JP2013136085A - 肉盛溶接方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタ、欠陥の少ない、高品質の肉盛溶接を低希釈率で行えるようにする。
【解決手段】配管pの腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する方法である。肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、直流の場合は、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とする一方、交流の場合は、EN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とする。
【効果】スパッタ、欠陥の少ない、高品質の肉盛溶接が低希釈率で行えるようになり、オーステナイト系ステンレス鋼を直接炭素鋼に肉盛溶接できる。
【選択図】図1
【解決手段】配管pの腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する方法である。肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、直流の場合は、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とする一方、交流の場合は、EN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とする。
【効果】スパッタ、欠陥の少ない、高品質の肉盛溶接が低希釈率で行えるようになり、オーステナイト系ステンレス鋼を直接炭素鋼に肉盛溶接できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばごみ焼却炉におけるボイラ水管のような、並列に配置された多数の配管の表面に肉盛溶接する方法、及びこの肉盛溶接方法を実施する肉盛溶接装置に関するものである。
例えばごみ焼却炉におけるボイラ水管の高温部位には、腐食減肉や、高温酸化による肉減りが発生する。そのため、これら腐食減肉箇所及び肉減り箇所(ボイラ水管1本当たり数十箇所)は、表面側から肉盛溶接による補修が定期的に行なわれている。
このような肉盛溶接に際し、例えば縦ガイド部材に沿う昇降台車に取付けられて水平移動する水平ロッド部材の取付け金具に、進退機構及び傾動機構を介して進退及び傾動可能に溶接トーチを設置して溶接する方法及び装置が特許文献1に開示されている。特許文献1には、この装置を使用すれば、短時間で、均質な肉盛溶接層を形成することができると記載されている。
しかしながら、アーク溶接時にアーク長が変動すると、各溶接部位における溶接条件が変わるので、特許文献1の発明では、肉盛溶接の均質性を維持するために、溶接トーチを溶接開始点に手動で位置決めする必要があり、溶接中は作業者による監視が必要である。
この位置決めは、一本の肉盛溶接毎に必要であるため、多数本の配管を肉盛溶接する場合、非常に煩雑な作業となる。また、数値制御等が必要となるので、全自動による肉盛溶接ができない。さらに、手動による位置決めを行う場合、溶接ビードの重なり代が作業者毎に異なるので、肉盛溶接部にばらつきが発生する。
これらの問題点により、特にオーステナイト系ステンレス鋼を炭素鋼の鋼管に直接肉盛溶接する際には、溶接条件の設定が困難で、多量のスパッタが発生し、溶接効率が悪く、欠陥が発生することになる。
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献1で提案された肉盛溶接装置の場合、特にオーステナイト系ステンレス鋼を炭素鋼の鋼管に直接肉盛溶接する際には、溶接条件の設定が困難で、多量のスパッタが発生し、溶接効率が悪く、欠陥が発生するという点である。
本発明の肉盛溶接方法は、
スパッタ、欠陥の少ない、高品質のアーク長変動に対応した肉盛溶接と低希釈溶接を可能とするために、
配管の腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する際に、
前記肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、
直流の場合は、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とする一方、
交流の場合は、EN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とする、
