JP2013138346A - 自動利得制御回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】希望信号と妨害信号がどのような周波数関係である場合でも、出力信号のS/N比を大きくすることができる自動利得制御回路を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために本発明の自動利得制御回路は、入力された電波信号のレベルを測定し、前記電波信号に含まれ復調する周波数の信号である希望信号と前記希望信号よりレベルが高く復調しない周波数の信号である妨害信号を分離して周波数を比較する受信回路と、前記受信回路に入力される電波信号のレベルを減衰させる量を可変でき、減衰量の周波数特性を変化させることができる可変減衰回路を備え、受信回路が、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて、可変減衰回路の低周波数側の減衰量を大きくするか、高周波数側の減衰量を大きくするか、減衰量を周波数に対して一定にするかを切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】上記目的を達成するために本発明の自動利得制御回路は、入力された電波信号のレベルを測定し、前記電波信号に含まれ復調する周波数の信号である希望信号と前記希望信号よりレベルが高く復調しない周波数の信号である妨害信号を分離して周波数を比較する受信回路と、前記受信回路に入力される電波信号のレベルを減衰させる量を可変でき、減衰量の周波数特性を変化させることができる可変減衰回路を備え、受信回路が、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて、可変減衰回路の低周波数側の減衰量を大きくするか、高周波数側の減衰量を大きくするか、減衰量を周波数に対して一定にするかを切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明は、無線受信機に搭載される自動利得制御回路に関するものである。
無線受信機の受信回路のアンプなどの半導体素子は、所定のレベルより高いレベルの信号が入力されると歪みを発生し、受信性能を劣化させる。そのため、無線受信機には、受信回路へ入力される無線信号のレベルが所定のレベル以下となるようにするため、フロントエンド(受信回路とアンテナの間)に無線信号のレベルの減衰量を可変できる可変減衰回路を設け、受信信号のレベルに応じて可変減衰回路の減衰量を制御する自動利得制御回路が搭載されている。
自動利得制御回路に用いる可変減衰回路の減衰量の周波数偏差を低減する従来技術として、印加電圧によって抵抗値が変化する可変抵抗素子を備え、上記可変抵抗素子を利用してアンテナ入力信号を減衰させるアンテナダンピング回路において、上記可変抵抗素子とその前段に接続される容量性の回路との間に抵抗を設けたことを特徴とするアンテナダンピング回路が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、別の従来技術として、入力信号が印加される可変容量ダイオードを逆方向で用いた容量分割回路と、該容量分割回路に接続されたインピーダンス変換器と、を備え、入力信号振幅を減衰させて取り出すように構成されたことを特徴とする可変減衰器が知られている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、従来の自動利得制御回路においては、減衰量が周波数に対し一定となるため、受信した電波信号のうち妨害信号のレベルが所定のレベルより大きく、希望信号のレベルが妨害信号のレベルより小さい場合、妨害信号のレベルに対して自動利得制御回路が動作すると希望信号のレベルも減衰し、出力音声のS/N比が劣化するという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて、低周波数側の減衰量を大きくするか、高周波数側の減衰量を大きくするか、減衰量を周波数に対して一定にするかを切り替えることのできる自動利得制御回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の自動利得制御回路は、入力された電波信号のレベルを測定し、前記電波信号に含まれ復調する周波数の信号である希望信号と前記希望信号よりレベルが高く復調しない周波数の信号である妨害信号を分離して周波数を比較する受信回路と、前記受信回路に入力される電波信号のレベルを減衰させる量を可変でき、減衰量の周波数特性を変化させることができる可変減衰回路を備えるという構成を有する。
本発明によれば、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて、最適な減衰量の周波数特性を持つ回路構成の可変減衰回路を選択することにより、妨害信号がある状況でも、希望信号の減衰量を少なくすることで、出力音声のS/N比を大きくすることができ、無線受信機の受信性能を向上することができる。
一般的に、無線受信機において、アンテナで受信した無線信号には、受信回路が復調を行う周波数の信号である希望信号と、希望信号以外の周波数の不要な信号である妨害信号が含まれている。
無線受信機のフロントエンドに設けた可変減衰回路を使用する自動利得制御回路は、無線受信機が受信して利用する信号の周波数帯域全体で動作するため、受信信号の周波数帯域内にある妨害信号の信号レベルが大きい場合は、妨害信号のレベルに対しても自動利得
制御を行う。
制御を行う。
そのため従来のものは、希望信号のレベルが低くても、妨害信号によって自動利得制御回路が動作したために希望信号のレベルが減衰することがある。さらに、可変減衰回路の減衰量の周波数特性によって、希望信号のレベルの減衰量が妨害信号のレベルの減衰量よりも大きくなることがある。
希望信号のレベルの減衰量が大きくなるほど、希望信号のレベルとノイズレベルの比が小さくなるため、出力信号の信号対雑音比(S/N比)が劣化したり、ビット誤り率が増大したりする。
例えば、車載AMラジオの場合、アンテナ長が波長に比べてはるかに短いため、アンテナは容量性のインピーダンスを持つ。一方、フロントエンド回路に設ける可変減衰回路には、一般に抵抗素子が用いられるので、可変減衰回路のインピーダンスは抵抗性である。ここで、アンテナのインピーダンスをZa(絶対値を|Za|)、可変減衰回路のインピーダンスをZb(絶対値を|Zb|)としたとき、可変減衰回路の概略の減衰量Xは、インピーダンスの比(X=|Za|/(|Za+|Zb|)、対数表示の場合はX(dB)=20*LOG(|Zb|/(|Za|+|Zb|)))で決まる。
可変減衰回路のインピーダンスZbは抵抗性であるので周波数に対して一定であるが、アンテナのインピーダンスZaは容量性であるため、アンテナのインピーダンスZaの絶対値は低周波数側で高く、高周波数側で低い。
従って、これらの周波数による影響が考慮されていないと、減衰量Xは、低周波数側ほど大きく、高周波数側ほど小さくなる(例えば、Zb=1、Za=3(低周波側)、2(高周波側)とすると、低周波数側でX=1/4(対数表示:−12dB)、高周波数側でX=1/3(対数表示:−9.5dB)となり低周波数側の方が、減衰量が3.5dB大きい)。すなわち、減衰量の周波数偏差が生じる。
ここで、希望信号が妨害信号より低周波数側にある場合、妨害信号より希望信号の方が可変減衰回路の減衰量が大きくなる。
すなわち、受信回路に入力される希望信号は、妨害信号に比べ大きな減衰を受ける。希望信号のレベルが下がると、受信回路(例えばAMラジオ受信機)が出力する信号の信号雑音比(S/N比)が劣化する(AMラジオ受信機であれば、音声出力の品質が劣化する)。
本実施の形態の自動利得制御回路は、以下にその詳細を示すとおり、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて、低周波数側の減衰量を大きくするか、高周波数側の減衰量を大きくするか、減衰量を周波数に対して一定にするかを切替えることによって、上記の受信性能の劣化を低減する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における自動利得制御回路について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における自動利得制御回路について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における自動利得制御回路10の回路ブロック図である。
図1において、自動利得制御回路10は、外部のアンテナ11から信号を入力する入力端子12と、入力端子12に一端が接続された第1の可変抵抗素子R1と、第1の可変抵抗素子R1の他端が接続された受信回路16と、第1の可変抵抗素子R1と受信回路16
を接続する信号線路とアースの間に接続された第2の可変抵抗素子R2と、第2の可変抵抗素子R2と並列に接続された第1の可変容量素子C1とから構成される。
を接続する信号線路とアースの間に接続された第2の可変抵抗素子R2と、第2の可変抵抗素子R2と並列に接続された第1の可変容量素子C1とから構成される。
自動利得制御回路10のうち、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1が、入力端子12から入力された電波信号の受信回路16への入力レベルを減衰させる可変減衰回路19を構成している。
本実施の形態1の自動利得制御回路10は、主にラジオ受信機やテレビ受信機などの無線受信機に搭載して使用することを想定している。
入力端子12は、アンテナ11で受信し、音声などの情報が変調された高周波の受信信号が自動利得制御回路10に入力される入口であり、自動利得制御回路10の外部のアンテナ11に接続されている。
第1の可変抵抗素子R1と第2の可変抵抗素子R2は、外部から与える制御信号によって抵抗値を可変できる素子である。例えばPINダイオードや、トランジスタなどを使用できる。
第1の可変容量素子C1は、外部から与える制御信号によって容量値を可変できる素子である。例えば、可変容量ダイオードなどを使用できる。
受信回路16は、入力された電波信号のレベルの検波、妨害信号の分離と検出、希望信号と妨害信号の周波数関係の判定、可変減衰回路の減衰量の制御を行う。
ここで、希望信号とは、受信した電波信号に含まれていて入力端子12に入力される信号のうち、復調する周波数の電波信号を指す。妨害信号とは、受信した電波信号に含まれる信号のうち、復調しない周波数の(特に明記しないときは希望信号よりレベルが高い)不要な信号を指す。
周波数関係の判定とは、希望信号と妨害信号の周波数を比較し、妨害信号の周波数が希望信号の周波数より低周波数側のみにあるか、高周波数側のみにあるか、低周波数側と高周波数側の両側にあるかのいずれに該当するかを決めることを指す。
可変減衰回路の減衰量の制御とは、可変減衰回路19の減衰量の周波数特性を決める可変減衰回路19の回路構成を決めた上で、受信回路16へ入力される電波信号のレベルが所定のレベルを超えないように可変減衰回路の減衰量を制御するために第1の可変抵抗素子R1、第2の可変抵抗素子R2および第1の可変容量素子C1への制御信号を決定し、それぞれの素子に出力することを指す。
受信回路16は、本来は、アンプ、ミキサ、フィルタ、種々の信号処理回路から構成されるチューナとしての機能を持つが、詳細の構成についての説明は省略する。
また、受信回路16は、受信信号から音声や映像などのデータを取り出し、不図示のスピーカやディスプレイ等に音声や映像などのデータを出力する機能を持つ。
図2は本発明の実施の形態1におけるアンテナ11の出力インピーダンスの等価回路図である。図2は、車載AMラジオ用の受信アンテナの等価回路の一例である。
図2に示す等価回路は、一端がアースに接続された抵抗21と、抵抗21の他端と接続された容量22と、容量22の他端に設けたアンテナ出力端子24と、アンテナ出力端子
24とアース間に接続された容量23から構成される。
24とアース間に接続された容量23から構成される。
