JP2013122415A - 位置検出装置およびこれを備えたクラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的高速移動する被位置検出部材の位置検出を高精度にかつ迅速に検出する。
【解決手段】直線移動する被位置検出部材3の変位が位置検出センサ2で磁界の変化として検出されるとともに、コイル9および変位量検出部10で磁界の変化として検出される。位置検出センサ2で検出された磁界の変化は信号読出部6で読み出されて、フィルタ7でノイズが除去される。フィルタ制御部11は、変位量検出部10で検出された磁界の変化に基づいて、被位置検出部材3の変位量が設定変位量より大きいと判断したときはフィルタ7のタップ数が少ないタップ数に選択されるとともに、被位置検出部材3の変位量が設定変位量より小さいと判断したときはフィルタ7のタップ数が被位置検出部材3の変位量が大きいときのタップ数よりも多いタップ数に選択されるようにフィルタ7を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】直線移動する被位置検出部材3の変位が位置検出センサ2で磁界の変化として検出されるとともに、コイル9および変位量検出部10で磁界の変化として検出される。位置検出センサ2で検出された磁界の変化は信号読出部6で読み出されて、フィルタ7でノイズが除去される。フィルタ制御部11は、変位量検出部10で検出された磁界の変化に基づいて、被位置検出部材3の変位量が設定変位量より大きいと判断したときはフィルタ7のタップ数が少ないタップ数に選択されるとともに、被位置検出部材3の変位量が設定変位量より小さいと判断したときはフィルタ7のタップ数が被位置検出部材3の変位量が大きいときのタップ数よりも多いタップ数に選択されるようにフィルタ7を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被位置検出部材の運動に応じた磁界発生部材の磁界の変化を磁界検出部により検出して電圧等の電気信号に変換し、磁界検出部の電気信号を信号読出部により読み出すとともに、読み出した信号からノイズをフィルタにより除去して、例えば電子制御装置(ECU)等の外部に被位置検出部材の変位の検出信号を送出する位置検出装置の技術分野およびこの位置検出装置を備えたクラッチの技術分野に関するものである。
従来、回転部材を有する装置において、回転部材の回転位置の検出には磁気センサからなる位置検出装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図14は、従来のこの種の位置検出装置を模式的に示す図である。図14中、1は位置検出装置、2は磁気センサからなる位置検出センサ、3は図14において位置が検出される回転運動する被位置検出部材、4は被位置検出部材3に設けられた磁石等の磁界発生部材、5は磁界発生部材4の磁界を検出して電気信号に変換する、例えばホール素子やコイル等の磁界検出部(本発明の第1の磁界検出部に相当)、6は磁界検出部5で検出した磁界の変化の電気信号を読み出す信号読出部、7は信号読出部6からの電気信号のノイズを除去する、例えばFIR、IIR、移動平均フィルタ等のフィルタ、8は信号読出部6からの電気信号が入力される電子制御装置(ECU)である。その場合、磁界発生部材4および磁界検出部5により位置検出センサ2が構成される。
このような位置検出装置1においては、被位置検出部材3が図14において上下方向の軸まわりに回転すると、磁界発生部材4も被位置検出部材3と同方向に一体に回転する。この磁界発生部材4の回転により、磁界検出部5が検出する磁界発生部材4の磁界が変化する。磁界検出部5は検出した磁界発生部材4の磁界の変化を検出して電圧の変化等の電気信号に変換する。そして、この電気信号は、信号読出部6により読み出された後フィルタ7によりノイズが除去されて、例えば電子制御装置(ECU)8に送出される。ECU8が信号読出部6からの磁界の変化の電気信号に基づいて被位置検出部材3の回転位置を判断することで、被位置検出部材3の回転位置が検出される。
ところで、比較的高速度で回転する被位置検出部材3の回転位置を検出する場合、前述のように磁界検出部5で検出され信号読出部6で読み出された電気信号がフィルタ7を介してECU8に出力される。
しかし、このように高速回転する被位置検出部材3の回転位置を検出する場合には、フィルタ7はある一定値のノイズ除去処理時間がかかるため、フィルタから位置情報が出力されたときには、実際の被位置検出部材3はさらに回転しており、位置ずれが大きくなってしまう。そこで、電気信号をフィルタ7を介さずに直接ECU8に入力するようにすると、電気信号がノイズ等を含んでいるため、被位置検出部材3の回転位置の検出精度が低下するという可能性がある。
また、位置検出装置1は停止しているときにもその回路が動作し続けている。このため、位置検出装置1が長時間停止した場合、多くの無駄な電力を消費するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的高速移動する被位置検出部材の位置検出をより高精度にしかもより迅速に検出することのできる位置検出装置を提供することである。
本発明の他の目的は、消費電力を効率よく低減することのできる位置検出装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、動力伝達制御をより高精度にしかもより迅速に行うことのできるクラッチを提供することである。
本発明の他の目的は、消費電力を効率よく低減することのできる位置検出装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、動力伝達制御をより高精度にしかもより迅速に行うことのできるクラッチを提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明に係る位置検出装置は、被位置検出部材の運動に応じて運動するとともに磁界を発生する磁界発生部材および前記磁界発生部材の磁界を検出することで前記被位置検出部材の変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する第1の磁界検出部を少なくとも有する位置検出センサと、前記第1の磁界検出部の前記電気信号による前記磁界の変化を読み取るとともに前記磁界の変化に応じた電気信号を出力する信号読出部と、所定数のタップを有するとともに前記信号読出部から出力される前記磁界の変化に応じた電気信号に含まれるノイズを除去するフィルタと、前記磁界発生部