JP2013142311A - ウォータポンプ - Google Patents

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Yasunori Ota
康徳 太田
Atsutoshi Ikegawa
敦俊 池川
Kenichi Komai
健一 駒井
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Abstract

【課題】構成が簡単で軽量・コンパクトなクラッチ機構を備えたウォータポンプを得る。
【解決手段】巻き掛けられたベルトにより回転駆動されるよう装置本体に軸支されたプーリ7と、プーリ7の回転軸芯Xと同軸芯で回転可能に装置本体に軸支された回転軸3と、回転軸3の一端側に冷却水を流通させるよう備えた羽根部4と、羽根部4とは反対側に回転軸3と一体回転する状態に設けられ、流体の給排によって自身が膨張収縮可能であり、膨張状態においてプーリ7の一部に当接して回転軸3を回転させる弾性部材8と、弾性部材8に対して流体を供給・排出する流体給排部9とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻き掛けられたベルトにより回転駆動されるよう装置本体に軸支されたプーリと、プーリの回転軸芯と同軸芯で回転可能に装置本体に軸支された回転軸と、回転軸の一端側に冷却水を流通させるよう備えた羽根部と、羽根部とは反対側に回転軸と一体回転する状態に設けられ、前記プーリに対して係合離脱可能なクラッチ部を備えたウォータポンプに関する。
例えば、自動車のエンジンに備えられるウォータポンプの場合、エンジン冷却水の温度が低いときにはウォータポンプを駆動する必要はない。従来のウォータポンプの中には冷却水の温度が設定値を越えた際にクラッチ機構を入り操作してウォータポンプを作動させ、冷却水をラジエータに循環させる制御が行われるものがある。
このようなウォータポンプを制御するクラッチ機構としては、例えば特許文献1に示すものがある。即ち、ベルトの駆動により駆動回転するプーリの内部でプーリと同軸芯に回転軸を備え、プーリの回転力を回転軸に伝える構成が示されている。回転軸の端部には冷却水を流通させるインペラが備えられており、このクラッチ機構の入切によってインペラへの駆動力を断続し、ウォータポンプの駆動を制御している。
特許文献1では、回転軸に外嵌する固定部に板バネが支持され、この板バネの外周部分にアーマチュアとクラッチ板とが備えてある。プーリの内部空間にはコイルが備えられている。クラッチ板はプーリの側面に隣接配置され、コイルに通電することによりアーマチュアが回転軸に沿って移動し、プーリの側面に引き寄せられる。これにより、クラッチ板がプーリの側面に圧接され、プーリの駆動回転力を、クラッチ機構を介して回転軸に伝え、ウォータポンプを駆動するように構成されている。
特開2011‐202526号公報
このようなクラッチ機構では、プーリの回転駆動力を回転軸に伝えるために、まず、アーマチュアを設ける必要がある。このアーマチュアは、駆動力が伝達される側の回転軸と一体回転し、かつ、回転軸の軸芯方向に沿ってスラスト移動可能に構成されなければならない。このような機構は限られた空間の中で構成しなければならず、構成が複雑となり、組み立ても煩雑となる。
また、アーマチュアをプーリの側に引き付けるコイルユニットが必要となるが、このコイルユニットは、アーマチュアとプーリとの当接状態を確実に維持するため、所定の磁力を発生させ得る大きさのものが求められる。このため、ウォータポンプのサイズが大きくなり、それに伴なって重量も増加する。
このように、従来のウォータポンプでは、特にクラッチ機構の構成が煩雑で組立工数が増加し、サイズ・重量も大きくなって搭載性に劣るなど、未だ改善すべき点が多い。
本発明の目的は、構成が簡単で軽量・コンパクトなクラッチ機構を備えたウォータポンプを得ることにある。
〔第1の特徴構成〕
