JP2013129687A - コークス炉の基礎構造および施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐荷重性、耐久性、および耐熱性を確保しつつ基礎構造をスリム化する。
【解決手段】底版4と、底版4に立設される複数の柱5と、柱5によって支持される炉床盤6とを含み、炉床盤6上に炉体2が設けられるコークス炉1の基礎構造3は、複数の柱5のうち基礎構造3の端部に位置する柱5と底版4との間に設けられる剛すべり支承部7を有する。基礎構造3は、剛すべり支承部7が設けられる柱5と底版4とを連結する補強部材8をさらに有してもよく、この場合、補強部材8は炉床盤6が熱膨張した状態で設置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、コークス炉の基礎構造および施工方法に関する。
コークス炉は、コークスを生成するための窯炉である。コークス炉の炉体の上部には炭化室と燃焼室とが交互に配列され、下部には蓄熱室が設けられる。コークスは、蓄熱室でそれぞれ予熱された燃焼ガスと燃焼用空気とを燃焼室で燃焼させ、発生した熱によって炭化室に装入された石炭を乾留することによって生成される。かかるコークス炉については、例えば特許文献1などに記載されている。
コークス炉の炉体は、主に耐火物で形成される。加えて、炉体は一般に大型であり、高さが10mを超える場合も多い。従って、炉体を支持する基礎構造には高い耐荷重性が求められる。また、コークス炉は、稼動を開始すると数十年間にわたって連続使用されるため、基礎構造には長期間にわたる耐久性も求められる。さらに、炉体で発生する熱は基礎構造にも及ぶため、この熱による部材の熱膨張などの影響に対する耐熱性も求められる。
従来のコークス炉の基礎構造は、地盤に固定される底版と、底版に立設される柱と、柱によって支持される炉床盤とを含み、炉床盤上に炉体が設けられる。ここで、炉床盤は、上記のように炉体で発生する熱の影響で熱膨張する。この熱膨張によって発生する応力が柱を介して底版に伝わり、結果として底版には大きな曲げモーメントが発生する。従って、底版は、この曲げモーメントに耐えうる構造、具体的には大きな厚みを有する構造とする必要があった。
特開平10−140161号公報
しかしながら、底版の厚みが増大すると、その分だけコークス炉の基礎構造を施工するときの掘削工事やコンクリート工事が大規模になり、工期や工費が増大する。また、基礎構造の重量が増大することによって、基礎構造を支える鋼管杭などの部材も、耐荷重性の高いものを用いる必要が生じる。それゆえ、底版を含むコークス炉の基礎構造は、可能な限りスリム化することが望ましい。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、耐荷重性、耐久性、および耐熱性を確保しつつ基礎構造をスリム化することが可能な、新規かつ改良されたコークス炉の基礎構造および施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、底版と、上記底版に立設される複数の柱と、上記柱によって支持される炉床盤とを含み、上記炉床盤上に炉体が設けられるコークス炉の基礎構造であって、上記柱のうち上記基礎構造の端部に位置する柱と上記底版との間に剛すべり支承部を設けたことを特徴とするコークス炉の基礎構造が提供される。
上記コークス炉の基礎構造は、上記剛すべり支承部が設けられる柱と上記底版とを連結する補強部材をさらに有し、上記補強部材は、上記炉床盤が熱膨張した状態で設置されてもよい。
上記剛すべり支承部は、上記柱と上記底版との間の水平方向の滑りを許容する滑動面を含んでもよい。
上記剛すべり支承部は、上記コークス炉の炉長方向と炉団長方向との間で滑りやすさが異なる第1の滑動面を有してもよい。
上記第1の滑動面は、上記炉団長方向の滑りを抑制する形状を有してもよい。
上記剛すべり支承部は、上記第1の滑動面とともに上下方向に配列され、上記炉長方向および上記炉団長方向の滑りやすさのうち少なくとも一方が上記第1の滑動面とは異なる第2の滑動面をさらに有してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、底版と、上記底版に立設される複数の柱と、上記柱によって支持される炉床盤とを含み、上記炉床盤上に炉体が設けられるコークス炉の基礎構造の施工方法であって、上記複数の柱のうち上記基礎構造の端部に位置する柱と上記底版との間に剛すべり支承部を設け、上記炉床盤が上記炉体で発生する熱によって膨張した後に、上記剛すべり支承部が設けられる柱と上記底版とを補強部材によって連結することを特徴とする施工方法が提供される。
