JP2013139959A - 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備 - Google Patents

熱利用方法およびこれを利用した加熱設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2013139959A
JP2013139959A JP2012000236A JP2012000236A JP2013139959A JP 2013139959 A JP2013139959 A JP 2013139959A JP 2012000236 A JP2012000236 A JP 2012000236A JP 2012000236 A JP2012000236 A JP 2012000236A JP 2013139959 A JP2013139959 A JP 2013139959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
reaction
line
chemical
continuous furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012000236A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Taniguchi
和樹 谷口
Ken Ohashi
憲 大橋
Miki Taniguchi
美希 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Ro Co Ltd
Original Assignee
Chugai Ro Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Ro Co Ltd filed Critical Chugai Ro Co Ltd
Priority to JP2012000236A priority Critical patent/JP2013139959A/ja
Publication of JP2013139959A publication Critical patent/JP2013139959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Tunnel Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】被処理材の複数の処理を搬送中に連続的に実行する連続炉において、廃熱を長期間保存可能に蓄熱し、蓄熱した熱を利用する際に投入した熱よりも高温の熱を取り出して利用できるようにする。
【解決手段】化学蓄熱材45が収容された反応容器41と水タンク42とを有するケミカルヒートポンプ40、および排気ライン25を有する連続炉11を備える加熱設備10の熱利用方法において、連続炉11の排出ガスをケミカルヒートポンプ40の反応容器41の反応生成物に供給し、脱水吸熱反応を進行させるように蓄熱して化学蓄熱材45と水蒸気とを生成し、連結管路47を通じて水タンク42に移動した水蒸気を凝縮部43により凝縮し、排出ガスの供給を停止し、水タンク42の水を蒸発部44により蒸発させて水蒸気にし、化学蓄熱材45と水タンク42から移動してきた水蒸気とを接触させ水和発熱反応を進行させることにより放熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱利用方法およびこれを利用した加熱設備に関するものである。
特許文献1には、連続式の工業用炉が開示されている。この炉では、被処理材を加熱し、一定温度に維持(均熱)し、冷却する一連のプロセスが、搬送ローラによって被処理材を搬送する間に実行される。
一方、工業用炉では、省エネ対策として、レキュペレータや蓄熱バーナ等が採用され、廃熱が利用されている。しかしながら、いずれの装置も燃焼用空気を廃熱温度よりも低い温度で加熱するものである。
連続炉では、加熱工程、均熱工程、および冷却工程の各工程における処理が与えられた時間内、すなわち搬送ライン上の被処理材が各工程のために割り当てられた領域を移動する時間内に実行されることが要求される。加熱工程のために与えられた時間が極めて短時間である場合もあり得る。しかしながら、連続炉の加熱工程において、省エネを実行しつつ被処理材をできるだけ短時間で加熱するために、燃焼バーナの数を増加させることなくレキュペレータや蓄熱バーナ等を採用した場合、昇温能力において限界が生じる場合があった。
特公昭61−16910号公報
本発明は、被処理材の複数の処理を搬送中に連続的に実行する連続炉において、廃熱を長期間保存可能に蓄熱し、蓄熱した熱を利用する際に投入した熱よりも高温の熱を取り出して利用できるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明の熱利用方法は、化学蓄熱材の水和発熱反応により反応生成物を生成する放熱過程、および前記反応生成物の脱水吸熱反応によって前記化学蓄熱材と水蒸気とを生成する蓄熱過程を有する反応容器と、該反応容器と連結管路により連結され前記水蒸気を凝縮させる凝縮部および該凝縮部で凝縮した水を蒸発させる蒸発部が設けられた水タンクとを有するケミカルヒートポンプと、加熱工程および冷却工程を実行可能な連続炉、および該連続炉と前記ケミカルヒートポンプの反応容器とを連結し前記連続炉の炉気を排出ガスとして排気する排気ラインを備える加熱設備の熱利用方法において、前記連続炉の前記排出ガスを前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物に供給し、前記脱水吸熱反応を進行させるように蓄熱して前記化学蓄熱材と前記水蒸気とを生成し、前記連結管路を通じて前記水タンクに移動した前記水蒸気を前記凝縮部により凝縮し、前記排出ガスの供給を停止し、前記水タンクの水を前記蒸発部により蒸発させて水蒸気にし、前記化学蓄熱材と前記水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ前記水和発熱反応を進行させることにより放熱するようにした。
この方法によれば、連続炉の廃熱をケミカルヒートポンプの化学蓄熱材の反応生成物に蓄熱して脱水吸熱反応により化学蓄熱材と水蒸気とを生成し、連結管路を通じて水タンクに移動した水蒸気を凝縮部で凝縮させて水にした後、水タンクの水を蒸発部で蒸発させて水蒸気にし、化学蓄熱材と水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ水和発熱反応を進行させることができる。その際、化学蓄熱材の水和発熱反応を進行させるために投入した熱よりも高温の熱を利用できる。そして、排出ガスの廃棄による熱エネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