材の磁界を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する第2の磁界検出部と、前記第2の磁界検出部の前記電気信号による前記磁界の変化を検出することで前記被位置検出部材の変位量を検出するとともに前記磁界の変化に応じた電気信号を出力する変位量検出部と、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に応じて前記フィルタを制御するフィルタ制御部とを備え、前記フィルタ制御部が、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材の変位量が予め定められた設定変位量より大きいと判断したときは前記フィルタのタップ数が少ないタップ数に選択されるとともに、前記被位置検出部材の変位量が前記設定変位量より小さいと判断したときは前記フィルタのタップ数が前記被位置検出部材の変位量が大きいときのタップ数よりも多いタップ数に選択されるように前記フィルタを制御することを特徴としている。
また、本発明に係る位置検出装置は、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に応じて前記信号読出部を制御する前記読出制御部を備え、前記読出制御部が、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材が運動していると判断したときは、前記信号読出部が前記第1の磁界検出部内の磁界の変化を読み取るとともに、前記被位置検出部材が停止していると判断したときは、前記信号読出部が前記第1の磁界検出部内の磁界の変化を読み取らないように読み取りタイミング信号を前記信号読出部に出力することを特徴としている。
更に、本発明に係る位置検出装置は、前記信号読出部が、前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力するA/D変換部であり、前記読出制御部が、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて前記A/D変換部にクロック信号を出力するA/D制御部であり、前記A/D制御部が前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材が運動していると判断したときは前記A/D変換部にクロック信号を出力するとともに、前記被位置検出部材が停止していると判断したときは前記A/D変換部にクロック信号を出力しなく、前記A/D変換部が前記クロック信号が入力されたときは前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力するとともに、前記クロック信号が入力されないときは前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力しないことを特徴としている。
更に、本発明に係る位置検出装置は、前記位置検出センサが、直線運動する前記被位置検出部材の直線移動変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換することを特徴としている。
更に、本発明に係る位置検出装置は、前記位置検出センサが、回転運動する前記被位置検出部材の回転運動に応じて回転運動する磁界発生部材の磁界の変化を検出することで前記被位置検出部材の回転変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する位置検出センサであり、前記第2の磁界検出部が、前記磁界発生部材の磁界の変化を2次元で検出する2つの磁界検出部であり、前記2つの磁界検出部で2次元で検出された前記磁界発生部材の磁界の変化に基づいて、前記フィルタ制御部が前記フィルタを制御するとともに、前記読出制御部が前記信号読出制御部を制御することを特徴としている。
一方、本発明に係るクラッチは、互いに離接可能に設けられた第1および第2クラッチ板と、前記第1クラッチ板を前記第2クラッチ板に対して当接離間させるようにストロークするピストンを有するクラッチ作動シリンダと、前記ピストンのストロークに応じて直線移動する直線移動部材と、前記直線移動部材の直線移動を検出する位置検出装置とを少なくとも備えるクラッチにおいて、前記位置検出装置が、回転運動する位置検出装置を除く前述の本発明の位置検出装置のいずれか1つであり、前記被位置検出部材が前記直線移動部材であり、前記位置検出装置が前記直線移動部材の位置を検出することを特徴としている。
このように構成された本発明に係る位置検出装置によれば、フィルタ制御部により、被位置検出部材の変位量が大きいときにはフィルタを少ないタップ数に、またこの変位量が小さいときにはフィルタを多いタップ数に選択されるようにフィルタが制御される。これにより、被位置検出部材が比較的高速で運動しても、フィルタによる電気信号のノイズの除去処理に要する時間を効果的に短くすることができ、被位置検出部材の位置検出の追従性が良好になるとともに、磁界の変化の電気信号に対するフィルタの反応速度を向上することができる。しかも、電気信号のノイズを効率よく除去可能となるため、被位置検出部材の移動検出精度を向上させることができる。したがって、比較的高速移動する被位置検出部材の位置検出もより高精度にしかもより迅速に検出することが可能となる。
特に、被位置検出部材が運動しているときだけ、信号読出部によりデータを読み出して信号処理を行い、被位置検出部材が停止しているときはデータを読み出さないで信号処理を行わないようにすることで、位置検出装置の消費電力を効率よく低減することができる。
また、被位置検出部材が運動しているときだけ、信号読出部により読み出されたデータがノイズに入力されるので、フィルタにおけるノイズ除去のための信号処理量を低減できる。これにより、被位置検出部材の位置検出をより高精度にしかも更に一層迅速に検出することが可能となる。
一方、本発明に係るクラッチによれば、本発明の位置検出装置を備えているので、クラッチの接続および切断をより高精度にしかもより迅速に行うことができ、動力伝達を効率よく制御することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第1例を模式的に示すブロック図である。なお、前述の図14に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、それらの詳細な説明は省略する。
