以下、本発明の実施形態による計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は対応する部材については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
また、以下の具体的な説明は、計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、計量装置を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。よって、計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態によるパッカースケール(計量装置)100の一例を示した図である。図2は、図1のパッカースケール100を鉛直方向に見た図である。図2では、図1のパッカースケール100をIIA−IIA視した図が示されている。
図1および図2に示すように、本実施形態のパッカースケール100は、包装機(図示せず)への被計量物(例えば、樹脂ペレット)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50(50A〜50D)と、包装機への被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える。
なお、以下の説明の便宜上、図1および図2において、被計量物が、大投入計量部10の途中(鉛直高さH)から中投入計量部50および小投入計量部30それぞれに被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。そして、中投入計量部50の主要部が配置されている側を「左」、小投入計量部30が配置されている側を「右」としている。
また、パッカースケール100では、「上方」(図示せず)から「下方」(図示せず)、すなわち鉛直方向、下向きに重力が作用しているものとする。また、上述した左右方向と垂直をなし、かつ鉛直方向と垂直をなす方向を前後方向(図1の紙面の手前側を「前」、奥側を「後」)として示している。
また、図1では、パッカースケール100の小投入計量部30の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケール100の右側に配置されている中投入計量部50の構成要素(図2に示す第4中投入計量部50D)の図示を省略している。
(大投入計量部の構成)
まず、本実施形態のパッカースケール100が備える大投入計量部10の構成について図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、大投入計量部10は、鉛直方向に立設する計量ホッパ本体20と、計量ホッパ本体20の下方に配された大投入計量ホッパ21と、を備える。
計量ホッパ本体20は、図1、図2に示すように、パッカースケール100の中央部に配され、水平方向(左右方向)に切り出した断面形状が矩形の箱体である供給部20Aと、供給部20Aの下方に配され、水平方向に切り出した断面形状が円形の箱体である排出部20Bとを備える。
計量ホッパ本体20の上端部11には、被計量物供給用の円形の供給口(不図示)が形成されており、この供給口を介して被計量物が、計量ホッパ本体20内に投入される。また、計量ホッパ本体20の供給口から被計量物を投入する場合、被計量物がエアーを抱き込むことがある。そこで、本実施形態のパッカースケール100は、計量ホッパ本体20の上端部11に、一対のメッシュ状のエアー抜き部(不図示)が設けられている。そして、計量ホッパ本体20内のエアーを、このエアー抜き部を用いて排気するように構成されている。これにより、計量ホッパ本体20内の被計量物の嵩密度が一定に保たれる。
計量ホッパ本体20の排出部20Bの下端部には被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、この排出口から計量ホッパ本体20外(すなわち、大投入計量ホッパ21内)に排出される。
但し、計量ホッパ本体20の排出口から被計量物を排出しない場合(計量ホッパ本体20内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、一対の大投入カットゲート15A、15Bを用いて塞ぐことができる。
大投入カットゲート15A、15Bはそれぞれ、回転軸14A、14Bを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、大投入カットゲート15A、15Bは、上記回転軸14A、14Bがそれぞれ、ACサーボモータ14の駆動力を用いて回転することにより、前後方向それぞれに2分されるように動く。なお、このとき、大投入カットゲート15A、15Bの開度は、図5に示すようにロータリエンコーダ70を用いて、大投入計量部制御用の指示制御器71により制御されている。図5は、図1のパッカースケール100の制御系の一例を示した図である。
このようにして、計量ホッパ本体20の排出口が、大投入カットゲート15A、15Bを用いて開放され、これにより、計量ホッパ本体20内の所定量の被計量物(目標重量未満の被計量物)が、大投入計量ホッパ21内に供給される。なお、上述したACサーボモータ14の駆動は、ACサーボドライバ74を用いて指示制御器71により制御されている。
大投入計量ホッパ21は、目標重量未満の被計量物が計量ホッパ本体20から供給されるとともに、供給された被計量物の重量を計量し、計量後の被計量物を排出するホッパである。大投入計量ホッパ21は、図1に示すように、大投入計量ホッパ本体21Aと一対の大投入計量ホッパゲート18A、18Bとを備え、計量ホッパ本体20から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出する。
また、大投入計量ホッパ21は、4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4に連結され、これらのロードセルLC1、LC2、LC3、LC4により支持されている。なお、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4は、パッカースケール100の架台に固定されている。ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器71に入力されるように構成されている。
大投入計量ホッパ21の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設され、この集合シュート22の下方には被計量物を包装機(図示せず)に充填するための充填シュート19がさらに配設されている。