AMラジオ放送の周波数帯(地域により異なるが、およそ500kHz〜1700kHz)では、一般の乗用車のサイズ(数m)に比べて電波の波長(およそ150〜600m)が極めて長いため、波長に比べてはるかに短いアンテナが用いられている。
そのため、アンテナのインピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分を比較すると、等価回路(図2)内の抵抗21による抵抗成分より、容量22によるリアクタンス成分がはるかに大きな値となり、インピーダンスの大きさに対し支配的な要素となる。
また、アンテナ11と自動利得制御回路10間のケーブルの特性で決まる容量23のリアクタンスが影響を与える。
アンテナ11のインピーダンスは、抵抗21、容量22、容量23の素子値から計算できるが、これらの素子値は、アンテナやケーブルの特性により異なる。
JIS工業規格では、抵抗21は80オーム、容量22は15pF(ピコファラド)、容量23は65pFを用いることが定められている。
JIS工業規格では、抵抗21は80オーム、容量22は15pF(ピコファラド)、容量23は65pFを用いることが定められている。
本発明のアンテナ11の等価回路は、上記の素子値の特性を持つものとする。このとき、アンテナのインピーダンスは、AM放送の受信周波数において、容量性の1.5kオーム(1700kHz)〜5kオーム(500kHz)である。
ただし、当業者であれば容易に想像できるように、本発明におけるアンテナ11の等価回路の構成や素子値は上記に限定されない。
以上のように構成された自動利得制御回路10について、以下にその処理動作を説明する。
図3は本発明の実施の形態1における自動利得制御回路10の動作説明のフローチャートである。
まず、ユーザが自動利得制御回路10(または自動利得制御回路10を搭載したラジオ受信機等の無線受信機)の電源を入れることにより、自動利得制御回路10が受信モードに入る(ステップS31)。
次に、受信回路16が、受信回路16に入力された電波信号を検波して信号レベル(Vr)を測定する(ステップS32)。以下、すべてのステップは受信回路が行う動作である。
受信回路16は、測定した受信回路16に入力された電波信号のレベル(Vr)と、あらかじめ定められた自動利得制御の閾値レベル(Vth)の大小を比較する(ステップS33)。
ステップS33において、受信回路16に入力された電波信号のレベル(Vr)が閾値レベル(Vth)以下であると判断した場合、自動利得制御を行わない(ステップS35)。自動利得制御を行わない場合、ステップS32に戻る。
ステップS33において、電波信号の受信回路16への入力レベル(Vr)が閾値レベル(Vth)より大きいと判断した場合、受信回路16において、前記電波信号に妨害信号が含まれるかどうかを判断するため、希望信号と異なる周波数の信号である妨害信号と
希望信号を分離し、電波信号の受信回路16への入力レベル(Vr)と希望信号の入力レベル(Vd)を比較する(ステップS34)。
希望信号を分離し、電波信号の受信回路16への入力レベル(Vr)と希望信号の入力レベル(Vd)を比較する(ステップS34)。
なお、妨害信号と希望信号を分離する方法としては、例えば、希望信号のみを既知の小さい減衰量(Ld)で通過させ、妨害信号を希望信号より大きい減衰量(Lu)で通過させる帯域通過フィルタを利用する方法がある。
受信回路16に搭載され、希望信号のみを既知の小さい減衰量(Ld)で通過させ、希望信号と異なる周波数の妨害信号を希望信号より大きい減衰量(Lu)で通過させる帯域通過フィルタがあるとき、帯域通過フィルタから出力される電波信号のレベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)よりも、帯域通過フィルタへ入力される電波信号のレベルV1の方が大きい(S<V1)という条件Aが成立すれば、帯域通過フィルタの通過前の電波信号に妨害信号が含まれると判断することができる。その理由について、図4、図5、図6を用いて説明する。
図4(a)〜(c)は、帯域通過フィルタへ入力される電波信号に希望信号のレベルよりレベルが大きい妨害信号が含まれていて、帯域通過フィルタから出力される電波信号のうち妨害信号のレベルより希望信号のレベルが大きい場合の、希望信号と妨害信号の帯域通過フィルタの通過前後のレベル推移を示す図である。
図4(a)は、帯域通過フィルタの入力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号のレベルVdは、周波数Fuの妨害信号のレベルVuより小さい。
図4(b)は、帯域通過フィルタの減衰量の周波数特性を示す図である。周波数Fdの希望信号の減衰量Ldに比べ、周波数Fuの妨害信号の減衰量Luは大きい。
図4(c)は、帯域通過フィルタの出力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルは、帯域通過フィルタ入力レベルVdから減衰量Ldを引いたレベルVd−Ldとなる。
周波数Fuの妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルは、帯域通過フィルタ入力レベルVuから減衰量Luを引いたレベルVu−Luとなる。
図4(c)は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldよりも、妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルVu−Luの方が小さい場合を示している。
これは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルと妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルの差が、帯域通過フィルタの減衰量の差よりも小さい場合に起こる。
電波信号の帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuと等しくなる(V1=Vu)。
また、電波信号の帯域通過フィルタの出力レベルV2は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldと等しくなる(V2=Vd−Ld)。
このとき、帯域通過フィルタの出力レベルV2と、希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)を求める。
S=V2+Ld=(Vd−Ld)+Ld=Vd (式1)
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVu
と等しい。
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVu
と等しい。
V1=Vu (式2)
妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdより大きいと仮定した(Vd<Vu)から、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1より小さい(S<V1)。従って、条件Aが成立している。
妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdより大きいと仮定した(Vd<Vu)から、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1より小さい(S<V1)。従って、条件Aが成立している。
図5(a)〜(c)は、帯域通過フィルタへ入力される電波信号に希望信号のレベルよりレベルが大きい妨害信号が含まれていて、帯域通過フィルタから出力される電波信号
のうち希望信号のレベルより妨害信号のレベルが大きい場合の、希望信号と妨害信号の帯域通過フィルタの通過前後のレベル推移を示す図である。
のうち希望信号のレベルより妨害信号のレベルが大きい場合の、希望信号と妨害信号の帯域通過フィルタの通過前後のレベル推移を示す図である。
図5(a)は、帯域通過フィルタの入力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号のレベルVdは、周波数Fuの妨害信号のレベルVuより小さい。
図5(b)は、帯域通過フィルタの減衰量の周波数特性を示す図である。周波数Fdの希望信号の減衰量Ldに比べ、周波数Fuの妨害信号の減衰量Luは大きい。
図5(c)は、帯域通過フィルタの出力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルは、帯域通過フィルタ入力レベルVdから減衰量Ldを引いたレベルVd−Ldとなる。
周波数Fuの妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルは、帯域通過フィルタ入力レベルVuから減衰量Luを引いたレベルVu−Luとなる。
図5(c)は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldよりも、妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルVu−Luの方が大きい場合を示している。これは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルと妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルの差が、帯域通過フィルタの減衰量の差よりも大きい場合に起こる。
電波信号の帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuと等しくなる(V1=Vu)。また、電波信号の帯域通過フィルタの出力レベルV2は、妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルVu−Luと等しくなる(V2=Vu−Lu)。
このとき、帯域通過フィルタの出力レベルV2と、希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)を求める。次の計算において、妨害信号の周波数Fuにおける帯域通過フィルタの減衰量Luは、希望信号の周波数Fdにおける帯域通過フィルタの減衰量Ldより大きいと仮定していることを利用する。
S=V2+Ld=(Vu−Lu)+Ld=Vd−(Lu−Ld)<Vd (式3)
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuと等しい。
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuと等しい。
V1=Vu (式2)
妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdより小さいと仮定した(Vd<Vu)から、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1より小さい(S<Vd<V1)。従って、条件Aが成立している
。
妨害信号の帯域通過フィルタの入力レベルVuは、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdより小さいと仮定した(Vd<Vu)から、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1より小さい(S<Vd<V1)。従って、条件Aが成立している
。
図6(a)〜(c)は、帯域通過フィルタへ入力される電波信号に含まれている信号のうちで妨害信号のレベルは希望信号のレベルより小さい場合の、希望信号と妨害信号の帯域通過フィルタの通過前後のレベル推移を示す図である。
図6(a)は、帯域通過フィルタの入力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号のレベルVdは、周波数Fuの妨害信号のレベルVuより大きい。
図6(b)は、帯域通過フィルタの減衰量の周波数特性を示す図である。周波数Fdの希望信号の減衰量Ldに比べ、周波数Fuの妨害信号の減衰量Luは大きい。
