JP2013126653A - 光機能性材料、酸化還元反応光触媒、水分解光触媒、金属錯体及び金属錯体の製造方法 - Google Patents

光機能性材料、酸化還元反応光触媒、水分解光触媒、金属錯体及び金属錯体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013126653A
JP2013126653A JP2012170362A JP2012170362A JP2013126653A JP 2013126653 A JP2013126653 A JP 2013126653A JP 2012170362 A JP2012170362 A JP 2012170362A JP 2012170362 A JP2012170362 A JP 2012170362A JP 2013126653 A JP2013126653 A JP 2013126653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
metal complex
metal
atom
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012170362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6007650B2 (ja
Inventor
Masaya Matsuoka
雅也 松岡
Yu Horiuchi
悠 堀内
Takashi Toriyao
隆 鳥屋尾
Masakazu Saito
雅和 齋藤
Masatoshi Iwata
真叔 岩田
Hideyuki Higashimura
秀之 東村
Katsuki Mochizuki
勝紀 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Sumitomo Chemical Co Ltd
Osaka Prefecture University
Original Assignee
Osaka University NUC
Sumitomo Chemical Co Ltd
Osaka Prefecture University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC, Sumitomo Chemical Co Ltd, Osaka Prefecture University filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP2012170362A priority Critical patent/JP6007650B2/ja
Publication of JP2013126653A publication Critical patent/JP2013126653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6007650B2 publication Critical patent/JP6007650B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Abstract

【課題】可視光に応答可能な新規の光機能性材料、該光機能性材料を用いた水分解光触媒、及び新規の金属錯体の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物と、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、銀、カドミウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む1種又は2種以上の金属塩と、を含む混合物を、反応させて得られた金属錯体を含む光機能性材料。
[化1]
Figure 2013126653

【選択図】なし

Description

本発明は、光機能性材料、該光機能性材料を用いた酸化還元反応光触媒及び水分解光触媒、並びに該光機能性材料の製造に好適な金属錯体及びその製造方法に関する。
近年、枯渇問題や環境問題を有する化石燃料に代わり、クリーンなエネルギー資源として、太陽エネルギーが注目されており、種々の光機能性材料を用いることで、光エネルギーを有効利用することが期待されている。このような光エネルギーの利用技術の1つとしては、例えば、光エネルギーを利用して水を分解し、化学エネルギーの取り出しに有用な水素に変換する技術が知られており、その鍵となる光機能性材料として、水分解光触媒の研究が活発に行なわれている。
従来は、水分解光触媒として酸化物半導体が用いられてきた。酸化物半導体を用いてなる水分解光触媒では、バンドギャップ以上のエネルギーを有する光を吸収することで、価電子帯の電子が伝導帯に励起され、生じた伝導帯の電子による還元で水素を生じさせ、価電子帯の正孔による酸化で酸素を生じさせて、水を分解する。このとき、酸化物半導体は、通常バンドギャップが大きいので、価電子帯の電子が伝導帯に励起されるためには紫外光を必要とする。例えば、非特許文献1には、紫外光照射によって高い量子収率を示す酸化物半導体が開示されている。
J.Am.Chem.Soc.2003,125,3082−3089
しかしながら、紫外光は太陽光の中にわずかしか含まれていないため、太陽光の約半分を占める可視光に応答する水分解光触媒が求められていた。ここでは、光機能性材料として水分解光触媒を例に挙げたが、その他の光機能性材料の分野でも同様に、光エネルギーの有効利用の観点から、可視光に応答する材料が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、可視光に応答可能である新規の光機能性材料、該光機能性材料を用いた水分解光触媒等の酸化還元反応触媒、並びに該光機能性材料の製造に好適な新規の金属錯体及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明の第一の態様は、下記式(1)で表される化合物と、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、銀、カドミウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む1種又は2種以上の金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体を含む光機能性材料である。
Figure 2013126653
(式中、Pは、R及びR以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
は式「−CO」、「−SO」、「−PO 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(R」又は「−C≡N」で表される基(ここで、Rは水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;mは2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、mは4以下であり、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよく;
は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−OR」、「−NH」、「−NR 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NR 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;nは、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の第一の態様の光機能性材料は、前記Pが、R及びR以外に置換基を有していてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、アクリジン又はコロネンから、「m+n」個の水素原子を除いてなる基であることが好ましい。
また、本発明の第一の態様の光機能性材料は、前記Pが、R及びR以外に置換基を有していてもよい、2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン又は2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンから、「m+n」個の水素原子を除いてなる基を含む金属錯体部位を有する基であることが好ましい。
本発明の第一の態様の光機能性材料は、前記金属錯体が、前記混合物を60〜250℃の範囲で加熱して反応させることによって得られた金属錯体であることが好ましい。
本発明の第一の態様の光機能性材料は、前記金属錯体以外に、さらに金属粒子又はその他の金属錯体を含むことが好ましい。
また、本発明の第二の態様は、第一の態様の光機能性材料を用いてなる酸化還元反応光触媒である。
また、本発明の第二の態様は、第一の態様の光機能性材料を用いてなる水分解光触媒である。
また、本発明の第三の態様は、下記式(2)で表される化合物と、チタン原子を含む金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体である。
Figure 2013126653
(式中、Pは、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
a1は式「−COA1」、「−SOA1」、「−POA1 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(RA1」又は「−C≡N」で表される基(ここで、RA1は水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;m1は2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、m1は4以下であり、複数あるRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく;
b1は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−ORB1」、「−NH」、「−NRB1 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、RB1は炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NRB1 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;n1は、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、n1が2以上の整数である場合、複数あるRb1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の第三の態様の金属錯体は、前記Pが、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、アクリジン又はコロネンから、「m1+n1」個の水素原子を除いてなる基であることが好ましい。
また、本発明の第三の態様の金属錯体は、前記Pが、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン又は2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンから、「m1+n1」個の水素原子を除いてなる基を含む金属錯体部位を有する基であることが好ましい。
また、本発明の第四の態様は、下記式(3)で表される構造と、スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属のイオンと、を含む金属錯体である。
Figure 2013126653
(式中、Pは、Ra2以外に置換基を有していてもよい、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された基からなる有機部位を有する基であり、単環芳香族複素環式基が連結されている場合、前記単環芳香族複素環式基の環構造を構成するヘテロ原子が、前記金属のイオン又はその他の金属のイオンに配位しておらず;
a2は式「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(RA2」で表される基(ここで、RA2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;
m2は2以上の整数であり、複数あるRa2は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
また、本発明の第五の態様は、第四の態様の金属錯体と、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と、を反応させる、金属錯体の製造方法である。
本発明によれば、可視光に応答可能である新規の光機能性材料、該光機能性材料を用いた水分解光触媒等の酸化還元反応触媒、並びに該光機能性材料の製造に好適な新規の金属錯体及びその製造方法を提供できる。
実施例1で得られた金属錯体(A)の77Kにおける窒素の吸着等温線を示すグラフである。 実施例2で得られた金属錯体(B)の粉末X線回折パターンを示すグラフである。 実施例3で得られた金属錯体(C)の粉末X線回折パターンを示すグラフである。 実施例4で得られた光機能性材料(A1)の77Kにおける窒素の吸着等温線を示すグラフである。
本発明の光機能性材料は、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ということがある。)と、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、銀、カドミウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む1種又は2種以上の金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体を含む。