前記課題を解決するための手段として、本発明の熱利用方法を利用した加熱設備は、化学蓄熱材の水和発熱反応により反応生成物を生成する放熱過程、および前記反応生成物の脱水吸熱反応によって前記化学蓄熱材と水蒸気とを生成する蓄熱過程を有する反応容器と、該反応容器と連結管路により連結され前記水蒸気を凝縮させる凝縮部および該凝縮部で凝縮した水を蒸発させる蒸発部が設けられた水タンクとを有するケミカルヒートポンプと、加熱工程および冷却工程を実行可能な連続炉と、前記連続炉に設けられ、前記連続炉の炉気を排出ガスとして排気する排気ラインと、前記排気ラインから分岐し、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と前記排出ガスとの間で熱交換可能な排出ガス用熱交換部を有する開閉可能な熱交換ラインとを備え、前記連続炉の前記排出ガスを前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物に供給し、前記脱水吸熱反応を進行させるように蓄熱して前記化学蓄熱材と前記水蒸気とを生成し、前記連結管路を通じて前記水タンクに移動した前記水蒸気を前記凝縮部により凝縮し、前記排出ガスの供給を停止し、前記水タンクの水を前記蒸発部により蒸発させて水蒸気にし、前記化学蓄熱材と前記水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ前記水和発熱反応を進行させることにより放熱するようにした。
この構成によれば、連続炉の排気ラインの排出ガスを熱交換ラインを開放して流入させ、連続炉の廃熱を排出ガス用熱交換部を介してケミカルヒートポンプの化学蓄熱材の反応生成物に蓄熱して脱水吸熱反応により化学蓄熱材と水蒸気とを生成し、連結管路を通じて水タンクに移動した水蒸気を凝縮部で凝縮させて水にした後、連続炉の排気ラインの排出ガスを熱交換ラインを閉止して流入を阻止し、水タンクの水を蒸発部で蒸発させて水蒸気にし、化学蓄熱材と水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ水和発熱反応を進行させることができる。その際、化学蓄熱材の水和発熱反応を進行させるために投入した熱よりも高温の熱を利用できる。そして、熱の廃棄によるエネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
前記ケミカルヒートポンプは前記熱交換ラインがそれぞれ設けられた少なくとも2つの前記反応容器を備え、個々の前記反応容器は、前記化学蓄熱材が前記排出ガスから吸熱する蓄熱モード、および前記化学蓄熱材が被加熱媒体に放熱する放熱モードを繰り返し、前記少なくとも2つの反応容器のうち、少なくとも1つの前記反応容器は前記蓄熱モードを実行し、残りの前記反応容器のうちの少なくとも1つの前記反応容器は前記放熱モードを実行することが好ましい。この構成によれば、連続炉において、ケミカルヒートポンプで発熱した熱を連続的に利用することができる。
一端に送風機が設けられるとともに他端が熱供給部に接続され、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と内部を流通する前記被加熱媒体との間で熱交換可能な被加熱媒体用熱交換部を有する熱供給ラインを備え、前記ケミカルヒートポンプの放熱時、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と熱交換した前記熱供給ラインの被加熱媒体を前記熱供給部に供給することが好ましい。この構成によれば、ケミカルヒートポンプの放熱時、ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物の熱を被加熱媒体用熱交換部を介して移動させて熱供給ラインの被加熱媒体を加熱でき、加熱された被加熱媒体を熱供給部に供給することができる。
前記熱供給部は前記連続炉であることが好ましい。この構成によれば、連続炉での加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
前記連結管路に開閉弁を設けることが好ましい。この構成によれば、凝縮部で水を凝縮させた後、連結管路の開閉弁を閉弁することにより、水タンクの水が蒸発して反応容器に流入することを阻止することができ、連続炉の廃熱を長期間保存可能に蓄熱できる。そして、連結管路の開閉弁を開弁して水タンクの水を蒸発させ水蒸気を反応容器に流入させることにより、蓄熱後の所望の時点で放熱できる。
前記水タンクの水が水蒸気になるときの気化熱によって、前記冷却工程を実行する前記連続炉の冷却帯を冷却することが好ましい。この構成によれば、気化熱が奪われた水タンクの水を利用して、追加の冷却装置を設けることなく連続炉の冷却帯を冷却することができる。
本発明によれば、連続炉の廃熱をケミカルヒートポンプの化学蓄熱材の反応生成物に蓄熱して脱水吸熱反応により化学蓄熱材と水蒸気とを生成し、連結管路を通じて水タンクに移動した水蒸気を凝縮部で凝縮させて水にした後、水タンクの水を蒸発部で蒸発させて水蒸気にし、化学蓄熱材と水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ水和発熱反応を進行させることができる。その際、化学蓄熱材の水和発熱反応を進行させるために投入した熱よりも高温の熱を利用できる。そして、排出ガスの廃棄による熱エネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
本発明にかかる熱利用方法を利用した第1実施形態の加熱設備を示す図。 蓄熱工程および放熱工程における化学反応を示す図。 第1実施形態の連続炉において被処理物が熱処理されるヒートパターンを示す図。 本発明にかかる熱利用方法を利用した第2実施形態の加熱設備を示す図。 第2実施形態の連続炉において被処理物が熱処理されるヒートパターンを示す図。 本発明にかかる熱利用方法を利用した第3実施形態の加熱設備を示す図。 本発明の第1実施形態の変形例を示す図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明にかかる熱利用方法を利用した第1実施形態の加熱設備10を示す。この加熱設備10は、連続炉11とケミカルヒートポンプ40とを備えている。
