JP2013127140A - 細幅紙テープ製造方法およびそれに用いる紙テープ製造装置 - Google Patents

細幅紙テープ製造方法およびそれに用いる紙テープ製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 漉き上がってくる並列した複数の細幅紙テープがばらけないように搬送および巻き取ることができ、しかも、抄紙機全体を停止することがなく、円網シリンダを空転させたままで抄紙作業を一時中断することもできる細幅紙テープ製造方法およびそれに用いる紙テープ製造装置を提供すること。
【解決手段】 逆流型円網抄紙機を用いて、漉き始めとして、バット2内に充分な濃度の紙料液Sを行き渡らせ、バット2内における紙料液Sを循環ポンプ4の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ1を空転させた後、円網シリンダ1の回転速度を低速にして、円網シリンダ1の内外に水圧差を生じさせ、バット2内において充満させた紙料液Sのパルプ繊維を円網シリンダ1の網目部11の表面全体に瞬時に吸着させて堆積させて、幅方向に一体になった部分を成形し、一体部分の漉き上がった紙をクーチロールCにより順次引き取り始める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、細幅紙テープの製造技術の改良、更に詳しくは、漉き上がってくる並列した複数の細幅紙テープがばらけないように搬送および巻き取ることができ、しかも、抄紙機全体を停止することがなく、円網シリンダを空転させたままで抄紙作業を一時中断することもできる細幅紙テープ製造方法およびそれに用いる紙テープ製造装置に関するものである。
周知のとおり、紙製品を大量生産するために抄紙機が用いられており、特に、バットの中にパルプ繊維を含む紙料液を満たして、このバット内に半分程を浸水させた円筒状の円網を連続回転させて抄紙することができる円網抄紙機が多く使用されている。
従来、かかる円網抄紙機を用いて製造する紙の形状として、細幅テープ状のもの(紙テープ)を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、テープ状の紙を製造するためには、まず初めに大きな幅の紙を抄紙した後、テープ状にするためのスリッターを用いて切断する必要があり、部品コストがかかるし、製造精度も求められるという問題があった。
また、円網の一部が周方向に沿って縞状にマスキング(遮蔽)され、ワイヤ露出部のみで抄造することによって細幅の紙テープを製造する方法が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、このような円網を用いて、細幅の紙テープを製造する場合、複数に並列した状態の紙テープが漉き上がってくるため、漉き上がった製品をクーチロールで搬送したり、ロールに巻き取っていく際に、これら複数の紙テープが方々にばらけてしまい、うまく搬送や巻き取りができないという問題があった。
更にまた、円網抄紙機は自動的かつ連続的に紙が成形されてくるため、作製した紙テープを巻き取ったロールを交換する場合などに抄紙作業を一時停止したい時には、円網シリンダの回転を停止させるか、あるいはクーチロール等の搬送装置の接触を解除することによって、巻き取り装置への搬送を中断させていたが、再始動の際に通常時に戻すためにはマシンセッティングをやり直さなければならないという不便があった。
特開平7−42098号公報 特開2003−20589号公報
本発明は、従来の細幅紙テープの製造技術において、上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、漉き上がってくる並列した複数の細幅紙テープがばらけないように搬送および巻き取ることができ、しかも、抄紙機全体を停止することがなく、円網シリンダを空転させたままで抄紙作業を一時中断することもできる細幅紙テープ製造方法およびそれに用いる紙テープ製造装置を提供することにある。
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
即ち、本発明は、パルプ繊維を含有する紙料液Sがバット2内に供給され、このバット2内において水平軸の円網シリンダ1が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ1が紙料液Sの流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
前記円網シリンダ1の外周面には周方向の全周に亙り網目部11・11…およびマスキング部12・12…とが所定間隔で交互に形成されている一方、
前記バット2内における円網シリンダ1の下流側がオーバーフロー堰22によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰22から溢流した紙料液Sが回収される排水槽21が配設されており、
バット2の側方部には、前記円網シリンダ1において網目部11・11…を通過した液体が流れる流路23が形成され、この流路23には、所定水位以上の水をバット2外にオーバーフローさせる排水堰23aが設けられており、
前記バット2の排水槽21の溜水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する循環ポンプ4と、流路23からの水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する押し水ポンプ5とを備えて構成された装置を用いて、
漉き始めとして、円網シリンダ1を回転したままで、前記流路23の排水堰23aを閉めて、循環ポンプ4のみを作動してバット2内に充分な濃度の紙料液Sを行き渡らせて、
