JP2013121339A - 細胞培養物移送器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状の細胞培養物を様々な形状である患部に追従させて確実且つ高精度に移植すると共に、移送時における前記細胞培養物の収納・取り出しを容易とする。
【解決手段】細胞培養物移送器具10は、ケース12と、該ケース12の開口部14に張られた膜体16と、前記ケース12の空間28に設けられエアの供給作用下に拡張するバルーン18とを備え、前記膜体16は前記開口部14に対して空間28側へと窪んで設けられている。そして、膜体16の略中央部にシート状細胞培養物26を吸着した後、生体内の患部近傍へと移動させ、バルーン18にエアを供給することによって該バルーン18が拡張して膜体16を押圧してケース12の外側へと膨出させる。この膨出した膜体16に吸着されたシート状細胞培養物26を患部へと当接させることで移植を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、治療に用いられるシート状細胞培養物を所望位置に移送可能な細胞培養物移送器具に関する。
近年、心筋梗塞等の治療において、患者自身の細胞を培養して組織化したシート状細胞培養物を患部へと移植する治療方法が広く知られている。このようなシート状細胞培養物は、薄膜状のため脆弱であり、しかも、水分を含んでいるため自己密着性が高く、培養された培養容器から取り出して患部や他の容器へと移送させる際に高度な手技を要する。
そこで、このようなシート状細胞培養物の移送を行うための移送器具が用いられる。この移送器具は、例えば、筒状の格納パイプの内部に、湾曲自在であり、且つ、細胞シートを吸着可能なシート支持部が進退自在に設けられている。そして、筒状に変形した状態で前記格納パイプの内部に収納され、前記格納パイプの外部へと移動させた後に、シート支持部がアクチュエータから供給される空圧によって平面状に展開されて細胞シートを吸着する。また、シート支持部に細胞シートの吸着された状態で空圧を変化させることによって、該細胞シートの吸着された状態で前記シート支持部を筒状に湾曲変形させ、格納パイプ側へと移動させて内部に収納する(例えば、特許文献1参照)。
特許第4569971号公報
しかしながら、上述した移送器具では、シート支持部に保持された細胞シートを患部へと移植する際、空圧によって平面状にシート支持部を展開し、該シート支持部を患部へと当接させることで細胞シートを患部へと当接させる構成としているため、例えば、患部の表面形状が曲面状である場合、平面状のシート支持部に保持された細胞シートを破損させることなく正確に移植することが困難である。
また、細胞シートを移送する際に、シート支持部を進退動作させて格納パイプに収納・取り出す必要があり、その移送作業が煩雑であるという問題がある。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、シート状の細胞培養物を患部に追従させて確実且つ高精度に移植できると共に、移送時における前記細胞培養物の収納・取り出しが容易な細胞培養物移送器具を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、シート状の細胞培養物を移送するための細胞培養物移送器具において、
ケースと、
前記ケースの開口部に設けられ可撓性を有した膜体と、
前記ケースの内部空間に設けられ、内部に流体が供給されることで拡張する拡張体と、
を備え、
前記膜体は、前記拡張体の収縮時において前記細胞培養物の保持される保持部位が前記ケースの開口部に対して前記内部空間側に撓むように設けられると共に、前記拡張体が拡張することで前記保持部位の少なくとも一部が前記開口部に対して外側に膨出することを特徴とする。
本発明によれば、ケースの内部空間に流体の供給作用下に拡張する拡張体を設けると共に、該ケースの開口部に可撓性を有した膜体を設け、前記拡張体の収縮時において、前記細胞培養物の保持される膜体の保持部位が前記ケースの開口部に対して前記内部空間側に撓むように設け、一方、前記拡張体が拡張することで前記保持部位の少なくとも一部が前記開口部に対して外側に膨出するように設ける。
