以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。まず、図1〜図33を参照して、第1実施形態について説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式のストップスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
遊技者がストップスイッチを操作することなく操作ハンドル51を右回りに回転操作すると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射される。これにより、遊技者による操作ハンドル51の回動操作量に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサおよびストップスイッチはオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右上側(図2の右上側)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、7セグメントLED37aや、LED37bなどが設けられている。7セグメントLED37aは、例えば、エラー表示を行うものである。
一方、LED37bは、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成され、その点灯色(点灯態様)によって第1図柄を表示するものである。具体的に、球が第1入球口64に入賞する毎にLED37bの色換え表示(変動表示)が行われ、その変動表示が停止したときの第1図柄(即ち、LED37bの点灯色)により、第1入球口64への入賞をトリガとして主制御装置110(図3,図6参照)でなされる大当たりの抽選結果が確定的に表示される。
より詳しくは、球が第1入球口64に入賞すると、LED37bは、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という順序で高速に色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、第1入球口64への入賞に基づく内部抽選の結果が停止表示される。
第1図柄表示装置37には、上述したLED37a,LED37b以外にも、各種情報を報知するための複数のLED(図示せず)が設けられている。これらの複数のLEDは、パチンコ機10が変動表示中(変動中)であるか否かや、第1入球口64への球の入賞(入球)を保留した回数などを、点灯状態によって報知する。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117(図6参照)によって表示内容が制御され、例えば、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の第3図柄によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が変動表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において、主制御装置110(図6参照)の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示(LED37bの点灯)が行われるのに対し、その第1図柄の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数を、最大4回まで保留する。この保留回数は、上述した通り第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以下では、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称することがある。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数(即ち、特図保留球数Nが取り得る最大値)は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数が表示される場合には、特図保留ランプ85を設けない構成としてもよい。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64についての保留回数と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口67についての球の保留回数を第1図柄表示装置37に設けられたLEDを用いて表示する構成としてもよい。第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81に第2入球口67についての球の保留回数を表示させる場合には、第2図柄保留ランプ84を設けない構成としてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図6参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の停止図柄が第1図柄表示装置37(LED37b)に表示されると共に、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球の数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図6に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、大開放口ソレノイドにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっている。一方で、第1入球口64への入賞に基づく主制御装置110での内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選すると、大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。開閉実行モードとは、内部抽選において大当たり又は特別外れが選定された場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞し難い状態となる構成としてもよい。
パチンコ機10においては、主制御装置110での内部抽選が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37bを内部抽選の結果に応じた停止表示となるように点灯させると共に、その抽選結果に対応した停止表示を第3図柄表示装置81に表示させる。その後、開閉実行モードへ移行する。
特定入賞口65aの1回の開閉態様は、特定入賞口65aが開放されてから閉鎖されるまでの開放時間(開放期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放時間が最長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放時間が最短時間である0.6secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
開閉実行モードにおいて特定入賞口65aが開閉する回数は、内部抽選の結果が大当たりであった場合には、停止表示後に実行される複数回のラウンド遊技の各回に対し、それぞれ1回とされる。よって、内部抽選の結果が大当たりであった場合に、開閉実行モードにおいて特定入賞口65aが開閉する回数は、抽選結果の大当たりの種別に対して設定されているラウンド遊技の回数に等しい。一方、内部抽選の結果が特別外れであった場合に、開閉実行モードにおいて特定入賞口65aが開閉する回数は、予め設定されている所定回数(本実施形態では、15回)である。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37bにおいて停止表示が表示された場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4及び図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
図4に示すように、第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする変動表示が実行された場合、その変動表示は、所定の変動時間後に、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃って停止すれば、大当たりが発生し、その大当たり遊技中に大当たり動画(大当たり演出)が表示される。
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(図4におけるZ1のライン)、中ライン(図4におけるZ2のライン)、下ライン(図4におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に変動表示を停止する。
変動表示を停止したときの停止表示は、第1入球口64への入賞に基づく内部抽選の結果を表わす図柄の組み合わせとされる。本実施形態では、内部抽選により、非明示高確大当たり(潜伏確変大当たり)と、明示高確大当たり(突然確変大当たり)と、最有利大当たり(15R確変大当たり)と、低確大当たり(15R通常大当たり)と、特別外れと、通常外れとの6種類のうち、いずれかが選定されるように構成されている。内部抽選により、大当たり(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり)が選定された場合には、変動表示の後に、内部抽選の結果に応じた図柄の組み合わせで停止表示されると、内部抽選の結果に応じた大当たりが発生する。
内部抽選の結果が最有利大当たり又は低確大当たりである場合には、同一の主図柄の組み合わせで停止表示される。具体的に、内部抽選の結果が最有利大当たりである場合には、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)のうち、同一の図柄が揃って停止する。一方、内部抽選の結果が低確大当たりである場合には、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)のうち、同一の図柄が揃って停止する。
内部抽選の結果が大当たりであっても、非明示高確大当たり及び明示高確大当たりの場合には、所定の番号の図柄の組み合わせ(例えば、「3・4・1」の並び)で停止表示される。よって、第3図柄表示装置81に表示される表示内容からは、遊技者は、非明示高確大当たりと明示高確大当たりとの区別を付けることができないので、非明示高確大当たり又は明示高確大当たりのどちらが選ばれたかを認識し難い。詳細は後述するが、非明示高確大当たりと、明示高確大当たりとでは有利度が異なるので、これらの大当たりのうち、どちらが選ばれたかを認識し難くしたことにより、非明示高確大当たりと明示高確大当たりとを含む遊技の興趣を高めている。ただし、詳細は後述するが、明示高確大当たりは、非明示高確大当たりとは異なり、開閉実行モードの終了後に、第1入球口64に付随する電動役物の動作が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高い状態に必ず移行するので、その点において、見た目の区別は可能である。
また、本実施形態では、内部抽選の結果が、特別外れである場合もまた、停止表示される図柄の組み合わせは、非明示高確大当たり及び明示高確大当たりの場合(例えば、「3・4・1」の並び)と同じとされる。特別外れは外れの一種であるので、有利度は、非明示高確大当たり及び明示高確大当たりに比べ、さらに低い。よって、異なる有利度の抽選結果を、共通する図柄の組み合わせで行うので、遊技者が最も注目し易い第3図柄表示装置81に表示される停止表示から、有利度の異なる3種類の抽選結果を認識し難くしたことにより、遊技の興趣をさらに向上させている。
内部抽選の結果が、通常外れである場合には、上述した各抽選結果(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり、特別外れ)の停止表示とは異なる組み合わせの表示が適宜選択されて表示される。
第3図柄表示装置81の表示画面の一部には、非明示高確大当たりが選定したか否かを期待させる期待表示として、期待テロップ81a1又は確定テロップ81a2がテロップ表示される領域81aが設けられている。図5(a)及び(b)に示す例では、第3図柄表示装置81の表示画面の上方に領域81aが設けられている。本実施形態のパチンコ機10では、期待テロップ81a1が領域81aにテロップ表示される場合と、確定テロップ81a2が領域81aにテロップ表示される場合と、領域81aに何も表示されない場合とで、非明示高確大当たりが選定されたことの期待度(以下、この期待度を「潜確期待度」と称す)が異なるように構成されている。
変動表示の実行中に領域81aに何も表示されない画面(以下、この画面を「通常画面」と称することがある)は、通常の変動表示において表示される画面であり、潜確期待度は最も低い画面である。
図5(a)に示すように、変動表示の実行中に、「熱い?」というテキストによる期待テロップ81a1が、変動方向Xと同方向に流れるテロップ表示として、領域81aに表示される画面(以下、この画面を「期待画面」と称することがある)は、内部抽選の結果として非明示高確大当たり又は特別外れが選定された場合に表示される。
図5(b)に示すように、変動表示の実行中に、「確変!」というテキストによる確定テロップ81a2が、変動方向Xと同方向に流れるテロップ表示として、領域81aに表示される画面(以下、この画面を「確定画面」と称することがある)は、内部抽選によって非明示高確大当たりが選定された場合、又は、非明示高確大当たりによって期待画面の表示が開始された後の内部抽選において特別外れが選定された場合に表示される。
つまり、確定画面は、非明示高確率状態でないときの内部抽選によって特別外れが選定された場合には決して表示されない画面である。よって、期待画面と確定画面とを比較した場合、潜確期待度は確定画面の方が高い。従って、潜確期待度は、通常画面<期待画面<確定画面の順で高い。
非明示高確大当たりは、ラウンド遊技後に、大当たり確率が高確率状態になるが、第1入球口64に付随する電動役物によるサポートの態様など、可動物の見た目は、内部抽選以前の状態が継続される。一方、特別外れは、大当たり確率も、電動役物によるサポートの態様も、内部抽選以前の状態が継続される。よって、非明示高確大当たりと特別外れとは、大当たり確率が高確率状態になるか否かの違いはあるものの、遊技者は、可動物の見た目からはその区別を付け難い。よって、遊技者は、大当たり確率が高確率状態とされか否かを予測しながら遊技を行うことができ、遊技への注目度を向上させることができる。
しかし、その一方で、見た目での区別が困難であるが故に、実際には非明示高確大当たりによって大当たり確率が高確率状態になっているにもかかわらず、遊技者はそのことに気が付かず、遊技を止めてしまう事例も少なくない。これに対し、本実施形態のパチンコ機10では、特別外れを利用して、非明示高確大当たりが選定されたことの期待度(つまり、潜確期待度)を、期待画面又は確定画面によって示唆できるように構成されている。
例えば、本実施形態のパチンコ機10では、通常画面の表示中(即ち、画面が、期待画面又は確定画面のいずれにも遷移していない期間中)に、内部抽選により、非明示高確大当たり又は特別外れが選定された場合には、非明示高確大当たりが選定されたことを期待させる画面として、期待画面又は確定画面が表示されるように構成されている。この場合、確定画面は非明示高確大当たりが選定された場合にしか表示されないが、期待画面は、特別外れが選定された場合であっても表示される。よって、非明示高確大当たりが選定された場合だけでなく、特別外れが選定された場合にも期待画面を表示させることにより、期待画面を目視した遊技者に、非明示高確大当たりが選定されたかもしれないことを期待させることができる。これにより、遊技者は、非明示高確大当たりが選定されたかもしれないことを期待しつつ遊技を続けることができる。一般的に、外れの1つである特別外れは、遊技者にとってあまり好ましい抽選結果ではないが、非明示高確大当たりを期待させる期待画面の表示契機となり得る抽選結果としたことにより、特別外れに対する遊技上の価値を高めている。
また、本実施形態のパチンコ機10では、非明示高確大当たりが選定されたが、確定画面でなく期待画面が選定された場合であっても、その期待画面(非明示高確大当たりであったことに基づいて設定された期待画面)の表示中に行われた内部抽選において、特別外れが選定された場合には、所定の確率で確定画面が表示されるように構成されている。よって、非明示高確大当たりであったことに基づいて設定された期待画面を、より潜確期待度の高い確定画面に遷移させ得る抽選結果としたこと点においても、特別外れに対する遊技上の価値を高めている。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、特別外れであったことに基づいて設定された期待画面であっても、その期待画面(特別外れであったことに基づいて設定された期待画面)の表示中に行われた内部抽選において、非明示高確大当たりが選定された場合もまた、所定の確率で、確定画面が表示されるように構成されている。このとき、期待画面から確定画面に遷移する確率は、通常画面において非明示高確大当たりが選定された場合より高く設定されている。つまり、特別外れを契機として選定された期待画面は、通常画面に比べて確定画面がより表示され易くされている。よって、特別外れを、潜確期待度が100%であることを示唆する確定画面をより表示させ易くする抽選結果とした点においても、特別外れに対する遊技上の価値を高めている。
次に、図6を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図7は、上述した各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の概要を示す模式図である。主制御装置110のMPU201は、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の情報を用いて、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行う。
具体的に、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。これらのカウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、RAM203内のカウンタエリア203aに設けられる。
各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図13参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2ms間隔で更新される。各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2が更新されると、その都度、更新値が、RAM203内に設けられたカウンタ用バッファ203bにおける対応するカウンタ用バッファ203bに記憶される。
カウンタ用バッファ203bに記憶された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3に対応した情報は、球が第1入球口64へ入賞した場合に、RAM203内に設けられた保留球格納エリア203cに記憶される。一方、カウンタ用バッファ203bに記憶された値のうち、第2当たり乱数カウンタC4に対応した情報は、第2入球口67に遊技球が入賞したタイミングで、RAM203内に設けられた電役保留エリア203dに記憶される。
保留球格納エリア203cは、第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのエリアである。この保留球格納エリア203cには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)を有していると共に、変動開始処理(図16参照)において参照される1つの実行エリアAEを有している。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を記憶するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を記憶するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を記憶するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が記憶される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を記憶するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアRE1には、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリア203cにおける実行エリアAEには、第1当たり乱数カウンタC1の値を記憶するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を記憶するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を記憶するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図14参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアRE1に記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアAEにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37(LED37b)などで行われる。
また、保留球格納エリア203cには、特図保留球カウンタNAが設けられている。特図保留球カウンタNAには、特図保留球数N(第1入球口64への球の入賞を保留した回数)を特定するための情報が記憶される。なお、本実施形態では、最大で4回分まで保留できる構成としたが、2回、3回又は5回以上であってもよい。かかる場合には、保留エリアが、4つ(保留第1エリアRE1〜保留第4エリアRE4)でなく、保留可能な最大回数だけ設けられる。
電役保留エリア203dは、第2入球口67への入賞タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値を記憶するためのエリアである。この電役保留エリア203dには、球の入賞タイミングで取得されたカウンタC4の値を最大4回分まで記憶できるように構成される。所定のタイミングにおいて、電役保留エリア203dに記憶されているカウンタC4の値に基づき、第1入球口64に付随する電動役物を開放状態に制御するか否かの抽選(電動役物開放抽選)が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64に付随する電動役物によるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。本実施形態では、サポートモードとして、2種類のサポートモードが設定されている。具体的に、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、第2当たり乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、第2図柄表示部83における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上述した通り、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第1入球口64に球が入賞する確率が高くなる。そして、第1入球口64に球が入賞した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、第2入球口67への入賞に基づき第2図柄表示部83にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、かかる確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くする、のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜299)、タイマ割込処理(図21参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203c、より具体的には、保留球格納エリア203cにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
大当たりと判定される乱数の値は、主制御装置110のROM202内に当否テーブル(図示せず)として記憶されている。なお、当否テーブルについては、図8(a)及び(b)を参照して後述するが、本実施形態では、通常確率状態(大当たり確率が通常の状態)用の当否テーブルと、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)用の当否テーブルとの2種類が設定されている。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かを抽選する当否抽選モードとして、通常確率モード(通常確率状態)と、高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
変動開始処理(図16参照)では、この当否テーブルを参照して、実行エリアAEに記憶される第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)が大当たりであるか、外れであるかを判定する。本実施形態では、外れとして、通常外れと特別外れとの2種類が設定されており、通常外れであるか、特別外れであるかも、当否テーブルに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値から判定される。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図21のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203c、より具体的には、保留球格納エリア203cにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
