JP2013150097A - 複数周波数変調による光信号分割多重通信方法及び光信号分割多重通信システム - Google Patents

複数周波数変調による光信号分割多重通信方法及び光信号分割多重通信システム Download PDF

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Abstract

【目的】送信時に多重される全光信号間でデータビット同期を取る必要がなく、かつ誤って受信すべき光信号でない光信号を受信する危険性が十分に小さい。
【解決手段】各チャンネルに対して相異なる相互変調周波数の集合を対応させて設定された光信号分割多重通信システムである。各チャンネルの送信機50は、光パルス列13を生成するパルス光源12と、送信電気信号15に基づき光パルス列を強度変調して送信光信号17を生成する光強度変調器16と、送信光信号17を相互変調周波数の集合で与えられる変調規則で複数周波数変調するFBG 20とを備えている。また、受信機60は、光多重信号23からこのチャンネルに送信された送信光信号成分を抽出するための複数周波数復調するFBG 22と、FBG 22で抽出された送信光信号成分を受信電気信号27に変換する光電変換部26とを備えている。
【選択図】図3

Description

この発明は、複数チャンネル分の光信号を多重して送受信する光信号分割多重通信方法及び光信号分割多重通信システムに関する。
近年、インターネットの普及等により通信需要が急速に増大しており、これに対応して通信の大容量化が図られている。大容量伝送が可能な様々な光信号多重通信技術が研究され、これに対応して光通信システムも多様な形態が構築されている。代表的な光信号多重通信として、例えば、時間分割多重(TDM: Time Division Multiplex)、波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplex)、光符号分割多重(OCDM: Optical Code Division Multiplex)、及び光直交周波数分割多重(OOFDM: Optical Orthogonal Frequency-Division Multiplex)等の技術が研究されている。
WDMは、主に通信容量増加を目的として、基幹系の光通信に利用されてきた。近年、加入者系の光通信システムにおいても、大容量化のため光信号多重によるチャンネル数の増加が必要とされている。このため、PON(Passive Optical Network)で使われているように、TDMにWDMを組合せることによってチャンネル数を増加させる研究がなされてきた。
更に、WDMと組み合わせ易いOCDM、またはOOFDMなどの多重技術により、多数のチャンネルの信号を同一波長同一時間スロットに分割多重できるようにすることでネットワークの自由度を向上させ、将来の光ファイバネットワークのサービス利用領域増加あるいは経路複雑化に適応する技術が盛んに提案され研究されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
しかしながら、非特許文献1及び特許文献1に開示された多重技術は、複数の光信号が多重された多重光信号から、受信側で自己宛の一つの光信号を抽出し再生するために、送信側で多重される全光信号間で送信時にデータビット同期を取る必要がある。また、受信側で受信時に時間ゲート処理または閾値処理が必要となる。
特に、加入者系光通信システムにおいては、局側装置から様々に相異なる距離(概ね数十km)に加入者側の端末装置が配置されており、それに対応させて加入者側の端末装置からの上り信号をデータビット同期させなければならないという技術的難しさがある。更に、加入者である受信側では局側装置からの下り信号を時間ゲート処理あるいは閾値処理するための装置が必要となり、システム構築のためのコストが問題となる。このため最近では、OCDMにおいて、加入者からの上り信号のデータビット同期を必要としない、光位相を符号とする手法で構築された光符号分割多重アクセスシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
外林秀之、「光符号分割多重ネットワーク」、応用物理、第71巻、第7号、pp.853-859、(2002年)
特開2003−051810号公報 特開2009−200733号公報
特許文献2に開示された光位相を符号とする光符号分割多重アクセスシステムにあっては、チャンネル間の光信号を同期させる必要性はない。しかしながら、システムの置かれた環境の変化やシステムの構成部品の故障などの影響により当該システムの構成要素である符号器あるいは復号器で与えられる光位相に変動が生じれば、復号化信号を構成する自己相関信号と相互相関信号の比が小さくなる。この結果、受信動作に必要な自己相関信号の生成処理が困難となることがある。
また、特定の相互相関信号の強度が大きくなることによって、他チャンネルに宛てられた受信すべき光信号ではない光信号を誤って受信する危険性が増す。すなわち、上述の光位相の変動が光符号分割多重通信におけるセキュリティー上の問題となり得る。
この出願の発明者は、光信号分割多重通信において、特定の条件で決まる固有の複数の周波数から成る集合を設定し、この周波数の集合で与えられる変調規則を用いて、送信光信号を変調及び復調することで上述の課題が解決されることを見出した。
そこで、この発明の目的は、送信時に多重される全光信号間でデータビット同期を取る必要がなく、かつ受信すべき光信号でない光信号を誤って受信する危険性が十分に小さい、光信号分割多重通信方法及び光信号分割多重通信システムを提供することにある。
この発明の要旨によれば、以下の構成の光信号分割多重通信方法が提供される。
すなわち、周波数帯域がBである光搬送波を用いて、N(Nは2以上の整数)チャンネル分の信号を送受信する光信号分割多重通信方法である。この方法は次のように実行される。すなわち、B/(N・2m)の倍数となる任意のm(mは2以上の整数)とおりの周波数f1, f2, f3, …fmを次式(1)、
(fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
で与えられる相互変調周波数から成る集合がチャンネルごとに相異なるように設定し、各チャンネルに当該集合を一つずつ割り当てる。ただし、B/(N・2m)≦f1、f2、f3、・・・・、f<B となる。
各チャンネルにおいて、送信側から、割り当てられた周波数f1, f2, f3, …fmの関数として次式(2)
sin(2πf1t)・cos(2πf2t)・cos(2πf3t)・・・・cos(2πfm-1t)・cos(2πfmt) (2)
で与えられる変調規則によって送信光信号を、この変調規則を与える関数の波形値の絶対値で送信光信号を強度変調し、かつ波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与える位相変調することによる、複数周波数変調(以後、単に変調ということもある)して送信する。
受信側では、送信側で変調された規則と同一の規則によって複数周波数復調(以後、単に復調ということもある)して受信する。
この発明の要旨によれば、以下の構成の光信号分割多重通信システムが提供される。この光信号分割多重通信システムは、周波数帯域がBである光搬送波を用いて送受信する、チャンネル数Nの光信号分割多重通信システムである。そして、B/(N・2m)の倍数となる任意のmとおりの周波数f1, f2, f3, …fmが、上述の式(1)で与えられる相互変調周波数から成る集合がチャンネルごとに相異なるように設定され、各チャンネルにこの集合が一つずつ割り当てられている。
各チャンネルの送信側に設けられる送信機は、割り当てられた周波数f1, f2, f3, …fmの関数として上述の式(2)で与えられる変調規則によって送信光信号を、この変調規則を与える波形値の絶対値で送信光信号を強度変調し、かつ波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与える位相変調する複数周波数変調器を備えている。
一方、各チャンネルの受信側に設けられる受信機は、送信側で変調した規則と同一の規則によって、送信機が備える複数周波数変調器で変調された送信光信号を復調させる複数周波数復調器を備えている。
この発明の光信号分割多重通信システムは、ファイバブラッググレーティング(FBG: Fiber Bragg Grating)を用いて、以下のように構成するのが好適である。
上述の変調規則による送信側での送信光信号の複数周波数変調及び受信側での複数周波数復調を、光搬送波をブラック反射させる条件で、導波方向であるx軸方向に沿って実効屈折率が変調され、かつこの実効屈折率が次式(3)で与えられる波形値の絶対値をこの実効屈折率の変調の包絡線とし、かつこの波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与えるグレーティング位相変調として反映させた、全長がLであるFBGで実行させる。ただし、l1=C/(n・f1), l2=C/(n・f2),・・・,l=C/(n・f)であり、Cは光の真空中での速度、nはFBGの平均実効屈折率である。
送信光信号を、上述の式(2)で与えられる変調規則に基づく複数周波数変調して送信し、受信側で送信側において変調された規則と同一の規則によって複数周波数復調させて受信する構成とすることで、受信すべき光信号でない光信号を誤って受信する危険性を十分に小さくできる。また、この発明の光信号分割多重通信システムは、限定された狭い単一周波数帯域の光搬送波を用いる従来のOCDMにおける符号化及び復号化と類似の光信号処理である複数周波数変調及び復調を行っている。このため、上述の光位相を符号とするOCDMによる光信号分割多重アクセスシステムと同様に送信時に多重される全光信号間でデータビット同期を取る必要がない。
第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するための変調規則を与える関数の波形を示す図である。 第1チャンネルの送信光信号の強度に対する強度変調特性を与える波形、及び送信光信号の位相に対する位相変調特性を与える波形を示す図である。 この発明の光信号分割多重通信システムの1チャンネル分の概略的ブロック構成図である。 送信光信号を変調及び復調する機能を有するFBGの、導波方向に沿った実効屈折率の変調についての説明に供する図である。 第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示す図である。 表2に示す相互変調周波数設定例に基づく、第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するための変調規則を与える関数の波形を示す図である。 表2に示す相互変調周波数設定例に基づく、第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示す図である。 表3に示す相互変調周波数設定例に基づく、第1〜第8チャンネルの送信光信号を変調及び復調するための変調規則を与える関数の波形を示す図である。 表3に示す相互変調周波数設定例に基づく、第1〜第8チャンネルの送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示す図である。 この発明の実施形態の4チャンネル光信号分割多重通信システムの概略的ブロック構成図である。 この発明の光信号分割多重通信システムが、受信すべき光信号でない光信号を誤って受信する危険性が十分に小さいことを検証した検証結果を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、この発明の光信号分割多重通信システムを示す概略的ブロック構成図は、この発明が理解できる程度に各構成部分を概略的に示してあるに過ぎずこの発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において例示的に設定するデータレート等の値についてもこの発明を限定するものではない。
