JP2013124068A - シフトレバー装置 - Google Patents

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Yukinori Fujikawa
幸則 藤川
Tokuhiro Ida
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Abstract

【課題】操作者の無意識なレバーの操作により誤操作が生じることを抑制可能なシフトレバー装置を提供する。
【解決手段】レバー2を立設して保持する本体部1を備えたシフトレバー装置10であり、レバー2の操作後にホームポジション(H)に自動的に復帰させる自動復帰機構と、レバー2全体をホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動可能な移動機構と、本体部1側を基点としてレバー2を一方向側と他方向側とに回動可能な回動機構と、レバー2がホームポジション(H)から立設方向と平行な方向に移動された後に上記一方向側に回動されたことを検知することでDレンジの検知信号を外部に出力し、レバー2がホームポジション(H)から立設方向と平行な方向に移動された後に上記他方向側に回動されたことを検知することでRレンジの検知信号を外部に出力するセンサ部6とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シフトレバー装置に関するものである。
従来から、ドライバーのレバーの操作によりレンジを切替えるシフトレバー装置が車両に搭載されている。ドライバーは、レバーの操作によりシフトレバー装置のレンジを切り替えることで、車両の走行状態を変更することができる。
この種のシフトレバー装置である変速操作入力装置として、ドライバーがレバーの先端部に設けられたセレクトボタンを押してレバーの操作を行うものが知られている(たとえば、特許文献1)。
特許文献1の変速操作入力装置では、ドライバーがセレクトボタンを操作しない場合、車両の前進を行うドライブレンジ(以下、Dレンジともいう)側と、後進を行うリバースレンジ(以下、Rレンジともいう)側とのレバーの位置切替が規制されている。変速操作入力装置は、ドライバーがセレクトボタンを押してレバーの操作を行うことにより、Dレンジ側とRレンジ側とを切り替えることができる。
特開平10−16595号公報
ところで、特許文献1の変速操作入力装置では、ドライバーがレバーを握ってレバーの操作をするため、ドライバーが手に力を込めることにより無意識にセレクトボタンを押す可能性がある。そのため、上述の変速操作入力装置では、操作者であるドライバーが力を込めてレバーを握ることで、無意識にDレンジ側とRレンジ側とを切替えるレバーの操作を行ってしまう可能性があり、誤操作の原因になる恐れがある。
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、操作者の無意識なレバーの操作により誤操作が生じることを抑制可能なシフトレバー装置を提供することにある。
本発明のシフトレバー装置は、所定のレンジへ切替えるために操作するレバーと、該レバーを立設して保持する本体部とを備えたシフトレバー装置であって、上記レバーの操作後に上記レバーを上記本体部におけるホームポジションに復帰可能な自動復帰機構と、上記レバー全体を上記ホームポジションから上記レバーの立設方向と平行な上記本体部から離れる方向に移動可能な移動機構と、該移動機構により上記レバーが上記本体部から離れる方向に変位した状態で上記レバーにおける上記本体部側の一端部側を基点として上記レバーの他端部を一方向側と該一方向と反対の他方向側とに回動可能な回動機構と、上記レバーが上記ホームポジションから上記レバーの立設方向と平行な上記本体部から離れる方向に移動された後に上記一方向側に回動されたことを検知することでドライブレンジの検知信号を外部に出力し、上記レバーが上記ホームポジションから上記レバーの立設方向と平行な上記本体部から離れる方向に移動された後に上記他方向側に回動されたことを検知することでリバースレンジの検知信号を外部に出力するセンサ部とを有することを特徴とする。
本発明のシフトレバー装置は、操作者の無意識なレバーの操作により誤操作が生じることを抑制可能となる。
本実施形態のシフトレバー装置の分解斜視図である。 本実施形態のシフトレバー装置の外観斜視図である。 本実施形態のシフトレバー装置の動作を説明する部分断面図である。 本実施形態のシフトレバー装置の動作を説明する部分断面図である。 本実施形態のシフトレバー装置の動作を説明する部分断面図である。 本実施形態のシフトレバー装置の動作を説明する部分断面図である。 本実施形態のシフトレバー装置の動作を説明する部分断面図である。
