以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、特別図柄表示装置212と、普通図柄保留ランプ216と、特別図柄保留ランプ218と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置212は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。この特図表示装置212は、図柄表示手段あるいは報知手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、特図表示装置212に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
なお、普図表示装置210および特図表示装置212(図柄表示装置)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(演出表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、この実施形態では、普図表示装置210および特図表示装置212は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図保留ランプ218は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。図3に示す普図始動口228は普通始動領域の一例に相当する。
第1特図始動口230(テーブル5)は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第1の特別始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、特別始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
第2特図始動口232は、本実施形態では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設された第2の特別始動領域である。第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた態様は入賞容易な開閉態様である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する可変始動領域である。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさと同じ程度の大きさである。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。この入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置212が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面のステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は、演出表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、特図表示装置212の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図保留ランプ218、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置212、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである始動口センサが検出したことを条件として特図変動遊技が開始される。特図変動遊技が開始されると、特図表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図の変動開始前に決定した図柄変動表示時間が経過すると、特図表示装置212は特図の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図の変動表示」を開始してから特図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称することがある。この図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)は本実施形態における特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
この図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図H」までの8種類の特図が示されている。この図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、大当り図柄は「特図A」から「特図H」までの8種類が用意されている。「特図A」の大当り図柄1は確変付き電サポ付きの大当り図柄であり、この図柄が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」の大当り図柄2は確変無し電サポ付きの大当り図柄であり、この図柄が停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図C」の大当り図柄3は確変付き電サポ無しの大当り図柄であり、この図柄が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。
特図表示装置212に、大当り図柄1又は3が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで確変状態(特図高確率状態)が維持される。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、確変付き大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。確変付き大当りと確変無し大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(確変付き)か低い(確変無し)かの違いである。この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、確変付き大当り(特図A,特図C)に当選した場合には、次に大当りするまで特図高確率状態が維持され、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行する。特図低確率状態は第1の確率状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがあり、大当り遊技終了後に特図高確率状態へ移行する大当りは確変付きと称し、大当り遊技終了後に特図高確率状態へ移行しない大当り、すなわち特図低確率状態のままである大当りは確変無しと称する。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率状態の移行は主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、確率状態移行手段の一例に相当する。
また、電サポ付きの大当り遊技終了後は電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/100であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/100に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、大当り図柄1が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、大当り図柄2が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。すなわち、特図高確率普図高確率状態では、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持されるが、特図低確率普図高確率状態では、特図変動遊技が100回行われる間しか電サポ状態が維持されない。一方、電サポ無しの大当り(特図C,特図D)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。
「特図D」の大当り図柄4はともに確変無し電サポ無しの大当り図柄であり、この図柄が停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
これらの「特図A」〜「特図D」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる停止図柄態様である。
「特図A」〜「特図D」いずれの大当りも所定ラウンド数(ここでは15ラウンド)の大当り遊技が行われるものである。ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数の最大値を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が最大で15回続くことを意味する。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。
また、「特図A」〜「特図D」いずれの大当りも、大当り図柄停止表示後、制御状態を表す遊技状態示唆演出がすぐに表示されることはなく、所定の期待演出が表示されるため、大当り図柄による大当り種別を攻略本等で確認していない遊技者にとっては、大当り遊技終了後の制御状態が、特図高確率状態なのか特図低確率状態なのかは分からない。すなわち、従来のパチンコ機には、確変付き大当りの大当り図柄が停止表示されると、大当り遊技中に確変状態へ移行することを告知したり、あるいは大当り遊技終了直後(例えば、大当り遊技終了後から最初の図柄変動停止表示が終了するまでの間、あるいは大当り遊技終了後から所定回数の図柄変動停止表示が行われるまでの間)に確変状態に移行したことを告知するものがある。この告知は様々な演出によってなされ、例えば、装飾図柄表示装置208で告知が行われる場合には、表示されるキャラクタによって「確変確定」といった告知がなされる。しかしながら、本実施形態のパチンコ機200では、確変付き大当りの大当り図柄(大当り図柄1,3)が停止表示されても、大当り遊技中に確変状態へ移行することが告知されたり、あるいは大当り遊技終了後や大当り遊技終了直後(例えば、大当り遊技終了後から最初の図柄変動停止表示が終了するまでの間、あるいは大当り遊技終了後から所定回数の図柄変動停止表示が行われるまでの間)に確変状態に移行したことが一切告知されない。遊技者は、電サポ付きか電サポ無しかについては、電チューの開放状況、すなわち電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなどによって電サポ状態か否かを判断することは可能であるが、確変状態に移行したか否かについては、大当り図柄による大当り種別を攻略本等で確認していなければ分からない。
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄1(特図E)も用意されている。この小当り図柄1が停止表示されると、その後、装飾図柄表示装置208には、所定の期待演出が表示された後、制御状態を表す遊技状態示唆演出が表示される。
また、本実施形態では、ハズレ図柄として3種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Fはハズレ図柄1であり、特図Gはハズレ図柄2であり、特図Hはハズレ図柄3である。小当り図柄1やいずれのハズレ図柄も、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる停止図柄態様である。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の大当り制御状態と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度の非大当り制御状態(小当り制御状態,ハズレ制御状態:第1の制御状態)とが用意されており、これらの制御状態の移行も主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、制御状態移行手段の一例にも相当する。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
特図表示装置212は、当否判定結果(抽選結果)を報知する図柄表示手段に相当する。この図柄表示手段である特図表示装置212による図柄の変動表示の開始から停止表示までの間を図柄変動停止表示と称する。
図5(b)は本実施形態における装飾図柄の一例を示したものである。
4種類の大当り図柄のうち、電サポ付きの大当り図柄である「特図A」および「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾5−装飾5−装飾5」等)を停止表示する。また、それ以外の大当り図柄である「特図C」または「特図D」や小当り図柄1である「特図E」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。さらに、ハズレ図柄1〜3である「特図F」〜「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”および“装飾図柄の組合せ2”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御部300のRAM308には、特図決定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特図決定用乱数カウンタ、およびタイマ番号決定用乱数カウンタの各カウンタが設けられている。また、そのRAM308には、保留数、大当り判定用乱数値、特図決定用乱数値、当否判定結果、特図決定結果、および特図タイマ決定結果それぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が用意されている。この特図の保留記憶部には、後述するように、大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の2つの乱数値を1セットにしてこれら2つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6(a)に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、まず、初期設定1として、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、およびWDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。次に、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する(以下、この処理をWDT処理と称する)。WDT処理に続いて、ステップS101の初期化処理では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源管理部660が主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはWDT処理に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)には初期設定2を行う。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
次いで、ステップS103では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。ここでの基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図決定用乱数カウンタそれぞれの初期値を生成するための2つの初期値生成用カウンタを更新する。この基本乱数初期値更新処理の終了後にステップS105に進む。
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。主制御部300のRAM308には、タイマ番号決定用乱数カウンタが設けられており、これらのカウンタはいずれも、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数値を生成する。ステップS105では、このカウンタの値を更新する。この演出乱数更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS103に戻る。
主制御部300は、所定の周期(例えば4ms)ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS103およびS105の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。図6(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。なお、このタイマ割込処理スタート時には、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避したり、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行ったりする。
まず、ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約1ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、このステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、このステップS201では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
