部配線部112B、上部配線部116Bを介して接続されている。下部電極層12と上部電極層16とが短絡すると、配線181に大きな電流が流れるため、ヒューズ64が溶断する。
しかし、超音波内視鏡システム101では、ヒューズ64が溶断する直前には大きな電流が流れる。また、短絡が発生しても流れる電流がヒューズ64の溶断電流値よりも小さい場合には、電流が流れ続ける。このため、超音波内視鏡システム101では、超音波観測装置103が故障したり、動作が不安定になったりするおそれがあった。
特開2006−343315号公報
本発明の実施形態は、動作が安定した超音波エレメントおよび動作が安定した超音波プローブシステムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態の超音波エレメントは、基体と、複数の下部電極部と、前記複数の下部電極部を接続する複数の下部配線部と、を有する、直流電圧が印加される下部電極層と、それぞれのキャビティを介して、それぞれの前記下部電極部と対向配置している複数の上部電極部と、前記複数の上部電極部を接続する複数の上部配線部と、を有する、接地電位となる上部電極層と、前記下部電極層または前記上部電極層の少なくともいずれかと直列接続された、直流電流のみを遮断する電流遮断部と、を具備する。
また、本発明の別の実施形態の超音波プローブシステムは、基体と、複数の下部電極部と前記複数の下部電極部を接続する複数の下部配線部とを有する、直流電圧が印加される下部電極層と、それぞれのキャビティを介して、それぞれの前記下部電極部と対向配置している複数の上部電極部と、前記複数の上部電極部を接続する複数の上部配線部とを有する接地電位となる上部電極層と、を具備する複数の超音波エレメントが配列された超音波ユニットを挿入部の先端部に有する超音波プローブと、前記超音波ユニットに電力を供給する電源と、前記超音波ユニットからの信号を検出する容量検出部と、前記電源および容量検出部を選択された超音波エレメントと接続する切替スイッチと、全体の制御を行う制御部と、を有する超音波観測装置と、を具備し、前記超音波プローブまたは前記超音波観測装置が、前記下部電極層または前記上部電極層の少なくともいずれかと直列接続された直流電流のみを遮断する電流遮断部、を有する。
本発明の実施形態によれば、特性が安定した超音波エレメントおよび特性が安定した超音波プローブシステムを提供することができる。
cMUTのセル構造を説明するための断面図である。 従来の超音波プローブシステムの構成図である。 第1実施形態の超音波内視鏡システムの斜視図である。 第1実施形態の超音波内視鏡システムの挿入部先端部の斜視図である。 第1実施形態の超音波内視鏡システムの超音波ユニットの斜視図である。 第1実施形態の超音波内視鏡システムの構成図である。 第1実施形態の超音波内視鏡システムの回路図である。 第1実施形態の変形例1の超音波内視鏡システムの回路図である。 第1実施形態の変形例2の超音波内視鏡システムの回路図である。 第2実施形態の超音波エレメントのセルの断面図である。 第2実施形態の超音波エレメントの製造方法を説明するためのセルの断面図である。 第2実施形態の変形例1の超音波エレメントのセルの断面図である。 第2実施形態の変形例2の超音波エレメントのセルの断面図である。 第2実施形態の変形例3の超音波エレメントのセルの断面図である。 第2実施形態の変形例4の超音波エレメントのセルの断面図である。 第2実施形態の変形例5の超音波エレメントのセルの断面図である。 第3実施形態の超音波内視鏡システムの回路図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して第1実施形態の超音波エレメント20および超音波プローブシステムである超音波内視鏡システム1について説明する。なお、以下の図はいずれも説明のための模式図であり、構成要素の数、大きさ、および大きさ等の比率等は実際とは異なる。
<超音波内視鏡システムの構成>
図3に示すように、超音波プローブである超音波内視鏡2は、超音波観測装置3およびモニタ4とともに超音波内視鏡システム1を構成する。超音波内視鏡2は、体内に挿入される細長の挿入部41と、挿入部41の基端に配された操作部42と、操作部42の側部から延出したユニバーサルコード43と、を具備する。
ユニバーサルコード43の基端部には、光源装置(不図示)に接続されるコネクタ44Aが配設されている。コネクタ44Aからは、カメラコントロールユニット(不図示)にコネクタ45Aを介して着脱自在に接続されるケーブル45と、超音波観測装置3にコネクタ46Aを介して着脱自在に接続されるケーブル46と、が延出している。超音波観測装置3にはモニタ4が接続される。
