JP2013130119A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サブフィードバック学習値がずれて始動暖機時における触媒コンバータの排気浄化性能が低下するのを防止することができる内燃機関の空燃比制御装置を提供する。
【解決手段】触媒コンバータ前後の第1、第2の空燃比センサに基づき、メインおよびサブフィードバック制御を実行するとともに、サブフィードバック補正量に基づいて上流側の空燃比センサの出力値と触媒コンバータ内の排気空燃比との間の定常的なずれを補正するサブフィードバック学習値を算出記憶させ(ステップS14)、その記憶値に基づき第1の空燃比センサの出力を補正するサブフィードバック学習制御を実行する内燃機関の空燃比制御装置であって、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生したことを条件に、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせる(ステップS12、S13)。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関し、特に、多気筒内燃機関の空燃比制御をメインフィードバック制御およびサブフィードバック制御により実行するとともに気筒間における空燃比のばらつきを抑制するのに好適な内燃機関の空燃比制御装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関においては、排気浄化処理を施す3元触媒等の触媒コンバータの性能を最大限に発揮させるべく、気筒内の吸入空気と燃料の混合比率である空燃比(以下、燃焼空燃比ともいう)の変化を排気ガス中の残留酸素濃度や未燃ガス濃度(以下、排気空燃比ともいう)の変化から検出し、その検出値に基づいて燃焼空燃比を目標空燃比に追従させるよう各気筒への燃料供給量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御を実行するものが多い。
また、触媒コンバータの上流側と下流側にそれぞれ空燃比センサを設け、上流側の空燃比センサの検出値に基づく空燃比フィードバック制御(以下、メインフィードバック制御という)を実行するのと併せて、上流側の空燃比センサの検出値が実際の排気空燃比に一致するように下流側の空燃比センサの出力に基づいて上流側空燃比センサの出力を補正するサブフィードバック制御を実行して、制御精度を高めているものがある。
しかし、多気筒内燃機関においては、気筒間でインジェクタの特性やその劣化度合い等にばらつきがあるばかりか、気筒間での吸気特性のばらつき等も生じ得るため、気筒間での空燃比のばらつきが大きくなることがあり、上述のような空燃比フィードバック制御による空燃比の制御精度が低下してしまう場合がある。そこで、従来、多気筒内燃機関の気筒間における空燃比のばらつきを抑制する制御を実行することのできる内燃機関の空燃比制御装置が提案されている。
このような内燃機関の空燃比制御装置としては、例えば触媒コンバータの上流側と下流側の排気空燃比の検出値に基づいて少なくとも1つの気筒に空燃比の異常が発生しているか否かを判定し、異常発生時には、燃料噴射時間を徐々に短縮させることで、空燃比に異常が発生した異常気筒に最初に失火を生じさせる異常気筒特定処理を実行し、異常気筒への燃料噴射量を補正するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、多気筒内燃機関の複数の気筒を空燃比センサに対するガス当りの良い気筒群とガス当りの悪い気筒群とにグループ化して、一方の気筒群について空燃比フィードバック制御を禁止したときの他の気筒群での空燃比の制御中心からのずれ量を求め、そのずれ量に基づきグループ毎の空燃比補正量を設定することで、気筒群間の空燃比のばらつきを修正できるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−112244号公報 特開平11−303664号公報
しかしながら、上述のような従来の内燃機関の空燃比制御装置にあっては、特定の気筒や気筒群に対応する空燃比の補正が可能になるものの、空燃比フィードバック制御中に生じる各気筒の燃焼空燃比の気筒間ばらつきを精度良く検出することができないため、気筒間の燃焼空燃比のばらつきを的確に抑制することができないという問題があった。
また、排気管形状や触媒コンバータの配置によっては、サブフィードバック制御が実行される内燃機関において、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が大きい気筒からの排気ガスが他の気筒からの排気ガスと十分に混合されることなく下流側の空燃比センサに強く当たる可能性がある。その場合、何らかの不具合により燃料噴射量が不足して燃焼空燃比が大きくリーン側にずれてしまう空燃比異常が発生すると、下流側の空燃比センサから実際の排気空燃比以上にリーン側の検出値が出力されてしまい、空燃比制御の精度が低下することが懸念される。
特に、サブフィードバック制御における補正量に基づいて、上流側の空燃比センサの出力値と実際の排気空燃比との間の定常的なずれに対応するサブフィードバック学習値を算出し、その学習値に基づいて上流側空燃比センサの出力値を補正するような学習制御(サブフィードバック学習制御)が行われる場合に、次のような問題が懸念される。
すなわち、サブフィードバック学習制御では、その学習値をエンジン停止時にもバックアップメモリに保存することで、内燃機関の始動時に上流側空燃比センサの出力値が十分に補正されていなくても上流側空燃比センサの出力値を実際の排気空燃比に近付けることができる。しかし、目標空燃比に対して燃料噴射量の不足により燃焼空燃比がリーン側に大きくずれた空燃比異常気筒が発生し、その空燃比異常気筒からの排気ガスが下流側の空燃比センサに強く当たってしまうような場合、記憶されたサブフィードバック学習値に応じて触媒コンバータ内の排気空燃比が始動暖機時に必要以上にリッチ側に補正されてしまい、未燃炭化水素(HC)の浄化率が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれてしまい、始動暖機時における触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供するものである。
本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置は、上記目的達成のため、(1)排気浄化用の触媒コンバータが装備される多気筒の内燃機関の前記触媒コンバータより上流側の排気経路上で排気空燃比を検出する第1の空燃比センサと、前記触媒コンバータより下流側の排気経路上で排気空燃比を検出する第2の空燃比センサと、を備え、前記第1の空燃比センサの検出値に基づき前記内燃機関の各気筒に対する燃料供給量を補正して前記各気筒内の燃焼空燃比を目標空燃比に追従させるメインフィードバック制御と、前記第2の空燃比センサの検出値に基づき前記第1の空燃比センサの検出値を前記触媒コンバータ内の排気空燃比に一致するよう補正するサブフィードバック補正量を算出するサブフィードバック制御と、を実行するとともに、該サブフィードバック補正量に基づいて前記第1の空燃比センサの出力値と前記触媒コンバータ内の排気空燃比との間の定常的なずれを補正するためのサブフィードバック学習値を算出して記憶し、該サブフィードバック学習値の記憶値に基づいて前記第1の空燃比センサの出力値を補正するサブフィードバック学習制御を実行する内燃機関の空燃比制御装置であって、前記目標空燃比に対する前記燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生したことを条件に、前記サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせることを特徴とする。