第1当たり種別カウンタC2も対する大当たり種別の振り分け先は、主制御装置110のROM202内に振分テーブル(図示せず)として記憶されている。なお、振分テーブルについては、図8(c)を参照して後述する。本実施形態では、大当たり種別の振分先として、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、非明示高確大当たりと、明示高確大当たりと、最有利大当たりと、低確大当たりとの4種類が設定されている。これらの大当たり種別は、第1当たり種別カウンタC2が相互に重複しないように割り当てられている。なお、これらの大当たり種別の詳細については、図9を参照して後述する。変動開始処理(図16参照)では、この当否テーブルを参照して、実行エリアAEに記憶される第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり種別の振り分けを行う。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、6種類の抽選結果(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり、特別外れ、通常外れ)が選定される。上述した通り、これら6種類の抽選結果のうち、変動表示後の停止表示における図柄の組み合わせは、最有利大当たりである場合における同一の奇数番号の主図柄の組み合わせと、低確大当たりである場合における同一の偶数番号の主図柄の組み合わせと、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、又は特別外れの場合における所定の番号の組み合わせと、それ以外の組み合わせ(通常外れの場合)との4通りがある。つまり、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、最有利大当たりに対応した1種類の表示態様と、低確大当たりに対応した1種類の表示態様と、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、又は特別外れに対応した1種類の表示態様と、通常外れに対応した1種類の表示態様との合計4種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、通常状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、通常状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。
以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図21参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の電役保留エリア203dに記憶される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図21参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
図8(a)及び(b)は、上述した当否テーブルの内容を示す模式図である。より詳細には、図8(a)は、通常確率状態用の当否テーブルであり、図8(b)は、高確率状態用の当否テーブルである。
大当たりか否かの抽選(当否抽選)に際して通常確率状態用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態では、図8(a)に示すように、大当たりとして判定される乱数の値は1個(「7」)である。一方、当否抽選に際して高確率状態用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態では、図8(b)に示すように、大当たりとして判定される乱数の値は10個(「7,57,85,111,139,165,188,227,254,281」)である。この場合、低確率状態(低確率モード)において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群(本実施形態では1つ)は、高確率状態(高確率モード)において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群に含まれている。
なお、低確率状態よりも高確率状態の方の当選確率が高くなるのであれば、大当たりと判定される乱数の数及び値は、図8(a)及び(b)に例示した数及び値に限定されない。また、低確率状態において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群が、高確率状態において大当たりと判定される大当たり乱数カウンタC1の値の群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
また、低確率状態及び高確率状態のいずれにおいても、大当たりと判定される乱数の値以外は、抽選結果は「外れ」となるが、本実施形態のパチンコ機10においては、外れとして、特別外れ(小当たり)と、通常外れとの2種類が設定されている。特別外れ及び通常外れはいずれも当否抽選モードや後述するサポートモードの移行契機とはならないが、特別外れが開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、通常外れ結果は開閉実行モードへの移行契機とはならない。
図8(c)は、上述した振分テーブルの内容を示す模式図である。本実施形態の振分テーブルによれば、大当たり種別カウンタC2の値が、0〜9である場合に、大当たり種別が非明示高確大当たりに決定され、10〜19である場合に、大当たり種別が明示高確大当たりに決定され、20〜59である場合に、大当たり種別が最有利大当たりに決定され、60〜99である場合に、大当たり種別が低確大当たりに決定される。
図9は、開閉実行モードへ移行する遊技結果の内容を説明するための説明図である。本実施形態のパチンコ機10では、図9に示すように、開閉実行モードへ移行する遊技結果として、非明示高確大当たりと、明示高確大当たりと、最有利大当たりと、低確大当たりと、特別外れとの5種類が設定されている。
これら遊技結果のうち、非明示高確大当たりと、明示高確大当たりと、最有利大当たりと、低確大当たりとは、当否抽選において大当たりと判定された場合に選択される遊技結果であり、特別外れは当否抽選において大当たりと判定されなかった場合(即ち、外れと判定された場合)に選択される遊技結果である。また、4種の大当たり(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり)は、特別外れと異なり、当否抽選モード及びサポートモードについて移行契機となる遊技結果である。
図9において列挙した各遊技結果は開閉実行モードへの移行契機となるが、その移行先の開閉実行モードの内容が所定の組み合わせ及び個別に相違している。
まず、第1の開閉実行モードが実行される場合について説明する。この第1の開閉実行モードは、最有利大当たり又は低確大当たりのいずれかを契機として移行する開閉実行モードである。第1の開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の特定入賞口65aの開閉が行われる。これにより、遊技者は多量の遊技球の払出を受けることが可能となる。
最有利大当たりが移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行するとともに、高頻度サポートモードへ移行する。一方、低確大当たりが移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが通常確率モードへ移行するとともに、高頻度サポートモードへ移行する。ただし、低確大当たりが移行契機である場合には、高頻度サポートモードの継続は、所定の変動回数(本実施形態では、100変動回数)を上限としており、変動回数がこの上限を超えると低頻度サポートモードへ移行する。
次に、第2の開閉実行モードが実行される場合について説明する。この第2の開閉実行モードは、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、又は特別外れのいずれかを契機として移行する開閉実行モードである。第2の開閉実行モードへの移行契機となる抽選結果のうち、大当たりである非明示高確大当たり及び明示高確大当たりでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の特定入賞口65aの開閉が行われる。一方、特別外れでは、ラウンド数規定モードではなく開閉数規定モードに移行し、短時間態様による15回の大入賞口32aの開閉が行われる。
つまり、第2の開閉実行モードでは、短時間態様でのみ特定入賞口65aの開閉が行われ、その回数は15回であり、特定入賞口65aの開閉の総回数は15回である。このように特定入賞口65aの開閉が短時間態様でのみ行われることで、第2の開閉実行モードに移行したとしても、遊技者への遊技球の払出が実質的に生じない。したがって、遊技者の出球を実質的に増加させない演出の一種として、第2の開閉実行モードを実行させることができる。
なお、第2の開閉実行モードは特定入賞口65aの開閉態様だけでなく、オープニング用の待機時間、連続する開閉動作間の時間、及びエンディング用の待機時間も同一となっている。従って、第2の開閉実行モードに移行した場合には、移行の契機となった遊技結果に寄らずに可変入賞装置65の動作が見た目上同様となり、可変入賞装置65の動作からはいずれの遊技結果が契機となったかを遊技者が把握することができない。
非明示高確大当たり、明示高確大当たり、又は特別外れ結果のいずれかとなる遊技回において第3図柄表示装置81には共通の図柄の組み合わせ(例えば、「3・4・1」の並び)が停止表示される。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、開閉実行モードの開始タイミングから少なくとも途中のタイミングまでは開閉実行モード中の演出も共通するように構成されている。従って、第2の開閉実行モードが実行された場合には、少なくとも途中のタイミングまでは、第3図柄表示装置81の表示内容を含めた演出を確認したとしても、いずれの遊技結果が契機となっているかを把握することができないようになっている。よって、第2の開閉実行モードが実行された場合、遊技者はいずれの遊技結果が契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
非明示高確大当たりが移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行するが、特別外れが移行の契機になった場合には、当否抽選モードは変化しない。よって、内部抽選によって特別外れが選定されたタイミングで、当否抽選モードが通常確率モードであれば、開閉実行モードが終了しても、当否抽選モードは通常確率モードのままである。ここで、非明示高確大当たり及び特別外れが移行の契機となった場合には、それまでのサポートモードが継続される。さらに、これら遊技結果が移行の契機となった場合には、開閉実行モードの開始タイミングから終了タイミングまで、開閉実行モード中の演出が共通している。従って、非明示高確大当たり及び特別外れが移行の契機となった場合には、遊技者は当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれに設定されるのかを予測しながら遊技を行うことができ、開閉実行モード後の遊技の注目度も向上させることができる。
明示高確大当たりが移行の契機になった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードへ移行する。ここで、明示高確大当たりとなった場合には、それまでのサポートモードに関係なく高頻度サポートモードが設定される。従って、例えば、低頻度サポートモードである状況で明示高確大当たりとなり、第2の開閉実行モードが実行された場合には、当該開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行し、遊技者は移行の契機となった遊技結果が明示高確大当たりであることを認識することができる。
かかる事情に対応させて、明示高確大当たりとなった場合には、開閉実行モード中の最後の開閉が終了したタイミングからエンディング用の待機時間が経過するまでに亘って、確定演出が行われる。これにより、明示高確大当たりとなった場合には、開閉実行モードの途中まではいずれの遊技結果が契機となったのかを遊技者に予測させながら、途中からは明示高確大当たりであることを教示することが可能となる。また、第2の開閉実行モードが行われた場合には、遊技者は上記確定演出が行われることを期待しながら遊技を行うこととなり、開閉実行モード中の遊技の注目度を向上させることができる。さらに、上記確定演出が開始されるタイミングは、可変入賞装置65の最後の開閉が終了するタイミングであるため、可変入賞装置65の開閉態様からはいずれの遊技結果が契機となったかを分かり難くするという効果を消失させることなく、上記確定演出が行われることによる効果を奏することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ラウンド数規定モード(ラウンド遊技中)であることを示す専用の表示装置が設けられていないとともに、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数が全て同一となっていることに起因してラウンド遊技が行われる回数を示す専用の表示装置は設けられていない。上記専用の表示装置が設けられていないので、本実施形態のパチンコ機10は、そのような専用の表示装置を根拠として、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるかを把握しようにもできない構成とされている。よって、遊技者は、パチンコ機10の見た目から、第2の開閉実行モードの移行契機が、非明示高確大当たりであるか、特別外れであるかを把握することが非常に困難とされる。
しかし、本実施形態のパチンコ機10は、非明示高確大当たりが選定された場合に、所定確率で、非明示高確大当たりが選定されたことを示す確定画面が表示されるので、確定画面を目視した遊技者は、非明示高確大当たりが選定されたことを確実に認識できる。その一方で、非明示高確大当たり又は特別外れが選定された場合には、少なくとも期待画面が表示されるように構成されている。非明示高確大当たりが選定された場合だけでなく、特別外れが選定された場合にも期待画面を表示させることにより、非明示高確大当たりと特別外れとを見た目から区別付け難いようにしたことによる効果を消失することなく、期待画面を目視した遊技者に、非明示高確大当たりが選定されたかもしれないことを期待させることができ、それにより、遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
再度、図6に戻って説明する。RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図12参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図23参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)及び球送り制御信号が主制御装置110から入力された場合(即ち、球の発射の指示がなされた場合)に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さで球が発射されるように球発射ユニット112aを制御するものである。
具体的に、発射制御装置112は、球送り制御信号を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの球送りソレノイド(図示せず)に所定の大きさの電圧を供給する。これにより、球送りソレノイドは、球を1球だけ発射位置へと送り出す。また、発射制御装置112は、発射制御信号(発射パルス)を主制御装置110から受信した場合に、球発射ユニット112aの発射ソレノイド(図示せず)に電圧を供給する。このとき、発射ソレノイドに印加される電圧の大きさは、操作ハンドル51の可変抵抗器(図示せず)の抵抗値に応じた大きさとされる。これにより、発射ソレノイドは、発射位置にある球を操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで遊技盤13の前面に打ち込む(球を発射する)。
ここで、主制御装置110は、上述した通り、遊技者が操作ハンドル51に触れていることがタッチセンサ(図示せず)により検出され、かつ、球の発射を停止させるためのストップスイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、発射制御装置112へ球の発射を指示する。よって、発射制御装置112は、上記条件が満たされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで球が発射されるように、球発射ユニット112aを制御する。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球の数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図10を参照して、演出制御装置117のROM272及びRAM273の構成について説明する。図10(a)は、演出制御装置117のROM272の構成を示すブロック図である。図10(a)に示すように、ROM272には、画面抽選テーブルTaA1と、画面抽選テーブルTaA2と、画面抽選テーブルTaB1と、画面抽選テーブルTaB2と、画面抽選テーブルTaC1と、画面抽選テーブルTaC2と、転落抽選テーブルTb1と、転落抽選テーブルTb2とが設けられている。
6つの画面抽選テーブルTaA1,TaA2,TaB1,TaB2,TaC1,TaC2は、後述する画面抽選処理(図33参照)において画面抽選を行う際に参照されるテーブルである。詳細は後述するが、画面抽選は、画面抽選テーブルTaA1,TaA2,TaB1,TaB2,TaC1,TaC2のうち、条件に応じて選ばれた1つのテーブルを参照し、0〜9の値を取り得る画面抽選カウンタ273j(図10(b)参照)の値に基づいて行う。
画面抽選テーブルTaA1,TaA2は、通常画面の表示中(画面が期待画面又は確定画面のいずれにも遷移していない期間中)に、非明示高確大当たり又は特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信したことを契機として実行される画面抽選の際に参照されるテーブルである。
画面抽選テーブルTaB1,TaB2は、主制御装置110での抽選結果が非明示高確大当たりであったことに基づいて設定された期待画面(以下、「第1条件の期待画面」と称す)の表示中に、非明示高確大当たり又は特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信したことを契機として実行される画面抽選の際に参照されるテーブルである。
画面抽選テーブルTaC1,TaC2は、主制御装置110での抽選結果が特別外れであったことに基づいて設定された期待画面(以下、「第2条件の期待画面」と称す)の表示中に、非明示高確大当たり又は特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信したことを契機として実行される画面抽選の際に参照されるテーブルである。
より詳細には、画面抽選テーブルTaA1は、通常画面の表示中に、非明示高確大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaA1では、カウンタ値(画面抽選カウンタ273jの値)が0〜7である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が8又は9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaA1によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:8:2の比率で振り分けられる。
画面抽選テーブルTaA2は、通常画面の表示中に、特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaA2では、カウンタ値が0〜9である場合に対し、期待画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaA2によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:10:0の比率で振り分けられている。よって、通常画面の表示中に、特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合、画面は必ず期待画面に遷移する。
画面抽選テーブルTaB1は、第1条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaB1では、カウンタ値が0〜3である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が4〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaB1によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:4:6の比率で振り分けられる。
画面抽選テーブルTaB2は、第1条件の期待画面の表示中に、特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaB2では、カウンタ値が0〜4である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が5〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaB2によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:5:5の比率で振り分けられる。
画面抽選テーブルTaC1は、第2条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaC1では、カウンタ値が0〜5である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が6〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaC1によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:6:4の比率で振り分けられる。
画面抽選テーブルTaC2は、第2条件の期待画面の表示中に、特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に参照されるテーブルである。この画面抽選テーブルTaC2では、カウンタ値が0〜9である場合に対し、期待画面が割り当てられている。つまり、画面抽選テーブルTaC2によれば、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:10:0の比率で振り分けられる。
2つの転落抽選テーブルTb1,Tb2は、後述する転落抽選処理(図28参照)において転落抽選を行う際に参照されるテーブルである。転落抽選とは、第1条件の期待画面又は第2条件の期待画面を、潜確期待度(非明示高確大当たりが選定されたことの期待度)がより低い通常画面へ転落(降格)させるか否かを決定する抽選である。詳細は後述するが、転落抽選は、転落抽選テーブルTb1,Tb2のうち、条件に応じて選ばれた1つのテーブルを参照し、0〜149の値を取り得る転落抽選カウンタ273k(図10(b)参照)の値に基づいて行う。
具体的に、転落抽選テーブルTb1は、第1条件の期待画面の表示中に参照されるテーブルである。この転落抽選テーブルTb1では、カウンタ値(転落抽選カウンタ273jの値)が、50,102,149である場合に対し、通常画面が割り当てられ、その他のカウンタ値に対し、期待画面が割り当てられる。つまり、転落抽選テーブルTb1によれば、1/50の確率で、画面が期待画面から通常画面に転落する。
転落抽選テーブルTb2は、第2条件の期待画面の表示中に参照されるテーブルである。この転落抽選テーブルTb2では、カウンタ値(転落抽選カウンタ273jの値)が、29,65,95,120,148である場合に対し、通常画面が割り当てられ、その他のカウンタ値に対し、期待画面が割り当てられる。つまり、転落抽選テーブルTb2によれば、1/30の確率で、画面が期待画面から通常画面に転落する。
図10(b)は、演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。図10(b)に示すように、RAM273には、通常画面フラグ273aと、期待画面フラグ273bと、確定画面フラグ273cと、画面抽選フラグ273dと、第1抽選対象フラグ273eと、第2抽選対象フラグ273fと、解除フラグ273gと、非明示フラグ273hと、特別外れフラグ273iと、画面抽選カウンタ273jと、転落抽選カウンタ273kとが設けられている。
通常画面フラグ273aは、通常画面(変動表示中、第3図柄表示装置81の表示画面内の領域81aに何も表示されない画面)の表示中であるか否かを示すフラグである。具体的に、通常画面フラグ273aは、オン(即ち「1」)に設定されている場合に、通常画面の表示中、即ち、画面が期待画面又は確定画面のいずれにも遷移していない期間中であることを示す。一方、通常画面フラグ273aがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、通常画面の表示中でないことを示す。
通常画面フラグ273aは、パチンコ機10に電源が投入された後、演出制御装置117の立ち上げ処理(図24参照)において、RAM273が初期化された後にオンに設定される。その後は、通常画面に切り替えられるタイミングで(例えば、所定条件を満たす期待画面の表示中に実行される転落抽選により通常画面が選定された場合や、非明示高確大当たり以外の大当たりに対応する変動表示が終了したタイミングなど)、オンに設定される。一方、通常画面フラグ273aは、期待画面又は確定画面に切り替えられるタイミングで(例えば、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たり又は特別外れを示す場合に実行される画面抽選によって期待画面又は確定画面が選定された場合など)、オフに設定される。
期待画面フラグ273bは、期待画面(変動表示中、第3図柄表示装置81の表示画面内の領域81aに期待テロップ81a1が表示される画面)の表示中であるか否かを示すフラグである。具体的に、期待画面フラグ273bは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、期待画面の表示中、即ち、画面が期待画面に遷移されている期間中であることを示す。一方、期待画面フラグ273bがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、期待画面の表示中でないことを示す。
期待画面フラグ273bは、パチンコ機10に電源が投入された後、演出制御装置117の立ち上げ処理(図24参照)において、RAM273が初期化された後にオフに設定される。その後は、期待画面に切り替えられるタイミングで(例えば、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たり又は特別外れを示す場合に実行される画面抽選によって期待画面が選定された場合)、オンに設定される。一方、期待画面フラグ273bは、通常画面又は確定画面に切り替えられるタイミングでオフに設定される。
