JP2013131825A - 高周波電力増幅器モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】電力検出を行う高周波電力増幅器モジュールの小型化、又は低コスト化を実現する。
【解決手段】例えば、それぞれ異なる周波数帯(ロウバンド、ハイバンド)の信号を電力増幅する高周波電力増幅器HPA1,HPA2と、電力検出回路ブロックDETBKと、容量C1,C2を備える。HPA1の出力はC1を介してDETBKの入力に結合され、HPA2の出力はC2を介してDETBKの入力に結合される。ここで、HPA1およびC1は、同一の半導体チップ上に形成され、HPA2およびC2は、同一の半導体チップ上に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、高周波電力増幅器モジュールに関し、特に、複数の周波数帯に対応し、各周波数帯の送信電力の検出を行う高周波電力増幅器モジュールに適用して有効な技術に関する。
例えば、特許文献1には、電力増幅器からの送信電力を方向性結合器(カプラ)によって検出し、その検出結果を当該電力増幅器のゲインに反映させることで送信電力のレベルを制御する高周波回路モジュールが示されている。また、特許文献2には、高周波数帯用のパワーアンプ回路の出力と検波回路の入力の間に容量を備え、低周波数帯用のパワーアンプ回路の出力と検波回路の入力の間に容量およびコイルを備えた送信機が示されている。
特開2008−078853号公報 国際公開第08/015898号パンフレット
近年、複数の通信方式(マルチモード)および複数の周波数帯(マルチバンド)に対応した無線通信端末(携帯電話機)が広く流通している。通信方式としては、例えば、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)またはW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)などが挙げられる。そして、各通信方式毎に、規格上で複数の周波数帯(バンド)が規定されている。
GSMでは、GSMのロウバンドとハイバンドが規定されている。GSMのロウバンドは、例えば、824MHz〜849MHzの送信周波数帯と869MHz〜894MHzの受信周波数帯を持つGSM850や、880MHz〜915MHzの送信周波数帯と925MHz〜960MHzの受信周波数帯を持つGSM900等である。GSMのハイバンドは、例えば、1710MHz〜1785MHzの送信周波数帯と1805MHz〜1880MHzの受信周波数帯を持つDCS(Digital Cellular System)1800や、1850MHz〜1910MHzの送信周波数帯と1930MHz〜1990MHzの受信周波数帯を持つPCS(Personal Communications Service)1900等である。また、W−CDMAおよびLTEでは、700MHz帯〜2.6GHz帯の間で十を超えるバンドが規定されている。このような無線通信端末では、小型化や、外部環境変化に対して安定して通信可能であることが求められる。
例えば、無線通信端末の送信系で使用される高周波電力増幅器モジュール(パワーアンプモジュール)では、外部環境変化(温度変化、バッテリ電圧の変動、アンテナと空間とのインピーダンスミスマッチなど)がある状態でも、増幅した出力電力を通信規格内の値で安定して送信する特性が必要とされる。そこで、パワーアンプモジュール内には、その出力電力のバラツキを抑制するため、通常、高周波電力増幅器と共にその出力電力の大きさを検出する検波回路が備わっている。図12は、本発明の前提として検討した高周波電力増幅器モジュールにおいて、その概略構成例を示すブロック図である。
図12に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、高周波電力増幅器HPA1,HPA2、方向性結合器(カプラ)CPL1,CPL2、電力検出回路ブロックDETBK1,DETBK2、バイアス制御回路BIASCTL、および自動電力制御回路APC等を備える。ここでは、HPA1はロウバンド用、HPA2はハイバンド用となっている。CPL1,CPL2は、HPA1,HPA2からの出力電力を電磁界結合によって検波し、DETBK1,DETBK2は、CPL1,CPL2による検波電力の大きさに応じた検出電圧を生成する。APCは、DETBK1,DETBK2による検出電圧が外部から入力される電力指示信号Vrampに一致するようにBIASCTLを介してHPA1,HPA2のゲインをそれぞれ制御する。
このようなカプラCPL1,CPL2による電力制御方式を用いると、アンテナでのインピーダンスミスマッチによる反射波は電力検出回路ブロックDETBK1,DETBK2内に入力されないため、インピーダンスミスマッチに強く、電力の安定制御が可能になるというメリットが得られる。しかしながら、カプラCPL1,CPL2は、通常、フロントエンドブロックFEBK’を構成するモジュール配線基板上に実装され、高周波電力増幅器モジュールHPAMDが複数(図12の例では2種類)のバンドに対応する場合、その数(図12の例では2個)のカプラが必要とされる。このため、高周波電力増幅器モジュールの小型化及び低コスト化の観点でデメリットが生じる恐れがある。
