JP2013136011A - エネルギー回収チャンバー - Google Patents

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Abstract

【課題】逆浸透膜分離装置から排出される濃縮海水によって海水を昇圧するエネルギー回収チャンバーにおいて、円筒形状のチャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板に加わるチャンバー内圧による荷重がチャンバー本体に作用することがないエネルギー回収チャンバーを提供する。
【解決手段】円筒形状のチャンバー本体21と、チャンバー本体21の両端部にある開口をそれぞれ閉塞し、チャンバー本体21と共に内部に濃縮海水および海水を収容する空間CHを形成する端板22と、空間CHへ濃縮海水の給排水を行う濃縮海水ポートP1と、空間CHへ海水の給排水を行う海水ポートP2と、空間内に延びて端板22間を連結し、空間内の濃縮海水及び/又は海水の圧力によって端板22に加わる荷重を受ける連結棒23とを備え、少なくとも一方の端板22は、荷重によりチャンバー本体21に対して連結棒23の軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、海水から塩分を除去して海水を淡水化する海水淡水化システムおよび該海水淡水化システム(海水淡水化プラント)に好適に用いられるエネルギー回収チャンバーに関するものである。
従来、海水を淡水化するシステムとして、海水を逆浸透膜分離装置に通水して脱塩する海水淡水化システムが知られている。この海水淡水化システムにおいては、取水された海水は、前処理装置により一定水質の条件に整えられたのち、高圧ポンプにより加圧され、逆浸透膜分離装置へと圧送され、逆浸透膜分離装置内の高圧海水の一部は、逆浸透圧力に打ち勝って逆浸透膜を通過し、塩分が除去された淡水として取り出される。その他の海水は、塩分濃度が高くなり濃縮された状態で逆浸透膜分離装置からリジェクト(濃縮海水)として排出される。ここで、海水淡水化システムにおける最大の運用コスト(電力費)は、前処理後の海水を浸透圧に打ち勝てる圧力即ち逆浸透圧まで上昇させるためのエネルギー、つまり高圧ポンプによる加圧エネルギーに大きく依存する。
すなわち、海水淡水化システムにおける最大の運用コストである電力費の半分以上は、高圧ポンプによる加圧に費やされることが多い。従って、逆浸透膜分離装置から排出される高塩分濃度で高圧のリジェクト(濃縮海水)が保有する圧力エネルギーを、海水の一部を昇圧するエネルギーに利用することが行われている。そして、逆浸透膜分離装置から吐出される濃縮海水の圧力エネルギーを海水の一部を昇圧するエネルギーに利用する手段として、円筒の筒内に移動可能に嵌装されたピストンによって円筒の内部を二つの容積室に分離し、2つの分離した空間の一方に濃縮海水の出入りを行う濃縮海水ポートを設け、もう一方に海水の出入りを行う海水ポートを設けたエネルギー回収チャンバーを利用することが行われている。
図13は、従来の海水淡水化システム(例えば特許文献1)の構成例を示す模式図である。図13に示すように、取水ポンプ(図示しない)により取水された海水は、前処理装置により前処理されて所定の水質条件に整えられたのち、海水供給ライン1を介してモータMが直結された高圧ポンプ2へ供給される。高圧ポンプ2で昇圧された海水は吐出ライン3を介して逆浸透膜(RO膜)を備えた逆浸透膜分離装置4に供給される。逆浸透膜分離装置4は、海水を塩分濃度の高い濃縮海水と塩分濃度の低い淡水に分離し海水から淡水を得る。この時、塩分濃度の高い濃縮海水が逆浸透膜分離装置4から排出されるが、この濃縮海水は依然高い圧力を有している。逆浸透膜分離装置4から濃縮海水を排出する濃縮海水ライン5は、制御弁6を介してエネルギー回収チャンバー10の濃縮海水ポートP1へ接続している。前処理された低圧の海水を供給する海水供給ライン1は、高圧ポンプ2の上流で分岐してバルブ7を介してエネルギー回収チャンバー10の海水ポートP2へ接続している。エネルギー回収チャンバー10は、内部にピストン12を備え、ピストン12はエネルギー回収チャンバー10内を二つの容積室に分離しながら移動可能に嵌装されている。
エネルギー回収チャンバー10において濃縮海水の圧力を利用して昇圧された海水は、バルブ7を介してブースターポンプ8に供給される。そして、ブースターポンプ8によって海水は高圧ポンプ2の吐出ライン3と同じレベルの圧力になるようにさらに昇圧され、昇圧された海水はバルブ9を介して高圧ポンプ2の吐出ライン3に合流して逆浸透膜分離装置4に供給される。
特開2009−243368号公報
上述したエネルギー回収チャンバーにおいては、高圧の濃縮海水がチャンバーに流入してチャンバー内の海水を昇圧する。チャンバーの内圧は、海水を吸い込むときは低圧に、濃縮海水で海水を押し出すときは高圧になる。すなわち、チャンバーの内圧は高圧と低圧を繰り返すため、チャンバーは、通常、ステンレス鋼等の金属を用いている。そして、ステンレス鋼の中でも海水腐食に配慮して二相ステンレス鋼と呼ばれる耐海水性に優れたステンレス鋼を用いる場合も多い。
本発明者らは、エネルギー回収チャンバーのコスト低減、軽量化、内径精度向上のために、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastic)の採用を検討する過程で以下の知見を得たものである。
