JP2013136102A - Al基摺動合金並びにその鋳造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脆性が生じ難く、且つ耐疲労性に優れるAl基摺動合金及びその鋳造装置を提供する。
【解決手段】Siを1〜15質量%含むAl基摺動合金3において、そのAl基摺動合金3の観察視野においてSiを粒子状に存在させ、このSi粒子5の最大直径を0.01〜7.5μmにし、Al基摺動合金3に存在するSi粒子5の合計面積のうち直径が5.5μm以下のSi粒子5の合計面積が95%以上を占めるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】Siを1〜15質量%含むAl基摺動合金3において、そのAl基摺動合金3の観察視野においてSiを粒子状に存在させ、このSi粒子5の最大直径を0.01〜7.5μmにし、Al基摺動合金3に存在するSi粒子5の合計面積のうち直径が5.5μm以下のSi粒子5の合計面積が95%以上を占めるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、Siを含ませて構成されたAl基摺動合金並びにその鋳造装置及び製造方法に関する。
Al基摺動合金を内張りしたすべり軸受は、初期なじみ性が比較的良好であり、高面圧で優れた耐疲労性を有し、自動車や一般産業機械の高出力エンジンの軸受に用いられている。
Al基摺動合金に、より優れた耐疲労性を有するようにした構成は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1には、Al基摺動合金に1〜15質量%のSiを含ませ、更にSrを含ませてSiを微細に晶出させることが開示されている。更に、特許文献1には、微細化したSi粒子の作用によって、Al基摺動合金が高荷重に耐え、且つ、脆くなることを防ぐことができ、耐疲労性が良好になることも開示されている。
又、Al基摺動合金にSiを含ませる構成は、特許文献2にも開示されている。特許文献2には、Alマトリックスに26〜80質量%のSiを含ませ、このSi粒子の平均粒径を0.01以上10μm未満の範囲にし、更にSiをAlマトリックス中に3質量%以上固溶させることにより、耐摩耗性が向上することが開示されている。
最近の内燃機関は、燃費向上のために、例えばすべり軸受が組付けられるコンロッド等のハウジングの軽量化が進められている。しかし、ハウジングの軽量化のために薄肉化が行われると、ハウジングの剛性は低下し、ハウジング自身が変形し易くなる。そのため、Al基摺動合金(すべり軸受)が支える軸の動荷重等によって、ハウジング自身が変形し、これに伴い、Al基摺動合金自体も曲げ変形し易い状況になって、Al基摺動合金に疲労が生じ易くなっている。
又、燃費を向上させるために、粘性の低い潤滑油を使用したい要望がある。しかし、粘性の低い潤滑油を使用すると、Al基摺動合金が支える軸の動荷重等によって潤滑油の油膜が破断し易くなる。その結果、軸が直接Al基摺動合金に当たる頻度が増加して摩擦熱による温度上昇によって強度が低下し、疲労が生じ易くなってしまう。
このような環境下においては、特許文献1に示す構成では、まだ耐疲労性が不十分である。更に、特許文献1では、Siを微細に晶出させるために、Al基摺動合金にSrを添加する構成であるため、Sr金属間化合物が偏析してしまうことがある。偏析が生じた場合、苛酷な状況ではそこを起点にしてクラックが生じる可能性が考えられる。そのため、Srを用いずにSiを微細化することが望まれている。
特許文献2に示す構成では、AlマトリックスにSiを26%以上含ませているので、特許文献1に記載されているように脆くなることが考えられ、最近の苛酷な摺動用途での使用には厳しい。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、脆性が生じ難く、且つ耐疲労性に優れるAl基摺動合金並びにその鋳造装置及び製造方法を提供する。