ことを最も主要な特徴としている。
スパッタ、欠陥の少ない、高品質のアーク長変動に対応した肉盛溶接と低希釈溶接を可能とするために、
配管の腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する際に、
前記肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、
直流の場合は、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とする一方、
交流の場合は、EN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とする、
ことを最も主要な特徴としている。
本発明の肉盛溶接方法は、肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、最適のパルス条件とするので、アーク長変動に対応した肉盛溶接と低希釈溶接が可能になる。
前記の本発明方法を用いて、並列配置された配管の腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する場合は、
前記配管上に取付けられる対をなす2本の横行レールと、
これら対をなす2本の横行レールに案内されて移動する2台の横行台車と、
これら2台の横行台車を連結する走行ガイド部材と、
この走行ガイド部材に案内されて移動する溶接走行台車と、
この溶接走行台車に取付けられたトーチヘッドと、
このトーチヘッドの構成要素である溶接トーチに溶接ワイヤー及び電力を供給する溶接機と、
を有し、
前記トーチヘッドは、
前記横行レールと同じ方向に配置された横行ガイド部材と、
この横行ガイド部材に沿う移動可能に取付けられた上下部材と、
この上下部材に、前記横行ガイド部材と同方向の移動可能に取付けられた円弧移動装置と、
この円弧移動装置に沿う移動可能に取付けられた、前記溶接トーチを備えたウィービング装置とで構成された本発明の肉盛溶接装置を使用して実施できる。
前記配管上に取付けられる対をなす2本の横行レールと、
これら対をなす2本の横行レールに案内されて移動する2台の横行台車と、
これら2台の横行台車を連結する走行ガイド部材と、
この走行ガイド部材に案内されて移動する溶接走行台車と、
この溶接走行台車に取付けられたトーチヘッドと、
このトーチヘッドの構成要素である溶接トーチに溶接ワイヤー及び電力を供給する溶接機と、
を有し、
前記トーチヘッドは、
前記横行レールと同じ方向に配置された横行ガイド部材と、
この横行ガイド部材に沿う移動可能に取付けられた上下部材と、
この上下部材に、前記横行ガイド部材と同方向の移動可能に取付けられた円弧移動装置と、
この円弧移動装置に沿う移動可能に取付けられた、前記溶接トーチを備えたウィービング装置とで構成された本発明の肉盛溶接装置を使用して実施できる。
本発明では、肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、最適のパルス条件とするので、スパッタ、欠陥の少ない、高品質のアーク長変動に対応した肉盛溶接と低希釈溶接が可能になる。従って、オーステナイト系ステンレス鋼を直接炭素鋼に肉盛溶接することが可能になり、中間にSUS309ステンレス鋼を溶接することがなくなる。
本発明では、スパッタ、欠陥の少ない、高品質のアーク長変動に対応した肉盛溶接と低希釈溶接を可能とするという目的を、肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、最適のパルス条件とすることで実現した。
以下、図1〜図9を用いて本発明を詳細に説明する。
本発明は、例えば多数の配管を並列に配置したごみ焼却炉におけるボイラ水管の、腐食減肉及び肉減りした箇所の表面を、最適の条件でパルス溶接して肉盛する方法である。
本発明は、例えば多数の配管を並列に配置したごみ焼却炉におけるボイラ水管の、腐食減肉及び肉減りした箇所の表面を、最適の条件でパルス溶接して肉盛する方法である。
例えば水平方向に肉盛溶接する際に使用する交流の電流及び電圧波形(パルス波形)の一例を図1に示す。この電流及び電圧波形は、株式会社ダイヘン製のMIG溶接機(DW300+)を使用した場合の波形であり、太い実線は電流波形、細い破線は電圧波形を示している。
図1におけるaは電極がプラス(EP)極性の際に、電流が溶接ワイヤーに流れる時間で、長くなるほど母材への入熱量が多くなる。また、bは電極がマイナス(EN)極性の際に、電流が溶接ワイヤーに流れる時間で、長くなるほど母材への入熱量が少なくなる。
