JP2013140247A - 表示素子 - Google Patents

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Yoshihisa Kurosaki
義久 黒崎
Toshiaki Yoshihara
敏明 吉原
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Abstract

【課題】簡便な工程で形成可能且つセルギャップの差異が発生するおそれがない表示素子を提供する。
【解決手段】同一の可撓性材料で形成される第1基板11及び第2基板12と、第1基板及び第2基板の双方に接着固定される単一の材料で形成されるスペーサ部材31と、第1基板及び第2基板の周辺部に設けられ、第1基板と第2基板との間の空間をシールしてセル空間を形成するシール剤17と、セル空間に充填された流動性表示材料15であって、第1基板及び第2基板を形成する可撓性材料の線膨張係数よりも大きく、且つスペーサ部材を形成する材料の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を有する流動性表示材料15を備える表示素子。
【選択図】図9

Description

本発明は、表示素子に関する。
電源が無くても表示の保持が可能で、表示内容を電気的に書き換え可能な電子ペーパーが急速に普及するものと予想されている。電子ペーパーは、電源を切断してもメモリ表示可能な超低消費電力性能と、目に優しく、疲れない反射型の表示と紙のような可撓性があるフレキシブルで薄型の表示体の実現と、を目指して研究が進められている。電子ペーパーの応用としては、電子ブック、電子新聞、電子ポスター等などが考えられている。
電子ペーパーは、表示方式の違いにより、電気泳動方式、ツイストボール方式、電気化学方式、液晶表示ディスプレイ及び有機EL表示ディスプレイなどに分類される。電気泳動方式は、帯電粒子を空気中や液体中で移動させる方式である。ツイストボール方式は、二色に色分けされた帯電粒子を回転させる方式である。電気化学方式は、電界を印加した際に電気化学反応により着色、消色、変色するような材料を電極間に挟んだ構造の表示素子である。有機EL表示ディスプレイ(有機エレクトロ・ルミネッセンス表示ディスプレイ)は、有機材料からなる複数の薄膜を陰極と陽極で挟み込んだ構造の自発光型のディスプレイである。液晶ディスプレイは、液晶層をそれぞれ画素電極と対向電極で挟み込んだ構造を有する非自発光型のディスプレイである。
電子ペーパーに使用される表示素子は、液晶などの流動性表示材料と、流動性表示材料を挟持する基板及び基板間の間隔を所定の間隔に維持するために挿入されるスペーサとの線膨張係数の差に起因して種々の不具合が生じる可能性がある。例えば、スペーサの近傍で局所的に減圧された領域が生じて気泡が発生したり、セルギャップにバラツキが生じる可能性がある。さらに、基板とスペーサとが接着されている場合は、接着部に剥れが生じる可能性がある。このため、線膨張係数の異なる複数種類の柱状スペーサを用いることにより、接着部の剥れを防止することが知られる。
特開第2005−49723号公報 特開第2006−91195号公報 特開第2011−22212号公報
しかしながら、線膨張係数の異なる複数種類の柱状スペーサを用いると、柱状スペーサをフォトリソグラフィにより形成するための工程が増加して製造工程が複雑になるおそれがある。さらに、異なる複数種類の柱状スペーサが配置される領域の間で温度変化時にセルギャップの差異に起因して接着部に剥れが発生するするおそれがある。
そこで、本発明は、簡便な工程で形成可能且つ接着部の剥れが発生するおそれがない表示素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、実施形態に開示される表示素子は、同一の可撓性材料で形成される第1基板及び第2基板と、第1基板及び第2基板の双方に接着固定される単一の材料で形成されるスペーサ部材と、を有する。また、実施形態に開示される表示素子は、第1基板及び第2基板の周辺部に設けられ、第1基板と第2基板との間の空間をシールしてセル空間を形成するシール剤を有する。さらに、実施形態に開示される表示素子は、セル空間に充填された流動性表示材料であって、第1基板及び第2基板を形成する可撓性材料の線膨張係数よりも大きく、且つスペーサ部材を形成する材料の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を有する流動性表示材料を有する。