本発明者は、Siを1〜15質量%含ませて耐疲労性を向上させたAl基摺動合金において、このSi粒子の大きさに着目して鋭意実験を重ねた。その結果、本発明者は、Siを1〜15質量%含むAl基摺動合金であってSiの含有量が同じでも、Si粒子の大きさによってAl基摺動合金の耐疲労性の優劣が変わることを解明した。即ち、本発明者は、Siを1〜15質量%含むAl基摺動合金であってSiの含有量が同じでも、Si粒子の大きさが所定範囲内であるとAl基摺動合金がより良好な耐疲労性を有するようになることを、解明した。
本発明の請求項1のAl基摺動合金は、Siを1〜15質量%含み、そのAl基摺動合金の観察視野においてSiが粒子状に存在し、このSi粒子は、最大直径が1.9〜7.4μmであり、視野において観察可能なSi粒子の合計面積のうち直径が5.0μm以下のSi粒子の合計面積が95%以上を占めることを特徴としている。
本明細書では、本発明のAl基摺動合金を裏金層上にライニングして構成されるすべり軸受のAl基摺動合金層に適用して説明する。尚、Al基摺動合金を裏金層上にライニングせずに、Al基摺動合金を摺動部材として使用しても良い。
まず、Al基摺動合金の基本形態の例を、図1に示す。図1に示すすべり軸受1は、基材2と、基材2上にライニングされたAl基摺動合金層(Al基摺動合金)3とから構成されている。
Al基摺動合金層3は、マトリクス4がAl又はAl合金であり、Si5を1〜15質量%含んで、観察視野においてSiが粒子状に存在(Si粒子5)している。Al基摺動合金層3に占めるSi粒子5の存在する割合が増すと、Al基摺動合金層3も硬くなり、すべり軸受の耐疲労性は向上する。ここで、Al又はAl合金中に含まれるSiが1質量%以上であるとき、Si粒子5の硬さの影響が表れ、すべり軸受1の耐疲労性の向上の効果が得られる。又、Al又はAl合金に含まれるSiが15質量%以下であるとき、Al基摺動合金層3が脆くなってしまうことを抑制することができる。
本発明では、Al基摺動合金層3に含まれるSi粒子5は、最大直径が1.9〜7.4μmとされている。Si粒子5の最大直径は、Al基摺動合金層3中の各Si粒子5を電子顕微鏡で例えば摺動表面側から観察し、各Si粒子5の面積を測定し、各Si粒子5の面積を円に換算して各Si粒子5の直径を求め、そのうち直径が最も大きいSi粒子5の直径のことを言う。本発明では、Al基摺動合金層3に存在するSi粒子5の最大直径が、従来構成、例えば特許文献2に示すSi粒子の平均粒径のうちの10μmよりも小さく設定されている。
又、本発明では、Al基摺動合金層3に存在するSi粒子5の合計面積のうち直径が5.0μm以下のSi粒子5の合計面積が95%以上を占めている。言い換えると、本発明では、Al基摺動合金層3に存在するほぼすべてのSi粒子5の直径が5.0μm以下である。このように、本発明では、Al基摺動合金層3に存在するSi粒子5の合計面積のうち直径が5.0μm以下のSi粒子5の合計面積が95%以上を占めるようにSi粒子の直径を調整することにより、Al基摺動合金層3に平均直径が従来構成のSi粒子よりも小さいSi粒子5が緻密に存在する。これにより、Al基摺動合金層3は硬くなり、耐疲労性が向上する。
本発明のAl基摺動合金は、領域分割法により測定したすべてのSi粒子の領域面積の平均が、5〜10μm2であることを特徴としている。
領域分割法とは、図2に示すように、マトリックス4中に存在するSi粒子5のうち互いに隣り合うSi粒子5の間に線(本発明においては、観察視野内のSi粒子5をボロノイ多角形に変換し、そのときの互いの境界となる線)を引くことで、1個のSi粒子5が占有する領域(線引きした線で囲まれた領域。領域分割セルと称す)を確定し、その領域面積を統計計算することにより、領域分割面積を定量的に判断するものである。
領域分割法とは、図2に示すように、マトリックス4中に存在するSi粒子5のうち互いに隣り合うSi粒子5の間に線(本発明においては、観察視野内のSi粒子5をボロノイ多角形に変換し、そのときの互いの境界となる線)を引くことで、1個のSi粒子5が占有する領域(線引きした線で囲まれた領域。領域分割セルと称す)を確定し、その領域面積を統計計算することにより、領域分割面積を定量的に判断するものである。