挿入部41は、先端側から順に、先端部47と、先端部47の後端に位置する湾曲部48と、湾曲部48の後端に位置して操作部42に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部49と、を連設して構成されている。そして、先端部47の先端側には、複数の超音波ユニット30が配設されている(図5参照)。
操作部42には、湾曲部48を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ42Aと、送気および送水操作を行う送気送水ボタン42Bと、吸引操作を行う吸引ボタン42Cと、後述する体内に導入する穿刺針等を有する処置具の入り口となる処置具挿入口42D等と、が配設されている。
そして、図4に示すように、超音波内視鏡2の超音波ユニット30が配設された先端部47には、照明光学系を構成する照明用レンズカバー31と、観察光学系の観察用レンズカバー32と、鉗子口33と、図示しない送気送水ノズルと、が配設されている。
超音波ユニット30は、例えば図5に示すような電子駆動式のラジアル型であり、複数の細長い矩形の超音波エレメント20が、長辺を平行に円筒状に所定間隔で配列している。それぞれのエレメント20の外周面には、超音波を送受信する複数のセル10が形成されている送受信部21と、外部電極26Aと、外部電極26Bと、がある。
外部電極26Aは、ケーブル80の導線81Aと接続されている。一方、外部電極26Bは、外周面に表面実装されたコンデンサ60を介して、ケーブル80の導線81Bと接続されている。例えば、コンデンサ60は、超小型のセラミックチップコンデンサである。コンデンサ60の耐電圧は、超音波ユニット30の最大駆動電圧(バイアス電圧+パルス電圧)以上であればよい。
図6は、エレメント20を具備する超音波内視鏡システム1の構成図である。
超音波観測装置3は、電源3Aと、切替スイッチ3Bと、容量検出部3Cと、全体の制御を行う制御部3Dと、を含んでいる。電圧供給源である電源3Aは直流電圧信号を発生する。切替スイッチ3Bは制御部3Dの制御により、超音波ユニット30の複数のエレメント20の中から選択されたエレメント20の導線81Aに直流電圧信号を印加する。容量検出部3Cは超音波受信時にエレメント20の容量変化を検出する
すでに図1を用いて説明したように、エレメント20のセル10のメンブレンを構成する上部電極部16Aは、キャビティ14を介して下部電極部12Aと対向配置している。
直流電圧が印加される下部電極層12は、複数の下部電極部12Aと、複数の下部電極部12Aを接続する複数の下部配線部12Bと、を有する。接地電位となる上部電極層16は、複数の上部電極部16Aと、複数の上部電極部16Aを接続する複数の上部配線部16Bと、を有する。コンデンサ60は上部電極層16と直列接続されている。
なお、エレメント20は、外表面に近い上部電極層16が接地電位であるので、上部電極層16が駆動電位のエレメントよりも安全性が高い。
<超音波内視鏡システムの回路>
図7は、エレメント20を具備する超音波内視鏡システム1の回路図である。なお、回路図には切替スイッチ3Bにより選択された1個のエレメントだけを図示している。そして、それぞれのエレメント20を構成する複数のセル10の静電容量の合計、言い換えれば、上部電極層16と下部電極層12との間の容量をC0(F)、コンデンサ60の容量をC1(F)で示している。
エレメント20では、電流遮断部であるコンデンサ60が上部電極層16と直列接続されている。コンデンサ60は、直流電流を導電しないが、直流電圧は導電する。すなわち、コンデンサ60は、直流電流のみを遮断する。このため、コンデンサ60を介していても、上部電極層16は接地電位電極としての機能を有する。
そして、超音波内視鏡システム1は、故障等によって下部電極層12と上部電極層16とが短絡しても、直流電流を遮断するコンデンサ60が上部電極層16と超音波診断装置3との間に直列接続されているために、上部電極層16に直流電流が流れない。すなわち、コンデンサ60は、両端部が直流電気的に絶縁されている短絡回避構造である。
なお、厳密には、短絡した場合、コンデンサ60が充電状態になるまでの間は上部電極層16に電流が流れる。しかし、その電力は小さいため、超音波観測装置3に大きな影響を及ぼすことはない。
このため、エレメント20を具備する超音波内視鏡システム1は、超音波観測装置3が故障したり、動作が不安定になったりするおそれがない。
ここで、図7に示したコンデンサの合成容量Cは、(式1)で示される。
