JP2013136161A - 液体噴射装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共通液室基板24を切り出す切断予定線210で形成されるT字部分211を中心にした貫通孔220が形成されているので、切断予定線210に沿ってレーザー光310を照射して、T字部分211でレーザー光310のON、OFFの制御誤差によるずれが生じても、貫通孔220内でレーザー光310がON、OFFされる。したがって、切断予定線210でレーザー光310の照射されていない部分や共通液室基板24へレーザー光310が照射されたことによる不規則な割れによる分割不良、亀裂を減少でき、留まりの低下を抑えることができ、コスト削減が達成できる液体噴射装置の製造方法を得ることができる。
【選択図】図9
Description
インクジェット式記録装置は、記録媒体を搬送しながら、記録媒体に液体としてのインク滴を吐出させて記録を行う。
また、インクジェット式記録ヘッドは、複数のノズルが開設されたノズルプレートの他、ノズルに通じる圧力発生室を含む液体流路が形成された流路形成部材、圧力発生室の液体に圧力変動を付与するための圧力発生素子、圧力発生素子を保護する封止板等を備えている。これらは積層され、形状もノズルプレートと同様に略直方体である。
例えば、ウェハー基板であるシリコンウェハーにレーザー光を照射して、複数のシリコンノズルプレートを切り出す製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
インクジェット式記録装置にかかわるパーツは、集積回路等と比較して大きく、パーツを構成する辺が直線上となるように格子状にパーツを配置するより、略円形のウェハー基板の外形に合わせて、格子状からずらして交互に配置するほうが、取り数が多くなる。
一方、ウェハー基板の形状に合わせて、格子状からずらしてパーツを交互に配置した場合は、切断予定線が他の切断予定線とT字を形成する等し、切断予定線が直線上から途切れるので、連続してレーザー光の照射を行うと、パーツを横切ってレーザー光が照射されてしまうため、レーザー光をON、OFFしなければならない。
レーザー光のON、OFFの機械的制御、電気的制御には制御の誤差があり、切断予定線がT字を形成するところでON、OFFを行うのは難しい。したがって、切断予定線にレーザー光が照射されなかったり、使用するパーツにレーザー光が照射されたりして、分割不良、亀裂が起こり、留まりが低下してコスト削減が困難になる。
液体を噴射するノズルに連通した圧力室および前記圧力室とつながる連通部を含む液体流路を形成する流路形成基板と、前記圧力室の液体に圧力変動を付与する圧力発生素子と、前記圧力発生素子を内包する保持領域および前記連通部と接続される前記液体の溜りであるリザーバが形成され、前記流路形成基板に接着される直方体の封止基板とを含む液体噴射装置の製造方法であって、ウェハー基板に、前記封止基板を四方格子配列から一部ずらして配置する工程と、前記封止基板に前記リザーバを開口するとともに、前記四方格子配列からずれることによって、前記封止基板を切り出す切断予定線で形成されるT字部分を中心にした貫通孔を形成する工程と、前記切断予定線に沿ってレーザー光を照射する工程とを含むことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
上記液体噴射装置の製造方法であって、前記貫通孔は、前記切断予定線が前記T字部分に突き当る方向に沿って、前記T字部分の前記切断予定線が突き当たる点の両側に少なくとも30μmの幅を有することを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
この適用例では、貫通孔の幅が、切断予定線がT字部分で突き当る方向に、切断予定線が突き当たる点の両側に少なくとも30μm以上あるので、T字部分でレーザー光ON、OFFの制御の誤差によるずれが生じても、貫通孔内でレーザー光がより確実にON、OFFされる。貫通孔内でレーザー光がより確実にON、OFFされることにより、切断予定線でレーザー光の照射されていない部分がより減少し、封止基板へのレーザー光の照射がより低減する。したがって、切断予定線でレーザー光の照射されていない部分や封止基板へレーザー光が照射されたことによる不規則な割れによる分割不良、亀裂がより減少し、留まりの低下がより抑えられ、コスト削減がより達成できる液体噴射装置の製造方法が得られる。
上記液体噴射装置の製造方法であって、前記ウェハー基板は、シリコンウェハー基板であり、前記切断予定線が前記T字部分に突き当る方向の前記貫通孔の側面は、前記シリコンウェハー基板の(111)結晶面でできていることを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
この適用例では、貫通孔のエッチング速度のより向上した液体噴射装置の製造方法が得られる。