繊維強化プラスチック(FRP: Fiber Reinforced Plastic)は繰り返しの圧力変動には不向きというのが一般的な考えである。それは、積層されている各層に応力変動の繰り返しでクラックが入りやすく、一旦クラックが入るとそこから断層して漏れが発生することが懸念されるからである。また、繊維を織り込むとき、周方向を強化するような角度で繊維が入っているため、軸方向の荷重に弱いという特性がある。FRP製の容器に内圧をかけると、周方向には伸縮は少ないが、軸方向に伸縮する。
代表的なFRPであるガラス繊維強化プラスチックを用いてエネルギー回収チャンバーを製作する場合、図14に示すように溶融樹脂をガラス繊維に含浸させ、マンドレルと呼ばれる円筒金型に角度αで斜めにガラス繊維を巻いていき、その後、折り返すように逆にガラス繊維を巻いていくことで角度αの繊維方向の層を交互に積層して形成される。このとき、軸線に対する角度αは55度程度の角度で巻きつけるため、軸方向成分より周方向成分が大きく周方向に対して強度を持たせるようにしているので軸方向には相対的に弱い構造になっている。
RO膜を用いた海水淡水化システムの濃縮海水は6〜7MPaと高圧であり、エネルギー回収チャンバーの場合、0.1MPaの低圧から6〜7MPaの高圧までの圧力変動を高頻度に繰り返すことになる。通常、エネルギー回収チャンバーは年間数百万回の繰り返し圧力変動を受けるという使用条件である。
より詳しくは、例えばRO膜入口での海水の圧力が6.5MPaとすると、濃縮海水はRO膜モジュールの圧力損失で僅かに圧力が低下した6.4MPa程度の圧力で排出される。エネルギー回収装置内で6.4MPaの濃縮海水を海水に伝達するが、エネルギー回収装置を通過する際にも圧力損失が僅かにあるので6.3MPaの海水がエネルギー回収装置から排出される。エネルギー回収装置から排出される6.3MPaの海水をRO膜入口の圧力6.5MPaに昇圧して高圧ポンプからの海水と合流させるため、ブースターポンプは入口圧力6.3MPaを6.5MPaに昇圧する。この圧力値は一例であるが、RO膜、配管、エネルギー回収装置の僅かな圧力損失をブースターポンプで補って高圧ポンプと合流させる。
FRP製のエネルギー回収チャンバーを製作する場合、FRP製の円筒形状のチャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞するフランジや端板を設け、これらフランジや端板をチャンバー本体の両端部に固定する必要がある。この場合、FRP製のチャンバー本体の両端部にスタッドボルトを埋め込み、両端部の開口をフランジで閉塞し、スタッドボルトにナットを螺合してフランジをチャンバー本体の両端部に固定する方法が考えられる。また、FRP製のチャンバー本体の両端部に端板を設け、これら端板をシアキーと呼ばれる止め金具を用いてチャンバー本体に固定する方法も考えられる。
しかしながら、いずれの方法を用いてフランジや端板をFRP製のチャンバー本体に固定したとしても、チャンバー断面積にチャンバー内圧を乗じた荷重がフランジや端板にかかり、その荷重はスタッドボルトやシアキーにかかる。そして、その荷重はチャンバー本体の軸方向の引張荷重として作用する。
例えば、内径300mmのチャンバーの内圧が7MPaとすると、約500,000N(≒50,000kgf)の力がフランジや端板に作用し、スタッドボルトやシアキーはこの荷重を受ける。エネルギー回収チャンバーの動作は、海水の吸込み時はチャンバー内圧が0.1MPa程度、濃縮海水の押し出し時は6〜7MPaになり、低圧から高圧までの圧力変動を繰り返す。したがって、スタットボルト、シアキーおよびチャンバー本体の軸方向の荷重も圧力変動に応じて荷重変動を繰り返すことになる。この事情は、金属製のチャンバー本体の両端部にある開口をフランジで閉止する場合も同様であり、繰り返し荷重による材料の劣化を抑制するという課題は、チャンバーの本体の材質に関係なく存在する。
特に金属製のチャンバーにおいては、海水や濃縮海水による腐食環境下であるため、繰り返し圧力変動による金属の疲労強度と腐食による強度劣化が複合するので、耐久性の検討がより複雑なものとなる。
本発明者らは、上記知見に基づいて、チャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板に加わるチャンバー内圧による軸方向荷重を受ける手段を着想し、本発明の創案に至ったものである。
すなわち、本発明は、濃縮海水の圧力エネルギーを海水を昇圧するエネルギーに利用するエネルギー回収チャンバーにおいて、円筒形状のチャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板に加わるチャンバー内圧による荷重がチャンバー本体に作用することがなく、またたとえ作用したとしても荷重を飛躍的に軽減できるエネルギー回収チャンバーを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明のエネルギー回収チャンバーは、昇圧された海水を通水して淡水と濃縮海水とに分離する逆浸透膜分離装置から吐出される濃縮海水の圧力エネルギーを海水の昇圧に利用するエネルギー回収チャンバーであって、円筒形状のチャンバー本体と、前記チャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞し、前記チャンバー本体と共に内部に濃縮海水および海水を収容する空間を形成する端板と、前記空間へ濃縮海水の給排水を行う濃縮海水ポートと、前記空間へ海水の給排水を行う海水ポートと