JP2013147113A - 路面状態検出装置およびサスペンション制御装置 - Google Patents

路面状態検出装置およびサスペンション制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実際の車体の姿勢に基づいて路面状態を正確に検出する。
【解決手段】照射装置、カメラは、車体が基準姿勢にある場合に、基準路面上で照射装置の光軸Bとカメラのレンズの垂直線Cとが交差する状態で、車体に取り付けられる。しかし、車体の姿勢が基準姿勢から外れると、光軸Bとカメラの垂直線Cとが基準路面上で交差せず、路面高さを正確に検出することができない。それに対して、実際の車体の姿勢としてばね上変位、前後方向の傾斜角度を検出し、実際の照射装置、カメラの基準路面からの取付高さZbo,Zco,光軸Bと路面法線Aとの成す角度θbo,カメラの垂直線Cと路面法線Aとの成す角度θcoを求め、それを用いて、点Pの基準路面からの高さである路面高さZr′が求められるのであり、路面高さを正確に求めることができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、路面の状態を検出する路面状態検出装置に関するものである。
特許文献1に記載の路面状態検出装置においては、照射装置によって路面に向かって格子状のレーザ光が照射され、カメラによってその路面に照射された格子状のパターンが撮像されて画像が形成される。そして、その形成された格子状のパターンを表す画像の歪みに基づいて路面の凹凸の状態が検出される。
特許文献2に記載の路面状態検出装置においては、照射装置によって路面に向かって互いに平行な2本のライン状のレーザ光が照射され、カメラによって路面に照射された2本のラインが撮像されて画像が形成される。そして、形成された2本のラインを表す画像の歪みに基づいて路面状態が検出される。
特許文献3に記載の路面状態検出装置においては、路面に対する車体の傾斜角度を考慮して、路面の傾斜角度が検出される。具体的には、車体の水平線に対する傾斜角度θ3が3Dジャイロセンサによって検出され、車体の路面に対する傾斜角度θ2が、ステレオカメラによって検出された路面と車体の前部、後部との間の距離に基づいて取得され、θ3からθ2を引くことによって、路面の水平線に対する傾斜角度θ1が取得される。
特許文献4に記載の路面状態検出装置においては、照射装置から路面に向かってスポット状のレーザ光が照射され、カメラによって路面に照射されたスポットが撮像されて画像が形成される。そして、その形成された画像中のスポットを表す画像と基準点との間の長さに基づいて路面の状態が検出される。
特開2008−217267号公報 特開2006−303858号公報 特開2006−275969号公報 特開2002−36987号公報
本発明の課題は、路面状態検出装置の改良であり、例えば、路面状態をより正確に検出することである。
課題を解決するための手段および効果
本発明に係る路面状態検出装置は、車体に取り付けられた照射装置、撮像装置を含み、照射装置によってマーカが照射され、そのマーカが撮像装置によって撮像されて、画像が形成される。そして、その形成された画像と、実際の車体の姿勢等とに基づいて路面の状態が検出される。
撮像装置によって形成された画像において、マーカを表す画像の形状や、基準点とマーカを表す画像との間の距離に基づいて路面の状態{例えば、路面の凹凸の状態、路面の凹凸の形状、路面が坂道である場合におけるその勾配、路面の凸部の高さ(正の路面高さ)、凹部の深さ(負の路面高さ)等が該当する}が検出される。
また、車体が予め定められた設定範囲内の姿勢(以下、基準姿勢と称する)にある場合において、照射装置、撮像装置と、その車両が存在する路面等(路面法線も含む)との相対位置関係は決まっている。この関係を基準相対位置関係と称する。そして、特許文献4に記載の路面状態検出装置においては、照射装置、撮像装置と路面等とが、基準相対位置関係にあることを前提として、撮像装置において形成された画像に基づいて路面の状態が検出される。
しかし、車体の姿勢が基準姿勢から外れている状態においては、照射装置、撮像装置と路面等との相対位置関係が基準相対位置関係から外れてしまうため、形成された画像に基づいて路面の状態を正確に検出することができない。
それに対して、本路面状態検出装置においては、実際の車体の姿勢が検出され、その検出された実際の車体の姿勢と形成された画像とに基づくため、照射装置、撮像装置と路面等との相対位置関係が基準相対位置関係から外れていても、路面の状態をより正確に検出することができる。
車体の基準姿勢とは、車体がほぼ水平にある姿勢をいい、例えば、車体の前後方向の傾斜角度が設定ピッチ角より小さく、かつ、横方向の傾斜角度が設定ロール角より小さい姿勢をいう。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明について説明する。
(1)車両の車体に取り付けられ、マーカを路面に向かって照射する照射装置と、
前記車体の前記照射装置から上下方向に隔たった位置に取り付けられ、少なくとも前記照射装置によって照射されたマーカを撮像して、画像を形成する撮像装置と、
前記車体の姿勢を実際に検出する車体姿勢検出装置と、
その車体姿勢検出装置によって検出された車体の姿勢と、前記撮像装置によって形成された画像とに基づいて前記路面の状態を検出する姿勢依拠路面状態検出部と
を含むことを特徴とする路面状態検出装置。
照射装置は、光(可視光に限らず、赤外線、紫外線であってもよい)を照射するものであり、マーカとして格子状の光を照射するものとしたり、複数本の互いに平行なライン状の光を照射するものとしたり、スポット状の光を照射するものとしたりすること等ができる。
撮像装置は、例えば、CCDカメラ等、撮像素子を備えたものとすることができる。撮像装置は、少なくとも路面に照射されたマーカを撮像するものであるが、路面に照射されたマーカのみを撮像する場合や、マーカおよびマーカが照射された路面を撮像する場合がある。撮像装置が撮像する被撮像対象物は、撮像装置に備えられたフィルタ等によって決まることが多い。
なお、特許文献3に記載の路面状態検出装置においては、カメラによって路面が撮像されて、車体の姿勢(路面に対する傾斜角度)が検出され、ジャイロセンサによって水平線に対する車体の傾斜角度が検出され、それらに基づいて路面の水平線に対する傾斜角度が検出される。このように、特許文献3に記載の路面状態検出装置は、撮像装置によって路面が撮像されて、形成された画像と車体の姿勢とに基づいて路面の水平線に対する傾斜角度が検出されるのではないのであり、本項に記載の路面状態検出装置とは異なる。
(2)前記照射装置が、マーカとしてスポット状の光を照射するスポット光源を含む(1)項に記載の路面状態検出装置。
スポットの形状は、円形としたり、多角形としたりすること等ができる。
(3)前記姿勢依拠路面状態検出部が、前記画像中の基準点と前記マーカを表す画像との間の長さと、前記車体の実際の姿勢とに基づいて、前記路面上の前記マーカが照射された照射点の前記車両が存在する路面からの高さを取得する路面高さ検出部を含む(2)項に記載の路面状態検出装置。
車両が存在する路面とは、車両の前輪および後輪が接地する路面であり、その路面が平坦であると仮定した場合の路面をいう。すなわち、前輪の接地点と後輪の接地点とを通り、かつ、平坦であると想定した場合の路面である。この路面を基準路面と称する。照射点の路面高さは、その基準路面からの高さである。なお、基準路面からの高さは、正の値である場合と負の値である場合とがある。負の値である場合には照射点が基準路面より凹んだ部分にあることがわかる。
画像中の基準点は、例えば、撮像装置のレンズの垂直線が通る点とすることができる。
(4)前記車体姿勢検出装置が、前記車体の実際の上下方向の変位を取得する車体変位取得部を含み、前記姿勢依拠路面状態検出部が、(i)前記車体変位取得部によって取得された前記車体の上下方向の変位に基づいて、前記照射装置および前記撮像装置の、前記車両が存在する路面からの高さである取付高さをそれぞれ取得する取付高さ取得部と、(ii)少なくとも前記取付高さ取得部によって取得された前記照射装置および前記撮像装置の各々の前記取付高さに基づいて前記路面状態を検出する取付高さ依拠検出部とを含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
取付け高さは、照射装置、撮像装置の基準路面からの高さであり、基準路面と照射装置、撮像装置との間の基準路面の法線方向の距離をいう。
(5)前記車体姿勢検出装置が、前記車体の実際の前後方向の傾斜角度を検出する車体傾斜角度検出部を含み、前記姿勢依拠路面状態検出部が、(i)前記車体傾斜角度検出部によって検出された前記車体の前後方向の傾斜角度に基づいて、前記照射装置および前記撮像装置の、前記車両が存在する路面の法線に対する傾斜角度である取付角度をそれぞれ取得する取付角度取得部と、(ii)少なくとも前記取付角度取得部によって取得された前記照射装置および前記撮像装置の各々の前記取付角度に基づいて前記路面状態を検出する取付角度依拠検出部とを含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
照射装置の取付角度は、基準路面の法線と照射装置の光軸との成す角度をいい、撮像装置の取付角度は、基準路面の法線と撮像装置のレンズの垂直線との成す角度をいう。
照射装置、撮像装置は、車体の前部(例えば、正面)や後部(例えば、背面)に取り付けられるため、車体が前後方向に傾斜すると、照射装置の光軸、撮像装置のレンズの垂直線と、路面法線との成す角度が変化する。
(6)当該路面状態検出装置が、(i)前記照射装置によって路面上に照射されたマーカと、前記撮像装置のレンズとの間の距離であるワーキングディスタンスを取得するWD取得部と、(ii)少なくとも、前記WD取得部によって取得されたワーキングディスタンスに基づいて前記路面状態を検出するWD依拠検出部とを含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
(7)前記WD取得部が、前記マーカを表す画像が大きい場合は小さい場合より前記ワーキングディスタンスが短いと取得する手段を含む(6)項に記載の路面状態検出装置。
一般的に、同一のマーカを撮像した場合に、ワーキングディスタンスが長い場合は短い場合よりマーカを表す画像が小さくなる。このことに基づけば、ワーキングディスタンスを取得することができる。
また、ワーキングディスタンスが異なると、画像を構成する画素と、その画素に対応する被撮像対象物の部分の大きさ(面積、長さ)との関係が異なる。したがって、これらの関係を実際のワーキングディスタンスに基づいて取得すれば、画像中における基準点とマーカを表す画像との間の長さに基づいて、路面上の基準点(画像の基準点に対応する点)とマーカが実際に照射された照射点との間の実際の距離を正確に取得することができ、それに基づいて、路面高さを正確に取得することができる。
(8)前記WD依拠検出部が、前記ワーキングディスタンスの変化に基づいて前記路面の状態を検出する路面状態変化取得部を含む(6)項または(7)項に記載の路面状態検出装置。
例えば、車体が基準姿勢にある場合において、実際のワーキングディスタンスが、路面が基準路面である場合のワーキングディスタンス(以下、基準WDと称する)より短い場合には突部があることがわかり、基準WDより長い場合には凹部があることがわかる。
車体が基準姿勢でない場合において、実際の車両の姿勢における実際のワーキングディスタンスから、車両が基準姿勢であると仮定した場合のワーキングディスタンスを取得することができるため、基準姿勢であると仮定した場合のワーキングディスタンスの変化に基づけば、路面の凹凸の状態を検出することができる。
いずれにしても、車体の姿勢が同じ状態において、ワーキングディスタンスの変化に基づけば、路面の凹凸の状態を検出することができる。
(9)前記車体の前後方向の傾斜角度の絶対値が設定角度であっても、前記照射装置によって照射されたマーカが予め定められた形状の路面に照射され、かつ、前記撮像装置によって少なくとも前記マーカが撮像される状態で、前記照射装置と前記撮像装置とが前記車体に取り付けられた(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