1/C = 1/C0 + 1/C1 (式1)
(式1)より明らかなように、容量C0に対して十分大きい容量C1のコンデンサ60であれば、合成容量Cは容量C0とほぼ等しくなる。このため、コンデンサ60の容量C1は、下部電極層12と上部電極層16との容量C0よりも大きいことが好ましく、特に好ましくは、容量C1は容量C0の3倍以上100倍以下である。前記範囲以上であれば、超音波内視鏡システム1は、超音波送受信時には、エレメント20の容量C0が支配的に作用するため、受信感度の劣化がない。また前記範囲以下であれば受信分解能の低下、または送信可能周波数の低下が問題とはならないレベル以下である。
なお、電流遮断部は、直流電流を遮断する電子部品であれば、コンデンサに限られるものではない。
<第1実施形態の変形例>
図8に示す、第1実施形態の変形例1のエレメント20Aおよび超音波内視鏡システム1Aでは、コンデンサ60は、それぞれのエレメント20の下部電極層12と直列接続されている。
コンデンサ60は、直流電流を遮断するが、直流電圧は導電する。すなわち、導線81Aに直流電圧が印加されると、コンデンサ60を介していても下部電極層12には直流電圧が印加される。そして、超音波内視鏡システム1Aは、故障等によって下部電極層12と上部電極層16とが短絡しても、直流電流を遮断するコンデンサ60が下部電極層12と超音波診断装置3との間に直列接続されているために、上部電極層16に直流電流が流れない。
すなわち、エレメント20Aおよび超音波内視鏡システム1Aは、エレメント20および超音波内視鏡システム1と同じ効果を有する。
次に、図9に示す、第1実施形態の変形例2のエレメント20Bおよび超音波内視鏡システム1Bでは、それぞれのエレメント20Bが、下部電極層12と直列接続されている容量CAのコンデンサ60Aと、上部電極層16と直列接続されている容量CBのコンデンサ60Bと、を具備する。そして、C0<CA、C0<CBである。
図9に示したコンデンサの合成容量Cは、(式2)で示される。
1/C = 1/C0+1/CA+1/CB (式2)
(式2)より明らかなように、容量C0に対して十分大きい容量のコンデンサ60A、60Bであれば、合成容量Cは容量C0とほぼ等しくなる。このため、コンデンサ60Aの容量CAおよびコンデンサ60Bの容量CBは、下部電極層12と上部電極層16との容量C0よりも大きいことが好ましく、特に好ましくは、容量CA、CBは容量C0の3倍以上100倍以下である。前記範囲内であれば、エレメント20Bおよび超音波内視鏡システム1Bは、性能が劣化することがない。
エレメント20Bは、エレメント20Aと同じ効果を有し、更に直流電流を接地電位側と駆動電位側の双方で遮断しているので、より確実に、上部電極層16に直流電流が流れることを阻止できる。
以上の説明のように、実施形態の超音波エレメントは、電流遮断部であるコンデンサが、下部電極層12または上部電極層16の少なくともいずれかと直列接続されていればよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のエレメント20Cについて説明する。エレメント20Cは、エレメント20およびと類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。なお、以下の説明のように、エレメント20Cでは、それぞれのセル10Cが外部電極26A、26Bを有するが、エレメント毎に外部電極26A、26Bを配設したものでもよい。
図10に示すように、エレメント20Cでは、エレメント20Cの下部配線部12Bから延設された下側電極61と、上部電極層16と同時に作製される上側電極62とを具備する。下側電極61と上側電極62とは、下部絶縁層13および上部絶縁層15を介して対向配置した平行平板型のコンデンサ60Cを形成している。すなわち、コンデンサ60Cはセル10Cと一体形成されるエレメント内蔵コンデンサである。
コンデンサ60Cは、エレメント20Aのコンデンサ60Aと同じ機能を有する。接地電位の外部電極26Bは層間配線19を介して上部電極層16と接続されている。直流電圧が印加される外部電極26Aは層間配線18を介して上側電極62と接続されている。このため、エレメント20Cの回路図は、図8に示したエレメント20Aの回路図とほぼ同じである。そして、エレメント20Cは、エレメント20Aと同様の効果を有する。
エレメント20Cのコンデンサ60Cの容量は、コンデンサ60等の容量と同様に、下部電極層12と上部電極層16との容量C0よりも大きいことが好ましく、特に好ましくは、容量C0の3倍以上100倍以下である。