本実施形態のシフトレバー装置10を図1および図2を用いて説明し、シフトレバー装置10の動作を図3ないし図7を用いて説明する。なお、図中において、同一の構成要素は、同一の符号を付している。
本実施形態のシフトレバー装置10は、所定のレンジへ切替えるために操作するレバー2と、レバー2を立設して保持する本体部1とを備えている(図1および図2を参照)。本実施形態のシフトレバー装置10は、レバー2の操作後にレバー2を本体部1におけるホームポジション(H)に復帰可能な自動復帰機構を有している(図3を参照)。また、シフトレバー装置10は、レバー2全体をホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向(図2の紙面の左方向)に移動可能な移動機構を有している。さらに、シフトレバー装置10は、移動機構によりレバー2が本体部1から離れる方向に変位した状態でレバー2における本体部1側の一端部側を基点としてレバー2の他端部を一方向側と該一方向と反対の他方向側とに回動可能な回動機構を有している。シフトレバー装置10は、レバー2がホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動された後に上記一方向側に回動されたことを検知するセンサ部6を有している。センサ部6は、レバー2が本体部1から離れる方向に移動された後に上記一方向側に回動されたことを検知することで、Dレンジの検知信号を外部に出力する。また、センサ部6は、レバー2がホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動された後に上記他方向側に回動されたことを検知することで、Rレンジの検知信号を外部に出力する。なお、図2に示すシフトレバー装置10では、上記一方向側を図2の紙面における下側とし、上記他方向側を図2の紙面における上側としている。
本実施形態のシフトレバー装置10は、Dレンジ側とRレンジ側との切り替え操作を、レバー2の立設方向と平行方向にレバー2を引くという操作者にとって違和感が生じ易い操作の後に行う。これにより本実施形態のシフトレバー装置10は、操作者の無意識なレバー2の操作により誤操作が生じることを抑制可能となる。
より具体的には、本実施形態のシフトレバー装置10は、一端部が本体部1側に保持された棒状のレバー2と、レバー2の上記他端部を操作者が把持するシフトノブ11とを備えている。シフトノブ11は、螺子11aによりレバー2に固定されている(図3を参照)。また、本実施形態のシフトレバー装置10は、有底箱形状の本体ボディ部1aと、本体ボディ部1aの開口部を覆う本体カバー部1bとを結合して本体部1を構成している。
本実施形態のシフトレバー装置10は、レバー2全体をレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動可能な移動機構を構成するスライダーブロック5を備えている。シフトレバー装置10は、レバー2が本体部1から離れる方向に変位した状態でレバー2における本体部1側の上記一端部側を基点としてレバー2の上記他端部を上記一方向側と上記他方向側とに回動可能な回動機構を構成するスライダーガイド3を備えている。シフトレバー装置10は、レバー2の操作後にレバー2がホームポジション(H)に復帰可能なようにスライダーガイド3とスライダーブロック5との間に押し圧力を生じさせ、自動復帰機構を構成するコイルばね4を備えている。シフトレバー装置10は、レバー2の本体部1に対する操作位置であるレンジを検知して検知信号を外部に出力可能なセンサ部6を構成する金属体6cおよび検出コイル6aを備えている。
スライダーガイド3は、スライダーブロック5を内部に収容しスライダーブロック5の動きをガイドする矩形箱状のガイド部3aと、ガイド部3aの対向する側片から延設し外形がU字状の一対の延設部3b,3bとを備えている。各延設部3bは、ガイド部3aと反対側において、スライダーガイド3の外側に向かって突出する円筒状の軸部3cを設けている。本体部1は、本体部1の内部に円筒状の軸受部1cを設けている。スライダーガイド3の軸部3cは、本体部1の円筒状の軸受部1cの内径よりも若干小さい外径としている。スライダーガイド3の軸部3cは、本体部1の軸受部1cに収容され、スライダーブロック5ごとスライダーガイド3を本体部1に対して回動可能に構成している。また、スライダーガイド3のガイド部3aは、矩形箱状の内底面にレバー2を貫挿させる円形の孔部3aaを貫設している。また、ガイド部3aは、延設部3bを延設させる側面側に両端が面取りされた長方形状の開口部3abを貫設している。レバー2は、レバー2の上記一端部側に貫通孔2abを貫設している。スライダーガイド3のガイド部3aに貫挿されたレバー2は、案内ピン9が貫通孔2abに挿入されることにより、スライダーブロック5側に保持される。