照射装置、撮像装置の車体に対する取付姿勢によっては、マーカが路面に照射されなかったり、照射されたマーカが撮像装置によって撮像できなかったりする。車体の前後方向の傾斜角度(後傾角度)が小さい場合、路面の凹部が小さい場合には、これらの問題は生じ難いが、車体の前後方向の傾斜角度が大きい場合、路面の凹部が大きい(深い)場合にこれらの問題が生じることがある。
そこで、照射装置の光軸と基準路面との成す角度θxbと、撮像装置のレンズの垂直線と基準路面との成す角度θxcとが(θxbとθxcとの小さい方が)、車体の前後方向の傾斜角度(設定角度)θstと路面勾配(基準路面に対する勾配)θrとの和より大きくなる状態(θxb>θst+θr、θxc>θst+θr)で取り付けられる。車体の傾斜角度の設定角度θstは、走行中に生じ得る最大の傾斜角度とすることができ、路面勾配θrは、サスペンション制御において振動を抑制し得る最大の凹凸の勾配とすることができる。
(10)(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の路面状態検出装置を含み、その路面状態検出装置によって検出された路面状態に基づいて被制御対象輪のサスペンションを制御するサスペンション制御装置であって、
前記路面状態検出装置が、前記被制御対象輪より前方の路面の状態を検出するものであり、
当該サスペンション制御装置が、前記路面状態検出装置によって状態が検出された路面の部分を前記被制御対象輪が通過する場合に、その路面状態に起因する車体の振動を抑制するタイミングで前記サスペンションを制御するプレビュー制御部を含むことを特徴とするサスペンション制御装置。
被制御対象輪より前方の、これから通過する路面の部分の状態が検出され、その部分の路面状態に基づいて被制御対象輪のサスペンション制御が行われるようにすれば、車体の振動を良好に抑制することができる。
サスペンションを制御するアクチュエータの遅れが小さい場合には、被制御対象輪が路面状態が検出された路面の部分(以下、被検出対象部と称する)を通過するタイミングで制御指令値を出力することができるが、遅れが大きい場合には、被制御対象輪が被検出対象部を通過するより遅れ時間だけ前に制御指令値を出力することが望ましい。
(11)前記路面状態検出装置が、前記被制御対象輪と前記状態が検出された路面の部分との間の距離であるプレビュー距離を取得するプレビュー距離取得部を含む(10)項に記載のサスペンション制御装置。
プレビュー距離は、路面の被検出対象部と照射装置(あるいは撮像装置)との間の前後方向の距離である第1距離と、照射装置(あるいは撮像装置)と被制御対象輪との間の前後方向の距離である第2距離との和となる。
車体が基準姿勢にある場合には、第1距離も第2距離も一定の値であり、プレビュー距離も一定である。
それに対して、車体が基準姿勢から外れた姿勢になると、第1距離が変化し、プレビュー距離も変化する。
一方、プレビュー制御においては、プレビュー距離を車速で割った時間を考慮して、サスペンション制御指令が出力される。そのため、プレビュー距離が変化すると、プレビュー制御を精度よく行うことが難しくなる。
そこで、本サスペンション制御装置においては、第1距離が、その都度求められるのであり、車体の実際の姿勢と被検出対象部の状態(例えば、路面高さ等)とに基づいて取得される。その結果、プレビュー制御を精度よく行うことができ、振動を良好に抑制することができる。
なお、第2距離も車体の姿勢に基づいて変化することがあるため、第2距離も、その都度、求められるようにすることができる。
実施例1に係るサスペンション制御装置が搭載された車両全体を概念的に示す図である。上記サスペンション制御装置には、周辺環境取得装置としての路面状態検出装置が含まれる。 (a)上記車両の平面図である。(b)上記サスペンション制御装置を概念的に示す図である。 上記車両の側面図であり、上記路面状態検出装置に含まれる照射装置、撮像装置の取付位置、取付角度を説明するための図である。(a)適切な取付状態を示す図である。(b)不適切な取付状態を示す図である。 太陽光に含まれる光の波長とエネルギとの関係を示す図である。 (a)地球に届く太陽光の状態を示す図である。(b)車両が存在する緯度と上記照射装置のゲインとの関係であるゲイン決定テーブルを表すマップである。 (a)上記照射装置の構造を概念的に示す図である。(b)上記サスペンション制御装置のサスペンションECUの記憶部に記憶された照射装置制御プログラムを表すフローチャートである。(c)上記照射装置のマーカ出力制御部の記憶部に記憶されたレーザ光出力プログラムを表すフローチャートである。 上記路面状態検出装置における路面状態の検出原理を説明するための図である。(a)車両の姿勢が基準姿勢にある場合の照射装置の光軸、カメラの垂直軸とを示す図である。(b)レーザ光が点Pに当たった場合にカメラから見えるマーカの位置、形成された画像中のマーカ画像の位置を示す図である。(c)レーザ光が点P1に当たった場合のカメラから見えるマーカの位置、形成された画像中のマーカ画像の位置を示す図である。(d)レーザ光が点P2に当たった場合のカメラから見えるマーカの位置、形成された画像中のマーカ画像の位置を示す図である。 (a)WD(ワーキングディスタンス)とマーカ画像の直径との関係を表すWD決定テーブルを表すマップであり、(b)WDと比率kとの関係を表す比率決定テーブルを表すマップである。 上記路面状態検出装置において、ばね上部の変位、前後方向の傾斜に起因して照射装置、カメラの路面からの取付高さ、取付角度が変化した場合の、路面状態の検出原理を説明するための図である。 (a)上記サスペンションECUの記憶部に記憶された路面状態検出プログラムを表すフローチャートである。(b)上記カメラの画像形成部の記憶部に記憶された画像形成プログラムを表すフローチャートである。 上記サスペンションECUの記憶部に記憶されたプレビュー制御プログラムを表すフローチャートである。 (a)上記カメラの構造を概念的に示す図である。(b)上記カメラによる撮像領域を示す図である。(c)上記撮像領域で決まる被撮像対象物に対応する画像の大きさを示す図である。 車両が基準姿勢にある場合の(a)撮像領域を示す図である。(b)処理領域を示す図である。 (a)車両が前後方向に傾斜した姿勢にある場合のマーカの位置を示す図である。(b)前傾姿勢の場合の処理領域を示す図である。(c)後傾姿勢にある場合の処理領域を示す図である。 (a)車両が旋回時している場合のマーカの位置を示す図である。(b)右旋回時の処理領域を示す図である。(c)左旋回時の処理領域を示す図である。 上記路面状態検出プログラムの一部(処理領域決定)を表すフローチャートである。 (a)上記路面状態検出装置の照射装置やカメラのレンズが汚れた場合にマーカ画像の面積が変化する状態を示した図である。(b)面積の正常範囲を示す図である。 上記照射装置やカメラのレンズが汚れた場合に生じるマーカ画像の形状のゆがみを示す図である。 上記照射装置やカメラのレンズが汚れた場合に、色に関連する値が変化する状態を示す図である。 上記サスペンションECUの記憶部に記憶された汚れ検出プログラムを表すフローチャートである。 (a)実施例2に係るサスペンション制御装置に含まれるばね上変位取得部の構造およびばね上変位を検出するのに用いられる行列式の内容を示す図である。(b)ばね上変位を取得するために用いられるオブザーバの構造を示す図である。 実施例3に係るサスペンション制御装置に含まれる照射装置から照射されるレーザ光線のスポット形状を示す図である。 (a)実施例4に係るサスペンション制御装置のサスペンションECUの記憶部に記憶された照射装置制御プログラムを表すフローチャートである。(b)上記サスペンションECUの記憶部に記憶された別のゲイン決定テーブルを表すマップである。 実施例5に係るサスペンション制御装置のサスペンションECUの記憶部に記憶された路面状態検出プログラムの一部を表すフローチャートである(処理領域決定)。 実施例6に係るサスペンション制御装置に含まれる撮像装置の構造を示す図である。 (a)上記サスペンション制御装置のサスペンションECUの記憶部に記憶された路面状態検出プログラムを表すフローチャートである。(b)上記撮像装置の画像形成部の記憶部に記憶された画像形成プログラムを表すフローチャートである。 上記路面状態検出プログラムの一部を表すフローチャートである(撮像領域決定)。 上記路面状態検出プログラムが実行された場合の撮像領域を示す図である。(a)制動時の撮像領域を示す図である。(b)駆動時の撮像領域を示す図である。(c)右旋回時の撮像領域を示す図である。(d)左旋回時の撮像領域を示す図である。
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態であるサスペンション制御装置について図面に基づいて詳細に説明する。本サスペンション制御装置には、本発明の一実施形態である路面状態検出装置が含まれる。
サスペンション制御装置によって、車両の前輪、後輪のサスペンションについて、路面状態検出装置によって検出された路面状態に基づいてプレビュー制御が行われ、路面状態検出装置によって、車両の前輪より前方の路面状態が検出される。
路面状態検出装置において、マーカが照射され、そのマーカを含む路面が撮像されて、画像が形成される。そして、形成された画像に基づいて路面の状態が検出される。マーカは、スポット状の光であっても、格子状の光等であってもよい。
実施例1における路面状態検出装置は、図2(a)に示すように、車両の左右前輪10FL,FRに対応してそれぞれ設けられた路面画像取得部11L,Rを含む。路面画像取得部11L,Rは、車両の前輪10FL,FRの前方の路面の状態を検出するものであり、互いに同じ構造を成したものである。路面画像取得部11L,Rは、それぞれ、図1に示すように、(i)マーカを照射する照射装置12L、12R(図1には、照射装置12Lを記載し、照射装置12Rの記載を省略した)と、(ii)少なくとも照射装置12L(12R)から照射されたマーカを撮像する撮像装置としてのカメラ14L、14R(図1には、カメラ14Lを記載し、カメラ14Rの記載を省略した)とを含む。これら照射装置12L,12Rとカメラ14L,14Rとは、車体18の正面(例えば、バンパ付近)の互いに上下方向に隔たった位置に取り付けられる。
照射装置12は、図6(a)に示すように、光源12p,増幅器12a,レンズ12r,汚れ除去装置12c、マーカ出力制御部12e等を含み、マーカとして、円形(真円)スポット状のレーザ光線を照射する。スポットの直径は、第1設定値より大きく第2設定値より小さいものである。
光源12pから出力されたレーザ光の強度が増幅器12aにおいて決められたゲインで増幅されて、レンズ12rを経て前方に照射される。汚れ除去装置12c(クリーナ)は、レンズ12rの汚れを除去するものである。マーカ出力制御部12eは、コンピュータを主体とするものであり、光源12p、増幅器12a、汚れ除去装置12c等を制御する。
カメラ14は、CCD(Charge Coupled Device )カメラであり、図12(a)に示すように、レンズ14r,フィルタ14f,撮像素子としてのCCD14s,画像形成部14d,汚れ除去装置14c,色等評価装置14m等を含む。マーカ等の被撮像対象物はレンズ14rを介してCCD14s上に結像されて光学的な画像が得られる。そして、CCD14sの各々において、光の信号が電気的信号に変換されて画像形成部14dに供給される。以下、本明細書において、「CCD14s」は、撮像素子各々を表す場合と、多数個の撮像素子全体を表す場合とがある。画像形成部14dにおいて、処理領域に属するCCD14sの1つ1つの電気信号に基づいて処理が行われ、被撮像対象物のうちの処理領域で決まる少なくとも一部に対応する画像が形成される。フィルタ14fは帯域フィルタであり、少なくとも照射装置12から照射されたレーザ光の通過を許容する。汚れ除去装置14cは、レンズ14rの汚れを除去するものであり、色等評価装置14mは、形成された画像の色を評価する装置であり、画像の色をRGB(赤、緑、青)に分析して、それぞれの値を求めるとともに、HSV(色相、彩度、明度)の各々の値を求める機能を有する。画像形成部14dにおいて処理が行われるCCD14sの領域(処理領域)は、後述するように、サスペンション制御装置20において決定される。
カメラ14は、撮像領域内の被撮像対象物を撮像可能なものであるが、帯域フィルタ14fが設けられているため、撮像される被撮像対象物は、帯域フィルタ14fによって通過が許容される波長の範囲で決まる。帯域フィルタ14fによって通過が許容される波長の範囲は、上述のように、照射装置12によって照射されるレーザ光の波長を含む範囲に設定される。