つまり、Siの含有量が同じであれば、Si粒子5の大きさとSi粒子5の粒子の数とは相関的関係を有し、Si粒子5が大きければ粒子の数は少なく、領域分割面積(1個の粒子が占有する領域面積の平均)は大きくなる。逆にSi粒子5が小さければ粒子の数が多いので、領域分割面積は小さくなる。従って、領域分割面積の大小によってSi粒子5の大きさを定量的に把握することができる。
本発明によれば、領域分割法により測定したすべてのSi粒子5の領域面積の平均が、5〜10μm2であることが好ましい。領域分割法により測定したすべてのSi粒子5の領域面積の平均が10μm2以下であると、小さなSi粒子5がAl基摺動合金層3により緻密かつ均一度が高く存在した状態である。この場合、Al基摺動合金層3はより硬くなり、耐疲労性もより向上する。領域分割法により測定したすべてのSi粒子5の領域面積の平均が5μm2以上であると、製造面で有利である。
このすべり軸受1は、鋳造工程、圧延工程、圧接工程、熱処理(焼鈍)工程、機械加工工程を経て製造される。即ち、鋳造工程では、Al又はAl合金にSiを含ませた溶湯を板状に鋳造する。鋳造された板状のAl基摺動合金3を、圧延工程で圧延し、圧接工程で鋼板(裏金層(基材2))に圧接して軸受形成用板材にする。Al基摺動合金3と鋼板との間に例えば純Al等の中間層を設けても良い。その後、軸受形成用板材を焼鈍し、軸受形成用板材を機械加工して半円筒状又は円筒状の軸受に形成する。軸受形成用板材に対し、用途に応じて圧延を施しても良い。ここで、本発明者は、鋳造工程中の冷却速度を制御することにより、特許文献1のようなSiを微細化させるためのSrを添加しなくても、Al基摺動合金3に最大直径が0.01〜7.5μmのSi粒子5を存在させることが可能であることを解明した。
本発明の請求項2のAl基摺動合金の鋳造装置は、1対のローラと、Al又はAl合金にSiを含ませて溶解させた溶湯を1対のローラ間に供給する溶湯供給ノズルと、1対のローラを冷却する冷却手段とを具備し、1対のローラは、溶湯供給ノズルから供給された溶湯を、80〜130℃/secの速度で冷却し、請求項1又は2記載のAl基摺動合金
を鋳造することを特徴としている。
を鋳造することを特徴としている。
例えば図3に示す本発明の鋳造装置11を用いて、Al又はAl合金にSiを含ませた溶湯を80〜130℃/secの速度で冷却すると、溶解していたSiは、Alのマトリックス4中に晶出する。この晶出物のSi(Si粒子5)の平均の直径は従来構成で晶出されたSi(Si粒子)の平均の直径よりも小さい。冷却手段によって冷却される一対のローラ間に、Al又はAl合金にSiを1〜15質量%含ませて溶解させた溶湯を供給することによって、その溶湯を80〜130℃/secの冷却速度で冷却することにより、Al基摺動合金層3に含まれるSi粒子5の最大直径を0.01〜7.5μmにすることができる。そして、Al基摺動合金層3に存在するSi粒子5の合計面積のうち、直径が5.5μm以下のSi粒子5の合計面積が、95%以上を占めようにすることができる。更に、Al基摺動合金層3において、領域分割法により測定したすべてのSi粒子5の領域面積の平均を、5〜10μm2にすることができる。
本発明の効果を確認するために、表1に示す成分で形成したAl基摺動合金3を有するすべり軸受1の試料(実施例品1〜12、比較例品1〜3)を製作し、これらの試料に対して耐疲労試験を行った。
実施例品1〜12の製造方法は次の通りである。まず、表1に示す割合でAl及びSiを溶解させた後、図3に示す鋳造装置11によって鋳造を行っている。
鋳造装置11は、鋳造を行うための材料を貯える溶解溶融炉12を備えている。本発明では、溶解溶融炉12に、表1に示す成分の溶解用材料が投入される。尚、この表1に示す成分には、不可避的な不純物が含まれる場合がある。
この溶解溶融炉12から注がれる溶湯を貯える浴槽13を備えている。
