JP2013134243A - 測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体の表面に対する傾きを判定することで、測定結果の再現性を高めることが可能な測定装置を提供する。
【解決手段】測定システム1は、測定した光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する判定部21を備える。
【選択図】図1
【解決手段】測定システム1は、測定した光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する判定部21を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体の表面に対する傾きを判定することが可能な測定装置に関する。
従来、抗糖化(抗加齢)化粧品として、皮膚に蓄積したAGEs(Advanced Glycation Endproducts;後期糖化反応生成物)の低減を目的としたものが商品化されている。このAGEsは、タンパク質と、糖質や脂質との非酵素的糖付加反応(メイラード反応)により形成される最終生成物であり、黄褐色を呈し、その一部は蛍光を発する物質である。また、AGEsは、近くに存在する構造蛋白質と結合して架橋を形成する性質を有している。特にAGEsと真皮を構成しているコラーゲンとの架橋は、皮膚の弾力性を低下させるので、しわやくすみの原因としても問題となっている。
また、皮膚中にはAGEs以外にも蛍光を示す物質があり、例えばヒドロキシプロリン、リボフラビン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、プロトポルフィリン、チロシン、トリプトファン、エラスチン等の蛍光物質がある。これらの物質を評価することはAGEs以外の阻害要因を把握する目的や、その他美容・健康に影響する指針を得る為の情報を取得できるという観点から有用である。
この点、皮膚中のAGEsやその他の蛍光物質を測定することに適用可能な技術の一例として、たとえば、下記の特許文献1に開示された技術が存在する。
また、皮膚中に存在するAGEsやその他の蛍光物質に関しては、皮膚における特定の深さ領域に応じて異なる種類のものが存在するし、存在する量も異なる。
たとえば、表皮領域(表面〜深さ約0.2mm)中や真皮領域(深さ約0.2〜2.2mm)中にあるAGEsは、皮膚の弾力性を低下させたり、しわやくすみの原因となるので、美容上の観点から粗悪要因となっている。なお、この粗悪要因を解消する為の市販のクリーム等は、表皮や真皮中のAGEsを減少させる方向に働く。
さらに、血管領域(深さ約2.2mm以下)中にもAGEsは存在する。そして、糖尿病の場合、血糖の上昇に伴い、AGEsも増加するので、AGEsをモニタリングすることで、糖尿病の早期発見、あるいは進行状況を把握することができる。なお、血液中のAGEsを低減する手段としては、糖尿病治療薬や機能性食品があるが、これらは直接的に血液中のAGEs量を制御するものである。
このように、皮膚中の特定の深さ領域(表皮領域、真皮領域、血管領域)におけるAGEs量を把握することは極めて有用である。
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来技術には次のような問題がある。
一般に、生体の表面に対するプローブの傾きを安定させることは難しいため、生体の表面に対する励起光の照射角度も不安定になりがちである。そのため、照射角度が不安定になることで、蛍光を発する生体組織が正常であるか異常であるかという測定結果に正確性が欠け、測定結果そのものの信憑性を低下させるという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、生体の表面に対する傾きを判定し、それにより、測定結果の再現性を高めることが可能な測定装置を提供することにある。
励起光源から導光される励起光を生体に照射する照射部と、上記励起光の照射によって上記生体から生ずる蛍光を受光する蛍光受光部と、上記照射部の近傍に配置され、かつ、上記励起光が上記生体に対して照射されることによって生じる光を受光する傾き検出用受光部とを備えるプローブと、上記傾き検出用受光部が受光した光の光強度を測定する光強度測定部と、上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを判定する判定手段と、を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、判定手段は、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きの判定を、上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより行う。つまり、上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内にあれば、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きが当該プローブによる生体情報の測定に好適な傾きであると判定する。そして、本発明に係る測定装置は、その判定結果から、上記生体の表面に対する傾きを安定させることができ、かつ、測定結果の再現性を高めることができる。
なお、上記所定の範囲は、例えば次にように規定することができる。プローブを生体の表面に垂直に当てた際に傾き検出用受光部が受光する光の光強度を複数の被験者からデータ採取しておき、その平均値を所定の範囲とする。これにより、新たに測定された光強度が上記所定の範囲(平均値)よりも高ければ、上記生体の表面に対する傾きが安定しているものと判定する。あるいは、上記所定の範囲を単に任意の光強度とすることもよく、上記所定の範囲は、種々のバリエーションで規定することができる。
また、本発明に係る測定装置では、上記プローブは、複数の上記傾き検出用受光部を備え、上記光強度測定部は、複数の上記傾き検出用受光部が受光した上記光強度それぞれを測定し、上記判定手段は、上記光強度測定部が測定した、複数の上記傾き検出用受光部に対応する上記光強度それぞれが上記所定の範囲内にあるかどうかにより、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きを判定する構成であってよい。
上記構成によれば、上記判定手段は、複数の上記傾き検出用受光部に対応する上記光強度それぞれが上記所定の範囲内にあるかどうかによって上記判定を行う。つまり、上記判定手段は、複数の上記傾き検出用受光部に対応する上記光強度すべてが上記所定の範囲内にあるかどうかにより上記判定を行うため、1つの傾き検出用受光部に対応する光強度に基づいて判定する場合に比べて、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きをより正確に判定することができる。
それゆえ、本発明に係る測定装置は、上記判定手段による判定結果に基づいて上記生体の表面に対する傾きをさらに安定させることができ、その結果、測定結果の再現性を高めることができる。
また、本発明に係る測定装置では、上記プローブは、複数の上記傾き検出用受光部を備え、上記光強度測定部は、複数の上記傾き検出用受光部が受光した光の光強度それぞれを測定し、上記判定手段は、上記光強度測定部が測定した、複数の上記傾き検出用受光部それぞれに対応する上記光強度のうちの少なくとも2つ以上の光強度の差分が所定の範囲内にあるかどうかにより、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きを判定する構成であってよい。
上記構成によれば、複数の上記傾き検出用受光部それぞれに対応する上記光強度のうちの少なくとも2つ以上の光強度の差分が所定の範囲内にあれば、複数の上記傾き検出用受光部それぞれに対応する上記光強度のばらつきが少なく、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きが当該プローブによる測定に好適であることを意味する。
それゆえ、本発明に係る測定装置は、上記判定手段による判定結果に基づいて上記生体の表面に対する傾きをさらに安定させることができ、その結果、測定結果の再現性を高めることができる。
また、本発明に係る測定装置では、複数の上記傾き検出用受光部はそれぞれ、上記照射部を中心として回転対称となるように配置されている構成であってよい。
上記構成によれば、上記判定手段は、最も距離が離れた傾き検出用受光部での光強度の差分が所定の範囲内にあるかどうかを判定することになる。それゆえ、上記生体の表面に対する傾きを当該プローブによる測定に最も好適にすることができる。
また、本発明に係る測定装置は、上記判定手段による判定結果を利用者に通知する通知部を備える構成であってよい。
上記構成によれば、通知部は、上記判定手段による判定結果、すなわち、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きが当該プローブによる測定に好適な傾きであるかどうかを利用者に通知することができる。