連続炉11は、加熱工程を実行する加熱帯12、均熱工程を実行する均熱帯13、および冷却工程を実行する冷却帯14を備えている。加熱帯12の均熱帯13と反対側が搬入口15であり、冷却帯14の均熱帯13と反対側が搬出口16である。搬入口15、加熱帯12と均熱帯13の間、均熱帯13と冷却帯14の間、および搬出口16にはそれぞれ可動扉17,18,19,20が設けられている。可動扉17,18,19,20は、閉まった状態に維持されており、ローラー式コンベア(図示せず)等によって搬送される被処理物Wの通過時のみ開くようになっている。
連続炉11の加熱帯12および均熱帯13には、供給口21を介して内部に直接開口した燃焼空気を供給する空気ノズル(熱供給部)22が設けられている。空気ノズル22には、後述するファン(空気供給源)52が接続されている。空気ノズル22には、連続炉11の内部に燃料を供給する燃料ノズル23が設けられている。燃料ノズル23には、燃料供給源(図示せず)が接続されている。
連続炉11の加熱帯12には排気ライン25が設けられ、排気ライン25の端部に排出口24が設けられている。均熱帯13には、均熱帯13と排気ライン25とを連通する連通ライン25’が設けられている。排気ライン25には、排気ライン25から分岐して排気ライン25の下流側で合流する流量調節ライン25''が設けられている。流量調節ライン25''には、流量調節弁103が設けられている。排気ライン25には、排気ライン25から分岐し、該分岐点の下流で合流する2つの取出ライン(熱交換ライン)26A,26Bが設けられている。取出ライン26A,26Bの一端および他端には、弁27A,27A,27B,27Bが設けられている。取出ライン26A,26Bには、第1熱交換部(排出ガス用熱交換部)28A,28Bが設けられている。第1熱交換部28A,28Bは、ケミカルヒートポンプ40の反応容器41A,41Bの内部に配置されている。
連続炉11の冷却帯14には、冷却媒体(熱媒体)を導入する冷却媒体導入部29および冷却媒体を排出する冷却媒体排出部30が設けられている。冷却媒体導入部29の一端にはファン34が設けられ、他端は冷却帯14に連結されている。冷却媒体導入部29には弁35が設けられている。
ケミカルヒートポンプ40は、反応容器41A,41Bと水タンク42とを備えている。
反応容器41A,41Bには、化学蓄熱材45A,45Bが収容されている。本実施形態における化学蓄熱材45A,45Bは、酸化カルシウムであるが、酸化マグネシウム等、ケミカルヒートポンプに使用されるいかなる化学蓄熱材であってもよい。この化学蓄熱材45A,45Bは、図2に示すように、反応容器41A,41Bにおいて水和する際に熱量Qを発熱(放熱)し、脱水する際に熱量Qを吸熱(蓄熱)する。化学蓄熱材45A,45Bは、取出ライン26A,26Bの第1熱交換部28A,28Bを介して取出ライン26A,26Bの内部を流通する排出ガスと熱交換できるようになっている。
水タンク42は、反応容器41A,41Bからの水蒸気を凝縮する凝縮器(凝縮部)43と凝縮器43からの水を蒸発させる蒸発器(蒸発部)44とを備えている。凝縮器43は、クーラー38を備えている。蒸発器44はヒーター39を備えている。水タンク42の凝縮器43は、開閉弁46Aを有する連結管路47Aを介して反応容器41Aと連結され、開閉弁46Bを有する連結管路47Bを介して反応容器41Bと連結されている。凝縮器43の下部と蒸発器44とは連通ライン48により連結されている。連通ライン48には、ポンプ49および弁50が介設されている。ポンプ49により、凝縮器43の水が蒸発器44に送水されるようになっている。蒸発器44は、開閉弁46Cを有する連結管路47Cを介して反応容器41Bと連結され、開閉弁46Dを有する連結管路47Dを介して反応容器41Aと連結されている。
加熱設備10には、熱供給ライン51が設けられている。熱供給ライン51の一端には、ファン52が設けられている。熱供給ライン51の他端は、加熱帯12および均熱帯13の空気ノズル22に連結されている。熱供給ライン51には、上流の熱供給ライン51から分岐し下流の熱供給ライン51に合流する空気取出ライン53が設けられている。空気取出ライン53の分岐点と合流点の間の熱供給ライン51には、流量調節弁104が設けられている。空気取出ライン53には、弁56A,56Bが設けられている。空気取出ライン53には、弁56Aの上流から分岐し下流側で合流する迂回ライン54Aと、弁56Bの上流から分岐し下流側で合流する迂回ライン54Bが設けられている。迂回ライン54A,54Bには、ケミカルヒートポンプ40の反応容器41A,41Bの内部に配置された第2熱交換部(被加熱媒体用熱交換部)55A,55Bが設けられている。また、迂回ライン54A,54Bの一端および他端には、弁57A,57A,57B,57Bが設けられている。
加熱設備10には、コントローラ80が設けられている。コントローラ80は、弁27A,B、35、56A,B、57A,B、開閉弁46A〜D、および、ファン34,52等を含む加熱設備10(全体)の動作を制御する。
次に、本発明にかかる熱利用方法を利用した第1実施形態の加熱設備10の動作について説明する。なお、図において、開弁している弁は白抜きで示し、閉弁している弁は黒塗りで示す。
ファン52を起動し、空気ノズル22および燃料ノズル23の弁(図示せず)を開弁して連続炉11内での燃焼を開始する。燃焼中、加熱帯12では、空気ノズル22および燃料ノズル23の弁を連続的またはほぼ連続的に開弁する。これにより、炉の加熱帯12を加熱できる。また、均熱帯13では、空気ノズル22および燃料ノズル23の弁を断続的に開弁する。これにより、炉の均熱帯13を所定温度に維持できる。加熱帯12および均熱帯13における燃焼の排ガス(排出ガス)は排気ライン25に排気される。そして、冷却帯14では、冷却媒体導入部29のファン34を作動させ、弁35を開弁する。これにより、ファン34によって送風された風を冷却帯14内部を通過させて冷却媒体排出部30へ排出することができる。これにより、炉の冷却帯14を冷却できる。
連続炉11内の温度が設定温度に到達した後、搬入口15に被処理物Wを搬入する。連続炉11の搬入口15から搬入された被処理物Wは、ローラー式コンベア(図示せず)等によって所定速度で搬送され、搬出口16から搬出される。搬送中、被処理物Wは、図3に示すように、加熱帯12で所定温度まで加熱され、均熱帯13で前記所定温度に維持され、冷却帯14で冷却される。
