JP2013119623A - 包装用フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩素含有樹脂を主成分とする包装用フィルムに関し、所望の軟質特性を発現させつつ、同時に可塑剤のブリードアウトを防止することができる、新たな包装用フィルムを提案する。
【解決手段】塩素含有樹脂(A)100質量部と、エポキシ化植物油(B)及び酸(C)の反応生成物である変性エポキシ化植物油(D)20〜60質量部と、を含有する包装用フィルムを提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩素含有樹脂を主成分とする包装用フィルム及びその製造方法に関する。
包装用フィルムには、従来、ポリ塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂が軟質材料の主材として使用されてきた。この種の軟質材料においては、製品に要求される軟質特性を発現させるために、通常、樹脂に各種の可塑剤を添加することが行われている。しかし、これらの可塑剤は低分子量かつ低沸点成分であることから、成形品の表面にブリードアウトしやすいため、ブリードアウトを防止するための対策が検討されている(例えば特許文献1)。
特開平7−138438号公報
従来、可塑剤のブリードアウトを防止するために、引用文献1のような検討が進められてきたが、所望の軟質特性を発現させつつ、同時に可塑剤のブリードアウトを防止することはなかなか困難であった。
そこで本発明は、塩素含有樹脂を主成分とする包装用フィルムに関し、所望の軟質特性を発現させつつ、同時に可塑剤のブリードアウトを防止することができる、新たな包装用フィルムを提案せんとするものである。
本発明は、塩素含有樹脂(A)100質量部と、エポキシ化植物油(B)及び酸(C)の反応生成物である変性エポキシ化植物油(D)20〜60質量部と、を含有する包装用フィルムを提案する。
本発明が提案する包装用フィルムは、所望の軟質特性を発現させつつ、同時に可塑剤のブリードアウトを防止することができる。
本発明の実施形態の一例としての包装用フィルム(「本フィルム」と称する)について説明する。
本フィルムは、塩素含有樹脂(A)と、エポキシ化植物油(B)及び酸(C)の反応生成物である変性エポキシ化植物油(D)と、を含有する包装用フィルムである。
<塩素含有樹脂(A)>
塩素含有樹脂(A)は、塩化ビニル系単独重合体のほか、塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体(以下、塩化ビニル系共重合体とする)、この塩化ビニル系共重合体以外の重合体に塩化ビニルをグラフト共重合させたグラフト共重合体(以下、塩化ビニル系グラフト共重合体)などが挙げられる。前記塩化ビニル系共重合体は、共重合体中の塩化ビニル以外の構成単位の含有量が多くなると機械的特性が低下するため、塩化ビニル系共重合体中に占める塩化ビニルの割合が60質量%以上、99質量%以下であることが好ましい。なお、前記塩化ビニル系単独重合体、及び、塩化ビニル系共重合体は、任意の方法、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などで重合することができる。
前記塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、分子中に反応性二重結合を有するものであればよく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェニルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル類、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類などが挙げられ、これらは単独、又は、2種以上の組み合わせで用いることができる。また、前記塩化ビニル系共重合体以外の重合体としては、塩化ビニルをグラフト共重合できるものであればよく、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート・一酸化炭素共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、これらを単独、又は、2種以上の組み合わせで用いることができる。
<エポキシ化植物油(B)>
エポキシ化植物油(B)としては、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化パームオイル、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ひまし油などを例示することができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても構わない。
これらの中でも、熱可塑性樹脂との相溶性の点から、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油が好ましく、エポキシ化大豆油が特に好ましい。
