JP2013147590A - 液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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勝広 北嶋
Tamon Tachibana
多聞 橘
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Abstract

【課題】垂直配向性を利用した動作モードに用いられる負の誘電率異方性を有する液晶組成物に関し、相溶性が良好で、広い温度範囲において、応答速度が速く、表示品位の高い液晶素子を得るのに好適な液晶組成物およびその液晶組成物を用いた液晶素子の提供。
【解決手段】第1成分として、下記式(A)で表される化合物を30質量%以上含有し、第2成分として、下記式(B−1)および下記式(B−2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含有する液晶組成物。Ra1−A−Z−A−Z−(A)m−Z−(A)n−Ra2(A)Rb1−Cy−Ph(3F)−C≡C−Ph−Rb2(B−1)Rb3−Cy−Ph−Rb4(B−2)
【選択図】なし

Description

本発明は、2,3−フルオロ−1,4−フェニレン基を有する化合物を含有する液晶組成物、および当該組成物を含む液晶素子に関する。
液晶素子は携帯電話やPDAのような携帯機器、複写機やパソコンモニタのようなOA機器用表示装置、液晶テレビなどの家電製品用表示装置をはじめ、時計、電卓、測定器、自動車用計器、カメラなどの用途に使用されており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等の種々の性能が要求されている。
これらの液晶素子の動作モードとしてはTN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モード、ECB(electrically controlled birefringence)モード、OCB(optically compensated bent)モード、IPS(in-plane switching)モード、VA(vertical alignment)モードなどの種々の動作モードが知られている。
これらの動作モードの中でもECBモード、IPSモード、VAモードなどは液晶分子を電極に対して垂直に配向させたモードである。
このような液晶素子には液晶相を示す材料が使用されているが、現在のところ、これら全ての特性を単独の化合物で満たすわけではなく、1つまたは2つ以上の特性の優れた複数の液晶化合物や非液晶性化合物を混合して液晶組成物として要求性能を満たしている。
これら垂直配向性を利用した動作モードにおいては、負の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられ、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を有する化合物を含有する液晶組成物が知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。
しかし、これらの組成物は、透明点(Tc)が低く広い温度範囲での駆動が困難であったり、屈折率異方性(Δn)が小さいことからセル厚の薄い素子においては表示コントラストの低下を招くなどの問題点があった。
国際公開第2008/018248号 特表2009−504814号公報
本発明は、垂直配向性を利用した動作モードに用いられる負の誘電率異方性を有する液晶組成物に関するものであり、相溶性が良好で、広い温度範囲において、応答速度が速く、表示品位の高い液晶素子を得るのに好適な液晶組成物およびその液晶組成物を用いた液晶素子を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、このような課題の解決策として、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を有する化合物を含有する組成物に、特定の化合物を更に添加することにより、その液晶組成物を用いた液晶素子が広い動作温度範囲、高速応答性、高い表示品位等の種々の要求性能を満たすことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記液晶組成物を提供する。
第1成分として、下記式(A)で表される化合物を30質量%以上含有し、
第2成分として、下記式(B−1)および下記式(B−2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含有する液晶組成物。
a1−A−Z−A−Z−(A)m−Z−(A)n−Ra2 (A)
b1−Cy−Ph(3F)−C≡C−Ph−Rb2 (B−1)
b3−Cy−Ph−Rb4 (B−2)
(式中の記号は以下の意味を示す。
a1およびRa2:相互に独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基であり、該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
、ZおよびZ:相互に独立して、単結合、−COO−、−C≡C−、−OCO−、−OCH−、−CHO−または−C−。
mおよびn:相互に独立して0または1。
b1およびRb2:相互に独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
b3:炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
b4:炭素数2〜10のアルケニル基。
