JP2013148532A - 鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法 - Google Patents

鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法を提供する。
【解決手段】 大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、潜在的な検査対象箇所21と、保守区22と、自律飛行型ロボット23の台数と、前記自律飛行型ロボット23の飛行可能時間を入力情報とし、前記自律飛行型ロボット23の出発点と終着点のみ前記保守区22であり、前記検査対象箇所21の災害情報は、1台の前記自律飛行型ロボット23によって収集され、全ての前記検査対象箇所21の災害情報を収集する制約条件に基き、実際の鉄道災害発生時に前記検査対象箇所21から実際の検査箇所31が判明すると、この検査箇所31の災害情報収集時間が最小となるような、前記各自律飛行型ロボットの飛行経路32,33,34を求める。
【選択図】 図5

Description

本発明は、鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法に関するものである。
大規模災害発生時においては、インフラ倒壊や電力不足などにより既存の情報収集システム(携帯電話網,インターネットなど) が機能しなくなる可能性が高い。そこで、大規模災害の影響をほとんど受けない空中から自律飛行型ロボット(例えば、ラジコン飛行機)を活用して鉄道災害情報を収集するためのシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法に関する。
従来、ラジコン飛行機などの飛行型ロボットを活用した災害情報の収集システムに関して多くの提案がなされている。しかし、その多くは自律飛行を想定したものではなく、また収集範囲も特定箇所もしくは狭範囲を対象としたものである。
また、飛行型ロボットを活用したものではないが、鉄道構造物の保全検査業務を支援し、迅速な復旧を図るための保全検査業務支援システムおよびサーバーが提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2011−192110号公報
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しかしながら、大規模災害発生時には、被災地域は広範囲に渡り、アクセス困難な地域も多く含まれることが考えられるので、災害情報を迅速かつ安定的に収集するためのシステムを構築する必要がある。
鉄道会社では自然災害による鉄道土木構造物への被害を予防する目的で、被害が予想されるトンネル、橋梁、高架橋などに対して定期検査を実施している。また、実際に地震や台風などの自然災害が発生した際には保守作業員による特別巡回が実施される。しかし、保守作業員による特別巡回には、現状確認に多くの時間を要する、大規模災害においては現場へのアクセスが困難な場合もある、などの問題点が存在する。一方、鉄道土木構造物のモニタリングデータを自動収集する仕組みとして、近年、センサネットワークを活用した様々な状態監視システムが提案、実用化されている(上記非特許文献1,2参照)。これらの多くは、インターネットや携帯電話網などの通信インフラを利用して情報収集を行っているので、高速かつ信頼性の高い通信により、情報を効率的に収集できる。しかし、大規模災害の発生時には、通信基地局の倒壊やケーブル断線などにより通信インフラが利用できなくなり、情報収集が停止してしまう危険性がある。
そこで、本発明では自然災害による影響を受け難い空中からデータを収集するシステム、特にラジコン飛行機を活用して鉄道現場の災害情報を収集するシステムについて考察する。
さらに、鉄道沿線で災害が発生すると、走行安全性を確保するために輸送サービスを停止(ダウンタイム)して被災状況などの現状確認作業が行われる。しかし、鉄道現場における被災状況の確認作業では、鉄道土木構造物のみならず、河川の氾濫や土砂災害などの二次災害に備えるため、沿線周辺の被災状況についても確認作業を行う必要があり、災害発生時に現状確認すべき箇所は広範囲にわたる。そのため、ダウンタイムをできるだけ短くするためには、広域に散在する検査箇所の災害情報をできるだけ迅速に収集することが要求される。
そこで、本発明では検査箇所の災害情報収集に要する時間を最小とするためのラジコン飛行機の飛行経路の決定の問題を取り上げる。
災害発生時に災害情報を収集するシステムに関しては、これまでに数多くの研究がある(上記非特許文献3,4参照)。例えば、携帯電話やPDAなどの移動端末を用いた遅延耐性ネットワークを用いて災害によって分断されたネットワークの情報をサーバまで伝送する方法(上記非特許文献5参照)や、通信環境の変化に対応して動的に通信方式や周波数を切り換えることにより頑健性の高いシステムを提供する方法(上記非特許文献6)などが提案されている。しかし、これらの方法は、通信インフラや通信環境に依存しているため、迅速にかつインフラに依存することなく安定して、災害情報を収集することが難しいという問題がある。
この問題を解決する手段として、これまでにラジコン飛行機やラジコンヘリを活用した方法が提案されている。近年ではラジコン飛行機体の小型化、低価格化に加え、自動操縦機能を搭載したものも登場しており、ラジコン飛行機の導入が従来と比較すると容易になっている(上記非特許文献7,8参照)。
ところが、ラジコン飛行機はインフラに依存することなく迅速に災害情報を収集できることが期待できる一方で、鉄道現場のような広範囲の災害情報を迅速に収集するためには、効率的にラジコン飛行機の配置場所や飛行経路を決定する必要がある。しかしながら、現在のところラジコン飛行機の配置と飛行経路を決定するための有効な手法はいまだ提案されていない。