カメラ14は、レンズ14rが車両の前方に向いた姿勢で取り付けられ、図12(b)に示すように破線で囲まれた撮像領域SR内の被撮像対象物(少なくともマーカM)を撮像する。また、撮像領域SRに対応する撮像画像Jは、図12(c)に示すように(Na×Nb)個(例えば、192万個)の画素から構成される。
なお、カメラ14は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を用いたカメラとすることもできる。
サスペンション制御装置20は、図1に示すように、左右前輪10FL,FRのサスペンション22FL,FR(サスペンション22FRの図示を省略する)、左右後輪24RL,RRのサスペンション25RL,RR(サスペンションション25RRの図示を省略する)を制御する。
サスペンション22FL,FR,25RL,RRは、それぞれ、ばね下部とばね上部との間に互いに並列に設けられたスプリング26FL,FR,RL,RR、ショックアブソーバ27FL,FR,RL,RR、アクチュエータとしての上下力制御装置28FL,FR,RL,RRを含む。
上下力制御装置28FL,FR,RL,RRは、例えば、図示を省略するスタビライザバーの弾性力を制御することによりばね下部とばね上部との間に作用する上下方向の力を制御可能なものとすることができる。上下方向の力は、変位に比例する弾性力であっても、変位速度に比例する減衰力であってもよい。
なお、アクチュエータは、ショックアブソーバ27の減衰係数を制御することによりばね下部とばね上部との間に作用する減衰力を制御する減衰力制御装置とすることもできる。
以下、本明細書において、上下力制御装置、サスペンション等について、対応する車輪位置を明らかにする必要がある場合には、車輪の位置を表す添え字FL,FR,RL,RR、右側、左側を表す添え字R,Lを付して記載し、車輪位置を明らかにする必要がない場合には添え字を付さないで記載する場合がある。
サスペンション制御装置20は、コンピュータと主体とするサスペンションECU30を含む。サスペンションECU30は、CAN(Car Area Network)32を介して、ステアリングECU34,ブレーキECU36,エンジン等ECU38、ナビゲーション装置39等に接続される。ステアリングECU34には、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ40等が接続され、ブレーキECU36には、図示しないブレーキ操作部材の操作ストロークを検出する操作ストロークセンサ42、各車輪10FL,FR,24RL,RRの回転速度をそれぞれ検出する車輪速度センサ43等が接続され、エンジン等ECU38には、図示しないアクセル操作部材の開度を検出するアクセル開度センサ44等が接続される。ブレーキECU36においては、前後左右の各輪10FL,FR,24RL,RRの回転速度に基づいて車両の走行速度Vが求められる。ナビゲーション装置39は、図示しない通信装置を備えており、現在位置に関する情報、天気に関する情報等を取得する。
サスペンションECU30は、CAN32を介して、ステアリングホイールの操舵角を表す情報、ブレーキ操作部材の操作ストロークを表す情報、車速を表す情報、アクセル操作部材の開度を表す情報、車両が存在する位置に関する情報等を取得することができる。
サスペンションECU30には、各車輪10FL,FR,24RL,RRの各々に対応して設けられ、ばね上部の上下方向の加速度を検出するばね上上下Gセンサ50,ばね下部とばね上部との間の距離である車高を検出する車高センサ52(ストロークセンサと称することもできる),車両の前後方向の加速度を検出する前後Gセンサ54,横方向の加速度を検出する横Gセンサ56等が接続されるとともに、上下力制御装置28,照射装置12,カメラ14,報知装置58等が接続される。
報知装置58は、システムの異常(例えば、照射装置12,カメラ14の汚れ)が検出された場合に、そのことを報知する。報知装置58は、音声を合成して出力する音声合成・出力装置を含むものであっても、情報を表示するディスプレイを含むものであってもよい。
また、サスペンション制御装置20は、図2(b)に示すように、概念的に、照射装置制御部60,路面状態検出部62,ばね上変位取得部64,プレビュー制御部66を含むとともに、領域決定部68,汚れ検出部70等を含むと考えることができる。
<路面画像取得部11の取付>
照射装置12、カメラ14は、図1,3(a)、7等に示すように、カメラ14が照射装置12より下方に設けられる。また、照射装置12,カメラ14は、それぞれ、車体(ばね上部)18に対して傾いた姿勢で設けられる。すなわち、基準路面に垂直な線(以下、路面法線と称する)Aに対して、照射装置12のレーザ光の照射方向(以下、単に光軸と称する)B,カメラ14のレンズに垂直な線(以下、カメラ14の垂直線と略称する)Cが傾斜した姿勢で取り付けられるのである。路面法線Aと、光軸B、カメラ14の垂直線Cとの成す角度を、それぞれ、θb、θcとした場合に、傾斜角度θb、θcは,0より大きく、90°(π/2)より小さい値であって、かつ、互いに異なる値とされる。
0<θb<90°、0<θc<90°
θb≠θc
仮に、光軸Bと、カメラ14の垂直軸Cとが平行である場合には、照射装置12によって照射されたマーカのカメラ14の撮像位置(撮像領域SRにおけるマーカMの基準点0sに対する相対位置)は、路面が平坦であっても凹凸があっても同じ(マーカMが基準点0s上に位置すること)になる。換言すれば、撮像画像Jにおけるマーカを表す画像G(以下、マーカ画像と略称する)の基準点0jに対応する相対位置も同じ(マーカ画像Gが基準点0j上に位置すること)になる。
それに対して、光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとが平行ではない場合には、路面の凹凸の状態に基づいて、撮像領域SRにおけるマーカMの基準点0sに対する相対位置、すなわち、撮像画像Jにおけるマーカ画像Gの基準点0jに対する相対位置が変化する。そのため、相対位置が変化しない場合に比較して、路面の凹凸の状態を良好に検出することができる。
基準路面とは、車両の前輪10の接地点と後輪24の接地点とを通り、かつ、平坦であると仮定した路面をいう。路面法線Aとは、基準路面に垂直な線をいう。
また、照射装置12,カメラ14の車体18の取付高さ、取付角度の一例を、図3(a)の実線で示す。取付高さは、基準路面からの高さZb、Zcであり、取付角度は、路面法線Aと光軸B、カメラ14の垂直軸Cとの成す角度θb、θcである。
この場合には、二点鎖線が示すように、車体18が前後方向に設定角度θstで傾斜した場合であっても、予め定められた形状(例えば、路面勾配θrの形状をいう)の路面を検出できる。
路面勾配θrは、例えば、サスペンション制御装置20によって車体18の振動を抑制可能な最大の勾配としたり、車両が走行する路面の最大の勾配としたりすることができる。また、車体18の前後方向の傾斜角度の設定角度θstは、例えば、車両の走行中に生じ得る(大きな駆動力が加えられた場合)最大の傾斜角度とすることができる。
なお、前後方向の傾斜角度とは、車両の重心を通り、かつ、幅方向に延びる軸線回りの回動角度をいい、横方向の傾斜角度とは、車両の重心を通り、かつ、前後方向に延びる軸線回りの回動角度をいう。
一方、照射装置12、カメラ14が、図3(b)の実線が示す状態(取付高さ、取付角度)で取り付けられた場合には、図3(b)の二点鎖線が示すように車両が設定角度θstで前後方向に傾斜した場合に、勾配θrの路面の状態を検出することができない。
そこで、本実施例においては、図3(a)の実線が示す相対位置関係で、照射装置12,カメラ14が車体18に取り付けられるのであり、車体18が設定角度θsで傾斜した場合のカメラ14の垂直線Cと基準路面との成す角度(θxc−θst)が、路面勾配θrより大きくなる状態で取り付けられる。換言すれば、カメラ14の垂直線Cと基準路面との成す角度(θxc−θst)と、照射装置12の光軸Bと基準路面との成す角度(θxb−θst)との小さい方が、路面勾配θrより大きくなる状態で取り付けられるのであり、それにより、必ず、路面上にマーカMが照射され、そのマーカMを含む路面が撮像されることになる。
なお、角度θxc、θxbは、それぞれ、車体18が基準姿勢にある場合のカメラ14の垂直線C、光軸Bと基準路面との成す角度である。基準姿勢とは、予め定められた範囲内の姿勢をいい、ほぼ水平な姿勢をいう。すなわち、前後方向の傾斜角度が設定範囲内にあり、横方向の傾斜角度が設定範囲内にある姿勢をいう。
以上の事情から、照射装置12,撮像装置14は、車体18が基準姿勢にある場合のカメラ14の垂直線Cと基準路面との成す角度θxc、車体18の前後方向の傾斜角度(設定角度)θst、路面勾配θrとした場合に、式
θxc−θst>θr
で表される大きさを満たす状態で取り付けられるのであり、その結果、車体18が設定角度θstで前後方向に傾斜した場合であっても、勾配θrの路面の状態を検出することが可能となる。
また、角度θxcは、(π/2−θc)で表されるため、上式は、
π/2>θc+θst+θr
と、表すことができる。
なお、カメラ14を照射装置12より下方に取り付けることは不可欠ではなく、カメラ14を照射装置12より上方に設けてもよい。その場合には、下式を満たすことが条件となる。
θxb−θst>θr
π/2>θb+θst+θr
<照射装置12の制御>
照射装置12が照射するレーザ光の波長は、750nm付近、900nm付近、1100nm付近、1400nm付近、1800nm付近のうちの1つの波長とすることができる。
図4には、大気圏外の太陽光のスペクトル(破線)と太陽光が地表に対して傾き42°で入射した場合の地表での太陽光のスペクトル(実線)とを示す。図4に示すように、太陽光には、赤外線、可視光、紫外線等広い範囲の波長の光が含まれるが、上述の波長(750nm付近、900nm付近、1100nm付近、1400nm付近、1800nm付近)の光は大気圏において二酸化炭素、水蒸気等により吸収され易く、地表に届き難い。
すなわち、上述の波長の光は、大気圏を通過することによるエネルギ低減量が設定低減量以上のものである。また、そのため、上述の波長の光の地表におけるエネルギ(太陽光の強度を表す一態様)は設定値以下となる。
そこで、照射装置12から照射されるレーザ光を、上述の地表に届き難い波長(例えば、750nm付近)のものとすれば、照射装置12によって照射されたレーザ光が太陽光の影響を受け難くすることができるのであり、マーカMを太陽光と区別して良好に撮像することができる。
なお、照射装置12から波長750nmのレーザ光が照射されるようにされている場合には、カメラ14において、帯域フィルタ14fが、750nmを含む波長の範囲の光の通過を許容するものとされる。それにより、マーカMが可視光でなくても(赤外線や紫外線であっても)、撮像することが可能となる。
また、照射装置12によって照射されるレーザ光の強さは、車両が存在する地球上の緯度に基づいて決定される。
地球上の地表に届く太陽光のエネルギは、図5(a)に示すように、通過する大気圏の距離(太陽光が接する大気の量であり、エアマスと称する)が長い場合は短い場合より小さくなる。そのため、緯度が高い場合は低い場合より地表に届く太陽光のエネルギは小さくなる。
一方、照射装置12によって照射されるレーザ光が太陽光より弱くなると、カメラ14によってマーカMを太陽光と区別して撮像できない場合があるため、レーザ光の強度を大きくすることが望ましいが、レーザ光の強度を大きくすると、消費エネルギ量が多くなるという別の問題が生じる。また、太陽光が弱い場合にはレーザ光の強度を大きくする必要性は低い。
そこで、図5(b)に示すように、緯度が高い場合は低い場合よりゲインが小さくされて、照射されるレーザ光の強度が小さくされる。
このように、太陽光のエネルギが大きい(太陽光が強い)場合にゲインが大きくされて、照射されるレーザ光の強度が太陽光より大きくされるため、S/N比(外乱パワーに対する信号パワーの比、すなわち、太陽光の強度に対するレーザ光の強度の比)を大きくすることができ、カメラ14によってマーカMを太陽光と区別して良好に撮像できる。
