JP2013140859A - 磁束制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁束の収束において漏れを防止すること、また、磁束の収束、反射、透過の制御を可能とすること。
【解決手段】第1面F1の外形輪郭を規定し、第1始点S1から第1終点E1まで接続する第1線路10と、第2面F2の外形輪郭を規定し、第2始点S2から第2終点E2まで接続する第2線路20と、第1終点と第2始点とを接続する第1連結線路30と、第2終点と第1始点とを接続する第2連結線路40と、を有する。磁束が第1面及び第2面を貫通する時に、誘導電流が第1始点、第1線路、第1終点、第1連結線路、第2始点、第2線路、第2終点、第2連結線路、第1始点の経路から成る閉ループを流れるように配置された閉ループ線路A1を、少なくとも一つ有する。第1連結線路と第2連結線路とを平行に接近させ、磁束が貫通する方向において、相互に変位させると共に、第1面及び第2面に対して垂直な方向から見た場合に、第1連結線路と第2連結線路とが同一位置に位置するように閉ループ線路を形成した。
【選択図】図1.A
【解決手段】第1面F1の外形輪郭を規定し、第1始点S1から第1終点E1まで接続する第1線路10と、第2面F2の外形輪郭を規定し、第2始点S2から第2終点E2まで接続する第2線路20と、第1終点と第2始点とを接続する第1連結線路30と、第2終点と第1始点とを接続する第2連結線路40と、を有する。磁束が第1面及び第2面を貫通する時に、誘導電流が第1始点、第1線路、第1終点、第1連結線路、第2始点、第2線路、第2終点、第2連結線路、第1始点の経路から成る閉ループを流れるように配置された閉ループ線路A1を、少なくとも一つ有する。第1連結線路と第2連結線路とを平行に接近させ、磁束が貫通する方向において、相互に変位させると共に、第1面及び第2面に対して垂直な方向から見た場合に、第1連結線路と第2連結線路とが同一位置に位置するように閉ループ線路を形成した。
【選択図】図1.A
Description
本発明は、導体から成る閉ループと、そのループを貫通する磁束が相対的に時間変化する場合における磁束の収束、反射、透過などの磁束の空間分布の制御を行う装置に関する。
磁束を収束させる磁界レンズとして、特許文献1、2に開示の技術が知られている。この技術はコイルを円錐形状に捲回して、中心軸に磁束を収束させるものである。特許文献3は、複数のコイルをコイルの軸方向に相互に間隙を設けて多段に設けたものであり、コイルを流れる電流を制御することで、軸方向に走行する電子ビームの走行を制御するものである。
また、下記非特許文献1は、磁束収束型電磁ポンプを開示している。その技術は、コイルとコイルとの間に、半径方向にスリットを有したリング状の円板を設けて、コイルによって生じる交流磁束が、コイルの軸方向に貫通する時に、円板に生じるうず電流を用いて、コイルの中心軸に磁束を収束させる技術である。
「駆動電源周波数を考慮した磁束収束型電磁ポンプの特性改善」、間々田宏、他、日本AEM学会誌、Vol.2,No.3, pp.44-47 9,1944
ところが、特許文献1、2においては、コイルの形状を軸方向に変化させるものであり、特許文献3においては、複数段のコイルを用いるものである。一つの面において、磁束の収束や排除を制御するものではない。また、非特許文献1では、中心に磁束を収束させる作用を有するものの、円板に形成されたスリットにおいて軸方向に磁束が漏れるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、簡便な構造で、磁束を収束させて磁束漏れを抑制した磁束制御装置を実現することである。
また、他の目的は、磁束の収束、反射、透過などを可変制御した磁束制御装置を実現することである。
また、他の目的は、磁束の収束、反射、透過などを可変制御した磁束制御装置を実現することである。
第1の発明は、磁束が貫通する第1面と、第1面の内部に含まれる第2面とを有し、第1面の外形輪郭を規定し、第1始点から第1終点まで接続する第1線路と、第2面の外形輪郭を規定し、第2始点から第2終点まで接続する第2線路と、第1終点と第2始点とを接続する第1連結線路と、第2終点と第1始点とを接続する第2連結線路と、を有して、磁束が第1面及び第2面を貫通する時に、誘導電流が第1始点、第1線路、第1終点、第1連結線路、第2始点、第2線路、第2終点、第2連結線路、第1始点の経路から成る閉ループを流れるように配置された閉ループ線路を、少なくとも一つ有し、閉ループ線路が一つの場合には、第1連結線路と第2連結線路とを平行に接近させ、閉ループ線路が複数の場合には、各閉ループ線路の各第1線路を流れる電流の向きは同一の第1向きとなり、閉ループ線路の各第2線路を流れる電流の向きは、同一向きであって、第1向きとは逆方向の第2向きとなるように配置され、隣接する2つの閉ループ線路において、一つの閉ループ線路の第1連結線路と他の閉ループ線路の第2連結線路とを平行に接近させて、各閉ループ線路を配列し、平行に接近させて配列させた第1連結線路と第2連結線路とを、磁束が貫通する方向において、相互に変位させると共に、第1面及び第2面に対して垂直な方向から見た場合に、第1連結線路と第2連結線路とが同一位置に位置するように閉ループ線路を形成したことを特徴とする磁束制御装置である。
本発明において閉ループ線路は、空間中にワイヤで形成されていても良く、誘電体基板上に、導体パターンを積層させて形成しても良い。また、閉ループ線路の巻き数は1つでも、複数巻きであっても良い。複数巻きの場合には、第1始点と第1終点は、第1線路のコイルの先端と終端とを意味し、第2始点と第2終点は、第2線路のコイルの先端と終端とを意味する。
