JP2013122037A - 光半導体装置用硬化性組成物及び光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置用硬化性組成物及び光半導体装置 Download PDF

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穣 末▲崎▼
Yasunari Kusaka
康成 日下
Hidefumi Yasui
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Yoshitaka Kunihiro
良隆 国広
Ryosuke Yamazaki
亮介 山▲崎▼
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Mitsuru Tanigawa
満 谷川
Yasushi Inui
靖 乾
Chizuru Kin
千鶴 金
Yu Yamada
佑 山田
Yusuke Kobayashi
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Hiroshi Sasaki
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Abstract

【課題】高い耐熱性を有し、かつ良好な透明性を維持可能であるとともに、腐食性ガスに対する高い耐ガス腐食性を付与できる硬化物を得ることができる光半導体装置用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、アルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含む。
該亜鉛化合物は亜鉛酸化物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体装置において、光半導体素子を封止したり、光半導体素子の上方にレンズを形成したりするために用いられる光半導体装置用硬化性組成物に関する。また、本発明は、該光半導体装置用硬化性組成物を用いた光半導体装置に関する。
発光ダイオード(LED)装置などの光半導体装置の消費電力は低く、かつ寿命は長い。また、光半導体装置は、過酷な環境下でも使用され得る。従って、光半導体装置は、携帯電話用バックライト、液晶テレビ用バックライト、自動車用ランプ、照明器具及び看板などの幅広い用途で使用されている。
光半導体装置に用いられている発光素子である光半導体素子(例えばLED)が大気と直接触れると、大気中の水分又は浮遊するごみ等により、光半導体素子の発光特性が急速に低下する。このため、上記光半導体素子は、通常、光半導体装置用封止剤により封止されている。
下記の特許文献1には、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素基を少なくとも2個有するポリシロキサン架橋剤と、(C)ヒドロシリル化反応触媒と、(D)亜鉛化合物とを含むシリコーン樹脂組成物が開示されている。このシリコーン樹脂組成物は、(D)成分を、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜5質量部含有する。なお、特許文献1に記載の(D)亜鉛化合物としては、具体的には、亜鉛を含有する錯体および/または金属塩が挙げられている。特許文献1の実施例では、亜鉛ビスアセチルアセトメート又は亜鉛ビス2−エチルヘキサノエートが用いられており、これらの亜鉛化合物は粒子ではない。
また、光半導体装置において、光の出射方向を制御したり、正面輝度が高くなりすぎるのを抑制したりするために、光半導体装置用レンズ材料を用いてレンズが形成されていることがある。上記レンズは、例えば、上記封止剤の表面上に配置されている。また、上記レンズは、光半導体素子上に又は光半導体素子を被覆するように配置されていることもある。
下記の特許文献2には、上記光半導体装置用レンズ材料として、(A)脂肪族不飽和結合を2個以上有するオルガノポリシロキサンと、(B)珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)白金族金属系触媒と、(D)離型剤とを含むレンズ材料が開示されている。
特開2011−178983号公報 特開2006−328103号公報
また、光半導体装置では、発光素子の背面側に達した光を反射させるために、発光素子の背面に、銀めっきされた電極が形成されていることがある。特許文献1,2に記載のような従来の光半導体装置用組成物を用いて光半導体装置を作製すると、大気中に存在する硫化水素ガス又は亜硫酸ガス等の腐食性ガスによって、銀めっきが変色することがある。電極が変色すると反射率が低下するため、発光素子が発する光の明るさが低下するという問題がある。
本発明の目的は、高い耐熱性を有し、かつ良好な透明性を維持可能であるとともに、腐食性ガスに対する高い耐ガス腐食性を付与できる硬化物を得ることができる光半導体装置用硬化性組成物、並びに該光半導体装置用硬化性組成物を用いた光半導体装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、アルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含み、上記亜鉛化合物が亜鉛酸化物であり、上記第1のオルガノポリシロキサンが、下記式(1A)で表され、アルケニル基及び珪素原子に結合したメチル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、下記式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子及び珪素原子に結合したメチル基を有する第2のオルガノポリシロキサンであるか、又は、上記第1のオルガノポリシロキサンが、下記式(1B)で表され、アリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、下記式(51B)で表され、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンであり、上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1A)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51A)で表される場合には、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(X)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率がそれぞれ80モル%以上であり、上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1B)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51B)で表される場合には、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(Y)より求められるアリール基の含有比率がそれぞれ30モル%以上、70モル%以下であり、上記第1のオルガノポリシロキサン100重量部に対して、上記第2のオルガノポリシロキサンの含有量が10重量部以上、400重量部以下であり、硬化性組成物中で、上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量は、金属原子の重量単位で0.01ppm以上、1000ppm以下であり、上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量が0.1重量部以上、30重量部以下である、光半導体装置用硬化性組成物が提供される。
Figure 2013122037
上記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.30、b/(a+b+c)=0.70〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.10を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアルケニル基を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、アルケニル基及びメチル基以外のR1〜R6は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
Figure 2013122037
上記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.10〜0.50、q/(p+q+r)=0〜0.40及びr/(p+q+r)=0.40〜0.90を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、水素原子及びメチル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
珪素原子に結合したメチル基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合したメチル基の平均個数×メチル基の分子量/上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(X)
Figure 2013122037
上記式(1B)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.50、b/(a+b+c)=0.40〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.50を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
Figure 2013122037
上記式(51B)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.20〜0.80を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
アリール基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数×アリール基の分子量/上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(Y)
また、本発明の広い局面によれば、上述した光半導体装置用硬化性組成物を用いた光半導体装置が提供される。
すなわち、本発明の広い局面によれば、光半導体素子と、該光半導体素子を封止するように配置された封止剤、又は上記光半導体素子上に配置されたレンズとを備え、該封止剤又は該レンズが、光半導体装置用硬化性組成物を硬化させることにより形成されており、該光半導体装置用硬化性組成物が、アルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含み、上記亜鉛化合物が亜鉛酸化物であり、上記第1のオルガノポリシロキサンが、上述した式(1A)で表され、アルケニル基及び珪素原子に結合したメチル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、上述した式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子及び珪素原子に結合したメチル基を有する第2のオルガノポリシロキサンであるか、又は、上記第1のオルガノポリシロキサンが、上述した式(1B)で表され、アリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、上述した式(51B)で表され、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンであり、上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1A)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51A)で表される場合には、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの上述した式(X)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率がそれぞれ80モル%以上であり、上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1B)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51B)で表される場合には、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの上述した式(Y)より求められるアリール基の含有比率がそれぞれ30モル%以上、70モル%以下であり、上記第1のオルガノポリシロキサン100重量部に対して、上記第2のオルガノポリシロキサンの含有量が10重量部以上、400重量部以下であり、硬化性組成物中で、上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量は、金属原子の重量単位で0.01ppm以上、1000ppm以下であり、上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量が0.1重量部以上、30重量部以下である、光半導体装置が提供される。
本明細書では、上述した光半導体装置用硬化性組成物に関する発明と、上述した光半導体装置に関する発明との双方が開示される。
上記亜鉛化合物は酸化亜鉛であることが好ましい。上記亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子径は、1nm以上、100nm以下であることが好ましい。
上記式(1A)又は上記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンが、珪素原子に結合した水素原子を有さず、上記式(51A)又は上記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンが、アルケニル基を有し、上記式(51A)中、R51〜R56は、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、水素原子、メチル基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表し、上記式(51B)中、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基、水素原子及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表すことが好ましい。
上記式(51A)又は上記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンは、下記式(51−a)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2013122037