確定画面フラグ273cは、確定画面(変動表示中、第3図柄表示装置81の表示画面内の領域81aに確定テロップ81a2が表示される画面)の表示中であるか否かを示すフラグである。具体的に、確定画面フラグ273cは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、確定画面の表示中、即ち、画面が確定画面に遷移されている期間中であることを示す。一方、確定画面フラグ273bがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、確定画面の表示中でないことを示す。
確定画面フラグ273cは、パチンコ機10に電源が投入された後、演出制御装置117の立ち上げ処理(図24参照)において、RAM273が初期化された後にオフに設定される。その後は、確定画面に切り替えられるタイミングで(例えば、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たり又は特別外れを示す場合に実行される画面抽選によって確定画面が選定された場合)、オンに設定される。一方、期待画面フラグ273bは、通常画面に切り替えられるタイミングでオフに設定される。
画面抽選フラグ273dは、主制御装置110から受信した種別コマンドが示す抽選結果が、画面抽選処理(図33参照)の実行対象であるか否かを示すフラグである。画面抽選フラグ273dは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、主制御装置110から受信した種別コマンドが示す抽選結果が、画面抽選処理の実行対象であることを示す。一方、画面抽選フラグ273dがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、当該抽選結果が画面抽選処理の実行対象でないことを示す。本実施形態では、種別コマンドが示す抽選結果のうち、非明示高確大当たりと特別外れとの2種類が画面抽選処理の実行対象の抽選結果である。よって、画面抽選フラグ273dは、主制御装置110から受信した種別コマンドが示す抽選結果が、非明示高確大当たり又は特別外れである場合にオンに設定される。その後、画面抽選が実行されると、画面抽選フラグ273dはオフに設定される。
第1抽選対象フラグ273eは、現在の画面が、第1条件の期待画面(主制御装置110での抽選結果が非明示高確大当たりであったことに基づいて設定された期待画面)であるか否かを示すフラグである。具体的に、第1抽選対象フラグ273eは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、現在の画面が第1条件の期待画面であることを示す。一方、第1抽選対象フラグ273eがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、現在の画面が第1条件の期待画面でないことを示す。第1抽選対象フラグ273eがオンに設定されている間は、変動表示が実行される毎に、現在の期待画面(第1条件の期待画面)を、所定の確率で、潜確期待度が期待画面より低い通常画面へ転落(降格)させる転落抽選が実行される。
第1抽選対象フラグ273eは、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たりを示し、かつ、画面抽選により期待画面が選定された場合にオンに設定される。その後、非明示高確大当たり以外の大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合にオフに設定される。
第2抽選対象フラグ273fは、現在の画面が、第2条件の期待画面(主制御装置110での抽選結果が特別外れであったことに基づいて設定された期待画面)であるか否かを示すフラグである。具体的に、第2抽選対象フラグ273fは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、現在の画面が第2条件の期待画面であることを示す。一方、第2抽選対象フラグ273fがオフ(即ち「0」)に設定されている場合には、現在の画面が第2条件の期待画面でないことを示す。第2抽選対象フラグ273eがオンに設定されている間は、変動表示が実行される毎に、現在の期待画面(第2条件の期待画面)を、所定の確率で、通常画面へ転落させる転落抽選が実行される。なお、上述した第1抽選対象フラグ273eがオンであることに基づいて実行される転落抽選と、第2抽選対象フラグ273fがオンであることに基づいて実行される転落抽選とでは、期待画面から通常画面へ転落させる確率が異なっている。
第2抽選対象フラグ273fは、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示し、かつ、画面抽選により期待画面が選定された場合にオンに設定される。その後、非明示高確大当たり以外の大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合にオフに設定される。
解除フラグ273gは、転落抽選以外に期待画面又は確定画面を通常画面に戻す画面解除条件が成立したか否かを示すフラグである。具体的に、解除フラグ273gは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、解除条件が成立しており、画面を通常画面に戻すタイミングを待機していることを示す。本実施形態では、画面解除条件を、非明示高確大当たり以外の大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンに設定される。オンに設定された解除フラグ273gは、その契機となった種別コマンドに対応する変動表示の終了後に、通常画面が設定されるとオフ(即ち「0」)に設定される。
非明示フラグ273hは、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たりを示すものであるか否かを示すフラグである。具体的に、非明示フラグ273hは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たりを示すものであることを示す。一方、非明示フラグ273hがオフに設定されている場合には、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たりを示すものでなかったことを示す。非明示フラグ273hは、変動演出パターン決定処理(図31参照)において、画面抽選によって期待画面が選定された場合に、その期待画面が第1条件の期待画面であるか否かを判定する際に使用される。よって、非明示フラグ273hは、主制御装置110から受信した種別コマンドが非明示高確大当たりを示すものであると判定された場合にオンに設定され、その後、変動演出パターン決定処理を終了する際にオフに設定される。
特別外れフラグ273iは、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示すものであるか否かを示すフラグである。具体的に、特別外れフラグ273iは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示すものであることを示す。一方、特別外れフラグ273iがオフに設定されている場合には、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示すものでなかったことを示す。特別外れフラグ273iは、変動演出パターン決定処理(図31参照)において、画面抽選によって期待画面が選定された場合に、その期待画面が第2条件の期待画面であるか否かを判定する際に使用される。よって、特別外れフラグ273iは、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示すものであると判定された場合にオンに設定され、その後、変動演出パターン決定処理を終了する際にオフに設定される。
画面抽選カウンタ273jは、画面抽選を行う際に参照されるカウンタであり、0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。画面抽選カウンタ273jは、表示演出処理(図27参照)が実行される毎、即ち、20msec毎に1ずつ更新される。
転落抽選カウンタ273kは、転落抽選を行う際に参照されるカウンタであり、0〜149の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり149)に達した後0に戻るループカウンタとして構成される。転落抽選カウンタ273kは、表示演出処理(図27参照)が実行される毎、即ち、20msec毎に1ずつ更新される。
なお、通常画面フラグ273a、期待画面フラグ273b、確定画面フラグ273c、画面抽選フラグ273d、第1抽選対象フラグ273e、第2抽選対象フラグ273f、解除フラグ273g、非明示フラグ273h、及び、特別外れフラグ273iは、いずれも、電源投入時など、RAM273が初期化される毎にオフに初期化される。
また、画面抽選カウンタ273j、及び転落抽選カウンタ273kは、いずれも、電源投入時など、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。
再度、図6に戻って説明する。RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM275には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM276の内容を書き替えることに基づき第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域(図示せず)を有している。この図示されない変動表示データ記憶領域は、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)や大当たり演出を行うためのデータを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81において各演出が開始されると、この変動演出データ記憶領域に記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域に記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図21参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図11を参照して、本実施形態のパチンコ機10における画面の抽選について説明する。図11は、画面の抽選を説明する説明図である。図11に示すように、画面抽選は、そのときの表示状態と、主制御装置110での内部抽選の結果(抽選結果)とに応じた画面が、画面抽選カウンタ273jの値に基づいて選定される。
具体的に、通常画面の表示中(画面が期待画面又は確定画面のいずれにも遷移していない期間中)に、内部抽選により、特別外れが選定された場合には、画面テーブルTaA2を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜9である場合に対し、期待画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:10:0の比率で振り分けられている。
一方、通常画面の表示中に、内部抽選により、非明示高確大当たりが選定された場合には、画面テーブルTaA1を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜7である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が8又は9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:8:2の比率で振り分けられる。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、通常画面の表示中に特別外れが選定された場合に、期待画面が表示される。期待画面は、通常画面中に非明示高確大当たりが表示された場合にも表示され得る画面であるので、通常画面に比べ、潜確期待度(非明示高確大当たりが選定されたことの期待度)は高い画面である。よって、特別外れが選定されたことにより、潜確期待度が相対的に高い表示に切り替えられるので、遊技者に期待感を与えることができる。本来、特別外れは、特定入賞口65aの開放態様が短時間態様である上に、当否抽選モードが通常確率モードが高確率モードに移行することもないので、遊技者にとっての価値はかなり低い抽選結果である。しかし、上述した通り、特別外れが、期待画面の表示契機となったことにより、特別外れに付加価値が生じ、それにより、特別外れが存在することによる遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常画面の表示中には、非明示高確大当たりが選定された場合にのみ、確定画面が表示可能となる。つまり、通常画面の表示中には、特別外れが選定された場合に、確定画面が表示されることはない。これにより、状態に対して期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。よって、遊技者が、確定画面から、非明示高確大当たりが選定されたことを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことにより、遊技者が遊技に不信感を抱いたり、興趣を低下させることを防ぐことができる。
また、非明示高確大当たりに基づいて設定された期待画面(即ち、第1条件の期待画面)の表示中に、内部抽選により、特別外れが選定された場合には、画面テーブルTaB2を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜4である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が5〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:5:5の比率で振り分けられている。
一方、第1条件の期待画面の表示中に、内部抽選により、非明示高確大当たりが選定された場合には、画面テーブルTaB1を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜3である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が4〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:4:6の比率で振り分けられる。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1条件の期待画面の表示中には、特別外れが選定された場合であっても、所定の割合で、確定画面が表示され得る。第1条件の期待画面が表示されている場合には、非明示高確大当たりが選定されているので、高確率モードへの移行が必然である。よって、かかる場合には、特別外れが選定された場合にも、確定表示を表示できるようにしたことにより、遊技者に期待感を与える可能性(状況)を増やすことができる。
また、第1条件の期待画面の表示中に、確定画面が表示される確率は、特別外れが選定された場合よりも、非明示高確大当たりが選定された場合の方が高い。よって、特別外れに上述したような付加価値を付与しつつ、非明示高確大当たりにも付加価値を与えている。
また、特別外れに基づいて設定された期待画面(即ち、第2条件の期待画面)の表示中に、内部抽選により、特別外れが選定された場合には、画面テーブルTaC2を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜9である場合に対し、期待画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:10:0の比率で振り分けられている。
一方、第2条件の期待画面の表示中に、内部抽選により、非明示高確大当たりが選定された場合には、画面テーブルTaC1を参照して、画面抽選カウンタ273jの値に応じた画面が選定される。より詳細には、カウンタ値が0〜5である場合に対し、期待画面が割り当てられ、カウンタ値が6〜9である場合に対し、確定画面が割り当てられている。つまり、この場合、画面は、通常画面:期待画面:確定画面=0:6:4の比率で振り分けられる。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、特別外れを契機とする第2条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりが選定された場合には、所定の割合で、潜確期待度がより高い確定画面が表示され得る。よって、特別外れを契機として、確定表示の表示が可能となり、遊技者に期待感を持たせることが可能となるので、特別外れに付加価値を与えることができる。このとき、第2条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりが選定された場合に、確定画面が選定される確率は、通常画面の表示中に非明示高確大当たりが選定された場合に確定画面が選定される確率に比べて高く設定されている。よって、特別外れを契機として、確定表示を表示させ易い状況が生じるので、特別外れの付加価値をさらに高めることができる。
第2条件の期待画面の表示中には、特別外れが選定された場合に、確定画面が表示されることはない。これにより、状態に対して期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。よって、遊技者が、確定画面から、非明示高確大当たりが選定されたことを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことにより、遊技者が遊技に不信感を抱いたり、興趣を低下させることを防ぐことができる。
次に、図12から図23のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図12を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図13のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図13を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図21参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、払出制御装置111に対し、入賞検知情報に応じた賞球数(払出球数)に対応する賞球コマンドを設定して送信する。また、外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド等を演出制御装置117に送信する。また、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図14を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後は、遊技状態を、開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する処理である遊技状態移行処理を実行する(S205)。なお、遊技状態移行処理の詳細は図17を参照して後述する。
遊技状態移行処理(S205)の終了後は、第1入球口64に付随する電動役物を駆動制御するための電役サポート処理を実行する(S206)。この電役サポート処理では、RAM203の電役保留エリア203dに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値を用いて、第1入球口64に付随する電動役物を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選を行うとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には当該電動役物の開閉処理を実行する。また、電動役物開放抽選の抽選結果を教示するように、第2図柄表示部83の表示制御を行う。
上述した通り、第1入球口64に付随する電動役物によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理(S205)において、いずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM203内に設けられている高頻度サポートフラグ(図示せず)がオンに設定されている場合は、高頻度サポートモードとなり、高頻度サポートフラグがオフに設定されている場合には、低頻度サポートモードとなる。
電役サポート処理(S206)では、高頻度サポートフラグがオンであるか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態抽選に当選した際に、第1入球口64に付随する電動役物が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態抽選において当選し、当該電動役物の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。なお、開閉実行モードに移行した場合には、高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタ用バッファ203bにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図23参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図14を参照して、変動処理(S204)について説明する。図14は、メイン処理(図13参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、開閉実行モード中であるか否かを判別する(S301)。判別の結果、開閉実行モード中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、第1入球口64に球が入賞しているか否かに関係なく、変動表示が開始されることはない。
開閉実行モード中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、RAM203内の特図保留球カウンタNAの値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに記憶されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、図15を参照して後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37にて第1図柄の変動表示を開始させる変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図16を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御カウンタ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御カウンタ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37bは、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、変動終了処理を実行し(S310)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。変動終了処理では、現状実行されている変動表示を開始させる場合に実行された変動開始処理(図16)におけるS404、S413、及びS414のいずれかの処理において設定された情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が第1図柄表示装置37において表示されるように当該第1図柄表示装置37を表示制御する。
ここで、第1図柄表示装置37における停止表示の態様は、遊技結果毎に異なっている。これにより、遊技ホールの管理者などは変動表示の終了に際して第1図柄表示装置37を目視することで、当該変動表示の遊技結果を目視確認することができ、例えば、大当たりの結果と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことが可能となる。その一方、第1図柄表示装置37は、第3図柄表示装置81の表示画面に比べて表示範囲が狭く、さらには第1図柄表示装置37に表示される停止表示の態様は、少なくとも各種大当たりと特別外れとで比較した場合に遊技者が認識しづらいものとなっている。従って、遊技者が、内部抽選の結果を第1図柄表示装置37からではなく、第3図柄表示装置81の表示画面から確認することが期待され、表示画面への注目度を高めることができる。
次に、図15を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図15は、変動処理(図14参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリア203cの保留第1エリアRE1に記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、及び停止パターン選択カウンタC3の値)を、実行エリアAEへシフトする(S351)。
次に、保留第2エリアRE2〜保留第4エリアRE4に記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4のうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリアRE2〜第4保留エリアRE4にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタNAの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球カウンタNAの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図13参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタNAの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLED(図示せず)を点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(図14参照)へ戻る。
次に、図16を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図16は、変動処理(図14参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアAEに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、設定されている当否抽選モードとの関係に基づいて判定される。