なお、コンデンサ60Cの容量を増加するために、下側電極61と上側電極62との間に、例えば、BST(チタン酸バリウムストロンチウム)等からなる高誘電率層を配設してもよい。
ここで、図11(A)〜図11(E)を用いて、エレメント20Cのセル10Cの製造方法について説明する。
図11(A)に示すように、導電性のシリコン基板11の表面に絶縁層11Aが形成される。絶縁層11Aは、酸化シリコンまたは窒化シリコン等からなり、厚さは1μm以上である。
次に、絶縁層11A上に、導電性材料をスパッタリング等で成膜した後、フォトリソグラフィーで下部電極層12の形状のレジストマスクを配設し、エッチング処理後にレジストマスクを除去することにより、下部電極層12が作製される。下部電極層12は、モリブデン、タングステン、チタン、または、アルミニウム等からなり、厚さは0.2μm〜0.5μmである。なお、下部電極層12は、下部電極部12Aから下部配線部12Bを介して延設された、コンデンサ60Cの下側電極61を有する。すなわち、下部電極部12Aおよび下部配線部12Bの作製と同時に下側電極61も作製される。
図11(B)に示すように、絶縁層11Aおよび下部電極層12の上に下部絶縁層13が成膜される。下部絶縁層13は、シリコン窒化物、または、シリコン酸化物等からなり、厚さは0.1μm〜0.2μmである。
次に、下部絶縁層13の上に犠牲層材料を成膜した後、フォトリソグラフィーでキャビティ14の形状のレジストマスクを配設し、エッチング処理後にレジストマスクを除去することにより、犠牲層14Xが作製される。犠牲層材料としては、エッチングにより、下部絶縁層13および上部絶縁層15と選択的に除去可能な材料から選択される。犠牲層14Xの厚さ、すなわち、キャビティ14の高さ、は、0.1μm〜0.3μmである。
図11(C)に示すように、犠牲層14Xを覆うように上部絶縁層15が成膜される。厚さが0.3μm〜0.7μmの上部絶縁層15は、例えば、引っ張り応力400MPa以下の窒化シリコンからなる。
次に、上部絶縁層15に、犠牲層14Xにエッチング剤を流入するためのエッチングホール(不図示)が形成される。そして犠牲層14Xが選択的にエッチングされることで、中空のキャビティ14が形成される。
犠牲層14Xの選択的エッチングには、例えば犠牲層14Xとして酸化シリコン(SiO)を用い、下部絶縁層13および上部絶縁層15として窒化シリコン(SiN)を用いた場合には、エッチング剤としてバッファードフッ酸(BHF)を用いる。また犠牲層14Xとして導電性多結晶シリコンを用い、下部絶縁層13および上部絶縁層15としてSiNを用いた場合には、エッチング剤としてフッ化キセノンガス(XeF)を用いる。
次に、下部電極層12とほぼ同様の方法で上部電極層16が作製される。上部電極層16の厚さは0.3μm〜1μmである。なお、上部電極層16の上に、更に窒化チタン層を成膜してもよい。そして、上部電極部16Aおよび上部配線部16Bの作製と同時に、コンデンサ60Cの上側電極62も作製される。
図11(D)に示すように、上部電極層16および上側電極62を覆うように保護層17が成膜される。保護層17は、上部絶縁層15と同様の方法および同様の材料により形成される絶縁層である。なお、保護層17はSiN等からなる絶縁層の上に、更にポリパラキシリレン等の生体適合性のある外皮層が形成された2層構造であってもよい。保護層17の厚さは0.2μm〜1.5μmである。
最後に、図11(E)に示すように、保護層17に形成したビアホールに導電体を充填し層間配線18、19を形成する。そして、上側電極62と層間配線18を介して接続された外部電極26Aと、上部配線部16Bと層間配線19を介して接続された外部電極26Bと、が配設される。外部電極26A、26Bは、例えば、金パッドである。
上記工程により作製されたエレメント20Cは、セル10Cと一体形成されたコンデンサ60Cを有する。
エレメント20Cは、エレメント20Aと同じ効果を有し、更にコンデンサ60を実装する必要がないので、エレメント20Aよりも製造が簡単である。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の変形例のエレメントは、エレメント20Cと同様に、絶縁層を介して対向する電極層からなるコンデンサの少なくとも一方の電極層が、下部電極層12または上部電極層16の作製と同時に作製される。
図12に示す、第2実施形態の変形例1のエレメント20Dのセル10Dでは、下側電極61Dと外部電極26Aとが平行平板型のコンデンサ60Dを形成している。下側電極61Dは、上部電極層16と同時に作製される。
