JP2013141923A - 着底位置情報送信装置及び着底位置検出システム - Google Patents

着底位置情報送信装置及び着底位置検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】沈没した物体の正確な着底位置の情報を送信可能な着底位置情報送信装置及びこれを用いた着底位置検出システムを提供する。
【解決手段】着底位置情報送信装置は、所与の物体に取り付けられ、物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すための切り離し手段と、物体が着底したか否かを判定する着底判定部101と、着底判定部101により物体が着底したと判定された場合、物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すように切り離し手段を制御する切り離し制御部102と、切り離し手段により切り離された後、水面に向かって浮上するための浮上手段と、位置情報を生成する位置情報生成部103と、位置情報生成部103が生成した位置情報を利用して、物体の着底位置を推定する着底位置推定部104と、着底位置推定部104が推定した着底位置の情報を送信する送信部130と、を含む。
【選択図】図9

Description

本発明は、水中に没した船舶や航空機、等の位置を送信するための着底位置情報送信装置及びこれを用いた着底位置検出システムに関する。
海洋等の水上で船舶や航空機、宇宙から帰還したロケット(スペースシャトル、宇宙船)等の飛行体、メガフロート、等が何らかの事故によって沈没してしまったとき、現状の緊急用位置指示無線ビーコン(以下、ビーコンと称す)は、沈没中に船体から分離され自動的に水面に浮上し、救難信号を発信する。
しかし、前記ビーコンは、水面に浮上するまでの間に水流の影響を受け、そして浮上してからも水流や風の影響を受けて船舶の沈没位置や着底位置から離れたところで漂流しているケースが多い。従って、正確な沈没位置が速やかに確認・特定することができないために、救助や捜索のために労される時間が長期化し、また費用(金額)の面においても非常に大きなものとなってしまう問題があった。
特許文献1には、「GPSを用いた救難信号ブイ」が開示されているが、これは遭難時に遭難者が船からブイを投入し、ブイと共に漂流している遭難者を救出するために使用されるものであって、沈没し海底に着底した沈没船の位置情報を知らせるものではない。
特許文献2には、「自己の所在位置を検知する自己位置検知手段と、該位置における周囲の映像を撮影する撮像手段と、前記自己位置検知手段により検知した自己の所在位置に関する情報(以下、「自己位置情報」と称する。)及び前記撮像手段により撮影した映像情報を送信する情報送信手段と、を備えた情報送信浮標」が開示されているが、特許文献2においてもブイと共に漂流している遭難者を救出するためのものである。
特に、特許文献2の「0028」段落には、「また、本浮標1には生体情報受信機12が搭載される。これは、遭難者のライフジャケットから発信される生体情報(その遭難者の心搏や体温等)を受信するもので、該受信機12により入手された生体情報は、前記自己位置情報とともに静止衛星を介し地上局等に送信される。なお、浮標頭部1bには、該生体情報受信機用のアンテナ4が収納されている。」と記載されている。
特許文献3には、「船舶の遭難時に救難信号を送信する無線装置を備えた救難ブイと、前記救難ブイを載置する基台と、前記救難ブイを前記基台に固定するためのワイヤと、前記ワイヤによる固定を水圧に基いて開放する切り離し部とを備え、前記切り離し部がワイヤを開放したときに、救難ブイの海面への浮上を確実にする為に、前記救難ブイを船舶の吃水面にほぼ垂直且つ上方に押し出すよう付勢するスプリングを、前記基台に設けたことを特徴とする救難ブイ放出機構」ことが開示されている。
特に、特許文献3の「0009」段落には、「図3は救難ブイ固定基台の構成を示す斜視図であって、基台2は船橋等の船舶側壁に取り付けられるようになっており、該基台の上に救難ブイ1をのせてリング6をブイ頂部の救難灯7にかけ、ワイヤ5をリング6に通し基台のフック部9に引っかけて救難ブイ1を固定する。この際、ワイヤ5の張り具合はタ−ンバックル8で調整することができる。又、切り離し装置3は沈没時に船舶が海中に没した時、所定の水圧でワイヤ5を切断するものであること前述の通りである。」と記載されている。
また、特許文献3の「0011」段落には、「斯くすることによって、図1に示す如く船舶の初期水没舷側と反対舷側に取付けられた救難ブイは矢印A’方向へ放出されるので格別の問題は生じない。又、図2に示す如く船舶の初期水没舷側に取付けられた救難ブイは矢印B’方向へ放出されることになるので、救難ブイが船橋の下に潜り込み救難ブイの浮上を妨げる虞れは殆んどなく確実に海面へ浮上し、救助を求める信号を発信することができる。」と記載されている。
特許文献3においても、救難ブイ放出機構が、船舶の転覆或は沈没時、救難ブイの海面への浮上を確実ならしめることができるので遭難者を早急に救助する上で著しい効果を奏すると記載されているに過ぎない。
これらの特許文献に対して、特許文献4には、「母船に積載され、表面に複数のパッチ状アンテナを有する電気絶縁性シートで構成され折り畳まれた気球体、この気球体に取り付けられた水密筐体、前記水密筐体内に収納され、GPS信号を受信して位置情報を出力するGPS受信機、予め与えられた認識情報を記憶するメモリー、前記パッチ状アンテナのいずれかに接続され前記位置情報と前記認識情報とを出力する無線送信機、気体を蓄えたボンベを有し、水中で前記ボンベ内の気体を前記折り畳まれた気球体に充填して展開させる充填装置、前記気球体の内外圧力差に応じて前記気球体内の気体を外部に放出する開放路とを備え、前記母船から水中に放出された前記気球体が、その浮力により水面に浮上したとき、前記パッチ状アンテナから前記位置情報と前記認識情報とを送信することを特徴とする救難信号発信装置」が開示されている。
特に、特許文献4の「0015」段落には、「海中で作業中の潜水艇90には図2に示した状態で救難信号発信装置100が収納されている。潜水艇90に事故が発生した場合、気体充填装置9に指令して気球体1に気体を充填すると、気球体1の浮力が増大して、図示しない固定装置(例えば細いロープなどによる締結装置)が切断され救難信号発信装置100が水面へ浮上する。91は救難信号発信装置100が流されるのを防止して、遭難艇90の真上に止まらせるための係留索であり、水(又は海水)の比重に近い比重を持った糸状のものがよい。海上に浮上した救難信号発新装置100では、GPSアンテナ2とGPS受信機5で処理して得た位置情報を、送信機6に出力する。送信機6はその位置情報に、別途あらかじめ与えられている自船名と救難を要請する意味の識別信号を加えた信号を切換スイッチ7に送出する。」と記載されている。
また、特許文献4の「0020」段落には、「潜水艇の作業深度が1000mを越えると、図3に示した係留索91が水流から受ける抵抗は大変大きいものとなり、実際上、気球体の浮力で保持できる程度の係留索で、救難信号発信装置100を係留しておくことは極めて困難となる。また、いつ使用するか判らない非常時のために長大な係留索を準備しておくことは無駄と思われる。図8はこのような特に深い深度の場合に用いる救難信号発信装置102の構成を示している。図に於いて21は3次元加速度(3軸、x,y,z軸)及び3軸回転加速度センサー(3軸角速度センサー)であり、気球体1に気体の充填が開始されるとともに動作し始める。22は気球体1に気体の充填が開始されるとともに加速度センサー21の信号を演算して、その後、救難信号発信装置102が海面に浮上するまでの距離と方向を3次元的に演算する演算装置である。この位置情報データはジャイロコンパス15(ジャイロセンサー)のデータをもとに方位を含めた移動データL(x,y,z)として演算される。」と記載されている。
特開平4−113984号公報 特開平6−191479号公報 特開平5−689号公報 特開2002−314439号公報