それゆえ、利用者は、その判定結果から、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きを容易かつ迅速に安定させることができる。
なお、通知部は、種々の形態で実現することができ、一例としてLED表示、音声通知などを挙げることができる。
また、本発明に係る測定装置は、上記生体の表面に対して突起するとともに、先端から上記生体の表面に対して上記励起光を照射する突起部を備え、上記突起部は、上記励起光を上記生体の表面上に漏らすための粗表面を有し、上記傾き検出用受光部は、上記生体の表面上に漏れた上記励起光を受光する構成であってよい。
従来のプローブは、励起光を照射して生体の内部で蛍光を生じさせ、その蛍光を発している生体組織が正常であるか異常であるかを判定する。
これに対して、本発明に係る測定装置では、上記判定手段による判定結果を得るためには励起光を生体の表面に漏れさせればよい。また、上記生体の表面に対して突起するとともに、先端から上記生体の表面に対して上記励起光を照射する突起部であって、粗表面を有する突起部を備えることで、全方向に均等に励起光を漏らすことを可能とする。
これにより、判定手段は、生体の表面を漏れた上記励起光を上記傾き検出用受光部に受光させることで、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを判定することができる。
また、本発明に係る測定装置では、上記励起光は、紫外光であってよい。
上記構成によれば、本発明に係る測定装置は、紫外光を照射する励起光源を用いることができるため、より汎用性の高い測定装置を利用者に提供することができ、かつ、後期糖化反応生成物の測定に好適に用いることができる。
また、本発明に係る測定装置では、上記励起光は、後期糖化反応生成物を測定するために適した波長範囲を有する構成であってよい。
上記の構成により、本発明に係る測定装置は、特に後期糖化反応生成物の測定に好適に用いることができる。
また、本発明に係る測定装置は、上記判定手段による判定結果に基づいて、上記プローブによる生体情報の測定を行うかどうかを決定する決定手段を備える構成であってよい。
上記構成によれば、上記決定手段は、判定手段による判定結果を受けて、上記プローブによる測定を行うかどうかを決定する。
それゆえ、上記プローブの傾きが所定の範囲を超えた状態で測定し、誤った測定結果を得ることを防止することが可能となり、操作性に優れた測定装置を実現することができる。
また、本発明に係る測定装置は、上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内に含まれていない場合に、上記所定の範囲内に含まれるように上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを補正する補正手段を備える構成であってよい。
上記構成によれば、上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内に含まれていない場合には、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きが補正手段によって補正される。
それゆえ、利用者が意識することなく、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを補正することが可能となり、操作性に優れた測定装置を実現することができる。
また、本発明に係る測定装置は、上記励起光源とは異なる傾き検出用光源を備え、上記傾き検出用受光部は、上記傾き検出用光源から上記生体に対して照射されることによって生じる光を受光する構成であってよい。
上記構成によれば、本発明に係る測定装置は、生体の内部で蛍光を生じさせ、その蛍光を発している生体組織が正常であるか異常であるかを判定するために用いられる励起光源とは別に、傾き検出用光源を備える。これにより、本発明に係る測定装置は、1つは生体組織が正常であるか異常であるかを判定するための、もう1つは上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを判定するための2つの励起光源を、それぞれ独立して動作させることができる。
これにより、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを判定しつつ、同時に、生体組織が正常であるか異常であるかを判定することが可能となる。
それゆえ、本発明に係る測定装置は、上記生体の表面に対する傾きを安定させて、信頼性の高い測定結果を取得することができる。
本発明に係る測定装置は、生体の表面に対する傾きを判定し、それにより、測定結果の再現性を高めることが可能になるという効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る測定システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔測定システム1の構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る測定システム(測定装置)1の構成図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る測定システム(測定装置)1の構成図である。
測定システム1は、生体に励起光を照射して、その生体が励起されて発する蛍光に関する分光特性に基づいて、蛍光を発している生体組織が正常であるか異常である等を判定、測定することが可能な装置である。例えば、測定システム1は、AGEs由来の蛍光を検出するためのものであり、AGEs(Advanced Glycation Endproducts;後期糖化反応生成物)を測定することができる。
測定システム1は、プローブ2、本体10、および演算部20を備える。プローブ2と本体10とは、プローブ2に含まれる、励起側光ファイバー5、蛍光側光ファイバー6、およびリード線7によって接続されている。励起側光ファイバー5および蛍光側光ファイバー6はバンドルファイバー3内に差し込まれており、そのバンドルファイバー3は、円筒型のプローブ2の一端から他端までを貫通し、かつ、プローブ2に固定されている。また、本体10と演算部20との間で制御信号やデータ等の送受信が無線/有線で行われる。
(プローブ2)
プローブ2について図2、図3を用いて説明する。図2は、プローブ2を説明するための図であり、図2(a)は側面図を、図2(b)は下面図を、図2(c)はバンドルファイバー3の下部詳細図である。
プローブ2について図2、図3を用いて説明する。図2は、プローブ2を説明するための図であり、図2(a)は側面図を、図2(b)は下面図を、図2(c)はバンドルファイバー3の下部詳細図である。
プローブ2は、利用者が把持しやすい形状を有し、図2(a)〜図2(c)では円筒形である。ただし、プローブ2の形状は、円筒形に限られず、例えば利用者が把持しやすい取手を有するなど種々の形態で実現されてよい。
図2(a)のプローブ2は、口径の異なる円筒部2a・2bを含む。円筒部2bは、プローブ2の先端側に形成されており、円筒部2aよりも口径が小さい。ただし、口径の大小は、同図に示す構成に限られず、適宜決められてよい。
図2(b)は、プローブ2の下面図である。下側から視ると、円筒部2aの内側に円筒部2bが、円筒部2bの内側にバンドルファイバー3が配置されている。そして、円筒部2a、円筒部2b、およびバンドルファイバー3は、中心点を同一とする円形で形成されている。ただし、円筒部2a、円筒部2b、およびバンドルファイバー3の配置は、必ずしも同図に示す構成に限られず、適宜決められてよい。
図2(c)は、バンドルファイバー3の下部詳細図である。図示するように、バンドルファイバー3の中心部に蛍光側光ファイバー6が配置されている。そして、蛍光側光ファイバー6の周囲に複数の励起側光ファイバー5が配置されている。複数の励起側光ファイバー5は、好ましくは、蛍光側光ファイバー6を中心として互いに回転対称となる位置に配置されている。
さらに、図2(b)に示すように、励起側光ファイバー5の近傍に配置され、かつ、励起光が生体200に対して照射されることによって生じる光を受光する複数の傾き検出用受光部4が円筒部2bに配置されている。複数の傾き検出用受光部4は、好ましくは、蛍光側光ファイバー6(または、バンドルファイバー3を励起光の照射部と見なしたときの照射部)を中心として回転対称となる位置に配置されている。
傾き検出用受光部4は、励起光が生体200に照射されることによって生じる光を受光するものであり、受光した光を電気信号に変換する。例えば、傾き検出用受光部4は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、またはフォトサイリスタ等である。なお、傾き検出用受光部4の数量、配置については図9を用いて説明する。
図3は、図2(b)のA−A’断面図である。同図では傾き検出用受光部を傾き検出用受光部4a・4bとして示している。傾き検出用受光部4a・4bにはリード線7が接続され、そのリード線7は、本体10(より詳しくは、A−D変換部13)に接続される。
