JP2013126228A - 無線通信装置および無線通信システム - Google Patents

無線通信装置および無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】変調信号を復調する際にリファレンスシグナルの誤差を低減することができる無線通信装置および無線通信システムを提供する。
【解決手段】送信側無線通信装置1は、無線通信により受信側無線通信装置2に信号を送信する送信部17と、送信部17が送信する信号に無線リソースを割り当てるリソース割当部(13,15)と、受信側無線通信装置2からリファレンスシグナルの追加を要求されたら、リファレンスシグナルを追加するとともに送信部17から送信される信号に無線リソースを割り当てるようにリソース割当部(13,15)を制御する制御部10と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置に関するものであり、特に、例えば直交周波数分割多重変調方式により無線通信を行う装置、および当該装置を含む無線通信システムに関するものである。
地上デジタル放送の規格ISDB−Tや、無線LANの規格IEEE802.11a/gなどにおいて、通信方式として直交波周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)が採用されている。OFDMは、周波数帯域を複数に分割して、直交する複数の搬送波(サブキャリア)によって入力信号を並列伝送するマルチキャリアの通信方式である。また、このOFDMをベースとした変調方式に、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)がある。
図8は、OFDMAを採用した無線通信装置における通常時の無線リソースの割り当ての例を示す図である。OFDMAを採用した無線通信装置においては、図8に示すように、リソースブロック(Resource Block:RB)を単位として、無線リソースが割り当てられる。図8に示すRBにおいて、横方向は左から右へと経過する時間を表し、縦方向は周波数の異なる複数のサブキャリアを表している。
また、OFDMAを採用した無線通信装置は、RB内において、リファレンスシグナル(Reference Signal:RS)を配置して通信を行う。図8に示すRB内において、番号を付した部分はRSを表している。図8に示すようなRB内におけるRSの配置において、1の番号を付したRSによってRBの左上部分のデータ復調を行う。同様に、2の番号を付したRSによってRBの左下部分のデータ復調を行い、3の番号を付したRSによってRBの右上部分のデータ復調を行い、4の番号を付したRSによってRBの右下部分のデータ復調を行う。
OFDMにおいて、無線通信装置が受信する信号は、複数の伝送路(マルチパス)を経ることにより、少なからず遅延の幅すなわち遅延の広がりを有している。この遅延広がりは、シンボル間干渉(Intersymbol interference:ISI)の原因となる。したがって、このようなシンボル間干渉を抑制するため、OFDMでは、送信信号の有効シンボル間に、時間的間隔としてガードインターバル(Guard Interval:GI)を付加している(例えば、特許文献1参照)。
このGIは、シンボル波に、有効信号の一部をコピーしたものを付加することにより生成される。図9は、第1波や第2波のような各波の先頭に、有効信号の一部のコピー(GI)が付加されている様子を概略的に示している。GIには、一般的に、送信するOFDM信号のシンボルの後半の一定時間部分をコピーしてシンボルの先頭部分に貼り付けた、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)が送信される。
一般的に、CPは、その長さが固定されている。図8に示したような無線リソースが割り当てられた信号を受信すると、無線通信装置は、直前のRSを参照してデータを復調する。ここで、GIを付加して送信された信号を受信する際、マルチパスを経ることによる受信波の遅延時間がGI内に収まっていれば、受信側の無線通信装置は、受信信号の直交性を確保することができるため問題は生じない。例えば、図9に示す第2波は、第1波を基準として、受信波の遅延広がりがGI長以下であるため、受信信号の直交性は確保される。したがって、この場合、受信信号を正しく復調することができる。
国際出願公開第WO2007/032497号公報
しかしながら、図9に示す第N波のように、遅延広がりがGI長を超えている電波が到来すると、無線通信装置は、その状態のままRSを再生する。このように、固定されたCP長を超えて遅延が発生すると、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行うウインドウ内で直交性が崩れてしまう。このように、FFTウインドウ内での直交性が崩れると、干渉によって、シンボル点が本来のシンボルの位置からずれて、復調の際に誤差が含まれることになる。すなわち、RSを認識する際に直前のシンボルの影響(ノイズ)を受けてシンボル間干渉が発生し、復調したRSには誤差が生じてしまう。例えば、図10のIQ平面に示すように、ノイズの影響により、シンボルの位置が本来の位置から大きくずれてしまうと、正しい復調ができないおそれが大きくなる。