一方、カプラを用いずに、高周波電力増幅器HPA1,HPA2の出力電力を容量を介して検波し、その検波電力を電力検出回路ブロックで検出するような方式が考えられる。ただし、この場合、ロウバンドの送信経路とハイバンドの送信経路との間でクロスバンドリークが生じる恐れがあることが本発明者等の検討によって見出された。
後述する各実施の形態は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、電力検出を行う高周波電力増幅器モジュールの小型化、又は低コスト化を実現することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される課題を解決するための手段のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本願の一実施の形態による高周波電力増幅器モジュールは、それぞれ異なる周波数帯の信号を電力増幅する第1および第2電力増幅器と、電力検出回路と、第1および第2容量を備え、第1電力増幅器の出力を第1容量を介して電力検出回路の入力に結合し、第2電力増幅器の出力を第2容量を介して電力検出回路の入力に結合する構成を備える。この際に、第1電力増幅器と第1容量は、同一の半導体チップ上に形成され、第2電力増幅器と第2容量は、同一の半導体チップ上に形成される。
前記一実施の形態によれば、電力検出を行う高周波電力増幅器モジュールの小型化、又は低コスト化が実現可能になる。
本発明の実施の形態1による無線通信システムにおいて、それを適用した携帯電話システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 図2の高周波電力増幅器モジュールにおいて、その電力検出回路ブロックの詳細な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 図4における各高周波電力増幅器間のクロスバンドリークの大きさを複数のシミュレーション条件で検証した結果の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、図5における各シミュレーション条件を表す回路図である。 本発明の実施の形態3による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態4による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態5による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態6による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態7による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の前提として検討した高周波電力増幅器モジュールにおいて、その概略構成例を示すブロック図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。なお、実施の形態では、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の一例としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(MOSトランジスタと略す)を用いるが、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。図面にはMOSトランジスタの基板電位の接続は特に明記していないが、MOSトランジスタが正常動作可能な範囲であれば、その接続方法は特に限定しない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《携帯電話システム(無線通信システム)の全体構成》
図1は、本発明の実施の形態1による無線通信システムにおいて、それを適用した携帯電話システムの構成例を示すブロック図である。図1の携帯電話システムは、ベースバンドユニットBBU、高周波システム部RFSYS、アンテナANT、スピーカSPK、およびマイクMIC等を備えている。BBUは、例えば、SPKやMICで用いるアナログ信号をディジタル信号に変換したり、通信に伴う様々なディジタル信号処理(変調、復調、ディジタルフィルタ処理等)を行ったり、通信に伴う各種制御信号の出力等を行う。この各種制御信号の中には、使用する周波数帯を指示するバンド選択信号SBDや、目標とする送信電力を指示する電力指示信号Vrampが含まれている。
高周波システム部RFSYSは、高周波信号処理装置RFICと、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタSAWと、高周波電力増幅器モジュールHPAMDを備えている。RFICは、例えば、送信用ミキサ回路、受信用ミキサ回路、ロウノイズアンプ回路(LNA)等を含んだ一つの半導体チップで構成され、主にベースバンドユニットBBUで用いるベースバンド信号と、HPAMDで用いる高周波信号との間の周波数変換(アップコンバート、ダウンコンバート)等を行う。HPAMDは、例えば、一つのモジュール配線基板(代表的にはセラミック配線基板)で実現され、高周波電力増幅器HPA、自動電力制御回路APC、電力検出回路ブロックDETBK、ロウパスフィルタLPF、およびアンテナスイッチANTSW等を備える。
