JP2013121321A - 食品用品質保持剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】野菜サラダなどの生鮮食材は自然に劣化し、消費期限を延ばすことは、従来より大きな課題となっている。野菜サラダなどの生鮮食材、又は半調理品である冷蔵食品の保存中の乾燥、及び変色を防止することによって、食品の品質保持期限を安全にかつ、付加価値の高いまま保持させる食品用品質保持剤を提供することによって、社会的問題でもある食品の大量廃棄を低減することを目的とする。
【解決手段】グリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルを含有させることにより上記課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】グリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルを含有させることにより上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばコンビニエンスストアに陳列されるサラダや、サンドイッチの具剤野菜、また、半調理段階における冷凍食品の保存時の品質保持に関するものである。具体的には、食材の乾燥防止、褐変抑制に関するものである。
サラダは、農場より野菜が採取された後に、大量の水で洗浄され、かつ殺菌等の目的で次亜鉛素酸Naの水溶液で丁寧に洗浄され、製品後は約2日間の品質保持期限内で消費されるように設計されていることがほとんどである。しかしながら、昨今の食品の大量廃棄は、大きな社会的問題となっている。その理由として挙げられるのが、野菜サラダなどの生鮮食材は自然に劣化することあり、具体的には食材の乾燥や、ピンクや茶色に変色する褐変などの現象などであり、見た目の品質劣化となり、消費期限を延ばすことが困難なためである。
食品添加物で、保湿効果があるとされるものは例えばグリセリン等の多価アルコール類、あるいはトレハロースなどの特異的な糖類が挙げられるが、効果は不十分であるか、高価なため全ての素材に適用できるものとはいい難い。これを解決するため、植物の保湿処理剤を使用する方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、食品添加物には指定されておらず食することは不可能である。またHLB8以上のショ糖脂肪酸エステルを用いて、冷凍保存用の餃子の皮の改質剤に関する技術があるが(例えば、特許文献2参照。)、油分や糖類が含まれた水中油型の乳化液であって、乳化操作などは簡便に誰でもが調整できるものではなく、また乳化液であるために、その製剤の安定性は必ずしも安定であるとはいい難く、いずれは水相と油相に分離してしまうなどの問題が懸念される。
野菜サラダなどの生鮮食材、あるいは半調理品である冷蔵食品の保存中の乾燥、及び変色を防止することが可能となる食品用品質保持剤によって、食品の品質保持期限を安全にかつ、付加価値の高いまま長く消費者に提供できることで、社会的問題でもある食品の大量廃棄を低減することを目的とする。
鋭意研究した結果、食品添加物であるグリセリンと、食品添加物であるモノグリセリン脂肪酸エステルとを用いることで前述の課題を解決し、具体的にはこれらを数%に希釈したものを食品素材に噴霧するか、塗布することで十分な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の効果はグリセリンや乳酸Naなどの従来から使用されている保湿効果のある物質よりも高い効果がある。また簡便に製造できるだけでなく、使用時には数%に希釈しても十分に効果があるために低コストであり、汎用性が高いものである。さらに、保湿や変色防止効果が高いということは、昨今の食品残渣の大量廃棄などの社会的問題も解決することが可能であり、この技術をもってすれば食品産業への多大なる貢献だけでなく、環境分野、農産業分野まであらゆる分野に貢献できる技術効果である。
本発明の食品用品質保持剤を数%に希釈して、食品素材に噴霧または塗布するだけで、乾燥防止や変色防止に高い効果を発揮するものである。
以下に発明の詳細を示す。
以下に発明の詳細を示す。
本発明品である食品用品質保持剤に使用することのできるグリセリンとは食品添加物に指定されており、かつ市販されているものであれば特に限定はない。モノグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸を100℃以上でエステル反応してなる組成物であり、食品添加物公定書に記載されているグリセリン脂肪酸エステルに適合するものであればよい。また併用されているモノグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分は、オレイン酸又はステアリン酸が好ましく、風味の点でステアリン酸がより好ましい。またグリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルとの混合割合は、グリセリンが60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上でありさらに好ましくは80%以上であることが好ましい。モノグリセリン脂肪酸エステルは、40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下が好ましい。
グリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルとを混合する際は、例えば80℃以上でよく混合する。