しかしながら、ビーコンや救難信号発信装置は、沈没中に船体から脱着され自動的に水面に浮上し、救難信号を発信するのに対して、特許文献4は、救難信号発信装置を沈没船から切り離すタイミングについて明確には記載されておらず、沈没船が海底に着底したことを如何にして正確に検出し、そして、ビーコンや救難信号発信装置を切り離して浮上させるのかについては記載されていない。従って、特許文献4に記載の救難信号発信装置は、船体の正確な着底位置の情報を発信可能なものではない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、沈没した物体の正確な着底位置の情報を送信可能な着底位置情報送信装置及びこれを用いた着底位置検出システムを提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る着底位置情報送信装置は、所与の物体に取り付けられ、当該物体が水中に沈没した場合に着底した位置の情報を送信する着底位置情報送信装置であって、前記物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すための切り離し手段と、前記物体が着底したか否かを判定する着底判定部と、前記着底判定部により前記物体が着底したと判定された場合、前記物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すように前記切り離し手段を制御する切り離し制御部と、前記切り離し手段により切り離された後、水面に向かって浮上するための浮上手段と、位置情報を生成する位置情報生成部と、前記位置情報生成部が生成した前記位置情報を利用して、前記物体の着底位置を推定する着底位置推定部と、前記着底位置推定部が推定した着底位置の情報を送信する送信部と、を含む。
浮上手段は、例えば、発泡スチロールのような浮上力を有する部材であってもよいし、スクリューのような駆動装置であってもよい。
位置情報生成部は、当該着底位置情報送信装置が水面まで浮上した後に位置情報を生成するようにしてもよいし、当該着底位置情報送信装置が水面に向かって浮上する途中で位置情報を生成するようにしてもよい。
位置情報生成部が生成する位置情報や着底位置推定部が推定する着底位置の情報は、例えば、緯度と経度の情報であってもよい。
この着底位置情報送信装置は、当該着底位置情報送信装置が取り付けられた物体が沈没して着底した後、当該物体から切り離されて水面に向かって浮上する。そして、この着底位置情報送信装置は、位置情報を生成し、この位置情報を利用して物体の着底位置を推定し、推定した着底位置の情報を送信する。従って、この着底位置情報送信装置によれば、沈没した物体の正確な着底位置の情報を送信することができる。そして、この沈没した物体の正確な位置の情報を基に、当該物体の引き上げ等を迅速に行うことができる。
[適用例2]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、水深を検出する水深検出部をさらに含み、前記着底判定部は、前記水深検出部の検出結果を利用して、前記物体が着底したか否かを判定するようにしてもよい。
水深検出部は、水深そのものを直接的に検出してもよいし、所定の計算式を用いて水深を計算可能な物理量を検出してもよい。例えば、所定の計算式を用いて水圧から水深を計算可能なので、水深検出部は、水圧を検出する圧力センサーであってもよい。
着底判定部は、水深検出部が検出する水深の所定時間における変動幅が所定の閾値よりも小さくなった場合に、前記物体が着底したと判定するようにしてもよい。
[適用例3]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、記憶部と、前記着底判定部により前記物体が着底したと判定されてから当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離されるまでの何れかに前記水深検出部が検出した水深の情報を前記記憶部に記憶させる水深情報記憶処理部をさらに含むようにしてもよい。
[適用例4]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置において、前記送信部は、前記着底位置の情報とともに前記記憶部に記憶された水深の情報を送信するようにしてもよい。
このようにすれば、沈没した物体の正確な位置と水深の情報が得られるので、乗員の救助や物体の引き上げ等を迅速に行うための最適な方法を検討することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、衝撃の大きさを検出する衝撃検出部をさらに含み、前記着底判定部は、前記水深検出部の検出結果と前記衝撃検出部の検出結果とを利用して、前記物体が着底したか否かを判定するようにしてもよい。
衝撃検出部は、衝撃そのものを直接的に検出してもよいし、所定の計算式を用いて衝撃を計算可能な物理量を検出してもよい。例えば、所定の計算式を用いて加速度から衝撃を計算可能なので、衝撃検出部は、加速度センサーであってもよい。
着底判定部は、衝撃検出部が検出する衝撃の大きさが所定の閾値よりも大きくなった後、水深検出部が検出する水深の所定時間における変動幅が所定の閾値よりも小さくなった場合に、前記物体が着底したと判定するようにしてもよい。
この着底位置情報送信装置によれば、水深の変動量と衝撃の大きさを基に、物体が着底したか否かをより正確に判定することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離された後、鉛直方向に浮上するように前記浮上手段を制御する自律制御部をさらに含み、前記着底位置推定部は、前記物体の着底位置を、前記位置情報生成部が生成した前記位置情報により特定される位置と同じであると推定するようにしてもよい。
この着底位置情報送信装置は、物体から切り離された後、理想的には物体の着底位置から真上に浮上するので、生成した位置情報(緯度・経度)と同じ位置(緯度・経度)に物体が着底したと推定することができる。
[適用例7]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離された後の移動軌跡を算出する移動軌跡算出部をさらに含み、前記着底位置推定部は、前記位置情報生成部が生成した前記位置情報と前記移動軌跡算出部が算出した移動軌跡の情報とを利用して、前記物体の着底位置を推定するようにしてもよい。
この着底位置情報送信装置によれば、生成した位置情報から移動軌跡を逆方向に辿ることで、物体の着底位置を推定することができる。
[適用例8]
上記適用例に係る着底位置情報送信装置は、前記着底判定部により前記物体が着底したと判定された後の所与のタイミングからの経過時間を計測する時間計測部をさらに含むようにしてもよい。
時間計測部が計測した計測時間の情報は記憶部に保存されるようにしてもよいし、送信部が、当該計測時間の情報を送信するようにしてもよい。
この着底位置情報送信装置によれば、物体が着底した後の経過時間の情報から、乗員の生命の危険性等を判断し、救助を急がせる等の処置を講じることができる。
[適用例9]
本適用例に係る着底位置検出システムは、沈没した物体の着底位置を検出する着底位置検出システムであって、上記のいずれかの着底位置情報送信装置と、当該着底位置情報送信装置が送信した情報を受信する着底位置情報受信装置と、を含む。
[適用例10]
本適用例に係る着底位置情報送信方法は、所与の物体に取り付けられ、当該物体が水中に沈没した場合に着底した位置の情報を送信する着底位置情報送信装置が行う着底位置情報送信方法であって、前記着底位置情報送信装置が、前記物体が着底したか否かを判定する着底判定ステップと、前記着底判定ステップで前記物体が着底したと判定された場合、前記物体から当該着底位置情報送信装置を切り離す切り離しステップと、前記切り離しステップで切り離された後、水面に向かって浮上する浮上ステップと、位置情報を生成する位置情報生成ステップと、前記位置情報生成ステップで生成した前記位置情報を利用して、前記物体の着底位置を推定する着底位置推定ステップと、前記着底位置推定ステップで推定した着底位置の情報を着底位置情報受信装置に送信する送信ステップと、を行う。
[適用例11]
本適用例に係るプログラムは、所与の物体に取り付けられ、前記物体から切り離すための切り離し手段と、前記切り離し手段により切り離された後、水面に向かって浮上するための浮上手段と、を備え、当該物体が水中に沈没した場合に着底した位置の情報を送信する着底位置情報送信装置において実行されるプログラムであって、コンピューターを、前記物体が着底したか否かを判定する着底判定部と、前記着底判定部により前記物体が着底したと判定された場合、前記物体から前記着底位置情報送信装置を切り離すように前記切り離し手段を制御する切り離し制御部と、位置情報を生成する位置情報生成部と、前記位置情報生成部が生成した前記位置情報を利用して、前記物体の着底位置を推定する着底位置推定部と、前記着底位置推定部が推定した着底位置の情報を送信する制御を行う通信制御部として機能させる。