本発明に係るウォータポンプの第1特徴構成は、巻き掛けられたベルトにより回転駆動されるよう装置本体に軸支されたプーリと、前記プーリの回転軸芯と同軸芯で回転可能に前記装置本体に軸支された回転軸と、前記回転軸の一端側に冷却水を流通させるよう備えた羽根部と、前記羽根部とは反対側に前記回転軸と一体回転する状態に設けられ、流体の給排によって自身が膨張収縮可能であり、膨張状態において前記プーリの一部に当接して前記回転軸を回転させる弾性部材と、前記弾性部材に対して前記流体を供給・排出する流体給排部と、を備えた点にある。
〔作用効果〕
本構成のごとく、特に、流体の給排によって自身が膨張収縮可能な弾性部材を用いてプーリと回転軸との回転接続を行うものであれば、従来のウォータポンプが備えるクラッチ機構のように多数の部品を使う必要がなくなる。よって、クラッチ機構の構成を極めて簡単にかつ軽量に構成することができる。
また、弾性部材を用いるので、プーリと回転軸との間隔のバラつきや、両者間の隙間空間の形状に拘らず、両者に柔軟に当接させることができる。よって、プーリと回転軸との間に弾性部材を設置する際に厳しい取り付け精度は要求されない。
このように、本発明のウォータポンプはクラッチ機構を合理的に構成できる結果、装置のコストも低減することができる。
〔第2の特徴構成〕
本発明に係るウォータポンプの第2特徴構成は、前記弾性部材が環状のゴムチューブであり、前記回転軸から径方向に突出して設けられたホイール部の外周部に前記ゴムチューブを取り付けた点にある。
〔作用効果〕
弾性部材とプーリとは単に当接するだけであり、羽根部の駆動力は弾性部材の摩擦力に依存する。この摩擦力は、流体給排部の能力によって増減するが、弾性部材の膨張率を高めて押し付け力を増大させるにしても一定の限界がある。そこで本構成のごとく、回転軸に設けたホイールの外周部に弾性部材を設けることとすれば、回転軸からプーリまでの距離を長く確保し、羽根部を回転させるトルクを増大させて、羽根部を確実に回転させることができる。
さらに、ホイール部の半径を長くすることで、弾性部材の容量を小さくでき、クラッチ機構のサイズをコンパクトにすることも可能となって、合理的なウォータポンプを得ることができる。
〔第3の特徴構成〕
本発明に係るウォータポンプの第3特徴構成にあっては、前記プーリに、膨張した前記弾性部材のうち前記回転軸芯から最も遠い部位が当接する第1当接部を設けると共に、当該第1当接部よりも前記回転軸芯の側に前記膨張した弾性部材の他の部位が当接する少なくとも一つの第2当接部を備えておくことができる。
〔作用効果〕
本構成のように、弾性部材の複数の部位をプーリに当接させることで、プーリに当接する弾性部材の面積が増大する。よってプーリと弾性部材との間に発生する摩擦力が増大し、駆動力の伝達能力が向上する。
〔第4の特徴構成〕
本発明に係るウォータポンプの第4特徴構成においては、前記回転軸芯から離れる方向に突出可能な爪部を前記回転軸の側に設け、当該爪部と係合可能な受部を前記プーリに設けておくことができる。
〔作用効果〕
エンジンを稼動させている最中には、例えば運転者がアクセルをオンオフ操作することなどに起因してエンジン回転数が変化し、それに伴なってプーリの回転速度も変化する場合がある。その際、プーリと回転軸との駆動伝達を弾性部材のみで行っていると、プーリと回転軸との間で速度差が生じようとする度に回転方向に沿ったせん断力が弾性部材に作用する。このような外力は弾性部材の劣化を早める。
そこで、本発明のごとくプーリと回転軸とを一体係合する爪部を設けておけば、弾性部材に上記せん断力が作用することを阻止して、弾性部材の耐久性を高めることができる。
尚、爪部がプーリの側に係合したあとは、場合によっては弾性部材から流体を排出して弾性部材の使用を休止することもでき、この点においても弾性部材の耐久性の向上に寄与する。
〔第5の特徴構成〕
本発明に係るウォータポンプの第5特徴構成として、前記爪部を前記回転軸の側に常時付勢し、前記爪部に作用する遠心力の増大に伴なって前記爪部が外方へ突出可能となる付勢手段を、前記爪部と前記回転軸とに亘って設けておくことができる。
〔作用効果〕