この発明では、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生すると、サブフィードバック学習値の記憶値がリーン側にオフセットされる。したがって、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれていたとしても、始動暖機時等における触媒コンバータ内の排気空燃比がリッチ側に過補正されるのを防止することができ、触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することができる。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置においては、(2)前記内燃機関の燃料供給量を気筒別に変化させたときの前記内燃機関の回転速度の変化量に基づいて、前記目標空燃比に対する前記燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生したことを検出する空燃比ずれ気筒検出機構を備えていることが好ましい。
これにより、燃料噴射量を制御する手段や機関回転速度を検出するクランク角センサ等の既存センサを活用して、比較的容易に空燃比ずれ気筒を精度良く検出することが可能となる。
上記(2)の構成を有する内燃機関の空燃比制御装置においては、(3)前記空燃比ずれ気筒検出機構は、前記内燃機関の特定の気筒に対する燃料供給量を増量する前の該特定の気筒の燃焼時における前記内燃機関の回転変動量と、前記特定の気筒に対する燃料供給量を増量した後の該特定の気筒の燃焼時における前記内燃機関の回転変動量とに基づいて、前記空燃比ずれ気筒が発生したことを検出するのが好ましい。
この場合、空燃比ずれ気筒検出の対象気筒を少数に絞ることができる場合に、より迅速的確に、空燃比異常の空燃比ずれ気筒を精度良く検出可能となる。
上記(2)または(3)の構成を有する内燃機関の空燃比制御装置においては、(4)前記内燃機関の気筒別に前記燃料供給量を増量して前記内燃機関の回転変動量を縮小させる気筒別増量補正を実行するとともに、該気筒別増量補正を実行することを条件に、前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記リーン側にオフセットさせることが好ましい。
この場合、気筒別増量補正のような既存の処理を利用して、空燃比ずれ気筒の空燃比ずれ方向やそのずれ量を精度良く検出することが可能となる。
上記(2)〜(4)の内燃機関の空燃比制御装置においては、(5)前記空燃比ずれ気筒検出機構により前記空燃比ずれ気筒の発生が検出されたことを条件として、前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記内燃機関の運転継続中に1回だけ前記リーン側にオフセットさせるのがよい。
この場合、空燃比ずれ気筒が再度発生しても、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせる処理は、内燃機関の運転が継続されている間、例えばその内燃機関を搭載した車両の走行中は、1回だけに制限される。したがって、誤作動が生じてもその影響を低く抑えることができる。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置においては、(6)前記第2の空燃比センサに対する前記空燃比ずれ気筒からの排気ガスのガス当りの強さを判定し、該ガス当りの強さに応じて、前記サブフィードバック学習値の前記リーン側へのオフセット量を可変設定することが好ましい。
これにより、リーン側に外れた空燃比ずれ気筒からの排気ガスのガス当りによって第2の空燃比センサの出力が過度にリーン側に偏ってしまうのを抑制し、サブフィードバック学習値が過度にリッチ側に設定されてしまうのを防止できる。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置においては、(7)前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記リーン側にオフセットさせたことを条件に、前記サブフィードバック補正量に応じて前記サブフィードバック学習値の前記リーン側へのオフセット量を減じる復帰処理を実行することが好ましい。
この場合、空燃比ずれ気筒の発生時にリーン側にオフセットさせたサブフィードバック学習値の記憶値を徐々にサブフィードバック補正量に応じた本来の学習値に戻すことができる。したがって、空燃比ずれ気筒の発生に対する何らかの対処がなされた後は、現在のサブフィードバック補正量に応じた本来の学習値に戻すことができる。
上記(7)の内燃機関の空燃比制御装置においては、(8)前記復帰処理が実行されるときに前記サブフィードバック補正量の一定量の変化に応じて前記サブフィードバック学習値が変化する速度は、前記復帰処理が実行されないときに前記サブフィードバック補正量の一定の変化に応じて前記サブフィードバック学習値が変化する速度より小さくなるようにしているのがよい。
この場合、例えばサブフィードバック制御のフィードバックゲインを可変設定することで、復帰処理時のサブフィードバック学習値の変化の速度を通常のサブフィードバック学習制御によるサブフィードバック学習値の変化の速度より遅くすることができ、空燃比ずれ気筒の影響を確実に回避しつつ通常のサブフィードバック制御状態に徐々に移行させることができる。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置においては、(9)前記内燃機関が電動機とともにハイブリッド走行駆動装置を構成し、ハイブリッド車両に搭載されることを特徴とするものである。
この場合、ハイブリッド車両の走行駆動源として内燃機関とは別に電動機が使用でき、効率が低い内燃機関の始動暖機時に電動機を走行駆動用に使用し、学習処理等を安定的に実行することができる。したがって、内燃機関の始動暖機時に学習処理や気筒別増量補正等の処理を安定して実行できることになる。
本発明によれば、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生すると、サブフィードバック学習値の記憶値がリーン側にオフセットされるようにしているので、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれていたとしても、始動暖機時等における触媒コンバータ内の排気空燃比がリッチ側に過補正されるのを防止することができ、触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比制御装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関において触媒コンバータの上流側および下流側(触媒前後)に配置される空燃比センサの出力特性を示すグラフで、縦軸は各センサ出力を、横軸は空燃比を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比ずれ気筒発生時における機関回転速度の変動パターンを例示するタイムチャートであり、図3(a)はクランク回転時間の変動を示し、図3(b)はクランク回転各速度の変動状態を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関で空燃比ずれ気筒に対する気筒別増量補正を行った場合のクランク回転角速度の変化を示すグラフであり、縦軸軸は空燃比ずれ気筒の燃焼状態に以降する前後の角速度差を示し、横軸はその空燃比ずれ気筒の空燃比ずれの指標値であるインバランス率を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関で空燃比ずれ気筒の燃焼前後における回転変動量が空燃比ずれ気筒に対する気筒別増量補正によって変化するときのその変化量から空燃比ずれ気筒における燃焼空燃比のずれ方向を特定する原理を説明するグラフであり、縦軸は空燃比ずれ気筒の燃焼前後の前記変化量を示し、横軸はその空燃比ずれ気筒のインバランス率を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比制御装置で実行されるサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセット量の設定条件の一例を示すグラフであり、縦軸はそのオフセット量を、横軸は一実施形態に係る内燃機関の空燃比ずれ気筒のインバランス率を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比制御装置で実行されるサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセット量の設定条件の他の例を示すグラフであり、縦軸はサブフィードバック学習値を、横軸はメインフィードバック学習値を示している。