[適用例12]
本適用例に係る記録媒体は、上記適用例に係るプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。
第1実施形態の着底位置検出システムの概要についての説明図。 第1実施形態の着底位置検出システムの構成例を示す図。 着底位置情報送信装置の外観の一例を示す図。 着底位置情報送信装置の設置例を示す図。 着底位置情報送信装置の設置例を示す図。 着底位置情報送信装置の設置例を示す図。 着底位置情報送信装置の内部構造の一例を示す図。 着底位置情報送信装置の切り離し方法の一例を示す図。 着底位置情報送信装置の回路部の構成例を示す図。 着底位置情報受信装置の構成例を示す図。 着底位置情報送信装置の処理のフローチャートの一例を示す図。 着底位置情報受信装置の処理のフローチャートの一例を示す図。 第2実施形態の着底位置検出システムの概要についての説明図。 第2実施形態の着底位置情報送信装置の外観の一例を示す図。 第2実施形態の着底位置情報送信装置の内部構造の一例を示す図。 第2実施形態の着底位置情報送信装置の回路部の構成例を示す図。 第2実施形態の着底位置情報送信装置の処理のフローチャートの一例を示す図。 複数の着底位置情報送信装置を分散配置する一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.着底位置検出システムの概要
本実施形態の着底位置検出システムは、船舶、航空機、ロケット、メガフロートなどの物体が、海や川などの水中に沈没した場合に、沈没して着底した位置を検出することを可能とする。図1に示すように、船舶3が事故等により沈没すると、水流の影響を受けて、沈没場所の真下ではなく斜め方向に沈む場合がある。そのため、船舶3に事故等が発生した位置がわかっても沈没した船舶3を迅速に発見することが難しい場合もある。そこで、本実施形態の着底位置検出システムでは、船舶3に着底位置情報送信装置2を取り付けておき、当該着底位置情報送信装置2は、船舶3が沈没して着底したら自動的に船舶3の船体から切り離され、自律制御を行いながら真上(鉛直方向)に浮上する。着底位置情報送信装置2は、水面まで到達すると、GPS衛星5(GPS以外のシステムで用いられる位置情報衛星であってもよい)から衛星信号を受信して現在位置(緯度・経度)を算出する。そして、着底位置情報送信装置2は、当該現在位置(緯度・経度)が船舶3の着底位置(緯度・経度)であると推定し、当該着底位置(緯度・経度)の情報等を含む救難信号を、通信衛星7を介して受信局8に設置された着底位置情報受信装置(不図示)に送信する。当該着底位置情報受信装置(不図示)は、救難信号を受信して船舶3の着底位置の情報等の表示を行う。この表示を基に、沈没した船舶3の乗員の救助や船舶3の引き上げ等を迅速に行うことが期待できる。
1−2.着底位置検出システムの構成
[全体構成]
図2は、本実施形態の着底位置検出システムの構成例を示す図である。本実施形態の着底位置検出システムは、図2の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態の着底位置検出システム1は、少なくとも1つの着底位置情報送信装置2と、着底位置情報受信装置4とを含む。
着底位置情報送信装置2は、水中に沈没する可能性がある物体に取り付けられる。そして、当該物体が沈没して着底すると、着底位置情報送信装置2は、物体から自動的に切り離され、自律制御を行いながら水面に向かって真上に浮上し、物体の着底位置の情報等を含む救難信号を、通信ネットワーク6(衛星回線、電話回線、インターネット、LAN等)を介して着底位置情報受信装置4に送信する。図1の例では、着底位置情報送信装置2は、通信衛星7とLANを介して、受信局8に設置された着底位置情報受信装置4に救難信号を送信する。
着底位置情報受信装置4は、通信ネットワーク6を介して、着底位置情報送信装置2からの救難信号を受信し、物体の着底位置の情報等の表示や警報音の出力等を行う。
[着底位置情報送信装置の構成]
図3は、着底位置情報送信装置2の外観の一例を示す図である。図3(A)は側面図の一例であり、図3(B)は上面図の一例であり、図3(C)は底面図の一例である。
本実施形態の着底位置情報送信装置2は、円筒形の本体10の上面に衛星通信用アンテナ12、感圧部13、GPSアンテナ14が設けられており、本体10の底面に3つのスクリュー16が設けられている。また、本体10の上部が浮体11で覆われている。浮体11は、例えば、発泡スチロール等の水中で浮上力を生じさせる物体である。また、本体10の側面には2つの切り離し部15が設けられている。
図4(A),図4(B)は、着底位置情報送信装置2の設置例を示す図である。図4(A)は図3(A)と同じ方向から見た図であり、図4(B)は図4(A)と直交する方向から見た側面図である。
固定用部材20は、上面が開口した円筒状の部材であり、側面に2つの突起部21が設けられている。固定用部材20は、船舶等の物体に固定される。例えば、図5(A)及び図5(B)に示すように、物体の側面(船舶の側壁等)に設置台23を設け、固定部材20を、その下面が物体の側面と直交するように設置台23に固定するようにしてもよい。また、例えば、図6(A)及び図6(B)に示すように、船舶等の物体の上面(船舶の甲板等)に設置台23を設け、固定部材20を、その下面が物体の上面と平行になるように設置台23に固定するようにしてもよい。
着底位置情報送信装置2は、本体10の一部が固定用部材20に収納された状態で、2つの切り離し部15と固定用部材20の2つの突起部21に2つの固定ワイヤー22がかけられ、固定用部材20に固定される。
図7は、着底位置情報送信装置2の内部構造の一例を示す図であり、図4(A)と同じ方向から見た図である。
図7に示すように、着底位置情報送信装置2は、本体10の内部に、回路部30、切り離し機構40、充電池50、駆動部60が設けられている。また、着底位置情報送信装置2には、本体10の底面に設けられた3つのスクリュー16を囲むようにスクリュー保護部70が設けられている。
切り離し機構40は、回路部30からの制御信号(着底後に切り離しを指示する制御信号)に応じて、内部のモーターを回転させ、モーターの回転力を、2つの切り離し部15を回転させる力に変換する。これにより、図8に示すように、着底位置情報送信装置2は、2つの切り離し部15が本体10の内部に収納され、固定ワイヤー22による固定が外れ、固定部材20から切り離された状態になる。すなわち、切り離し機構40と切り離し部15は「切り離し手段」として機能する。
着底位置情報送信装置2は、固定部材20から切り離された後、浮体11による浮上力で水面に向かって浮上するが、この際、回路部30が駆動部60を制御して3つのスクリュー16の回転速度や向きを微調整しながら水流による浮上方向のずれを補正し、水面に向かって真上に浮上する。すなわち、浮体11とスクリュー16は「浮上手段」として機能する。
なお、着底位置情報送信装置2は、固定部材20から切り離されるまでは固定部材20を介して外部から供給される電力で動作し、固定部材20から切り離された後は充電池50に蓄えられた電力で動作するようにしてもよい。
図9は、着底位置情報送信装置2の回路部30の構成例を示す図である。図9に示すように、着底位置情報送信装置2の回路部30は、処理部(CPU:Central Processing Unit)100、センサー群110、GPS受信装置120、送信部130、記憶部140、記録媒体150を含んで構成されている。本実施形態の着底位置情報送信装置2の回路部30は、図9の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
センサー群110は、圧力センサー111、ジャイロセンサー(角速度センサー)112、加速度センサー113、地磁気センサー114、流速センサー115を含んで構成されている。本実施形態のセンサー群110は、これらの構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
圧力センサー111は、着底位置情報送信装置2に加わる水圧を検出する。一般に、水圧がわかれば、所定の関係式を用いて水深を計算できることが知られている。すなわち、圧力センサー111の検出データを利用することにより、水深を計算することができるので、圧力センサー111は、「水深検出部」として機能する。そして、この水深の値が所定時間以上安定すれば、船舶等の物体が着底したと判断することができる。