本構成のごとく、遠心力によって爪部が外方に突出可能に構成しておけば、特にプーリおよび回転軸が高速で回転している場合に両者を確実に一体化することができる。つまり特に大きなせん断力が作用し易い状況において両者を一体回転させることができるため、弾性部材の耐久性を一層高めることができる。
第1実施形態に係るウォータポンプの構造を示す断面図 弾性部材を膨張させた状態を示す断面図 第2実施形態に係るウォータポンプの構造を示す断面図 第3実施形態に係るウォータポンプの構造を示す断面図 第4実施形態に係るウォータポンプの構造を示す断面図 第5実施形態に係るウォータポンプの構造を示す断面図
〔概要〕
本発明の実施形態に係るウォータポンプについて図1乃至図6を用いて説明する。本実施形態のウォータポンプは、クラッチ機構Cを備えており、このクラッチ機構Cを任意のタイミングで稼動させてウォータポンプを始動させることができる。
このウォータポンプは、例えば、乗用車などのエンジン(図示せず)に用いられる。エンジンのポンプハウジング1にはボス状部1Aが形成してあり、このボス状部1Aの内周側に設けた滑り軸受2を介して回転軸3を支持してある。回転軸3の一方の端部には羽根部4を設けてある。回転軸3とポンプハウジング1との間にはシール5を配置してある。ボス状部1Aの外周側にはプーリ軸受6を介してプーリ7を支持している。回転軸3とプーリ7とは共に回転軸芯Xを中心に回転する。プーリ7は、回転軸3の他端側に設けてあり、エンジンのクランクシャフト(図示せず)および環状ベルトによって回転駆動される。プーリ7と回転軸3との間にはエンジン冷却水の温度等に応じて回転伝達を入切可能なクラッチ機構Cを備えている。
〔第1実施形態〕
本実施形態のクラッチ機構Cを図1および図2に示す。図1は、クラッチ機構Cが接続されていない状態を示す。図2は、クラッチ機構Cが接続された状態を示す。
本実施形態のクラッチ機構Cは、流体の給排によって自身が膨張収縮可能な弾性部材8を備えている。弾性部材8としては、図1に示すごとく、回転軸3のうち、羽根部4と反対側の端部に回転軸3の周囲を取り囲むように例えば環状のゴムチューブを配置する。この弾性部材8は回転軸3と一体回転する。また、弾性部材8の内部に対して流体を供給・排出する流体給排部9を設けてある。この流体給排部9は、流体の一例である空気を弾性部材8に給排するよう回転軸3部などに設けた連通路91と、当該連通路91に対する空気の給排を行うコンプレッサ92とを有する。弾性部材8は、空気の給排によって自身が膨張収縮可能である。弾性部材8は膨張した状態でプーリ7の当接部71に当接し、この押し付けによって生じる摩擦力の作用でプーリ7と回転軸3とを一体回転させる。
弾性部材8に空気を供給するタイミングは、例えばポンプハウジング1に設けた温度計10の測定値に基づいて行う。例えば、エンジンの始動直後は、エンジンを早期に暖機する必要があるためウォータポンプを駆動させない場合がある。そのためにポンプの駆動開始温度が例えば50℃程度となるように制御部11に記憶させておく。エンジン冷却水の温度が上昇し、予め設定した駆動開始温度に到達した時点でコンプレッサ92に空気を供給する。その結果、弾性部材8が膨張し、ウォータポンプの回転が始まる。
一方、エンジン冷却水の温度が低下した場合には、コンプレッサ92の空気の供給を停止し、弾性部材8の空気をドレインする等して弾性部材8を収縮させる。
本実施形態のクラッチ機構Cの最もシンプルな構成は、図2に示すごとく弾性部材8を比較的自由に膨張させ、弾性部材8の外方に設けたプーリ7の当接部71に弾性部材8を接触させるものである。プーリ7の当接部71は、回転軸芯Xと平行な方向に延出する円筒状の内面である。本構成であれば、弾性部材8を配置すると共に、空気を供給するコンプレッサ92および連通路91を設けるだけの構成でよい。
尚、弾性部材8の膨張態様を、特定の方向、例えば、径外方向に多く変形させたい場合には、当該径方向の領域においてゴムの厚みを薄くするなど弾性部材8の構成を設計しておく。このように弾性部材8の膨張方向を特定することで、弾性部材8が他の部位に接触してプーリ7から回転軸3への円滑な駆動伝達が損なわれることを防止できる。