、前記空間内に延びて前記端板間を連結し、前記空間内の濃縮海水及び/又は海水の圧力によって前記端板に加わる荷重を受ける連結棒とを備え、前記少なくとも一方の端板は、前記荷重により前記チャンバー本体に対して前記連結棒の軸方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、円筒形状のチャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板の間を連結し、チャンバー内の濃縮海水及び/又は海水の圧力によって前記端板に加わる荷重を受ける連結棒を設けたため、端板に加わるチャンバー内圧による荷重がチャンバー本体に作用することがなく、また、たとえ作用したとしても荷重を飛躍的に軽減できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記チャンバー本体は、繊維強化プラスチック(FRP)からなることを特徴とする。
本発明によれば、連結棒により端板に加わる軸方向の荷重を受けることができるため、チャンバー本体が繊維強化樹脂製のチャンバー本体であっても、チャンバー本体が損傷したり、壊れたりすることがなく、軸方向の繰り返し荷重に配慮した専用設計のチャンバーにする必要がない。
本発明の好ましい態様によれば、前記端板の前記空間側に流体の漏れを防止するシールプレートを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、シールプレートによってチャンバー(空間)内の液体が外部へ漏れることを防止することができる。また、チャンバー外部から空気が混入するのを防止することができる。したがって、チャンバー本体の両端部にある開口を閉塞する端板には、流体のシール機能を持たせる必要がない。
本発明の好ましい態様によれば、前記端板の前記空間とは反対側にシアキーを設けて、前記端板が前記チャンバー本体外にずれないように前記端板の移動を制限したことを特徴とする。
本発明によれば、シアキーによって端板がチャンバー本体の外側にずれないように移動を制限している。すなわち、端板にチャンバー内圧がかからないときは、端板とシアキーとの間には、隙間ができるように構成する。そして、端板にチャンバー内圧がかかった場合、連結棒が引張荷重を受けて幾分延びるため、端板とシアキーとの間の隙間が小さくなるようになっている。すなわち、端板は、連結棒の伸びに応じてチャンバー本体の円筒面に沿って軸心方向に移動できるようになっている。なお、端板とシアキーが当接するような隙間設定にすると、チャンバー内圧により端板に加わる荷重の一部をシアキーが受けることになるが、シアキーには内圧による軸方向荷重すべてがかかることはない。
本発明の好ましい態様によれば、前記端板の一方はフランジを構成し、前記フランジを締結具を介して前記チャンバー本体の端部に固定したことを特徴とする。
本発明によれば、フランジ構造の一方の端板はチャンバー本体に固定されているが、チャンバー内圧による軸方向荷重によって連結棒が伸びる最大の伸び量で他方の端板がシアキーに当接しないように隙間を設定することにより、チャンバー内圧による軸方向の荷重はチャンバー本体にかかることはない。
本発明の好ましい態様によれば、前記連結棒の外周面にゴム又は樹脂のライニングを施すか又は前記連結棒の外周面をゴム製又は樹脂製のカバーで覆うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、ゴムライニング又は樹脂ライニングあるいはゴム製や樹脂製のカバーで連結棒の外周面を覆うようにしているため、連結棒を高価なステンレス材で構成する必要がなく、安価な鋼材等を用いることができる。
本発明のエネルギー回収装置の第1の態様は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー回収チャンバーであって、前記チャンバー本体の長手方向が鉛直に配置されたエネルギー回収チャンバーと、前記空間内の濃縮海水ポート側に水平方向に配置され、前記空間内に流入した濃縮海水を前記空間内の水平方向に整流させる多孔板と、前記空間内の海水ポート側に水平方向に配置され、前記空間内に流入した海水を前記空間内の水平方向に整流させる多孔板とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、濃縮海水ポート側に上下に間隔をおいて水平方向に2枚の多孔板を配置することによって、小径のポートから流入する流れを大径のチャンバー内に均一に流入させるようにする。多孔板でチャンバー内に均一に流入した濃縮海水と海水は、比重の差により上下に分離しようとし、同時にチャンバー断面積で上下方向に一様な流れが形成されるので、濃縮海水と海水の境界部が維持され、全体として濃縮海水と海水の境界部を維持したまま、すなわち濃縮海水と海水の混合を抑制しながら、濃縮海水によって海水を加圧し吐出することができる。海水が上方の海水ポートから多孔板を通ってチャンバー内に流入する場合も同様の整流効果を奏する。
本発明のエネルギー回収装置の第2の態様は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー回収チャンバーと、前記連結棒に貫通されることで前記連結棒に沿って移動可能なピストンとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ピストンの移動を連結棒でガイドすることにより、ピストンとチャンバー本体の内周面との接触をなくすか又は最小限にして、摺動面積(接触面積)を飛躍的に減少させることができる。したがって、従来のピストンを用いたエネルギー回収チャンバーに比較して、摩耗粉の発生量を低減できるとともに摩耗損失を低減できる。また、チャンバー本体の内周面はピストンをガイドする必要がなく、チャンバー本体に高精度の仕上げが不要となる。