次いで、バット2内における紙料液Sを循環ポンプ4の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ1を空転させた後、
円網シリンダ1の回転速度を低速にして、排水堰23aを開くことによって、円網シリンダ1の内外に水圧差を生じさせ、
バット2内において充満させた紙料液Sのパルプ繊維を円網シリンダ1の網目部11の表面全体に瞬時に吸着させて堆積させて、隣り合う網目部11同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙して、円網シリンダ1の表面全体がパルプ繊維で覆い隠されて、マスキング部12表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった部分を成形し、
前記一体部分の漉き上がった紙をクーチロールCにより順次引き取り始める一方、円網シリンダ1の回転速度を上昇させることによって生じるバット2内における逆流抵抗によって、徐々にブラインド部12の表面のパルプ繊維を洗い流して消失させ、網目部11のみに細幅テープ状の紙を抄造することができ、
然る後、複数に並列して成形したテープ状の紙体列を円網シリンダ1の上部において当該円網シリンダ1の回転に同期して搬送するクーチロールCに引き取って、ロールRに順次巻き取るという技術的手段を採用したことによって、細幅紙テープ製造方法を完成させた。
また、本発明は、パルプ繊維を含有する紙料液Sがバット2内に供給され、このバット2内において水平軸の円網シリンダ1が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ1が紙料液Sの流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
前記円網シリンダ1の外周面には周方向の全周に亙り網目部11・11…およびマスキング部12・12…とが所定間隔で交互に形成されている一方、
前記バット2内における円網シリンダ1の下流側がオーバーフロー堰22によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰22から溢流した紙料液Sが回収される排水槽21が配設されており、
バット2の側方部には、前記円網シリンダ1において網目部11・11…を通過した液体が流れる流路23が形成され、この流路23は前記排水槽21に連通しており、流路23の下流縁部には、所定水位以上の水をバット2外にオーバーフローさせる排水堰23aが設けられ、かつ、この排水堰23aの開口部を開閉可能な開閉扉23bが設けられているとともに、これら流路23と排水槽21との間には、昇降により開閉自在な遮蔽板3が配設されており、
前記バット2の排水槽21の溜水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する循環ポンプ4と、流路23からの水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する押し水ポンプ5とを備えて構成された装置を用いて、
漉き始めとして、円網シリンダ1を回転したままで、遮蔽板3を下降せしめて、前記流路23と排水槽21との間の流水を遮断し、排水堰23aの開閉扉23bを閉めて、循環ポンプ4のみを作動してバット2内に充分な濃度の紙料液Sを行き渡らせ、
次いで、バット2内における紙料液Sを循環ポンプ4の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ1を空転させた後、
円網シリンダ1の回転速度を低速にして、遮蔽板3を上昇せしめて、この遮蔽板3の下部に形成される開口部分3Aにおいて、前記流路23から排水槽21に水を流入させて、かつ、押し水ポンプ5を作動するとともに、排水堰23aの開閉扉23bを開くことによって、円網シリンダ1の内外に水圧差を生じさせ、
バット2内において充満させた紙料液Sのパルプ繊維を円網シリンダ1の網目部11の表面全体に瞬時に吸着させて堆積させて、隣り合う網目部11同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙して、円網シリンダ1の表面全体がパルプ繊維で覆い隠されて、マスキング部12表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった部分を成形し、
前記一体部分の漉き上がった紙をクーチロールCにより順次引き取り始める一方、円網シリンダ1の回転速度を上昇させて、バット2内における逆流抵抗によって、徐々にブラインド部12の表面のパルプ繊維を洗い流して消失させ、網目部11のみに細幅テープ状の紙を抄造することができ、
然る後、複数に並列して成形したテープ状の紙体列を円網シリンダ1の上部において当該円網シリンダ1の回転に同期して搬送するクーチロールCに引き取って、ロールRに順次巻き取るという技術的手段を採用したことによっても、細幅紙テープ製造方法を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮蔽板3を下降せしめて、前記流路23と排水槽21との間の流水を遮断して、循環ポンプ4および押し水ポンプ5を停止することによって、バット2内の水圧差を無くして円網シリンダ1を空転させ、網目部11・11…における抄紙を停止させることによって、抄造を一時中断できるようにするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円網シリンダ1の内側に真空吸引装置を設けて、この真空吸引装置によって円網シリンダ1の内側の水分を真空吸引することにより、前記紙料液S中のパルプ繊維を円網シリンダ1の外周面の網目部11・11…に引き寄せるという技術的手段を採用することができる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、クーチロールCに引き取られた紙体列を、リード紙Lを間に介装しつつロールRに巻き取るという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、パルプ繊維を含有する紙料液Sがバット2内に供給され、このバット2内において水平軸の円網シリンダ1が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ1が紙料液Sの流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