<複数周波数変調>
まず、相互変調周波数から成る集合を規定する周波数f1, f2, f3, …fmの集合を設定するための規則と、これらの周波数によって特徴付けられる複数周波数変調について説明する。
光搬送波の周波数帯域Bを(N・2m)で除し、周波数f1, f2, f3, …fmのそれぞれを、B/(N・2m)の倍数となるように設定するのは、次の理由による。すなわち、
(fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
で与えられる相互変調周波数から成る集合をチャンネルごとに相異なるように割り当て、各チャンネルに対して送信光信号を変調するための変調規則が相異なるように設定することを可能にするためである。
以下の説明では、光信号分割多重通信システムを4チャンネル(N=4)システムとし、このシステムに利用する光搬送波の周波数帯域Bを100GHzとする。すなわち、B=100GHz、N=4、m=2である場合を一例として説明する。なお、mが2以上であり、Nが2以上である。
上述の条件下では、B/(N・2m)=100GHz/(4×22)=6.25GHzとなり、表1に示すように、f1の値を第1〜第4チャンネルに対して、それぞれ31.25GHz(=6.25GHz×5)、37.5GHz(=6.25GHz×6)、12.5GHz(=6.25GHz×2)、18.75GHz(=6.25GHz×3)と設定した。また、f2の値を第1〜第4チャンネルに対して、それぞれ62.5GHz(=6.25GHz×10)、43.75GHz(=6.25GHz×7)、56.25GHz(=6.25GHz×9)、37.5GHz(=6.25GHz×6)と設定した。更に、(f2/2)±(f1/2)で与えられる相互変調周波数の集合を、表1に示すように第1〜第4チャンネルに対して設定した。なお、表1では、第1〜第4チャンネルをそれぞれCH1〜CH4と示してある。
表1では、相互変調周波数の集合の要素である(f2/2)±(f1/2)で与えられる周波数の値、すなわち(f2/2)+(f1/2)と(f2/2)-(f1/2)でそれぞれ与えられる値を、チャンネル番号に対応させて並列に示してある。表1に示すように、(f2/2)±(f1/2)で与えられる相互変調周波数の集合は、第1〜第4チャンネルのチャンネルごとに相異なるように設定されている。このため、次式(4)
sin(2πf1t)・cos(2πf2t) (4)
で与えられる変調規則によって第1〜第4チャンネルの送信光信号が変調及び復調が行われるため、第1〜第4チャンネルにそれぞれ対応する送信光信号が識別可能となる。
式(4)で与えられる変調規則は、式(4')と変形される。
(1/2)sin[2π・(f2+f1)t/2]−(1/2)sin[2π・(f2-f1)t/2] (4')
すなわち、(f2/2)±(f1/2)=(f2±f1)/2で与えられる値が異なれば変調規則は異なる形となることが分かる。仮に、周波数f1, f2のそれぞれを、B/4の倍数となるように設定すると、(f2/2)±(f1/2)で与えられる相互変調周波数の中に同一の値が現れることがないようにすることができない可能性がある。そこで、このように相互変調周波数の中に同一の値が現れることがないようにするために、周波数f1, f2のそれぞれを、B/(4・22)=100/16=6.25の倍数となるよう設定している。
図1(A)〜(D)に、第1〜第4チャンネルのそれぞれの送信光信号を変調及び復調するための変調規則を与える式(4)で表される関数の波形を示す。図1(A)〜(D)は、それぞれ第1〜第4チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形を示している。図1(A)〜(D)の横軸は時間をps(ピコ秒)単位で目盛って示してあり、縦軸は変調規則を与える式(4)で表される関数の値を任意スケールで目盛って示してある。
図1(A)〜(D)に示すように、第1〜第4チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形は識別可能な程度に異なる形状をしている。
図2(A)に第1チャンネルの送信光信号に対する強度変調特性を与える波形を示し、図2(B)に送信光信号に対する位相変調特性を与える波形を示す。図2(A)は、図1(A)に示した第1チャンネルに割り当てられる変調規則を与える式(4)で表される波形値の絶対値を示している。また、図2(B)は、図1(A)に示した第1チャンネルに割り当てられる変調規則を与える式(4)で表される波形において、正の値を取る範囲でπ、負の値を取る範囲で0となっている。すなわち、式(4)で表される関数の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差が与えられている。
図1に示すように、変調規則がこのように識別可能な程度に異なる形状をした波形で与えられる。この結果、この波形に基づいて送信光信号を変調して送信し、受信側ではこの変調規則に基づいて復調して受信することが可能となる。
<光信号分割多重通信システムの基本構成>
この発明の光信号分割多重通信システムの特徴は、チャンネルごとに相異なるように割り当てられた相互変調周波数から成る集合に基づいて規定される変調規則で、チャンネルごとに光信号を変調して多重送信させ、チャンネルごとに変調時と同一規則によって復調することにより光信号を受信する構成とされていることにある。
図3(A)及び(B)を参照して、この発明の実施形態の光信号分割多重通信システムの構成について説明する。図3(A)及び(B)では、光信号伝送路を太線で示し電気信号伝送路を細線で示してある。この発明の光信号分割多重通信システムは、Nチャンネル多重通信システムであるが、ここでは説明の都合上特定の1チャンネル分を形成している送信機と受信機の組をとりあげ、この送信機及び受信機の構成について説明する。図3(A)に送信機50の構成を示し、図3(B)に受信機60の構成を示している。