圧力センサー111としては、圧力の変化を振動子の周波数の変化として捉える周波数変化型、圧力の変化を静電容量の変化として捉える静電容量型、圧力の変化をピエゾ抵抗の抵抗値の変化として捉えるピエゾ抵抗型などのセンサーを適用することができる。なお、現在のところ、周波数変化型の圧力センサーは、静電容量型やピエゾ抵抗型の圧力センサーよりも高い分解能が得られており、周波数変化型の圧力センサーであれば1Pa以下の分解能も実現可能である。また、圧電振動子として水晶振動子を用いることで温度特性も良好な周波数変化型の圧力センサーを実現することができる。
ジャイロセンサー112は、着底位置情報送信装置2に加わる回転角速度を検出する。従って、ジャイロセンサー112の検出値を1階積分することで、着底位置情報送信装置2が浮上する際に水流等の影響により回転する回転角(姿勢)を算出することができる。
なお、ジャイロセンサー112は、1軸方向の角速度のみを検出可能であってもよいが、検出軸と直交する向きに加わる角速度を正しく検出できないので、2軸以上(複数軸)の角速度を検出可能である方がよい。ただし、2軸のジャイロセンサーでは、2つの検出軸と互いに直交する向きに加わる角速度を正しく検出できないので、ジャイロセンサー112は3軸以上の角速度を検出可能であることが望ましい。
加速度センサー113は、着底位置情報送信装置2に加わる加速度を検出する。着底位置情報送信装置2に加わる衝撃が大きいほど加速度も大きい。従って、加速度センサー113が検出する加速度の大きさから着底位置情報送信装置2が着底により受ける衝撃を検出することができるので、加速度センサー113は、「衝撃検出部」として機能する。
また、加速度センサー113の検出値を1階積分することで、着底位置情報送信装置2が浮上する際の移動速度を算出することができる。さらに、加速度センサー113の検出値を2階積分することで、着底位置情報送信装置2が浮上する際の移動距離を算出することができる。
なお、加速度センサー113は、1軸方向の加速度のみを検出可能であってもよいが、検出軸と直交する向きに加わる加速度を正しく検出できないので、2軸以上(複数軸)の加速度を検出可能である方がよい。ただし、2軸の加速度センサーでは、2つの検出軸と互いに直交する向きに加わる加速度を正しく検出できないので、加速度センサー113は3軸以上の加速度を検出可能であることが望ましい。
地磁気センサー114は、方角を検出する。従って、地磁気センサー114の検出値から着底位置情報送信装置2が浮上する際に水流等の影響により流される方向を算出することができる。
流速センサー115は、水流の速度を検出する。
このように、ジャイロセンサー112の検出値、加速度センサー113の検出値、地磁気センサー114の検出値、流速センサー115の検出値から、着底位置情報送信装置2が浮上する際の移動速度、移動距離、姿勢、移動方向、水流速度がわかるので、これら各種のセンサーの検出データを利用することにより、着底位置情報送信装置2が船舶等の物体の着底位置から真上に浮上するように駆動部60を制御することができる。
GPS受信装置120は、GPSアンテナ14を介してGPS衛星から送信される衛星信号(GPS信号)を受信し、GPS信号に重畳されている航法メッセージを復調する処理を行う。この復調された航法メッセージは、処理部(CPU)100に送られ、処理部(CPU)100による測位計算に使用される。
記憶部140は、処理部(CPU)100が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部140は、処理部(CPU)100の作業領域として用いられ、GPS受信装置120から受け取った航法メッセージ、記録媒体150から読み出されたプログラムやデータ、処理部(CPU)100が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部(CPU)100は、記憶部140や記録媒体150に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)100は、センサー群110に含まれる各種センサーやGPS受信装置120からデータを取得して記憶部140あるいは記録媒体150等に保存し、取得したこれらのデータに基づいて各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)100は、通信部130を介して着底位置情報受信装置4に救難信号を送信する処理を行う。なお、本実施形態では、着底位置情報受信装置4が複数の着底位置情報送信装置2とそれぞれデータ通信を行うために、各着底位置情報送信装置2には、固有の識別番号(固有識別番号)が割り当てられており、各着底位置情報送信装置2から着底位置情報受信装置4に送信される救難信号には各着底位置情報送信装置2の固有識別番号の情報が含まれている。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)100は、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、自律制御部106、時間計測部107、通信制御部108を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)100は、これらの一部の構成(要素)を省略又は変更したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
着底判定部101は、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体が水中に沈没した後、着底したか否かを判定する処理を行う。着底判定部101は、圧力センサー112の検出データに基づいて、着底したか否かを判定するようにしてもよい。例えば、着底判定部101は、圧力センサー112の検出データ(あるいは、当該検出データから算出される水深)の所定時間における変動幅が所定の閾値よりも小さくなった場合に、着底したと判定するようにしてもよい。また、着底判定部101は、確実に着底を検出するために、圧力センサー112の検出データと加速度センサー113の検出データとに基づいて、着底したか否かを判定するようにしてもよい。例えば、着底判定部101は、加速度センサー113の検出データから算出される加速度(あるいは衝撃)の大きさが所定の閾値よりも大きくなった後、圧力センサー112の検出データ(あるいは、当該検出データから算出される水深)の所定時間における変動幅が所定の閾値よりも小さくなった場合に、着底したと判定するようにしてもよい。
切り離し制御部102は、着底判定部101により、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体が着底したと判定された場合、当該物体から当該着底位置情報送信装置2を切り離すように切り離し機構40を制御する処理を行う。
位置情報生成部103は、GPS受信装置120が復調した航法メッセージを取得し、航法メッセージに含まれる各GPS衛星の軌道情報を用いて測位計算を行い、ユーザーの位置情報(緯度・経度)を生成する処理を行う。
着底位置推定部104は、位置情報生成部103が生成した位置情報(緯度・経度)を利用して、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体の着底位置(緯度・経度)を推定する処理を行う。具体的には、着底位置推定部104は、物体の着底位置を、位置情報生成部103が生成した位置情報により特定される位置と同じであると推定する。
水深情報記憶処理部105は、着底判定部101により着底したと判定されてから着底位置情報送信装置2が物体から切り離されるまでの何れかに圧力センサー111の検出データから算出される水深の情報を記憶部140あるいは記録媒体150等に記憶させる処理を行う。
自律制御部106は、着底位置情報送信装置2が物体から切り離された後、真上に浮上するように駆動部60を制御する処理を行う。
時間計測部107は、着底判定部101により物体が着底したと判定された後の所与のタイミング(着底直後あるいは着底から所定時間経過後)からの経過時間を計測する処理を行う。
通信制御部108は、固有識別番号、着底位置推定部104が推定した着底位置(緯度・経度)、着底した水深、着底してからの経過時間の情報等を含む救難信号を生成し、送信部130を介して着底位置情報受信装置4に送信する処理を行う。