本実施形態のごとく、クラッチ機構Cを自身が膨張・収縮する弾性部材8を用いて構成することで、プーリ7と回転軸3とが正確に同軸芯状態に構成されていない場合でも、弾性部材8の変形によってプーリ7と弾性部材8との片当たりを防止し、両者を一体回転させることができる。弾性部材8の変形は、流体の供給・排出によって容易に実現可能であるから、クラッチ機構Cを簡便に構成することができ、低コストのウォータポンプを得ることができる。
〔第2実施形態〕
図3には、本発明の第2実施形態を示す。即ち、回転軸3にホイール部12を設けておき、この外周に弾性部材8を設けることができる。
ホイール部12は、回転軸3に対して例えば円盤状の部材を設けたり、複数の支柱を設けると共にその先端部に円環状の部材を取り付けるなど、各種の構成を採用可能である。図3では、円盤状の基部12aの外周部に筒状の台部12bを設けて、ホイール部12の断面形状をT字状に構成した例を示す。一方の弾性部材8は、環状のゴムチューブなどで構成しておく。
本構成であれば、弾性部材8の内部容積を所定の範囲に抑えつつ、回転軸芯Xから離れた位置に弾性部材8を配置することができる。弾性部材8とプーリ7とは単に当接するだけであり、羽根部4の駆動力は弾性部材8の摩擦力に依存する。この摩擦力は弾性部材8の膨張程度によって増減するが、弾性部材8の膨張収縮能力等を勘案した場合、摩擦力を大きくするにも一定の限界がある。その分、本構成のごとく、回転軸3からプーリ7までの距離を長く確保することで、羽根部4を回転させるトルクを増大することができる。ホイール部12の半径が長くなれば弾性部材8に求められる摩擦力は低減する。よって、弾性部材8の容量を小さくしてクラッチ機構Cのサイズをコンパクトにするなど、合理的なクラッチ機構Cを得ることができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態のクラッチ機構Cは、弾性部材8をプーリ7の複数箇所に当接させるよう構成することができる。例えば、図4に示すごとく、プーリ7の当接部71をコの字状に構成する。この場合、膨張した弾性部材8のうち、回転軸芯Xから最も遠い最外周部がプーリ7の筒状の内面71a(第1当接部の一例)に当接する。また、弾性部材8の外面のうち、回転軸芯Xと平行な方向に沿って互いに反対方向に向く部位が、プーリ7のコの字状の面を構成する対向面71b(第2当接部の一例)に夫々当接する。
このように弾性部材8の複数の部位をプーリ7に当接させると、弾性部材8とプーリ7との当接面積が増大し、両者間に生じる摩擦力が増大する。よって、駆動力の伝達能力が向上する。
また、プーリ7の当接部71を図4に示すようなコの字状に構成することで、弾性部材8の膨張後の形態が規制される。つまり、弾性部材8がプーリ7の形状に倣うように膨張しながら、プーリ7に対する弾性部材8の当接部71の容積が増大する。その際、弾性部材8の何れかの表面部が当接部71から外れて膨張することはなく、略全ての表面部が摩擦力の発生に寄与する。よって、両者間に発生する摩擦力が大きく確実なものとなり、ウォータポンプが確実に駆動回転される。図4では、弾性部材8の初期の断面形状をプーリ7の形状に合わせて略矩形に構成してある。ただし、膨張時にプーリ7の当接部71と確実に当接するものであれば、弾性部材8を単なる丸断面形状にするなど各種の形状に構成可能である。
さらに本構成のごとく、プーリ7のコの字状の部位をホイール部12の台部12bの近傍まで延出させることで、プーリ7とホイール部12とで弾性部材8を取り囲む円環状のトンネル空間が形成される。これにより、弾性部材8とプーリ7との間に異物が進入するのを防止するなど、当該クラッチ機構Cの信頼性・耐久性を高めることができる。