前記円網シリンダ1の外周面には周方向の全周に亙り網目部11・11…およびマスキング部12・12…とが所定間隔で交互に形成されている一方、
前記バット2内における円網シリンダ1の下流側がオーバーフロー堰22によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰22から溢流した紙料液Sが回収される排水槽21が配設されており、
バット2の側方部には、前記円網シリンダ1において網目部11・11…を通過した液体が流れる流路23が形成され、この流路23には、所定水位以上の水をバット2外にオーバーフローさせる排水堰23aが設けられており、
前記バット2の排水槽21の溜水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する循環ポンプ4と、流路23からの水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する押し水ポンプ5とを備えているように構成するという技術的手段を採用したことによって、細幅紙テープ製造装置を完成させた。
更にまた、本発明は、パルプ繊維を含有する紙料液Sがバット2内に供給され、このバット2内において水平軸の円網シリンダ1が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ1が紙料液Sの流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
前記円網シリンダ1の外周面には周方向の全周に亙り網目部11・11…およびマスキング部12・12…とが所定間隔で交互に形成されている一方、
前記バット2内における円網シリンダ1の下流側がオーバーフロー堰22によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰22から溢流した紙料液Sが回収される排水槽21が配設されており、
バット2の側方部には、前記円網シリンダ1において網目部11・11…を通過した液体が流れる流路23が形成され、この流路23は前記排水槽21に連通しており、流路23の下流縁部には、所定水位以上の水をバット2外にオーバーフローさせる排水堰23aが設けられ、かつ、この排水堰23aの開口部を開閉可能な開閉扉23bが設けられているとともに、これら流路23と排水槽21との間には、昇降により開閉自在な遮蔽板3が配設されており、
前記バット2の排水槽21の溜水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する循環ポンプ4と、流路23からの水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する押し水ポンプ5とを備えているように構成するという技術的手段を採用したことによっても、細幅紙テープ製造装置を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、円網シリンダ1が水面上に上がってくる部分に向けて高圧水を注ぐことが可能なシャワー24Aを設けるという技術的手段を採用することができる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮蔽板3を複数に分割して設けて、それぞれ個別に昇降して開口部分3Aの面積を増減して通過する流量を調節可能にするという技術的手段を採用することができる。
本発明にあっては、円網シリンダの外周面には周方向の全周に亙り網目部およびマスキング部とが所定間隔で交互に形成されている一方、このオーバーフロー堰から溢流した紙料液が回収される排水槽が配設されており、バットの側方部には、前記円網シリンダにおいて網目部を通過した液体が流れる流路が形成され、循環ポンプと押し水ポンプとを備えて構成された装置を用いることによって、網目部に紙料液のパルプ繊維を瞬時に吸着させて堆積させて、隣り合う網目部同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙して、円網シリンダの表面全体をパルプ繊維で覆い隠して、マスキング部表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった結合部を成形することができる。
したがって、本発明の製造装置および製造方法によれば、紙テープ始端部に幅方向に一体に連続する結合部を成形することができるので、この結合部から巻き取っていくことによって漉き上がってくる並列した複数の細幅紙テープがばらけないように搬送および巻き取ることができる。