本実施形態では、具体的に、当否抽選モードが通常確率モードである場合(即ち、通常確率状態である場合)には、図8(a)に示した通常確率状態用の当否テーブルを参照し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」であれば、S401の処理により大当たりと判定される。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合(即ち、高確率状態である場合)には、図8(b)に示した高確率状態用の当否テーブルを参照し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,57,85,111,139,165,188,227,254,281」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判定される。
S401の処理により大当たりであると判定された場合には(S401:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアAEに記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種別を判定する(S402)。S402では、図8(c)に示した振分テーブルを参照し、実行エリアAEに記憶されている第1当たり種別カウンタC2に対応する大当たり種別を判定する。具体的には、実行エリアAEに記憶されている第1当たり種別カウンタC2が、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、及び低確大当たりのうち、いずれの大当たり種別に対応しているのかを判定する。
次に、大当たり種別に応じてRAM203に設けられているフラグ(図示せず)のうち、S402において判定された大当たり種別に対応するフラグをオンに設定する(S403)。具体的には、大当たり種別が非明示高確大当たりであると判定された場合には非明示フラグをオンに設定し、大当たり種別が明示高確大当たりであると判定された場合には明示フラグをオンに設定し、大当たり種別が最有利大当たりであると判定された場合には最有利フラグをオンに設定し、大当たり種別が低確大当たりであると判定された場合には低確フラグをオンに設定する。以下の説明において、各種大当たり種別の判定は、RAM203に設けられているフラグがオンに設定されているか否かを判定することにより行われる。なお、大当たり種別に対応するフラグは、S401において大当たりと判定されなかった場合に、全てのフラグがオフに設定される。また、S403において、大当たり種別に対応するフラグのうち、1つのフラグがオンに設定されると、他のフラグがオフに設定される。
S404では、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37bの点灯状態)を設定する(S404)。具体的に、S404では、保留球格納エリア203cの実行エリアAEに記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき決定される大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。具体的には、今回の変動開始による変動表示の後に第1図柄表示装置37のLED37aに最終的に表示させる停止表示の態様の情報を、ROM202に予め記憶されている大当たり用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM203に記憶する。この大当たり用の停止結果テーブルには、第1図柄表示装置37に表示される停止表示の態様の種類が、大当たり種別毎に相違させて設定されており、S404では、S402にて特定した大当たり種別に応じた停止表示の態様の情報をRAM203に記憶する。なお、停止表示の対象の情報は、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて停止図柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の停止図柄の態様が設定されていてもよい。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判定された場合には(S401:No)、保留球格納エリア203cの実行エリアAEに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて特別外れか否かを判定する(S411)。本実施形態では、通常確率状態用の当否テーブル、及び、高確率状態用の当否テーブルともに、第1当たり乱数カウンタC1の値が「107」である場合に対し、特別外れが割り当てられている。よって、通常確率モードか、高確率モードかにかかわらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が「107」であれば、S411において特別外れと判定される。
S411の処理で特別外れであると判定された場合には(S401:Yes)、RAM203に設けられている特別外れフラグ(図示せず)をオンに設定する(S412)。以下の説明において、特別外れであるか否かの判定は、特別外れフラグがオンに設定されているか否かを判定することにより行われる。なお、特別外れフラグは、S401において大当たりと判定された場合、又は、S411において特別外れであると判定されなかった場合に、オフに設定される。
S412の処理後、特別外れ時の表示態様を設定する(S413)。具体的には、今回の変動開始による変動表示の後に第1図柄表示装置37のLED37aに最終的に表示させる停止表示の態様の情報を、ROM202に予め記憶されている特別外れ用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM203に記憶する。この場合に選択される停止表示の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される停止表示の態様の情報とは異なっている。
一方で、S411の処理で特別外れではないと判定された場合には(S411:No)、通常外れ時の表示態様を設定する(S414)。具体的には、今回の変動開始による変動表示の後に第1図柄表示装置37のLED37aに最終的に表示させる停止表示の態様の情報を、ROM202に予め記憶されている通常外れ用の停止結果テーブルから特定し、この場合に選択される停止表示の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される停止表示の態様の情報とも、特別外れの場合に選択される停止表示の態様の情報とも異なっている。
S404、S413、又はS414の処理後、保留球格納エリア203cの実行エリアAEに記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値が示す当否抽選結果、及び第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、カウンタ用バッファ203bに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、変動パターンを決定する(S405)。
かかる処理では、今回の変動表示において第1図柄表示装置37にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始による変動表示が、最有利大当たり又は低確大当たりに対応するものである場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、最有利大当たり又は低確大当たりのいずれでもない場合であっても、その他の大当たり結果及び特別外れではなく、さらに実行エリアAEに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM202に記憶されているリーチ表示発生用のテーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に応じたリーチ表示の変動時間を決定するとともに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM202に記憶されているリーチ表示非発生用のテーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に応じた外れ変動の変動時間を決定するとともに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。リーチ非発生用のテーブルを参照して取得され得る外れ変動の変動時間は、リーチ発生用のテーブルを参照して取得され得るリーチ表示の変動時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における外れ変動の変動時間は、特図保留球数Nの数が多いほど短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用のテーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、特図保留球数Nやサポートモードに応じて変動時間が変わらない構成としてもよいし、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時におけるリーチ表示の変動時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、特別外れの場合、外れリーチ時の場合、及びリーチ非発生の外れの場合のそれぞれに対して個別にテーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動時間の振分が行われることとなる。
次に、S405において決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S406)。このとき、カウンタ用バッファ203bに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S406の処理後、S405の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定する(S407)。次に、種別コマンドを設定する(S408)。S408において設定される種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり種別の情報、即ち、非明示高確大当たりの情報、明示高確大当たりの情報、最有利大当たりの情報、及び低確大当たりの情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報として、外れの情報、即ち、特別外れの情報、及び通常外れの情報が含まれる。
次に、S406の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S409)、第1図柄表示装置37において図柄の変動表示を開始させ(S410)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(図14参照)へ戻る。
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(図15参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図16参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図12参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
次に、図17を参照して、上述した遊技状態移行処理(S205)について説明する。図17は、メイン処理(図13参照)の中で実行される遊技状態移行処理(S205)を示すフローチャートである。
まず、開閉実行モード中か否かを判定する(S361)。S361において、開閉実行モード中ではないと判定された場合には(S361:No)、第1図柄表示装置37にて実行されていた変動表示が終了するタイミングか否かを判定する(S362)。S362において、変動表示が終了したタイミングでないと判定された場合(S362:No)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。
一方、S362において、変動表示が終了したタイミングであると判定された場合(S362:Yes)、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が、開閉実行モードへの移行に対応する遊技結果の1つである大当たり結果(即ち、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、又は低確大当たりのいずれか)であるか否かを判定する(S363)。
S363において、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が大当たり結果であると判定された場合(S363:Yes)、RAM203内に設けられたラウンド数カウンタ(図示せず)に「15」を設定する(S369)。図示されないラウンド数カウンタは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数をMPU201にて特定するためのカウンタである。
S369の処理後、RAM203内に設けられた開放回数カウンタ(図示せず)に「15」を設定する(S365)。図示されない開放回数カウンタは、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放する回数(即ち、開閉する回数)をMPU201にて特定するためのカウンタである。
一方、S363において、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が大当たり結果でないと判定された場合(S363:No)、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が、開閉実行モードへの移行に対応する遊技結果の1つである特別外れであるか否かを判定する(S364)。
S364において、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が特別外れでなければ(S364:No)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。一方、今回終了した変動表示に対応する遊技結果が特別外れであると判定された場合(S364:Yes)、開放回数カウンタに「15」を設定する(S365)。
S365の処理後、ステップRAM203内に設けられた入賞数カウンタ(図示せず)に「9」を設定する(S366)。図示されない入賞数カウンタは、特別外れとなったことを契機とした開閉実行モードの一の終了条件である上限入賞数と、ラウンド遊技の一の終了条件である上限入賞数とを計数するためのカウンタである。本実施形形態のパチンコ機10では、特別外れとなったことを契機とした開閉実行モードの一の終了条件としての上限入賞数と、ラウンド遊技の一の終了条件である上限入賞数とが同一とされている。
つまり、本実施形態のパチンコ機10では、開閉実行モードとして、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードと、ラウンド遊技が設定されておらず、特定入賞口65aの開閉回数が上限回数となるか、予め定められた上限入賞数の遊技球が特定入賞口65aに入賞するかのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される開閉数規定モードと、が設定されている。ラウンド数規定モードにはいずれかの大当たり結果となったことに基づき移行し、開閉数規定モードには特別外れとなったことに基づき移行する。
ラウンド遊技とは、予め定められた開放時間が経過すること、及び予め定められた上限入賞数の遊技球が特定入賞口65aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
S366の処理後、RAM203内に設けられた特図制御カウンタ(図示せず)に、オープニング用の待機時間(待機期間)として「2000」を設定する(S367)。特図制御カウンタに設定された値は、後述するタイマ割込処理(図21参照)が実行される度に1ずつ減算される。タイマ割込処理は、2msec毎に実行されるので、オープニング用の待機時間は4secである。なお、当該待機時間は4secに限らず、適宜の値を採用できる。
また、開閉実行モードに移行した場合にはその契機となった遊技結果の種類がいずれであっても、S367においてオープニング用の待機時間が設定される。よって、契機となった遊技結果の種類がいずれであっても開閉実行モードのオープニング用の待機時間は同一となっている。なお、開閉実行モードのオープニング用の待機時間を、開閉実行モードの契機となった遊技結果にかかわらず同一にすることに限定されず、遊技者には同様と認識される程度に相違させる構成としてもよい。あるいは、一部の遊技結果(例えば、最有利大当たり)が契機となった場合には、開閉実行モードのオープニング用の待機時間が、他の遊技結果が契機となった場合と大きく相違させる構成としてもよい。
S367の処理後、オープニングコマンドを設定し(S368)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。S367において設定されるオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果の情報が含まれている。また、ここで設定されたオープニングコマンドは、メイン処理(図13参照)におけるS201にて、演出制御装置117に送信される。演出制御装置117は、オープニングコマンドを受信すると、今回の開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果に応じた演出パターンを決定する。
一方、S361において、閉実行モード中であると判定された場合には(S361:Yes)、特定入賞口65aの開閉を制御する特定入賞口開閉処理を実行する(S370)。この特定入賞口開閉処理(S370)の詳細は、図18を参照して後述する。
特定入賞口開閉処理(S370)の終了後、RAM203内のラウンド数カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S371)、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S371:No)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。一方、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S371:Yes)、RAM203内の開放回数カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S372)。
S372において、開放回数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S372:No)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。一方、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S372:Yes)、RAM203内の特図制御カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S373)。つまり、ラウンド数カウンタの値と開放回数カウンタの値とがいずれも「0」である場合には、S373において、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
S373において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S373:No)、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。一方、S373において、特図制御カウンタの値が「0」であると判定された場合(S373:Yes)、開閉実行モードを終了させるための開閉実行モード終了処理を実行する(S374)。なお、開閉実行モード終了処理(S374)の詳細は、図20を参照して後述する。開閉実行モード終了処理(S374)の実行後は、本処理を終了し、メイン処理(図13参照)へ戻る。
次に、図18を参照して、上述した特定入賞口開閉処理(S370)について説明する。図18は、遊技状態移行処理(図17参照)の中で実行される特定入賞口開閉処理(S370)を示すフローチャートである。
この特定入賞口開閉処理(S370)では、まず、特定入賞口65aが開放中であるか否かを判定する(S421)。特定入賞口65aが開放中でないと判定された場合(即ち、閉鎖中である場合)には、RAM203内の開放回数カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S422)。S422において、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S422:Yes)、本処理を終了する。
一方、S422において、開放回数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S422:No)、RAM203内の特図制御カウンタ(図示せず)の値が「0」か否かを判定する(S423)。S423において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S423:No)、本処理を終了する。S423において、特図制御カウンタの値が「0」であると判定された場合(S423:Yes)、特定入賞口65aを開放状態へ移行する特定入賞口開放処理を実行し(S424)、本処理を終了する。
なお、開閉実行モード中(S361:Yes)であって、特定入賞口35aが閉鎖中(S421:No)であるとともに、開放回数カウンタの値が「0」である場合(S422:YES)とは、エンディング用の待機時間中であることを意味する。一方、開閉実行モード中(S361:Yes)であって、特定入賞口65aが閉鎖中(S421:No)であるとともに、開放回数カウンタの値が「0」でなく(S422:No)、さらに特図制御カウンタの値が「0」でない場合(S423:No)とは、オープニング用の待機時間中、又は、特定入賞口65aが閉鎖されてから再度開放されるまでの待機時間中であることを意味する。
S421において、特定入賞口65aが開放中であると判定された場合(S421:Yes)、RAM203内の特図制御カウンタ(図示せず)の値が「0」であるか否かを判定する(S425)。S425において、特図制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより、現在の特定入賞口65aの開放について、開放時間が経過したか否かを判定する。
S425において、特図制御カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S425:No)、特定入賞口65aに遊技球が入賞したか否かを判定する(S426)。S426において、特定入賞口65aに遊技球が入賞していないと判定された場合(S426:No)、本処理を終了する。
一方、S426において、特定入賞口65aに遊技球が入賞したと判定された場合(S426:No)、RAM203内の入賞数カウンタ(図示せず)から1を減算し(S427)、入賞数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S428)。
S428において、入賞数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S428:No)、本処理を終了する。一方、入賞数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S428:Yes)、開放中の特定入賞口65aを閉鎖状態へ移行する閉鎖実行処理を実行する(S429)。S429の処理後、開放回数カウンタから1を減算する(S430)。
S430の処理後、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が特別外れであるか否かを判定する(S431)。S431において、特別外れではないと判定された場合(S431:No)、ラウンド終了コマンドを設定する(S432)。S432において設定されたラウンド終了コマンドは、メイン処理(図13参照)におけるS201にて、演出制御装置117に送信される。演出制御装置117は、ラウンド終了コマンドを受信することにより、ラウンド遊技が終了したことを認識する。次に、RAM203内のラウンド数カウンタ(図示せず)から1を減算する(S433)。
S433の処理後、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S
434)。S434において、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S434:Yes)、次のラウンド遊技における特定入賞口65aの開放回数及び上限入賞数を設定するために、S435及びS436を実行する。具体的には、開放回数カウンタに「15」を設定し(S435)、入賞数カウンタに「9」を設定する(S436)。
S436の処理後、特図制御カウンタに「750」を設定し(S437)、本処理を終了する。S437において特図制御カウンタに設定された値(750)は、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間用の数値である。特図制御カウンタは、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2msec毎に1ずつ減算されるので、S437では、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間として、1.5secが設定される。なお、ラウンド開始待機時間用に特図制御カウンタに設定される値は、ラウンド数規定モードの移行の契機となった大当たり結果の種類に関係なく、かつ、ラウンド数規定モードの進行状況に関係なく同一である。
S431において、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が特別外れであると判定された場合(S431:Yes)、又は、S434において、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S434:Yes)、特図制御カウンタにエンディング用の待機時間(待機期間)として「3000」を設定する(S445)。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、エンディング用の待機時間はオープニング用の待機時間よりも長い6secである。なお、当該待機時間は6secに限らず、適宜の値を採用できる。