浴槽13の一部には、浴槽13に溜められた溶湯を吐出させる溶湯供給ノズル14が設けられている。この溶湯供給ノズル14の先端側には、1対のローラ15,15が互いに微小な隙間を介して設けられている。1対のローラ15,15は、軸方向が溶湯の流れに直交する方向で且つ水平方向に延びるようにして配置されている。これにより、溶解溶融炉12内の溶湯は、浴槽13及び溶湯供給ノズル14を通って、1対のローラ15,15間に供給される。
浴槽13の一部には、浴槽13に溜められた溶湯を吐出させる溶湯供給ノズル14が設けられている。この溶湯供給ノズル14の先端側には、1対のローラ15,15が互いに微小な隙間を介して設けられている。1対のローラ15,15は、軸方向が溶湯の流れに直交する方向で且つ水平方向に延びるようにして配置されている。これにより、溶解溶融炉12内の溶湯は、浴槽13及び溶湯供給ノズル14を通って、1対のローラ15,15間に供給される。
ここで、1対のローラ15,15は、冷却手段である冷却管16によって冷却される。冷却管16は、1対のローラ15,15の内部に軸方向に延びるようにして複数本設けられている。この冷却管16の内部に冷媒、例えば水が供給されることにより、1対のローラ15,15は冷却される。冷却管16に供給される水の量及び速度は、図示しない制御装置で制御された図示しない弁の開閉度合いによって、調整される。本発明では、溶湯供給ノズル14から1対のローラ15,15間に供給された溶湯を、80〜130℃/secの速度で冷却するように、上記の弁の開閉度合いの調整を行っている。又、80〜130℃/secでの冷却は、溶湯が550℃に達するまで行われる。
溶湯が1対のローラ15,15で冷却されて凝固することにより、鋳造された板状の鋳造板(シート状のAl基摺動合金3)17が得られる。得られた鋳造板17は、カッター18で所定の長さで切られ、コイラ19によって巻き取られる。その後、この所定の長さに切られたシート状のAl基摺動合金3は、裏金層(基材2)を構成する鋼板に圧接される。これにより、軸受形成用板材(いわゆるバイメタル)が製造される。そして、軸受形成用板材を、数時間加熱する焼鈍を行った後の軸受形成用板材を機械加工してすべり軸受を製造し、このすべり軸受を実施例品1〜12とした。尚、実施例品1〜9は80〜100℃/sec、実施例品10〜12は100〜130℃/secで冷却したが、それらのAl基摺動合金でSiが3質量%以上固溶したものはなかった。
一方、比較例品1〜3の製造方法は、上記実施例品1〜12の製造方法と相違し、鋳造工程中の冷却速度(80〜130℃/secの冷却速度)を、従来の冷却速度、この場合、特開2002−120047号公報に記載されているように、3〜6℃/secの速度で冷却するようにしている。その他の行程は、実施例品と同様である。
このようにして得られた実施例品1〜12及び比較例品1〜3に対して、表2に示す試験条件で耐疲労性の試験を行い、その結果を表1に示す。
表1中の「面積比95%のSi粒子の直径」は、Si粒子の合計面積のうち直径が5.5μm以下のSi粒子の合計面積が95%以上を占めることを証明するための一例を表している。この「面積比95%のSi粒子の直径」は、観察視野において、全てのSi粒子5のうち面積の小さい方から面積を足していき、全てのSi粒子5の合計面積の95%に位置するSi粒子5の直径を求めて得られる。又、このSi粒子5の直径は、上述したように、電子顕微鏡でAl基摺動合金層3を摺動表面側から観察し、Si粒子5の面積(投影面積)を測定し、得られた面積を円に換算して求められる。
「面積比95%のSi粒子の直径」は、具体的には、次のようにして求められる。Al基摺動合金の摺動表面に多数のSi粒子が存在し、それらのSi粒子の合計面積(投影面積での合計面積)が1000μm2であった場合、Si粒子の合計面積に対する面積比95%は、950μm2である。そして、Si粒子のうち面積(投影面積)の小さい方から面積を足していき、950μm2に該当するSi粒子を検出する。そして、検出したSi粒子の面積を円に換算して直径を求める。これにより、「面積比95%のSi粒子の直径」が得られる。