−Cy−:トランス−1,4−シクロへキシレン基。
−Ph−:1,4−フェニレン基。
−Ph(3F)−:3−フルオロ−1,4−フェニレン基。
ただし、A、A、AおよびAの1つ以上は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基である。)
前記液晶組成物としては、前記第2成分として、前記式(B−1)で表される化合物を含有する液晶組成物が好ましい。
また、前記液晶組成物としては、前記第2成分として、前記式(B−2)においてRb4が下記式(r)で表される基である化合物を含有する液晶組成物が好ましい。中でも、式(r)のRb5がメチル基である化合物が特に好ましい。
−CHCHCH=CHRb5 (r)
(式中のRb5は、水素原子またはメチル基。)
また、前記液晶組成物としては、前記式(A)において、nが0であり、Zが単結合であり、かつ、ZおよびZの少なくとも1つが−C≡C−である液晶組成物も好ましい。
また、本発明は、前記液晶組成物を、電極が配設された2枚の基板間に封入してなる液晶素子を提供する。
本発明の組成物は、相溶性が良好であり組成物としての安定性に優れるとともに、広い温度範囲で、高速応答性に優れ、高い表示品位を有する液晶素子を得ることができる。
以下に本発明について更に詳しく説明する。
本明細書において、式(A)で表される化合物を化合物(A)と記し、他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書において、特に断りのない限り、式(A)におけるRa1に近いほうを常に1位とする。式(B−1)、式(B−2)においても、それぞれRb1、Rb3に近いほうと常に1位とする。例えば、式(B−1)において、−Ph(3F)−のベンゼン環は、1位に−Cy−が、4位に−C≡C−が結合し、3位にフッ素原子が置換することを意味する。
また、本明細書において、液晶素子とは、表示素子に限られず、液晶の電気的または光学的特性を利用する各種の機能素子、例えば、液晶表示素子、調光窓、光シャッター、偏光変換素子、可変焦点レンズ等の用途に用いられる素子を含むものである。
本発明の液晶組成物の化合物(A)において、Ra1およびRa2は前記と同じ意味を示す。Ra1およびRa2中の基は、直鎖状と分岐状のどちらでもかまわないが直鎖状が好ましい。また、アルケニル基の場合、結合部位からの二重結合の位置が奇数位の場合には、液晶温度範囲が増大することからアルケニルの立体配置はトランス配置が好ましい。
a1およびRa2は、高い相溶性と広い温度範囲の液晶性を得ることができることから、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。
化合物(A)において、A、A、AおよびAは前記と同じ意味を示す。ただし、A、A、AおよびAの1つ以上は、2,3−フルオロ−1,4−フェニレン基である。
、A、AおよびAの基中の水素原子を置換するハロゲン原子としては、大きいΔεと低い粘性を得ることができることから、塩素原子またはフッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
、A、AおよびAが1,4−フェニレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、1つの1,4−フェニレン基に置換するハロゲン原子の数は1つから4つであるが、中でも1つまたは2つが好ましい。トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、ハロゲン原子の数は1つから4つであることが好ましい。また、ハロゲン原子はシクロヘキシレン基の1位または4位の炭素原子に結合していてもよい。
、A、AおよびAとしては、誘電率異方性(Δε)を負に大きくしつつ、低い粘性を得ることができることから、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、または基中の水素原子の1つまたは2つがフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基が好ましい。
化合物(A)において、Z、ZおよびZは前記と同じ意味を示す。なお、Zが単結合である場合にはZの両側の環基は直接結合することを意味する。例えば、Zが単結合である場合はAとA2とは直接結合する。また、mが0であり、nが1であり、なおかつZおよびZが単結合である場合は、AとAとは直接結合する。ZおよびZにおいても同様である。
、ZおよびZとしては、大きなΔnを得ることができることから、単結合、−COO−または−C≡C−が好ましい。
化合物(A)において、mおよびnは前記と同じ意味を示す。
nは相溶性の観点から、0であることが好ましい。また、mは、相溶性の観点からは0が、液晶組成物のTcの観点からは1であるのが好ましい。
化合物(A)としては、負に大きいΔεを得ることができることから、nが0であり、Zが単結合であり、かつ、ZおよびZの少なくとも1つが−C≡C−である化合物が好ましい。このような化合物としては、下記化合物(A−1)、化合物(A−2)、化合物(A−3)、化合物(A−4)および化合物(A−5)が挙げられる。式中の「−Ph(2F,3F)−」は「2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン」であり、他の記号は前記と同じ意味を示す。
a1−Ph−C≡C−Ph(2F,3F)−Ra2 (A−1)
a1−Cy−Ph−C≡C−Ph(2F,3F)−Ra2 (A−2)
a1−Cy−Ph(2F,3F)−C≡C−Ph−Ra2 (A−3)
a1−Cy−COO−Ph−C≡C−Ph(2F,3F)−Ra2 (A−4)
