JP2013137915A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステージから荷電粒子線走査位置に漏洩する磁場が一定となるようなリニアモータステージを提供する。
【解決手段】積み重ね方式のXYステージのYテーブル(上段テーブル)15に可動子コイル、Xテーブル(下段テーブル)13に固定子磁石19とY軸ソレノイドコイル24を取り付ける。Xテーブル(下段テーブル)13が移動するときの試料5搭載面での磁場変化が少なくなるようにY軸ソレノイドコイル24に電流Iyを流す。
【選択図】図1

Description

本発明は荷電粒子線装置に関し、例えば、試料移動用のステージとしてリニアモータステージを用いた荷電粒子線装置に関する。
走査型電子顕微鏡、イオン顕微鏡、半導体検査装置等の荷電粒子線装置では、超高真空環境下で発生させた荷電粒子線を試料に照射し反射電子または試料から放出された二次電子を検出することによって試料の観察画像を取得する。
試料がウェハの場合には、ウェハをXYステージ上に搭載し、観察位置までステージを移動し、停止状態でウェハを観察する。
半導体検査装置は、ウェハに露光された半導体デバイスのパターンの欠陥画像を取得し、欠陥の種類ごとに分類する装置である。近年、半導体デバイスの微細化に伴って、検出欠陥サイズを小さく、1時間当たりに検出する欠陥数を多くする必要がある。さらに、半導体デバイスのウェハサイズはφ300mmからφ450mmに移行される予定である。また、半導体デバイスのパターン線幅やホール径を計測する測長SEMも、同様に高分解能化と高スループット化が求められている。
リニアモータによるステージの駆動は、パルスモータとボールネジとの駆動に比べて制御性は良いが、リニアモータの固定子は磁性体であるため、固定子の移動によるDC磁場の変化が荷電粒子線の軌道を変えるという課題がある。
このような課題に対して、例えば、特許文献1は、スキャナ装置において、リニアモータの導体部材にモータを駆動する導体アレイのほかに漏れ磁場を低減する補助導体アレイを有するリニアモータを開示している。
また、例えば、特許文献2は、荷電粒子線光路近傍の磁場を計測し、荷電粒子線の描画位置やフォーカスをキャンセルコイルで補正する技術を開示している。
さらに、例えば、特許文献3は、ステージの磁気シールド筐体の開口部に磁気センサとキャンセルコイルを配置し、シールド開口部からの漏れ磁束をキャンセルする電子線描画装置について開示している。
特開2002−125359号公報 特開2006−287015号公報 特開2010−27993号公報
Honeywell SENSOR PRODUCTS, "1-and 2-Axis Magnetic Sensors"(例:http://www.investigacion.frc.utn.edu.ar/sensores/Campo/hmc1001-2_1021-2.pdf)
しかしながら、特許文献1では、スキャナ装置の漏れ磁場について考慮しているため、コイル通電時の発生するAC漏れ磁場を低減させる効果があるが、DC漏れ磁場については許容値が大きいため補正は必要なく、補正の対象外となっている。この点、半導体検査装置では、逆にAC漏れ磁場について考慮しなくても良い一方、DC漏れ磁場については考慮しなければいけない。
また、特許文献2の技術を用いたとしても、半導体検査装置において、荷電粒子線近傍で磁場を精度良く計測することは困難である。半導体検査装置の場合、荷電粒子線の照射位置近傍は対物レンズから試料までの高さが数mmしかなく、この空間の磁場は1Tにも達するためである。つまり、特許文献2において、試料室空間の端の磁場についてはコントロールしているが、試料室空間の中央部分の磁場についてコントロールしづらくなっている。従って、磁場を精度良く計測することができない。
さらに、特許文献3の技術を用いる場合、リニアモータに対して磁気シールドを設けると、ステージ可動部が大きく、重くなり、高推力のリニアモータが必要となる。その結果、ステージのコストだけでなく、装置全体のコストが増し、半導体検査装置のステージには適用できないステージとなる。