図1に示す状態(前回終了時の、反応容器41Aが放熱モード、反応容器41Bが蓄熱モードである状態から、反応容器41Aが蓄熱モード、反応容器41Bが放熱モードである状態に切り替わった直後の状態)では、取出ライン26Aの弁27A,27Aは開弁し、取出ライン26Bの弁27B,27Bは閉弁している。開閉弁46Aは開弁し、開閉弁46Bは閉弁している。また、開閉弁46Cは開弁し、開閉弁46Dは閉弁している。そして、凝縮器43のクーラー38、蒸発器44のヒーター39、およびポンプ49は作動し弁50は開弁している。空気取出ライン53の弁56Aは開弁し、弁57A,57Aは閉弁している。また、空気取出ライン53の弁56Bは閉弁し、弁57B,57Bは開弁している。
この状態では、取出ライン26Aに排ガスの一部が流入し、排ガスと反応容器41Aの化学蓄熱材45Aの反応生成物(水酸化カルシウム)とが熱交換する。その結果、ケミカルヒートポンプ40は、化学蓄熱材45Aの反応生成物から、化学蓄熱材(酸化カルシウム)45Aと水蒸気とを生成するように蓄熱する。その際、生成された水蒸気は、連結管路47Aを通って凝縮器43に流入し、クーラー38によって凝縮され下部に貯留される。その際、図2(蓄熱)に示すように、水の凝縮によってQを放出する。その後、凝縮器43の水は、ポンプ49によって蒸発器44へ送られ蒸発器44に貯留される。
一方、取出ライン26Bには、排ガスの流入が遮断されている。また、蒸発器44の水は、ヒーター39によって加熱され、図2(放熱)に示すように、Qを吸熱して水蒸気となる。そして、水蒸気は連結管路47Cを通って反応容器41Bに流入する。これにより、水蒸気と反応容器41Bの化学蓄熱材45Bとが反応し、化学蓄熱材45Bの反応生成物を生成する。具体的には、図2(放熱)に示すように、1モルの酸化カルシウムがQ(>Q)の熱量を発熱して1モルの水酸化カルシウムを生成する。
この状態で、ファン52を作動させると、空気(被加熱媒体)は、熱供給ライン51および空気取出ライン53を通って迂回ライン54Bに流入し、反応容器41B内部で発熱した化学蓄熱材45Bと熱交換され加熱される。そして、加熱空気は、空気取出ライン53および熱供給ライン51を通って空気ノズル22に供給される。燃料による燃焼に加熱空気を利用できることによって、連続炉11の温度をより容易に上昇させることができ、燃料が節約できる。
所定時間経過後、反応容器41Aにおいて蓄熱反応が終了し、反応容器41Bにおいて放熱反応が終了すると、反応容器41Aを放熱モード、反応容器41Bを蓄熱モードに切り替える。すなわち、弁35,50、空気ノズル22、および燃料ノズル23を除く全ての弁の開閉状態を逆にする。そして、再びそれぞれの反応が終了後、前記弁の開閉状態を再び逆にする。これを繰り返すことにより、反応容器41A,41Bは、それぞれ、蓄熱モードおよび放熱モードを繰り返すことができる。したがって、反応容器41A,41Bのうちの一方が蓄熱モードとなり他方が放熱モードとなるように、加熱設備10を連続的に稼働させることができる。これにより、連続炉11における被処理物Wの連続処理を実現できる。その際、排出ガスの廃棄による熱エネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
本発明によれば、連続炉11の排気ライン25の排出ガスを取出ライン26A,26Bを開放して反応容器41A,41Bに流入させ、連続炉11の廃熱をケミカルヒートポンプ40の化学蓄熱材45A,45Bの反応生成物に蓄熱して脱水吸熱反応により化学蓄熱材45A,45Bと水蒸気とを生成し、連結管路47A,47Bを通じて水タンク42に移動した水蒸気を凝縮部43で凝縮させて水にした後、取出ライン26A,26Bを閉止して排出ガスの流入を阻止し、水タンク42の水を蒸発させて水蒸気にし、化学蓄熱材45B,45Aと水タンク42から移動してきた水蒸気とを接触させ水和発熱反応を進行させることができる。その際、凝縮部43で水を凝縮させた後、連結管路47A,47Bの開閉弁46A,46Bを閉弁することにより、水タンク42の水が蒸発して反応容器41A,41Bに流入することを阻止することができ、連続炉11の廃熱を長期間保存可能に蓄熱できる。そして、連結管路47C,47Dの開閉弁46C,46Dを開弁して水タンク42の水を蒸発させ水蒸気を反応容器41B,41Aに流入させることにより、蓄熱後の所望の時点で放熱できる。その際、化学蓄熱材45A,45Bの水和発熱反応を進行させるために投入した熱よりも高温の熱を利用できる。すなわち、ケミカルヒートポンプ40の放熱時、ケミカルヒートポンプ40の反応容器41B,41Aの反応生成物の熱を第2熱交換部55B,55Aを介して移動させて熱供給ライン51の被加熱媒体(空気)を加熱でき、加熱された被加熱媒体を空気ノズル22に供給することができる。そして、排出ガスの廃棄による熱エネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
特に、この構成によれば、2つの反応容器41A,41Bのうち、1つの反応容器41Aは蓄熱モードを実行し、残りの反応容器41Bは放熱モードを実行することができる。そして、所定時間経過後、前記蓄熱モードを実行していた反応容器41Aに連結された取出ライン26Aを閉止して、前記蓄熱モードを実行していた反応容器41Aが放熱モードを実行し、前記放熱モードを実行していた反応容器41Bに連結された取出ライン26Bを開放して、前記放熱モードを実行していた反応容器41Bが蓄熱モードを実行するように切り替えることができる。したがって、連続炉11において、ケミカルヒートポンプ40で発熱した熱を連続的に利用することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明にかかる熱利用方法を利用した第2実施形態の加熱設備10を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
連続炉11は電気炉である。この連続炉11では、被処理物Wから例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)が製造される。連続炉11は、加熱工程を実行する加熱帯12、第1均熱工程を実行する第1均熱帯13、第1冷却工程を実行する第1冷却帯14、第2均熱工程を実行する第2均熱帯81、第2冷却工程を実行する第2冷却帯82を備えている。加熱帯12の第1均熱帯13と反対側が搬入口15であり、第2冷却帯82の第2均熱帯81と反対側が搬出口16である。搬入口15、加熱帯12と第1均熱帯13の間、第1均熱帯13と第1冷却帯14の間、第1冷却帯14と第2均熱帯81の間、第2均熱帯81と第2冷却帯82の間、および搬出口16にはそれぞれ可動扉17,18,19,83,84,20が設けられている。可動扉17,18,19,83,84,20は、閉まった状態に維持されており、ローラー式コンベア(図示せず)等によって搬送される被処理物Wの通過時のみ開くようになっている。