基本乱数初期値更新処理(ステップS203)では、特図決定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、続く基本乱数更新処理(ステップS205)では、特図決定用乱数カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、特図決定用乱数カウンタが1周するごとに、その生成用カウンタの値を、特図決定用乱数カウンタにセットする。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、第2特図始動口232における羽根部材2321や可変入賞口234における扉部材2341の開放時間、それらの閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
入賞判定処理(ステップS209)では、まず、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
続いて、この入賞判定処理では、第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合に、所定の始動情報を記憶する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、大当り判定用乱数値、および特図決定用乱数値を記憶する。大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、特図決定用乱数値は、RAM308に設けられた特図決定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられた特図決定用乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報導出手段の一例に相当する。各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図の保留記憶部は、第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の上限数(ここでは4個)まで記憶可能な始動情報記憶手段の一例に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を始動情報記憶手段としてもよいし、特図の保留記憶部および一時領域を始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図の保留数の値に1を加算し、特図の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に、始動情報である普図当選乱数値として記憶する。また、この入賞判定処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234への入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234への入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば、それらの始動情報を記憶せずに、ステップS211に進む。
ステップS211では普図関連処理が行われる。この普図関連処理では、まず、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図関連処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、ここでの普図関連処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、遊技球が普図始動口228に進入したことを条件に、第2特図始動口232の大きさを小サイズ(第1の大きさ)から、大サイズ(第2の大きさ)に変化させる可変始動領域制御を行う。主制御部300のCPU304は、可変始動領域制御手段の一例に相当する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図関連処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、以上説明したステップS211の普図関連処理に続いて特図関連処理(ステップS213)を行う。この特図関連処理ではまず、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動表示の途中(上述の特図表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置212を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図表示装置212は特図の変動表示(特図変動遊技)を行う。
また、主制御部300のRAM308には、特図表示装置212によって停止表示されることになる図柄(停止図柄態様)を表す情報である特図決定結果が記憶されている。特図の図柄変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、この特図決定結果が記憶されている領域を参照し、その特図決定結果が表す停止図柄態様になるように、特図表示装置212を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図表示装置212は、図5(a)に示す複数の停止図柄態様のうちいずれか一つの図柄の確定表示を行う。したがって、特図表示装置212は、特図の当否判定結果が当りであることに基づいて大当り図柄(第1の図柄態様)を停止表示し、その当否判定結果がハズレであることに基づいてハズレ図柄(第2の図柄態様)を停止表示するように構成されている。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図が所定期間停止表示され、特図変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り制御状態中(第2の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第1の進入率制御状態)にする。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶して処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には大当りフラグが用意されている。特図変動遊技の結果が大当りであれば、特図変動遊技の開始時に大当りフラグがオンされている。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)図3に示す可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材2341の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り制御状態中(第2の制御状態中)に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御、すなわち可変入賞口234を一又は複数回作動させる変化制御を行う制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のRAM308には時短フラグの他に確変フラグも用意されており、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が大当り図柄1又は3である場合には確変フラグをオンに設定し、特図決定結果が大当り図柄1又は2である場合には時短フラグもオンに設定する。なお、特図決定結果が大当り図柄2である場合には、時短フラグもオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確率フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確率フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確率変動フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど上記可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、上記可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、上記可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。さらに、主制御部300のRAM308にはハズレフラグも用意されている。特図変動遊技の結果がハズレであれば、このハズレフラグがオンされる。ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。特図非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300が、当否判定手段の一例に相当する。この特図関連抽選処理では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。ここでは、特図表示装置212が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割り込み処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図の保留記憶部を参照し、特図変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割り込み処理に戻り、1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報すなわち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を保留記憶部から取り出し、さらに保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の保留記憶部から1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300が、始動情報取得手段の一例に相当する。
図7(a)は、特図関連抽選処理で用いられる当否決定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、特図関連抽選処理で用いられる特図決定用テーブルを示す図である。これらのテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態のパチンコ機100では、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の制御状態にある。上述のごとく、主制御部300のRAM308には、確変フラグが用意されており、この確率フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、確率フラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
図7(a)に示す当否決定用テーブルには、特図高確率状態と特図低確率状態とに分けて乱数範囲が規定されている。主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から、始動情報すわなち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値)を取り出すと、まず、大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。すなわち、RAM308に用意された確変フラグを参照し、特図低確率状態の場合には、取得した大当り判定用乱数値が、1000〜1217であるときには、特図の当否判定結果は「大当り」と判定し、3000〜4092であるときには、特図の当否判定結果は「小当り」と判定し、それ以外(0〜999,1218〜2999,4093〜65535)であるときには、当否判定結果は「ハズレ」と判定する。また、確変フラグを参照し、特図高確率状態の場合には、取得した大当り判定用乱数値が、1000〜2638であるときには、特図の当否判定結果は「大当り」と判定し、3000〜4092であるときには、特図の当否判定結果は「小当り」と判定し、それ以外(0〜999,2639〜2999,4093〜65535)であるときには、当否判定結果は「ハズレ」と判定する。したがって、大当りの当選確率は、特図低確率状態では約1/300であるのに対して、特図高確率状態では1/40である。このように、主制御部300のCPU304は、非当り制御状態(第1の制御状態)中に、特図低確率状態(第1の確率状態)あるいは特図高確率状態(第2の確率状態)に基づいて当否判定を行う。大当りの判定結果は、本発明にいう第1の当否判定結果の一例に相当し、小当りおよび/またはハズレの判定結果は、本発明にいう第2の当否判定結果の一例に相当する。
当否判定結果が「大当り」の場合には、主制御部300のCPU304は、特図決定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が図7(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。同図(b)に示す特図決定用テーブルには、特図決定結果として、図5(a)に示す、確変付きおよび電サポ付き大当り図柄1(特図A)、確変無しおよび電サポ付きの大当り図柄2(特図B)、確変付きおよび電サポ無しの大当り図柄3(特図C)、ならびに確変無しおよび電サポ無しの大当り図柄4(特図D)それぞれに対応した乱数範囲が規定されている。特図決定用乱数値が、0〜49であるときには特図決定結果を「大当り図柄1」と判定し、50〜69であるときには特図決定結果を「大当り図柄2」と判定し、70〜89であるときには特図決定結果を「大当り図柄3」と判定し、90〜99であるときには特図決定結果を「大当り図柄4」と判定する。特図決定結果は、特図表示装置212によって停止表示されることになる図柄を表す情報である。上述のごとく、特図表示装置212に「大当り図柄1」や「大当り図柄3」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで確変状態が維持され、「大当り図柄1」や「大当り図柄2」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、電サポ状態へ移行する。「大当り図柄1」の場合には次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態が維持され、「大当り図柄2」の場合には、大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持される。
また、特図決定結果が、大当り図柄1あるいは大当り図柄2であった場合には、大当り遊技状態のうちの、可変入賞口234の扉部材2341が相対的に長時間開放する、遊技者に相対的に有利な大当り状態1になり、大当り図柄3あるいは大当り図柄4であった場合には、大当り遊技状態のうちの、可変入賞口234の扉部材2341が相対的に短時間しか開放しない、遊技者に相対的に不利な大当り遊技状態2になる。大当り状態1および大当り遊技状態2については後述する。
また、本実施形態ではハズレ図柄(第2の図柄態様)も複数種類用意されているため、主制御部300のCPU304は、当否判定結果が「ハズレ」の場合にも、特図決定用乱数値が図7(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれのハズレ図柄の乱数範囲に属するかについて判定する。特図決定用乱数値が、0〜96であるときには特図決定結果を「ハズレ図柄1」と判定し、97〜98であるときには特図決定結果を「ハズレ図柄2」と判定し、99であるときには特図決定結果を「ハズレ図柄3」と判定する。図7(b)に示す特図決定用テーブルでは、ハズレ図柄の中では、ハズレ図柄1が選択される確率が圧倒的に高い。すなわち、複数のハズレ図柄の中で所定のハズレ図柄が選択される確率が高い。
なお、小当り図柄は1種類(小当り図柄1)しかないため、大当り図柄やハズレ図柄のような乱数抽選は行わない。特図決定結果が、小当り図柄1であった場合には、非大当り遊技状態のうちの小当り状態1になるが、この小当り状態1は、大当り遊技状態(大当り状態1および2)が属する当り遊技状態に属する状態であるともいえる。
図8(a)は、当り遊技状態を説明するための図である。
大当り図柄1及び2の大当り状態1では、15ラウンド大当りの状態であり、扉部材2341が1ラウンドにつき1回の開閉動作を行う。扉部材2341は、例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入があるまで、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得するまで開状態を維持し、開状態を最大で30秒間維持する。この大当り状態1は出球がかなり期待できる遊技者に有利な状態である。
一方、大当り図柄3及び4の大当り状態2でも、15ラウンド大当りの状態であり、扉部材2341が1ラウンドにつき1回の開閉動作を行うが、扉部材2341は、開状態を最大で0.1秒間しか維持しない。したがって、この大当り状態2は出球をほとんど期待することができない状態であるといえる。
小当り状態1では、扉部材2341が15回作動し、扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。なお、小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り制御状態終了後には小当り制御状態開始前の制御状態に復帰する。小当り状態1は、出球をもしかしたら獲得することができるかもしれない。といった期待可能な状態であるといえる。
