JP2013128654A - 中空糸膜型加湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加湿時における騒音の発生をなくし、水中に発生した菌を患者側に流出する事態を完全に阻止するとともに、容器内の水は満水状態から容器の底部近傍まで減少しても加湿機能を有効に発揮させ、しかも、中空糸膜モジュールのメンテナンス等も簡便に行えるようにする。
【解決手段】この中空糸膜型加湿装置は、水Wを充填する容体1に気体流入口10と気体流出口11を有する蓋体2が着脱自在に被蓋され、この容体1内の底部1aに水Wに可能な限り浸漬できる扁平形状の中空糸膜モジュール3が設置され、この中空糸膜モジュール3の入口15と気体流入口10とが接続され、かつ中空糸膜モジュール3の出口16と気体流出口11とが接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に、呼吸器疾患患者の酸素療法等に使用される呼吸器気体用の中空糸膜型加湿装置に関する。
一般に、酸素療法による酸素ガスは、酸素ボンベから供給する場合や、空気を圧力吸着法により濃縮した酸素ガスを使用する場合などがある。
これらの酸素ガスは、水分を含有しない乾燥した状態であるから、この酸素ガスをそのまま患者に吸入すると、患者の鼻腔が乾燥するので、患者にとっては逆に悪影響を及ぼすおそれがあるため、通常は、この酸素ガスを加湿器により加湿し、加湿された酸素ガスを吸入するようにしている。
一般に、実施されている加湿手段には、バッフル型加湿器とパスオーバ型加湿器とがあり、前者は、酸素ガスを水中の多孔質体を使用して、酸素ガスを水中に吹き込みバブリングする加湿器であり、後者は、酸素ガスを水面上に通過させることにより酸素ガスに水分を同伴させて蒸気圧分の加湿を行う加湿器である。
これらの加湿器が通常使用されているが、必ずしも酸素療法などには適しておらず、次のような問題点を有している。すなわち、これらの加湿器によると、加湿器内の水中に菌が繁殖した場合、患者側が酸素ガスとともに菌も同時に吸入することになり、また、バブリング等による気泡発生音が発生するため、騒音の原因となる等の問題点を有している。
これらの問題点に対応するため、これまで、次のような改善案が提案されている。まず、特開2000−271222号公報に開示されている対応手段は、流入口と流出口を有する水を入れた容器内の水収納領域上に空間部を設け、流入口に接続したパイプの水領域内を透湿膜または多孔質体とし、この透湿膜または多孔質体の他端を空間部に配置したオリフィスに接続し、また、透湿膜または多孔質体をパイプより着脱するようにしたものである。
この場合、酸素富化空気が小流量時には、透湿膜または多孔質体の加湿パイプにより加湿された空気は、空間部に排出されて流出口より供給される。一方、大流量時には、透湿膜または多孔質体の小孔から空気が水中に漏れ出し、漏れ出した空気は、微細な気泡となって飽和水蒸気近くまで加湿されて空間部に溜まり、一方、オリフィスから空間部に流出した空気と空間部に溜まっている空気とが混合されて流出口より加湿空気が供給される。
他の対応手段としては、特開平8−266631号公報が提案されている。この加湿装置は、容器に設けた入口と出口に、U字形状の中空糸膜束を接続し、この中空糸膜束の一面に容器内の水を接触させ、他方の面に呼吸用に組成が調整された気体を流通させることにより細菌を阻止しつつ気体の加湿を行うようにしたものである。
上記の二つの改善策であっても、次のような課題点を依然として有している。すなわち、前者の装置(特許文献1参照)は、大流量の酸素富化空気を供給すると、水中に気泡が発生して空間部に至るため、水中に菌が繁殖した場合、酸素の供給と共に患者側に流出してしまい、また、騒音の発生も避けられないばかりでなく、容器内には空間部を必要とするため、容器に水を満水状態に充填することはできない。
また、透湿膜または多孔質体は、パイプ形状であり、中空糸膜束と比較して膜表面積が少ないため、加湿性が劣るため、微細な気泡とオリフィスから流出した空気とを混合させて加湿量を増大させなければならない。仮に、この装置の加湿パイプを中空糸で形成した場合、この中空糸は、水より比重の軽い材料であるから、膜が水により浮き上がり水面の管理が困難になるとともに、容器内の水が少なくなると、膜が水から露出し、加湿機能が有効に発揮されない等の課題点を有している。