図1は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第1例を模式的に示すブロック図である。なお、前述の図14に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、それらの詳細な説明は省略する。
図1に示すように、第1例の位置検出装置1は、直線運動により移動する被位置検出部材3の移動位置を検出する。この第1例の位置検出装置1は、図14に示す構成要素に加えて、被位置検出部材3の移動経路方向に配設されたコイル9(本発明の第2の磁界検出部に相当)、変位量検出部10、およびフィルタ制御部11を有する。
磁界検出部5で検出される磁界の値は、被位置検出部材3の位置と1:1に対応するようにされている。また、信号読出部6は、一定間隔でまたは必要に応じてランダムのタイミングで磁界検出部5で検出された磁界の値を読み取る。更に、フィルタ7はノイズを除去する所定数のタップを有するディジタルフィルタであり、本発明では、例えばFIR、IIR等の種々の種類のディジタルフィルタを用いることが可能であるが、この第1例のフィルタ7には、移動平均フィルタが用いられるものとする。
コイル9は被位置検出部材3の変位量を検出するものであり、磁界発生部材4が発生する磁界の領域内に配設される。そして、被位置検出部材3が直線移動すると、磁界発生部材4も同方向に直線移動するが、このとき、コイル9に作用する磁界発生部材4の磁束が被位置検出部材3の移動量に応じて変化する。これにより、コイル9の両端に、磁束の変化に応じた電圧が発生する。この電圧Vは、コイルの原理により、V=dΦ/dt(磁束Φの時間tによる微分)で表される。
変位量検出部10はコイル9の両端に発生した電圧を測定して、測定した電圧に基づいて被位置検出部材3の変位量(単位時間あたりの変位量)を検出する。
変位量検出部10はコイル9の両端に発生した電圧を測定して、測定した電圧に基づいて被位置検出部材3の変位量(単位時間あたりの変位量)を検出する。
フィルタ制御部11は、変位量検出部10で検出された被位置検出部材3の変位量が大きいときにはフィルタ7が少ないタップ数に、またこの変位量が小さいときにフィルタ7が多いタップ数に選択されるようにフィルタ7を制御する。このフィルタ制御部11によるフィルタ7の制御について更に詳細に説明する。
図2は、被位置検出部材の変位量とコイル電圧との関係を示す図、図3は第1例で予め設定されたコイル電圧に対するフィルタのタップ数を換算する図である。
いま、被位置検出部材3の変位量が図2に示す(1)ないし(5)の時間領域において折れた直線となるように直線移動するとする。したがって、磁界発生部材4の磁束の変化量も、この折れ線に追従する。その場合、コイル電圧は磁束の変化量であるから、図3に示すようにコイル9は各時間領域において磁束の変化率(磁束の変化量/そのとき時間:直線の傾き)に応じた電圧を発生する。なお、時間領域(5)では、磁束が減少するように変化しているので、コイル電圧はマイナスとなるが、図2では絶対値として示しているため、プラス側に表示されている。
いま、被位置検出部材3の変位量が図2に示す(1)ないし(5)の時間領域において折れた直線となるように直線移動するとする。したがって、磁界発生部材4の磁束の変化量も、この折れ線に追従する。その場合、コイル電圧は磁束の変化量であるから、図3に示すようにコイル9は各時間領域において磁束の変化率(磁束の変化量/そのとき時間:直線の傾き)に応じた電圧を発生する。なお、時間領域(5)では、磁束が減少するように変化しているので、コイル電圧はマイナスとなるが、図2では絶対値として示しているため、プラス側に表示されている。
そして、フィルタ制御部11は、図3に示すコイル電圧に対するフィルタ7のタップ数の換算図に基づいて、変位量検出部10からのコイル電圧からフィルタ7のタップ数を算出する。すなわち、時間領域(1)では被位置検出部材3の変位量が0(つまり、被位置検出部材3が停止状態)であるから、コイル電圧は0である。このときには、フィルタ制御部11は磁界発生部材4が停止していると判断して、図3に示すように比較的大きな8点のタップ数が選択されるようにフィルタ7を制御する。
また、時間領域(2)では被位置検出部材3が移動して被位置検出部材3の単位時間あたりの変位量が比較的大きい(直線の傾きが図2において右上がりでかつ大きい)から、コイル電圧は比較的大きい。このときには、フィルタ制御部11は変位量検出部10で検出された磁界の変化に基づいて、磁界発生部材4が変位しかつその変位量が予め定められた設定変位量以上であると判断し、図3に示すように比較的少ない2点のタップ数が選択されるようにフィルタ7を制御する。
更に、時間領域(3)では被位置検出部材3が移動して被位置検出部材3の変位量が時間領域(2)の時に比べてかなり小さい(直線の傾きが図2において右上がりでかつ小さい)から、コイル電圧は比較的小さい。このときには、フィルタ制御部11は変位量検出部10で検出された磁界の変化に基づいて、磁界発生部材4が変位しかつその変位量が予め定められた設定変位量より小さいと判断し、図3に示すように時間領域(2)の場合より大きな4点のタップ数が選択されるようにフィルタ7を制御する。
更に、時間領域(4)では被位置検出部材3の変位量が0(つまり、被位置検出部材3が停止状態)であるから、時間領域(1)と同様にコイル9のコイル電圧は0である。このときには、フィルタ制御部11は磁界発生部材4が停止していると判断して、図3に示すようにフィルタ7を時間領域(1)と同様に8点のタップ数が選択されるようにフィルタ7を制御する。
更に、時間領域(5)では被位置検出部材3が変位して被位置検出部材3の変位量がマイナス方向にきわめて大きい(直線の傾きが図2において右下がりでかつ大きい)から、コイル電圧はマイナスできわめて大きい。このときには、フィルタ制御部11は磁界発生部材4がマイナス方向に変位したと判断し、図3に示すように比較的小さな1点のタップ数が選択されるようにフィルタ7を制御する。
図4は、フィルタ制御部によって制御されるフィルタの入出力信号の一例を模式的に示す図である。図4において、1つの細長い6角形のマスの中の数字は、1つのデータ(磁界の値)を示す。