本発明の海水淡水化システムは、海水を昇圧する高圧ポンプと、昇圧された海水を通水して淡水と濃縮海水とに分離する逆浸透膜分離装置と、前記逆浸透膜分離装置で淡水と分離された濃縮海水の圧力エネルギーにより海水を昇圧する請求項7または8に記載のエネルギー回収装置と、前記エネルギー回収装置で昇圧された海水を昇圧して前記逆浸透膜分離装置に供給するブースターポンプを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)本発明のエネルギー回収チャンバーによれば、円筒形状のチャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板の間を連結し、チャンバー内の濃縮海水及び/又は海水の圧力によって前記端板に加わる荷重を受ける連結棒を設けたため、端板に加わるチャンバー内圧による荷重がチャンバー本体に作用することがない。また、構造によっては、端板に加わる荷重の一部がチャンバー本体に作用する場合があるが、この場合でもチャンバー本体に加わる荷重を飛躍的に軽減することができる。したがって、チャンバー本体が繊維強化樹脂製であっても、チャンバー内圧により端板に加わる軸方向の荷重によってチャンバー本体が損傷したり、壊れたりすることがなく、軸方向の繰り返し荷重に配慮した専用設計のチャンバーにする必要がない。
(2)チャンバー本体の開口をフランジ構造の端板で閉塞する場合であっても、フランジ構造の端板をチャンバー本体に結合する結合力が低くてもよいので、ボルト(またはスタッドボルト)の数を少なくすることや、ボルト(またはスタッドボルト)のサイズを小さくすることができる。
(3)金属製のチャンバー本体に金属フランジを溶接したチャンバーを使用する場合、溶接部に繰り返し荷重がかからないので、疲労破壊が生じない。
(4)端板をシアキーを用いてチャンバー本体に取り付ける場合、シアキーに繰り返し荷重がかからないようにすることができ、また、たとえシアキーに繰り返し荷重がかかる構造であっても、この繰り返し荷重を飛躍的に低減できるので、信頼性が向上する。
(5)本発明のエネルギー回収チャンバーに多孔板を配置したエネルギー回収装置によれば、チャンバーの下方から濃縮海水を給排水し、上方から海水を給排水することにより、濃縮海水と海水との比重差を利用して濃縮海水と海水を上下に分離しながら2流体の接触する境界部での混合を抑制しながら、高圧の濃縮海水から海水へ圧力伝達を行うことができる。
(6)本発明のエネルギー回収チャンバーにピストンを配置したエネルギー回収装置によれば、ピストンを連結棒でガイドすることにより、ピストンとチャンバー本体の内周面との接触をなくすか又は最小限にして、摺動面積(接触面積)を飛躍的に減少させることができる。したがって、従来のピストンを用いたエネルギー回収チャンバーに比較して、摩耗粉の発生量を低減できるとともに摩耗損失を低減できる。また、チャンバー本体の内周面はピストンをガイドする必要がなく、高精度の仕上げが不要となる。
図1は、本発明のエネルギー回収チャンバーが用いられる海水淡水化システムの構成例を示す模式図である。 図2は、本発明のエネルギー回収チャンバーの実施形態を示す断面図である。 図3(a),(b),(c)は図2のIII部を拡大した拡大断面図であり、シアキーの詳細構造を示す図である。 図4は、本発明のエネルギー回収チャンバーの他の実施形態を示す断面図である。 図5は、本発明のエネルギー回収チャンバーの更に他の実施形態を示す断面図である。 図6は、本発明のエネルギー回収チャンバーの更に他の実施形態を示す断面図である。 図7は、本発明のエネルギー回収チャンバーの更に他の実施形態を示す断面図である。 図8は、図2に示すエネルギー回収チャンバーに多孔板を配置したエネルギー回収装置を示す断面図である。 図9は、多孔板を示す平面図である。 図10は、多孔板の固定方法を示す図であり、図8の要部拡大図である。 図11は多孔板と支柱の取り付け部の詳細を示す断面図である。 図12は、図2に示すエネルギー回収チャンバーにピストンを配置したエネルギー回収装置を示す断面図である。 図13は、従来の海水淡水化システムの構成例を示す模式図である。 図14は、繊維強化プラスチックを用いてエネルギー回収チャンバーを製作する場合を示す模式図である。
以下、本発明に係るエネルギー回収チャンバーの実施形態について図1乃至図12を参照して説明する。なお、図1乃至図12において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明のエネルギー回収チャンバーが用いられる海水淡水化システムの構成例を示す模式図である。図1に示すように、取水ポンプ(図示しない)により取水された海水は、前処理装置により前処理されて所定の水質条件に整えられたのち、海水供給ライン1を介してモータMが直結された高圧ポンプ2へ供給される。高圧ポンプ2で昇圧された海水は吐出ライン3を介して逆浸透膜(RO膜)を備えた逆浸透膜分離装置4に供給される。逆浸透膜分離装置4は、海水を塩分濃度の高い濃縮海水と塩分濃度の低い淡水に分離し海水から淡水を得る。この時、塩分濃度の高い濃縮海水が逆浸透膜分離装置4から排出されるが、この濃縮海水は依然高い圧力を有している。逆浸透膜分離装置4から濃縮海水を排出する濃縮海水ライン5は、制御弁6を介してエネルギー回収チャンバー20の濃縮海水ポートP1へ接続している。前処理された低圧の海水を供給する海水供給ライン1は、高圧ポンプ2の上流で分岐してバルブ7を介してエネルギー回収チャンバー20の海水ポートP2へ接続している。エネルギー回収チャンバー20は、濃縮海水と海水の境界部によって二流体を分離しながらエネルギー伝達を行うものである。