後者の装置(特許文献2参照)は、容器内に充填した水が、減少して水位の低下により中空糸膜表面が容器の空間領域に露出した場合、水との接触面積が変化するため、加湿量も変動するおそれがある。また、疎水性多孔質の中空糸膜を使用した場合、膜が容器内の水面から露出すると、供給側の空気が多孔質膜の細孔を通過し、そのまま出口側の中空糸膜の細孔に入るため、中空糸膜の内側を通過できず、加湿性能が著しく低下してしまう等の課題点を有している。
特開2000−271222号公報 特開平8−266631号公報
本発明は、上記の課題点を解決するために開発に至ったものであり、その目的とするところは、加湿時における騒音の発生をなくし、水中に発生した菌を患者側に流出する事態を完全に阻止するとともに、容器内の水は満水状態から容器の底部近傍まで減少しても加湿機能を有効に発揮させ、しかも、中空糸膜モジュールのメンテナンス等も簡便に行えるようにすることにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、水を充填する容体に気体流入口と気体流出口を有する蓋体を着脱自在に被蓋し、この容体内の底部に水に可能な限り浸漬できる扁平形状の中空糸膜モジュールを設置し、この中空糸膜モジュールの入口と前記気体流入口とを接続し、かつ中空糸膜モジュールの出口と前記気体流出口とを接続したことを特徴とする中空糸膜型加湿装置とした。
請求項2において、前記中空糸膜モジュールは、ポッティング部を介して入口と出口を有する中空糸膜束をU字形状に形成し、この中空糸膜束を少なくとも1個以上の貫通穴を有するケース体に収納し、このケース体の上部に前記入口と出口にそれぞれ連通する入口継手部と出口継手部を設け、当該中空糸膜モジュールを全体的に扁平形状に構成して容体内の水に可能な限り浸漬できるようにした中空糸膜型加湿装置である。
請求項3に係る発明は、前記入口継手部と出口継手部とを連通チューブを介して前記蓋体の気体流入口と気体流出口とを着脱自在に設けた。
請求項4に係る発明は、U字形状の中空糸膜束は、容体の底部に対して横置きタイプとするか、または扁平のU字形をなした縦置きタイプとした中空糸膜型加湿装置である。
請求項5に係る発明は、前記横置き及び縦置きタイプの中空糸膜束のポッティング部を1回のポッティング工程で同一方向に設けるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、前記中空糸膜モジュールの中空糸膜は、水蒸気に対して透湿性を有し、水に対して阻止性を有する疎水性多孔質膜で成形した中空糸膜型加湿装置である。
請求項7に係る発明は、前記中空糸膜モジュールの中空糸膜は、水蒸気に対して透過性を有する非多孔質膜で形成した中空糸膜型加湿装置である。
本発明によると、加湿時において、騒音の発生は、皆無であり、仮に、水中に菌が繁殖した場合であっても、患者側に菌が流出するおそれは全くない。しかも、従来品は、容器内に空間部を有した状態で水を入れる必要があったが、本発明は、容器内に満水状態にすることができるばかりでなく、扁平形状の中空糸膜モジュール自体を容体の底部に載置した状態で使用可能であるから、完全に中空糸膜モジュールを水に浸漬することにより、水位変化が生じても安定した加湿空気が得られ実用的価値の高い加湿装置を提供することができる。
また、U字形状の中空糸膜モジュールをケース体に収納し、2か所のポッティング部を同一方向にすることにより、ポッティング工程を1回に簡略化することが可能となる。
しかも、中空糸膜束をU字形に横方向にするか又は扁平形のU字形にして、この中空糸膜束を例えば四角形、楕円形、円形等に形成したケース体に収納することにより、狭い空間でも十分な膜面積が得られ、加湿性能の良好な装置を得ることができる。
ケース体には、少なくとも1個以上の貫通穴を設けているから、中空糸膜が、容体内の水に確実に接触する状態にあるため、安定した加湿性能を有する加湿装置を得ることができる。
さらに、ケース体の上部に流入継手部と流出継手部を設け、これらの継手部は、容体の上方に向かって設置されているので、容体内の径方向へのスペースを省略でき、また、連通チューブを着脱できるので、メンテナンスや、取り換え作業が簡便に行えると共に、中空糸膜束をケース体に収納しているので、交換時の膜切れ及び膜の浮き上がりによる加湿能力低下を確実に防止することができるため、極めて実用価値が高い。