閉ループ線路が一つの場合には、外側の第1線路を、等価的に循環する電流路と、内側の第2線路を等価的に循環する電流路とが形成されて、両者における電流の流れる向きは反対方向である。等価的とは、第1始点と第1終点とは、実際には、直接には接続されていないが、この点を重ねた場合に、1循の電流路が形成されることを意味する。第2線路についても、同様であり、第2始点と第2終点とは、実際には、直接には接続されていないが、この点を重ねた場合に、1循の電流路が形成されることを意味する。この場合に、第1線路の等価的な循環線路の形状、第2線路の等価的な循環線路の形状は任意であり、第1線路の内側に第2線路が存在すれば良い。そして、第1連結線路と第2連結線路とは、平行であって、第1面に垂直な方向に対して変位しており、第1面に垂直な方向から見て重なった位置に配置されている。
閉ループ線路が一つの場合には、外側の第1線路を、等価的に循環する電流路と、内側の第2線路を等価的に循環する電流路とが形成されて、両者における電流の流れる向きは反対方向である。等価的とは、第1始点と第1終点とは、実際には、直接には接続されていないが、この点を重ねた場合に、1循の電流路が形成されることを意味する。第2線路についても、同様であり、第2始点と第2終点とは、実際には、直接には接続されていないが、この点を重ねた場合に、1循の電流路が形成されることを意味する。この場合に、第1線路の等価的な循環線路の形状、第2線路の等価的な循環線路の形状は任意であり、第1線路の内側に第2線路が存在すれば良い。そして、第1連結線路と第2連結線路とは、平行であって、第1面に垂直な方向に対して変位しており、第1面に垂直な方向から見て重なった位置に配置されている。
また、閉ループ線路が複数存在する場合には、各閉ループ線路の各第1線路は、直接は接続されていないが、等価的に、電流の循環路が形成される。また、各第2線路は、直接的には接続されていないが、同様に、等価的に、電流の循環路が形成される。そして、両電流路を流れる電流の向きは逆向きである。等価的の意味も上記の通りであり、全ての第1線路から成る等価的な電流の循環路の形状、全ての第2線路から成る等価的な電流の循環路の形状は任意であり、第1線路の内側に第2線路が存在すれば良い。
そして、隣接する閉ループ線路間では、一つの閉ループ線路の第1連結線路と他の閉ループ線路の第2連結線路とは、平行であって、第1面に垂直な方向に対して相互に変位しており、第1面に垂直な方向から見て重なった位置に配置されている。
この構成により、第2面を貫通する磁束の漏れが防止される。
そして、隣接する閉ループ線路間では、一つの閉ループ線路の第1連結線路と他の閉ループ線路の第2連結線路とは、平行であって、第1面に垂直な方向に対して相互に変位しており、第1面に垂直な方向から見て重なった位置に配置されている。
この構成により、第2面を貫通する磁束の漏れが防止される。
本発明において、閉ループ線路が複数存在する場合には、それぞれの閉ループ線路の形状は、それぞれ、異なっていても良いが、第2面の中心を軸とする回転対称に形成されていることが望ましい。
また、閉ループ線路は空間に配置されていても良い。また、閉ループ線路は誘電体基板上に形成されており、第1連結線路と第2連結線路とは、それらの間に絶縁膜を介在させて配置されていても良い。
さらに、閉ループ線路は、誘電体基板の表面及び裏面に形成されており、第1連結線路と第2連結線路とは、誘電体基板を介在させて配置されていても良い。
また、閉ループ線路は空間に配置されていても良い。また、閉ループ線路は誘電体基板上に形成されており、第1連結線路と第2連結線路とは、それらの間に絶縁膜を介在させて配置されていても良い。
さらに、閉ループ線路は、誘電体基板の表面及び裏面に形成されており、第1連結線路と第2連結線路とは、誘電体基板を介在させて配置されていても良い。
他の発明は、磁束の収束、反射、透過のモードを制御できるようにした発明である。
すなわち、モードの可変制御可能な磁束制御装置は、上記発明において、閉ループ線路には、閉ループ線路を環流する電流を遮断又は通過させる第1スイッチが設けられていることを特徴とする。
第1スイッチとしては、機械的な接点機構の他、リレー、トランジスタ、バリスタなどの電子スイッチを用いることができる。制御電圧を電子スイッチに供給して、モードを変化させることができる。この場合には、第1スイッチをオン状態とすれば、第2面以外の第1面は磁束を反射させ、第2面に磁束を収束させる収束モードとし、オフ状態とすれば外部磁束を透過させる透過モードとなる。第1スイッチは各閉ループ線路の任意の位置に設ければ良い。
すなわち、モードの可変制御可能な磁束制御装置は、上記発明において、閉ループ線路には、閉ループ線路を環流する電流を遮断又は通過させる第1スイッチが設けられていることを特徴とする。
第1スイッチとしては、機械的な接点機構の他、リレー、トランジスタ、バリスタなどの電子スイッチを用いることができる。制御電圧を電子スイッチに供給して、モードを変化させることができる。この場合には、第1スイッチをオン状態とすれば、第2面以外の第1面は磁束を反射させ、第2面に磁束を収束させる収束モードとし、オフ状態とすれば外部磁束を透過させる透過モードとなる。第1スイッチは各閉ループ線路の任意の位置に設ければ良い。
また、モードの可変制御可能な磁束制御装置は、上記発明において、閉ループ線路が一つの場合において、第1始点と第1終点とを短絡又は開放する第2スイッチと、第2始点と第2終点とを短絡又は開放する第3スイッチとのうち、少なくとも一方を有することを特徴とする磁束制御装置である。