下側電極61Dは、層間配線18Dを介して下部電極層12と接続されている。このため、エレメント20Dの回路図は、図8に示したエレメント20Aの回路図とほぼ同じである。
図13に示す、第2実施形態の変形例2のエレメント20Eのセル10Eでは、導電性のシリコン基板11と、下部電極層12と、が平行平板型のコンデンサ60Eを形成している。
外部電極26Aは、層間配線18Eを介してシリコン基板11と接続されている。このため、エレメント20Eの回路図は、図8に示したエレメント20Aの回路図とほぼ同じである。
図14に示す、第2実施形態の変形例3のエレメント20Fのセル10Fでは、シリコン基板11の絶縁層11A上の下側電極65と、下側電極65を覆う絶縁層66と、を有し、下部電極層12は絶縁層66の上に作製されている。セル10Fでは、下側電極65と下部電極層12とが平行平板型のコンデンサ60Fを形成している。
下側電極65は層間配線18Fを介して外部電極26Aと接続されている。このため、エレメント20Fの回路図は、図8に示したエレメント20Aの回路図とほぼ同じである。
図15に示す、第2実施形態の変形例4のエレメント20Gのセル10Gでは、上部配線部16Bから延設された下側電極61Gと、外部電極26Bと、が平行平板型のコンデンサ60Gを形成している。下側電極61Gは上部電極部16Aおよび上部配線部16Bと同時に作製される。
下部電極層12は層間配線18Gを介して外部電極26Aと接続されている。このため、エレメント20Fの回路図は、図7に示したエレメント20の回路図とほぼ同じである。
図16に示す、第2実施形態の変形例5のエレメント20Hでは、セル10Hは、上部配線部16Bから延設された下側電極61Gと、外部電極26Bと、が平行平板型のコンデンサ60HBを形成しており、更に、上部電極層16と同時に作製された上側電極62Hと、下部配線部12Bから延設された下側電極61Hと、が平行平板型のコンデンサ60HAを形成している。
上側電極62Hは層間配線18Hを介して外部電極26Aと接続されている。このため、エレメント20Hの回路図は、図9に示したエレメント20Bの回路図とほぼ同じである。
エレメント20D〜20Hのコンデンサ60D〜60HBは、エレメント20Cのコンデンサ60C等と同じ機能を有する。このため、エレメント20D〜20Hは、エレメント20C等と同様の効果を有する。
なお、エレメント20D〜20Hでも、コンデンサ60D〜60HBの容量は、コンデンサ60等の容量と同様に、下部電極層12と上部電極層16との容量C0よりも大きいことが好ましく、特に好ましくは、容量C0の3倍以上100倍以下である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の超音波内視鏡システム1Jについて説明する。超音波内視鏡システム1Jは、超音波内視鏡システム1と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図17に示すように、超音波内視鏡システム1Jは、超音波観測装置3Jが、下部電極層12と直列接続される電流遮断部であるコンデンサ60Jを具備する。
すなわち、超音波観測装置3Jの電源3Aと切替スイッチ3Bとの間に直列にコンデンサ60Jが配設されている。そして超音波内視鏡2Jの超音波エレメント20Jにはコンデンサは配設されていない。しかし、超音波内視鏡システム1Jの回路図は、図8に示した超音波内視鏡システム1Aとほぼ同じである。
コンデンサ60Jは、エレメント20Aのコンデンサ60A等と同じ機能を有する。このため、超音波内視鏡システム1Jは、エレメント20Aを具備する超音波内視鏡システム1Aと同様の効果を有する。更に、超音波内視鏡システム1Jでは、1個のコンデンサ60Jを超音波観測装置3Jに配設するだけでよいので製造が容易である。更に電流遮断部が配設されていない超音波内視鏡2Jを用いることができるため、超音波内視鏡システム1Jは汎用性が高い。
なお、切替スイッチ3Bと超音波エレメント20Jとの間の内視鏡または超音波観測装置に、電流遮断機能を有する複数のコンデンサが、直列に配設されていてもよい。
すなわち、内視鏡または超音波観測装置が、下部電極層12または上部電極層16の少なくともいずれかと直列接続された直流電流を遮断するが直流電圧は遮断しない電流遮断部を有する超音波プローブシステムは、超音波内視鏡システム1Aと同様の効果を有する。
更に、実施形態および変形例のエレメントは、図3に示した超音波内視鏡だけでなく、IVUS( Intra Vascular Ultrasound )、または、カプセル型超音波内視鏡等においても用いることができる。またラジアル型超音波ユニットのエレメントを例に説明したが、実施形態のエレメントは、コンベックス型超音波ユニットに用いることもできる。更に、実施形態のエレメントはCCD等の撮像部を有していない超音波プローブおよび超音波プローブシステムに用いることもできる。