開示される表示素子によれば、流動性表示材料の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する単一の材料で形成されるスペーサ部材を有するので、簡便な工程で形成可能であり且つ接着部の剥れが発生するおそれがない表示素子を提供することが可能となった。
図1は、一般的な液晶表示素子の構造を示す図である。 図2は、図1の液晶表示素子の製造方法を示す図である。 図3は、上側基板及び下側基板をフレキシブルなフィルム基板で形成し、湾曲可能にした液晶表示素子の断面を示す図であり、(A)が通常状態を、(B)が湾曲状態を示す。 図4は、柱状スペーサ(スペーサ構造物)の例を示す図である。 図5は、柱状スペーサと、上下基板の帯状電極との関係を詳細に示す図である。 図6は、真空汲み上げ法を説明する図であり、液晶パネルに、真空汲み上げ法により液晶を注入する場合の例を示す。 図7は、注入口の封止方法を説明する図である。 図8は、注柱状スペーサと基板との間の接着部の剥離について説明する図である。 図9は、柱状スペーサ31の好適な配置間隔について説明する図である。 図11は、周囲温度の変化によるセル空間の内容積及び液晶の体積の変化を説明する図である。 図11は、実験結果を示す図である。 図12は、実験結果を示す図である。
電子ペーパーに使用される液晶ディスプレイとして、コレステリック液晶を使用した表示素子の研究開発が進められている。コレステリック液晶は、液晶層の干渉反射を利用した選択反射型の液晶である。コレステリック液晶は、プレーナ(planer)とフォーカルコニック(focal_conic)という2つの異なった配向を、印加電圧無しに安定的且つ長時間保持する双安定性と称される特性を有している。プレーナ状態では、入射光は干渉反射し、フォーカルコニック状態では入射光は透過する。液晶層で入射光を選択反射することにより光の明暗を表示するので、コレステリック液晶を使用する液晶パネル(以下、コレステリック液晶方式とも称する)では、偏光板が不要となる。このため、コレステリック液晶方式は、液晶層を積層することにより、カラー表示が実現される。一方、電気泳動方式などの他の表示方式では、画素毎にRGBなど三原色を有するカラーフィルターが配置されるため、コレステリック液晶方式と比較した場合、明度が1/3となる。このため、コレステリック液晶方式は、他の方式と比較してカラー表示を実現するときに高い明度が得られるという利点を有する。なお、コレステリック液晶はカイラネマティック液晶とも称される。
積層型液晶表示素子としてコレステリック液晶を使用する場合、コレステリック液晶の反射波長帯から所望の波長領域を有する反射光を得るためにカットフィルタが挿入される。例えば、表示面側から順に第1から第3液晶層を積層する場合、第1液晶層と第2液晶層の間に、第1液晶層の反射主波長付近の光を吸収し、第2及び第3液晶層の反射主波長付近の光を透過する第1カットフィルタを配置する。これにより、第1液晶層を透過した、表示に寄与しない第1液晶層の反射主波長付近の光が低減される。さらに、第2液晶層と第3液晶層の間に、第2液晶層の反射主波長付近の光を吸収し、第3液晶層の反射主波長付近の光を透過する第2カットフィルタを配置する。これにより、第2液晶層を透過した、表示に寄与しない第2液晶層の反射主波長付近の光が低減される。このようにカットフィルタを配置することにより、各層が明状態のときに観察面側へ反射する反射スペクトルの主波長が380〜680nmの可視域内にある反射光を得ることができる。
次に、一般的な液晶表示素子の構造と、製造方法とを説明する。図1は、一般的な液晶表示素子の構造を示す図である。図1に示すように、液晶表示素子10は、第1基板(上側基板)11と、第2基板(下側基板)12と、上下基板11及び12の間隔(ギャップ)を規定するビーズスペーサ16と、上側基板11と下側基板12の間の周辺部分に設けられたシール剤17と、を有する。上側基板11及び下側基板12の対向する表面には、透明電極及び配向膜等を含む層13及び14が形成されている。シール剤17は、上側基板11及び下側基板12の間のセル空間を外部から密閉する。ビーズスペーサ16は、セル空間内に位置する。シール剤17は、開口部である注入口18を有する。液晶15は、貼り合せた上側基板11と下側基板12の間のセル空間に、例えば「真空汲み上げ法」により、注入口18を通して充填される。ビーズスペーサ16は、例えば直径5μmの球体で、下側基板12の上に散布される。その後、下側基板12の上に上側基板11を載直して、2枚の基板が貼り合される。これにより、ギャップが基板全面で5μmに維持される。注入口18は、液晶15の充填が完了した後、封止剤により封止される。