本発明の中空糸膜型加湿装置の第1実施形態を示す中央縦断面図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 (a)は中空糸膜モジュールの平面図である。(b)は中空糸膜モジュールの側面図である。(c)は(a)のC−C断面図である。 本発明の中空糸膜型加湿装置の第2実施形態を示す中央縦断面図である。 図5における中空糸膜モジュールを示した模式断面図である。 図5のD−D断面図である。 中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式図である。(a)は膜束挿入工程を示す模式図である。(b)はポッティング材注入工程を示す模式図である。 ポッティング後の中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式図である。(a)は硬化工程を示す模式図である。(b)はスライス工程を示す模式図である。(c)はキャップ接着工程を示す模式図である。(d)はキャップ接着後の状態を示す模式図である。 加湿性能試験の結果を示したグラフである。
本発明における中空糸膜型加湿装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1においては、本発明の中空糸膜型加湿装置の第1実施形態を示しており、図2に図1のA−A断面図、図3に図1のB−B断面図を示している。この実施形態における中空糸膜型加湿装置は、呼吸器用気体加湿器用の気体の供給路の一部として配設され、水を充填するための容体1、この容体1を被蓋するための蓋体2、容体1内の底部3に配置される中空糸膜モジュール3を有している。
容体1は、例えば、樹脂材料により形成され、呼吸器用気体である水Wが充填される。蓋体2は、容体1と同様に例えば樹脂材料により形成され、容体1の開口部1bに嵌合や螺着等の適宜の手段によりパッキン5を介して着脱可能になっており、この蓋体2の装着により容体1が被蓋される。蓋体2には気体流入口10と気体流出口11とが設けられ、気体流入口10を介して外部より容体1内に気体Gを流入可能であり、気体流出口10を介して中空糸膜モジュール3により加湿処理された気体Gを外部に流出可能になっている。容体1や蓋体2、及び中空糸膜モジュール3を構成している後述のケース体12は、例えば、透明材料により形成される。これにより、外部から中空糸膜モジュール3の状態を確認可能になっている。
図4において、中空糸膜モジュール3は、内部に中空糸膜13を有し、この中空糸膜13は、U字形状に折り曲げられた状態で、ポッティング部14を介して気体Gの入口15と出口16とを有する中空糸膜束17として形成される。ポッティング部14は、入口15及び出口16を形成するために中空糸膜束17の両端2箇所に設けられ、本実施形態では、上記したようにこのポッティング部14がU字形状に折り曲げられた中空糸膜束17の同一方向に設けられている。
中空糸膜13は、水蒸気に対して透過性を有し、水Wに対して阻止性を有する特性を備え、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1等のオレフィン系中空糸やポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素中空糸などの疎水性多孔質膜で成形されている。又、中空糸膜13は、水蒸気透過性を有する非多孔質膜でもよく、その材料としては、ポリマー鎖内に親水基を持つ透湿性ウレタン、ポリマー鎖内に塩基又は酸基を有するイオン交換ポリマー等が挙げられる。この中空糸膜13の外周面を水Wに接触させ、内部に気体Gを流すことにより、水側界面から蒸発した水蒸気のみが内部に透過して加湿された気体Gが得られる。疎水性多孔質膜の中空糸膜モジュール3の仕様としては、例えば、中空糸膜13の本数が260本、膜面積が0.03mになっている。さらに、中空糸膜13の図示しない孔は、細菌類の透過を確実に防ぐ孔径0.01μm以上、好ましくは0.05〜1.0μmの雑菌除去のためには0.2μm以下が好ましい。