上記式(51−a)中、R52及びR53はそれぞれ、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1A)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51A)で表されることが好ましい。上記第1のオルガノポリシロキサンが上記式(1B)で表され、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが上記式(51B)で表されることも好ましい。
上記光半導体装置用硬化性組成物は、光半導体装置用封止剤又は光半導体装置用レンズ材料であることが好ましい。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、アルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含むので、高い耐熱性を有し、かつ良好な透明性を維持可能であるとともに、腐食性ガスに対する高い耐ガス腐食性を付与できる硬化物を得ることができる。
本発明に係る光半導体装置は、光半導体素子と、上記光半導体素子を封止するように配置された封止剤、又は上記光半導体素子上に配置されたレンズとを備えており、該封止剤又は該レンズが、アルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含む光半導体装置用硬化性組成物を硬化させることにより形成されているので、封止剤又はレンズは、高い耐熱性を有し、かつ良好な透明性を維持可能であるとともに、腐食性ガスに対する高い耐ガス腐食性を付与可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、アルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含む。該亜鉛化合物は、亜鉛酸化物である。
本発明に係る光半導体装置は、光半導体素子と、上記光半導体素子を封止するように配置された封止剤、又は上記光半導体素子上に配置されたレンズとを備え、該封止剤又は該レンズが、上述した光半導体装置用硬化性組成物を硬化させることにより形成されている。
発光素子の背面側に達した光を反射させるために、発光素子の背面に、銀めっきされた電極が形成されていることがある。また、大気中に存在する硫化水素ガス又は亜硫酸ガス等の腐食性ガスによって、銀めっきが変色することがある。電極が変色すると反射率が低下するため、発光素子が発する光の量(光度)が低下するという問題がある。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物における上記組成の採用により、硬化物を封止材又はレンズ材などとして用いた光半導体装置において、腐食性ガスに対する耐ガス腐食性をかなり高くできる。この結果、光半導体装置において、発光素子が発する光の明るさが低下することを効果的に抑制できる。さらに、上記組成の採用により、硬化物の耐熱性も高めることができる。
さらに、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物における上記組成の採用により、硬化物の透明性が高くなる。さらに、腐食性ガスに晒されても、良好な透明性を維持可能である硬化物が得られる。
さらに、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物における上記組成の採用により、硬化物にクラックが生じ難くなり、硬化物の接着対象物からの剥離を抑えられる。
本発明者らは、上記光半導体装置用硬化性組成物において、アルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、亜鉛化合物により形成された粒子とを含む組成の採用により、腐食性ガスに対して高い耐ガス腐食性を付与可能であり、更に高い耐熱性を有する硬化物を得ることができることを見出した。さらに、本発明者らは、上記光半導体装置用硬化性組成物における上記組成の採用により、腐食性ガスに対して高い耐ガス腐食性を付与可能であり、更に良好な透明性を維持可能である硬化物が得られることも見出した。さらに、本発明者らは、上記光半導体装置用硬化性組成物における上記組成の採用により、硬化物にクラックが生じ難くなり、硬化物の接着対象物からの剥離を抑えられることも見出した。
上記第1のオルガノポリシロキサンは、式(1A)で表され、アルケニル基と珪素原子に結合したメチル基とを有する第1のオルガノポリシロキサンであるか、又は式(1B)で表され、アリール基とアルケニル基とを有する第1のオルガノポリシロキサンである。上記第2のオルガノポリシロキサンがアルケニル基を有する場合には、上記第1のオルガノポリシロキサンは、珪素原子に結合した水素原子を有さないことが好ましい。上記第1のオルガノポリシロキサンは、珪素原子に結合した水素原子を有さないことが好ましい。
上記第2のオルガノポリシロキサンは、式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子と珪素原子に結合したメチル基とを有する第2のオルガノポリシロキサンであるか、又は式(51B)で表され、アリール基と珪素原子に結合した水素原子とを有する第2のオルガノポリシロキサンである。
硬化物の耐熱性と透明性及び硬化性組成物のポットライフをより一層良好にする観点から、上記第1のオルガノポリシロキサンが、式(1A)で表され、アルケニル基及び珪素原子に結合したメチル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子及び珪素原子に結合したメチル基を有する第2のオルガノポリシロキサンであるか、又は、上記第1のオルガノポリシロキサンが、式(1B)で表され、アリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、式(51B)で表され、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンである。
また、従来の光半導体装置用硬化性組成物の硬化物が、加熱と冷熱とを繰り返し受ける温度サイクル等の過酷な環境で使用されると、硬化物にクラックが生じたり、硬化物がハウジング材等から剥離したりすることがある。特に、従来の光半導体装置用硬化性組成物の硬化物では、耐熱性が低いという問題がある。
耐熱性により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンが、式(1A)で表され、アルケニル基及び珪素原子に結合したメチル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子及び珪素原子に結合したメチル基を有する第2のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
耐熱性により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(X)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率がそれぞれ80モル%以上であることが好ましい。
珪素原子に結合したメチル基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合したメチル基の平均個数×メチル基の分子量/上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(X)
上記式(X)における上記「官能基」は、上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサン中の珪素原子に直接結合している基を意味する。また、ヒドロシリル基(Si−H)における水素原子も上記式(X)においては「官能基」として取り扱う。下記式(Y)における「官能基」も同様である。
耐ガス腐食性の付与効果により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンが、式(1B)で表され、アリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、式(51B)で表され、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
耐ガス腐食性の付与効果により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(Y)より求められるアリール基の含有比率がそれぞれ30モル%以上、70モル%以下であることが好ましい。
アリール基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数×アリール基の分子量/上記第1のオルガノポリシロキサン又は上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(Y)
なお、上記アリール基がフェニル基である場合には、上記アリール基の含有比率は、フェニル基の含有比率を示す。
以下、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物に含まれている各成分の詳細を説明する。
(第1のオルガノポリシロキサン)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物に含まれている第1のオルガノポリシロキサンは、アルケニル基を2個以上有する。アルケニル基は珪素原子に直接結合していることが好ましい。なお、上記アルケニル基の炭素−炭素二重結合における炭素原子が、珪素原子に結合していてもよく、上記アルケニル基の炭素−炭素二重結合における炭素原子とは異なる炭素原子が、珪素原子に結合していてもよい。上記第1のオルガノポリシロキサンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
耐熱性により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンは、下記式(1A)で表され、アルケニル基と珪素原子に結合したメチル基とを有する第1のオルガノポリシロキサン(以下、第1のオルガノポリシロキサンAと記載することがある)であることが好ましい。上記第1のオルガノポリシロキサンAは、珪素原子に結合した水素原子を有さず、アルケニル基と珪素原子に結合したメチル基とを有する第1のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2013122037
上記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.30、b/(a+b+c)=0.70〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.10を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアルケニル基を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、アルケニル基及びメチル基以外のR1〜R6は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
耐ガス腐食性の付与効果により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンは、下記式(1B)で表され、アリール基とアルケニル基とを有する第1のオルガノポリシロキサン(以下、第1のオルガノポリシロキサンBと記載することがある)であることが好ましい。上記第1のオルガノポリシロキサンBは、珪素原子に結合した水素原子を有さず、アリール基とアルケニル基とを有する第1のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。該アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。
Figure 2013122037
上記式(1B)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.50、b/(a+b+c)=0.40〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.50を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
なお、上記式(1A)及び上記式(1B)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び(R6SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
上記式(1A)及び上記式(1B)は平均組成式を示す。上記式(1A)及び上記式(1B)における炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記式(1A)及び上記式(1B)中のR1〜R6は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1A)及び上記式(1B)中、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位における酸素原子部分、(R6SiO3/2)で表される構造単位における酸素原子部分はそれぞれ、シロキサン結合を形成している酸素原子部分、アルコキシ基の酸素原子部分、又はヒドロキシ基の酸素原子部分を示す。
なお、一般に、上記式(1A)及び上記式(1B)の各構造単位において、アルコキシ基の含有量は少なく、更にヒドロキシ基の含有量も少ない。これは、一般に、第1のオルガノポリシロキサンを得るために、アルコキシシラン化合物などの有機珪素化合物を加水分解し、重縮合させると、アルコキシ基及びヒドロキシ基の多くは、シロキサン結合の部分骨格に変換されるためである。すなわち、アルコキシ基の酸素原子及びヒドロキシ基の酸素原子の多くは、シロキサン結合を形成している酸素原子に変換される。上記式(1A)及び上記式(1B)の各構造単位がアルコキシ基又はヒドロキシ基を有する場合には、シロキサン結合の部分骨格に変換されなかった未反応のアルコキシ基又はヒドロキシ基がわずかに残存していることを示す。後述の式(51A)及び式(51B)の各構造単位がアルコキシ基又はヒドロキシ基を有する場合に関しても、同様のことがいえる。
上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基等が挙げられる。耐ガス腐食性をより一層高める観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基及び上記式(1A)及び上記式(1B)中のアルケニル基は、ビニル基又はアリル基であることが好ましく、ビニル基であることがより好ましい。硬化性組成物の硬化性をより一層高める観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンは、ビニル基を有することが好ましい。
上記式(1A)における炭素数2〜8の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基及びアリール基が挙げられる。上記式(1B)における炭素数1〜8の炭化水素基としては、上記式(1A)における炭素数2〜8の炭化水素基と同様の基が挙げられ、更にメチル基が挙げられる。