上記の構成において、剛すべり支承部は滑動面の安定的な面接触によって柱から底版に垂直方向の荷重を伝達するため、基礎構造の耐荷重性および耐久性が確保される。一方で、剛すべり支承部は底版に対する柱の水平方向の変位を許容するため、熱膨張による炉床盤の水平方向の変位が拘束されず、発生する熱応力が小さくなる。従って、底版に発生する曲げモーメントは剛すべり支承部が設けられない場合に比べて小さくなる。それゆえ、底版の厚みを小さくすることができ、結果として基礎構造のスリム化が可能になる。
以上説明したように本発明によれば、耐荷重性、耐久性、および耐熱性を確保しつつ、コークス炉の基礎構造をスリム化することができる。これによって、例えばコークス炉の基礎構造を施工するときの掘削工事やコンクリート工事を小規模化でき、工期や工費を節約できる。また、基礎構造を支える鋼管杭などの部材も、耐荷重性が比較的低いもので十分になる。
本発明の一実施形態に係るコークス炉の基礎構造の断面図である。 図1のコークス炉の基礎構造の側面図である。 剛すべり支承部の他の第1の構成例を示す図である。 剛すべり支承部の他の第2の構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(1.コークス炉の基礎構造)
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るコークス炉の基礎構造について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコークス炉の基礎構造の断面図である。図2は、図1のコークス炉の基礎構造の断面図である。なお、図1のA−A線に沿って見た図が図2にあたり、図2のB−B線に沿って見た図が図1にあたる。
コークス炉1は、炉体2と基礎構造3とを含む。炉体2は、上述のように石炭を乾留してコークスを生成するための炭化室、燃焼室、および蓄熱室などを含む。なお、この実施形態において炉体2は任意の構成とすることが可能であるため、図では概略的に外形を示している。炉体2は、炭化室と燃焼室とが交互に配列される方向に延びる。炉体2が延びる方向を、図2に示すように炉団長方向という。一方、炉団長方向と直交する方向を、図1に示すように炉長方向という。炉体2を支持する基礎構造3も、炉体2と同様に、炉団長方向に延びる。
基礎構造3は、底版4と、柱5と、炉床盤6と、剛すべり支承部7と、耐震壁8とを含む。底版4は、鋼管杭などによって地盤に固定され、基礎構造3全体を支持する。柱5は、底版4上に立設され、炉床盤6を支持する。一部の柱5と底版4との間には、剛すべり支承部7が介される。図1に示される例では、炉長方向に4本の柱5a〜5dが配置され、これが図2に示すように炉団長方向に配列される。なお、炉長方向に配置される柱5の数は4本には限られず、例えば5本や6本など、3本以上の任意の数とすることが可能である。柱5の上には炉床盤6が設けられ、その上に炉体2が設けられる。柱5と炉床盤6との間には、炉体2にガスなどを供給するための配管9が設けられる。また、基礎構造3には、炉体で発生する排ガスの流路である煙道10も設けられる。なお、配管9および煙道10の配置および構成は、図示された例に限られず任意である。
剛すべり支承部7は、底版4と柱5との間に設けられる略水平方向の滑動面7a,7bを含む支承部である。剛すべり支承部7は、図1に示される4本の柱5a〜5dのうち、基礎構造3の端部に位置する2本の柱5a,5dと底版4との間にそれぞれ設けられている。剛すべり支承部7が設けられる柱5a,5dと底版4との間には、耐震壁8が設けられる。耐震壁8は、柱5と底版4とを連結する補強部材である。
(剛すべり支承部について)