中空糸膜束17は、ケース体12に収納された状態で容体1内に置かれ、その際、このU字形状の中空糸膜束17を、容体1の底部1aに対して横置きタイプとするか、または扁平のU字形をなした縦置きタイプとすることが可能であり、本実施形態では、図1、図2に示すように、中空糸膜束17を横方向にU字状に配設した横置きタイプとしている。横置きタイプの中空糸膜モジュール3では、図3、図4に示すように、後述する入口継手部18、出口継手部19がケース体12の垂直方向に配置されている。
図4において、中空糸膜束17を収納するケース体12は、箱型形状に形成され、内部に収納部20を有している。ケース体12には、この収納部20に外部から連通する少なくとも1個以上の貫通穴21が設けられ、本実施形態では図4(a)、図4(c)に示すように、ケース体12の表裏面側にそれぞれ6個の円形の貫通穴21が形成されている。
ケース体12は、中空糸膜束17を収納するための収納体22と、入口継手部18、出口継手部19を有するキャップ体23とを有し、収納部22のポッティング部14側、キャップ体23の取付け側には互いに嵌合する段差部がそれぞれ設けられ、これらを嵌合することで収納体22とキャップ体23とが一体化されてケース体12が得られる。キャップ体23には、収納体22への取付け方向に対して垂直方向となる入口継手部18、出口継手部19がそれぞれ設けられ、ケース体12を構成した場合には、図1、図2、図4(b)に示すように、中空糸膜モジュール3の設置時において、ケース体12の上部に中空糸膜束17の入口15、出口16にそれぞれ連通するように入口継手部18、出口継手部19が配設される。このように入口継手部18と出口継手部19とが同一方向であるため、これらの入口継手部18、出口継手部19と、蓋体2の気体流入口10、気体流出口11との接続が容易になる。ケース体12の取付け後には、入口継手部18と出口継手部19とが分離され、入口継手部18から出口継手部19に気体が直接流れることはない。
前記した中空糸膜束17は、ケース体12内に収納されることで中空糸膜モジュール3が全体的に扁平形状に構成され、この中空糸膜モジュール3を容体1の底部1aに載置させることで容体1内の水Wに可能な限り浸漬されるようになっている。
中空糸膜モジュール3を容体1内に設置するときには、入口継手部18と気体流入口10とを接続し、かつ出口継手部18側と気体流出口11とを接続する。
この場合、これらは図1に示すように連通チューブ26を介して接続される。連通チューブ26は、柔軟性のあるウレタン、シリコン等の材料やその他の材料により形成され、既製品、或は専用に作製した成形品の何れも用いることができる。連通チューブ26は、蓋体2の気体流入口10、気体流出口11、及び中空糸膜モジュール3の入口継手部18、出口継手部19に圧入により接続することで着脱可能になっている。これによって、入口15に連通する入口継手部18と、出口16に連通する出口継手部19とは、連通チューブ26を介して蓋体2の気体流入口10と、気体流出口11とにそれぞれ着脱自在に設けられている。連通チューブ26は、中空糸膜モジュール3を容体底部1aに浸漬できる長さ以上とし、かつ、中空糸膜モジュール3による加湿性能を高めるために、できるだけ短い長さとすることがよい。蓋体2と中空糸膜モジュール2とが連通チューブ26により接続されていることから、蓋体2を容体1から取り外すときに連通チューブ26を介して中空糸膜モジュール3も同時に取り外すことが可能になっている。
このような構成により、本発明の中空糸膜型加湿装置では、気体流入口10から乾燥した酸素ガス等の乾燥気体Gを流したときに、この気体Gは気体流入口10から連通チューブ26、入口継手部18を介して入口15より中空糸膜束17内に流れ込む。このとき中空糸膜モジュール3が容体1内の水Wに可能な限り浸漬されていることから、中空糸膜束17の外側は貫通穴21を介してケース体12内に浸入した水Wと接触する。これによって、気体Gが中空糸膜束17内を通過するときに加湿され、出口16から出口継手部19、連通チューブ26を介して気体流出口11より放出される。
ここで、前記の中空糸膜モジュールを製造する際の手順を述べる。図8、図9において、横置きタイプの中空糸膜モジュール3の製造工程を模式図で示している。