図2は、図1の液晶表示素子の製造方法を示す図である。上側基板11の表面に透明電極及び配向膜等を含む層13を形成した後、層13の上にシール剤17を塗布する。シール剤17は、上側基板11の周辺部に一部を除いて内側を囲むように塗布される。シール剤を塗布しない部分が注入口18になる。
下側基板12の表面に透明電極及び配向膜等を含む層14を形成した後、層14の上にビーズスペーサ16を所定の密度で散布する。
上側基板11と下側基板12を、層13及び14が対向するように貼り合せる。その後、貼り合せた素子を真空チャンバ内に保持し、真空チャンバ内を真空にする。これにより、素子のセル空間19も真空になる。この状態で、液晶皿110に溜められた液晶15に注入口18を浸漬し、真空チャンバ内の真空状態を解除すると、液晶15が注入口18を通してセル空間19内に充填される。
なお、ビーズスペーサ16の代わりに、フォトリソグラフィにより基板上に柱状の構造物(柱状スペーサ)を形成した後、2枚の基板を貼り合せる場合もある。
これまで、液晶表示素子を形成する2枚の基板は、ガラス製の基板が使用されてきたが、近年ガラス基板の替わりに、可撓性の(フレキシブルな)樹脂基板(フィルム基板)を用いた素子が開発されている。このようなフィルム基板を使用した素子は、湾曲可能であることを特徴としている。
図3は、上側基板11及び下側基板12をフレキシブルなフィルム基板で形成し、湾曲可能にした液晶表示素子10の断面を示す図であり、(A)が通常状態を、(B)が湾曲状態を示す。
液晶表示素子10は、通常状態では、図3(A)のように、ギャップが一定であるが、湾曲させた場合には、図3(B)のように、素子の中央部分でギャップが大きくなる。このように、ビーズスペーサ16又は柱状スペーサを用いた構造を有する素子で、フィルム基板を使用した場合、液晶表示素子10が湾曲したときに2枚の基板のギャップを維持することは容易ではない。そのため、液晶表示素子10が湾曲したときに液晶が大きく流動して表示画像が乱れる。さらに、電子ペーパーなどに用いられる無電圧印加持も双安定状態を保つコレステリック液晶を含む液晶表示素子の場合には、表示画像が乱れるなどの問題が発生する。
そこで、スペーサとして、接着性を有する柱状スペーサが使用される。接着性を有する柱状スペーサを上下基板11及び12に加圧接着することにより、液晶表示素子10を湾曲したときにも、2枚の上下基板11及び12が離れることがなくなり、ギャップが維持される。
図4は、柱状スペーサ(スペーサ構造物)の例を示す図であり、(A)が斜視図であり、(B)が平面図であり、(C)が柱状スペーサ31の拡大図である。接着性を有さない場合も、図4の柱状スペーサ31を使用することができるが、ここでは接着性を有するものとして説明する。
図4(C)に示すように、柱状スペーサ31は、基板との接着の安定性を増加させるために、壁の一部が太くなっている。単純マトリクス構造を有する液晶表示素子では、対向する2枚の基板に、90度異なる2方向に伸びる複数の帯状電極がそれぞれ形成され、帯状電極の交差部分に画素が形成される。図4(A)及び4(B)に示すように、柱状スペーサ31は、一方の直線部分が下側基板12の下側帯状電極22の間に位置し、他方の直線部分が図示していない上側基板11の上側帯状電極の間に位置するように配置される。従って、各画素23は、4個の柱状スペーサ31で囲まれ、隣接する柱状スペーサ31の間に4個の開口が形成される。これにより液晶の流動が制限されるため、表示の変化を低減することが可能である。また、各画素23は、隣接する柱状スペーサ31の間Aを介して隣接する画素と接続され、最終的に注入口に接続される。
図5は、柱状スペーサ31と、上下基板11及び12の帯状電極21及び22との関係を詳細に示す図である。柱状スペーサ31は、帯状電極21及び22に対して、図5に示すように配置される。
図6は、真空汲み上げ法を説明する図であり、液晶パネルに、真空汲み上げ法により液晶を注入する場合の例を示す。液晶表示素子10は、貼り合せた後、注入口18が設けられた辺を切断する処理を行う。次に、図6(A)に示すように、真空チャンバ100内に、液晶表示素子10と、液晶15を入れた液晶皿110と、を配置する。液晶表示素子10及び液晶皿110は、真空チャンバ100内で相対的に移動可能に配置されている。ここでは、液晶皿110が移動可能であるとして説明する。
この状態で、真空チャンバ100内を、0.13×10-2Pa(1×10-5Torr)程度の真空状態にする。これに応じて、液晶表示素子10のセル空間内の空気も外部に吸引され、セル空間内も真空状態になる。