主制御部300のRAM308には、タイマ選択テーブルを表す情報を格納する領域(タイマ選択テーブル情報格納領域)が設けられている。また、本実施形態では、タイマ選択テーブルとして6種類のテーブルが用意されている。タイマ選択テーブルは、1または複数の期間情報であるタイマ番号を含むテーブルであり、期間情報テーブルの一例に相当し、主制御部300のROM306が期間情報テーブル記憶手段の一例に相当する。主制御部300は、テーブルセット選択テーブルから所定のタイマ選択テーブルを取得し、RAM308のタイマ選択テーブル情報格納領域に、取得したタイマ選択テーブルを表す情報を格納する。したがって、主制御部300は期間情報テーブル取得手段の一例に相当する。また、6種類のタイマ選択テーブルの中には、制御状態に対応して予め定められているデフォルトのタイマ選択テーブルが含まれている。
図8(b)は、制御状態に対応して予め定められているデフォルトのタイマ選択テーブルを説明するための図である。
本実施形態では、制御状態として、大当り図柄1の停止表示に基づく特図高確率普図高確率状態、大当り図柄2の停止表示に基づく特図低確率普図高確率状態、大当り図柄3の停止表示に基づく特図高確率普図低確率状態、大当り図柄4の停止表示に基づく特図低確率普図低確率状態が用意されており、これらの制御状態は遊技者の有利度に関係するものである。特図高確率普図高確率状態は単に確変状態と称され、遊技者の有利度が最も高い制御状態である。一方、特図低確率普図低確率状態は通常状態と称され、遊技者の有利度が最も低い制御状態である。また、特図低確率普図高確率状態は単に電サポ(時短)状態と称されることがある。
図8(b)に示すように、停止図柄が表示されたときの制御状態が、特図低確率普図低確率状態(確変無し電サポ無し)である場合のデフォルトのタイマ選択テーブル(以下、デフォルトテーブルと称する)はテーブル1であり、特図高確率普図高確率状態(確変付き電サポ付き状態)である場合のデフォルトテーブルはテーブル2であり、特図低確率普図高確率状態(確変無し電サポ付き状態)である場合のデフォルトテーブルはテーブル3であり、特図高確率普図低確率状態(確変付き電サポ無し状態)である場合のデフォルテーブルはテーブル4である。
図8(c)は、主制御部300のROM306に記憶されているテーブルセット選択テーブルを示す図である。
主制御部300のRAM308には、特図変動遊技の実行回数をカウントするカウンタが設けられている。この特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きな値であれば、上述の特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング、すなわち特図表示装置212による変動表示が終了し、確定した特図が所定期間停止表示された後、CPU304によってそれらの特図変動遊技実行回数カウンタの値が1減算される。また、RAM308には、図8に示す、ROM306に記憶されているテーブルセット選択テーブルのアドレスをさすポインタが用意されている。
図8(c)に示すように、特図関連処理において大当り図柄1の特図決定結果が得られ、特図表示装置212が図5(a)に示す「特図A」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、図8(c)に示すテーブルセット選択テーブルの、大当り図柄1のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに100の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル3を表す情報を格納する。大当り図柄1が停止表示された場合には、大当り遊技終了後、特図高確率普図高確率状態へ移行する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル3を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタを進め、今度は、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域に制御状態(遊技状態)に応じたテーブル、すなわち特図高確率普図高確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル2を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはテーブル2を表す情報を格納し続ける。
特図関連処理において大当り図柄2の特図決定結果が得られ、特図表示装置212が図5(a)に示す「特図B」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル3を表す情報を格納する。大当り図柄2が停止表示された場合には、大当り遊技終了後、特図低確率普図高確率状態へ移行し、テーブル3は、特図低確率普図高確率状態のデフォルトテーブルである。上述のごとく、特図低確率普図高確率状態では、特図変動遊技が100回行われると、電サポ状態から非電サポ状態へ移行する。すなわち、特図低確率普図高確率状態から特図低確率普図低確率状態へ移行し、テーブル3から特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル1へテーブル変更が行われる。
特図関連処理において大当り図柄3の特図決定結果が得られ、特図表示装置212が図5(a)に示す「特図C」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル4を表す情報を格納する。大当り図柄3が停止表示された場合には、大当り遊技終了後、特図高確率普図低確率状態へ移行し、テーブル4は、特図高確率普図低確率状態のデフォルトテーブルである。普図低確率状態では、小当り図柄1やハズレ図柄2又は3が停止表示されることでテーブル変更
が行われる。
図8(d)は、普図低確率状態のときに使用されるテーブルセット選択テーブルを示す図である。この図8(b)に示すテーブルセット選択テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
主制御部300は時短フラグを参照することで、現在の状態が普図低確率状態か否かを判定することができる。普図低確率状態で小当り図柄1の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルの、小当り図柄1のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに50の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル4を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、あるいは再び小当り図柄1になるまで、もしくはハズレ図柄2又は3になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル4を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタを進め、今度は、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域に制御状態(遊技状態)に応じたテーブル(デフォルトテーブル)を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、あるいは再び小当り図柄1になるまで、もしくはハズレ図柄2又は3になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはデフォルトテーブルを表す情報を格納し続ける。ここでのデフォルトテーブルは、テーブル1又はテーブル4になる。
普図低確率状態でハズレ図柄2の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルの、ハズレ図柄2のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに50の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル5を表す情報を格納し、以降は、小当り図柄1と同様である。また、普図低確率状態でハズレ図柄3の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルの、ハズレ図柄3のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに50の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル6を表す情報を格納し、以降は、小当り図柄1と同様である。
なお、本実施形態では、普図高確率状態時は、小当り図柄1、ハズレ図柄2、ハズレ図柄3が停止表示してもテーブル変更しないが、テーブル変更してもよい。また、停止させた特図に対応してテーブル変更する場合、テーブル変更を複数回行ってもよい(例えば、テーブルAでn回変動後にテーブルBでm回変動したらデフォトテーブルに変更するなど)。
また、図8(c)に示すように、特図関連処理において大当り図柄4の特図決定結果が得られ、特図表示装置212が図5(a)に示す「特図D」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、図8(c)に示すテーブルセット選択テーブルの、大当り図柄4のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに50の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル4を表す情報を格納する。大当り図柄4が停止表示された場合には、大当り遊技終了後、特図低確率普図低確率状態へ移行する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、あるいは小当り図柄1やハズレ図柄2又は3になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル4を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタを進め、今度は、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域に制御状態(遊技状態)に応じたテーブル、すなわち特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル1を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が再び大当り図柄になるまで、あるいは小当り図柄1やハズレ図柄2又は3になるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはテーブル1を表す情報を格納し続ける。
以上説明したように、特図決定結果、すなわち特図の停止図柄態様に基づいてタイマ選択テーブルが決定され、さらには、制御状態(遊技状態)や所定の特図の停止図柄態様が停止表示されてからの図柄変動停止表示の回数に基づいてタイマ選択テーブルが決定される。
なお、パチンコ機100のRAMクリア時には、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル1を表す情報が格納される。また、ハズレ図柄1が停止表示された場合には、タイマ選択テーブルが変更されることはなく、これまで使用していたタイマ選択テーブルを引き続いて使用する。
図9は、主制御部300のROM306に記憶されているタイマ番号決定用テーブルを示す図である。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理における特図関連処理(ステップS213)では、図7に示すテーブルを用いて当否判定結果や特図決定結果が得られると、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタから、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数を取得する。このタイマ番号決定用乱数の取得タイミングは、特図変動開始直前のタイミングであるが、始動情報を取得するタイミングであってもよい。
主制御部300のCPU304は、取得したタイマ番号決定用乱数に基づいて、図9に示すタイマ番号決定用テーブルに規定されているタイマ番号を判定する。
タイマ番号は、特図表示装置212が、図柄の変動を開始してから当否判定の結果を表す停止図柄を表示するまでの特図の変動表示期間(特図変動時間)と、停止図柄の確定表示期間とからなる特図変動停止期間との合計期間を表すものである。なお、停止図柄の確定表示期間は一律に0.5秒である。
図10は、タイマ番号と特図変動時間の関係を示す図である。
タイマ1は特図変動停止期間が2秒になり、超短縮された特図変動時間になることを表し、タイマ2は特図変動停止期間が5秒になり、短縮された特図変動時間になることを表す。なお、タイマ1あるいはタイマ2に決定されることを特図変短と称することがある。タイマ3は特図変動停止期間が10秒になり、タイマ7は特図変動停止期間が8秒になる。これらのタイマ3やタイマ7は、通常の特図変動時間(基準となる特図変動時間)になることを表し、タイマ3に基づく特図の変動を通常変動1と称し、タイマ7に基づく特図の変動を通常変動2と称する。タイマ1〜タイマ3およびタイマ7では図3に示す装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはリーチなしになる。
タイマ4は特図変動停止期間が12秒になることを表し、タイマ4に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはノーマルリーチが選択される。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。タイマ5は特図変動停止期間が40秒になることを表し、タイマ6は特図変動停止期間が50秒になることを表す。タイマ5又は6に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチが選択される。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等)である。
タイマ8は特図変動停止期間が60秒になることを表し、タイマ9は特図変動停止期間が62秒になることを表し、タイマ10は特図変動停止期間が64秒になることを表す。タイマ8〜10に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは特殊変動が選択される。特殊変動としては、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等が知られているが、ここでは、タイマ8に決定されるとキャラクタの殿を用いた殿リーチが選択され、タイマ9に決定されるとキャラクタの姫を用いた姫リーチが選択され、タイマ10に決定されるとキャラクタの爺を用いた爺リーチが選択される。
なお、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチと特殊変動を含んだ装飾図柄の変動パターンを意味する。
このリーチは、特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)の結果が特定の当否判定結果(遊技者の有利度が高い所定の結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。
図11は、タイマ選択テーブル毎のステージ演出を示す図である。
各タイマ選択テーブルが取得されると、装飾図柄表示装置208には、背景画像としてステージ演出が行われる。特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル1では、背景が朝である朝ステージが装飾図柄表示装置208に表示される。特図高確率普図高確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル2では、特図高確率状態であることを示唆する確変確定演出として、背景が夜である夜ステージが装飾図柄表示装置208に表示される。特図低確率普図高確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル3では、特図高確率状態であるかもしれないと遊技者に期待させる確変期待演出として背景が夕方である夕方ステージが装飾図柄表示装置208表示される。特図高確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル4でも特図高確率状態であるかもしれないと遊技者に期待させる確変期待演出として、ここではキャラクタの殿が背景に登場する殿ステージが装飾図柄表示装置208に表示される。これらのデフォルトテーブルに対応したステージ演出は、制御状態を表す遊技状態示唆演出ととらえることもできる。
デフォルトテーブルではないテーブル5では、キャラクタの姫が背景に登場する姫ステージが装飾図柄表示装置208に表示され、同じくデフォルトテーブルではないテーブル6では、キャラクタの爺が背景に登場する爺ステージが装飾図柄表示装置208に表示される。
すなわち、本実施形態のパチンコ機100では、当りの当否判定結果を導出する導出確率が第1の確率(所定の低確率)である第1の確率状態(特図低確率状態:非確変状態)、および該第1の確率状態よりも該導出確率が高い第2の確率(所定の高確率)である第2の確率状態(特図高確率状態;確変状態)のうちの一方から他方に、確率状態を移行させる確率状態移行手段(主制御部300)と、始動情報(大当り判定用乱数値)に基づいて当否判定を行い、上記第1の制御状態中(非大当り状態中あるいは非当り状態中)は、上記確率状態移行手段が移行させた確率状態に基づいて当否判定を行う当否判定手段(第主制御部300)とを備えており、確率状態が第2の確率状態(確変状態)であることを期待させる演出(夕方ステージや殿ステージ)を行なったり、あるいは確率状態が第2の確率状態であることを告知する演出(夜ステージ)を行なったりする。ステージ演出を表す情報は本発明にいう演出情報の一例に相当する。遊技者は、これらのステージを攻略本等で知っており、ステージ演出を楽しんでいる。
