JP2013141122A - 故障切り分け手順生成装置、故障切り分け手順生成方法、および故障切り分け手順生成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク障害を迅速に回復するために、効率的な故障切り分け手順を容易に生成する。
【解決手段】ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成装置1であって、ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段102と、機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段103と、ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段104とを備え、手順生成手段104は、総作業コストの期待値を、移動コストと、検査作業コストと、故障確率とを用いて算出する。
【選択図】図1
【解決手段】ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成装置1であって、ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段102と、機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段103と、ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段104とを備え、手順生成手段104は、総作業コストの期待値を、移動コストと、検査作業コストと、故障確率とを用いて算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ネットワークの保守業務において、故障箇所を特定する故障切り分け作業の手順を生成する、故障切り分け手順生成装置、故障切り分け手順生成方法、および故障切り分け手順生成プログラムに関する。
インターネット、専用線網、電話網などのネットワークを構成する機器(装置)は、適切に保守されることによって、接続区間で正常に通信を行うことができる。そのため、定期的な点検によってネットワークの故障・劣化が疑われる箇所を発見し、修理・交換によってシステムの維持管理を行うネットワーク保守が行われている。しかし、点検コストの点から、全ての接続区間に関して、定期的な点検が行われているわけではない。そのため、ネットワークを構成する機器に、突発的な故障が発生し、ネットワークに障害が発生する可能性がある。このような場合、ネットワークサービス約款上、一定期間内にネットワーク障害を回復させる必要があり、また顧客満足度の観点からも、迅速な故障修理が求められる。
そこで、故障修理の迅速化のために、遠隔地での通信ネットワークの故障発生を通知する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1では、障害の発生を素早く検知することは可能であるが、その原因を解明し障害を回復させるためには、故障箇所の特定が必要であり、そのための作業である故障切り分けを行う必要がある。
また、故障原因・故障箇所の推定のために、過去の故障履歴より機器の信頼性評価を行う技術が特許文献2に記載されている。しかし、信頼性の情報は、機器の故障の可能性を示すだけであり、障害回復の為には、故障切り分け作業を行い、故障箇所を特定し修理を行う必要がある。
ところで、故障切り分け作業とは、検査を行って故障が疑われる区間を狭めていくことで、故障箇所を特定する作業である。障害が発生している全体の系の中から、一部の区間を対象に信号や機器の状態を検査することで、その区間に故障が存在するかどうかを判定する。故障が存在する場合は、検査した区間を再度全体の系として、同じことを繰り返す。故障が存在しない場合は、残りの区間を全体の系として、同じことを繰り返す。この作業を、故障原因を含む交換・修理可能な装置に特定できるまで繰り返す。
現在の故障切り分け作業は、保守者によって経験的に故障箇所の推定と故障切り分け手順の生成が行われている。
また、ネットワークの故障修理では、ネットワークを構成する機器が地理的に分散していることが多いため、故障箇所の判定には、遠隔地からの故障切り分け作業だけでなく、機器の設置箇所での故障切り分け作業が必要になる場合があり、保守者が機器の設置箇所へ移動するためには時間がかかる。