上述した大投入計量ホッパ21や、中投入計量部50から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の充填シュート19において、小投入計量部30から排出される被計量物と一緒になる。そして、充填シュート19の排出口(図示せず)から包装機(図示せず)に送られる。
大投入計量ホッパゲート18A、18Bはそれぞれ、図1に示すように、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成されている。つまり、大投入計量ホッパゲート18A、18Bが、図1において、左右に2分されるように、リンク部が、ロータリアクチュエータ17の駆動力を用いて移動する。なお、ロータリアクチュエータ17の駆動は、図5に示すように、指示制御器71により制御されている。
すなわち、大投入計量部10は以上のように各部を備え、指示制御器71が大投入計量ホッパ本体21A内の被計量物の重量をロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて計量することができる。さらに、指示制御器71が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ることもできる。そして、指示制御器71がこの排出許可信号を受け取った場合、大投入計量ホッパ21の排出口が開放されるように大投入計量ホッパゲート18A、18Bを制御し、計量後の被計量物を、集合シュート22に送る。
(中投入計量部の構成)
次に、本実施形態のパッカースケール100が備える中投入計量部50の構成について説明する。本実施形態のパッカースケール100は、中投入計量部50として、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dを備えてなる構成である。図2に示すように、パッカースケール100の左側において前側から後側に向かって、順に第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、および第3中投入計量部50Cが直列に配されている。また、パッカースケール100の右側において、前側に第4中投入計量部50Dが配されている。
また、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは、中投入計量ホッパとして、第1中投入計量ホッパ64、第2中投入計量ホッパ65、第3中投入計量ホッパ66、および第4中投入計量ホッパ44を備えている。これら中投入計量ホッパでは、異なる比率(容積比率)となるように重量が調整された被計量物がそれぞれ供給される。そして、複数の中投入計量ホッパのうち、大投入計量ホッパ21により計量された被計量物の重量と目標重量との差に応じて実施された組合せ演算の演算結果に基づき決定された、被計量物を排出する組合せ対象となる中投入計量ホッパから、被計量物が排出される。
例えば、中投入計量ホッパにおける組合せ演算は、大投入計量ホッパ21により計量された被計量物の重量と目標重量との差に、さらに、小投入計量部30において被計量物の計量を可能とするために最低限度、小投入計量部30に供給する必要のある被計量物の重量を差し引いたその残余の重量に対して行なわれる。
なお、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは同様な構成を有する。このため、以下において、第1中投入計量部50Aの構成のみを代表して説明し、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dの説明については省略するものとする。
(第1中投入計量部50Aの構成)
まず、上述した図2、図5に加え、図3を参照して第1中投入計量部50Aの構成について説明する。図3は、図1に示すパッカースケール100を左方から見たときの第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、および第3中投入計量部50Cの配置関係の一例を示す図である。
第1中投入計量部50Aは、図2に示すように、第1中投入シュート61を備え、この第1中投入シュート61の下方には第1中投入計量ホッパ64が配されている。
第1中投入シュート61は、鉛直方向に立設する略円筒体であって、その下端部61Bに設けられた排出口から被計量物が第1中投入計量ホッパ64に排出されるように構成されている。また、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60と、この中継部60の下端部において前側に分岐した中空構造の第1中投入分岐部60Aとを介して、計量ホッパ本体20と第1中投入シュート61とが連通するようになっている。
なお、第1中投入シュート61の下端部61Bから被計量物を排出しない場合(例えば、第1中投入シュート61内に被計量物を一時保持する場合)、下端部61Bに設けられた排出口を、図3に示すように、第1中投入カットゲート54を用いて塞ぐことができる。
第1中投入カットゲート54は、第1中投入シュート61における排出口の開閉を行なうものであり、回転軸51Aを中心に前後方向に揺動可能となっている。
つまり、第1中投入シュート61の排出口の直下に置かれた第1中投入カットゲート54は、回転軸51Aが、ロータリアクチュエータ51の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。このように第1中投入カットゲート54が後方に移動することにより、第1中投入シュート61の排出口が開放された状態となり、第1中投入シュート61内の所定量の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に供給される。なお、ロータリアクチュエータ51の駆動は、図5に示すように、中投入計量部制御用の指示制御器73により制御されている。
第1中投入計量ホッパ64は、第1中投入シュート61から供給された被計量物の重量を計量するとともに、この供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ排出するためのものである。第1中投入計量ホッパ64は、第1中投入計量ホッパ本体64Aおよび第1中投入計量ホッパゲート67から構成される。
また、この第1中投入計量ホッパ64は、パッカースケール100の架台に固定されたロードセルLC5に連結されており、このロードセルLC5により支持されている。そして、ロードセルLC5から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等)を経て指示制御器73に入力されるようになっている。