ここで取り上げて説明する以外のチャンネルを構成する送信機と受信機についても同様に構成されており、異なるのは送信光信号の変調を行う変調規則だけである。
図3(A)に示すように、送信側に設置される送信機50は、パルス光源12と、光強度変調器16と、複数周波数変調器として機能するFBG 20とを備えている。パルス光源12は光パルスが時間軸上に等間隔に並ぶ光パルス列13を生成する。光強度変調器16は送信電気信号に基づき光パルス列13を強度変調して送信光信号17を生成する。FBG 20は、この送信光信号17をこのチャンネルに設定された相互変調周波数の集合で与えられる変調規則で変調する。
ここでは、変調器及び復調器をFBGによって実現させるが、上述の式(4)で規定される変調規則を与える関数の波形値について、その絶対値による光強度変調を光電界吸収型変調器あるいはニオブ酸リチウム(LN: Lithium Niobate)結晶を利用して形成されるLN光変調器で実現することも可能である。また、式(4)で規定される変調規則についてその位相変調をLN光位相変調器で実現することも可能である。
パルス光源12は、モード同期半導体レーザ(MLLD: Mode Locked Laser Diode)を用いるのが好適である。MLLDには送信光信号の伝送レート(データレートと呼称されることもある)を確定するクロック信号11が導入され、このクロック信号11に同期してMLLDから光パルス列13が出力される。この光パルス列13の概略的時間波形を図3(A)のパルス光源12の直下の挿入図に示す。この挿入図に示すように、この光パルス列13の時間軸上での間隔はクロック信号11の周期に等しくなる。クロック信号11は、必要に応じてMLLDに入力される前で増幅器10によって、MLLDをモード同期動作させるのに必要とされる強度の信号となるように増幅される。
光強度変調器16としては、光電界吸収型変調器またはLN光変調器等を適宜利用することができる。パルス光源12から出力される光パルス列13は、光強度変調器16によってNRZ(Non-Return-to-Zero)フォーマットの送信電気信号15に基づいて送信光信号17に変換される。この送信光信号17の概略的時間波形は、図3(A)の光強度変調器16の直下の挿入図に示すように、RZ(Return-to-Zero)フォーマットの信号である。
送信電気信号15は、必要に応じて光強度変調器16に入力される前で増幅器14によって、光強度変調器16の動作に必要な強度の信号となるように増幅される。送信電気信号15の概略的時間波形は図3(A)の強度変調器16の直上の挿入図に示してある。
光強度変調器16から出力される送信光信号17は、光サーキュレータ18を介してFBG 20に入力される。送信光信号17はFBG 20によって変調され、再び光サーキュレータ18を介して受信側に向けて送信される。以後、変調された送信光信号を、変調送信光信号21ということもある。
送信される際に変調送信光信号21は他チャンネルの変調送信光信号と多重されて、光多重信号として一本の光伝送路(図示を省略してある)を伝送して受信側に送られる。
次に、図3(B)を参照して受信側に設置される受信機60について説明する。図3(B)に示すように、受信機60は、FBG 22と、光電変換部26とを備えている。FBG 22は、第1〜第Nチャンネルの変調送信光信号が多重された光多重信号23から、当該チャンネルに送信された送信光信号成分を抽出するための複数周波数復調をする。光電変換部26は、FBG 22で抽出された当該チャンネルに対する送信光信号成分25を受信電気信号27に変換する。
光多重信号23は光サーキュレータ24を介してFBG 22に入力される。FBG 22は、光多重信号23から当該チャンネルに対する送信光信号成分25を復調して出力する。送信光信号成分25は光サーキュレータ24を介して光電変換部26に入力され、受信電気信号27に変換されて出力される。
光電変換部26は、例えば、フォトダイオード(PD: Photo Diode)とトランスインピーダンスアンプ(TIA: Trans Impedance Amplifier)とを備えて構成することができる。すなわち、送信光信号成分25をPDによって電流信号に変換させ、この電流信号をトランスインピーダンスアンプによって電圧信号に変換させる構成とするのが好適である。
光電変換部26をこのように形成した場合、受信電気信号27の概略的時間波形は図3(B)の光電変換部26の右側の挿入図に示す形状となる。受信側に送信されてくる送信光信号がRZフォーマットの信号であることから、受信電気信号27もRZフォーマットの信号である。
送信機50が備えるFBG 20と受信機60が備えるFBG 22とは同一の構造、すなわち同一に実効屈折率が変調されたFBGが使われる。FBG 20とFBG 22とに設定された実効屈折率分布が異なれば、後述するように当該チャンネルに送信された送信光信号を復調することはできない。
<複数周波数変調を実現するFBGの実効屈折率分布構成>
図4(A)〜(E)を参照して、表1に示す相互変調周波数が設定された式(4)で与えられる変調規則によって、送信光信号を変調及び復調する機能を有するFBGの導波方向(x軸方向)に沿った実効屈折率分布の変調について説明する。FBG 20及びFBG 22の導波方向をx軸方向としてある。図4(A)〜(E)では、FBG 20及びFBG 22の導波方向であるx軸を横軸にとり、FBG 20及びFBG 22に設定される実効屈折率分布を確定させるための、光搬送波波形、実効屈折率分布を与える波形等の強度を縦軸にとって示してある。図4(A)〜(E)では、FGBの全長Lを40mmに設定してある。