開閉実行モードを終了する場合にはその契機となった遊技結果の種類がいずれであっても、S445において、エンディング用の待機時間が設定される。従って、いずれの種類の開閉実行モードであってもエンディング用の待機時間は同一となっている。なお、開閉実行モードのエンディング用の待機時間を、開閉実行モードの契機となった遊技結果にかかわらず同一にすることに限定されず、遊技者には同様と認識される程度に相違させる構成としてもよい。あるいは、一部の遊技結果(例えば、最有利大当たり)が契機となった場合には、開閉実行モードのエンディング用の待機時間が、他の遊技結果が契機となった場合と大きく相違させる構成としてもよい。
S445の処理後、エンディングコマンドを設定し(S446)、本処理を終了する。S446にて設定されたエンディングコマンドは、メイン処理(図13参照)におけるS201にて、演出制御装置117に送信される。演出制御装置117は、エンディングコマンドを受信することにより、開閉実行モードが終了したことを認識する。
一方、S425にて、特図制御カウンタが「0」であると判定された場合(S425:Yes)、閉鎖実行処理を実行する(S438)。S438で実行される閉鎖実行処理の内容は、上述したS429の閉鎖実行処理と同様である。次に、開放回数カウンタから1を減算する(S439)。
S439の処理後、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S440)。S440において、開放回数カウンタの値が「0」と判定された場合(S440:No)、処理をS437へ移行し、特図制御カウンタに「750」を設定する。S440においてNoと判定された後、S437において特図制御カウンタに設定された値(750)は、可変入賞装置65が開放状態から閉鎖状態となり、それに続けて再度開放状態となるまでの開放待機時間用の数値である。よって、本実施形態のパチンコ機10では、当該開放待機時間として、1.5secが設定される値は、開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果の種類に関係なく、かつ、開閉実行モードの進行状況に関係なく同一である。また、当該開放待機時間用の数値は、連続するラウンド遊技間のラウンド開始待機時間用の数値と同一となっている。これにより、可変入賞装置65が連続して開閉される場合の開放待機時間を常に一定のものとすることが可能となる。
S440において、開放回数カウンタの値が「0」であると判定された場合には、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が特別外れであるか否かを判定する(S441)。S441において、特別外れでないと判定された場合(S441:No)、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果は大当たり結果であるので、S432と同様に、ラウンド終了コマンドを設定する(S412)。S412の処理後、ラウンド数カウンタから1減算する(S443)。次に、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S442)。S422において、ラウンド数カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S442:No)、処理をS434へ移行する。一方、ラウンド数カウンタの値が「0」であると判定された場合(S442:Yes)、処理をS445へ移行する。
上述した特定入賞口開閉処理(S370)を含めて、遊技状態移行処理がS361〜S5370ように進行することにより、移行の契機となった遊技結果に応じた開閉実行モードが実行されることとなる。この場合、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、及び特別外れのいずれかを契機とした開閉実行モード(第2の開閉実行モード)では、可変入賞装置65の開閉パターンが概ね同一となる。一方で、最有利大当たり及び低確大当たりのいずれかを契機とした開閉実行モード(第1の開閉実行モード)では、可変入賞装置65の開閉パターンが概ね同一となる。この場合、第1の開閉実行モードは、第2の開閉実行モードのいずれとも異なる開閉パターンで可変入賞装置65が制御される。
次に、図19を参照して、上述した特定入賞口開放処理(S424)について説明する。図19は、特定入賞口開閉処理(図18参照)の中で実行される特定入賞口開放処理(S424)を示すフローチャートである。
特定入賞口開放処理(S424)では、まず、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、非明示高確大当たりであるか否かを判定する(S461)。S461において、当該遊技結果が非明示高確大当たりであると判定された場合(S461:Yes)、処理をS464へ移行する。
S461において、当該遊技結果が非明示高確大当たりでないと判定された場合(S461:No)、当該遊技結果が明示高確大当たりであるか否かを判定する(S462)。S462において、当該遊技結果が明示高確大当たりであると判定された場合(S462:Yes)、処理をS464へ移行する。
S462において、当該遊技結果が明示高確大当たりでないと判定された場合(S462:No)、当該遊技結果が特別外れであるか否かを判定する(S463)。S463において、当該遊技結果が特別外れであると判定された場合(S463:Yes)、処理をS464へ移行する。
S464では、RAM203内の特図制御タイマ(図示せず)に「300」を設定する(S464)。特図制御タイマに設定された値は、上述した通り、タイマ割込み処理(図21参照)が実行される度に1ずつ減算されるため、S464において設定された開放時間は0.6secである。S464の処理後、閉鎖中の特定入賞口65aを開放状態へ移行する開放実行処理を実行する(S465)。
S465の処理後、今回の特定入賞口65aの開放が、ラウンド数規定モードにおける新たなラウンド遊技の開始によるものであるか否かを判定する(S466)。S466において、今回の特定入賞口65aの開放が新たなラウンド遊技の開始によるものであると判定された場合(S466:Yes)、ラウンド開始コマンドを設定し(S467)、本処理を終了する。一方、今回の特定入賞口65aの開放が新たなラウンド遊技の開始によるものではないと判定された場合(S466:No)、S467の処理をスキップして、本処理を終了する。S467において設定されたラウンド開始コマンドは、メイン処理(図13参照)におけるS201にて、演出制御装置117に送信される。演出制御装置117は、ラウンド開始コマンドを受信することにより、ラウンド遊技が新たに開始されたことを認識する。
一方、S463において、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、特別外れでないと判定された場合(S463:No)、特図制御タイマに「14500」を設定し(S468)、処理をS465へ移行する。特図制御カウンタは、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2msec毎に1ずつ減算されるので、S468において設定された開放時間は29secである。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65の1回の開放態様が、特定入賞口65aが開放されてから閉鎖されるまでの開放時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放時間が最長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放時間が最短時間である0.6secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。より具体的には、今回実行されている開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果のうち、非明示高確大当たり、明示高確大当たり、及び特別外れに対し、特定入賞口65aの開閉パターンとして短時間態様が設定される。一方、最有利大当たり、及び低確大当たりに対し、特定入賞口65aの開閉パターンとして長時間態様が設定される。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように、球の発射が制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されているとともに、開閉数規定モードも終了条件の上限個数が9個に設定されている。そのようにすると、可変入賞装置65の1回の開放態様のうち、長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置65の1回の開放が行われた場合には、特定入賞口65aに対して、1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードにおける上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置65の1回の開放が行われた場合には、特定入賞口65aに球が入賞しないこと、または、球が入賞するとしても1個程度となることが期待される。
次に、図20を参照して、上述した開閉実行モード終了処理(S374)について説明する。図20は、遊技状態移行処理(図17参照)の中で実行される開閉実行モード終了処理(S374)を示すフローチャートである。
開閉実行モード終了処理(S374)では、まず、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、低確大当たりであるか否かを判定する(S481)。S481において、当該遊技結果が低確大当たりであると判定された場合(S481:Yes)、RAM203内に設けられている高確率モードフラグ(図示せず)をオフに設定する(S482)。なお、図示されない高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを示すフラグであり、オンに設定されている場合は、高確率モードであることを示す。一方、高確率モードフラグがオフに設定されている場合には、通常確率モードであることを示す。
S482の処理後、RAM203内に設けられている高頻度サポートフラグ(図示せず)をオンに設定する(S483)。なお、図示されない高頻度サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを示すフラグであり、オンに設定されている場合は、高頻度サポートモードであることを示す。一方、高頻度サポートフラグがオフに設定されている場合には、低頻度サポートモードであることを示す。
S483の処理後、RAM203内に設けられている高頻度期間カウンタ(図示せず)に「100」を設定する(S484)。なお、図示されない高頻度期間カウンタは、高頻度サポートモードの継続期間を計数するカウンタである。高頻度期間カウンタに設定された値は、変動表示が実行される毎に1ずつ減算される。よって、S483において、高頻度期間カウンタに「100」が設定されたことは、高頻度サポートモードの継続期間の上限(終了基準回数)が100変動回数に設定されたことを示す。
S484の処理後、RAM203内に設けられている回数制限フラグ(図示せず)をオンに設定し(S485)、本処理を終了する。なお、図示されない回数制限フラグは、高頻度サポートモードの継続期間に上限が設定されているか否かを示すフラグである。回数制限フラグがオンに設定されている場合には、高頻度サポートモードの継続期間に上限が設定されていることを示し、当該フラグがオフに設定されている場合には、高頻度サポートモードの継続期間に制限がない(リミット無し)ことを示す。オンに設定された回数制限フラグは、高頻度期間カウンタに設定された終了基準回数の変動表示が実行されると、オフに設定される。
よって、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、低確大当たりである場合には、終了基準回数である100変動回数に亘って高頻度サポートモードが継続され、変動表示が100回実行されると、高頻度サポートフラグ及び回数制限フラグの両方がオフに設定され、低頻度サポートモードに移行する。なお、当該処理は、詳細な説明は省略するが、メイン処理(図13参照)の中で実行される電役サポート処理(S206)において実行される。
一方、S481において、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、低確大当たりでないと判定された場合(S481:No)、当該遊技結果が最有利大当たりであるか否かを判定する(S486)。S486において、当該遊技結果が最有利大当たりであると判定された場合(S486:Yes)、処理をS488へ移行する。
S486において、当該遊技結果が最有利大当たりでないと判定された場合(S486:No)、当該遊技結果が明示高確大当たりであるか否かを判定する(S487)。S487において、当該遊技結果が明示高確大当たりであると判定された場合(S487:Yes)、処理をS488へ移行する。
S488では、高頻度サポートフラグをオンに設定する(S488)。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。次に、回数制限フラグをオフに設定する(S489)。高頻度サポートフラグがオンに設定され、かつ、回数制限フラグがオフに設定されている場合、その高頻度サポートモードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される。
S489の処理後、高確率フラグをオンに設定する(S490)。これにより、当否抽選モードが高確率モードに設定される。この高確率モードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される。よって、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が最有利大当たり又は明示高確大当たりである場合には、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される。
一方、S487において、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が、明示高確大当たりでないと判定された場合(S487:No)、当該遊技結果が非明示高確大当たりであるか否かを判定する(S491)。S491において、当該遊技結果が非明示高確大当たりでないと判定された場合(S491:No)、即ち、当該遊技結果が特別外れである場合には、本処理を終了する。
S491において、当該遊技結果が非明示高確大当たりであると判定された場合(S491:Yes)、高頻度サポートフラグがオンに設定されているか否かを判定する(S492)。S492において、高頻度サポートフラグがオンに設定されていると判定された場合(S492:Yes)、処理をS489へ移行する。一方、S492において、高頻度サポートフラグがオフに設定されていると判定された場合(S492:No)、高確率モードフラグをオンに設定し(S493)、本処理を終了する。よって、今回実行された開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果が非明示高確大当たりである場合には、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、それまでのサポートモードが継続される。なお、高確率モードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される。
上述の通り、変動表示後の停止表示が示す遊技結果が最有利大当たり又は明示高確大当たりである場合、変動表示中の状態に関係なく、開閉実行モード(即ち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される。なお、この場合、開閉実行モード後は、第3図柄表示装置81の表示画面において高確率モードであることを明示する画像が表示される。
一方、変動表示後の停止表示が示す遊技結果が非明示高確大当たりである場合において、変動表示中における状態が高頻度サポートモードである場合には、開閉実行モード(即ち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される、なお、この場合、開閉実行モード後は、第3図柄表示装置81の表示画面において高確率モードであることを明示する画像が表示される。
また、変動表示後の停止表示が示す遊技結果が非明示高確大当たりである場合において、変動表示中における状態が低頻度サポートモードである場合には、開閉実行モード(即ち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードであって低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。これら高確率モード及び低頻度サポートモードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される、なお、この場合、開閉実行モード後は、第3図柄表示装置81の表示画面において高確率モードであることを明示する画像は表示されない。
また、変動表示後の停止表示が示す遊技結果が低確大当たりとなった場合には、変動表示中の状態に関係なく、開閉実行モード(即ち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードであって高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。この場合、低確率モードは、少なくとも、いずれかの大当たりが遊技結果として停止表示されるまで継続される。一方、高頻度サポートモードは、大当たりが遊技結果として停止表示されることなく、100回の変動表示が実行された場合に、低頻度サポートモードに移行する。なお、開閉実行モード後は、第3図柄表示装置81の表示画面において低確率モードであることを明示する画像が表示される。
図21は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファ203bにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S506)、本処理を終了する。なお、始動入賞処理(S504)については、図22を参照して後述する。始動入賞処理(S504)の実行後、第2入球口入賞処理を実行する(S505)。第2入球口入賞処理(S505)は、67(スルーゲート)に球が入賞していた場合には、電役保留エリア203dに記憶されている保留の数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、S103において更新された第2当たり乱数カウンタC4の値を電役保留エリア203dに記憶する。また、演出制御装置177に対して、保留数と対応する第2図柄保留ランプ84を点灯させるための処理を実行する。
ここで、図22のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図22は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nに1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図13参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLED(図示せず)を点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図21参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図15参照)へ戻る。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図24から図33を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図24は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図25のS1107参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図25を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図25のS1107参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図25のS1107参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図25のS1107参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図22のS1107参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1017)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図25のS1107参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定する(S1013)。
次に、通常画面フラグ273aをオンに設定し(S1014)、期待画面フラグ273bとオフに設定し(S1015)、確定画面フラグ273cをオフに設定し(S1016)、メイン処理へ移行する。つまり、メイン処理へ移行する前に、S1014〜S1016の処理を実行することにより、パチンコ機10への電源投入後の最初の画面は通常画面に設定される。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図25を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図25は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図24参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1102)、S1103の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、図26を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1102)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1102)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1103の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1103の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1103)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行し(S1104)、処理をS1105へ移行する。なお、この表示演出処理(S1104)の詳細については、図27を参照して後述する。
一方、S1103の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1103:No)、S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。なお、S1103の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1105)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1105の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1105:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1107)、電源断処理を実行する(S1108)。電源断処理(S1108)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1109)、その後、処理を、無限ループする。
S1108の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1105の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1105:No)、立ち上げ処理(図24参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1107)、RAM273が破壊されていなければ(S1107:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1105の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1106の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1106:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1104)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図26を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。図26は、演出制御装置117のメイン処理(図25参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1244の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1241)。
S1241の処理後、客待ち演出処理(S1242)を実行する。客待ち演出処理(S1242)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間(例えば、30秒や、1分など)経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出に切り替える設定などを行う。
なお、「客待ち演出」とは、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に第3図柄遊技装置81に表示される、遊技状態とは無関係の表示演出(例えば、タイトル表示やデモ表示など)である。パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間は、例えば、変動表示も大当たり演出も実行されない期間や、操作ハンドル51のタッチセンサ(図示せず)による検出のない期間などによって計ることができる。かかる期間(パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間)は、演出制御装置117において計時してもよいし、主制御装置110において計時して演出制御装置117にコマンドによって報せるようにしてもよい。