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比制御装置で空燃比ずれ気筒が発生したときに実行される排ガス悪化抑制制御プログラムの概略の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の空燃比制御装置で空燃比ずれ気筒を検出する検出処理プログラムの概略の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の運転状態、その内燃機関の気筒別増量補正実行フラグの設定時期、サブフィードバック学習値のオフセット時期、および、そのオフセット後のサブフィードバック学習値の変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(一実施形態)
図1〜図10は、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態を示している。
なお、本実施形態は、本発明を多気筒の内燃機関である直列4気筒の4サイクルガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に適用したものであり、そのエンジンは、図示しない電動機(例えば、発電電動機)とともにハイブリッド走行駆動装置を構成し、ハイブリッド車両に搭載されるようになっている。
まず、その構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態のエンジン10は、複数の気筒11(同図1中に#1、#2、#3、#4で示す)が形成された機関本体12を備えている。詳細は図示しないが、機関本体12は、複数の気筒11に対応するシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、そのシリンダブロックの上部側に設けられたシリンダヘッドおよびヘッドカバーと、シリンダブロックの下部側に設けられたクランクケースおよびオイルパンとによって構成されている。
この機関本体12は、いずれも詳細を図示しないが、複数の気筒11内に燃焼室14を形成する複数のピストンと、それら複数のピストンがコネクティングロッドを介して連結されたクランク軸と、を内蔵している。また、機関本体12は、燃焼室14の上部側で開閉する吸気弁および排気弁と、燃焼室14内の圧縮された混合ガスに火花点火する点火プラグ16と、吸気弁および排気弁をクランク軸の回転に伴うピストンのストローク位置に応じて開閉動作させる動弁機構と、を備えている。
また、機関本体12のシリンダヘッドの短手方向一方側には、複数の気筒11に対応する複数の吸気ポート(符号無し)が形成されており、それぞれの吸気ポートの内端側に吸気弁が設けられている。そして、各吸気弁の開弁時にその吸気弁に対応する燃焼室14内に空気および燃料の混合ガスを吸入(吸気)させることができるよう、機関本体12のシリンダヘッドには、複数の吸気ポートに接続する吸気通路を形成する複数の吸気枝管18およびサージタンク19を有する吸気マニホールド20が装着されている。
吸気マニホールド20には上流側の吸気通路21を形成する吸気管22が接続されており、その吸気管22の最上流端側には吸入空気中の異物を除去可能なフィルタを有するエアクリーナ23が装着されている。また、吸気管22には、エアクリーナ23を通った空気の流量を計測するエアフローメータ24と、それより下流側で吸気管22内の吸気通路21の一部を絞ることができる電子制御式のスロットルバルブ25とが装着されている。さらに、機関本体12のシリンダヘッドには、前記複数の吸気ポートおよび吸気枝管18に対応して複数のインジェクタ26(燃料噴射弁)が装着されている。
一方、機関本体12のシリンダヘッドの短手方向他方側には、各排気弁の開弁時に対応する燃焼室14内から排気ガスを排出させることができるよう、複数の排気枝管32および集合管部34を有する排気マニホールド30が装着されている。
排気マニホールド30の集合管部34には、下流側の排気管36が接続されており、その排気管36には、エンジン10の排気ガス中に含まれる有害成分を浄化する触媒コンバータ40が装着されている。触媒コンバータ40は、公知の3元触媒を内蔵しており、燃焼室14内の空燃比が理論空燃比近傍の一定範囲内にあるとき、排気ガス中の有害成分であるNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)およびCO(一酸化炭素)を、それぞれに高度に浄化することができるようになっている。この触媒コンバータ40は、さらに、酸素吸蔵機能により、空燃比が理論空燃比から偏倚したとしても未燃成分及び窒素酸化物を浄化することができるタイプのものであってもよい。
排気マニホールド30の集合管部34あるいは触媒コンバータ40の近傍の排気管36には、触媒コンバータ40の上流側で排気空燃比を検出する第1の空燃比センサ42が装着されており、さらに、排気管36には、触媒コンバータ40の下流側で排気空燃比を検出する第2の空燃比センサ44が装着されている。
図2は、これら第1、第2の空燃比センサ42、44の出力特性を例示している。
第1の空燃比センサ42は、ジルコニア(ZrO)等の酸素イオン伝導体の一面側に大気側電極を、他面側に拡散抵抗層および排気側電極を設けた公知の限界電流側の広域空燃比センサである。この第1の空燃比センサ42は、リッチ燃焼時の排気ガス中では未燃ガス分圧(未燃ガス濃度)に応じた限界電流(O移動に伴うポンプ電流)を出力し、リーン燃焼時の排気ガス中では酸素分圧(O濃度)に応じた限界電流を出力するようになっている。すなわち、第1の空燃比センサ42の出力特性は、図2中に黒丸付きの線で例示するような特性となっている。
第2の空燃比センサ44は、例えば公知の濃淡電池式の排気酸素濃度センサ(Oセンサ)であり、理論空燃比を境にして未燃ガスが残るリッチ側で起電力が急峻に立ち上がる特性を有している。この第2の空燃比センサ44は、リッチ状態では外側電極が触媒として機能し、排気ガス中のHC、CO、Oが化学平衡状態に達するよう反応することで、大気側と排気ガス側の酸素濃度差に応じた起電力を発生するようになっている。すなわち、第2の空燃比センサ44の出力特性は、図2中に黒四角付きの線で例示するような特性となっている。
第1空燃比センサ42および第2の空燃比センサ44の検出情報は、それぞれ電子制御ユニット(以下、ECUという)50に取り込まれるようになっている。
ECU50には、これら空燃比センサ42、44やエアフローメータ24の検出情報に加え、エンジン10の運転状態を検出するクランク角センサ52および水温センサ54等のセンサ情報に基づいて、さらに、アクセル開度センサ56等からの要求操作信号や図示しない他の車載ECUからの要求信号に基づいて、エンジン10を電子制御する機能を有している。
ECU50は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、CPU、ROM、RAMおよびバックアップメモリを含み、さらに、A/D変換器等を含む入力インターフェース回路と、ドライバやリレースイッチを含む出力インターフェース回路と、他の車載ECUとの通信インターフェース等を含んで構成されている。
このECU50は、ROMやバックアップメモリ(以下、ROM等という)に格納された制御プログラムに従って、例えばいわゆるマルチタスク処理を実行しながら、エンジン10に要求される出力(トルクおよび機関回転数)を実現するよう、エンジン10のスロットルバルブ25の開度、点火時期、燃料噴射時期および燃料噴射量等をそれぞれに制御するようになっている。