なお、図3では、円筒部2bの先端部(図面下側)に、当該先端部を保護するための保護プラスチック板8が取り付けられている。ただし、円筒部2bの先端部は、保護プラスチック板8を必ずしも備えている必要はない。さらに、円筒部2bの先端部には、保護プラスチック板8ではなく、その全面または一部に、迷光をカットするための光学フィルタが取り付けられてもよい。
(傾き検出用受光部4について)
傾き検出用受光部4の詳細を図4により説明する。図4は、プローブ2の先端部の断面図である。
傾き検出用受光部4の詳細を図4により説明する。図4は、プローブ2の先端部の断面図である。
同図では、プローブ2は、接触面250において生体200と接触している。また、励起光が、励起側光ファイバー5aおよび励起側光ファイバー5bから生体200に照射される。
傾き検出用受光部4は、励起光が生体200内を散乱・伝播して生体200から出射した光、および/または、励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を受光する。したがって、傾き検出用受光部4は、それら光を受光することが可能な位置に配置される。図中では、励起光照射範囲をL1、励起光の散乱範囲をL2で示しており、傾き検出用受光部4は、L2領域に含まれる位置に配置される。
より具体的に傾き検出用受光部4の配置について説明する。傾き検出用受光部4は、数十pWオーダーの光を検出することが可能であり、例えば、浜松ホトニクス(株)製S1336シリーズが用いられる。また、皮膚内部は、35〜50cm−1の吸収係数がある。従って、例えば出力100mWの励起光源を用いた場合、(ln(10pW/100mW))/50cm−1=7.3mmとなることから、傾き検出用受光部4は、励起光照射領域L1から8mm以内の位置に配置することが望ましい。また、発明者らは、傾き検出用受光部4が励起光照射領域L1から1mm以上外側に配置されることが好ましいことを見出した。傾き検出用受光部4が励起光照射領域L1から1mm以内になると、プローブ2の傾き許容度が大きくなるためである。したがって、傾き検出用受光部4は、励起光照射領域L1から1mm以上8mm以内に配置することが好ましいと言える。
さらに、傾き検出用受光部4は、10μm角〜10mm角のサイズとすることが望ましい。10μm未満であると、光量が小さくなり光を検出することができなくなり、10mmよりも大きいと、傾きの許容度が大きくなるためである。
(本体10)
図1に示すように、本体10は、光源11と、分光器12と、AD変換器(光強度測定部)13とを備える。
図1に示すように、本体10は、光源11と、分光器12と、AD変換器(光強度測定部)13とを備える。
(光源11)
光源11は、測定対象部に照射する励起光を生成する光源である。光源11から出射された励起光は、励起側光ファイバー5を通して生体200に照射される。
光源11は、測定対象部に照射する励起光を生成する光源である。光源11から出射された励起光は、励起側光ファイバー5を通して生体200に照射される。
この励起光は、例えばAGEs由来の蛍光を検出するためのものであり、AGEs(Advanced Glycation Endproducts;後期糖化反応生成物)を測定するために適した波長範囲を有している。光源11として用いられる光源の種類としては、ハロゲンやキセノン光源のような管球タイプのものや、LED、LD等が利用可能である。
AGEsはタンパク質の非酵素的糖付加反応(メイラード反応)により形成される最終生成物であり、黄褐色を呈し、蛍光を発する物質であって、近くに存在する蛋白と結合して架橋を形成する性質を有している。
このAGEsは、血管壁に沈着、侵入したり、免疫システムの一部を担うマクロファージに作用してたんぱく質の一種であるサイトカインを放出させ、炎症を引き起こしたりして、動脈硬化を発症させると言われている。
なかでも、アルデヒド類物質由来のAGEsは糖尿病合併症における病変部位に特に多く蓄積していることが確認されており、合併症進行における重要な成分として提唱されている。このような、生物学的毒性をもつAGEsは特にTAGE(toxic AGEs)とも呼ばれることがある。
AGEsには、現在構造が明らかになったものだけでも20ほどの種類があり、その中で励起光を照射すると蛍光を発するものがいくつかある。表1にその例を示す。
表1において、CLF(collagen−linked fluorescence)は、コラーゲンと結合したAGEsからの蛍光であり、総AGEs生産およびこれに付随するコラーゲン架橋の一般的な尺度として用いられる。
ペントシジンおよびべスパーリジンはAGEsの代表的な例である。ペントシジンはペントースと等モルのリジンとアルギニンとが架橋した構造を有し、酸加水分解後に安定な蛍光性物質である。このペントシジンは、特に糖尿病の発症や末期の腎症において増加することが報告されている。ベスパーリジンはAGE化ウシ血清アルブミン(BSA)を酸加水分解した後、主要な蛍光性物質として単離され、2分子のリジンを架橋した構造を有している。
表1から分かるように、光源11の波長としては、370nmまたはその近傍の波長(紫外光)が最も適している。AGEsの種類によって適応する励起光の幅としては、UVAの領域である315〜400nmから可視光の領域である315〜600nmのものが適している。
(分光器12)
分光器12は、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、蛍光側光ファイバー6を通して受光し、その蛍光の波長および波長ごとの強度を測定する。すなわち、分光器12は、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたのかを測定する。そして、分光器12は、その測定結果を演算部20に出力する。分光器12としては、プリズム分光器、回折格子を利用する格子分光器、または干渉縞を利用する干渉分光器等が利用可能である。
分光器12は、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、蛍光側光ファイバー6を通して受光し、その蛍光の波長および波長ごとの強度を測定する。すなわち、分光器12は、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたのかを測定する。そして、分光器12は、その測定結果を演算部20に出力する。分光器12としては、プリズム分光器、回折格子を利用する格子分光器、または干渉縞を利用する干渉分光器等が利用可能である。
蛍光は励起光よりも波長が長いため、分光器12としては、350〜500nmの範囲の光が検出できるものであれば好適であるが、蛍光についても、AGEsの種類によって検出される波長に幅があるため、320〜900nmの範囲が検出できるものであれば利用可能である。ただし、分光器12は、上述した波長範囲の蛍光に限らず、他の波長範囲の蛍光を受光するものであってもよい。
(AD変換器13)
AD変換器13は、傾き検出用受光部4において変換されたアナログの電気信号を、リード線7を通して受信し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器13は、変換したデジタル信号を演算部20に出力する。AD変換器13は、傾き検出用受光部4が複数存在するときは、その複数の傾き検出用受光部4それぞれについて変換したデジタル信号を演算部20に出力する。AD変換器13としては、例えばデジタルマルチメータ等の電圧測定器を用いることができる。なお、AD変換器13は、本体10に組み込まれているが、演算部20に組み込まれる構成で実現されてもよい。
AD変換器13は、傾き検出用受光部4において変換されたアナログの電気信号を、リード線7を通して受信し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器13は、変換したデジタル信号を演算部20に出力する。AD変換器13は、傾き検出用受光部4が複数存在するときは、その複数の傾き検出用受光部4それぞれについて変換したデジタル信号を演算部20に出力する。AD変換器13としては、例えばデジタルマルチメータ等の電圧測定器を用いることができる。なお、AD変換器13は、本体10に組み込まれているが、演算部20に組み込まれる構成で実現されてもよい。
〔測定システム1の動作説明〕
次に、測定システム1の動作を図5により説明する。図5は、測定システム1の動作を説明するための図である。なお、以下では演算部20についても説明する。
次に、測定システム1の動作を図5により説明する。図5は、測定システム1の動作を説明するための図である。なお、以下では演算部20についても説明する。
まず、光源11から生体200に対して、励起側光ファイバー5を介して励起光が照射される。そして、傾き検出用受光部4が、励起光が生体200内を散乱・伝播して生体200から出射した光、および/または、生体200の内部で発生した蛍光を受光し、その光を電気信号に変換する。AD変換器13は、傾き検出用受光部4において変換されたアナログの電気信号をリード線7を通して受信し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器13は、変換したデジタル信号を演算部20に出力する。
(演算部20)