本発明は、上記状況に鑑みて、大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、潜在的な検査対象箇所と、保守区と、自律飛行型ロボットの台数と、前記自律飛行型ロボットの飛行可能時間を入力情報とし、前記自律飛行型ロボットの出発点と終着点のみ前記保守区であり、前記各検査対象箇所の災害情報は、1台の前記自律飛行型ロボットによって収集され、全ての前記検査対象箇所の災害情報を収集する制約条件に基き、実際の鉄道災害発生時に前記検査対象箇所から実際の検査箇所が判明すると、この検査箇所の災害情報収集時間が最小となるような、前記各自律飛行型ロボットの飛行経路を求めることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、実際の鉄道災害発生時には、災害の種類と規模に応じて、前記検査対象箇所の中から現状確認が必要な前記検査箇所が決定されることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記自律飛行型ロボットによって収集されたデータは前記自律飛行型ロボットが着陸した保守区で回収されることを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記自律飛行型ロボットは前記飛行経路を自動飛行し、前記自律飛行型ロボットが搭載する撮像装置によって撮像される画像を撮影後に備え付けのローカルストレージに蓄積することを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記ローカルストレージに蓄積されたデータは、前記自律飛行型ロボットが前記保守区に帰着した時にサーバーに転送されることを特徴とする。
本発明によれば、鉄道災害情報を迅速かつ安定的に収集するための鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの災害情報収集時間が最小となるような飛行経路を求めて運用を行うことにより、交通インフラのダウンタイムの早期回復などを図ることができる。
本発明に係る自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)の模式図である。 本発明に係る自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)の飛行例を示す図面代用写真である。 平常時におけるラジコン飛行機の配置決定の説明のための模式図である。 両端点が異なる飛行経路に対するラジコン飛行機の配置例の模式図である。 災害発生後のラジコン飛行機の飛行経路決定例の模式図である。 アルゴリズム1による問題(P)の可能解の生成の模式図である。 アルゴリズム2のステップ1における非検査箇所のショートカットを示す模式図である。 ボトルネックマッチングを利用した問題(Q)の可能解の生成の模式図である。 局所探索法による可能解の改善を示す模式図である。 数値実験で対象とする地域を示す図である。 災害発生前後の飛行パス案を示す図である。 検査対象箇所の分布例を示す図である。
本発明の大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法は、潜在的な検査対象箇所と、保守区と、自律飛行型ロボットの台数と、前記自律飛行型ロボットの飛行可能時間を入力情報とし、前記自律飛行型ロボットの出発点と終着点のみ前記保守区であり、前記各検査対象箇所の災害情報は、1台の前記自律飛行型ロボットによって収集され、全ての前記検査対象箇所の災害情報を収集する制約条件に基き、実際の鉄道災害発生時に前記検査対象箇所から実際の検査箇所が判明すると、この検査箇所の災害情報収集時間が最小となるような、前記各自律飛行型ロボットの飛行経路を求める。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
ここでは、鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)の運用方法について説明する。
本発明では、災害発生時に通信インフラに依存することなく安定的に鉄道現場の災害情報を収集するためのシステムとして、ラジコン飛行機を活用した鉄道災害情報収集システムを提案する。災害発生時には、現場の災害情報をできる限り迅速に収集し、それに基づいて、鉄道輸送のダウンタイムを最小化するための方策を検討する必要がある。そこで最初に、災害情報を収集する対象箇所と使用可能なラジコン飛行機の数が与えられているとき、各ラジコン飛行機の飛行経路を、災害情報の収集に要する時間が最小となるように決定する問題 (P) を設定する。次いで、平常時におけるラジコン飛行機の配置方法を示した後、問題 (P) に対する定数近似アルゴリズムを提示する。その後、災害発生時における各ラジコン飛行機の飛行経路を、問題 (P) を解いて求めた飛行経路と問題 (P) に対する定数近似アルゴリズムを利用して決定する方法を提案する。最後に、実際の鉄道線区を対象とした問題例を用いて、提案する方法の性能を検証する。
〔1〕.道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボット
なお、本発明においては、自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)自体には特徴はなく、従来のもの(例えば、非特許文献7参照)を用いることができる。
図1は本発明に係る自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)の模式図、図2は自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)の飛行例を示す図面代用写真である。
図1において、1は自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)、2は自動操縦装置〔GPS,IMU(慣性計測装置)及びピトーを含む〕、3はフレキシブル搭載荷重空間(最大150g)、4はリチウムポリマーバッテリー、5は無線制御受信機(選択的マニュアル操作)、6は主翼(Flies in wind:25km/hまで)、7は電気モータ(フライト速度30−50km/h)、8は耐衝撃性フレキシブルエアフレーム、9は埋め込みデータリンク(送受信回線:2.4GHz,航続距離1.6km)からなる。