また、cはEP極性の時の電流がピークの時間で、必要な溶接電流とパルス条件から溶接機によって決まる。dはEN極性の時のベース電流が流れる時間で、長くなるほど母材への入熱量が少なくなる。
従って、交流の周期a+bの逆数である周波数は1/(a+b)で表すことができ、溶接ワイヤーを溶融させつつ、肉盛溶接時にできるだけ母材への入熱を少なくするためには、30〜150Hzの周波数とすることが望ましい。
また、b/(a+b)で表すEN比は、大きいほど母材への入熱が小さくなり、このEN比によって前記a,bの適正範囲が決まる。本発明では、このEN比を40〜80%となるように制御することを特徴としている。
本発明において、EN比を40〜80%とするのは、40%未満であれば母材への入熱が大きくなるために希釈率が高くなり、特にオーステナイト系ステンレス鋼を炭素鋼に直接溶接した場合には高温割れ(凝固割れ)の発生が危惧されるからである。また、80%を超えると溶接ワイヤーを溶融させる熱量を与えるための条件選定が困難となり、開先の溶込み不足が生じたり、スパッタが多量に発生してしまうからである。
また、EP極性時、EN極性時におけるピーク電流IPの大きさは溶接機によって決まるが、このうちEP極性時におけるピーク電流IPの大きさによって溶接ワイヤーの溶融状態が決まる。
本発明では、母材への入熱を少なくするために、EP極性時におけるベース電流IBを10A〜100Aの範囲となるように制御することとしている。
本発明において、EP極性時におけるベース電流IBを10A〜100Aとするのは、10A未満であれば溶接アークが不安定となりスパッタが多量に発生したり、溶込み不足が生じたりするからである。また、100Aを超えると母材への入熱が大きく溶込みが深くなり、希釈率が高くなってしまうからである。
また、本発明では、母材への入熱を減らしつつ、アークを安定させるために、EN極性時におけるベース電流IBを、−100A〜−10Aの範囲となるように制御することとしている。
本発明において、EN極性時におけるベース電流IBを−100A〜−10Aとするのは、−100A未満であればEP極性時と同様に溶接アークが不安定となり、スパッタが多量に発生したり、溶込み不足が生じたりするからである。また、−10Aを超えると母材への入熱が大きく溶込みが深くなり、希釈率が高くなってしまうからである。
一方、例えば垂直方向に肉盛溶接する際に使用する直流の電流及び電圧波形の一例を図2に示す。この電流及び電圧波形は、株式会社ダイヘン製のMIG溶接機(DW300+)を使用した場合の波形であり、太い実線は電流波形、細い破線は電圧波形を示している。
このような波形の直流の場合、溶接ワイヤーの溶融状態を決定するピーク電流IPは、溶接機によって決まるが、母材への入熱量に関係するベース電流IBを、本発明では10〜100Aとなるように制御することとしている。
このベース電流IBが溶接ワイヤーに流れるベース時間TBは、長くなるほど母材への入熱量が少なくなる。また、ピーク電流IPが溶接ワイヤーに流れる時間TPは、溶接機によって決まる。
本発明において、ベース電流IBを10A〜100Aとするのは、10A未満であれば溶接アークが不安定となりスパッタが多量に発生したり、溶込み不足が生じたりするからである。また、100Aを超えると母材への入熱が大きく溶込みが深くなり、希釈率が高くなってしまうからである。
また、本発明では、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、1周期TP+TBにおけるベース時間TBの割合であるTB/(TP+TB)が40〜80%となるように制御することとしている。本発明では、周期の逆数である周波数は、特に規定しないが、溶接ワイヤーを溶融させつつ、できるだけ母材への入熱量を少なくするために、60〜120Hzとすることが望ましい。
本発明において、TB/(TP+TB)を40〜80%とするのは、40%未満であれば母材への入熱が大きくなるため希釈率が高くなり、特にオーステナイト系ステンレス鋼を炭素鋼に直接溶接した場合には高温割れ(凝固割れ)の発生が危惧されるからである。また、80%を超えると溶接ワイヤーを溶融させる熱量を与えるための条件選定が困難となり、開先の溶込み不足が生じたり、スパッタが多量に発生してしまうからである。
本発明においては、ピーク電圧EPやベース電圧EBは規定しないが、ピーク電圧EPはスパッタを少なくするために12〜25Vの範囲内と、ベース電圧EBは安定したアークを維持するために5〜10Vの範囲内とすることが望ましい。