客待ち演出処理(S1242)の実行後は、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1243)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1243)では、演出効果を高めるために遊技者に操作(押下)される枠ボタン22からの入力を監視し、枠ボタン22から入力される信号がローからハイに切り替わった場合(枠ボタン22が非操作状態から操作された場合)に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したりするように設定する。また、枠ボタン22を、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1243の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1243)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1244)、音編集・出力処理を実行する(S1245)。ランプ編集処理(S1243)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1245)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1244の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1246)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。液晶演出実行管理処理(S1246)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。液晶演出実行管理処理(S1246)で設定された時間に基づいてS1244のランプ編集処理やS1245の音編集・出力処理を実行する。
次に、図27を参照して、上述した表示演出処理(S1104)について説明する。図27は、演出制御装置117のメイン処理(図25参照)の中で実行される表示演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
表示演出処理(S1104)では、まず、開閉実行モード中であるか否かを判定し(S1221)、開閉実行モード中であれば(S1221:Yes)、開閉実行モード時演出実行処理を実行し(S1237)、表示演出処理(S1104)を終了して、メイン処理(図25参照)へ戻る。この開閉実行モード時演出実行処理では、主制御装置110から受信した種別コマンドが示す抽選結果に応じて設定された開閉実行モード時の演出に応じた演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に書き込むことにより、該大当たり演出の画像の更新を行う。
一方、S1221の処理において、大当たり中でなければ(S1221:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1222)。このとき、変動中でない場合は(S1222:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1223)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1223において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図30参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1223の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1223:No)、各表示処理を実行する(S1238)。なお、各表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。各表示処理(S1238)の実行後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1223の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1223:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1224)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1225)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。なお、S1225において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値とから得られる時間である。
S1225の処理後、所定の条件を満たす期待画面を表示中である場合に、その期待画面を、潜確期待度(非明示高確大当たりが選定されたことの期待度)がより低い通常画面に転落させるか否かの抽選を行う転落抽選処理を実行する(S1226)。なお、転落抽選処理(S1226)の詳細については、図28を参照して後述する。
転落抽選処理(S1226)の実行後、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1227)。一方、S1222の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1222:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1239)、S1227の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
S1227の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1227:Yes)、図柄の変動表示を行う変動表示処理を実行する(S1228)。なお、変動表示処理(S1228)の詳細については、図29を参照して後述する。変動表示処理(S1228)の実行後、画面抽選カウンタ273j及び転落抽選カウンタ273kを更新し(S1229,S1230)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方で、S1226の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1227:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1231)。S1231の処理後、解除フラグ273gがオンであるか否かを判定し(S1232)、解除フラグ273gがオフであれば(S1232:No)、S1229の処理へ移行する。
一方、S1232において、解除フラグ273gがオンであれば(S1232:Yes)、画面を通常画面に戻すタイミングであるので、通常画面フラグ273aをオンに設定する(S1233)。次に、期待画面フラグ273bをオフに設定し(S1234)、確定画面フラグ273cをオフに設定する(S1235)。S1235の処理後、解除フラグ273gをオフに設定し(S1236)、S1229の処理へ移行する。
次に、図28を参照して、上述した転落抽選処理(S1226)について説明する。図28は、表示演出処理(S1104)の中で実行される転落抽選処理(S1226)を示すフローチャートである。
転落抽選処理(S1226)では、まず、第1抽選対象フラグ273eがオンであるか否かを判定する(S1301)。このとき、第1抽選対象フラグ273eがオンであれば(S1301:Yes)、転落抽選テーブルTb1を読み出し(S1302)、S1303の処理へ移行する。
S1301において、第1抽選対象フラグ273eがオフであれば(S1303:No)、第2抽選対象フラグ273fがオンであるか否かを判定する(S1310)。S1310において、第2抽選対象フラグ273fがオンであれば(S1310:Yes)、転落抽選テーブルTb2を読み出し(S1310)、S1303の処理へ移行する。
S1303では、読み出した転落抽選テーブルTb1,Tb2を参照し、そのときの転落抽選カウンタ273kの値に対応する抽選結果を決定する(S1303)。S1303の処理後、抽選結果が期待画面であるか否かを判定する(S1304)。
S1304において、抽選結果が期待画面でない、即ち、転落抽選による抽選結果が通常画面である場合には(S1304:No)、通常画面フラグ273aをオンに設定し(S1305)、期待画面フラグ273bをオフに設定し(S1306)、S1307の処理へ移行する。S1305,S1306の処理により、画面が、期待画面から、潜確期待度の低い通常画面に転落(降格)する。
一方、S1304において、期待画面であれば(S1304:Yes)、S1305,S1306の処理をスキップして、S1307の処理へ移行する。かかる場合には、画面は、期待画面のまま変化しない。
また、S1310において、第2抽選対象フラグ273fがオフであれば(S1310:No)、転落抽選を実行する状況ではないので、かかる場合もまた、処理をS1307へ移行する。
S1307では、解除フラグ273gがオンであるか否かを判定する(S1307)。解除フラグ273gがオンであれば(S1307:Yes)、第1抽選対象フラグ273e及び第2抽選対象フラグ273fをオフに設定し(S1308,S1309)、本処理を終了する。一方、S1307において、解除フラグ273gがオフであれば、そのまま本処理を終了する。
次に、図29を参照して、上述した変動表示処理(S1228)について説明する。図29は、表示演出処理(S1104)の中で実行される変動表示処理(S1228)を示すフローチャートである。
変動表示処理では、まず、変動開始タイミングであるか否かを判定する(S1321)。S1321において、変動開始タイミングであれば(S1321:Yes)、期待画面フラグ273bがオンであるか否かを判定する(S1322)。このとき、期待画面フラグ273bがオンであれば(S1322:Yes)、期待テロップ81a1の表示を設定し(S1323)、S1324の処理へ移行する。これにより、これから開始される変動表示において、「熱い?」というテキストによる期待テロップ81a1が、第3図柄表示装置81の表示画面における領域81aにテロップ表示され、画面は期待画面となる。
S1322において、期待画面フラグ273bがオフであれば(S1322:No)、確定画面フラグ273cがオンであるか否かを判定する(S1325)。このとき、確定画面フラグ273cがオンであれば(S1325:Yes)、確定テロップ81a2の表示を設定し(S1326)、S1324の処理へ移行する。これにより、これから開始される変動表示において、「確変!」というテキストによる確定テロップ81a2が、第3図柄表示装置81の表示画面における領域81aにテロップ表示され、画面は確定画面となる。
一方、S1325において、確定画面フラグ273bがオフであれば(S1325:No)、S1324の処理へ移行する。この場合、これから開始される変動表示において、第3図柄表示装置81の表示画面における領域81aには何も表示されず、画面は通常画面となる。
S1324では、変動演出パターン決定処理(図31参照)において決定された演出パターンに基づき、変動表示画像を、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)の値に応じて設定し(S1324)、本処理を終了する。
また、S1321において、変動開始タイミングでない場合も(S1321:No)、S1324の処理を実行する。なお、実行中の変動表示を開始する際に、S1323又はS1326においてテロップ81a1,81a2が設定された場合には、設定されたテロップ表示は所定の間隔で繰り返し表示される。
次に、図30を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図30は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、処理をS1402へ移行する。一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンに設定し(S1404)、受信した変動パターンコマンドから変動時間を抽出し(S1405)、処理をS1402へ移行する。
S1402では、種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1402)。このとき、種別コマンドを受信していない場合には(S1402:No)、処理をS1403へ移行する。一方、種別コマンドを受信した場合には(S1402:Yes)、受信した種別コマンドから抽選結果(非明示高確大当たり、明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり、特別外れ、通常外れ)を抽出し(S1406)、抽出した抽選結果に応じた停止図柄(第3図柄の停止図柄)を決定する(S1407)。次に、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行し(S1408)、処理をS1403へ移行する。なお、変動演出パターン決定処理(S1408)の詳細については、図31を参照して後述する。
S1403では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1403)。このとき、その他のコマンドを受信していない場合には(S1403:No)、コマンド受信割込処理を終了する。一方、その他のコマンドを受信した場合は(S1403:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1409)、このコマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1409)としては、例えば、保留数コマンドを受信した場合に、特図保留ランプ85の点灯状態を、受信した保留数コマンドに応じた状態に変更することや、オープニングコマンドを受信した場合に、今回の開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果に応じた演出パターンを決定することなどがある。
次に、図31を参照して、上述した変動演出パターン決定処理(S1408)について説明する。図31は、上述したコマンド受信割込処理(図30参照)の中で実行される変動演出パターン決定処理(S1408)を示すフローチャートである。
変動演出パターン決定処理では、まず、種別コマンドから抽出した抽選結果に応じて、画面抽選フラグ273dなどの各種フラグを設定するフラグ設定処理を実行する(S1501)。なお、フラグ設定処理(S1501)の詳細については、図32を参照して後述する。フラグ設定処理(S1501)の実行後、変動パターンコマンドから抽出した変動時間と、種別コマンドから抽出した抽選結果とに応じた演出パターンを決定する(S1502)。
S1502の処理後、画面抽選フラグ273dがオンであるか否かを判定する(S1503)。S1503において、画面抽選フラグ273dがオンであれば(S1503:Yes)、画面の抽選を行う画面抽選処理を実行し(S1504)、S1505の処理へ移行する。なお、画面抽選処理(S1504)の詳細については、図32を参照して後述する。一方、S1503において、画面抽選フラグ273dがオフであれば(S1503:No)、画面抽選処理(S1504)を行うことなく、S1505の処理へ移行する。
S1505では、期待画面フラグ273bがオンであるか否かを判定する(S1505)。このとき、期待画面フラグ273bがオフであれば(S1505:No)、S1508の処理へ移行する。
S1505において、期待画面フラグ273bがオンである場合(S1505:Yes)、非明示フラグ273hがオンであるか否かを判定する(S1506)。このとき、非明示フラグ273hがオンである場合(S1506:Yes)、主制御装置110での抽選結果が非明示高確大当たりであったことに基づく期待画面(即ち、第1条件の期待画面)が設定されたことを示すので、かかる場合には、第1抽選対象フラグ273eをオンに設定し(S1507)、S1508の処理へ移行する。
S1506において、非明示フラグ273hがオフである場合(S1506:No)、特別外れフラグ273jがオンであるか否かを判定する(S1510)。このとき、特別外れフラグ273jがオンである場合(S1510:Yes)、主制御装置110での抽選結果が特別外れであったことに基づく期待画面(即ち、第2条件の期待画面)が設定されたことを示すので、かかる場合には、第2抽選対象フラグ273fをオンに設定し(S1511)、S1508の処理へ移行する。
S1510において、特別外れフラグがオフである場合(S1510:No)、第1条件の期待画面も第2条件の期待画面も設定されていないので、かかる場合には、S1508の処理へ移行する。S1508では、非明示フラグ273hをオフに設定する(S1508)。次に、特別外れフラグをオフに設定し(S1509)、本処理を終了する。
次に、図32を参照して、上述したフラグ設定処理(S1501)について説明する。図32は、上述した変動演出パターン決定処理(図31参照)の中で実行されるフラグ設定処理(S1501)を示すフローチャートである。
フラグ設定処理では、まず、種別コマンドから抽出した抽選結果が非明示高確大当たりであるか否かを判定する(S1601)。このとき、非明示高確大当たりであれば(S1601:Yes)、非明示フラグ273hをオンに設定し(S1602)、画面抽選フラグ273dをオンに設定して(S1603)、本処理を終了する。
S1601において、種別コマンドから抽出した抽選結果が非明示高確大当たりでなければ(S1601:No)、特別外れであるか否かを判定する(S1604)。このとき、特別外れであれば(S1604:Yes)、特別外れフラグ273iをオンに設定し(S1605)、画面抽選フラグ273dをオンに設定して(S1605)、本処理を終了する。
S1604において、種別コマンドから抽出した抽選結果が特別外れでなければ(S1604:No)、通常外れであるか否かを判定する(S1606)。このとき、通常外れでない、即ち、非明示高確大当たり以外の大当たり(明示高確大当たり、最有利大当たり、低確大当たり)が選定された場合(S1606:No)、第1抽選対象フラグ273eをオフに設定し(S1607)、第2抽選対象フラグ273fをオフに設定し(S1608)、解除フラグ273gをオフに設定し(S1609)、本処理を終了する。一方、S1606において、種別コマンドから抽出した抽選結果が通常外れであれば(S1606:Yes)、本処理を終了する。
よって、上述したフラグ設定処理(S1501)によれば、画面抽選フラグ273dは、種別コマンドから抽出した抽選結果が、非明示高確大当たり又は特別外れである場合にオンに設定される。また、種別コマンドから抽出した抽選結果が、非明示高確大当たり以外の大当たりである場合に、第1抽選対象フラグ273eと、第2抽選対象フラグ273fと、解除フラグ273gとが、いずれもオフに設定される。
次に、図33を参照して、上述した画面抽選処理(S1504)について説明する。図33は、上述した変動演出パターン決定処理(図31参照)の中で実行される画面抽選処理(S1504)を示すフローチャートである。
画面抽選処理では、まず、通常画面フラグ273aがオンであるか否かを判定する(S1621)。このとき、通常画面フラグ273aがオンであれば(S1621:Yes)、非明示フラグ273hがオンであるか否かを判定する(S1622)。S1622において、非明示フラグ273hがオンであれば(S1622:Yes)、画面抽選テーブルTaA1を読み出し(S1623)、S1624の処理へ移行する。
S1622において、非明示フラグ273hがオフであれば(S1622:No)、特別外れフラグ273iがオンであるか否かを判定する(S1635)。S1635において、特別外れフラグ273iがオンであれば(S1635:Yes)、画面抽選テーブルTaA2を読み出し、S1624の処理へ移行する。
一方、S1635において、特別外れフラグ273iがオフであれば(S1635:No)、S1624の処理へ移行する。また、S1621において、通常画面フラグ273aがオフである場合も(S1621:No)、S1624の処理へ移行する。
S1624では、第1抽選対象フラグ273eがオンであるか否か、即ち、第1条件の期待画面であるか否かを判定する(S1624)。このとき、第1抽選対象フラグ273eがオンであれば(S1624:Yes)、非明示フラグ273hがオンであるか否かを判定する(S1625)。S1625において、非明示フラグ273hがオンであれば(S1625:Yes)、画面抽選テーブルTaB1を読み出し(S1626)、S1627の処理へ移行する。
S1625において、非明示フラグ273hがオフであれば(S1625:No)、特別外れフラグ273iがオンであるか否かを判定する(S1637)。S1637において、特別外れフラグ273iがオンであれば(S1637:Yes)、画面抽選テーブルTaB2を読み出し、S1627の処理へ移行する。
一方、S1637において、特別外れフラグ273iがオフであれば(S1637:No)、S1627の処理へ移行する。また、S1624において、第1抽選対象フラグ273eがオフである場合も(S1624:No)、S1627の処理へ移行する。
S1627では、第2抽選対象フラグ273fがオンであるか否か、即ち、第2条件の期待画面であるか否かを判定する(S1627)。このとき、第2抽選対象フラグ273fがオンであれば(S1627:Yes)、非明示フラグ273hがオンであるか否かを判定する(S1628)。S1628において、非明示フラグ273hがオンであれば(S1628:Yes)、画面抽選テーブルTaC1を読み出し(S1629)、S1630の処理へ移行する。
S1628において、非明示フラグ273hがオフであれば(S1628:No)、特別外れフラグ273iがオンであるか否かを判定する(S1639)。S1639において、特別外れフラグ273iがオンであれば(S1639:Yes)、画面抽選テーブルTaC2を読み出し、S1630の処理へ移行する。
一方、S1639において、特別外れフラグ273iがオフであれば(S1639:No)、S1630の処理へ移行する。また、S1627において、第2抽選対象フラグ273fがオフである場合も(S1627:No)、S1630の処理へ移行する。
S1630では、読み出した画面抽選テーブルTaA1,TaA2,TaB1,TaB2,TaC1,TaC2を参照し、そのときの画面抽選カウンタ273jの値に対応する画面を決定する(S1330)。
S1330の処理後、決定された画面が期待画面であるか否かを判定する(S1631)。S1631において、決定された画面が期待画面であれば(S1631:Yes)、通常画面フラグ273aをオフに設定し(S1632)、期待画面フラグ273bをオンに設定し(S1633)、確定画面フラグ273cをオフに設定し(S1634)、本処理を終了する。S1632〜S1634の処理により、画面は期待画面に設定される。
一方、S1631において、決定された画面が期待画面でなければ(S1631:No)、決定された画面が確定画面であるか否かを判定する(S1641)。S1641において、決定された画面が確定画面であれば(S1641:Yes)、通常画面フラグ273aをオフに設定し(S1642)、期待画面フラグ273bをオフに設定し(S1643)、確定画面フラグ273cをオンに設定し(S1644)、本処理を終了する。S1642〜S1644の処理により、画面は確定画面に設定される。
S1641において、決定された画面が確定画面でなければ(S1641:No)、決定された画面は通常画面であるので、かかる場合には、通常画面フラグ273aをオンに設定し(S1645)、期待画面フラグ273bをオフに設定し(S1646)、確定画面フラグ273cをオフに設定し(S1647)、本処理を終了する。S1645〜S1647の処理により、画面は通常画面に設定される。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、遊技機が通常画面を表示する状態において、特別外れが選定された場合には、期待画面が表示される。期待画面は、通常画面中に非明示高確大当たりが表示された場合にも表示され得る画面であるので、通常画面に比べ、潜確期待度(非明示高確大当たりが選定されたことの期待度)は高い画面である。よって、特別外れが選定されたことにより、潜確期待度が相対的に高い表示に切り替えられるので、遊技者に期待感を与えることができる。本来、特別外れは、特定入賞口65aの開放態様が短時間態様である上に、当否抽選モードが通常確率モードが高確率モードに移行することもないので、遊技者にとっての価値はかなり低い抽選結果である。しかし、上述した通り、特別外れが、期待画面の表示契機となったことにより、特別外れに付加価値が生じ、それにより、特別外れが存在することによる遊技の興趣を向上させることができる。
また、特別外れを契機とする第2条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりが選定された場合には、所定の割合で、潜確期待度がより高い確定画面が表示され得る。よって、特別外れを契機として、確定表示の表示が可能となり、遊技者に期待感を持たせることが可能となるので、特別外れに付加価値を与えることができる。このとき、第2条件の期待画面の表示中に、非明示高確大当たりが選定された場合に、確定画面が選定される確率は、通常画面の表示中に非明示高確大当たりが選定された場合に確定画面が選定される確率に比べて高く設定されている。よって、特別外れを契機として、確定表示を表示させ易い状況が生じるので、特別外れの付加価値をさらに高めることができる。
また、第2条件の期待画面の表示中は、変動表示が実行される毎に、転落抽選が行われ、所定の確率で、画面の潜確期待度がより低い通常画面へと転落(降格)される。つまり、特別外れが選定されたことに基づいて期待画面(即ち、第2条件の期待画面)が表示された場合であっても、第1の確率(具体的には、1/30)で、表示の潜確期待度が落とされる。これにより、表示による潜確期待度が上がった場合に、その潜確期待度が下がらなくなってしまうことを確実に防止できる。
一方、第1条件の期待画面の表示中もまた、変動表示が実行される毎に、転落抽選が行われ、第2の確率(具体的には、1/50)で、画面の潜確期待度がより低い通常画面へと転落される。つまり、特別外れを契機とする第2条件の期待画面に限らず、非明示高確大当たりを契機とする第1条件の期待画面であっても、表示の潜確期待度が落とされる。表示の潜確期待度が落ちたからといって、全く期待ができないと遊技者に思わせることを抑制し、それにより、遊技の興趣を下げることを抑制できる。特に、第2の確率は、第1の確率より低いものとされるので、非明示高確大当たりの選定に基づいて高確モードに移行しているにもかかわらず、期待感を下げてしまうことを抑制できる。