硬化性組成物の硬化性を高め、熱サイクルでのクラック及び剥離をより一層抑制する観点からは、上記式(1A)及び上記式(1B)中、(R1R2R3SiO1/2)で表される構造単位は、R1がビニル基を表し、R2及びR3が炭素数1〜8の炭化水素基(メチル基又は炭素数2〜8の炭化水素基)を表す構造単位を含むことが好ましい。すなわち、硬化性組成物の硬化性を高め、熱サイクルでのクラック及び剥離をより一層抑制する観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンは、(CH=CHSiR2R3O1/2)で表される構造単位を有することが好ましく、すなわち下記式(1−a)で表される構造単位を有することが好ましい。(R1R2R3SiO1/2)で表される構造単位は、下記式(1−a)で表される構造単位のみを含んでいてもよく、下記式(1−a)で表される構造単位と下記式(1−a)で表される構造単位以外の構造単位とを含んでいてもよい。下記式(1−a)の存在により、末端にビニル基を存在させることができ、末端にビニル基が存在することによって反応機会が多くなり、硬化性組成物の硬化性をより一層高めることができる。なお、下記式(1−a)で表される構造単位において、末端の酸素原子は、一般に隣接する珪素原子とシロキサン結合を形成しており、隣接する構造単位と酸素原子を共有している。従って、末端の1つの酸素原子を「O1/2」とする。
Figure 2013122037
上記式(1−a)中、R2及びR3はそれぞれ、炭素数1〜8の炭化水素基を示す。
上記第1のオルガノポリシロキサンAにおける下記式(X1)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率は80モル%以上である。このメチル基の含有比率が80モル%以上であると、硬化物の耐熱性がかなり高くなり、更に光半導体装置が高温高湿下での過酷な環境で通電した状態で使用されても、光度が低下し難くなりかつ硬化物の変色が生じ難くなる。上記第1のオルガノポリシロキサンAにおける下記式(X1)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率は、好ましくは85モル%以上、好ましくは99.9モル%以下、より好ましくは99モル%以下、更に好ましくは98モル%以下である。上記メチル基の含有比率が上記下限以上であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。上記メチル基の含有比率が上記上限以下であると、アルケニル基を充分に導入でき、硬化性組成物の硬化性を高めることが容易である。
珪素原子に結合したメチル基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合したメチル基の平均個数/上記第1のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(X1)
上記第1のオルガノポリシロキサンBにおける下記式(Y1)より求められるアリール基の含有比率は30モル%以上、70モル%以下である。このアリール基の含有比率が30モル%以上であると、硬化物による耐ガス腐食性の付与効果がより一層高くなり、硬化物にクラック及び剥離がより一層生じ難くなる。アリール基の含有比率が70モル%以下であると、硬化物の剥離がより一層生じ難くなる。耐ガス腐食性を更に一層高める観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンBにおけるアリール基の含有比率は35モル%以上であることが好ましい。剥離をより一層生じ難くする観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンBにおけるアリール基の含有比率は、65モル%以下であることが好ましい。
アリール基の含有比率(モル%)=(上記第1のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数/上記第1のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数) ・・・式(Y1)
硬化性組成物の保存安定性をより一層高める観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンAは、アリール基を有することが好ましい。該アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。上記第1のオルガノポリシロキサンAにおける上記式(Y1)により求められるアリール基の含有比率は好ましくは0.5モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。上記第1のオルガノポリシロキサンAにおけるアリール基の含有比率が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層良好になる。
上記式(1A)及び上記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンにおいて、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位(以下、二官能構造単位ともいう)は、下記式(1−2)で表される構造、すなわち、二官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基又はアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R4R5SiXO1/2) ・・・式(1−2)
(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(1−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R4及びR5で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位に含まれる。具体的には、アルコキシ基がシロキサン結合の部分骨格に変換された場合には、(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を示す。未反応のアルコキシ基が残存している場合、又はアルコキシ基がヒドロキシ基に変換された場合には、残存アルコキシ基又はヒドロキシ基を有する(R4R5SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(1−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を示す。また、下記式(1−b)で表される構造単位において、Si−O−Si結合中の酸素原子は、隣接する珪素原子とシロキサン結合を形成しており、隣接する構造単位と酸素原子を共有している。従って、Si−O−Si結合中の1つの酸素原子を「O1/2」とする。
Figure 2013122037
上記式(1−2)及び式(1−2−b)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(1−b)、式(1−2)及び式(1−2−b)中のR4及びR5は、上記式(1A)及び上記式(1B)中のR4及びR5と同様の基である。
上記式(1A)及び上記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンにおいて、(R6SiO3/2)で表される構造単位(以下、三官能構造単位ともいう)は、下記式(1−3)又は式(1−4)で表される構造、すなわち、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の2つがそれぞれヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R6SiX1/2) ・・・式(1−3)
(R6SiXO2/2) ・・・式(1−4)
(R6SiO3/2)で表される構造単位は、下記式(1−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(1−3−c)又は式(1−4−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R6で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R6SiO3/2)で表される構造単位に含まれる。
Figure 2013122037
上記式(1−3)、式(1−3−c)、式(1−4)及び式(1−4−c)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(1−c)、式(1−3)、式(1−3−c)、式(1−4)及び式(1−4−c)中のR6は、上記式(1A)及び上記式(1B)中のR6と同様の基である。
上記式(1−b)及び式(1−c)、式(1−2)〜(1−4)、並びに式(1−2−b)、式(1−3−c)及び式(1−4−c)において、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(1A)中、a/(a+b+c)の下限は0、上限は0.30である。a/(a+b+c)が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物の剥離をより一層抑制できる。上記式(1A)中、a/(a+b+c)は、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下である。なお、aが0であり、a/(a+b+c)が0である場合、上記式(1A)中、(R1R2R3SiO1/2)の構造単位は存在しない。
上記式(1A)中、b/(a+b+c)の下限は0.70、上限は1.0である。b/(a+b+c)が上記下限以上であると、硬化物が硬くなりすぎず、硬化物にクラックが生じ難くなる。上記式(1A)中、b(a+b+c)は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.80以上である。
上記式(1A)中、c/(a+b+c)の下限は0、上限は0.10である。c/(a+b+c)が上記上限以下であると、硬化性組成物の適正な粘度を維持することが容易であり、硬化物の密着性がより一層高くなる。上記式(1A)中、c/(a+b+c)は、好ましくは0.05以下である。なお、cが0であり、c/(a+b+c)が0である場合、上記式(1A)中、(R6SiO3/2)の構造単位は存在しない。
上記式(1A)中のc/(a+b+c)は、0であることが好ましい。すなわち、上記式(1A)で表される第1のオルガノポリシロキサンは、下記式(1Aa)で表される第1のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。これにより、硬化物にクラックがより一層生じ難くなり、かつ硬化物がハウジング材等からより一層剥離し難くなる。
Figure 2013122037
上記式(1Aa)中、a及びbは、a/(a+b)=0〜0.30及びb/(a+b)=0.70〜1.0を満たし、R1〜R5は、少なくとも1個がアルケニル基を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、アルケニル基及びメチル基以外のR1〜R5は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
上記式(1Aa)中、a/(a+b)は好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下、更に好ましくは0.15以下である。上記式(1Aa)中、b/(a+b)は好ましくは0.75以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.85以上である。
上記式(1B)中、a/(a+b+c)は0以上、0.50以下である。a/(a+b+c)が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物の剥離をより一層抑制できる。上記式(1B)中、a/(a+b+c)は好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。なお、aが0であり、a/(a+b+c)が0である場合、上記式(1B)中、(R1R2R3SiO1/2)の構造単位は存在しない。
上記式(1B)中、b/(a+b+c)は0.40以上、1.0以下である。b/(a+b+c)が上記下限以上であると、硬化物が硬くなりすぎず、硬化物にクラックが生じ難くなる。上記式(1B)中、b/(a+b+c)は好ましくは0.50以上である。
上記式(1B)中、c/(a+b+c)は0以上、0.50以下である。c/(a+b+c)が上記上限以下であると、硬化性組成物の適正な粘度を維持することが容易であり、硬化物の密着性がより一層高くなる。上記式(1B)中、c/(a+b+c)は好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下、更に好ましくは0.35以下である。なお、cが0であり、c/(a+b+c)が0である場合、上記式(1B)中、(R6SiO3/2)の構造単位は存在しない。
上記式(1B)中のc/(a+b+c)は0であることが好ましい。すなわち、上記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンは、下記式(1Bb)で表される第1のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。これにより、硬化物にクラックがより一層生じ難くなり、かつ硬化物の剥離がより一層生じ難くなる。
Figure 2013122037
上記式(1Bb)中、a及びbは、a/(a+b)=0〜0.50及びb/(a+b)=0.50〜1.0を満たし、R1〜R5は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR1〜R5は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
上記式(1Bb)中のa/(a+b)は好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。上記式(1Bb)中のb/(a+b)は好ましくは0.55以上、より好ましくは0.60以上である。
上記第1のオルガノポリシロキサンについて、テトラメチルシラン(以下、TMS)を基準に29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記式(1A)及び上記式(1B)中の(R1R2R3SiO1/2)で表される構造単位に相当するピークは+10〜−5ppm付近に現れ、上記式(1A)及び上記式(1B)中の(R4R5SiO2/2)で表される構造単位及び上記式(1−2)の二官能構造単位に相当する各ピークは−10〜−50ppm付近に現れ、上記式(1A)及び上記式(1B)中の(R6SiO3/2)で表される構造単位、並びに上記式(1−3)及び式(1−4)の三官能構造単位に相当する各ピークは−50〜−80ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、それぞれのシグナルのピーク面積を比較することによって上記式(1A)及び上記式(1B)中の各構造単位の比率を測定できる。