図8(a)において、収納体22内に、複数の中空糸膜13をU字形状にした中空糸膜束17を収納する。このとき収納体22は有底形状に設けられ、底部分には切断しろ27が設けられている。続いて、図8(b)において、収納体22と中空糸膜13とを液密にシールさせるための適宜のポッティング材30を注入機31より開口部1b側から注入する。その後、図9(a)において、注入機31を取り外した後に、所定時間経過させることでポッティング部分を硬化させる。同図において、二点鎖線は、次工程におけるスライス位置Sを示している。図9(b)において、図9(a)のスライス位置Sでポッティング部分の切断しろ27をスライスし、中空糸膜束17を開口させる。これにより、ポッティング部14が設けられ、気体Gの入口15及び出口16が形成される。図9(c)において、矢印に示すように収納体22の段差部24にキャップ体23の段差部25を嵌合すれば、図9(d)に示すような中空糸膜モジュール3が得られる。その際、収納体22とキャップ体23とを接着固定して一体化する。
このように、横置きタイプにおける中空糸膜束17をポッティングする場合、中空糸膜束17のポッティング部14を1回のポッティング工程で同一方向に設けるようにしている。さらに、切断しろ27のスライス工程も1回の工程で実施することが可能になっており、これらによって中空糸膜モジュール2の製造工程が簡略化される。
続いて、本発明の中空糸膜型加湿装置の上記実施形態における作用を説明する。
本発明の中空糸膜型加湿装置は、容体1内の底部1aに水Wに可能な限り浸漬できる扁平形状の中空糸膜モジュール3を設置し、この中空糸膜モジュール3の入口継手部18と気体流入口10とを接続し、かつ中空糸膜モジュール3の出口継手部19と気体流出口11とを接続しているので、図1に示した上限水位L1から下限水位L2に達するまでの間で、中空糸膜モジュール3の中空糸膜束17を完全に水Wに浸漬させた状態にでき、騒音を発生させることなく菌の発生や流出を回避しつつ、大きい膜表面積で気体Gを加湿処理できる。しかも、上限水位L1から下限水位L2までの間で中空糸膜束17と水Wとの接触面積が一定であるため、水位の高低による加湿性能差がなく、加湿量の変動を防いで高い加湿性能を維持できる。容体1内に空間部分を設ける必要もないため、この容体1内に水Wを満水状態に充填して上限水位L1をL1´のように高くし、加湿時間を長くすることもできる。尚、L1及びL2の水位は、従来品のバッフル型加湿器の上限水位及び下限水位を参考にしたものである。
図5〜図7においては、本発明の中空糸膜型加湿装置の第2実施形態を示している。なお、この実施形態において前記実施形態と同一箇所は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態では、U字形状の中空糸膜束17が図5に示すように扁平のU字形をなしており、この中空糸膜束17を縦向きに容体1内に配設し、図に示すようにこの中空糸膜束17の上方位置にポッティング部34を設けて上向きの入口35と出口36とを設け、この入口35、出口36の上方位置にそれぞれ入口継手部37、出口継手部38を有するキャップ体39を固着した縦置きタイプの中空糸膜モジュール40としたものである。
この中空糸膜モジュール40を用いた場合にも前記の横置きタイプの中空糸膜モジュール3と同様の機能を発揮でき、仮に水中に菌が発生した場合にもこの菌の流出を防ぎつつ気体Gを加湿処理でき、水位変化による加湿性能の劣化を防いで安定した加湿空気を得ることができる。
この中空糸膜型加湿装置では、図5、6において、上限水位L3まで充填した水Wが減少して水位が下がる際の下限水位L4を、ポッティング部34と中空糸膜束17との境界位置よりも上方位置とする。これによって、ポッティング部34を介して中空糸膜束17により気体Gを加湿処理し、高い加湿性能を確実に保持できる。この中空糸膜モジュール40では、図7に示すように中空糸膜束17が縦置きに配設されていることで膜表面積が大きくなり、狭い空間でも加湿性能が良好である。この場合にも、容体1内に水Wを満水状態に充填して上限水位L3をL3´のように高くして加湿時間を長くすることができる。
次に、本発明の中空糸膜型加湿装置において、水位変化による加湿性能変化と従来品との比較を試験結果に基づいて示す。
中空糸膜モジュールの試験サンプルとして、中空糸膜束17の縦置きタイプ(縦型)、中空糸膜束17の横置きタイプ(横型)に加えて、従来品として図示しないバブリング方式のバッフル型加湿器で用いられるバブラー多孔体のモジュールを用い、これらを比較した。容体1内への水位を上限水位L1、L3、下限水位L2、L4とし、それぞれの水位について経過時間に対する気体相対湿度(相対湿度)を測定した。この場合の水位として、上限水位L1、L3を下限水位L2、L4に30mmをプラスするものとした。中空糸膜モジュール3、40を流れる気体Gを相対湿度0%の圧縮窒素とし、この気体Gの流量を5L/minとした。この場合の相対湿度経時変化の測定結果を図10に示す。さらに、図10において、100分経過後の出口側における気体の性状を表1に示す。