第1中投入計量ホッパ64の下方には、集合シュート22が配設されている。そして、第1中投入計量ホッパ64から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の充填口(収容口)16を介して、充填シュート19に向かう。そして、被計量物はこの充填シュート19を通じて包装機(図示せず)に送られる。なお、充填口16とは、被計量物を収容させるために包装機が備える開口部である。また、充填シュート19は、充填口16を介して供給された被計量物を包装機内における所定の充填位置(図示せず)に導くものである。
第1中投入計量ホッパ64が備える第1中投入計量ホッパゲート67は、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ57の駆動力を用いて開閉可能となるように構成されている。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ57の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、本実施形態では第1中投入計量ホッパゲート67の駆動装置として、ロータリアクチュエータ57を用いた構成であるが、駆動装置はこれに限定されるものではない。例えば、駆動装置としてステッピングモータを用いる構成であってもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第1中投入計量ホッパ本体64A内の被計量物の重量をロードセルLC5からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第1中投入計量ホッパ64の排出口が、第1中投入計量ホッパゲート67によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
(小投入計量部の構成)
次に、本実施形態のパッカースケール100の小投入計量部30について図1、図2、図4、および図5を参照しながら詳しく説明する。図4は、図1に示すパッカースケール100を右方から見たときの第4中投入計量部50D、および小投入計量部30の配置関係の一例を示す図である。図4では、右方からみた第4中投入計量部50Dおよび小投入計量部30の配置関係が明確となるように、これら各部以外の部材については破線で示している。
なお、本実施の形態に係るパッカースケール100では、小投入計量部30が配置されている位置に特徴がある。さらにまた、上述した大投入計量部10および中投入計量部50のように集合シュート22に被計量物を排出するのではなく、小投入計量部30からの被計量物は、集合シュート22とは別途設けられた補助シュート23に排出される点でも特徴がある。なお、集合シュート(第1集合シュート)22とこの補助シュート(第2集合シュート)23とによって本発明の集合シュートを構成する。
また、集合シュート22と補助シュート23との間には、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパそれぞれから排出された被計量物がロスインホッパ42内に混入しないように隔離壁25が設けられ、それぞれが物理的に分離された構成となっている。このため、本実施の形態に係るパッカースケール100では、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパから排出された被計量物による、ロスインホッパ42への干渉を防ぐことができる。
以下において、小投入計量部30の構成について説明する。
小投入計量部30は、図1、図2、および図4に示すように、ロスイン投入シュート41、およびロスイン投入シュート41の下方に配されたロスインホッパ42を備える。この小投入計量部30は、パッカースケール100の右側において、第4中投入計量部50Dよりも後側に配されている。
ロスイン投入シュート41は、略鉛直方向に立設する略円筒体であって、小投入分岐部40Aの下端に配置されている。ロスイン投入シュート41は、小投入分岐部40Aとの連結部分から所定の距離(第4中投入シュート43が鉛直方向、下向きに延伸している距離と略同じ距離)では鉛直方向に延紳し、そこから前側方向に向かって下向きに傾斜している。そして、ロスイン投入シュート41は、集合シュート22の中心線上に至ると、この中心線上に沿うように鉛直方向に下向きに延伸する。そして、この延伸部分の先端部(下端部41B)は、補助シュート23内に入るように配置されている。
すなわち、ロスイン投入シュート41は、その下端部41Bが、図4に示す集合シュート22の中心線上に位置するように、小投入分岐部40Aの下端から折れ曲がって、充填口16の近傍まで延伸している。そして、ロスイン投入シュート41の下端部41Bに設けられた排出口から被計量物がロスインホッパ42に排出されるように構成されている。
なお、計量ホッパ本体20の右側面に接続される中空構造の中継部40と、この中継部40の下端部において後側に分岐した中空構造の小投入分岐部40Aとを介して、計量ホッパ本体20とロスイン投入シュート41とが連通するようになっている。
ここでロスイン投入シュート41の下端部41Bから被計量物を排出しない場合(例えば、ロスイン投入シュート41内に被計量物を一時保持する場合)、下端部41Bに設けられた排出口を、図4に示すように、ロスイン投入ゲート31を用いて塞ぐことができる。
ロスイン投入ゲート31は、ロスイン投入シュート41における排出口の開閉を行なうものであり、回転軸34Aを中心に左右方向に揺動可能となっている。
つまり、ロスイン投入シュート41の排出口の直下に置かれたロスイン投入ゲート31は、回転軸34Aが、ロータリアクチュエータ34の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退する。このようにロスイン投入ゲート31が移動することにより、ロスイン投入シュート41の排出口が開放された状態となり、ロスイン投入シュート41内の所定量の被計量物が、ロスインホッパ42内に供給される。なお、ロータリアクチュエータ34の駆動は、小投入計量部制御用の指示制御器72により制御されている。
ロスインホッパ42は、目標重量と、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパから排出される被計量物の重量との差を補うために、ロスイン計量を行いながら被計量物を排出するホッパである。このロスインホッパにより目標重量との差を微調整して補うことができる。ロスインホッパ42は、第4中投入計量ホッパ44よりも下方で充填口(収容口)16の近傍位置でかつ、図4における集合シュート22の中心線上であって、補助シュート23内に配置されている。すなわち、ロスインホッパ42は、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパよりも被計量物の供給先である包装機に近い位置に配置されている。