次に、演算部20について説明する。図5に示すように、演算部20は、判定部(判定手段)21、制御回路部(決定手段)22、および表示部(通知部)23を備える。
次に、演算部20について説明する。図5に示すように、演算部20は、判定部(判定手段)21、制御回路部(決定手段)22、および表示部(通知部)23を備える。
判定部21は、AD変換器13から、傾き検出用受光部4が受光した光の光強度を示すデジタル信号を受信する。そして、その光強度が所定の範囲内にあるかどうかに基づいて、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する(詳細は、図6、図7を用いて後述)。つまり、プローブ2が生体200の表面(皮膚表面)に対して傾くと、複数の傾き検出用受光部4の間で光検出量が不均一になる。この性質を利用して、判定部21は、プローブ2が生体200の表面に対して傾いているかどうかを判定する。そして、判定部21は、その判定結果を、制御回路部22および表示部23に出力する。
制御回路部22は、判定部21から、判定部21による判定結果を取得する。そして、制御回路部22は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適なときに、分光器12に対して制御信号を送信する。この制御信号を受けて、分光器12は、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたかを示す測定結果を制御回路部22に出力する。そして、制御回路部22は、分光器12から取得した上記測定結果を表示部23に表示させる。
表示部23は、上述したように、制御回路部22から取得した上記測定結果を表示する。また、表示部23は、判定部21から、判定部21による判定結果を取得して、その判定結果を表示する。
一方、判定部21による判定結果が、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適ではない場合には、表示部23はその旨を表示する。これにより、表示部23は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きの状態を利用者にフィードバックすることができる。
表示部23は、種々の形態で実現することができる。例えば、プローブ2の模式図がディスプレイに表示され、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適でなければ、プローブ2が傾いていることを示す表示がなされる。あるいは、表示部23は、判定部21による判定結果を音声でユーザに案内してもよく、一例として、「プローブをA方向に少し傾けてください」という音声案内が考えられる。
なお、表示部23は、演算部20ではなく、プローブ2に含まれる構成で実現されてもよい。その場合、表示部23は、例えばプローブ2の側面を取り巻くようにLEDを配置し、傾いている側のLEDが点灯する、という構成で実現される。
また、表示部23は、判定部21による判定結果と分光器12による測定結果とを別々のディスプレイに表示する構成で実現することもできる。
(判定部21による判定方法)
上述したように、判定部21は、AD変換器13から、傾き検出用受光部4が受光した光の光強度を示すデジタル信号を受信する。そして、判定部21は、そのデジタル信号によって示される光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する。以下、その判定方法の詳細を、図6、図7を用いて説明する。
上述したように、判定部21は、AD変換器13から、傾き検出用受光部4が受光した光の光強度を示すデジタル信号を受信する。そして、判定部21は、そのデジタル信号によって示される光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する。以下、その判定方法の詳細を、図6、図7を用いて説明する。
図6は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hが受光した光の光強度を示す図である。この例では、傾き検出用受光部4aの光強度が最も高く、したがって、傾き検出用受光部4aが生体200に最も近い距離に位置することを示す。一方、傾き検出用受光部4eの光強度が最も低く、したがって、傾き検出用受光部4aが生体200に最も遠い距離に位置することを示す。なお、図中の2つの破線で挟まれる領域は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適であることを示す許容領域を示す。
このとき、判定部21は、例えば次の3つの判定方法のうちの何れかの方法によって、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法1)判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hによって受光された光の光強度すべてが許容領域に含まれる場合に、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法2)判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hが受光した光の光強度の互いの差分が所定の範囲にある場合にのみ、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法3)判定部21は、対向する傾き検出用受光部の間の光強度の差分が所定の範囲にある場合にのみ、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法1)判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hによって受光された光の光強度すべてが許容領域に含まれる場合に、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法2)判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hが受光した光の光強度の互いの差分が所定の範囲にある場合にのみ、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
(判定方法3)判定部21は、対向する傾き検出用受光部の間の光強度の差分が所定の範囲にある場合にのみ、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
例えば、判定部21が判定方法1による判定を行う場合を考える。このとき、図6の例では、傾き検出用受光部4a、傾き検出用受光部4b、および傾き検出用受光部4hのみが許容領域に含まれている。従って、判定部21は、傾き検出用受光部4c、傾き検出用受光部4d、傾き検出用受光部4e、傾き検出用受光部4f、および傾き検出用受光部4gによって受光された光の光強度が許容領域に含まれていないため、プローブ2の生体200の表面に対する傾きは、プローブ2による測定に好適ではないと判定する。
ここで、図7は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hが受光した光の光強度を示す他の例であり、この図では、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hによって受光された光の光強度すべてが許容領域に含まれている。したがって、この図7の例においては、判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hによって受光された光の光強度すべてが許容領域に含まれるため、プローブ2の生体200の表面に対する傾きは、プローブ2による測定に好適であると判定する。
なお、図6、図7における許容領域は、利用者に共通する領域として設定してもよいし、あるいは、利用者ごとに異なる領域として設定してもよい。これにより、判定部21による判定結果をより柔軟に調整することができる。例えば、プローブ2が生体200の表面に対してほぼ垂直な場合にのみ、プローブ2による測定を行うという設定にもすることができる。
次に、判定部21が判定方法2によって判定する場合を説明する。この判定方法では、判定部21は、傾き検出用受光部4a〜傾き検出用受光部4hが受光した光の光強度の互いの差分が所定の範囲にあるかどうかを判定する。この判定方法では、判定部21は、すべての傾き検出用受光部間の光強度の差分が所定の範囲にあるかどうかを判定するため、判定方法1、3よりも演算量が多くなる。しかしながら、任意に抽出された2つの傾き検出用受光部の光強度の差分が1つでも所定の範囲に含まれていないものがあれば、判定部21は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適ではないと判定する。したがって、判定方法2では、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定方法1よりも厳しく判定することもできる。
なお、所定の範囲は、利用者に共通する範囲として設定してもよいし、あるいは、利用者ごとに異なる範囲として設定してもよい。これにより、判定部21による判定結果をより柔軟に調整することができる。このことは、後述する判定方法3においても同様である。