図2に示すように、自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)1が飛行経路11を巡り、複数の検査対象箇所12の検査を行う。
また、自律飛行型ロボット1は事前にプログラムされた飛行経路11を自動飛行し、自律飛行型ロボット1に搭載される撮像装置(小型カメラ)により目的の検査対象箇所12の画像を撮影後に機体に備え付けのローカルストレージに蓄積する。
また、前記ローカルストレージに蓄積されたデータは、前記自律飛行型ロボット1が保守区(保守管理が行える地点)に帰着した時にサーバーに転送される。
〔2〕.ラジコン飛行機を活用した鉄道災害情報収集システム
以下、本発明に係るラジコン飛行機を活用した鉄道災害情報収集システムについて説明する。
鉄道土木構造物の保守管理業務を担当する保守区と災害情報を収集するラジコン飛行機はそれぞれ複数与えられているものとする。また、ラジコン飛行機は事前にプログラムされた飛行経路に沿って自動操縦可能であり、空中からの災害情報の収集が可能であるものとする(上記非特許文献7参照)。なお、ラジコン飛行機のデータ収集機能に関しては、幾つかの例を想定することができる。例えば、斜面崩壊による線路の埋没や鉄道土木構造物の崩壊などの大規模被害の状況を確認したい場合には、ラジコン飛行機に小型カメラを搭載して、上空から検査箇所の画像データを取得する機能が考えられる。また、検査対象に無線センサネットワークが設置されている場合には、傾斜計やひずみ計など各センサノードから無線伝送されるセンシング情報をラジコン飛行機で収集するために、情報集積装置であるゲートウェイをラジコン飛行機に搭載することが考えられる。ラジコン飛行機の最大積載量以内であれば、1台に小型カメラとゲートウェイの両機を搭載することも考えられる。また、以下の事項を仮定する。
(1) 使用可能なラジコン飛行機の数と飛行可能な時間、保守区の数と配置は与えられている。
(2) 各ラジコン飛行機の性能は同一である。
(3) 災害発生時に現状確認が必要となる可能性のある潜在的な検査対象箇所は与えられているものとする。これら検査対象箇所は、定期検査結果や災害履歴情報(過去に発生した地滑り、洪水などの情報や地盤種別など)により定められている。
(4) 実際に災害が発生した際には、災害の種類と規模に応じて、検査対象箇所の中から現状確認が必要な検査箇所が決定される。
(5) 各検査箇所の災害情報は1台のラジコン飛行機により収集される(すなわち、複数台のラジコン飛行機が同一箇所の情報を収集することはない)。
(6) 各ラジコン飛行機はそれぞれある保守区に配置されており、そこから離陸し幾つかの検査箇所の上空を飛行後にいずれか1つの保守区に着陸する。
(7) 収集されたデータはラジコン飛行機が着陸した保守区で回収される。
災害発生時はできる限り迅速に検査箇所の情報を収集する必要があるため、各ラジコン飛行機は予め保守区で保管していることが望ましい。このとき、平常時において各ラジコン飛行機をどの保守区に配置するのがよいか、という問題が発生する。
そこで、最初に平常時においてラジコン飛行機の配置を決定する方法について考える。
検査箇所は実際に災害が発生して初めて判明すること、また検査箇所は災害が発生する度に変化することから、災害発生前にこの検査箇所を知ることは難しい。そこで、災害発生前に判明している情報(ラジコン飛行機の数、保守区数と配置、検査対象箇所の数と場所)から平常時のラジコン飛行機の配置を決定するために次の問題 (P) を考える。なお、問題 (P) の厳密な定式化は後述の〔3〕.で、アルゴリズムは後述の〔4.1〕.でそれぞれ説明する。
問題 (P) :全ての検査対象箇所の災害情報を収集するために必要な時間が最小となるように、与えられたラジコン飛行機の飛行経路を決定する。
この問題 (P) を解くことにより、全ての検査対象箇所に対する各ラジコン飛行機の飛行経路を定めることができる。ここで、検査箇所は災害後に判明するので、平常時のラジコン飛行機の配置は全ての検査対象箇所を考慮して決定している。問題 (P) で定めた飛行経路からラジコン飛行機の配置を決定する様子を図3に挙げる。図3(a)は検査対象領域を、図3(b)はラジコン飛行機の飛行経路を、図3(c)は第1のラジコン飛行機の配置案を、図3(d)は第2のラジコン飛行機の配置案をそれぞれ示している。これらの図において、21は検査対象箇所(白丸)、22は保守区(白四角)、23はラジコン飛行機を示しており、ただし、図3(c),図3(d)において使用可能なラジコン飛行機23は3台とし、保守区22の横に示したラジコン飛行機23はその保守区に配置させることを表す。
図3では、最初に問題 (P) を解いて、図3(b)のように、各ラジコン飛行機の飛行経路を決定している。次いで、図3(b)のように得られた飛行経路からラジコン飛行機23の配置を定めている。このとき、本発明では両端点が同一の保守区22である飛行経路に対しては、その保守区22にラジコン飛行機23を配置するものとする。例えば、図3(b)の飛行経路24と飛行経路25はそれぞれ同一の保守区22をその両端点としていることから、対応する保守区22にラジコン飛行機23を1台ずつ配置している。一方、飛行経路の両端点が異なる保守区22,22′となる場合にはどちらの保守区を始点としてもよく、また同様にどちらの保守区を終点としてもよいため、ラジコン飛行機23の配置案を複数考えることができる。例えば、図3(b)では飛行経路26の両端点が異なることから、ラジコン飛行機23の配置案は図3(c)と図3(d)の2通り考えることができる。そこでそのような場合には、両端点の各保守区について、それぞれの保守区から飛行経路内の各検査対象箇所へ直行する場合の飛行時間の総和(総飛行時間)を求め、それが短い方の保守区にラジコン飛行機を配置するものとする。つまり、飛行経路内の検査対象箇所が近辺により多く分布している方の保守区にラジコン飛行機23を配置するものとする。