また、本発明では、必要に応じて、遮蔽板の昇降操作と、流路の下流縁部に設けた排水堰の開口部を開閉可能な開閉扉を操作することによって、排水槽内の水位を下降させておくことによって、一時停止する際にバット内から溢れてくる余剰水をこの排水槽の上部の空き部分において許容することができ、抄紙機全体を停止させることなく円網シリンダを空転させ、ロール交換の時間等を作り出すこともできることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造装置を表わす全体斜視図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における準備工程を表わす説明側面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における準備工程を表わす説明上面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙開始直後の成形品を表わす概略図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙時の状態を表わす説明側面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙時の状態を表わす説明上面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙引き取り直後を表わす概略図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙開始時の成形品を表わす概略図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における通常抄紙時を表わす概略図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造装置を表わす説明側面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造方法における一時中断工程を表わす説明側面図である。 本発明の第1実施形態の細幅紙テープ製造装置の変形例を表わす全体斜視図である。 本発明の第2実施形態の細幅紙テープ製造装置を表わす全体斜視図である。 本発明の第2実施形態の細幅紙テープ製造方法における準備工程を表わす説明側面図である。 本発明の第2実施形態の細幅紙テープ製造方法における準備工程を表わす説明上面図である。 本発明の第2実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙時の状態を表わす説明側面図である。 本発明の第2実施形態の細幅紙テープ製造方法における抄紙時の状態を表わす説明上面図である。
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明すると、次のとおりである。
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図11に基づいて説明する。図1中、符号1で指示するものは円網シリンダであり、この円網シリンダ1は、円筒状に形成されており、直径が約70〜180cm程度で、かつ、編目部分が100メッシュ/インチ以下のものを採用し、編目部分11において紙料液Sを通過させることにより紙を漉き上げることができる。
また、符号2で指示するものはバットであり、このバット2は、前記円網シリンダ1を収容するとともに、前記紙料液Sを満たすことができる容器である。
更にまた、符号3で指示するものは遮蔽板であり、この遮蔽板3は、上下に昇降自在な板状部材であって、本実施形態では、滑車を介して起立状態に吊支して、電動モータやエア式、油圧式昇降装置などにより昇降することができる。
更にまた、符号4で指示するものは循環ポンプであり、符号5で指示するものは押し水ポンプである。本実施形態では、これら両ポンプ共に少なくとも毎分2000リットルの送水能力を有するものを採用する。
しかして、本実施形態における細幅紙テープ製造装置を構成するにあっては、まず、パルプ繊維を含有する紙料液Sをバット2内に供給可能にするとともに、このバット2内において水平軸の円網シリンダ1を浸水状態で回転自在に枢支する。
本実施形態では、パルプ繊維として、木材パルプを採用可能であるほか、和紙に用いられるコウゾやミツマタ、非木材パルプ、古紙パルプ、物理パルプ、化学パルプなどを採用することができ、また、円網シリンダ1の下側3分の2程度をバット2内に浸水させることができる。
そして、この円網シリンダ1は、紙料液Sの流動方向に逆行して回転する所謂「逆流型円網抄紙機」として構成されている。
次いで、円網シリンダ1の外周面には、周方向の全周に亙り網目部11・11…およびマスキング部12・12…とを所定間隔で交互に形成する。網目部11およびマスキング部12の幅は任意に設計できるが、本実施形態では、網目部11を7mm、マスキング部12を3mm程度にする。なお、マスキング部12の高さを変えることによって漉き上がる紙厚を増減することができる。
また、前記バット2内における円網シリンダ1の下流側をオーバーフロー堰22によって仕切って、かつ、このオーバーフロー堰22から溢流した紙料液Sを回収する排水槽21を配設する。
一方、バット2の両側の側方部には、前記円網シリンダ1において網目部11・11…を通過した液体が流れる流路23をそれぞれ形成して、この流路23は前記排水槽21に連通している。また、流路23の下流縁部には、所定水位以上の水をバット2外にオーバーフローさせる排水堰23aを設け、かつ、この排水堰23aの開口部を開閉可能な開閉扉23bを設ける。
そして、これら流路23と排水槽21との間には、昇降により開閉自在な遮蔽板3を配設する。
そしてまた、前記バット2の排水槽21の溜水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する循環ポンプ4と、流路23からの水を排出して円網シリンダ1の上流側に送水する押し水ポンプ5とを備えて構成されている。
次に、本実施形態における抄紙方法を以下に説明する。まず、パルプ繊維を含有する紙料液Sを作製し、バット2内に供給する。この紙料液Sは、パルプ繊維の原材料Mと水分とを混合して作製され、排水槽21に供給した後、循環ポンプ4によって円網シリンダ1の上流部に送り込まれる。
<準備工程>