図4に示すように、フィルタ入力信号(信号読出部6の出力信号)における数字0〜11付近までを図2に示す時間領域(1)のデータとし、同数字13〜17付近までを図2に示す時間領域(2)のデータとし、同数字22〜28付近までを図2に示す時間領域(3)のデータとする。このとき、時間領域(1)は被位置検出部材3の変位量が0(停止)の場合、時間領域(2)は被位置検出部材3の変位量が比較的大きい場合、および時間領域(3)は被位置検出部材3の変位量が時間領域(2)よりも小さい(変位が緩やかな)場合である。したがって、被位置検出部材3の変位量が0である時間領域(1)では、データのフィルタタップ数が最も多くされ、また被位置検出部材3の変位量が比較的小さい時間領域(3)では、データのフィルタタップ数が変位量が0の場合より少なくされ、更に被位置検出部材3の変位量が時間領域(3)より大きい時間領域(2)では、データのフィルタタップ数が時間領域(3)の場合より少なくされる。このように、被位置検出部材3の変位量が大きい時間領域(2)では、データのフィルタタップ数を少なくすることにより、フィルタ7によるデータの追従性が向上し、被位置検出部材3の変位量に対する反応速度が速くすることが可能となる。
この第1例の位置検出装置1によれば、フィルタ制御部11により、被位置検出部材3の変位量が大きいときにはフィルタ7を少ないタップ数に、またこの変位量が小さいときにはフィルタ7を多いタップ数に選択されるようにフィルタ7が制御される。これにより、被位置検出部材3が比較的高速で直線移動しても、フィルタ7による電気信号のノイズの除去処理に要する時間を効果的に短くすることができ、被位置検出部材3の追従性が良好になるとともに、被位置検出部材3の変位量に対する、フィルタ7におけるデータの反応速度を向上することができる。しかも、電気信号のノイズを効率よく除去可能となるため、被位置検出部材3の直線移動位置の検出精度を向上させることができる。したがって、比較的高速移動する被位置検出部材3の位置検出もより高精度にしかもより迅速に検出することが可能となる。
このように構成された第1例の位置検出装置1は、例えばクラッチに用いられる。
図5は、図1に示す第1例の位置検出装置1を備える本発明のクラッチの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図5に示すように、この例のクラッチ12は、一対の第1および第2クラッチ板13,
14と、第1クラッチ板13を作動するクラッチ作動シリンダ15と、クラッチ作動シリンダ15を作動するための作動液を供給・排出制御するための電磁切換弁16と、クラッチ作動シリンダ15へ作動液を供給するためのポンプ17と、ポンプ17を駆動するモータ18と、作動液を貯留するリザーバタンク19とを少なくとも備えている。
図5は、図1に示す第1例の位置検出装置1を備える本発明のクラッチの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図5に示すように、この例のクラッチ12は、一対の第1および第2クラッチ板13,
14と、第1クラッチ板13を作動するクラッチ作動シリンダ15と、クラッチ作動シリンダ15を作動するための作動液を供給・排出制御するための電磁切換弁16と、クラッチ作動シリンダ15へ作動液を供給するためのポンプ17と、ポンプ17を駆動するモータ18と、作動液を貯留するリザーバタンク19とを少なくとも備えている。
クラッチ作動シリンダ15は、シリンダ部15aと、シリンダ部15a内に液圧室15bを液密に区画するピストン15cと、第1クラッチ板13をピストン15cに相対回転可能に連結するピストンロッド15dと、ピストン15cを非作動位置の方へ常時付勢するリタースプリング15eとを有する。その場合、電磁切換弁16は、非作動時には図5に示すようにクラッチ作動シリンダ15の液圧室15bをポンプ17から遮断しかつリザーバタンク19に接続するとともに、作動時にはクラッチ作動シリンダ15の液圧室15bをリザーバタンク19から遮断しかつポンプ17に接続する。
更に、この例のクラッチ12は、図1に示す第1例の位置検出装置1を備えている。その場合、位置検出センサ2の磁界発生部材4は、クラッチ作動シリンダ15のピストンロ
ッド15d(本発明の被位置検出部材に相当)に設けられている。したがって、磁界発生部材4はピストンロッド15dと一体に直線移動する。また、位置検出センサ2の磁界検出部5は信号読出部6およびフィルタ7を介して電子制御装置(ECU)8に接続されている。更に、電磁切換弁16およびポンプ17のモータ18もECU8に接続されている。更に、コイル9は、ピストンロッド15dと一体に移動する磁界発生部材4が発生する磁界の領域内にピストンロッド15dと干渉しないようにして配設される。
ッド15d(本発明の被位置検出部材に相当)に設けられている。したがって、磁界発生部材4はピストンロッド15dと一体に直線移動する。また、位置検出センサ2の磁界検出部5は信号読出部6およびフィルタ7を介して電子制御装置(ECU)8に接続されている。更に、電磁切換弁16およびポンプ17のモータ18もECU8に接続されている。更に、コイル9は、ピストンロッド15dと一体に移動する磁界発生部材4が発生する磁界の領域内にピストンロッド15dと干渉しないようにして配設される。
このように構成されたこの例のクラッチ12においては、図5に示すようにクラッチ12の切断時には、クラッチ作動シリンダ15の液圧室15bが電磁切換弁16によりリザーバタンク19に接続され、ピストン15cが非作動位置に設定される。したがって、クラッチ作動シリンダ15が非作動状態になっている。クラッチ12を接続するために、ECU8が電磁切換弁16を切り換えると、クラッチ作動シリンダ15の液圧室15bがポンプ17に接続されるとともに、リザーバタンク19から遮断される。同時に、ECU8はモータ18を駆動してポンプ17を作動する。これにより、作動液が液圧室15bに供給されてピストン15cが一定の速度でストロークする。
このとき、ECU8は、位置検出センサ2で検出されたピストンロッド15dの直線移動の位置に基づいて電磁切換弁16およびモータ18を制御して、クラッチの接続を制御する。すなわち、図2において時間領域が(1)から(2)に移行すると、ピストンロッド15dの変位量が直線的に増大し、第1クラッチ板13が第2クラッチ板14の方へ一定速度で移動する。これにより、コイル9が発生する電圧が図2に示す時間領域(2)での比較的大きな一定の電圧となる。したがって、前述のようにフィルタ制御部11はフィルタ7のタップ数が2点となるようにフィルタ7を制御する。時間領域が(2)から(3)に移行すると、ピストンロッド15dの変位量が時間領域(2)の場合に比べて緩やかに直線的に増大する。これにより、コイル9が発生する電圧が時間領域(2)での電圧より図2に示す時間領域(3)での比較的小さな一定の電圧となる。したがって、前述のようにフィルタ制御部11はフィルタ7のタップ数が4点となるようにフィルタ7を制御する。この状態では、クラッチ12は半クラッチの状態となる。更に、時間領域が(3)から(4)に移行すると、ピストンロッド15dの変位量が一定となる。つまり、第1クラッチ板13が第2クラッチ板14に当接して移動停止する。これにより、コイル9が発生する電圧が0となる。したがって、前述のようにフィルタ制御部11はフィルタ7のタップ数が8点となるようにフィルタ7を制御する。この状態では、クラッチ12は接続状態となる。