この「面積比95%のSi粒子の直径」が小さいほど、Al基摺動合金層3中に、直径が小さいSi粒子5が緻密に存在していることを表している。
表1中の「Si領域分割セル」とは、Al基摺動合金層3の摺動表面を領域分割法によって区切った領域のうちの1つの領域のことである。表1中の「平均面積」は、「Si領域分割セル」の平均面積を示している。又、この「平均面積」が小さいほど、小さいSi粒子がより緻密かつ均一度が高く存在していることを表している。
表1中の「Si領域分割セル」とは、Al基摺動合金層3の摺動表面を領域分割法によって区切った領域のうちの1つの領域のことである。表1中の「平均面積」は、「Si領域分割セル」の平均面積を示している。又、この「平均面積」が小さいほど、小さいSi粒子がより緻密かつ均一度が高く存在していることを表している。
表1の「Si粒子分布均一度」では、「平均面積」が10μm2以下である場合を「高」として示し、10μm2を超え30μm2以下である場合を「中」として示し、30μm2を超える場合を「低」として示している。
次に、上記試験の結果について解析する。
耐疲労性試験の結果を考察するに、実施例品1〜12は、比較例品1〜3と異なりSi粒子5の最大直径が小さくかつ面積比95%のSi粒子の直径が小さいので、耐疲労性に優れていることが理解できる。
耐疲労性試験の結果を考察するに、実施例品1〜12は、比較例品1〜3と異なりSi粒子5の最大直径が小さくかつ面積比95%のSi粒子の直径が小さいので、耐疲労性に優れていることが理解できる。
実施例品1〜9と、実施例品10〜12との対比から、Si領域分割セルの平均面積を小さくさせることにより、耐疲労性をより向上させることができることが理解できる。
尚、表1には記載していないが、本実施例品1〜12のAlの代わりにAl合金を用い、このAl合金としてAlに、1〜10質量%のZn、0.1〜5質量%のCu、0.05〜5質量%のMgのいずれか1種以上を添加したものを用いた場合も、本実施例品1〜12とほぼ同様の良好な耐疲労性の結果を得ることができた。
尚、表1には記載していないが、本実施例品1〜12のAlの代わりにAl合金を用い、このAl合金としてAlに、1〜10質量%のZn、0.1〜5質量%のCu、0.05〜5質量%のMgのいずれか1種以上を添加したものを用いた場合も、本実施例品1〜12とほぼ同様の良好な耐疲労性の結果を得ることができた。
本発明は、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
図面中、3はAl基摺動合金層(Al基摺動合金)、5はSi粒子、14は溶湯供給ノ
ズル、15はローラ、16は冷却管(冷却手段)を示す。
ズル、15はローラ、16は冷却管(冷却手段)を示す。
Claims (3)
- Siを1〜15質量%含むAl基摺動合金において、
該合金の観察視野においてSiが粒子状に存在し、
前記Si粒子は、最大直径が1.9〜7.4μmであり、
前記視野において観察可能な前記Si粒子の合計面積のうち、直径が5.0μm以下の前記Si粒子の合計面積が、95%以上を占めることを特徴とするAl基摺動合金。 - 請求項1記載のAl基摺動合金を鋳造する鋳造装置であって、
1対のローラと、
Al又はAl合金にSiを含ませて溶解させた溶湯を前記1対のローラ間に供給する溶湯供給ノズルと、
前記1対のローラを冷却する冷却手段とを具備し、
前記冷却手段で冷却される前記1対のローラは、前記溶湯供給ノズルから供給された前記溶湯を、80〜130℃/secの速度で冷却することを特徴とするAl基摺動合金の鋳造装置。 - 請求項1記載のAl基摺動合金を鋳造する鋳造方法であって、
Al又はAl合金にSiを含ませて溶解させた溶湯を生成する工程と、
生成した前記溶湯を1対のローラ間に供給し、前記溶湯を前記1対のローラで80〜130℃/secの速度で冷却しながらAl基鋳造合金を鋳造する工程と、
を含むことを特徴とするAl基摺動合金の製造方法。
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