図10は、上述したマルチパス干渉による影響の様子をIQ平面で示した図である。図10において、斜線によるハッチングを付した部分は、RSのシンボル点を表している。送信側の無線通信装置は、RSとして決められたシンボル点を送信する。一方、受信側の無線通信装置が受信する信号は、IQ平面上のある位置で観測される。図10において、受信側の無線通信装置が受信した信号は、図中の「本来のRSの位置」と記したシンボル点により示してある。RSは既知のシンボルであるため、受信側の無線通信装置は、決められた位置(すなわち、図中の「既知のRSの位置」)からのずれを認識することができる。
次に、受信側の無線通信装置は、送信側の無線通信装置から送信されたデータを受信した際、観測されたシンボル点(すなわち、図中の「受信時の本来のデータシンボルの位置」)に対して、RSを用いて算出したずれを利用することができる。このように、RSを用いて算出したずれを適用すれば、受信側の無線通信装置は、送信されたシンボル点(すなわち、図中の「送信されたシンボル」)を認識することができる。
しかしながら、前のシンボルの遅延波の影響を受けてしまうと、受信側の無線通信装置において観測されるシンボル点は、伝搬路による影響外のランダムなずれを含むことになる(図中の「ノイズにより観測されたRSの位置」)。このようなずれを、受信側の無線通信装置が、データのシンボルに適応すると、誤ったシンボル点として認識してしまうおそれがある。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、変調信号を復調する際にRSの誤差を低減することができる無線通信装置および無線通信システムを提供することにある。
上記目的を達成する第1の観点に係る(送信側)無線通信装置の発明は、
他の(受信側の)無線通信装置に無線通信により信号を送信する送信部と、
前記送信部が送信する信号に無線リソースを割り当てるリソース割当部と、
前記他の(受信側の)無線通信装置からリファレンスシグナルの追加を要求されたら、リファレンスシグナルを追加するとともに前記送信部から送信される信号に無線リソースを割り当てるように前記リソース割当部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成する第2の観点に係る(受信側)無線通信装置の発明は、
他の(送信側の)無線通信装置から無線通信により送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した信号からリファレンスシグナルを検出する検出部と、
前記受信部が受信した信号から遅延の広がりを推定する推定部と、
前記推定部が推定したリファレンスシグナルの遅延の広がりに応じて、前記他の(送信側の)無線通信装置にリファレンスシグナルの追加を要求するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
第3の観点に係る発明は、第2の観点に係る(送信側)無線通信装置において、
前記受信部が前記追加のリファレンスシグナルを受信したら、前記リファレンスシグナルおよび当該追加のリファレンスシグナルに基づいて、前記他の(送信側の)無線通信装置から送信される信号を復調するデータ復調部をさらに備えるものである。
さらに、上記目的を達成する第4の観点に係る無線通信システムの発明は、
送信する信号に無線リソースを割り当てる送信側無線通信装置と、前記送信側の無線通信装置から無線通信により送信された信号を受信する受信側無線通信装置とを備えた無線通信システムにおいて、
受信側無線通信装置は、
受信した信号からリファレンスシグナルを検出し、
受信した信号から遅延の広がりを推定し、
推定したリファレンスシグナルの遅延の広がりに応じて、前記送信側無線通信装置にリファレンスシグナルの追加を要求し、
送信側無線通信装置は、
前記受信側無線通信装置からリファレンスシグナルの追加を要求されたら、リファレンスシグナルを追加するとともに、送信する信号に無線リソースを割り当てるように制御するものである。
本発明によれば、変調信号を復調する際に用いるRSの誤差を低減することができる無線通信装置および無線通信システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る送信側無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る送信側無線通信装置の処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る無線通信装置においてリファレンスシグナルを追加したリソースブロックの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置においてリファレンスシグナルを追加したリソースブロックの他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る受信側無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る受信側無線通信装置の処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る無線通信装置においてIQ平面でのシンボルの位置関係を説明する図である。 