さらには、食品添加物として認可されている各種日持ち向上剤を併用してもよく、例えば野菜などの洗浄に用いられる食品用洗剤や、pH調整剤など、本発明品の効果を妨げない範疇で任意に併用しても何ら問題なく使用できる。
さらには、食品添加物として認可されている各種日持ち向上剤を併用してもよく、例えば野菜などの洗浄に用いられる食品用洗剤や、pH調整剤など、本発明品の効果を妨げない範疇で任意に併用しても何ら問題なく使用できる。
本発明品である食品用品質保持剤は、水に0.1%〜5%を目安に希釈して、食品素材にスプレー噴霧や塗布することで使用できるが、使用濃度は効果が認められる範囲であれば、これに限定するものではない。また適用できる食材とは野菜、カット野菜などの生食材、及びポテトサラダに使用するマッシュポテトなどの半調理品などが挙げられる。その他半調理品である冷凍フライや冷凍餃子などの半調理食品も適用可能である。さらには冷凍野菜、冷凍魚介類、冷凍ご飯類などのあらゆる冷凍冷蔵食品にも適用できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
実施例1
本発明の食品用品質保持剤は、市販のグリセリンと前述したモノグリセリンステアリン酸エステルをグリセリン800g、モノグリセリンステアリン酸エステルを200gを混合容器に入れ、約80℃を目安によく混合攪拌を行い、その後室温まで放置し、食品用品質保持剤1kg(本発明品1)を得た。
本発明の食品用品質保持剤は、市販のグリセリンと前述したモノグリセリンステアリン酸エステルをグリセリン800g、モノグリセリンステアリン酸エステルを200gを混合容器に入れ、約80℃を目安によく混合攪拌を行い、その後室温まで放置し、食品用品質保持剤1kg(本発明品1)を得た。
実施例2
本発明の食品用品質保持剤は、市販のグリセリンと前述したモノグリセリンステアリン酸エステルをグリセリン600g、モノグリセリンステアリン酸エステルを400gを混合容器に入れ、約80℃を目安によく混合攪拌を行い、その後室温まで放置し、食品用品質保持剤1kg(本発明品2)を得た。
本発明の食品用品質保持剤は、市販のグリセリンと前述したモノグリセリンステアリン酸エステルをグリセリン600g、モノグリセリンステアリン酸エステルを400gを混合容器に入れ、約80℃を目安によく混合攪拌を行い、その後室温まで放置し、食品用品質保持剤1kg(本発明品2)を得た。
試験例1
市販の新鮮なレタスボールを適度なサイズに分割したものを、コントロールとして水3L、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液3L中に等量ずつ投入した。
その後、30秒間それぞれのレタスをまんべんなく各溶液に混ぜた後に、ざるで濾し、十分に水気をとった後に、所定の容器に並べて、5℃の冷蔵庫内で保存試験及び評価を行った。
市販の新鮮なレタスボールを適度なサイズに分割したものを、コントロールとして水3L、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液3L中に等量ずつ投入した。
その後、30秒間それぞれのレタスをまんべんなく各溶液に混ぜた後に、ざるで濾し、十分に水気をとった後に、所定の容器に並べて、5℃の冷蔵庫内で保存試験及び評価を行った。
比較品として、乳酸Na、グリセリン、モノグリセリンステアリン酸エステル又はトレハロースの水溶液を1重量%、2重量%、5重量%のものを用いる以外は、前述と同様に試験及び評価を行った。
レタスは品質が低下すると、乾燥して収縮するか、変色が見られるため、評価方法は乾燥や変色が認められたものを×、若干認められたものを△、全く認められなかったものを○として6日目の状態を目視評価した。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
試験例2
市販の新鮮な大葉を用いて、コントロールとして水3L、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液3L中にそれぞれ同じ枚数ずつ投入した。
その後、30秒間それぞれの大葉をまんべんなく各溶液に混ぜた後に、ざるで濾し、十分に水気をとった後に、所定の容器に並べて、5℃の冷蔵庫内で保存試験を行った。
市販の新鮮な大葉を用いて、コントロールとして水3L、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液3L中にそれぞれ同じ枚数ずつ投入した。
その後、30秒間それぞれの大葉をまんべんなく各溶液に混ぜた後に、ざるで濾し、十分に水気をとった後に、所定の容器に並べて、5℃の冷蔵庫内で保存試験を行った。
比較品として、乳酸Na、グリセリン、モノグリセリンステアリン酸エステル又はトレハロースの水溶液を1重量%、2重量%、5重量%のものを用いる以外は、前述と同様に試験及び評価を行った。
評価方法は乾燥や変色が認められたものを×、若干認められたものを△、全く認められなかったものを○として6日目の状態を目視評価した。
結果を表2に示す。
またこのときの評価写真を図1に示す。
評価方法は乾燥や変色が認められたものを×、若干認められたものを△、全く認められなかったものを○として6日目の状態を目視評価した。
結果を表2に示す。
またこのときの評価写真を図1に示す。
これらの結果から明らかなように、本発明品を用いることで大葉の変色や乾燥状態が低減される。
試験例3
市販のジャガイモの皮をむき、蒸し器で蒸したものを、すり潰してマッシュポテトにした。これを直径2cmくらの適度な大きさの団子状に成型して、コントロールを水とし、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液をそれぞれスプレー容器を用いて等量ずつ噴霧塗布した。