但し、上記TMSを基準にした29Si−NMRの測定で上記式(1A)及び上記式(1B)中の構造単位の見分けがつかない場合は、29Si−NMRの測定結果だけではなく、H−NMRの測定結果を必要に応じて用いることにより、上記式(1A)及び上記式(1B)中の各構造単位の比率を見分けることができる。
(第2のオルガノポリシロキサン)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物に含まれている第2のオルガノポリシロキサンは、珪素原子に結合した水素原子を2個以上有する。水素原子は、珪素原子に直接結合している。
上記第2のオルガノポリシロキサンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
耐熱性により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンは、下記式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子と珪素原子に結合したメチル基とを有する第2のオルガノポリシロキサン(以下、第2のオルガノポリシロキサンAと記載することがある)であることが好ましい。
Figure 2013122037
上記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.10〜0.50、q/(p+q+r)=0〜0.40及びr/(p+q+r)=0.40〜0.90を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、水素原子及びメチル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
耐ガス腐食性の付与効果により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンは、下記式(51B)で表され、アリール基と珪素原子に結合した水素原子とを有する第2のオルガノポリシロキサン(以下、第2のオルガノポリシロキサンBと記載することがある)であることが好ましい。該アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。
Figure 2013122037
上記式(51B)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.20〜0.80を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
なお、上記式(51A)及び上記式(51B)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び(R56SiO3/2)で表される構造単位はそれぞれ、アルコキシ基を有していてもよく、ヒドロキシ基を有していてもよい。
上記式(51A)及び上記式(51B)は平均組成式を示す。上記式(51A)及び上記式(51B)における炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記式(51A)及び上記式(51B)中のR51〜R56は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(51A)及び上記式(51B)中、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位における酸素原子部分、(R56SiO3/2)で表される構造単位における酸素原子部分はそれぞれ、シロキサン結合を形成している酸素原子部分、アルコキシ基の酸素原子部分、又はヒドロキシ基の酸素原子部分を示す。
上記式(51A)における炭素数2〜8の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基及びアリール基が挙げられる。上記式(51B)における炭素数1〜8の炭化水素基としては、上記式(51A)における炭素数2〜8の炭化水素基と同様の基が挙げられ、更にメチル基が挙げられる。
硬化性組成物の硬化性を高め、熱サイクルでのクラック及び剥離をより一層抑制する観点からは、上記式(51A)及び上記式(51B)中、(R51R52R53SiO1/2)で表される構造単位は、R51が水素原子を表し、R52及びR53が炭素数1〜8の炭化水素基(メチル基又は炭素数2〜8の炭化水素基)を表す構造単位を含むことが好ましい。すなわち、硬化性組成物の硬化性を高め、熱サイクルでのクラック及び剥離をより一層抑制する観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンは、(HR52R53SiO1/2)で表される構造単位を有することが好ましく、すなわち下記式(51−a)で表される構造単位を有することが好ましい。(R51R52R53SiO1/2)で表される構造単位は、下記式(51−a)で表される構造単位のみを含んでいてもよく、下記式(51−a)で表される構造単位と下記式(51−a)で表される構造単位以外の構造単位とを含んでいてもよい。下記式(51−a)の存在により、末端に水素原子を存在させることができる。末端に水素原子が存在することによって反応機会が多くなり、硬化性組成物の硬化性をより一層高めることができる。なお、下記式(51−a)で表される構造単位において、末端の酸素原子は、一般に隣接する珪素原子とシロキサン結合を形成しており、隣接する構造単位と酸素原子を共有している。従って、末端の1つの酸素原子を「O1/2」とする。
Figure 2013122037
上記式(51−a)中、R52及びR53はそれぞれ、メチル基又は炭素数2〜8の炭化水素基を示す。
硬化性組成物の硬化性をより一層高め、熱サイクルでのクラック及び剥離をさらに一層抑制する観点からは、上記第1のオルガノポリシロキサンが、上記式(1−a)で表される構造単位を有し、かつ上記第2のオルガノポリシロキサンが、上記式(51−a)で表される構造単位を有することが特に好ましい。
硬化性組成物の硬化性をより一層高める観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンは、アルケニル基を有することが好ましく、ビニル基を有することがより好ましい。この場合には、上記式(51A)中、R51〜R56は、少なくとも1個が珪素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、水素原子、メチル基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。上記式(51B)中、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が珪素原子を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基、水素原子、及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
上記第2のオルガノポリシロキサンAにおける下記式(X51)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率は80モル%以上である。このメチル基の含有比率が80モル%以上であると、硬化物の耐熱性がかなり高くなり、更に光半導体装置が高温高湿下での過酷な環境で通電した状態で使用されても、光度が低下し難くなりかつ硬化物の変色が生じ難くなる。上記第2のオルガノポリシロキサンにおける下記式(X51)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率は、好ましくは85モル%以上、好ましくは99.9モル%以下、より好ましくは99モル%以下、更に好ましくは98モル%以下である。上記メチル基の含有比率が好ましい上記下限以上であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。上記メチル基の含有比率が上記上限以下であると、珪素原子に結合した水素原子を充分に導入でき、硬化性組成物の硬化性を高めることが容易である。
珪素原子に結合したメチル基の含有比率(モル%)=(上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合したメチル基の平均個数/上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(X51)
上記第2のオルガノポリシロキサンBにおける下記式(Y51)より求められるアリール基の含有比率は30モル%以上、70モル%以下である。このアリール基の含有比率が30モル%以上であると、硬化物の耐ガス腐食性の付与効果がより一層高くなり、硬化物にクラック及び剥離がより一層生じ難くなる。アリール基の含有比率が70モル%以下であると、硬化物の剥離がより一層生じ難くなる。耐ガス腐食性の付与効果を更に一層高める観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンBにおけるアリール基の含有比率は35モル%以上であることが好ましい。剥離をより一層生じ難くする観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンBにおけるアリール基の含有比率は、65モル%以下であることが好ましい。
アリール基の含有比率(モル%)=(上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数/上記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(Y51)
硬化性組成物の保存安定性をより一層高める観点からは、上記第2のオルガノポリシロキサンAは、アリール基を有することが好ましい。該アリール基としては、無置換のフェニル基及び置換フェニル基が挙げられる。上記第2のオルガノポリシロキサンAにおける上記式(Y51)により求められるアリール基の含有比率は好ましくは0.5モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。上記第2のオルガノポリシロキサンAにおけるアリール基の含有比率が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層良好になる。
上記式(51A)及び上記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンにおいて、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位(以下、二官能構造単位ともいう)は、下記式(51−2)で表される構造、すなわち、二官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基又はアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R54R55SiXO1/2) ・・・式(51−2)
(R54R55SiO2/2)で表される構造単位は、下記式(51−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(51−2−b)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R54及びR55で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R54R55SiO2/2)で表される構造単位に含まれる。
Figure 2013122037
上記式(51−2)及び式(51−2−b)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(51−b)、式(51−2)及び式(51−2−b)中のR54及びR55は、上記式(51A)及び上記式(51B)中のR54及びR55と同様の基である。
上記式(51A)及び上記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンにおいて、(R56SiO3/2)で表される構造単位(以下、三官能構造単位ともいう)は、下記式(51−3)又は式(51−4)で表される構造、すなわち、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の2つがそれぞれヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、三官能構造単位中の珪素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含んでいてもよい。
(R56SiX1/2) ・・・式(51−3)
(R56SiXO2/2) ・・・式(51−4)
(R56SiO3/2)で表される構造単位は、下記式(51−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含み、更に下記式(51−3−c)又は式(51−4−c)で表される構造単位の破線で囲まれた部分を含んでいてもよい。すなわち、R56で表される基を有し、かつアルコキシ基又はヒドロキシ基が末端に残存している構造単位も、(R56SiO3/2)で表される構造単位に含まれる。
Figure 2013122037
上記式(51−3)、式(51−3−c)、式(51−4)及び式(51−4−c)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記式(51−c)、式(51−3)、式(51−3−c)、式(51−4)及び式(51−4−c)中のR56は、上記式(51A)及び上記式(51B)中のR56と同様の基である。
上記式(51−b)及び式(51−c)、式(51−2)〜(51−4)、並びに式(51−2−b)、式(51−3−c)及び式(51−4−c)において、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(51A)中、p/(p+q+r)の下限は0.10、上限は0.50である。p/(p+q+r)が上記上限以下であると、硬化物の硬度が上がり、傷及びゴミの付着を防止でき、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物の剥離をより一層抑制できる。上記式(51A)中、p/(p+q+r)は、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。
上記式(51A)中、q/(p+q+r)の下限は0、上限は0.40である。q/(p+q+r)が0を超えると、硬化物が硬くなりすぎず、硬化物にクラックが生じ難くなる。上記式(51A)中、q/(p+q+r)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上である。なお、qが0であり、q/(p+q+r)が0である場合、上記式(51A)中、(R54R55SiO2/2)の構造単位は存在しない。
上記式(51A)中、r/(p+q+r)の下限は0.40、上限は0.90である。r/(p+q+r)が上記下限以上であると、硬化物の硬度が上がり、傷及びゴミの付着を防止できる。r/(p+q+r)が上記上限以下であると、硬化性組成物の適正な粘度を維持することが容易であり、硬化物の密着性がより一層高くなる。