本発明の肉盛溶接方法は、上記した条件でパルス溶接することを特徴とするものであり、交流で行う場合は、例えば図3(a)に示すように配管pを水平に保持した状態で配管pの長手方向に肉盛溶接を行う作業を、図3(b)のイ〜ホに示す順序で鋼管pを回転させて行えば良い。
ちなみに、下記のパルス条件で、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS309)の溶接ワイヤー(直径1.2mm)で炭素鋼製の配管(STB340)に肉盛溶接を行ったところ、スパッタ、欠陥の少ない、高品質の肉盛溶接が、0〜1%の希釈率で行えた。なお、希釈率は、肉盛溶接部における母材表面より下部の縦断面積をA、上部の縦断面積をBとした場合、{A/(A+B)}×100%で表される。
(パルス条件)
EP極性時のピーク電流:350〜500A
EP極性時のベース電流:30〜60A
EN極性時のピーク電流:−500〜−250A
EN極性時のベース電流:−10〜60A
周波数:40〜80Hz
溶接速度:10〜40cm/min
EP極性時のピーク電流:350〜500A
EP極性時のベース電流:30〜60A
EN極性時のピーク電流:−500〜−250A
EN極性時のベース電流:−10〜60A
周波数:40〜80Hz
溶接速度:10〜40cm/min
一方、直流で行う場合は、例えば配管pを垂直に保持した状態で配管pの長手方向に肉盛溶接を行う作業を、図4〜図9に示す本発明の肉盛溶接装置を用いて行えば良い。
図4〜図9において、1は多数の配管pを並列に配置した例えばごみ焼却炉におけるボイラ水管の、腐食減肉及び肉減りした箇所の表面を肉盛溶接する本発明装置であり、以下に説明するような構成となっている。
2a、2bは前記配管p上に、支持金具3によって所定の間隔を存して取付けられる対をなす2本の横行レールであり、これら2本の横行レール2a、2b上には、各横行レール2a、2bに案内されて移動する横行台車4a、4bがそれぞれ設置されている。
なお、横行台車4a、4bは、横行レール2a、2bに案内されて移動できるものであれば、特にその構成は問わない。例えば横行レール2a、2bの両側から例えばローラベアリングで挟持して台車本体4aa、4baを移動自在としておく。この台車本体4aa、4baに、横行レール2a、2bの両端部に巻き回したチェーン4ab、4bbの両端を固定し、このチェーン4ab、4bbに噛み合うスプロケット4ac、4bcをモータ4ad、4bdで正逆回転させればよい。
5は前記2台の横行台車4a、4bを連結する走行ガイド部材であり、この走行ガイド部材5に沿って溶接走行台車6が移動するようになされている。この溶接走行台車6も、走行ガイド部材5に案内されて移動できるものであれば、特にその構成は問わない。例えば前記横行台車4a、4bと同様、走行ガイド部材5の両側からローラベアリングで挟持して移動自在とした台車本体6aに、走行ガイド部材5の両端部に巻き回したチェーン6bの両端を固定し、このチェーン6bに噛み合うスプロケット6cをモータ6dで正逆回転させればよい。
7は前記溶接走行台車6に取付けられたトーチヘッドである。このトーチヘッド7は、前記横行レール2a、2bと同じ方向に配置された横行ガイド部材7aに沿う移動可能に上下部材7bが取付けられ、この上下部材7bに前記横行ガイド部材7aと同方向の移動可能に円弧移動装置7cを取付けた構成である。そして、この円弧移動装置7cに沿う移動が可能なように、溶接トーチ7eを備えたウィービング装置7dを取付けている。
前記上下部材7bの横行ガイド部材7aに沿う移動機構や、前記円弧移動装置7cの前記横行ガイド部材7aと同方向の移動機構も、前記の移動ができるものであれば特にその構成は問わない。例えば、モータ7ba又は7caによってねじ軸を正逆回転し、このねじ軸に螺合するボールねじに、前記上下部材7b又は前記円弧移動装置7cを一体的に取付ければよい。
また、ウィービング装置7dの円弧移動装置7cに沿う移動機構も、特にその構成は問わない。例えば、モータ7daによってスプロケット7dbを正逆回転し、このスプロケット7dbから、チェーン7dc、スプロケット7dd、回転軸7deを介して、円弧状ラック7dgに噛み合うピニオン7dfを正逆回転させればよい(図9参照)。
なお、8は溶接機(図示省略)から前記トーチヘッド7の構成要素である溶接トーチ7eに供給する溶接ワイヤー及び電力を案内する配管、5aは走行ガイド部材5のたわみを防止するために設置されたテンションロッドである。