例えば、図4において、保守区Aから各検査対象箇所21への総飛行時間(線分27の飛行時間の総和)は、保守区Bから各検査対象箇所21への総飛行時間(線分28の飛行時間の総和)よりも短いことから、この場合は保守区Aにラジコン飛行機23を配置することになる。なお、両保守区A,Bに対して計算された総飛行時間が等しい場合は、任意の保守区にラジコン飛行機23を配置するものとする。
次に、災害発生後における実際のラジコン飛行機の飛行経路を決定する方法について説明する。上記の仮定 (4) より、災害が発生して初めて実際に現状確認が必要な検査箇所が判明するので、問題 (P) と上記方法により定められたラジコン飛行機23の配置の下で、全ての検査箇所を飛行経路に含むような各ラジコン飛行機の飛行経路を災害発生後にできる限り迅速に決定する必要がある。そこで、災害発生後に実際に飛行するラジコン飛行機の飛行経路を求める次の問題 (Q) を考える。なお、問題 (Q) の厳密な定式化は後述の〔3〕.で、アルゴリズムは後述の〔4.2〕.で説明する。
問題 (Q) :与えられたラジコン飛行機の配置で、全ての検査箇所の災害情報を収集するために必要な時間が最小となるように、各ラジコン飛行機の飛行経路を決定する。
問題 (Q) では上記方法により災害発生前に定めたラジコン飛行機の配置を入力として、各ラジコン飛行機の飛行経路を決定する。
ここで、図5に災害発生後のラジコン飛行機の飛行経路を決定するまでの様子を示す。すなわち、図5(a)は与えられたラジコン飛行機23の配置を、図5(b)は災害発生後の検査箇所31が判明した状態を、図5(c)はラジコン飛行機の飛行経路32,33,34の決定の様子をそれぞれ示す。ただし、図5(b),図5(c)において黒色の点31は具体的な検査箇所を示すものとする。
本発明で提案するラジコン飛行機を活用した鉄道災害情報収集システムでは、災害発生前に検査箇所となる可能性のある全ての検査対象箇所21を、与えられたラジコン飛行機23の数で効率的に飛行するための飛行経路24,25,26を決定し、この飛行経路24,25,26からラジコン飛行機23の配置を決定する。災害発生後にはこのラジコン飛行機23の配置の下、判明した全ての検査箇所31を飛行するための飛行経路32,33,34を決定する。
〔3〕.定式化
検査対象箇所の集合をN={1,2,…n}、保守区の集合をM={1,2,…m}、同性能のラジコン飛行機の集合をR={1,2,…r}とする。また、点集合V=N∪Mと枝集合E={( i, j)|i, j∈V, i≠j}からなる無向グラフG=(V,E)とし、枝(i, j)∈Eの飛行時間をtijとする。ただし、(tij)は三角不等式を満たすものとする。加えて、始点と終点のみがMに含まれ、他の点はNに含まれるパスであり、かつ始点と終点以外の点は互いに素であるものを特に飛行パスと呼び、Gの部分グラフで定義する。なお、始点と終点が同一の場合は、飛行パスはサイクルとなる。さらに、Gの部分グラフHに含まれる検査対象箇所集合と枝集合をそれぞれN(H), E(H)とし、部分グラフHの飛行時間を
イメージT(H)=Σ(i, j)E(H) t ij
で定義する。このとき、グラフG上の全ての飛行パス集合をΛとすると、上記した〔2〕.で説明した問題 (P) は次のように定式化される。
k ∈∧, k∈R …(4)
問題 (P) において、式 (1) は各ラジコン飛行機の飛行時間で最大のものを最小にすることを、式 (2) は各ラジコン飛行機により全ての検査対象箇所の災害情報が収集されることを、式 (3) は各検査対象箇所の災害情報はただ1台のラジコン飛行機により収集されることを保証する。
次に、問題 (Q) の定式化について説明する。問題 (Q) は、問題 (P) と同様に式 (1) から式 (4) を満たすラジコン飛行機の飛行パスを求める問題であるが、各ラジコン飛行機の配置が固定されているという点が問題 (P) と異なる。そこで、この制約を定式化に組み入れるために必要な用語を定義する。保守区i∈Mに配置されているラジコン飛行機の数をhi とし、これらの値は入力として与えられているものとする。また、飛行パス集合{P1 , …, Pr }に対して、保守区i∈Mを始点とする飛行パス数をfi (P1 , …, Pr )とする。すると、各ラジコン飛行機が所定の保守区に配置されていることを表す制約条件は次のようになる。
i (P1 , …, Pr )=hi , i∈M …(5)
このとき、問題 (Q) は、問題 (P) におけるNを検査箇所集合に置き換え、問題 (P) に制約条件式 (5) を追加した問題に定式化される。
なお、NP完全な問題に2分割問題がある(上記非特許文献9,10参照)。すなわち、n個の実数d1 , …, dn が与えられているとき、
を満たすW⊂N={1, …, n}が存在するか否かを判定する問題であるが、この2分割問題は、M={n+1}, R={1,2}とし、(tij)を次のように定めると、
上述の問題 (P) と問題 (Q) に帰着される。すなわち、問題 (P) と問題 (Q) の最適解が1/2・(d1 +…+dn )であるとき、そしてそのときに限りd1 , …, dn は2分割可能となる。よって、問題 (P) と問題 (Q) は明らかにNP困難な問題である。
問題 (P) と問題 (Q) はパス被覆問題に分類される(上記非特許文献11,12参照)。パス被覆問題は、与えられた点集合を被覆する互いに素なパスの集合を求める問題であるが、各パスの始点と終点に対する制約を持つパス被覆問題は本発明との関わりが特に深い。そこで、以下ではパスの始点と終点に制約を持つパス被覆問題に関する既存研究と本発明との相違点について述べる。