第2スイッチのみが存在する時のモードは次の通りとなる。
第2スイッチがオン状態の時には、第1線路は、第2線路を介することなく、第1線路だけで現実に循環路が形成されて、誘導電流を循環させることができる。この時、第2線路は、第1線路の第1始点と第1終点との短絡により、第1連結線路と第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、第1線路と第2線路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
第2スイッチがオフ状態の時には、閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
第2スイッチのみが存在する時のモードは次の通りとなる。
第2スイッチがオン状態の時には、第1線路は、第2線路を介することなく、第1線路だけで現実に循環路が形成されて、誘導電流を循環させることができる。この時、第2線路は、第1線路の第1始点と第1終点との短絡により、第1連結線路と第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、第1線路と第2線路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
第2スイッチがオフ状態の時には、閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
第3スイッチのみが存在する時のモードは次の通りとなる。
第3スイッチがオン状態の時には、第2線路は、第1線路を介することなく、第2線路だけで現実に循環路が形成され、誘導電流を循環させることができる。この時、第1線路は、第2線路の第2始点と第2終点との短絡により、第1連結線路と第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、第1線路と第2線路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
第3スイッチがオフ状態の時には、閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
第2スイッチと第3スイッチとが両方存在する場合には、オフ状態のスイッチについては、そのスイッチが存在しない場合の上記の説明と同一である。一方、又は、両方のスイッチのオン状態における動作については、上記のスイッチがオン状態にあるときの説明の通りである。両スイッチがオフ状態の場合には、当然に、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
第3スイッチがオン状態の時には、第2線路は、第1線路を介することなく、第2線路だけで現実に循環路が形成され、誘導電流を循環させることができる。この時、第1線路は、第2線路の第2始点と第2終点との短絡により、第1連結線路と第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、第1線路と第2線路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
第3スイッチがオフ状態の時には、閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
第2スイッチと第3スイッチとが両方存在する場合には、オフ状態のスイッチについては、そのスイッチが存在しない場合の上記の説明と同一である。一方、又は、両方のスイッチのオン状態における動作については、上記のスイッチがオン状態にあるときの説明の通りである。両スイッチがオフ状態の場合には、当然に、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
上記の第2スイッチ及び第3スイッチの少なくとも一方のスイッチと、上記の第1スイッチとを設ければ、磁束の透過、収束、反射の各モードを制御することができる。
また、モードの可変制御可能な他の磁束制御装置は、上記発明において、閉ループ線路が複数n個の場合において、任意の2つの閉ループ線路間において、一方の閉ループ線路の第1始点と他方の閉ループ線路の第1終点とを短絡又は開放する第2スイッチであって、全ての第2スイッチのオン状態の時に各第1線路を接続して、第1線路だけで循環路を形成するn個の第2スイッチと、一方の閉ループ線路の第2終点と他方の閉ループ線路の第2始点とを短絡又は開放する第3スイッチであって、全ての第3スイッチのオン状態の時に各第2線路を接続して、第2線路だけで循環路を形成するn個の第3スイッチとのうち、少なくとも一方を有することを特徴とする磁束制御装置である。
この場合には、n個の第2スイッチを全てオン状態とすると、各閉ループ線路の各第1線路が、直列に接続される結果、各第1線路だけで電流の循環路が形成される。この時、各閉ループ線路の各第2線路も、各第1線路の各第1始点と各第1終点との短絡により、各第1連結線路と各第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、各第1線路から成る循環路と、各第2線路から成る循環路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
全第2スイッチがオフ状態の時には、全閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