Figure 2013126653
(式中、Pは、R及びR以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
は式「−CO」、「−SO」、「−PO 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(R」又は「−C≡N」で表される基(ここで、Rは水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;mは2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、mは4以下であり、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよく;
は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−OR」、「−NH」、「−NR 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NR 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;nは、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本明細書において、複数あるものが「互いに同一であっても異なっていてもよい」とは、複数あるものが「すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが同一であってもよい」ことを意味する。
まず、前記化合物(1)について説明する。化合物(1)は、前記式(1)で表される。
式(1)中、Pは、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基である。
前記芳香族炭化水素基は、単環式及び縮環式のいずれでもよく、好ましいものの例としては、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、アクリジン、コロネン等の芳香族炭化水素化合物から、「m+n」個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。そして、前記芳香族炭化水素化合物は、化合物(1)の合成が容易で、光機能性材料の可視光吸収特性がより優れる点から、好ましくはベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン又はアクリジンであり、より好ましくはベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、テトラセン又はペンタセンである。
前記縮環複素環式基は、π電子共役系を有し、2以上の環が縮環した基であって、2以上の環の少なくとも1つが環構造を構成する原子としてヘテロ原子を有する基であればよい。ここで、「ヘテロ原子」の好ましい例としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられる。複素環が有するヘテロ原子は1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上の場合には、これらヘテロ原子は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記縮環複素環式基の好ましい例としては、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ポルフィリン、フタロシアニン等の縮環複素環式化合物から、「m+n」個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。そして、前記縮環複素環式化合物は、前記化合物(1)の合成が容易で、光機能性材料の可視光吸収特性がより優れる点から、好ましくはインドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、カルバゾール、ジベンゾフラン又はジベンゾチオフェンである。なお、ポルフィリン及びフタロシアニンは、その中心部分に周期表第1族から第14族までのいずれかの元素を含んだものでもよい。
前記金属錯体部位を有する基において、周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子は、好ましくは周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の原子である。これらのなかでも、好ましくはバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム又はイッテルビウムの原子であり、より好ましくはバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、イリジウム又は白金の原子であり、さらに好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム又は白金の原子であり、特に好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム又は白金の原子であり、最も好ましくはルテニウム又は白金の原子である。
前記金属錯体部位を構成する配位子部位は、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結されたものから、最大で「m+n」個の水素原子を除いてなる基であり、前記単環芳香族複素環式基は、含窒素単環芳香族複素環式基(単環芳香族複素環の環構造を構成する原子として窒素原子を有する基)であることが好ましい。
前記金属錯体部位を構成する配位子部位は、少なくとも単環芳香族複素環式基が連結されたものから、最大で「m+n」個の水素原子を除いてなる基が好ましく、その例としては、フェニルピリジン、ビピリジン、ビスフェニルビピリジン、ビスフェニルフェナントロリン、ビスピリジルベンゼン、テルピリジン、4−フェニルテルピリジン、4’,4’’−ビスフェニルテルピリジン、クォータピリジン、ビピラジン、2,2’−ビピリミジン、2,6−ビス(ピラジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(ピリミジン−2−イル)ピリジン、4−フェニル−2,6−ビスピラジニルピリジン、4−フェニル−2,6−ビス(ピリミジン−2−イル)ピリジン、2,4,6−トリス(ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン又は2,4,6−トリス(ピリミジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン等の、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された化合物から、最大で「m+n」個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。
単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された化合物として、好ましくはフェニルピリジン、ビピリジン、ビスフェニルビピリジン、ビスフェニルフェナントロリン、ビスピリジルベンゼン、テルピリジン、4−フェニルテルピリジン又は2,2’−ビピリミジンが挙げられ、より好ましくは2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン、2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンが挙げられる。
そして、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された化合物として、さらに好ましくは2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジンが挙げられ、特に好ましくは2,2’−ビピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジンが挙げられる。
前記金属錯体部位を構成する配位子部位の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。すなわち、前記金属錯体部位を有する基は、1個の前記金属原子と1個の配位子部位とで構成されたものでもよいし、1個の前記金属原子と2個以上の配位子部位とで構成されたものでもよい。
そして、配位子部位が2個以上である場合、後述するm個のRとn個のRは、いずれも1個の配位子部位のみが有していてもよいし、2個以上の配位子部位が分散して有していてもよく、2個以上の配位子部位が分散して有する場合、すべての配位子部位が有していてもよい。
前記金属錯体部位を構成する配位子部位の数は、組み合わされる前記金属原子と配位子部位の種類によって制限される。
前記金属錯体部位を有する基において、前記金属原子は、前記配位子部位以外に補助配位子を有していてもよい。前記補助配位子は、1種でもよいし、2種以上でもよい。
前記補助配位子の例としては、ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、酸化物イオン、硫化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、カルボニル等の無機配位子が挙げられる。
また、前記補助配位子の例としては、トリアルキルアミン系化合物(トリエチルアミン、ジエチルプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリエチレンジアミン等)、アルコキシドイオン(メトキシドイオン、エトキシドイオン、イソプロポキシドイオン等)、酢酸イオン、アセチルアセトナートイオン、置換されていてもよいシクロペンタジエニルアニオン類(シクロペンタジエニルアニオン、インデニルアニオン、フルオレニルアニオン等)、置換されていてもよい有機リン化合物(トリフェニルホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン等)、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物(ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、2,2’−ビピリジン、フェナントロリン等)、置換されていてもよい2−フェニルピリジンラジカルアニオン、置換されていてもよいカルボン酸のアニオン(シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸イオン、フタル酸イオン、安息香酸のアニオン、サリチル酸のアニオン等)、置換されていてもよいジオキソレン類(カテコラート、ortho−セミキノネート、ortho−ベンゾキノン等)、置換されていてもよいジチオレン類(ortho−ベンゼンジチオラート、3,5−シクロヘキサジエンー1,2−ジチオン等)等の有機配位子が挙げられる。ここで、「置換されていてもよい」とは、1個以上の水素原子が水素原子以外の原子又は基で置換されていてもよいことを意味し、置換される水素原子の数は特に限定されない。
前記置換されていてもよいシクロペンタジエニルアニオン類、置換されていてもよい有機リン化合物、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物、置換されていてもよい2−フェニルピリジンラジカルアニオン、置換されていてもよいカルボン酸のアニオン、置換されていてもよいジオキソレン類、及び置換されていてもよいジチオレン類等における前記置換基は、好ましくはハロゲン原子、炭素数が4以下の鎖状炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)又はメチル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である。
金属錯体部位の安定性や光機能性材料の性能から、前記補助配位子は、好ましくは塩化物イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、チオシアン酸イオン、カルボニル、置換されていてもよいシクロペンタジエニルアニオン類、置換されていてもよい有機リン化合物、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物、置換されていてもよいジオキソレン類であり、より好ましくは塩化物イオン、水酸化物イオン、チオシアン酸イオン、カルボニル、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物、置換されていてもよいジオキソレン類であり、さらに好ましくは塩化物イオン、チオシアン酸イオン、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物、置換されていてもよいジオキソレン類であり、最も好ましくは塩化物イオン、チオシアン酸イオン、置換されていてもよい含窒素複素環式化合物である。
また、前記金属錯体部位を有する基においては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ピリジン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒分子が配位していてもよい。
配位する溶媒分子は、錯体の製造で用いる溶媒の種類に依存するが、錯体の安定性、錯体製造時の反応性、反応時の取扱い上の安全性等から、好ましくは水、メタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミドであり、より好ましくは水又はメタノールである。