図4(A)は、光搬送波の波長をブラッグ反射波長とする実効屈折率分布を示す図である。ブラッグ反射波長λBは、実効屈折率分布の周期をΛとし、平均実効屈折率をnとしてλB=2nΛで与えられる。図4(A)では、光搬送波の波長を1.55μm、FBGを作りつける光ファイバの平均実効屈折率を1.45としたときの実効屈折率分布の周期Λ(=534.5nm)を屈折率変調周期とする実効屈折率分布を示してある。この周期Λは非常に短いので図4(A)では細かい周期構造は判別し難くなっているが、実効屈折率分布の変調の振幅は一定であることが読み取れる。
図4(B)は、図4(A)に示す実効屈折率分布を与える本発明の変調規則に基づく第1チャンネル波形のピーク値を連ねる包絡線の形状を示す。
図4(C)は、図4(B)の包絡線に、FBGの中心部分で値が最大となるように与えられる関数A(x)によってアポダイズされている。すなわち、式(5)で与えられる波形を余弦関数で与えられるアポダイズ関数A(x)によってアポダイズすると、その波形を表す関数は次式(5')で与えられる。
実効屈折率分布を与える波形のピーク値を連ねる包絡線の波形にアポダイズを施した理由は、次のとおりである。すなわち、このようにアポダイズすることによって、復調によって生成される自己相関信号のパワーの、相互相関信号のパワーに対する比が大きくなり、受信確度を高くする効果が期待される(特開2010-081155号公報参照)。
ここで、自己相関信号とは受信側において光多重信号から複数周波数復調によって抽出される送信光信号成分を意味し、相互相関信号とは光多重信号に含まれる他チャンネルに宛てられた送信光信号成分を主成分とする信号成分を意味する。また、自己相関信号のパワーとは自己相関関数のピーク値を指し、相互相関信号のパワーとは相互相関関数のピーク値を指す。
ここで、FBGの全長Lが40mmと設定されたことによって、送信光信号を構成する光パルス1つ分が変調によって時間軸上に拡散される時間幅が400psとなる。すなわち、FBGの入り口でブラッグ反射される光パルス成分とFBGの先端でブラッグ反射される光パルス成分の時間軸上での間隔が、光パルス1つ分が時間軸上に拡散される時間幅となり、この時間幅が400psである。このことから、送信光信号の1ビット当りに割り当てられる最小時間スロットは400psということになり、これは伝送レートがほぼ2.5Gbit/sに相当する。言い換えると、この光信号分割多重通信システムではチャンネルごとに伝送レートが2.5Gbit/sである通信が可能となる。
変調及び復調に利用されるFBGには、上述の実効屈折率の変調に加えて、式(5)で与えられる波形値の正負の符号変化がπとなるように当該FBGの実効屈折率分布に反映させる必要がある。図4(D)にFBGの位相変調を与える特性波形(矩形波)を示す。図4(D)に示す位相変調を与える特性波形は、変調規則を与える式(4)で表される関数の波形において、正の値を取る範囲でπ、負の値を取る範囲で0とされている。
図4(E)に、図4(C)に示す波形を包絡線とし図4(D)に示す位相変調を加えて、図4(A)に示す光搬送波の波長をブラッグ反射波長とする実効屈折率分布を形成した結果を示す。実際に光信号分割多重通信システムを構成する変調及び復調に利用されるFBGの実効屈折率分布は、図4(E)に示すように形成される。実効屈折率分布の周期Λは非常に短いので図4(E)では細かい周期構造は判別し難くなっているが、この実効屈折率分布を与える波形のピーク値を連ねる包絡線の形状は図4(C)に示す波形であることが読み取れる。
図4(E)で与えられる実効屈折率分布が形成されたFBGのブラッグ反射特性を図5(A)〜(D)に示す。図5(A)は、表1に示す第1チャンネル(CH1)の送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示している。図5(B)〜(D)についても同様に、第2から第4チャンネル(CH2〜CH4)の送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示している。図5(A)〜(D)では横軸に波長(nm)をとり、縦軸に反射率(dB)をとって示してある。
各チャンネルに配置されるFBGのブラッグ反射スペクトルはそれぞれ4つのピークを持っており、それぞれのピーク位置は異なりそのスペクトル形状は異なっている。そのため各チャンネル間のスペクトルマッチングの度合いが小さく、その結果チャンネル間クロストークが小さくなる。このように上述の実効屈折率分布が形成されたFBGを利用して送信光信号の変調及び復調を行えば、各チャンネルにおける復調処理でスペクトルマッチングする信号成分として生成される自己相関信号のパワーを、雑音として分離される他チャンネル信号成分(相互相関信号)のパワーに対して十分大きくとることが可能となる。
表1に示すf1, f2の2周波数によって規定される変調規則に基づいて設定される4チャンネルシステム以外にも、相互変調周波数から成る集合とチャンネルの組み合わせは複数とおり設定することが可能である。表2及び表3に、表1と同様に、
(fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
で与えられる相互変調周波数から成る集合がチャンネル間で異なるように設定された周波数f1, f2, f3, …fmの設定例を示す。
表2に示す周波数設定例は、周波数の設定のための前提条件であるチャンネル数N、光搬送波の周波数帯域B、及びmの値を表1に示す周波数設定例と同一とした場合の、周波数f1, f2及び相互変調周波数(f2/2)±(f1/2)の他の設定例である。このように各周波数を設定しても、相互変調周波数(f2/2)±(f1/2)の設定値がチャンネルごとに異なるので、第1〜第4チャンネルの送信光信号は識別可能である。