全第2スイッチがオフ状態の時には、全閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
n個の第3スイッチを全てオン状態とすると、各閉ループ線路の各第2線路が直列に接続される結果、各第2線路だけで電流の循環路が形成される。この時、各閉ループ線路の各第1線路は、各第2線路の各第2始点と各第2終点との短絡により、各第1連結線路と各第2連結線路を介する電流の循環路となる。したがって、各第1線路から成る循環路と、各第2線路から成る循環路とには、独立して誘導電流が流れることになる。この結果、第2面を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面以外の第1面を貫通する外部磁束は、第2面での反射よも小さく反射させるモードとなる。
全第3スイッチがオフ状態の時には、全閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
全第3スイッチがオフ状態の時には、全閉ループ線路による電流の循環路が形成されるので、第2面以外の第1面で磁束を反射させ、第2面で磁束を収束させる収束モードとなる。
n個の第2スイッチ又はn個の第3スイッチの一部のスイッチがオン状態で、他のスイッチがオフ状態の場合には、オン状態となっている閉ループ線路には、誘導電流が流れるので、誘導電流が流れる閉ループ線路による合成磁界が生成される。したがって、磁束制御の能力が小さくなるだけで、上記のモード変化は実現できる。n個の第2スイッチとn個の第3スイッチとが両方存在する場合にも、閉ループ線路が一つの場合に説明したことが該当する。
上記のn個の第2スイッチ及びn個の第3スイッチの少なくとも一方のスイッチ群と、上記の第1スイッチを各閉ループ線路に設ければ、磁束の透過、収束、反射の各モードを制御することができる。n個の第1スイッチのうちオフ状態にないスイッチが存在しても、磁束の透過の能力が低下するだけで、上記の3モードの制御は可能である。
本発明によると、第1連結線路と第2連結線路とが、磁束が貫通する方向から見て重なって配置されているので、第1連結線路と第2連結線路との間を磁束が通過することがないために、磁束の漏れが防止される。
また、スイッチを設けた磁束制御装置によると、各スイッチのオン状態とオフ状態とを制御することで、磁束の収束、反射、透過のモードを可変制御することができる。
また、スイッチを設けた磁束制御装置によると、各スイッチのオン状態とオフ状態とを制御することで、磁束の収束、反射、透過のモードを可変制御することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1.Aは、本発明の具体的な一実施例に係る磁束制御装置1の構成を示した平面図である。図示する外側と内側の線路は、合せて、一つの閉ループ線路A1を構成しており、電流が環流するように構成されている。閉ループ線路A1は銅、アルミニウムなどの導体で構成されている。半径の大きい円形の面が第1面F1であり、この第1面F1の内部領域に存在する半径の小さい円形の面が第2面F2である。第1面F1、第2面F2を、外部から交流磁束が貫通する。第1面F1の外形の輪郭を規定する円形の線路が第1線路10であり、第2面F2の外形の輪郭を規定する円形の線路が第2線路20である。
図1.Bは、図1.Aに示すように、第1線路10の半円に沿って切断した断面図であり、図1.Cは、図1.Aに示すように、第2線路20の半円に沿って切断した断面図である。第1線路10、第2線路20は、誘電体基板50の上に形成されている。第1線路10は、絶縁膜51上に位置する第1始点S1から、基板50上において反時計回転方向に円を描き、第1始点S1の下方に(−z軸方向)位置し、且つ、基板50上に位置する第1終点E1までの線路である。同様に、第2線路20は、基板50上に位置する第2始点S2から、基板50上において時計回転方向に円を描き、第2始点S2の上方に(z軸方向)位置し、且つ、絶縁膜51上に位置する第2終点E2までの線路である。
図1.Dは、図1.Aにおいて、第1線路10と第2線路20とを連結する部分の断面図であり、図2は、その部分の斜視図である。第1線路10の第1終点E1と第2線路20の第2始点S2とを接続する線路が第1連結線路30である。第1連結線路30は基板50上に形成されている。また、第2線路20の第2終点E2と第1線路10の第1始点S1とを接続する線路が第2連結線路40である。第2連結線路40は絶縁膜51上に形成されている。第2連結線路40と第1連結線路30とは、それらの間に絶縁膜51が介在されて、z軸方向の正射影が重なる位置に設けられている。
第1始点S1、第1線路10、第1終点E1、第1連結線路30、第2始点S2、第2線路20、第2終点E2、第2連結線路40、第1始点S1を接続する1循の線路が閉ループ線路A1を構成している。外部から交流磁束が第1面F1及び第2面F2を貫通する時に、誘導電流が、閉ループ線路A1に誘起される。
次、本実施例1の磁束制御装置1の作用について説明する。外部から交流磁束が第1面F1(第2面F2も含む全領域)を貫通すると、磁束の時間微分に比例した誘導電圧が閉ループ線路A1に誘起される。この時、第1線路10と第2線路20とに起電力が分布するが、第1線路10と第2線路20の巻き方が逆であるので、それらの起電力により流れる誘導電流は、相互に逆向きとなる。ところが、第1面F1を貫通する磁束は、第2面F2を貫通する磁束の半径比の2乗倍である。また、第1線路10の経路長は、第2線路20の経路長の半径比倍である。したがって、第1線路10と第2線路20との比抵抗が同一とすれば、閉ループ線路A1を流れる誘導電流は、第1線路10に誘起される電圧により支配される。第1線路10を誘導電流が流れると、その誘導電流により発生する磁束により第1面F1を貫通する磁束は減少される。