そもそも荷電粒子線装置において、荷電粒子線の起動変化を防止するためには、漏れ磁場をキャンセルするのではなく、漏れ磁場の変動幅を小さくすることが重要である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、リニアモータによって駆動するステージを有する荷電粒子線装置において、シンプルな構成によって漏れ磁場(漏洩磁場)の影響を効率よく除去するための技術を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明による荷電粒子線装置は、試料室内に配置され、試料を搭載する積み重ね型の、リニアモータで移動するステージを有する。また、このステージは、試料を搭載する上段テーブルと、上段テーブルの移動方向であるY方向とは対角方向となるX方向に移動する下段テーブルを有する。そして、上段テーブルは、リニアモータの可動子コイルを含み、下段テーブルは、リニアモータの固定子と、当該リニアモータ固定子からの漏洩磁場を補正する補正コイルと、を含んでいる。補正コイルは、電流が提供されると、固定子が発生する磁場と同一方向の補正磁場に発生させる。
また、本発明では、補正磁場と漏洩磁場との和で表される磁場の変動幅は、0.1μTから1μTの範囲に含まれるように、補正コイル供給する電流が制御される。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本発明の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本発明の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではないことを理解する必要がある。
本発明によれば、リニアモータによって駆動するステージを有する荷電粒子線装置において、シンプルな構成によって漏れ磁場(漏洩磁場)の影響を効率よく除去することが可能となる。
本発明の第1の実施形態による荷電粒子線装置の概略構成を示す図である。 荷電粒子線装置のステージの構成を示す図である。 試料室の磁気シールドを示す図である。 リニアモータの構成を示す図である。 リニアモータ固定子の磁力線を示す図である。 Xテーブルに実装したY軸ソレノイドコイルを示す図である。 Y軸ソレノイドコイルの通電量の求め方を説明するための図である。 Xテーブルの磁場分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態による荷電粒子線装置の概略構成を示す図である。 磁気センサを配置したXテーブルを示す図である。 磁気抵抗素子の検出原理を説明するための図である。
本発明は、リニアモータで駆動させるステージを有する荷電粒子線において、試料検査時に、ステージを移動させると、荷電粒子線がY軸のリニアモータの固定子移動に起因する磁場の変化を受けることに鑑みて、当該磁場の変化の影響を受けないようにするためになされたものである。このため、本発明では、リニアモータ固定子が移動することによるDC磁場変化を0.1μT〜1μTに収まるように制御する。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
本実施形態では、当業者が本発明を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本発明の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
(1)第1の実施形態
<荷電粒子線装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態による荷電粒子線装置100の概略構成を示す図である。
荷電粒子線装置100は、荷電粒子線光学筐体1と、ロードロック室7と、試料室10と、ターボ分子ポンプ8Aと、ターボ分子ポンプ8Bと、ドライポンプ9A、ドライポンプ9Bと、除振マウント12と、電流アンプ26と、を有している。
荷電粒子線光学鏡筒1の内部は、真空状態に維持されている。荷電粒子線源2から放出された荷電粒子線3は、対物レンズ4で試料5上に収束され、偏向器6で微小に荷電粒子線3を偏向することができるようになっている。なお、本発明において、荷電粒子線3は、例えば、電子線やイオンビームである。
試料5は、ロードロック室7から挿入され、ターボ分子ポンプ8Aとドライポンプ9Aでロードロック室7が真空排気される。ロードロック室7が真空状態に達したのちに、試料は、試料室10内部のステージ11に載せられる。なお、試料室10の内部もつねにターボ分子ポンプ8Bとドライポンプ9Bで真空状態に維持されている。
試料室10は、除振マウント12で支持されることにより、床の振動から絶縁されている。