また、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度は実際とは異なっている。
以下の説明は、本発明の液体噴射ヘッドとして、インクジェット式プリンター(液体噴射装置の一種で、以下単にプリンター1という)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッド3という)を例に挙げて行う。
図1において、プリンター1は、記録紙等の記録媒体2の表面へ液体状のインクを噴射して画像等の記録を行う装置である。
プリンター1は、インクを噴射する記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送するプラテンローラー6等を備えている。ここで、インクは、インクカートリッジ7に貯留されている。インクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。
なお、インクカートリッジ7がプリンター1の本体側に配置され、インクカートリッジ7からインク供給チューブを通じて記録ヘッド3に供給される構成を採用することもできる。
ケース15は、内部にヘッドユニット16や図示しない集束流路を収容する箱体状部材であり、上面側に針ホルダー19が形成されている。この針ホルダー19は、インク導入針20を取り付けるための板状部材であり、実施形態においては図1に示したインクカートリッジ7のインクの色に対応させて8本のインク導入針20が、この針ホルダー19に横並びに配設されている。
インク導入針20は、インクカートリッジ7内に挿入される中空針状の部材であり、先端部に開設された図示しない導入孔から図1に示したインクカートリッジ7内に貯留されたインクをケース15内の集束流路を通じてヘッドユニット16側に導入する。
ノズルプレート22は、ユニット固定板17に接合されている。
フレキシブルケーブル39は、ヘッドユニット16を駆動する駆動電圧を、図1に示したプリンター1から供給するものである。
例えば、フレキシブルケーブル39としてCOF(Chip On Film)基板を用いることができる。
配置されたノズル列の塊が長方形状または正方形状であり、加工の容易さの点から、例えば、ヘッドユニット16の形状は略直方体で、ノズル27が形成される面は略長方形または略正方形である。
ノズルプレート22は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板またはステンレス鋼等から形成できる。
図4において、流路基板23には、異方性エッチング処理によって複数の隔壁で区画された圧力室31が各ノズル27に対応して複数形成されている。したがって、圧力室31も列状に形成され、ノズル27の並んだ方向にノズル27間のピッチの半分だけずれている。
流路基板23における圧力室31の列の外側には、共通液室32の一部を区画する連通空部33が形成されている。この連通空部33は、インク供給路34を介して各圧力室31と連通している。
共通素子電極は、例えば、白金(Pt)などの金属やルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)などの金属酸化物からなる。また、個別素子電極は、例えば、Au、Irなどの金属からなる。
なお、弾性膜30上に形成される電極が個別素子電極で、圧電体層上に形成される電極が共通素子電極である構成を採用することもできる。
また、個別素子電極の幅方向(短尺方向)の寸法は、圧電素子35の幅と同程度に揃えられている。隣り合うノズル列の間には、各個別素子電極に対応して当該電極に導通する平面視短冊状の個別素子電極端子48(48a、48b)が形成されている。この個別素子電極端子48の長尺方向の寸法は、隣の共通素子電極に接触しない程度の長さに設定されている。また、個別素子電極端子48の幅方向(短尺方向)の寸法は、個別素子電極の幅の寸法に揃えられている。そして、一方(図において左側)のノズル列に対応する個別素子電極端子48aと、他方(図において右側)のノズル列に対応する個別素子電極端子48bとは、ノズル列方向において互い違いに並ぶように一定の間隔で列状に配置されている。これらの個別素子電極端子48は、フレキシブルケーブル39と電気的に接続される部分である。
各圧電素子35は、フレキシブルケーブル39を通じて個別素子電極および共通素子電極間に駆動電圧が印加されることにより変形するように構成されている。
共通液室基板24の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路基板23の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましい。例えば、流路基板23がシリコン単結晶基板の場合と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成することができる。
