JP2013122313A - 免震支持体 - Google Patents

Abstract

【課題】
地震のエネルギーを隔絶する能力を高める衝撃吸収パッドを用いた免震支持体を提供すること。
【解決手段】
免震支持体は、スライダで分離された下方板と上方板を有する。下方板は、上向きの凹面を有する。上方板は下向きの凹面を有する。スライダは、衝撃吸収パッドで分離された第１部材と第２部材を具備する。第１部材は、上方板の凹面に沿ってスライドする上方凸面を有する。第２部材は、下方板の凹面に沿ってスライドする下方凸面を有する。地震が発生すると、下方板と上方板は、それら下方及び上方板間のスライダを介して相対的に移動し、水平方向の地震エネルギーを消散しようとする。さらに、衝撃吸収パッドが変形して、垂直方向の地震エネルギーを吸収可能である。従って、免震支持体は、地震のエネルギーを隔絶する能力を高めることができる。
【選択図】図１

Description

本発明は免震支持体に関し、特に地震のエネルギーを隔絶する能力を高める衝撃吸収パッドを用いた免震支持体に関する。

免震支持体は、各種の構造物を地震の損傷的影響から保護するために設けられる基部用の免震装置である。図３を参照すれば、従来の免震支持体は、スライダ６０で分離された下方板４０と上方板５０を備えている。下方板４０は、上向きの凹面４１を有する。上方板５０は、下向きの凹面５１を有する。スライダ６０は、上方板５０の凹面５１に沿ってスライドする上方凸面６１と、下方板４０の凹面４１に沿ってスライドする下方凸面６２とを有する。使用時、下方板４０は支持すべき構造物がその上に載せられる基礎ベース上に載置され、一方構造物は上方板５０上に載置される。地震が発生すると、下方板４０と上方板５０は、それら下方及び上方板４０、５０間のスライダ６０を介して相対的に移動しようとする。従って、支持すべき構造物は地震のエネルギーから隔絶される。しかしながら、上記のような免震支持体は、水平方向の地震エネルギーを消散できるだけである。垂直方向の地震エネルギーはそのまま存在して加わり、構造物を破壊する可能性がある。

図４を参照すれば、別の従来の免震支持体は、スライダ９０で分離された下方板７０と上方板８０を備えている。下方板７０は、上向きの凹面７１を有する。上方板８０は、下向きの凹面８１を有する。スライダ９０は、第１部材９１と第２部材９２を具備する。第１部材９１は、上方凸面９１１と、下面と、凹部９１２とを有する。凸面９１１は、上方板８０の凹面８１に沿ってスライドする。凹部９１２は、第１部材９１の下面に形成されている。第２部材９２は、下方凸面９２１と、上面と、突部９２２とを有する。凸面９２１は、下方板７０の凹面７１に沿ってスライドする。突部９２２は、第２部材９２の上面から突出し、第１部材９１の凹部９１２に受け入れられている。地震が発生すると、下方板７０と上方板８０は、それら下方及び上方板７０、８０間のスライダ９０を介して相対的に移動し、水平方向の地震エネルギーを消散しようとする。さらに、第１部材９１と第２部材９２が、相対的に向きを変えるように動いて、垂直方向の地震エネルギーを吸収する。しかしながら、第１部材９１と第２部材９２は、突部９２２を受け入れる凹部９１２によってだけ連結されている。第１及び第２部材９１、９２の連結面積が小さすぎるため、両者の間で応力の集中を生じ、第１及び第２部材９１、９２を破壊する恐れがある。

かかる欠点を解決するため、本発明は上記のような問題を緩和するもしくは取り除く免震支持体を提供する。

本発明の主な目的は、地震のエネルギーを隔絶する能力を高める衝撃吸収パッドを用いた免震支持体を提供することにある。

上記の目的を達成するため、本発明に基づく免震支持体は、スライダで分離された下方板と上方板を有する。下方板は、上向きの凹面を有する。上方板は下向きの凹面を備える。スライダは、衝撃吸収パッドで分離された第１部材と第２部材を具備する。第１部材は、上方板の凹面に沿ってスライドする上方凸面を有する。第２部材は、下方板の凹面に沿ってスライドする下方凸面を有する。地震が発生すると、下方板と上方板は、それら下方及び上方板間のスライダを介して相対的に移動し、水平方向の地震エネルギーを消散しようとする。さらに、衝撃吸収パッドが変形して、垂直方向の地震エネルギーを吸収可能であると共に、第１部材と上方板の間及び第２部材と下方板の間の完全な接触を確実に保持可能である。従って、衝撃吸収パッドを用いた前記免震支持体は、地震のエネルギーを隔絶する能力を高めることができる。