次に、判定部21が判定方法3により判定する場合を説明する。この判定方法では、判定部21は、例えば図6の場合においては、対向する傾き検出用受光部間の光強度の差分が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。図6の例では、例えば傾き検出用受光部4aと傾き検出用受光部4eとが対向する位置関係にあるため、判定部21は、傾き検出用受光部4aと傾き検出用受光部4eとの間の光強度の差分が所定の範囲にあるかどうかを判定する。このとき、判定部21は、他の対向する傾き検出用受光部(例えば、傾き検出用受光部4bと傾き検出用受光部4fなど)間の光強度の差分についても、その差分が所定の範囲にあるかどうかを判定する。そして、判定部21は、対向する傾き検出用受光部の間の光強度の差分が所定の範囲にある場合にのみ、プローブ2の生体200の表面に対する傾きが、プローブ2による測定に好適であると判定する。
このようにして、判定部21は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定することができる。なお、判定部21は上述した方法とは異なる方法で判定してもよく、上記3つの判定方法は、判定部21による判定方法の一例である。
〔突起部30〕
これまで、傾き検出用受光部4は、励起光が生体200内を散乱・伝播して生体200から出射した光、および/または、生体200の内部で発生した蛍光を受光するものと説明した。しかしながら、傾き検出用受光部4は、生体200の表面を漏れる光を受光してもよく、そのことを図8により説明する。
これまで、傾き検出用受光部4は、励起光が生体200内を散乱・伝播して生体200から出射した光、および/または、生体200の内部で発生した蛍光を受光するものと説明した。しかしながら、傾き検出用受光部4は、生体200の表面を漏れる光を受光してもよく、そのことを図8により説明する。
図8は、傾き検出用受光部が漏れ光を受光する様子を説明するための図である。図示するように、
プローブ2の円筒部2bの中心部にはバンドルファイバー3が設けられ、そのバンドルファイバー3内に差し込まれた励起側光ファイバー5(不図示)から生体200に対して励起光が照射される。このとき、円筒部2bは、生体200に対して突起する突起部30を備える。突起部30は、励起光が照射される励起側光ファイバー5の先端部を頂点とする均等な曲面を形成しつつ、生体200に対して突起(隆起)している。その突起部30の生体200側の表面は粗さRa=10μm〜1mmの粗表面となっており、その粗表面によって、励起側光ファイバー5の先端部から出射された励起光が概ね全方位に均等に漏れる。
プローブ2の円筒部2bの中心部にはバンドルファイバー3が設けられ、そのバンドルファイバー3内に差し込まれた励起側光ファイバー5(不図示)から生体200に対して励起光が照射される。このとき、円筒部2bは、生体200に対して突起する突起部30を備える。突起部30は、励起光が照射される励起側光ファイバー5の先端部を頂点とする均等な曲面を形成しつつ、生体200に対して突起(隆起)している。その突起部30の生体200側の表面は粗さRa=10μm〜1mmの粗表面となっており、その粗表面によって、励起側光ファイバー5の先端部から出射された励起光が概ね全方位に均等に漏れる。
これにより、傾き検出用受光部4は、図示するように、励起光が生体200内を散乱・伝播して生体200から出射した光、および/または、生体200の内部で発生した蛍光(纏めて、光35と称する)および漏れ光36を受光する。そして、傾き検出用受光部4は、光35および漏れ光36を受光して、受光した光を電気信号に変換する。
このように、測定システム1では、判定部21による判定結果を得るためには励起光を生体200の表面に漏れさせればよく、必ずしも生体200の内部にまで侵入させる必要はない。そして、励起光を生体200の表面に漏れさせるには、生体200の表面に対して突起するとともに、先端から生体200の表面に対して励起光を照射する、粗表面を有する突起部30を備える構成とすればよい。
ここで、Ra値は、波長に近づくほど低くなると光が漏れにくくなる。また、Ra値は、傾き検出用受光部4のサイズに近づくほど高くなると光の均等性が失われる。そのため、突起部30の表面粗さは、10μm〜1mmとすることが好ましいことを発明者らは見出した。
なお、上記構成に限られず、励起側光ファイバー5の先端部を中心として半径外側方向の傾き検出用受光部4が配置された方向に均等に光が漏れる構造であれば、他の構造を採用することも可能である。
また、円筒部2aの外端面から生体200の方向に向かって、傾き検出用受光部4に周囲の迷光が入らないように円筒部2bを囲う遮光部31を設けてもよい。これにより、傾き検出用受光部4には周囲の迷光が入射しなくなるため、判定部21は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きをより正確に判定することができる。
〔受光手段の配置パターン〕
次に、傾き検出用受光部4の配置を図9により説明する。図9は、傾き検出用受光部4の配置パターンを説明するための図である。このうち、図9(a)は、傾き検出用受光部4が2つ存在する構成を示す図である。図9(b)は、傾き検出用受光部4が3つ存在する構成を示す図である。図9(c)は、傾き検出用受光部4が4つ存在する構成を示す図である。図9(d)は、傾き検出用受光部4が5つ存在する構成を示す図である。図9(e)は、傾き検出用受光部4が8つ存在する構成を示す図である。図9(f)は、傾き検出用受光部4が12個存在する構成を示す図である。
次に、傾き検出用受光部4の配置を図9により説明する。図9は、傾き検出用受光部4の配置パターンを説明するための図である。このうち、図9(a)は、傾き検出用受光部4が2つ存在する構成を示す図である。図9(b)は、傾き検出用受光部4が3つ存在する構成を示す図である。図9(c)は、傾き検出用受光部4が4つ存在する構成を示す図である。図9(d)は、傾き検出用受光部4が5つ存在する構成を示す図である。図9(e)は、傾き検出用受光部4が8つ存在する構成を示す図である。図9(f)は、傾き検出用受光部4が12個存在する構成を示す図である。
これらの図に記載するように、プローブ2は、1または複数の傾き検出用受光部を備える構成で実現することができる。なお、傾き検出用受光部4が複数存在する場合には、傾き検出用受光部はそれぞれ、蛍光側光ファイバー6を中心として回転対称な位置に配置されていることが好ましい。これにより、蛍光側光ファイバー6を挟んで対向する傾き検出用受光部間の光強度の差分を取ることができるため、プローブ2の生体200に対する傾きをより正確に判定することができる。
あるいは、例えば傾き検出用受光部4の数量が奇数(例えば、3つ、5つなど)であるときは、傾き検出用受光部4はそれぞれ等間隔に配置されることが好ましい。例えば、傾き検出用受光部4が3つ存在するときは120度ずつの間隔を設け、傾き検出用受光部4が5つ存在するときは72度ずつの間隔を設ける。このように均等間隔に傾き検出用受光部4を配置することで、判定部21による判定結果に高い信頼性をもたらすことができる。
ここで、図9(g)は、傾き検出用受光部4が1つのみ存在する構成を示す。この構成においては、例えば、プローブ2を生体200の表面に垂直に当てた際に傾き検出用受光部4が受光する光の光強度を複数の被験者からデータ採取しておき、その平均値を所定の範囲とする。これにより、新たに測定された光強度が上記所定の範囲(平均値)よりも高ければ、判定部21は、生体200の表面に対する傾きが安定しているものと判定する。ただし、上記所定の範囲を単に任意の光強度としてもよく、上記所定の範囲は、種々のバリエーションで規定することができる。
このように、図9(g)に示す傾き検出用受光部4が1つのみ存在する場合においても、測定システム1は、判定部21による判定結果に基づいて生体200の表面に対する傾きを、プローブ2による測定に好適にすることができ、それにより、測定結果の再現性も高めることができる。
なお、図9に記載した傾き検出用受光部4の数量、配置パターンはあくまで一例であって、他の数量、配置パターンとすることも当然に可能である。
最後に、図1では、測定システム1は、プローブ2、本体10、および演算部20を備えるものと説明した。しかしながら、測定システム1は、プローブ2の内部に、本体10および演算部20の全部または一部を備える構成で実現することも可能である。このことは、後述する各実施例においても同様である。同様に、本体10の全部または一部が、演算部20に含まれる構成で実現されてもよい。
〔他の実施例〕
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム70を図10等により説明する。図10は、測定システム70の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム70を図10等により説明する。図10は、測定システム70の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