図9に示すように、特図決定結果がハズレ図柄1(図5(a)に示す「特図F」)であったときには、タイマ選択テーブルとしてテーブル1が使用され、かつ保留数が0から2であれば、タイマ3が多くの場合は選択され、タイマ4が稀に選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。一方、保留数が3であれば、タイマ2がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。また、タイマ選択テーブルとしてテーブル2又は3が使用されている場合には、保留数に関係なく、タイマ1がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。
さらに、タイマ選択テーブルとしてテーブル4が使用されている場合には、保留数に関係なく、タイマ7がほとんどの場合は選択され、タイマ8が稀に選択され、タイマ4がごく稀に選択される。すなわち、タイマ7(通常変動2)が選択されやすい。タイマ選択テーブルとしてテーブル5が使用されている場合には、保留数に関係なく、タイマ4かタイマ7が選択されることが多く、タイマ9が稀に選択される。ここでのタイマ4とタイマ7の選択確率は同じであり、タイマ7(通常変動2)とタイマ4(ノーマルリーチ)の選択確率はおよそ半々である。タイマ選択テーブルとしてテーブル6が使用されている場合には、保留数に関係なく、タイマ4がほとんどの場合は選択され、タイマ10が稀に選択され、タイマ7がごく稀に選択される。すなわち、タイマ4(ノーマルリーチ)が選択されやすい。図8(d)に示すように、普図低確率状態のときに用いられるテーブル4〜テーブル6では、ノーマルリーチのタイマ4と通常変動2のタイマ7が共通のタイマ番号になる。すなわち、テーブル4〜テーブル6のいずれのテーブルが使用されている場合にも、タイマ4およびタイマ7は選択される可能性がある。ただし、これらの共通のタイマ番号の選択確率はテーブルごとに異なっており、図11に示す各タイマ選択テーブルに対応するステージ演出における演出傾向(タイマ選択確率)に特徴を持たせることができる。すなわち、テーブル4の殿ステージでは、リーチ態様が出現しにくく通常変動2が出現しやすいといった特徴がある。テーブル5の姫ステージでは、通常変動2と姫リーチがおよそ半々の確率で出現するといった特徴がある。テーブル6の爺ステージでは、ノーマルリーチは出現しやすいが爺リーチは出現しにくいといった特徴がある。なお、テーブル5やテーブル6を廃止してテーブル4でタイマ4,7、8、9、10を選択できるようにし、タイマ9の選択によって姫ステージへのステージ変更を行うことも考えられるが、こうすると、ステージごとの演出傾向を異ならせることができず、単調な遊技になってしまう恐れがある。
なお、複数のタイマ選択テーブルに対して共通のタイマ番号は、一つであってもよいし、本実施形態のように複数であってもよい。また、タイマ8、9、10はそれぞれタイマ選択テーブル4、5、6専用であるが、このような専用タイマを複数設けてもよい。
以上説明したように、テーブル4とテーブル5で見れば、タイマ4とタイマ7は本発明にいう共通期間情報の一例に相当し、タイマ8とタイマ9は、本発明にいう固有期間情報の一例に相当する。本発明にいう固有期間情報の一例に相当するタイマ8やタイマ9よりも、本発明にいう共通期間情報の一例に相当するタイマ4または/およびタイマ7の方が選択されやすい。こうしておくことで、テーブル5ではテーブル4と共通のタイマ番号が選択され易いので共通のタイマ番号が連続し易くなり、テーブル4の演出をできるだけ長く遊技者に見せることができる場合がある。
また、特図決定結果がハズレ図柄2(図5(a)に示す「特図G」)またはハズレ図柄3(図5(a)に示す「特図H」)であったときには、保留数に関係なく、タイマ選択テーブルとしてテーブル2又は3が使用されている場合にはタイマ3が必ず選択され、テーブル1又は4が使用されている場合にはタイマ8が必ず選択され、テーブル5が使用されている場合にはタイマ9が必ず選択され、テーブル6が使用されている場合にはタイマ10が必ず選択される。
さらに、特図決定結果が大当り図柄1(図5(a)に示す「特図A」)または大当り図柄2(図5(a)に示す「特図B」)であったときには、使用されているタイマ選択テーブルに関係なく、また保留数にも関係なく、タイマ6が最も選択されやすく、タイマ5が次いで選択されやすく、タイマ4が稀に選択される。また、特図決定結果が大当り図柄3(図5(a)に示す「特図C」)、大当り図柄4(図5(a)に示す「特図D」)、あるいは小当り図柄1(図5(a)に示す「特図E」)であったときには、保留数に関係なく、タイマ選択テーブルとしてテーブル1〜4が使用されている場合にはタイマ8が必ず選択され、テーブル5が使用されている場合にはタイマ9が必ず選択され、テーブル6が使用されている場合にはタイマ10が必ず選択される。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、タイマ選択テーブルおよび特図決定結果に応じて特図の変動停止表示期間(特図変動期間+図変動停止期間)を表すタイマ番号を決定する。特図決定結果は、当否判定結果に基づくものである。また、特図の変動停止表示期間は図変動停止期間が一律であることから、主制御部300のCPU304は、タイマ選択テーブルおよび当否判定結果に基づいて特図変動期間を決定する変動期間決定手段の一例に相当する。特図表示装置212は、ここで決定した特図の変動表示期間に亘って図柄を変動表示させた後に所定の停止図柄態様を表示する図柄変動停止表示を行なう。
続いて、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS215)について説明する。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、上述のタイマ番号を決定する際に用いたタイマ選択テーブルを表す情報、およびそのタイマ番号を示す情報等を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、上述のタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータに、保留している特図変動遊技の数、および制御状態を表す情報を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS217)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS219では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、特図表示装置212、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS219のデバイス監視処理が終了すると、図6(a)に示す主制御部メイン処理に復帰するが、復帰前には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行う。また、復帰前に、低電圧信号がオンであるか否かを監視して、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行って、その後、主制御部メイン処理に復帰するようにしてもよい。
本実施形態では、主制御部300から第1副制御部400へ送信されるコマンドとして、図柄変動開始コマンドや図柄変動停止コマンド等の他、遊技状態コマンドも用意されている。この遊技状態コマンドは、図柄変動開始コマンドと一緒に第1副制御部400に送られるとともに、図柄変動停止コマンドと一緒にも第1副制御部400に送られる。
図12は、主制御部300が第1副制御部400に送信する遊技状態コマンドを説明するための図である。
図8(c)および図8(d)を用いて説明したことをまとめると、特図低確率普図低確率状態では、そのデフォルトテーブルであるテーブル1の他、テーブル4,5,6が取得され得る。特図高確率普図高確率状態では、そのデフォルトテーブルであるテーブル2の他、テーブル3が取得され得る。特図低確率普図高確率状態では、そのデフォルトテーブルであるテーブル3のみが取得される。特図高確率普図低確率状態では、そのデフォルトテーブルであるテーブル4の他、テーブル5,6が取得され得る。遊技状態コマンドには、現在の制御状態(遊技状態)を表す情報と、現在使用しているタイマ選択テーブルを表す情報が含まれている。すなわち、図12に示すように、確変無電サポ無1の遊技状態コマンドが送信されてくると、第1副制御部400は、現在の制御状態(遊技状態)は特図低確率普図低確率状態であって、使用しているタイマ選択テーブルはテーブル1であることを認識する。こうすることで、パチンコ機100が電断されても、第1副制御部400は、復電後に、図柄変動開始コマンドと一緒に第1副制御部400に送られてくる遊技状態コマンドに基づいて、電断復帰後に電断時のテーブルに戻ることができる。ただし、本実施形態では、復電時に、電断時のステージと同じステージに戻れる場合もあるが、後述するように戻れない場合もある。
<第1副制御部400の処理>
図13を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。この演出制御処理についてはさらに詳しく後述する。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図13(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図13(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理の流れを示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図13(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図13(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図13(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
図14(a)は、図12(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)の流れを示すフローチャートである。
まず、第1副制御部400のCPU404は、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドとして遊技状態コマンドがあるか否かを判定し(ステップS3091)、なければステップS3093へ進み、あれば遊技状態コマンド処理を実行し(ステップS3092)、次いで、ステップS3093へ進む。この遊技状態コマンド処理については後述する。
ステップS3093では、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドとして特図の図柄変動開始コマンドがあるか否かを判定し、なければステップS3095へ進み、あれば図柄変動開始コマンド処理を実行し(ステップS3094)、続いて、ステップS3095へ進む。この図柄変動開始コマンド処理についても後述する。
ステップS3095では、今度は、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドとして特図の図柄変動停止コマンドがあるか否かを判定し、なければステップS3097へ進み、あれば図柄変動停止コマンド処理を実行し(ステップS3096)、その後、ステップS3097へ進む。この図柄変動停止コマンド処理は、確定表示コマンドをRAM408にセットする。なお、ここでセットされた確定表示コマンドは、図13(a)に示すステップS319の情報送信処理において第2副制御部500へ送信される。
ステップS3097では、RAM408に設けたコマンド記憶領域に未処理コマンドとしてその他のコマンドがあるか否かを判定し、なければ演出制御処理は終了になって第1副制御部メイン処理に復帰し、あれば、ステップS3098においてその他のコマンド処理を実行してから、演出制御処理は終了になって第1副制御部メイン処理に復帰する。その他のコマンドとしては、復帰コマンドやデバイスコマンドや基本情報コマンド等があり、ステップ3098ではそれぞれのコマンドにあった処理を実行する。
図14(b)は、同図(a)に示す演出制御処理における遊技状態コマンド処理(ステップS3092)の流れを示すフローチャートである。
第1副制御部400のRAM408には、遊技状態コマンドに基づく遊技状態を表す情報を記憶する遊技状態記憶部が設けられている。すなわち、遊技状態記憶部には、制御状態(遊技状態)を表す情報と、タイマ選択テーブルを表す情報が記憶される。この遊技状態記憶部は、今回の遊技状態を表す情報を記憶する領域(所定の今回情報記憶部)と、前回の遊技状態を表す情報を記憶する領域(所定の前記情報記憶部)とに分けられている。
ステップS3092aでは、今回情報記憶部に記憶されている情報を、前回情報記憶部に移し替える。次いで、ステップS3092bでは、今回受信した遊技状態コマンドに基づく遊技状態を表す情報を今回情報記憶部に記憶し、遊技状態を表す情報を更新する。
続いて、第1所定条件が成立したか否かを判定する(ステップS3092c)。ここにいう第1所定条件では、例えば、前回情報記憶部に記憶されている情報が、所定のタイマ選択テーブルを表す情報であって、今回情報記憶部に記憶されている情報が上記所定のタイマ選択テーブルとは異なるテーブルを表す情報であることを条件にしてもよい(以下、この条件をテーブル条件と称することがある)。上記所定のタイマ選択テーブルは、簡単に言えば、継続して遊技者に見せたい演出が対応したテーブル(結果的には継続して使用したいテーブル)であり、例えば、記憶されている遊技状態のデフォルトテーブルとは異なるテーブルであってもよい。本実施形態では、特図低確率普図低確率状態では、デフォルトテーブルのテーブル1以外のテーブル(例えば、テーブル4)になる。すなわち、上記所定のタイマ選択テーブルは、遊技状態に基づいて定められたテーブルであってもよい。また、上記所定のタイマ選択テーブルは、記憶されているテーブルが確変状態であることを告知する確変確定演出のステージ(夜ステージ)に対応したテーブルとは異なるテーブルであってもよい。例えば、確変状態であることを期待させる確変期待演出のステージ(夕方ステージや殿ステージ)に対応したテーブル(例えば、テーブル3,4)であってもよい。さらに、上記所定のタイマ選択テーブルは、図8(c)に示すテーブルセット選択テーブルに基づき実行回数が所定回(例えば1回以上)に定まったテーブル(テーブル3,4)や、第2の制御状態(大当り遊技状態)が終了した後の最初の図柄変動停止表示に用いられるテーブル(テーブル3,4)であってもよい。また、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルに基づき、普図低確率状態において図柄変動停止表示の実行回数として所定回(例えば1回以上)に実行回数が定められているテーブル(テーブル4,5,6)であってもよい。さらにまた、所定の停止図柄態様(例えば、大当り図柄や、大当り図柄以外の停止図柄や、所定のハズレ図柄)に基づいて選択されるテーブルであってもよい。
また、他の第1所定条件としては、例えば、上記所定のタイマ選択テーブルが所定回未満の使用であることを条件にしてもよい(以下、この条件を使用回数条件と称することがある)。ここにいう上記所定のタイマ選択テーブルも、簡単に言えば、継続して遊技者に見せたい演出が対応したテーブルであり、上述と同じである。この使用回数条件をより具体的な例をあげて説明すれば、上記所定のタイマ選択テーブルが、図8(c)や(d)に示すテーブルセット選択テーブルによって図柄変動停止表示の実行回数として所定回に実行回数が定められているテーブルである場合には、現在の実行回数が、その所定回の半分未満、あるいはその所定回未満であることを条件にしてもよい。小当り図柄1が停止表示した場合に使用されるテーブル4を上記所定のタイマ選択テーブルとした場合には、現在の実行回数が、25回未満、あるいは50回未満であることが条件になる。
なお、第1所定条件の成立は、上記テーブル条件と上記使用回数条件の両条件を満足することによって成立することにしてもよいし、いずれか一方の条件のみを満足することによって成立することにしてもよい。
第1所定条件が不成立であればこの遊技状態コマンド処理は終了になり、第1所定条件が成立していれば、ステップS3092dでRAM408に用意された演出状態継続フラグをオンに設定してから、この遊技状態コマンド処理は終了になる。
図14(c)は、同図(a)に示す演出制御処理における図柄変動開始コマンド処理(ステップS3094)の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS3094aでは、RAM408に用意された演出状態継続フラグがオンに設定されているか否かを判定し、オフであればステップS3094dへ進み、オンであればステップS3094bへ進む。ステップS3094bでは、第2所定条件が成立したか否かを判定する。上述のごとく、図柄変動開始コマンドには、タイマ番号を示す情報が含まれている。第2所定条件は、本発明にいう所定の条件の一例に相当する。ここにいう第2所定条件では、例えば、第1副制御部400が主制御部300から受信した図柄変動開始コマンドに含まれているタイマ番号を示す情報が、前回情報記憶部に記憶されているタイマ選択テーブルを表す情報のタイマ選択テーブルに存在しないことを条件にしてもよい(以下、この条件をタイマ番号条件と称することがある)。すなわち、今回のタイマ番号が、現在使用しているタイマ選択テーブルの前に使用していたタイマ選択テーブルでは選択されないタイマ番号であることを条件にしてもよい。例えば、現在、テーブル5を使用しており、その前にテーブル4を使用していた場合には、今回のタイマ番号が、テーブル4とテーブル5共通のタイマ4又はタイマ7であれば第2所定条件は成立しないが、テーブル5固有のタイマ9であった場合には第2所定条件が成立する。これは、第1副制御部400が、主制御部300とは別に独自で、ステージ演出の変更を行っていることに起因する。詳しくは後述するが、ステージ演出はタイマ選択テーブルに対応しており、ステージ演出の変更を行うということは、タイマ選択テーブルの変更を行うことにもつながる。