なお、エポキシ化植物油(B)は基本的に単量体(すなわちエポキシ化された各種の脂肪酸とグリセリンのエステルのモノマー)から構成されるものである。但し、通常市販されているエポキシ化植物油(B)は、様々な要因により2量体以上の多量体を微量であるが含んでなる場合もあるため、本発明においてもエポキシ化植物油(B)は基本的に単量体で構成されるが多量体を微量含んでなる場合があるものとする。但し、ここでいう「微量」とは、エポキシ化植物油(B)の全質量において通常4質量%以下であり、好ましくは2質量%以下であることを言う。
<酸(C)>
酸(C)としては、エポキシ化植物油(B)と反応してエポキシ化植物油(B)中の単量体から2量体を生成し得る酸であることが好ましい。この際、エポキシ化植物油(B)と反応して2量体を生成できれば、3量体、或いはそれ以上の多量体を生成してもよい。
このような作用を有する酸としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸などの飽和カルボン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ソルビン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの不飽和カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などのヒドロキシ酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸などのジカルボン酸、その他としてオキソカルボン酸や、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸などのカルボン酸誘導体があげられ、これらを単独、あるいは、2種類以上を混合して用いることができる。
これらの中でも特に、エポキシ化植物油(B)との反応性の点から、不飽和カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸などのカルボン酸が好ましく、その中でも、ジカルボン酸が特に好ましい。
ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、スベリン酸、セバシン酸、イタコン酸、ドデカン二酸、セルロース酢酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても構わない。
<変性エポキシ化植物油(D)>
変性エポキシ化植物油(D)は、上述のように、前記エポキシ化植物油(B)と前記酸(C)とが反応して生成するものであり、エポキシ化植物油(B)が変性される割合に関係なく、エポキシ化植物油(B)と酸(C)とが反応して得られる結果物全部を意味し、2量体、場合によってその3量体或いはそれ以上の多量体を、エポキシ化植物油(B)より多く含有するものである。換言すれば、単量体(すなわちエポキシ化された各種の脂肪酸とグリセリンのエステルのモノマー)がエポキシ化植物油(B)より少ないものであるということができる。
<含有割合>
本フィルムは、可塑剤の低溶出性と柔軟性を確保する観点から、塩素含有樹脂(A)100質量部に対し、変性エポキシ化植物油(D)を20〜60質量部、その中でも25質量部以上或いは55質量部以下、その中でも30質量部以上或いは50質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
このとき、前記変性エポキシ化植物油(D)中の多量体の割合が5〜65質量%(この場合、単量体の割合が95〜35質量%)の範囲で含有するように調整するのが好ましい。多量体の割合が5〜65質量%であれば、前記塩素含有樹脂(A)の可塑化と低溶出性を両立することができる。多量体の割合が65質量%以下であれば、前記塩素含有樹脂(A)の可塑化が十分であり、優れた柔軟性を得ることができる一方、多量体の割合が5質量%以上であれば、前記変性エポキシ化植物油(D)の溶出量を十分に抑えることができる。
このような観点から、前記変性エポキシ化植物油(D)中の多量体の範囲は、前記範囲の中でも5質量%以上(この場合、単量体の割合が95質量%以下)或いは60質量%以下(この場合、単量体の割合が40質量%以上)であるのがより一層好ましく、その中でも、6質量%以上(この場合、単量体の割合が94質量%以下)或いは60質量%以下(この場合、単量体の割合が40質量%以上)であるのがさらに好ましい。
なお、前記変性エポキシ化植物油(D)中の多量体の割合は次の方法で測定することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:東ソー(株)の商品名TSKgelG2000HXL)を用いて、溶媒としてTHF(溶液濃度2.5mg/mL、溶液注入量0.05mL、流速1mL/分、温度40℃)を使用して測定を行った。得られたチャートより、エポキシ化植物油の単量体の割合を算出し、以下の式にて多量体の割合を求めた。
多量体の割合(質量%)=100(質量%)−「単量体の割合(質量%)」
また、本フィルムは、前記塩素含有樹脂(A)と、変性エポキシ化植物油(D)と、未反応の前記酸(C)とを含有する包装用フィルムであってもよい。