案内ピン9は、カラー8、一方の延設部3bに設けられた開口部(図示していない)、一方の基部5bに設けられた貫設孔、レバー2の貫通孔2ab、他方の基部5bに設けられた貫設孔5ab、他方の延設部3bに設けられた開口部3abおよびカラー7を貫通している。案内ピン9は、カラー7,8を介してスライダーガイド3の開口部3ab内に沿って移動する。なお、案内ピン9は、かしめピンにより構成している。案内ピン9は、先端部をかしめることで、開口部3abから抜け出ることが抑制される。また、スライダーガイド3とスダイダーブロック5との間には、レバー2に外挿しスライダーガイド3に対してスライダーブロック5を押圧するコイルばね4を備えている。本実施形態のシフトレバー装置10では、本体部1の内底面から突出するh字状の誘導路1fにより、スライダーガイド3から突出する案内ピン9の移動を規制して誘導する。
したがって、レバー2を保持するスダイダーブロック5は、レバー2の操作によって本体部1に対し、スダイダーガイド3のガイド部3a内を開口部3abの長手方向に沿ってレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動可能となる。また、レバー2を保持するスダイダーブロック5は、スライダーガイド3ごと本体部1の軸受部1cで軸支され、軸部3cを基点として上記一方向側と上記他方向側とに回動可能となる。さらに、コイルばね4は、レバー2の操作後にレバー2を本体部1側におけるホームポジション(H)に復帰するようにレバー2に応力を生じさせている。
したがって、本実施形態のシフトレバー装置10は、主としてレバー2、スダイダーガイド3、コイルばね4、スライダーブロック5および本体部1を利用して、自動復帰機構と移動機構と回動機構とを構成している。なお、シフトレバー装置10は、自動復帰機構と移動機構と回動機構とを一体として形成させる場合だけに限られず、自動復帰機構と移動機構と回動機構とを別々に構成したものを合わせたものでもよい。自動復帰機構は、スライダーガイド3の軸部3cと本体部1の軸受部1cとの間に回動を規制するばね材(図示していない)を備えた構成としてもよい。
本実施形態のシフトレバー装置10におけるセンサ部6は、レバー2がホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動された後、上記一方向側に回動させたレンジを検知することでDレンジの検知信号を外部に出力する。また、センサ部6は、レバー2がホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行な本体部1から離れる方向に移動された後、上記他方向側に回動させたレンジを検知することでRレンジの検知信号を外部に出力する。
本実施形態のシフトレバー装置10は、レバー2の操作位置をセンサ部6が検出する。シフトレバー装置10のセンサ部6は、図示していない車両側の制御装置と電気的に接続している。制御装置は、センサ部6の検知信号に基づき、変速アクチュエータを駆動制御して車両側の変速機の変速比などを切り替えることが可能となる。
センサ部6は、スライダーブロック5に固定され、レバー2と一体として移動や回動する金属体6cと、本体部1側に固定され金属体6cと非接触なコイル部6aとを備えている。センサ部6は、金属体6cの移動に伴って金属体6cをコイル部6aに投影する重畳領域を変化させることで、コイル部6aのインダクタンスを変化させる。これにより、本実施形態のシフトレバー装置10は、コイル部6aのインダクタンスの変化を検知することで、レバー2の操作位置を検出することが可能となる。
本実施形態のシフトレバー装置10では、金属体6cをスライダーブロック5に設けられ、平面視が円環の一部からなる扇形状の扇状部位6caにより構成している。また、コイル部6aは、回路基板6bに設けた第1検出コイル6a1、第2検出コイル6a2、第3検出コイル6a3、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5により構成している。シフトレバー装置10は、扇状部位6caおける間隙6cbに回路基板6bを挿入させて、扇状部位6caと回路基板6bのコイル部6aとが非接触なセンサ部6を構成している。
本体部1は、本体部1の内部にセンサ部6などを収納して組み立てし易いように、本体部1を構成する半割状の本体カバー部1bと、本体ボディ部1aとを結合して構成している。なお、本体部1は、たとえば、車両本体の一部を利用して構成してもよく、半割状の本体カバー部1bと、本体ボディ部1aとを結合して構成するものだけに限られない。