上記式(51B)中、p/(p+q+r)は0.05以上、0.50以下である。p/(p+q+r)が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物の剥離をより一層抑制できる。上記式(51B)中、p/(p+q+r)は好ましくは0.10以上、好ましくは0.45以下である。
上記式(51B)中、q/(p+q+r)は0.05以上、0.50以下である。q/(p+q+r)が上記下限以上であると、硬化物が硬くなりすぎず、硬化物にクラックが生じ難くなる。q/(p+q+r)が上記上限以下であると、硬化物の耐ガス腐食性の付与効果がより一層高くなる。上記式(51B)中、q/(p+q+r)は好ましくは0.10以上、より好ましくは0.45以下である。
上記式(51B)中、r/(p+q+r)は0.20以上、0.80以下である。r/(p+q+r)が上記下限以上であると、硬化物の硬度が上がり、傷及びゴミの付着を防止でき、硬化物の耐熱性が高くなり、高温環境下で硬化物の厚みが減少し難くなる。r/(p+q+r)が上記上限以下であると、硬化性組成物の適正な粘度を維持することが容易であり、硬化物の密着性がより一層高くなる。
上記第2のオルガノポリシロキサンについて、テトラメチルシラン(以下、TMS)を基準に29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記式(51A)及び上記式(51B)中の(R51R52R53SiO1/2)で表される構造単位に相当するピークは+10〜−5ppm付近に現れ、上記式(51A)及び上記式(51B)中の(R54R55SiO2/2)で表される構造単位及び上記式(51−2)の二官能構造単位に相当する各ピークは−10〜−50ppm付近に現れ、上記式(51A)及び上記式(51B)中の(R56SiO3/2)で表される構造単位、並びに上記式(51−3)及び式(51−4)の三官能構造単位に相当する各ピークは−50〜−80ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、それぞれのシグナルのピーク面積を比較することによって上記式(51A)及び上記式(51B)中の各構造単位の比率を測定できる。
但し、上記TMSを基準にした29Si−NMRの測定で上記式(51A)及び上記式(51B)中の構造単位の見分けがつかない場合は、29Si−NMRの測定結果だけではなく、H−NMRの測定結果を必要に応じて用いることにより、上記式(51A)及び上記式(51B)中の各構造単位の比率を見分けることができる。
上記第1のオルガノポリシロキサン100重量部に対して、上記第2のオルガノポリシロキサンの含有量は好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、好ましくは400重量部以下、より好ましくは300重量部以下、更に好ましくは200重量部以下である。上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れた硬化性組成物が得られる。
(第1,第2のオルガノポリシロキサンの他の性質及びその合成方法)
上記式(1A)で表される第1のオルガノポリシロキサンの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、更に好ましくは5000以上、好ましくは200000以下、より好ましくは100000以下、更に好ましくは60000以下である。上記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、好ましくは10000以下、より好ましくは8000以下である。上記式(51A)で表される第2のオルガノポリシロキサン及び上記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンの数平均分子量(Mn)はそれぞれ、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下である。数平均分子量が上記下限以上であると、熱硬化時に揮発成分が少なくなり、高温環境下で硬化物の厚みが減少しにくくなる。数平均分子量が上記上限以下であると、粘度調節が容易である。
上記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレンを標準物質として求めた値である。上記数平均分子量(Mn)は、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)を2本、測定温度:40℃、流速:1mL/分、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いて測定された値を意味する。
上記第1,第2のオルガノポリシロキサンを合成する方法としては特に限定されず、アルコキシシラン化合物を加水分解し縮合反応させる方法、及びクロロシラン化合物を加水分解し縮合させる方法が挙げられる。なかでも、反応の制御の観点からアルコキシシラン化合物を加水分解し縮合させる方法が好ましい。
アルコキシシラン化合物を加水分解し縮合させる方法としては、例えば、アルコキシシラン化合物を、水と酸性触媒又は塩基性触媒との存在下で反応させる方法が挙げられる。また、ジシロキサン化合物を加水分解して用いてもよい。
上記第1のオルガノポリシロキサンにアルケニル基を導入するための有機珪素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、ビニルジメチルエトキシシラン及び1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記第2のオルガノポリシロキサンに珪素原子に結合した水素原子を導入するための有機珪素化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、及び1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記第1,第2のオルガノポリシロキサンに必要に応じてアリール基を導入するための有機珪素化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチル(フェニル)ジメトキシシラン、及びフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記第1,第2のオルガノポリシロキサンを得るために用いることができる他の有機珪素化合物としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソプロピル(メチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン及びオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記酸性触媒としては、例えば、無機酸、有機酸、無機酸の酸無水物及びその誘導体、並びに有機酸の酸無水物及びその誘導体が挙げられる。
上記無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、ホウ酸及び炭酸が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸及びオレイン酸が挙げられる。
上記塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド及びアルカリ金属のシラノール化合物が挙げられる。
上記アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムが挙げられる。上記アルカリ金属のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド及びセシウム−t−ブトキシドが挙げられる。
上記アルカリ金属のシラノール化合物としては、例えば、ナトリウムシラノレート化合物、カリウムシラノレート化合物及びセシウムシラノレート化合物が挙げられる。なかでも、カリウム系触媒又はセシウム系触媒が好ましい。
(ヒドロシリル化反応用触媒)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物に含まれているヒドロシリル化反応用触媒は、上記第1のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基と、上記第2のオルガノポリシロキサン中の珪素原子に結合した水素原子とをヒドロシリル化反応させる触媒である。
上記ヒドロシリル化反応用触媒として、ヒドロシリル化反応を進行させる各種の触媒を用いることができる。上記ヒドロシリル化反応用触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ヒドロシリル化反応用触媒としては、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒及びパラジウム系触媒等が挙げられる。硬化物の透明性が高くなるため、白金系触媒が好ましい。
上記白金系触媒としては、白金粉末、塩化白金酸、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体及び白金−カルボニル錯体が挙げられる。特に、白金−アルケニルシロキサン錯体又は白金−オレフィン錯体が好ましい。
上記白金−アルケニルシロキサン錯体におけるアルケニルシロキサンとしては、例えば、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。上記白金−オレフィン錯体におけるオレフィンとしては、例えば、アリルエーテル及び1,6−ヘプタジエン等が挙げられる。
上記白金−アルケニルシロキサン錯体及び白金−オレフィン錯体の安定性が向上するため、上記白金−アルケニルシロキサン錯体又は白金−オレフィン錯体に、アルケニルシロキサン、オルガノシロキサンオリゴマー、アリルエーテル又はオレフィンを添加することが好ましい。上記アルケニルシロキサンは、好ましくは1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。上記オルガノシロキサンオリゴマーは、好ましくはジメチルシロキサンオリゴマーである。上記オレフィンは、好ましくは1,6−ヘプタジエンである。
硬化性組成物中で、上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量は、金属原子(白金のアルケニル錯体の場合には白金原子)の重量単位で好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは1ppm以上、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を十分に硬化させることが容易である。上記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量が上記上限以下であると、硬化物の着色の問題が生じ難い。
(亜鉛化合物により形成された粒子)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、亜鉛化合物により形成された粒子を含む。アルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒とを含む組成において、亜鉛化合物により形成された粒子を用いることにより、腐食性ガスに対する高い耐ガス腐食性を付与可能であり、かつ良好な透明性を維持可能である硬化物を得ることができる。さらに、上記組成において、亜鉛化合物により形成された粒子を用いることにより、高い耐熱性を有する硬化物を得ることができる。また、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、硬化物におけるクラックの発生の抑制及び硬化物の接着対象物からの剥離の抑制にも寄与する。
なお、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、粒子ではない亜鉛化合物とは異なる。例えば、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、亜鉛ビスアセチルアセトメート及び亜鉛ビス2エチルヘキサノエートとは異なる。粒子ではない亜鉛化合物を用いた場合には、硬化物の耐熱性が低くなる。上記亜鉛化合物により形成された粒子の使用により、硬化物の耐熱性が高くなる。このことは、本発明者らにより見出された。
上記亜鉛化合物は、亜鉛元素を含む化合物である。上記亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、燐酸亜鉛、ピロ燐酸亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、酢酸亜鉛などのカルボン酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、亜鉛元素を含むアルコキシド及びそれらの水和塩等が挙げられる。なかでも、硬化物の耐熱性をより一層高くし、更に腐食性ガスに対してより一層高い耐ガス腐食性を付与可能である硬化物を得る観点から、上記亜鉛化合物は亜鉛酸化物である。該亜鉛酸化物としては、酸化亜鉛等が挙げられる。該亜鉛酸化物は、酸化亜鉛であることが好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層高くし、更に腐食性ガスに対してより一層高い耐ガス腐食性を付与可能である硬化物を得る観点からは、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、表面処理されていることが好ましい。この表面処理に用いる表面処理剤としては、シラン化合物、シラザン及びポリオルガノシロキサン等が挙げられる。硬化物の耐熱性をより一層高くし、更に腐食性ガスに対してより一層高い耐ガス腐食性を付与可能である硬化物を得る観点からは、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、ポリオルガノシロキサンにより表面処理されていることが好ましい。
上記亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子径は、好ましくは1nm以上、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。上記亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子径が上記下限以上及び上記上下以下であると、硬化物の耐熱性、硬化物の腐食性ガスに対する耐ガス腐食性の付与効果、及び硬化物の透明性がバランスよく良好になる。
上記亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子径は、以下のようにして測定される。光半導体装置用硬化性組成物の硬化物を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2100」)を用いて観察する。視野中の100個の亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子の大きさをそれぞれ測定し、測定値の平均値を一次粒子径とする。上記一次粒子径は、上記亜鉛化合物により形成された粒子が球形である場合には粒子の直径の平均値を意味し、非球形である場合には粒子の長径の平均値を意味する。