次に、図34〜図38を参照して、第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、第2条件の期待画面(主制御装置110での抽選結果が特別外れであったことに基づいて設定された期待画面)において、非明示高確大当たり又は特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に画面の抽選を行う構成とした。これに換えて、第2実施形態では、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信してから、予め設定されている所定条件を満たすまでの間に限って、非明示高確大当たり又は特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合に画面の抽選を行う。なお、この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図34は、第2実施形態のパチンコ機10における演出制御装置117のRAM273の構成を示すブロック図である。本実施形態のRAM273には、第1実施形態のRAM273に設けられていた構成(通常画面フラグ273a、期待画面フラグ273b、確定画面フラグ273c、画面抽選フラグ273d、第1抽選対象フラグ273e、第2抽選対象フラグ273f、解除フラグ273g、非明示フラグ273h、特別外れフラグ273i、画面抽選カウンタ273j、転落抽選カウンタ273k)に加え、有効中フラグ273lと、期間カウンタ273mとが設けられている。
有効中フラグ273lは、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信してから、画面の抽選を行う期間内であるかを示すフラグである。具体的に、有効中フラグ273lは、オン(即ち「1」)に設定されている場合に、当該有効期間内であることを示す。一方、有効中フラグ273lがオフ(即ち「0」)に設定されている場合に、当該有効期間外であることを示す。有効中フラグ273lは、主制御装置110から受信した種別コマンドが特別外れを示す場合にオンに設定され、その後、所定条件を満たすとオフに設定される。なお、本実施形態では、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信した後に、変動表示が30回実行されると、所定条件を満たしたものとする。
期間カウンタ273mは、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信した後の変動表示を計数するカウンタである。この期間カウンタ273mは、上述した有効中フラグ273lをオフに設定するタイミングを計るカウンタとして機能する。期間カウンタ273mは、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信した場合にゼロに設定(ゼロクリア)される。そして、有効中フラグ273lがオンに設定されている間、変動表示が実行される毎に1ずつ加算される。
上述した有効中フラグ273lは、電源投入時など、RAM273が初期化される毎にオフに初期化される。また、期間カウンタ273mは、電源投入時など、RAM273が初期化される毎に初期化されてゼロに設定(ゼロクリア)される。
なお、本実施形態の第2抽選対象フラグ273fは、第1実施形態と同様、現在の画面が、第2条件の期待画面(主制御装置110での抽選結果が特別外れであったことに基づいて設定された期待画面)であるか否かを示すフラグであるが、オンに設定されるタイミングが第1実施形態と相違する。具体的に、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信した後、期間カウンタ273mが30に達する前に、画面抽選により期待画面が選定された場合にオンに設定される。
図35は、コマンド受信割込処理(図30参照)の中で実行される第2実施形態の変動演出パターン決定処理(S1408)を示すフローチャートである。第2実施形態の変動演出パターン決定処理では、第1実施形態におけるS1510が異なる処理に変更される。
具体的に、第1実施形態では、S1510において、特別外れフラグ273jがオンであるか否かを判定したが、第2実施形態では、それに換わるS2501の処理として、有効中フラグ273lがオンであるか否かの判定を行う(S2501)。
そして、S2501において、有効中フラグ273lがオンである場合(S2501:Yes)、第2抽選対象フラグ273fをオンに設定し(S1511)、有効中フラグをオフに設定して(S2502)、S1508の処理へ移行する。一方、S2501において、有効中フラグ273lがオフである場合もまた(S2501:No)、S1508の処理へ移行する。
また、第2実施形態の変動演出パターン決定処理では、S1509の処理後、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信してから、所定条件が成立したか否かを判定する条件判定処理を実行する(S2503)。なお、条件判定処理(S2503)の詳細な処理については、図38を参照して後述する。条件判定処理(S2503)の実行後、本処理を終了する。
図36は、上述した変動パターン決定処理(図35参照)の中で実行される第2実施形態のフラグ設定処理(S1501)を示すフローチャートである。第2実施形態のフラグ設定処理では、種別コマンドから抽出した抽選結果が特別外れである場合の処理が、第1実施形態と異なる。
具体的に、S1604において、種別コマンドから抽出した抽選結果が特別外れであれば(S1604:Yes)、特別外れフラグ273iをオンに設定する(S1605)。S1605の処理後、有効中フラグ273lをオンに設定し(S2601)、期間カウンタ273mをゼロに設定する(S2602)。S2602の処理後、画面抽選フラグ273dをオンに設定して(S1605)、本処理を終了する。
図37は、上述した変動パターン決定処理(図35参照)の中で実行される第2実施形態の画面抽選処理(S1504)を示すフローチャートである。第2実施形態の画面抽選処理では、第1実施形態におけるS1627が異なる処理に変更される。
具体的に、第1実施形態では、S1627において、第2抽選対象フラグ273fがオンであるか否かを判定したが、第2実施形態では、それに換わるS2621の処理として、有効中フラグ273lがオンであるか否かの判定を行う(S2621)。
S2621において、有効中フラグ273lがオンであれば(S2621:Yes)、非明示フラグ273hがオンであるか否かを判定する(S1628)。S1628において、非明示フラグ273hがオンであれば(S1628:Yes)、画面抽選テーブルTaC1を読み出し(S1629)、S1630の処理へ移行する。
S1628において、非明示フラグ273hがオフであれば(S1628:No)、特別外れフラグ273iがオンであるか否かを判定する(S1639)。S1639において、特別外れフラグ273iがオンであれば(S1639:Yes)、画面抽選テーブルTaC2を読み出し、S1630の処理へ移行する。一方、S2621において、有効中フラグ273lがオフであれば(S2621:No)、S1630の処理へ移行する。
即ち、第2実施形態の画面抽選処理(S1504)によれば、主制御装置110から特別外れを示す種別コマンドを受信した後に、変動表示が30回実行されるまでの間に、非明示高確大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合には、画面抽選テーブルTaC1に基づく画面抽選を行い、特別外れを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合には、画面抽選テーブルTaC2に基づく画面抽選を行う。
図38は、上述した変動パターン決定処理(図35参照)の中で実行される条件判定処理(S2503)を示すフローチャートである。条件判定処理では、まず、有効中フラグ273lがオンであるか否かを判定する(S2661)。このとき、有効中フラグ273lがオフである場合には(S2661:No)、本処理を終了する。
一方、S2661において、有効中フラグ273lがオンである場合には(S2661:Yes)、期間カウンタ273mの値に1加算し(S2662)、期間カウンタ273mの値が30以上であるか否かを判定する(S2663)。このとき、期間カウンタ273mの値が30未満であれば、本処理を終了する。
S2663において、期間カウンタ273mの値が30以上である場合(S2663:Yes)、有効中フラグ273lをオフに設定し(S2664)、期間カウンタ273mにゼロを設定する(S2665)。
S2665の処理後、通常画面フラグ273aをオンに設定し(S2666)、期待画面フラグ273bをオフに設定し(S2667)、確定画面フラグ273cをオフに設定して(S2668)、本処理を終了する。S2666〜S2668の処理により、画面は通常画面に設定される。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、特別外れが選定されてから、所定の条件が成立するまで(具体的には、30変動回数が経過するまで)は、非明示高確大当たりが選定された場合に、潜確期待度が相対的に高い表示(期待画面又は確定画面)を表示できる。つまり、特別外れを契機として、潜確期待度が相対的に高い表示が表示可能となる。これにより、遊技者に期待感を持たせることが可能となり、特別外れに付加価値を与えることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、上記実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。
また、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続する構成において、表示制御手段を、さらに主制御装置110にも接続して、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドや制御信号を送信するものとしてもよい。
あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。
また、上記実施形態では、図11に示すように、非明示高確大当たりに基づいて設定された期待画面(即ち、第1条件の期待画面)の表示中に、確定画面が表示される確率が、特別外れが選定された場合(50%)よりも、非明示高確大当たりが選定された場合(60%)の方が高いとした。これに換えて、第1条件の期待画面の表示中に、確定画面が表示される確率を、特別外れが選定された場合(例えば、60%)の方が、非明示高確大当たりが選定された場合(例えば、50%)より高くしてもよい。かかる場合には、特別外れにより確定画面が表示される可能性が高くなるので、特別外れの付加価値をより高くすることができる。また、第1条件の期待画面の表示中に、確定画面が表示される確率を、特別外れが選定された場合と、非明示高確大当たりが選定された場合とで同じとしてもよい。かかる場合には、非明示高確大当たりと同程度の付加価値を特別外れに与えることができる。
また、上記実施形態では、図11に示すように、通常画面の表示中に、特別外れが選定された場合には、必ず、期待画面に遷移する構成としたが、所定確率で、通常画面のままであることが選定される構成としてもよい。また、通常画面の表示中に、非明示高確大当たりが選定された場合もまた、所定確率で通常画面のままであることが選定される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、図11に示すように、通常画面の表示中に、特別外れが選定された場合には、確定画面を表示させない構成としたが、所定確率で、確定画面が選定される構成としてもよい。なお、特別外れを契機として確定画面が選定された場合もまた、上記実施形態と同様に、所定時期毎(例えば、変動表示毎)に、画面を、確定画面から、期待画面又は通常画面に転落させる転落抽選を行う構成としてもよい。また、通常画面の表示中に、特別外れが選定された場合には、潜確期待度が100%である画面を表示させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1条件の期待画面と第2条件の期待画面との両方において、転落抽選を行う構成としたが、第2条件の期待画面に対してのみ転落抽選を行ったり、第1条件の期待画面に対してのみ転落抽選を行う構成としてもよい。また、上記実施形態では、確定画面に対して転落抽選は行わない構成としたが、確定画面に対して転落抽選を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10に電源が投入される毎に、通常画面が設定される構成としたが、電源断前の画面内容をバックアップしておき、パチンコ機10に電源が投入された場合には、バックアップされた画面内容を表示させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、非明示高確大当たり以外の大当たりを示す種別コマンドを主制御装置110から受信した場合には、その種別コマンドに対応する変動表示の終了後に、画面を通常画面に設定する構成としたが、通常画面に戻す設定を、変動表示の開始前に行ったり、開閉実行モードの終了時に行ったりしてもよい。
また、上記第2実施形態では、特別外れが選定された場合に、画面抽選を行う期間を規定する条件として、特別外れが選定されてからの変動表示の回数を採用する構成としたが、当該条件を、例えば、特別外れが選定されてからの時間や、球の発射数などとしてもよい。
また、上記実施形態では、変動表示中に領域81aに期待テロップ81a1又は確定テロップ81a2を表示する構成としたが、期待テロップ81a1又は確定テロップ81a2の表示時期は、変動表示中に限定されず、客待ち演出中(デモ画面表示中)や、ラウンド遊技中などに表示してもよい。
また、上記実施形態では、期待画面又は確定画面を、期待テロップ81a1又は確定テロップ81a2が表示される画面としたが、テロップ表示でなく、潜確期待度に応じた演出が表示される画面を、期待画面又は確定画面とする構成としてもよい。
また、上記実施形態では、通常画面と、期待画面と、確定画面との3種類を例示したが、画面の数は、通常画面と、通常画面より潜確期待度の高い画面との2種類や、少なくとも通常画面を含む4種類以上の画面としてもよい。
また、上記実施形態では、どの大当たりに対しても、ラウンド遊技の上限回数を15回としたが、この上限回数が大当たりに応じて異なる回数としてもよい。また、ラウンド遊技の実行回数を表示可能な表示器を有する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、表示演出処理(図27参照)のS1227において、変動時間カウンタ(図示せず)の値が「0」であった場合に、変動時間が終了したと判定する構成としたが、主制御装置110が、S309(図14参照)において停止表示を設定するタイミングで停止コマンドを出力し、演出制御装置117は、その停止コマンドの受信をもって変動時間が終了したと判定する構成であってもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特定の遊技状態へ移行するか否かと、前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様とを判定する遊技状態判定手段と、その遊技状態判定手段による判定の結果が、遊技状態を前記特定の遊技状態へ移行させることに対応した結果であることに基づいて、遊技状態を前記特定の遊技状態に移行する状態移行手段と、表示画面に表示させる表示を制御する表示制御手段とを備えた遊技機であって、前記状態移行手段により移行された特定の遊技状態の終了後に移行する遊技状態として、有利度合いを変動させる特定の要素が、相対的に有利なものと不利なものとが設けられ、前記遊技状態判定手段により判定される、前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として、当該特定の遊技状態の終了後において、前記特定の要素が不利なものであった場合に有利なものとなる遊技状態へ移行する第1移行態様と、当該特定の遊技状態の終了後において、前記特定の要素が不利なものであった場合に不利なもののままとなる遊技状態へ移行する第2移行態様とが設けられ、前記特定の遊技状態の態様として、所定の特典の付与の期待度が相対的に高い態様と、相対的に低い態様とが設定され、前記第1移行態様における前記特定の遊技状態及び前記第2移行態様における前記特定の遊技状態は、前記相対的に低い態様で進行するとともに、前記状態移行手段による前記特定の遊技状態への移行後における可動物の見た目の態様とが、前記第1移行態様又は前記第2移行態様であるかを識別できない又は識別し難い低識別区間が各移行態様の開始タイミングから生じるように構成されており、前記表示制御手段は、遊技機の状態が、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に低いことを示す第1の状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、所定の確率で、前記第1の状態に比べて相対的に高い前記期待度を示す所定の表示を表示画面に表示させることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技状態判定手段により判定される、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として、当該特定の遊技状態の終了後において、特定の要素が不利なものであった場合に有利なものとなる遊技状態へ移行する第1移行態様と、当該特定の遊技状態の終了後において、特定の要素が不利なものであった場合に不利なもののままとなる遊技状態へ移行する第2移行態様とが設けられている。つまり、第1移行態様の方が、第2移行態様に比べて有利な態様である。
第1移行態様における特定の遊技状態と、第2移行態様における特定の遊技状態とは、どちらも、相対的に低い態様で進行するので、これらの遊技状態の有利度は相対的に低いので、遊技者としては、相対的に好ましくない遊技状態である。そのため、従来、遊技状態判定手段による判定結果のうち、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定は、遊技者にとって価値の低いものであった。
さらに、どちらの遊技状態(第1移行態様における特定の遊技状態、第2移行態様における特定の遊技状態)も、各移行態様の開始タイミングから、状態移行手段による特定の遊技状態への移行後における可動物の見た目の態様が、第1移行態様又は第2移行態様であるかを識別できない又は識別し難い低識別区間が生じており、遊技者はこれらの状態を識別することは困難である。そのため、特定の要素が有利なものとなる第1移行態様で遊技状態が移行していたとしても、遊技者は、それを識別することが困難であるため、遊技に期待ができなくなり、遊技の興趣が下がり、遊技を止めてしまう可能性がある。
ここで、遊技機A1によれば、遊技機の状態が、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に低いことを示す第1の状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、表示制御手段によって、所定の確率で、第1の状態に比べて相対的に高い前記期待度を示す所定の表示が表示画面に表示される。期待度がより高い表示がされることにより、遊技に対する期待感を遊技者に与えることができる。よって、遊技者にとって価値の低いものであったはずの、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に付加価値を与えることができ、それにより、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機A1の「特定の遊技状態」としては、上記実施形態における「開閉実行モード」が例示される。また、遊技機A1の「特定の要素」としては、上記実施形態における「大当たり確率」が例示される。また、遊技機A1の「第1移行態様」としては、上記実施形態における「非明示高確大当たり」の終了後の移行態様が例示される。また、遊技機A1の「第2移行態様」としては、上記実施形態における「特別外れ」の終了後の移行態様が例示される。また、遊技機A1の「所定の特定の付与の期待度が相対的に高い態様」としては、上記実施形態における「長時間態様」が例示される。また、遊技機A1の「(所定の特定の付与の期待度が)相対的に低い態様」としては、上記実施形態における「短時間態様」が例示される。
上記実施形態において、遊技機A1の遊技状態判定手段としては、遊技状態移行処理(S205)におけるS362〜S364の処理が例示される。遊技機A1の状態移行手段としては、遊技状態移行処理(S205)におけるS365〜S367,S369の処理が例示される。遊技機A1の表示制御手段としては、演出制御装置117が例示される。
遊技機A1において、前記表示制御手段は、遊技機の状態が、前記第1の状態として、前記表示画面に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に低い第1の表示が表示され得る状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、所定の確率で、前記第1の表示に比べて前記期待度が高い第2の表示を、前記所定の表示として、前記第1の表示に替えて前記表示画面に表示させることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、表示画面に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に低い第1の表示が表示され得る状態(第1の状態)である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、表示制御手段によって、所定の確率で、第1の表示に比べて前記期待度を示す第2の表示が、第1の表示に替えて表示画面に表示される。第1の表示より期待度がより高い第2の表示がされることにより、遊技に対する期待感を遊技者に与えることができる。よって、遊技者にとって価値の低いものであったはずの、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、付加価値を与えることができ、それにより、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機A2において、前記第1の表示及び前記第2の表示は、それぞれ、前記期待度が最も低い低期待度表示と、前記低期待度表示より前記期待度が高い中期待度表示と、前記中期待度表示より前記期待度が高い高期待度表示とを少なくとも含む表示のうちのいずれかであり、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記第1の表示として、前記低期待度表示が表示され得る状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、前記第2の表示として、前記中期待度表示は所定の確率で選定可能であるが、前記高期待度表示を選定不可能に構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、第1の表示として、期待度(遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度)が最も低い低期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、第2の表示として、前記低期待度表示よりは期待度の高い中期待度表示は所定の確率で選定可能であるが、前記中期待度表示よりは期待度の高い高期待度表示を選定不可能に構成される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第1移行態様でなく第2移行態様であるにもかかわらず、期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことによって、遊技者が遊技に不信感を抱くことを防止できる。
遊技機A3において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記第1の表示として、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された前記中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、所定の確率で、前記第2の表示として、前記高期待度表示を選定可能に構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、第1の表示として、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、第2の表示として、高期待度表示が選定可能とされる。遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されているので、実際に遊技状態は第1移行態様で移行する。よって、かかる場合には、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として第2移行態様が選ばれたことに基づいて高期待度画面を表示できるようにしたことにより、遊技者に期待感を与える可能性を増やすことができる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機A4において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記第1の表示として、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された前記中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、前記高期待度表示が前記第2の表示として選定される確率が、同期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率と同じ又は当該確率より高く設定されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第1の表示として、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合に、高期待度表示が第2の表示として選定される確率が、同期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率と同じ又は当該確率より高く設定されている。よって、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様が選ばれた場合の方が、高期待度表示を表示させ易くしたことにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機A4において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記第1の表示として、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された前記中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、同期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率より低く設定されていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、第1の表示として、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合に、高期待度表示が第2の表示として選定される確率が、同期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率より低く設定されている。よって、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として第1移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期待度表示が表示され得る状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様が選ばれた場合の方が、高期待度表示を表示させ易くしたことにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に付加価値を与えつつ、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを示す判定にも付加価値を与えることができる。