ECU50は、また、ROM等に格納された制御プログラムに従って、各気筒11内の燃焼空燃比を目標空燃比である理論空燃比に制御するよう、メインフィードバック制御およびサブフィードバック制御を実行するようになっている。すなわち、ECU50は、以下に詳述するような機能を発揮することで、空燃比制御装置の主要部であるメインフィードバック制御手段、サブフィードバック制御手段、メインフィードバック学習制御手段、サブフィードバック学習制御手段として機能するようになっている。
ここで、メインフィードバック制御とは、第1の空燃比センサ42の検出値に基づき、エンジン10の各気筒11に対するポート噴射による燃料供給量を補正して、各気筒11内の燃焼空燃比、すなわち、各気筒11内の吸入空気と燃料の混合比率である空燃比を目標空燃比に追従させるフィードバック制御である。
また、サブフィードバック制御とは、第2の空燃比センサ44の検出値に基づき、第1の空燃比センサ42の検出値を触媒コンバータ40内の実際の排気空燃比に一致させるサブフィードバック補正量を算出し、このサブフィードバック補正量を用いて第1の空燃比センサ42の検出値を補正する制御である。すなわち、サブフィードバック制御は、第1の空燃比センサ42の検出精度を補正により高めることで、第1の空燃比センサ42の検出値を基にメインフィードバック制御される各気筒11内の燃焼空燃比を目標空燃比である理論空燃比に精度良く追従させるものである。
ECU50は、さらに、サブフィードバック制御の実行中に算出されるサブフィードバック補正量に基づき、第1の空燃比センサ42の出力値と触媒コンバータ40内の排気空燃比との間の定常的なずれを補正するためのサブフィードバック学習値を算出するようになっている。そして、そのサブフィードバック学習値を、バックアップRAM等(不揮発性メモリでもよい)からなるバックアップメモリの所定のメモリ領域に書き込んで、記憶させるようになっている。
ここにいうサブフィードバック学習値は、例えば第2の空燃比センサ44の出力値と触媒コンバータ40の下流側の目標排気空燃(理論空燃比)との偏差を比例・積分・微分処理することによって算出される。
そして、ECU50は、第2の空燃比センサ44が活性化する前の始動期間、および、第2の空燃比センサ44が活性化することでサブフィードバック制御が開始された時点からサブフィードバック量が気筒間の空燃比のばらつきに応じた収束値に至るまでの期間においては、前回の運転中に得られたサブフィードバック量の学習値を用いて第1の空燃比センサ42の出力値を補正する制御(以下、サブフィードバック学習制御という)を実行するようになっている。
ECU50は、さらに、エンジン10の運転中、第2の空燃比センサ44の出力値と触媒コンバータ40の下流側の目標排気空燃との偏差を基に前記比例・積分・微分処理等により算出したフィードバック学習値を用いて、前記所定のメモリ領域に書き込んだ学習値を更新するようになっている。
また、ECU50は、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定の範囲(空燃比ずれの抑制制御が不要な範囲)から外れてリーン側にばらついた空燃比異常の空燃比ずれ気筒(以下、リーンインバランス気筒ともいう)が発生したことを条件に、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせるようになっている。
具体的には、ECU50は、以下に詳述するように、エンジン10の気筒11毎の燃焼空燃比のばらつきの指標値であるインバランス率を算出する機能と、インバランス率の大きい対象気筒について燃料噴射量を増量したときのクランク回転角速度の変化量、すなわち、回転変動の態様から空燃比ずれの方向(リッチ側かリーン側のいずれか一方)を判定する機能と、を有している。したがって、ECU50は、エンジン10の回転変動に基づいて、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつくリーンインバランス気筒が発生したことを検出する空燃比ずれ気筒検出機構として機能することができる。
そして、ECU50は、リーンインバランス気筒の発生が検出されたことを条件に、それぞれ後述するリーンインバランス気筒のインバランス率と、第2の空燃比センサ44に対するリーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りの強さとに応じて、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせるオフセット量を設定するようになっている。
ここにいうインバランス率とは、気筒11間で燃焼空燃比のばらつきが大きくなるときに、そのばらつきの指標となる値である。このインバランス率は、エンジン10の全気筒11のうち一部で例えばインジェクタ26の目詰まり(デポジット堆積、異物等による目詰まり)あるいは故障等が生じたような場合に、燃焼空燃比が一定の許容範囲を超えてリーン側にずれたその一部の気筒(リーンインバランス気筒;以下、単にインバランス気筒という)の燃焼空燃比を、他のすべての正常気筒(以下、バランス気筒という)の燃焼空燃比の平均値または目標空燃比に対する空燃比のずれ率として表すものである。
より具体的には、インバランス率をIB(%)、インバランス気筒の燃料噴射量(実噴射量)をQib、バランス気筒の燃料噴射量をQsとするとき、インバランス率IBは、例えば、IB=(Qib−Qs)/Qs×100(%)で表される。
この場合、インバランス率IBは、リッチインバランスを正の値で表し、リーンインバランスを負で表すことになるが、いずれも絶対値が大きいほど大きなばらつき度合いであることを示す。
ところで、インバランス率の大きい気筒11については、燃料噴射量を増量したときのエンジン10の回転変動の態様が空燃比ずれの方向によって異なる。ECU50は、その性質を利用して、クランク角センサ52の検出情報を基に燃料噴射量増量時のエンジン10の回転変動の態様を把握し、その変動態様から空燃比ずれの方向を判定するとともに、リーンインバランス気筒が発生しているか否かを判定できるようになっている。
クランク角センサ52は、詳細を図示しないが、クランク軸と一体回転する歯付のクランク角検出用ロータと、その近傍に配設された電磁ピックアップとによって構成されており、クランク角検出用ロータの外周部には複数の歯が所定角度ピッチ(例えば10°CA間隔)で形成されるとともに、欠歯部が設けられている。電磁ピックアップは、クランク軸の回転に伴うクランク角検出用ロータの歯が近傍を通過するときに電圧パルスを発生する。したがって、電磁ピックアップの近傍を欠歯部が通過するときには、電圧パルスの発生間隔が長くなるが、それ以外のときには例えば10°CA毎に電圧パルスが発生する。
ECU50は、このクランク角センサ52からの電圧パルスを基にクランク角が所定角度(例えば10°CA)変化するのに要した時間をクランク回転時間T[s]として算出し、さらに、毎回のクランク回転時間Tの算出毎に前回のクランク回転時間Tとの時間差(以下、回転時間差という)ΔTを算出するようになっている。したがって、今回算出したクランク回転時間TをT、前回のクランク回転時間TをTn−1とすると、回転時間差ΔTは、ΔT=T−Tn−1で算出される。
図3(a)に示すように、エンジン10のクランク軸は、機関サイクルの1周期中に2回転(720°CA回転)するので、図3(a)に実線Aで示すエンジン10のクランク角[°CA]は、図3(a)に示すような鋸歯状に変化する。また、ECU50で算出されるクランク回転時間T[s]および回転時間差ΔTは、図3(a)に細い二点鎖線で示すように、正常時には比較的狭い変動範囲内で変化するが、図3(a)に実線Bで示すように、リーンインバランス気筒が発生すると、大きく変動する。なお、クランク回転時間Tは、図3(a)中で上方に位置する(回転時間が長くなる)ほどクランク回転速度が遅くなることを示し、図3(a)中で下方に位置する(回転時間が短くなる)ほどクランク回転速度が速くなることを示している。