漉き始めとして、円網シリンダ1を回転したままで、遮蔽板3を下降せしめて、前記流路23と排水槽21との間の流水を遮断し、排水堰23aの開閉扉23bを閉めて、循環ポンプ4のみを作動してバット2内に充分な濃度の紙料液Sを行き渡らせる。この際、排水槽21の水位は下がっており、必要に応じて、この排水槽21内の水位を液面センサー6で随時観測する。
次いで、バット2内における紙料液Sを循環ポンプ4の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ1を無抄紙状態で空転させることができる。即ち、紙料液Sがバット2内を定量で循環している時は、バット2内が閉じた系となっており、流路23内には水が溜まったままであり、バット2内における水圧がどの箇所でも一定になるために、網目部11の内外の水圧差が生じず、紙料液Sが網目部11を通過しないため繊維パルプが吸着しないのである。この際、排水槽21に順次流入される分の紙料液Sは、排水槽21内の水位上昇によって許容される。
また、円網シリンダ1は表面には空転時でも紙料液Sのパルプ繊維が付着しやすく、この円網シリンダ1に常に接触しているクーチロールCに、この付着したパルプ繊維の一部が不要に運搬されてまわないように、円網シリンダ1が水面上に上がってくる部分に向けてシャワー24Aから高圧水を注いできれいに洗い流すことができる。
<抄紙工程>
こうして下準備が完了した後、円網シリンダ1の回転速度を低速にして、図5および図6に示すように、遮蔽板3を上昇せしめて、この遮蔽板3の下部に形成される開口部分3Aにおいて、前記流路23から排水槽21に水を流入させて、かつ、押し水ポンプ5を作動するとともに、排水堰23aの開閉扉23bを開くことによって、円網シリンダ1の内外に水圧差を生じさせる(水流を生じさせる)。
この際、空転時から抄紙時に切り替わる時に、一気に排水堰23aの高さまで水位を下げる必要があるため、排水堰23aの横幅をできるだけ長くして、開閉扉23bの開放により素早く大量に排水することができる。
そうすると、バット2内において充満させた紙料液Sのパルプ繊維が円網シリンダ1の網目部11の表面全体に瞬時に吸着させて堆積して(図4参照)、隣り合う網目部11同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙され、円網シリンダ1の表面全体がパルプ繊維で覆い隠されて、マスキング部12表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった部分(結合部B)が成形される。
そして、図7に示すように、この一体部分(結合部B)の漉き上がった紙をクーチロールCにより順次引き取り始める。また、本実施形態では、結合部BがロールRに到達した時点から円網シリンダ1の回転速度を上昇させる。この際、適宜、シャワー24BによりクーチロールCとの接点後の円網シリンダ1に注水を行って洗浄することもできる。
こうして円網シリンダ1の回転速度を上昇させることによって生じるバット2内における逆流抵抗によって、徐々にブラインド部12の表面のパルプ繊維を洗い流して消失させ(図8参照)、網目部11のみに細幅テープ状の紙を抄造することができる(図9参照)。
この際、押し水ポンプ5の作用により、円網シリンダ1の網目部11を通過した原材料M(パルプ繊維)を含まない水を、網目部11上において漉き上がってくる紙テープが水面上から出てくる場所へ戻すことができ、循環ポンプ4を介してバット2内に送り込まれる紙料液Sの上層にきれいな水の層を形成して紙料水Sの浮上を防止するとともに、バット内に逆流の水流を生じさせることができる。
また、この押し水ポンプ5の作動によって、オーバーフロー堰22を超えていく水量をコントロールすることにより、オーバーフロー堰22近傍であっても強い逆流を発生させることができる。そのために、ブラインド部12の表面には洗浄作用が働き、不要なパルプ繊維を残さず洗い去ることができる。
更にまた、抄紙すべき網目部11の表面でも、この網目部11の入水時から出水時まで円網シリンダ1の回転方向とは逆の方向に流れているために、紙の繊維1本1本の分散が良く、1本の繊維がマスキング部をまたいで両方の編目部に付着して繋がるトラブルを防ぎ、紙の繊維方向が縦方向に並んだ強い紙を成形することができる。
更にまた、押し水ポンプ5によって円網シリンダ1の出水場所(水面に近い上流)から、オーバーフロー堰22(低い下流)の入水場所に向かって大量の水を流れ落とすことで、円網シリンダ1の入水場所において原料が高濃度になるのを防止し、流速が無くなって繊維同士が絡み合った状態で抄紙されることを防ぐことができる。
このようにして、紙料液S中のパルプ繊維を円網シリンダ1の網目部11・11…に沿って吸着せしめることによって抄紙することができ、細幅シート状のウエットパルプや再生紙が得られる。
本実施形態では、通常では、1本1本がばらばらの状態で巻き取りロールのところへ漉き上がってくる多数のテープを巻き取る際に、全て一度に素早く巻き取りロールに巻き付けることが難しくて、手の付けられない状態になってしまうところを、円網シリンダ1の空転をさせて抄速を下げて、排水堰23aから一気に排水することにより水圧差を生み出して円網シリンダ1の全周に瞬時に繊維パルプを吸着させることにより、マスキング部12の上部を薄く覆った状態(透かし入り)で、幅方向に繋がった結合部Bを形成して状態から漉き始めることができるため、この結合部Bによりまとめられて容易に複数の並列したすべての紙テープを一度に素早く巻き取りロールに巻き付けることができる。