シフトレバー装置10は、スライダーガイド3の軸部3cと本体部1の軸受部1cとを嵌合している。この状態で、シフトレバー装置10は、本体ボディ部1aの誘導路1fに案内ピン9を配置させるとともに、センサ部6を本体ボディ部1aと本体カバー部1bとの間に収納させる。シフトレバー装置10は、センサ部6と電気的に接続させたハーネス(図示していない)を本体部1の外部に導出するように引き回す。シフトレバー装置10は、ハーネスを本体部1の外部に導出するように引き回した後、本体カバー部1bと、本体ボディ部1aとを嵌め合わせ、接着などにより本体ボディ部1aと本体カバー部1b側とを固定している。これにより、シフトレバー装置10は、レバー2を本体部1に対し立設して保持することが可能となる。
なお、シフトレバー装置10は、車両の変速機の変速比などを切替えるために用いられる場合だけに限られず、小型船舶、教習用やゲーム機用の乗物模擬装置などに利用するものであってもよい。
以下、本実施形態のシフトレバー装置10の各構成についてより詳細に説明する。
本体ボディ部1aは、たとえば、合成樹脂成形品からなり、有底箱形状の一部により形成されている。また、本体ボディ部1aは、外周壁の一部を切欠いた切欠部1aaが、本体カバー部1bの切欠部1baと合わせてレバー2を移動させるための開口部を構成している。
本体ボディ部1aは、本体ボディ部1aの内底面の形状に合わせたアルミニウム板などの非磁性材料からなる磁気シールド体1gを一体成形しており、磁気シールド体1gを本体ボディ部1aの内側に露出させている。また、本体ボディ部1aは、本体ボディ部1aの内底面からのリブ1dを突設している。リブ1dには、複数個(ここでは、3個)の円柱状の突出部1d1を突設している。本体ボディ部1aでは、リブ1dから突出する突出部1d1を回路基板6bに設けている貫通穴6aaと嵌合させる。シフトレバー装置10は、本体ボディ部1aの内部において、リブ1dに回路基板6bを載置するように配置している。
本体カバー部1bは、本体ボディ部1aの開口部を閉塞するように本体ボディ部1aに対応した形状としている。本体カバー部1bは、矩形平板状の主部1b1と、主部1b1の一端縁より突出する円弧板状の嵌合部1b2とを備えている。本体カバー部1bは、たとえば、合成樹脂成形品からなり、主部1b1と、嵌合部1b2とを一体に形成している。
なお、本体カバー部1bは、本体カバー部1bの外形形状に合わせたアルミニウム板などの非磁性材料からなる磁気シールド体(図示していない)を一体成形している。本体カバー部1bは、磁気シールドを本体ボディ部1a側に露出させている。なお、本体カバー部1bは、嵌合部1b2の中央部にレバー2を立設させ突出させる切欠部1baが設けられている。
シフトレバー装置10では、合成樹脂成形品からなる本体ボディ部1aおよび本体カバー部1bそれぞれに磁気シールド体1gが一体成形により形成されている。本実施形態のシフトレバー装置10におけるセンサ部6は、通電によってコイル部6aの周囲に生じる磁界が磁気シールド体1gにより遮蔽され、センサ部6外に非磁性体が接近した場合でも、レバー2の操作位置が誤検出されることを抑制することが可能となる。
シフトレバー装置10は、本体カバー部1bの係合溝部1bbと、本体ボディ部1aの係合突部1eとを接着や溶着などの方法で固定するだけでなく、螺子による螺子合いにより固定して形成することもできる。シフトレバー装置10は、図示していない本体ボディ部1aの貫通孔からセンサ部6におけるインダクタンスに応じた信号を後述する回路部に出力可能なハーネスを導出させている。
シフトレバー装置10の軸受部1cは、スライダーブロック5を収納するスライダーガイド3の軸部3cを軸支している。本実施形態のシフトレバー装置10は、図示していないが、本体カバー部1b側でも本体ボディ部1aと同様に、本体カバー部1bの内底面に円環状の軸受部を突設している。本体カバー部1bの軸受部は、スライダーガイド3を支持することができる。本体カバー部1bは、本体カバー部1b側の軸部がスライダーブロック5を収納するスライダーガイド3の軸部3cを軸支している。
スライダーガイド3は、スライダーガイド3の回動と連動してスライダーブロック5が回動するように、スライダーブロック5をスライダーガイド3のガイド部3aに挿嵌している。シフトレバー装置10は、スライダーガイド3と嵌合したスライダーブロック5により、スライダーガイド3の回動に連動して、レバー2の回動方向に沿って金属体6cの扇状部位6caが回動する。扇状部位6caは、一対の保持片5aの保持片5aが対向する面側に固定されている。各扇状部位6caの一方の端部は、保持片5aの中央部まで配置されている。また、各扇状部位6caの他方の端部は、保持片5aからスライダーガイド3の回動方向に沿って突出している。