前記Pは、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が、1以上の単結合で連結された基であってもよい。
前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が、1以上の単結合で連結された基において、前記単結合の数は、金属錯体製造時の前記化合物(1)の溶解性が良好である点から、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が、1以上の単結合で連結された基の例としては、ビフェニル、ターフェニル、2,4,6−トリフェニルベンゼン、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン等の芳香族化合物から、「m+n」個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。
前記Pは、後述するR及びR以外に置換基を有していてもよく、該置換基の数が2以上である場合には、これら置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。該置換基としては、1個以上の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシリル基;炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
前記シリル基における炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。該アルキル基が2〜3個の場合(シリル基におけるアルキル基による置換数が2〜3の場合)、これらアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記炭素数1〜30のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環式及び多環式のいずれでもよい。
前記炭素数1〜30のアルキル基は、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10であり、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が挙げられる。
前記Pが有するR及びR以外の置換基は、前記化合物(1)の合成が容易である点から、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基である。
前記式(1)中、Rは式「−CO」、「−SO」、「−PO 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(R」又は「−C≡N」で表される基である。ここで、Rは水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。
における前記アルカリ金属原子の例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子が挙げられる。
における炭素数1〜4のアルキル基は、前記Pが有するR及びR以外の置換基としての炭素数1〜4のアルキル基と同じである。
後述するように陽イオンと相互作用するため、前記Rは、陰イオンになり得る式「−CO」、「−SO」又は「−PO 」で表される基、あるいは陰イオンである式「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(R」で表される基であることが好ましく、陽イオンとの相互作用の強さの点から、式「−CO」又は「−CO 」で表される基であることがより好ましい。
また、陰イオンになり易いという点から、RAは水素原子又はアルカリ金属原子であることが好ましい。そして、陽イオンとの相互作用時に生成する無機塩の除去が省略できる点から、RAは水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)中、mは2以上の整数である。そして、前記化合物(1)は、金属間を架橋する配位子として作用するため、mは好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。ただし、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、mは4以下である。
複数あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。そして、化合物(1)の合成が容易である点からは、Rはすべて同一であることが好ましい。
前記式(1)中、Rは、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−OR」、「−NH」、「−NR 」もしくは「−NO」で表される基である。ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NR 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
における前記ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
における炭素数1〜4のアルキル基は、前記Pが有するR及びR以外の置換基としての炭素数1〜4のアルキル基と同じである。
における炭素数6〜10のアリール基は、単環式及び縮環式のいずれでもよく、その例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1個以上の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基等で置換された置換基を有するフェニル基が挙げられる。ここで、フェニル基における置換基としての炭素数1〜4のアルキル基は、前記Pが有するR及びR以外の置換基としての炭素数1〜4のアルキル基と同じであり、該アルキル基が2個以上の場合(フェニル基における置換基の数が2以上の場合)、これらアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記置換基を有するフェニル基の例としては、トルエン、o−キシレン(1,2−ジメチルベンゼン)、m−キシレン(1,3−ジメチルベンゼン)又はp−キシレン(1,4−ジメチルベンゼン)の芳香環から1個の水素原子を除いてなる基が挙げられる。
前記式(1)中、nは、前記Pが炭素数6の芳香族炭化水素基(ベンゼンから水素原子を除いてなる基)である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数である。前記Rは、式(1)中のPの吸収波長を長波長化させる効果を有する。そして、nをこのように設定することで、後述する金属錯体において、可視光に対する応答感度を向上させることができる。
そして、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合、nは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。また、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基以外である場合、nは、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2である。nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明の光機能性材料においては、前記化合物(1)を、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。すなわち、前記光機能性材料に含まれる金属錯体を得るための前記混合物は、前記化合物(1)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
前記化合物(1)の好ましいものの例を、以下に示す。なお、以下に示す化合物(1)において、例えば、「−COOH」は「−SOH」、「−PO」又は「−CN」であってもよいし、「−COO」は「−SO 」又は「−PO」であってもよい。
Figure 2013126653
Figure 2013126653
Figure 2013126653
Figure 2013126653
次に、金属塩について説明する。
金属塩は、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、銀、カドミウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む。
これらの中でも、取り扱いが容易である点から、金属原子は、好ましくはスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステンであり、より好ましくはスカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、イットリウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルであり、さらに好ましくはスカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルである。
そして、形成される構造の安定性がより高いことから、金属原子は、特に好ましくはスカンジウム、チタンであり、最も好ましくはチタンである。
前記金属塩は、通常、前記金属原子を陽イオンとして有する。そして、この陽イオンは、複数の前記化合物(1)と共に金属錯体を形成する必要があることから、その価数が2〜7であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、3〜4であることが最も好ましい。
前記金属塩は、通常、前記金属原子を陽イオンとして有し、金属塩全体として電気的に中性となるように、陰イオンを対イオンとして有する。このような陰イオンの好ましい例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酸化物イオン、硫化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸イオン、アセチルアセトナートイオン、アルコキシドイオン(メトキシドイオン、エトキシドイオン、イソプロポキシドイオン等)が挙げられる。
これらの中でも、陰イオンは、より好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、アルコキシドイオンであり、さらに好ましくは塩化物イオン、硝酸イオン、アルコキシドイオンである。
金属塩が複数の陰イオンを有する場合、これら複数の陰イオンは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記金属塩は、前記陽イオン及び前記陰イオン以外に、溶媒和して溶媒和塩を形成する分子を配位子として有していてもよい。
溶媒和して溶媒和塩を形成する分子の例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、ピラジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、4,4’−ビピリジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサン等が挙げられ、これらの中でも、好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドである。
金属塩が複数の溶媒和して溶媒和塩を形成する分子を有する場合、これら複数の分子は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明の光機能性材料においては、前記金属塩を、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。すなわち、前記光機能性材料に含まれる金属錯体を得るための前記混合物は、前記金属塩を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
本発明の光機能性材料は、前記化合物(1)と、前記金属塩とを含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体を含む光機能性材料である。
前記金属錯体は、例えば、前記化合物(1)、前記金属塩、及び溶媒を配合し、得られた液状物を反応させることで製造することが好ましい。液状物は、化合物(1)及び金属塩が溶解した溶液であってもよいし、化合物(1)及び/又は金属塩の少なくとも一部が溶解していない懸濁液であってもよい。
前記溶媒は、極性溶媒であることが好ましく、その例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの中でも、前記化合物(1)及び金属塩をより溶解させ易い点から、前記溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、水、メタノール、エタノールであることがより好ましい。
用いる前記溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
金属錯体製造時に用いる前記化合物(1)と、前記金属塩とのモル比(化合物(1)/金属塩)は、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.5である。このようにすることで、金属錯体の収率がより向上する。
前記液状物中の前記化合物(1)の濃度は、好ましくは0.05〜1000mmol/L、より好ましくは0.07〜500mmol/Lである。このようにすることで、化合物(1)の溶解性を向上させることができ、金属錯体の収率がより向上する。