ステージ11は、Xテーブル13と、Xガイド14と、Yテーブル15と、Yガイド16と、X軸リニアモータ固定子(図2の17と同配置)と、Y軸リニアモータ固定子19と、Y軸リニアモータ可動子20と、Y軸ソレノイドコイル24と、ステージ定盤33と、によって構成されている。ステージ11のガイド構成は積み重ね方式であり、Xテーブル13およびYテーブル15はリニアモータで駆動される。Xテーブル13にはYテーブル15を駆動するY軸リニアモータ固定子19が取り付けられているので、Xテーブル13が移動するときにはY軸リニアモータ固定子19も移動する。Xテーブル13にはY軸ソレノイドコイル24が実装されており、Y軸リニアモータ固定子19の移動に伴う磁場を一定に維持するために、Y軸ソレノイドコイル24に通電する。
図2は、ステージ構造の一例を示す図である。図2に示されるように、Xガイド14は、ステージ定盤33の上面に敷かれ、Xテーブル13がX方向に移動できるようになっている。Xテーブル13は、リニアモータ17によって駆動される。また、Yガイド16は、Xテーブル13の上面に敷かれ、Yテーブル15がY方向に移動できるようになっている。Yテーブル15は、Y軸リニアモータ固定子19によって駆動される。このときYガイドの材質は非磁性材が望ましい。なお、本発明では、後述するように、Y軸ソレノイドコイル24がXテーブル13のY軸に平行な側面131に取り付けられている(図6参照)。
図2及び3に示されるように、ステージ11を含む試料室10の内部空間は、荷電粒子線3が試料5に到達するまでの空間を設置環境の地磁気や外部交流磁場から遮蔽するために、磁気シールド25で覆われている。図3では、試料室10の内側に磁気シールド25が配置されているが、試料室10の外側に配置しても良い。
Y軸リニアモータの構造は、図4に示されるようになっている。図4において、固定子のヨーク21には、交互に極性が異なる磁石22が多数取り付けられている。磁石は交互に極性が反対であるため、磁石が対向している空間は強い磁力線が交互に発生している。この空間に可動子20を挿入し、コイル23に電流を流すことにより、Y方向に推力を得る。このとき、図5に示されるように、Y軸リニアモータ固定子19からの漏洩磁場は、固定子19を囲む長手方向に大きなループの磁力線として発生する。磁性体である固定子19が磁界にさらされると、Y軸リニアモータ固定子19の一端がN極にもう他端がS極に磁化するためではないかと考えられる。
このような磁場分布は、ソレノイドコイルが発生する磁場分布に似ている。そこで、本発明の第1の実施形態では、上述の図6に示すように、Xテーブル13の固定子19がない方の側面131にY軸ソレノイドコイル24を取り付ける。ソレノイドコイル24に電流を流して、Y軸リニアモータ固定子19の漏洩磁場Bmyと同方向にソレノイドコイル24の磁場Bcy(一転鎖線)を発生させる(Y軸リニアモータ固定子19と同方向に磁場を発生させる)ことにより、B−B’上のY方向の磁場変化を低減することができる。
<Y軸ソレノイドコイルの電流量>
ここでは、電流アンプ(図9の26)からY軸ソレノイドコイル(図7の24)に流す電流量Iyについて説明する。
図7に示すように、荷電粒子線光学鏡筒1を外し、試料室にダミーフタ27を取り付ける。そして、ダミーフタ27にはY方向の磁場を計測する1軸磁気センサ28が、荷電粒子線光学鏡筒の中心軸上、かつ、ダミーフタの底面に取り付けられていて、Xテーブル13が移動したときの磁場を計測する。
最初は、Y軸ソレノイドコイル24をステージ11のXテーブル13に取り付けずに、或いは、取り付けたとしてもコイル24に電流を流さずに、Y軸リニアモータ固定子19からどの位の磁場(磁束密度)が発生するか測定する。
次に、磁場の変化の幅を0.1μT〜1μTにするために、Y軸ソレノイドコイル24に電流を流して、X方向にXテーブル13を移動させ、Y軸リニアモータ固定子19から発生する磁場(磁束密度)を測定する。
なお、Y軸ソレノイドコイル24に流す電流を一定範囲(ImA〜ImA;I及びI(I<I)は任意の値)で順に所定幅毎に変化させ(増加させ)、そのときの磁場(磁束密度)を測定する。
このように測定した磁場(磁束密度)の値(測定結果)の一例は、図8に示されるようになる。
図8の実線(i)はXテーブル13をX方向に300mm移動させたときの、Y軸リニアモータ固定子19の漏洩磁場(磁束密度)の分布を測定した結果を示している。X=0mmのとき、磁気センサの真下にリニアモータ固定子が接近する。このとき磁場は最大となり、磁気センサから固定子が遠ざかると磁場は減衰する。