特に限定はされないが、例えば、高周波電力増幅器HPA、自動電力制御回路APC、および電力検出回路ブロックDETBKは一つの半導体チップで実現され、アンテナスイッチANTSWはそれとは別の半導体チップで実現され、各半導体チップはモジュール配線基板上に実装される。ロウパスフィルタLPFは、例えば、モジュール配線基板上の配線パターンや場合によっては各種SMD(Surface Mount Device)部品を用いて実現される。ANTSWは、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)等の半導体基板上のpHEMT(Pseudomorphic High Electron Mobility Transistor)素子等によって実現される場合や、SOI(Silicon On Insulator)基板上のMOSトランジスタ等によって実現される場合がある。
高周波電力増幅器HPAは、高周波信号処理装置RFICからの入力電力信号Pinを受けて電力増幅を行う。この際に、HPAからの出力電力信号Poutは、後述する各種回路によって検波されたのち、入力検波信号CDETinとして電力検出回路ブロックDETBKに入力される。DETBKは、当該CDETinの電力レベルに応じた電圧を持つ検出電圧信号Vdetを出力する。なお、ここではHPAを代表的に1個示しているが、実際には、通信方式(GSM、W−CDMA、LTE等)に応じて複数系統設けられ、更に各通信方式毎のバンド数(ロウバンド、ハイバンド等)に応じて各系統毎に複数個設けられる。
例えば、高周波電力増幅器HPAがGSM用の場合、自動電力制御回路APCは、検出電圧信号VdetとベースバンドユニットBBUからの電力指示信号Vrampが一致するようにHPAのゲインを制御する。これによって送信電力の制御が行われる。一方、例えばHPAがW−CDMA又はLTE用の場合、APCは用いられず、高周波信号処理装置RFICがVdetに応じて入力電力信号Pinの電力レベルを制御することで送信電力の制御が行われる。
ロウパスフィルタLPFは、高周波電力増幅器HPAの出力電力信号Poutから不要な高調波成分を除去し、それをアンテナスイッチANTSWに出力する。ANTSWは、図示しないスイッチ切り替え信号に基づいて、アンテナANTの接続経路を適宜選択する。接続経路の中には、例えば、GSM用の送信経路や、GSM用の受信経路や、W−CDMA又はLTE用の送受信経路等が含まれる。なお、図示は省略しているが、例えばHPAがW−CDMA又はLTE用の場合、例えば送信信号と受信信号をFDD(Frequency Division Duplex)方式によって分割するためのデュプレクサがANTSWと共に設けられる。
高周波電力増幅器HPAが例えばGSM用の場合、送信動作時には、HPAからの出力電力信号Poutは、ロウパスフィルタLPFおよびアンテナスイッチANTSWを介して送信信号TxとしてアンテナANTから送出される。逆に受信動作時には、ANTで受信した受信信号Rxは、ANTSWを介してSAWフィルタSAWに伝送され、SAWによって所定の受信周波数帯が選択されたのち高周波信号処理装置RFICに入力される。一方、HPAが例えばW−CDMA又はLTE用の場合、送信動作時には、HPAからのPoutは、LPF、デュプレクサ(図示せず)およびアンテナスイッチANTSWを介してTxとしてANTから送出される。逆に受信動作時には、ANTで受信したRxは、ANTSWおよびデュプレクサ(図示せず)を介してSAWに伝送され、SAWによって所定の受信周波数帯が選択されたのちRFICに入力される。
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[1]》
図2は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図2に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、図1でも述べたように、例えば一つのモジュール配線基板(セラミック配線基板等)によって構成される。当該配線基板上には、2個の半導体チップ(高周波電力増幅チップHPAIC1とアンテナスイッチANTSW用の半導体チップ)が搭載されると共に、出力整合回路MNT1,MNT2、ロウパスフィルタLPF1,LPF2、受信用結合容量Crx1,Crx2、およびアンテナフィルタANTFLTが実装される。MNT1,MNT2,LPF1,LPF2,Crx1,Crx2,ANTFLTおよびANTSWは、フロントエンドブロックFEBK1を構成する。
高周波電力増幅チップHPAIC1は、2個の高周波電力増幅器HPA1,HPA2と、バイアス制御回路BIASCTLと、自動電力制御回路APCと、電力検出回路ブロックDETBKと、アンテナスイッチ制御回路ANTSWCTLとに加えて、2個の容量C1,C2を備えている。HPA1は、ここでは縦続接続された3段構成の電力増幅器から構成され、外部端子からのロウバンド(LB)用の入力電力信号Pin1(LB)を受けて電力増幅を行う。同様に、HPA2は、縦続接続された3段構成の電力増幅器から構成され、外部端子からのハイバンド(HB)用の入力電力信号Pin2(HB)を受けて電力増幅を行う。HPA1,HPA2は、バンド選択信号SBDに応じていずれか一方が選択的に活性化される。