遊技機A1において、前記所定の表示は、前記期待度が最も低い低期待度表示と、前記低期待度表示より前記期待度が高い中期待度表示と、前記中期待度表示より前記期待度が高い高期待度表示とを少なくとも含む表示のうちのいずれかであり、前記表示制御手段は、遊技機の状態が、前記第1の状態である期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、前記所定の表示として、前記高期待度表示の選定が不可能に構成されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、第1の状態である期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、表示制御手段により、所定の表示として、高期待度表示が選定されることが不可能とされる。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第1移行態様でなく第2移行態様であるにもかかわらず、期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことによって、遊技者が遊技に不信感を抱くことを防止できる。
遊技機A7において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて前記特定の要素が有利なものとなっている期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、所定の確率で、前記所定の表示として、前記高期待度表示を選定可能に構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて特定の要素が有利なものとなっている期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、所定の表示として、高期待度表示が選定可能とされる。遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されているので、実際に遊技状態は第1移行態様で移行する。よって、かかる場合には、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として第2移行態様が選ばれたことに基づいて高期待度画面を表示できるようにしたことにより、遊技者に期待感を与える可能性を増やすことができる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機A8において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて前記特定の要素が有利なものとなっている期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、前記高期待度表示が前記所定の表示として選定される確率が、同期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率と同じ又は当該確率より高く設定されていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて特定の要素が有利なものとなっている期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、高期待度表示が選定される確率が、同期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率と同じ又は当該確率より高く設定されている。よって、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて特定の要素が有利なものとなっている期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として第2移行態様が選ばれた場合の方が、高期待度表示を表示させ易くしたことにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機A9において、前記表示制御手段は、前記遊技機の状態が、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて前記特定の要素が有利なものとなっている期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合には、前記高期待度表示が前記所定の表示として選定される確率が、同期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率より低く設定されていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて特定の要素が有利なものとなっている期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、高期待度表示が選定される確率が、同期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に前記高期待度表示が選定される確率より低く設定されている。よって、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて特定の要素が有利なものとなっている期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として第1移行態様が選ばれた場合の方が、高期待度表示を表示させ易くしたことにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に付加価値を与えつつ、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを示す判定にも付加価値を与えることができる。
遊技機A3からA6のいずれか、又は、A4からA10のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されたことに基づき選定された前記中期待度表示又は前記高期待度表示が表示され得る状態である期間中に、所定時期毎に、第1の確率で、前記表示され得る表示を、その表示より前記期待度が低い表示に変更する第1の期待度低下手段を含むことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づき選定された中期待度表示又は高期待度表示が表示され得る状態である期間中に、第1の期待度低下手段により、所定の時期毎に、第1の確率で、表示され得る表示が、その表示より期待度が低い表示に変更される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づいて、期待度がより高い表示が表示された場合であっても、第1の期待度低下手段により、第1の確率で、表示の期待度が落とされる。これにより、表示による期待度が上がった場合に、表示による期待度が下がらなくなってしまうことを確実に防止できる。
なお、上記実施形態において、遊技機A11の第1の期待度低下手段としては、転落抽選処理(図28参照)におけるS1311,S1303の処理が例示される。
遊技機A11において、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づき選定された前記中期待度表示又は前記高期待度表示が表示され得る状態である期間中に、所定時期毎に、前記第1の確率より低い第2の確率で、前記表示され得る表示より前記期待度が低い表示に変更する第2の期待度低下手段を含むことを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づき選定された中期待度表示又は高期待度表示が表示され得る状態である期間中に、第2の期待度低下手段により、所定の時期毎に、第2の確率で、表示され得る表示が、その表示より期待度が低い表示に変更される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて、期待度がより高い表示が表示された場合であっても、第2の期待度低下手段により、第2の確率で、表示の期待度が落とされる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第2移行態様である場合に限らず、第1移行態様である場合にも、中期待度表示又は高期待度表示が、より期待度の低い表示に落とされることになるので、表示による期待度が落ちたからといって、全く期待ができないと遊技者に思わせることを抑制し、それにより、遊技の興趣を下げることを抑制できる。特に、第2の確率は、第1の確率より低いものとされるので、遊技状態が第1移行態様で移行しているにもかかわらず、期待感を下げてしまうことを抑制できる。
なお、上記実施形態において、遊技機A12の第2の期待度低下手段としては、転落抽選処理(図28参照)におけるS1302,S1303の処理が例示される。
予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特定の遊技状態へ移行するか否かと、前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様とを判定する遊技状態判定手段と、その遊技状態判定手段による判定の結果が、遊技状態を前記特定の遊技状態へ移行させることに対応した結果であることに基づいて、遊技状態を前記特定の遊技状態に移行する状態移行手段と、表示画面に表示させる表示を制御する表示制御手段とを備えた遊技機であって、前記状態移行手段により移行された特定の遊技状態の終了後に移行する遊技状態として、有利度合いを変動させる特定の要素が、相対的に有利なものと不利なものとが設けられ、前記遊技状態判定手段により判定される、前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として、当該特定の遊技状態の終了後において、前記特定の要素が不利なものであった場合に有利なものとなる遊技状態へ移行する第1移行態様と、当該特定の遊技状態の終了後において、前記特定の要素が不利なものであった場合に不利なもののままとなる遊技状態へ移行する第2移行態様とが設けられ、前記特定の遊技状態の態様として、所定の特典の付与の期待度が相対的に高い態様と、相対的に低い態様とが設定され、前記第1移行態様における前記特定の遊技状態及び前記第2移行態様における前記特定の遊技状態は、前記相対的に低い態様で進行するとともに、前記状態移行手段による前記特定の遊技状態への移行を示す態様と、前記特定の遊技状態への移行後における可動物の見た目の態様が、前記第1移行態様又は前記第2移行態様であるかを識別できない又は識別し難い低識別区間が各移行態様の開始タイミングから生じるように構成されており、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、所定の確率で、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に高い所定の表示を表示画面に表示させることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技状態判定手段により判定される、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様として、当該特定の遊技状態の終了後において、特定の要素が不利なものであった場合に有利なものとなる遊技状態へ移行する第1移行態様と、当該特定の遊技状態の終了後において、特定の要素が不利なものであった場合に不利なもののままとなる遊技状態へ移行する第2移行態様とが設けられている。つまり、第1移行態様の方が、第2移行態様に比べて有利な態様である。
第1移行態様における特定の遊技状態と、第2移行態様における特定の遊技状態とは、どちらも、相対的に低い態様で進行するので、これらの遊技状態の有利度は相対的に低いので、遊技者としては、相対的に好ましくない遊技状態である。そのため、従来、遊技状態判定手段による判定結果のうち、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定は、遊技者にとって価値の低いものであった。
さらに、どちらの遊技状態(第1移行態様における特定の遊技状態、第2移行態様における特定の遊技状態)も、各移行態様の開始タイミングから、状態移行手段による特定の遊技状態への移行後における可動物の見た目の態様とが、第1移行態様又は第2移行態様であるかを識別できない又は識別し難い低識別区間が生じており、遊技者はこれらの状態を識別することは困難である。そのため、特定の要素が有利なものとなる第1移行態様で遊技状態が移行していたとしても、遊技者は、それを識別することが困難であるため、遊技に期待ができなくなり、遊技の興趣が下がり、遊技を止めてしまう可能性がある。
ここで、遊技機B1によれば、遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、表示制御手段により、所定の確率で、所定の表示が表示画面に表示さされる。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定を契機として、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに対する期待度が相対的に高い表示が可能となるため、遊技に対する期待感を遊技者に与えることができる。よって、遊技者にとって価値の低いものであったはずの、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に付加価値を与えることができ、それにより、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機B1の「特定の遊技状態」としては、上記実施形態における「開閉実行モード」が例示される。また、遊技機B1の「特定の要素」としては、上記実施形態における「大当たり確率」が例示される。また、遊技機B1の「第1移行態様」としては、上記実施形態における「非明示高確大当たり」の終了後の移行態様が例示される。また、遊技機B1の「第2移行態様」としては、上記実施形態における「特別外れ」の終了後の移行態様が例示される。また、遊技機B1の「所定の特定の付与の期待度が相対的に高い態様」としては、上記実施形態における「長時間態様」が例示される。また、遊技機B1の「(所定の特定の付与の期待度が)相対的に低い態様」としては、上記実施形態における「短時間態様」が例示される。
上記実施形態において、遊技機B1の遊技状態判定手段としては、遊技状態移行処理(S205)におけるS362〜S364の処理が例示される。遊技機B1の状態移行手段としては、遊技状態移行処理(S205)におけるS365〜S367,S369の処理が例示される。遊技機B1の表示制御手段としては、演出制御装置117が例示される。
遊技機B1において、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されてから、その判定されたことに基づいて選定された表示であって、前記期待度が相対的に低い第1の表示が表示され得る期間中を、前記所定条件が未成立であるとして、当該期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、所定の確率で、前記第1の表示に比べて前記期待度が高い第2の表示を、前記第1の表示に替えて前記表示画面に表示させることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されてから、その判定されたことに基づいて選定された表示であって、前記期待度が相対的に低い第1の表示が表示され得る期間中を、前記所定条件が未成立であるとする。そこで、当該期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、表示制御手段により、所定の確率で、第1の表示に比べて期待度が高い第2の表示が、第1の表示に替えて表示画面に表示される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定を契機として、前記期待度がより高い表示が可能となるため、遊技に対する期待感を遊技者に与えることができる。従って、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に付加価値を与えることができ、それにより、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機B2において、前記第1の表示及び前記第2の表示は、それぞれ、前記期待度が最も低い低期待度表示と、前記低期待度表示より前記期待度が高い中期待度表示と、前記中期待度表示より前記期待度が高い高期待度表示とを少なくとも含む表示のうちのいずれかであり、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されたことに基づいて、第1の表示として選定された前記中期態度表示が表示され得る期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、前記高期待度表示が前記第2の表示として選定される確率が、前記低期待度表示が表示され得る期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、前記高期待度表示が前記第2の表示として選定される確率より高く設定されていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期態度表示が表示され得る期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、高期待度表示が第2の表示として選定される確率が、遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、高期待度表示が第2の表示として選定される確率より高く設定されている。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定がされたことを契機として、高期待度表示を表示させ易い状況が生じるので、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機B2又はB3において、前記第1の表示及び前記第2の表示は、それぞれ、前記期待度が最も低い低期待度表示と、前記低期待度表示より前記期待度が高い中期待度表示と、前記中期待度表示より前記期待度が高い高期待度表示とを少なくとも含む表示のうちのいずれかであり、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された前記中期態度表示が表示され得る期間中に、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合に、前記中期待度表示は所定の確率で選定可能であるが、前記高期待度表示を選定不可能に構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づいて選定された中期態度表示が表示され得る期間中に、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合に、表示制御手段により、中期待度表示は所定の確率で選定可能であるが、高期待度表示は選定不可能とされる。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第1移行態様でなく第2移行態様であるにもかかわらず、期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことによって、遊技者が遊技に不信感を抱くことを防止できる。
遊技機B1において、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、前記期待度が相対的に高い表示が前記所定の表示として選定される確率が、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることを示す判定を契機としない状態において、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定された場合に、前記期待度が相対的に高い表示が前記所定の表示として選定される確率より高く設定されていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、前記期待度が相対的に高い表示が選定される確率が、前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることを示す判定を契機としない状態において、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定された場合に、前記期待度が相対的に高い表示が選定される確率より高く設定されている。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定がされたことを契機として、期待度が相対的に高い表示を表示させ易い状況が生じるので、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることを示す判定に、さらなる付加価値を与えることができる。
遊技機B1、B4又はB5において、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定された場合に、前記期待度が最も高い表示を選定不可能に構成される遊技機B6。
遊技機B6によれば、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されてから、所定条件が成立するまでに、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定された場合には、前記期待度が最も高い表示が選定されることが不可能とされる。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第1移行態様でなく第2移行態様であるにもかかわらず、期待度の高すぎる表示がされることを抑制できる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることを期待したにもかかわらず、その期待通りにならないことによって、遊技者が遊技に不信感を抱くことを防止できる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第2移行態様であることが判定されたことに基づいて、前記期待度が相対的に高い表示が表示され得る期間中に、所定時期毎に、第1の確率で、前記表示され得る表示より前記期待度が低い表示に変更する第1の期待度低下手段を含むことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づいて、前記期待度が相対的に高い表示が表示され得る期間中に、第1の期待度低下手段により、所定の時期毎に、第1の確率で、表示され得る表示が、その表示より期待度が低い表示に変更される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第2移行態様であることが判定されたことに基づいて、期待度が相対的に高い表示が表示された場合であっても、第1の期待度低下手段により、第1の確率で、表示の期待度が落とされる。これにより、表示による期待度が上がった場合に、表示による期待度が下がらなくなってしまうことを確実に防止できる。
なお、上記実施形態において、遊技機B7の第1の期待度低下手段としては、転落抽選処理(図28参照)におけるS1311,S1303の処理が例示される。
遊技機B7において、前記表示制御手段は、前記遊技状態判定手段により前記特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が前記第1移行態様であることが判定されたことに基づいて、前記期待度が相対的に高い表示が表示され得る期間中に、所定時期毎に、前記第1の確率より低い第2の確率で、前記表示され得る表示より前記期待度が低い表示に変更する第1の期待度低下手段を含むことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技状態判定手段により特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて、前記期待度が相対的に高い表示が表示され得る期間中に、第2の期待度低下手段により、所定の時期毎に、第2の確率で、表示され得る表示が、その表示より期待度が低い表示に変更される。よって、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様が第1移行態様であることが判定されたことに基づいて、期待度がより高い表示が表示された場合であっても、第2の期待度低下手段により、第2の確率で、表示の期待度が落とされる。これにより、特定の遊技状態の終了後における遊技状態の移行態様の判定が第2移行態様である場合に限らず、第1移行態様である場合にも、期待度が相対的に高い表示が、その期待度を落とした表示がされることになるので、表示による期待度が落ちたからといって、全く期待ができないと遊技者に思わせることを抑制し、それにより、遊技の興趣を下げることを抑制できる。特に、第2の確率は、第1の確率より低いものとされるので、遊技状態が第1移行態様で移行しているにもかかわらず、期待感を下げてしまうことを抑制できる。
なお、上記実施形態において、遊技機B8の第2の期待度低下手段としては、転落抽選処理(図28参照)におけるS1302,S1303の処理が例示される。