本発明のその他の目的、利点及び新規の特徴は、添付の図面を参照した以下の詳細な説明からあきらかとなろう。

図１は、本発明に基づく免震支持体の側面断面図である。 図２は、図１の免震支持体の側面断面図で、下方板と上方板が相対的に移動することを示している。 図３は、先行技術に基づく従来の免震支持体の側面断面図である。 図４は、先行技術に基づく別の従来の免震支持体の側面断面図である。

図１を参照すれば、本発明に基づく免震支持体は、下方板１０と、上方板２０と、スライダ３０を備える。

下方板１０は円形状の鋼板で、上向きの凹面１１を有する。

上方板２０は下方板１０から分離しており、円形状の鋼板で、下向きの凹面２１を有する。

スライダ３０は下方及び上方板１０、２０の間にスライド可能に装着され、円形状であり、衝撃吸収パッド３３によって分離された第１部材３１と第２部材３２を具備する。第１部材３１は、上方板２０の凹面２１に沿ってスライドする上方凸面３１１を有する。第２部材３２は、下方板１０の凹面１１に沿ってスライドする下方凸面３２１を有する。衝撃吸収パッド３３はゴムからなる。

好ましい実施形態において、第１部材３１は、その凸面３１１に取り付けられ上方板２０の凹面２１と接触するポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）片３１２を有する。第２部材３２は、その凸面３２１に取り付けられ下方板１０の凹面１１と接触するＰＴＦＥ片３２２を有する。ＰＴＦＥは、どんな固体に対しても最も低い摩擦係数に属する値を有するため、スライダ３０は下方及び上方板１０、２０の間で滑らかにスライド可能である。

第２部材３２はさらにその上面に、衝撃吸収パッド３３を受け入れる凹部３２３を有する。第１部材３１はさらにその下面に、突部３１３を有する。突部３１３は第２部材３２の凹部３２３に受け入れられ、衝撃吸収パッド３３に当接している。そのため、第１部材３１と第２部材３２は、凹部３２３と突部３１３の協働作用によって位置が決まる。

使用時、下方板１０は支持すべき構造物がその上に載せられる基礎ベース上に載置され、一方構造物は上方板２０上に載置される。図２を参照すれば、地震が発生すると、下方板１０と上方板２０は、それら下方及び上方板１０、２０間のスライダ３０を介して相対的に移動し、水平方向の地震エネルギーを消散しようとする。さらに、衝撃吸収パッド３３が変形して、垂直方向の地震エネルギーを吸収可能であると共に、第１部材３１と上方板２０の間及び第２部材３２と下方板１０の間の完全な接触を確実に保持可能である。衝撃吸収パッド３３は第１及び第２部材３１、３２と大きい面積で接触しているため、応力が均等に分布され、応力の集中が生じない。従って、本発明に基づく免震支持体は、地震のエネルギーを隔絶する能力を高めることができる。

以上、本発明の多くの特性及び利点を、本発明の構造及び特徴の詳細と共に説明してきたが、本開示は例示に過ぎない。添付の請求の範囲に記載される各用語の広義における一般的な意味によって表される最大限の範囲の発明の基本概念内において、個々の詳細、特に各部の形状、寸法及び配置に関して種々の変更が可能である。

Claims (4)

1. 上向きの凹面を有する下方板、
   前記下方板から分離しており、下向きの凹面を有する上方板、及び
   前記下方及び上方板の間にスライド可能に装着されたスライダ、を備え、
   前記スライダは、
   前記上方板の前記凹面に沿ってスライドする上方凸面を有する第１部材、
   前記下方板の前記凹面に沿ってスライドする下方凸面を有する第２部材、及び
   前記第１及び第２部材の間に装着された衝撃吸収パッド、
   を具備する免震支持体。
2. 前記衝撃吸収パッドはゴムからなる請求項１に記載の免震支持体。
3. 前記第１部材は、その前記凸面に取り付けられ前記上方板の前記凹面と接触するポリテトラフルオロエチレン片を有し、
   前記第２部材は、その前記凸面に取り付けられ前記下方板の前記凹面と接触するポリテトラフルオロエチレン片を有する請求項１又は２に記載の免震支持体。
4. 前記第２部材はその上面に、前記衝撃吸収パッドを受け入れる凹部を有し、
   前記第１部材はその下面に突部を有しており、前記突部が第２部材の前記凹部に受け入れられ、前記衝撃吸収パッドに当接している請求項１乃至３のいずれか一項に記載の免震支持体。

Images