図6(c)は、帯域通過フィルタの出力レベルを示す図である。周波数Fdの希望信号は、帯域通過フィルタ入力レベルVdから減衰量Ldを引いたレベルVd−Ldとなる。周波数Fuの妨害信号は、帯域通過フィルタ入力レベルVuから減衰量Luを引いたレベルVu−Luとなる。
図6(a)に示すように、希望信号の帯域通過フィルタへの入力レベルVdが、妨害信号の帯域通過フィルタへの入力レベルVuより大きいと仮定した。
また、希望信号の帯域通過フィルタの減衰量Ldは、妨害信号の帯域通過フィルタの減衰量Luより小さい。図6(c)は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldは、妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルVu−Luよりも必ず大きくなることを示している。
また、希望信号の帯域通過フィルタの減衰量Ldは、妨害信号の帯域通過フィルタの減衰量Luより小さい。図6(c)は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldは、妨害信号の帯域通過フィルタの出力レベルVu−Luよりも必ず大きくなることを示している。
電波信号の帯域通過フィルタの入力レベルV1は、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdと等しくなる(V1=Vd)。また、電波信号の帯域通過フィルタの出力レベルV2は、希望信号の帯域通過フィルタの出力レベルVd−Ldと等しくなる(V2=Vd−Ld)。
このとき、帯域通過フィルタの出力レベルV2と、希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)を求める。
S=V2+Ld=(Vd−Ld)+Ld=Vd (式4)
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdと等しいから、
V1=Vd (式5)
このとき、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1と等しい(S=Vd=V1)。従って、条件A(S<V1)は成立しない。
帯域通過フィルタの入力レベルV1は、希望信号の帯域通過フィルタの入力レベルVdと等しいから、
V1=Vd (式5)
このとき、帯域通過フィルタの出力レベルV2と希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量Ldの和(S)は、帯域通過フィルタの入力レベルV1と等しい(S=Vd=V1)。従って、条件A(S<V1)は成立しない。
従って、図7と図8で示したように、帯域通過フィルタに入力される電波信号に希望信号よりレベルが高い妨害信号が含まれる場合は条件Aが成立するが、図6で示したように、帯域通過フィルタに入力される電波信号に希望信号よりレベルが高い妨害信号が含まれない場合は条件Aが成立しない。
すなわち条件Aの成否によって、希望信号よりレベルが高い妨害信号があるかどうかを判断することができる。
以上のように、受信回路16は、希望信号と妨害信号を分離して、受信回路16への電波信号の入力レベル(Vr)と希望信号の入力レベル(Vd)を比較した結果から、妨害
信号があるどうかを判断する(ステップS34)。
信号があるどうかを判断する(ステップS34)。
受信回路16が、受信回路16へ入力された電波信号の中に妨害信号はない(つまり希望信号と周波数が異なり、希望信号よりレベルが高い信号はない)と判断した場合、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路19として、全帯域通過フィルタ(APF:ALL PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ減衰量の周波素偏差が小さい回路構成)を選択する(ステップS42)。
可変減衰回路19をAPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナ11の入力インピーダンスに比べて高いインピーダンス、すなわち大きい抵抗値に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値を受信回路16の入力インピーダンスに対して高いインピーダンス、すなわち小さい容量値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第2の可変抵抗素子R2のインピーダンス、すなわち抵抗値を下げることで、受信回路16に入力される電波信号の減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を制御する(ステップS43)。
ステップS36において、受信回路16が、受信回路16へ入力された電波信号の中に妨害信号があると判断した場合、受信回路16は、妨害信号の概略の周波数(Fu)を測定し、希望信号の周波数(Fd)と比較する(ステップS37)
妨害信号の概略の周波数(Fu)を測定するためには種々の方法がある。例えば、自動利得制御回路10が複数の受信回路16を持つ構成の場合、第二の受信回路(サブチューナ)にて、第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数をスキャンしながら第二の受信回路の帯域通過フィルタの出力信号レベルを測定する方法がある。
妨害信号の概略の周波数(Fu)を測定するためには種々の方法がある。例えば、自動利得制御回路10が複数の受信回路16を持つ構成の場合、第二の受信回路(サブチューナ)にて、第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数をスキャンしながら第二の受信回路の帯域通過フィルタの出力信号レベルを測定する方法がある。
第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数を希望信号の周波数に合わせたときの第二の受信回路の帯域通過フィルタの出力レベルと、第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数を希望信号と異なる周波数に合わせたときの第二の受信回路の帯域通過フィルタの出力レベルを比較する。後者の方がレベルが大きくなるような第二の受信回路の同調周波数があれば、そのときの第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数が、希望信号よりレベルが大きい妨害信号の周波数となる。
なお、第二の受信回路の帯域通過フィルタの同調周波数とともに第二の受信回路の受信周波数も同時にスキャンし、第二の受信回路に入力された電波信号を中間周波数信号やベースバンド信号に周波数変換した後のレベルを比較してもよい。
一般に、中間周波数信号やベースバンド信号の方が狭帯域な帯域通過フィルタを使用できるため、妨害信号の概略周波数を測定する精度を上げることができるというメリットがある。
別の方法として、自動利得制御回路10が一つのみの受信回路16を持ち、受信回路16が同調周波数を変更できる帯域通過フィルタ(トラッキングフィルタ)を持つ場合、トラッキングフィルタの同調周波数を変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベルを比較する方法がある。
トラッキングフィルタとアンテナ11間で動作する全ての自動利得制御回路を停止させた状態(減衰量または利得固定の状態)で、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信
号の周波数としたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vd0)と、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から高周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vdh)と、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から低周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vdl)を比較する。
号の周波数としたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vd0)と、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から高周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vdh)と、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から低周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベル(Vdl)を比較する。
トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から高周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベルVdhが、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数としたときのトラッキングフィルタの出力レベルVd0よりレベルが高い場合は希望信号より高周波数側に妨害信号があると判断できる。
また、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から低周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベルVdlが、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数としたときのトラッキングフィルタの出力レベルVd0よりレベルが高い場合は希望信号より低周波数側に妨害信号があると判断できる。
また、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から高周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベルVdhと、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数から低周波数側へ変化させたときのトラッキングフィルタの出力レベルVdlが、ともに、トラッキングフィルタの同調周波数を希望信号の周波数としたときのトラッキングフィルタの出力レベルVd0よりレベルが高い場合は希望信号より高周波数側と低周波数側の両方に妨害信号があると判断できる。
そのほか、GPS(Global Positioning System)の位置情報と公知の地図情報により、自動利得制御回路10の近くにあるアンテナ塔を検知し、アンテナ塔の放射する電波の周波数を知ることができれば、妨害信号の周波数を推定することができる。
受信回路16が、妨害信号の概略の周波数(Fu)を測定し、希望信号の周波数(Fd)と比較(ステップS37)した結果、妨害信号の概略の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側のみに存在するかを判定する(ステップS38)。
妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側のみに存在すると判定した場合は、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路19として、高域通過フィルタ(HPF:HIGH PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)を選択する(ステップS40)。