また、他の第2所定条件としては、例えば、前回情報記憶部に記憶されている情報のタイマ選択テーブル(上記所定のタイマ選択テーブルに相当)を用いた図柄変動停止表示の実行回数と、今回情報記憶部に記憶されている情報のタイマ選択テーブルを用いた図柄変動停止表示の実行回数の合計が、上記所定のタイマ選択テーブルについて、図8(c)や(d)に示すテーブルセット選択テーブルにおいて予め定められている図柄変動停止表示の実行回数に達したことを条件にしてもよい(以下、この条件を合計回数条件と称することがある)。例えば、現在使用しているタイマ選択テーブルをテーブル5とし、その前に使用していたタイマ選択テーブルを、小当り図柄1の停止表示に基づくテーブル4(図8(d)参照)とした場合に、テーブル4を用いた図柄変動停止表示の実行回数とテーブル5を用いた図柄変動停止表示の実行回数の合計が、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルにおいてテーブル4について予め定められた50回に達した時点で、第2所定条件が成立したことにしてもよい。
さらに加えて、上記合計回数条件が成立した上で、所定確率で当選する乱数抽選を実行し、その抽選に当選した場合に初めて第2所定条件が成立したことにしてもよい(以下、この条件を抽選条件と称することがある)。
なお、第2所定条件の成立は、上記タイマ番号条件と上記合計回数条件の両条件を満足することによって成立することにしてもよいし、上記タイマ番号条件と上記抽選条件の両条件を満足することによって成立することにしてもよいし、上記タイマ番号条件、上記合計回数条件、および上記抽選条件のいずれか一つの条件が満足することによって成立することにしてもよい。
第2所定条件が不成立であればステップS3094eへ進み、第2所定条件が成立していれば、ステップS3094cでRAM408に用意された演出状態継続フラグをオフに設定し、演出状態更新処理(ステップS3094d)を実行する。
第1副制御部400のROM406には、タイマ選択テーブルに対応したかたちでステージ演出を表す情報(本発明にいう演出情報の一例に相当)が記憶されている。したがって、第1副制御部400のROM406は、本発明にいう演出情報記憶手段の一例に相当する。また、第1副制御部400のRAM408には、実行するステージ演出を表す情報を記憶するステージ演出記憶領域が用意されている。ステップS3094dの演出状態更新処理では、第1副制御部400のCPU404は、今回情報記憶部に記憶されているタイマ選択テーブルに対応したステージ演出を表す情報をROM406から取得し、そのステージ演出記憶領域に、取得したステージ演出を表す情報を記憶し、ステージ演出を更新してからステップS3094eへ進む。本実施形態では、主制御部300から遊技状態コマンドが送られてきてテーブル変更が告げられても、上記第1所定条件が成立していると、上記第2所定条件も成立しなければ、テーブルに対応したステージ変更は実際には行われない。ただし、タイマ番号を決定する主制御部300は、テーブル変更を告げた後は、変更後のテーブルを用いてタイマ番号を選択し、第1副制御部400にタイマ番号を表す情報を送信してくる。なお、上記第1所定条件は、主制御部300からテーブル変更を告げられても、前回情報記憶部に記憶されているテーブルに対応した演出(ステージ演出)を継続して遊技者に見せる継続開始条件に相当し、本発明にいう所定の条件の一例に相当する上記第2所定条件は、継続して遊技者に見せていた演出を終了し、主制御部300から変更が告げられていた変更後のテーブルに対応した演出(ステージ演出)に切り替える継続終了条件に相当する。
ステップS3094eでは、その他の演出抽選処理を行う。ここでは例えば、リーチ演出抽選等を行って、抽選結果をRAM408にセットし、演出データの更新処理を行う。なお、本実施形態では採用していないが、当否判定結果を、その当否判定結果の判定が行われる前に事前に報知する予告演出を行う場合には、このステップS3094eでその予告演出に関する抽選も行う。ステップS3094eの実行が完了すると、この図柄変動開始コマンド処理は終了になる。
以上説明した演出制御処理において設定されたり更新された演出データのうち、装飾図柄表示装置209を用いた演出や、遮蔽装置246を用いた演出のための演出データは、第2副制御部500へ送信される制御コマンドに含められて、図13(a)に示すステップS319の情報送信処理において第2副制御部500へ送信される。第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンド(演出データ)に基づいて、装飾図柄表示装置209や遮蔽装置246の制御を実行する。第1副制御部400と第2副制御部500を併せたものが本発明にいう演出制御手段の一例に相当する。
続いて、各停止図柄を停止表示した後の具体例について説明する。
図15(a)は大当り図柄1停止表示後から所定回(ここでは100回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
この図15(a)のタイムチャートでは、図の左から右に向かって時間が経過し、以降のタイムチャートでも同様である。
特図表示装置212による図柄の変動表示後に確変付き電サポ付きの大当り図柄である大当り図柄1(図5(a)に示す「特図A」)が停止表示されたことにより、大当り遊技が行われ、その大当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は特図高確率普図高確率状態へ移行する。すなわち、確変状態かつ電サポ状態へ移行する。確変状態も電サポ状態も次回大当りするまで維持される。図8(c)に示すように、大当り図柄1が停止表示されるとタイマ選択テーブルとしてテーブル3が取得される。このテーブル3は、特図高確率普図高確率状態のデフォルトテーブルではなく、対応するステージ演出は確変期待演出の夕方ステージである。大当り遊技が終了してからの100回の図柄変動停止表示では、大当り図柄が停止表示されず、101回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとしてテーブル2が用いられる。このテーブル2は、特図高確率普図高確率状態のデフォルトテーブルであり、対応するステージ演出は確変確定演出の夜ステージである。遊技者は、夜ステージの演出を見て、確変状態であることに気付く。
図15(b)は、大当り図柄2停止表示後から所定回(ここでは100回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後に確変無し電サポ付きの大当り図柄である大当り図柄2(図5(a)に示す「特図B」)が停止表示されたことにより、大当り遊技が行われ、その大当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は特図低確率普図高確率状態へ移行する。すなわち、非確変状態かつ電サポ状態へ移行する。ここでの電サポ状態は図柄変動停止表示が100回行われる間維持される。図8(c)に示すように、大当り図柄2が停止表示されるとタイマ選択テーブルとしてテーブル3が取得される。このテーブル3は、特図低確率普図高確率状態のデフォルトテーブルであり、対応するステージ演出は確変期待演出の夕方ステージである。大当り遊技が終了してからの100回の図柄変動停止表示では、大当り図柄が停止表示されず、100回の図柄変動停止表示が終わると、制御状態は特図低確率普図低確率状態へ移行する。101回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとして特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル1が用いられる。このテーブル1に対応するステージ演出は朝ステージである。遊技者は、朝ステージに切り替わったことで、確変状態ではなかったことに気付く。
図16(a)は、大当り図柄3が停止表示された後に繰り返される図柄変動停止表示のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後に確変付き電サポ無しの大当り図柄である大当り図柄3(図5(a)に示す「特図C」)が停止表示されたことにより、大当り遊技が行われ、その大当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は特図高確率普図低確率状態へ移行する。すなわち、確変状態かつ非電サポ状態へ移行する。確変状態は次回大当りするまで維持される。図8(c)に示すように、大当り図柄3が停止表示されるとタイマ選択テーブルとしてテーブル4が取得される。このテーブル4は、特図高確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであり、対応するステージ演出は確変期待演出の殿ステージである。殿ステージが続く限り、遊技者は、確変状態であることに期待するものの、確変状態であるという確証を得ることはできない。
図16(b)は、大当り図柄4停止表示後から所定回(ここでは50回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後に確変無し電サポ無しの大当り図柄である大当り図柄4(図5(a)に示す「特図D」)が停止表示されたことにより、大当り遊技が行われ、その大当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は特図低確率普図低確率状態のままである。すなわち、非確変状態かつ非電サポ状態のままである。図8(c)に示すように、大当り図柄4が停止表示されるとタイマ選択テーブルとしてテーブル4が取得される。このテーブル4は、特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルではなく、対応するステージ演出は確変期待演出の殿ステージである。大当り遊技が終了してからの50回の図柄変動停止表示では、大当り図柄が停止表示されず、51回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとして特図低確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであるテーブル1が用いられる。このテーブル1に対応するステージ演出は朝ステージである。遊技者は、朝ステージに切り替わったことで、確変状態ではなかったことに気付く。
図17(a)は、普図低確率状態で小当り図柄1停止表示後から所定回(ここでは50回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後に小当り図柄1(図5(a)に示す「特図E」)が停止表示されたことにより、小当り遊技が行われ、その小当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は、小当り遊技前の制御状態に復帰する。図8(d)に示すように、普図低確率状態で小当り図柄1が停止表示されるとタイマ選択テーブルとしてテーブル4が取得される。このテーブル4は、特図高確率普図低確率状態のデフォルトテーブルであり、対応するステージ演出は確変期待演出の殿ステージである。小当り遊技が終了してからの50回の図柄変動停止表示では、大当り図柄、小当り図柄1、あるいはハズレ図柄2,3が停止表示されず、51回の図柄変動停止表示が終わると、51回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとして現在の制御状態を表すデフォルトテーブルが用いられる。
図17(b)は、普図低確率状態でハズレ図柄2停止表示後から所定回(ここでは50回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後にハズレ図柄2(図5(a)に示す「特図G」)が停止表示されると、図8(d)に示すように、タイマ選択テーブルとしてテーブル5が取得される。このテーブル5は、デフォルトテーブルではなく、対応するステージ演出は姫ステージである。ハズレ図柄2が停止表示されてからの50回の図柄変動停止表示では、大当り図柄、小当り図柄1、あるいはハズレ図柄2,3が停止表示されず、51回の図柄変動停止表示が終わると、51回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとして現在の制御状態を表すデフォルトテーブルが用いられる。
図17(c)は、普図低確率状態でハズレ図柄3停止表示後から所定回(ここでは50回)を超えて図柄変動停止表示を行う場合のタイムチャートである。
特図表示装置212による図柄の変動表示後にハズレ図柄3(図5(a)に示す「特図H」)が停止表示されると、図8(d)に示すように、タイマ選択テーブルとしてテーブル6が取得される。このテーブル6は、デフォルトテーブルではなく、対応するステージ演出は爺ステージである。ハズレ図柄3が停止表示されてからの50回の図柄変動停止表示では、大当り図柄、小当り図柄1、あるいはハズレ図柄2,3が停止表示されず、51回の図柄変動停止表示が終わると、51回目の図柄変動停止表示からは、テーブル変更が行われ、タイマ選択テーブルとして現在の制御状態を表すデフォルトテーブルが用いられる。
図18は、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件がテーブル条件であり、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件がタイマ番号条件のときのタイムチャートである。
普図低確率状態において特図表示装置212による図柄の変動表示後に小当り図柄1(図5(a)に示す「特図E」)が停止表示されたことにより、小当り遊技が行われ、その小当り遊技が終了すると、パチンコ機100の制御状態は、小当り遊技前の制御状態に復帰する。小当り遊技前の制御状態は普図低確率状態である。なお、特図の確率状態は、特図高確率状態であっても特図低確率状態であってもよい。
図8(d)に示すように、普図低確率状態で小当り図柄1が停止表示されると、主制御部300は、タイマ選択テーブルとしてテーブル4(本発明にいう第2の期間情報テーブルの一例に相当)を取得する。第1副制御部400には、テーブル4を表す情報が送られ、RAM408の今回情報記憶部にテーブル4を表す情報が記憶される。
この例では、主制御部300が特図決定結果を「ハズレ図柄1」とn−1回連続して判定し、選択確率が最も高いタイマ7の選択がn−1回行われ、通常変動2の図柄変動停止表示がn−1回繰り返される。第1副制御部400には、タイマ7を表す情報も送られてくる。
第1副制御部400は、今回情報記憶部に記憶されたテーブル4を表す情報に基づいて、テーブル4に対応した殿ステージをステージ演出として設定し、第2副制御部500によって装飾図柄表示装置208には、図柄変動停止表示の背景画像として殿ステージの演出画像が表示される。殿ステージを表す情報は、本発明にいう特定演出情報の一例に相当する。
通常変動2の図柄変動停止表示がn−1回繰り返された後、主制御部300が特図決定結果を「ハズレ図柄2」(本発明にいう所定の停止図柄態様の一例に相当)と判定する。図9に示すように、特図決定結果がハズレ図柄2である場合には、テーブル4が用いられているとタイマ8になる。この結果、n回目の図柄変動停止表示にはタイマ8が用いられ、殿リーチの図柄変動停止表示が行われる。普図低確率状態におけるハズレ図柄2の停止表示を受けて、主制御部300は、図8(d)に示すテーブルセット選択テーブルからテーブル5(本発明にいう第1の期間情報テーブルの一例に相当)を取得する。第1副制御部400には、テーブル5を表す情報が送られ、RAM408の前回情報記憶部にテーブル4を表す情報が記憶され、今回情報記憶部にテーブル5を表す情報が記憶される。ここでは、所定のタイマ選択テーブルをテーブル4とし、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件は、前回情報記憶部に記憶されている情報が、テーブル4を表す情報であって、今回情報記憶部に記憶されている情報が上記所定のタイマ選択テーブルであるテーブル4とは異なるテーブルであることを条件にしたテーブル条件である。したがって、第1所定条件のテーブル条件が成立する。一方、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件は、第1副制御部400が主制御部300から受信した図柄変動開始コマンドに含まれているタイマ番号を示す情報が、前回情報記憶部に記憶されているタイマ選択テーブルを表す情報のタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)に存在しないことを条件にしたタイマ番号条件(本発明にいう第1の条件の一例に相当)である。テーブル5が取得されてからも、主制御部300は特図決定結果を「ハズレ図柄1」とm回連続して判定し、テーブル5に基づくタイマ7の選択がm回行われ、通常変動2の図柄変動停止表示がさらにm回繰り返される。タイマ7は、前回情報記憶部に記憶されているタイマ選択テーブルを表す情報のタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)にも存在するタイマ番号であり、本発明にいう共通期間情報の一例に相当し、第2所定条件のタイマ番号条件は不成立である。したがって、第1副制御部400は、主制御部300から遊技状態コマンドが送られてきてテーブル変更(ここではテーブル4からテーブル5への変更)が告げられても、テーブルに対応したステージ変更は行わず、依然として殿ステージをステージ演出とした設定が継続される。
やがて、主制御部300でテーブル5に基づくタイマ9の選択が行われ、第1副制御部400に、タイマ9を表す情報が図柄変動開始コマンドに含められて送られてくる。タイマ9は、テーブル5には含まれているがテーブル4には含まれていないタイマ番号であり、本発明にいう特定期間情報の一例に相当する。したがって、第2所定条件のタイマ番号条件が成立し、ステージ変更が行われる。ここでは、殿ステージから、今回情報記憶部に記憶されている情報のテーブル5に対応した姫ステージに変更され、装飾図柄表示装置208には、図柄変動停止表示の背景画像として姫ステージの演出画像が表示される。