従って、拡張体を拡張させずに膜体の保持部位に吸着された細胞培養物を生体内へと進行させることにより、前記細胞培養物が内部空間側に撓んだ膜体によって好適にケースの内部に収納された状態となるため、例えば、移送器具を体内の目的部位へ達する狭い開口部や腔に挿入した場合など、生体内の組織等に細胞培養物が誤って接触してしまうことが回避され、該接触による前記細胞培養物の破損や患部以外の誤った部位への移植を確実に防止できる。また、細胞培養物は、患部へと到達させた後に、拡張体を拡張させ膜体をケースの開口部より外側に膨出させることで該患部に対して前記細胞培養物を容易且つ確実に移植することが可能となる。さらに、細胞培養物を患部へと当接させて移植する際に、膜体及び拡張体を前記患部の表面形状に追従させて変形させることができるため、様々な形状の患部に対して前記細胞培養物を確実に密着させ高精度に移植することができる。
また、拡張体は、膜体の中央部に設けられる第1の拡張体と、前記第1の拡張体近傍に設けられる第2の拡張体とからなり、前記第1の拡張体と前記第2の拡張体との内部容量を異ならせるとよい。
さらに、第1の拡張体と第2の拡張体には、それぞれ異なる流路を通じて別個に流体を供給するとよい。これにより、例えば、細胞培養物の形状、配置、又は、該細胞培養物の移植される患部の表面形状に応じて、第1の拡張体と第2の拡張体とをそれぞれ別個に独立して拡張させることができると共に、その拡張量もそれぞれ独立して制御することができるため、前記細胞培養物の形状、患部の形状等に応じて高精度な移植が可能となる。
さらにまた、第1の拡張体及び第2の拡張体は、少なくともいずれか一方を選択的に拡張させるとよい。これにより、例えば、細胞培養物の形状、配置、又は、該細胞培養物の移植される患部の表面形状に応じて所望の第1の拡張体及び/又は第2の拡張体を拡張させて対応することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、拡張体を拡張させずに膜体の保持部位に保持された細胞培養物を生体内へと進行させることで、ケースの内部空間側に撓んだ膜体によって前記細胞培養物が好適に前記ケースの内部に収納された状態となるため、例えば、移送器具を体内の目的部位へ達する狭い開口部や腔に挿入した場合など、細胞培養物が生体内の組織等に誤って接触してしまうことが回避され、該接触による細胞培養物の破損や患部以外の誤った部位への移植を確実に防止できる。また、細胞培養物は、患部へと到達させた後に、拡張体を拡張させ膜体をケースの開口部より外側に膨出させることで該患部に対して前記細胞培養物を容易且つ確実に移植することが可能となる。さらに、細胞培養物を患部へと当接させ移植する際に、膜体及び拡張体を前記患部の表面形状に追従させて変形させることができるため、様々な形状の患部に対して細胞培養物を確実に密着させ高精度に移植することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る細胞培養物移送器具を示す一部断面平面図である。 図1の細胞培養物移送器具を示す全体縦断面図である。 図2の細胞培養物移送器具において、バルーンにエアの供給された状態を示す全体縦断面図である。 図4Aは、図2のIVA−IVA線に沿った断面図であり、図4Bは、図3のIVB−IVB線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る細胞培養物移送器具を示す一部断面平面図である。 図5の細胞培養物移送器具において、第1及び第2バルーンにエアの供給された状態を示す全体縦断面図である。 図7Aは、図5のVIIA−VIIA線に沿った断面図であり、図7Bは、図7Aの細胞培養物移送器具において第1及び第2バルーンを共に拡張させた状態を示す断面図であり、図7Cは、図7Aの細胞培養物移送器具において第1バルーンのみを拡張させた状態を示す断面図である。 図8Aは、図7Aに示す細胞培養物移送器具においてシート状細胞培養物を第1バルーンと第2バルーンとに跨るように配置した状態を示す断面図であり、図8Bは、図8Aの細胞培養物移送器具において第1バルーンのみを拡張させた状態を示す断面図である。
本発明に係る細胞培養物移送器具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係る細胞培養物移送器具を示す。
この細胞培養物移送器具10は、図1〜図4に示されるように、上部が開口したケース12と、該ケース12の開口部14を覆うように張られた膜体16と、前記ケース12の内部に設けられるバルーン(拡張体)18と、前記バルーン18に接続されエア(流体)を供給するエア供給部20とを含む。なお、図1において、細胞培養物移送器具10におけるエア供給部20側を「基端」側(矢印A方向)、前記細胞培養物移送器具10のケース12側を「先端」側(矢印B方向)と呼び、他の各図についても同様とする。