図6(A)〜(D)は、表2に示す周波数設定例に基づく、第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するための式(4)で規定される変調規則を与える関数の波形を示す。図6(A)〜(D)は、それぞれ第1〜第4チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形を示している。図6(A)〜(D)に示すように、第1〜第4チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形は識別可能な程度に異なる形状をしている。
表2に示す周波数設定例に基づく実効屈折率分布が形成されたFBGのブラッグ反射特性を図7(A)〜(D)に示す。図7(A)〜(D)は、それぞれ表2に示す第1〜第4チャンネルの送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示している。各チャンネルに配置されるFBGのブラッグ反射スペクトルは、図5(A)〜(D)に示したブラッグ反射特性と同様に、それぞれ4つのピークを持っており、それぞれのピーク位置は異なりそのスペクトル形状は異なっている。表2に示す周波数設定例に基づいて規定される実効屈折率分布が形成されたFBGを利用して送信光信号の変調及び復調を行えば、各チャンネルにおける復調処理で自己相関信号のパワーを、相互相関信号のパワーに対して十分大きくとることが可能となる。
表3は、光搬送波の周波数帯域Bが400GHzであって、チャンネル数Nが8、すなわちN=8であってm=3である場合の、周波数f1、f2、f3、及び(f3/2)±(f2/2)±(f1/2)で与えられる相互変調周波数から成る集合を示す周波数設定例である。このとき、B/(N・2m)は6.25GHzとなる。表3には、第1〜第8チャンネル(CH1〜CH8)に対してそれぞれ割り当てられる周波数f1、f2、f3、及び(f3/2)±(f2/2)±(f1/2)で与えられる相互変調周波数から成る集合を示してある。周波数f1、f2、f3のそれぞれは6.25GHzの整数倍の値が設定されており、相互変調周波数(f3/2)±(f2/2)±(f1/2)は、チャンネルごとに値が異なるように設定されている。
図8(A)〜(H)を参照して、表3に示す周波数設定例に基づく、第1〜第8チャンネルの送信光信号を変調及び復調するための次式(6)で規定される変調規則を与える関数の波形を示す。
sin(2πf1t)・cos(2πf2t)・cos(2πf3t) (6)
図8(A)〜(H)は、それぞれ第1〜第8チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形を示している。図8(A)〜(H)に示すように、第1〜第8チャンネルに割り当てられる変調規則を与える関数の波形は識別可能な程度に異なる形状をしている。
表3に示す周波数設定例に基づく実効屈折率分布が形成されたFBGのブラッグ反射特性を図9(A)〜(H)に示す。図9(A)〜(H)は、それぞれ表3に示す第1〜第8チャンネルの送信光信号を変調及び復調するためのFBGのブラッグ反射特性を示している。各チャンネルに配置されるFBGのブラッグ反射スペクトルは、それぞれ8つのピークを持っており、それぞれのピーク位置は異なりそのスペクトル形状は異なっている。表3に示す周波数設定例に基づいて与えられる実効屈折率分布が形成されたFBGを利用して送信光信号の変調及び復調を行えば、各チャンネルにおける復調処理で自己相関信号のパワーを、相互相関信号のパワーに対して十分大きくとることが可能となる。
以上表1〜3に示すように、変調規則を規定する周波数f1, f2, f3, …fm、及び、
(fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
で与えられる相互変調周波数から成る集合が十分な自由度をもって設定可能である。このため、この発明の変調規則に従う変調及び復調手法を採用すれば、様々な周波数帯域を有する光搬送波を利用して、かつ相互変調周波数及びチャンネル数を自由に選択して光信号分割多重通信システムを構築することが可能となる。
<チャンネル間クロストークに関する検証>
この発明の変調規則に従う変調及び復調を採用した光信号分割多重通信システムによれば、他チャンネルに宛てられた光信号を誤って受信する危険性が十分低くなることを説明する。まず、発明の実施形態である光信号分割多重通信システムの基本的構造についてイメージを明確化するために、ここでは4チャンネルの光信号分割多重通信システムを一例に取り上げて、その基本的構造について説明する。
図10に示す概略的ブロック構成図を参照して、4チャンネルの光信号分割多重通信システムについて説明する。図10で破線の四角形で囲って示す送信側30には、第1〜第4チャンネル(CH1〜CH4)の送信機30-1〜30-4が設置されている。送信機30-1〜30-4からそれぞれ出力される変調された送信光信号は光カプラ32で多重され光多重信号とされて光ファイバ伝送路34を伝播して、図10で破線の四角形で囲って示す受信側40に伝送される。光ファイバ伝送路34を伝播した光多重信号は、光スプリッタ36で強度分割される。図10で破線の四角形で囲って示す受信側40には、第1〜第4チャンネル(CH1〜CH4)の受信機40-1〜40-4が設置されている。光スプリッタ36で強度分割された光多重信号は、それぞれ受信機40-1〜40-4に送られる。
送信側30に配置される送信機30-1〜30-4及び受信側40に配置される受信機40-1〜40-4のそれぞれの構成は、図3(A)及び(B)を参照して説明した送信機50及び受信機60と同様であり、その動作も同一であるので重複する説明を省略する。
図10に示す4チャンネルの光信号分割多重通信システムの送信機30-1〜30-4でそれぞれ送信光信号の変調を行うFBGと、受信機40-1〜40-4でそれぞれ復調を行うFBGとは、チャンネルごとにブラッグ反射スペクトルが相異なるように形成されている。チャンネルごとにブラッグ反射スペクトルがどのように異なるかは、図5、図7、及び図9で一例として示したとおりである。