バイアス制御回路BIASCTLは、高周波電力増幅器HPA1,HPA2にバイアスを供給すると共に当該バイアスの大きさを制御することでHPA1,HPA2のゲインを制御する。例えば、バンド選択信号SBDによってロウバンドが選択された際には、HPA2へのバイアスの供給を停止し、HPA1を対象としてゲインの制御を行い、逆にSBDによってハイバンドが選択された際には、HPA1へのバイアスの供給を停止し、HPA2を対象としてゲインの制御を行う。
容量C1は、高周波電力増幅器HPA1の出力を電力検出回路ブロックDETBKの入力に交流的に結合し、容量C2は、高周波電力増幅器HPA2の出力をDETBKの入力に交流的に結合する。DETBKは、当該C1又はC2を介して得られた入力検波信号(CDETin)を受け、その入力レベルに応じた検出電圧信号(Vdet)を出力する。自動電力制御回路APCは、この検出電圧信号(Vdet)の電圧レベルと外部端子からの電力指示信号Vrampの電圧レベルとが一致するようにBIASCTLを介してHPA1又はHPA2のゲインを制御する。アンテナスイッチ制御回路ANTSWCTLは、バンド選択信号SBDに応じてアンテナスイッチANTSWに含まれる各スイッチ(図示せず)のオン・オフを制御する。これによって図1で述べたアンテナの接続経路が適宜選択される。
出力整合回路MNT1およびロウパスフィルタLPF1は、高周波電力増幅器HPA1の出力信号に対してインピーダンス整合を行うと共に高調波成分の除去を行い、出力整合回路MNT2およびロウパスフィルタLPF2は、高周波電力増幅器HPA2の出力信号に対してインピーダンス整合を行うと共に高調波成分の除去を行う。アンテナスイッチANTSWは、アンテナスイッチ制御回路ANTSWCTLの制御に応じてアンテナの接続経路を選択する。図2の例では、アンテナ信号ANTOUT用の外部端子の接続先が、HPA1の出力ノードと、ロウバンド(LB)の受信信号Rx1(LB)用の外部端子と、HPA2の出力ノードと、ハイバンド(HB)の受信信号Rx2(HB)用の外部端子の中から選択される。外部端子(Rx1(LB))が選択された際には、ANTOUTからの信号が受信用結合容量Crx1を介して交流的に結合され、外部端子(Rx2(HB))が選択された際には、ANTOUTからの信号が受信用結合容量Crx2を介して交流的に結合される。ANTFLTは、ANTSWによって生じ得る不要信号等を除去するほか、ANTOUTからモジュール内に流入する静電気放電ノイズを阻止する役割を持つ。
図2では、GSM用の高周波電力増幅器モジュールHPAMDが一例として示されている。この場合、入力電力信号Pin1(LB)は、GSM850(送信周波数帯:824〜849MHz、受信周波数帯:869〜894MHz)や、GSM900(送信周波数帯:880〜915MHz、受信周波数帯:925〜960MHz)等の送信信号に対応する。入力電力信号Pin2(HB)は、DCS(Digital Cellular System)1800(送信周波数帯:1710〜1785MHz、受信周波数帯:1805〜1880MHz)やPCS(Personal Communications Service)1900(送信周波数帯:1850〜1910MHz、受信周波数帯:1930〜1990MHz)等の送信信号に対応する。ただし、勿論、GSM用に限らず、W−CDMAやLTE用等でも同様に適用可能である。この場合、図1で述べたように、電力検出回路ブロックDETBKの出力が自動電力制御回路APCでは無く外部に出力され、また、アンテナスイッチANTSWと共にデュプレクサ等が搭載されることになる。
このような構成例を用いると、図12で述べたカプラCPL1,CPL2の代わりに高周波電力増幅器HPA1,HPA2と同一の半導体チップ(高周波電力増幅チップHPAIC1)内に形成した容量C1,C2によって検波を行うため、高周波電力増幅器モジュールHPAMDの小型化又は低コスト化が実現可能になる。また、ハイバンドとロウバンドに共通して1個の電力検出回路ブロックDETBKを設けているため、この点からもHPAMDの小型化又は低コスト化が図れる。
なお、高周波電力増幅器HPA1,HPA2は、シリコン基板上のLDMOS(Laterally Diffused MOS)等によって実現され、容量C1,C2は、シリコン基板上のMIM(Metal Insulator Metal)容量等によって実現される。ただし、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、高周波電力増幅器HPA1,HPA2をHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)等で実現することも可能である。この場合、HPA1およびC1が同一の半導体チップ上に形成され、HPA2およびC2がHPA1と同一又は異なる半導体チップ上に形成され、その他の回路(DETBK,APC,BIASCTL,ANTSWCTL)が更に別の半導体チップ上に形成されることになる。いずれにしても、高周波電力増幅器(例えばHPA1)とその結合容量(例えばC1)を同一の半導体チップで実現することで、高周波電力増幅器モジュールHPAMDの小型化又は低コスト化が図れる。
《電力検出回路ブロックの詳細構成》