また、太陽光のエネルギが小さい(太陽光が弱い)場合には、レーザ光を太陽光と区別して検出可能な程度にゲインが小さくされるため、マーカMを良好に撮像し得、かつ、消費エネルギ量の低減を図ることができる。本実施例においては、サスペンションECU30の記憶部に、図5(b)のマップで表されるゲイン決定テーブルが予め記憶されている。
照射装置12を制御する照射装置制御プログラムを図6(b)のフローチャートで表す。照射装置制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ナビゲーション装置39の情報に基づいて、車両が現在存在する緯度が取得される。そして、S2において、図5(b)に示すゲイン決定テーブルに従ってゲインが決定され、S3において、決定されたゲインを表す情報が照射装置12に供給される。
照射装置12においては、図6(c)のフローチャートで表されるレーザ光出力プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S4において、サスペンションECU30からのゲインを表す情報が読み込まれ、S5において、レーザ光源12pから照射されたレーザ光がそのゲインで増幅されて、出力される。
本実施例においては、サスペンションECU30の照射装置制御プログラムを記憶する部分、実行する部分、ナビゲーション装置39からの情報を取得する部分等により照射装置制御部60が構成される。照射装置制御部60のうち、照射装置制御プログラムのS1,2を記憶する部分、実行する部分等により出力レベル決定部が構成される。出力レベル決定部は、緯度依拠レベル決定部、強度依拠レベル決定部でもある。また、サスペンションECU30のナビゲーション装置39からの情報を取得する部分等により緯度検出部、強度検出部が構成される。さらに、カメラ14が照射光検出装置に対応する。
なお、ナビゲーション装置39は照射装置制御部60,緯度検出部、強度検出部の構成要素であると考えることもできる。
なお、この照射装置12の制御は、レーザ光がカメラ14で撮像される場合に限らず、路面で反射したレーザ光を受光する受光部を含む路面状態検出装置に適用することもできる。
また、路面状態検出装置に限らず、照射対象物に照射したレーザ光をカメラ14で撮像して、あるいは、照射対象物において反射したレーザ光を受光して、照射装置12(カメラ14)の周辺にある物体の形状を検出する周辺環境取得装置に適用すること等もできる。
さらに、照射装置12の制御は、受光部、カメラ14と組み合わせることなく、広く、照射装置12から照射された光を太陽光から区別する必要がある場合に、適用することができる。
また、上記実施例においては、照射装置12がサスペンションECU30の指令に基づいて制御されるようにされていたが、そのようにすることは不可欠ではない。レーザ光出力制御部12eにおいて、ゲインが決定され、そのゲインで増幅されたレーザ光が出力されるようにすることもできる。その場合には、レーザ光出力制御部12eに緯度に関する情報が供給される。
さらに、照射装置12から照射されるレーザ光の波長は、1500nm以上の赤外線とすることもできる。1500nm以上の赤外線の地表に届くエネルギが小さいからである。
<路面状態の検出>
[検出原理]
図7(a)に示すように、路面法線Aと光軸Bとの成す角度θb、路面法線Aとカメラ14の垂直軸Cとの成す角度θc、照射装置12,カメラ14の取付高さZb、Zcは、基準路面上の、照射装置12より距離Lp(以下、プレビュー距離と称する)だけ前方の点P(被検出対象部)において光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとが交差するように設計される。
このように、基準路面上の点Pにおいて光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとが交差する状態においては、図7(b)に示すように、カメラ14の撮像領域SRの基準点0sにマーカ(スポット光)M0が位置する。すなわち、カメラ14において形成された撮像画像Jの基準点0jにマーカ画像G0が位置し、被検出対象部Pの路面高さZr(基準路面から被検出対象部Pまでの高さをいう。以下、同様とする)は0である。基準点0sは、カメラ14の垂直線Cが通る点であり、基準点0jは、撮像画像J上の基準点0sに対応する点である。
図7(a)が示すように、破線が示す突部80があると、照射装置12から照射されたレーザ光は路面上の点P1に当たるが、カメラ14の垂直線Cは、点P1において光軸Bと交差しない。そのため、図7(c)に示すように、撮像領域SRにおいて、マーカM1は基準点0sからX+方向(カメラ14の垂直線Cを基準にして車両から遠い方向であり、より前方)に外れた点に位置する。すなわち、撮像画像J1の基準点0jからX+方向へΔx1外れた点にマーカ画像G1が位置する。この基準点0jからのずれΔx1(画素数で表される)は、カメラ14の垂直線Cと点P1との間の距離Δh1に比例する。
また、点P1の、路面高さZr1は、距離Δh1を用いて、式(1)に従って求めることができる。
Zr1=Δh1・cosθb/sin(θc−θb)・・・(1)
式(1)において、比例定数{cosθb/sin(θc−θb)}は、一定の値であるため、路面高さZr1は、距離Δh1に比例することがわかる。また、比例係数{cosθb/sin(θc−θb)}は大きい方が望ましい。比例係数が大きい場合は小さい場合より、Δhの変化に対する路面の高さZrの変化を大きくすることができ、路面高さZrの変化を精度よく求めることができる。このように、光軸B,カメラ14の垂直線Cの路面法線Aに対する傾斜角度θb、θcは、比例係数が大きくなるように設定される。
図7(a)に示すように、一点鎖線が示す凹部82があると、路面上の点P2においてレーザ光が当たるため、図7(d)に示すように、マーカM2は、撮像領域SRの基準点0sからX−方向(カメラ14の垂直線Cを基準にして車両に近い方であり、より後方)に外れた点に位置する。また、マーカ画像G2は撮像画像J2の基準点0jからX−方向へΔx2ずれた位置にある。この場合の路面高さZr2は、下式に従って求めることができる。
Zr2=Δh2・cosθb/sin(θc−θb)
(1)においてΔh1の代わりに(Δh2)を代入することによって求められるが、Δh2は負の値であり(Δh2<0)、凹部の路面高さZr2は負の値(Zr2<0)となる。
[ワーキングディスタンスの考慮]
一方、被検出対象部Pとカメラ14の垂直線Cとの間の距離Δhと画像J上の基準点0jとマーカ画像Gとの間の長さΔxとの関係は、カメラ14のレンズ14rと被検出対象部Pとの間の距離(図7参照:ワーキングディスタンスと称する。以下、WDと記載する)で決まる。
図8(a)に示すように、カメラ14のレンズ14rの特性により、路面にレーザ光が照射されることによって形成されたスポット(マーカ)の大きさが同じであっても、WDが短い場合は長い場合より画像J上のそのマーカ画像Gが大きくなる(例えば、画像Gの直径φで表すことができ、スポット径と称することができる)のであり(WDa>WDb,φa<φb)、図8(b)に示すように、実際の距離Δhの画像J上の長さΔxに対する比率k(=Δh/Δx)が小さくなる(ka>kb)。比率kは、画像Jを構成する画素の各々と、その画素に対応する被撮像対象物の部分の実際の大きさとの比率であると考えることができる。
図8(a)のマップで表されるWD決定テーブル、図8(b)のマップで表される係数決定テーブルは、予め作成されて、サスペンションECU30の記憶部に記憶されている。
本実施例において、画像Jにおけるマーカ画像Gの直径φが求められる。そして、直径φと図8(a)のWD決定テーブルとから実際のWDが求められ、WDと図8(b)の比率決定テーブルとから比率kが求められる。そして、画像J上の基準点0jとマーカ画像Gとの間の距離Δxが求められ、比率kを掛けることにより、実際の距離Δhが求められる。
このように、実際のWDが検出され、比率kが求められて、距離Δhが求められるため、路面高さZrを正確に取得することができる。
なお、照射装置12,カメラ14の相対位置関係によっては、WDの変化が小さい場合があり、その場合には、比率kの値を一定とすることもできる。それに対して、WDの変化が大きい場合には、比率kを取得し、比率kに基づいてΔhを求めることが望ましい。
また、照射装置12等が路面に反射したレーザ光を受光して、照射装置12と路面の照射点Pとの間の距離を検出可能なものである場合には、その値を利用することができ、マーカ画像Gの大きさに基づいてWDを求める必要はない。
[車体18の姿勢の考慮]
[1]路面高さ
走行中の車体18の姿勢の変化に起因して、照射装置12,カメラ14の取付高さZb、Zc、光軸B,カメラ14の垂直線Cと路面法線Aとの成す角度(取付角度)θb、θcは変化する。そして、取付高さ、取付角度が変化すると、図9に示すように、基準路面上で、光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとが交差しないことがある。
例えば、照射装置12によって照射されたレーザ光が、破線で表される突部84の路面上の点Pで当たる場合を考える。マーカMがカメラ14によって撮像されて、撮像画像Jが形成される。撮像画像Jにおいてマーカ画像Gの位置に基づいて距離Δhが求められ、点Pの基準路面からの高さZr′が、式(2)に従って求められる。
Zr′=Δh・cosθb0/sin(θc0−θb0)+cosθc0・cosθb0
×(Zc0tanθc0−Zb0tanθb0−Lc0)/sin(θc0−θb0)・・・(2)
詳細には、図9に示すように、点Pの路面高さZr′は、部分高さZr1′と部分高さZr2′との和(=Zr1′+Zr2′)であり、部分高さZr1′は、下式に従って求めることができ、
Zr1′=Δh・cosθb0/sin(θc0−θb0
部分高さZr2′は、基準路面と、光軸Bとの交点と、カメラ14の垂直軸Cとの交点との間の前後方向の距離Lxを用いて、下式に従って求められる。
Zr2′=Lx/(tanθc0−tanθb0
また、距離Lxは、図9に示すように、照射装置12とカメラ14との前後方向の隔たりΔLを用いて、下式のように表される。
Lx=Zc0tanθc0−Zb0tanθb0−ΔL
このLxを上式に代入すると、下式のようになる。
Zr2′=(Zc0tanθc0−Zb0tanθb0−Lc0)/(tanθc0−tanθb0
また、(tanθc0−tanθb0)は、{sin(θc0−θb0)/cosθc0cosθb0}であるため、上式に代入すると、Zr2′が(2)式の第2項で表されることがわかる。
Zr2′=cosθc0・cosθb0×(Zc0tanθc0−Zb0tanθb0−Lc0
/sin(θc0−θb0
また、姿勢変化後の取付高さZb0、Zc0の、車体18が基準姿勢にある場合の取付け高さ(以下、基準取付高さと称する)Zb、Zcからの変位ΔZu
ΔZu=Zb0−Zb=Zc0−Zc
は、左右前輪10FL,FRのばね上部(車体18)の変位xuとしたり、あるいは、4輪10FL,FR,24RL,RRの変位の平均値としたりすることができる(ΔZu=xu)。
また、取付角度θb0、θc0の、車体18が基準姿勢にある場合の取付角度(以下、基準取付角度と称する)θb、θcからの変化角度Δθ
Δθ=θb0−θb≒θc0−θc
は、車体18の前後方向の傾斜角度{車体の基準姿勢からの前後方向の傾斜角度であり、ピッチ角と称することができる}θsであると考えることができる(Δθ=θs)。
例えば、前輪側のばね上部の変位xuf、後輪側のばね上部の変位xur、ホイールベースLrに基づいて車体のピッチ角θsを求め、そのピッチ角θsと、基準取付角度θb、θcとに基づいて、姿勢変化後の光軸B、カメラ14の垂直線Cの路面法線Aに対する取付角度θb0、θc0を求めることができる。
θ=sin-1{(xuf−xur)/Lr}
θb0=θb+θs
θc0=θc+θs
ばね上部の変位xuは、ばね上上下加速度センサ50の検出値を2階積分することによって取得することができる。
なお、ピッチ角θsは、ピッチレイトセンサを設け、それの検出値に基づいて取得することもできる。
このように、被検出対象部Pの路面高さZrは路面状態の一態様である。また、互いに時間を隔てて求められた複数の路面高さZrに基づけば、路面の凹凸の形状,坂道である場合の勾配(路面状態の一態様である)を求めることもできる。
また、路面状態が、車体18の実際の姿勢に基づいて取得されるため、実際の姿勢に基づかないで取得される場合に比較して、正確に取得することができる。