測定システム70は、プローブ2、本体72、および演算部20を備える。プローブ2および本体72は、プローブ2に含まれる、励起側光ファイバー5、蛍光側光ファイバー6、および受光ファイバー9により接続されている。また、本体72と演算部20との間で制御信号やデータ等の送受信が無線/有線で行われる。
(受光ファイバー9)
ここで、プローブ2および受光ファイバー9について図11を用いて説明する。図11は、プローブ2を説明するための図であり、図11(a)は側面図を、図11(b)は下面図を、図11(c)は、図11(b)のA−A’断面図である。
ここで、プローブ2および受光ファイバー9について図11を用いて説明する。図11は、プローブ2を説明するための図であり、図11(a)は側面図を、図11(b)は下面図を、図11(c)は、図11(b)のA−A’断面図である。
図11(a)のプローブ2は、口径の異なる円筒部2a・2bからなる。円筒部2bは、プローブ2の先端側に形成されており、円筒部2aよりも口径が小さい。
図11(b)に示すように、下側から視ると、円筒部2aの内側に円筒部2bが、円筒部2bの内側にバンドルファイバー3が配置されている。そして、円筒部2a、円筒部2b、およびバンドルファイバー3は、中心点を同一とする円形で形成されている。
バンドルファイバー3の中心部には蛍光側光ファイバー6が配置されている。そして、蛍光側光ファイバー6の周囲に複数の励起側光ファイバー5が配置されている(不図示)。複数の励起側光ファイバー5は、好ましくは、蛍光側光ファイバー6を中心として互いに回転対称となる位置に配置されている。
さらに、図11(b)に示すように、バンドルファイバー3の近傍に配置され、かつ、励起光が生体200に対して照射されることによって生じる光を受光する複数の受光ファイバー9が設けられている。複数の受光ファイバー9は、好ましくは、蛍光側光ファイバー6を中心として回転対称となる位置に円筒部2bに配置されている。
受光ファイバー9は、励起光が生体200に照射されることによって生じる光を受光するものであり、受光した光の波長域に対する透過率が高い石英ガラス又はプラスチックから形成されている。そして、受光ファイバー9の一端に入射した光は、受光ファイバー9内を伝わって、本体72の光電気信号変換部17に入射する。図11(c)には受光ファイバーとして受光ファイバー9a・9bを示す。その受光ファイバー9a・9bは、バンドルファイバー3内に束ねて差し込まれている。
(本体72)
図10に示すように、本体72は、光源11、光学フィルタ14、光電気信号変換部15、AD変換器16、光電気信号変換部17、およびAD変換器18を備える。
図10に示すように、本体72は、光源11、光学フィルタ14、光電気信号変換部15、AD変換器16、光電気信号変換部17、およびAD変換器18を備える。
光学フィルタ14、光電気信号変換部15、およびAD変換器16は、図1の分光器12の代わりに用いられうる。
具体的に、光学フィルタ14は、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、蛍光側光ファイバー6を通して受光する。このとき、光学フィルタ14は、特定波長の蛍光のみを選択的に透過させ、励起光や迷光をカットする。
次に、光学フィルタ14を透過した特定波長の蛍光は光電気信号変換部15に入る。光電気信号変換部15は、その特定波長の蛍光を電気信号に変換し、そのアナログの電気信号をAD変換器16に出力する。AD変換器16は、光電気信号変換部15において変換されたアナログの電気信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器16は、変換したデジタル信号を演算部20に出力する。
このようにして、光学フィルタ14、光電気信号変換部15、およびAD変換器16を、図1の分光器12の代わりに用いることができる。
光電気信号変換部17は、受光ファイバー9に入射した光を受光し、その受光した光を電気信号に変換する。次に、AD変換器18は、光電気信号変換部17において変換されたアナログの電気信号をデジタル信号に変換する。そして、AD変換器18は、変換したデジタル信号を演算部20に出力する。
このようにして、測定システム70は、図1の傾き検出用受光部4およびAD変換器13の代わりに、受光ファイバー9、光電気信号変換部17およびAD変換器18を用いることができる。
そして、測定システム70は、傾き検出用受光部4を受光ファイバー9に代えることで、プローブ2の先端部から電子部品(傾き検出用受光部)をなくすことができ、プローブ2の先端部の小型化および低コスト化を実現することができる。
〔他の実施例〕
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム80を図12等により説明する。図12は、測定システム80の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム80を図12等により説明する。図12は、測定システム80の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
測定システム80は、プローブ2、本体81、および演算部20を備える。プローブ2と本体81とは、プローブ2に含まれる、励起側光ファイバー5、蛍光側光ファイバー6a〜6hによって接続されている。本体81と演算部20との間で制御信号やデータ等の送受信が無線/有線で行われる。
(蛍光側光ファイバー6)
ここで、プローブ2および蛍光側光ファイバー6a〜6hについて図13を用いて説明する。図13は、プローブ2を説明するための図であり、図13(a)は下面図を、図13(b)は、図13(a)のA−A’断面図である。
ここで、プローブ2および蛍光側光ファイバー6a〜6hについて図13を用いて説明する。図13は、プローブ2を説明するための図であり、図13(a)は下面図を、図13(b)は、図13(a)のA−A’断面図である。
図13(b)に示すように、下側から視ると、円筒部2aの内側に円筒部2bが、円筒部2bの内側に励起側光ファイバー5が配置されている。その円筒部2a、円筒部2b、および励起側光ファイバー5は、中心点を同一とする円状で形成されている。そして、励起側光ファイバー5の周囲に複数の蛍光側光ファイバー6が配置されている。複数の蛍光側光ファイバー6は、好ましくは、励起側光ファイバー5を中心として互いに回転対称となる位置に配置されている。
(本体81)
図12に示すように、本体81は、光源11と、分光器82a〜82hを備える。分光器82a〜82hはそれぞれ、蛍光側光ファイバー6a〜6hと接続している。すなわち、分光器82a〜82hはそれぞれ、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、蛍光側光ファイバー6a〜6hを通して受光し、その蛍光の波長および波長ごとの強度を測定する。そして、分光器82a〜82hは、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたのかを測定し、その測定結果を演算部20に出力する。つまり、測定システム80では、蛍光側光ファイバー6a〜6hおよび分光器82a〜82hが、測定システム1における傾き検出用受光部4およびAD変換器13の役割を兼ねる。
図12に示すように、本体81は、光源11と、分光器82a〜82hを備える。分光器82a〜82hはそれぞれ、蛍光側光ファイバー6a〜6hと接続している。すなわち、分光器82a〜82hはそれぞれ、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、蛍光側光ファイバー6a〜6hを通して受光し、その蛍光の波長および波長ごとの強度を測定する。そして、分光器82a〜82hは、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたのかを測定し、その測定結果を演算部20に出力する。つまり、測定システム80では、蛍光側光ファイバー6a〜6hおよび分光器82a〜82hが、測定システム1における傾き検出用受光部4およびAD変換器13の役割を兼ねる。
なお、分光器82a〜82hを、図10に記載の光学フィルタ14、光電気信号変換部15、およびAD変換器16に代えてもよい。光学フィルタ14、光電気信号変換部15、およびAD変換器16の構成は、透過させる波長が特定されているのであれば、廉価であり、かつ、小型化することができるため、その点で分光器よりも利点を有する。
〔他の実施例〕
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム90を図14等により説明する。図14は、測定システム90の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム90を図14等により説明する。図14は、測定システム90の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
測定システム90は、プローブ2、本体91、および演算部20を備える。このうち、本体91は、光源11、傾き検出用光源92、分光器12、およびAD変換器13を備える。