クラッチ12を切断するために、ECU8が電磁切換弁16を非作動位置に切り換えると、クラッチ作動シリンダ15の液圧室15bがポンプ17から遮断されかつリザーバタンク19に接続される。同時に、ECU8はモータ18を停止してポンプ17の作動を停止する。これにより、液圧室15bの作動液がリザーバタンク19に排出され、ピストン15cがリターンスプリング15eの付勢力により図5に示す非作動位置となる。
この例のクラッチ12によれば、比較的高速移動する被位置検出部材3の位置検出をより高精度に行うことのできる第1例の位置検出装置1を備えているので、クラッチの接続および切断をより高精度にしかもより迅速に行うことができ、動力伝達を効率よく制御することが可能となる。
図6は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第2例を模式的に示すブロック図である。なお、以下の各例の説明において、図1、図14、およびその例より前に説明される例の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、それらの詳細な説明は省略する。
前述の第1例では、被位置検出部材3が移動しているときおよび被位置検出部材3が停止しているときのいずれにおいても、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を一定の間隔あるいはランダムのタイミングで読み出すようにしているが、第2例の位置検出装置1では、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値を読み出すタイミングを制御している。すなわち、図6に示すように第2例の位置検出装置1では、第1例に対して更に読出制御部20が設けられている。この読出制御部20は信号読出部6と変位量検出部10とに接続されている。そして、読出制御部20は変位量検出部10で検出された被位置検出部材3の変位量、つまり被位置検出部材3の停止および直線移動に基づいて、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出すタイミングを制御する。その場合、第2例の信号読出部6のデータの読出のタイミングは、被位置検出部材3が直線移動しているときには信号読出部6がデータの読出を行うとともに、被位置検出部材3が停止しているときには信号読出部6がデータの読出を行わないように設定されている。したがって、この第2例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が直線移動しているときだけ、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出して信号処理が行われる。
次に、読出制御部20の読出タイミング制御信号に基づく信号読出部6のデータの読出について説明する。
図7は、第2例の位置検出装置における被位置検出部材の変位量、コイル電圧、およびデータ読出タイミングの関係を示す図、図8は、読出制御部の読出タイミングに基づく信号読出部の出力信号の一例を模式的に示す図である。
図7は、第2例の位置検出装置における被位置検出部材の変位量、コイル電圧、およびデータ読出タイミングの関係を示す図、図8は、読出制御部の読出タイミングに基づく信号読出部の出力信号の一例を模式的に示す図である。
第2例における信号読出部6のデータの読出の説明にあたって、図7に示すように、被位置検出部材3の変位量およびコイル電圧は、前述の第1例と同じであるとする。したがって、第2例の信号読出部6のデータ読出のタイミングでは、被位置検出部材3が停止している時間領域(1)および(4)では読出制御部20から読出タイミング信号が信号読出部6に出力されない。このときには、信号読出部6はデータの読出を行わなく、磁界の値(データ)は信号読出部6に保持される。また、被位置検出部材3が直線移動している時間領域(2)、(3)、および(5)では読出制御部20から読出タイミング信号が信号読出部6に出力される。したがって、このときには信号読出部6はデータの読出を行う。そして、信号読出部6で読み出されたデータの入力信号がフィルタ7に入力され、前述の第1例と同様にしてこのデータ信号に対してノイズ処理が行われる。
この第2例の位置検出装置1によれば、被位置検出部材3が直線移動しているときだけ、信号読出部6によりデータを読み出して信号処理を行い、被位置検出部材3が停止しているときはデータを読み出さないで信号処理を行わないようにしているので、位置検出装置1の消費電力を効率よく低減することができる。
また、被位置検出部材3が直線移動しているときだけ、信号読出部6により読み出されたデータがフィルタ7に入力されるので、フィルタ7におけるノイズ除去のための信号処理量を低減できる。これにより、被位置検出部材3の位置検出をより高精度にしかも更に一層迅速に検出することが可能となる。
第2例の位置検出装置1の他の構成および他の作用効果は第1例の位置検出装置1と同じであり、また、この第2例の位置検出装置1もクラッチ12に配設されることで、クラッチを制御することが可能となる。
図9は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第3例を模式的に示すブロック図である。
前述の第1および第2例の位置検出装置1では、磁界検出部5で検出した被位置検出部
材3の変位に基づく磁界の値(データ)を信号読出部6で読み出しているが、この第3例の位置検出装置1では、磁界検出部5で検出した磁界の値をA/D変換器で読み取るようにしている。すなわち、図9に示すように第3例の位置検出装置1では、第2例の信号読出部6としてA/D変換器からなるA/D変換部21が設けられているとともに、第2例の読出制御部20としてA/D制御部22が設けられている。
前述の第1および第2例の位置検出装置1では、磁界検出部5で検出した被位置検出部
材3の変位に基づく磁界の値(データ)を信号読出部6で読み出しているが、この第3例の位置検出装置1では、磁界検出部5で検出した磁界の値をA/D変換器で読み取るようにしている。すなわち、図9に示すように第3例の位置検出装置1では、第2例の信号読出部6としてA/D変換器からなるA/D変換部21が設けられているとともに、第2例の読出制御部20としてA/D制御部22が設けられている。