[2]プレビュー距離
プレビュー距離は、路面上の被検出対象部Pとプレビュー制御の被制御対象輪(前輪10,あるいは、後輪24)との間の前後方向の距離をいう。また、プレビュー距離は、被検出対象部Pと照射装置12(カメラ14でもよい)との間の前後方向の距離である第1距離Lpと、照射装置12と被制御対象輪(前輪10,後輪24)との間の前後方向の距離である第2距離(Lf、Lf+Lr)との和となる。Lfは、前輪10の接地点と照射装置12のレンズ12rとの間の前後方向の距離である。
ここで、第1距離Lpは、図7に示すように、基準路面において車両が基準姿勢にある場合には、下式に従って求められる。
Lp=Zb・tanθb=Zc・tanθc−ΔL
しかし、第1距離Lpは、図7,9に示すように、路面の凹凸の状態、照射装置12,撮像装置14の取付位置、取付角度等によって変化する(Lp1,Lp2,Lp′)。
そして、図9における第1距離Lp′は、式(3)に従って求められる。
Lp′=Zb0・tanθb0−Zr′・tanθb0・・・(3)
路面高さZr′には、式(2)で求められた値が代入される。
(3)式から、第1距離Lpは、車体の実際の姿勢と被検出対象部Pの路面高さとに基づいて取得されることがわかる。
そして、第2距離(Lf、Lf+Lr)が一定の値とされる場合には、第1距離Lpが取得されれば、図1に示すように、前輪10,後輪24の各々についてプレビュー距離{(Lp+Lf)、(Lp+Lf+Lr)}が取得される。
なお、第1距離Lp,プレビュー距離は、左側車輪10FL,24RL、右側車輪10FR、24RRについて、それぞれ、求められる。
また、第2距離(Lf、Lf+Lr)は、予め定められた一定の値とすることもできるが、車体18の前後方向の傾斜角度θsに基づいて決まる値とすることもできる。
<プレビュー制御>
プレビュー距離が求められると、それを車速Vで割った時間Tf,Tr(以下、余裕時間と称することがある)が求められる。余裕時間Tf,Trは、被検出対象部Pを前輪10、後輪24が通過するまでの時間であり、制御指令値の作成等を行い得る時間である。
プレビュー制御においては、被検出対象部Pを、前輪10、後輪24が通過するのに合わせて、アクチュエータ28が、その路面状態に起因する振動を抑制し得るタイミングで制御指令値が出力される。アクチュエータ28の作動遅れが小さい場合には、余裕時間Tf、Trが経過した時に制御指令値が出力されればよいが、作動遅れが大きい場合には、余裕時間より遅れ時間ΔTだけ前に、すなわち、時間(Tf−ΔT),(Tr−ΔT)が経過した時に、制御指令値が出力されるようにすることが望ましい。
上述のように、本実施例においては、プレビュー距離が正確に求められるため、被制御対象輪と被検出対象部Pとの間の距離を正確に求めることができる。また、制御指令値が、被検出対象部Pの路面高さZr、路面勾配dZr等に基づいて取得されるが、路面高さZr、路面勾配dZr等が正確に求められるため、プレビュー制御を良好に行うことができ、車体18の振動を良好に抑制することができる。
図10(a)のフローチャートで表される路面状態検出プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
S11において、実際のばね上変位xu、車体の傾斜角度θsが求められ、S12において、照射装置12,カメラ14の実際の取付高さZb0、Zc0、光軸B、カメラ14の垂直軸Cの実際の取付角度θb0、θc0が求められる。S13において、後述するように処理領域が決定されてカメラ14に出力される。S14において、カメラ14において形成された画像(撮像画像の一部であるため部分画像と称する)が取得され、S15において、部分画像上のマーカ画像Gの大きさφが求められて、WDが求められ、比率kが求められる。また、S16において、部分画像において、マーカ画像Gと基準点0jとの間の長さΔxが求められ、比率kを掛けることにより距離Δhが求められる。そして、S17において、式(2)にΔh、Zb0、Zc0、θb0、θc0を代入することにより、路面高さZr′が取得され、S18において、式(3)に代入することにより第1距離Lp′が求められる。
なお、車体18が基準姿勢にある場合には、Zb0、Zc0、θb0、θc0はそれぞれ基準取付高さZb、Zc、基準取付角度θb、θcとなる。
図10(b)のフローチャートで表される画像形成プログラムは、カメラ14において、照射装置12によってマーカとしてのレーザ光が出力される毎に実行される。
S21において、撮像領域SRで決まる被撮像対象物(マーカMを含む)が撮像される。それにより、CCD14sにおいて光学的な画像が形成され、光信号が電気信号に変換される。S22において、処理領域に関する情報が取得され、S23において、その処理領域内のCCD14sの電気信号が処理され、画像が形成される。ここで形成される画像は、撮像画像Jの一部である。また、形成された部分画像は、サスペンションECU30に供給される(S14)。
図11のフローチャートで表されるプレビュー制御プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
S25において、前輪10についてのプレビュー距離Lpf(=Lp+Lf)、後輪24についてのプレビュー距離Lpr(=Lp+Lf+Lr)が求められる。S26において、これらのプレビュー距離Lpf、Lprを車速Vで割ることにより、余裕時間Tf、Trが求められる。また、S27において、路面高さZr′、路面勾配dZr′等に基づいて、車輪10,24が路面高さZr′の部分を通過する際に生じるばね上部(車体18)の振動を抑制し得る目標上下力(制御指令値に対応)が求められる。そして、S28において、時間(Tf−ΔT)が経過した時に、前輪10FL,FRのアクチュエータ28FL,FRへの制御指令値が出力され、時間(Tr−ΔT)が経過した時に、後輪24RL,RRのアクチュエータ28RL,RRへの制御指令値が出力される。
以上のように、本実施例においては、路面画像取得部11L,RおよびサスペンションECU30の図10(a)のフローチャートで表される路面状態検出プログラムを記憶する部分、実行する部分等により路面状態検出部62が構成される。路面状態検出部62は姿勢依拠路面状態検出部、取付高さ依拠検出部、取付角度依拠検出部、WD依拠検出部でもある。また、アクチュエータ28、サスペンションECU30の図11のフローチャートで表されるプレビュー制御プログラムを記憶する部分、実行する部分、図10のフローチャートで表される路面状態検出プログラムのS17,18を記憶する部分、実行する部分等によりプレビュー制御部66が構成される。そのうちの、S18、S25を記憶する部分、実行する部分等によりプレビュー距離取得部が構成される。
また、ばね上上下Gセンサ50,サスペンションECU30のS11を記憶する部分、実行する部分等によりばね上変位取得部64が構成され、ばね上上下Gセンサ50,S12の一部(取付高さを求める部分)を記憶する部分、実行する部分等により取付高さ取得部が構成される。また、ばね上上下Gセンサ50,S11の一部(車体18の傾斜角度を求める部分)を記憶する部分、実行する部分等により車体傾斜角度検出部が構成され、S12の一部(車体18の傾斜角度に基づいて取付角度を求める部分)を記憶する部分、実行する部分等により取付角度取得部が構成される。
さらに、サスペンションECU30のS15を記憶する部分、実行する部分等によりWD取得部が構成される。
<処理領域の決定>
カメラ14は、図12(b)に示すように撮像領域SRで決まる被撮像対象物を撮像するが、図12(c)に示すように、撮像領域SRに対応する撮像画像Jに対してマーカ画像Gは非常に小さい。また、撮像画像Jを構成する画素数は多く(本実施例においては、Na×Nbヶ)、撮像領域SR内のすべてのCCD14sについて処理を行うと長時間を要する。
一方、プレビュー制御においては、被検出対象部Pを前輪10が通過するまでの間に、被検出対象部Pの路面状態を検出し、制御指令値を作成しなければならず、速やかに画像を形成する必要がある。
それに対して、路面が平坦である場合において、車体18が基準姿勢にある場合には、マーカMは、図13(a)に示すように、撮像領域RSの予め定められた基準点0sの近傍に位置するはずである。
また、制動時、すなわち、前傾姿勢にある場合には、マーカMuは、図14(a)に示すように、基準点0sよりX+方向(車両の前後方向の前方)にずれた点に位置し、駆動時、すなわち、後傾姿勢にある場合にはX−方向(車両の前後方向の後方)にずれた点に位置(Md)する。
さらに、旋回中には、マーカMr、Mlは、図15(a)に示すように、基準点0sよりY方向(車両の横方向)へずれた点に位置する。車体18は、遠心力により旋回外側に傾斜するため、カメラ14の垂直線Cに対して照射装置12の光軸Bが旋回外側に位置するため、マーカMは基準点0sより旋回外側にずれる。
なお、図には記載されていないが、前後方向の姿勢の変化、横方向の姿勢の変化が生じた場合には、カメラ14の取付角度θcが変化するため、実際には、撮像領域SRも変化する。また、旋回時には、車体18は横方向へ傾斜するのに伴って上下方向に移動するため、実際には、マーカMr,Mlは、X+、X−方向にもずれる。
このように、車体18の姿勢の変化により、路面が平坦である場合のマーカMの位置が基準点0sからずれる。そして、この点を中心として、路面の凹凸の変化、通常範囲の走行状態の変化等に伴ってマーカの位置がX方向、Y方向へ移動する。したがって、本実施例においては、処理領域を、マーカMが、マーカ(Mu,Md,Mr,Ml)の位置を中心にして、X方向、Y方向にずれても、内部に位置するように決定される。
例えば、車両が基準姿勢にある場合には、図13(b)に示すように、処理領域が基準領域Roとされる。基準領域Roは撮像領域SRの一部であり、基準領域Roに対応する部分画像JRoは撮像画像Jの一部である。
基準領域Roは、例えば、Y方向(車両の幅方向に対応)の長さ(画素数で表すことができる)dyを、前輪10,後輪24のタイヤの幅より多少大きい長さとすることができ、X方向(前後方向に対応)の長さdxは、通常走行中の加速、減速に起因してマーカMがX方向に移動しても基準領域Roに含まれ、かつ、予め定められた形状の路面を検出可能な長さとすることができる。このように、基準領域Roをできる限り狭くすれば、基準姿勢にある場合の処理時間(画像形成時間)を短くすることができる。
設定値以上の制動力が加えられた場合、あるいは、減速度が設定値より大きい場合には、処理領域を、図14(b)の一点鎖線が示すように、基準領域RoをX+方向にΔquだけ移動させた領域Ruとしたり、破線が示すように基準領域RoをΔquに対応する領域だけ広くした領域Ruaとしたりすることができる。また、制動時領域Ru,Ruaについて処理が行われると、部分画像JRu,JRuaが得られる。部分画像JRu,JRuaには、マーカ画像Guおよび基準点0jが含まれる。
なお、図14(b)において、破線と一点鎖線とをずらして書いたが、これは、基準領域Ro,制動時領域Ru,Ruaの差を明確にするためである。また、基準領域Roを移動して制動時領域Ruとすることと、基準領域Roを拡大して制動時領域Ruaとすることとの両方を合わせて、基準領域Roを変更すると称する。図14(c)、図15(b)、(c)についても同様である。
設定値以上の駆動力が加えられた場合、あるいは、加速度が設定値より大きい場合には、図14(c)の一点鎖線が示すように、基準領域RoをX−方向にΔqdだけ移動させた駆動時領域Rdとしたり、破線が示すようにX−方向にΔqdに対応する領域だけ広くした駆動時領域Rdaとしたりすることができる。また、駆動時領域Rd,Rdaについて処理が行われると、マーカ画像Gdおよび基準点0jを含む部分画像JRd,JRdaが得られる。
本実施例においては、図14(a)が示すように、遠近法により、前後方向の距離が同じであっても、遠い側(X+)が近い側(X−)より、撮像領域SR上の長さが短くなる。そのため、制動時領域を決定する際の変更幅Δquを駆動時領域を決定する際の変更幅Δqdより小さくすれば(Δqu<Δqd)、変更幅に対応する路面上の面積をほぼ同じにすることができる。