然る後、複数に並列して成形したテープ状の紙体列を円網シリンダ1の上部において当該円網シリンダ1の回転に同期して搬送するクーチロールCに引き取って、ロールRに順次巻き取ることができる(図10参照)。この際、クーチロールCに引き取られた紙体列を、リード紙Lを間に介装しつつロールRに巻き取ることができ、このリード紙Lにより紙テープの解舒時に無理な力がかからず、また、始端部に結合部Bが形成されて櫛歯状に揃えてから巻き取り始められているので、複数に並列する紙テープを同時に同じ速さで解舒することができるため、作業上のトラブルが少なく頗る作業性が良い。
なお、本実施形態では、円網シリンダ1の内側に真空吸引装置を設けて、この真空吸引装置によって円網シリンダ1の内側の水分を真空吸引することにより、前記紙料液S中のパルプ繊維を円網シリンダ1の外周面の網目部11・11…により良く引き寄せることもできる。この際、真空吸引装置は、円網シリンダ1の略中心部の中心軸に沿って配置することができる。
<一時中断工程>
また、本実施形態では、抄紙作業中にロールRを交換したり、原材料Mを追加するなどのために、抄造を一時中断させたい場合には、図11に示すように、遮蔽板3を下降せしめて、前記流路23と排水槽21との間の流水を遮断して、循環ポンプ4および押し水ポンプ5を停止する。こうすることによって、バット2内の水圧差(水流)が無くなるため、円網シリンダ1を空転させることができ、網目部11・11…における抄紙を停止させることができる。
この際、排水槽11内の水位を下降させておくことによって、一時停止する際にバット2内から溢れてくる余剰水をこの排水槽11の上部の空き部分において許容することができ、抄紙機全体を停止させることなく円網シリンダを空転させ、ロール交換の時間等を作り出すことができる。
そして、円網シリンダ1の空転の間に、排水堰23aの開閉扉23bを閉じるとともに、シャワー24Bからシャワー24Aに注水を切り替えて、ロールRを交換し、適宜、リード紙Lを補充することができる。
再び抄造を開始する際には、前記の抄紙工程に戻り、遮蔽板3を上昇せしめて両ポンプを作動することによって、抄紙を再開することができる。
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態を図13から図17に基づいて説明する。本実施形態では、図13に示すように、前記第1実施形態とは、バット2の流路23と排水槽21とが独立しており、かつ、遮蔽板3を具備しない点が異なる。
本実施形態では、まず、図14および図15に示すように、前記第1実施形態と同様の<準備工程>により、バット2内に紙料液Sを循環せしめて、円網シリンダ1を無抄紙状態で空転させる。
次いで、図16および図17に示すように、前記第1実施形態と同様の<抄紙工程>において、流路23の排水堰23aから一気に排水することによって、円網シリンダ1の内外に水圧差を生じさせることができる。
本実施形態では、バット2の側方(円網シリンダ1近傍)の流路23に排水堰23aを設けることによって、バット2内の排水をより迅速に行うことができる。この際、排水堰23aからの排水手段は適宜開閉扉式の自重排水やポンプ吸引式などにより構成することができる。
また、排水堰23aの位置は、流路23の底面や流路23から連通する押し水ポンプ5の循環経路内などに設けることもできるし、開閉手段は手動や電動式のものを採用することができる。更に、液面センサー6による排水槽21内の水位観測にリンクさせて電磁的に排水堰23aを開放させることもできる。
このようにして、空転時から抄紙時に切り替える時に、排水堰23aからの排水によりバット2内の水位を一気に下げることができ、第1実施形態と同様に、漉き上がった紙に結合部Bを成形することができる。
また、本実施形態の<一時中断工程>は、循環ポンプ4および押し水ポンプ5を停止して、排水堰23aからの排水を中止することによって、バット2内の水圧差(水流)を無くして、円網シリンダ1を空転させることができる。なお、排水堰23aを閉じている場合であっても、非常時の溢水などがないように、その上端からバット2内の所要量を常にオーバーフローさせておくこともできる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、図12に示すように、遮蔽板3を複数(例えば3つ)に分割して設けて、それぞれ個別に昇降して開口部分3Aの面積を増減して通過する流量を調節可能にして、排水槽11の水位を下位で一定に保つための微調節をし易くすことができる。
また、円網シリンダ1における網目部11およびマスキング部12の幅などの形状は任意に変更することができ、本発明の技術的範囲に属する。
1 円網シリンダ
11 網目部
12 マスキング部
2 バット
21 排水槽
22 オーバーフロー堰
23 流路
23a 排水堰
23b 開閉扉
24A シャワー
24B シャワー
3 遮蔽板
3A 開口部分
4 循環ポンプ
5 押し水ポンプ
6 液面センサー
S 紙料液
M 原材料
B 結合部
C クーチロール
R ロール
L リード紙

Claims (11)

  1. パルプ繊維を含有する紙料液(S)がバット(2)内に供給され、このバット(2)内において水平軸の円網シリンダ(1)が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ(1)が紙料液(S)の流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
    前記円網シリンダ(1)の外周面には周方向の全周に亙り網目部(11・11…)およびマスキング部(12・12…)とが所定間隔で交互に形成されている一方、
    前記バット(2)内における円網シリンダ(1)の下流側がオーバーフロー堰(22)によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰(22)から溢流した紙料液(S)が回収される排水槽(21)が配設されており、