Figure 2013128654
図10より、本発明の中空糸膜型加湿装置に関して上限水位と下限水位との結果を比較すると、縦置きタイプ、横置きタイプの何れの場合にもそれぞれ性能差がほとんどみられず、両者の何れの場合にも上限水位と下限水位とにおいて高い相対湿度が発揮された。しかも、時間が経過した場合にも相対湿度の減少が最小限に抑えられ、表1に示すように、100分経過後において初期の性状からほとんど変化することがなく、縦置きタイプ、横置きタイプの双方で高い相対湿度及び水蒸気量が維持された。
一方、バブラー多孔体では、図10に示すように、水位の上限と下限とでは相対湿度の性能差が大きくなり、水位の違いによって性能差が変わる結果となった。特に、表1に示すように、100分経過後において、水位の上限に比較して下限が、その気体相対湿度及び水蒸気量の双方において大幅に低下している。
これらのことから、本発明の中空糸膜型加湿装置では、水位が変化しても、相対湿度及び水蒸気量がほとんど変化しないことが確認され、何れの加湿性能においても、縦置きタイプ及び横置きタイプの中空糸膜モジュールの双方でバブリング方式と比較して高い性能が得られた。
本発明は、上述のとおり、呼吸器疾患者が主に在宅で酸素療法する際に、乾燥状態になっている酸素富化空気の加湿に適用するが、その他、動物実験や培養試験などのボックス内での無菌加湿を行う場合にも応用することができる。
1 容体
1a 底部
2 蓋体
3 中空糸膜モジュール
10 気体流入口
11 気体流出口
12 ケース体
13 中空糸膜
14 ポッティング部
15 入口
16 出口
17 中空糸膜束
18 入口継手部
19 出口継手部
21 貫通穴
26 連通チューブ
W 水

Claims (7)

  1. 水を充填する容体に気体流入口と気体流出口を有する蓋体を着脱自在に被蓋し、この容体内の底部に水に可能な限り浸漬できる扁平形状の中空糸膜モジュールを設置し、この中空糸膜モジュールの入口と前記気体流入口とを接続し、かつ中空糸膜モジュールの出口と前記気体流出口とを接続したことを特徴とする中空糸膜型加湿装置。
  2. 前記中空糸膜モジュールは、ポッティング部を介して入口と出口を有する中空糸膜束をU字形状に形成し、この中空糸膜束を少なくとも1個以上の貫通穴を有するケース体に収納し、このケース体の上部に前記入口と出口にそれぞれ連通する入口継手部と出口継手部を設け、当該中空糸膜モジュールを全体的に扁平形状に構成して容体内の水に可能な限り浸漬できるようにした請求項1記載の中空糸膜型加湿装置。
  3. 前記入口継手部と出口継手部とを連通チューブを介して前記蓋体の気体流入口と気体流出口とを着脱自在に設けた請求項1又は2記載の中空糸膜型加湿装置。
  4. 前記U字形状の中空糸膜束は、容体の底部に対して横置きタイプとするか、または扁平のU字形をなした縦置きタイプとした請求項2又は3記載の中空糸膜型加湿装置。
  5. 前記横置き及び縦置きタイプの中空糸膜束のポッティング部を1回のポッティング工程で同一方向に設けるようにした請求項4に記載の中空糸膜型加湿装置。
  6. 前記中空糸膜モジュールの中空糸膜は、水蒸気に対して透湿性を有し、水に対して阻止性を有する疎水性多孔質膜で成形した請求項1乃至5の何れか1項に記載の中空糸膜型加湿装置。
  7. 前記中空糸膜モジュールの中空糸膜は、水蒸気に対して透過性を有する非多孔質膜で形成した請求項1乃至5の何れか1項に記載の中空糸膜型加湿装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105999498A (zh) * 2016-08-08 2016-10-12 李迎春 一种带加湿功能的呼吸机
JP7427063B1 (ja) 2022-09-15 2024-02-02 プラマイゼロ株式会社 液体加熱装置用傾倒式圧リリーフ構造及びそれを使用する加湿器

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