連続炉11の加熱帯12および均熱帯13,81には、内部を加熱する電気ヒータ85、および炉気を循環させるファン86が設けられている。
冷却媒体導入部29は、連続炉11側で分岐し冷却帯14,82と連結されている。冷却媒体導入部29の分岐した部分には、それぞれ弁87,88が設けられている。
連続炉11の第1冷却帯14には、排気ライン25が設けられ、排気ライン25の端部に排出口24が設けられている。第2冷却帯82には、第2冷却帯82と排気ライン25とを連通する連通ライン25’が設けられている。排気ライン25と取出ライン26Aとの合流点より下流の排気ライン25には、ファン99が設けられている。
反応容器41B下流側の取出ライン26Bの端部は、反応容器41Aの下流側の取出ライン26Aに連結されている(図4中Y部)。取出ライン26A,26Bには、上流側の端部に弁27A,27Bが設けられ、反応容器41A,41Bと合流点の間に弁89A,89Bが設けられている。取出ライン26Aには、合流点より下流側にファン90が設けられ、排気ライン25へ接続されている。
加熱設備10には、空気ライン91が設けられている。空気ライン91の上流側には、ファン92が設けられている。空気ライン91は下流側で2つに分岐している。空気ライン91の分岐した一端は、弁27Aと反応容器41Aの間の取出ライン26Aに連結されている。空気ライン91の分岐した他端は、弁27Bと反応容器41Bの間の取出ライン26Bに連結されている。空気ライン91の分岐点と取出ライン26Aの間には、弁93Aが設けられている。空気ライン91の分岐点と取出ライン26Bの間には、弁93Bが設けられている。
加熱設備10には、熱供給ライン51が設けられている。熱供給ライン51は上流側で2つに分岐している。熱供給ライン51の分岐した上流側の一端は、反応容器41Aと弁89Aの間の取出ライン26Aに連結されている。熱供給ライン51の分岐した上流側の他端は、反応容器41Bと弁89Bの間の取出ライン26Bに連結されている。熱供給ライン51の下流側の端部は、加熱帯12に連結されている。熱供給ライン51には、分岐点(図4中Z部)と取出ライン26Aの間に弁94Aが設けられている。また、熱供給ライン51には、分岐点と取出ライン26Bの間に弁94Bが設けられている。熱供給ライン51の下流側の端部には、弁95が設けられている。
連続炉11の加熱帯12には戻しライン97が設けられ、該戻しライン97は、排気ライン25に連結されている。戻しライン97には、弁98が設けられている。
次に、本発明にかかる熱利用方法を利用した第2実施形態の加熱設備10の動作について説明する。
連続炉11の加熱帯12および均熱帯13,81において、電気ヒータ85をオンにしてファン86を起動し、連続炉11の昇温を開始する。昇温中、加熱帯12では、電気ヒータ85を連続的またはほぼ連続的にオンにする。これにより、炉の加熱帯12を加熱できる。また、均熱帯13,81では、電気ヒータ85を断続的にオンにする。これにより、炉の均熱帯13,81を所定温度に維持できる。そして、冷却帯14,82では、冷却媒体導入部29のファン34を作動させ、弁87,88を開弁する。これにより、ファン34によって送風された風を冷却帯14,82内部を通過させて排気ライン25および連通ライン25’へ排出ガスとして排出することができる。これにより、炉の冷却帯14,82を冷却できる。
連続炉11内の温度が設定温度に到達した後、搬入口15に被処理物Wを搬入する。連続炉11の搬入口15から搬入された被処理物Wは、ローラー式コンベア(図示せず)等によって所定速度で搬送され、搬出口16から搬出される。搬送中、被処理物Wは、図5に示すように、加熱帯12で第1温度まで加熱され、第1均熱帯13で第1温度に維持される。そして、第1冷却帯14で第1温度から第2温度に冷却され、第2均熱帯81で第2温度に維持される。その後、第2冷却帯82で第2温度から所定温度まで冷却される。一方、冷却帯14,82を通過した風(冷却媒体)は、被処理物Wと熱交換し加熱される。
図4に示す状態(前回終了時の、反応容器41Aが放熱モード、反応容器41Bが蓄熱モードである状態から、反応容器41Aが蓄熱モード、反応容器41Bが放熱モードである状態に切り替わった直後の状態)では、取出ライン26Aの弁27A,89Aは開弁し、取出ライン26Bの弁27B,89Bは閉弁している。そして、ファン90,99は作動している。開閉弁46Aは開弁し、開閉弁46Bは閉弁している。また、開閉弁46Cは開弁し、開閉弁46Dは閉弁している。そして、凝縮器43のクーラー38、蒸発器44のヒーター39、およびポンプ49は作動し弁50は開弁している。弁93Aは閉弁し、弁93Bは開弁している。弁94Aは閉弁し、弁94Bは開弁している。弁95,98は開弁している。
この状態では、取出ライン26Aに排出ガスの一部が流入し、排出ガスと反応容器41Aの化学蓄熱材45Aの反応生成物(水酸化カルシウム)とが熱交換する。その結果、ケミカルヒートポンプ40は、化学蓄熱材45Aの反応生成物から、化学蓄熱材(酸化カルシウム)45Aと水蒸気とを生成するように蓄熱する。その際、生成された水蒸気は、連結管路47Aを通って凝縮器43に流入し、クーラー38によって凝縮され下部に貯留される。その際、図2(蓄熱)に示すように、水の凝縮によってQを放出する。その後、凝縮器43の水は、ポンプ49によって蒸発器44へ送られ蒸発器44に貯留される。
一方、取出ライン26Bには、排ガスの流入が遮断されている。また、蒸発器44の水は、ヒーター39によって加熱され、図2(放熱)に示すように、Qを吸熱して水蒸気となる。そして、水蒸気は連結管路47Cを通って反応容器41Bに流入する。これにより、水蒸気と反応容器41Bの化学蓄熱材45Bとが反応し、化学蓄熱材45Bの反応生成物を生成する。具体的には、図2(放熱)に示すように、1モルの酸化カルシウムがQ(>Q)の熱量を発熱して1モルの水酸化カルシウムを生成する。
この状態で、ファン92を作動させると、空気は、空気ライン91から取出ライン26Bに流入し、反応容器41B内部で発熱した化学蓄熱材45Bと熱交換され加熱される。そして、加熱空気は、熱供給ライン51を通って加熱帯12に流入し、戻しライン97を通って排気ライン25へ排出される。加熱帯12に加熱空気を通過させることにより、連続炉11の加熱帯12の温度をより容易に上昇させることができる。