ここで、剛すべり支承部7について、さらに説明する。剛すべり支承部7では、略水平方向の滑動面7a,7bによって、柱5から底版4に垂直方向の荷重が伝達される一方で、底版4に対する柱5の水平方向の変位が許容される。例えば、滑動面7aはステンレス鋼(SUS)で形成され、滑動面7bはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成される。なお、SUSまたはPTFEのいずれかで滑動面7a,7bの両方を形成してもよいし、また滑動面7a,7bは支承部の滑動面に用いられうる他の材質で形成されてもよい。剛すべり支承部7は、図示されているように平坦な形状を有する1組の滑動面7a,7bを含んでもよいし、後述するように、形状が平坦ではない滑動面、および複数の滑動面を含んでもよい。
上記のように、剛すべり支承部7は、滑動面7a,7bを有する構成によって、例えば、ローラーを用いた可動支承部に比べて、荷重が面に均等に作用するため長期間にわたって変形しにくい、SUSやPTFEなど耐食性の材質が用いられるため腐食によって滑りやすさが変化する可能性が低い、材質の選択によって滑りやすさを変化させることが容易である、といった利点を有する。
続いて、剛すべり支承部7の作用について説明する。コークス炉1でコークスの生成が開始されると、炉体2で発生する熱が炉床盤6に伝わり、炉床盤6は熱膨張する。従来のコークス炉の基礎構造では、底版と柱との間がすべて剛結されているため、炉床盤の熱膨張による水平方向の変位はすべて拘束されることになり、特に炉長方向の両端部において大きな熱応力が発生していた。この熱応力が柱を介して底版に伝わり、底版には大きな曲げモーメントが発生していた。
一方、この実施形態に係る基礎構造3では、柱5のうち端部の2本の柱5a,5dについて、底版4との間に剛すべり支承部7が設けられている。上記のように剛すべり支承部7では、多少の摩擦力は作用するものの、底版4に対する柱5の水平方向の変位が許容される。そのため、炉床盤6の熱膨張による水平方向の変位は、柱5a,5dが設けられる端部では拘束されない。結果として、熱応力によって底版4に発生する曲げモーメントは大幅に減少する。
炉床盤6の熱膨張による変位を許容して熱応力を小さくするためには、例えば柱5の上部や、柱5と炉床盤6との間に可動支承を設けることも考えられる。しかしながら、炉床盤6に近い位置に設置される可動支承は、炉床盤6と同様に炉体2で発生する熱の影響を受ける。従って、可動支承の材質を熱の影響を受けないものにするか、別途の冷却手段を設ける必要が生じる。また、柱5と炉床盤6との間の配管9が配置される部分に可動支承が設けられると、柱5と炉床盤6との間に滑りが生じることによって配管9が折損または破損することを防ぐ構造が必要になる。従って、剛すべり支承部7のように、柱5の中間部または下部に可動支承を設けることには利点がある。
なお、本明細書における「基礎構造3の端部」とは、図1に示すように炉長方向で見た場合に、基礎構造3の端にあたる部分である。基礎構造3の端部では、炉床盤6の熱膨張による水平方向の変位が中心部に比べて大きくなり、従って柱5を底版4に剛結して炉床盤6の変位を拘束した場合に発生する熱応力も大きくなる。基礎構造3では、かかる端部において底版4と柱5との間に剛すべり支承部7を設けることによって、熱応力によって底版4に発生する曲げモーメントを減少させている。
つまり、基礎構造3では、炉床盤6の水平方向の変位を拘束した場合に発生する熱応力が中心部に比べて相対的に大きい部分に位置する柱5と底版4との間に剛すべり支承部7を設けることによって底版4に発生する曲げモーメントの減少が実現されている。従って、「基礎構造3の端部に位置する柱5」は、必ずしも図示された例のように両端の1本ずつの柱5だけを指すわけではない。例えば、他の実施形態では、柱が炉長方向に6本配置され、両端の2本ずつの柱について、底版との間に剛すべり支承が設けられてもよい。
(補強部材について)
続いて、補強部材である耐震壁8について、さらに説明する。耐震壁8が設けられない場合、剛すべり支承部7では、柱5にかかる水平方向の荷重は、滑動面7a,7bにおける摩擦力によって負担される。つまり、剛すべり支承部7が設けられる場合、柱5にかかる水平方向の荷重に対する耐荷重性は、柱5が底版4に剛結される場合に比べて低下する。通常の状態では柱5には主として垂直方向の荷重が作用するため特に問題はないが、例えば地震が発生した場合には、水平方向にも大きな荷重が作用する。そこで、基礎構造3では、剛すべり支承部7に加えて補強部材として耐震壁8を設け、底版4と柱5とを連結することで、水平方向の耐荷重性を補強している。なお、水平方向の耐荷重性は基礎構造3の全体として現れるものであるため、図示された例のように剛すべり支承部7は設けられるが耐震壁8は設けられない箇所があってもよく、また剛すべり支承部7は設けられないが耐震壁8は設けられる箇所があってもよい。