ケース12は、例えば、樹脂製材料から形成され、平坦な底壁22と、該底壁22の端部に対して直角又は鋭角に立設した2つの側壁24a、24bとから構成され、前記底壁22の先端側(矢印B方向)に設けられる側壁24aは直線状に形成され、該底壁22の基端側(矢印A方向)に設けられる側壁24bは、断面円弧状に形成される。また、ケース12は、例えば、底壁が略長方形や円形、楕円形に形成することもできる。
膜体16は、例えば、シリコーンゴム等の可撓性を有する材質からシート状に形成され、その外縁部がケース12における側壁24a、24bの上端部に接続されている。この膜体16は、ケース12における開口部14の開口面積に対して大きな面積で形成され該開口部14を覆うと共に、該ケース12の内部に撓んだ状態となるように張られている。この膜体16は、ケース12側とは反対側となる面がシート状細胞培養物26を保持する保持面として機能する。
バルーン18は、例えば、シリコーンゴム等の弾性材料から袋状に形成され、ケース12及び膜体16によって閉塞される空間28内に設けられる。また、バルーン18は、ケース12における底壁22の略中央部に固定され、内部にエアが供給されていない収縮時には、前記底壁22側(矢印C方向)に折り畳まれるように配置され、一方、前記エアが内部に供給されることで、前記底壁22から離間する方向(矢印D方向)、すなわち、膜体16側に向かって拡張する。バルーン18が収縮している時、又は、拡張した時に、前記バルーン18の側方は側壁24a、24bと接触していない。このことにより、バルーン18と側壁24a、24bとの間に空間28を設けることができる。そして、この空間28では膜体16にバルーン18が接していない。バルーン18が接していない膜体16の部位では、膜体16に前記底壁22側に向いた適度な撓みを持たせることができる。
このバルーン18の基端側(矢印A方向)には、該バルーン18の内部と連通した配管30が接続される。
エア供給部20は、ケース12の基端側(矢印A方向)に接続され、内部に流路32を有したハウジング34と、前記ハウジング34の基端側において前記流路32と接続される供給ポート36とを含む。供給ポート36には、図示しない配管30を介してエア供給源が接続され、エアが供給される。
ハウジング34は、細胞培養物移送器具10の先端から基端側に向かって一直線状に延在する本体部38と、該本体部38の基端近傍において所定角度傾斜して分岐した分岐部40とからなり、前記本体部38と分岐部40の内部に沿って流路32が形成される。なお、ハウジング34を構成する本体部38及び分岐部40は、図示しない術者が細胞培養物移送器具10で手技を行う際に把持する把持部としても機能する。ハウジング34を構成する本体部38とケース12の底壁22は略同一平面上に設けることができる。
この流路32は、ケース12側となる先端において該ケース12内に設けられた配管30と接続され、供給ポート36に供給されたエアが流路32を通じて配管30へと供給され、該配管30からバルーン18の内部へと供給されることで、該バルーン18がケース12の内部で拡張する。
本発明の第1の実施の形態に係る細胞培養物移送器具10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、細胞培養物移送器具10は、図1に示されるように、エア供給部20を通じてバルーン18へエアが供給されておらず、前記バルーン18が拡張されていない状態を初期状態とする。
先ず、図1に示される初期状態において、図示しない培養容器で培養されたシート状細胞培養物26を準備し、前記シート状細胞培養物26を膜体16の略中央部(保持部位)に載置する。これにより、水分を含んだシート状細胞培養物26は、その表面張力によって前記膜体16に対して吸着され保持された状態となる。
また、膜体16は、その略中央部がケース12の底壁22側(矢印C方向)に向かって撓んでいるため、前記膜体16に保持されたシート状細胞培養物26は、前記ケース12における側壁24a、24bの上端部に対して低い位置、すなわち、前記ケース12の空間28側に配置され保持されている。
次に、図示しない術者が、細胞培養物移送器具10のエア供給部20を把持し、シート状細胞培養物26を保持したケース12を患者の生体内へ挿入し、所望の位置へと進行させる。この際、シート状細胞培養物26は、ケース12の側壁24a、24bに対して内側(矢印C方向)となる位置に保持されているため、生体内を進行する際に組織等に誤って接触してしまうことが回避され、該接触による破損や誤った部位への吸着が確実に防止される。