所定時間経過後、反応容器41Aにおいて蓄熱反応が終了し、反応容器41Bにおいて放熱反応が終了すると、反応容器41Aを放熱モード、反応容器41Bを蓄熱モードに切り替える。すなわち、弁50,87,88,95,98を除く全ての弁の開閉状態を逆にする。そして、所定時間経過後、前記弁の開閉状態を再び逆にする。これを繰り返すことにより、反応容器41A,41Bは、それぞれ、蓄熱モードおよび放熱モードを繰り返すことができる。したがって、反応容器41A,41Bのうちの一方が蓄熱モードとなり他方が放熱モードとなるように、加熱設備10を連続的に稼働させることができる。これにより、連続炉11における被処理物Wの連続処理を実現できる。その際、排出ガスの廃棄による熱エネルギー損失を大幅に低減し、加熱に必要なエネルギーを節約することができる。
本実施形態においても、第1実施形態における効果と同様の効果を得ることができる。さらに、この構成によれば、第1冷却工程および第2冷却工程の少なくとも一方において、連続炉11の被処理物を冷却した冷却媒体は、該被処理物との熱交換により加熱され排出ガスとして排気ライン25に排出される。そして、排気ライン25の排出ガスを、熱供給ライン51を通して連続炉11の加熱帯12に供給することができる。したがって、連続炉11の加熱帯12を連続炉11の第1冷却工程および第2冷却工程の少なくとも一方で生じる排出ガスの廃熱を利用して昇温させることができる。すなわち、連続炉11において、第1冷却工程および第2冷却工程の少なくとも一方で生じる排出ガスの廃熱を加熱帯12で有効に利用することができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明にかかる熱利用方法を利用した第3実施形態の加熱設備10を示す。この加熱設備10は、連続炉11の加熱帯12および均熱帯13を加熱し、冷却帯14を冷却するケミカルヒートポンプ40を備えている。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
連続炉11の冷却帯14には、冷却媒体導入部29および冷却媒体排出部30が設けられている。冷却媒体導入部29は、熱交換室31、熱交換室31に冷却媒体を流入させる流入部32、熱交換室31から冷却媒体を流出させる流出部33を備えている。流入部32の一端にはファン34が設けられ、他端は熱交換室31に連結されている。流出部33の一端は熱交換室31に連結され他端は連続炉11の冷却帯14に連結されている。流出部33には、弁35が設けられている。熱交換室31には、後述する冷却ライン60の一部が挿入されている。
加熱設備10には、冷却ライン60が設けられている。冷却ライン60の上流側の端部には、熱媒体供給源61が設けられている。また、冷却ライン60の下流側の端部は、冷熱媒体排出部62に導かれている。冷却ライン60には、蒸発器44の内部に配置された第3熱交換部63が設けられている。蒸発器44には、ヒーター39は設けられていない。冷却ライン60の熱媒体は、蒸発器44の水と第3熱交換部63を介して熱交換できるようになっている。また、冷却ライン60には、冷却媒体導入部29の熱交換室31の内部に配置された第4熱交換部64が設けられている。弁35を開きファン34により送風される風は、冷却ライン60の熱媒体と第4熱交換部64を介して熱交換できるようになっている。熱媒体供給源61と蒸発器44の間の冷却ライン60には弁65が設けられている。蒸発器44と冷却媒体導入部29の間の冷却ライン60には弁66が設けられている。
加熱設備10には、一端と他端の間に介設され凝縮器43の内部に配置された第5熱交換部67を有する温水供給ライン68が設けられている。凝縮器43には、クーラー38は設けられていない。温水供給ライン68の上流側の端部には、熱媒体供給源69が設けられ、下流側の端部は供給先70に導かれている。温水供給ライン68には、凝縮器43の上流側および下流側にそれぞれ、弁71,72が設けられている。
本実施形態においても、反応容器41A,41Bの蓄熱モードと放熱モードの切り替えは、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。本実施形態では、冷却ライン60の熱媒体は、蒸発器44の水が蒸発する際の気化熱(Q)によって冷却される。具体的には、反応容器41Aが放熱モード、反応容器41Bが蓄熱モードである状態から、反応容器41Aが蓄熱モード、反応容器41Bが放熱モードである状態に切り替わった直後の状態では、取出ライン26Bへの排ガスの流入が遮断され、弁46Cが開弁されている。これにより、反応容器41Bの温度が低下すると、反応容器41Bの内圧が低下する。これにより、連結管路47Cおよび蒸発器44の内圧も低下する。その結果、蒸発器44の水の一部は蒸発器44の水から気化熱(Q)を奪って蒸発するので、蒸発器44の残りの水は冷却される。なお、発生した水蒸気は化学蓄熱材45Bとの水和発熱反応に使用されるため、継続して水の蒸発が起こり、この間継続して蒸発器44の水を冷却することができる。熱媒体供給源61から供給された熱媒体は、第3熱交換部63で冷却される。流入する時の熱媒体の温度が高ければ、水の蒸発を早める効果もある。そして、冷却媒体導入部29の熱交換室31でファン34による風が冷却ライン60の熱媒体との熱交換によって冷却される。そして、冷却媒体導入部29の風は、冷却帯14で被処理物を冷却して冷却媒体排出部30に排出される。冷却ライン60の熱媒体は、熱媒体排出部62に供給される。また、熱媒体供給源69から温水供給ライン68を通じて流通する熱媒体と、連結管路47A,47Bを通じて凝縮器43に流入した水蒸気とが熱交換して水蒸気を冷却することができる。その一方で、温水供給ライン68の熱媒体は加熱されるので、熱媒体は温水として供給先70に供給される。
本実施形態においても、第1実施形態における効果と同様の効果を得ることができる。さらに、この構成によれば、気化熱が奪われた蒸発器44の水を利用して、追加の冷却装置を設けることなく冷却ライン60および冷却媒体導入部29を介して連続炉11の冷却帯14を冷却することができる。このようにして、温熱利用だけでなく、温熱と同時に生じる冷熱を有効に利用できる。
なお、本発明の加熱設備は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように種々の変更が可能である。