次に、図6(B)に示すように、液晶皿110を注入口18に移動し、注入口18を液晶皿110内の液晶15に浸漬する。その後、真空チャンバ100内を常圧に戻す。これにより、毛細管現象により、セル空間19内に液晶15が広がる。液晶15がセル空間19の全空間に広がると、注入口18を液晶皿110から離し、注入口18を封止する。
図7は、注入口18の封止方法を説明する図である。図7(A)に示すように、真空汲み上げ法により液晶が充填された液晶表示素子10の注入口18の端面を含む液晶表示素子10の断面では、上側基板11と下側基板12の間に液晶15が満たされている。図7(B)に示すように、上側基板11と下側基板12に圧力をかけると、液晶15が注入口18から少量押し出されるので、押し出された液晶15を拭き取ると、図7(C)に示す状態になる。この状態で、図7(D)に示すように、注入口18を、封止剤121を入れた容器120に浸漬し、上側基板11及び下側基板12にかけていた圧力を解除すると、少量の封止剤121が注入口18に入り、図7(E)に示す状態になる。封止剤121は、例えば熱硬化樹脂であり、図7(E)の状態で熱を加えることにより封止剤121が硬化して注入口18が塞がれる。
図4及び5を参照して説明されたように、柱状スペーサ31に接着性を持たせることにより、湾曲したときのギャップ変動を抑制し、湾曲可能な表示素子を形成することが可能になる。しかしながら、柱状スペーサ31として利用される材料は、固体であるポリスチレン系ポリマーやアクリル系ポリマーなどの樹脂であり、柱状スペーサ31の材料の線膨張係数は、液晶15の材料の線膨張係数よりも小さい。さらに、上下に配置される上下基板11及び12として利用される材料の線膨張係数もまた、液晶15の材料の線膨張係数よりも小さい。このため、周囲温度が変化することにより、セル空間19の内容積と液晶15の体積との差が大きくなる。この結果、柱状スペーサ31と上下基板11及び12との間の接着部が剥離し、またセル内に液晶の存在しない空隙部が生じて発泡現象を起こすおそれがある。
図8を参照して、フレキシブルなフィルム基板を上下基板と使用する場合に生じる柱状スペーサ31と上下基板11及び12との間の接着部の剥離について説明する。図8(A)は、柱状スペーサ31と基板11との間の一部の接着部が剥離した状態を示す図である。図8(B)は、図8(A)のA−A´断面図である。図8(A)及び8(B)に示すように、液晶表示素子10において生じる接着部の剥離は、矢印Bで示す一部の液晶表示素子10の1つの箇所で集中的に生じる。このため、液晶表示素子10の表示面上に可視的な欠陥部が形成されることになる。
図8(C)〜8(E)は、液晶表示素子10において、柱状スペーサ31と基板11との間の一部の接着部が剥離する過程を示す図である。図8(C)に示す接着部の剥離が全くない液晶表示素子10において、周囲温度の変化により図8(D)に示すように1つの柱状スペーサ31と基板11との間で剥離が生じる。1つの柱状スペーサ31と基板11との間で剥離が生じると、剥離した部分に液晶15が集中して、図8(E)に示すように隣接する接着部でも連鎖的に剥離が生じる。柱状スペーサ31と基板11との間の接着は、接着面に対して垂直方向の力に対しては強い接着性を有するものの、接着面に対して水平方向の力に対しては容易に剥離するためである。
そこで、本実施形態では、セル空間19の内容積と液晶15の体積との差を小さくするために、柱状スペーサ31の材料として液晶15の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する単一の材料を採用する。本実施形態では、上下基板11及び12の材料として線膨張係数が70ppmであるポリカーボネート樹脂が採用される。また、液晶15として、線膨張係数は240ppmであるコレステリック液晶材料が採用される。このため、柱状スペーサ31の材料として、液晶15と同一の線膨張係数を有する材料を採用した場合でも、セル空間19の内容積の変化量は液晶15の変化量に追従できず、セル空間19の内容積の変化量は液晶15の体積の変化量と比較して小さくなってしまう。そこで、液晶材料よりも大きな線膨張係数を有する単一の材料で形成される柱状スペーサ31を配置する。この結果、上下基板11及び12の容量変化量の不足分を柱状スペーサ31の高さ方向の変化量で補間することで、セル空間19の内容積の変化量を液晶15の体積の変化量に近づけることができる。液晶材料よりも大きな線膨張係数を有する材料の例を表1に示す。表1に支援されるように第1及び第2の接着性柱状スペーサ材料A及びBはそれぞれ、アクリル系であり、基板接着力は70N/cm2である。第1の接着性柱状スペーサ材料Aの線膨張係数はコレステリック液晶材料の約2倍の500ppmであり、ヤング率は2.9Gpaである。一方、第2の接着性柱状スペーサ材料Bの線膨張係数はコレステリック液晶材料の約3倍の700ppmであり、ヤング率は2.0Gpaである。