傾き検出用光源92は、例えば赤外領域の波長の光を出射する。そして、傾き検出用受光部4は、赤外領域の光を選択的に受光する。この構成によれば、傾き検出用光源92は、光源11とは別個に設けられ、光源11から独立して使用される。これにより、測定システム90は、皮膚内部のAGEs濃度分布の影響を受けることなくプローブ2の生体200に対する傾き検出を行えるため、傾き検出精度を高めることができる。また、傾き検出用光源92から出射される光の波長を赤外光とすることで、外乱光の影響を小さくできるため、この点でも測定システム90の傾き検出精度を高めることができる。
なお、図14は、傾き検出用光源92から出射される光と光源11から出射される光とをハーフミラー(不図示)で合波して励起側光ファイバー5を通して生体200に照射する構成を記載している。しかしながら、傾き検出用光源92から出射される光と光源11から出射される光とを合波する必要は必ずしもなく、傾き検出用光源92から出射される光を導光するファイバーを別途設けてよい。さらに、傾き検出用光源92をプローブ2側に設けてもよい。
ここで、プローブ2が傾き検出用光源92を備える構成を図15により説明する。図15は、プローブ2が傾き検出用光源92を備える構成を説明する図である。なお、図8等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
図示するように、プローブ2は、LED等で構成された傾き検出用光源92を備える。傾き検出用光源92から出射された光は、バンドルファイバー3を基点とした外周方向に均等に放射される。そして、傾き検出用受光部4は、傾き検出用光源92から出射され、生体200の表面で散乱された光35や生体200の表面を漏れた光36を受光する。
このように、測定システム90は、光源11とは別に傾き検出用光源92を備えることによっても、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定することもでき、これにより、傾き検出精度を高めることもできる。
〔他の実施例〕
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム99を図16等により説明する。図16は、測定システム99の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
次に、本発明に係る他の実施例である測定システム99を図16等により説明する。図16は、測定システム99の構成図である。なお、図1等で説明した内容と同じ内容についての説明は繰り返さない。
測定システム99は、プローブ2、本体93、および演算部20を備える。このうち、本体93は、光源11、傾き検出用光源92、分光器12、光電気信号変換部94、およびAD変換器13を備える。なお、本実施例においては、受光ファイバー9が蛍光側光ファイバー6の役割も兼ね備えている。
測定システム99では、受光ファイバー9の一端に入射した光は、受光ファイバー9内を伝わって、分光器12および光電気信号変換部94に入射する。つまり、測定システム99では、受光ファイバー9内を伝わった光は、途中で分岐して、分光器12および光電気信号変換部94に入射する。この詳細を図17により説明する。
図17は、測定システム99において、受光ファイバー9内の光が分岐する様子を示す図である。図示するように、測定システム99には、光電気信号変換部94としてのフォトダイオード94a〜94d、コリメートレンズ96、ビームスプリッター97、および集光レンズ98が含まれる。
測定システム99では、受光ファイバー9から出射された光が対物レンズ96に入射し、コリメートレンズ96は、入射した光を平行光にする。そして、その平行光はビームスプリッター97に入射する。なお、入射した光を平行光にするのであれば、コリメートレンズ96は、例えばフレネルレンズ等で代替されてもよい。
ビームスプリッター97は、光束を二つ(場合によってはそれ以上)に分割する装置であり、ビームスプリッター97に入射した光の一部はフォトダイオード94a〜94dに向かって反射し、一部は、集光レンズ98を介して分光器12へ透過する。なお、ビームスプリッター97は、ハーフミラーであってもよい。
フォトダイオード94a〜94dは、傾き検出用光源92から出射され、傾き検出用受光部4によって受光した生体200の表面で散乱された光35や生体200の表面を漏れた光36を検知する。このとき、例えばフォトダイオード94a〜94dは、図17に示すように、ビームスプリッター97に対して均等に光が入射するように配置される。そして、フォトダイオード94a〜94dは、入射した光をアナログの電気信号に変換し、そのアナログ信号をAD変換器13に出力する。
AD変換器13は、フォトダイオード94a〜94dから取得したアナログ信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を演算部20に出力する。演算部20(判定部21)は、フォトダイオード94a〜94dに入射した光量の差分が互いに所定の範囲内にあるかに基づいて、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定する。
そして、分光器12は、判定部21の判定結果を受けて、生体200に励起光が照射されることによって生体200の内部で発生した蛍光を、励起側光ファイバー5を通して受光し、その蛍光の波長および波長ごとの強度を測定する。なお、分光器12へ入射する光は、受光ファイバー9から出射し、かつビームスプリッター97を透過した光が集光レンズ98で集光された光である。
このように、測定システム99は、光源11とは別に傾き検出用光源92を備え、かつ、受光ファイバー9から出射される光と同軸上に分光器12を配置する構成で実現されうる。そして、その構成においても、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを判定することもでき、これにより、傾き検出精度を高めることもできる。
なお、フォトダイオードは、1または任意の複数の数量であってよく、図17の4つはあくまで一例である。また、フォトダイオードは、フォトトランジスタ、またはフォトサイリスタ等であってもよい。
また、本実施例は、受光ファイバー9を導波した反射光の光分布形状を検出するシステムの一例であり、上記構成に限定されない。また、励起側光ファイバー5から皮膚表面に照射された反射光が、励起側光ファイバー5に再度入射した光の分布形状を検出するシステムであってもよい。
〔可動部〕
次に、判定部21によって判定されたプローブ2の生体200の表面に対する傾きが所定の範囲内に含まれていない場合に、その傾きを補正する補正部(補正手段)100について図18等を用いて説明する。
次に、判定部21によって判定されたプローブ2の生体200の表面に対する傾きが所定の範囲内に含まれていない場合に、その傾きを補正する補正部(補正手段)100について図18等を用いて説明する。
図18は、補正部100の側面図である。また、図19は、補正部100の上面図である。図示するように、補正部100は、X方向可動部102、X方向回転軸104、X軸回転アクチュエータ106、Y方向可動部108、Y方向回転軸110、およびY軸回転アクチュエータ112を備える。なお、図18において、図面左右方向をX軸、図面上下方向をZ軸、X軸およびZ軸と直行する方向をY軸と規定しており、図19では図面左右方向をX軸、図面上下方向をY軸、X軸及びY軸と直行する方向をZ軸と規定している。また、接触平面120は、補正部100が生体200と接触する平面を表す。
補正部100の中心部にはバンドルファイバー3が貫通しており、バンドルファイバー3の励起光出射部は、接触平面120に重なるように位置決めされている。
補正部100は、X軸回転アクチュエータ106が作動することによってX方向回転軸104が回転し、そのX方向回転軸104の回転によってX方向可動部102がX軸方向へ移動するように構成されている。したがって、X方向可動部102内にバンドルファイバー3が固定されていることで、バンドルファイバー3の先端部も移動可能となる。
X軸回転アクチュエータ106は、演算部20の判定部21の判定結果を取得、もしくは、X軸回転アクチュエータ106は、判定部21の判定結果を取得した演算部20の制御回路部22から、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを定量化したデータに基づき、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適になるようにX方向回転軸104を回転させる。そして、X方向回転軸104が回転することによって、X方向可動部102は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適になるようX軸方向に移動する。
補正部100は、Y軸回転アクチュエータ112が作動することによってY方向回転軸110が回転し、そのY方向回転軸110の回転によってY方向可動部108がY軸方向へ移動するように構成されている。したがって、Y方向可動部108内にバンドルファイバー3が固定されていることで、バンドルファイバー3の先端部も移動可能となる。