そして、ケース12及び膜体16に保持されたシート状細胞培養物26が、患者の患部(例えば、心臓)に対峙する位置に到達したことを確認した後、図示しないエア供給源からエア供給部20へとエアを供給する。このエアは、供給ポート36から流路32及び配管30を通じてバルーン18の内部へと供給されることで、該バルーン18が空間28内で拡張する。このバルーン18がケース12の内部で拡張することによって該バルーン18が膜体16に接触し、該膜体16を前記ケース12の底壁22から離間する方向(矢印D方向)に向かって押し上げる。それに伴って、シート状細胞培養物26は、膜体16に密着して保持された状態で押し上げられることとなる。
これにより、膜体16の略中央部がケース12の側壁24a、24bに対して外側(矢印D方向)、すなわち、ケース12の開口部14に対して外側となるように移動し、該膜体16に保持されたシート状細胞培養物26も前記側壁24a、24bに対して外側に配置された状態となる。
そして、術者が、細胞培養物移送器具10を把持した状態で、シート状細胞培養物26を患部に接近させるように移動させ、該シート状細胞培養物26を前記患部へと押し付けることで密着させる。この際、シート状細胞培養物26は、可撓性を有した膜体16と、エアの充填されたバルーン18によって保持された状態にあるため、患部の表面形状に追従して前記膜体16及びバルーン18が好適に変形し、前記シート状細胞培養物26を確実且つ高精度に密着させることが可能となる。そして、シート状細胞培養物26が患部に対して密着することにより、該患部の水分等によってシート状細胞培養物26が前記患部へと吸着されて移植(貼付)される。
なお、シート状細胞培養物26は、膜体16よりも患部組織に対して親和性が高いため、一端面が膜体16に張り付いていても他端面を前記患部組織に当接させることで、前記膜体16から離間させることが可能となる。
そして、細胞培養物移送器具10を患部から離間させると共に、バルーン18に供給されていたエアの供給を停止し、前記バルーン18を収縮させた後、ケース12及び膜体16を生体外へと取り出すことにより、患者の患部に対するシート状細胞培養物26の移植が完了する。
また、細胞培養物移送器具10を患部から離間させる前に、シート状細胞培養物26を患部に当接させた状態で、バルーン18に供給されていたエアの供給を停止して収縮させることで、膜体16に対する押圧力を滅勢させケース12側へと変位させることにより、シート状細胞培養物26を前記膜体16から離脱させて患部に吸着させることで移植させてもよい。
以上のように、第1の実施の形態では、ケース12の内部に拡張自在なバルーン18を設けると共に、該ケース12の開口部14に可撓性を有した膜体16を設け、前記膜体16にシート状細胞培養物26を保持した状態で生体内へと進行させ、患部へと到達させた後に、前記バルーン18を拡張させ膜体16を介して前記シート状細胞培養物26を前記ケース12に対して膨出させ当接させることで前記患部に対してシート状細胞培養物26を容易且つ確実に移植することが可能となる。
また、シート状細胞培養物26は、可撓性を有した膜体16によって保持され、且つ、前記膜体16は拡張したバルーン18によって押圧されているため、前記シート状細胞培養物26を患部へと当接させて移植する際に、前記膜体16及びバルーン18を前記患部の表面形状に追従させて変形させることができる。そのため、シート状細胞培養物26を患部の表面形状(例えば、曲面)に対して追従させ確実に密着させることができる。特に、拍動しており、且つ、表面が曲面状である心臓に対してシート状細胞培養物26を移植する際には好適である。
さらに、シート状細胞培養物26を生体内へ進行させる際、該シート状細胞培養物26を保持する膜体16の保持部位が、ケース12の側壁24a、24bに対して内側(矢印C方向)となる位置に保持されているため、生体内を進行する際に前記シート状細胞培養物26が組織等に誤って接触してしまうことを回避することができ、該接触による破損や誤った部位への吸着が確実に防止される。
さらにまた、容量の異なるバルーン18へと交換することで、シート状細胞培養物26を移植する際の膜体16の膨出量、膨出形状を容易に変更することが可能である。
次に、第2の実施の形態に係る細胞培養物移送器具50を図5〜図8に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る細胞培養物移送器具10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この第2の実施の形態に係る細胞培養物移送器具50では、ケース12の内部に複数の第1及び第2バルーン52、54a、54bが設けられ、該第1バルーン52と第2バルーン54a、54bとがそれぞれ独立して拡張可能である点で、第1の実施の形態に係る細胞培養物移送器具10と相違している。