エネルギー回収チャンバー20において濃縮海水の圧力を利用して昇圧された海水は、バルブ7を介してブースターポンプ8に供給される。そして、ブースターポンプ8によって海水は高圧ポンプ2の吐出ライン3と同じレベルの圧力になるようにさらに昇圧され、昇圧された海水はバルブ9を介して高圧ポンプ2の吐出ライン3に合流して逆浸透膜分離装置4に供給される。一方、海水を昇圧してエネルギーを失った濃縮海水は、エネルギー回収チャンバー20から制御弁6を介して濃縮海水排出ライン17に排出される。
図2は、本発明のエネルギー回収チャンバー20の実施形態を示す断面図である。図2に示すように、エネルギー回収チャンバー20は、繊維強化プラスチック(FRP)からなる円筒形状のチャンバー本体21と、チャンバー本体21の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板22,22を備えている。チャンバー本体21と端板22,22とにより、内部にチャンバー(空間)CHが形成されている。チャンバー本体21の一端側には、チャンバーCHへ濃縮海水の給排水を行う濃縮海水ポートP1が形成され、チャンバー本体21の他端側には、チャンバーCHへ海水の給排水を行う海水ポートP2が形成されている。チャンバー本体21には、両端部の外径が中央部より大きな大径部21aが形成されている。
前記2つの端板22,22は、チャンバー本体21内を延びる連結棒23によって連結されている。連結棒23は円筒形状のチャンバー本体21の軸心に配置されている。連結棒23の両端部にはネジ部23s,23sが形成されており、これらネジ部23s,23sに端板22,22が螺合され、これら端板22,22の外端面側にはロックナット24,24が設けられている。これにより、前記2つの端板22,22と連結棒23とは一体に連結される。連結棒23は、濃縮海水や海水と接触するため、二相ステンレス鋼などの耐海水性に優れた金属で構成されている。なお、端板22における連結棒23との連結部でない箇所にポートP1,P2を設けるようにしてもよい。
前記2つの端板22,22のチャンバー側には、チャンバーCH内の濃縮海水や海水の漏れを防止するシールプレート25,25が設けられている。すなわち、各シールプレート25はリング状をなし、シールプレート25の外径側はチャンバー本体21の内径側と密接し、シールプレート25の内径側は連結棒23の外径側と密接し、チャンバーCH内の濃縮海水や海水が外部に漏れることを防止している。さらに、シールプレート25,25を設けることによってチャンバー外部から空気が混入することを防止することができる。また、前記2つの端板22,22の外側には、シアキー26,26が設けられており、端板22,22がチャンバー本体21の外部へ移動することを制限している。本実施形態のシアキーとしては、例えば、C型止め輪を用いることができる。連結棒23の径、連結棒23と端板22との固定部であるネジ部23sおよびロックナット24は、チャンバーへ導入する流体の圧力に応じた荷重を受けるのに十分な強度の構成とする。
エネルギー回収チャンバー20を図2に示すように構成することにより、チャンバー本体21の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板22,22に加わるチャンバー内圧による軸方向荷重を連結棒23で受けることができるので、シアキー26やチャンバー本体21に軸方向荷重がかからないようにすることができる。連結棒23はチャンバー本体21の軸心に配置しなくてもよく、また連結棒23を複数個配置してもよい。チャンバー内圧を受けて端板22が外側へ押し出される荷重を連結棒23で保持しているので、シアキー26は端板22がチャンバー外へずれないように移動を制限しているだけとなる。
図3(a),(b),(c)は図2のIII部を拡大した拡大断面図であり、シアキー26の詳細構造を示す図である。図3(a)に示すように、チャンバー本体21の大径部21aの内径側には、リング状の溝付き金具27が嵌合されており、溝付き金具27の溝内に止め輪からなるキーリング28が配置されており、溝付き金具27とキーリング28とによりシアキー26が構成されている。図3(a)に示すように、端板22にチャンバー内圧がかからないときは、端板22とシアキー26のキーリング28との間には、隙間ができるように構成する。そして、端板22にチャンバー内圧がかかった場合、図3(b)に示すように、連結棒23が引張荷重を受けて幾分延びるため、端板22とキーリング28との間の隙間を小さくする。すなわち、端板22とシールプレート25は、連結棒23の伸びに応じてチャンバー本体21の円筒面に沿って軸心方向に移動できるようになっている。図2に示す構成においては、チャンバーの左右の端板22,22とシールプレート25,25がいずれもチャンバー本体21の円筒面に沿って軸心方向に移動できるようになっている。チャンバー内圧によって端板22に所定の圧力がかかったときに、図3(c)に示すように、端板22とシアキー26のキーリング28が当接するような隙間設定にすると、チャンバー内圧により端板22に加わる荷重の一部をシアキー26が受けることになるが、シアキー26には内圧による軸方向荷重すべてがかかることはない。