前記の各移動機構は、制御装置(図示省略)からの信号により、配管pの腐食減肉箇所及び肉減り箇所に位置するように制御され、所要の肉盛溶接を行うようになっている。その際、本発明では、前記溶接トーチ7eへの電力の供給を、先に説明した条件に制御する。
上記構成の本発明の肉盛溶接装置1は、配管pの縦方向(図4に白抜き矢印で示す紙面上下方向)に往復しながら配管pの表面に肉盛溶接を施す。そして、1本の配管pの溶接が終了すると隣の配管pに移動し、例えば図9にイ、ロ、ハ、ニで示す順に、同様の溶接を繰返し行う(図4の黒塗り矢印参照)。
ちなみに、本発明の肉盛溶接装置1を使用し、下記のパルス条件で、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS309)の溶接ワイヤー(直径1.2mm)で炭素鋼製の配管(STB340)に肉盛溶接を行ったところ、スパッタ、欠陥の少ない、高品質の肉盛溶接が、0〜1%の希釈率で行えた。
(パルス条件)
ピーク電流:350〜500A
ベース電流:30〜80A
周波数:100〜180Hz
溶接速度:10〜30cm/min
ピーク電流:350〜500A
ベース電流:30〜80A
周波数:100〜180Hz
溶接速度:10〜30cm/min
本発明は、上記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇において、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
1 肉盛溶接装置
2a、2b 横行レール
4a、4b 横行台車
5 走行ガイド部材
6 溶接走行台車
7 トーチヘッド
7a 横行ガイド部材
7b 上下部材
7c 円弧移動装置
7d ウィービング装置
7e 溶接トーチ
2a、2b 横行レール
4a、4b 横行台車
5 走行ガイド部材
6 溶接走行台車
7 トーチヘッド
7a 横行ガイド部材
7b 上下部材
7c 円弧移動装置
7d ウィービング装置
7e 溶接トーチ
Claims (3)
- 配管の腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する際に、
前記肉盛溶接する溶接機の溶接トーチに供給する電力を、
直流の場合は、ベース時間をTB、ピーク時間をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とする一方、
交流の場合は、交流1周期中における電極がマイナス側の時間の比率であるEN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とする、
ことを特徴とする肉盛溶接方法。 - 前記配管は炭素鋼であり、溶接トーチの供給する溶接ワイヤーはオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載の肉盛溶接方法。
- 並列配置された配管の腐食減肉箇所及び肉減り箇所の表面を肉盛溶接する装置であって、
前記配管上に取付けられる対をなす2本の横行レールと、
これら対をなす2本の横行レールに案内されて移動する2台の横行台車と、
これら2台の横行台車を連結する走行ガイド部材と、
この走行ガイド部材に案内されて移動する溶接走行台車と、
この溶接走行台車に取付けられたトーチヘッドと、
このトーチヘッドの構成要素である溶接トーチに溶接ワイヤー及び電力を供給する溶接機と、
を有し、
前記トーチヘッドは、
前記横行レールと同じ方向に配置された横行ガイド部材と、
この横行ガイド部材に沿う移動可能に取付けられた上下部材と、
この上下部材に、前記横行ガイド部材と同方向の移動可能に取付けられた円弧移動装置と、
この円弧移動装置に沿う移動可能に取付けられた、前記溶接トーチを備えたウィービング装置とで構成され、
かつ、前記溶接トーチへの電力の供給を、
直流の場合は、ベース電圧をTB、ピーク電圧をTPとした場合に、TB/(TP+TB)が40〜80%で、ベース電流IBが10〜100Aとなるパルス条件とすべく、
一方、交流の場合は、交流1周期中における電極がマイナス側の時間の比率であるEN比が40〜80%で、電極がプラス(EP)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが10A〜100A、電極がマイナス(EN)極性の時の溶接ワイヤーに流れるベース電流IBが−100A〜−10Aとなるパルス条件とすべく、
制御して行うことを特徴とする肉盛溶接装置。
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