この細胞培養物移送器具50は、図6〜図8に示されるように、ケース12の内部において略中央部に設けられる第1バルーン52と、前記第1バルーン52の両側部に平行に設けられる一対の第2バルーン54a、54bとを備え、前記第1及び第2バルーン52、54a、54bは、例えば、シリコーンゴム等の弾性材料から袋状に形成され、ケース12の先端から基端に向かって長尺な断面長方形状に形成されると共に、前記第2バルーン54a、54bの各内部容量に対して第1バルーン52の内部容量が大きくなるように形成される。
また、第1及び第2バルーン52、54a、54bは、それぞれケース12における底壁22に対して固定され、内部にエアが供給されていない収縮時には、前記底壁22側に折り畳まれるように配置され、一方、前記エアが内部に供給されることで、前記底壁22から離間する方向、すなわち、膜体16側に向かってそれぞれ拡張する。
第1バルーン52には、エア供給部20のハウジング58に形成された第1流路60が第1配管62を介して接続され、第2バルーン54a、54bには、前記ハウジング58に形成された第2流路64が第2配管66を介して接続される。第1及び第2流路60、64は、それぞれ独立してハウジング58の本体部38及び分岐部40に沿って形成され、第1供給ポート68と第2供給ポート70にそれぞれ接続される。
なお、第2配管66は、第2流路64との接続部位から第2バルーン54a、54b側に向かって二股に分岐し、それぞれ第2バルーン54a、54bに接続される。すなわち、第2供給ポート70に供給されたエアは、第2流路64を通じて第2配管66へと流通し、二股に分岐された後に、第2バルーン54a、54bの内部へとそれぞれ供給される。
次に、上述した細胞培養物移送器具50の動作並びに作用効果について説明する。
先ず、図5、図7Aに示されるように、シート状細胞培養物26を第1バルーン52に臨む膜体16の略中央部(保持部位)に保持した場合について説明する。この場合、最初に、シート状細胞培養物26を膜体16の略中央部に載置し、該膜体16に対してシート状細胞培養物26が吸着され保持された状態とした後、前記ケース12を生体内へと挿入して所望の位置へと進行させる。
そして、シート状細胞培養物26が、患者の患部(例えば、心臓)に対峙する位置に到達したことを確認した後、図示しないエア供給源からエア供給部56へとエアを供給する。例えば、エアを、第1供給ポート68から第1流路60及び第1配管62を通じて第1バルーン52へと供給すると同時に、第2供給ポート70から第2流路64、第2配管66を通じて第2バルーン54a、54bへと供給することで、第1及び第2バルーン52、54a、54bがそれぞれ拡張し始める。
図6及び図7Bに示されるように、この第1バルーン52がケース12の内部で拡張することで、該第1バルーン52が膜体16に接触し、該膜体16を前記ケース12の底壁22から離間する方向に向かって押し上げ、それに伴って、前記膜体16に密着した状態でシート状細胞培養物26も押し上げられることとなる。また、第2バルーン54a、54bが拡張し、第1バルーン52と共に膜体16を押し上げることによって前記膜体16の略中央部近傍も押し上げられることとなる。
これにより、膜体16は、シート状細胞培養物26を保持した略中央部近傍のみでなく、外縁部まで略平面状となるように第1及び第2バルーン52、54a、54bによって押し上げられ保持される。そのため、例えば、シート状細胞培養物26を移植する患部が比較的平坦で且つ大きな表面積を有している場合に、前記膜体16を略平面状とすることで前記シート状細胞培養物26を確実且つ好適に移植することが可能となる。
そして、術者が、細胞培養物移送器具50を把持した状態で、シート状細胞培養物26を患部に接近させるように移動させ、該シート状細胞培養物26を前記患部へと当接させ押し付けることで、該シート状細胞培養物26、膜体16及び第1及び第2バルーン52、54a、54bが前記患部の表面形状に応じて好適に変形し、前記シート状細胞培養物26を密着させることが可能となる。そして、シート状細胞培養物26が患部に対して密着することにより、該患部の水分等によってシート状細胞培養物26が前記患部へと吸着されて移植(貼付)される。