記録媒体150は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、コンピューターを上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)100は、記録媒体150に記憶されているプログラムを実行することで、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、自律制御部106、時間計測部107、通信制御部108として機能する。あるいは、不図示の通信部等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから当該プログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部140や記録媒体150に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、自律制御部106、時間計測部107、通信制御部108の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
なお、記録媒体150は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
本実施形態では、記憶部140あるいは記録媒体150には、特に、自己の固有識別番号の情報が記憶されている。
[着底位置情報受信装置の構成]
図10は、着底位置情報受信装置4の構成例を示す図である。図10に示すように、着底位置情報受信装置4は、処理部(CPU)200、受信部210、表示部220、音出力部230、操作部240、記憶部250、記録媒体260を含んで構成されている。本実施形態の着底位置情報受信装置4は、図10の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
受信部210は、着底位置情報送信装置2からの救難信号を受信する処理を行う。
表示部220は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、処理部(CPU)200から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
音出力部230は、スピーカー等の音を出力する装置である。
操作部240は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザー(監視者)による操作に応じた操作信号を処理部(CPU)200に出力する。
記憶部250は、処理部(CPU)200が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部250は、処理部(CPU)200の作業領域として用いられ、操作部240から入力されたデータ、記録媒体260から読み出されたプログラムやデータ、処理部(CPU)200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部(CPU)200は、記憶部250や記録媒体260に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)200は、救難信号に含まれる各種情報を取得する処理、操作部240からの操作信号に応じた各種の処理、表示部220に各種の情報を表示させる処理、音出力部230に各種の音を出力させる処理等を行う。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)200は、データ取得部201、表示制御部202、音出力制御部203を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)200は、これらの一部の構成(要素)を省略又は変更したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
データ取得部201は、受信部210が受信した救難信号に含まれる各種情報(固有識別番号、物体の着底位置(緯度・経度)、着底した水深、着底してからの経過時間の情報等)を取得して記憶部250あるいは記録媒体260等に保存する処理を行う。
表示制御部202は、表示部220の表示を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、表示制御部202は、沈没した船舶等の物体(データ取得部210が取得した固有識別番号から特定される物体)の情報や、データ取得部210が取得した各種情報(物体の着底位置(緯度・経度)、着底場所の水深、着底してからの経過時間の情報等)を表示部220に表示させる処理を行う。
音出力制御部203は、音出力部230の出力を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、音出力制御部203は、受信部210が救難信号を受信した場合、音出力部230に警報音を出力させる処理を行う。
記録媒体260は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、コンピューターを上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)200は、記録媒体260に記憶されているプログラムを実行することで、データ取得部201、表示制御部202、音出力制御部203として機能する。あるいは、不図示の通信部等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから当該プログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部250や記録媒体260に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、データ取得部201、表示制御部202、音出力制御部203の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
なお、記録媒体260は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
1−3.着底位置検出システムの処理
[着底位置情報送信装置の処理]
図11は、着底位置情報送信装置2の処理部(CPU)100による処理のフローチャートの一例を示す図である。
処理部(CPU)100は、事故発生を知らせるイベントが発生するまで待機する(S10のN)。事故発生を知らせるイベントは、例えば、着底位置情報送信装置2が各種センサーの検出データから事故の発生を検出して発生させてもよいし、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体に設けられた他の設備が事故の発生を検出して発生させてもよい。あるいは、事故が発生した際に、着底位置情報送信装置2に対して人手により所定の操作を行うことで事故発生を知らせるイベントを発生させてもよい。
事故発生を知らせるイベントが発生すると(S10のY)、処理部(CPU)100は、圧力センサー111の検出データから、着底位置情報送信装置2が水中に入ったか否かを判定する(S12)。着底位置情報送信装置2が大気中から水中に入ると、圧力センサー111の検出値が大きく変化するので、圧力センサー111の検出の検出データから、着底位置情報送信装置2が水中に入ったか否かを判定することができる。
処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2が水中に入ったと判定するまで(S14のYになるまで)、ステップS12の判定処理を繰り返し行う。
そして、処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2が水中に入ったと判定し場合(S14のY)、次に、加速度センサー113の検出データから、加速度を算出する(S16)。
ステップS16で算出した加速度が所定の閾値以下であれば(S18のN)、処理部(CPU)100は、ステップS16の処理を再度行う。一方、ステップS16で算出した加速度が所定の閾値よりも高い場合(S18のY)、処理部(CPU)100は、次に、圧力センサー111の検出データから、所定時間の圧力(水圧)の変動量を算出する(S20)。