この実施形態において、補強部材である耐震壁8は、柱5に当接するように底版4上に設けられる炉団長方向の壁状の部材である。耐震壁8は、底版4および柱5のそれぞれに鉄筋などによって固定される。なお、耐震壁8は、図2に示されるように炉団長方向で隣接する2本の柱5の間に設けられてその両方に固定され、2箇所の剛すべり支承部7の補強に共用されてもよい。また、図示されているように、耐震壁8などの補強部材は、必ずしも剛すべり支承部7のすべてについて設けられる必要はない。剛すべり支承部7でも、滑動面7a,7bにおける摩擦力を調整することによって、ある程度の水平方向の耐荷重性を得ることは可能である。これに、剛すべり支承部7が設けられない部分での通常の耐荷重性を合わせて、基礎構造3全体として必要な水平方向の耐荷重性が確保されれば、補強部材が剛すべり支承部7の一部にだけ設けられる、または全く設けられない構成とすることも可能である。
また、基礎構造3に設けられる補強部材は、必ずしも耐震壁8には限られない。例えば、補強部材は、耐震壁8のような壁状の部材には限られず、底版4と柱5とにそれぞれ連結することが可能な面を有するものであれば、形状および材質は任意である。また、補強部材は、柱5の一方の面だけではなく両面に設けられてもよい。補強部材と底版4および柱5との連結方法も、任意に選択されうる。例えば、補強部材がコンクリート製の場合、底版4と柱5とからそれぞれ突出した鉄筋に補強部材のコンクリートを打設することで、底版4と柱5とが連結されうる。また、補強部材が金属製の場合、補強部材を底版4と柱5とにそれぞれボルト接合することで、底版4と柱5とが連結されうる。
なお、この実施形態において、耐震壁8などの補強部材の設置は、炉体2内での燃焼が開始され、その熱によって炉床盤6が熱膨張した後に行われる。これは、補強部材の設置後に炉床盤6が熱膨張すると、柱5の変位によって補強部材に応力が集中するためである。炉床盤6が一旦熱膨張した後であれば、上述のようにコークス炉は長期間にわたって連続使用されるため、それ以上の柱5の変位は少なく、補強部材に過度の応力は発生しない。基礎構造3の耐震性を確保する目的のためには、例えば柱にダンパやばねなどの緩衝手段を設けてもよいが、上記のようなコークス炉の特性を考慮すると、耐震壁8のような補強部材を設置する方が、部材が安価であり施工も容易である。
補強部材の設置方法の例として、例えば、補強部材がコンクリート製の場合であれば、底版4および柱5のコンクリート打設時に予め鉄筋を突出させておき、炉床盤6の熱膨張後にその鉄筋に補強部材のコンクリートを打設する、あるいは、炉床盤6の熱膨張後に底版4および柱5のコンクリートに鉄筋を後打ちして補強部材のコンクリートを打設する。また、補強部材が金属製の場合であれば、例えば補強部材に設けられるボルト穴に遊びをもたせておき、炉床盤6の熱膨張後に底版4および柱5との間でボルトを緊締する。
(2.剛すべり支承部の他の構成例)
次に、図3および図4を参照して、本発明の実施形態に係る剛すべり支承部の他の構成例について説明する。図3は、剛すべり支承部の他の第1の構成例を示す図である。図4は、剛すべり支承部の他の第2の構成例を示す図である。
(第1の構成例)
図3には、第1の構成例に係る剛すべり支承部17が示されている。剛すべり支承部17には、1組の滑動面17a,17bが設けられる。図示された例では、滑動面17aはSUSで形成されており、滑動面17bはPTFEで形成されている。滑動面17a,17bは、図示されているように、炉団長方向について断面が山型になった形状を有する。この形状は、炉団長方向に形成された傾斜によって、滑動面17a,17bにおける炉団長方向の滑動を炉長方向に比べて抑制する形状である。上述のように、剛すべり支承部は、主に炉長方向への柱5の変位を許容するために設けられるものであるため、剛すべり支承部17では上記のような構造によって炉団長方向の滑動を抑制し、地震時などの水平荷重に対する耐荷重性を向上させている。
(第2の構成例)