一方、第2線路20を流れる誘導電流の向きは、第1線路10を流れる誘導電流の向きとは逆向きとなる。この結果、第2面F2は、第2線路20を流れる誘導電流により磁束を生じ、この磁束は、外部磁束を増加させる方向に作用する。したがって、第2面F2では、外部磁束より増加した磁束、第2面F2の外側の第1面F1(すなわち、第1線路10と第2線路20との間のリング状の面)では、外部磁束より減少した磁束となる。換言すれば、磁束制御装置1は、第1面F1を貫通する外部磁束を、第2面F2に収束させたことと等価となり、磁束レンズの作用をする。この効果は、線路の抵抗が小さい程、大きい。
本実施例1では、第2連結線路40と第1連結線路30とは、それらの間に絶縁膜51が介在されて、z軸方向の射影が重なる位置に設けられている。したがって、磁束が貫通する方向のz軸に垂直な面上においては、第2連結線路40と第1連結線路30との間には平面が形成されない。したがって、第2連結線路40と第1連結線路30の間を外部磁束が貫通することなく、第2連結線路40と第1連結線路30とを流れる誘導電流の向きは、相互に逆向きであるので、軸方向(z軸)には、誘導電流によっては磁束は発生しない。したがって、第2面F2にのみ磁束を収束させることができる。
図3.Aに示すように、第1線路10と第2線路20の右半分Rと第2連結線路40は、誘電体基板50の上面50aに形成し、第1線路10と第2線路20の左半分Lと第1連結線路30は、誘電体基板50の下面50bに形成しても良い。図1において、第2面F2の中心O1を座標原点とし、第1連結線路30と第2連結線路40の形成されている位置をθ=0°とする。θ=180°の位置において、図3.Bに示すように、基板50の上面50aから下面50bに向けて貫通した孔に導体が充填されたビア52を形成する。そして、このビア52により、この位置において、上面50a上の第1線路10と第2線路20の右半分Rの線路を、下面50b上の第1線路10と第2線路20の左半分Lの線路に転換することができる。
本実施例3は、実施例1、2の閉ループ線路A1を、複数設けたものである。図4.Aは、見易くするために、第1閉ループ線路A1と第2閉ループ線路A2とはx軸方向に分離して表現されているが、実際には、x軸の原点において重なっている。図4.Aに示すように、第1閉ループ線路A1は、半円形をしている。半径の大きい半円の第1面F1の外形の輪郭を規定する半円の線路が第1線路10であり、半径の小さい半円の第2面F2の外形の輪郭を規定する半円の線路が第2線路20である。第1線路10の第1終点E1と第2線路20の第2始点S2とを結ぶ線路が第1連結線路30であり、第2線路20の第2終点E2と第1線路10の第1始点S1とを結ぶ線路が第2連結線路40である。
第2閉ループ線路A2は、第1閉ループ線路A1を第1線路10の半円の中心O1を軸に、180°回転したものである。図4.Bは、第1閉ループ線路A1と第2閉ループ線路A2のそれぞれの第1線路10で構成される円に沿って、基板に垂直に切断した断面図である。第1閉ループ線路A1は、誘電体基板50の上面50a上に形成されており、第2閉ループ線路A2は下面50b上に形成されている。そして、第1閉ループ線路A1の第2連結線路40は上面50a上に形成されており、第2閉ループ線路A2の第1連結線路30は下面50b上に形成されている。したがって、第1閉ループ線路A1の第2連結線路40と、第2閉ループ線路A2の第1連結線路30とは、基板の面に垂直な上下方向(z軸方向)に相互に変位し、対向して配置されている。同様に、第1閉ループ線路A1の第1連結線路30は上面30a上に形成されており、第2閉ループ線路A2の第2連結線路40は下面50b上に形成されている。したがって、第1閉ループ線路A1の第1連結線路30と、第2閉ループ線路A2の第2連結線路40とは、基板の面に垂直な上下方向(z軸方向)に相互に変位し、対向して配置されている。
このように構成しても、第1閉ループ線路A1と第2閉ループ曲線A2のそれぞれの第1線路10で構成される外側の円形の線路には、等価的に、同一方向の誘導電流が循環し、第1閉ループ線路A1と第2閉ループ曲線A2のそれぞれの第2線路20で構成される内側の円形の線路には、第1線路10を流れる誘導電流の向きとは反対向きに電流が循環する。また、θ=0°の位置で対向する第1閉ループ線路A1の第2連結線路40と第2閉ループ線路A2の第1連結線路30とは、また、θ=180°の位置で対向する第1閉ループ線路A1の第1連結線路30と第2閉ループ線路A2の第2連結線路40とは、x座標が同一であるので、第2連結線路40と第1連結線路30との間から磁束が漏れることはない。
なお、実施例3において、第1閉ループ線路A1と第2閉ループ線路A2とを、誘電体基板50の上面50aに配置して、実施例1の構造を示す図1、図2と同様に、第1連結線路30と第2連結線路40を絶縁膜51を介在させて対向させても良い。
また、第1閉ループ線路A1について、実施例2と同様に、θ=0°〜θ=90°の区間(下半分)を、基板50の上面50a上に形成し、θ=90°〜θ=180°の区間(上半分)を下面50b上に形成し、θ=90°の位置で、図3.Bに示すように、両者をビア52で接続するようにしても良い。第2閉ループ線路A2についても、これと同一に構成する。このように構成すれば、θ=0°の位置では、第1閉ループ線路A1の第2連結線路40が上側に、第2閉ループ線路A2の第1連結線路30が下側に配置して、対向する。また、θ=180°の位置では、第2閉ループ線路A2の第2連結線路40が上側に、第1閉ループ線路A1の第1連結線路30が下側に配置して、対向する。