前記液状物中の前記金属塩の濃度は、好ましくは0.01〜1000mmol/L、より好ましくは0.05〜500mmol/Lである。このようにすることで、金属塩の溶解性を向上させることができ、金属錯体の収率がより向上する。
前記混合物の反応条件は、前記化合物(1)、前記金属塩及び溶媒の種類に応じて、適宜調節すればよいが、60〜250℃の範囲で加熱して反応させることが好ましく、80〜220℃の範囲で加熱して反応させることがより好ましく、100〜200℃の範囲で加熱して反応させることがさらに好ましい。これは、金属錯体の収率がより向上するためである。
前記液状物を加熱する場合、空気雰囲気下で加熱してもよく、常圧下で加熱してもよいが、加熱中の溶媒の揮発により、反応容器が0.1〜100MPaの高圧力下となる場合は、オートクレーブ等の密閉型反応容器を用いることが好ましい。また、加熱には、オイルバスやオーブン等を用いてもよく、マイクロ波や超音波の照射により加熱してもよい。
前記液状物の加熱時間は、前記化合物(1)、前記金属塩及び前記溶媒の種類に応じて、適宜調節すればよいが、通常、1分間〜1週間であり、好ましくは1〜120時間、より好ましくは2〜72時間である。
前記金属錯体は、上記の製造条件下では、反応終了後に析出し易い傾向にあるので、例えば、反応終了後に濾別等で容易に分離できる。分離した金属錯体は、必要に応じて洗浄、乾燥等の後処理操作を行ってもよい。
本発明の光機能性材料は、前記化合物(1)及び前記金属塩以外に、その他の成分を用いて得られたものでもよい。その他の成分を用いた光機能性材料は、前記液状物の調製時に、その他の成分を配合することで得られる。
前記その他の成分の好ましい例としては、金属錯体形成時に用いられる補助配位子が挙げられる。
補助配位子の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、2,2’−ビピリジル、3,3’−ビピリジル、4,4’−ビピリジル、トリエチレンジアミン等の、窒素原子を2個有する化合物;シュウ酸(エタン二酸)、マロン酸(プロパン二酸)、コハク酸(ブタン二酸)、フタル酸(ベンゼン−1,2−ジカルボン酸)、イソフタル酸(ベンゼン−1,3−ジカルボン酸)、テレフタル酸(ベンゼン−1,4−ジカルボン酸)等の、カルボキシル基を2個有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、取り扱い性に優れる点から、前記補助配位子は、好ましくはピラジン、4,4’−ビピリジル、トリエチレンジアミン、シュウ酸、テレフタル酸であり、より好ましくはピラジン、4,4’−ビピリジル、トリエチレンジアミンである。
前記金属錯体の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ということがある。)と、チタン原子を含む金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られたものが挙げられる。
Figure 2013126653
(式中、Pは、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
a1は式「−COA1」、「−SOA1」、「−POA1 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(RA1」又は「−C≡N」で表される基(ここで、RA1は水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;m1は2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、m1は4以下であり、複数あるRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく;
b1は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−ORB1」、「−NH」、「−NRB1 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、RB1は炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NRB1 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;n1は、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、n1が2以上の整数である場合、複数あるRb1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(2)中、P、Ra1、RA1、m1、Rb1、RB1、n1としては、それぞれ、前記式(1)中のP、R、R、m、R、R、nと同じものが例示できる。
したがって、例えば、複数あるRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、式「−NRB1 」において2個のRB1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、n1が2以上の整数である場合、複数あるRb1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記Pは、前記Ra1及び前記Rb1以外に置換基を有していてもよく、該置換基の数が2以上である場合には、これら置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
が有するRa1及びRb1以外の置換基としては、前記式(1)中のPが有するR及びR以外の置換基と同じものが例示できる。
前記金属錯体が配位高分子である場合、このような金属錯体は、不均一系触媒としての利用が容易になるため好ましい。本明細書において、配位高分子とは、配位結合及びイオン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介することで、集積構造を形成している金属錯体を意味する。
また、前記金属錯体は多孔性構造を形成していることが好ましい。多孔性構造を形成している金属錯体は、BET比表面積が100m−1以上であることが好ましく、300m−1以上であることがより好ましい。多孔性構造を形成し、比表面積が増加することで、金属錯体は、単位重量あたりの活性点の数が増加するため、触媒活性の向上が期待される。
前記金属錯体は、上記のように、化合物(1)と、前記金属原子を含む金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られる。一方、特定の構造を有する金属錯体は、以下に示すその他の製造方法でも得られる。
ここで、特定の構造を有する金属錯体とは、例えば、PがR以外に置換基を有していてもよい、前記金属錯体部位を有する基であり、前記金属錯体部位を構成する配位子部位1個あたり2個以上のRを有し、前記金属錯体部位を構成する金属原子が周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種であり、nが0であり、Rが式「−CO」、「−SO」、「−PO 」、「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(R」で表される基である化合物(1)と、スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む1種又は2種以上の前記金属塩と、を用いて得られるものである。
前記その他の製造方法とは、化合物(1)において、Pが前記金属錯体部位を有する基ではなく、金属原子(周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子)を含まず、且つ単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された基からなる有機部位から、最大でm個の水素原子を除いてなるものを含む化合物を用い、これと前記金属塩とを含む混合物を反応させて反応物を得た後、得られた反応物と、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と、を反応させて、前記金属錯体を得る方法である。本法は、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を、前記金属錯体から外した構造を含む化合物を用い、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を最後に導入して反応させるものである。
このような金属錯体は、下記式(3)で表される構造(以下、「構造(3)」ということがある。)と、スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属(好ましくはチタン)のイオンと、を含む金属錯体(以下、「前駆体金属錯体」ということがある。)を、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と反応させることにより、製造できる。得られる金属錯体は、前駆体金属錯体中の配位子が、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子に配位したものである。
Figure 2013126653
(式中、Pは、Ra2以外に置換基を有していてもよい、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された基からなる有機部位を有する基であり、単環芳香族複素環式基が連結されている場合、前記単環芳香族複素環式基の環構造を構成するヘテロ原子が、前記金属のイオン又はその他の金属のイオンに配位しておらず;
a2は式「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(RA2」で表される基(ここで、RA2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;
m2は2以上の整数であり、複数あるRa2は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(3)中、Pは、Ra2以外に置換基を有していてもよい、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された基からなる有機部位を有する基であり、前記有機部位は、前記式(1)中のPにおける前記金属錯体部位から前記金属原子を除いたものと同じである。
ただし、前記有機部位において、単環芳香族複素環式基が連結されている場合、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と反応させたときに、この金属原子に配位可能なように、連結されている前記単環芳香族複素環式基の環構造を構成するヘテロ原子は、前記金属のイオン(スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属のイオン)又はその他の金属のイオンに配位していない。ここで、ヘテロ原子の例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。また、その他の金属のイオンとは、スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウム以外の金属のイオンを意味する。
前記単環芳香族複素環式基は、含窒素単環芳香族複素環式基(単環芳香族複素環の環構造を構成する原子として窒素原子を有する基)であることが好ましく、ピリジル基であることがより好ましい。
前記有機部位としては、少なくとも単環芳香族複素環式基が連結されたものが好ましく、Ra2以外に置換基を有していてもよい、2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン又は2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンから、m2個の水素原子を除いてなる基であることがより好ましい。
また、前記有機部位としては、フェニルシクロペンタジエニドアニオン又は1,3−ビスフェニルシクロペンタジエニドアニオンから、m2個の水素原子を除いてなる基も好ましい。
前記式(3)中、Ra2は、式「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(RA2」で表される基である。ここで、RA2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、かかるアルキル基としては、前記式(1)中のRにおける炭素数1〜4のアルキル基と同様のものが例示できる。
前記式(3)中、m2は、前記式(1)中のmと同じである。したがって、例えば、複数あるRa2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
前駆体金属錯体において、構造(3)と前記金属のイオンとのモル比(構造(3)/金属のイオン)は、好ましくは0.5〜3である。
前駆体金属錯体においては、Ra2が前記金属のイオンに配位している。
前駆体金属錯体は、例えば、前記化合物(1)に代えて、構造(3)の原料となる化合物を用い、金属塩としてスカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含むものを用いること以外は、前記金属錯体の場合と同様の方法で製造できる。例えば、反応温度は、60〜250℃であることが好ましい。
構造(3)の原料となる化合物の例としては、構造(3)において、Ra2のアニオンが水素イオン、アルカリ金属イオン又は炭素数1〜4のアルキルカチオンと結合したもの、すなわち、Ra2が前記化合物(1)におけるRで置換されたものが挙げられる。
周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子の好ましい例は、前記金属錯体部位を有する基における金属原子の好ましい例と同じである。