以上説明したように、この例では、テーブル5に基づいて図柄の変動時間が決定される図柄変動停止表示中のステージ演出を、第2所定条件のタイマ番号条件が成立するまで、テーブル4に基づいて図柄の変動時間が決定される図柄変動停止表示から継続して殿ステージを表す情報に基づいて制御することで、殿ステージをm回分延長することができたことになり、図柄の変動時間の間に行うために用意した殿ステージの演出画像を、十分楽しめるほど遊技者に見てもらえ、遊技の興趣がより一段と向上する。また、タイマ番号条件を用いることで、テーブル4にないテーブル5のタイマ番号用の特別な処理を行う必要も無いため、制御処理をシンプルにできる場合がある。
なお、ここでの例では、最初に小当り図柄1が停止表示しているが、大当り図柄3であっても大当り図柄4であってもよい。ハズレ図柄2の停止表示は、ハズレ図柄3の停止表示であってもよい。この場合、主制御部300側ではテーブル6に移行し、テーブル4にはないタイマ10が選択されることで、殿ステージから爺ステージに変更される。
図19(a)は、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件が使用回数条件であり、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件が合計回数条件のときのタイムチャートである。
ここでは、図18を用いて説明した例との相違点を中心に説明する。図19(a)に示す例でも、所定のタイマ選択テーブルをテーブル4とするが、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件は、所定のタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)を用いた図柄変動停止表示の現在の実行回数が、図8(c)や(d)に示すテーブルセット選択テーブルにおいて所定のタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)について予め定められた実行回数(ここでは50回)の半分未満であることを条件にした使用回数条件である。図19(a)に示す例では、n回は25回未満であり、第1所定条件の使用回数条件が成立する。したがって、第1副制御部400は、主制御部300から遊技状態コマンドが送られてきてテーブル変更(ここでもテーブル4からテーブル5への変更)が告げられても、テーブルに対応したステージ変更は行わず、依然として殿ステージをステージ演出とした設定が継続される。
一方、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件は、前回情報記憶部に記憶されている情報のタイマ選択テーブル(上記所定のタイマ選択テーブルであるテーブル4)を用いた図柄変動停止表示の実行回数(ここではn回)と、今回情報記憶部に記憶されている情報のタイマ選択テーブル(ここではテーブル5)を用いた図柄変動停止表示の実行回数(ここではm回)の合計が、上記所定のタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)について、図8(c)や(d)に示すテーブルセット選択テーブルにおいて予め定められている図柄変動停止表示の実行回数に達したことを条件にした合計回数条件(本発明にいう第2の条件の一例に相当)である。図19(a)に示す例では、n回とm回の合計が50回に達した時点で第2所定条件の合計回数条件が成立し、ステージ変更(殿ステージから姫ステージへの変更)が行われる。
図19(a)に示す例では、殿ステージをテーブルセット選択テーブルにおいて予定した回数(ここでは50回)行うことができ、図柄の変動時間の間に行うために用意した殿ステージの演出画像を、十分楽しめるほど遊技者に見てもらえ、遊技の興趣がより一段と向上する。
図19(b)は、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件がテーブル条件であり、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件が抽選条件のときのタイムチャートである。
ここでも、図18を用いて説明した例との相違点を中心に説明する。図19(b)に示す例でも、所定のタイマ選択テーブルをテーブル4とし、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件も、上述のテーブル条件である。一方、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件は、上記合計回数条件が成立した上で、所定確率で当選する乱数抽選(演出終了抽選)を実行し、その演出終了抽選に当選することを条件にした抽選条件である。図19(b)に示す例では、n回とm回の合計が50回に達した後、演出終了抽選に当選するまでp回の図柄変動停止表示を要している。
したがって、図19(b)に示す例では、殿ステージをテーブルセット選択テーブルにおいて予定した回数(ここでは50回)よりもさらにp回分余分に行うことができ、図柄の変動時間の間に行うために用意した殿ステージの演出画像を、できるだけ長く遊技者に見てもらえ、遊技の興趣がより一段と向上する。しかも、所定回(ここでは50回)という区切りを設けているため、テーブル4に対応した殿ステージが長くなりすぎることを防止することができる。
図20は、図18を用いて説明した例においてステージ演出継続中に電断復帰したときのタイムチャートを示す図である。
図20に示す例は、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件であるテーブル条件が成立し、殿ステージを継続している状態で、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件であるタイマ番号条件が成立する前に電断が生じた例である。
上述のごとく、本実施形態では、電源管理部660が、外部からの電源が断たれた後も主制御部300のRAM308等に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路を備えているため、RAM308は、パチンコ機100が電断されても、所定の領域に退避させた情報を維持することができる。また、電断時の、制御状態(遊技状態)や選択されていたタイマ選択テーブルやタイマ番号を表す情報も、パチンコ機100が電断されてもRAM308に維持される。復電時に、主制御部300は、第1副制御部400に、維持していた制御状態(遊技状態)を表す情報の他、タイマ選択テーブルやタイマ番号を表す情報も送信することも可能であるが、電断時には、第1副制御部400が主制御部300とは別に独自で、ステージ演出の制御を行っているため、ここでの復電時には、電断時の制御状態(遊技状態)を表すデフォルトテーブルを用いて、そのデフォルトテーブルに対応したステージ演出で復帰する。例えば、電断時の制御状態が特図低確率普図低確率(通常状態)であった場合には、復電後には、朝ステージに移行するので、遊技者の気分転換になる。また、特図高確率普図低確率状態でステージ演出継続中(殿ステージ)のときに電断復帰した場合には、殿ステージに移行するので、特図高確率普図低確率状態であることを遊技者が認識でき、遊技者の興趣が向上する。したがって、電断時には、主制御部300は、選択されていたタイマ選択テーブルやタイマ番号を表す情報を維持しておく必要もなく、仮に維持していたとしても、復電時に第1副制御部400に送信する必要はない。
なお、第1副制御部400に、電断時に選択されていたタイマ選択テーブルを復電時に送信する場合には、電断復帰後にデフォルトテーブルに移行せず、電断時のタイマ選択テーブル(ここではテーブル5)に復帰後に戻るとともに対応するステージ演出(姫ステージ)を行うようにしてもよい。また、主制御部300が、電断時のステージ(例えば殿ステージ)も記憶しておき、復帰後に電断時のステージ演出(殿ステージ)を行うようにしてもよい。
続いて、本発明の第2実施形態のパチンコ機について説明する。以下の説明では、第1実施形態のパチンコ機100における構成要素の名称と同じ名称の構成要素にはこれまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図21は、第2実施形態を説明するための図である。
図21(a)は、第2実施形態における特図当否判定結果がハズレの場合に使用される特図決定用テーブルを示す図である。
この第2実施形態では、特図当否判定結果と特図決定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)に基づく他、現在使用しているタイマ選択テーブルにも基づいて、ハズレ図柄を決定する。すなわち、現在使用しているタイマ選択テーブルごとにハズレ図柄の選択確率が異なる。
図21(a)に示す特図決定用テーブルでは、テーブル4およびテーブル6が使用されている場合には特図決定結果がハズレ図柄3になることはなく、テーブル5が使用されている場合には特図決定結果がハズレ図柄2になることはない。
図21(b)は、第2実施形態において、図14(b)に示すステップS3092cの第1所定条件がテーブル条件であり、図14(c)に示すステップS3094bの第2所定条件がタイマ番号条件のときのタイムチャートである。ここでも、図18を用いて説明した例との相違点を中心に説明する。
今回情報記憶部にテーブル4を表す情報が記憶されている状態では、ハズレ図柄3が停止表示される可能性がないことからテーブル5が取得される。また、今回情報記憶部にテーブル5を表す情報が記憶されている状態では、ハズレ図柄2が停止表示される可能性がないことからテーブル6が取得される。さらに、今回情報記憶部にテーブル6を表す情報が記憶されている状態でも、ハズレ図柄3が停止表示される可能性がないことからテーブル5が取得される。したがって、この第2実施形態のパチンコ機100では、タイマ選択テーブルがテーブル4→テーブル5→テーブル6→テーブル5→テーブル6・・・といったようなテーブル変更が行われるように設計されている。この例では、継続して遊技者に見せたい演出が対応したテーブルである所定のタイマ選択テーブルも上述のテーブル変更に併せて変わっていく。すなわち、所定のタイマ選択テーブルも、テーブル4→テーブル5→テーブル6→テーブル5→テーブル6・・・といったように変わっていく。このように、第2実施形態では、所定のタイマ選択テーブルが複数あることになる。
第2実施形態のパチンコ機100では、上述のテーブル変更に併せてステージも変更されるため、遊技者の気分転換を図ることができ、遊技の継続を促すことができる場合がある。
次に、本発明の第3実施形態のパチンコ機について説明する。
これまでは、継続して遊技者に見せたい演出をいかに長く遊技者に見せるかに注力していたが、演出があまりに長くなりすぎると、今度は遊技者に飽きられてしまう恐れがある。第3実施形態は、この点に配慮した実施形態である。
図22は、継続して遊技者に見せたい演出が対応したタイマ選択テーブルを使用した図柄変動停止表示の変動回数が所定回数に達した場合、そのタイマ選択テーブル専用の所定のタイマに当選するまで、他のステージ演出を実行するタイムチャートである。
第3実施形態では、継続して遊技者に見せたい演出が対応したタイマ選択テーブル(例えばテーブル4)の、テーブルセット選択テーブルにおいて予め定める図柄変動停止表示の実行回数を、多めにあえて設定し(例えば150回に設定し)、そのタイマ選択テーブル(テーブル4)を用いた図柄変動停止表示の回数が所定回数(ここでは150回未満のn回)に達した場合、継続して遊技者に見せたい演出が対応したタイマ選択テーブル専用のタイマ(ここではタイマ8)が選択されるまで、他の所定のステージ演出(ここではテーブル5に対応したステージ演出)に変更する。ここにいう他のステージ演出とは、例えば、この後、確率的に移行する可能性が高いテーブルに対応したステージ演出等が相当する。
図22に示す例では、継続して遊技者に見せたい演出が対応したタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)を用いた図柄変動停止表示の回数が所定回数(ここではn回)に達すると、第1副制御部400は、そのタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)に対応したステージ演出(ここでは殿ステージ)から、この後、確率的に移行する可能性が高いテーブル(ここではテーブル5)に対応したステージ演出(ここでは姫ステージ)へ、ステージ変更を一旦行う。そして、継続して遊技者に見せたい演出が対応したタイマ選択テーブル(ここではテーブル4)固有のタイマ番号(ここではタイマ8)が選択されるまで、変更したステージ演出(ここでは姫ステージ)を継続し(ここではm回継続し)、固有のタイマ番号(ここではタイマ8)が選択されると、先にn回行ったステージ演出(ここでは殿ステージ)に戻る。すなわち、今回情報記憶部に記憶されているタイマ選択テーブルに対応したステージ演出に戻る。やがて、所定の停止図柄態様(ここではテーブル変更が行われる停止図柄態様の一例であるハズレ図柄2)が停止表示されると、テーブル変更を行う。ここでは、殿ステージをp回行った後で、タイマ選択テーブルがテーブル4からテーブル5へ移行し、テーブル5に対応した姫ステージのステージ演出が再び行われる。
次いで、本発明の第4実施形態のパチンコ機について説明する。
この第4実施形態のパチンコ機では、始動情報(大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値)を当否判定を行う前に先読みし、当否判定結果がどのような結果(大当り,小当り,ハズレ)になるかの事前判定を行う。また、一又は複数の時間によって構成された特定タイマグループ、および複数の時間によって構成された一般タイマグループを含む複数のタイマグループの中から、事前判定の結果に基づいてタイマグループを選択する。さらに、事前判定の結果に基づいて所定の特定タイマグループが選択されたことに基づいて、遊技者にとって有利な当否判定結果であることを遊技者に期待させる予告報知を行うか否かを決定し、予告報知を行う場合には、当否判定が行われる前に予告報知を行う。
図23(a)は、第4実施形態における図6の主制御部メイン処理の入賞判定処理の流れを示すフローチャートである。
第4実施形態における入賞判定処理では、所定の始動情報として、大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の他に、タイマグループ抽選の際に用いるタイマグループ抽選用乱数値を取得する。すなわち、第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に入賞があったか否かを判定し(ステップS209a)、入賞があれば、保留している特図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し(ステップS209b)、所定数未満であれば、所定の始動情報として、大当り判定用乱数値、特図決定用乱数値、およびタイマグループ抽選用乱数値を取得する(ステップS209c)。タイマグループ抽選用乱数は、取り得る範囲が0〜99のソフトウェア乱数である。また、ステップS209cでは、RAM308に用意された特図保留数記憶領域に記憶されている特図の保留数の値に1を加算し、特図の保留数が1増加する。次いで、大当り判定用乱数値、特図決定用乱数値、およびタイマグループ抽選用乱数値は、RAM308に設けた特図の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶し(ステップS209d)、RAM308の送信情報記憶領域に特図保留増加を示す情報を追加記憶する(ステップS209e)。続いて、普図始動口228への入賞判定処理を実施し(ステップS209f〜k)、主制御部メイン処理に復帰する。
また、この入賞判定処理(ステップS209)が終了すると特図先読み処理が呼び出される。この特図先読み処理では、まず、RAM308に設けられた特図の保留記憶部内の始動情報(大当り判定用乱数値、特図決定用乱数値、タイマグループ抽選用乱数値)を先読みする。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の先読み処理では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
図23(b)は、特図先読み処理の流れを示すフローチャートである。
まず、始動情報が増加したか否かを判定し(ステップS210a)、増加していなければ、この特図先読み処理は終了になり、増加していれば増加した始動情報(大当り判定用乱数値、特図決定用乱数値、タイマグループ抽選用乱数値)を参照して特図の停止図柄態様(特図決定結果)とタイマグループを先読みする(ステップS210b)。主制御部300のRAM308には、特図先読み結果記憶部も用意されており、先読みした結果をその特図先読み結果記憶部に記憶させて(ステップS210c)、特図先読み処理は終了になる。
図24は、第4実施形態における図6の主制御部メイン処理の特図関連処理のうちの特図関連抽選処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS213aでは、所定の特図変動条件が成立しているか否かを判定する。ここにいう特図変動条件では、特図表示装置212が特図変動表示中ではなく、停止表示中でもないことが一つの条件になる。さらに、特図非作動中に設定されていて、かつ特図の保留数が1以上であることがもう一つの条件になる。特図変動条件が不成立であれば、この特図関連抽選処理は終了になる。一方、特図変動条件が成立してれば、当否判定処理(ステップS213b)を実行する。この当否判定処理では、記憶している始動情報のうちの大当り判定用乱数値を取得し、図7(a)に示す当否判定用テーブルを用いて、大当り判定用乱数値に基づいて、特図の当否判定結果を得る。また、得られた当否判定結果に基づいて、大当りフラグやハズレフラグの設定処理を行う。さらに、特図変動遊技の保留数を1つディクリメントする。