素早く故障箇所を特定する故障切り分け手順(作業手順)を作成するには、機器毎の故障頻度に関する知識や、機器を検査するために必要な時間、検査する機器間を移動するのにかかる時間などの見積もりが必要である。また、機器が収容されている建物によっては、建物管理者の駐在時間によって、機器の検査(点検)を行える時間帯が決まっていたり、時間帯によっては検査にかかる時間が変化したりする場合も存在する。これらの作業時間、検査可能時間帯などの条件を考慮して故障切り分け手順を生成することは、複雑で難しい作業である。しかしながら、これらの条件を考慮しないで故障切り分け手順を作成した場合、故障確率の低い機器の検査に時間をかけてしまい、なかなか故障箇所を特定できない場合や、他の機器の検査に時間がかかり検査可能時間を過ぎてしまったために、故障が疑われる機器を検査できなくなってしまう場合など、非効率な切り分け作業になる可能性がある。
また、現状の故障切り分け手順の生成方法は、機器の故障確率の高い機器から検査する、検査が簡単な機器から検査する、距離が最も近い機器から検査するなど、担当者ごとに異なり、必ずしも効率的な故障切り分け手順を生成できているとは限らない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ネットワーク障害を迅速に回復するために、効率的な故障切り分け手順を容易に生成する、故障切り分け手順生成装置、故障切り分け手順生成方法、および故障切り分け手順生成プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成装置であって、ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段と、機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段と、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段とを備え、前記手順生成手段は、前記総作業コストの期待値を、前記機器間移動コスト記憶手段の移動コストと、前記機器属性記憶手段の検査作業コストおよび故障確率とを用いて算出する。
本発明は、故障切り分け手順生成装置が行う、ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成方法であって、故障切り分け手順生成装置は、ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶部と、機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶部とを備え、第1の故障切り分け手順を生成し、前記機器間移動コスト記憶部の移動コストと、前記機器属性記憶部の検査作業コストおよび故障確率とを用いて、当該第1の故障切り分け手順において、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される第1の総作業コストの期待値を算出する算出ステップと、第2の故障切り分け手順を生成し、前記移動コストと、前記検査作業コストおよび故障確率とを用いて、当該第2の故障切り分け手順において、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される第2の総作業コストの期待値を算出する算出ステップと、 前記第1の総作業コストと前記第2の総作業コストとを比較し、総作業コストが小さい方を選択するステップと、を行う。
本発明は、コンピュータが実行する、ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成プログラムであって、ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段、機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段、および、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段、として機能させ、前記手順生成手段は、前記総作業コストの期待値を、前記機器間移動コスト記憶手段の移動コストと、前記機器属性記憶手段の検査作業コストおよび故障確率とを用いて算出する。
本発明によれば、ネットワーク障害を迅速に回復するために、効率的な故障切り分け手順を容易に生成する、故障切り分け手順生成装置、故障切り分け手順生成方法、および故障切り分け手順生成プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る故障切り分け手順生成装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の故障切り分け手順生成装置1が保守対象とするネットワークは、国際通信などに利用される長距離通信ネットワークから、各家庭内で運用されている小規模ネットワークなどである。また、ネットワーク内で対象とする機器(装置)の単位は、ネットワークを構成する、ルータ、LANケーブル(例えば、Ethernet(登録商標)ケーブルなど)、ハブなどの機器と、ネットワークにつながっている、PC、Set-top Box、VoIPアダプタなどの機器である。