上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、更に好ましくは15重量部以下である。上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量が上記下限以上であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、腐食性ガスに対してより一層高い耐ガス腐食性を付与可能である硬化物が得られる。上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量が上記上限以下であると、硬化物の透明性がより一層高くなる。
上記亜鉛化合物により形成された粒子が表面処理されている場合には、硬化物の透明性をより一層良好にする観点からは、上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
上記亜鉛化合物により形成された粒子が表面処理されていない場合には、硬化物の透明性をより一層良好にする観点からは、上記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、上記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。
(酸化珪素粒子)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、酸化珪素粒子をさらに含むことが好ましい。本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物が光半導体装置用封止剤である場合に、該封止剤が酸化珪素粒子をさらに含むことが好ましい。該酸化珪素粒子の使用により、硬化物の耐熱性及び耐光性を損なうことなく、硬化性組成物の粘度を適当な範囲に調整できる。従って、硬化性組成物の取り扱い性を高めることができる。
上記酸化珪素粒子の一次粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは8nm以上、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下である。上記酸化珪素粒子の一次粒子径が上記下限以上であると、酸化珪素粒子の分散性がより一層高くなり、硬化物の透明性がより一層高くなる。上記酸化珪素粒子の一次粒子径が上記上限以下であると、25℃における粘度の上昇効果を充分に得ることができ、かつ温度上昇における粘度の低下を抑制できる。
上記酸化珪素粒子の一次粒子径は、以下のようにして測定される。光半導体装置用硬化性組成物の硬化物を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2100」)を用いて観察する。視野中の100個の酸化珪素粒子の一次粒子の大きさをそれぞれ測定し、測定値の平均値を一次粒子径とする。上記一次粒子径は、上記酸化珪素粒子が球形である場合には酸化珪素粒子の直径の平均値を意味し、非球形である場合には酸化珪素粒子の長径の平均値を意味する。
上記酸化珪素粒子のBET比表面積は、好ましくは30m/g以上、好ましくは400m/g以下である。上記酸化珪素粒子のBET比表面積が30m/g以上であると、硬化性組成物の25℃における粘度を好適な範囲に制御でき、温度上昇における粘度の低下を抑制できる。上記酸化珪素粒子のBET比表面積が400m/g以下であると、酸化珪素粒子の凝集が生じ難くなり、分散性を高くすることができ、更に硬化物の透明性をより一層高くすることができる。
上記酸化珪素粒子としては特に限定されず、例えば、フュームドシリカ、溶融シリカ等の乾式法で製造されたシリカ、並びにコロイダルシリカ、ゾルゲルシリカ、沈殿シリカ等の湿式法で製造されたシリカ等が挙げられる。なかでも、揮発成分が少なく、かつ透明性がより一層高い硬化物を得る観点からは、上記酸化珪素粒子として、フュームドシリカが好適に用いられる。
上記フュームドシリカとしては、例えば、Aerosil 50(比表面積:50m/g)、Aerosil 90(比表面積:90m/g)、Aerosil 130(比表面積:130m/g)、Aerosil 200(比表面積:200m/g)、Aerosil 300(比表面積:300m/g)、及びAerosil 380(比表面積:380m/g)(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記酸化珪素粒子は、有機珪素化合物により表面処理されていることが好ましい。この表面処理により、酸化珪素粒子の分散性が非常に高くなり、硬化性組成物の温度上昇による粘度の低下をより一層抑制できる。
上記第1のオルガノポリシロキサンと上記第2のオルガノポリシロキサンとの合計100重量部に対して、上記酸化珪素粒子の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記酸化珪素粒子の含有量が上記下限以上であると、硬化時の粘度低下を抑制することが可能になる。上記酸化珪素粒子の含有量が上記上限以下であると、硬化性組成物の粘度をより一層適正な範囲に制御でき、かつ硬化物の透明性がより一層高くなる。
(蛍光体)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、蛍光体をさらに含んでいてもよい。本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物が光半導体装置用封止剤である場合に、該封止剤が蛍光体をさらに含むことが好ましい。また、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、蛍光体を含んでいなくてもよい。この場合には、硬化性組成物の使用時に蛍光体が添加されてもよい。
上記蛍光体は、例えば、光半導体装置用硬化性組成物を用いて封止する発光素子が発する光を吸収し、蛍光を発生することによって、最終的に所望の色の光を得ることができるように作用する。上記蛍光体は、発光素子が発する光によって励起され、蛍光を発し、発光素子が発する光と蛍光体が発する蛍光との組み合わせによって、所望の色の光が得られる。
例えば、発光素子として紫外線LEDチップを使用して最終的に白色光を得ることを目的とする場合には、青色蛍光体、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を組み合わせて用いることが好ましい。発光素子として青色LEDチップを使用して最終的に白色光を得ることを目的とする場合には、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を組み合わせて用いるか、又は、黄色蛍光体を用いることが好ましい。上記蛍光体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
所望の色の光を得るように、上記蛍光体の含有量は適宜調整でき、特に限定されない。本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物100重量部に対して、上記蛍光体の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、好ましくは40重量部以下である。光半導体装置用硬化性組成物の蛍光体を除く全成分100重量部に対して、上記蛍光体の含有量は好ましくは0.1重量部以上、好ましくは40重量部以下である。
(他の成分)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、必要に応じて、カップリング剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、変性剤、レベリング剤、光拡散剤、熱伝導性フィラー又は難燃剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
なお、上記第1のオルガノポリシロキサンと、上記第2のオルガノポリシロキサンと、上記ヒドロシリル化反応用触媒と、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、これらを1種又は2種以上含む液を別々に調製しておき、使用直前に複数の液を混合して、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物を調製してもよい。例えば、上記第1のオルガノポリシロキサンを含む第1の液と、上記第2のオルガノポリシロキサンを含む第2の液とを別々に調製しておき、使用直前に第1の液と第2の液を混合して、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物を調製してもよい。上記第1の液及び上記第2の液の少なくとも一方が、上記ヒドロシリル化反応用触媒を含む。上記第1の液がヒドロシリル化反応用触媒を含むことが好ましい。なお、上記亜鉛化合物により形成された粒子は、上記第1の液に添加してもよく、上記第2の液に添加してもよい。上記第1の液及び上記第2の液の少なくとも一方が、上記亜鉛化合物により形成された粒子を含む。上記酸化珪素粒子又は上記蛍光体が用いられる場合には、上記酸化珪素粒子と上記蛍光体とはそれぞれ、上記第1の液に添加してもよく、上記第2の液に添加してもよい。このように上記第1のオルガノポリシロキサン及び上記ヒドロシリル化反応用触媒と上記第2のオルガノポリシロキサンとを別々に、第1の液と第2の液との2液にすることによって、硬化性組成物の保存安定性が向上する。
(光半導体装置用硬化性組成物の詳細及び用途)
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、有機溶剤を含まないか、有機溶剤の含有量は少ない方が好ましい。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつ光半導体装置用硬化性組成物100重量%中の有機溶剤の含有量は5重量%以下であることが好ましい。光半導体装置用硬化性組成物100重量%中の有機溶剤の含有量はより好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下である。有機溶剤の含有量が少ないほど、熱硬化時に揮発成分が少なくなり、高温環境下で硬化物の厚みが減少しにくくなる。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物の硬化温度は特に限定されない。光半導体装置用硬化性組成物の硬化温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。硬化温度が上記下限以上であると、硬化性組成物の硬化が充分に進行する。硬化温度が上記上限以下であると、パッケージの熱劣化が起こり難い。
硬化方式は特に限定されないが、ステップキュア方式を用いることが好ましい。ステップキュア方式は、一旦低温で仮硬化させておき、その後に高温で硬化させる方法である。ステップキュア方式の使用により、硬化物の硬化収縮によるクラック発生が抑えられる。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール又はビーズミル等の混合機を用いて、常温又は加温下で、上記第1のオルガノポリシロキサン、上記第2のオルガノポリシロキサン、上記ヒドロシリル化反応用触媒、上記亜鉛化合物により形成された粒子及び必要に応じて配合される他の成分を混合する方法等が挙げられる。
上記発光素子としては、半導体を用いた発光素子であれば特に限定されず、例えば、上記発光素子が発光ダイオードである場合、例えば、基板上にLED形式用半導体材料を積層した構造が挙げられる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、及びSiC等が挙げられる。
上記基板の材料としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、及びGaN単結晶等が挙げられる。また、必要に応じ基板と半導体材料との間にバッファー層が形成されていてもよい。上記バッファー層の材料としては、例えば、GaN及びAlN等が挙げられる。
本発明に係る光半導体装置としては、具体的には、例えば、発光ダイオード装置、半導体レーザー装置及びフォトカプラ等が挙げられる。このような光半導体装置は、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト、照明、各種センサー、プリンター及びコピー機等の光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト並びにスイッチング素子等に好適に用いられる。
本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、光半導体装置用封止剤又は光半導体装置用レンズ材料であることが好ましい。本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、光半導体装置用封止剤であることが好ましく、光半導体装置用レンズ材料であることが好ましい。また、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物は、光半導体素子の表面上にコーティング層を形成するための光半導体装置用コーティング材料としても用いられる。
本発明に係る光半導体装置は、光半導体素子と、該光半導体素子を封止するように配置された封止剤、又は該光半導体素子上に配置されたレンズとを備える。上記封止剤又は上記レンズが、上述した光半導体装置用硬化性組成物を硬化させることにより形成されている。LEDなどの光半導体により形成された発光素子を封止するように、光半導体装置用硬化性組成物の硬化物が配置されている場合には、硬化物のハウジング等からの剥離を効果的に抑制できる。上記レンズは、光半導体素子上に直接積層されていてもよく、光半導体素子を封止するように配置されている封止剤等を介して光半導体素子上に配置されていてもよい。すなわち、上記レンズは、封止剤の表面上に配置されてもよい。
上記レンズの形状は特に限定されない。光半導体装置における光の出射方向を制御し、かつ正面輝度が高くなりすぎるのをより一層抑制する観点からは、上記レンズの形状は、球体の一部又は回転楕円体の一部であることが好ましい。
(光半導体装置の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
本実施形態の光半導体装置1は、ハウジング2を有する。ハウジング2内に光半導体素子3が配置されている。この光半導体素子3の周囲を、ハウジング2の光反射性を有する内面2aが取り囲んでいる。光半導体素子3は、LEDなどの発光素子である。
内面2aは、内面2aの径が開口端に向かうにつれて大きくなるように形成されている。従って、光半導体素子3から発せられた光のうち、内面2aに到達した光が内面2aにより反射され、光半導体素子3の前方側に進行する。光半導体素子3を封止するように、内面2aで囲まれた領域内には、光半導体装置用硬化性組成物の硬化物である封止剤4が充填されている。封止剤4は、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物である封止剤を硬化させることにより形成されており、該封止剤の硬化物である。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