続くステップS213cの図柄判定処理では、記憶している始動情報のうちの大当り判定用乱数値を取得し、図7(b)に示す特図決定用テーブルを用いて、大当り判定用乱数値と先のステップS213bで得られた当否判定結果に基づいて、特図の停止図柄態様(特図決定結果)を得る。なお、当否判定結果が小当りの場合には、小当り図柄は一つだけであるため図柄判定処理を行わなくてもよい。
次のステップS213dのタイマ判定処理では、まず、記憶している始動情報のうちのタイマグループ抽選用乱数値を取得し、所定のタイマグループ決定テーブルを用いて、タイマグループ抽選用乱数値と先のステップS213cで得られた特図決定結果と図8(c)や(d)のタイマ選択テーブルから取得されたタイマ選択テーブルとに基づいてタイマグループを決定する。次いで、得られたタイマグループから、所定のタイマ番号決定テーブルを用いて、特図変動遊技の保留数に基づいてタイマ番号を決定する。
ステップS213dに続くステップS213eでは、各種情報(当否判定結果、特図決定結果、タイマ番号)をRAM308の送信情報記憶領域に記憶し、次いで、その他の処理を実行する(ステップS213f)。その他の処理では、例えば、使用した各種乱数値を消去したり、特図変動表示中に設定したりする。ステップS213fの実行が完了すると、特図関連抽選処理は終了する。
図25(a)は、特図関連抽選処理のステップS213dにおけるタイマグループ決定の際に用いられるタイマグループ決定テーブルを示す図である。このタイマグループ決定テーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
図25(a)に示すタイマグループ決定テーブルには、タイマグループ1〜タイマグループ11までのタイマグループが用意されている。タイマグループは、一又は複数のタイマ番号によって構成されたものである。タイマグループの詳しい説明については後述する。図25(a)に示すタイマグループ決定テーブルを記憶した主制御部300のROM306がタイマグループ記憶部の一例に相当する。図25(a)に示すタイマグループ決定テーブルには、特図決定結果ごとにタイマグループ抽選用乱数の範囲が規定されている。
図24に示すステップS213dのタイマ判定処理では、特図決定結果とタイマ選択テーブルとに基づく、タイマグループ抽選用乱数値が図25(a)に示すいずれの乱数範囲に属するかを判定する。例えば、特図決定結果がハズレ図柄1であって、タイマ選択テーブルとしてテーブル1が用いられている場合には、91%の確率でタイマグループ1に決定され、7%の確率でタイマグループ2に決定され、1%の確率でタイマグループ5に決定され、同じく1%の確率でタイマグループ6に決定される。一方、特図決定結果が大当り図柄3であって、タイマ選択テーブルとしてテーブル6が用いられている場合には、100%の確率でタイマグループ10に決定される。
図25(a)に示すタイマグループ決定テーブルと同じ内容のテーブルは、図23(b)に示す特図先読み処理におけるステップS210bでも使用され、タイマグループの先読みが行われる。なお、ステップS210bで使用されるテーブルは、特図決定結果が特図の停止図柄についての事前判定結果に置き換わっている。主制御部300は、特図関連抽選処理のステップS213dにおいて、複数のタイマグループの中からタイマグループを、特図先読み処理におけるタイマグループの判定結果を用いずに改めて選択する。
図25(b)は、特図関連抽選処理のステップS213dにおけるタイマ番号決定の際に用いられるタイマ番号決定テーブルを示す図である。タイマ番号決定テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
図25(b)に示すタイマ番号決定テーブルは、タイマグループと特図の保留数との関係が規定されたものである。主制御部300のCPU304は、RAM308の特図保留数記憶領域に記憶されている特図の保留数の値を参照し、タイマグループに基づいて、タイマ番号を決定する。特図の保留数は、第1特図始動口230への入球に基づくものと第2特図始動口232への入球に基づくものの合計値であり、ステップS213bで特図変動遊技の保留数を1つディクリメントしている関係から、最小値は0、最大値は7になる。タイマ番号は、特図の変動表示の時間(変動時間)を表すものであり、図25(b)には、各タイマ番号の右横に、そのタイマ番号に対応した変動時間が示されている。
本実施形態では、タイマグループには、1種類の所定時間のみによって構成された特定タイマグループ(タイマグループ4〜6,8〜10)、複数の時間によって構成された一般タイマグループ(タイマグループ1,2)、所定時間とは異なる時間のみによって構成されたタイマグループ(タイマグループ3,7,11)が含まれている。ここにいう所定時間は12秒以上の複数種類の時間(相対的に長い時間)であるが、1種類の時間であってもよい。また、特定タイマグループは、複数種類の所定時間のみによって構成されたものであってもよい。さらに、一般タイマグループを構成する複数の時間は、相対的に短い時間のみであってもよいし、相対的に長い時間である所定時間を含んでいてもよい。
主制御部300は、タイマ番号に基づく変動時間を、ステップS213dで改めて選択したタイマグループが前記特定タイマグループである場合には、該特定タイマグループを構成する一のタイマ番号に基づく変動時間に決定する。すなわち、特定タイマグループの場合には特図の保留数に基づかない変動時間(相対的に長い変動時間)に決定する。この結果、抽選結果の報知を遅らせて保留数が増える期間を設けることができるとともに、図柄変動停止表示が行われない時間を短くして遊技者の遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
一方、ステップS213dで改めて選択したタイマグループが前記一般タイマグループである場合には、該一般タイマグループを構成する複数のタイマ番号の中から特図の保留数に応じたタイマ番号に基づく変動時間に決定する。すなわち、一般タイマグループの場合には特図の保留数に基づく変動時間に決定する。保留数が多いほど、短い変動時間になり、当否判定結果を早く遊技者に報知することで保留数を保留できない状態を短くして遊技者が止め打ちするのを防止し、さらには遊技者が遊技をテンポ良く進めることができる。
以上をまとめると、第4実施形態のパチンコ機は、遊技球が始動領域に進入した場合に導出される始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、決定された変動時間にわたって図柄を変動表示した後に前記当否判定手段による当否判定結果を表す図柄を停止表示する図柄変動停止表示を実行する図柄表示手段と、前記当否判定手段が当否判定を行う前に、該当否判定の結果がどのような当否判定結果になるかの判定を行う先読み手段と、一又は複数の時間によって構成された特定タイマグループ、および複数の時間によって構成された一般タイマグループを含む複数のタイマグループを記憶したタイマグループ記憶部と、前記タイマグループ記憶部に記憶されている複数のタイマグループの中からタイマグループを、前記当否判定手段が当否判定を行う前に前記先読み手段の判定結果に基づいて選択するタイマグループ選択手段と、前記タイマグループ選択手段が所定の特定タイマグループを選択したことに基づいて、遊技者にとって有利な抽選結果であることを遊技者に期待させる予告報知を行うか否かを決定する予告報知決定手段と、前記予告報知決定手段が前記予告報知を行うと決定した場合に、前記当否判定手段が当否判定を行う前に、前記予告報知を行なう予告報知手段と、始動領域に入賞したことに基づく前記当否判定の実行を保留するとともに保留数に1を加算し、保留数が1以上のときに該図柄変動停止表示が1回行われることに基づいて該保留数から1減算する保留手段と、前記当否判定手段によって前記先読み手段の判定結果を用いずに前記当否判定が行われる際に、前記変動時間を決定する変動時間決定手段とを有し、前記変動時間決定手段は、前記タイマグループ記憶部に記憶されている複数のタイマグループの中からタイマグループを、前記先読み手段の判定結果を用いずに改めて選択し、前記変動時間を、改めて選択したタイマグループが前記特定タイマグループである場合には、該特定タイマグループを構成する一又は複数の時間の中から前記保留数に基づかない時間に決定し、改めて選択したタイマグループが前記一般タイマグループである場合には、該一般タイマグループを構成する複数の時間の中から前記保留数に応じた時間に決定するものであることを特徴とする遊技台である。すなわち、これまで説明した実施形態では、特図の変動開始時にタイマ番号を乱数抽選して決定していたが、この第4実施形態では、始動口入賞時にタイマグループ抽選を行ってタイマグループを決定し、決定したタイマグループが所定のタイマグループ(ここでは一般タイマーグループ)であれば、そのタイマグループから変動開始時の保留数に基づいて変動タイマを決定する。
図26(a)は、第4実施形態における遊技状態コマンド処理の流れを示すフローチャートである。
図26(a)に示すステップS3192aからステップS3192dまでは、図14(b)に示すステップS3092aからステップS3092dと同じであるため、ここでの説明は省略する。この第4実施形態における遊技状態コマンド処理では、第1所定条件に加えて第3所定条件も用いる。ステップS3192dに続くステップS3192eでは、第3所定条件が成立したか否かを判定する。この第3所定条件も、前回情報記憶部に記憶されているテーブルに対応した演出(ステージ演出)を継続して遊技者に見せる継続開始条件の一つである。第3所定条件は、例えば、特図の停止図柄態様(特図決定結果)を先読みした先読み結果に、タイマ選択テーブルを変更する特定の停止図柄態様(例えばハズレ図柄2)があり、その特定の停止図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示より前の図柄変動停止表示において使用されるタイマグループから選択されるタイマが変更後のタイマ選択テーブルから選択可能なタイマであることを条件としてもよい(以下、この条件を先読み条件と称することがある)。ここで、タイマ選択テーブルを変更する特定の停止図柄態様を変更停止図柄態様と称する。
また、現在のタイマ選択テーブル滞在時の図柄変動停止表示の実行回数が所定回数以上であることを条件にしてもよい(以下、この条件を所定回数条件と称することがある)。ここにいう所定回数は、例えば、継続して遊技者に見せたい演出が対応したテーブルである所定のタイマ選択テーブルについて、図8(c)や(d)に示すテーブルセット選択テーブルにおいて予め定められている図柄変動停止表示の実行回数(テーブル4で50回)の半分の回数であってもよい。
なお、この第3所定条件の成立は、上記先読み条件と上記所定回数条件の両条件を満足することによって成立することにしてもよいし、いずれか一方の条件のみを満足することによって成立することにしてもよい。
第1副制御部400のRAM408には、演出状態短縮フラグも用意されている。第3所定条件が成立していれば、その演出状態短縮フラグをオンに設定し(ステップS3192f)、遊技状態コマンド処理は終了になる。一方、第3所定条件が不成立であれば、その演出状態短縮フラグをオフに設定し(ステップS3192g)、遊技状態コマンド処理は終了になる。
図26(b)は、第4実施形態における図柄変動開始コマンド処理の流れを示すフローチャートである。
図26(b)に示すステップS3194aでは、上記ステップS3192fおよびステップS3192gで設定した演出状態短縮フラグがオンに設定されているか否かを判定し、オフであればステップS3194cへ進み、オンであればステップS3194bへ進む。ステップS3194bでは、演出状態特別更新処理を行う。この演出状態特別更新処理は、例えば、先読み結果の上記変更停止図柄態様(例えばハズレ図柄2)によって変更されるタイマ選択テーブルに対応したステージ演出を表す情報を、RAM408に用意されたステージ演出記憶領域に記憶する。
図26(b)に示すステップS3194cからステップS3194gまでは、図14(c)に示すステップS3094aからステップS3094deと同じであるため、ここでの説明は省略する。
図27は、先読み条件が成立してステージ変更を先に行う例のタイムチャートである。すなわち、図27に示す例では、上記変更停止図柄態様(ハズレ図柄2)を先読みしたとき、変更停止図柄態様を停止する図柄変動停止表示よりも前の図柄変動停止表示で変更後のテーブル(テーブル5)に無いタイマに基づく変動が行われない場合に、ステージを先に変更する。小当り遊技終了後にテーブル4が使用され、ハズレ図柄を停止表示する図柄変動停止表示がn回行われる。n回の図柄変動表示の変動時間は、タイマ7に基づく変動時間(8秒)である。こうして図柄変動停止表示がn回実行された時点での特図先読み結果記憶部では、最も古い保留1に対応した先読み結果、2番目に古い保留2に対応した先読み結果、3番目に古い保留3に対応した先読み結果はいずれも、停止図柄態様がハズレ図柄1になり、タイマグループがタイマグループ7になる先読み結果である。なお、ハズレ図柄1が停止表示された場合には、タイマ選択テーブルが変更されることはなく、これまで使用していたタイマ選択テーブルを引き続いて使用する。最も新しい保留4に対応した先読み結果は、停止図柄態様が上記変更停止図柄態様(ハズレ図柄2)であるがタイマグループはタイマグループ7になる先読み結果である。この結果、上記変更停止図柄態様(ハズレ図柄2)を停止表示する図柄変動停止表示より前の図柄変動停止表示において使用されるタイマグループ(ここではタイマグループ7)から選択されるタイマは、図25(b)に示すようにタイマ7(通常変動2)になる。また、上記変更停止図柄態様(ハズレ図柄2)が停止表示される図柄変動停止表示において使用されるタイマグループ(ここではタイマグループ7)から選択されるタイマも、図25(b)に示すようにタイマ7(通常変動2)になる。したがって、上記先読み条件が成立し演出状態短縮フラグがオンに設定され、図26(b)に示す図柄変動開始コマンド処理のステップS3194bにおける演出状態特別更新処理では、いずれ停止表示されることになるハズレ図柄2に基づいてテーブル5へ変更されること(図8(d)参照)を見越して、そのテーブル5に対応した姫ステージの演出へステージ演出を切り替える。この結果、本来、ハズレ図柄2が停止表示された後に開始される姫ステージが、保留1に対応した図柄変動停止表示から開始され、演出状態が短縮されている。
なお、例えば保留3のハズレ図柄1がタイマグループ8であった場合には、保留3に対応した図柄変動停止表示ではタイマ8(殿リーチ)となり、タイマ8は姫ステージ(テーブル5)では選択されないタイマであるため、演出状態を短縮しない。
図28は、殿ステージ演出中にテーブル4のタイマ8(殿リーチ)が選択される例を示した図である。
図28には、装飾図柄表示装置の表示画面2080が時系列的に示されている。図28の各図に示す表示画面では、殿ステージの背景画像が表示され、同図(a)〜(b)と同図(c)〜(d)では、タイマ7に基づく通常変動2が行われている。同図(e)〜同図(g)では、タイマ8に基づく殿リーチが行われている。この殿リーチでは、主人公のキャラクタである殿が敵を倒す(同図(f))と同時にリーチ演出に発展し、リーチ状態になって新たな敵が登場する(同図(g))。
図29は、殿ステージ演出中にテーブル4にないタイマ9(姫リーチ)が選択される例
を示した図である。
図29にも、装飾図柄表示装置の表示画面2080が時系列的に示されている。図28に示す例と同じく、同図(a)〜(b)と同図(c)〜(d)では、殿ステージの背景画像においてタイマ7に基づく通常変動2が行われている。また、図28に示す例と同じく、同図(e)では図柄の変動が開始され、同図(f)では主人公のキャラクタである殿が敵を倒す。この図柄変動停止表示でも、図28に示す例と同じく、殿が敵を倒すと同時にリーチ演出に発展するが、この図柄変動停止表示では、タイマ9に基づく姫リーチのリーチ演出が行われ、キャラクタの姫が登場する。この図29に示す例では、ステージ演出とタイマ番号に基づく変動パターン演出との対応関係が考慮されておらず、制御状態(遊技状態)が変化しても演出を継続する従来の良くない例に相当し、遊技者に大きな違和感を与える演出の流れになってしまう。本実施形態のパチンコ機100では、このようなことはなく、遊技者に大きな違和感を与えることはない。
ところで、従来のパチンコ機では、タイマ選択テーブルを変更するための契機として、特定図柄の停止や所定回数変動が行われたことを契機してテーブル変更を行っている。これは、タイマ選択テーブルを変更するための契機を専用の抽選処理を用いて行った場合、遊技の公平性が阻害されるおそれがあるためである。また、タイマ選択テーブルごとに対応した演出を行い、タイマ選択テーブルの変更に応じて演出も切替えている。そして、特定のタイマ選択テーブル滞在時に遊技者に気分転換を図ってもらうために他のタイマ選択テーブルに変更する場合(他のタイマ選択テーブルに対応した演出に切り替える場合)、特定のタイマ選択テーブルの変動回数が所定回数行われたことに基づいて変更すると、該所定回数を遊技者が把握していると演出を切り替えるときの演出効果が下がってしまう。特定図柄停止に基づいてタイマ選択テーブルを変更すれば、演出がいつ切替るかわからないので演出効果が低下することはないが、特定図柄が早期に停止した場合には特定のタイマ選択テーブルの演出を長く見せることができないという問題がある。
なお、スロットマシンでは、RT中に転落してもRT中の演出をリプレイを引き続ける限り継続したり、AT高確率中に転落してもAT高確率中の演出をしばらく継続するものがある。しかし、これらは良い状態を長く演出するという構成であり、遊技者に気分転換を図ってもらうこととは考え方が基本的に異なる。
これまで説明した各実施形態のパチンコ機100では、上述のごとく、図柄の変動時間の間に行うために用意した演出を、十分楽しめるほど遊技者に見てもらえ、遊技の興趣がより一段と向上する。