右方向へのステアリングホイールの操舵角Φが設定角度より大きい場合、あるいは、左方向(旋回外方)に加えられる横加速度が設定値より大きい場合には、図15(b)の一点鎖線が示すように、基準領域RoをY−方向(左方向、すなわち、旋回外方)にΔqrだけ移動させた右旋回時領域Rrとしたり、破線が示すように、Y−方向にΔqrに対応する面積だけ広げた右旋回時領域Rraとしたりすることができる。右旋回時領域Rr,Rraについて処理が行われると、マーカ画像Gr、基準点0jを含む部分画像JRr,JRraが得られる。
左方向への操舵角度Φが設定角度より大きい場合、あるいは、右方向に加えられる横加速度が設定値より大きい場合には、図15(c)の一点鎖線が示すように、Y+方向にΔqlだけ移動させた左旋回時領域Rlとしたり、破線が示すように、Y+方向にΔqlに対応する面積だけ広げた左旋回時領域Rlaとしたりすることができる。左旋回時領域Rl,Rlaについて処理が行われると、マーカ画像Gl、基準点0jを含む部分画像JRl,JRlaが得られる。
なお、部分画像JRが基準点0jを含むのは、マーカ画像Gと基準点0jとの間の長さΔxを求める必要があるからである。
また、車両の走行状態は、CAN32を介して得られるアクセル開度、ブレーキ操作部材のストローク、ステアリングホイールの操舵角の大きさを表す情報に基づいて取得したり、前後Gセンサ54,横Gセンサ56の検出値に基づいて取得したりすることができる。さらに、ピッチレイトセンサ、ヨーレイトセンサ、舵角センサ、ロールレイトセンサ等を設け、これらの検出値に基づいて取得することもできる。
図16のフローチャートで表される処理領域決定ルーチン(S13)は予め定められた設定時間毎に実行される。
S41〜43において、アクセル開度Aが設定値Athより大きいか否か(駆動力が設定値より大きいか否か)、ブレーキペダルの操作ストロークBSが設定ストロークBSthより大きいか否か(制動力が設定値より大きいか否か)、ステアリングホイールの操舵角Φの絶対値|Φ|が設定角度Φthより大きいか否かが判定される。すべての判定結果がNOである場合には、S44において、処理領域が基準領域Roとされる。
それに対してアクセル開度Aが設定値Athより大きい場合には、S45において、基準領域RoがX−方向へΔqd変更されて、駆動時領域(Rd,Rda)に決定される。また、ブレーキ操作ストロークBSが設定ストロークBSthより大きい場合には、S46において、基準領域RoがX+方向へΔqu変更されて、制動時領域(Ru,Rua)に決定される。
さらに、ステアリングホイールの操舵角の絶対値|Φ|が設定角度Φthより大きい場合には、その操舵角Φの符号に基づいて旋回方向が決定される。S47において右旋回であるか否かが判定され、右旋回時には、S48において、処理領域が右旋回時領域(Rr,Rra)に決定されるのであり、基準領域RoがY−方向へΔqr変更される。左旋回時には、S49において、左旋回時領域(Rl,Rla)に決定される(基準領域RoがY+方向へΔql変更される)。
また、S45,46が実行された場合には、S50において、操舵角の絶対値|Φ|が設定角度Φthより大きいか否かが判定される。設定角度Φth以下である場合には、判定がNOとなり、S45,46において決定された処理領域とされる。それに対して、設定角度Φthより大きい場合には、S47〜49が実行される。S45,46において変更されるととともに、S48,49においても変更されるのであり、基準領域Roが、X、Yの両方向に変更されることになる。
また、処理領域が基準領域Roより拡大される場合(Rua,Rda,Rra,Rla)には、S45,46,48,49の実行後にS44が実行された場合に、処理領域が縮小されることになる。
このように、処理領域が走行状態に基づいて変更されるようにすれば、マーカ画像Gを良好に認識することができ(路面状態を良好に検出することができ)、しかも、処理時間を短くできる。また、スポット状のマーカを利用して路面状態が検出されるため、処理領域を狭くすることができ、それによっても、処理時間の短縮を図ることができる。
なお、制動時領域Ru(Rua),駆動時領域Rd(Rda)の基準領域Roに対する変更量Δqu,Δqdは、前後Gの絶対値が大きい場合は小さい場合より大きくすることができる。旋回時領域についても同様であり、横Gの絶対値が大きい場合は小さい場合より変更量Δqr,Δqlを大きくすることができる。
また、本実施例においては、処理領域Rが長方形状である場合について説明したが、台形状とすることもできる。遠近法に基づくと、処理領域を台形状とした場合に撮像領域を長方形状の領域とすることができる。
さらに、処理領域Rを長方形で表される領域と台形で表される領域との間で変更することもできる。
また、基準領域Roは、予め定められた設定時間内に車両が走行した場合の、カメラ14の撮像領域SR内のマーカMの位置を記憶し、それに応じて基準領域Roを決めることができる。例えば、記憶されたマーカMの80%(60%〜90%の間の値とすることができる)が含まれる最小の領域とすることができる。
また、処理領域の基準領域からの変更の向きは、照射装置12とカメラ14との相対位置関係で決まる。例えば、カメラ14が照射装置12より上方にある場合には、制動時にX−方向へ変更することが望ましく、右旋回時には、Y+方向へ変更することが望ましい。
さらに、坂道を走行している場合には、処理領域をX+方(遠い方)へ変更することもできる。より遠くの路面状態を検出することができるからである。
また、処理領域を変更することは不可欠ではない。常に一定の大きさ、位置の領域とすることもできる。
本実施例においては、前後Gセンサ54,横Gセンサ56、サスペンションECU30の図10のフローチャートで表される路面状態検出プログラムのS13を記憶する部分、実行する部分(図16のフローチャートで表される画像処理領域決定ルーチンを記憶する部分、実行する部分),アクセル開度,操作ストローク,操舵角を取得する部分等により領域決定部68が構成される。領域決定部は処理領域決定部でもある。また、そのうちの処理領域決定ルーチンのS41,42,45,46を記憶する部分、実行する部分等により前後傾斜時領域決定部が構成され、S43,47〜49を記憶する部分、実行する部分等により旋回時領域決定部が構成され、S44を記憶する部分、実行する部分等により基準状態時基準領域決定部が構成される。これらにより、前回決定された領域を移動させる手段や、拡大、縮小する手段が構成される場合がある。
さらに、サスペンションECU30のアクセル開度,操作ストローク,操舵角等を取得する部分,前後Gセンサ54,横Gセンサ56等により姿勢検出装置、走行状態検出装置が構成される。
なお、アクセル開度センサ44、操作ストロークセンサ42、操舵角センサ40等が姿勢検出装置、走行状態検出装置、領域決定部の構成要素であると考えることもできる。
なお、本実施例に係る領域決定部68は、マーカMを撮像する場合に限らず、車両の周辺の物体を撮像する場合に適用することもできる。例えば、照射装置12を含まない周辺環境取得装置に適用することができる。
また、衝突防止制御装置、前方車両追従制御装置等において前方物体を検出する場合のカメラ14の処理領域を決定するのに適用することもできる。この場合には、衝突防止制御、前方車両追従制御、プレビュー制御(路面状態検出)において、カメラ14を共通とすることもでき、制御(カメラ14の使用目的)に応じて処理領域が変更されるようにすることもできる。パーキングアシスト制御装置に適用することもでき、その場合には、車両の後方の物体が検出される。
さらに、路面状態検出部は、車両の後方、側方の路面状態を検出するのに用いることもできる。
また、(i)照射装置12を複数個設けたり、(ii)照射装置12を複数の光源を含むものとし、複数のスポット状のレーザ光を照射するものとしたり、(iii)照射装置12を格子状(あるいは、網目状)のレーザ光を照射するものとしたりすること等もできる。
さらに、路面状態の検出方法は、上記実施例における方法に限定されない。例えば、車体18の姿勢が一定である場合におけるWDの変化に基づいて路面の凹凸の変化状態を取得することができる。WDが短い場合は凸部があると考えられ、WDが長い場合には、凹部があると考えられる。このように、WDの変化に基づいても、路面の凹凸の状態を取得することができるのである。車体18の姿勢が変化した場合には、車体18の姿勢が一定であるとした場合のWDを求めれば、同様に比較して、凹凸の状態を取得することができる。
また、上記実施例においては、実際のプレビュー距離のうちの第1距離Lpが、その都度求められるようにされていたが、第1距離の前回値からの変化量、車体18が基準姿勢にある場合の第1距離(基準第1距離)との差が求められるようにすることもできる。車速Vの変化が小さい場合には、第1距離の変化量や、基準第1距離との差が求められ、それに基づいて余裕時間の差を取得すれば、その余裕時間の差に応じて制御指令値の出力タイミングをずらすことができる。
さらに、光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとを車体18の横方向に隔てて取り付けた場合には、路面の幅(左右方向)方向の凹凸の状態を検出することもできる。例えば、幅方向の路面状態の変化に基づいて車体の姿勢の制御を行うことができる。また、旋回時には、車体18が横方向に傾斜し、光軸Bとカメラ14の垂直軸Cとが横方向にずれるため、前後方向の路面の凹凸の変化と幅方向の路面の凹凸の変化との両方を取得することができる。
<汚れの検出>
照射装置12,カメラ14の汚れの検出について説明する。
照射装置12のレンズ12r,カメラ14のレンズ14rが汚れると、(a)マーカ画像Gの面積βが、路面の形状、車体18の姿勢で決まる範囲から外れたり、路面の凹凸、姿勢の変化に伴う変化以上に変化したりする。また、(b)マーカ画像Gがゆがむことがある。さらに、(c)マーカ画像Gの色に関連する値が太陽光、照明、対向車のヘッドライト等の影響に起因して決まる範囲から外れたり、これらの影響に起因する変化以上に変化したりする。前述のようにカメラ14において形成された画像はサスペンションECU30に供給されるため、サスペンションECU30において、汚れの検出が行われる。また、マーカ画像の色に関連する値は、カメラ14の色等評価装置14cにおいて取得され、サスペンションECU30に供給される。
具体的に、図17(a)に示すように、照射装置12のレンズ12rもカメラ14のレンジ14rも汚れていない場合には、マーカ画像G0の面積がβであるのに対して、汚れがカメラ14のレンズ14rに付着したり、照射装置12のレンズ12rに付着したりすると、マーカ画像Gsの面積βが小さくなる(βs<β0)ことがある。カメラ14のレンズ14rの汚れやくもりに起因して、マーカ画像GLの輪郭がぼやけたり、乱反射したりすることにより面積βが大きくなること(βL>β0)がある。また、レンズ14rに水滴が付着して、マーカ画像Gの大きさが変化することもある。
一方、マーカ画像Gの面積βは路面の凹凸、車体18の姿勢の変化に伴って変化する。そこで、マーカ画像Gの面積βが路面の凹凸、車体18の姿勢の変化等に伴う変化以上に変化した場合、あるいは、図17(b)に示すように、路面の凹凸、車体18の姿勢で決まる面積βの範囲(βtha〜βthb)から外れた場合{大きすぎる場合(Gb)、小さすぎる場合(Gs)}に、照射装置12のレンズ12rやカメラ14のレンズ14rが汚れていると検出される。
図18に示すように、カメラ14のレンズ14rや照射装置12のレンズ12rに水滴が付着した場合には、それに起因して、マーカ画像Gyの形状がゆがむことがある。具体的には、レーザ光のスポット形状が、真円であり、真円度γが設定値γthより高いマーカ画像Gが得られるはずであるのに対して、マーカ画像Gyの真円度γが設定値γth以下になることがある。そこで、マーカ画像Gの真円度γが設定値γth以下である場合に、照射装置12,カメラ14の汚れであると検出することができる。
図19に示すように、照射装置12のレンズ12r汚れに起因して、照射されたレーザ光の色が変化し、マーカ画像Gcの色等(色に関連する種々の値であり、例えば、RGB,HGVの値をいう。以下、同様とする)が変化することがある。また、カメラ14のレンズ14rの汚れに起因してマーカ画像Gcの色等が変化することもある。色等評価装置14mにおいては、画像の色が、RGB(赤、緑、青)に分解され、それぞれの値が取得される。また、HSV(色相、彩度、明度)について評価され、それぞれの評価値が取得される。例えば、マーカ画像Gcの色が赤色系である場合において、色相:H≦0.08、H≧0.9、彩度:S≧0.15、明度:V≧0.1を正常範囲とすることができる。