さらに、図4の例において、弾性部材8が膨張する際に、まず弾性部材8の側面がプーリ7の対向面71bに当接し、次に弾性部材8の最外周部がプーリ7の円筒状の内面71aに当接するように、弾性部材8の膨張態様あるいはプーリ7の形状を設定しておいてもよい。この場合、弾性部材8のうち回転軸芯Xに近い側の部位から順次プーリ7に当接する。よって、静止している回転軸3が既に高速で回転しているプーリ7と当接を開始する際に、回転周速度の低い内側から当接することとなり、弾性部材8に掛かる負担を軽減することができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態に係るクラッチ機構Cは、図5に示すごとく爪部13を設けることができる。このような爪部13を設けることにより、特にエンジンを高速回転している際にプーリ7と回転軸3とを確実に一体化することができる。
エンジンが高速で運転されている最中にも、運転者は例えばアクセルのオンオフ操作を行う。エンジンのクランクシャフトとプーリ7とは連動回転していることが多いため、上記オンオフ操作に伴ってプーリ7の回転数が変動する。その際、プーリ7と回転軸3との駆動伝達を弾性部材8のみで行っていると、慣性回転しようとする回転軸3と速度が変化したプーリ7とにより、弾性部材8に対して回転方向にせん断力が作用する。このような外力は弾性部材8の劣化を早めてしまう。
これを防止するために図5に示すような爪部13を設ける。この爪部13は、例えば、ホイール部12に設けた複数のガイド部14にスライド可能に支持させる。ガイド部14には爪部13を回転軸芯Xに対する径方向内側に付勢するバネ15を設けてある。例えば、アイドリング状態のように回転軸3の回転速度が遅い場合には、このバネ15の付勢力によって爪部13は回転軸芯Xの側に保持される。一方、エンジン回転数が増大した高負荷運転中などには、爪部13に作用する遠心力がバネ15の付勢力に勝って爪部13は外方に突出する。プーリ7には、爪部13が突入可能な受部としての孔部16が周方向に沿って多数形成してあり、爪部13の係合によってプーリ7と回転軸3とが一体となる。なお、孔部16を形成するプーリ7の部位は、弾性部材8が当接する前記当接部71を利用してもよいし、図5に示すように、プーリ7に別途フランジ部72を形成しておいても良い。
図5には、爪部13が係合するよう孔部16を記載してあるが、これに代えて、爪部13の天面とプーリ7のフランジ部72とに各種形状の細かな凹凸を設けておいても良い。爪部13が突出する状態にあるとき、弾性部材8は既に膨張しており、プーリ7と回転軸3とが同期回転を始めている。よって、この状態で突出した爪部13がプーリ7の側に確実に噛み合うためには、爪部13と孔部16との係合部のピッチをできるだけ小さくしておく必要がある。仮に、爪部13と孔部16とが異なる位相にあっても、両者が僅かに相対回転することで爪部13が係合するものが好ましい。そのためには、例えば、プーリ7のフランジ部72を、一般の内歯ギヤのように構成したり、ピラミッド形状の凹凸を多数設けたローレット状に構成しておくとよい。
爪部13は、径方向に出退する構成のものを示したが、これに代えて、揺動タイプの爪部13を備えておいても良い。図示は省略するが、例えば、ホイール部12の平面部に複数の揺動部材をその一端部で枢支しておく。他方の端部にはプーリ7に当接する爪部13を形成しておき、揺動部材を常に回転軸芯Xの側に引き込むバネ部材を回転軸3の側と揺動部材とに亘って設けておけばよい。
尚、図5に示した爪部13は、図5に示した構成の他に回転軸3とプーリ7とを係合できるものであれば他の箇所に設けるなど適宜構成することができる。また、前述した揺動タイプの爪部13についても、その構成或いは取付箇所は適宜設定可能である。このように爪部13を備えることで、プーリ7と回転軸3とを確実に一体化することができる。
図5に示したホイール部12においては、基部12aの外周に設ける台部12bの材断面形状をL型に構成してある。この結果、プーリ7の内面71aおよび対向面71bと合わせて弾性部材8の膨張空間を規定することができ、弾性部材8とプーリ7との間に異物が侵入するのを防止することができる。
〔第5実施形態〕