図4は、本発明のエネルギー回収チャンバー20の他の実施形態を示す断面図である。図4に示すように、円筒形状のチャンバー本体21の両端部にある端板の一方をフランジ構造の端板22Fとし、他方をシアキー26で移動が制限される端板22としている。すなわち、チャンバー本体21の大径部21aにスタッドボルト31を埋め込み、スタッドボルト31をフランジ構造の端板22Fから突出するように設け、このスタッドボルト31にナット32を締め込むことにより、チャンバー本体21の端面に端板22Fを固定する。そして、他方の端板22は、図2に示すものと同様に、シアキー26により端板22がチャンバー外へずれないように移動を制限している。図4に示すエネルギー回収チャンバー20のその他の構成は、図2に示すエネルギー回収チャンバー20と同様である。
図4に示すように構成すると、フランジ構造の一方の端板22Fはチャンバー本体21に固定されているが、チャンバー内圧による軸方向荷重によって連結棒23が伸びる最大の伸び量で他方の端板22がシアキー26に当接しないように隙間(図3(a)参照)が設定されているため、チャンバー内圧による軸方向の荷重がチャンバー本体21にかかることはない。
図5は、本発明のエネルギー回収チャンバー20の他の実施形態を示す断面図である。図5に示すように、ポートP1はフランジ構造の端板22Fに配置されている。フランジ構造の端板22Fをステンレスなどの耐腐食性を有する金属により構成し、ポートも同様にステンレスなどの金属により構成してフランジ構造の端板22FとポートP1を溶接して一体化している。フランジ構造の端板をステンレスとしたためシールプレートが不要となり、通常のガスケットやOリングなどのフランジシール22sをつけてチャンバーを水密に保つようになっている。
図6は、本発明のエネルギー回収チャンバー20の更に他の実施形態を示す断面図である。図6に示すように、2つの端板22,22を連結する連結棒23の外周面には、ゴムライニング又は樹脂ライニングLIが施されている。なお、ゴムライニング又は樹脂ライニングに代えて、ゴム製や樹脂製のカバーで連結棒23の外周面を覆うようにしてもよい。図6に示すように構成することにより、連結棒23を高価なステンレス材で構成する必要がなく、安価な鋼材等を用いることができる。ライニングやカバーと金属製の連結棒23は圧力変動に伴って僅かに伸縮するので、ライニングやカバーのゴムには、例えば、シリコンゴムやエチレンプロピレンゴム(EPDM)を用い、ライニングやカバーの樹脂には、例えば、ABS樹脂や塩化ビニル樹脂を用いるようにし、用途に適した材質、弾性、耐久性を得るように構成するとよい。
図7は、本発明のエネルギー回収チャンバー20の他の実施形態を示す断面図である。図7に示すように、エネルギー回収チャンバー20は、繊維強化プラスチック(FRP)からなる円筒形状のチャンバー本体21と、チャンバー本体21の両端部にある開口をそれぞれ閉塞する端板22,22を備えている。チャンバー本体21と端板22,22とにより、内部にチャンバーCHが形成されている。チャンバー本体21の一端側には、チャンバーCHへ濃縮海水の給排水を行う濃縮海水ポートP1が形成され、チャンバー本体21の他端側には、チャンバーCHへ海水の給排水を行う海水ポートP2が形成されている。チャンバー本体21には、両端部の外径が中央部より大きな大径部21aが形成されている。
前記2つの端板22,22は、チャンバー本体21内を延びる連結棒23によって連結されている。連結棒23は円筒形状のチャンバー本体21の軸心に配置されている。連結棒23の両端部にはネジ部23s,23sが形成されており、これらネジ部23s,23sに端板22,22が螺合され、これら端板22,22の外端面側にはロックナット24,24が設けられている。これにより、前記2つの端板22,22と連結棒23とは一体に連結される。連結棒23は、濃縮海水や海水と接触するため、二相ステンレス鋼などの耐海水性に優れた金属で構成されている。なお、端板22における連結棒23との連結部でない箇所にポートP1,P2を設けるようにしてもよい。
前記2つの端板22,22のチャンバー側には、チャンバーCH内の濃縮海水や海水の漏れを防止するシールプレート25,25が設けられている。すなわち、各シールプレート25はリング状をなし、シールプレート25の外径側はチャンバー本体21の内径側と密接し、シールプレート25の内径側は連結棒23の外径側と密接し、チャンバーCH内の濃縮海水や海水が外部に漏れることを防止している。さらに、シールプレート25,25を設けることによってチャンバー外部から空気が混入することを防止することができる。
チャンバー本体21の両端部近傍の内径部には、中心側の内径dに対して、両端側の内径Dが大きくなるように段部が形成されている。前記2つの端板22,22の外径部は、外側が大径部22lで、チャンバー側(内側)が小径部となる段部を有する形状となっている。端板22,22の外径部における段部とチャンバー本体21の内径部に形成された段部との間には所定の隙間が設けられており、少なくとも一方の端板22が前記連結棒23の軸方向に移動可能になっている。そして、両端の端板22,22の外径部に形成された段部とチャンバー本体21の内径部に形成された段部のいずれかが係合部Eにおいて係合することによって、端板22がチャンバー内径部から外へ出ないように移動を規制している。