ステップS20で算出した圧力の変動量が所定の閾値以下であれば(S22のN)、処理部(CPU)100は、ステップS16〜S20の処理を再度行う。一方、ステップS20で算出した圧力の変動量が所定の閾値よりも高い場合(S22のY)、処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2を搭載した物体が着底したと判定し、経過時間の計測を開始する(S24)。
次に、処理部(CPU)100は、圧力センサー111の検出データから、着底した水深を算出して記憶部140に保存する(S26)。
次に、処理部(CPU)100は、切り離し機構40を制御して着底位置情報送信装置2を船舶等の物体から切り離す(S28)。
次に、処理部(CPU)100は、センサー群110の各種センサーの検出データを利用して、鉛直方向(真上)に浮上するように自律制御を行う(S30)。
そして、処理部(CPU)100は、水面に到達し、GPS受信装置120がGPS衛星からGPS信号を受信するまで(S32のYになるまで)、ステップS30の処理を繰り返し行う。
GPS受信装置120がGPS信号を受信すると(S32のY)、処理部(CPU)100は、GPS受信装置120により復調された航法メッセージに含まれる軌道情報を用いて測位計算を行い、着底位置(緯度・経度)を当該測位計算により得られる現在位置(緯度・経度)と同じであると推定する(S34)。
最後に、処理部(CPU)100は、固有識別番号、着底位置(緯度・経度)、着底した水深、着底後の経過時間等の情報を含む救難信号を生成して着底位置情報受信装置4に送信し(S36)、処理を終了する。
[着底位置情報受信装置の処理]
図12は、着底位置情報受信装置4の処理部(CPU)200による処理のフローチャートの一例を示す図である。
処理部(CPU)200は、いずれかの着底位置情報送信装置2から送信された救難信号を受信するまで待機する(S50のN)。
処理部(CPU)200は、救難信号を受信すると(S50のY)、まず、音出力部230から所定の警報音を出力する(S52)。ユーザー(監視者)は、この警報音により、いずれかの着底位置情報送信装置2が沈没したことを認識することができる。
次に、処理部(CPU)200は、ステップS50で受信した救難信号に含まれる固有識別番号に対応する船舶等の物体の属性情報(物体の名称、所属、大きさ、責任者、乗員数等)を取得する(S54)。この属性情報は、記憶部250や記録媒体260に記憶されていてもよいし、着底位置情報受信装置4の外部から取得してもよい。
最後に、処理部(CPU)200は、ステップS54で取得した属性情報、ステップS50で受信した救難信号に含まれる着底位置(緯度・経度)、着底した水深、着底後の経過時間等の情報を表示部220に表示し(S56)、処理を終了する。
以上に説明したように、第1実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体が沈没して着底した後、着底位置情報送信装置2が物体から切り離され、自律制御により水面に向かって真上に浮上する。そして、着底位置情報送信装置2は、水面まで浮上するとGPS信号を受信し、測位計算を行って現在位置(緯度・経度)を算出する。従って、理想的には、算出した現在位置(緯度・経度)と物体の着底位置(緯度・経度)は一致するので、着底位置情報送信装置2は、物体の着底位置(緯度・経度)を現在位置(緯度・経度)と同じであると推定し、着底位置(緯度・経度)の情報を含む救難信号を送信する。そして、着底位置情報受信装置4は、この救難信号を受信して、物体の着底位置を表示するので、監視者は、この着底位置の情報を基に、乗員の救助や物体の引き上げ等を迅速に指示することができる。
また、第1実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2は、物体が着底した水深の情報も送信するので、監視者は、乗員の救助や物体の引き上げ等を迅速に行うための最適な方法を検討することができる。
さらに、第1実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2は、物体が着底してからの経過時間の情報も送信するので、監視者は、当該経過時間の情報を参考にして乗員の生命の危険性等を判断し、救助を急がせる等の処置を講じることができる。
2.第2実施形態
2−1.着底位置検出システムの概要
図13に示すように、第2実施形態の着底位置検出システムでは、船舶3(第1実施形態と同様に、船舶、航空機、ロケット、メガフロートなどの物体でのよい)に着底位置情報送信装置2を取り付けておき、当該着底位置情報送信装置2は、船舶3が沈没して着底したら自動的に船舶3の船体から切り離され、水流等の影響を受けながら任意の方向に浮上する。着底位置情報送信装置2は、内蔵された各種センサーの検出データを利用して、移動軌跡を算出しながら水面まで浮上する。そして、着底位置情報送信装置2は、GPS衛星5(GPS以外のシステムで用いられる位置情報衛星であってもよい)から衛星信号を受信して現在位置(緯度・経度)を算出し、当該現在位置(緯度・経度)と着底後の移動軌跡に基づいて、船舶3の着底位置(緯度・経度)を推定し、当該着底位置(緯度・経度)の情報等を含む救難信号を、通信衛星7を介して受信局8に設置された着底位置情報受信装置(不図示)に送信する。当該着底位置情報受信装置(不図示)は、救難信号を受信して船舶3の着底位置の情報等の表示を行う。この表示を基に、沈没した船舶3の乗員の救助や船舶3の引き上げ等を迅速に行うことが期待できる。
2−2.着底位置検出システムの構成
第2実施形態の着底位置検出システム1の全体構成は、第1実施形態(図2)と同様であるので、その図示及び説明を省略する。また、第2実施形態の着底位置情報受信装置4の構成は、第1実施形態(図10)と同様であるので、その図示及び説明を省略する。
[着底位置情報送信装置の構成]
図14は、着底位置情報送信装置2の外観の一例を示す図である。図14(A)は側面図の一例であり、図14(B)は上面図の一例であり、図14(C)は底面図の一例である。
図14(A)及び図14(B)に示すように、第2実施形態の着底位置情報送信装置2は、第1実施形態(図3(A)及び図3(B))と同様に、円筒形の本体10の上面に衛星通信用アンテナ12、感圧部13、GPSアンテナ14が設けられ、本体10の側面には2つの切り離し部15が設けられ、本体10の上部が浮体11で覆われている。ただし、図14(C)に示すように、第2実施形態の着底位置情報送信装置2は、第1実施形態(図3(C))と異なり、本体10の底面にスクリュー16が設けられていない。浮体11、衛星通信用アンテナ12、感圧部13、GPSアンテナ14、切り離し部15の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
この第2実施形態の着底位置情報送信装置2も、第1実施形態(図4、図5、図6)と同様の方法で設置することができる。
図15は、第2実施形態の着底位置情報送信装置2の内部構造の一例を示す図であり、図4(A)と同じ方向から見た図である。
図15に示すように、着底位置情報送信装置2は、本体10の内部に、第1実施形態(図7)と同様に、回路部30、切り離し機構40、充電池50が設けられているが、第1実施形態(図7)と異なり、スクリュー16及びスクリュー保護部70は設けられていない。切り離し機構40、充電池50の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
この第2実施形態の着底位置情報送信装置2も、第1実施形態(図8)と同様の方法により、船舶等の物体に固定された固定部材20から切り離すことができる。
図16は、第2実施形態の着底位置情報送信装置2の回路部30の構成例を示す図である。図16に示すように、第2実施形態の着底位置情報送信装置2の回路部30は、第1実施形態(図9)と同様に、処理部(CPU)100、センサー群110、GPS受信装置120、送信部130、記憶部140、記録媒体150を含んで構成されている。本実施形態の着底位置情報送信装置2の回路部30は、図16の構成要素(各部)の一部を省略又は変更したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
センサー群110、GPS受信装置120、送信部130、記憶部140、記録媒体150の個性及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