また、これまで説明した実施形態では、特図の種類は1種類であったが、特図1と特図2というように特図を複数種類設けてもよい。また、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行うようにしてもよいし、特図2の抽選結果の報知を、特図1の抽選結果の報知よりも優先して行うようにしてもよい。例えば、第1の特別始動領域に遊技球が進入した場合に第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納し、第2の特別始動領域に遊技球が入賞した場合に第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、前記第1の乱数値記憶領域および前記第2の乱数値記憶領域の両方に乱数値が記憶されている場合に、前記第1の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期および前記第2の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期とは無関係に該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行うとともに、前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行い、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えた遊技台であってもよい。
以上の説明では、『遊技球が始動領域(例えば、第1特図始動口230,第2特図始動口232)に進入した場合に導出される始動情報(例えば、大当り判定用乱数値)に基づいて当否判定を行ない、該当否判定の結果が第1の当否判定結果(例えば、大当りの判定結果)である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(例えば、非当り制御状態)から該第1の有利度よりも該有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態(例えば、大当り制御状態)に制御状態を移行させる遊技台において、一または複数の期間情報(例えば、タイマ番号)を含む複数種類の期間情報テーブル(例えば、タイマ選択テーブル)を記憶した期間情報テーブル記憶手段(例えば、ROM306)と、 前記期間情報テーブル記憶手段から期間情報テーブルを取得する期間情報テーブル取得手段(例えば、主制御部300)と、前記期間情報テーブル取得手段が取得した期間情報テーブルおよび前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示期間を決定する変動期間決定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記変動期間決定手段が決定した図柄の変動表示期間に亘って図柄を変動表示させた後に前記当否判定の結果に対応した停止図柄態様で図柄を停止表示する図柄表示手段(例えば、特図表示装置212)と、前記図柄表示手段による図柄の変動表示の開始から停止表示までの図柄変動停止表示中に演出動作(例えば、ステージ演出の表示)を行なう演出手段(例えば、装飾図柄表示装置208と、複数の演出情報(例えば、ステージ演出を表す情報)を記憶した演出情報記憶手段(例えば、ROM406)と、前記演出情報記憶手段から演出情報を取得する演出情報取得手段(例えば、第1副制御部400のCPU404)と、前記演出情報取得手段が取得した演出情報に基づいて前記演出動作を制御する演出制御手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500)と、を備え、前記期間情報テーブル記憶手段は、前記複数種類の期間情報テーブルとして、前記第1の当否判定結果とは異なる第2の当否判定結果(例えば、小当りおよび/またはハズレの判定結果)に対応した所定の停止図柄態様(例えば、ハズレ図柄2)を前記図柄表示手段が停止表示したことに基づいて前記期間情報テーブル取得手段が取得可能な所定の第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル5)と、前記期間情報テーブル取得手段によって該第1の期間情報テーブルが取得される前に該期間情報テーブル取得手段が取得可能な第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)とを記憶したものであり、前記演出情報記憶手段は、複数の演出情報のうちの一つの演出情報として、前記第2の期間情報テーブルに基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示中の演出動作を前記演出制御手段が制御する際に基づく特定演出情報(例えば、殿ステージを表す情報)を記憶したものであり、前記演出制御手段は、前記第1の期間情報テーブルに基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示中の演出動作を、所定の条件(例えば、第2所定条件)が成立するまで、前記第2の期間情報テーブルに基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示から継続して前記特定演出情報に基づいて制御することを特徴とする遊技台。』について説明した。
この遊技台によれば、第2の期間情報テーブルに基づく演出をできるだけ長く遊技者に見せることができるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
ここで、前記第1の当否判定結果は所定の大当り判定結果であってもよいし、前記第2の当否判定結果は所定の非大当り判定結果であってもよい。あるいは、前記第1の当否判定結果は所定の当り判定結果であってもよいし、前記第2の当否判定結果は所定のハズレ判定結果であってもよい。
また、前記変動期間決定手段は、前記所定の停止図柄態様の停止表示から前記図柄表示手段が行う前記図柄変動停止表示の回数が所定回数(例えば、50回)になるまで前記第1の期間情報テーブルに基づいて図柄の変動表示期間を決定するものであってもよい。
さらに、前記演出制御手段は、前記第2の期間情報テーブルに基づいて前記変動表示期間が決定される特定図柄変動停止表示の実行が所定回未満である場合には、前記第1の期間情報テーブルに基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示中の演出動作を、該特定図柄変動停止表示から継続して前記特定演出情報に基づいて制御するものであってもよい。
また、『前記第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル5)は、前記第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)には含まれていない特定期間情報(例えば、タイマ9)を含み、前記所定の条件(例えば、第2所定条件)は、第1の条件として、前記第1の期間情報テーブルに含まれている前記特定期間情報に基づいて前記変動表示期間が決定されること(タイマ番号条件)を含むことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
この遊技台によっても、第2の期間情報テーブルに基づく演出をできるだけ長く遊技者に見せることができる、さらに、第2の期間情報テーブルにない第1の期間情報テーブルの特定期間情報に応じた特別な処理を行う必要も無いため、制御処理をシンプルにできる場合がある。
また、『前記第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル5)と前記第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)は、それぞれに含まれる所定の共通期間情報(例えば、タイマ4,タイマ7)と、いずれか一方にのみ含まれる所定の固有期間情報(タイマ8,タイマ9)とを含み、前記変動期間決定手段(例えば、主制御部300のCPU304)は、前記期間情報テーブル取得手段(例えば、主制御部300)が取得した期間情報テーブル(例えば、タイマ選択テーブル)に含まれる期間情報(例えば、タイマ番号)を選択し、選択した期間情報および前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示期間を決定するものであり、該期間情報の選択にあたっては、前記固有期間情報よりも前記共通期間情報を選択しやすいことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
この遊技台によれば、第1の期間情報テーブルでは第2の期間情報テーブルと共通の期間情報が選択され易いので共通の変動表示時間が連続し易くなり、第2の期間情報テーブルに基づく演出をできるだけ長く遊技者に見せることができる場合がある。
また、『前記所定の条件(例えば、第2所定条件)は、第2の条件として、前記特定演出情報(例えば、殿ステージを表す情報)に基づく演出動作が行われる前記図柄変動停止表示の実行回数が所定回数(例えば50回)に達したこと(合計回数条件)を含むことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
この遊技台によれば、第2の期間情報テーブルに基づく演出を所定の回数以上、できるだけ長く遊技者に見せることができる場合がある。
さらに、『前記第2の条件(合計回数条件)は、前記特定演出情報(例えば、殿ステージを表す情報)に基づく特定演出動作(殿ステージの演出表示)が行われる、前記第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)に基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示の実行回数と、前記特定演出動作が行われる、前記第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル5)に基づいて前記変動表示期間が決定される前記図柄変動停止表示の実行回数を合わせた回数が所定回数(例えば50回)に達したことであることを特徴とする遊技台。』についても説明した。
この遊技台によれば、第2の期間情報テーブルに基づく演出が長くなりすぎることを防止することができる場合がある。
ここで、前記第2の条件は、前記第1の条件が成立し、かつ前記特定演出情報に基づく演出動作が行われる前記図柄変動停止表示の実行回数が所定回数に達したことであってもよい。
また、前記所定の条件は、第3の条件として、前記第2の条件が成立し、かつ所定の当選確率の特定演出終了抽選に当選したこと(抽選条件)を含むものであってもよい。さらに、前記所定の条件は、前記第1条件が成立し、かつ前記第3の条件も成立したことであってもよい。
なお、第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル5)の上記固有期間情報(例えば、タイマ9)が表す期間の方が、第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)の上記固有期間情報(例えば、タイマ8)が表す期間よりも長くてもよい。こうすることで、期間情報テーブル変更後の最初の図柄変動停止表示を盛り上げることができる場合がある。
また、前記所定の停止図柄態様(例えば、ハズレ図柄2)は、停止表示しても期間情報テーブルを変更しない停止図柄態様(例えば所定のハズレ図柄:ハズレ図柄1)よりも選択され難いものであってもよい。こうすることで、演出がすぐに変更(ステージ変更)が行われにくくなり、第2の期間情報テーブルに基づく演出を長く遊技者に見せることができる場合がある。
また、第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル4)に対応した演出(ステージ演出)を継続中に電断した場合、復帰後は遊技状態に対応した期間情報テーブルの演出を行うようにしてもよい。電断して遊技が一時的に中断されるため、電断後に期間情報テーブルを変更することで遊技者の気分転換を図ることができる場合がある。
また、前記所定の条件は、前記第2の条件が成立後に図柄変動停止表示毎に継続演出終了抽選を行って当選したことを第3条件とすることを含むものであってもよい。特定図柄の停止を待たずに第1の期間情報テーブルに対応した演出を行えるため、第2の期間情報テーブルに対応した演出が長くなりすぎることを防止することができる場合がある。
また、第1の期間情報テーブル選択中に所定の第二の停止図柄態様の停止に基づいて第3の期間情報テーブルに変更する場合、前記所定の第二の停止図柄態様を停止することとなる変動は、前記所定の第二の期間情報に基づいて行われるものであってもよい。第2の期間情報テーブルに対応した演出から第1の期間情報テーブルに対応した演出を経由せずに第2の期間情報テーブルに対応した演出に移行することがないため、第1の期間情報テーブルの演出を確実に遊技者に見せることができる場合がある。
また、第1の期間情報テーブル選択中は、前記所定の停止図柄態様よりも所定の第二の停止図柄態様を停止し易いものであってもよい。こうすることで、第2の期間情報テーブルに対応した演出、第1の期間情報テーブルに対応した演出、第3の期間情報テーブルに対応した演出の順に遊技者に見せることができる。
また、第2の期間情報テーブル選択中に第2の期間情報テーブルに対応した演出を伴う図柄変動停止表示が前記所定回数に達し且つ前記所定の図柄態様が未だ停止していない場合、第1の期間情報テーブルにない第2の期間情報テーブルの期間情報が選択されるまでは第2の期間情報テーブルに対応した演出を第1の期間情報テーブルに対応した演出に変更してもよい。こうすることで、第2の期間情報テーブルに対応した演出が必要以上に長くなることを防いで遊技者の気分転換を図ることができる。
また、第1の期間情報テーブルから選択された所定の第二の期間情報は、第2の期間情報テーブルに対応した演出である背景演出と対応する特定変動態様で変動し、前記特定変動態様は、第2の期間情報テーブルに対応した演出である背景演出時に行われた場合に遊技者に違和感を与える演出内容である。具体的には、第2の期間情報テーブルに対応した演出である背景演出(例えば、殿ステージ)で特定変動態様(例えば、姫リーチ)が出現するなどの遊技者に違和感を与える演出を防止して、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる場合がある。
なお、以上説明した各実施形態それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の実施形態に適用してもよい。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が第一の当否判定結果である場合に、
遊技者に対する有利度が第一の有利度である第一の制御状態から該第一の有利度より前記有利度が高い第二の有利度である第二の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
一または複数の時間情報を含む時間情報テーブルと、
複数種類の時間情報テーブルを記憶した時間情報テーブル記憶手段と、
前記時間情報テーブル記憶手段から所定の時間情報テーブルを取得する時間情報テーブル取得手段と、
前記取得した時間情報テーブルおよび前記当否判定の結果に基づいて、図柄の変動表示時間を決定する変動時間決定手段と、
前記決定した図柄の変動表示時間に亘って図柄を変動表示させた後、前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
前記図柄変動停止表示中に演出動作を行なう演出手段と、
一または複数の演出情報を含む演出情報記憶手段と、
前記演出情報記憶手段から所定の演出情報を取得する演出情報取得手段と、
前記取得した演出情報に基づいて、前記演出動作を制御する演出制御手段と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の時間情報テーブルは、前記第一の当否判定結果とは異なる第二の当否判定結果に対応した所定の図柄態様を前記図柄表示手段が停止表示したことに基づいて前記時間情報テーブル取得手段が取得可能な所定の特別時間情報テーブルを含み、
前記時間情報テーブル取得手段は、前記所定の図柄態様の停止表示から前記図柄表示手段が行う前記図柄変動停止表示が所定の変動回数となるまで所定の第一の時間情報テーブルを取得し、
前記演出情報取得手段は、前記所定の第一の時間情報テーブルとなる前の所定の第二の時間情報テーブルを前記時間情報テーブル取得手段が取得時に取得していた前記所定の演出情報を、所定の条件が成立するまで前記時間情報テーブル取得手段が前記所定の第一の時間情報テーブルを取得時に取得する
ことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台において、
前記所定の条件は、前記所定の第二の時間情報テーブルで取得不可能な前記所定の第一の時間情報テーブルの時間情報に基づく前記変動表示時間が前記変動時間決定手段によって決定される所定の第一の条件を含む
ことを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1又は2に記載の遊技台において、
前記所定の第二の時間情報テーブルと共通の前記所定の第一の時間情報テーブルのうちの1つの所定の第一の時間情報は、前記所定の第一の時間情報テーブルにない前記所定の第二の時間情報テーブルのうちの1つの所定の第二の時間情報よりも選択され易い
ことを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1〜3のいずれかに記載の遊技台において、
前記所定の図柄態様の停止表示後に前記演出情報取得手段は、前記所定の第二の時間情報テーブルを前記時間情報テーブル取得手段が取得時に取得していた前記所定の演出情報を、前記所定の演出情報の取得時に行われた前記図柄変動停止表示の回数が所定の回数達していない場合に取得する
ことを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1〜4のいずれかに記載の遊技台において、
前記所定の条件は、前記所定の第二の時間情報テーブルと前記所定の第一の時間情報テーブルとで行われた前記所定の演出情報を伴う前記図柄変動停止表示の回数が所定の第二の回数である所定の第二の条件を含む
ことを特徴とする遊技台。