したがって、色に関連する値に基づけば、マーカ画像Gの色等の異常を取得することができ、それに基づいて、カメラ14、照射装置12の汚れを検出することができる。
本実施例においては、照射装置12,カメラ14が正常であり、かつ、汚れていない場合のマーカ画像Gの色等を予め取得するとともに、太陽光の有無、照明の有無、照明の色、ヘッドライトの有無等を考慮して、マーカ画像Gの色等の範囲を取得して、汚れていない場合のこれらの色に関連する値の範囲を記憶しておく。そして、実際のマーカ画像Gの色に関連する値が範囲から外れている場合に、汚れであると検出される。
また、本実施例においては、汚れが検出された場合には、そのことが報知され、汚れ除去装置12c、14cが作動させられる。
図20のフローチャートで表される汚れ検出プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
S50において、マーカ画像Gの面積β(画像Gが占める画素数で表すことができる)が取得され、S51において、設定範囲内にある(βtha<β<βthb)か否か、S52において、過去の検出値(例えば、前回の検出値、あるいは、数回前の検出値)からの面積βの変化量Δβの絶対値|Δβ|が設定値Δβthより大きいか否かが判定される。S51の判定がYES,S52の判定がNOである場合には、マーカ画像Gの面積βは正常な大きさであるが、S51の判定がNO,あるは、S52の判定がYESである場合には、面積βが異常な大きさであるため、S53において、異常フラグ1がセットされる。
次に、S54において、真円度γが取得され、S55において、真円度γが設定値γthより高いか否かが判定される。真円度γが設定値γtより高い場合には、形状は正常であるが、設定値γth以下である場合には、S56において、異常フラグ2がセットされる。
次に、S57において、色に関連する値(RGB値,HGV値)が取得され、S58,59において、RGB,HSVの値がそれぞれ正常範囲内にあるか否かが判定される。少なくとも1つの値が正常範囲内にない場合には、S60において異常フラグ3がセットされる。すべての値が正常範囲内にある場合には異常フラグ3がセットされることはない。
そして、S61において、異常フラグ1,2,3のうちの2つ以上がセットされているか否かが判定される。2つ以上がセットされている場合には、汚れがあると検出されて、S62において、そのことが報知される。また、S63において、汚れ除去装置12c、14cの作動指令が、照射装置12,カメラ14の少なくとも一方に出力される。それに応じて、照射装置12、カメラ14の少なくとも一方において、それに対応する汚れ除去装置12c,汚れ除去装置14cの少なくとも一方が作動させられる。
例えば、汚れ除去装置12c、14cの両方を同時に作動させたり、予め定められた順番で1つずつ作動させたりすることができる。また、カメラ14が車体18の照射装置12より下方に取り付けられているため、カメラ14の方が汚れ易いと考えられる。そのため、カメラ14の汚れ除去装置14cが優先的に作動させられるようにすることもできる。
それに対して、異常フラグ1,2,3のうちセットされているフラグが1つ以下である場合には、S64において、正常であると判定される。
このように、本実施例においては、3つの評価方法に基づいて汚れの有無が複合的に評価されるため、汚れの有無を正確に検出することができる。
また、3つの異常フラグのうちの2つ以上がセットされている場合に汚れであると判定され、1つの場合には検出されないようにされている。そのため、汚れであるか否かを正確に検出することができる。
さらに、マーカ画像Gの面積、形状、色等に基づいて汚れの有無が判断されるのであるが、前述のように、スポットの直径が第2設定値より小さいレーザ光線が照射されるため、マーカ画像Gが占める画素数は少ない。そのため、汚れの有無を判断するのに要する時間を短くすることができる。
なお、上記実施例においては、RGBの値,HVSの値のうちの少なくとも1つの値が設定範囲内にない場合に異常フラグ3がセットされるようにされていたが、2つの値、3つ以上の値が正常範囲内にない場合に異常フラグ3がセットされるようにすることもできる。
また、異常フラグ1,2,3のうちの2つ以上がセットされている場合に汚れであると検出されるようにするのではなく、少なくとも1つがセットされている場合に汚れであると検出されるようにすることもできる。
さらに、異常フラグ1,2,3のうちの予め定められた特定のフラグ、あるいは、特定の組み合わせのフラグがセットされている場合に、汚れであると検出されるようにすることもできる。例えば、異常フラグ1,2の両方がセットされている場合には、汚れであると検出されるようにしたり、異常フラグ3がセットされている場合に、異常フラグ1,2がセットされていなくても、汚れであると検出されるようにしたりすることができる。
また、3つの評価方法すべてに基づく必要はなく、このうちの1つ、あるいは、2つの評価方法が実行されるようにすることもできる。
さらに、カメラ14と照射装置12とのうち汚れ易い方が決まっている場合には、汚れ易い方が汚れたと検出することができる。例えば、カメラ14が車室内に設けられた場合には、照射装置12のレンズ12rの汚れであると判定されるようにしたり、カメラ14が照射装置12より車体18のより下方に取り付けられているため、カメラ14のレンズ14rの汚れであると判定されるようにしたりすることができる。
また、汚れに限定せず、これらの場合には異常であると検出することもできる。照射装置12,カメラ14,サスペンション制御装置20等に異常がある場合があるからである。
さらに、マーカの画像Gの色等の評価値を、照射装置12の汚れ、カメラ14の汚れ、照射装置12の異常、カメラ14の異常等との関係で取得して、これらを記憶しておけば、実際の評価値に基づいて、汚れの場所、異常の原因等を取得することも可能である。
また、マーカ画像Gの面積βに基づく評価においては、面積βの変化比率(Δβ/β)が設定比率以上である場合に異常フラグ1がセットされるようにすることもできる。
さらに、格子状、網目状等のマーカが照射される場合にも同様に適用することができる。
また、前方の路面状態を検出する場合に限らず、車両の側方、後方の環境を検出する車両周辺環境取得装置にも適用することができる。
さらに、異常が検出された場合に、汚れ除去装置12c,14cの作動と、報知との両方を行うことは不可欠ではなく、いずれか一方が行われるだけでもよい。
また、汚れ検出部70,報知装置58,汚れ除去装置12c、14cのうちの1つ以上を設けることは不可欠ではない。
本実施例においては、画像形成部14d、色等評価装置14c、サスペンションECU30の図20のフローチャートで表される汚れ検出プログラムを記憶する部分、実行する部分等により汚れ検出部70が構成される。汚れ検出部70は、マーカ依拠異常検出部でもある。また、マーカ依拠異常検出部のうちのS50〜53を記憶する部分、実行する部分等により面積依拠異常検出部が構成され、S54〜56を記憶する部分、実行する部分等により形状依拠異常検出部が構成され、S57〜60を記憶する部分、実行する部分等により色関連値依拠異常検出部が構成される。
また、S63を記憶する部分、実行する部分等により汚れ除去装置制御部が構成される。さらに、レーザ光源12pは、レーザ光照射部、スポット光照射部でもある。
ばね上部の変位は、オブザーバの理論を用いて取得することもできる。オブザーバを利用した方が、ばね上変位を正確に取得することができる。
図21(a)に示す1輪モデルを考える。ばね上部(車体18)の質量m2,変位x2,ばね下部(車輪10,24等)の質量m1,変位x1,ばね上部とばね下部との間に設けられたサスペンション22,25のうちのスプリング26のばね定数をk2,ショックアブソーバ27の減衰係数をc2,路面入力をx0,タイヤのばね定数をk1,上下方向力制御装置28によって加えられる力(制御力)をFactとする。
このモデルにおいて、式
22”(t)+c2{x2(t)′−x1(t)′}+k2{x2(t)−x1(t)}
=−Fact(t)・・・(4)
11”(t)
=c2{x2(t)′−x1(t)′}+k2{x2(t)−x1(t)}
−k1{x1(t)−x0(t)}+Fact(t)・・・(5)
が成立する。(4)式、(5)式において、「′」は1階微分を、「”」は2階微分を表す。
例えば、(4)式から、プレビュー制御によって上下方向力制御装置28によって加えられる力Fact(t)を、
Fact(t)=c2・x0(t)′+k2・x0(t)
とすれば、m22”(t)は、タイヤの変形に伴う加振力のみとなる。そして、タイヤの変形に伴う加振力は非常に小さく、無視できると考えれば、理論的に、ばね上に伝達される路面入力は0となる。
また、ロールが生じた場合の力FR、ピッチが生じた場合の力FP、アーティキュレーションが生じた場合に加えられる力FAの合計をFw(t)とした場合に、以下の運動方程式(4)が成立する。
22”(t)+c2{x2(t)′−x1(t)′}+k2{x2(t)−x1(t)}
=Fw(t)−Fact(t)・・・(6)
Fw(t)=FR(t)+FP(t)+FA(t)
左旋回時(ロールが生じた場合)に各輪に加えられるロール慣性力は、以下のようになる。ARは横加速度であり、hRF、hRrは、車両重心と前輪側、後輪側のロール中心との間の鉛直方向の距離であり、Tf、Trは、前輪側、後輪側のトレッドである。
R-FL(t)=(m2-FL+m2-FR)AR(t)hRf/Tf
R-FR(t)=−(m2-FL+m2-FR)AR(t)hRf/Tf
R-RL(t)=(m2-RL+m2-RR)AR(t)hRr/Tr
R-RR(t)=−(m2-RL+m2-RR)AR(t)hRr/Tr
加速時(ピッチが生じた場合)に各輪に加えられるピッチ慣性力は、以下のようになる。Apは前後加速度であり、hPR、hPLは、車両重心と右側輪、左側輪のピッチ中心との間の距離であり、LL、LRは、左側の前輪10FL、後輪24RLの間の前後方向の距離(ホイールベース)、右側の前輪10RL、後輪24RLの間の前後方向の距離である。
P-FL(t)=(m2-FL+m2-RL)AP(t)hPL/LL
P-FR(t)=(m2-FR+m2-RR)AP(t)hPR/LR
P-RL(t)=−(m2-FL+m2-RL)AP(t)hPL/LL
P-RR(t)=−(m2-FR+m2-RR)AP(t)hPR/LR
アーティキュレーションが生じた場合に各輪に加えられるねじり反力は、以下のようになる。ばね上部のねじり剛性をKtとする。また、ばね上部のワープ量x2w(t)を、
2w(t)=x2-FL(t)−x2-FR(t)−x2-RL(t)+x2-RR(t)
と定義する。
A-FL(t)=−x2w(t)Kt/Tf
A-FR(t)=x2w(t)Kt/Tf
A-RL(t)=−x2w(t)Kt/Tr
A-RR(t)=x2w(t)Kt/Tr
そして、入力を、
u(t)=[Fact(t) Fw(t)]T
とし、状態変数x(t)を、
x(t)=[x2(t) x2(t)′ x1(t) x1(t)′]T
とし、外乱入力w(t)を
w(t)=x0(t)
とし、出力y(t)を、
y(t)=x2(t)”
とした場合に、(5)式、(6)式は状態方程式
x(t)′=Ax(t)+Bu(t)+Ew(t)
y(t)=Cx(t)+Du(t)・・・・・・・・(7)
で表すことができる。
上式において、行列A,B,C,D,Eを、図21の式(8)〜(12)で表す。
また、状態変数x(t)、出力y(t)の推定値x*(t)、y(t)*とした場合に、図21(b)のオブザーバモデルを構成すると、状態方程式は、式
x(t)′*=Ax(t)*+Bu(t)+L{y(t)−y(t)*}
y(t)*=Cx(t)*+Du(t)・・・(13)
で表される。行列Lは、オブザーバゲイン行列であり、式
L=[l1234
で表される。
L{y(t)−y(t)*}により、出力誤差を補正値としてフィードバックすることで、モデル化誤差を補正し、状態変数の誤差{x(t)−x(t)*}を小さくすることができる。出力誤差方程式は、(7)式、(13)式から、式
ε(t)′=(A−LC)ε(t)+Ew(t)・・・(14)
で表すことができる。また、式(14)において、w(t)=0として、積分すれば、
ε(t)=ε(0)exp{(A−LC)t}
が得られる。この式から、誤差を収束させることが可能となることが明らかである。