チャンバー内圧を受けて端板22が外側へ押し出される荷重を連結棒23で保持しているので、チャンバー本体21と端板22の段部は、端板22がチャンバー外へずれないように移動を制限しているだけとなる。
図2乃至図7に示す本発明に係るエネルギー回収チャンバーは、チャンバーの内圧によって端板22が受ける軸方向荷重を連結棒23で受けるようにし、軸方向荷重をFRP製のチャンバー本体21が受けないようにするものであるが、すべての軸方向荷重を連結棒23で受けるように構成してもよいし、連結棒23とチャンバー本体21の両方で軸方向荷重を分散して受けるように構成することも可能である。また、チャンバー本体21をFRPによって構成した例を説明したが、チャンバー本体21を金属製のものとしてもよい。チャンバー本体21が金属製の場合には、チャンバー本体21の一端部に金属フランジを溶接して、フランジ構造の端板をボルト・ナットで金属フランジに固定してもよい。このように金属製のチャンバー本体21の場合でも、端板22が受ける軸方向荷重の一部を連結棒23が受けるので、溶接部に加わる繰り返し荷重を低減でき、疲労破壊が生じない。そして、チャンバーに取り付けるボルトの数を少なくすることができ、ボルトのサイズも小さくすることができる。
次に、図2乃至図7に示す本発明のエネルギー回収チャンバー20が適用されるエネルギー回収装置について説明する。
図8は、図2に示すエネルギー回収チャンバー20に多孔板40,40を配置したエネルギー回収装置を示す断面図である。本実施形態においては、図8に示すように、エネルギー交換チャンバー20は縦置きに設置されている。すなわち、長尺の円筒形状のチャンバー本体21は、チャンバーの長手方向が垂直方向に配置されており、濃縮海水ポートP1はチャンバーCHの下側で濃縮海水を給排水するようにチャンバーCHの下側に設けられ、海水ポートP2はチャンバーCHの上側で海水を給排水するようにチャンバーCHの上側に設けられている。チャンバー本体21内には、濃縮海水ポートP1および海水ポートP2の近傍に流体の整流を行う多孔板40,40が2枚ずつ配置されている。多孔板40,40はポートP1,P2から所定の距離離間して配置されている。
図9は、多孔板40を示す平面図である。図9に示すように、多孔板40は円形状の平板に小径の孔hが均等間隔で多数形成された、いわゆるパンチングプレートからなり、中心部に連結棒23が貫通する貫通孔THが形成されている。
図10は、多孔板40の固定方法を示す図であり、図8の要部拡大図である。図10に示すように、多孔板40はシールプレート25に複数の支柱41で固定するように構成する。
図11は多孔板40と支柱41の取り付け部の詳細を示す断面図である。図11に示すように、支柱41は片側がメネジ、片側がオネジになっている。シールプレート25にはメネジが形成され、シールプレート25の円周方向で3箇所に支柱41を固定し(図10参照)、図11に示すように、多孔板40の孔hを通して一方の支柱41のオネジを他方の支柱41のメネジにねじ込んで上下の支柱41,41により多孔板40を挟持する。図10に示すように、2枚目の多孔板40は通常の止めネジ43を多孔板41の孔hを通して支柱41のメネジにねじ込んで支柱41を固定する。
このように、2枚ずつの多孔板40を配置することによって、小径のポートP1,P2から流入する濃縮海水、海水の流れを大径のチャンバーCH内に均一に流入させるようにする。
ここで、均一な流れとはチャンバーCH内のある水平断面での流れ速度と方向が一様であることを意味する。すなわち、図8におけるチャンバーCH内における縦方向の任意の水平断面での流れが図示した矢印の長さを流速、向きを流れ方向とすると、いずれの矢印も同じ長さで同じ向きであることを意味する。この流れはチャンバーCH内に配置した多孔板40の空孔率とポートP1,P2からの2枚の多孔板40の配置位置により調整可能であり、解析などにより最適な寸法、配置位置を決定する。
多孔板40でチャンバーCH内に均一に流入した濃縮海水と海水は、比重の差により上下に分離しようとし、同時にチャンバー断面積で上下方向に一様な流れが形成されるので、濃縮海水と海水の境界部Iが維持され、全体として濃縮海水と海水の境界部Iを維持したまま、すなわち濃縮海水と海水の混合を抑制しながら、濃縮海水によって海水を加圧し吐出することができる。海水が上方の海水ポートP2から多孔板40を通ってチャンバー内に流入する場合も同様の整流効果を奏する。
図12は、図2に示すエネルギー回収チャンバー20にピストンを配置したエネルギー回収装置を示す断面図である。本エネルギー回収装置は、図13に示す従来技術と同様にピストンで濃縮海水と海水を分離して海水の押し引きをする形式のエネルギー回収装置である。図12に示すエネルギー回収チャンバーはその長手方向を水平方向に配置しているが、必ずしも水平方向に限られない。図12に示すように、チャンバーCH内には、連結棒23に沿って移動するピストン50が配置されている。ピストン50には連結棒23との摺動部にガイド部材51が設けられている。ガイド部材51は移動時の摩擦を低減し、連結棒23との摺動摩擦に対して耐久性がある樹脂等からなり、ピストン内周に設けられている。