本実施形態のクラッチ機構Cは、図6に示すごとく、回転軸3に設けたホイール部12に揺動可能に構成した摩擦部材17を備えている。摩擦部材17は、その中央部に設けた軸支部18によってホイール部12に軸支してある。摩擦部材17の一方の端部には、プーリ7の当接部71と接触するパッド19を設けてある。他方の端部には、バネ取付部20を設けてあり、例えばコイル状の引張りバネ21によって当該端部を回転軸芯Xの側に常時付勢する。これにより、パッド19がプーリ7の側に押し付けられ、プーリ7と回転軸3とが一体回転可能となる。さらに、軸支部18とバネ取付部20との間に、流体の供給によって膨張収縮可能な弾性部材8を配置する。この弾性部材8にも第1実施形態で示したような流体給排部9を備えてあり、任意のタイミングで弾性部材8を膨張収縮操作することができる。
本実施形態のクラッチ機構Cは、パッド19がプーリ7に常時押し付けられる所謂ノーマルオンタイプである。例えば、エンジン始動直後のエンジン冷却水の温度が低い段階では、弾性部材8を膨張させ、パッド19をプーリ7から離間させて、ウォータポンプを稼動させない状態とする。これによりエンジンの暖機を早める。エンジンの暖機が終了した時点で、弾性部材8に対する流体の供給を停止し、弾性部材8を収縮させてウォータポンプを稼動させる。このようなノーマルオンタイプのウォータポンプであれば、仮にクラッチ機構Cが故障した場合でも、エンジン冷却水を循環させることができ、エンジンの過熱を防止することができる。
〔その他の実施形態〕
図1や図2に示すクラッチ機構Cにおいては、主に環状の弾性部材8を使用する例を示した。しかし、これに代えて、複数のブロック状の弾性部材をホイール部12の周方向に分散配置するものであっても良い。
そのように構成すれば、異なる外径のプーリ7に対しても同じ規格の弾性部材を用い、弾性部材の設置個数を調節して適切なクラッチ機構Cを得ることができる。よって、ウォータポンプの生産性を向上させることができる。
本発明のウォータポンプは、例えば自動車のエンジン冷却用として広く用いることができ、特に、任意のタイミングで冷却水の流通を開始したいウォータポンプを構成する場合に特に有用である。
3 回転軸
4 羽根部
7 プーリ
71a 第1当接部
71b 第2当接部
8 弾性部材
9 流体給排部
12 ホイール部
13 爪部
X 回転軸芯

Claims (5)

  1. 巻き掛けられたベルトにより回転駆動されるよう装置本体に軸支されたプーリと、
    前記プーリの回転軸芯と同軸芯で回転可能に前記装置本体に軸支された回転軸と、
    前記回転軸の一端側に冷却水を流通させるよう備えた羽根部と、
    前記羽根部とは反対側に前記回転軸と一体回転する状態に設けられ、流体の給排によって自身が膨張収縮可能であり、膨張状態において前記プーリの一部に当接して前記回転軸を回転させる弾性部材と、
    前記弾性部材に対して前記流体を供給・排出する流体給排部と、
    を備えたウォータポンプ。
  2. 前記弾性部材が環状のゴムチューブであり、前記回転軸から径方向に突出して設けられたホイール部の外周部に前記ゴムチューブを取り付けてある請求項1に記載のウォータポンプ。
  3. 前記プーリに、膨張した前記弾性部材のうち前記回転軸芯から最も遠い部位が当接する第1当接部を設けると共に、当該第1当接部よりも前記回転軸芯の側に前記膨張した弾性部材の他の部位が当接する少なくとも一つの第2当接部を備えている請求項1または2に記載のウォータポンプ。
  4. 前記回転軸芯から離れる方向に突出可能な爪部を前記回転軸の側に設け、当該爪部と係合可能な受部を前記プーリに設けてある請求項1から3の何れか一項に記載のウォータポンプ。
  5. 前記爪部を前記回転軸の側に常時付勢し、前記爪部に作用する遠心力の増大に伴なって前記爪部が外方へ突出可能となる付勢手段を、前記爪部と前記回転軸とに亘って設けてある請求項4に記載のウォータポンプ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105525977A (zh) * 2014-10-19 2016-04-27 博格华纳公司 具有基流和峰流的混合型电动机械冷却液泵

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