また、第1閉ループ線路A1について、実施例2と同様に、θ=0°〜θ=90°の区間(下半分)を、基板50の上面50a上に形成し、θ=90°〜θ=180°の区間(上半分)を下面50b上に形成し、θ=90°の位置で、図3.Bに示すように、両者をビア52で接続するようにしても良い。第2閉ループ線路A2についても、これと同一に構成する。このように構成すれば、θ=0°の位置では、第1閉ループ線路A1の第2連結線路40が上側に、第2閉ループ線路A2の第1連結線路30が下側に配置して、対向する。また、θ=180°の位置では、第2閉ループ線路A2の第2連結線路40が上側に、第1閉ループ線路A1の第1連結線路30が下側に配置して、対向する。
実施例3は、閉ループ線路を2つ設けたものであるが、本実施例では、中心角が90°の閉ループ線路A1〜A4を4つ設けた磁束制御装置である。図5に、それらの平面配置を示す。図5において、見易くするために、4つの閉ループ線路A1〜A4は、隙間を設けて描いているが、実際には、各第1連結線路30と各第2連結線路40とは、平面図においては重なっている。閉ループ線路の数は任意であり、2以上とすることができる。また、各閉ループ線路は中心O1を軸として回転対称に形成しても良いし、非対称であっても良い。例えば、図6の(a)に示すように、外側の第1線路10は矩形形状とし、内側の第2線路20は円形としても良い。また、逆に、外側の第1線路10は円形とし、内側の第2線路20は矩形としても良い。図6の(c)は、閉ループ線路A1〜A5を5つ設けたものであり、各閉ループ線路A1〜A5の形状は同一ではない。図では、線路の太さは省略されている。
上記の実施例は、磁気共鳴を用いた無線電力伝送に用いることができる。例えば、図7に示すように、電気自動車の蓄電器への充電に、給電側の送信コイル61と車両側の受信コイル62との間で磁気共鳴を発生させて効率良く電力を伝送させることが研究されている。この方式では、送信コイル61からの磁束が外部に漏れるという問題がある。そこで、本実施例の磁束制御装置1を、送信コイル61と受信コイル62との間に介在させて、第1面F1の面積を送信コイル61の面積以上とし、第2面F2の面積を受信コイル62の面積よりも、かなり小さく(例えば、半径にして1/2)する。このようにすれは、送信コイル61の発生する磁束を第2面F2に収束させることができ、第2面F2に収束された全磁束を受信コイル62に貫通させることができる。このようにして、本磁束制御装置1を用いて、磁気共鳴による電力伝送における磁束漏れを抑制することができる。
図8は、受信コイル62の位置における半径方向の磁束分布を示している。本実施例の磁束制御装置1が存在する場合(実線)と、存在しない場合(破線)とで、比較して示されている。明らかに、本実施例の磁束制御装置1が存在する場合には、受信コイル62の軸付近に磁束が拘束されていることが分かる。
本実施例は、モードの制御を可能とした磁束制御装置である。
図9は、実施例1の閉ループ線路が一つの場合の磁束制御装置において、第1線路10に、その線路を導通又は遮断する第1スイッチ71を設け、第1線路10の第1終点E1と第1始点S1とを短絡するための第2スイッチ72を設け、第2線路20の第2始点S2と第2終点E2とを短絡するための第3スイッチ73を設けたものである。
図9は、実施例1の閉ループ線路が一つの場合の磁束制御装置において、第1線路10に、その線路を導通又は遮断する第1スイッチ71を設け、第1線路10の第1終点E1と第1始点S1とを短絡するための第2スイッチ72を設け、第2線路20の第2始点S2と第2終点E2とを短絡するための第3スイッチ73を設けたものである。
各スイッチ71、72、73は、制御電圧を印加することにより導通、遮断を可変できるバリスタやトランジスタで構成している。第1スイッチ71はノーマリオン型のスイッチ、第2スイッチ72と第3スイッチ73とはノーマリオフ型のスイッチを用いた。まず、第1スイッチ71をオン状態として、第2スイッチ72、第3スイッチ73をオフ状態とすると(第2スイッチ72と第3スイッチ73とが存在しない場合と等価)、上記したように、第1線路、第2線路を電流が直列に流れる閉ループ線路が形成されるので、第2面F2以外の第1面F1で磁束を反射させ、第2面F2で磁束を収束させる収束モードとなる。また、第1スイッチ71がオフ状態、第2スイッチ72と第3スイッチ73を共にオフ状態とすると、電流の循環路は形成されないので、第1面F1、第2面F2共に、外部磁束をそのまま通過させる磁束の透過モードとなる。
第1スイッチ71がオン状態(第1スイッチ71が存在しない場合と等価)、第2スイッチ72と第3スイッチ73の少なくとも一方をオン状態にした場合には、第1線路10、第2線路20は、上記したように、共に、独立した電流の循環路を形成する。したがって、この場合には、第2面F2を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面F2以外の第1面F1を貫通する外部磁束は、第2面F2での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