加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、本フィルムを作製するための樹脂組成物に対して、防曇剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
<製造方法>
本フィルムは、塩素含有樹脂(A)と、エポキシ化植物油(B)と、酸(C)とを混合して樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を加熱成形することで前記エポキシ化植物油(B)と前記酸(C)とを反応させて変性エポキシ化植物油(D)を生成させることにより、塩素含有樹脂(A)及び変性エポキシ化植物油(D)を含有する包装用フィルムを作製することができる。
また、本フィルムを製造するに際して、前記塩素含有樹脂(A)と前記エポキシ化植物油(B)と前記酸(C)を含有する加熱成形前の樹脂組成物の状態では、粘度が小さくて成形しやすいばかりか、均一に混ざりやすいという特徴を有している。
そして、その樹脂組成物を加熱すると、エポキシ化植物油(B)と酸(C)とが反応して、2量体、場合によってその3量体或いはそれ以上の多量体を含有する変性エポキシ化植物油(D)を生成し、これら、特に当該2量体によって軟質性能を維持したまま低溶出性能を得ることができる。
すなわち、エポキシ化植物油(B)と酸(C)との反応によって、エポキシ化植物油(B)中の単量体の一部が2量体、或いは3量体、或いはそれ以上の多量体となり、これら2量体、3量体を含む多量体の作用、特に2量体の作用によって、変性エポキシ化植物油(D)のブリードアウトを抑制することができ、しかも反応前のエポキシ化植物油(B)が有していた可塑化効果を残存させて柔軟性も得ることができる。
原料である塩素含有樹脂(A)と、エポキシ化植物油(B)と、酸(C)との配合割合に関しては、フィルムを成形した際に変性エポキシ化植物油(D)の低溶出性と柔軟性を確保する観点から、塩素含有樹脂(A)100質量部に対し、エポキシ化植物油(B)を20〜60質量部、酸(C)を0.01〜5質量部含有するように配合するのが好ましい。
中でも、エポキシ化植物油(B)の配合量は、塩素含有樹脂(A)100質量部に対し25質量部以上或いは55質量部以下、その中でも30質量部以上或いは50質量部以下の割合で含有するように調整するのがさらに好ましい。
また、酸(C)の量を調整することで、反応後にエポキシ化植物油(B)中の単量体が残存する量を調整することができ、より優れた軟質性を保持したままブリードアウト(溶出)を少なくできる。よって、かかる観点から、酸(C)の配合量は、塩素含有樹脂(A)100質量部に対し0.05質量部以上或いは4質量部以下、その中でも0.1質量部以上或いは3質量部以下の割合で含有するように調整するのがさらに好ましい。また、同様の観点から、酸(C)の配合量は、エポキシ化植物油(B)100質量部に対し、0.017質量部以上或いは20質量部以下、その中でも0.2質量部以上或いは10質量部以下の割合で含有するように調整するのがさらに好ましい。
加熱成形する際の温度としては、エポキシ化植物油(B)と酸(C)との反応性を考慮すると、180〜220℃とするのが好ましく、中でも185℃以上或いは215℃以下とするのが特に好ましい。
<特性>
本フィルムにおいては、変性エポキシ化植物油(D)が多量体、特に2量体を含有しており、当該多量体、特に2量体の作用によって、変性エポキシ化植物油(D)のブリードアウトを抑制することができ、しかも柔軟性を確保することもできる。
よって、本フィルムは、包装用フィルム、特に食品包装用フィルムとして使用するのに適している。
<用語の説明>
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定及び評価方法>
先ずは、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。以下、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(1)フィルムの柔軟性の評価方法
動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから25℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。
そして、25℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上、1000MPa以下であるものを「合格」と評価し、表には「○」と示した。
(2)透明性の評価方法
実施例・比較例で得たフィルムを重ね合わせて2mm厚みのプレスシート(プレス条件:温度180℃、プレス時間10分、圧力30kg/cm2)を作製し、黒色紙上に並べて目視で透明性を評価した。
黒色紙がはっきり確認できる透明性を有しているものを「○」、シートが白濁し黒色紙がはっきり確認できないものを「×」、それらの中間位置にあるものを「△」と示した。
(3)プレス時の噴出しの評価方法
実施例・比較例で得たフィルムを重ね合わせ2mm厚みのプレスシート(プレス条件:温度180℃、プレス時間10分、圧力30kg/cm2)を作製し、プレス完了後の化粧板への噴出し(汚れ)を目視評価した。