加熱設備10を連続炉11と3つ以上の反応容器41とにより構成してもよい。
第1実施形態において、図7に示すように、熱供給ライン51の下流側端部の熱供給部100を外部で利用できるようにしてもよい。この場合、空気ノズル22には、ファン101が設けられた燃焼空気ライン102が連結される。第3実施形態においても同様である。
凝縮器43と蒸発器44を一体化して水タンク42を構成してもよい。
第2実施形態において、冷却媒体導入部29および排気ライン25は第1冷却帯14および第2冷却帯82の少なくとも一方に連結されたものでもよい。
第3実施形態における冷却ライン60等を含む冷却構造を電気炉に適用してもよい。この場合、冷熱の利用先は連続炉や外部等いずれでもよい。
熱媒体供給源61,69は、一体化していてもよい。
「冷却する」とは、室温RTより高温のT1から、室温RTより高温のT2に下げる場合も含む(T1>T2>RT)。
なお、本文中の「排出ガス」とは、連続炉11内で火炎を燃焼させた場合の排気ガスの他、連続炉11内を雰囲気ガスで満たして間接加熱を行った場合に排出される余剰ガスや、被加熱材料から発生する不純ガス等も含まれる。
本文中の「水」は、化学蓄熱材に対して脱水吸熱反応と水和発熱反応を生じさせる液体であればよい。また、エチレングリコールを水に添加したような不凍液を用いることも含まれる。そのようにすれば、0℃以下で水を蒸発させることが可能となり、0℃以下の冷熱の取出しが可能となる。
凝縮器43の内圧が蒸発器44内の内圧より高い時はポンプ49を不要にすることもできる。
10 加熱設備
11 連続炉
12 加熱帯
13 均熱帯
14 冷却帯
15 搬入口
16 搬出口
17,18,19,20 可動扉
21 供給口
22 空気ノズル(熱供給部)
23 燃料ノズル
24 排出口
25 排気ライン
25’ 連通ライン
25'' 流量調節ライン
26A,26B 取出ライン(熱交換ライン)
27A,27A,27B,27B 弁
28A,28B 第1熱交換部(排出ガス用熱交換部)
29 冷却媒体導入部
30 冷却媒体排出部
31 熱交換室
32 流入部
33 流出部
34 ファン
35 弁
38 クーラー
39 ヒーター
40 ケミカルヒートポンプ
41,41A,41B 反応容器
42 水タンク
43 凝縮器(凝縮部)
44 蒸発器(蒸発部)
45A,45B 化学蓄熱材
46A,46B,46C,46D 開閉弁
47A,47B,47C,47D 連結管路
48 連通ライン
49 ポンプ
50 弁
51 熱供給ライン
52 ファン
53 空気取出ライン
54A,54B 迂回ライン
55A,55B 第2熱交換部(被加熱媒体用熱交換部)
56A,56B 弁
57A,57A,57B,57B 弁
60 冷却ライン
61 熱媒体供給源
62 熱媒体排出部
63 第3熱交換部
64 第4熱交換部
65 弁
66 弁
67 第5熱交換部
68 温水供給ライン
69 熱媒体供給源
70 供給先
71,72 弁
80 コントローラ
81 第2均熱帯
82 第2冷却帯
83,84 可動扉
85 電気ヒータ
86 ファン
87,88 弁
89A,89B 弁
90 ファン
91 空気ライン
92 ファン
93A,93B 弁
94A,94B 弁
95 弁
97 戻しライン
98 弁
99 ファン
100 熱供給部
101 ファン
102 燃焼空気ライン
103 流量調節弁
104 流量調節弁
W 被処理物

Claims (7)

  1. 化学蓄熱材の水和発熱反応により反応生成物を生成する放熱過程、および前記反応生成物の脱水吸熱反応によって前記化学蓄熱材と水蒸気とを生成する蓄熱過程を有する反応容器と、該反応容器と連結管路により連結され前記水蒸気を凝縮させる凝縮部および該凝縮部で凝縮した水を蒸発させる蒸発部が設けられた水タンクとを有するケミカルヒートポンプと、加熱工程および冷却工程を実行可能な連続炉、および該連続炉と前記ケミカルヒートポンプの反応容器とを連結し前記連続炉の炉気を排出ガスとして排気する排気ラインを備える加熱設備の熱利用方法において、
    前記連続炉の前記排出ガスを前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物に供給し、前記脱水吸熱反応を進行させるように蓄熱して前記化学蓄熱材と前記水蒸気とを生成し、前記連結管路を通じて前記水タンクに移動した前記水蒸気を前記凝縮部により凝縮し、
    前記排出ガスの供給を停止し、前記水タンクの水を前記蒸発部により蒸発させて水蒸気にし、前記化学蓄熱材と前記水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ前記水和発熱反応を進行させることにより放熱することを特徴とする熱利用方法。
  2. 化学蓄熱材の水和発熱反応により反応生成物を生成する放熱過程、および前記反応生成物の脱水吸熱反応によって前記化学蓄熱材と水蒸気とを生成する蓄熱過程を有する反応容器と、該反応容器と連結管路により連結され前記水蒸気を凝縮させる凝縮部および該凝縮部で凝縮した水を蒸発させる蒸発部が設けられた水タンクとを有するケミカルヒートポンプと、
    加熱工程および冷却工程を実行可能な連続炉と、
    前記連続炉に設けられ、前記連続炉の炉気を排出ガスとして排気する排気ラインと、
    前記排気ラインから分岐し、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と前記排出ガスとの間で熱交換可能な排出ガス用熱交換部を有する開閉可能な熱交換ラインと
    を備え、
    前記連続炉の前記排出ガスを前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物に供給し、前記脱水吸熱反応を進行させるように蓄熱して前記化学蓄熱材と前記水蒸気とを生成し、前記連結管路を通じて前記水タンクに移動した前記水蒸気を前記凝縮部により凝縮し、
    前記排出ガスの供給を停止し、前記水タンクの水を前記蒸発部により蒸発させて水蒸気にし、前記化学蓄熱材と前記水タンクから移動してきた水蒸気とを接触させ前記水和発熱反応を進行させることにより放熱することを特徴とする加熱設備。
  3. 前記ケミカルヒートポンプは前記熱交換ラインがそれぞれ設けられた少なくとも2つの前記反応容器を備え、
    個々の前記反応容器は、前記化学蓄熱材が前記排出ガスから吸熱する蓄熱モード、および前記化学蓄熱材が被加熱媒体に放熱する放熱モードを繰り返し、