図4には、第2の構成例に係る剛すべり支承部27が示されている。剛すべり支承部27には、上下方向に配列される2組の滑動面27a,27bおよび滑動面27c,27dが設けられる。上側の滑動面27a,27bは、いずれもSUSで形成されている。一方、滑動面27cはSUSで形成されており、滑動面27dはPTFEで形成されている。また、滑動面27c,27dは、図示されているように、炉団長方向について断面が凹凸になった形状を有する。この形状は、炉団長方向にはすべり面の両面が噛合していることで、炉団長方向の滑動を実質的に拘束する形状である。
一方、滑動面27a,27bは、水平方向に平坦な形状を有する。また、いずれもSUSで形成される滑動面27a,27bの間の摩擦係数は、SUSおよびPTFEでそれぞれ形成される滑動面27c,27dの間の摩擦係数よりも大きい。つまり、剛すべり支承部27では、滑動面27a,27bでは炉長方向および炉団長方向の両方で比較的大きな摩擦力を加えつつ変位を許容するとともに、滑動面27c,27dでは炉長方向に鉤って比較的小さい摩擦力でも変位を許容している。
以上の2つの例のように、本発明の実施形態に係る剛すべり支承部では、滑動面の数、形状、および材質などを選択することによって、炉長方向および炉団長方向のそれぞれへの滑りやすさを任意に調整する、すなわち滑りやすさに異方性をもたせることが可能である。上記のように、この異方性は、炉長方向をよりすべりやすく、炉団長方向をより滑りにくくするために用いられる。これによって、炉床盤の熱膨張の影響が大きい炉長方向については摩擦力を小さくして変位を容易にしつつ、そうではない炉団長方向については摩擦力を大きく、または変位を拘束して水平方向の耐荷重性を確保し、補強部材の設置を最小限に抑えることが可能である。
続いて、本発明の実施例について説明する。本実施例では、上記の実施形態に係る基礎構造3を有するコークス炉1を施工した。その結果、剛すべり支承部7を設けない従来のコークス炉の基礎構造に比較して、底版4の厚みを約2/3にすることができ、本発明によって基礎構造のスリム化が実現されることが実証された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 コークス炉
2 炉体
3 基礎構造
4 底版
5 柱
6 炉床盤
7,17,27 剛すべり支承部
8 耐震壁

Claims (7)

  1. 底版と、前記底版に立設される複数の柱と、前記柱によって支持される炉床盤とを含み、前記炉床盤上に炉体が設けられるコークス炉の基礎構造であって、
    前記柱のうち前記基礎構造の端部に位置する柱と前記底版との間に剛すべり支承部を設けたことを特徴とするコークス炉の基礎構造。
  2. 前記剛すべり支承部が設けられる柱と前記底版とを連結する補強部材をさらに備え、
    前記補強部材は、前記炉床盤が熱膨張した状態で設置されることを特徴とする、請求項1に記載のコークス炉の基礎構造。
  3. 前記剛すべり支承部は、前記柱と前記底版との間の水平方向の変位を許容する滑動面を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のコークス炉の基礎構造。
  4. 前記剛すべり支承部は、前記コークス炉の炉長方向と炉団長方向との間で滑りやすさが異なる第1の滑動面を有することを特徴とする、請求項3に記載のコークス炉の基礎構造。
  5. 前記第1の滑動面は、前記炉団長方向の滑りを抑制する形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のコークス炉の基礎構造。
  6. 前記剛すべり支承部は、前記第1の滑動面とともに上下方向に配列され、前記炉長方向および前記炉団長方向の滑りやすさのうち少なくとも一方が前記第1の滑動面とは異なる第2の滑動面をさらに有することを特徴とする、請求項4または5に記載のコークス炉の基礎構造。
  7. 底版と、前記底版に立設される複数の柱と、前記柱によって支持される炉床盤とを含み、前記炉床盤上に炉体が設けられるコークス炉の基礎構造の施工方法であって、
    前記複数の柱のうち前記基礎構造の端部に位置する柱と前記底版との間に剛すべり支承部を設け、
    前記炉床盤が前記炉体で発生する熱によって膨張した後に、前記剛すべり支承部が設けられる柱と前記底版とを補強部材によって連結することを特徴とする施工方法。
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