可変減衰回路19をHPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナ11の入力インピーダンスに比べて十分低いインピーダンス、すなわち低い抵抗値に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値を受信回路16の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンス、すなわち小さい容量値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第2の可変抵抗素子R2のインピーダンス、すなわち抵抗値を可変することで、受信回路16に入力される電波信号のレベルの減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を制御する(ステップS43)。
受信回路16が、妨害信号の周波数(Fu)を測定し、希望信号の周波数(Fd)と比較(ステップS37)した結果、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側以外にも存在した場合、次に、妨害信号の周波数(Fu)が、希望信号の周波数(Fd)より高周波数側のみに存在するか判定する(ステップS39)。
妨害信号の周波数(Fu)が、希望信号の周波数(fd)より高周波数側のみに存在すると判定した場合、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路19として、低域通過フィルタ(LPF:LOW PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回路構成)を選択する(ステップS41)。
可変減衰回路19をLPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナ11の入力インピーダンスに比べて十分高いインピーダンス、すなわち大きい抵抗値に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を受信回路16の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンス、すなわち大きい抵抗値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第1の可変容量素子C1のインピーダンス、すなわち容量値を可変することで、受信回路16に入力される電波信号のレベルの減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第1の可変容量素子C1の容量値を制御する(ステップS43)。
受信回路16が、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)より高周波数側のみにあるか判定した結果(ステップS39)、妨害信号の周波数(Fu)が、希望信号の周波数(Fd)より高周波数側以外にも存在した場合、受信回路16は、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在すると判定する。
このときは、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路19として、APF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)を選択する(ステップS42)。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を制御する(ステップS43)。
以上より、受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号のレベルと周波数がどのような関係であっても、自動利得制御回路10の受信回路16は、可変減衰回路19の回路構成として、HPF型の回路構成(低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)、APF型の回路構成(減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)、LPF型の回路構成(高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回路構成)のいずれかを選択する。
最後に、受信回路16は、選択した可変減衰回路19の回路構成に対応して、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1に流す電流、または加える電圧を適切に設定するための制御信号を各々の素子に送信する。
受信回路16から出力された制御信号に基づいて、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1の抵抗値または容量値が変化する。その結果、受信回路16に入力される電波信号のレベルが所定量だけ減衰する。
アンテナ11で受信し、入力端子12から入力されて受信回路16に入力される電波信号のレベルが変化したときは、受信回路16に入力されて検波した電波信号のレベルが変化するので、受信回路16は、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1へ出力する制御信号を補正する。このように、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの変化を各素子の制御信号に随時フィードバックすることにより、受信回路16へ入力される電波信号のレベルが一定となるように可変減衰回路19の減衰量を制御して、自動利得制御回路10による自動利得制御を実現する。
以上をまとめると、本発明の実施の形態1における自動利得制御回路10は、希望信号の周波数と妨害信号の周波数の関係に応じて、可変減衰回路19の回路構成を表1のように選択する。
以上のように構成され、処理動作が行われる自動利得制御回路10について、以下にその特性を説明する。
図7は、本発明の実施の形態1における自動利得制御回路10の実施例の回路図である。
図7は、図1の回路ブロック図に基づく回路図の詳細であるため、図1と同一の構成要素には同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。
自動利得制御回路10において、入力端子12には結合コンデンサ51を接続し、自動利得制御回路10の内部の受信信号の信号線に、外部(アンテナ11)からDC(直流電圧)が印加されないようにした。
また、結合コンデンサ51の他端とアース間に、ハムノイズ対策コイル63を接続した。結合コンデンサ51の他端にDCカットコンデンサ64を挟んで接続する第1の可変抵抗素子R1はPINダイオード13で実現した。
PINダイオード13のカソード端子は、チョークコイル53を介してDCアース電位とした。アノード端子は、チョークコイル52を介して、受信回路16から出力された制御信号V(R1)が印加される構成とした。
第2の可変抵抗素子R2は、PINダイオード56とPINダイオード57を直列に接続(すなわちPINダイオード56のアノード端子とPINダイオード57のカソード端子を接続)し、PINダイオード56のカソード端子をDCアース電位、PINダイオー
ド57のアノード端子に受信回路16から出力された制御信号V(R2)が印加される構成とした。
ド57のアノード端子に受信回路16から出力された制御信号V(R2)が印加される構成とした。
また、PINダイオード56のアノード端子とPINダイオード57のカソード端子の接続点のDC電位を浮かせる必要があるため、受信信号の周波数帯域で十分インピーダンスが低い(すなわち十分容量が大きい)容量55(例えば、AM放送の周波数帯で1マイクロファラド)を介して、入力端子12から受信回路16に至る電波信号の信号線とPINダイオード56のアノード端子を接続する。
第1の可変容量素子C1は、可変容量ダイオード59と可変容量ダイオード60のカソード端子間をバック・トゥ・バックで接続(すなわち可変容量ダイオード59のカソード端子と可変容量ダイオード60のカソード端子間を接続)し、可変容量ダイオード59のアノード端子を入力端子12から受信回路16に至る電波信号の信号線に、可変容量ダイオード60のアノード端子をDえCアースに接続し、可変容量ダイオード59のカソード端子に、受信回路16から出力された制御信号V(C1)が印加される構成とした。
受信回路16は、トラッキングフィルタ61、信号処理回路62、減衰量制御回路18とから構成されている。トラッキングフィルタ61とは同調周波数を可変できる帯域通過フィルタであり、受信回路16の最もアンテナ側に設けられている。
受信回路16に入力された電波信号はトラッキングフィルタ61を経て信号処理回路62に至る。信号処理回路62は、受信信号の増幅、周波数変換、中間周波数の増幅、フィルタリング、復調、音声の出力などを行う。
トラッキングフィルタ61は、同調周波数の信号のみを既知の小さい減衰量(Ld)で通過させ、同調周波数と異なる周波数の信号を同調周波数の信号より大きい減衰量(Lu)で通過させる。また、同調周波数を任意に変更できるので、通常は希望信号の周波数に追随させて使用する。
トラッキングフィルタ61に入力される電波信号のレベルを不図示の検波回路で取り出し、受信回路16へ入力される電波信号のレベルVrとして減衰量制御回路18に出力する。
また、トラッキングフィルタ61から出力された電波信号のレベル(V2)を不図示の検波回路で取り出し、トラッキングフィルタ61の出力信号のレベルV2として減衰量制御回路18に出力する。
減衰量制御回路18は、受信回路16に入力された電波信号のレベルVrが所定の閾値レベルVthより高いか低いかの判定、電波信号に希望信号よりレベルの高い妨害信号が含まれるか(妨害信号の有無)の判定、妨害信号の概略の周波数Fuの測定、可変減衰回路19の減衰量の周波数特性を決める回路構成の選択と減衰量の制御を行う。
妨害信号の有無の判定は、トラッキングフィルタ61へ入力された電波信号のレベルVrとトラッキングフィルタ62から出力された電波信号のレベルV2を比較して行う。
妨害信号の概略の周波数の測定は、トラッキングフィルタ61の同調周波数を希望信号の周波数から変化させ、そのときにトラッキングフィルタ62から出力された電波信号のレベルV2の変化幅を利用して行う。
妨害信号の概略の周波数の測定は、トラッキングフィルタ61の同調周波数を希望信号の周波数から変化させ、そのときにトラッキングフィルタ62から出力された電波信号のレベルV2の変化幅を利用して行う。
可変減衰回路19の減衰量の周波数特性を決める回路構成の選択には、妨害信号の概略の周波数Fuと希望信号の周波数Fdの周波数関係を利用する。
減衰量の制御は、受信回路16に入力された電波信号のレベルVrとあらかじめ定められた閾値レベルVthを比較し、可変減衰回路19の回路構成を選択した結果から可変減衰回路19を構成する第1の可変抵抗素子R1へ制御信号V(R1)、第2の可変抵抗素子R2へ制御信号V(R2)、第1の可変容量素子C1へ制御信号V(C1)を送信することで実施する。
なお、図7の回路図は原理図であるため、PINダイオードの電流制限抵抗や、ノイズ対策のバイパスコンデンサ、フィルタ等は省略している。必要に応じて、これらの部品を追加しても自動利得制御回路10の動作は問題ない。
また、結合コンデンサ51やハムノイズ対策コイル63は、設計者の任意で外したり、定数を設定したりしても、自動利得制御回路10の動作は問題ない。
なお、図7の回路図では、自動利得制御回路10が一つの受信回路16を持つ場合を示しているが、2つ以上の受信回路16を含んでも問題ない。
自動利得制御回路10が2つ以上の受信回路16を含む場合、妨害信号の概略周波数Fuを測定するために主たる受信回路16の受信状態を変化させる(トラッキングフィルタ61の同調周波数をずらす)ことなく、第2の受信回路を使用して妨害信号の概略周波数Fuを測定することができるため、主たる受信回路16のトラッキングフィルタ61の制御を簡単化できるという効果を奏する。