ある1つの始点と終点集合が与えられているパス被覆問題に対しては、これまでに多くの多項式時間アルゴリズムが提案されている(上記非特許文献13,14参照)。点集合のある部分集合に対して、始点と終点はこの部分集合に含まれなければならないという制約をもつパス被覆問題に対しては、Asdreらが補可約グラフ上での多項式時間アルゴリズムを提案している(上記非特許文献15参照)。また、各パスに対して始点と終点が与えられており、この条件を満たすパス被覆が存在するかどうかを判定する問題に対しては、幾つかの多項式時間アルゴリズムが提案されている(上記非特許文献16,17参照)。さらに、点集合の部分集合が与えられ、この部分集合に含まれる全ての点はあるパスの端点とするという条件の下、パス数最小のパス被覆を求める問題に対しては、区間グラフ上での多項式時間アルゴリズムが提案されている(上記非特許文献18参照)。
しかしながら、これらの研究では与えられた条件を満たすパス被覆が存在するかどうかを判定する問題、またはパス被覆に含まれるパス数を最小化する問題を扱っており、本発明で対象とするような、最大重みのパスを最小化するパス被覆を求める問題とは異なる。加えて、本発明では、始点と終点が同一であるパス(サイクル)も解に含めることを許容している点もこれら既存のパス被覆問題に対する研究とは異なる。
〔4〕.アルゴリズム
ここでは、上記〔3〕.において定式化した問題 (P) と問題 (Q) に対する解法アルゴリズムを提案する。
問題 (P) に対して提案するアルゴリズムは多項式時間定数近似アルゴリズムであり、それにより、問題 (P) の可能解を、つまり全ての検査対象箇所を含むr個の飛行パスを、多項式時間で生成することができる。そして既述のように、それより平常時における各ラジコン飛行機の配置を定めることができる。
他方、問題 (Q) に対して提案するアルゴリズムにおいては、問題 (Q) の可能解を生成する2つの方法を示す。1つは問題 (P) の可能解を利用して問題 (Q) の可能解を生成する方法であり、他の1つは問題 (P) に対する定数近似アルゴリズムと、ボトルネックマッチング問題(Min−max型重み付きマッチング問題)の最適解法(上記非特許文献19参照)を組み合せてそれを求める方法である。したがって、問題 (P) に対する定数近似アルゴリズムは、ラジコン飛行機の配置の決定に加えて、問題 (Q) の2つの可能解の生成にも適用されることになる。また、問題 (Q) は災害発生時に各ラジコン飛行機の飛行パスを実際に生成する問題である。それゆえ、目的関数値がより小さい、つまりできる限り情報収集時間が短い問題 (Q) の可能解を求める必要がある。そこで、上述の方法で求めた問題 (Q) の2つの可能解の中で情報収集時間がより短い方の可能解を選択し、それを更に局所探索法で改善するものとする。
〔4.1〕.問題 (P) に対するアルゴリズム
問題 (P) の定数近似アルゴリズムを説明する前に、用語の定義を行う。以下では保守区を表す点j∈Mを特に根点と呼び、飛行パスを点集合の順列で表記する。
1.新しい点0(擬点と呼ぶ)を追加し、擬点を各根点と同一視する。
2.点i∈Nと根点j∈Mを端点とする枝(i, j)の接続替えを行う。すなわち、そのような枝(i, j)は新しい枝(i, 0)とする。
3.全ての根点と根点に接続する全ての枝を削除する.
このとき、問題 (P) に対する図6に示すアルゴリズムを考える。このアルゴリズムはMin−max型の複数人巡回セールスマン問題に対するFredericksonのアルゴリズム(上記非特許文献20参照)を修正したものである。
アルゴリズム1〔問題 (P) に対する5/2−近似アルゴリズム〕について説明する。
図6(a)は初期状態を、図6(b)はステップ1を、図6(c)はステップ2を、図6(d)はステップ3を、図6(e)はステップ4をそれぞれ示している。
ステップ2.各j∈R\{r}に対して、サイクルCに沿って0, v1 , v2 , …と順に点を調べていき、(j/r)(L−2tmax )+tmax を超えない最後の点vp(j)を求める。
ステップ3.(vp(i), vp(i)+1), i∈R\{r}を削除する。また、vp(i)+1, i∈R\{r}とvp(i), i∈R\{r}を点0と接続し、r個のサイクルC1 =(0, v1 , …, vp(1), 0), C2 =(0, vp(l)+1, …, vp(2), 0), …, Cr =(0, vp(r-1)+1, …, vn , 0)を生成する。
ステップ4.ステップ3で生成したr個のサイクルCi , i∈Rを拡大する。
アルゴリズム1により得られる可能解に関しては、次の定理1が成り立つ。
証明 ステップ3で生成したr個の各サイクルから1本の枝を除去して得られる、次のようなr個のパスP1 =(0, v1 , …, vp(1)), P2 =(0, vp(1)+1, …, vp(2)), …, Pr-1 =(0, vp(r-2)+1, …, vp(r-1)), Pr =(vp(r-1)+1, …, vn , 0)を考える。
となり、上記した式 (8) を得る。
よって、アルゴリズム1の近似比率に関して次の系1を得る。
系1 三角不等式を満たす問題 (P) に対して、計算時間O(V3 )の5/2−近似アルゴリズムが存在する。
証明 三角不等式を満たす巡回セールスマン問題に対しては、Christofidesの計算時間O(V3 )である3/2−近似アルゴリズム(上記非特許文献22参照)が存在する。このアルゴリズムをステップ1で適用するとe=3/2となり、アルゴリズム1の近似比率は5/2となる。
なお、系1ではアルゴリズム1のステップ1において、Christofidesのアルゴリズムを適用することにより近似比率5/2を得たが、このアルゴリズムをdouble最小木法に置き換えるとe=2となり(上記非特許文献21参照)、近似比率は3となる。
〔4.2〕.問題 (Q) に対するアルゴリズム
ここでは、問題 (Q) の可能解を生成する方法について説明する。問題 (Q) に対する提案アルゴリズムの概略は次のようになる。
アルゴリズム2〔問題 (Q) に対するアルゴリズム〕について説明する。
ステップ1.問題 (P) で求めたr個の飛行パスを利用して、問題 (Q) の可能解を生成する。
ステップ2.問題 (P) の検査対象箇所集合Nを検査箇所集合に置き換えて、アルゴリズム1を実行しr個の飛行パスを生成する。次いで、このr個の飛行パスを修正して問題 (Q) の可能解を生成する。