この第3例の位置検出装置1においては、変位量検出部10からの変位量信号に基づいてA/D制御部22がA/D変換部21にクロック信号を出力する。その場合、A/D制御部22は変位量検出部10からの変位量信号が変化しているときだけ、つまり被位置検出部材3が移動しているときだけ、A/D変換部21にクロック信号を出力するようになっている。そして、信号読出部6は、A/D制御部22からクロック信号が入力されたとき、磁界検出部5で検出した被位置検出部材3の変位に基づく磁界の値をクロック信号に基づくディジタル信号に変換してフィルタ7に出力する。このようにして、第3例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が移動しているときだけ、磁界検出部5で検出された磁界の値(データ)がA/D変換部21を通してディジタル信号に変換されてフィルタ7に入力される。
この第3例の位置検出装置1の他の構成および作用効果は第2例の位置検出装置1と実質的に同じであり、また、この第3例の位置検出装置1もクラッチ12に配設されることで、クラッチを制御することが可能となる。
この第3例の位置検出装置1の他の構成および作用効果は第2例の位置検出装置1と実質的に同じであり、また、この第3例の位置検出装置1もクラッチ12に配設されることで、クラッチを制御することが可能となる。
図10は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第4例を模式的に示すブロック図である。
前述の第1例の位置検出装置1では、直線移動する被位置検出部材3の移動位置が検出されるが、この第4例の位置検出装置1は、回転運動する被位置検出部材3の回転位置を検出する。その場合、被位置検出部材3の回転量(変位量)の検出は、二次元におけるx,y軸方向の2つの各変位量の値を検出することで行われる。
前述の第1例の位置検出装置1では、直線移動する被位置検出部材3の移動位置が検出されるが、この第4例の位置検出装置1は、回転運動する被位置検出部材3の回転位置を検出する。その場合、被位置検出部材3の回転量(変位量)の検出は、二次元におけるx,y軸方向の2つの各変位量の値を検出することで行われる。
すなわち、図10に示すように第4例の位置検出装置1は、第1例に対してx軸方向(図10において左右方向)における磁界発生部材4の磁界の変位量(つまり、被位置検出部材3の回転に伴うx軸方向の変位量)を検出して電圧で出力する第1のコイル23(第1例のコイル9に相当)と、y軸方向(図10において上下方向)における磁界発生部材4の磁界の変位量(つまり、被位置検出部材3の回転に伴うy軸方向の変位量)を検出して電圧で出力する第2のコイル24とを備える。これらの第1および第2のコイル23,
24は、いずれも磁界発生部材4の磁界領域内に配置されるとともに、第2のコイル24の軸方向は第1のコイル23の軸方向に対して直交する方向に設定されている。第1のコイル23は第1の回転量(変位量)検出部25(第1例の変位量検出部10に相当)に接続されるとともに、第2のコイル24は第2の回転量(変位量)検出部26に接続される。
24は、いずれも磁界発生部材4の磁界領域内に配置されるとともに、第2のコイル24の軸方向は第1のコイル23の軸方向に対して直交する方向に設定されている。第1のコイル23は第1の回転量(変位量)検出部25(第1例の変位量検出部10に相当)に接続されるとともに、第2のコイル24は第2の回転量(変位量)検出部26に接続される。
その場合、図11(A)に示すように、第1のコイル23は被位置検出部材3の回転にしたがって変化しかつ周期が次第に短くなる正弦波状の波形αの電圧(磁界の変位量に基づく)を出力するとともに、第2のコイル24は被位置検出部材3の回転にしたがって変化しかつ周期が次第に短くなる正弦波状の波形βの電圧(磁界の変位量に基づく)を出力する。正弦波状の波形βの位相は正弦波状の波形αの位相に対して(1/4)周期だけ遅れた波形となっている。
また、図11(B)に示すように、第1の回転量検出部25は、第1のコイル23から正弦波状の波形αの電圧が入力されると、この電圧のマイナス部分をカットして得られる矩形波状の波形γの電圧を出力する。また、第2の回転量検出部26は、第2のコイル24から正弦波状の波形βの電圧が入力されると、この電圧のマイナス部分をカットして得
られる矩形波状の波形δの電圧を出力する。
られる矩形波状の波形δの電圧を出力する。
そして、第1および第2の回転量検出部25,26でそれぞれ検出された磁界の変位量
により、被位置検出部材3の回転量が検出される。これらの第1および第2の回転量検出部25,26は、いずれもフィルタ制御部11に接続される。フィルタ制御部11は、前
述の第1例と同様に被位置検出部材3の回転速度に応じてフィルタ7のタップ数を制御する。
により、被位置検出部材3の回転量が検出される。これらの第1および第2の回転量検出部25,26は、いずれもフィルタ制御部11に接続される。フィルタ制御部11は、前
述の第1例と同様に被位置検出部材3の回転速度に応じてフィルタ7のタップ数を制御する。
この第4例の位置検出装置1の他の構成および作用効果は第1例の位置検出装置1と実質的に同じである。また、この第4例の位置検出装置1は第1ないし第3例の位置検出装置1と異なり、クラッチ12には適用されない。
図12は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第5例を模式的に示すブロック図である。
図12に示すように、第5例の位置検出装置1は、前述の第1例に対する第2例の位置検出装置1と同様に、第4例に対して更に読出制御部20が設けられている。この読出制御部20は、信号読出部6と第1および第2の回転量検出部25,26とに接続されてい
る。そして、第1および第2の回転量検出部25,26は、第1および第2のコイル23,24で検出された被位置検出部材3の回転変位量に基づいた電圧信号を読出制御部20に出力する。読出制御部20は、これらの第1および第2の回転量検出部25,26からの