周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩は、チタン原子を含む金属塩であることが好ましい。
本発明の光機能性材料が含む前記金属錯体は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記その他の製造方法では、例えば、前駆体金属錯体と、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と、を溶媒中で混合して、反応させる。
前記その他の製造方法で用いる金属塩は、通常、前記金属原子を陽イオンとして有し、金属塩全体として電気的に中性となるように、陰イオンを対イオンとして有する。このような陰イオンの好ましい例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酸化物イオン、硫化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオンが挙げられる。
これらの中でも、前記陰イオンは、より好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンであり、さらに好ましくは塩化物イオン、硝酸イオンである。
前記その他の製造方法で用いる金属塩が複数の陰イオンを有する場合、これら複数の陰イオンは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記その他の製造方法における反応温度は、用いる前駆体金属錯体、金属塩及び溶媒の種類に応じて、適宜調節すればよいが、−20〜100℃であることが好ましく、副反応を防ぐ効果が高いことから0〜80℃であることがより好ましい。
反応圧力は特に限定されず、通常は常圧であるが、好ましくは0.01〜10MPa、より好ましくは0.05〜1MPaである。
前記その他の製造方法で用いる溶媒は、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩の少なくとも一部を溶解可能なものが好ましく、その例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が挙げられる。
これらの中でも、反応後の乾燥処理が容易であることから、前記溶媒はメタノール、エタノール、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルであることがより好ましい。
用いる前記溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記その他の製造方法で得られる金属錯体において、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子がさらに補助配位子を有する場合、前記その他の製造方法は、さらに前記補助配位子を導入する工程を有していてもよい。好適な補助配位子を導入することにより、金属錯体の光触媒能の向上が期待される。ここでの補助配位子として、好ましくは塩化物イオン、チオシアン酸イオン、2,2’−ビピリジン及び2,2’:6’,2’’−テルピリジンが挙げられ、より好ましくはチオシアン酸イオン、2,2’−ビピリジン及び2,2’:6’,2’’−テルピリジンが挙げられる。
前記金属錯体は、可視光(例えば、380〜780nmの波長帯)に対して応答可能であるため、これを用いて得られた光機能性材料も、同様に可視光へ応答可能なものである。
本発明の光機能性材料は、前記金属錯体を含むものであり、前記金属錯体のみからなるものでもよいし、前記金属錯体以外の成分を含むものでもよい。前記金属錯体以外の成分の好ましい例としては、金属粒子、その他の金属錯体が挙げられ、金属粒子がより好ましい。なお、本明細書において、特に断りのない限り、単なる「金属錯体」との記載は、前記混合物を反応させることによって得られた金属錯体を意味し、ここで挙げた「その他の金属錯体」や、上記の「前駆体金属錯体」とは異なるものとする。
前記金属粒子の材質の例としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、これらの中でも、より優れた光触媒能が得られる点から、好ましくはルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金であり、より好ましくはルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金である。
金属粒子を含む光機能性材料は、例えば、以下に示す光電着法、含浸法で製造できる。
光電着法とは、還元剤と、金属粒子を形成させるための前駆体である金属イオンと、前記金属錯体と、溶媒とを含む液体に光を照射することで、前記金属イオンを還元し、生成した金属粒子を前記金属錯体に付着させ、溶媒を除去する方法である。
含浸法とは、金属を含むコロイド中に前記金属錯体を浸漬して、金属粒子を金属錯体に含浸させ、溶媒を除去する方法である。
光機能性材料の金属粒子の含有率は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
また、光機能性材料の金属粒子の含有率は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上である。
前記その他の金属錯体の好ましいものの例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
なお、下記式で表されるその他の金属錯体において、例えば、Xは、BF 、PF 、NO 及びClO から選ばれる1種であることを意味し、これは、X及びXも同様である。また、Xは、BF 、PF 、NO 及びClO から選ばれる1種又は2種であることを意味し、これは、X、X、X、X及びXも同様である。また、Mは、Mn、Fe又はRuであることを意味する。また、Mは、Fe又はCoであり、3個のMはすべて同じでもよいし、2個のみ同じでもよいことを意味する。
Figure 2013126653
Figure 2013126653
前記その他の金属錯体を含む光機能性材料は、例えば、以下に示す含浸法で製造できる。
ここで含浸法とは、その他の金属錯体を含むコロイド中又は溶液中に前記金属錯体(その他の金属錯体ではない)を浸漬して、その他の金属錯体を金属錯体に含浸させ、溶媒を除去する方法である。
光機能性材料のその他の金属錯体の含有率は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
また、光機能性材料のその他の金属錯体の含有率は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。
上記で例示したその他の金属錯体のうち、2,2’−ビピリジン又は2,2’:6’,2’’−テルピリジンを配位子として含むものについては、2,2’−ビピリジン又は2,2’:6’,2’’−テルピリジンにカルボキシル基が導入されたものを用いてもよい。
光機能性材料が含む、前記金属錯体以外の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
光機能性材料の前記金属錯体の含有率は、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは97質量%以上である。
本発明に係る光機能性材料は、光、特に可視光を吸収することにより、光触媒効果、増感効果、光電変換効果、発熱効果、光磁気効果、光記録効果、ラジカル発生効果等を奏するもので、例えば、光触媒、酸化還元反応光触媒(水分解光触媒、有機物酸化還元光触媒、二酸化炭素還元光触媒等)、酸化還元反応光触媒用増感色素(水分解光触媒用増感色素、有機物酸化還元光触媒用増感色素、二酸化炭素還元光触媒用増感色素等)、光電変換材、光電変換用増感色素、発光材、光導電材、光吸収材等として有用である。
前記水分解光触媒とは、光を吸収することによって光触媒能を発現し、水に酸化還元作用を及ぼし、水素及び/又は酸素を発生させるものである。前記水分解光触媒は、酸化作用のみを示す場合には酸素発生光触媒、還元作用のみを示す場合には水素発生光触媒、とそれぞれ呼んで、区別することもできる。
前記有機物酸化還元光触媒とは、光を吸収することによって光触媒能を発現し、有機物に還元作用及び酸化作用からなる群から選ばれる少なくとも1種の作用を及ぼし、異なる化合物を与えるものである。前記有機物酸化還元光触媒は、有機物に酸化作用のみを示す場合には有機物酸化光触媒、有機物に還元作用のみを示す場合には有機物還元光触媒、とそれぞれ呼んで、区別することもできる。
前記有機物酸化還元光触媒は、各種基質に対して、還元作用及び酸化作用からなる群から選ばれる少なくとも1種の作用を及ぼすことが可能である。還元作用としては、例えば、ニトロ化合物の還元、カルボニル化合物の還元、ハロゲン化化合物のハロゲン水素化、二重結合の水素化が挙げられ、好ましい還元作用は、ニトロ化合物の還元、カルボニル化合物の還元である。酸化作用としては、例えば、アミン化合物の酸化、アルコールの酸化、アルデヒドの酸化が挙げられる。
例えば、前記酸化還元反応光触媒が還元作用を及ぼす場合、酸化還元反応光触媒は一時的に高酸化状態になるが、高酸化状態の酸化還元反応光触媒は、反応系中に含まれる基質、触媒及び生成物以外の物質により還元されることで、光を吸収する前の酸化状態に戻る。高酸化状態の酸化還元反応光触媒を還元する物質は、酸化された酸化還元反応光触媒の還元が可能であれば、特に限定されないが、入手が容易であること、比較的安価であることから、水、メタノール又はトリエタノールアミンが好ましく、還元能が比較的高いことから、トリエタノールアミンがより好ましい。
また、例えば、前記酸化還元反応光触媒が酸化作用を及ぼす場合、酸化還元反応光触媒は一時的に低酸化状態になるが、低酸化状態の酸化還元反応光触媒は、反応系中に含まれる基質、触媒及び生成物以外の物質により酸化されることで、光を吸収する前の酸化状態に戻る。低酸化状態の酸化還元反応光触媒を酸化する物質は、還元された酸化還元反応光触媒の酸化が可能であれば、特に限定されないが、入手が容易であること、比較的安価であることから、硝酸銀、酸化銀等の銀化合物が好ましい。
本発明の光機能性材料は、前記金属錯体を含んでなるので、可視光の吸収により種々の優れた機能を発現できる。そして、太陽の光エネルギーを従来よりも大幅に有効利用できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。なお、本実施例において、金属錯体の粉末X線回折(以下、「XRD」という。)の測定及び吸着等温線の作成、光機能性材料の水分解光触媒能の試験におけるガスクロマトグラフィーによる分析、並びに光機能性材料の有機物酸化還元光触媒能の試験におけるガスクロマトグラフィーによる分析は、以下の条件で行った。
(金属錯体の粉末XRDの測定条件)
装置:島津製作所社製「LabX XRD−6100」
X線管球:Cu−Kα
X線出力:40kV−30mA
露光時間:3300秒
分解能:0.02°
測角範囲:5−60°
(金属錯体の吸着等温線の作成条件)
平衡時間:窒素10分(P/P:0〜0.17、Pは平衡圧力、Pは飽和蒸気圧をそれぞれ示す。)
(光機能性材料の水分解光触媒能の試験におけるガスクロマトグラフィーの分析条件)
装置:島津製作所社製「GC−12A」
検出器:熱伝導度検出器(TCD)
キャリアガス:アルゴン
カラム:MS−5A
検出器温度:150℃
カラム温度:60℃
検出器電流値:60mA
(光機能性材料の有機物酸化還元光触媒能の試験におけるガスクロマトグラフィーの分析条件)
装置:島津製作所社製「GC−14B」
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム
カラム: InertCap 1
気化室温度:200℃
検出器温度:200℃
カラム温度:120℃
<金属錯体の製造>
[実施例1]
2.0gの2−アミノテレフタル酸、2.4mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、36mLのN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)及び4mLのメタノールをポリテトラフルオロエチレン製のるつぼに入れ、該るつぼをステンレスジャケットで密封した。このときの2−アミノテレフタル酸とオルトチタン酸テトライソプロピルとのモル比(2−アミノテレフタル酸:オルトチタン酸テトライソプロピル)は1.3:1であり、2−アミノテレフタル酸の濃度は2.8×10mmol/L、オルトチタン酸テトライソプロピルの濃度は2.0×10mmol/Lである。
次いで、150℃に温度調整したオーブンでステンレスジャケットを48時間加熱した。このとき、るつぼは密閉されているので、内容物である液状物は加圧加熱された。加熱後、室温(25℃)まで冷却し、反応中に生じた黄色粉末をろ過して、DMFで洗浄した。さらに、得られたろ過物にDMFを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これをろ過してDMFで洗浄する操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに150℃で1時間真空乾燥させることにより、金属錯体(A)を得た(収量1.9g)。
得られた金属錯体(A)について、XRDを測定したところ、ピークが6.7度、9.8度、 11.7度、16.6度(2θ)に観測され、文献「J.Am.Chem.Soc.2009,131,10857−10859」に記載のMIL−125と非常によく似た構造の金属錯体であることが示唆された。また、酸化チタン(アナタース型又はルチル型)に由来するピークは観測されなかった。
また、得られた金属錯体(A)について、77Kにおける窒素の吸着等温線を作成した。結果を図1に示す。図1中、横軸は、平衡圧力(P)を飽和蒸気圧(P)で除した相対圧を示し、縦軸は、標準状態(0℃、1気圧)における体積に換算した窒素の吸着量を示す。