a1−Cy−COO−Ph(2F,3F)−C≡C−Ph−Ra2 (A−5)
本発明の液晶組成物は、化合物(A)を、液晶組成物全体の量に対して30質量%以上含有する。これにより、液晶組成物のΔεが負となり、垂直配向モードの素子に利用できるようになる。化合物(A)の含有量としては、負に大きいΔεと低い粘性を得ることができることから、30〜60質量%が好ましく、40〜50質量%がより好ましい。
本発明の液晶組成物は、化合物(A)を2種類以上含むことが好ましい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲であると好ましい。
本発明の液晶組成物の化合物(B−1)において、Rb1およびRb2は前記と同じ意味を示す。Rb1およびRb2の態様は、上記Ra1およびRa2の態様と同じである。
本発明の液晶組成物は、化合物(B−1)を含む場合は、高いTcを得ることができることから、液晶組成物全体の量に対して10〜30質量%含有することが好ましく、15〜20質量%含有することがより好ましい。
本発明の液晶組成物は、化合物(B−1)を2種類以上含むことが好ましい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲であると好ましい。
本発明の液晶組成物の化合物(B−2)において、Rb3、Rb4およびRb5は前記と同じ意味を示す。Rb3の態様は、上記Ra1およびRa2の態様と同じである。
b4としては、炭素数2〜5のアルケニル基が好ましく、中でも、前記式(r)で表される基が好ましい。式(r)において、Rb5が水素原子であると、低い粘性を得られることから好ましい。また、式(r)において、Rb5がメチル基であると、高い相溶性と高いTcを得られることから特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、化合物(B−2)を含む場合は、高い相溶性を得ることができることから、液晶組成物全体の量に対して10〜40質量%含有することが好ましく、15〜30質量%含有することがより好ましい。
本発明の液晶組成物は、化合物(B−2)を1種類だけ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよいが、2種類以上含むことが好ましい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲であると好ましい。
なお、本発明の液晶組成物は、第2成分として、化合物(B−1)のみ含有してもよく、化合物(B−2)のみ含有してもよく、化合物(B−1)と化合物(B−2)の両方を含有してもよい。
本発明の液晶組成物としては、第2成分として、化合物(B−1)のみ含有したもの、または、化合物(B−1)と化合物(B−2)の両方を含有したものが好ましい。
本発明の組成物において、第1成分、第2成分以外の他の化合物としては、屈折率異方性値を調整する成分、粘性を下げる成分、低温で液晶性を示す成分、誘電率異方性を向上させる成分、コレステリック性を付与する成分、二色性を示す成分、導電性を付与する成分、その他各種添加剤等が挙げられる。これらは、用途、要求性能等により、適宜選択されるが、通常は、液晶化合物および該液晶化合物と類似構造を有する主成分と、必要に応じて添加される添加成分とからなるものが好ましい。
本発明の液晶組成物において、前記他の化合物としては、例えば、以下の式で表されるものが挙げられる。以下の式中、R3およびR4は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはシアノ基等の基を表す。また、R3およびR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、以下の式中、−Cy−はトランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、−Phe−はフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表す。
3−Cy−Cy−R4
3−Cy−Phe−R4
3−Phe−Phe−R4
3−Phe−C≡C−Phe−R4
3−Cy−COO−Phe−R4
3−Phe−COO−Phe−R4
3−Cy−CH2 CH2−Phe−R4
3−Phe−CH2 CH2−Phe−R4
3−Cy−CH=CH−Phe−R4
3−Phe−CH=CH−Phe−R4
3−Phe−CF=CF−Phe−R4
3−Cy−CF=CF−Phe−R4
3−Cy−CF=CF−Cy−R4
3−Cy−Phe−CF=CF−Phe−R4
3−Cy−Phe−CH2 CH2−Phe−R4
3−Cy−Phe−CH2 CH2−Cy−R4
3−Cy−Cy−CH2 CH2−Phe−R4
3−Phe−Phe−CH2 CH2−Phe−R4
3−Phe−Phe−CH2 CH2−Cy−R4
3−Cy−Phe−Phe−R4
3−Cy−Cy−Phe−R4
3−Cy−Phe−C≡C−Phe−R4
3−Cy−Phe−C≡C−Phe−Cy−R4
3−Cy−CH2 CH2−Phe−C≡C−Phe−R4
3−Cy−CH2 CH2−Phe−C≡C−Phe−Cy−R4
3−Cy−Phe−Phe−Cy−R4
3−Phe−Phe−Phe−R4
3−Phe−Phe−C≡C−Phe−R4
3−Phe−CH2 CH2−Phe−C≡C−Phe−R4
3−Phe−CH2 CH2−Phe−C≡C−Phe−Cy−R4
3−Cy−COO−Phe−Phe−R4
3−Cy−Phe−COO−Phe−R4
3−Cy−COO−Phe−COO−Phe−R4
3−Phe−COO−Phe−COO−Phe−R4