従来の無線通信における通常時のリソースブロック内におけるリファレンスシグナルの配置の例を示す図である。 従来の無線通信における遅延広がりによるシンボル間干渉を説明する図である。 従来の無線通信におけるIQ平面でのシンボルの位置関係を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明において、本発明の実施形態にかかる無線通信装置は、OFDMAを採用した無線通信装置であることを想定して説明する。また、以下に説明する本発明の実施形態は、受信側の無線通信装置として、携帯電話端末を想定して説明する。また、送信側の無線通信装置として、携帯電話端末と無線通信を行うに際し電波を送信する基地局装置を想定して説明する。このように、本実施形態にかかる無線通信システムは、送信側の無線通信装置および受信側の無線通信装置を含んで構成される。しかしながら、本発明は、OFDMAを採用した無線通信装置に限定されるものではなく、また携帯電話端末および基地局装置に限定されるものではない。本発明は、複数のサブキャリアを用いて無線通信を行う通信装置であって、リソースブロックにリファレンスシグナルを配置して通信を行うものであれば、種々の通信装置に適用することができる。
まず、本発明の実施形態に係る送信側の無線通信装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る送信側の無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る送信側の無線通信装置1は、制御部10、データバッファ11、シリアル/パラレル(S/P)変換部12、データマッピング部13、RSマッピング部14、IFFT処理部15、GI挿入部16、送信部17、およびアンテナ18を備える。なお、図1に示す送信側の無線通信装置1は、後で説明する受信側の無線通信装置と無線通信を行う。
制御部10は、無線通信装置1の各機能部を制御および管理する。特に、本実施形態においては、制御部10は、データバッファ11に格納されたデータがデータバッファ11から供給される際のデータ数などを制御する。また、制御部10は、RSマッピング部14がRSをマッピングする際のRS数なども制御する。
データバッファ11は、受信側の無線通信装置に送信すべきデータを一時的に格納する。また、データバッファ11は、格納されたデータをシリアル/パラレル変換部12に供給する。この時、上述したように、データバッファ11が供給するデータ数は、制御部10によって制御される。
シリアル/パラレル変換部12は、データバッファ11から供給されたデータを、シリアルからパラレルに変換する。このようにしてシリアル/パラレル変換部12によってパラレルに変換されたデータは、データマッピング部13に供給される。
データマッピング部13は、シリアル/パラレル変換部12から供給されたデータを、サブキャリアごとに所定の変調方式に応じてIQ平面にマッピングする。このようにしてマッピングされたデータは、IFFT処理部15に供給される。
また、RSマッピング部14は、リファレンスシグナル(RS)をリソースブロック(RB)にマッピングする。この時、上述したように、RSマッピング部14がマッピングするRSの数は、制御部10によって制御される。このようにしてマッピングされたRSは、IFFT処理部15に供給される。
IFFT処理部15は、データマッピング部13およびRSマッピング部14から供給されるマッピング信号を、逆高速フーリエ変換処理する。このようにして逆高速フーリエ変換処理された有効シンボル信号は、GI挿入部16に供給される。
GI挿入部16は、IFFT処理部15から供給される有効シンボル信号の先頭に、有効シンボル信号の後半部分をコピーしたガードインターバル(GI)を付加する。このGIは、上述のように、受信側の無線通信装置がOFDM信号を受信する際にシンボル間の干渉を低減させるために挿入されるものである。このようにしてGIが挿入されたOFDMシンボル信号は、送信部17に供給される。
送信部17は、GI挿入部16から供給された信号を、アンテナ18を経て受信側の無線通信装置に送信する。このために、送信部17は、供給されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ(D/A)変換部、供給されるアナログ信号を送信周波数に変換する周波数変換部、送信される信号の電力を増幅する電力増幅部などを含んで構成される。すなわち、送信部17は、受信側の無線通信装置である他の無線通信装置に無線通信により信号を送信する。
このように、本実施形態において、データマッピング部13およびRSマッピング部14を含んで、リソース割当部が構成される。また、本発明において、このリソース割当部は、送信部17が送信する信号に無線リソースを割り当てる。
図2は、図1に示した送信側の無線通信装置1による処理を説明するフローチャートである。
本実施形態による送信側の無線通信装置1による処理が開始すると、制御部10は、受信側の無線通信装置から、RSを追加する旨の要求があったか否かを確認する(ステップS11)。ステップS11においてRS追加の旨の要求がない場合、制御部10は、RBにRSをマッピングして(ステップS14)、送信部17から信号が送信されるように制御する(ステップS15)。ステップS15において信号を送信する際には、RSマッピング部14によりマッピングされたRSとともに、データマッピング部13によりマッピングされたデータがIFFT処理部15によりIFFT処理され、GI挿入部16によりGIが挿入される。