電圧信号に基づいて、被位置検出部材3が回転しているときは読出タイミング信号を信号読出部6に出力する。この読出タイミング信号により、被位置検出部材3の停止および回転に基づいて、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出すタイミングが制御される。その場合、第5例の信号読出部6のデータの読出のタイミングは、被位置検出部材3が回転しているときには信号読出部6がデータの読出を行うとともに、被位置検出部材3が停止しているときには信号読出部6がデータの読出を行わないように設定されている。したがって、この第5例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が回転移動しているときだけ、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出して信号処理が行われる。
図12に示すように、第5例の位置検出装置1は、前述の第1例に対する第2例の位置検出装置1と同様に、第4例に対して更に読出制御部20が設けられている。この読出制御部20は、信号読出部6と第1および第2の回転量検出部25,26とに接続されてい
る。そして、第1および第2の回転量検出部25,26は、第1および第2のコイル23,24で検出された被位置検出部材3の回転変位量に基づいた電圧信号を読出制御部20に出力する。読出制御部20は、これらの第1および第2の回転量検出部25,26からの
電圧信号に基づいて、被位置検出部材3が回転しているときは読出タイミング信号を信号読出部6に出力する。この読出タイミング信号により、被位置検出部材3の停止および回転に基づいて、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出すタイミングが制御される。その場合、第5例の信号読出部6のデータの読出のタイミングは、被位置検出部材3が回転しているときには信号読出部6がデータの読出を行うとともに、被位置検出部材3が停止しているときには信号読出部6がデータの読出を行わないように設定されている。したがって、この第5例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が回転移動しているときだけ、信号読出部6が磁界検出部5で検出した磁界の値(データ)を読み出して信号処理が行われる。
この第5例の位置検出装置1の他の構成および他の作用効果は第4例の位置検出装置1と実質的に同じである。また、この第5例の位置検出装置1は第4例と同様にクラッチ12には適用されない。
図13は本発明に係る位置検出装置の実施の形態の第6例を模式的に示すブロック図である。
図13に示すように、第6例の位置検出装置1は、前述の第2例に対する第3例の位置検出装置1と同様に、第5例に対して読出制御部20が設けられないとともに、A/D変換部21およびA/D制御部22が設けられている。A/D変換部21は磁界検出部5とフィルタ7に接続されている。また、A/D制御部22は第1および第2回転量検出部25,26とA/D変換部21に接続されている。
図13に示すように、第6例の位置検出装置1は、前述の第2例に対する第3例の位置検出装置1と同様に、第5例に対して読出制御部20が設けられないとともに、A/D変換部21およびA/D制御部22が設けられている。A/D変換部21は磁界検出部5とフィルタ7に接続されている。また、A/D制御部22は第1および第2回転量検出部25,26とA/D変換部21に接続されている。
この第6例の位置検出装置1においては、第1および第2回転量検出部25,26から
の回転量信号に基づいてA/D制御部22がA/D変換部21にクロック信号を出力する。その場合、A/D制御部22は第1および第2回転量検出部25,26からの回転信号
が変化しているときだけ、つまり被位置検出部材3が回転しているときだけ、A/D変換部21にクロック信号を出力するようになっている。そして、信号読出部6は、A/D制御部22からクロック信号が入力されたとき、磁界検出部5で検出した被位置検出部材3の変位に基づく磁界の値をクロック信号に基づくディジタル信号に変換してフィルタ7に出力する。このようにして、第6例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が回転して
いるときだけ、磁界検出部5で検出された磁界の値(データ)がA/D変換部21を通してディジタルに変換されてフィルタ7に入力される。
の回転量信号に基づいてA/D制御部22がA/D変換部21にクロック信号を出力する。その場合、A/D制御部22は第1および第2回転量検出部25,26からの回転信号
が変化しているときだけ、つまり被位置検出部材3が回転しているときだけ、A/D変換部21にクロック信号を出力するようになっている。そして、信号読出部6は、A/D制御部22からクロック信号が入力されたとき、磁界検出部5で検出した被位置検出部材3の変位に基づく磁界の値をクロック信号に基づくディジタル信号に変換してフィルタ7に出力する。このようにして、第6例の位置検出装置1では、被位置検出部材3が回転して
いるときだけ、磁界検出部5で検出された磁界の値(データ)がA/D変換部21を通してディジタルに変換されてフィルタ7に入力される。
この第6例の位置検出装置1の他の構成および作用効果は第5例の位置検出装置1と実質的に同じである。また、この第5例の位置検出装置1は第4例と同様にクラッチ12には適用されない。
なお、本発明は前述の各例に限定されることはなく、種々設計変更が可能である。例えば、磁界発生部材4は被位置検出部材3に直接設ける必要はなく、被位置検出部材3の運動に応じて運動する部材に設けることもできる。要は、本発明は、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
本発明に係る位置検出センサは、被位置検出部材の運動に応じて運動するとともに磁界を発生する磁界発生部材の磁界の変化を検出することで、被位置検出部材の位置を検出する位置検出装置に好適に利用可能である。
また、本発明に係るクラッチは、本発明の位置検出装置を用いて制御可能なクラッチに好適に利用可能である。
また、本発明に係るクラッチは、本発明の位置検出装置を用いて制御可能なクラッチに好適に利用可能である。
1…位置検出装置、2…位置検出センサ、3…被位置検出部材、4…磁界発生部材、5…磁界検出部(本発明の第1の磁界検出部に相当)、6…信号読出部、7…フィルタ、8…電子制御装置(ECU)、9…コイル、10…変位量検出部、11…フィルタ制御部、12…クラッチ、13…第1クラッチ板、14…第2クラッチ板、15…クラッチ作動シリンダ、15b…液圧室、15c…ピストン、15d…ピストンロッド、15e…リタースプリング、16…電磁切換弁、17…ポンプ、18…モータ、20…読出制御部、21…A/D変換部、22…A/D制御部、23…第1のコイル、24…第2のコイル、25…第1の回転量(変位量)検出部、26…第2の回転量(変位量)検出部