Figure 2013140247
次に、式(1)、表2及び図9を参照して、柱状スペーサ31の好適な配置間隔について説明する。図9は、柱状スペーサ31の間隔と上下基板11及び12の撓み量との関係を説明する図である。
Figure 2013140247
Figure 2013140247
式1は、上下基板11及び12の外側面に一様な荷重qを受ける液晶表示素子10の最大撓み量Wmaxを示す式である。ここで、αは条件係数である。条件係数αの詳細を表2に示す。表2においてaは長辺を示し、bは短辺を示す。式1においてbは図9(A)に示すように柱状スペーサ31の間の距離である。また、Eは上下基板11及び12のヤング率であり、tは図9(B)に示すようにセルギャップである。また、表2において、四辺支持は、正方形状の基板の4つの頂点で支持する条件を示し、四辺固定は、正方形状の基板の4つの辺で支持する条件を示す。また、長辺固定短辺支持は、長方形状の基板の2つの長辺で支持する条件を示し、長辺支持短辺固定は、長方形状の基板の2つの短辺で支持する条件を示す。
図6及び7を参照して説明したように、液晶表示素子10を製造するときに真空汲み上げ法が使用される。この場合、セル空間19内に液晶15を毛細管現象により広げるときに液晶表示素子10の外側が大気圧である一方、液晶表示素子10の内側が真空状態となることがある。このときに上下基板11及び12の双方の外面に鉛直方向から標準大気圧に相当する荷重を加えられる。柱状スペーサ31は、この状態でも上下基板11及び12が大気圧に押されて接触することがないように配置される。液晶表示素子10を製造するときに、上下基板11及び12が互いに接触すると、液晶15を毛細管現象により広げても上下基板11及び12が互いに接触した部分に液晶が充填されないおそれがあるためである。したがって、柱状スペーサ31は、液晶15の充填前の真空状態のセル空間19に、上下基板11及び12の外面に標準大気圧相当の荷重を加えたときに上下基板11及び12それぞれの撓み量がセルギャップの半分以下になる間隔で配置されることが好ましい。
図10を参照して、周囲温度の変化によるセル空間19の内容積と液晶15の体積との差について説明する。図10(A)は、セル空間19の内容積と液晶15の体積とが同一のときの液晶表示素子10の部分断面図である。図10(B)は、周囲温度が高くなりセル空間19の内容積よりも液晶15の体積が大きくなったときの液晶表示素子10の部分断面図である。図10(C)は、周囲温度が低くなりセル空間19の内容積よりも液晶15の体積が小さくなったときの液晶表示素子10の部分断面図である。
図10(B)に示すように、周囲温度が高くなると、セル空間19の内容積よりも液晶15の体積が大きくなるため、上下基板11及び12は外側方向に撓む。このとき、柱状スペーサ31は高さ方向にΔLH延伸するとともに、上下基板11及び12に接着固定されていない部分で横方向に膨張する。また、上下基板11及び12はそれぞれ、横方向にΔWH延伸する。したがって、柱状スペーサ31は、周囲温度が高くなった場合に、セル空間19の内容積と液晶15の体積との差を上下基板11及び12のセル空間19外部への撓みにより緩和するために十分な接着強度を有するような間隔で配置されることが好ましい。
図10(B)に示すように、周囲温度が低くなると、セル空間19の内容積よりも液晶15の体積が小さくなるため、上下基板11及び12は内側方向に撓む。このとき、柱状スペーサ31は高さ方向にΔL縮小するとともに、上下基板11及び12に接着固定されていない部分で横方向に膨張する。また、上下基板11及び12はそれぞれ、横方向にΔWL縮小する。したがって、柱状スペーサ31は、周囲温度が低くなった場合に、セル空間19の内容積と液晶15の体積との差による上下基板11及び12のセル空間19への撓みにより緩和できる間隔で配置されることが好ましい。
例えば、最大撓み量Wmaxを1.48μmとした場合、第1の接着性柱状スペーサ材料Aを使用すると柱状スペーサ31の間隔は150〜300μm程度が好適である。また、第2の接着性柱状スペーサ材料Bを使用すると柱状スペーサ31の間隔は100〜300μm程度が好適である。
以下、式(2)〜(7)を参照して、温度変化により、セル空間19の内容積VCがVC´に変化し、液晶15の体積VLCがVLC´に変化したときのセル空間19の内容積と液晶15の体積との差ΔVについて説明する。式(2)は図10(A)に示すセル空間19の内容積と液晶15の体積とが同一のときの液晶表示素子10から温度t変化したときの液晶15の体積VLC´を示す式である。また、式(3)は図10(A)に示すセル空間19の内容積と液晶15の体積とが同一のときの液晶表示素子10から温度tだけ変化したときのセル空間19の内容積VC´を示す式である。