一方、図8の点線(ii)は、Y軸ソレノイドコイル24に一定電流を流したときの磁場(磁束密度)の分布を示している。X=400mmのときに、磁気センサにソレノイドコイルが接近するため、磁場は最大となる。
Y軸固定子の磁場曲線(i)とY軸ソレノイドコイル24の磁場(ii)を合成すると、点線(iii)の磁場分布となる。
Y軸ソレノイドコイル24に通電しない場合は1.2uTの変化量(実線(i))があるが、通電することにより0.3uTの変化量(点線(iii))に低減される。
以上のようにして、Y方向に発生する磁場はY軸ソレノイドコイル24が発生する磁場と合成されて、Xテーブル13がX方向に移動したときに磁場の変化量を抑えることができる。Xテーブル13の磁場がX方向に小さく、Y方向に一様であり、Z方向に小さいとき、Xテーブル13の移動に伴うDC磁場の変化は小さく、荷電粒子が受ける磁場の影響も少ない。
また、画像取得時にHとなるTTLの制御信号をSW(図1参照)に送り、オンの状態のときにアンプからY軸ソレノイドコイル24に通電し、Lとなるオフの状態の時には通電しない。このようにすることによって、Y軸ソレノイドコイル24の発熱によるXテーブル13の温度上昇を抑えることができ、磁場変化が少ない状態で、試料5上のパターンの欠陥、スクラッチ、試料上の異物の画像を取得することができる。第1の実施形態は、Y軸リニアモータ固定子19の漏洩磁場が大きな場合に有効である。
(2)第2の実施形態
第1の実施形態ではY方向のみにおける磁場(磁束密度)の変化量(変動幅)を抑えるようにしたが、第2の実施形態ではX、Y及びZ方向の全てにおける磁場(磁束密度)の変化量(変動幅)を低減するようにしている。
<荷電粒子線装置の構成>
図9は、本発明の第2の実施形態による荷電粒子線装置200の概略構成を示す図である。
荷電粒子線装置200は、磁場調整用のコイルとして、Y軸ソレノイドコイル24に加えて、さらにX軸ソレノイドコイル29(図9には図示せず:図10参照)と、Z軸レーストラック型コイル30と、3軸磁気センサ31と、とを有している。また、荷電粒子線装置200は、磁場を調整するための制御回路として磁気検出回路32 をさらに有している。その他の構成は、第1の実施形態による荷電粒子線装置100と同様である。
図10は、Y軸ソレノイドコイル24と、X軸ソレノイドコイル29と、Z軸レーストラック型コイルと、3軸磁気センサとを設けたXテーブル13の構成を示す図である。X軸ソレノイドコイル29は、図中のC−C’上にX方向の磁場(2点鎖線)を発生させることができ、レーストラック型コイル30はC−C’上にZ方向の磁場(点線)を発生させることができる。つまり、Xテーブル13の上面から試料5までの非磁性空間に対して、X、Y、Z軸のコイルに通電する電流を制御することにより、試料5の近傍の磁場を独立に制御することができる。
さらに、図10で示されるように、Xテーブル13には、C−C’上に3個の磁気センサ31A、31B、31Cが配置されている。磁気センサ31A乃至Cは、それぞれの位置でX、Y及びZの3軸の磁場を測定する。
荷電粒子線光学鏡筒1の直下に試料5の中心が来るようにXテーブル13を移動させ、このとき中央の磁気センサ31Bの測定結果がB(B0x,B0y,B0z)であったとする。鏡筒1直下の磁場は、Xテーブル13を移動させることにより変化するが、鏡筒1直下の磁気センサの値がつねに目標値Bになるように電流アンプ26で電流(I1x,I1y,I1z)を制御する。つまり、Xテーブル13を移動させたときに磁場の値が変化するが、その変化に対して磁場(磁束密度)の値がBに近付くように電流アンプ26で電流値を制御する。
なお、磁気センサ31A乃至Cとして磁気抵抗素子(MRセンサ)等を用いることにより、磁場は絶対値で計測することが可能である。磁気抵抗素子(MRセンサ)の検出方法については、図11に示されている。MRセンサでは、4つの磁気抵抗素子を用いてホイートストンブリッジ回路を構成する。外部磁気を受けると各磁気抵抗素子の抵抗が変化するため、入力電圧Vbに対して出力電圧Voutが変化する原理である。Magnitization Strapと呼ばれる磁化端子にプラスのパルス電流を流すことにより、磁気抵抗素子の磁区はランダムな状態からプラス方向に磁化した状態に変化する。このときに高分解能の磁気測定が可能になる。さらに、逆向きに電流を流すとマイナス方向に磁化する。このとき磁気抵抗素子の極性も反転する(非特許文献1参照)。磁気検出回路32のオフセットは、プラス方向の検出値とマイナス方向の検出値との平均値から求められる。プラス方向の検出値からオフセット値を差し引くことにより、絶対磁場が得られる。この結果、鏡筒直下の空間磁場を磁気センサ31で計測し、目標値からのズレを3軸補正コイルで補正することによって、固定子が移動してもDC磁場の変化の少ない状態で、試料を観察することができる。