処理部(CPU)100は、記憶部140や記録媒体150に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)100は、センサー群110に含まれる各種センサーやGPS受信装置120からデータを取得して記憶部140あるいは記録媒体150等に保存し、取得したこれらのデータに基づいて各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)100は、通信部130を介して着底位置情報受信装置4に救難信号を送信する処理を行う。なお、本実施形態では、着底位置情報受信装置4が複数の着底位置情報送信装置2とそれぞれデータ通信を行うために、各着底位置情報送信装置2には、固有の識別番号(固有識別番号)が割り当てられており、各着底位置情報送信装置2から着底位置情報受信装置4に送信される救難信号には各着底位置情報送信装置2の固有識別番号の情報が含まれている。
特に、本実施形態では、処理部(CPU)100は、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、時間計測部107、通信制御部108、移動軌跡算出部109を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)100は、これらの一部の構成(要素)を省略又は変更したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、水深情報記憶処理部105、時間計測部107、通信制御部108の機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
第2実施形態における処理部(CPU)100は、第1実施形態(図9)に対して、自律制御部106が移動軌跡算出部109に置き換わっているとともに、着底位置推定部104の機能が異なる。
移動軌跡算出部109は、着底位置情報送信装置が前記物体から切り離された後の移動軌跡を算出する処理を行う。
着底位置推定部104は、位置情報生成部103が生成した位置情報(緯度・経度)と移動軌跡算出部109が算出した移動軌跡の情報とを利用して、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体の着底位置(緯度・経度)を推定する処理を行う。具体的には、着底位置推定部104は、位置情報生成部103が生成した現在位置(緯度・経度)から移動軌跡算出部109が算出した移動軌跡を逆方向に辿ることで、物体の着底位置を算出(推定)する。
なお、本実施形態の処理部(CPU)100は、第1実施形態と同様に、記録媒体150に記憶されているプログラムを実行することで、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、時間計測部107、通信制御部108、移動軌跡算出部109として機能する。あるいは、不図示の通信部等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから当該プログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部140や記録媒体150に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、着底判定部101、切り離し制御部102、位置情報生成部103、着底位置推定部104、水深情報記憶処理部105、時間計測部107、通信制御部108、移動軌跡算出部109の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
2−3.着底位置検出システムの処理
第2実施形態の着底位置情報受信装置4の処理は、第1実施形態(図12)と同様であるため、フローチャートの図示及びその説明を省略する。
[着底位置情報送信装置の処理]
図17は、第2実施形態の着底位置情報送信装置2の処理部(CPU)100による処理のフローチャートの一例を示す図である。
処理部(CPU)100は、事故発生を知らせるイベントが発生するまで待機する(S100のN)。
事故発生を知らせるイベントが発生すると(S100のY)、処理部(CPU)100は、圧力センサー111の検出データから、着底位置情報送信装置2が水中に入ったか否かを判定する(S102)。
処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2が水中に入ったと判定するまで(S104のYになるまで)、ステップS102の判定処理を繰り返し行う。
そして、処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2が水中に入ったと判定し場合(S104のY)、次に、加速度センサー113の検出データから、加速度を算出する(S106)。
ステップS106で算出した加速度が所定の閾値以下であれば(S108のN)、処理部(CPU)100は、ステップS106の処理を再度行う。一方、ステップS106で算出した加速度が所定の閾値よりも高い場合(S108のY)、処理部(CPU)100は、次に、圧力センサー111の検出データから、所定時間の圧力(水圧)の変動量を算出する(S110)。
ステップS110で算出した圧力の変動量が所定の閾値以下であれば(S112のN)、処理部(CPU)100は、ステップS106〜S110の処理を再度行う。一方、ステップS110で算出した圧力の変動量が所定の閾値よりも高い場合(S112のY)、処理部(CPU)100は、着底位置情報送信装置2を搭載した物体が着底したと判定し、経過時間の計測を開始する(S114)。
次に、処理部(CPU)100は、圧力センサー111の検出データから、着底した水深を算出して記憶部140に保存する(S116)。
次に、処理部(CPU)100は、切り離し機構40を制御して着底位置情報送信装置2を船舶等の物体から切り離す(S118)。
このステップS100〜S118の処理は、第1実施形態(図11のステップS10〜S28の処理)と同様である。
次に、処理部(CPU)100は、センサー群110の各種センサーの検出データを利用して、移動軌跡を算出し、記憶部140に保存する(S120)。
そして、処理部(CPU)100は、水面に到達し、GPS受信装置120がGPS衛星からGPS信号を受信するまで(S122のYになるまで)、ステップS120の処理を繰り返し行う。
GPS受信装置120がGPS信号を受信すると(S122のY)、処理部(CPU)100は、GPS受信装置120により復調された航法メッセージに含まれる軌道情報を用いて測位計算を行い、当該測位計算により得られる現在位置(緯度・経度)とステップS120で算出した移動軌跡の情報を利用して、着底位置(緯度・経度)を推定する(S124)。
最後に、処理部(CPU)100は、固有識別番号、着底位置(緯度・経度)、着底した水深、着底後の経過時間等の情報を含む救難信号を生成して着底位置情報受信装置4に送信し(S126)、処理を終了する。
以上に説明したように、第2実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2が取り付けられた船舶等の物体が沈没して着底した後、着底位置情報送信装置2が物体から切り離され、移動軌跡を算出しながら水面に向かって浮上する。そして、着底位置情報送信装置2は、水面まで浮上するとGPS信号を受信し、測位計算を行って現在位置(緯度・経度)を算出する。さらに、着底位置情報送信装置2は、算出した現在位置(緯度・経度)を起点として着底位置情報送信装置2の移動軌跡を逆方向に辿ることで物体の着底位置(緯度・経度)を推定し、着底位置(緯度・経度)の情報を含む救難信号を送信する。そして、着底位置情報受信装置4は、この救難信号を受信して、物体の着底位置を表示するので、監視者は、この着底位置の情報を基に、乗員の救助や物体の引き上げ等を迅速に指示することができる。
また、第2実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2は、物体が着底した水深の情報も送信するので、監視者は、乗員の救助や物体の引き上げ等を迅速に行うための最適な方法を検討することができる。
さらに、第2実施形態の着底位置検出システムでは、着底位置情報送信装置2は、物体が着底してからの経過時間の情報も送信するので、監視者は、当該経過時間の情報を参考にして乗員の生命の危険性等を判断し、救助を急がせる等の処置を講じることができる。
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
[変形例1]