ECU50は、回転変動の指標値としてクランク回転時間T[s]および回転時間差ΔTに代えて、これらに対応する角速度ω[rad/s]と角速度差Δω[rad/s]を算出するものであってもよい。その場合には、エンジン10のクランク角と、クランク回転の角速度ωおよび角速度差Δωは、それぞれ図3(b)に示すように変化することになる。
なお、各気筒11内のピストンは、エンジン10の機関サイクルの1周期中に2度上死点に達するため、クランク角センサ52の検出信号だけでは、正確な気筒判別を行うことはできないので、クランク角センサ52に加えて、図示しないカム角センサの検出信号を用いることで、気筒判別を行っている。ただし、このような技術自体は公知であるので、ここでは詳述しない。
次に、インバランス率の算出方法と、燃料噴射量増量時の回転変動の態様から空燃比ずれの方向を判定する方法について説明する。
ECU50は、各気筒11の燃焼毎のクランク回転速度(回転時間Tまたは角速度ω)のばらつきを計測するのに好適なタイミング、例えば燃焼空燃比のばらつきに起因するクランク回転速度の差が顕著に現れ易い圧縮上死点(図3(a)、図3(b)中にTDCで示す)付近の特定クランク角位置で、各気筒11の燃焼毎のクランク回転速度、例えば角速度ωを取得し、爆発順(例えば、#1、#3、#4、#2の順)が前後する気筒11間の回転変動量である角速度差Δωを算出するようになっている。今回の速度計測対象気筒の気筒番号をn、前回の速度計測対象気筒の気筒番号をn−1とすると、ここでの回転時間Δωnは、今回の計測された角速度ω−前回計測された角速度ωn−1の差となる。
図4は、このような爆発順の前後する気筒11間での角速度差Δωと各気筒11内の空燃比のインバランス率との関係を示しており、同図中のαは空燃比異常と判定するか否かの判定閾値である。
この図4に示すように、リーン側ではインバランス率IBの絶対値が比較的小さくとも、気筒間回転変動量を表す角速度差Δωが判定閾値αを超えてしまうのに対し、リッチ側では、ある程度空燃比ずれが生じる程度のインバランス率であっても、判定閾値αを超えることがなく、回転変動もさほど生じない低変動範囲が存在する。また、そのリーン側とその低変動範囲を超えるリッチ側の範囲では、インバランス率IBの絶対値が大きくなるほど、回転変動が大きくなる。
ここで、図4中に右向きの太線矢印で示すように、これらの3つの範囲内で1つの対象気筒11に対する燃料供給量(ポート噴射量)を一定量増量させることにより、そのインバランス率IBをプラス側にシフトさせたとする。その場合、リーン側では、その対象気筒11に判定閾値αを超える回転変動が生じる状態から角速度差Δωが判定閾値αを下回る程度まで回転変動が小さくなり、低変動範囲では、角速度差Δωがさほど変わらず、低変動範囲を超えるリッチ側では、その対象気筒11に増量前には顕在化していなかったリッチずれによる回転変動が判定閾値αを超える回転変動として生じることになる。
したがって、対象気筒11に対する燃料供給量を増量する前後における角速度差Δωの変化によって、燃料供給量を増量した対象気筒11について、燃料供給量を増量しない状態でのインバランス率がリーン側であるかリッチ側であるかが判定できるとともに、増量しない状態でのインバランス率が低変動範囲内に入っていたか否か(空燃比ずれが正常範囲内か否か)、さらに、リーンインバランス気筒が発生しているか否かが判定できる。
図5は、そのような対象気筒11に対する燃料供給量の増量の前後における角速度差Δωの変化量dΔωとインバランス率IBの関係を示しており、この図からも、燃料噴射量の増量前後における角速度差Δωの変化量dΔωから、その気筒11のインバランス率がリーン側であるかリッチ側であるか、すなわち、空燃比ずれの方向を判定できるとともに、空燃比ずれが正常範囲(同図中のδからγまでの回転変動量差の範囲)内か否かをも判定できることがわかる。なお、ここで、変動量の差の値δ、γは、ぞれぞれの絶対値が等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
ECU50は、判定閾値αや空燃比ずれ方向判定に必要な情報を設計データや予めの実験データを基に作成されたマップ情報等として記憶保持しており、そのマップ等を基に空燃比ずれ方向判定や空燃比ずれ異常判定を実行するようになっている。
一方、ECU50は、エンジン10の始動後の最初の暖機中に機関回転速度を一定回転速度に高めるアイドルアップ制御を実行するが、このとき、失火や燃焼不良によって回転変動を惹起する気筒11に対して、段階的な燃料噴射量の気筒別増量補正(例えば、少量ずつ複数回で、今回より次回を増量する補正)を実行する。
この始動ファーストアイドル時における気筒別増量補正は、失火や燃焼悪化が生じた気筒11からの未燃燃料ガスの排出が増え、触媒コンバータ40におけるHC(炭化水素)の浄化率が低下することを、抑制するものである。
ECU50は、このように失火や燃焼悪化によって回転速度が一定程度以上落ち込む空燃比ずれ気筒を検出し、その気筒11に対して、燃料噴射量を増量する気筒別増量補正を実行することに加えて、気筒別増量補正の対象となったその対象気筒11について、燃料噴射量の増量前後の回転変動の変化量からインバランス率を推定するとともに、リーンインバランス気筒に陥っているか否かを判定するようになっている。
したがって、ECU50は、前述のように、リーンインバランス気筒が発生したことを条件にサブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせるが、厳密には、始動ファーストアイドル時における気筒別増量補正の処理が実行されることを気筒別増量補正の実施フラグの設定により確認したことを条件に、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせるようになっている。なお、エンジン10の運転状態によっては、気筒別増量補正ができないか、実行しない方が好ましい場合があり、その場合には、気筒別増量補正の実施フラグが設定されず、気筒別増量補正が実行されないことになる。
すなわち、ECU50は、空燃比ずれ気筒検出機構としての機能によってインバランス気筒(空燃比ずれ気筒)の発生が検出され、かつ、気筒別増量補正の処理が実行されることを条件として、サブフィードバック学習値の記憶値をエンジン10を搭載したハイブリッド車両の現在のトリップ(エンジン10を含むハイブリッド駆動装置の運転継続期間;以下、現トリップという)中に1回だけリーン側にオフセットさせるようになっている。なお、ここにいう現トリップは、モータ駆動時等にエンジン10が間欠停止状態となる期間やハイブリッド駆動装置の運転が間欠停止するアイドリングストップ期間を含むものであり、ECU50の通常運転時の電源投入状態の継続期間に相当する。
次に、インバランス率IBと、第2の空燃比センサ44に対するリーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りの強さとに応じた、サブフィードバック学習値の記憶値のリーン側へのオフセット量の設定方法について説明する。
図6は、第2の空燃比センサ44に対する各気筒11からのガス当りの強弱が予めわかっている場合のオフセット量設定条件を示しており、ECU50は、このような条件を含んだオフセット量設定用のマップを有している。
この図6に示すように、ECU50は、インバランス率が大きいほどに、また、リーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りが強いほどに、オフセット量を大きい値に設定する。すなわち、リーンインバランス気筒とその気筒のインバランス率とが特定されると、その気筒(特定の気筒番号)についての設計情報や実験データ等から予め把握している排気ガスのガス当りの強さと、そのリーンインバランス気筒のインバランス率とに基づいて、オフセット量設定用のマップを参照し、オフセット量を決定することができる。
なお、本実施形態では、このようにマップを用いた最適なオフセット量を設定するが、インバランス率が算出できない場合には、予め把握できるインバランス気筒の気筒番号毎に予め設定したオフセット量とすることも考えられる。