また、このロスインホッパ42は、鉛直方向に立設する略円筒体形状となっている。つまり、ロスイン投入シュート41と、ロスインホッパ42とは、集合シュート22の中心線上に鉛直方向に並んで配されている。そして、ロスイン投入シュート41から排出された被計量物は、ロスインホッパ42の上端部42Aに供給され、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口から被計量物が、補助シュート23に排出される。
補助シュート23は、集合シュート22の右側部に設けられており、集合シュート22に形成されているシュート開口部24を通じて連通している。このため、補助シュート23に排出された被計量物は、シュート開口部24を介して集合シュート22の下端部に設けられた充填口16に排出される。
ここで、ロスインホッパ42の下端部42Bから被計量物を排出しない場合(例えば、ロスインホッパ42内に被計量物を一時保持する場合)、下端部42Bにおける排出口を、ロスイン排出ゲート32(補助ホッパ)を用いて塞ぐことができる。
より具体的には、ロスイン排出ゲート32は、回転軸35Aを中心に左右方向に揺動可能となるように構成されている。そこで、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口の直下に置かれたロスイン排出ゲート32は、回転軸35Aが、ロータリアクチュエータ35の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退するように動く。
このようにロスイン排出ゲート32が右側に移動することで、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となり、ロスインホッパ42内の被計量物が、補助シュート23に供給される。なお、ロータリアクチュエータ35の駆動は、図5に示すように、指示制御器72により制御されている。
また、ロスインホッパ42は、パッカースケール100の架台に固定されているロードセルLC8に連結され、このロードセルLC8により支持されているそして、ロードセルLC8から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器72に入力されるように構成されている。
また、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ると、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口を開状態とするようにロスイン排出ゲート32に対して指示する。この指示に応じてロスイン排出ゲート32が移動して、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となると、ロスインホッパ42内の被計量物が、ロードセルLC8からの出力信号に基づいてロスイン排出される。なお、このロスイン排出において被計量物の単位時間の排出量が一定となるよう、被計量物の嵩密度に基づいて、ロスインホッパ42の直径が適宜の値に設定されている。これにより、所定時間内に適量の被計量物を補助シュート23に送ることができる。
(指示制御器の構成)
次に、本実施の形態に係るパッカースケール100における被計量物の計量制御に係る構成について説明する。まず、被計量物の計量制御を実施する指示制御器の構成について説明する。
本実施の形態に係るパッカースケール100では、計量制御を指示制御器71、72、73によって実施する。
指示制御器71、72、73は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROMやRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、重量表示部やメッセージ表示部等からなる表示部(図示せず)と、作業者が様々なデータを入力できるキー入力部(図示せず)と、により構成することができる。
本実施形態では、図5に示すように、指示制御器71、72、73が互いに協働して計量制御を実施しているがこれに限定されるものではない。例えば、指示制御器71、72、73の複数の制御器により計量制御を実施するのではなく、単独の制御器によって計量制御を実施する構成であってもよい。
指示制御器71は、上述したように、大投入カットゲート15A、15Bならびに大投入計量ホッパゲート18A、18Bを開閉するためのアクチュエータ(上記ACサーボモータ14およびロータリアクチュエータ17)の動作を制御する制御器である。また、指示制御器71は、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいて大投入計量ホッパ21に保持されている被計量物の重量を算出するものでもある。
指示制御器72は、上述したように、ロスイン投入ゲート31およびロスイン排出ゲート32を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ34、35)の動作を制御する制御器である。また、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいてロスインホッパ42内の被計量物の重量を算出するものでもある。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視している。よって、指示制御器72は、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めることができる。かかる小投入計量部30によるロスイン計量を用いることにより、被計量物の排出量を高精度に調整できる。
指示制御器73は、上述したように、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、および37、ならびに第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、および38を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ51、52、53、および36、ならびにロータリアクチュエータ57、58、59、および39)の動作を制御する制御器である。また、指示制御器73は、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれを支持するロードセルLC5、LC6、LC7、LC9のそれぞれからの出力信号を受け取り、これらの出力信号に基づいて第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量を算出するものでもある。