また、保守対象とする機器構成では、障害発生時、故障箇所が必ず一箇所存在し、同時には複数の機器の故障は発生しないものとする。この場合、保守者は、故障切り分け作業中に故障箇所を発見した時点で故障切り分け作業を終了し、故障修理作業に取りかかる。
図1に示す故障切り分け手順生成装置1は、機器構成データベース101と、機器属性データベース102と、機器間移動コストデータベース103と、手順生成部104と、出力部105と、入力受付部107と、を備える。また、故障切り分け手順生成装置1には、ディスプレイ、プリンタなどの出力装置106と、マウスやキーボードなどの入力装置108が接続されている。
図2は、機器構成データベース101の一例を示す図である。機器構成データベース101は、顧客が所有している機器に関する情報が記録されている。図示する機器構成データベース101は、顧客を識別する顧客IDと、顧客が所有している機器の型番を識別する機器IDとが対応付けて記憶されている。
図3は、機器属性データベース102の一例を示す図である。機器属性データベース102は、保守対象機器の故障確率や検査に関する情報が記録されている。図示する機器属性データベース102は、機器の型番を識別する機器IDと、故障確率として機器の平均故障間隔と、ある時刻t(時間帯)での機器の検査に必要な検査作業のコスト(例えば、時間)とが対応付けて記憶されている。
図4は、機器間移動コストデータベース103の一例を示す図である。機器間移動コストデータベース103には、顧客毎に、ある時刻t(時間帯)での各機器間の移動にかかるコストが設定されている。なお、機器間移動コストデータベース103は、時間帯毎の移動コストではなく、全ての時間帯に共通した移動コストが設定されていてもよい。
図5に示すAさんが所有するネットワークの機器構成例の場合における、各データベース101、102、103のデータの表現ついて説明する。図5(a)は、機器間の移動にかかる時間を示している。例えば、時刻t=10:00に初期位置からルータ1の地点へ移動するためには1分の移動コストがかかる。また、時刻t=10:00にルータ1からLANケーブル-1の地点へ移動するためには2分の移動コストがかかる。このようにある時間帯における2地点間の移動にかかるコストを表にまとめたものが、機器間移動コストデータベース103(図4参照)である。
図5(b)は、各機器の検査作業を行う為に必要な時間を示している。例えば、時刻t=10:00に、ルータ2の検査を行う為には、20分の作業時間が必要であり、LANケーブル-2の検査を行う為には、2分の作業時間が必要であることを示している。これら検査作業を行う為に必要な時間を表にまとめたものが、機器属性データベース102(図3参照)である。
手順生成部104は、機器構成データベース101、機器属性データベース102、機器間移動コストデータベース103を用いて、故障箇所を特定するための最適な故障切り分け手順を生成する。
上記説明した故障切り分け手順生成装置1は、例えば、CPUと、メモリと、HDD等の外部記憶装置と、入力装置と、出力装置とを備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた故障切り分け手順生成装置1用のプログラムを実行することにより、故障切り分け手順生成装置1の各機能が実現される。また、故障切り分け手順生成装置1用のプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
次に、本実施形態の故障切り分け手順生成装置1の動作について説明する。ここでは、図5に示す機器構成のネットワークに障害が発生した場合の動作を例として、以下説明する。
まず、機器構成データベース101の機器構成情報をもとに、機器構成を取得し、取得した各機器の故障原因割合を算出する。具体的には、故障切り分け手順生成装置1を使用する保守者は、Aさんからの障害発生の通知・申告を受け付けると、入力装置108を用いてAさんの顧客IDを入力する。入力受付部107は、入力された顧客IDを受け付け、手順生成部104に出力する。手順生成部104は、当該顧客IDを検索キーとして機器構成データベース101を検索し、当該顧客IDに対応する(Aさんが所有している)全ての機器の機器IDを取得する。
そして、手順生成部104は、取得した全ての機器(機器ID)の各々について、機器属性データベース102の平均故障間隔を用いて、故障率を算出する。算出方法は、
故障率 = 1/平均故障間隔
である。
故障率 = 1/平均故障間隔
である。
また、手順生成部104は、この故障率を用いて、障害発生時の構成中のある機器kが故障発生の原因である割合P(pk|outage)を算出する。算出方法は、
機器kの故障原因割合 = 機器kの故障率 / 全ての機器の故障率の合計
機器kの故障原因割合 = 機器kの故障率 / 全ての機器の故障率の合計