    バット(2)の側方部には、前記円網シリンダ(1)において網目部(11・11…)を通過した液体が流れる流路(23)が形成され、この流路(23)には、所定水位以上の水をバット(2)外にオーバーフローさせる排水堰(23a)が設けられており、
    前記バット(2)の排水槽(21)の溜水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する循環ポンプ(4)と、流路(23)からの水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する押し水ポンプ(5)とを備えて構成された装置を用いて、
    漉き始めとして、円網シリンダ(1)を回転したままで、前記流路(23)の排水堰(23a)を閉めて、循環ポンプ(4)のみを作動してバット(2)内に充分な濃度の紙料液(S)を行き渡らせて、
    次いで、バット(2)内における紙料液(S)を循環ポンプ(4)の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ(1)を空転させた後、
    円網シリンダ(1)の回転速度を低速にして、排水堰(23a)を開くことによって、円網シリンダ(1)の内外に水圧差を生じさせ、
    バット(2)内において充満させた紙料液(S)のパルプ繊維を円網シリンダ(1)の網目部(11)の表面全体に瞬時に吸着させて堆積させて、隣り合う網目部(11)同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙して、円網シリンダ(1)の表面全体がパルプ繊維で覆い隠されて、マスキング部(12)表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった部分を成形し、
    前記一体部分の漉き上がった紙をクーチロール(C)により順次引き取り始める一方、円網シリンダ(1)の回転速度を上昇させることによって生じるバット(2)内における逆流抵抗によって、徐々にブラインド部(12)の表面のパルプ繊維を洗い流して消失させ、網目部(11)のみに細幅テープ状の紙を抄造することができ、
    然る後、複数に並列して成形したテープ状の紙体列を円網シリンダ(1)の上部において当該円網シリンダ(1)の回転に同期して搬送するクーチロール(C)に引き取って、ロール(R)に順次巻き取ることを特徴とする細幅紙テープ製造方法。
  2. パルプ繊維を含有する紙料液(S)がバット(2)内に供給され、このバット(2)内において水平軸の円網シリンダ(1)が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ(1)が紙料液(S)の流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
    前記円網シリンダ(1)の外周面には周方向の全周に亙り網目部(11・11…)およびマスキング部(12・12…)とが所定間隔で交互に形成されている一方、
    前記バット(2)内における円網シリンダ(1)の下流側がオーバーフロー堰(22)によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰(22)から溢流した紙料液(S)が回収される排水槽(21)が配設されており、
    バット(2)の側方部には、前記円網シリンダ(1)において網目部(11・11…)を通過した液体が流れる流路(23)が形成され、この流路(23)は前記排水槽(21)に連通しており、流路(23)の下流縁部には、所定水位以上の水をバット(2)外にオーバーフローさせる排水堰(23a)が設けられ、かつ、この排水堰(23a)の開口部を開閉可能な開閉扉(23b)が設けられているとともに、これら流路(23)と排水槽(21)との間には、昇降により開閉自在な遮蔽板(3)が配設されており、
    前記バット(2)の排水槽(21)の溜水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する循環ポンプ(4)と、流路(23)からの水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する押し水ポンプ(5)とを備えて構成された装置を用いて、
    漉き始めとして、円網シリンダ(1)を回転したままで、遮蔽板(3)を下降せしめて、前記流路(23)と排水槽(21)との間の流水を遮断し、排水堰(23a)の開閉扉(23b)を閉めて、循環ポンプ(4)のみを作動してバット(2)内に充分な濃度の紙料液(S)を行き渡らせ、
    次いで、バット(2)内における紙料液(S)を循環ポンプ(4)の作動のみで循環せしめることによって、円網シリンダ(1)を空転させた後、
    円網シリンダ(1)の回転速度を低速にして、遮蔽板(3)を上昇せしめて、この遮蔽板(3)の下部に形成される開口部分(3A)において、前記流路(23)から排水槽(21)に水を流入させて、かつ、押し水ポンプ(5)を作動するとともに、排水堰(23a)の開閉扉(23b)を開くことによって、円網シリンダ(1)の内外に水圧差を生じさせ、
    バット(2)内において充満させた紙料液(S)のパルプ繊維を円網シリンダ(1)の網目部(11)の表面全体に瞬時に吸着させて堆積させて、隣り合う網目部(11)同士が繋がる程度の充分な厚さに抄紙して、円網シリンダ(1)の表面全体がパルプ繊維で覆い隠されて、マスキング部(12)表面が相対的に薄い透かし入りのような幅方向に一体になった部分を成形し、
    前記一体部分の漉き上がった紙をクーチロール(C)により順次引き取り始める一方、円網シリンダ(1)の回転速度を上昇させることによって生じるバット(2)内における逆流抵抗によって、徐々にブラインド部(12)の表面のパルプ繊維を洗い流して消失させ、網目部(11)のみに細幅テープ状の紙を抄造することができ、