ステップ3.ステップ1とステップ2で生成した問題 (Q) の可能解のうち、災害情報収集時間が短い方の可能解を選択する。
ステップ4.ステップ3で得られた問題 (Q) の可能解に局所探索法を適用して解を改善する。
アルゴリズム2を実行するためには、ステップ1における問題 (Q) の可能解の生成方法、ステップ2における飛行パスの修正方法、ステップ4における局所探索法を示す必要がある。そこで以下では、それらについて順次説明する。
問題 (P) を解くと、全ての検査対象箇所を含むr個の飛行パスが求まる。そして、平常時におけるラジコン飛行機の配置はそれらr個の飛行パスが運用可能であるように定めた。したがって、問題 (P) を解いて求めた飛行パス上で検査箇所のみを接続すると、つまり非検査箇所をショートカットすると、式 (5) を満たす問題 (Q) の1つの可能解が定まる。そこでステップ1では、問題 (P) で求めた飛行パス上で検査箇所のみを接続して問題 (Q) の可能解を生成するものとする(図7参照。黒丸が検査箇所、白丸が検査対象箇所)。これより、問題 (P) は平常時におけるラジコン飛行機の配置決定に加えて、災害発生後の飛行経路の決定にも活用されることになる。
ステップ2の前半で求まるr個の飛行パスは、平常時におけるラジコン飛行機の配置制約を考慮していないため、それから問題 (Q) の可能解を生成するためには、式 (5) を満たすようにラジコン飛行機の配置を変更する必要がある。そこで本発明ではボトルネックマッチング問題を利用した次のアルゴリズムで、このr個の飛行パスを問題 (Q) の可能解に修正(アルゴリズム2のステップ2)するものとする。
次に、アルゴリズム3〔問題 (Q) の可能解の生成〕について説明する。
ステップ1.アルゴリズム2のステップ2で生成したr個の飛行パスに対し、根点に接続する全ての枝を除去する。この結果得られるr個のパスを、P1 , …, Pr とする。
ステップ2.Pk , k∈Rに対応する点から成る点集合をV1 とし、各i∈Mに対してhi 個の根点iに対応する点から成る点集合をV2 とする。また、点集合VK =V1 ∪V2 , 無向枝集合EK ={(a, b)|a∈V1 , b∈V2 }から構成される完全2部グラフGK =(VK , EK )を構成する。
ステップ3.枝(a, b)∈EK の重みwabを次のように定義する。ただし、δ(P)はパスPの両端点の集合、σ(b)∈Mは点b∈V2 に対応する根点を表す。
(wab), (a, b)∈EK で重み付けされたGK =(VK , EK )上でボトルネックマッチング問題を解く。
ステップ4.ステップ3で求めたボトルネックマッチング問題の最適解に含まれる枝集合M* を利用して次のように問題 (Q) の可能解を生成する。
(i) M* に含まれる各枝(a, b)∈M* に対して、wabの値を与える式 (9) の点i(パスPa の端点)と根点σ(b)を接続することによりパスPa を更新する。
(ii) 更新されたパスPk , k∈Rに対して、根点と接続していない端点とある根点とを、増加する飛行時間が最小となるように接続する。
アルゴリズム3のステップ3では、ラジコン飛行機配置制約である式 (5) を満たすようにr個のパスが保守区に割り当てられ、パスの一方の端点がマッチングに対応する保守区と接続される。また、ステップ4では保守区と接続されていない他方の端点をある保守区と接続することによりr個の飛行パスを生成する。アルゴリズム3により、式 (5) を満たさないr個の飛行パスが問題 (Q) の可能解に修正される様子を図8に示す。ただし、図8においてラジコン飛行機の数はr=4であり、ラジコン飛行機はh1 =1, h3 =3となるように配置するものとする。また、白四角、白丸、白三角はそれぞれ保守区、V1 の要素、V2 の要素を表すものとし、中の数字はそれぞれの番号を表すものとする。なお、ボトルネックマッチング問題に対しては多項式時間の最適解法が提案されているので(上記非特許文献19参照)、アルゴリズム3の計算も多項式時間で終了する。
なお、図8(a)は与えられた4個の飛行パス、図8(b)はステップ1(パスP1 ,…,P4 を生成する)を、図8(c)はステップ2〔VK を生成する。白三角下のサフィックスは対応する保守区の番号を表す〕を、図8(d)はステップ2,ステップ3〔式(9)で重み付けされた完全2部グラフGK =(VK ,EK )を構成する〕を、図8(e)はステップ3〔GK =(VK ,EK )上でボトルネックマッチング問題を解く〕を、図8(f)はステップ4〔ボトルネックマッチング問題の解から、問題(Q)の可能解を生成する〕をそれぞれ示している。また、この方法で求まった問題 (Q) の可能解に対して、局所探索法を適用する。この局所探索法では、飛行時間が最も長い飛行パス上の検査箇所を他の飛行パスの任意の検査箇所間に挿入する挿入近傍を用いて、可能解の改善を図っている(アルゴリズム2のステップ4)。
局所探索法による可能解の改善の様子を図9に挙げる。図9では、矢印41で示された飛行パス上の検査箇所を矢印42で示された飛行パス上の検査箇所間に挿入することにより可能解を修正している様子を示している。
〔5〕.数値実験
提案アルゴリズムの性能を検証するために、関東地域の複数線区とその周辺地域を対象とした数値実験を実施した。具体的には、出願人の所在地を中心に直径5km,10km,15kmの範囲に含まれる鉄道沿線に検査対象箇所を設定し、これら対象領域に含まれる検査対象箇所数をそれぞれ51箇所,186箇所,336箇所とした。また、保守区数に関しては、直径5km,10km,15kmの範囲に含まれる各領域に対し、それぞれ1箇所,2箇所,4箇所とした。これらの様子を図10に示す。なお、図10において、黒丸は検査対象箇所51、黒四角は保守区52を表す。
以下の数値実験におけるパラメータ設定と実験環境については次の通りである。
・ラジコン飛行機の速度は40km/hとし、ラジコン飛行機の飛行時間は飛行距離に比例するものとした。