なお、トラッキングフィルタ61を設ける代わりに、電波信号の周波数を中間周波数へ変換する周波数変換回路と局部発振器と中間周波数フィルタとした構成でも同じ効果が得られる。一般に、中間周波数では、電波信号の周波数よりも選択度が大きいフィルタを使用できるので、より明確に妨害信号の有無を判定できるという効果を奏する。
このときは、トラッキングフィルタ61の同調周波数を変化させる代わりに局部発振器の発振周波数を変化させれば、同じ効果が得られる。
なお、トラッキングフィルタ61の出力信号を検波するポイントは、トラッキングフィルタ61の直後でなくても構わない。周波数変換、増幅、さらなる帯域通過フィルタ等を通過後のポイントでレベルを検波しても構わない。
そのときは、希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量の代わりに、希望信号の周波数における所定の回路全体の利得(または減衰量)を考慮すれば、同じ効果が得られる。多段の回路を通過させることにより、希望信号に対する妨害信号の除去度が上がり、より明確に妨害信号の判定を行うことができる。
図8は、本発明の実施の形態1における自動利得制御回路10の実施例における可変減衰回路19の各々の回路構成による電波信号のレベルの減衰量の周波数特性の回路シミュレーション結果である。
図8を用いて、本発明の効果について説明する。図8(a)は、可変減衰回路19がHPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ、低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)である場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路19による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナ11のインピーダンス(数キロオーム)に対して低
インピーダンスとなる小さい抵抗値(0.1オーム)とし、第1の可変容量素子C1を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる小さい容量値(0.5ピコファラド)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(A−1(R1=700オーム)、A−2(R1=230オーム)、A−3(R1=70オーム)、A−4(R1=23オーム))における減衰量の周波数特性を示す。
インピーダンスとなる小さい抵抗値(0.1オーム)とし、第1の可変容量素子C1を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる小さい容量値(0.5ピコファラド)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(A−1(R1=700オーム)、A−2(R1=230オーム)、A−3(R1=70オーム)、A−4(R1=23オーム))における減衰量の周波数特性を示す。
図8(a)から、A−1〜A−4のどの条件においても、減衰量は周波数が上がるにつれて低下し、500kHzと1700kHzでは、500kHzの方が11dB程度損失が大きい。すなわち低周波域で減衰量が大きい特性である。
図3および表1から、HPF型の可変減衰回路19の回路構成は、妨害信号が希望信号より低周波数側のみにあるときに選択される。
従って、受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号について可変減衰回路19による受信回路16へ入力されるレベルの減衰量を比べた時、希望信号より妨害信号のレベルの減衰量を大きくすることができる。
換言すると、自動利得制御回路10は、希望信号よりレベルが高い妨害信号のレベルに対して可変減衰回路19の減衰量を制御するが、希望信号は妨害信号より高周波数側にあるので、妨害信号の減衰量より希望信号の減衰量が小さくなる。
従って、従来技術や他の回路構成の場合と比べ、希望信号の信号レベルの減衰量を小さくできるので、受信回路16に入力される希望信号の信号レベルを大きくすることができるため、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
図8(b)は、可変減衰回路19がAPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ、可変減衰回路19の減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)である場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路19による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナ11のインピーダンス(数キロオーム)より高インピーダンスとなる大きい抵抗値(10キロオーム)とし、第1の可変容量素子(C1)を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる小さい容量値(0.5ピコファラド)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(B−1(R1=4キロオーム)、B−2(R1=1キロオーム)、B−3(R1=300オーム)、B−4(R1=100オーム))における減衰量の周波数特性を示す。
図8(b)から、B−1〜B−4のどの条件においても、減衰量は周波数に対してほぼ一定である(500kHzと1700kHzの減衰量の差は1dB以下)。
図3および表1から、APF型の可変減衰回路19の回路構成は、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方にあるときに選択される。可変減衰回路19が他の回路構成であるときは、本回路構成(APF型の可変減衰回路の回路構成)よりも減衰量の周波数偏差が大きい。
妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方にあるときに他の回路構成を選択すると、妨害信号の一方のレベルの減衰量は必ず希望信号のレベルの減衰量より少なくなる。
自動利得制御回路10への入力レベルを比べると希望信号のレベルより妨害信号のレベルの方が大きい場合を想定しているので、自動利得制御回路10は、希望信号より減衰量が少ないほうの妨害信号に対して可変減衰回路19の減衰量を制御し、従って希望信号のレベルも減衰する。
そのとき、妨害信号の一方よりも希望信号の減衰量が大きいため、減衰量の周波数偏差が小さいAPF型の回路構成を選択した場合よりも希望信号のレベルの減衰量が大きくなる(APF型の回路構成を選択した場合は、希望信号と妨害信号のレベルの減衰量が等しい)。
APF型以外の可変減衰回路19の回路構成を選択すると、APF型の可変減衰回路19の回路構成を選択した場合と比べて、受信回路16へ入力される希望信号のレベルの減衰量が増大するので、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比が劣化する。
そのため、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在する場合は、他の回路構成を選択した場合よりも減衰量の周波数偏差が小さくなるAPF型の可変減衰回路19の回路構成を選択する。
減衰量の周波数偏差が小さいAPF型の可変減衰回路19の回路構成を用いた場合、他の可変減衰回路19の回路構成を用いた場合に比べ、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が増大する。
図8(c)は、可変減衰回路19がLPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ、高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回路構成)の場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路19による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナ11のインピーダンス(数キロオーム)より高インピーダンスとなる大きい抵抗値(17キロオーム)に固定し、第2の可変抵抗素子R2を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる大きい抵抗値(100メガオーム)に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値を4通りに変化させた場合の各々の条件(C−1(C1=30pF)、C−2(C1=100pF)、C−3(C1=300pF)、C−4(C1=1000pF))における減衰量の周波数特性を示す。
図8(c)から、C−1〜C−4のどの条件においても、減衰量は周波数が下がるにつれて低下し、500kHzと1700kHzでは、1700kHzの方が6〜8dB程度減衰量が大きい。すなわち高周波域で減衰量が大きい特性である。
図3および表1から、LPF型の可変減衰回路19の回路構成は、妨害信号が希望信号より高周波数側のみにあるときに選択される。
従って、受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号について可変減衰回路19による受信回路16へ入力される信号のレベルの減衰量を比べた時、希望信号より妨害信号のレベルの減衰量を大きくすることができる。
換言すると、自動利得制御回路10は、希望信号よりレベルが高い妨害信号のレベルに対して可変減衰回路19の減衰量を制御するが、希望信号は妨害信号より低周波数側にあるので、妨害信号の減衰量より希望信号の減衰量が小さくなる。
従って、従来技術や他の回路構成を選択した場合と比べ、希望信号の信号レベルの減衰量を小さくできるので、受信回路16に入力される希望信号の信号レベルを大きくすることができるため、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
なお、当業者であれば容易に想像できるように、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値、第1の可変容量素子C1の容量値は、上記の実施例で示した値に限定されず、かつ同等の効果を得られるように設定することは可能である。
以上のように本実施の形態によれば、アンテナのインピーダンスが容量性である場合に、電波信号がアンテナ11から受信回路16に至る信号線路に直列に第1の可変抵抗素子R1を挿入し、第1の可変抵抗素子R1と受信回路16の間で、電波信号の信号線とアースの間に第2の可変抵抗素子R2と、第1の可変容量素子C1を並列に設けたことにより、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて可変減衰回路19の減衰量の周波数特性を変化させることができるため、妨害信号が存在する場合でも希望信号の減衰量をより少なくすることができ、自動利得制御回路10からの出力信号のS/N比を向上することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10について図面を参照しながら説明する。
図9は本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10の回路ブロック図である。実施の形態1と異なる点は、自動利得制御回路10の入力端子12にアンテナアンプ65の出力が接続された点と、入力端子12と受信回路16の間に直列に挿入された第1の可変抵抗素子R1に並列に第2の可変容量素子C2を設けた点である。
第1の可変抵抗素子R1、第2の可変容量素子C2、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1とから、入力端子12から入力された電波信号の受信回路16への入力レベルを減衰させる可変減衰回路67を構成している。