一方、ステップS11においてRS追加の旨の要求があった場合、制御部10は、RSの追加を受信側の無線通信装置に報知してから(ステップS12)、RSを追加するように制御する(ステップS13)。すなわち、制御部10は、RSマッピング部14がRSをマッピングする際の数を増大するように制御を行う。ここで、RSマッピング部14がRSをマッピングする際に増大させるRSの数は、例えば、ステップS11におけるRS追加の旨の要求に応じたものとすることができる。また、ステップS12においてRSの追加を受信側の無線通信装置に報知する際には、追加するRSの情報も報知する。その後、上述したように、制御部10は、RBにRSをマッピングして(ステップS14)、送信部17から信号が送信されるように制御する(ステップS15)。
このように、本実施形態において、制御部10は、受信側の無線通信装置である他の無線通信装置からRSの追加を要求されたら、RSを追加するとともに、送信部17から送信される信号に無線リソースを割り当てるようにリソース割当部を制御する。
図3は、上述のような処理により、図8において説明したRBに追加のRSを配置した様子を示す図である。図3においては、図8で配置されていた番号付のRSの他に、番号を付さずに斜線によるハッチングを付したRSが追加されている。なお、このようなRSの数すなわちサンプル数は、一般的に多くする方が良好な結果が期待できる。しかしながら、このようなサンプル数は、例えば、伝送路特性が変わらないことが見込める時間、およびデータレートなど種々の要素を考慮して決定することができる。また、例えば、図4に示すように、2つのRBにわたって追加のRSを挿入するなど、種々の態様とすることができる。このように、送信側の無線通信装置1によれば、本実施形態によるRSのサンプルを増やすことにより、ランダムに発生するノイズの影響を平均化して、誤差を確率的に小さくすることができる。このような誤差の低減については、さらに後述する。
次に、本発明の実施形態に係る受信側の無線通信装置について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る受信側の無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る受信側の無線通信装置2は、アンテナ20、受信部21、GI除去部22、FFT処理部23、RS検出部24、遅延広がり推定部25、制御部26、バッファ27、平均化処理部28、RS推定部29、伝搬路特定推定部30、およびデータ復調部31を備える。
受信部21は、アンテナ20を経て送信側の無線通信装置から送信された信号を受信して、GI除去部22に供給する。すなわち、受信部21は、送信側の無線通信装置である他の無線通信装置から無線通信により送信される信号を受信する。受信部21は、受信した信号の周波数を変換する周波数変換部、周波数変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D)変換部、デジタル信号をIQ信号に分離する直交復調部、IQ信号をダウンコンバートするとともにそのイメージをフィルタリングしてベースバンド信号を生成するフィルタ部などを含んで構成される。
GI除去部22は、受信部21から供給されるベースバンド信号から、送信側の無線通信装置1によって挿入されているGIを除去する。このようにしてGIが除去されたベースバンド信号は、FFT処理部23に供給される。
FFT処理部23は、GI除去部22から供給されたベースバンド信号を、時間領域のデータから周波数領域のデータに、高速フーリエ変換処理する。このようにして高速フーリエ変換処理された周波数領域のデータは、RS検出部24およびデータ復調部31に供給される。
RS検出部24は、FFT処理部23から供給される周波数領域のデータからリファレンスシグナル(RS)を検出する。このように、本実施形態において、RS検出部24は、受信部21が受信した信号からRSを検出する検出部を構成する。このようにして検出されたRSは、バッファ27に供給される。
遅延広がり推定部25は、受信部21から供給されるベースバンド信号から、マルチパスを経ることによる遅延の幅すなわち遅延の広がりを推定する。推定された遅延広がりの情報は、制御部26に報知される。
制御部26は、遅延広がり推定部25から報知される推定された遅延広がりの情報に基づいて、遅延の広がりによる影響の度合いを判定するように制御を行う。具体的には、制御部26は、GI長を超えた遅延波が予め定められた閾値以内かを判定する。また、後述のように、制御部26は、遅延の広がりが閾値を超えた場合には、送信側の無線通信装置に対してRSの追加を要求するように制御を行う。
バッファ27は、RS検出部24から供給されるRSを一時的に格納する。このバッファ27は、平均化処理部28およびRS推定部29の処理によりRSが推定されるまで、RSを格納することができる。
平均化処理部28は、バッファ27に格納された複数のRSを用いて、RSのシンボル点の位置を平均化する処理を行う。このようにして平均化処理されたRSの情報は、RS推定部に報知される。なお、平均化処理部28は、追加されたRSがバッファに格納されている場合には、通常のRSおよび追加されたRSを用いて平均化処理を行う。