図2に示す光半導体装置11は、ハウジング2を有する。ハウジング2内に光半導体素子3が配置されている。光半導体素子3を封止するように、ハウジング2の内面2aで囲まれた領域内には、封止剤12が充填されている。すなわち、ハウジング2内で光半導体素子3が封止剤12により封止されている。光半導体装置11では、光半導体素子3を封止するように、封止剤12が配置されている。
さらに、光半導体装置11では、封止剤12の表面12a上に、レンズ13が配置されている。レンズ13は、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物であるレンズ材料を硬化させることにより形成されており、該レンズ材料の硬化物である。
図3に、本発明の第3の実施形態に係る光半導体装置を示す正面断面図である。
図3に示す光半導体装置21は、端子22aが上面に設けられた基板22上に、光半導体素子23が配置されている。光半導体素子23の上面に設けられた電極23aと、基板22の上面に設けられた端子22aとが、ボンディングワイヤー24により電気的に接続されている。さらに、光半導体装置21では、光半導体素子23上に、レンズ25が配置されている。レンズ25は、光半導体素子23の表面とボンディングワイヤー24とを覆っている。レンズ25は、本発明に係る光半導体装置用硬化性組成物であるレンズ材料を硬化させることにより形成されており、該レンズ材料の硬化物である。
なお、図1〜3に示す構造は、本発明に係る光半導体装置の一例にすぎず、光半導体装置の実装構造等は適宜変形され得る。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(合成例1)第1のオルガノポリシロキサンであるポリマー(A)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン486g、及び1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン2.7gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム2.2gを水144gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去し、反応液に酢酸2.4gを加え、減圧下で加熱した。その後、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(A)を得た。
得られたポリマー(A)の数平均分子量は37400であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(A)は、下記の平均組成式(A1)を有していた。
(MeSiO2/20.992(ViMeSiO1/20.008 …式(A1)
上記式(A1)中、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(A)のメチル基の含有比率は99.6モル%であった。
なお、合成例1及び合成例2〜6で得られた各ポリマーの分子量は、10mgにテトラヒドロフラン1mLを加え、溶解するまで攪拌し、GPC測定により測定した。GPC測定では、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いた。
(合成例2)第1のオルガノポリシロキサンであるポリマー(B)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、ジビニルテトラメチルジシロキサン56g、ジメチルジメトキシシラン122g及びジフェニルジメトキシシラン366gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム0.8gを水114gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、反応液に酢酸0.9gを加え、減圧して揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(B)を得た。
得られたポリマー(B)の数平均分子量(Mn)は1700であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(B)は、下記の平均組成式(B1)を有していた。
(ViMeSiO1/20.07(MeSiO2/20.45(PhSiO2/20.48 …式(B1)
上記式(B1)中、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(B)のフェニル基の含有比率は46.4モル%であった。
(合成例3)第2のオルガノポリシロキサンであるポリマー(C)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン90.2g、メチルトリメトキシシラン217g、ビニルトリメトキシシラン31g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン32g、及びトリメチルメトキシシラン19gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸2.0gと水134gの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(C)を得た。
得られたポリマー(C)の数平均分子量は3320であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(C)は、下記の平均組成式(C1)を有していた。
(MeSiO2/20.25(MeSiO3/20.52(ViSiO3/20.07 (HMeSiO1/20.08(MeSiO1/20.08 …式(C1)
上記式(C1)中、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(C)のメチル基の含有比率は90.4モル%であった。
(合成例4)第2のオルガノポリシロキサンであるポリマー(D)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、トリメチルメトキシシラン31g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン40g、ジフェニルジメトキシシラン110g、フェニルトリメトキシシラン268g、及びビニルトリメトキシシラン45gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸1.4gと水116gの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(D)を得た。
得られたポリマー(D)の数平均分子量(Mn)は1100であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(D)は、下記の平均組成式(D1)を有していた。
(MeSiO1/20.09(HMeSiO1/20.19(PhSiO2/20.16(PhSiO3/20.46(ViSiO3/20.10 …式(D1)
上記式(D1)中、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(D)のフェニル基の含有比率は45.3モル%であった。
(合成例5)第1のオルガノポリシロキサンであるポリマー(E)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン474g、ジフェニルジメトキシシラン10g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン1.2g、及びジメチルホルムアミド200gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム2.2gを水144gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去し、反応液に酢酸2.4gを加え、減圧下で加熱した。その後、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマー(E)を得た。
得られたポリマー(E)の数平均分子量は38000であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(E)は、下記の平均組成式(E1)を有していた。
(MeSiO2/20.987(PhSiO2/20.010(ViMeSiO1/20.003 …式(E1)
上記式(E1)中、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(E)における上記メチル基の含有比率は98.9モル%であった。
(合成例6)第2のオルガノポリシロキサンであるポリマー(F)の合成
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン150g、メチルトリメトキシシラン360g、ビニルトリメトキシシラン52g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン67g、及びトリメチルメトキシシラン21gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、塩酸2.6gと水220gの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマー(F)を得た。
得られたポリマー(F)の数平均分子量は3480であった。29Si−NMRより化学構造を同定した結果、ポリマー(F)は、下記の平均組成式(F1)を有していた。
(MeSiO2/20.20(MeSiO3/20.59(ViSiO3/20.07(HMeSiO1/20.10(MeSiO1/20.04 …式(F1)
上記式(F1)中、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。得られたポリマー(F)における上記メチル基の含有比率は94.9モル%であった。
(亜鉛酸化物粒子(p1)を含む分散液(P1)の調製)
シュレンクに、酢酸亜鉛・2水和物0.274g(1.25mmol)を入れ、メタノール5gとブタノール5gとを加え、室温下20分攪拌して溶解した。次に、この溶液を65℃に昇温した後、水酸化カリウム0.140g(2.5mmol)をメタノールとブタノールとの混合液(重量比で1:1)5.0g中に溶解させた溶液を加え、150分間攪拌し、反応させた。その後、オクタン7.5gを加え、85℃に昇温し、容器内を0.3atmに減圧してさらに3時間反応させた。減圧終了後、反応溶液を取り出し、超純水を用いて5回水洗した。次に、水洗物を80℃及び0.01atmの条件で1時間乾燥して、亜鉛酸化物粒子(p1)(表面処理なし、一次粒子径20mm)を1.1重量%含む分散液(P1)を得た。
(亜鉛酸化物粒子(p2)を含む分散液(P2)の調製)
シュレンクに、酢酸亜鉛・2水和物0.274g(1.25mmol)を入れ、メタノール5gとブタノール5gとを加え、室温下20分攪拌して溶解した。次に、この溶液を65℃に昇温した後、水酸化カリウム0.140g(2.5mmol)をメタノールとブタノールとの混合液(重量比で1:1)5.0g中に溶解させた溶液を加え、150分間攪拌し、反応させた。その後、50℃に降温し、ジブチル錫ラウレート0.06g、メチルトリメトキシシラン0.518g(0.475mmol)、ジメチルジメトキシシラン3.20g(3.325mmol)、ジビニルテトラメチルジシラン0.355g(0.24mmol)を加え、1時間反応させた。さらに、オクタン7.5gを加え、85℃に昇温し、容器内を0.3atmに減圧してさらに3時間反応させた。減圧終了後、反応溶液を取り出し、超純水を用いて5回水洗した。次に、水洗物を80℃及び0.01atmの条件で1時間乾燥して、亜鉛酸化物粒子(p2)(表面処理あり、一次粒子径20nm)を1.1重量%含む分散液(P2)を得た。
(亜鉛酸化物粒子(p3)を含む分散液(P3)の調製)
シュレンクに、酢酸亜鉛・2水和物0.274g(1.25mmol)を入れ、メタノール5gとブタノール5gとを加え、室温下20分攪拌して溶解した。次に、この溶液を65℃に昇温した後、水酸化カリウム0.140g(2.5mmol)をメタノールとブタノールとの混合液(重量比で1:1)5.0g中に溶解させた溶液を加え、60分間攪拌し、反応させた。その後、50℃に降温し、ジブチル錫ラウレート0.06g、メチルトリメトキシシラン0.518g(0.475mmol)、ジメチルジメトキシシラン3.20g(3.325mmol)、及びジビニルテトラメチルジシラン0.355g(0.24mmol)を加え、1時間反応させた。さらに、オクタン7.5gを加え、85℃に昇温し、容器内を0.3atmに減圧してさらに3時間反応させた。減圧終了後、反応溶液を取り出し、超純水を用いて5回水洗した。次に、水洗物を80℃及び0.01atmの条件で1時間乾燥して、亜鉛酸化物粒子(p3)(表面処理あり、一次粒子径3.3mm)を1.1重量%含む分散液(P3)を得た。
(亜鉛錯体を含む溶液(P4))
亜鉛錯体(亜鉛ビスアセチルアセトメート、粒子ではない)を2.0重量%含むメタノール溶液(P4)を用意した。
(酸化チタン粒子を含む分散液(P5))
酸化チタン粒子(一次粒子径20nm)を10重量%含むメタノール分散液(シーアイ化成社製「NanoTek」)を分散液(P5)として用意した。
(酸化ジルコニウム粒子を含む分散液(P6))
酸化ジルコニウム粒子(一次粒子径3〜5nm)を30重量%含むメタノール分散液(堺化学製「SRZ−M」)を分散液(P6)として用意した。
(酸化スズ粒子を含む分散液(P7)の調製)
酢酸亜鉛・2水和物にかえて、酢酸スズ粒子(II)を用いたこと以外は、分散液(P1)の調製と同様にして、酸化スズ粒子(一次粒子径20mm)を1.7重量%含む分散液(P7)を得た。
(実施例1)
ポリマー(A)(第1のオルガノポリシロキサン、50重量部)と、ポリマー(C)(第2のオルガノポリシロキサン、50重量部)と、亜鉛酸化物粒子(p1)(表面処理あり、一次粒子径20mm)を1.1重量%含む分散液(P1)(亜鉛酸化物粒子(p1)の量が1重量部となる量)と、ヒドロシリル化反応用触媒(白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、硬化性組成物全体に対して白金金属が重量単位で10ppmとなる量)とを混合し、脱泡を行い、光半導体装置用硬化性組成物を得た。
(実施例2〜11及び比較例1〜7)
使用した配合成分の種類及び配合量を下記の表1,2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光半導体装置用硬化性組成物を得た。