となる。手順生成部104は、各機器について故障原因割合を算出する。図5に示す機器構成の場合、故障原因割合は図5(c)の通りである。
次に、機器間の移動コストを用いて、故障切り分け手順を生成する動作について説明する。
機器間の移動コストは、図4に示す通り、移動方向によらない値であるとする。また、各機器を検査する作業には、機器属性データベース102(図3参照)に設定された、時間帯に応じた検査作業コストがかかる。ここでは、装置iから装置jまで移動するために必要なコストをlij(t)、装置iを検査する作業に必要な検査作業コストをci(t)と表記する。これらは、作業時刻tによって変動する変数である。具体的な例としては、道路の混雑状況に応じて移動に必要な時間が変化し、lij(t)が時間的に変化する場合、また、お客様の都合によって機器の検査には鍵が必要になる場合は、作業に必要なコストci(t)が時刻によって変化する場合と考えることができる。
図5の構成において、例えば、時刻t=10:00において、ルータ1→LANケーブル-1→ハブ1と探索を行い、ハブ1内に故障を発見した場合の作業の総コストは、
l初期位置 ルータ1+cルータ1+lルータ1 LANケーフ゛ル-1+cLANケーフ゛ル-1+lLANケーフ゛ル-1 ハブ1+cハブ1
=1+10+2+2+1+15
=31[分]
となる。この故障切り分け手順で、このコストが発生する確率(ハブ1が故障発生の原因である割合)は、図5(c)に示すように、
P(pハブ゛1|outage)=0.06
である。これらから、例えば、ルータ1→LANケーブル-1→ハブ1→LANケーブル-2→ルータ2の順で故障切り分けを行う作業手順の場合、故障切り分けにかかるコストの期待値は、
(1+10)*0.16+(1+10+2+2)*0.28+(1+10+2+2+1+15)*0.06
+(1+10+2+2+1+15+2+2)*0.28+(1+10+2+2+1+15+2+2+1+20)*0.22
=1.76+4.2+1.86+9.8+12.32
=45.78 [分]
と計算することができる。一般的には、n個の機器で構成されるネットワーク構成内の各機器に任意に順番を振り(例として、ルータ1を「1」、LANケーブル-1を「2」など)、初期状態の順番を「0」とするとき、故障切り分け手順の順列を
a={αk}∈{0,1,2,・・・,n} (k=1,2,,・・・,n α0=0)
とすると、時刻tでの手順列aでの故障機器を特定するまでに必要であると推定される故障切り分け作業の総作業コストの期待値E(a,t)は、
l初期位置 ルータ1+cルータ1+lルータ1 LANケーフ゛ル-1+cLANケーフ゛ル-1+lLANケーフ゛ル-1 ハブ1+cハブ1
=1+10+2+2+1+15
=31[分]
となる。この故障切り分け手順で、このコストが発生する確率(ハブ1が故障発生の原因である割合)は、図5(c)に示すように、
P(pハブ゛1|outage)=0.06
である。これらから、例えば、ルータ1→LANケーブル-1→ハブ1→LANケーブル-2→ルータ2の順で故障切り分けを行う作業手順の場合、故障切り分けにかかるコストの期待値は、
(1+10)*0.16+(1+10+2+2)*0.28+(1+10+2+2+1+15)*0.06
+(1+10+2+2+1+15+2+2)*0.28+(1+10+2+2+1+15+2+2+1+20)*0.22
=1.76+4.2+1.86+9.8+12.32
=45.78 [分]
と計算することができる。一般的には、n個の機器で構成されるネットワーク構成内の各機器に任意に順番を振り(例として、ルータ1を「1」、LANケーブル-1を「2」など)、初期状態の順番を「0」とするとき、故障切り分け手順の順列を
a={αk}∈{0,1,2,・・・,n} (k=1,2,,・・・,n α0=0)
とすると、時刻tでの手順列aでの故障機器を特定するまでに必要であると推定される故障切り分け作業の総作業コストの期待値E(a,t)は、
と表される。
この故障切り分け作業にかかる総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順が、効率的な故障切り分け手順である。
この切り分け手順の期待値を最小化するための方法は、すべての順列を生成し期待値を計算する方法や、ランダムに手順を生成し期待値が低いものを採用するなど、いくつか考えることができる。その一つの手法として、循環セールスマン問題を適用することができる。各機器を都市とし、機器を検査する検査作業コストと機器間を移動するコストとを合わせたものを都市間の道のりとすると、上記の問題は、確率的巡回セールスマン問題の一種と考えることができる。
巡回セールスマン問題については、多数の解法が提案されており、それらを用いて都市間の移動距離が最短になるコース、すなわち、故障切り分け手順の総作業コストの期待値が最も小さくなる手順を生成する。