前記吸着等温線から算出した金属錯体(A)のBET比表面積は、1101m−1であった。
[実施例2]
下記式(5)で表されるRu錯体(1)を、文献「Dalton Trans.,2007,4323−4332」及び「Eur.J.Inorg.Chem.,2010,3040−3050」の記載内容に従い合成した。
Figure 2013126653
300mgのRu錯体(1)、0.1mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、4.5mLのDMF及び0.5mLのメタノールをポリテトラフルオロエチレン製のるつぼに入れ、該るつぼをステンレスジャケットで密封した。このときのRu錯体(1)とオルトチタン酸テトライソプロピルのモル比(Ru錯体(1):オルトチタン酸テトライソプロピル)は1:1であり、Ru錯体(1)の濃度は0.10mmol/L、オルトチタン酸テトライソプロピルの濃度は0.07mmol/Lである。
次いで、150℃に温度調整したオーブンでステンレスジャケットを15時間加熱した。このとき、るつぼは密閉されているので、内容物である液状物は加圧加熱された。加熱後、室温(25℃)まで冷却し、反応中に生じた赤色粉末をろ過して、アセトンで洗浄した。さらに、得られたろ過物にアセトンを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これをろ過してアセトンで洗浄する操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに100℃で1時間真空乾燥させることにより、金属錯体(B)を得た(収量250mg)。
得られた金属錯体(B)について、XRDを測定した。このとき得られた粉末X線回折パターンを図2に示す。ここに示すように、ピークが6.1度、10.3度、12.3度、14.7度(2θ)に観測された。また、酸化チタン(アナタース型又はルチル型)に由来するピークは観測されなかった。
[実施例3]
300mgの2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、0.25mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、4.5mLのDMF及び0.5mLのメタノールをポリテトラフルオロエチレン製のるつぼに入れ、該るつぼをステンレスジャケットで密封した。このときの2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸とオルトチタン酸テトライソプロピルとのモル比(2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸:オルトチタン酸テトライソプロピル)は1.3:1であり、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸の濃度は1.6×10mmol/L、オルトチタン酸テトライソプロピルの濃度は1.2×10mmol/Lである。
次いで、150℃に温度調整したオーブンでステンレスジャケットを48時間加熱した。このとき、るつぼは密閉されているので、内容物である液状物は加圧加熱された。加熱後、室温(25℃)まで冷却し、反応中に生じた白色粉末をろ過して、DMFで洗浄した。さらに、得られたろ過物にDMFを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これをろ過してDMFで洗浄する操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに150℃で1時間真空乾燥させることにより、Ti錯体(1)を得た(収量280mg)。
窒素ガス雰囲気下、アセトン45mLに水5mLを加えた混合溶媒に、60mgのTi錯体(1)及び35mgのKPtClを加え、60℃で5時間攪拌した。室温(25℃)まで冷却した後、生じた赤黄色粉末をろ過して、アセトンおよび水で洗浄した。さらに、得られたろ過物にアセトンを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これをろ過してアセトンで洗浄する操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに100℃で1時間真空乾燥させることにより、前駆体金属錯体として、金属錯体(C)を得た(収量50mg)。
得られた金属錯体(C)について、XRDを測定した。このとき得られた粉末X線回折パターンを図3に示す。ここに示すように、ピークが6.2度、12.4度、16.2度、17.5度、18.7度、25.0度、25.8度、28.0度(2θ)に観測された。また、酸化チタン(アナタース型又はルチル型)に由来するピークは観測されなかった。
<比較用の金属錯体の製造>
[比較例1]
文献「J.Am.Chem.Soc.2009,131,10857−10859」に記載の方法に従って、下記手順により金属錯体を製造した。
2.0gのテレフタル酸、2.4mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、36mLのDMF及び4mLのメタノールをポリテトラフルオロエチレン製のるつぼに入れ、該るつぼをステンレスジャケットで密封した。
次いで、150℃に温度調整したオーブンでステンレスジャケットを15時間加熱した後、室温(25℃)まで冷却し、反応中に生じた白色粉末をろ過して、DMFで洗浄した。さらに、得られたろ過物にDMFを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これをろ過してDMFで洗浄する操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに150℃で1時間真空乾燥させることにより、比較用の金属錯体(RA)を得た(収量2.0g)。
得られた金属錯体(RA)について、XRDを測定したところ、ピークが6.7度、9.8度、 11.7度、16.6度(2θ)に観測され、文献「J.Am.Chem.Soc.2009,131,10857−10859」に記載のMIL−125であることが示唆された。また、酸化チタン(アナタース型又はルチル型)に由来するピークは観測されなかった。
<光機能性材料の製造>
[実施例4]
400mgの金属錯体(A)と、白金仕込み量が0.5質量%となるように調製した塩化白金酸のメタノール溶液とを石英製ガラス容器に入れ、ここへさらに20mLのDMF及び20mLのメタノールを加え、混合した。得られた懸濁混合液に対して、アルゴンバブリングを10分間行った後、東芝社製100W高圧水銀灯「SHL−100UV」を用いて、5mWcm−2で3時間、紫外光を照射した。次いで、遠心分離を行い、上澄みを除いた。さらに、残渣にDMFを加えて室温(25)℃で1分間攪拌し、これを遠心分離して上澄みを除く操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに150℃で1時間真空乾燥させることにより、金属錯体(A)に光電着法によって白金粒子を担持させた光機能性材料(A1)を得た(収量362mg)。
得られた光機能性材料(A1)について、XRDを測定したところ、XRDパターンは金属錯体(A)のものと同じであった。
また、得られた光機能性材料(A1)について、実施例1の場合と同様の方法で、77Kにおける窒素の吸着等温線を作成した。結果を図4に示す。図4中の横軸及び縦軸は、図1の場合と同じである。
実施例1の場合と同様の方法で、前記吸着等温線から算出した光機能性材料(A1)のBET比表面積は、910m−1であった。
[実施例5〜7]
白金仕込み量を0.5質量%に代えて、1.0質量%、1.5質量%又は2.0質量%としたこと以外は、実施例4と同様の方法で、光機能性材料(A2)〜(A4)を得た。表1に、実施例4〜7における、白金仕込み量(光機能性材料における白金担持量)と光機能性材料との対応関係を示す。
Figure 2013126653
[実施例8]
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの金属錯体(B)と、5.5μLの0.02M塩化白金酸水溶液と、2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液と、を入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、420nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に光を照射し、光機能性材料(B)及びトリエタノールアミンを含む懸濁混合液(B)を得た。
[実施例9]
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの金属錯体(C)と、5.5μLの0.02M塩化白金酸水溶液と、2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液と、を入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、420nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に光を照射し、光機能性材料(C)及び
トリエタノールアミンを含む懸濁混合液(C)を得た。
<比較用の光機能性材料の製造>
[比較例2]
400mgの金属錯体(RA)と、白金仕込み量が0.5質量%となるように調製した塩化白金酸のメタノール溶液とを石英製ガラス容器に入れ、ここへさらに20mLのDMF及び20mLのメタノールを加え、混合した。得られた懸濁混合液に対して、アルゴンバブリングを10分間行った後、東芝社製100W高圧水銀灯「SHL−100UV」を用いて、5mWcm−2で3時間、紫外光を照射した。次いで、遠心分離を行い、上澄みを除いた。さらに、残渣にDMFを加えて室温(25℃)で1分間攪拌し、これを遠心分離して上澄みを除く操作を2回繰り返した後、室温(25℃)で終夜乾燥させ、さらに150℃で1時間真空乾燥させることにより、金属錯体(RA)に光電着法によって白金粒子を担持させた、比較用の光機能性材料(RA)を得た(収量370mg)。
得られた光機能性材料(RA)について、XRDを測定したところ、XRDパターンは金属錯体(RA)のものと同じであった。
<水分解光触媒能の試験(1)>
実施例4で得られた光機能性材料(A1)、実施例8で得られた光機能性材料(B)、実施例9で得られた光機能性材料(C)、及び比較例2で得られた比較用の光機能性材料(RA)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の水分解触媒能の試験を行った。具体的には、以下の通りである。
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの光機能性材料(A1)又は(RA)と、犠牲還元剤として2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液とを入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に光を照射した。
光照射条件(1)としては、上記キセノンランプに、390nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>390nm)。光照射条件(2)としては、上記キセノンランプに、420nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>420nm)。光の照射光量は、100mWcm−2とした。
そして、水の分解により発生した水素の量をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表2に示す。
また、実施例8で得られた光機能性材料(B)及びトリエタノールアミンを含む懸濁混合液(B)、並びに実施例9で得られた光機能性材料(C)及びトリエタノールアミンを含む懸濁混合液(C)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の水分解触媒能の試験を行った(懸濁混合液(B)は実施例8で脱気済みであり、懸濁混合液(C)は実施例9で脱気済みである)。具体的には、以下の通りである。
光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、懸濁混合液(B)又は(C)に前記光照射条件(2)で光を照射した。光の照射光量は、100mWcm−2とした。そして、水の分解により発生した水素の量をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表2に示す。
Figure 2013126653
上記結果から明らかなように、光機能性材料(A1)を用いた場合には、光照射条件(1)での光照射により十分な量の水素の発生が認められ、光照射条件(2)でのさらに長波長側での光照射でも、水素の発生が明確に認められた。光機能性材料(B)及び(C)を用いた場合にも、長波長側の光照射条件(2)での光照射により十分な量の水素の発生が認められた。このように、光機能性材料(A1)、(B)及び(C)は、可視光応答性を有し、優れた水分解光触媒能を有していた。
これに対して、光機能性材料(RA)を用いた場合には、光照射条件(1)及び(2)での光照射において、水素の発生を示すピークが確認されず、水素の発生量は検出限界値未満であった(<0.01μmol/h)。このように、光機能性材料(RA)は、可視光に対する応答性をほとんど有していないことが示唆された。
<水分解光触媒能の試験(2)>
実施例1で得られた金属錯体(A)、及び実施例4〜7で得られた光機能性材料(A1)〜(A4)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の水分解触媒能の試験を行った。具体的には、以下の通りである。