実施例2,3では、分散液(P1)を用いて、亜鉛酸化物粒子(p1)(表面処理なし、一次粒子径20mm)を下記の表1に示す量で配合した。実施例4〜6,8では、分散液(P2)を用いて、亜鉛酸化物粒子(p2)(表面処理あり、一次粒子径20mm)を下記の表1に示す量で配合した。実施例7,9〜11では、分散液(P3)を用いて、亜鉛酸化物粒子(p3)(表面処理あり、一次粒子径3.3mm)を下記の表1に示す量で配合した。比較例1〜3では、溶液(P4)を用いて、亜鉛錯体(亜鉛ビスアセチルアセトメート、粒子ではない)を下記の表1に示す量で配合した。比較例4では、分散液(P1)〜(P7)のいずれも用いなかった。比較例5では、分散液(P5)を用いて、酸化チタン粒子(一次粒子径20mm)を下記の表1に示す量で配合した。比較例6では、分散液(P6)を用いて、酸化ジルコニウム粒子(一次粒子径20mm)を下記の表1に示す量で配合した。比較例7では、分散液(P7)を用いて、酸化スズ粒子(一次粒子径20mm)を下記の表1に示す量で配合した。
また、実施例2〜11及び比較例1〜7では、実施例1と同じヒドロシリル化反応用触媒を、硬化性組成物全体に対して白金金属が重量単位で10ppmとなる量で配合した。
(評価)
銀めっきされたリード電極付きポリフタルアミド製ハウジング材に、ダイボンド材によって主発光ピークが460nmの発光素子が実装されており、発光素子とリード電極とが金ワイヤーで接続されている構造において、得られた光半導体装置用硬化性組成物を注入し、80℃で1時間、次に160℃で2時間加熱して硬化させ、光半導体装置を作製した。この光半導体装置を用いて、下記のガス腐食性試験、熱衝撃試験及び耐熱性の評価を実施した。
(ガス腐食性試験)
作製直後の光半導体装置を、40℃及び相対湿度90%RH雰囲気下のチャンバー内に入れ、硫化水素ガスの濃度が5ppm、二酸化硫黄ガスの濃度が15ppmとなるようにチャンバー内にガスを充填した。ガスの充填から、24時間後、48時間後、96時間後及び168時間後にそれぞれ、銀めっきされたリード電極を目視で観察した。ガス腐食性試験を下記の基準で判定した。
[ガス腐食性試験の判定基準]
○○:銀めっきに変色が見られない
○:銀めっきに茶褐色に変色した箇所が少しみられる
△:銀めっきのほとんどすべてが茶色に変色している
×:銀めっきのほとんどすべてが黒色に変色している
(熱衝撃試験)
作製直後の光半導体装置を、液槽式熱衝撃試験機(ESPEC社製「TSB−51」)を用いて、−50℃で5分間保持した後、135℃まで昇温し、135℃で5分間保持した後−50℃まで降温する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。500サイクル後、1000サイクル後、1500サイクル後、2000サイクル後及び3000サイクル後にそれぞれ20個のサンプルを取り出した。
実体顕微鏡(ニコン社製「SMZ−10」)にてサンプルを観察した。20個のサンプルの光半導体装置用硬化性組成物が硬化した硬化物にそれぞれクラックが生じているか否か、又は硬化物がパッケージ又は電極から剥離しているか否かを観察し、クラック又は剥離が生じたサンプルの数(NG数)を数えた。
(耐熱性試験)
得られた光半導体装置用封止剤を150℃で2時間加熱して硬化させた。硬化した光半導体装置用封止剤の透過率をUV−VIS光度計(日立製作所社製「U−3000」)にて測定し、400nmの値を初期の値とした。耐熱試験として、硬化した光半導体装置用封止剤を200℃のオーブンに500時間入れた後、透過率をUV−VIS光度計(日立製作所社製「U−3000」)にて測定し、400nmの値の初期値に対しての保持率をパーセンテージで計算した。
[耐熱性試験の判定基準]
○○:初期透過率の保持率が95%以上
○:初期透過率の保持率が90%以上、95%未満
△:初期透過率の保持率が85%以上、90%未満
×:初期透過率の保持率が85%未満
(透明性1の評価)
作成直後の光半導体装置用硬化性組成物を、アルミニウムカップに厚さ1mmとなるように入れ、80℃で1時間、次に160℃で2時間加熱して硬化させ、硬化物Aを得た。該硬化物Aをアルミニウムカップから取り出した。
分光光度計(日立製作所社製「U−3000」)を用いて、得られた硬化物Aの300nm〜800nmでの全光線透過率を測定した。透明性1を下記の基準で判定した。
[透明性1の判定基準]
○○:全光線透過率が95%以上
○:全光線透過率が75%以上、95%未満
△:全光線透過率が50%以上、75%未満
×:全光線透過率が50%未満
(透明性2の評価)
透明性1の評価で得られた硬化物Aを、40℃及び相対湿度90%RH雰囲気下のチャンバー内に入れ、硫化水素ガスの濃度が5ppm、二酸化硫黄ガスの濃度が15ppmとなるようにチャンバー内にガスを充填した。ガスの充填から、500時間後に硬化物Bを取り出した。透明性1の評価と同様にして、硬化物Bの300nm〜800nmでの全光線透過率を測定した。透明性2を下記の基準で判定した。
[透明性2の判定基準]
○○:硬化物Bの全光線透過率が硬化物Aの全光線透過率の95%以上
○:硬化物Bの全光線透過率が硬化物Aの全光線透過率の75%以上、95%未満
△:硬化物Bの全光線透過率が硬化物Aの全光線透過率の50%以上、75%未満
×:硬化物Bの全光線透過率が硬化物Aの全光線透過率の50%未満
結果を下記の表1,2に示す。なお、下記の表1,2では、分散液又は溶液の配合量ではなく、亜鉛化合物粒子(p1)〜(p3)、亜鉛錯体、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子又は酸化スズ粒子の配合量を記載した。
Figure 2013122037
Figure 2013122037
1…光半導体装置
2…ハウジング
2a…内面
3…光半導体素子
4…封止剤
11…光半導体装置
12…封止剤
13…レンズ
21…光半導体装置
22…基板
22a…端子
23…光半導体素子
23a…電極
24…ボンディングワイヤー
25…レンズ

Claims (9)

  1. アルケニル基を2個以上有する第1のオルガノポリシロキサンと、
    珪素原子に結合した水素原子を2個以上有する第2のオルガノポリシロキサンと、
    ヒドロシリル化反応用触媒と、
    亜鉛化合物により形成された粒子とを含み、
    前記亜鉛化合物が亜鉛酸化物であり、
    前記第1のオルガノポリシロキサンが、下記式(1A)で表され、アルケニル基及び珪素原子に結合したメチル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが、下記式(51A)で表され、珪素原子に結合した水素原子及び珪素原子に結合したメチル基を有する第2のオルガノポリシロキサンであるか、又は、
    前記第1のオルガノポリシロキサンが、下記式(1B)で表され、アリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサンであり、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが、下記式(51B)で表され、アリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンであり、
    前記第1のオルガノポリシロキサンが前記式(1A)で表され、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが前記式(51A)で表される場合には、前記第1のオルガノポリシロキサン及び前記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(X)より求められる珪素原子に結合したメチル基の含有比率がそれぞれ80モル%以上であり、
    前記第1のオルガノポリシロキサンが前記式(1B)で表され、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが前記式(51B)で表される場合には、前記第1のオルガノポリシロキサン及び前記第2のオルガノポリシロキサンの下記式(Y)より求められるアリール基の含有比率がそれぞれ30モル%以上、70モル%以下であり、
    前記第1のオルガノポリシロキサン100重量部に対して、前記第2のオルガノポリシロキサンの含有量が10重量部以上、400重量部以下であり、
    硬化性組成物中で、前記ヒドロシリル化反応用触媒の含有量は、金属原子の重量単位で0.01ppm以上、1000ppm以下であり、
    前記第1,第2のオルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して、前記亜鉛化合物により形成された粒子の含有量が0.1重量部以上、30重量部以下である、光半導体装置用硬化性組成物。
    Figure 2013122037
    前記式(1A)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.30、b/(a+b+c)=0.70〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.10を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアルケニル基を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、アルケニル基及びメチル基以外のR1〜R6は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
    Figure 2013122037
    前記式(51A)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.10〜0.50、q/(p+q+r)=0〜0.40及びr/(p+q+r)=0.40〜0.90を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、水素原子及びメチル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表す。
    珪素原子に結合したメチル基の含有比率(モル%)=(前記第1のオルガノポリシロキサン又は前記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合したメチル基の平均個数×メチル基の分子量/前記第1のオルガノポリシロキサン又は前記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(X)
    Figure 2013122037
    前記式(1B)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0〜0.50、b/(a+b+c)=0.40〜1.0及びc/(a+b+c)=0〜0.50を満たし、R1〜R6は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基及びアルケニル基以外のR1〜R6は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
    Figure 2013122037
    前記式(51B)中、p、q及びrは、p/(p+q+r)=0.05〜0.50、q/(p+q+r)=0.05〜0.50及びr/(p+q+r)=0.20〜0.80を満たし、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、アリール基及び水素原子以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
    アリール基の含有比率(モル%)=(前記第1のオルガノポリシロキサン又は前記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれるアリール基の平均個数×アリール基の分子量/前記第1のオルガノポリシロキサン又は前記第2のオルガノポリシロキサンの1分子あたりに含まれる珪素原子に結合した官能基の平均個数)×100 ・・・式(Y)
  2. 前記亜鉛化合物が酸化亜鉛である、請求項1に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  3. 前記亜鉛化合物により形成された粒子の一次粒子径が1nm以上、100nm以下である、請求項1又は2に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  4. 前記式(1A)又は前記式(1B)で表される第1のオルガノポリシロキサンが、珪素原子に結合した水素原子を有さず、
    前記式(51A)又は前記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンが、アルケニル基を有し、
    前記式(51A)中、R51〜R56は、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がメチル基を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、水素原子、メチル基及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数2〜8の炭化水素基を表し、
    前記式(51B)中、R51〜R56は、少なくとも1個がアリール基を表し、少なくとも1個が水素原子を表し、少なくとも1個がアルケニル基を表し、アリール基、水素原子及びアルケニル基以外のR51〜R56は、炭素数1〜8の炭化水素基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  5. 前記式(51A)又は前記式(51B)で表される第2のオルガノポリシロキサンが、下記式(51−a)で表される構造単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
    Figure 2013122037
    前記式(51−a)中、R52及びR53はそれぞれ、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
  6. 前記第1のオルガノポリシロキサンが前記式(1A)で表され、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが前記式(51A)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  7. 前記第1のオルガノポリシロキサンが前記式(1B)で表され、かつ前記第2のオルガノポリシロキサンが前記式(51B)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  8. 光半導体装置用封止剤又は光半導体装置用レンズ材料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物。
  9. 光半導体素子と、
    前記光半導体素子を封止するように配置された封止剤、又は前記光半導体素子上に配置されたレンズとを備え、
    前記封止剤又は前記レンズが、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光半導体装置用硬化性組成物を硬化させることにより形成されている、光半導体装置。
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