Figure 2013140247
Figure 2013140247
ここで、αLCは液晶15の線膨張係数であり、αFは上下基板11及び12の線膨張係数であり、αSは柱状スペーサ31の線膨張係数であり、Vは液晶表示素子10内部に配置される柱状スペーサ31の総和である。
式(4)及び(5)はそれぞれ、温度変化による液晶15の体積の変化量ΔVLC及セルびセル空間19の内容積の変化量ΔVCを示す式である。
Figure 2013140247
Figure 2013140247
式(6)は、温度変化tによるセル空間19の内容積と液晶15の体積との差ΔVを示す式である。また、式(7)は、式(6)に示す体積差ΔVがシール剤17を押す方向に作用せずに、上下基板11及び12が形成する面のみに作用すると仮定した場合の柱状スペーサ31の高さ方向の変化量ΔLを示す式である。
Figure 2013140247
Figure 2013140247
ここで、kは柱状スペーサ31の配置率を示し、SLCは液晶15の上下基板11及び12と平行方向の断面積であり、SCはセル空間19の上下基板11及び12と平行方向の断面積である。また、SSは柱状スペーサ31の上下基板11及び12と平行方向の断面積である。
図11及び12に表1に示す2つの接着性柱状スペーサ材料をそれぞれ使用した場合の温度変化によるセル空間19の内容積と液晶15の体積との比較結果を示す。図11は第1の接着性柱状スペーサ材料Aを使用したものであり、図12は第2の接着性柱状スペーサ材料Bを使用したものである。表3及び4にそれぞれの実験で使用した材料の特性を示す。なお、それぞれの実験において、基板の厚さは125μmであり、セルギャップは4〜5μm程度である。
Figure 2013140247
Figure 2013140247
以上、図1〜11を参照して、本発明に係る実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明の精神、及び範囲を逸脱しない範囲内で、様々な変化及び変形を行うことができることが理解されるであろう。
例えば、本明細書ではコレステリック液晶を使用する積層型液晶表示素子を例に説明されたが、TFT等のアクティブ素子を用いる液晶表示素子においても本発明は適用可能である。さらに、本発明は液晶を使用する表示素子だけでなく、他の流動性表示材料をセル空間に充填させる態様の他の表示素子にも適用可能である。
10 液晶表示素子
11 第1基板(上側基板)
12 第2基板(下側基板)
15 液晶
16 ビーズスペーサ
17 シール剤
19 セル空間
31 柱状スペーサ

Claims (5)

  1. 同一の可撓性材料で形成される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板及び前記第2基板の双方に接着固定される単一の材料で形成されるスペーサ部材と、
    前記第1基板及び前記第2基板の周辺部に設けられ、前記第1基板と前記第2基板との間の空間をシールしてセル空間を形成するシール剤と、
    前記セル空間に充填された流動性表示材料であって、前記第1基板及び第2基板を形成する可撓性材料の線膨張率よりも大きく、且つ前記スペーサ部材を形成する材料の線膨張率よりも小さい線膨張率を有する流動性表示材料と、
    を備えることを特徴とする表示素子。
  2. 前記スペーサ部材は、前記流動性表示材料が充填される前に前記セル空間を真空状態として、前記第1基板及び前記第2基板の双方の外面に鉛直方向から標準大気圧に相当する荷重を加えたときの前記第1基板及び前記第2基板それぞれの撓み量が前記セルギャップの半分以下になるような間隔で配置される請求項1に記載の表示素子。
  3. 流動性表示材料は、コレステリック液晶である請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 請求項3に記載される表示素子が2層以上積層される積層型の表示素子。
  5. 各層が明状態のときに観察面側へ反射する反射スペクトルの主波長が380〜680nmの可視域内にある請求項4に記載される積層型表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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