図7は、第2の空燃比センサ44に対する各気筒11からのガス当りの強弱が予めわかっていない場合のオフセット量設定のために用いるガス当り判定条件を示しており、同図中、縦軸はサブフィードバック学習値(同図中、メインF/B学習値と記す)を示し、横軸はメインフィードバック学習値を示している。
ここで、メインフィードバック学習値は、ECU50で空燃比制御のためのメインフィードバック制御と併せて実行される空燃比学習処理に使用される空燃比学習値である。すなわち、メインフィードバック制御における空燃比フィードバック補正のための補正係数がその基準値「1.0」から定常的に乖離した状態にあるとき、例えば定常運転時に空燃比フィードバック補正係数が「1.0+a」となる場合に、その値「1.0+a」がメインフィードバック学習値として記憶される。そして、各気筒11における最終燃料噴射量をQFIN、メインフィードバック学習値をKG、要求負荷に対応する基本噴射量をQBASAE、メインフィードバック補正係数をFAF、始動時増量等のようなその他の補正係数をKとすると、ECU50は、最終燃料噴射量をQFINを、QFIN=QBASE・KG・FAF・Kとして算出するようになっている。なお、このメインフィードバック学習値は、エンジン10の運転領域に対応させて複数の値が算出され、例えば高負荷高回転領域に対応した空燃比学習値、低負荷低回転領域に対応した空燃比学習値、あるいはアイドル運転領域に対応した空燃比学習値等として算出される。そして、それらの学習値はECU50のバックアップRAM等に記憶・保存され、エンジン10の始動暖機時等に空燃比フィードバック制御が可能な冷却水温度に達した後、それぞれ更新されるようになっている。
サブフィードバック学習値は、前述のように、第1の空燃比センサ42の出力値と触媒コンバータ40内の排気空燃比との間の定常的なずれを補正するための学習値であり、このサブフィードバック学習値も、サブフィードバック制御中に更新される。
第2の空燃比センサ44に対する各気筒11からのガス当りの強弱が予めわかっていない場合、ECU50は、気筒別増量補正の処理中に、リーンインバランス気筒の特定とインバランス率の推定とを実行する。
まず、本実施形態で実行される気筒別増量補正は、エンジン10の回転変動状態やその挙動から失火や燃焼不良の生じ易い気筒11を特定し、その気筒11に対し燃料噴射量を段階的に増量する補正を実行して、エンジン10の回転変動量が一定範囲内に収まるように実行される。したがって、例えば第1気筒#1が−20%のリーンインバランス状態にあった場合、第1気筒#1に対し20%の増量補正を実行することで、正常時と同様な回転変動状態が期待できる。そこで、ECU50は、気筒別増量補正時に特定されたインバランス状態の気筒11に対して燃料増量補正を実行する際に、回転変動の態様情報を取得して、その気筒11が空燃比異常のリーンインバランス気筒に陥っているか否かの判定を実行するとともに、その気筒11のインバランス率IBを算出する。
図7において、実線Lは、第2の空燃比センサ44に対する平均ガス当り状態で、学習値に基づく補正処理によって理論空燃比での運転が得られるような学習値設定の組合せ条件を示している。
例えば、正常時の燃料噴射量が1で、第1気筒#1が−20%のリーンインバランス状態にあるとすると、全気筒(第1気筒〜第4気筒)の燃料噴射量は3.8となる。この場合、全気筒の燃料噴射量3.8×学習値に対応する補正係数Aが4となる関係になるから、必要な補正係数Aは、4/(3.8)=1.0526となる。したがって、例えばメインフィードバック学習値KGのみで理論空燃比にしようとすれば、KG=5.26%となり、サブフィードバック学習値のみで理論空燃比にしようとすれば、その学習値が5.26%となる。
しかし、第2の空燃比センサ44に対するリーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りが強いか弱いかにより、実際のメインフィードバック学習値およびサブフィードバック学習値の設定値は、実線Lから外れてしまう。
そこで、ECU50は、算出済みのインバランス率IBとメインフィードバック学習値を基に、サブフィードバック学習値の中心値を推定算出し、その推定算出値と現状のサブフィードバック学習値の記憶値とを比較して、推定算出値よりサブフィードバック学習値の記憶値の方がリーンであれば、ガス当り弱と判定し、推定算出値よりサブフィードバック学習値の記憶値の方がリッチであれば、ガス当り強と判定する。
このように、ECU50は、図7に示すようなメインフィードバック学習値とサブフィードバック学習値の関係を基に、リーンインバランス気筒から第2の空燃比センサ44へのガス当りの強弱を推定することができる。そして、そのガス当りの強弱を基に、ガス当りが強い気筒に対してはオフセット量を大きくするように、オフセット量を決定する。
ECU50は、さらに、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせたことを条件に、その後、サブフィードバック補正量に応じてサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセット量を減じる復帰処理を実行するようになっている。
この復帰処理は、サブフィードバック補正量の一定量の変化に応じてサブフィードバック学習値が変化する速度が、復帰処理が実行されないときにサブフィードバック補正量の一定の変化に応じてサブフィードバック学習値が変化する速度よりも小さくなるような処理条件に設定される。したがって、オフセット後のサブフィードバック学習値は、そのリーン側へのオフセット量を漸減させることになる。より具体的には、例えばサブフィードバック制御のフィードバックゲインを可変設定することにより、復帰処理時と通常のサブフィードバック制御時とでは、サブフィードバック補正量の一定量の変化に応じたサブフィードバック学習値の変化速度を相違させることができる。
次に、作用について説明する。
図5は、ECU50によってリーンインバランス気筒が検出されたときに実行される排ガス悪化抑制制御の概略の流れを示している。
この制御では、まず、エンジン10を搭載したハイブリッド車両の現トリップ中にサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセットが実行される前の状態であるか否かが判別される(ステップS11)。
このとき、現トリップ中にサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセットが既に実行されていたならば(ステップS11でNOの場合)、今回の処理は終了する。
一方、現トリップ中にサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセットが未だ実行されていなければ(ステップS11でYESの場合)、次いで、リーンインバランス気筒に対する気筒別増量補正が実行されるか否かがその気筒別増量補正の実施フラグの設定状態から判別される(ステップS12)。
このとき、気筒別増量補正の実施フラグが設定されていなければ、今回の処理は終了する。
一方、気筒別増量補正の実施フラグが設定されていれば(ステップS12でYESの場合)、次いで、サブフィードバック学習値をリーン側にオフセットさせる処理が実行される(ステップS13)、次いで、現トリップ中にサブフィードバック学習値をリーン側にオフセットさせたことがバックアップRAM等の所定メモリ領域に記憶される。したがって、それ以降は、現トリップ中にリーンインバランス気筒が発生したとしても、サブフィードバック学習値が再度リーン側にオフセットされることはない。
図7は、エンジン10の各気筒11について、燃料噴射量増量時の回転変動態様から空燃比ずれの方向を判定するとともに、リーンインバランス気筒が発生したか否かを判定することができる空燃比ずれ検出処理の流れを示している。なお、この処理は、全気筒11について順次実行されてもよいし、リーンインバランス気筒と疑われる特定の気筒11についてのみ実行されてもよい。
まず、気筒カウンタCTが今回の判定対象である気筒番号nの気筒11に対応するカウンタ値、例えば第1気筒(図1中に#1で示す気筒)に対応するゼロに設定される(ステップS21)。