    前記少なくとも2つの反応容器のうち、少なくとも1つの前記反応容器は前記蓄熱モードを実行し、残りの前記反応容器のうちの少なくとも1つの前記反応容器は前記放熱モードを実行することを特徴とする請求項2に記載の加熱設備。
  4. 一端に送風機が設けられるとともに他端が熱供給部に接続され、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と内部を流通する前記被加熱媒体との間で熱交換可能な被加熱媒体用熱交換部を有する熱供給ラインを備え、
    前記ケミカルヒートポンプの放熱時、前記ケミカルヒートポンプの反応容器の反応生成物と熱交換した前記熱供給ラインの被加熱媒体を前記熱供給部に供給することを特徴とする請求項3に記載の加熱設備。
  5. 前記熱供給部は前記連続炉であることを特徴とする請求項4に記載の加熱設備。
  6. 前記連結管路に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の加熱設備。
  7. 前記水タンクの水が水蒸気になるときの気化熱によって、前記冷却工程を実行する前記連続炉の冷却帯を冷却することを特徴とする請求項2に記載の加熱設備。
JP2012000236A 2012-01-04 2012-01-04 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備 Pending JP2013139959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012000236A JP2013139959A (ja) 2012-01-04 2012-01-04 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012000236A JP2013139959A (ja) 2012-01-04 2012-01-04 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013139959A true JP2013139959A (ja) 2013-07-18

Family

ID=49037554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012000236A Pending JP2013139959A (ja) 2012-01-04 2012-01-04 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013139959A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103673649A (zh) * 2013-12-16 2014-03-26 机械工业第六设计研究院有限公司 工业炉群余热回收综合利用系统
WO2016047017A1 (ja) * 2014-09-24 2016-03-31 株式会社デンソー 熱輸送システム
CN115046330A (zh) * 2022-06-27 2022-09-13 深圳市永凯机电设备有限公司 一种复合式节能型空气源热泵

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103673649A (zh) * 2013-12-16 2014-03-26 机械工业第六设计研究院有限公司 工业炉群余热回收综合利用系统
WO2016047017A1 (ja) * 2014-09-24 2016-03-31 株式会社デンソー 熱輸送システム
JP2016065654A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 株式会社デンソー 熱輸送システム
CN115046330A (zh) * 2022-06-27 2022-09-13 深圳市永凯机电设备有限公司 一种复合式节能型空气源热泵
CN115046330B (zh) * 2022-06-27 2023-04-18 深圳市永凯机电设备有限公司 一种复合式节能型空气源热泵

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI534341B (zh) A substrate processing apparatus, a manufacturing method of a semiconductor device, and a recording medium
JP7354051B2 (ja) 水素放出・貯蔵システム、水素放出・貯蔵方法、アンモニア製造装置、ガスタービン、燃料電池、および製鉄所
JP2013139959A (ja) 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備
CN111397346A (zh) 一种节能型隧道烘箱
JP5787539B2 (ja) バーナ装置及びそれを備える工業炉
JP5710453B2 (ja) 真空式温水機排ガスの熱回収装置およびこれを用いた熱回収方法
JP5615020B2 (ja) 連続式箱型乾燥機が具えられた乾燥設備
JP2013122323A (ja) 炉における熱利用方法およびその方法を利用した燃焼設備
JP2006226540A (ja) 加熱冷却装置
JP2005201606A (ja) 加熱装置
JP2010048440A (ja) バッチ式焼成炉の排熱回収システム及び方法
JP5936526B2 (ja) 熱出力方法および熱出力システム
KR100526084B1 (ko) 흡수식 냉동기
JP2009144987A (ja) 加熱冷却装置
JP6741758B2 (ja) ガス・蒸気・コンバインドサイクル発電所の運転方法
JP2013170790A (ja) 熱利用方法およびこれを利用した加熱設備
CN108088295A (zh) 操作具有旁路管道的热交换系统的方法和该热交换系统
SE541228C2 (en) High temperature furnace
JP2014180980A (ja) 化学蓄熱空調システム
JP2001263952A (ja) ケミカルヒートポンプドライヤ
CN108138600A (zh) 运行燃气和蒸汽联合发电站的方法以及燃气和蒸汽联合发电站
RU165396U1 (ru) Сушильная установка
JP2013113478A (ja) 吸発熱ユニットおよびその熱利用方法
KR100877024B1 (ko) 흡수식 냉온수기의 냉방시 급탕장치
JP6349245B2 (ja) 熱力変換システム