さらに、共通液室基板24において、隣り合う圧電素子列の間には、基板厚さ方向を貫通した配線空部38が形成されている。この配線空部38内には、平面視において、圧電素子35の個別素子電極端子48等が配置される。
また、このコンプライアンス基板25の貫通空部36に対向する領域のインク導入口40および後述する貫通口25a以外の領域は、極薄く形成された可撓部41となっており、この可撓部41によって貫通空部36の上部開口が封止されることで共通液室32が区画形成される。そして、この可撓部41は、共通液室32内のインクの圧力変動を吸収するコンプライアンス部として機能する。さらに、コンプライアンス基板25の中央部には、貫通口25aが形成されている。この貫通口25aは、ユニットケース26の空部44と連通する。
また、フレキシブルケーブル39の一端部には、図示しない一端側個別電極配線端子が、圧電素子35の各個別素子電極端子48に対応して複数列設され、他端部には、プリンター1本体側からの信号を中継する基板の基板端子部に接続される他端側個別電極配線端子が複数列設されている。そして、フレキシブルケーブル39は、両端部の配線端子以外の配線パターンや制御IC52の表面がレジストで覆われている。
図5は、共通液室基板24の基材となるウェハー基板であるシリコンウェハー200の平面図である。
例えば、シリコンウェハー200の中央部には、共通液室基板24が、共通液室基板24の短辺と平行な方向に5列、長辺と平行な方向に4行の四方格子配列で配置され、短辺方向の両側に2列、3行の四方格子配列を長辺方向に長辺の半分の長さずらして配置され、さらにその外側の両側に1列、2行の四方格子配列を長辺方向に長辺の半分の長さずらして配置され、最も外側に一つの共通液室基板24が長辺方向に長辺の半分の長さずらして配置されている。
例示したシリコンウェハー200は、厚さが共通液室基板24の厚さに等しい400μmに設定されたシリコン単結晶基板であり、その表面は、結晶方位面(110)面に設定されている。共通液室基板24を表す実線は、個々の共通液室基板24を切断して切り離す際の切断予定線210を表している。なお、切断予定線210は、仮想線であっても良いし、実際に引かれた線であっても良い。
プリンター1の製造方法は、シリコンウェハー200に、取り出す前の矩形の共通液室基板24を配置する配置工程としてのステップ1(S1)と、共通液室基板24に貫通孔220を形成する貫通孔形成工程としてのステップ2(S2)と、切断予定線210に沿ってレーザー光310を照射するレーザー照射工程としてのステップ3(S3)とを含む。
図7に、シリコンウェハー200に貫通孔220を形成したシリコンウェハー200の貫通孔220付近の拡大部分平面図を示した。図7は、図5の破線で示した矩形部分の拡大部分平面図である。
図7において、シリコンウェハー200において切断予定線210が形成するT字部分211を中心に貫通孔220を形成する。ウェットエッチングによって貫通孔220を形成すると、結晶方位によって異方エッチングされて貫通孔220の形状が決まる。図7では、平行四辺形の断面の貫通孔220が形成されている。切断予定線210がT字部分211に突き当る方向の貫通孔220の側面は、シリコンウェハー200の(111)結晶面でできているのが好ましい。
なお、貫通孔220の形状はどのような形状であってもよいし、形成方法もどのような形成方法であってもよい。
また、切断予定線210がT字部分211で突き当る点の両側に少なくとも30μm以上、図7において、貫通孔220の幅Wは、60μm以上が好ましい。
レーザー照射工程(S3)では、レーザー光源300を用いて、切断予定線210にパルス状のレーザー光310を照射する。照射は、レーザー光310を移動させながら行う。移動は、レーザー光源300を移動させてもよいし、レーザー光源300を固定して、シリコンウェハー200をステージとともに移動してもよい。
レーザー光310の照射には、共通液室基板24の内部にレーザー光310の焦点を合わせて改質領域を形成する工程を含むのが好ましい。例えば、赤外の波長領域のレーザー光であるYAGレーザー(Nd)の1064nmの波長のレーザー光をシリコンウェハー200の内部に焦点が合うように照射する。レーザー光310の照射により、シリコンウェハー200の内部に多結晶シリコンからなる改質領域が形成される。
なお、シリコンウェハー200を加工できるものであれば、このYAGレーザーに限らず、他のレーザーを用いることも可能である。
図9および図10において、(a)はレーザー光310のON、OFFの機械的制御、電気的制御の精度により、T字部分211の長辺に達するより早めにOFFになった場合、(b)はT字部分211の長辺を通り過ぎてOFFになった場合を示している。図9では、分割後の様子を(c)に、図10では、分割後の様子を(c)および(d)に示した。