RS推定部29は、平均化処理部28が平均化したRSのシンボル点の位置に基づいて、RSを推定する。このようにして推定されたRSは、伝搬路特定推定部30に供給される。
伝搬路特定推定部30は、RS推定部29により推定されたRSに基づいて、送信側の無線通信装置から送信された信号の伝搬路の特性を推定する。このようにして推定された伝搬路の特性は、データ復調部31に報知される。
データ復調部31は、伝搬路特定推定部30により推定された伝搬路の特性に基づいて、FFT処理部23から供給される周波数領域のデータを復調する。このようにして復調されたデータは、後段の処理のためにデータ復調部31から出力される。
図6は、図5に示した受信側の無線通信装置2による処理を説明するフローチャートである。
本実施形態による受信側の無線通信装置2による処理が開始すると、無線通信装置2は、送信側の無線通信装置1から送信された信号から、RSを検出する(ステップS21)。具体的には、送信側の無線通信装置1から送信された信号を、受信部21が受信し、GI除去部22がGIを除去し、FFT処理部23がFFT処理した信号から、RS検出部24がRSを検出する。
また、遅延広がり推定部25は、受信信号より遅延広がりを推定する(ステップS22)。ステップS22において遅延広がりが推定されたら、制御部26は、遅延広がりの影響が許容範囲を超えるか否か判定する(ステップS23)。具体的には、制御部26は、遅延の広がりが大きくなりFFT処理を行うウインドウ内で直交性が大きく崩れてデータの正しい復調ができなくなると想定される閾値を設定し、当該遅延広がりの大きさが閾値を超えるか否かを判断するようにすることができる。
ステップS23において遅延広がりの影響が所定の許容範囲を超えない場合、データ復調部31は、RSをリファレンスとして使用することにより、FFT処理部23から供給される周波数領域のデータを復調する(ステップS27)。
一方、ステップS23において遅延広がりの影響が所定の許容範囲を超える場合、制御部26は、送信側の無線通信装置1に対して、追加のRSを要求するように制御する(ステップS24)。例えば、受信側の無線通信装置2が、送信側の無線通信装置1に対して信号を送信する手段を有する場合は、直接追加のRSを要求する信号を送信することにより、当該要求を行うことができる。また、追加のRSを要求する際には、遅延の広がりの大きさに応じて、RSの追加の数を増やすようにする等の制御を行ってもよい。このように、本実施形態において、制御部26は、遅延広がり推定部25が推定した遅延の広がりに応じて、送信側の無線通信装置である他の無線通信装置にRSの追加を要求するように制御する。
ステップS24において追加のRSを要求したことにより、送信側の無線通信装置1から追加のRSが送信されてきたら、受信側の無線通信装置2は、RSおよび追加のRSを復調する(ステップS25)。ステップS25においてRSおよび追加のRSが復調されたら、平均化処理部28は、受信したRSおよび追加のRSを平均化する(ステップS26)。具体的には、平均化処理部28は、バッファ27に格納されたRSおよび追加のRSを用いて、RSのシンボル点の位置を平均化する処理を行う。
ステップS26においてRSが平均化されたら、データ復調部31は、平均化されてRS推定部29によって推定されたRSをリファレンスとして使用して、FFT処理部23から供給されるデータを復調する(ステップS27)。具体的には、伝搬路特定推定部30は、推定されたRSより伝送路の状態を推定し、データ復調部31は、当該推定された伝送路の状態に基づいて受信したデータの復調を行う。
このように、本実施形態において、データ復調部31は、受信部21が追加のRSを受信したら、RSおよび追加のRSに基づいて、送信側の無線通信装置である他の無線通信装置から送信される信号を復調するようにするのが好適である。なお、RS推定部29によってRSが推定されるまでは、平均化の対象となるデータすなわちRSおよび追加のRSのデータは、バッファ27に格納しておくようにする。例えば、図4において説明したように、時間軸方向の2つのRBによってRSを決定(推定)する場合、その2つのRBの間、データをバッファ27に格納するのが好適である。また、このRSのシンボル点を決定する際には、復調された各RSおよび追加のRSから、最も確からしい点をシンボル点とするのが好適である。
上述したように、受信側の無線通信装置2は、無線通信装置がGI長を超える遅延広がりを有する遅延波を受信すると、シンボル間干渉等の影響によって、RSのシンボル点が伝搬路の影響外の本来のシンボルの位置からずれて、復調の際の伝搬路推定に誤差が含まれることになる。なお、このような誤差は、前のシンボルの影響によるもので、RSとの間に全く関係を持たずランダムに発生するノイズとして観測される。なお、この際、ランダム化するためにデータにスクランブルをかけてもよい。これらのランダムノイズが付加されたRS、追加のRSから平均化等によりRSのシンボル点を決定する。