図3は、図2の高周波電力増幅器モジュールにおいて、その電力検出回路ブロックの詳細な構成例を示す回路図である。図3に示す電力検出回路ブロックDETBKは、複数のアンプ回路AMP1〜AMP4と、アッテネータ回路ATTと、複数のレベル検出回路DET1〜DET5と、加算回路ADDと、電流電圧変換回路IVCと、差動アンプ回路DAMPを備える。AMP1〜AMP4は、AMP4側からAMP1側に向けて入出力間の結合容量を介して4段に縦続接続され、初段となるAMP4には検波入力信号CDETinが入力されている。ATTには、CDETinが入力される。
レベル検出回路DET1〜DET4は、それぞれ、アンプ回路AMP1〜AMP4の出力レベルを検出してその大きさに応じた電流を出力し、レベル検出回路DET5はアッテネータ回路ATTの出力レベルを検出してその大きさ応じた電流を出力する。加算回路ADDは、DET1〜DET5からの出力電流を加算し、電流電圧変換回路IVCは、ADDによる加算電流を電圧に変換する。差動アンプ回路DAMPは、所定の基準電圧(Vdet_ref)を基準としてIVCによって変換された電圧(Vdet_T)を増幅し、その結果となる検出電圧信号Vdetを出力する。
アンプ回路AMP1〜AMP4のそれぞれは、例えば同一値となる所定のゲイン(特に限定はされないが例えば10dB程度等)を持ち、出力が所定の飽和出力電圧に到達しない範囲では当該ゲインで増幅動作を行い、飽和出力電圧に到達する範囲では当該飽和出力電圧を固定的に出力するリミッタアンプとして機能する。アッテネータ回路ATTは所定のゲイン(例えば−数dB程度等)を持つ減衰器である。ここで、例えば、検波入力信号CDETinのレベルが非常に小さく、AMP1のみから飽和出力電圧が得られる共に、DET1がこの飽和出力電圧に応じた検出電流Idet1として飽和出力電流を出力している場合を基準に動作を説明する。
この状態から、検波入力信号CDETinの電力レベルが徐々に増加すると、アンプ回路AMP1が飽和出力電圧を出力している状態で、主としてアンプ回路AMP2の出力が飽和出力電圧に向けて大きく増加していく。これに応じて、レベル検出回路DET1の出力電流Idet1が飽和出力電流の状態で、主としてレベル検出回路DET2の出力電流Idet2が飽和出力電流に向けて大きく増加していく。そして、このCDETinの電力レベルの増加分が10dB程度になると、AMP2の出力が飽和出力電圧に達し、これに応じてDET2のIdet2も飽和出力電流に達する。以降同様にして、CDETinの電力レベルが10dB程度増加する毎に、アンプ回路AMP3、AMP4の出力が順に飽和出力電圧に達すると共に、レベル検出回路DET3、DET4の出力電流Idet3、Idet4が順に飽和出力電流に達する。その後、更にCDETinの電力レベルが増加すると、レベル検出回路DET5からの出力電流Idet5が大きく増大していくことになる。
したがって、このレベル検出回路DET1〜DET5からの出力電流を最終的に加算回路ADDで加算し、その電流(Idet_T)を電流電圧変換回路IVCで電圧に変換することで、検波入力信号CDETinのログスケールに比例する電圧(Vdet_T)ならびに検出電圧信号Vdetが得られる。なお、特に限定はされないが、ここでは、各レベル検出回路DET1〜DET5は、対応するアンプ回路の交流出力電圧に固定電圧Vdcを重畳させた電圧を、当該Vdcを基準として増幅することで出力電流Idet1〜Idet5を生成する。また、特に限定はされないが、電流電圧変換回路IVCは、ダイオード接続されたMOSトランジスタを2個備え、その一方に電流(Idet_T)を流すことで電圧(Vdet_T)を生成し、他方に基準電流(Iref)を流すことで基準電圧(Vdet_ref)を生成している。
ここで、図3の検波入力信号CDETinは、図12に示すようなカプラCPL1,CPL2を用いた場合には減衰されたキャリア進行波のみとなるが、図2のような容量C1,C2による結合を用いた場合には高調波及び反射波を含む電圧波形が入力される場合がある。この場合、カプラ使用時と容量結合使用時とで入力される電圧レベルが異なり、カプラ使用時と比べて電力の検出精度が低下する恐れがある。ただし、例えば、図2における容量値(C1,C2)の調整や図3における差動アンプ回路DAMPのゲイン調整を行えば、この検出精度の低下を十分に抑制することが可能になる。
以上、本実施の形態1の高周波電力増幅器モジュールを用いることで、代表的には、高周波電力増幅器モジュールの小型化、又は低コスト化が実現可能になる。
(実施の形態2)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[2]》
図4は、本発明の実施の形態2による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図4に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図2の構成例と比較して、図2の高周波電力増幅チップHPAIC1が図4の高周波電力増幅チップHPAIC2に置き換えられた点が異なっている。図4のHPAIC2は、図2のHPAIC1と異なり、高周波電力増幅器HPA1の出力と電力検出回路ブロックDETBKの入力との間に容量C1およびコイルL1が直列接続され、高周波電力増幅器HPA2の出力とDETBKの入力との間に容量C2およびコイルL2が直列接続された点が異なっている。