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの金属錯体(A)、又は光機能性材料(A1)、(A2)、(A3)若しくは(A4)と、犠牲還元剤として2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液と、を入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に、前記光照射条件(2)で光を3時間照射した。光の照射光量は、100mWcm−2とした。
そして、水の分解により発生した水素の量をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表3に示す。
Figure 2013126653
上記結果から明らかなように、金属錯体(A)、及び光機能性材料(A1)〜(A4)を用いたいずれの場合でも、光照射条件(2)での光照射により十分な量の水素の発生が認められ、優れた水分解光触媒能を有していた。
<水分解光触媒能の試験(3)>
実施例4で得られた光機能性材料(A1)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の水分解触媒能の試験を行った。具体的には、以下の通りである。
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの光機能性材料(A1)と、犠牲還元剤として2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液と、を入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に、前記光照射条件(1)及び(2)に加え、下記光照射条件(3)〜(5)で光を照射した。光照射条件(3)としては、上記キセノンランプに、450nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>450nm)。光照射条件(4)としては、上記キセノンランプに、480nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>480nm)。光照射条件(5)としては、上記キセノンランプに、500nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>500nm)。光の照射光量は、100mWcm−2とした。
そして、水の分解により発生した水素の量をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表4に示す。
Figure 2013126653
上記結果から明らかなように、光機能性材料(A1)は、光照射条件(1)〜(5)のいずれの光照射条件であっても、光照射により十分な量の水素の発生が認められ、優れた水分解光触媒能を有していた。
<水分解光触媒能の試験(4)>
実施例2で得られた金属錯体(B)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の水分解触媒能の試験を行った。具体的には、以下の通りである。
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、10mgの金属錯体(B)と、犠牲還元剤として2mLの0.01Mトリエタノールアミン水溶液と、を入れ、凍結脱気した。
次いで、光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、この凍結脱気後の試料に、前記光照射条件(2)〜(4)に加え、下記光照射条件(6)及び(7)で光を照射した。光照射条件(6)としては、上記キセノンランプに、550nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>550nm)。光照射条件(7)としては、上記キセノンランプに、620nm以下の波長の光を遮光するカットフィルターを取り付けて、光の照射を行った(照射光波長>620nm)。光の照射光量は、100mWcm−2とした。
そして、水の分解により発生した水素の量をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表5に示す。
Figure 2013126653
上記結果から明らかなように、金属錯体(B)は、光照射条件(2)〜(4)、(6)、(7)のいずれの光照射条件であっても、光照射により十分な量の水素の発生が認められ、優れた水分解光触媒能を有していた。
<有機物酸化還元光触媒能の試験>
実施例4で得られた光機能性材料(A1)について、犠牲還元剤(トリエタノールアミン)の存在下における、光照射時の有機物(ニトロベンゼン)還元触媒能の試験を行った。具体的には、以下の通りである。
パイレックス(登録商標)(コーニング社)製の反応セルに、25mgの光機能性材料(A1)と、4mLのアセトニトリル(溶媒)と、0.1mmolのニトロベンゼン(反応基質)と、1.0mmolのトリエタノールアミン(犠牲還元剤)と、を入れ、アルゴンバブリングを15分間行った。
次いで、光源として、カットフィルターが取り付けられた三永電機製作所社製500Wキセノンランプ「スーパーブライト500、XEF−501S」を用いて、アルゴンバブリング後の試料に、前記光照射条件(2)で光を照射した。光の照射光量は、100mWcm−2とした。
そして、ニトロベンゼンの光還元反応により生成したニトロソベンゼン及びアミノベンゼンの収率(%)をガスクロマトグラフィーで定量した。結果を表6に示す。
Figure 2013126653
上記結果から明らかなように、光機能性材料(A1)は、光照射条件(2)での光照射により、ニトロベンゼンをアミノベンゼンに還元しており、優れた有機物酸化還元光触媒能を有していた。
本発明は、可視光に対する応答性を有する光機能性材料として有用である。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される化合物と、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、銀、カドミウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属原子を含む1種又は2種以上の金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体を含む光機能性材料。
    Figure 2013126653
    (式中、Pは、R及びR以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
    は式「−CO」、「−SO」、「−PO 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(R」又は「−C≡N」で表される基(ここで、Rは水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;mは2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、mは4以下であり、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよく;
    は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−OR」、「−NH」、「−NR 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NR 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;nは、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記Pが、R及びR以外に置換基を有していてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、アクリジン又はコロネンから、「m+n」個の水素原子を除いてなる基である、請求項1に記載の光機能性材料。
  3. 前記Pが、R及びR以外に置換基を有していてもよい、2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン又は2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンから、「m+n」個の水素原子を除いてなる基を含む金属錯体部位を有する基である、請求項1に記載の光機能性材料。
  4. 前記金属錯体が、前記混合物を60〜250℃の範囲で加熱して反応させることによって得られた金属錯体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光機能性材料。
  5. 前記金属錯体以外に、さらに金属粒子又はその他の金属錯体を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の光機能性材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光機能性材料を用いてなる酸化還元反応光触媒。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光機能性材料を用いてなる水分解光触媒。
  8. 下記式(2)で表される化合物と、チタン原子を含む金属塩と、を含む混合物を、反応させることによって得られた金属錯体。
    Figure 2013126653
    (式中、Pは、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基、π電子共役系を有する縮環複素環式基、あるいは周期表第2族〜第12族から選ばれる1種の金属原子と単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された配位子とで構成された金属錯体部位を有する基であり、前記芳香族炭化水素基及び/又はπ電子共役系を有する縮環複素環式基が1以上の単結合で連結された基であってもよく;
    a1は式「−COA1」、「−SOA1」、「−POA1 」、「−CO 」、「−SO 」、「−PO(RA1」又は「−C≡N」で表される基(ここで、RA1は水素原子、アルカリ金属原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;m1は2以上の整数であり、Pが前記金属錯体部位を有する基である場合、m1は4以下であり、複数あるRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく;
    b1は、ハロゲン原子、又は式「−OH」、「−ORB1」、「−NH」、「−NRB1 」もしくは「−NO」で表される基(ここで、RB1は炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、式「−NRB1 」において2個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)であり;n1は、Pが炭素数6の芳香族炭化水素基である場合には1以上の整数であり、それ以外の場合には0以上の整数であり、n1が2以上の整数である場合、複数あるRb1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  9. 前記Pが、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、ピセン、ペリレン、アクリジン又はコロネンから、「m1+n1」個の水素原子を除いてなる基である、請求項8に記載の金属錯体。
  10. 前記Pが、Ra1及びRb1以外に置換基を有していてもよい、2−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジン、5,5’−ビスフェニル−2,2’−ビピリジン、1,3−ビス(2−ピリジル)ベンゼン、2,2’:6’,2’’−テルピリジン、4−フェニル−2,2’:6’,2’’−テルピリジン又は2,2’:6’,2’’:6’’,2’’’−クォータピリジンから、「m1+n1」個の水素原子を除いてなる基を含む金属錯体部位を有する基である、請求項8に記載の金属錯体。
  11. 下記式(3)で表される構造と、スカンジウム、チタン、ガリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属のイオンと、を含む金属錯体。
    Figure 2013126653
    (式中、Pは、Ra2以外に置換基を有していてもよい、単環芳香族複素環式基及び/又はフェニル基が1以上の単結合で連結された基からなる有機部位を有する基であり、単環芳香族複素環式基が連結されている場合、前記単環芳香族複素環式基の環構造を構成するヘテロ原子が、前記金属のイオン又はその他の金属のイオンに配位しておらず;
    a2は式「−CO 」、「−SO 」又は「−PO(RA2」で表される基(ここで、RA2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)であり;
    m2は2以上の整数であり、複数あるRa2は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  12. 請求項11に記載の金属錯体と、周期表第5族〜第11族及びランタノイドから選ばれる1種の金属原子を含む金属塩と、を反応させる、金属錯体の製造方法。
JP2012170362A 2011-11-17 2012-07-31 光機能性材料、水分解光触媒、及び光機能性材料の製造方法 Active JP6007650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012170362A JP6007650B2 (ja) 2011-11-17 2012-07-31 光機能性材料、水分解光触媒、及び光機能性材料の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011251557 2011-11-17