そのほかの構成は実施の形態1と同等であるので、同一の構成要素には同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。
アンテナアンプ65は、不図示のアンテナで受信した信号を増幅してから、自動利得制御回路10に電波信号を入力するために使用する、自動利得制御回路10の外部で用いるアンプである。
実施の形態1では、アンテナアンプ65を使用せずアンテナ11の出力端子24を自動利得制御回路10に直接接続する環境を想定したが、実施の形態2では、アンテナアンプ65を使用する環境を想定する。車載AMラジオの場合、ガラス窓に内蔵されたアンテナなどの利得の低いアンテナを使用する車種で、アンテナアンプがしばしば使用される。
第2の可変容量素子C2は、第1の可変容量素子C1と同様に、外部から印加される制御信号に応じて容量を可変できる素子である。
例えば可変容量ダイオードなどを使用できる。第2の可変容量素子C2の容量を制御する信号は、受信回路16から出力される。
図10は本発明の実施の形態2におけるアンテナアンプ65の出力インピーダンスの等価回路図である。
図2のアンテナ11の等価回路図と比べ、抵抗71とアンテナアンプ出力端子72の間に直列の容量が挿入されない点が異なる。図2では、直列の容量22のインピーダンスが抵抗21のインピーダンスより高く、出力インピーダンスの支配的な要素であった。
図10のアンテナアンプ65は、抵抗71のインピーダンスが、並列に装荷される容量23のインピーダンスより低く、高々数百オームである。従って、図10に示すアンテナアンプ65の出力インピーダンスは、図2のアンテナ11の出力インピーダンスより非常に低く、抵抗成分が支配的なインピーダンス(数百オーム)となる。
以上のように構成された自動利得制御回路10について、以下にその処理動作を説明する。
発明の実施の形態2における自動利得制御回路10の動作説明のフローチャートは、実施の形態1の自動利得制御回路のフローチャート(図3)と同じである。動作の異なる点のみについて図3を用いて説明する。
受信回路16が、妨害信号の周波数(Fu)を測定し、希望信号の周波数(Fd)と比較(ステップS37)した結果、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側のみに存在するかを判定する(ステップS38)。
妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側のみに存在すると判定した場合は、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路67として、高域通過フィルタ(HPF:HIGH PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)を選択する(ステップS40)。
可変減衰回路67をHPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナアンプ65のインピーダンスより十分高いインピーダンス、すなわち大きい抵抗値に固定し、第2の可変容量素子C2の容量値を受信周波数帯域において第1の可変抵抗素子R1のインピーダンスより低く、アンテナアンプ65のインピーダンスより高いインピーダンスとなる容量値に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値を受信回路16の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンス、すなわち小さい容量値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第2の可変抵抗素子R2のインピーダンス、すなわち抵抗値を可変することで、受信回路16に入力される電波信号のレベルの減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を制御する(ステップS43)。
受信回路16が、妨害信号の周波数(Fu)を測定し、希望信号の周波数(Fd)と比較(ステップS37)した結果、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ低周波数側以外にも存在した場合、次に、妨害信号の周波数(Fu)が、希望信号の周波数(Fd)より高周波数側のみに存在するか判定する(ステップS39)。
次に、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)と比べ高周波数側のみに存在すると判定した場合は、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路67として、低域通過フィルタ(LPF:LOW PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回
路構成)を選択する(ステップS41)。
路構成)を選択する(ステップS41)。
可変減衰回路67をLPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナアンプ65のインピーダンスより大きく、第2の可変容量素子C2のインピーダンスより小さい値となる中程度の抵抗値に固定し、第2の可変容量素子C2の容量値を受信周波数帯域において第1の可変抵抗素子R1のインピーダンスに比べて高いインピーダンスとなる小さい容量値に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を受信回路16の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンス、すなわち大きい抵抗値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第1の可変容量素子C1のインピーダンス、すなわち容量値を可変することで、受信回路16に入力される電波信号のレベルの減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第1の可変容量素子C1の容量値を制御する(ステップS43)。
受信回路16が、妨害信号の周波数(Fu)が希望信号の周波数(Fd)より高周波数側のみにあるか判定した結果(ステップS39)、妨害信号の周波数(Fu)が、希望信号の周波数(Fd)より高周波数側以外にも存在した場合、受信回路16は、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在すると判定する。
このときは、受信回路16は、自動利得制御回路10における可変減衰回路67として、全帯域通過フィルタ(APF:ALL PASS FILTER)型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)を選択する(ステップS42)。
可変減衰回路67をAPF型の回路構成で使用するときは、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値をアンテナアンプ65のインピーダンスに比べ十分小さいインピーダンスとなる抵抗値に固定し、第2の可変容量素子C2の容量値を受信周波数帯域において第1の可変抵抗素子R1の抵抗値と比べ非常に高いインピーダンスとなるような小さい容量値に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値は受信する周波数帯域において受信回路16の入力インピーダンスより十分高いインピーダンス、すなわち小さい容量値に固定し、受信回路16に入力された電波信号のレベルが所定の値に減衰するまで第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を下げるることで、受信回路16に入力される電波信号の減衰量を制御する。
その後は、従来の自動利得制御回路と同様に、受信回路16は、電波信号の受信回路16への入力レベルが所定の閾値(Vth)を超えないように電波信号の減衰量、すなわち第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を制御する(ステップS43)。
以上より、受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号のレベルと周波数がどのような関係であっても、自動利得制御回路10の受信回路16は、可変減衰回路67の回路構成として、HPF型の回路構成(低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)、APF型の回路構成(減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)、LPF型の回路構成(高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回路構成)のいずれかを選択する。
最後に、受信回路16は、選択した可変減衰回路67の回路構成に対応して、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変容量素子C2、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1に流す電流、または加える電圧を適切に設定するための制御信号を各々の素子に送信する。
受信回路16から出力された制御信号に基づいて、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変容量素子C2、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1の抵抗値または容量値が変化する。その結果、受信回路16に入力される電波信号のレベルが所定量だけ減衰する。
アンテナアンプ65から出力され、入力端子12から入力されて受信回路16に入力される電波信号のレベルが変化したときは、受信回路16に入力されて検波した電波信号のレベルが変化するので、受信回路16は、第1の可変抵抗素子R1、第2の可変容量素子C2、第2の可変抵抗素子R2、第1の可変容量素子C1へ出力する制御信号を補正する。
このように、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの変化を各素子の制御信号に随時フィードバックすることにより、受信回路16へ入力される電波信号のレベルが一定となるように可変減衰回路67の減衰量を制御して、自動利得制御回路10による自動利得制御を実現する。
以上をまとめると、本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10は、希望信号の周波数と妨害信号の周波数の関係に応じて、可変減衰回路67の回路構成を表2のように選択する。
以上のように構成され、処理動作が行われる自動利得制御回路10について、以下にその特性を説明する。
図11は、本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10の実施例の回路図である。
図え11は、図9の回路ブロック図に基づく具体的な回路図であるため、図9と同一の構成要素には同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。
図11の本発明の実施の形態2の実施例の回路図と、図7の実施の形態1の実施例の回路図の相違点を中心に説明する。
自動利得制御回路10の入力端子12にはアンテナアンプ65が接続される。自動利得制御回路10の内部で、入力端子12にはアンテナアンプとの結合コンデンサ51が接続される。結合コンデンサ51の他端には、ハムノイズ対策コイル63と、DCカットコンデンサ64が接続される。
DCカットコンデンサ64の他端には、第1の可変抵抗素子R1であるPINダイオード13のアノード端子が接続される。PINダイオード13のカソード端子は、受信回路16、第2の可変抵抗素子R2との結合コンデンサ55、および第1の可変容量素子C1と接続されている。