・使用計算機言語はCで、使用計算機の仕様はMicrosoft Windows(登録商標)7 Professional,Intel(登録商標)CORE(登録商標)i5 CPU,2.67GHz,4.00GB RAMである。
・アルゴリズム1のステップ1における巡回セールスマン問題は、double最小木法を用いて可能解を生成した(上記非特許文献21参照)。この場合、アルゴリズム1の近似比率は3となる。
また、以下の表1,表2,表3に関しては次の通りである。
・n1 は検査対象箇所数、n2 は検査箇所数、mは保守区数、rはラジコン飛行機数であり、表1はn1 =51(直径5km領域)、表2はn1 =186(直径10km領域)、表3はn1 =336(直径15km領域)である場合の数値実験結果である。
・検査箇所数はn2 =[n1 ×α](α=0.3,0.6,0.9)で定めた。ただし、[・]は・を四捨五入した結果の数値とする。また、検査箇所の場所に関しては、検査対象箇所の中からランダムにn2 箇所を選択した。
・ラジコン飛行機数はr=[n1 /β](β=45,30,15)で定めた。
・c1 は問題 (P) にアルゴリズム1を適用して得られた問題 (P) に対する可能解の目的関数値であり、S1 はその計算時間である。
・c2 とc3 はそれぞれアルゴリズム2のステップ1とステップ2で求めた問題 (Q) の可能解に対する目的関数値である。
・c4 はアルゴリズム2を適用して求めた問題 (Q) の可能解に対する目的関数値であり、s2 はその計算時間である。
・検査箇所の場所はランダムに選択されることから、同一インスタンスでも計算結果が異なる可能性がある。そこで、ここでは各インスタンスを5題解き、表中にはこれら5題を解いた結果得られた値の平均値を示した。
・c1 , c2 , c3 , c4 の単位は分であり、s1 , s2 の単位は秒である。また、s1 , s2 に関して、平均計算時間が0.01秒以下の場合は横線とした。
表1から表3において、α=0.3で検査箇所数を定めた場合にmin{c2 , c3 }=c3 となる割合は約89%である。これはα=0.3である場合はアルゴリズム2のステップ1の方法よりも、アルゴリズム2のステップ2の方法の方が、災害情報収集時間がより短い飛行パスを生成できることを示している。つまり、α=0.3である場合は検査対象箇所の中から検査箇所となる割合が比較的小さいことから、全ての検査対象箇所を含む飛行パスを利用して災害発生後の飛行パスを生成するステップ1の方法よりも、災害発生後に判明する検査箇所に限定してそれを生成するステップ2の方法の方が、災害情報収集時間の短縮により有効であることを示している。他方、α=0.6, 0.9で検査箇所数を定めた場合にmin{c2 , c3 }=c2 となる割合は約83%である。これは、α=0.3の場合とは反対に、検査対象箇所のより多くが検査箇所となることから、アルゴリズム2のステップ2の方法よりも、全ての検査対象箇所を含む飛行パスを利用して災害発生後の飛行パスを生成するステップ1の方法の方が、災害情報収集時間の短縮により有効であることを示している。
一方、表1から表3のr2であるインスタンスにおいて、min{c2 , c3 }とc4 の平均値はそれぞれ表1では16.447と15.925、表2では35.674と32.508、表3では39.419と35.100である。よって、アルゴリズム2のステップ4における局所探索法により、表1から表3におけるmin{c2 , c3 }は、平均的にそれぞれ3.174%,8.875%,10.957%改善されたことが確認できる。また、表1から表3におけるs2 はそれぞれ0.01秒以下,1.828秒以下,17.307秒以下であることから、この数値実験で扱ったインスタンス規模ならば、災害発生後に20秒以下で各ラジコン飛行機の飛行パスを決定できるものと推察される。提案したアルゴリズムを適用して求めたラジコン飛行機の飛行パス案として、(n1 , n2 , m, r)=(336,101,4,11)であるインスタンスに対する結果を図11に示す。ここで、図11(a)は問題 (P) にアルゴリズム1を適用して求めた場合の、図11(b)は問題 (Q) にアルゴリズム2を適用して求めた場合の飛行パス案である。また、図11においては、各ラジコン飛行機の飛行パス案を異なる色で示している。なお、黒丸は検査箇所53を表している。
上記〔2〕.においては、問題 (P) で求めた飛行パスを利用して各ラジコン飛行機の初期配置を決定する方法を示した。そして、アルゴリズム2のステップ1においては、その方法で各ラジコン飛行機は配置されているものとして飛行パスを求めた。それゆえ、ラジコン飛行機の初期配置を他の方法で定めると、アルゴリズム2のステップ1で生成する飛行パスの実行可能性を保証することができない。しかし、アルゴリズム2のステップ2においては、各ラジコン飛行機の初期配置を他の方法で定めても実行可能な飛行パスを生成することができる。そこで、アルゴリズム2のステップ2におけるラジコン飛行機の初期配置を、上記した〔2〕.で示した方法ではなく“各保守区に均等配置する方法”や“各保守区にランダム配置する方法”で定めた場合に、それらが災害情報収集時間にどのように影響するかを検証するための数値実験を実施した。その結果を表4に示す。ただし表4については、以下の通りである。
・図10の直径15km領域(n1 =336, m=4)を対象にした。また、n2 とrの値は表1から表3の場合と同様な方法で定めた。
・ラジコン飛行機の初期配置を“上記〔2〕.で示した方法”,“各保守区に均等配置する方法”,“各保守区にランダム配置する方法”で定めた場合に、アルゴリズム2のステップ2で生成した飛行パス案の災害情報収集時間(分)をそれぞれA1 , A2 , A3 とし、これらの飛行パス案に局所探索法を適用した場合の災害情報収集時間(分)をそれぞれB1 , B2 , B3 としている。
・表4に示した数値は各インスタンスを5題解いた場合の平均値である。