更に、指示制御器73は、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44による組合せ演算も行う。つまり、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入計量部10への被計量物の大投入と、容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50への被計量物の中投入と、小投入計量部30への被計量物の小投入とによって、被計量物の重量が目標重量に近似するようにしている。指示制御器73は、このうち容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50へ投入された被計量物の組合せのうち、所望の重量に最も近い組合せを求める処理、すなわち組合せ演算を行う。より具体的には、指示制御器73は、異なる容積比率(比率)に調整された4個の被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の重量の合計が、組合せ目標重量に最も近くなる第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44の組合せを求め、組合せ対象として選ばれた中投入計量ホッパの被計量物が集合シュート22に排出される。
(パッカースケールにおける計量制御)
上述した指示制御器71、72、73の制御指示の下、実施される計量制御について、図6および図7を参照して以下に説明する。図6および図7により、本発明の実施形態のパッカースケール100における被計量物の計量制御に係る投入動作、計量動作および排出動作の一例を示す。
図6は、本実施形態のパッカースケール100において用いられる各ゲートの開閉タイミングの一例を示すタイムチャートである。また、図7は、本発明の実施形態のパッカースケール100における被計量物の計量制御に係る投入動作、計量動作および排出動作の一例を示す図であり、同図(a)は、図1のパッカースケール100による被計量物の投入および排出のタイミングの一例を示すタイムチャートである。図7(b)は、図1のパッカースケール100による被計量物の投入(排出)重量の時間変化の一例を示すグラフである。
まず、本実施形態のパッカースケール100による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業として、作業者が、被計量物を供給口12から計量ホッパ本体20内に投入する。なお、このとき、パッカースケール100に用いられるゲートは全て閉じられている。
すると、供給口12からの被計量物は、その自重により計量ホッパ本体20の下方に向かって落下し、計量ホッパ本体20内に堆積する。計量ホッパ本体20内の被計量物が、所定の鉛直高さH(図1(a)、図3および図4参照)にまで堆積したとき、被計量物が、左右の中継部40、60のそれぞれにもこれらの開口部40D、60Dを介して自重落下し始める。すると、図3に示すように、開口部60Dからの被計量物は、中継部60の下端部において中継部60から第1、第2および第3中投入分岐部60A、60B、および60Cに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第1、第2および第3中投入シュート61、62、および63のそれぞれに堆積する。また、図4に示すように、開口部40Dからの被計量物は、中継部40の下端部において中継部40から第4中投入分岐部40Bおよび小投入分岐部40Aに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第4中投入シュート43およびロスイン投入シュート41のそれぞれに堆積する。最終的には、計量ホッパ本体20および中継部40、60のそれぞれの内部に被計量物が満たされるよう、供給口12から被計量物を投入する。
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業が完了すると、パッカースケール100の動作開始ボタン(図示せず)が押されることにより、指示制御器71、72、73が、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
まず、図6の大投入計量部10では、大投入カットゲート15A、15Bが、計量ホッパ本体20の排出口を開放させるように動く。すると、図7(a)および図7(b)に示すように、計量ホッパ本体20内の被計量物が、大投入計量ホッパ21内にボリューム投入(供給)される。
このとき、指示制御器71は、大投入カットゲート15A、15Bの開度および計量ホッパ本体20の排出口の開放時間を制御することにより、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBを被計量物の嵩密度に基づいて被計量物の目標重量MTを僅かに下回る重量(例えば、目標重量MTの98%程度)に調整することができる。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器71は、大投入計量ホッパ21の真上の大投入カットゲート15A、15Bを用いて、大投入計量ホッパ21に、目標重量MT未満の適量(ボリューム投入重量MB)の被計量物をタイマー充填により供給する。そして、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、指示制御器71は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算する。これにより、指示制御器71は、目標重量MTの不足重量(目標重量MT−ボリューム投入重量MB)を演算し、その結果、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MR(図7(b)参照)を決定でき、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44での最適な組合せを選択できる。
その後、図6に示すように、指示制御器71は、適時に大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、この排出口から被計量物をボリューム排出する。