吹き出しが多く化粧板の鏡面状態がはっきり確認できないものを「×」、吹き出しが少なく鏡面状態がはっきり確認できるものを「○」、それらの中間位置にあるものを「△」と示した。
(4)溶出性の評価方法
実施例・比較例で得た0.01mmのフィルムを測定サンプルとして、厚生省告示20号に定める蒸発残留物試験法(片面法)に基づき、溶媒としてイソオクタンを用い、溶媒との接触面積:25cm、溶媒量:2mL/cm、試験温度:25℃、試験時間:30分の条件で、イソオクタンに対する溶出量を測定した。
そして、溶出量が90ppm以下であるものを「合格」と評価し、表には「○」と示した。
(5)変性エポキシ化大豆油中の多量体量の測定方法
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:東ソー(株)の商品名TSKgelG2000HXL)を用いて、溶媒としてTHF(溶液濃度2.5mg/mL、溶液注入量0.05mL、流速1mL/分、温度40℃)を使用して測定を行った。得られたチャートより、エポキシ化植物油の単量体の割合を算出し、以下の式にて多量体の割合を求めた。
多量体の割合(質量%)=100(質量%)−「単量体の割合(質量%)」
<実施例1−3>
塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル、平均重合度1050)、金属石鹸系安定剤、エポキシ化大豆油、ジカルボン酸であるコハク酸を、表1に示す割合で混合して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、スーパーミキサーに投入し、攪拌しながら材料温度130℃まで昇温した後、材料温度60℃まで冷却した。
得られた混合物を、Tダイ(幅350mm、ギャップ0.4mm)を装着したΦ40mm単軸押出機(L/D=20)にて樹脂温度200℃で押出成形して厚み0.01mmのフィルムを得た。
そして、得られたフィルムについて、上記の如く柔軟性、透明性、プレス時の噴出性、さらには溶出性を評価し、その結果を表1に示した。
<実施例4−5>
ジカルボン酸の代わりに、モノカルボン酸(飽和カルボン酸)としてオレイン酸を使用した以外は、実施例1−3同様にフィルムを作製し、各物性を評価した。
<比較例1>
ジカルボン酸を配合しない以外の点は、実施例1と同様にフィルムを作製し、各物性を評価した。
<比較例2>
エポキシ化大豆油の代わりに、可塑剤としてDOP(フタル酸ジオクチル)を配合した以外の点は、実施例1と同様にフィルムを作製し、各物性を評価した。
<比較例3>
エポキシ化大豆油の代わりに大豆油を配合すると共に、ジカルボン酸の配合量を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを作製し、各物性を評価した。
Figure 2013119623
上記実施例1〜5に関しては、180〜220℃に加熱することでエポキシ化大豆油とジカルボン酸又はモノカルボン酸とが反応して、2量体、3量体及びそれ以上の多量体を形成することが確認された。よって、反応後は、変性エポキシ化大豆油を含むことが確認された。
これに対し、エポキシ化大豆油のみで酸を含まない場合(比較例1)や、エポキシ化植物油ではない可塑剤のみを用いた場合(比較例2)、及び、エポキシ化されていない大豆油のみを用いた場合(比較例3)は、変性エポキシ化大豆油が生成されない。
表1の結果より、エポキシ化大豆油を変性して、多量体を5〜65質量%含有する変性エポキシ化大豆油とすることで、そのような変性エポキシ化植物油(D)としての変性エポキシ化大豆油を含む樹脂組成物を用いてフィルムを成形すると、透明で、且つ柔軟性なフィルムを作製できるばかりか、変性エポキシ化植物油(D)の溶出を効果的に抑えることができることが分かった。

Claims (5)

  1. 塩素含有樹脂(A)100質量部と、エポキシ化植物油(B)及び酸(C)の反応生成物である変性エポキシ化植物油(D)20〜60質量部と、を含有する包装用フィルム。
  2. 変性エポキシ化植物油(D)は、多量体を5〜65質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の包装用フィルム。
  3. エポキシ化植物油(B)が、エポキシ化大豆油であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用フィルム。
  4. 酸(C)が、ジカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の包装用フィルム。
  5. 塩素含有樹脂(A)と、エポキシ化植物油(B)と、酸(C)とを混合して樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を加熱成形することで前記エポキシ化植物油(B)と前記酸(C)とを反応させて変性エポキシ化植物油(D)を生成させることにより、塩素含有樹脂(A)及び変性エポキシ化植物油(D)を含有するフィルムを作製することを特徴とする包装用フィルムの製造方法。
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