第2の可変容量素子C2は、アンテナアンプとの結合コンデンサ51とハムノイズ対策コイル63の接続点と、第1の可変抵抗素子R1と受信回路16の接続点の間に接続する。
第2の可変容量素子C2は、第1の可変容量素子C1と同様に、二つの可変容量ダイオード91、92のカソード端子間をバック・トゥ・バックで接続(すなわち可変容量ダイオード91のカソード端子と可変容量ダイオード92のカソード端子間を接続)した構成である。
可変容量ダイオード91のアノード端子を、アンテナアンプ65と結合コンデンサ51とハムノイズ対策コイル63の接続点に接続する。可変容量ダイオード92のアノード端子を、第1の可変抵抗素子R1と受信回路16の接続点に接続する。
可変容量ダイオード91のカソード端子と可変容量ダイオード92のカソード端子の接続点に、受信回路16から供給される第2の可変容量素子C2の制御信号V(C2)が印加される構成とした。
受信回路16は、トラッキングフィルタ61、信号処理回路62、減衰量制御回路18とから構成されている。トラッキングフィルタ61は、受信回路16の最もアンテナ側にあり電波信号が入力される回路である。受信回路16に入力された電波信号はトラッキングフィルタ61を経て信号処理回路62に至る。
信号処理回路62は、受信信号の増幅、周波数変換、中間周波数の増幅、フィルタリング、復調、音声の出力などを行う。
トラッキングフィルタ61は、同調周波数の信号のみを既知の小さい減衰量(Ld)で通過させ、同調周波数と異なる周波数の信号を同調周波数の信号の減衰量より大きい減衰量(Lu)で通過させる。また、同調周波数を任意に変更できるので、希望信号の周波数に追随させて使用する。
トラッキングフィルタ61に入力される電波信号のレベルを不図示の検波回路で取り出し、受信回路16へ入力される電波信号のレベルVrとして、減衰量制御回路18に出力する。また、トラッキングフィルタ61から出力された電波信号のレベル(V2)を不図示の検波回路で取り出し、トラッキングフィルタ61の出力信号のレベルV2として減衰量制御回路18に出力する。
減衰量制御回路18は、受信回路16に入力された電波信号のレベルVrが所定の閾値レベルVthより高いか低いかの判定、電波信号に希望信号よりレベルの高い妨害信号が含まれるか(妨害信号の有無)の判定、妨害信号の概略の周波数Fuの測定、可変減衰回路67の減衰量の周波数特性を決める回路構成の選択と減衰量の制御を行う。
実施の形態1と同じであるので、詳細の説明は省略する。ただし、可変減衰回路67の減衰量の制御は、受信回路16に入力された電波信号のレベルVrとあらかじめ定められた閾値レベルVthを比較し、可変減衰回路67の回路構成を選択した結果から可変減衰回路67を構成する第1の可変抵抗素子R1へ制御信号V(R1)、第2の可変容量素子
C2へ制御信号V(C2)、第2の可変抵抗素子R2へ制御信号V(R2)、第1の可変容量素子C1へ制御信号V(C1)を送信することで実施する。
C2へ制御信号V(C2)、第2の可変抵抗素子R2へ制御信号V(R2)、第1の可変容量素子C1へ制御信号V(C1)を送信することで実施する。
なお、図11の回路図は原理図であるため、PINダイオードの電流制限抵抗や、ノイズ対策のバイパスコンデンサ、フィルタ等は省略している。必要に応じて、これらの部品を追加しても自動利得制御回路10の動作は問題ない。
なお、結合コンデンサ51やハムノイズ対策コイル63は、設計者の任意で外したり、定数を設定したりしても、自動利得制御回路10の動作は問題ない。
なお、図11の回路図では、自動利得制御回路10が一つの受信回路16を持つ場合を示しているが、2つ以上の受信回路16を含んでも問題ない。
自動利得制御回路10が2つ以上の受信回路16を含む場合、妨害信号の概略周波数Fuを測定するために主たる受信回路16の受信状態を変化させる(トラッキングフィルタ61の同調周波数をずらす)ことなく、第2の受信回路を使用して妨害信号の概略周波数Fuを測定することができるため、主たる受信回路16のトラッキングフィルタ61の制御を簡単化できるという効果を奏する。
なお、トラッキングフィルタ61を設ける代わりに、電波信号の周波数を中間周波数へ変換する周波数変換回路と局部発振器と中間周波数フィルタとした構成でも同じ効果が得られる。一般に、中間周波数では、電波信号の周波数よりも選択度が大きいフィルタを使用できるので、より明確に妨害信号の有無を判定できるという効果を奏する。
このときはトラッキングフィルタ61の同調周波数を変化させる代わりに局部発振器の発振周波数を変化させれば、同じ効果が得られる。
なお、トラッキングフィルタ61の出力信号を検波するポイントは、トラッキングフィルタ61の直後でなくても構わない。
周波数変換、増幅、さらなる帯域通過フィルタ等を通過後のポイントでレベルを検波しても構わない。そのときは、希望信号の周波数における帯域通過フィルタの減衰量の代わりに、希望信号の周波数における所定の回路全体の利得(または減衰量)を考慮すれば、同じ効果が得られる。多段の回路を通過させることにより、希望信号に対する妨害信号の除去度が上がり、より明確に妨害信号の判定を行うことができる。
図12は、本発明の実施の形態2における自動利得制御回路10の実施例における可変減衰回路67の各々の回路構成による電波信号のレベルの減衰量周波数特性の回路シミュレーション結果である。
図12を用いて、本発明の効果について説明する。なお、図11におけるアンテナアンプ65のインピーダンスの素子定数は、抵抗71を150オーム、容量23を65pFとした。
図12(a)は、可変減衰回路67がHPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ低周波数側の減衰量が高周波数側の減衰量より大きい回路構成)である場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路67による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナアンプ65のインピーダンス(150オーム程度)
と比べ非常に大きい抵抗値(10メガオーム)、第2の可変容量素子C2を第1の可変抵抗素子R1のインピーダンスより低く、アンテナアンプ65のインピーダンスより大きいインピーダンスとなる容量値(330pF)、第1の可変容量素子C1を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる十分小さい容量値(0.5pF)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(A−1(R1=190オーム)、A−2(R1=55オーム)、A−3(R1=17オーム)、A−4(R1=5.5オーム))における減衰量の周波数特性を示す。
と比べ非常に大きい抵抗値(10メガオーム)、第2の可変容量素子C2を第1の可変抵抗素子R1のインピーダンスより低く、アンテナアンプ65のインピーダンスより大きいインピーダンスとなる容量値(330pF)、第1の可変容量素子C1を受信回路16の入力インピーダンスに対して高インピーダンスとなる十分小さい容量値(0.5pF)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(A−1(R1=190オーム)、A−2(R1=55オーム)、A−3(R1=17オーム)、A−4(R1=5.5オーム))における減衰量の周波数特性を示す。
図12(a)から、A−1〜A−4のどの条件においても、減衰量は周波数が上がるにつれて低下し、500kHzと1700kHzでは、500kHzの方が減衰量が7〜9dB程度大きい。すなわち低周波域で減衰量が大きい特性である。
図3および表2から、HPF型の可変減衰回路19の回路構成は、妨害信号が希望信号より低周波数側のみにあるときに選択される。
受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号について可変減衰回路67による受信回路16へ入力されるレベルの減衰量を比べた時、希望信号より妨害信号のレベルの減衰量を大きくすることができる。換言すると、自動利得制御回路10は、希望信号よりレベルが高い妨害信号のレベルに対して可変減衰回路67の減衰量を制御するが、希望信号は妨害信号より高周波数側にあるので、妨害信号の減衰量より希望信号の減衰量が小さくなる。
従って、従来技術や可変減衰回路67の他の回路構成の場合と比べ、希望信号の信号レベルの減衰量を小さくできるので、受信回路16に入力される希望信号の信号レベルを大きくすることができる。従って、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
図12(b)は、可変減衰回路67がAPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ可変減衰回路67の減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)の場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路67による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナアンプ65の出力インピーダンス同等以下の低い抵抗値(1オーム)、第2の可変容量素子C2を第1の可変抵抗素子R1のインピーダンスに比べて極めて大きいインピーダンスとなるような非常に小さい容量値(1pF)、第1の可変容量素子C1の容量値は受信する周波数帯域において受信回路16の入力インピーダンスに比べて高インピーダンスとなる小さい容量値(0.5pF)に固定し、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値を4通りに変化させた場合の各々の条件(B−1(R1=70オーム)、B−2(R1=17オーム)、B−3(R1=5オーム)、B−4(R1=1.6オーム))における減衰量の周波数特性を示す。図12(b)から、B−1〜B−4のどの条件においても、減衰量は周波数に対して一定である(500kHzと1700kHzの減衰量の差は0dB)。
図3および表2から、APF型の可変減衰回路19の回路構成(他の回路構成の場合と比べ可変減衰回路67の減衰量の周波数偏差が小さい回路構成)は、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方にあるときに選択される。
可変減衰回路67の他の回路構成では、本回路構成(APF型の可変減衰回路の回路構成)よりも減衰量の周波数偏差が大きい。そのため、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方にあるときに他の可変減衰回路67の他の回路構成を選択すると、妨害信号の一方のレベルの減衰量は必ず希望信号のレベルの減衰量より少なくなる。
自動利得制御回路10への入力レベルを比べると希望信号のレベルより妨害信号のレベルの方が大きい場合を想定しているので、自動利得制御回路10は、希望信号より減衰量が少ないほうの妨害信号に対して可変減衰回路67の減衰量を制御し、従って希望信号のレベルも減衰する。そのとき、妨害信号の一方よりも希望信号の減衰量が大きいため、減衰量の周波数偏差が小さいAPF型の回路構成を選択した場合よりも希望信号のレベルの減衰量が大きくなる(APF型の回路構成を選択した場合は、希望信号と妨害信号のレベルの減衰量が等しい)。
APF型以外の可変減衰回路67の回路構成を選択すると、APF型の可変減衰回路67の回路構成を選択した場合と比べて、受信回路16へ入力される希望信号のレベルの減衰量が増大するので、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比が劣化する。
そのため、妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在する場合は、減衰量の周波数偏差が小さくなるAPF型の可変減衰回路の回路構成を選択する。
減衰量の周波数偏差が小さいAPF型の回路構成を用いた場合、他の可変減衰回路19の回路構成を用いた場合に比べ、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