また、図6の第1中投入計量部50Aでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間、第1中投入カットゲート54が移動して第1中投入シュート61の排出口を開放させる。これにより、第1中投入シュート61内の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第1中投入シュート61の排出口の開放時間を制御することにより、第1中投入計量ホッパ64への被計量物の投入重量S1を調整する。つまり、ここでの投入重量S1は、被計量物の嵩密度に基づき所定の比率で調整された重さとなる。そして、ロードセルLC5での計量安定待ち時間T2が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC5からの出力信号に基づいて実際の被計量物の投入重量S1を求める。
投入重量S1を求めた後に、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第1中投入計量ホッパ64を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第1中投入計量ホッパゲート67を移動させて第1中投入計量ホッパ64の排出口を開放させる。このようにして、第1中投入計量ホッパ64の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第3中投入計量部50Cでは、図6に示すように、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間、第3中投入カットゲート56が移動して第3中投入シュート63の排出口を開放させる。これにより、第3中投入シュート63内の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第3中投入シュート63の排出口の開放時間を制御することにより、第3中投入計量ホッパ66への被計量物の投入重量S2を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の2倍)に調整することができる。なお、この場合、第3中投入シュート63の排出口の開放時間は、投入重量S2が投入重量S1の2倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T3が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S2を求める。
投入重量S2を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第3中投入計量ホッパ66を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第3中投入計量ホッパゲート69を移動させて第3中投入計量ホッパ66の排出口を開放させる。このようにして、第3中投入計量ホッパ66の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第2中投入計量部50Bでは、図6に示すように、大投入計量ホッパ21に対して、被計量物のボリューム投入が行われている間に、第2中投入カットゲート55が移動して第2中投入シュート62の排出口を開放させる。これにより、第2中投入シュート62内の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第2中投入シュート62の排出口の開放時間を制御することにより、第2中投入計量ホッパ65への被計量物の投入重量S3を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の4倍)に調整する。なお、この場合、第2中投入シュート62の排出口の開放時間は、投入重量S3が投入重量S1の4倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。
そして、ロードセルLC6での計量安定待ち時間T4が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC6からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S3を求める。
投入重量S3を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第2中投入計量ホッパ65を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第2中投入計量ホッパゲート68を移動させて第2中投入計量ホッパ65の排出口を開放させる。このようにして、第2中投入計量ホッパ65の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第4中投入計量部50Dでは、図6に示すように、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間に、第4中投入カットゲート37が移動して第4中投入シュート43の排出口を開放させる。これにより、第4中投入シュート43内の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第4中投入シュート43の排出口の開放時間を制御することにより、第4中投入計量ホッパ44への被計量物の投入重量S4を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の8倍)に調整する。なお、この場合、第4中投入シュート43の排出口の開放時間は、投入重量S4が投入重量S1の8倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。
そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T5が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S4を求める。
投入重量S4を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第4中投入計量ホッパ44を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第4中投入計量ホッパゲート38を移動させて第4中投入計量ホッパ44の排出口を開放させる。このようにして、第4中投入計量ホッパ44の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、小投入計量部30では、図6に示すように、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を開放する。これにより、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