第1の実施形態と同様に、Xテーブル13上の発熱量を抑えるために、試料5を観察するときにのみSWをオンにして補正コイルに通電する。第2の実施形態は、Xテーブル13の移動時に伴う微小な磁場変化に対して有効である。なお、第1の実施形態の場合にも磁気センサを設けてそれで検知した磁気の値に基づいて、ソレノイドコイル24に供給する電流の値を制御するようにしても良い。この場合、配置する磁気センサは1つということになり、図1で示される荷電粒子線装置100において、図9で示される荷電粒子線装置200と同様に、磁気センサで検知した磁気をフィードバックし、その検知した磁気の値が目標値になるように制御する。
(3)まとめ
本発明は、漏洩磁場が存在することがいけないためそれを消去しようとするのではなく、漏洩磁場自体の大きさは大きくても良いが、その変動の幅を小さくすることを特徴としている。
第1の実施形態では、リニアモータで駆動され、試料を載置して移動するステージのXテーブル(下段テーブル)に配置されたY軸リニアモータ固定子と平行に補正コイル(ソレノイドコイル)を設置する。この補正コイルに対して所定の電流を供給することにより、Y軸リニアモータ固定子が発生する漏洩磁場と同一方向の補正磁場を発生させる。荷電粒子線に作用する磁場の値は、漏洩磁場と補正磁場の和で表されるが、この和で表される磁場の変動幅(例えば、図8に示される磁場(磁束密度)の最高値と最小値の差)は、所定の範囲内(0.1μTから1μT)に収まるように、補正コイルに供給する電流を供給する。これにより、漏洩磁場の荷電粒子線に対する影響を低減することができる。また、リニアモータ駆動のステージによる試料の高速移動が可能であるので、試料を高速移動させることと、漏洩磁場による影響を低減することによる微小欠陥画像をより精度良く取得することを両立することができる。したがって、半導体検査装置や測長SEMに代表される荷電粒子線装置の高分解能化、高スループット化に寄与できる。
また、Xテーブル上に、磁場を検知する磁気センサを配置し、磁気センサが検知した磁場の値が所定の目標値になるように、補正コイルに流す電流値を制御するようにしても良い。この磁気センサは、Xテーブルの移動に伴って発生する磁場であって、漏洩磁場と補正磁場の和で表される磁場を検知することになる。このようにすることにより、荷電粒子線装置を使用しながら適応的に漏洩磁場の変動幅を最適な範囲に制御することが可能となる。
第2の実施形態では、Xテーブルに、漏洩磁場と同一方向(Y軸方向)に補正磁場(Y方向補正磁場)を発生させる補正コイル(ソレノイドコイル)と、X軸方向に補正磁場(X方向補正磁場)を発生させる補正コイル(ソレノイドコイル)と、Z軸方向に補正磁場(Z方向補正磁場)を発生させる補正コイル(レーストラック型コイル)と、を配置している。また、Xテーブルに、Y方向の漏洩磁場とY方向補正磁場の和で表される磁場を検知するY軸磁気センサと、X方向の漏洩磁場とX方向補正磁場の和で表される磁場を検知するX軸磁気センサと、Z方向の漏洩磁場とZ方向補正磁場の和で表される磁場を検知するZ軸磁気センサと、を配置する。そして、X、Y及びZ軸磁気センサが検知した磁場の値がそれぞれの所定の目標値になるように、それぞれの補正コイルに流す電流値を制御するようにする。このようにすることにより、荷電粒子線装置を使用しながら適応的に漏洩磁場の変動幅を最適な範囲に制御するとともに、Xテーブルの移動に伴う微小な磁場変化があっても有効に漏洩磁場の影響を低減することが可能となる。
なお、第1及び第2の実施形態のいずれにおいても、各補正コイルに、荷電粒子線を試料に走査するときのみ、電流を供給し、リニアモータの固定子の漏洩磁場を補正する。このようにすることで、Xテーブルの発熱量を抑えることができる。
また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点において、発明を限定するためではなく、発明を理解し易く説明するためである。
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
加えて、本技術分野の通常の知識を有する者には、本発明のその他の実装がここに開示された本発明の明細書及び実施形態の考察から明らかになる。記述された実施形態の多様な態様及び/又はコンポーネントは、単独又は如何なる組み合わせでも使用することが出来る。明細書と具体例は典型的なものに過ぎず、本発明の範囲と精神は後続する請求範囲で示される。