本実施形態では、遅延広がりの影響が大きい受信側の無線通信装置2に対しては、送信側の無線通信装置1においてRSを追加することにより、RSの数を増加させてOFDM信号を送信する。このように、本実施形態では、送信側の無線通信装置1においてRSのサンプルを増やすことにより、受信側の無線通信装置2においてランダムに発生するノイズの影響を平均化して、誤差を確率的に小さくすることができる。本実施形態では、このようにしてRSのノイズ誤差を少なくして、これから求めたRSに基づいてデータ復調を行う。
図7は、シンボルのサンプル数を増やすことにより、IQ平面においてシンボル間干渉が低減される様子を説明する図である。
図7において、斜線によるハッチングを付した「遅延波の影響がない場合の本来のRSのシンボル位置」は、送信側の無線通信装置1がRSシンボルをマッピングした際の位置である。また、ハッチングを付していない「遅延波の影響を受けたRSのシンボル位置」は、送信側の無線通信装置1から受信側の無線通信装置2にRSシンボルが送信された際に、遅延波の影響によりシンボル点の位置がずれた様子を表している。
そこで、図7においては、RSを追加することにより、RSの数を増大させている。図7においては、送信されたRSの他に、追加のRSを5つ増大させた例を示している(ハッチングを付していないシンボル点)。これらの5つの追加のRSもそれぞれ本来のRSのシンボル位置からずれているが、これらのずれはランダムに散らばる。
遅延波の影響がない場合、伝搬路で決定されるシンボル点が観測されるが、遅延波の影響を受けると、シンボル点のずれは前シンボルの影響を受ける。前のシンボルとの関係がランダムであれば、サンプルを充分に多くすることにより、平均することで影響は小さくなる。このため、これらのずれを平均化することにより、RSのシンボルの位置は本来のシンボル点の位置に近づくことが期待される。したがって、これらの受信したRSおよび追加のRSのシンボル位置を平均化すると、斜線によるハッチングを付した「決定されたRSのシンボル位置」のシンボル点となり、本来のRSのシンボル位置に近いものになる。
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、説明の便宜上、本発明の無線通信装置を、送信側の無線通信装置1と、受信側の無線通信装置2とに分けて説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、送信側および受信側の双方が、それぞれに相手側と送受信が可能なように、それぞれ送信にかかる要素および受信にかかる要素を備えるようにすることもできる。
1 (送信側)無線通信装置
2 (受信側)無線通信装置
10 制御部
11 データバッファ
12 シリアル/パラレル変換部
13 データマッピング部
14 RSマッピング部
15 IFFT処理部
16 GI挿入部
17 送信部
18,20 アンテナ
21 受信部
22 GI除去部
23 FFT処理部
24 RS検出部
25 遅延広がり推定部
26 制御部
27 バッファ
28 平均化処理部
29 RS推定部
30 伝搬路特定推定部
31 データ復調部

Claims (4)

  1. 他の無線通信装置に無線通信により信号を送信する送信部と、
    前記送信部が送信する信号に無線リソースを割り当てるリソース割当部と、
    前記他の無線通信装置からリファレンスシグナルの追加を要求されたら、リファレンスシグナルを追加するとともに前記送信部から送信される信号に無線リソースを割り当てるように前記リソース割当部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 他の無線通信装置から無線通信により送信される信号を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した信号からリファレンスシグナルを検出する検出部と、
    前記受信部が受信した信号から遅延の広がりを推定する推定部と、
    前記推定部が推定した遅延の広がりに応じて、前記他の無線通信装置にリファレンスシグナルの追加を要求するように制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  3. 前記受信部が前記追加のリファレンスシグナルを受信したら、前記リファレンスシグナルおよび当該追加のリファレンスシグナルに基づいて、前記他の無線通信装置から送信される信号を復調するデータ復調部をさらに備える、請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 送信する信号に無線リソースを割り当てる送信側無線通信装置と、前記送信側の無線通信装置から無線通信により送信された信号を受信する受信側無線通信装置とを備えた無線通信システムにおいて、
    受信側無線通信装置は、
    受信した信号からリファレンスシグナルを検出し、
    受信した信号から遅延の広がりを推定し、
    推定したリファレンスシグナルの遅延の広がりに応じて、前記送信側無線通信装置にリファレンスシグナルの追加を要求し、
    送信側無線通信装置は、
    前記受信側無線通信装置からリファレンスシグナルの追加を要求されたら、リファレンスシグナルを追加するとともに、送信する信号に無線リソースを割り当てるように制御する
    無線通信システム。
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