前述したように、ハイバンド用となる高周波電力増幅器HPA2の出力信号は、ロウバンド用となる高周波電力増幅器HPA1の出力信号と比べて約2倍の基本周波数を持つ。したがって、図2の構成例では、HPA1の出力信号に伴う2次の高調波歪み成分(2HD)が容量C1,C2を介してHPA2側の出力経路に流入し、更に、当該2HDと通過帯域が重なるロウパスフィルタLPF2を介してアンテナスイッチANTSWに到達する。ここで、ANTSWのアイソレーション特性が低いと当該2HDがアンテナを介して送出される恐れがある。この現象は、クロスバンドリーク等と呼ばれる。そこで、図4は、容量C1とコイルL1からなるLC直列共振回路によってロウバンドの基本周波数成分のみを通過させ、容量C2とコイルL2からなるLC直列共振回路によってハイバンドの基本周波数成分のみを通過させる構成となっている。コイルL1,L2は、例えば、半導体基板上のメタル配線層を用いた所謂オンチップインダクタによって実現される。
このような構成例を用いると、高周波電力増幅器HPA1の出力信号は、容量C1およびコイルL1を介してほぼ基本周波数成分のみが電力検出回路ブロックDETBKに入力され、2次の高調波歪み成分(2HD)のDETBKの入力への伝達は十分に抑制される。したがって、前述したクロスバンドリークの問題が改善される。更に、図2の構成例では、負荷変動に伴う2次の高調波歪み成分(2HD)のレベル変動等によって出力電力の制御の高精度化が阻害される恐れがある。しかしながら、図4の構成例では、高周波電力増幅器HPA1の出力におけるほぼ基本周波数成分のみがDETBKに入力され、高周波電力増幅器HPA2の出力におけるほぼ基本周波数成分のみがDETBKに入力されるため、図2の構成例と比べて出力電力制御の高精度化が図れる。
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[2]の各種検証結果》
図5は、図4における各高周波電力増幅器間のクロスバンドリークの大きさを複数のシミュレーション条件で検証した結果の一例を示す図であり、図6(a)〜図6(c)は、図5における各シミュレーション条件を表す回路図である。図6(a)〜図6(c)では、図4における高周波電力増幅器HPA1,HPA2の出力インピーダンスをそれぞれ50Ωとし、電力検出回路ブロックDETBKの入力インピーダンスを500Ωとし、HPA1の出力を「Port1」、HPA2の出力を「Port2」、DETBKの入力を「Port3」としている。
また、図6(a)(「Case1」とする)では、「Port1」と「Port3」間に略900MHzの共振周波数を持つLC直列共振回路が備わり、「Port2」と「Port3」間に1.5pFの容量が備わっている。図6(b)(「Case2」とする)では、「Port1」と「Port3」間に略900MHzの共振周波数を持つLC直列共振回路が備わり、「Port2」と「Port3」間に略1800MHzの共振周波数を持つLC直列共振回路が備わっている。図6(c)(「Case3」とする)は、図6(b)における「Port2」と「Port3」間のLC直列共振回路を、共振周波数を変えずに定数を変えたものとなっている。図5には、図6(a)〜図6(c)を用いて、「Port1」から「Port2」への通過特性(すなわちクロスバンドリークの大きさ)を検証した結果が示されている。
例えば、前述した特許文献2では、「Port3」における電圧レベルの向上を実現するため、図6(a)と同様な回路構成が示されている。しかしながら、このような構成例では、図5の「Case1」に示すように、大きなクロスバンドリークが生じてしまう場合がある。そこで、図6(b)のように「Port2」と「Port3」間(ハイバンド側)に更にコイル(ここでは5.21nH)を挿入すると、「Port2」と「Port3」間の所謂Qファクタ(Q∝√(L/C))が向上することから狭帯域化が図れる。その結果、図5の「Case2」に示すように、例えば、1800MHz近辺において、「Case1」に比べてクロスバンドリークの大きさを約1.7dB程度低減することが可能になる。更に、図6(c)のように、「Port2」と「Port3」間のコイルの値を2倍にし(ここでは10.4nH)、容量の値を1/2にすると、更にQファクタを向上させることができ、その結果、図5の「Case3」に示すように、例えば、1800MHz近辺において、「Case2」に比べてクロスバンドリークの大きさを約0.6dB程度低減することが可能になる。
以上、本実施の形態2の高周波電力増幅器モジュールを用いることで、代表的には、高周波電力増幅器モジュールの小型化、又は低コスト化が実現可能になる。更に、クロスバンドリークの低減や、出力電力制御の高精度化が図れる。なお、図4のLC直列共振回路における容量とコイルの接続順序は適宜入れ替えることが可能である。また、ここではGSM用の高周波電力増幅器モジュールを例としているが、勿論、W−CDMAやLTE用であっても同様に適用可能である。W−CDMAやLTEでも、例えば700MHz〜900MHz近辺のバンドと、1700MHz〜2100MHz近辺のバンドが規定され、前述したロウバンドとハイバンドの関係が成り立つ。
(実施の形態3)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[3]》