1・・・荷電粒子線光学鏡筒
2・・・荷電粒子線源
3・・・荷電粒子線
4・・・対物レンズ
5・・・試料
6・・・ 偏向器
7・・・ ロードロック室
8A、8B・・・ターボ分子ポンプ
9A、9B・・・ドライポンプ
10・・・試料室
11・・・ステージ
12・・・除振マウント
13・・・Xテーブル
14・・・Xガイド
15・・・Yテーブル
16・・・Yガイド
17・・・X軸リニアモータ固定子(磁石)
18・・・X軸リニアモータ可動子(コイル)
19・・・Y軸リニアモータ固定子(磁石)
20・・・Y軸リニアモータ可動子(コイル)
21・・・ヨーク
22・・・磁石
23・・・コイル
24・・・Y軸ソレノイドコイル
25・・・磁気シールド
26・・・電流アンプ
27・・・ダミーフタ
28・・・1軸磁気センサ
29・・・X軸ソレノイドコイル
30・・・Z軸レーストラック型コイル
31A、31B、31C・・・3軸磁気センサ
32・・・磁気検出回路
33・・・ステージ定盤

Claims (6)

  1. 荷電粒子線で検査対象の試料を走査し、当該試料の画像を取得するための荷電粒子線装置であって、
    前記荷電粒子線を収束する電子レンズと、
    前記荷電粒子線を偏向する偏向器と、
    前記試料を真空状態に保持する試料室と、
    前記試料室内に配置され、前記試料を搭載する積み重ね型の移動ステージと、を有し、
    前記移動ステージは、前記試料を搭載する上段テーブルと、前記上段テーブルの移動方向であるY方向とは対角方向となるX方向に移動する下段テーブルを有し、
    前記上段テーブルは、リニアモータの可動子コイルを含み、
    前記下段テーブルは、前記リニアモータの固定子と、当該リニアモータの固定子からの漏洩磁場を補正する第1の補正コイルと、を含み、
    前記第1の補正コイルは、電流が提供されると、前記固定子が発生する磁場と同一方向の第1の補正磁場をY方向に発生させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    さらに、磁場を検知する磁気センサと、当該磁気センサが検知した磁場の値が所定の目標値になるように、前記第1の補正コイルに流す電流値を制御する制御部と、を有し、
    前記磁気センサは、前記下段テーブルの移動に伴って発生する磁場であって、前記漏洩磁場と前記第1の補正磁場の和で表される磁場を検知することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2において、
    前記下段テーブルは、さらに、前記漏洩磁場と垂直なX方向に第2の補正磁場を発生させる第2の補正コイルと、前記X及びY方向と垂直なZ方向に第3の補正磁場を発生させる第3の補正コイルと、
    前記磁気センサは、前記Y方向の漏洩磁場と前記第1の補正磁場の和で表される磁場を検知する第1の磁気センサと、前記X方向の漏洩磁場と前記第2の補正磁場の和で表される磁場を検知する第2の磁気センサと、前記Z方向の漏洩磁場と前記第3の補正磁場の和で表される磁場を検知する第3の磁気センサと、を含み、
    前記制御部は、前記第1乃至第3の磁気センサが検知した磁場の値がそれぞれの所定の目標値になるように、前記第1乃至第3の補正コイルに流す電流値を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1及び第2の補正コイルはソレノイドコイルであり、前記第3の補正コイルはレーストラック型コイルであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1において、
    前記第1の補正コイルには、前記荷電粒子線を前記試料に走査するときのみ、電流が供給され、前記リニアモータの固定子の漏洩磁場が補正されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1において、
    さらに、前記第1の補正磁場と前記漏洩磁場との和で表される磁場の変動幅が0.1μTから1μTの範囲に含まれるように、前記第1の補正コイルに電流を供給する電流供給部を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
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