このように、チャンネルを識別するためにブラッグ反射スペクトルが相異なるように各チャンネルに相互変調周波数に基づく固有のブラッグ反射スペクトルを割り当て、各チャンネルに同一のブラッグ反射スペクトルを有するFBGのペアで変調及び復調処理をする構成としたこの発明の光信号分割多重通信システムは、上述したように、送信時に多重される全光信号間でデータビット同期を取る必要がなく、かつ受信すべき光信号でない光信号を誤って受信する危険性が十分に小さい。
図11(A)及び(B)に示す自己相関信号と相互相関信号のパワー比に関する検証結果は、送信光信号のデータレートが2.5Gbit/sである4チャンネルの光信号分割多重通信システムによって取得されたものである。なお、この検証結果は送信光信号のデータレートやチャンネル数には依存せず、送信光信号のデータレートやチャンネル数が異なる同種の光信号分割多重通信システムに対しても同様の結果となる。
図11(A)は、横軸にチャンネル番号(相関チャンネル番号)を第1チャンネルから順に第4チャンネルまで並べて示してあり、縦軸は自己相関信号のパワーに対する相互相関信号のパワー比(以後、相互相関パワー比ということもある)をdB単位で目盛って示してある。
図11(A)では、第1チャンネルの相互相関パワー比を、菱形マークを実線で結んで示してある。横軸の第1チャンネルに対する相互相関パワー比の値を見ると0dBとなっている。これは、第1チャンネルの自己相関信号と第1チャンネルの自己相関信号のパワー比となるので両パワーは当然に等しいことを意味している。
また、横軸の第2〜4チャンネルに対する相互相関パワー比の値を見るとほぼ20dBとなっている。これは、第1チャンネルの自己相関信号のパワーに対して、第1チャンネルの相互相関信号を形成する第2〜4チャンネルのそれぞれの光信号パワーが時間軸上に拡散され相互相関信号のピーク値が十分に小さくなっていることを意味している。同様に、破線で四角形マークを結んで示す第2チャンネルの信号パワーの他チャンネルに対する相互相関パワー比、細かな破線で三角形マークを結んで示す第3チャンネルの信号パワーの他チャンネルに対する相互相関パワー比、一点破線で白丸マークを結んで示す第4チャンネルの信号パワーの他チャンネルに対する相互相関パワー比、についても同様に相互相関信号のピーク値が十分小さい。すなわち、図11(A)に示す結果は、チャンネル間クロストークが十分小さい(抑制されている)ことを意味している。
特許文献2の図17A及び図17Bに示された自己相関と相互相関のパワーコントラスト比も、上述の図11(A)に示した自己相関信号と相互相関信号とのパワー比に関する検証結果とは同様の傾向を示している。しかしながら、スーパーストラクチャードファイバブラッググレーティング(Superstructured Fiber Bragg Grating)符号器では、受信側と送信側との温度差が大きくなるに従ってパワー比が小さくなるとしても、隣接するチャンネルの相互相関信号に大きなピークが現れ、この相互相関信号を主信号として認識してしまう可能性が想定される。一方、この発明の光分割多重通信システムによればこのような心配はないことを、図11(B)を参照して以下に説明する。
図11(B)は、横軸にチャンネル番号(相関チャンネル番号)を第1チャンネルから順に第4チャンネルまで並べて示してあり、縦軸は自己相関信号のパワーに対する相互相関信号のパワー比(相互相関パワー比)をdB単位で目盛って示してある。図11(B)では、図11(A)における第1チャンネルの信号パワーの他チャンネルのそれぞれの相関成分に対する比(実線で菱形マークを結んで示す相互相関パワー比)を取り上げてある。そして、第1チャンネルの復調器(FBG)の実効屈折率が変化して位相変化が生じた場合に、第1チャンネルの信号パワーの他チャンネルのそれぞれの相関成分に対する比にどのような影響があるかを示している。
図11(B)では、復調器(FBG)に位相変化δが生じていない場合をδ=0と示してある。従って、δ=0と示す相互相関パワー比の値は、図11(A)に示した実線で菱形マークを結んで示した相互相関パワー比の値と同一である。すなわち、図11(A)でCH1と示すデータと同一である。また、図11(B)では、復調器(FBG)に0.2πの位相変化が発生した場合(δ=0.2π)を破線で四角形マークを結んで示し、同じく0.6πの位相変化が発生した場合(δ=0.6π)を破線で三角形マークを結んで示してある。δ=0.2πの位相変化が発生した場合、第2〜第4チャンネルの相互相関パワー比はほぼ同一の値である15dBとなっている。
δ=0.2πの位相変化が発生したことにより相互相関パワー比は15dBと小さくなるが、図11(B)に示すように、第2〜第4チャンネルのいずれかの特定チャンネルが特別に大きな値を取る(15dBから大きく外れた値を取る)ことがないので、第1チャンネルにおいて第2〜第4チャンネルのいずれかの相互相関信号を主信号として誤って認識する可能性はない。
同様に、δ=0.6πの位相変化が発生した場合の相互相関パワー比はほぼ3dBと小さくなるが、この場合においても第2〜第4チャンネルのいずれかの特定チャンネルが特別に大きな値を取る(3dBから大きく外れた値を取る)ことがないので、第1チャンネルにおいて第2〜第4チャンネルのいずれかの相互相関信号を主信号として誤って認識する可能性はない。
相互相関パワー比が第1チャンネルにおいて第2〜第4チャンネルのいずれかのチャンネルに対して特別に大きな値を取らないのは、第1チャンネルの変調及び復調を行うFBGの実効屈折が変化して大きな位相変化が起こっても、復調される光信号に含まれる第2〜第4チャンネルのいずれのチャンネルの相互相関信号も同じ程度に大きくなり、結果として相互相関パワー比がほぼ同一の値となるためである。これは、この発明の特徴である変調及び復調に用いる変調規則、すなわち変調器及び復調器として利用するFBGの実効屈折率の変調の設定に起因して得られる効果である。