スライダーブロック5は、スライダーブロック5の保持片5aと一体的に回動する金属体6cを具備している。金属体6cは、各保持片5aそれぞれに保持される平面視が円環の一部からなる扇形状の扇状部位6caとを有している。スライダーブロック5は、合成樹脂材料によって形成している。スライダーブロック5は、扇状部位6caを保持する保持片5aを一対設けており、保持片5aを基部5bで保持したC字形状としている。スライダーブロック5は、各保持片5aが扇状部位6caを内部から外部へ外方に突出するように一体成形によって形成している。扇状部位6caは、保持片5aの中央部まで設けられている。
したがって、シフトレバー装置10では、レバー2を保持するスライダーブロック5と、スライダーガイド3と、スライダーガイド3に備えられたセンサ部6の扇状部位6caとが一体として動くように構成している。
センサ部6は、コイル部6aの一部を構成する外形が円弧状の第1検出コイル6a1と、第1検出コイル6a1と略平行に配され、外形が第1検出コイル6a1より大きい円弧状の第2検出コイル6a2が一表面側に形成された回路基板6bを備えている。回路基板6bは、第1検出コイル6a1と第2検出コイル6a2との間に、所定の間隔で離間させた外形が円形の第3検出コイル6a3、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5を備えている。
金属体6cは、コイル部6aからの磁力に対応して渦電流が生ずるように構成させている。金属体6cは、たとえば、銅、アルミニウムなど導電性の良好な金属材料を用いて形成することができる。本実施形態のシフトレバー装置10における金属体6cは、非磁性材料のアルミニウム材料を用いて形成している。金属体6cは、レバー2の回動に連動して金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域を変化させればよく、金属体6cの形状は、必ずしも扇状部位6caを有する形状でなくともよい。
コイル部6aは、たとえば、回路基板6bなどの基板上に、平面視の外形が円環の一部からなる扇形状や平面視の外形が円形状で内部が渦巻き状に巻回させた導体を備えたものを用いることができる。コイル部6aは、たとえば、印刷技術を利用して、導体を基板上に渦巻きパターンで形成したものを用いてもよい。また、コイル部6aは、より高い精度のインダクタンスを安定して得られるように、内部に磁性体(図示していない)を備えてもよい。
回路基板6bは、中央部にスライダーブロック5の保持片5aの外形より大きな矩形状の主片6baと、主片6baの外周縁部から突出する扇形の突出片6bbとを一体に形成している。回路基板6bは、回路基板6bの両面側にコイル部6aとなる第1検出コイル6a1を形成している。回路基板6bは、回路基板6bの一面とは反対の他面側にも透視した外形形状が一面側の第1検出コイル6a1と略同一形状のコイル部6aとなる第1検出コイル(図示していない)を形成している。なお、第1検出コイル6a1は、外形が矩形状の主片6baに沿って円環の一部からなる扇形状に形成している。
センサ部6は、回路基板6bの両面に形成させている第1検出コイル6a1を回路基板6bに設けた貫通孔配線を利用して電気的に直列接続している。
本実施形態のシフトレバー装置10は、スライダーブロック5を収納したスライダーガイド3が本体ボディ部1aおよび本体カバー部1bに支持されるとともに、コイルばね4によってレバー2の立設方向と平行方向に弾性付勢されている。
以下、本実施形態のシフトレバー装置10の動作について説明する。
まず最初に、本実施形態のシフトレバー装置10において、センサ部6がDレンジの信号を外部に送信する場合について説明する。シフトレバー装置10は、最初、自動復帰機構によりレバー2がホームポジション(H)にある(図3を参照)。シフトレバー装置10は、レバー2がホームポジション(H)にある場合、スライダーブロック5の対向する一対の扇状部位6ca,6caそれぞれが回路基板6bの第1検出コイル6a1、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5を挟んでいる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5各別に電流を流すと金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域に応じて、金属体6cの扇状部位6caに渦電流が生じる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5におけるインダクタンスの変化を各別に検出させることにより、レバー2がホームポジション(H)にあることを検出することができる。
次に、シフトレバー装置10では、操作者がレバー2の操作位置をホームポジション(H)からレバー2の立設方向と平行方向に引いて、レバー2をニュートラルポジション(N)に移動させる(図4を参照)。