本実施形態において、着底位置情報送信装置2を物体の複数箇所に設置するようにしてもよい。例えば、図18に示すように、複数の着底位置情報送信装置2を、船首、船尾、側壁、操縦室等に分散配置して船舶3に搭載する。船舶3が沈没して着底した後、各着底位置情報送信装置2は、自律制御をしながら水面まで真上に浮上し、あるいは、移動軌跡を算出・保存しながら水面まで浮上し、衛星信号を受信して現在位置を算出する。そして、各着底位置情報送信装置2は、それぞれ、船舶3の着底位置を推定し、それぞれの固有識別番号(互いに異なる固有識別番号)とともに船舶3の着底位置や着底した水深の情報等を含む救難信号を着底位置情報受信装置4に送信する。着底位置情報受信装置4の表示部220には、各着底位置情報送信装置2が推定した着底位置や着底した水深の情報が算出される。
このようにすれば、仮に、一部の着底位置情報送信装置2が物体から切り離されず、水面まで浮上することができないようなことがあっても、水面まで浮上した他の一部の着底位置情報送信装置2が送信する救難信号から、着底位置の情報を得ることができる。
また、複数の着底位置情報送信装置2が浮上して救難信号を送信できた場合、各着底位置情報送信装置2による着底位置の推定誤差にばらつきがあっても、着底位置情報受信装置4の表示部220に表示される各着底位置の情報を基に、推定誤差のばらつきをキャンセルしてより正確な着底位置を推定することができる。なお、着底位置情報受信装置4が各着底位置情報送信装置2により推定された着底位置からより正確な着底位置を推定し、当該推定した着底位置の情報を表示部220に表示するようにしてもよい。
さらに、船舶等の物体が事故の発生時や着底時に、複数のパーツに分解される場合もあり、各着底位置情報送信装置2により推定された着底位置の差が所定の閾値よりも大きいか否かにより、分解されたか否かを判断することができる。そして、船舶等の物体が分解されたと判断される場合は、各着底位置情報送信装置2により推定された着底位置の情報を基に、分解された各パーツの回収等を迅速に行うことが期待できる。
[変形例2]
第2実施形態の着底位置情報送信装置2において、第1実施形態と同様に、スクリュー16及びスクリュー保護部70を設けてもよい。このようにすれば、着底位置情報送信装置2が切り離された後、水面まで浮上して救難信号を送信するまでに要する時間を短縮することができる。さらに、この着底位置情報送信装置2において、真上に浮上するように自律制御するとともに着底後の移動軌跡も算出し、衛星信号を利用して算出した現在位置(緯度・経度)と当該移動軌跡に基づいて、船舶等の物体の着底位置(緯度・経度)を推定するようにしてもよい。このようにすれば、着底位置情報送信装置2が浮上する際に、各種センサーの検出誤差やスクリュー16の駆動能力を超えるほどの激しい水流の影響により、真上に浮上できなかったような場合でも、着底後の移動軌跡に基づいて正確な着底位置を推定することができる。
[変形例3]
本実施形態において、着底位置情報送信装置2と固定部材20を固定ワイヤー22で固定する代わりに、着底位置情報送信装置2の下面と船舶等の物体に設けられた固定部材20の上面にそれぞれ電磁石を設け、通常はこれらの電磁石に電流を流して吸着させておくことで固定してもよい。当該船舶等が事故等により沈没して着底するとこれらの電磁石に流れる電流を停止することで、着底位置情報送信装置2を固定部材20から切り離すことができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 着底位置検出システム、2 着底位置情報送信装置、3 船舶、4 着底位置情報受信装置、5 位置情報衛星、6 通信ネットワーク、7 通信衛星、8 受信局、10 本体、11 浮体、12 衛星通信用アンテナ、13 感圧部、14 GPSアンテナ、15 切り離し部、16 スクリュー、20 固定用部材、21 突起部、22 固定ワイヤー、23 設置台、30 回路部、40 切り離し機構、50 充電池、60 駆動部、70 スクリュー保護部、100 処理部(CPU)、101 着底判定部、102 切り離し制御部、103 位置情報生成部、104 着底位置推定部、105 水深情報記憶処理部、106 自律制御部、107 時間計測部、108 通信制御部、109 移動軌跡算出部、110 センサー群、111 圧力センサー、112 ジャイロセンサー、113 加速度センサー、114 地磁気センサー、115 流速センサー、120 GPS受信装置、130 送信部、140 記憶部、150 記録媒体、200 処理部(CPU)、201 データ取得部、202 表示制御部、203 音出力制御部、210 受信部、220 表示部、230 音出力部、240 操作部、250 記憶部、260 記録媒体

Claims (9)

  1. 所与の物体に取り付けられ、当該物体が水中に沈没した場合に着底した位置の情報を送信する着底位置情報送信装置であって、
    前記物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すための切り離し手段と、
    前記物体が着底したか否かを判定する着底判定部と、
    前記着底判定部により前記物体が着底したと判定された場合、前記物体から当該着底位置情報送信装置を切り離すように前記切り離し手段を制御する切り離し制御部と、
    前記切り離し手段により切り離された後、水面に向かって浮上するための浮上手段と、
    位置情報を生成する位置情報生成部と、
    前記位置情報生成部が生成した前記位置情報を利用して、前記物体の着底位置を推定する着底位置推定部と、
    前記着底位置推定部が推定した着底位置の情報を送信する送信部と、を含む、着底位置情報送信装置。
  2. 請求項1において、
    水深を検出する水深検出部をさらに含み、
    前記着底判定部は、
    前記水深検出部の検出結果を利用して、前記物体が着底したか否かを判定する、着底位置情報送信装置。
  3. 請求項2において、
    記憶部と、
    前記着底判定部により前記物体が着底したと判定されてから当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離されるまでの何れかに前記水深検出部が検出した水深の情報を前記記憶部に記憶させる水深情報記憶処理部をさらに含む、着底位置情報送信装置。
  4. 請求項3において、
    前記送信部は、
    前記着底位置の情報とともに前記記憶部に記憶された水深の情報を送信する、着底位置情報送信装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項において、
    衝撃の大きさを検出する衝撃検出部をさらに含み、
    前記着底判定部は、
    前記水深検出部の検出結果と前記衝撃検出部の検出結果とを利用して、前記物体が着底したか否かを判定する、着底位置情報送信装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離された後、鉛直方向に浮上するように前記浮上手段を制御する自律制御部をさらに含み、
    前記着底位置推定部は、
    前記物体の着底位置を、前記位置情報生成部が生成した前記位置情報により特定される位置と同じであると推定する、着底位置情報送信装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    当該着底位置情報送信装置が前記物体から切り離された後の移動軌跡を算出する移動軌跡算出部をさらに含み、
    前記着底位置推定部は、
    前記位置情報生成部が生成した前記位置情報と前記移動軌跡算出部が算出した移動軌跡の情報とを利用して、前記物体の着底位置を推定する、着底位置情報送信装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記着底判定部により前記物体が着底したと判定された後の所与のタイミングからの経過時間を計測する時間計測部をさらに含む、着底位置情報送信装置。
  9. 沈没した物体の着底位置を検出する着底位置検出システムであって、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の着底位置情報送信装置と、
    当該着底位置情報送信装置が送信した情報を受信する着底位置情報受信装置と、を含む、着底位置検出システム。
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