このとき、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を監視し、ロスインホッパ42への被計量物の投入重量が、被計量物の不足重量分(例えば、前回のサイクルで使用した重量分)に達したときに、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を閉める。そして、ロスイン投入におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T7が経過すると、指示制御器72は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させ、ロードセルLC8からの出力信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口から少量(例えば、上記投入重量S1未満)の被計量物をロスイン排出する。
なお、ロスイン排出後、ロードセルLC8での計量安定待ち時間(例えば、計量安定待ち時間T6)経過後に、再び、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
上記した構成を有するパッカースケール100では、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入(タイマー充填)のタイミング、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれへの被計量物の中投入のタイミング、および、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入のタイミングのうちの少なくとも一対の投入タイミングが、オーバーラップするように構成されている。例えば、図6に示す例では、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入(タイマー充填)のタイミングと、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれへの被計量物の中投入のタイミングと、がオーバーラップするように構成されている。
また、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、および37はそれぞれ、ほぼ同時に開くとともに、投入重量S1、S2、S3、S4それぞれに調整されると適時に閉まるように構成されている。
このように本実施形態のパッカースケール100では、パッカースケール100における計量処理に係る処理時間、より具体的には、投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮することができる。
さらにまた、大投入計量ホッパ21からの被計量物のボリューム排出のタイミングと、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれからの被計量物の組合せ選択排出のタイミングと、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出のタイミングと、が、オーバーラップしている。
また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38およびロスイン排出ゲート32はそれぞれ、ほぼ同時に開き、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38はそれぞれ、ほぼ同時に閉まるように構成されている。
また、大投入計量部10の大投入カットゲート15A、15Bによる被計量物のタイマー充填を用いて、大部分(例えば、95%以上)の被計量物を適量、大投入計量ホッパ21に一気にボリューム投入することができる。
さらにまた、パッカースケール100は、図7に示すように、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過したら、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38およびロスイン排出ゲート32のそれぞれを即座に開く構成である。また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38のそれぞれを閉める際に、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、および37のそれぞれがすでに開き始めるようにも構成されている。
このように構成されているため、パッカースケール100では、計量処理に係る処理時間、より具体的には、投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮することができる。
また、パッカースケール100は、上述のように、被計量物の重量を異なる比率(ここでは、投入重量S1:投入重量S2:投入重量S3:投入重量S4=1:2:4:8の比率重を例示)となるように調整した被計量物を、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれに供給する。そして、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44内のそれぞれの被計量物の重量に基づいた組合せ演算を行う構成である。
そして、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入後、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1を経過すると、指示制御器71は、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを求める。
このように、組合せ演算に用いる組合せ目標重量は、被計量物の目標重量MTと被計量物のボリューム投入重量MBと被計量物のロスイン排出重量MRとに基づいて設定される。例えば、図7(b)に示すように、ロスイン排出において好都合なロスイン排出重量MRを予め定め、被計量物の目標重量MTからロスイン排出重量MRを差し引き、この差分重量(MT−MR)と被計量物のボリューム投入重量MBとの差を、組合せ目標重量として設定する。