シフトレバー装置10は、レバー2がニュートラルポジション(N)にある場合、スライダーブロック5の対向する一対の扇状部位6ca,6caそれぞれが回路基板6bの第2検出コイル6a2、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5を挟んでいる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5各別に電流を流すと金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域に応じて、金属体6cの扇状部位6caに渦電流が生じる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5におけるインダクタンスの変化を各別に検出させることにより、レバー2がニュートラルポジション(N)にあることを検出することができる。
続いて、操作者がレバー2の操作位置をニュートラルポジション(N)からレバー2における本体部1側の上記一端部側を基点として上記一方向側にレバー2の上記他端部を回動させる。これにより、シフトレバー装置10では、レバー2の操作位置がドライブポジション(D)となる(図5を参照)。
シフトレバー装置10は、レバー2がドライブポジション(D)にある場合、スライダーブロック5の対向する一対の扇状部位6ca,6caそれぞれが回路基板6bの第2検出コイル6a2の一部、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5を挟んでいる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5各別に電流を流すと金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域に応じて、金属体6cの扇状部位6caに渦電流が生じる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5におけるインダクタンスの変化を各別に検出させることにより、レバー2がドライブポジション(D)にあることを検出することができる。
本実施形態のシフトレバー装置10のセンサ部6は、レバー2がドライブポジション(D)に回動されたことを検知することで、Dレンジの信号を本体部1の外部に送信する。本実施形態のシフトレバー装置10では、操作者がレバー2を離すと自動復帰機構によりレバー2がニュートラルポジション(N)を経由してホームポジション(H)に復帰する。
次に、本実施形態のシフトレバー装置10において、センサ部6がRレンジの信号を外部に送信する場合について説明する。
本実施形態のシフトレバー装置10は、最初、自動復帰機構によりレバー2がホームポジション(H)にある(図3を参照)。シフトレバー装置10では、自動復帰により予めホームポジション(H)にあるレバー2を本体部1に対して、レバー2の立設方向と平行方向に引いてレバー2をニュートラルポジション(N)にする。
続いて、操作者がレバー2の操作位置をニュートラルポジション(N)からレバー2における本体部1側の上記一端部側を基点として上記他方向側にレバー2の上記他端部を回動させる。これにより、シフトレバー装置10では、レバー2の操作位置がリバースポジション(R)となる(図6を参照)。
シフトレバー装置10は、レバー2がリバースポジション(R)にある場合、スライダーブロック5の対向する一対の扇状部位6ca,6caそれぞれが回路基板6bの第2検出コイル6a2、第3検出コイル6a3、第4検出コイル6a4および第5検出コイル6a5を挟んでいる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5各別に電流を流すと金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域に応じて、金属体6cの扇状部位6caに渦電流が生じる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5におけるインダクタンスの変化を各別に検出させることにより、レバー2がリバースポジション(R)にあることを検出することができる。
本実施形態のシフトレバー装置10のセンサ部6は、レバー2がリバースポジション(R)に回動されたことを検知することでRレンジの信号を本体部1の外部に送信する。本実施形態のシフトレバー装置10では、操作者がレバー2を離すと自動復帰機構によりレバー2がニュートラルポジション(N)を経由してホームポジション(H)に復帰する。