また、第1スイッチ71をオフ状態、第2スイッチ72又は第3スイッチ73の少なくとも一方をオン状態とすると、第1線路10は循環路を形成せず、第2線路20だけが円形の循環路を形成する。したがって、第2面F2では外部磁束を反射させ、第2面F2を除く第1面F1(リング状の部分)は外部磁束を透過させるモードとなる。
また、第1スイッチ71を第2線路20にのみ設けた場合には、第1スイッチ71をオフ状態、第2スイッチ72又は第3スイッチ73の少なくとも一方をオン状態とすると、第2線路20は循環路を形成せず、第1線路10だけが円形の循環路を形成する。したがって、第1面F1(第2面F2を含む全領域)で、外部磁束を反射させる反射モードとなる。
また、第1スイッチ71は、第1連結線路30又は第2連結線路40に設けても良く、閉ループ線路A1の任意の位置に設けることができる。第1スイッチ71を、第1連結線路30又は第2連結線路40に設けた場合には、次のように動作する。第1スイッチ71がオン状態の場合には、第1スイッチ71を設けない場合と同一の動作をする。第1スイッチ71がオフ状態の場合には、第1線路10だけによる円形の循環路の形成と、第2線路20だけによる円形の循環路の形成とは、第2スイッチ72のオンオフ状態と第3スイッチ73のオンオフ状態とにより、それぞれ、独立に制御される。したがって、第2スイッチ72をオン状態、第3スイッチ73をオフ状態とすると、第2面F2を含む第1面F1の全体で、外部磁束を反射させる反射モードとなる。また、第2スイッチ72をオフ状態、第3スイッチ73をオン状態とすると、第2面F2は外部磁束を反射し、第2面F2以外の第1面F1は、外部磁束を透過させるモードとなる。第2スイッチ72と、第3スイッチ73とを、共に、オン状態とすると、第2面F2を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面F2以外の第1面F1を貫通する外部磁束は、第2面F2での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
以上により、磁束の収束、透過、反射の3モードで可変制御することができる。
以上により、磁束の収束、透過、反射の3モードで可変制御することができる。
本実施例は、図10に示すように、実施例4の4つの閉ループ線路を有する磁束制御装置において、各閉ループ線路A1〜A4に第1スイッチ71を設け、4箇所の第1線路10の第1終点E1と第1始点S1とを短絡するための第2スイッチ72を設け、4箇所の第2線路20の第2始点S2と第2終点E2とを短絡するための第3スイッチ73を設けたものである。
図9と同様に、第1スイッチ71はノーマリオン型のスイッチ、第2スイッチ72と第3スイッチ73とはノーマリオフ型のスイッチを用いた。まず、全第1スイッチ71がオン状態、全第2スイッチ72、全第3スイッチ73をオフ状態(全第2スイッチ72と全第3スイッチ73が存在しない場合と等価)とすると、上記したように、各第1線路10、各第2線路20を電流が直列に流れる各閉ループ線路A1〜A4が形成されるので、第2面F2以外の第1面F1で磁束を反射させ、第2面F2で磁束を収束させる収束モードとなる。
また、全第1スイッチ71がオフ状態、全第2スイッチ72、全第3スイッチ73をオフ状態とすると、電流の循環路は形成されないので、第1面F1、第2面F2共に、外部磁束をそのまま通過させる磁束の透過モードとなる。
全第1スイッチ71がオン状態(全第1スイッチ71が存在しない場合と等価)、全第2スイッチ72と全第3スイッチ73の少なくとも一方のスイッチ群をオン状態にした場合には、4つの第1線路10を直列に接続する電流の循環路と、4つの第2線路20を直列に接続する電流の循環路との独立した2つの循環路が、上記したように形成される。したがって、この場合には、第2面F2を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面F2以外の第1面F1を貫通する外部磁束は、第2面F2での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
また、全第1スイッチ71をオフ状態、全第2スイッチ72又は全第3スイッチ73の少なくとも一方のスイッチ群をオン状態とすると、各第1線路10は循環路を形成せず、各第2線路20だけが円形の循環路を形成する。したがって、第2面F2では外部磁束を反射させ、第2面F2を除く第1面F1(リング状の部分)は外部磁束を透過させるモードとなる。
また、全第1スイッチ71を各第2線路20にのみ設けた場合には、全第1スイッチ71をオフ状態、全第2スイッチ72又は全第3スイッチ73の少なくとも一方のスイッチ群をオン状態とすると、各第2線路20は循環路を形成せず、各第1線路10だけが円形の循環路を形成する。したがって、第1面F1(第2面F2を含む全領域)で、外部磁束を反射させる反射モードとなる。
また、全第1スイッチ71は、各第1連結線路30又は各第2連結線路40に設けても良く、各閉ループ線路A1〜A4の任意の位置に設けることができる。全第1スイッチ71を、各第1連結線路30又は各第2連結線路40に設けた場合には、次のように動作する。全第1スイッチ71がオン状態の場合には、全第1スイッチ71を設けない場合と同一の動作をする。全第1スイッチ71がオフ状態の場合には、各第1線路10だけによる円形の循環路の形成と、各第2線路20だけによる円形の循環路の形成とは、全第2スイッチ72のオンオフ状態と全第3スイッチ73のオンオフ状態とにより、それぞれ、独立に制御される。したがって、全第2スイッチ72をオン状態、全第3スイッチ73をオフ状態とすると、第2面F2を含む第1面F1の全体で、外部磁束を反射させる反射モードとなる。