図12に示す実施形態のチャンバーはチャンバーの側面から濃縮海水、海水を給排水する形式のものであるため、ピストン50がポートP1,P2を通過してしまわないように連結棒23にはストッパー52,52が設けられている。したがって、図12の破線で示したピストン50が濃縮海水ポート側に最大に移動しても、ピストン50がストッパー52で止まり、濃縮海水ポートP1から左には行かないように移動を制限している。ストッパー52は、連結棒23にピストン50を通した後に連結棒23より径が大きなリング状の部材を連結棒23に取り付けることにより構成する。ストッパー52は海水ポート側にも同様に設け、ピストン50は両ストッパー52,52の間を濃縮海水と海水の給排水に応じて軸方向に往復移動し、ピストンで仕切られた一方の流体をもう一方の流体で排出するように動作する。これによって、濃縮海水によって海水を加圧し吐出することができる。
図12に示すエネルギー回収装置によれば、ピストン50を連結棒23でガイドすることにより、ピストン50とチャンバー本体21の内周面との接触をなくすか又は最小限にして、摺動面積(接触面積)を飛躍的に減少させることができる。したがって、従来のピストンを用いたエネルギー回収チャンバーに比較して、摩耗粉の発生量を低減できるとともに摩耗損失を低減できる。また、チャンバー本体21の内周面はピストン50をガイドする必要がなく、チャンバー本体21に高精度の仕上げが不要となる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもなく、例えば、エネルギー回収チャンバーの形態等は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 海水供給ライン
2 高圧ポンプ
3 吐出ライン
4 逆浸透膜分離装置
5 濃縮海水ライン
6 制御弁
7 バルブ
8 ブースターポンプ
17 濃縮海水排出ライン
20 エネルギー回収チャンバー
21 チャンバー本体
21a 大径部
22 端板
22s フランジシール
22F フランジ形状の端板
22l 端板の大径部
23 連結棒
23s ネジ部
24 ロックナット
25 シールプレート
26 シアキー
27 溝付き金具
28 キーリング
31 スタッドボルト
32 ナット
40 多孔板
41 支柱
43 止めネジ
50 ピストン
51 ガイド部材
52 ストッパー
CH チャンバー(空間)
P1,P2 海水ポート
TH 貫通孔

Claims (9)

  1. 昇圧された海水を通水して淡水と濃縮海水とに分離する逆浸透膜分離装置から吐出される濃縮海水の圧力エネルギーを海水の昇圧に利用するエネルギー回収チャンバーであって、
    円筒形状のチャンバー本体と、
    前記チャンバー本体の両端部にある開口をそれぞれ閉塞し、前記チャンバー本体と共に内部に濃縮海水および海水を収容する空間を形成する端板と、
    前記空間へ濃縮海水の給排水を行う濃縮海水ポートと、
    前記空間へ海水の給排水を行う海水ポートと、
    前記空間内に延びて前記端板間を連結し、前記空間内の濃縮海水及び/又は海水の圧力によって前記端板に加わる荷重を受ける連結棒とを備え、
    前記少なくとも一方の端板は、前記荷重により前記チャンバー本体に対して前記連結棒の軸方向に移動可能であることを特徴とするエネルギー回収チャンバー。
  2. 前記チャンバー本体は、繊維強化プラスチック(FRP)からなることを特徴とする請求項1記載のエネルギー回収チャンバー。
  3. 前記端板の前記空間側に流体の漏れを防止するシールプレートを設けたことを特徴とする請求項1記載のエネルギー回収チャンバー。
  4. 前記端板の前記空間とは反対側にシアキーを設けて、前記端板が前記チャンバー本体外にずれないように前記端板の移動を制限したことを特徴とする請求項1記載のエネルギー回収チャンバー。
  5. 前記端板の一方はフランジを構成し、前記フランジを締結具を介して前記チャンバー本体の端部に固定したことを特徴とする請求項1記載のエネルギー回収チャンバー。
  6. 前記連結棒の外周面にゴム又は樹脂のライニングを施すか又は前記連結棒の外周面をゴム製又は樹脂製のカバーで覆うようにしたことを特徴とする請求項1記載のエネルギー回収チャンバー。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー回収チャンバーであって、前記チャンバー本体の長手方向が鉛直に配置されたエネルギー回収チャンバーと、
    前記空間内の濃縮海水ポート側に水平方向に配置され、前記空間内に流入した濃縮海水を前記空間内の水平方向に整流させる多孔板と、
    前記空間内の海水ポート側に水平方向に配置され、前記空間内に流入した海水を前記空間内の水平方向に整流させる多孔板とを備えたことを特徴とするエネルギー回収装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー回収チャンバーと、
    前記連結棒に貫通されることで前記連結棒に沿って移動可能なピストンとを備えたことを特徴とするエネルギー回収装置。
  9. 海水を昇圧する高圧ポンプと、
    昇圧された海水を通水して淡水と濃縮海水とに分離する逆浸透膜分離装置と、
    前記逆浸透膜分離装置で淡水と分離された濃縮海水の圧力エネルギーにより海水を昇圧する請求項7または8に記載のエネルギー回収装置と、
    前記エネルギー回収装置で昇圧された海水を昇圧して前記逆浸透膜分離装置に供給するブースターポンプを備えたことを特徴とする海水淡水化システム。
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