上述のように、オブザーバを利用して、状態変数の推定値x(t)*が得られ、ばね上変位x2(t)が得られる。
本実施例においては、サスペンションECU30のうちの、オブザーバの理論を用いてばね上部の変位x2(=xu)を取得する部分によりばね上変位取得部64が構成される。
照射装置12から照射されるレーザ光のスポット形状は円形でなくてもよく、例えば、図22に示すように、正方形を成したもの(マーカMs)としたり、菱形を成したもの(マーカMh)としたりすること等ができる。
このように、正方形、ひし形のスポット形状を成したレーザ光が照射されるようにすれば、円形のスポット形状を成したレーザ光が照射される場合に比較して、大きさ(例えば、幅)を正確に取得することができ、WDの取得精度を向上させることができる。
照射装置12におけるゲインは、一日における時刻に基づいて決定することができる。例えば、図23(b)に示すように、8時〜17時の間は、ゲインを大きくし、17時〜24時、0時〜8時の間はゲインを小さくすることもできる。太陽高度が低く、地表に届くエネルギが小さい間はゲインは小さくてもよいと考えられる。
図23(a)のフローチャートで表される照射装置制御プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
S1′において、サスペンションECU30のタイマから時刻が取得され、S2′において、図23(b)のゲイン決定テーブルに従ってゲインが決定され、S3′において、ゲインを表す情報が照射装置12に出力される。
このように、一日のうち太陽高度が高い場合にゲインが大きい値に決定され、低い場合に小さい値に決定されるため、消費エネルギ量の低減を図ることができる。
また、ゲインを、季節(夏、冬等)に基づいて決定したり、天気(晴れ、曇り等)に基づいて決定したりすることができる。また、緯度、時刻、季節、天気のうちの2つ以上に基づいてゲインを決定することもでき、その場合には、より細かにレーザ光の出力レベルを制御することができ、消費エネルギの低減を図ることができる。
本実施例においては、サスペンションECU30のS1′を記憶する部分、実行する部分等により強度検出部が構成され、S2′を記憶する部分、実行する部分等により強度依拠レベル決定部が構成される。
なお、時刻に基づいてゲインを決定する場合において、ゲインが大きい値に決定される時刻を8時〜17時とすることに限定されない。ゲインが大きい値に決定される時間帯は適宜(例えば、地域、季節等に基づいて)決めることができる。
また、ゲインを2段階以上で変化させることもできる。
処理領域は、図24のフローチャートで表される処理領域決定ルーチンに従って決定することもできる。
S71において、前後方向の加速度Gxの絶対値|Gx|が設定値Gxthより大きいか否かが判定される。すなわち、制動、あるいは、駆動により設定値Gxthより大きい減速度、あるいは、加速度が生じたか否かが判定されるのである。前後加速度の絶対値|Gx|が設定値Gxthより大きい場合には、S72において、基準領域RoがX+、X−の両方向に拡大された前後力作用時領域(基準領域Ro+Δqd+Δqu)とされる。 S73において、横加速度Gyの絶対値|Gy|が設定値Gythより大きいか否かが判定される。右方向あるいは左方向の旋回により、設定値Gythより大きい横加速度が生じたか否かが判定されるのである。横加速度の絶対値|Gy|が設定値Gythより大きい場合には、S74において、基準領域RoがY+、Y−の両方向に拡大されて、横力作用時領域(基準領域Ro+Δqr+Δql)とされる。
いずれでもない場合には、S75において、基準領域Roとされる。
このように、前後力(あるいは横力)が作用した場合に、基準領域Roが前方向、後方向(あるいは、左方向、右方向)の両方に拡大されるため、車両に作用する前後方向の力(あるいは、左右方向の力)に起因して車体18が前後方向(あるいは、左右方向)に振動しても、マーカ画像Gを良好に得ることができ、良好に路面状態を取得することができる。
カメラ14が撮像領域を変更可能なものである場合には、車体18の姿勢に基づいて撮像領域が決定されるようにすることもできる。
カメラ100は、図25に示すように、レンズ14r、フィルタ14f、CCD14s、画像形成部14d、汚れ除去装置14c、色等評価装置14mに加えて、撮像領域変更部14gを含む。
また、図26(a)のフローチャートで表される路面状態検出プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。図10のフローチャートで表される路面状態検出プログラムと同じ実行が行われるステップについては同じステップ番号を付した。
S81において撮像領域が決定されて、カメラ100に出力される。S11,12において、車体18の姿勢が検出され、照射装置12,カメラ100の取付高さ、取付角度が取得され、S14において、カメラ100において形成された画像が取得される。そして、S15以降において、図10(a)の路面状態検出プログラムにおける場合と同様に実行される。
S81の撮像領域の決定ルーチンは、図27のフローチャートで表される。
車体18が基準姿勢にある場合には、S44′において、撮像領域は基準撮像領域SRo(図28参照)とされる。基準撮像領域SRoは、例えば、予め定められた設定時間内に車両が走行した場合の、カメラ14の撮像領域Sr内のマーカMの80%(70%〜90%の間の値とすることができる。)が含まれる最小の領域とすることができる。
また、アクセル開度Aが設定開度Athより大きい場合には、S45′において、図28(a)に示すように基準撮像領域SRoがX−方向へ変更され、駆動時撮像領域SRd,SRdaとされる。
ブレーキ操作部材の操作ストロークBSが設定ストロークBSthより大きい場合には、S46′において、図28(b)に示すように基準撮像領域SRoがX+方向へ変更されて、制動時撮像領域SRu,SRuaに決定される。
そして、右旋回時には、S48′において、図28(c)に示すようにY−方向へ変更されて、右旋回時撮像領域SRr,SRraに決定され、左旋回時には、S49′において、図28(d)に示すようにY+方向へ変更されて、左旋回時撮像領域SRl,SRlaに決定される。
カメラ100においては、図26(b)のフローチャートで表される画像形成プログラムが照射装置12からレーザ光が照射される毎に実行される。
S85、86において、撮像領域が読み込まれ、それに応じて画角、カメラ14rの向き等が制御される。その後、S87において、撮像が行われ、S88において、撮像領域で決まる画像が形成されて、サスペンションECU30に供給される。
このように車体18の姿勢に基づいて撮像領域が決定される場合であっても、上記実施例における場合と同様に、路面状態を正確に検出しつつ、処理時間を短くすることができる。
本実施例において、サスペンションECU30の図27のフローチャートで表される撮像領域決定ルーチンを記憶する部分、実行する部分および図26(a)のフローチャートで表される路面状態検出プログラムのS81を記憶する部分、実行する部分等により撮像領域制御部が構成される。
また、S81,S88を記憶する部分、実行する部分等により画像形成部が構成される。
上記複数の実施例について説明したが、これら実施例の2つ以上を組み合わせて実行することができる。
また、本発明は、前記に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
11:路面画像取得部 12:照射装置 12p:光源 12a:増幅器 12c:汚れ除去装置 12e:レーザ光出力部 14、100:カメラ 14f:フィルタ 14s:CCD 14d:画像形成部 14m:色等評価装置 14c:汚れ除去装置 14g:撮像領域変更部 22:サスペンション 27:ショックアブソーバ 28:上下力制御装置 39:ナビゲーション装置 50:ばね上上下Gセンサ 58:報知装置 60:照射装置制御部 62:路面状態検出部 64:ばね上変位取得部 66:プレビュー制御部 68:領域決定部 70:汚れ検出部

Claims (9)

  1. 車両の車体に取り付けられ、マーカを路面に向かって照射する照射装置と、
    前記車体の前記照射装置から上下方向に隔たった位置に取り付けられ、少なくとも前記照射装置によって照射されたマーカを撮像して、画像を形成する撮像装置と、
    前記車体の姿勢を実際に検出する車体姿勢検出装置と、
    その車体姿勢検出装置によって検出された実際の車体の姿勢と、前記撮像装置によって形成された画像とに基づいて前記路面の状態を検出する姿勢依拠路面状態検出部と
    を含むことを特徴とする路面状態検出装置。
  2. 前記照射装置が、マーカとしてスポット状の光を照射するスポット光源を含み、前記姿勢依拠路面状態検出部が、前記形成された画像中の基準点と前記マーカを表す画像との間の長さと、前記車体姿勢検出装置によって検出された実際の車体の姿勢とに基づいて、前記路面上の前記マーカが照射された点である照射点の前記車両が存在する路面からの高さを取得する路面高さ検出部を含む請求項1に記載の路面状態検出装置。
  3. 前記車体姿勢検出装置が、前記車体の実際の上下方向の変位を取得する車体変位取得部を含み、前記姿勢依拠路面状態検出部が、(i)前記車体変位取得部によって取得された前記車体の上下方向の変位に基づいて、前記照射装置および前記撮像装置の、前記車両が存在する路面からの高さである取付高さをそれぞれ取得する取付高さ取得部と、(ii)少なくとも前記取付高さ取得部によって取得された前記照射装置および前記撮像装置の各々の前記取付高さに基づいて前記路面状態を検出する取付高さ依拠検出部とを含む請求項1または2に記載の路面状態検出装置。
  4. 前記車体姿勢検出装置が、前記車体の実際の前後方向の傾斜角度を検出する車体傾斜角度検出部を含み、前記姿勢依拠路面状態検出部が、(i)前記車体傾斜角度検出部によって検出された前記車体の前後方向の傾斜角度に基づいて、前記照射装置および前記撮像装置の、前記車両が存在する路面の法線に対する傾斜角度である取付角度をそれぞれ取得する取付角度取得部と、(ii)少なくとも前記取付角度取得部によって取得された前記照射装置および前記撮像装置の各々の前記取付角度に基づいて前記路面状態を検出する取付角度依拠検出部とを含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
  5. 当該路面状態検出装置が、(i)前記照射装置によって路面に照射されたマーカと、前記撮像装置のレンズとの間の距離であるワーキングディスタンスを取得するWD取得部と、(ii)少なくとも前記WD取得部によって取得されたワーキングディスタンスに基づいて前記路面状態を検出するWD依拠検出部とを含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
  6. 前記WD取得部が、前記マーカを表す画像が大きい場合は小さい場合より前記ワーキングディスタンスが短いと取得する手段を含む請求項5に記載の路面状態検出装置。
  7. 前記車体の前後方向の傾斜角度の絶対値が設定角度であっても、前記照射装置によって照射されたマーカが予め定められた形状の路面に照射され、かつ、前記撮像装置によって前記マーカが撮像される状態で、前記照射装置と前記撮像装置とが前記車体に取り付けられた請求項1ないし6のいずれか1つに記載の路面状態検出装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の路面状態検出装置を含み、その路面状態検出装置によって検出された路面状態に基づいて被制御対象輪のサスペンションを制御するサスペンション制御装置であって、
    前記路面状態検出装置が、前記被制御対象輪より前方の路面の状態を検出するものであり、
    当該サスペンション制御装置が、前記路面状態検出装置によって状態が検出された路面の部分を前記被制御対象輪が通過する場合に、その路面状態に起因する車体の振動を抑制するタイミングで前記サスペンションを制御するプレビュー制御部を含むことを特徴とするサスペンション制御装置。
  9. 前記路面状態検出装置が、前記被制御対象輪と前記路面状態検出装置によって状態が検出された路面の部分との間の距離であるプレビュー距離を取得するプレビュー距離取得部を含む請求項8に記載のサスペンション制御装置。
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