表4におけるA1 , A2 , A3 の中で、値が最小となるインスタンスの数はそれぞれ4,5,1であり、B1 , B2 , B3 の中で値が最小となるインスタンスの数はそれぞれ4,4,1である。この結果から、ラジコン飛行機をランダムに配置した場合よりも、それを上記した〔2〕.で示した方法で配置した場合や均等に配置した場合の方が、災害情報収集時間が最小となるインスタンス数が多くなっていることが確認できる。しかし、ラジコン飛行機を上記した〔2〕.で示した方法で配置した場合とそれを均等に配置した場合では、災害情報収集時間が最小となるインスタンス数に大きな差を確認することはできない。
一方、この数値実験においては検査対象箇所が各保守区の周りにほぼ均等に分布している場合(図11参照)を対象としたが、ラジコン飛行機を各保守区に均等に配置しておくと、災害情報収集時間の長時間化が懸念される場合も存在する。例えば、使用可能なラジコン飛行機が4台で保守区が2箇所であるとき、検査対象箇所が図12のように片方の保守区の周辺に集中して分布している場合を考える。このような場合に、ラジコン飛行機を保守区1,2に2台ずつ均等に配置すると、保守区1に配置したラジコン飛行機の飛行時間が保守区2に配置したそれよりも極端に長くなり、結果として災害情報収集時間が長時間化してしまう懸念がある。そして、同様な状況はラジコン飛行機を各保守区にランダムに配置した場合(例えば図12においてラジコン飛行機を保守区1に1台、保守区2に3台ランダムに配置した場合)にも発生する。したがって、表4に示した数値実験結果とこのような状況を考慮すると、“各保守区に均等配置する方法”や“各保守区にランダム配置する方法”よりも“上記した〔2〕.で示した方法”の方が情報収集時間の短縮により有効であると推察される。なお、表4のA1 と表3のc3 は共にラジコン飛行機を上記した〔2〕.で示した方法で定めた場合の値であるが、この数値実験においては検査箇所を検査対象箇所の中からランダムに選択していることから、それらの値も異なっている。
本発明では、災害発生時に通信インフラに依存することなく安定的に鉄道現場の災害情報を収集するためのシステムとして、ラジコン飛行機を活用した鉄道災害情報収集システムを提案した。そして、ラジコン飛行機の飛行経路を災害情報収集時間が最小となるように決定する問題を設定し、この問題に対する定数近似アルゴリズムを提案した。また、平常時におけるラジコン飛行機の配置方法を示すとともに、災害発生時におけるラジコン飛行機の飛行経路の決定方法を提案した。さらに、実際の鉄道線区を対象とした問題例に対する数値実験を実施し、災害情報収集箇所が336以下の問題であれば、提案法により20秒以下でラジコン飛行機の飛行経路を決定できることを確認した。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法は、大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法として利用可能である。
1,23 自律飛行型ロボット(ラジコン飛行機)
2 自動操縦装置
3 フレキシブル搭載荷重空間
4 リチウムポリマーバッテリー
5 無線制御受信機(選択的マニュアル操作)
6 主翼
7 電気モータ
8 耐衝撃性フレキシブルエアフレーム
9 埋め込みのデータリンク
11,24,25,26,32,33,34 飛行経路
12,21,51 検査対象箇所
22,22′,52 保守区
27,28 線分
31,53 検査箇所
41,42 矢印

Claims (5)

  1. 大規模鉄道災害発生時の災害情報を迅速かつ安定的に収集するシステムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、
    (a)潜在的な検査対象箇所と、保守区と、自律飛行型ロボットの台数と、前記自律飛行型ロボットの飛行可能時間を入力情報とし、
    (b)前記自律飛行型ロボットの出発点と終着点のみ前記保守区であり、前記各検査対象箇所の災害情報は、1台の前記自律飛行型ロボットによって収集され、全ての前記検査対象箇所の災害情報を収集する制約条件に基き、
    (c)実際の鉄道災害発生時に前記検査対象箇所から実際の検査箇所が判明すると、該検査箇所の災害情報収集時間が最小となるような、前記各自律飛行型ロボットの飛行経路を求めることを特徴とする鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法。
  2. 請求項1記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、実際の鉄道災害発生時には、災害の種類と規模に応じて、前記検査対象箇所の中から現状確認が必要な前記検査箇所が決定されることを特徴とする鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法。
  3. 請求項1記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記自律飛行型ロボットによって収集されたデータは前記自律飛行型ロボットが着陸した保守区で回収されることを特徴とする鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法。
  4. 請求項1記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記自律飛行型ロボットは前記飛行経路を自動飛行し、前記自律飛行型ロボットが搭載する撮像装置によって撮像される画像を撮影後に備え付けのローカルストレージに蓄積することを特徴とする鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法。
  5. 請求項4記載の鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法において、前記ローカルストレージに蓄積されたデータは、前記自律飛行型ロボットが前記保守区に帰着した時にサーバーに転送されることを特徴とする鉄道災害情報収集システムにおける自律飛行型ロボットの運用方法。
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