以下では、その解法の一つの例である、局所近傍探索 2-opt法について述べる。手順生成部104が行う、故障切り分け手順生成プロセスは以下の通りである。
<ステップ1> 全ての機器を巡回する任意の手順列a(巡回経路)を生成し、手順列aの総作業コストの期待値E(a,t)を算出する。図6は、図5に示す構成の場合の手順列aの一例を示すものである。図示する例では、「1」をルータ1に、「2」をLANケーブル-1に、「3」をハブ1に、「4」をルータ2に、「5」をLANケーブル-2に割り当て、この順番で各機器を検査することを示す。
<ステップ2> 手順列aを構成する枝(ルータ1→LANケーブル-1などの順序)の中から、2本の枝を選ぶ。ただし、2本の枝の両端4つの機器は全て異なるものとする。図7は、図6に示す手順列aにおいて、第1の枝71(LANケーブル-1からハブ1への矢印)と、第2の枝72(LANケーブル-2から初期位置への矢印)とを選択したことを示している。
<ステップ3> 選択した2本の枝を手順列aから取り除き、新たに2本の枝を加えてできる手順列(巡回経路)をa’とし、手順列a’の総作業コストの期待値E(a’,t)を算出する。図8は、図7の枝71、72を削除し、新たに2本の枝81、82を加えた変更後の手順列a’を示す。図8では、「1」をルータ1に、「2」をLANケーブル-1に、「3」をLANケーブル-2に、「4」をルータ2に、「5」をハブ1に割り当て、この順番で各機器を検査することを示す。
<ステップ4> 手順列aの総作業コストの期待値E(a,t)と、新たな手順列a’の総作業コストの期待値E(a’,t)とを比較し、総作業コストの期待値が小さい方を選択する。すなわち、新たな手順列a’の総作業コストの期待値E(a’,t)が、元の手順列aの総作業コストの期待値E(a,t)より小さくなる場合は、a’を改めてaとおく。逆に、総作業コストの期待値が小さくならない場合は、何もせずaはそのままとする。
<ステップ5> ステップ2に戻る。
ステップ2〜5の1工程を1イテレーションとして、複数回繰り返すことで、より総作業コストの期待値の小さい故障切り分け手順を生成することができる。イテレーションを繰り返し、十分小さい期待値に収束したら、変更された手順列aを最適な故障切り分け手順として、出力部105を介して出力装置106に出力し、保守者に提示する。
また、ある故障切り分け作業が完了し、次の故障切り分け作業に取りかかる際に、時刻が変化していた場合は、tの値を更新し、再度最適な故障切り分け手順aを計算し、提示することで、時間変化に対応した故障切り分け手順を提示することができる。
上記の局所近傍探索法は巡回セールスマン問題の解法の一例であり、上記以外にもさまざまな解法が存在し、それらを用いて故障切り分け手順を生成することも可能である。
以上説明した本実施形態では、これまでバラバラに考慮されてきた、機器の故障確率、時間帯によって変化する機器の検査・点検時間、および検査する機器へ移動するために必要な時間を総合的に考慮することで、効率的な故障切り分け手順を生成する。
具体的には、本実施形態では、ネットワークを構成するすべての機器を検査する順序を初期切り分け手順として生成する。ネットワークに故障が発生した場合にある機器で故障が発生している故障原因割合と、機器を検査に必要な検査作業コストと、機器間を移動するために必要な移動コストとをもとに、初期切り分け手順で定められた順序で機器を検査していく場合に、検査によって故障機器を特定できるまでに必要な総作業コストを期待値として算出する。この総作業コストの期待値が減少するように、初期切り分け手順の順序を入れ替える。この、総作業コストの期待値の算出と機器を検査する順序の入れ替えを繰り返すことで、最小となる故障切り分け手順を生成する。
これにより、本実施形態では、複雑な条件を自動的に考慮し、その時点で最も作業コストの期待値が小さくなる、効率的な故障切り分け手順を生成することができる。これによってネットワークの故障修理を担当する保守者は、機器の故障確率に関する知識や、様々な条件の考慮を必要とせずに、合理的な故障切り分け手順を生成することが可能となる。また、効率的な故障切り分け手順を生成することで、素早い故障箇所の特定・修理が可能になり、迅速なネットワーク障害の回復を行うことができる。
また、本実施形態の機器属性データベース102では、時間帯に応じた検査作業コストが設定され、また、機器間移動コストデータベース103では、時間帯に応じた移動コストが設定されている。これにより、本実施形態では、故障切り分け作業を行う時間帯を考慮した、効率的な故障切り分け手順を生成することができる。