JP2011251557 2011-11-17
JP2012170362A JP6007650B2 (ja) 2011-11-17 2012-07-31 光機能性材料、水分解光触媒、及び光機能性材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013126653A true JP2013126653A (ja) 2013-06-27
JP6007650B2 JP6007650B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=48777502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012170362A Active JP6007650B2 (ja) 2011-11-17 2012-07-31 光機能性材料、水分解光触媒、及び光機能性材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6007650B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101467696B1 (ko) * 2013-08-07 2014-12-01 서울대학교산학협력단 유기 금속 착체 광촉매 및 이를 이용한 수소 생산 방법
JP2015033659A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 独立行政法人物質・材料研究機構 光触媒反応促進方法
CN105312090A (zh) * 2015-12-07 2016-02-10 福州大学 一种(C5H5)Ru/TiO2有机无机杂化光催化剂
CN111822024A (zh) * 2019-04-18 2020-10-27 湖北大学 一种环境友好型的具有二维纳米墙阵列结构的铁含量可控的铜铁mof材料及其制备方法
CN115414965A (zh) * 2022-09-22 2022-12-02 河北科技大学 一种三联吡啶基超分子光催化剂的制备方法及其应用
CN115785466A (zh) * 2022-11-24 2023-03-14 广州大学 一种具有绿色光氧化效应的超分子材料的制备方法及应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010094889A1 (fr) * 2009-02-18 2010-08-26 Universite Pierre Et Marie Curie (Paris 6) Materiau solide hybride inorganique-organique a base de titane, son procede de preparation et utilisations
JP2011056416A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Toyota Central R&D Labs Inc 光触媒体および光触媒体の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010094889A1 (fr) * 2009-02-18 2010-08-26 Universite Pierre Et Marie Curie (Paris 6) Materiau solide hybride inorganique-organique a base de titane, son procede de preparation et utilisations
JP2011056416A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Toyota Central R&D Labs Inc 光触媒体および光触媒体の製造方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016012998; 鈴木輝他: '酸化チタンを用いた水からの光増感水素発生反応に対するコバルト錯体の助触媒効果の検討' 日本化学会第91春季年会(2011) 講演予稿集II , 201103, p. 363 *
JPN6016012999; LI, L. et al.: 'A photoelectrochemical device for visible light driven water splitting by a molecular ruthenium cata' Chem. Commun. Vol. 46, 2010, p. 7307-7309 *

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101467696B1 (ko) * 2013-08-07 2014-12-01 서울대학교산학협력단 유기 금속 착체 광촉매 및 이를 이용한 수소 생산 방법
JP2015033659A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 独立行政法人物質・材料研究機構 光触媒反応促進方法
CN105312090A (zh) * 2015-12-07 2016-02-10 福州大学 一种(C5H5)Ru/TiO2有机无机杂化光催化剂
CN105312090B (zh) * 2015-12-07 2017-09-15 福州大学 一种(C5H5)Ru/TiO2有机无机杂化光催化剂
CN111822024A (zh) * 2019-04-18 2020-10-27 湖北大学 一种环境友好型的具有二维纳米墙阵列结构的铁含量可控的铜铁mof材料及其制备方法
CN111822024B (zh) * 2019-04-18 2023-04-18 湖北大学 一种环境友好型的具有二维纳米墙阵列结构的铁含量可控的铜铁mof材料及其制备方法
CN115414965A (zh) * 2022-09-22 2022-12-02 河北科技大学 一种三联吡啶基超分子光催化剂的制备方法及其应用
CN115414965B (zh) * 2022-09-22 2023-11-28 河北科技大学 一种三联吡啶基超分子光催化剂的制备方法及其应用
CN115785466A (zh) * 2022-11-24 2023-03-14 广州大学 一种具有绿色光氧化效应的超分子材料的制备方法及应用
CN115785466B (zh) * 2022-11-24 2023-08-08 广州大学 一种具有绿色光氧化效应的超分子材料的制备方法及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6007650B2 (ja) 2016-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Thermally treated zeolitic imidazolate framework-8 (ZIF-8) for visible light photocatalytic degradation of gaseous formaldehyde
Kofuji et al. Graphitic carbon nitride doped with biphenyl diimide: efficient photocatalyst for hydrogen peroxide production from water and molecular oxygen by sunlight
JP6007650B2 (ja) 光機能性材料、水分解光触媒、及び光機能性材料の製造方法
Juntrapirom et al. Photocatalytic activity enhancement of g-C3N4/BiOBr in selective transformation of primary amines to imines and its reaction mechanism
Chen et al. Highly efficient visible-light-driven CO 2 reduction to formate by a new anthracene-based zirconium MOF via dual catalytic routes
Chen et al. Novel conjugated organic polymers as candidates for visible-light-driven photocatalytic hydrogen production
Zhao et al. Construction of 2D Zn-MOF/BiVO4 S-scheme heterojunction for efficient photocatalytic CO2 conversion under visible light irradiation
Dai et al. Efficient solar-driven hydrogen transfer by bismuth-based photocatalyst with engineered basic sites
JP5724170B2 (ja) 光化学反応デバイス
KR20080102159A (ko) 금속 착체 및 그의 용도
Niu et al. Constructing nitrogen self-doped covalent triazine-based frameworks for visible-light-driven photocatalytic conversion of CO2 into CH4
Chen et al. A porous hybrid material based on calixarene dye and TiO 2 demonstrating high and stable photocatalytic performance
JP2007238601A (ja) 多核金属錯体変性物及びその用途
Mo et al. Controlled thermal treatment of NH2-MIL-125 (Ti) for drastically enhanced photocatalytic reduction of Cr (VI)
Valverde-González et al. Understanding charge transfer mechanism on effective truxene-based porous polymers–TiO2 hybrid photocatalysts for hydrogen evolution
Issa Hamoud et al. Selective photocatalytic dehydrogenation of formic acid by an in situ-restructured copper-postmetalated metal–organic framework under visible light
Yin et al. Coupling g-C3N4 nanobelts and Cu (OH) 2 nanoparticles with TiO2 for visible-light photocatalytic H2 production
Kočí et al. Photocatalytic hydrogen production from methanol over Nd/TiO2
Jia et al. Photocatalytic coupled redox cycle for two organic transformations over Pd/carbon nitride composites
Prakash et al. Strategic design of covalent organic frameworks (COFs) for photocatalytic hydrogen generation
Sk et al. An Anthracene‐Based Metal‐Organic Framework for Selective Photo‐Reduction of Carbon Dioxide to Formic Acid Coupled with Water Oxidation
Ávila-López et al. CuO coatings on glass fibers: a hybrid material for CO2 adsorption and photocatalytic reduction to solar fuels
Zhen et al. Atomic‐and Molecular‐Level Functionalizations of Polymeric Carbon Nitride for Solar Fuel Production
Luo et al. Efficient Photocatalytic Reduction of CO2 Catalyzed by the Metal–Organic Framework MFM-300 (Ga)
Su et al. One-pot solvothermal synthesis of In-doped amino-functionalized UiO-66 Zr-MOFs with enhanced ligand-to-metal charge transfer for efficient visible-light-driven CO2 reduction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6007650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350