    然る後、複数に並列して成形したテープ状の紙体列を円網シリンダ(1)の上部において当該円網シリンダ(1)の回転に同期して搬送するクーチロール(C)に引き取って、ロール(R)に順次巻き取ることを特徴とする細幅紙テープ製造方法。
  3. 遮蔽板(3)を下降せしめて、前記流路(23)と排水槽(21)との間の流水を遮断して、循環ポンプ(4)および押し水ポンプ(5)を停止することによって、バット(2)内の水圧差を無くして円網シリンダ(1)を空転させ、網目部(11・11…)における抄紙を停止させることによって、抄造を一時中断できることを特徴とする請求項2記載の細幅紙テープ製造方法。
  4. 円網シリンダ(1)の内側に真空吸引装置を設けて、この真空吸引装置によって円網シリンダ(1)の内側の水分を真空吸引することにより、前記紙料液(S)中のパルプ繊維を円網シリンダ(1)の外周面の網目部(11・11…)に引き寄せることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の細幅紙テープ製造方法。
  5. クーチロール(C)に引き取られた紙体列を、リード紙(L)を間に介装しつつロール(R)に巻き取ることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の細幅紙テープ製造方法。
  6. パルプ繊維を含有する紙料液(S)がバット(2)内に供給され、このバット(2)内において水平軸の円網シリンダ(1)が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ(1)が紙料液(S)の流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
    前記円網シリンダ(1)の外周面には周方向の全周に亙り網目部(11・11…)およびマスキング部(12・12…)とが所定間隔で交互に形成されている一方、
    前記バット(2)内における円網シリンダ(1)の下流側がオーバーフロー堰(22)によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰(22)から溢流した紙料液(S)が回収される排水槽(21)が配設されており、
    バット(2)の側方部には、前記円網シリンダ(1)において網目部(11・11…)を通過した液体が流れる流路(23)が形成され、この流路(23)には、所定水位以上の水をバット(2)外にオーバーフローさせる排水堰(23a)が設けられており、
    前記バット(2)の排水槽(21)の溜水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する循環ポンプ(4)と、流路(23)からの水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する押し水ポンプ(5)とを備えて構成されていることを特徴とする細幅紙テープ製造装置。
  7. パルプ繊維を含有する紙料液(S)がバット(2)内に供給され、このバット(2)内において水平軸の円網シリンダ(1)が浸水状態で回転自在に枢支されている一方、この円網シリンダ(1)が紙料液(S)の流動方向に逆行して回転する逆流型円網抄紙機であって、
    前記円網シリンダ(1)の外周面には周方向の全周に亙り網目部(11・11…)およびマスキング部(12・12…)とが所定間隔で交互に形成されている一方、
    前記バット(2)内における円網シリンダ(1)の下流側がオーバーフロー堰(22)によって仕切られており、かつ、このオーバーフロー堰(22)から溢流した紙料液(S)が回収される排水槽(21)が配設されており、
    バット(2)の側方部には、前記円網シリンダ(1)において網目部(11・11…)を通過した液体が流れる流路(23)が形成され、この流路(23)は前記排水槽(21)に連通しており、流路(23)の下流縁部には、所定水位以上の水をバット(2)外にオーバーフローさせる排水堰(23a)が設けられ、かつ、この排水堰(23a)の開口部を開閉可能な開閉扉(23b)が設けられているとともに、これら流路(23)と排水槽(21)との間には、昇降により開閉自在な遮蔽板(3)が配設されており、
    前記バット(2)の排水槽(21)の溜水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する循環ポンプ(4)と、流路(23)からの水を排出して円網シリンダ(1)の上流側に送水する押し水ポンプ(5)とを備えて構成されていることを特徴とする細幅紙テープ製造装置。
  8. 遮蔽板(3)が複数に分割されて設けられており、それぞれ個別に昇降して開口部分(3A)の面積を増減して通過する流量を調節可能であることを特徴とする請求項6または7記載の細幅紙テープ製造装置。
  9. 円網シリンダ(1)が水面上に上がってくる部分に向けて高圧水を注ぐことが可能なシャワー(24A)が設けられていることを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の細幅紙テープ製造装置。
  10. 円網シリンダ(1)の内側に真空吸引装置が設けられており、この真空吸引装置によって円網シリンダ(1)の内側の水分を真空吸引することにより、前記紙料液(S)中のパルプ繊維が円網シリンダ(1)の外周面の網目部(11・11…)に引き寄せることができることを特徴とする請求項6〜9の何れか一つに記載の細幅紙テープ製造装置。
  11. クーチロール(C)に引き取られた紙体列が、リード紙(L)が間に介装されつつロール(R)に巻き取ることができることを特徴とする請求項6〜10の何れか一つに記載の細幅紙テープ製造装置。
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