減衰量の周波数偏差が小さいAPF型の回路構成を用いた場合、他の可変減衰回路19の回路構成を用いた場合に比べ、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
図12(c)は、可変減衰回路19がLPF型の回路構成(他の回路構成の場合と比べ高周波数側の減衰量が低周波数側の減衰量より大きい回路構成)の場合の、受信回路16へ入力される電波信号のレベルの可変減衰回路67による減衰量の周波数特性である。
第1の可変抵抗素子R1をアンテナアンプ65のインピーダンスより大きく、第2の可変容量素子C2のインピーダンスより小さい値となる中程度の抵抗値(15キロオーム)、第2の可変容量素子C2を第1の可変抵抗素子R1と比べて高インピーダンスとなる小さい容量値(1pF)、第2の可変抵抗素子R2を受信回路16の入力インピーダンスに比べて大きいインピーダンスとなる大きい抵抗値(100メガオーム)に固定し、第1の可変容量素子C1の容量値を4通りに変化させた場合の各々の条件(C−1(C1=30pF)、C−2(C1=100pF)、C−3(C1=330pF)、C−4(C1=1000pF))における減衰量の周波数特性を示す。
図12(c)から、C−1〜C−4のどの条件においても、減衰量は周波数が下がるにつれて低下し、500kHzと1700kHzでは、1700kHzの方が9〜10dB程度減衰量が大きい。すなわち高周波域で減衰量が大きい特性である。
図3および表2から、LPF型の可変減衰回路19の回路構成は、妨害信号が希望信号より高周波数側のみにあるときに選択される。
従って、受信回路16に入力される電波信号に含まれる希望信号と妨害信号について可変減衰回路67による受信回路16へ入力される信号のレベルの減衰量を比べた時、希望信号より妨害信号のレベルの減衰量を大きくすることができる。
換言すると、自動利得制御回路10は、希望信号よりレベルが高い妨害信号のレベルに対して可変減衰回路67の減衰量を制御するが、希望信号は妨害信号より低周波数側にあるので、妨害信号の減衰量より希望信号の減衰量が小さくなる。
従って、従来技術や可変減衰回路67の他の回路構成の場合と比べ、希望信号の信号レベルの減衰量を小さくできるので、受信回路16に入力される希望信号の信号レベルを大
きくすることができる。従って、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
きくすることができる。従って、自動利得制御回路10から出力される不図示の出力信号のS/N比(信号雑音比)が改善する。
なお、当業者であれば容易に想像できるように、第1の可変抵抗素子R1の抵抗値、第2の可変容量素子C2の容量値、第2の可変抵抗素子R2の抵抗値、可変容量素子(C1)の容量値は、上記の実施例で示した値に限定されず、かつ同等の効果を得られるように設定することは可能である。
なお、可変減衰回路67をHPF型の回路構成で使用するとき、第2の可変容量素子C2の容量値をより小さい値に変更することで、減衰量の周波数偏差をより大きくできるので、希望信号の減衰量をより少なくできる効果がある。
以上のように本実施の形態によれば、抵抗性インピーダンスをもつアンテナアンプ65を使用する場合に、自動利得制御回路10の受信信号の信号線路に直列に、第1の可変抵抗素子R1と第2の可変容量素子C2を並列に挿入し、第1の可変抵抗素子R1と受信回路16の間で、受信信号の信号線とアースの間に第2の可変抵抗素子R2と、第1の可変容量素子C1を並列に設けたことにより、希望信号と妨害信号の周波数関係に応じて減衰回路の減衰量の周波数特性を変化させることができるため、希望信号の減衰量をより少なくすることができ、出力信号のS/N比を向上することができる。
本発明の自動利得制御回路は、無線受信機、特に車載のAMラジオ用の自動利得制御回路として有用である。
10 自動利得制御回路
11 アンテナ
12 入力端子
13、56、57 PINダイオード
16 受信回路
18 減衰量制御回路
59、60、91、92 可変容量ダイオード
R1 第1の可変抵抗素子
R2 第2の可変抵抗素子
C1 第1の可変容量素子
C2 第2の可変容量素子
11 アンテナ
12 入力端子
13、56、57 PINダイオード
16 受信回路
18 減衰量制御回路
59、60、91、92 可変容量ダイオード
R1 第1の可変抵抗素子
R2 第2の可変抵抗素子
C1 第1の可変容量素子
C2 第2の可変容量素子
Claims (3)
- 入力された電波信号のレベルを測定し、前記電波信号に含まれ復調する周波数の信号である希望信号と前記希望信号よりレベルが高く復調しない周波数の信号である妨害信号を分離して周波数を比較する受信回路と、
前記受信回路に入力される電波信号のレベルを減衰させる量を可変でき、減衰量の周波数特性を変化させることができる可変減衰回路とからなる自動離島制御回路において、
前記受信回路において前記受信回路に入力される電波信号のレベルが所定のレベル以上に上がらないように前記可変減衰回路における電波信号の減衰量を制御するとともに、前記受信回路において希望信号と妨害信号の周波数を比較した結果に基づいて前記可変減衰回路の周波数特性を定めることを特徴とする自動利得制御回路。 - 前記可変減衰回路は、
入力端子から前記受信回路に至る線路に直列に挿入された第1の可変抵抗素子と、
前記第1の可変抵抗素子と前記受信回路の間の線路とアースの間に挿入された第2の可変抵抗素子と、
前記第2の可変抵抗素子に並列に挿入された第2の可変容量素子とを備え、
前記受信回路において前記電波信号に含まれる希望信号と妨害信号の周波数を比較した結果、
妨害信号が希望信号より低周波数側のみに存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより十分低いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第1の可変容量素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変容量素子の容量値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を制御し、
妨害信号が希望信号より高周波数側のみに存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第2の可変抵抗素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第1の可変容量素子の容量値を制御し、
妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第1の可変容量素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変容量素子の容量値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を制御する請求項1に記載の自動利得制御回路。 - 前記可変減衰回路は、
入力端子から前記受信回路に至る線路に直列に挿入された第1の可変抵抗素子と、
前記第1の可変抵抗素子に並列に設けられた第2の可変容量素子と、
前記第1の可変抵抗素子と前記受信回路の間の線路とアースの間に挿入された第2の可変抵抗素子と、
前記第2の可変抵抗素子に並列に挿入された第2の可変容量素子とを備え、
前記受信回路において前記電波信号に含まれる希望信号と妨害信号の周波数を比較した結果、
妨害信号が希望信号より低周波数側のみに存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のイン
ピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第2の可変容量素子のインピーダンスが前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスより低く、前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより高いインピーダンスとなるように前記第2の可変容量素子の容量値を設定し、前記第1の可変容量素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変容量素子の容量値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を制御し、
妨害信号が希望信号より高周波数側のみに存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより高く、前記第2の可変容量素子のインピーダンスより低いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第2の可変容量素子のインピーダンスが前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスより高くなるように前記第2の可変容量素子の容量値を設定し、前記第2の可変抵抗素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第1の可変容量素子の容量値を制御し、
妨害信号が希望信号より低周波数側と高周波数側の両方に存在する場合、前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスが前記自動利得制御回路の外部に供えられた入力部のインピーダンスより十分低いインピーダンスとなるように前記第1の可変抵抗素子の抵抗値を設定し、前記第2の可変容量素子のインピーダンスを前記第1の可変抵抗素子のインピーダンスより十分高いインピーダンスとなるように前記第2の可変容量素子の容量値を設定し、前記第1の可変容量素子のインピーダンスが前記受信回路の入力インピーダンスに対して十分高いインピーダンスとなるように前記第1の可変容量素子の容量値を設定し、前記受信回路に入力される前記電波信号のレベルがあらかじめ定めた閾値と等しくなるように前記第2の可変抵抗素子の抵抗値を制御する請求項1に記載の自動利得制御回路。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011288455A JP2013138346A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 自動利得制御回路 |
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JP2011288455A JP2013138346A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 自動利得制御回路 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116908886A (zh) * | 2023-09-13 | 2023-10-20 | 北京凯芯微科技有限公司 | 一种自动检测gnss模组增益范围的系统及方法 |
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2011
- 2011-12-28 JP JP2011288455A patent/JP2013138346A/ja active Pending
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CN116908886A (zh) * | 2023-09-13 | 2023-10-20 | 北京凯芯微科技有限公司 | 一种自动检测gnss模组增益范围的系统及方法 |
CN116908886B (zh) * | 2023-09-13 | 2023-12-26 | 北京凯芯微科技有限公司 | 一种自动检测gnss模组增益范围的系统及方法 |
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