なお、これらの化合物は単なる代表例であり、該化合物中の環構造または末端基に存在する水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、メチル基等で置換されたものでもよい。また、シクロヘキサン環やベンゼン環が他の六員環や五員環、例えば、ピリミジン環やジオキサン環等で置換されたものでもよく、環と環との間の結合基がそれぞれ独立して他の2価の結合基、例えば−CH2O−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−または−COCH2−等に変更されているものでもよく、所望の性能に合わせて選択することができる。
中でも、本発明の液晶組成物は、他の化合物として、例示した化合物の中でも、下記化合物を含むことが好ましい。
31−Cy−Ph−R41
31−Cy−Cy−R41
ただし、式中のR31は、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基またはアルコキシ基、R41は炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基、−Cy−および−Ph−は前記と同じ意味を示す。
さらに、本発明は、前記液晶組成物を液晶相の構成材として用いる液晶電気素子を提供する。例えば、本発明の液晶組成物を液晶セル内に注入する等して形成される液晶相を、電極を備える2枚の基板間に挟持して構成される電気素子部を有する液晶電気素子を提供する。この液晶電気素子は、ツイストネマチック方式、ゲストホスト方式、動的散乱方式、フェーズチェンジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶表示方式等種々のモードで駆動されるものが挙げられる。中でもECBモード、IPSモード、VAモードなどの液晶分子を電極に対して垂直に配向させたモードにおいて本発明の液晶組成物は特に有用である。
液晶分子を電極に対して垂直に配向させた代表的な液晶素子としては、VA(vertical alignment)モード液晶素子が挙げられる。このVAモード液晶素子は、まず、プラスチック、ガラス等の基板上に、必要に応じてSiO2 、Al23 等のアンダーコート層やカラーフィルター層を形成し、In23−SnO2 (ITO)、SnO2 等からなる被膜を成膜し、フォトリソグラフィ等により所要のパターンの電極を形成する。次に、必要に応じて、ポリイミド、ポリアミド、SiO2 、Al23 等のオーバーコート層を形成し、垂直配向処理を施す。これにシール材を印刷し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、シール材を硬化して空セルを形成する。
さらに、空セルに、本発明の組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成する。この液晶セルに、必要に応じて、偏光板、カラー偏光板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射板、導光板、紫外線カットフィルター等を積層、文字、図形等を印刷、ノングレア加工等をして液晶素子を得ることができる。
なお、上述の説明は、液晶素子の基本的な構成および製法を説明したものであり、他の構成も採用できる。例えば、2層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶セル、反射電極を用いた基板、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子等、種々の構成のものが採用できる。その中でも特にパッシブマトリクス素子において本発明の組成物は有用である。
さらに、本発明の組成物は、前記VA型以外のモード、即ち、横方向の電界で液晶分子を基板に対して平行に駆動させるインプレーンスイッチング(IPS)型液晶素子、ツイストネマチック(TN)型液晶素子、高ツイスト角のスーパーツイストネマチック(STN)型液晶素子や、多色性色素を用いたゲスト−ホスト(GH)型液晶素子、強誘電性液晶素子等、種々の方式で使用することができる。また、電気的に書き込みをする方式ではなく、熱により書き込みをする方式に用いることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を例示しようとするものである。
表1に示す化合物を、同表に示す割合(質量%)で配合し、例1〜4の液晶組成物を調製した。なお、組成物に使用した各化合物は、市販品あるいは新実験化学講座(丸善株式会社出版)等、有機合成の成書に記載されている方法にて容易に得られる。
また、表1中、−Ph(2F)−は2−フルオロ−1,4−フェニレン基を表し、−Cy−、−Ph−、−Ph(2F,3F)−および−Ph(3F)−は前記と同じ意味を示す。
Figure 2013147590
前記組成物の例1〜4について、相溶性、Tc、Δn、Δε、ずり粘度、しきい値電圧(Vth)、応答速度(τon+off)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2013147590
なお、表2における各物性は、以下の方法により測定した。
[相溶性の測定]
ガラスビンに液晶組成物を1g封入し−40℃の冷凍機に7日放置した。放置後、析出が無かった組成物を「○」と評価した。
[Tc(℃)の測定]
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−82HT型ホットステージ)に液晶性組成物を置き、1℃/分の速度で加熱しながら偏光顕微鏡を観察した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度をTcの温度とした。