また、図7Cに示されるように、第1バルーン52のみにエアを供給して拡張させ、第2バルーン54a、54bを拡張させない場合には、前記第1バルーン52によって膜体16の略中央部近傍のみがケース12の側壁24a、24bに対して外側となるように移動し、該膜体16に保持されたシート状細胞培養物26も前記側壁24a、24bに対して外側に押し出された状態となる。なお、この場合、第2供給ポート70は、大気開放状態としておく。
すなわち、患部の表面形状に応じて、第1バルーン52、第2バルーン54a、54bを選択的に拡張させることで、膜体16の膨出形状、膨出量を調整することができるため、前記膜体16に保持されたシート状細胞培養物26を前記患部に対してより好適に密着させて移植することが可能となる。
一方、図8Aに示されるように、シート状細胞培養物26を、第1バルーン52と一方の第2バルーン54bとに跨るように膜体16の略中央部から若干だけオフセットした位置(保持部位)に保持した場合には、生体内に挿入した状態で前記第1バルーン52のみを拡張させることで、図8Bに示されるように、膜体16に保持されたシート状細胞培養物26は、前記第1バルーン52によって押し上げられ略平面状に保持された部位と、第2バルーン54bに臨む部位が所定角度傾斜するように保持される。そのため、例えば、患部が凹状に窪んだ表面形状である場合には、上述したようにシート状細胞培養物26を折曲させることで、前記患部へと容易且つ確実に当接させて移植することが可能となる。
また、上述した説明では、第1バルーン52のみを拡張させ、第2バルーン54a、54bを必要に応じて拡張させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、患部の表面形状に応じて一対の第2バルーン54a、54bのみを拡張させ、第1バルーン52を拡張させないようにしてシート状細胞培養物26を所望の形状としてもよい。
さらに、上述したように異なる容量を有した第1及び第2バルーン52、54a、54bを設ける場合に限定されず、2つ以上の異なる容量を有したバルーンをケース12の内部に設け、それぞれ独立して拡張自在としてもよい。このような構成とすることで、膜体16に保持されたシート状細胞培養物26を、より一層好適に患部の表面形状に追従させて移植させることが可能となる。
なお、本発明に係る細胞培養物移送器具は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10、50…細胞培養物移送器具 12…ケース
14…開口部 16…膜体
18…バルーン 20、56…エア供給部
22…底壁 24a、24b…側壁
26…シート状細胞培養物 28…空間
32…流路 34、58…ハウジング
52…第1バルーン 54a、54b…第2バルーン
60…第1流路 64…第2流路

Claims (4)

  1. シート状の細胞培養物を移送するための細胞培養物移送器具において、
    ケースと、
    前記ケースの開口部に設けられ可撓性を有した膜体と、
    前記ケースの内部空間に設けられ、内部に流体が供給されることで拡張する拡張体と、
    を備え、
    前記膜体は、前記拡張体の収縮時において前記細胞培養物の吸着される保持部位が前記ケースの開口部に対して前記内部空間側に撓むように設けられると共に、前記拡張体が拡張することで前記保持部位の少なくとも一部が前記開口部に対して外側に膨出することを特徴とする細胞培養物移送器具。
  2. 請求項1記載の細胞培養物移送器具において、
    前記拡張体は、前記膜体の中央部に設けられる第1の拡張体と、前記第1の拡張体近傍に設けられる第2の拡張体とからなり、前記第1の拡張体と前記第2の拡張体との内部容量が異なることを特徴とする細胞培養物移送器具。
  3. 請求項2記載の細胞培養物移送器具において、
    前記第1の拡張体と前記第2の拡張体とは、それぞれ異なる流路を通じて別個に前記流体が供給されることを特徴とする細胞培養物移送器具。
  4. 請求項2又は3記載の細胞培養物移送器具において、
    前記第1の拡張体及び前記第2の拡張体は、少なくともいずれか一方が選択的に拡張されることを特徴とする細胞培養物移送器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023120224A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 テルモ株式会社 シート状送達物を適用するための医療機器および方法

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