図7は、本発明の実施の形態3による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図7に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図4の構成例と比較して、図4の高周波電力増幅チップHPAIC2が図7の高周波電力増幅チップHPAIC3に、図4のフロントエンドブロックFEBK1が図7のフロントエンドブロックFEBK2にそれぞれ置き換えられた点が異なっている。図7のHPAIC3は、図4のHPAIC2における容量C1,C2を備え、図7のFEBK2は、図4のHPAIC2におけるコイルL1,L2を備えている。ただし、ここでは、高周波電力増幅チップの外部端子数を削減するため、各LC直列共振回路における容量とコイルの接続順序が図4の場合とは逆になっている。すなわち、図7の接続順序の場合には、例えば高周波電力増幅器HPA1の外部端子は元々必要であるため、L1とC1の接続部に該当する外部端子を設ければよいが、図4の接続順序の場合には、L1の両端に該当する外部端子を設ける必要がある。
このような構成例を用いると、コイルL1,L2を外部部品で実現するため、高周波電力増幅器モジュールの小型化・低コスト化の点でデメリットがあるものの、高性能なコイルを用いることができるため、実施の形態2で述べたQファクタを更に向上させることができ、クロスバンドリークの更なる低減が可能になる。
(実施の形態4)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[4]》
図8は、本発明の実施の形態4による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図8に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図2の構成例と比較して、図2の高周波電力増幅チップHPAIC1が図8の高周波電力増幅チップHPAIC4に、図2のフロントエンドブロックFEBK1が図8のフロントエンドブロックFEBK3にそれぞれ置き換えられた点が異なっている。図8のHPAIC4は、図2のHPAIC1における容量C1,C2に加えて、更に容量Ctを備える。図8のFEBK3は、図2のFEBK1に加えて、更にコイルLtを備える。CtおよびLtは、高周波電力増幅器HPA1の出力と接地電源電圧GNDの間に直列に接続され、高調波トラップ回路TPBK1を構成する。
高調波トラップ回路TPBK1は、LC直列共振回路となっており、その共振周波数は、高周波電力増幅器HPA1の出力信号における2次の高調波歪み成分(2HD)の周波数に設定される。このような構成例を用いると、HPA1からの2次の高調波歪み成分(2HD)は、その殆どがインピーダンスが低いTPBK1側に流れるため、前述したクロスバンドリークの低減が可能になる。また、外部部品として1個のコイルLtを設ければよいため、図12の構成例と比較すると、高周波電力増幅器モジュールの小型化・低コスト化が図れる場合がある。なお、コイルLtは、場合によっては高周波電力増幅チップHPAIC4内に形成することも可能である。
(実施の形態5)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[5]》
図9は、本発明の実施の形態5による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図9に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図8の構成例と比較して、図8の高周波電力増幅チップHPAIC4が図9の高周波電力増幅チップHPAIC5に置き換えられた点が異なっている。図9のHPAIC5は、図8のHPAIC4における容量C1を容量C1aと容量C1bの直列接続で実現した構成を備え、また、HPAIC4における容量Ctを前述したC1aと容量Ct1の直列接続で実現した構成を備える。図9のFEBK3におけるコイルLtの一端は、前述した容量の変更に伴い、容量Ct1の一端に接続される。C1a,Ct1およびLtは、図8の場合と同様に、高調波トラップ回路TPBK2を構成する。
図9のように、図8の容量C1,Ctをそれぞれ直列接続の容量で実現することで、例えば、チップの内蔵容量の耐圧が不足するような場合であっても、直列容量による分圧に伴い耐圧を確保することが可能になる。
(実施の形態6)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[6]》
図10は、本発明の実施の形態6による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図10に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図4の構成例に、前述した図8の高調波トラップ回路TPBK1を組み合わせたような構成を備えている。図10における高周波電力増幅チップHPAIC6は、図4で述べた容量C1およびコイルL1からなるLC直列共振回路と容量C2およびコイルL2からなるLC直列共振回路に加えて、図8で述べた容量Ctを備える。図10におけるフロントエンドブロックFEBK3は、図8で述べたコイルLtを備える。CtおよびLtは、図8の場合と同様に、高調波トラップ回路TPBK1を構成する。
このような構成例を用いると、実施の形態2で述べた各種効果に加えて、クロスバンドリークの更なる低減が実現可能になる。すなわち、前述したように、容量C1およびコイルL1を持つLC直列共振回路と、容量C2およびコイルL2を持つLC直列共振回路とによってクロスバンドリークが低減できることに加えて、高調波トラップ回路TPBK1によって更にクロスバンドリークを低減することが可能になる。