一方、図9(b)において、T字部分211を通り過ぎて、レーザー光310がOFFになった場合でも、貫通孔220の中でレーザー光310がOFFになる。
図9(c)において、分割を行った後でも貫通孔220の形状を保って図7に示したT字部分211が分割される。
一方、図10(b)において、T字部分211を通り過ぎて、レーザー光310がOFFになった場合、共通液室基板24にレーザー光310が照射されてしまう。
図10(c)において、T字部分211の長辺に達するより早めにレーザー光310がOFFになった場合、分割を行ったときに、切断予定線210でレーザー光310が照射されない部分から不規則に割れてしまう。
このシリコンウェハー200の分割の際、手や治具を用い、切断予定線210に曲げ応力を作用させることで分割するようにしてもよいが、以下では、一例として、伸張性を有するシート部材を分割前のシリコンウェハー200の表面に貼着し、このシート部材をシリコンウェハー200の面方向に伸張させることで切断予定線210に沿って切断させる所謂エキスパンドブレイクによる分割を説明する。
(1)共通液室基板24を切り出す切断予定線210で形成されるT字部分211を中心にした貫通孔220が形成されているので、切断予定線210に沿ってレーザー光310を照射して、T字部分211でレーザー光310のON、OFFの制御誤差によるずれが生じても、貫通孔220内でレーザー光310がON、OFFされる。貫通孔220内でレーザー光310がON、OFFされることにより、切断予定線210でレーザー光310の照射されていない部分を減少でき、共通液室基板24へのレーザー光310の照射を低減できる。したがって、切断予定線210でレーザー光310の照射されていない部分や共通液室基板24へレーザー光310が照射されたことによる不規則な割れによる分割不良、亀裂を減少でき、留まりの低下を抑えることができ、コスト削減が達成できるプリンター1の製造方法を得ることができる。
例えば、共通液室基板24を切り出す前のシリコンウェハー200に、弾性膜30や圧電素子35等が形成されたウェハー状の流路基板23を、圧電素子35が圧電素子収容空部37に収まるように組み付けた後に、圧力室31、連通空部33をエッチングによって形成し、個々のパーツに分割してもよい。
Claims (3)
- 液体を噴射するノズルに連通した圧力室および前記圧力室とつながる連通部を含む液体流路を形成する流路形成基板と、前記圧力室の液体に圧力変動を付与する圧力発生素子と、前記圧力発生素子を内包する保持領域および前記連通部と接続される前記液体の溜りであるリザーバが形成され、前記流路形成基板に接着される直方体の封止基板とを含む液体噴射装置の製造方法であって、
ウェハー基板に、前記封止基板を四方格子配列から一部ずらして配置する工程と、
前記封止基板に前記リザーバを開口するとともに、前記四方格子配列からずれることによって、前記封止基板を切り出す切断予定線で形成されるT字部分を中心にした貫通孔を形成する工程と、
前記切断予定線に沿ってレーザー光を照射する工程とを含む
ことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。 - 請求項1に記載の液体噴射装置の製造方法において、
前記貫通孔は、前記切断予定線が前記T字部分に突き当る方向に、前記T字部分の前記切断予定線が突き当たる点の両側に少なくとも30μmの幅を有する
ことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置の製造方法において、
前記ウェハー基板は、シリコンウェハー基板であり、前記切断予定線が前記T字部分に突き当る方向の前記貫通孔の側面は、前記シリコンウェハー基板の(1111)結晶面でできている
ことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
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JP2011287141A JP2013136161A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 液体噴射装置の製造方法 |
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JP2017069285A (ja) * | 2015-09-28 | 2017-04-06 | 株式会社ディスコ | ウエーハの加工方法 |
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- 2011-12-28 JP JP2011287141A patent/JP2013136161A/ja not_active Withdrawn
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