なお、本実施形態のシフトレバー装置10は、ブレーキを意味するBレンジとするためのブレーキポジション(B)を好適に設けている。シフトレバー装置10では、レバー2を本体部1に対して、レバー2の立設方向と平行方向に引くことなく、ホームポジション(H)からレバー2を回動させることでブレーキポジション(B)とすることができる(図7を参照)。
シフトレバー装置10では、自動復帰機構により予めホームポジション(H)にあるレバー2をブレーキポジション(B)にした場合について説明する。シフトレバー装置10は、レバー2の操作位置をブレーキポジション(B)にした場合、スライダーブロック5の対向する一対の扇状部位6ca,6caそれぞれが回路基板6bの第1検出コイル6a1の一部および第5検出コイル6a5を挟んでいる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5各別に電流を流すと金属体6cがコイル部6aに投影された重畳領域に応じて、金属体6cの扇状部位6caに渦電流が生じる。センサ部6は、第1検出コイル6a1ないし第5検出コイル6a5におけるインダクタンスの変化を各別に検出させることにより、レバー2がBレンジにあることを検出することができる。本実施形態のシフトレバー装置10では、操作者がレバー2を離すと自動復帰機構によりレバー2がホームポジション(H)に復帰する。なお、シフトレバー装置10は、パーキングポジションなどを適宜に設けてもよい。
シフトレバー装置10は、たとえば、センサ部6と電気的に接続された回路部をシフトレバー装置10の外部の車両側に備えている。回路部には、図示していないが、コイル部6aへ所定の周波数の発振信号を出力する発振回路部を備えている。また、回路部は、発振回路部から出力された発振信号の周期に対応する信号を出力する発振周期計測回路部を備えている。さらに、回路部は、金属体6cの回動に伴って生じる金属体6cをコイル部6aに投影する重畳領域の変化を、発振周期計測回路部が計測した周期から算出する信号処理回路部を備えている。なお、センサ部6と電気的に接続される回路部は、シフトレバー装置10の外部の車両側に設けているが、シフトレバー装置10の内部に収容させてもよい。
発振回路部は、たとえば、ハートレー型発振回路などのLC発振回路により構成することができる。コイル部6aのインダクタンスは、金属体6cをコイル部6aに投影する重畳領域の変化量に応じて変化する。発振回路部は、コイル部6aのインダクタンスに応じて周波数が変わる。発振周期計測回路部は、発振回路部から出力された発振信号の周期を計測し、計測された周期に対応する信号を出力する。信号処理回路部は、発振周期計測回路部からの出力信号に基づき金属体6cをコイル部6aに投影する重畳領域の変化量を算出する。車両側では、シフトレバー装置10と電気的に接続された信号処理回路部からの信号に基づき適宜に制御装置が変速アクチュエータを駆動制御して変速機の変速比などを切り替える。
言い換えれば、シフトレバー装置10は、コイル部6aに、センサ部6の外部に設けた回路部における発振回路部からハーネスを介して所定の周波数の信号を供給する。シフトレバー装置10のセンサ部6では、コイル部6aのインダクタンスが金属体6cの回動軌道上を変位する金属体6cの位置に応じて変化する。センサ部6は、発振回路部から出力される発信信号の周波数が変わったことを信号処理回路部などが処理することで、コイル部6aのインダクタンスに基づき本体部1に対するレバー2の操作位置を検出することができる。
1 本体部
2 レバー
6 センサ部
10 シフトレバー装置

Claims (1)

  1. 所定のレンジへ切替えるために操作するレバーと、該レバーを立設して保持する本体部とを備えたシフトレバー装置であって、
    前記レバーの操作後に前記レバーを前記本体部におけるホームポジションに復帰可能な自動復帰機構と、
    前記レバー全体を前記ホームポジションから前記レバーの立設方向と平行な前記本体部から離れる方向に移動可能な移動機構と、
    該移動機構により前記レバーが前記本体部から離れる方向に変位した状態で前記レバーにおける前記本体部側の一端部側を基点として前記レバーの他端部を一方向側と該一方向と反対の他方向側とに回動可能な回動機構と、
    前記レバーが前記ホームポジションから前記レバーの立設方向と平行な前記本体部から離れる方向に移動された後に前記一方向側に回動されたことを検知することでドライブレンジの検知信号を外部に出力し、前記レバーが前記ホームポジションから前記レバーの立設方向と平行な前記本体部から離れる方向に移動された後に前記他方向側に回動されたことを検知することでリバースレンジの検知信号を外部に出力するセンサ部とを有することを特徴とするシフトレバー装置。
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