次いで、エンジン10の始動後の所定の運転状態か、例えば冷却水温が所定温度(例えば70°C)以下であって、所定の負荷範囲(毎秒の吸気量が例えば15〜50g程度)内であり、かつ、エンジン回転数が所定回転数範囲(例えば、1500〜2000rpm程度)内にあるか否かが判定される。この判定は、触媒コンバータ40による排気浄化のために気筒11内の燃焼空燃比が理論空燃比に追従するように空燃比フィードバック補正が開始されているか否かの判定に相当する。
このとき、エンジン10の始動後の所定の運転状態であれば(ステップS22でYESの場合)、次いで、気筒別増量補正を実行しない運転状態下で、現在の対象気筒である第1気筒についての運転データ、特に回転変動に関連するクランク角センサ52の出力値等の特定データが収集される(ステップS23)。
次いで、現在の対象気筒11に対する気筒別増量補正を実行する運転状態下で、その対象気筒、例えば第1気筒についての運転データ、特に回転変動に関連するクランク角センサ52の出力値等の特定データが収集される(ステップS24)。
そして、気筒別増量補正を実行しない運転状態下における対象気筒11についての回転速度差ΔωnであるΔωnaと、気筒別増量補正を実行する運転状態下における対象気筒11についての回転速度差ΔωnであるΔωnbとが算出された後(ステップS25)、それらの差値(Δωna−Δωnb)から、燃料供給量増量補正の前後における角速度差Δωnの変化量dΔωnが算出される(ステップS26)。
次いで、この角速度差Δωnの変化量dΔωnが第1の所定値γ以下であるか否かが判別され(ステップS27)、その判別結果がYESであれば、次いで、この変化量dΔωnが第1の所定値γ以下であるか否かが判別される(ステップS28)。
そして、角速度差Δωnの変化量dΔωnが第1の所定値γを超えていれば、空燃比ずれがリッチ側に外れた空燃比異常状態(図7中の「リッチ異常」)と判定され(ステップS29)、角速度差Δωnの変化量dΔωnが第1の所定値γを超えていれば、空燃比ずれがリーン側に外れた空燃比異常状態(図7中の「リーン異常」)と判定される(ステップS30)。
次いで、気筒カウンタCTが今回の判定対象である気筒番号nの気筒11に対応するカウンタ値から、次の対象気筒に対応するカウンタ値CT+1に設定される(ステップS31)。そして、そのカウンタ値CTが4となり、エンジン10の全筒数に対するリーンインバランス検出の処理が完了すると(ステップS32でYESの場合)、今回の一連の検出処理が終了する。
図10は、上述のような制御が実行される際のエンジン10のエンジン回転数(運転状態)、そのエンジン10の気筒別増量補正実行フラグの設定時期、サブフィードバック学習値のオフセット時期、および、そのオフセット後のサブフィードバック学習値の変化を例示するものである。
同図に示すように、エンジン10を登載したハイブリッド車両では、エンジン10と共にハイブリッド駆動装置を構成する電動機のみによる走行駆動が可能であり、エンジン10は間欠運転されるが、ECU50の電源投入状態は現トリップ中維持される。
また、始動後、一定の時間が経過すると、気筒別増量補正の実行フラグがセットされ、気筒別増量補正が実行される。そして、その気筒別増量補正が実行されることを条件に、ハイブリッド車両の現トリップ中におけるリーンインバランス気筒発生時に、サブフィードバック学習値がリーン側に1回オフセットされる。
上述のように、本実施形態においては、リーンインバランス気筒が発生すると、サブフィードバック学習値の記憶値がリーン側にオフセットされる。したがって、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれていたとしても、始動暖機時等に触媒コンバータ内の排気空燃比がリッチ側に過補正されるのを防止することができ、触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することができる。
また、エンジン10の燃料供給量を気筒別に変化させたときのエンジン回転速度の変化量に基づいて、ECU50がリーンインバランス気筒(空燃比異常気筒)が発生したことを検出するので、インジェクタ26等の燃料噴射量を制御する手段やクランク角センサ52等の既存のセンサを活用して、比較的容易に空燃比ずれ気筒を精度良く検出することができる。
しかも、本実施形態では、対象気筒に対する燃料供給量を増量する前のその対象気筒の燃焼時におけるエンジン回転変動量と、特定の対象気筒に対する燃料供給量を増量した後のその対象気筒の燃焼時におけるエンジン回転変動量とに基づいて、リーンインバランス気筒が発生したことが検出される。したがって、事前の気筒別増量補正等によって空燃比ずれ気筒検出の対象気筒を少数に絞ることができる場合には、より迅速にかつ的確に、空燃比異常の空燃比ずれ気筒を精度良く検出できる。
特に、本実施形態では、空燃比ずれ気筒に対して、燃料供給量を増量してエンジン回転変動量を縮小させる気筒別増量補正を実行するとともに、その気筒別増量補正の実行を条件に、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせるので、気筒別増量補正のような既存の処理を利用して、空燃比ずれ気筒の空燃比ずれ方向やそのずれ量を精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、ECU50によってリーンインバランス気筒の発生が検出されたことを条件に、サブフィードバック学習値の記憶値がエンジン10の運転継続中に1回だけリーン側にオフセットされる。したがって、空燃比ずれ気筒が再度発生しても、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせる処理は、エンジン10の運転が継続されている間、例えばそのエンジン10を搭載した車両の走行中は、1回だけに制限される。したがって、誤作動が生じてもその影響を低く抑えることができる。
さらに、本実施形態では、第2の空燃比センサ44に対するリーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りの強さが判定され、そのガス当りの強さに応じて、サブフィードバック学習値のリーン側へのオフセット量が可変設定される。したがって、リーンインバランス気筒からの排気ガスのガス当りによって第2の空燃比センサ44の出力が過度にリーン側に偏ってしまうのを抑制し、サブフィードバック学習値が過度にリッチ側に設定されてしまうのを防止できる。
加えて、本実施形態の空燃比制御装置では、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせたことを条件に、サブフィードバック補正量に応じてサブフィードバック学習値のリーン側へのオフセット量を減じる復帰処理が実行されるので、空燃比ずれ気筒の発生時にリーン側にオフセットさせたサブフィードバック学習値の記憶値を徐々にサブフィードバック補正量に応じた学習値に戻すことができる。したがって、空燃比ずれ気筒の発生に対する何らかの対処がなされた後は、現在のサブフィードバック補正量に応じた本来の学習値に戻すことができる。
また、その復帰処理が実行されるときにサブフィードバック補正量の一定量の変化に応じてサブフィードバック学習値が変化する速度は、復帰処理が実行されないときにサブフィードバック補正量の一定の変化に応じてサブフィードバック学習値が変化する速度より小さくなる。例えば、サブフィードバック制御のフィードバックゲインを可変設定することで、復帰処理時のサブフィードバック学習値の変化の速度を通常のサブフィードバック学習制御によるサブフィードバック学習値の変化の速度より遅くすることができる。したがって、空燃比ずれ気筒の影響を確実に回避しつつ通常のサブフィードバック制御状態に徐々に移行させることができる。
本実施形態では、さらに、エンジン10が電動機とともにハイブリッド走行駆動装置を構成し、ハイブリッド車両に搭載されるので、ハイブリッド車両の走行駆動源としてエンジン10とは別に電動機が使用でき、エンジン10の効率が低い始動暖機時に電動機を走行駆動用に使用し、学習処理等を安定的に実行することができる。したがって、エンジン10の始動暖機時に前述の学習処理や気筒別増量補正等の処理を安定して実行できる。