このように、パッカースケール100では、被計量物の重量を目標重量MTに最終調整するのに、高精度のロスイン排出を用いる構成であり、被計量物の計量精度(カット精度)を高精度に維持できる。また、パッカースケール100では、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれの内、被計量物の重量の合計が、組合せ目標重量に最も近くなる第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44の組合せを求める構成である。そして組合せ対象として選ばれた中投入計量ホッパから被計量物が組合せ選択排出される。
ところで、本実施の形態に係るパッカースケール100では、上述したように、小投入計量部30では、ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させ、ロードセルLC8からの出力信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口から少量の被計量物をロスイン排出する構成である。一方、大投入計量部10では、大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、この排出口から被計量物をボリューム排出する構成である。また、中投入計量部50は、中投入計量ホッパゲートを移動させて中投入計量ホッパの排出口を開放させ、被計量物を組合せ選択排出させる構成である。
すなわち、小投入計量部30は、ロスイン計量を行いながら被計量物の排出を行う構成であるが、大投入計量部10および中投入計量部50はそれぞれゲートの開閉により被計量物の排出を行う構成である。このため、後者よりも前者の方が排出にかかる時間が大きくなる。それゆえ、図7(a)に示すように、大投入計量部10におけるボリューム排出、中投入計量部50における組合せ選択排出、および小投入計量部30におけるロスイン排出を同時に開始したとしても、ロスイン排出にかかる時間が他の排出処理よりも大きくなるため、その大きくなった分だけ被計量物の計量サイクル時間(計量処理に係る1サイクル時間)が長くなる。逆に、このロスイン排出にかかる時間を短縮できれば、その短縮した時間分だけ計量サイクル時間を短縮できる。
ここで、本実施の形態に係るパッカースケール100は、図1、2に示すように、ロスイン排出ゲート32が、充填口16近傍に配置されている点で特徴的な構成を有する。すなわち、大投入計量ホッパゲート18A,18B、第1中投入計量ホッパゲート67、第2中投入計量ホッパゲート68、第3中投入計量ホッパゲート69、および第4中投入計量ホッパゲート38が配置されている位置よりも、ロスイン排出ゲート32が配置されている位置の方が充填口16までの距離が短くなっている。
このため、大投入計量ホッパゲート18A,18B、第1中投入計量ホッパゲート67、第2中投入計量ホッパゲート68、第3中投入計量ホッパゲート69、および第4中投入計量ホッパゲート38と同じ高さ位置にロスイン排出ゲート32が配置されている構成(一般的なロスイン排出の構成)と比較して、排出された被計量物が自重により落下し充填口16まで達する距離を短くすることができる。このため、図7(a)、(b)に示すように本実施の形態に係るパッカースケール100は、一般的なロスイン排出の構成と比較してロスイン排出にかかる時間をT8だけ短縮することができる。つまり、計量処理に係る1サイクル時間をT8の分だけ短縮することができる。
また、小投入計量部30では、ロスインホッパ42、ロスイン投入ゲート31、ロスイン排出ゲート32等が補助シュート23内に収容されている。このため、大投入計量ホッパゲート18A,18B、第1中投入計量ホッパゲート67、第2中投入計量ホッパゲート68、第3中投入計量ホッパゲート69、および第4中投入計量ホッパゲート38それぞれから排出された被計量物が飛散して、ロスインホッパ42内に混入することを防ぐことができる。また、大投入計量ホッパゲート18A,18B、第1中投入計量ホッパゲート67、第2中投入計量ホッパゲート68、第3中投入計量ホッパゲート69、および第4中投入計量ホッパゲート38それぞれから排出された被計量物が集合シュート22の下方、充填口16近傍に溜まってしまい、それに小投入計量部30(ロスインホッパ42、ロスイン投入ゲート31、ロスイン排出ゲート32等)が埋もれてしまうことを防ぐことができる。
このように、本実施形態では、ロスインホッパ42、ロスイン投入ゲート31、ロスイン排出ゲート32等を補助シュート23内に収容させる構成である。このため、大投入計量ホッパゲート18A,18B、第1中投入計量ホッパゲート67、第2中投入計量ホッパゲート68、第3中投入計量ホッパゲート69、および第4中投入計量ホッパゲート38よりも下方に位置させることができる。
なお、本実施の形態に係るパッカースケール100では、ロスインホッパ42、ロスイン投入ゲート31、ロスイン排出ゲート32等を収容するための補助シュート23を、集合シュート22とは別に設けた構成であった。しかしながらこの構成に限定されるものではない。例えば、大投入計量ホッパ21、中投入計量ホッパ(第1中投入計量ホッパ64、第2中投入計量ホッパ65、第3中投入計量ホッパ66、および第4中投入計量ホッパ44)それぞれから排出された被計量物が飛散してきて混入したり、充填口16近傍に溜まった被計量物によって埋まったりしないように集合シュート22内に隔離壁25を形成した構成であってもよい。このように、集合シュート22内に設けられた隔離壁25によって、ロスインホッパ42から被計量物が排出される空間と、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパそれぞれから被計量物が排出される空間とを物理的に分離する構成であってもよい。
また、本実施の形態に係るパッカースケール100では、1つの充填口16、充填シュート19を介して被計量物が包装機に送り込まれる構成であった。しかしながらこの構成に限定されるものではない。例えば、充填口16、充填シュート19とは別に、充填口および充填シュートを新たに設け、ロスイン排出ゲート32から排出された被計量部物だけこの新たに設けられた充填口および充填シュートを介して包装機に送り込まれる構成であってもよい。
このように、充填口及び充填シュートを新たに設ける構成の場合、ロスイン排出された被計量物については別ルートで包装機に送り込むことができるため、充填シュート19から排出される被計量物の量を低減させることができる。このため、充填口16近傍に溜まる被計量物の量を低減させることができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。