市販のジャガイモの皮をむき、蒸し器で蒸したものを、すり潰してマッシュポテトにした。これを直径2cmくらの適度な大きさの団子状に成型して、コントロールを水とし、実施例1及び2で得られた食品用改質剤(本発明品1及び2)それぞれ1重量%、2重量%及び5重量%の水溶液をそれぞれスプレー容器を用いて等量ずつ噴霧塗布した。
比較品として、乳酸Na、グリセリン、モノグリセリンステアリン酸エステル又はトレハロースの水溶液を1重量%、2重量%、5重量%のものを用いる以外は、前述と同様に試験及び評価を行った。
マッシュポテトは品質が低下すると、乾燥して収縮するか、変色が見られるため、評価方法は乾燥や変色が認められたものを×、若干認められたものを△、全く認められなかったものを○として6日目及び10日目の状態を目視評価した。
結果を表3に示す。
またこのときの評価写真を図2に示す。さらに、乾燥により変化した重量の経時変化を図3に示す。
結果を表3に示す。
またこのときの評価写真を図2に示す。さらに、乾燥により変化した重量の経時変化を図3に示す。
これらの結果から明らかなように、本発明品は生鮮食材だけでなく、マッシュポテトのような半調理品の冷蔵時においても、乾燥抑制や、変色防止に高い効果を発揮することが可能である。
本発明品の食品用品質保持剤を用いれば、レタスや大葉、マッシュポテトを用いた試験結果で明らかなように、冷蔵時の乾燥や、保存状態での変色を抑える効果は明らかであり、食品素材の品質劣化を抑える効果が高く、その結果、社会的問題である食品残渣の大量廃棄の低減や、また見た目の品質にも高い付加価値を与えることから、食品産業、環境問題、農業産業などのあらゆる産業で利用できる有用な技術である。
Claims (3)
- グリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルを含有してなる食品用品質保持剤。
- 請求項1に記載のモノグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がステアリン酸であることを特徴とする食品用品質保持剤。
- 請求項1に記載のグリセリンとモノグリセリン脂肪酸エステルとの混合割合が、グリセリンが60〜80重量%、モノグリセリン脂肪酸エステルが20〜40重量%であることを特徴とする請求高1又は2記載の食品用品質保持剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011270110A JP2013121321A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 食品用品質保持剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011270110A JP2013121321A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 食品用品質保持剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013121321A true JP2013121321A (ja) | 2013-06-20 |
Family
ID=48773713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011270110A Pending JP2013121321A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 食品用品質保持剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013121321A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170127009A (ko) | 2015-03-13 | 2017-11-20 | 케레스 가부시키가이샤 | 가온·냉각 일체형 식재 가공 시스템 |
KR20220122790A (ko) | 2015-03-13 | 2022-09-02 | 하쿠바이 컴퍼니 리미티드 | 가온·냉각 일체형 식재 가공 시스템 |
-
2011
- 2011-12-09 JP JP2011270110A patent/JP2013121321A/ja active Pending
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KR20170127009A (ko) | 2015-03-13 | 2017-11-20 | 케레스 가부시키가이샤 | 가온·냉각 일체형 식재 가공 시스템 |
US10561154B2 (en) | 2015-03-13 | 2020-02-18 | Cerecs Co., Ltd. | Integrated heating and cooling food processing system |
KR20220122790A (ko) | 2015-03-13 | 2022-09-02 | 하쿠바이 컴퍼니 리미티드 | 가온·냉각 일체형 식재 가공 시스템 |
US11432558B2 (en) | 2015-03-13 | 2022-09-06 | Hakubai Co., Ltd. | Integrated heating and cooling food processing system |
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