(実施の形態7)
《高周波電力増幅器モジュールの詳細構成[7]》
図11は、本発明の実施の形態7による高周波電力増幅器モジュールにおいて、その構成例を示す回路ブロック図である。図11に示す高周波電力増幅器モジュールHPAMDは、前述した図2の構成例と比較して、図2のフロントエンドブロックFEBK1が図11のフロントエンドブロックFEBK4に置き換えられた点が異なっている。図11のFEBK4は、図2のFEBK1におけるアンテナスイッチANTSWの一部の構成例を詳細に示したものとなっている。図11のANTSW1は、高周波電力増幅器HPA1の出力をアンテナ信号ANTOUT用の外部端子に接続するトランジスタスイッチQt1と、高周波電力増幅器HPA2の出力をANTOUT用の外部端子に接続するトランジスタスイッチQt2と、Qt2のHPA2側の端子を接地電源電圧GNDに接続するトランジスタスイッチQs2を含む。Qt1,Qt2,Qs2は、例えばpHEMT素子やSOI基板上のMOSトランジスタ等である。
前述したような、クロスバンドリークの問題は、アンテナスイッチANTSWにおけるアイソレーション特性が十分に高ければ大きな問題とはならない。そこで、図11のANTSW1では、スルー用のトランジスタスイッチQt1,Qt2に加えて、シャント用のトランジスタスイッチQs2を備えている。Qt1とQs2は、アンテナスイッチ制御回路ANTSWCTLを介してオン・オフが共通に制御される。高周波電力増幅器HPA1が動作する際には、Qt1,Qs2がオン、Qt2がオフに制御される。したがって、仮に、HPA1による2次の高調波歪み成分(2HD)が高周波電力増幅器HPA2側に回り込んだのちロウパスフィルタLPF2を介して伝送され、加えてQt2のアイソレーション特性が十分でない場合でも、当該2HDはQs2を介して抑制されることになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
ここでは、無線通信システムとして携帯電話システムを例に説明を行ったが、例えば、2.4GHz帯と5.2GHz帯に対応した無線LAN(Local Area Network)等においても同様に適用可能である。
ADD 加算回路
AMP アンプ回路
ANT アンテナ
ANTFLT アンテナフィルタ
ANTOUT アンテナ信号
ANTSW アンテナスイッチ
ANTSWCTL アンテナスイッチ制御回路
APC 自動電力制御回路
ATT アッテネータ回路
BBU ベースバンドユニット
BIASCTL バイアス制御回路
C 容量
CDETin 入力検波信号
CPL 方向性結合器(カプラ)
DAMP 差動アンプ回路
DET レベル検出回路
DETBK 電力検出回路ブロック
FEBK,FEBK’ フロントエンドブロック
HPA 高周波電力増幅器
HPAIC 高周波電力増幅チップ
HPAMD 高周波電力増幅器モジュール
IVC 電流電圧変換回路
L コイル
LPF ロウパスフィルタ
MIC マイク
MNT 整合回路
Pin 入力電力信号
Pout 出力電力信号
Q トランジスタスイッチ
RFIC 高周波信号処理装置
RFSYS 高周波システム部
Rx 受信信号
SAW SAWフィルタ
SBD バンド選択信号
SPK スピーカ
TPBK 高調波トラップ回路
Tx 送信信号
Vdet 検出電圧信号
Vramp 電力指示信号

Claims (3)

  1. 単数又は複数の半導体チップが実装されるモジュール配線基板を備え、
    前記単数又は複数の半導体チップ上には、
    第1周波数帯を持つ第1信号を増幅する第1電力増幅器と、
    前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯を持つ第2信号を増幅する第2電力増幅器と、
    第1ノードにおける入力レベルの大きさを検出する電力検出回路と、
    前記第1電力増幅器の出力ノードと前記第1ノードの間に直列に結合される第1容量と、
    前記第2電力増幅器の出力ノードと前記第1ノードの間に直列に結合される第2容量とが形成され、
    前記第1電力増幅器と前記第1容量は、同一の半導体チップ上に形成され、
    前記第2電力増幅器と前記第2容量は、同一の半導体チップ上に形成される高周波電力増幅器モジュール。
  2. 請求項1記載の高周波電力増幅器モジュールにおいて、
    前記第1電力増幅器の出力ノードと前記第1ノードの間には、更に、前記第1容量と直列に接続される第1コイルが備わり、
    前記第2電力増幅器の出力ノードと前記第1ノードの間には、更に、前記第2容量と直列に接続される第2コイルが備わり、
    前記第1容量および前記第1コイルの共振周波数は前記第1周波数帯に設定され、
    前記第2容量および前記第2コイルの共振周波数は前記第2周波数帯に設定される高周波電力増幅器モジュール。
  3. 請求項1または2記載の高周波電力増幅器モジュールにおいて、
    前記第1電力増幅器の出力ノードと電源電圧の間には、更に、前記第1周波数帯の2倍の周波数帯を共振周波数とするLC直列共振回路が備わる高周波電力増幅器モジュール。
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