また、全第2スイッチ72をオフ状態、全第3スイッチ73をオン状態とすると、第2面F2は外部磁束を反射し、第2面F2以外の第1面F1は、外部磁束を透過させるモードとなる。全第2スイッチ72と、全第3スイッチ73とを、共に、オン状態とすると、第2面F2を貫通する外部磁束を大きく反射させ、第2面F2以外の第1面F1を貫通する外部磁束は、第2面F2での反射よも小さく反射させる反射モードとなる。
以上により、磁束の収束、透過、反射の3モードで可変制御することができる。
以上により、磁束の収束、透過、反射の3モードで可変制御することができる。
各閉ループ線路A1〜A4に配設された各スイッチのオンオフを、別々に制御した場合には、4つの閉ループ線路A1〜A4のそれぞれについて、循環路が形成されたり、隣接する複数の第1線路10を直列に接続する循環路、第2線路20を直列に接続する循環路が形成される。したがって、それぞれの循環路を流れる電流による磁束の合成が、第1面F1、第2面F2に表れることになる。したがって、この場合には、上記の各モードの能力を低下させたものが実現される。
本発明は、磁束の収束、反射、透過などのモード変化を行う装置に利用できる。
A1、A2、A3、A4…閉ループ線路
10…第1線路
20…第2線路
30…第1連結線路
40…第2連結線路
50…誘電体基板
51…絶縁膜
S1…第1始点
S2…第2始点
E1…第1終点
E2…第2終点
10…第1線路
20…第2線路
30…第1連結線路
40…第2連結線路
50…誘電体基板
51…絶縁膜
S1…第1始点
S2…第2始点
E1…第1終点
E2…第2終点
Claims (7)
- 磁束が貫通する第1面と、前記第1面の内部に含まれる第2面とを有し、
前記第1面の外形輪郭を規定し、第1始点から第1終点まで接続する第1線路と、
前記第2面の外形輪郭を規定し、第2始点から第2終点まで接続する第2線路と、
前記第1終点と前記第2始点とを接続する第1連結線路と、
前記第2終点と前記第1始点とを接続する第2連結線路と、
を有して、前記磁束が前記第1面及び第2面を貫通する時に、誘導電流が前記第1始点、前記第1線路、前記第1終点、前記第1連結線路、前記第2始点、前記第2線路、前記第2終点、前記第2連結線路、前記第1始点の経路から成る閉ループを流れるように配置された閉ループ線路を、少なくとも一つ有し、
前記閉ループ線路が一つの場合には、前記第1連結線路と前記第2連結線路とを平行に接近させ、
前記閉ループ線路が複数の場合には、各閉ループ線路の各第1線路を流れる電流の向きは同一の第1向きとなり、前記閉ループ線路の各第2線路を流れる電流の向きは、同一向きであって、前記第1向きとは逆方向の第2向きとなるように配置され、隣接する2つの閉ループ線路において、一つの閉ループ線路の第1連結線路と他の閉ループ線路の第2連結線路とを平行に接近させて、各閉ループ線路を配列し、
前記平行に接近させて配列させた前記第1連結線路と前記第2連結線路とを、前記磁束が貫通する方向において、相互に変位させると共に、前記第1面及び第2面に対して垂直な方向から見た場合に、前記第1連結線路と前記第2連結線路とが同一位置に位置するように
前記閉ループ線路を形成したことを特徴とする磁束制御装置。 - 前記閉ループ線路が複数存在する場合には、それぞれの閉ループ線路は、前記第2面の中心を軸とする回転対称に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁束制御装置。
- 前記閉ループ線路は誘電体基板上に形成されており、前記第1連結線路と第2連結線路とは、それらの間に絶縁膜を介在させて配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁束制御装置。
- 前記閉ループ線路は、誘電体基板の表面及び裏面に形成されており、前記第1連結線路と第2連結線路とは、前記誘電体基板を介在させて配置されていることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の磁束制御装置。
- 前記閉ループ線路には、閉ループ線路を環流する電流を遮断又は通過させる第1スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の磁束制御装置。
- 前記閉ループ線路が一つの場合において、前記第1始点と前記第1終点とを短絡又は開放する第2スイッチと、前記第2始点と前記第2終点とを短絡又は開放する第3スイッチとのうち、少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の磁束制御装置。
- 前記閉ループ線路が複数n個の場合において、任意の2つの閉ループ線路間において、一方の閉ループ線路の前記第1始点と他方の閉ループ線路の前記第1終点とを短絡又は開放する第2スイッチであって、全ての第2スイッチのオン状態の時に前記各第1線路を接続して、第1線路だけで循環路を形成するn個の第2スイッチと、前記一方の閉ループ線路の前記第2終点と前記他方の閉ループ線路の前記第2始点とを短絡又は開放する第3スイッチであって、全ての第3スイッチのオン状態の時に前記各第2線路を接続して、第2線路だけで循環路を形成するn個の第3スイッチとのうち、少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の磁束制御装置。
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