このように、本実施形態においては、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつくリーンインバランス気筒が発生すると、サブフィードバック学習値の記憶値がリーン側にオフセットされるようにしているので、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれていたとしても、始動暖機時等における触媒コンバータ内の排気空燃比がリッチ側に過補正されるのを防止することができ、触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することができるものである。
なお、上述の一実施系形態においては、エンジン10の少なくとも1つの対象気筒についてインバランス率を算出し、対象気筒について燃料噴射量の増量補正を実行したときと、その増量補正を実行しないときとでの回転変動の違いから、空燃比異常のリーンインバランス気筒に陥っているか否かの判定を行うようになっていたが、インバランス率は、このような推定方法に限定されるものではなく、例えば第1の空燃比センサ42の出力の周期的な変動とその特定区間における出力値変動の傾き等から推定することも考えられる。
以上説明したように、本発明は、目標空燃比に対する燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生すると、サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせることで、空燃比ずれの大きい気筒からの排気ガスの影響によってサブフィードバック学習値が適正値からずれていたとしても、始動暖機時等における触媒コンバータ内の排気空燃比がリッチ側に過補正されるのを防止することができる。その結果、触媒コンバータの排気浄化性能が低下してしまうことを確実に防止することができるという効果を奏する。このような本発明は、多気筒内燃機関の空燃比制御をメインフィードバック制御およびサブフィードバック制御により実行するとともに気筒間における空燃比のばらつきを抑制するのに好適な内燃機関の空燃比制御装置全般に有用である。
10 エンジン(内燃機関)
11 気筒(対象気筒、特定の気筒)
12 機関本体
14 燃焼室
16 点火プラグ
18 吸気枝管
19 サージタンク
20 吸気マニホールド
21 吸気通路
22 吸気管
23 エアクリーナ
24 エアフローメータ
25 スロットルバルブ
26 インジェクタ(燃料噴射弁)
30 排気マニホールド
32 排気枝管
34 集合管部
36 排気管
40 触媒コンバータ
42 第1の空燃比センサ(上流側の空燃比センサ、触媒前センサ)
44 第2の空燃比センサ(下流側の空燃比センサ、触媒後センサ)
50 ECU(空燃比ずれ気筒検出機構、空燃比制御装置、メインフィードバック制御手段、サブフィードバック制御手段、メインフィードバック学習制御手段、サブフィードバック学習制御手段)
52 クランク角センサ
54 水温センサ
56 アクセル開度センサ
dΔω、dΔωn 変化量
α 判定閾値
δ 第2の所定値
γ 第1の所定値
ΔT 回転時間差
Δω、Δωn 角速度差(回転速度差)

Claims (9)

  1. 排気浄化用の触媒コンバータが装備される多気筒の内燃機関の前記触媒コンバータより上流側の排気経路上で排気空燃比を検出する第1の空燃比センサと、前記触媒コンバータより下流側の排気経路上で排気空燃比を検出する第2の空燃比センサと、を備え、前記第1の空燃比センサの検出値に基づき前記内燃機関の各気筒に対する燃料供給量を補正して前記各気筒内の燃焼空燃比を目標空燃比に追従させるメインフィードバック制御と、前記第2の空燃比センサの検出値に基づき前記第1の空燃比センサの検出値を前記触媒コンバータ内の排気空燃比に一致するよう補正するサブフィードバック補正量を算出するサブフィードバック制御と、を実行するとともに、該サブフィードバック補正量に基づいて前記第1の空燃比センサの出力値と前記触媒コンバータ内の排気空燃比との間の定常的なずれを補正するためのサブフィードバック学習値を算出して記憶し、該サブフィードバック学習値の記憶値に基づいて前記第1の空燃比センサの出力値を補正するサブフィードバック学習制御を実行する内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記目標空燃比に対する前記燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生したことを条件に、前記サブフィードバック学習値の記憶値をリーン側にオフセットさせることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記内燃機関の燃料供給量を気筒別に変化させたときの前記内燃機関の回転速度の変化量に基づいて、前記目標空燃比に対する前記燃焼空燃比のずれ量が一定範囲内から外れてリーン側にばらつく空燃比ずれ気筒が発生したことを検出する空燃比ずれ気筒検出機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記空燃比ずれ気筒検出機構は、前記内燃機関の特定の気筒に対する燃料供給量を増量する前の該特定の気筒の燃焼時における前記内燃機関の回転変動量と、前記特定の気筒に対する燃料供給量を増量した後の該特定の気筒の燃焼時における前記内燃機関の回転変動量とに基づいて、前記空燃比ずれ気筒が発生したことを検出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記内燃機関の気筒別に前記燃料供給量を増量して前記内燃機関の回転変動量を縮小させる気筒別増量補正を実行するとともに、該気筒別増量補正を実行することを条件に、前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記リーン側にオフセットさせることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記空燃比ずれ気筒検出機構により前記空燃比ずれ気筒の発生が検出されたことを条件として、前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記内燃機関の運転継続中に1回だけ前記リーン側にオフセットさせることを特徴とする請求項2ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記第2の空燃比センサに対する前記空燃比ずれ気筒からの排気ガスのガス当りの強さを判定し、該ガス当りの強さに応じて、前記サブフィードバック学習値の前記リーン側へのオフセット量を可変設定することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 前記サブフィードバック学習値の記憶値を前記リーン側にオフセットさせたことを条件に、前記サブフィードバック補正量に応じて前記サブフィードバック学習値の前記リーン側へのオフセット量を減じる復帰処理を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 前記復帰処理が実行されるときに前記サブフィードバック補正量の一定量の変化に応じて前記サブフィードバック学習値が変化する速度は、前記復帰処理が実行されないときに前記サブフィードバック補正量の一定の変化に応じて前記サブフィードバック学習値が変化する速度より小さくなるようにしていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  9. 前記内燃機関が電動機とともにハイブリッド走行駆動装置を構成し、ハイブリッド車両に搭載されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017198169A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化システム

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