また、故障切り分け作業中に、検査の結果に応じて故障切り分け手順を再生成することによって、時間帯などの条件の変化に応じて柔軟に、効率的な故障切り分け手順を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、図4の機器間移動コストデータベース103を拡張し、装置iから装置jまでのコストと、装置jから装置iまでのコストを異なるものでも受け付けるよう変更することとしてもよい。これにより、より現実の故障修理作業に適合した、故障切り分け手順を生成することができる。
また、機器属性データベース102、機器間移動コストデータベース103を用いて、故障切り分け作業にかかる時間を事前に予測し、機器の切り分け作業完了時刻での検査作業コスト、機器間移動コストデータベース103を用いて、故障切り分け手順を事前に生成してもよい。これにより、正確な故障切り分け手順を事前に生成することができる。
1 :故障切り分け手順生成装置
101:機器構成データベース
102:機器属性データベース
103:機器間移動コストデータベース
104:手順生成部
105:出力部
106:出力装置
107:入力受付部
108:入力装置
101:機器構成データベース
102:機器属性データベース
103:機器間移動コストデータベース
104:手順生成部
105:出力部
106:出力装置
107:入力受付部
108:入力装置
Claims (3)
- ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成装置であって、
ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段と、
機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段と、
前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段とを備え、
前記手順生成手段は、前記総作業コストの期待値を、前記機器間移動コスト記憶手段の移動コストと、前記機器属性記憶手段の検査作業コストおよび故障確率とを用いて算出すること
を特徴とする故障切り分け手順生成装置。 - 故障切り分け手順生成装置が行う、ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成方法であって、
故障切り分け手順生成装置は、
ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶部と、
機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶部とを備え、
第1の故障切り分け手順を生成し、前記機器間移動コスト記憶部の移動コストと、前記機器属性記憶部の検査作業コストおよび故障確率とを用いて、当該第1の故障切り分け手順において、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される第1の総作業コストの期待値を算出する算出ステップと、
第2の故障切り分け手順を生成し、前記移動コストと、前記検査作業コストおよび故障確率とを用いて、当該第2の故障切り分け手順において、前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される第2の総作業コストの期待値を算出する算出ステップと、
前記第1の総作業コストと前記第2の総作業コストとを比較し、総作業コストが小さい方を選択するステップと、を行うこと
を特徴とする故障切り分け手順生成方法。 - コンピュータが実行する、ネットワークの故障箇所を特定するための故障切り分け手順を生成する故障切り分け手順生成プログラムであって、
ネットワークを構成する機器毎に故障確率および時間帯に応じた検査作業コストを記憶する機器属性記憶手段、
機器間の移動に要する移動コストが記憶された機器間移動コスト記憶手段、および、
前記ネットワーク内の故障機器を特定するまでに必要であると推定される総作業コストの期待値が最小となる故障切り分け手順を生成する手順生成手段、として機能させ、
前記手順生成手段は、前記総作業コストの期待値を、前記機器間移動コスト記憶手段の移動コストと、前記機器属性記憶手段の検査作業コストおよび故障確率とを用いて算出すること
を特徴とする故障切り分け手順生成プログラム。
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---|---|---|---|
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JP2020140522A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 株式会社日立製作所 | 故障分析支援装置、及び故障分析支援方法 |
JPWO2021192316A1 (ja) * | 2020-03-27 | 2021-09-30 |
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