[屈折率異方性(Δn)の測定]
測定は、25℃の温度下で、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行った。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、液晶性組成物を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。屈折率異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥の式から計算した。
[誘電率異方性(Δε)の測定]
液晶組成物を間隔9μmの垂直配向のガラスセルに封入した。25℃にてこのセルに100mVの電圧を印加して液晶分子の長軸方向の誘電率(ε‖)を測定した。
同様に、間隔9μmの水平配向のガラスセルに液晶組成物を封入し、短軸方向の誘電率(ε⊥)を測定した。液晶組成物の誘電率異方性(Δε)は式Δε=ε‖−ε⊥から求めた。
[ずり粘度の測定]
日本グリース社製「粘度計校正用標準液」と液晶組成物がそれぞれオストワルド型粘度管の2点間を到達する時間を測定し、換算式
[標準液の粘度]×[液晶組成物の到達時間]/[標準液の到達時間]
から0℃での液晶組成物の粘度を算出した。
[しきい値電圧(Vth)の測定]
ガラス基板にポリイミドの配向膜を塗布しラビング処理をした後、2枚のガラス基板の間隔が4μmである垂直配向素子を組み立てた。
得られた垂直配向素子に各組成物それぞれを封入した。25℃にてスタティック波形の100Hzで印加してしきい値電圧(Vth)を測定した。
[応答速度の測定]
しきい値電圧測定と同様のセルを作成し各組成物を封入した。スタティック波形の100Hzで飽和透過率になる電圧を印加して立ち上がり応答速度(τon)を測定し、飽和透過率になる電圧から無印加にして立ち下がり応答速度(τoff)を測定した。立ち上がり応答速度(τon)は透過率10%から透過率90%に変化するまでの時間とした。立ち下がり応答速度(τoff)は透過率90%から透過率10%に変化するまでの時間とした。また、このτonとτoffを合計し応答速度とした。
以上の結果から、本発明の液晶組成物は、良好な相溶性をもち組成物として安定であるとともに、高いTcを有することから広い温度範囲での使用が可能である。また、液晶素子として用いた場合に、高速応答性に優れることが分かった。

Claims (5)

  1. 第1成分として、下記式(A)で表される化合物を30質量%以上含有し、
    第2成分として、下記式(B−1)および下記式(B−2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含有する液晶組成物。
    a1−A−Z−A−Z−(A)m−Z−(A)n−Ra2 (A)
    b1−Cy−Ph(3F)−C≡C−Ph−Rb2 (B−1)
    b3−Cy−Ph−Rb4 (B−2)
    (式中の記号は以下の意味を示す。
    a1およびRa2:相互に独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
    、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基であり、該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    、ZおよびZ:相互に独立して、単結合、−COO−、−C≡C−、−OCO−、−OCH−、−CHO−または−C−。
    mおよびn:相互に独立して0または1。
    b1およびRb2:相互に独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
    b3:炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数1〜10のアルコキシ基。
    b4:炭素数2〜10のアルケニル基。
    −Cy−:トランス−1,4−シクロへキシレン基。
    −Ph−:1,4−フェニレン基。
    −Ph(3F)−:3−フルオロ−1,4−フェニレン基。
    ただし、A、A、AおよびAの1つ以上は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基である。)
  2. 前記第2成分として、前記式(B−1)で表される化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記第2成分として、前記式(B−2)においてRb4が下記式(r)で表される基である化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
    −CHCHCH=CHRb5 (r)
    (式中のRb5は、水素原子またはメチル基。)
  4. 前記式(A)において、nが0であり、Zが単結合であり、かつ、ZおよびZの少なくとも1つが−C≡C−である、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶組成物を、電極が配設された2枚の基板間に封入してなる液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017501450A (ja) * 2013-12-19 2017-01-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung 光の通過を制御するためのデバイス

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