すなわち、本発明は、上述した実施形態または変形例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変、および組み合わせ等が可能である。
1、1A〜1J…超音波内視鏡システム、2、2J…超音波内視鏡、3、3J…超音波観測装置、3A…電源、3B…切替スイッチ、3C…容量検出部、3D…制御部、3J…超音波観測装置、4…モニタ、10、10C〜10H…セル、11…シリコン基板、11A…絶縁層、12…下部電極層、13…下部絶縁層、14…キャビティ、14X…犠牲層、15…上部絶縁層、16…上部電極層、17…保護層、18、19…層間配線、20、20A〜20J…超音波エレメント、21…送受信部、26A、26B…外部電極、30…超音波ユニット、60、60A〜60J…コンデンサ、61…下側電極、62…上側電極、64…ヒューズ、65…下側電極、66…絶縁層、80…ケーブル、81A、81B…導線

Claims (12)

  1. 基体と、
    複数の下部電極部と、前記複数の下部電極部を接続する複数の下部配線部と、を有する、直流電圧が印加される下部電極層と、
    それぞれのキャビティを介して、それぞれの前記下部電極部と対向配置している複数の上部電極部と、前記複数の上部電極部を接続する複数の上部配線部と、を有する、接地電位となる上部電極層と、
    前記下部電極層または前記上部電極層の少なくともいずれかと直列接続された、直流電流のみを遮断する電流遮断部と、を具備することを特徴とする超音波エレメント。
  2. 前記電流遮断部により、前記下部電極層と前記上部電極層とが短絡しても、前記上部電極層に前記直流電流が流れないことを特徴とする請求項1に記載の超音波エレメント。
  3. 前記電流遮断部が、コンデンサであることを特徴とする請求項2に記載の超音波エレメント。
  4. 前記コンデンサの容量C1が、前記上部電極層と前記下部電極層との間の容量C0より大きいことを特徴とする請求項3に記載の超音波エレメント。
  5. 前記容量C1が、前記容量C0の3倍以上100倍以下であることを特徴とする請求項4に記載の超音波エレメント。
  6. 絶縁層を介して対向する電極層からなる前記コンデンサの少なくとも一方の電極層が、前記下部電極層または前記上部電極層の作製と同時に作製されることを特徴とする請求項5に記載の超音波エレメント。
  7. 前記コンデンサが、表面実装されたコンデンサであることを特徴とする請求項5に記載の超音波エレメント。
  8. 基体と、複数の下部電極部と前記複数の下部電極部を接続する複数の下部配線部とを有する、直流電圧が印加される下部電極層と、それぞれのキャビティを介して、それぞれの前記下部電極部と対向配置している複数の上部電極部と、前記複数の上部電極部を接続する複数の上部配線部とを有する接地電位となる上部電極層と、を具備する複数の超音波エレメントが配列された超音波ユニットを挿入部の先端部に有する超音波プローブと、
    前記超音波ユニットに電力を供給する電源と、前記超音波ユニットからの信号を検出する容量検出部と、前記電源および容量検出部を選択された超音波エレメントと接続する切替スイッチと、全体の制御を行う制御部と、を有する超音波観測装置と、を具備する超音波プローブシステムであって、
    前記超音波プローブまたは前記超音波観測装置が、前記下部電極層または前記上部電極層の少なくともいずれかと直列接続された直流電流のみを遮断する電流遮断部、を有することを特徴とする。
  9. 前記電流遮断部により、前記下部電極層と前記上部電極層とが短絡しても、前記上部電極層に前記直流電流が流れないことを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブシステム。
  10. 前記電流遮断部が、コンデンサであることを特徴とする請求項9に記載の超音波プローブシステム。
  11. 前記コンデンサの容量C1が、前記上部電極層と前記下部電極層との間の容量C0より大きいことを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブシステム。
  12. 前記容量C1が、前記容量C0の3倍以上100倍以下であることを特徴とする請求項11に記載の超音波プローブシステム。
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