Y軸回転アクチュエータ112は、演算部20の判定部21の判定結果を取得、もしくは、Y軸回転アクチュエータ112は、判定部21の判定結果を取得した演算部20の制御回路部22から、プローブ2の生体200の表面に対する傾きを定量化したデータに基づき、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適になるようにY方向回転軸110を回転させる。そして、Y方向回転軸110が回転することによって、Y方向可動部108は、プローブ2の生体200の表面に対する傾きがプローブ2による測定に好適になるようにY軸方向へ移動するように構成されている。
図20は、補正部100を備えた据え置きタイプの皮膚状態測定装置130を説明するための図であり、図20(a)は正面図であり、図20(b)は、図20(a)のA−A’断面図である。
皮膚状態測定装置130は、被験者の左右の目の周囲を囲うように、補正部100を計5つ備える。これにより、皮膚状態測定装置130は、被験者が測定可能状態に入ったときに、被験者の位置や顔の形などに合わせて、補正部100を作動させることができる。それゆえ、皮膚状態測定装置130は、判定部21によって判定されたプローブ2の生体200の表面に対する傾きを、迅速かつ確実に、上記所定の範囲内に収まるように補正することができる。
なお、図20(a)では、皮膚状態測定装置130は、補正部100を有するプローブ2を計5つ備えるものとして説明した。しかしながら、皮膚状態測定装置130は、補正部100を有するプローブ2を、1または任意の複数個数を備えてよい。何れの場合においても、皮膚状態測定装置130は、判定部21によって判定されたプローブ2の生体200の表面に対する傾きを、迅速かつ確実に、上記所定の範囲内に収めるよう補正することができる。
ここで、図20(b)は、図20(a)のA−A’断面図を示す。図示するように、各補正部100およびプローブ2はそれぞれ、図1の光源11、分光器12、およびAD変換器13を備える。ただし、各補正部100およびプローブ2は、図10から図15を用いて説明した構成を備えるものであってもよい。
以上、本実施の形態に係る測定システムの種々の形態を説明した。これらの形態は、本実施の形態の一例を示すものであって、ここで説明した形態を組み合わせることも当然に可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、生体の表面に対する傾きを判定し、それにより、測定結果の再現性を高めることが可能な測定装置に関する。
1、70、80、90、99 測定システム(測定装置)
2 プローブ
3 バンドルファイバー
4 傾き検出用受光部
5 励起側光ファイバー
6 蛍光側光ファイバー
7 リード線
8 保護プラスチック板
9 受光ファイバー
10、72、81、91、93 本体
11 光源
12、82a〜82h 分光器
13、16、18 AD変換器(光強度測定部)
14 光学フィルタ
15、17、94 光電気信号変換部
20 演算部
21 判定部
22 制御回路部(決定手段)
23 表示部(通知部)
30 突起部
31 遮光部
92 傾き検出用光源
96 コリメートレンズ
97 ビームスプリッター
98 集光レンズ
100 補正部(補正手段)
102 X方向可動部
104 X方向回転軸
106 X軸回転アクチュエータ
108 Y方向可動部
110 Y方向回転軸
112 Y軸回転アクチュエータ
130 皮膚状態測定装置
2 プローブ
3 バンドルファイバー
4 傾き検出用受光部
5 励起側光ファイバー
6 蛍光側光ファイバー
7 リード線
8 保護プラスチック板
9 受光ファイバー
10、72、81、91、93 本体
11 光源
12、82a〜82h 分光器
13、16、18 AD変換器(光強度測定部)
14 光学フィルタ
15、17、94 光電気信号変換部
20 演算部
21 判定部
22 制御回路部(決定手段)
23 表示部(通知部)
30 突起部
31 遮光部
92 傾き検出用光源
96 コリメートレンズ
97 ビームスプリッター
98 集光レンズ
100 補正部(補正手段)
102 X方向可動部
104 X方向回転軸
106 X軸回転アクチュエータ
108 Y方向可動部
110 Y方向回転軸
112 Y軸回転アクチュエータ
130 皮膚状態測定装置
Claims (11)
- 励起光源から導光される励起光を生体に照射する照射部と、上記励起光の照射によって上記生体から生ずる蛍光を受光する蛍光受光部と、
上記照射部の近傍に配置され、かつ、上記励起光が上記生体に対して照射されることによって生じる光を受光する傾き検出用受光部とを備えるプローブと、
上記傾き検出用受光部が受光した光の光強度を測定する光強度測定部と、
上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内にあるかどうかにより、上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする測定装置。 - 上記プローブは、複数の上記傾き検出用受光部を備え、
上記光強度測定部は、複数の上記傾き検出用受光部が受光した上記光強度それぞれを測定し、
上記判定手段は、上記光強度測定部が測定した、複数の上記傾き検出用受光部に対応する上記光強度それぞれが上記所定の範囲内にあるかどうかにより、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きを判定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。 - 上記プローブは、複数の上記傾き検出用受光部を備え、
上記光強度測定部は、複数の上記傾き検出用受光部が受光した光の光強度それぞれを測定し、
上記判定手段は、上記光強度測定部が測定した、複数の上記傾き検出用受光部それぞれに対応する上記光強度のうちの少なくとも2つ以上の光強度の差分が所定の範囲内にあるかどうかにより、上記生体の表面に対する上記プローブの傾きを判定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。 - 複数の上記傾き検出用受光部はそれぞれ、上記照射部を中心として回転対称となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
- 上記判定手段による判定結果を利用者に通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の測定装置。
- 上記生体の表面に対して突起するとともに、先端から上記生体の表面に対して上記励起光を照射する突起部を備え、
上記突起部は、上記励起光を上記生体の表面上に漏らすための粗表面を有し、
上記傾き検出用受光部は、上記生体の表面上に漏れた上記励起光を受光することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の測定装置。 - 上記励起光は、紫外光であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の測定装置。
- 上記励起光は、後期糖化反応生成物を測定するために適した波長範囲を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1つに記載の測定装置。
- 上記判定手段による判定結果に基づいて、上記プローブによる生体情報の測定を行うかどうかを決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の測定装置。
- 上記光強度測定部が測定した上記光強度が所定の範囲内に含まれていない場合に、上記所定の範囲内に含まれるように上記プローブの上記生体の表面に対する傾きを補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の測定装置。
- 上記励起光源とは異なる傾き検出用光源を備え、
上記傾き検出用受光部は、上記傾き検出用光源から上記生体に対して照射されることによって生じる光を受光することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の測定装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011286990A JP2013134243A (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 測定装置 |
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JP2011286990A Pending JP2013134243A (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 測定装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2011
- 2011-12-27 JP JP2011286990A patent/JP2013134243A/ja active Pending
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