Claims (6)
- 被位置検出部材の運動に応じて運動するとともに磁界を発生する磁界発生部材および前記磁界発生部材の磁界を検出することで前記被位置検出部材の変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する第1の磁界検出部を少なくとも有する位置検出センサと、
前記第1の磁界検出部の前記電気信号による前記磁界の変化を読み取るとともに前記磁界の変化に応じた電気信号を出力する信号読出部と、
所定数のタップを有するとともに前記信号読出部から出力される前記磁界の変化に応じた電気信号に含まれるノイズを除去するフィルタと、
前記磁界発生部材の磁界を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する第2の磁界検出部と、
前記第2の磁界検出部の前記電気信号による前記磁界の変化を検出することで前記被位置検出部材の変位量を検出するとともに前記磁界の変化に応じた電気信号を出力する変位量検出部と、
前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に応じて前記フィルタを制御するフィルタ制御部とを備え、
前記フィルタ制御部は、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材の変位量が予め定められた設定変位量より大きいと判断したときは前記フィルタのタップ数が少ないタップ数に選択されるとともに、前記被位置検出部材の変位量が前記設定変位量より小さいと判断したときは前記フィルタのタップ数が前記被位置検出部材の変位量が大きいときのタップ数よりも多いタップ数に選択されるように前記フィルタを制御することを特徴とする位置検出装置。 - 前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に応じて前記信号読出部を制御する前記読出制御部を備え、
前記読出制御部は、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材が運動していると判断したときは、前記信号読出部が前記第1の磁界検出部内の磁界の変化を読み取るとともに、前記被位置検出部材が停止していると判断したときは、前記信号読出部が前記第1の磁界検出部内の磁界の変化を読み取らないように読み取りタイミング信号を前記信号読出部に出力することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記信号読出部は、前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力するA/D変換部であり、
前記読出制御部は、前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて前記A/D変換部にクロック信号を出力するA/D制御部であり、
前記A/D制御部は前記変位量検出部で検出された前記磁界の変化に基づいて、前記被位置検出部材が運動していると判断したときは前記A/D変換部にクロック信号を出力するとともに、前記被位置検出部材が停止していると判断したときは前記A/D変換部にクロック信号を出力しなく、
前記A/D変換部は前記クロック信号が入力されたときは前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力するとともに、前記クロック信号が入力されないときは前記第1の磁界検出部の前記電気信号をディジタル信号に変換した電気信号を出力しないことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。 - 前記位置検出センサは、直線運動する前記被位置検出部材の直線移動変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の位置検出装置。
- 前記位置検出センサは、回転運動する前記被位置検出部材の回転運動に応じて回転運動する磁界発生部材の磁界の変化を検出することで前記被位置検出部材の回転変位を検出するとともに検出した磁界に応じた電気信号に変換する位置検出センサであり、
前記第2の磁界検出部は、前記磁界発生部材の磁界の変化を2次元で検出する2つの磁界検出部であり、
前記2つの磁界検出部で2次元で検出された前記磁界発生部材の磁界の変化に基づいて、前記フィルタ制御部が前記フィルタを制御するとともに、前記読出制御部が前記信号読出制御部を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の位置検出装置。 - 互いに離接可能に設けられた第1および第2クラッチ板と、前記第1クラッチ板を前記第2クラッチ板に対して当接離間させるようにストロークするピストンを有するクラッチ作動シリンダと、前記ピストンのストロークに応じて直線移動する直線移動部材と、前記直線移動部材の直線移動を検出する位置検出装置とを少なくとも備えるクラッチにおいて、
前記位置検出装置は、請求項1ないし4に記載のいずれか1つの位置検出装置であり、
前記被位置検出部材は前記直線移動部材であり、
前記位置検出装置は前記直線移動部材の位置を検出することを特徴とするクラッチ。
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JP2018521477A (ja) * | 2015-07-10 | 2018-08-02 | グルプラグGulplug | 電気切断法を用いた電気コンセントアセンブリ |
WO2021174521A1 (zh) * | 2020-03-06 | 2021-09-10 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 内置式磁性过滤组件和离合器分离系统 |
-
2011
- 2011-12-12 JP JP2011271000A patent/JP2013122415A/ja active Pending
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WO2021174521A1 (zh) * | 2020-03-06 | 2021-09-10 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 内置式磁性过滤组件和离合器分离系统 |
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