ここでは、送信光信号の複数周波数変調する変調器及び復調器をFBGによって実現させたが、変調及び復調をFBGで実行させることにより得られる更なる効果は、数百GHzの高速光変調信号に対応することが可能なことである。すなわち、数百GHzの高速光変調信号に対応する電気デバイスを調達することは現時点で困難であるが、FBGはこのような高速光変調信号に対しても対応可能であるので、数百GHzの高速光変調信号に対応可能な光信号分割多重通信システムを構築できる。
10、14:増幅器
12:パルス光源
16:光強度変調器
18、24:光サーキュレータ
20、22:ファイバブラッググレーティング(FBG)
26:光電変換部
30:送信側
30-1〜30-4、50:送信機
32:光カプラ
36:光スプリッタ
34:光ファイバ伝送路
40:受信側
40-1〜40-4、60:受信機

Claims (4)

  1. 周波数帯域がBである光搬送波を用いて、N(Nは2以上の整数)チャンネル分の信号を送受信する光信号分割多重通信方法であって、
    B/(N・2m)の倍数となる任意のm(mは2以上の整数)とおりの周波数f1, f2, f3, …fm(ただし、B/(N・2m)≦f1、f2、f3、・・・・、f<B)を次式(1)
    (fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
    で与えられる相互変調周波数から成る集合がチャンネルごとに相異なるように設定し、各チャンネルに当該集合を一つずつ割り当て、
    各チャンネルにおいて、
    送信側から、割り当てられた前記周波数f1, f2, f3, …fmの関数として次式(2)
    sin(2πf1t)・cos(2πf2t)・cos(2πf3t)・・・・cos(2πfm-1t)・cos(2πfmt) (2)
    で与えられる変調規則によって送信光信号を複数周波数変調して送信し、
    受信側で、前記送信側で変調された規則と同一の規則によって複数周波数復調して受信する通信方法であり、
    前記複数周波数変調は、前記変調規則を与える波形値の絶対値で前記送信光信号を強度変調し、かつ当該波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与える位相変調することによって実行される
    ことを特徴とする光信号分割多重通信方法。
  2. 周波数帯域がBである光搬送波を用いて送受信する、チャンネル数N(Nは2以上の整数)の光信号分割多重通信システムであって、
    B/(N・2m)の倍数となる任意のm(mは2以上の整数)とおりの周波数f1, f2, f3, …fmを次式(1)
    (fm/2)±(fm-1/2)±…(f3/2)±(f2/2)±(f1/2) (1)
    で与えられる相互変調周波数から成る集合がチャンネルごとに相異なるように設定し、各チャンネルに当該集合を一つずつ割り当て、
    各チャンネルの送信側に設けられる送信機は、割り当てられた前記周波数f1, f2, f3, …fmの関数として次式(2)
    sin(2πf1t)・cos(2πf2t)・cos(2πf3t)・・・・cos(2πfm-1t)・cos(2πfmt) (2)
    で与えられる変調規則によって送信光信号を変調する複数周波数変調器を備え、
    各チャンネルの受信側に設けられる受信機は、前記送信側で変調した規則と同一の規則によって、前記複数周波数変調器で変調された前記送信光信号を復調させる複数周波数復調器を備え、
    前記複数周波数変調器は、前記変調規則を与える波形値の絶対値で当該送信光信号を強度変調し、かつ当該波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与える位相変調する変調器である
    ことを特徴とする光信号分割多重通信システム。
  3. 前記複数周波数変調器及び前記複数周波数復調器を、
    前記光搬送波をブラック反射させる条件で、導波方向であるx軸方向に沿って実効屈折率が変調され、かつ当該実効屈折率が次式(3)
    で与えられる波形値の絶対値を当該実効屈折率の変調の包絡線とし、かつ当該波形値の正の値を取る範囲と負の値を取る範囲との間にπの位相差を与えるグレーティング位相変調として反映させた、全長がLであるファイバブラッググレーティングで実行させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の光信号分割多重通信システム。
    ただし、l1=C/(n・f1), l2=C/(n・f2),・・・,l=C/(n・f)であり、Cは光の真空中での速度、nは前記ファイバブラッググレーティングの平均実効屈折率である。
  4. 第1〜第Nチャンネルに対して、N種類の前記相互変調周波数から成る集合がチャンネルごとに相異なるように、当該集合と当該第1〜第Nチャンネルとが、一対一に対応させて設定されており、
    第jチャンネル(jは1〜Nのすべての整数)の送信側の前記送信機は、光パルスが時間軸上に等間隔に並ぶ光パルス列を生成するパルス光源と、送信電気信号に基づき前記光パルス列を強度変調して前記送信光信号を生成する光強度変調器と、該送信光信号を第jチャンネルに設定された前記周波数の集合で与えられる変調規則で複数周波数変調する前記ファイバブラッググレーティングとを備え、
    第jチャンネルの受信側の前記受信機は、第1〜第Nチャンネルの複数周波数変調された送信光信号が多重された光多重信号から、当該第jチャンネルに送信された送信光信号成分を生成するための複数周波数復調する前記ファイバブラッググレーティングと、該ファイバブラッググレーティングで生成された当該第jチャンネルに対する送信光信号成分を受信電気信号に変換する光電変換部とを備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の光信号分割多重通信システム。
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