JP2013119494A - 強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置 - Google Patents

強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】品質を劣化させることなく、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する強化ガラス板の切断方法を提供することである。
【解決手段】本発明の一態様における強化ガラス板の切断方法は、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、引張応力が残留する中間層とを有する強化ガラス板を、レーザ光の照射領域を移動させることで切断する強化ガラス板の切断方法において、強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、この曲率を有する箇所を冷却しながら切断する。
【選択図】図6

Description

本発明は強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置に関する。
近年、携帯電話やPDAなどの携帯機器において、ディスプレイ(タッチパネルを含む)の保護や美観などを高めるため、カバーガラス(保護ガラス)を用いることが多くなっている。また、ディスプレイの基板として、ガラス基板が広く用いられている。
一方、携帯機器の薄型化・軽量化が進行しており、携帯機器に用いられるガラスの薄板化が進行している。ガラスが薄くなると強度が低くなるので、ガラスの強度不足を補うため、圧縮応力が残留する表面層および裏面層を有する強化ガラスが開発されている。強化ガラスは、自動車用窓ガラスや建築用窓ガラスとしても用いられている。
強化ガラスは、例えば風冷強化法や化学強化法などで作製される。風冷強化法は、軟化点付近の温度のガラスを表面および裏面から急冷し、ガラスの表面および裏面と内部との間に温度差をつけることで、圧縮応力が残留する表面層および裏面層を形成する。一方、化学強化法は、ガラスの表面および裏面をイオン交換し、ガラスに含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)を、大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換することで、圧縮応力が残留する表面層および裏面層を形成する。いずれの方法でも、反作用として、表面層と裏面層との間に、引張応力が残留する中間層を形成することになる。
強化ガラスを製造する場合、製品サイズのガラスを1枚ずつ強化処理するよりも、製品サイズよりも大型のガラスを強化処理した後、切断して多面取りするほうが効率的である。そこで、強化ガラス板を切断する方法として、強化ガラス板の表面にレーザ光を照射し、強化ガラス板の表面上でレーザ光の照射領域を移動させることで、強化ガラス板を切断する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2008−247732号公報 国際公開第2010/126977号
レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する場合、強化ガラス板の切断条件を最適化する必要がある。すなわち、強化ガラス板の切断条件が不適切な場合、クラックが意図しない方向に伸展し、切断線が切断予定線から外れ、切断後の強化ガラス板の品質が劣化してしまうという問題があった。
上記課題に鑑み本発明の目的は、品質を劣化させることなく、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置を提供することである。
本発明の第1の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、当該表面層および裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有する強化ガラス板を、当該強化ガラス板に照射されるレーザ光の照射領域を移動させることで切断する強化ガラス板の切断方法であって、前記強化ガラス板と前記レーザ光とは、前記レーザ光に対する前記強化ガラス板の吸収係数をα(cm−1)、前記強化ガラス板の厚さをt(cm)として、0<α×t≦3.0の式を満たし、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所を冷却しながら切断する、強化ガラス板の切断方法である。
本発明の第2の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて前記曲率を有する箇所がより低温となるように冷却する。
本発明の第3の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記強化ガラス板の表面側および裏面側の少なくとも一方から気体を吹き付けることで前記曲率を有する箇所を冷却する。
本発明の第4の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記気体が通過する空洞を有し、当該空洞を前記レーザ光が通過可能に構成された冷却ノズルを前記レーザ光の照射領域の移動と同期して移動することで、前記曲率を有する箇所を冷却する。
本発明の第5の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記曲率を有する箇所に前記気体が吹き付けられるように固定されたノズルを用いて前記曲率を有する箇所を冷却する。
本発明の第6の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記気体はミストを含む。
本発明の第7の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記気体は、前記強化ガラス板が切断される周囲の温度よりも低温の気体である。
本発明の第8の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記気体の熱伝達率は空気の熱伝達率よりも大きい。
本発明の第9の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、前記強化ガラス板の表面側および裏面側のそれぞれから吹き付ける気体の流速が略同一である。
本発明の第10の態様にかかる強化ガラス板の切断方法は上述の強化ガラス板の切断方法において、更に、前記強化ガラス板に照射される単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーを前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて大きくする。
本発明の第11の態様にかかる強化ガラス板切断装置は、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、当該表面層および裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有する強化ガラス板を、当該強化ガラス板に照射されるレーザ光の照射領域を移動させることで切断する強化ガラス板切断装置であって、前記強化ガラス板を保持すると共に、当該強化ガラス板を所定の方向に移動するガラス保持駆動部と、前記強化ガラス板を切断するためのレーザ光を出力するレーザ出力部と、前記強化ガラス板の切断時に当該強化ガラス板の表面および裏面の少なくとも一方を冷却する冷却部と、前記ガラス保持駆動部、前記レーザ出力部、および冷却部を制御プログラムに基づき制御する制御部と、前記制御プログラムを生成する制御プログラム生成部と、を備え、前記制御プログラム生成部は、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所を冷却しながら切断する制御プログラムを生成する。
本発明の第12の態様にかかる強化ガラス板切断装置は上述の強化ガラス板切断装置において、前記制御プログラム生成部は、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて前記曲率を有する箇所がより低温となるように冷却する制御プログラムを生成する。
本発明の第13の態様にかかる強化ガラス板切断装置は上述の強化ガラス板切断装置において、前記冷却部は、前記強化ガラス板の表面側および裏面側の少なくとも一方から気体を吹き付けることで前記強化ガラス板を冷却する。
本発明の第14の態様にかかる強化ガラス板切断装置は上述の強化ガラス板切断装置において、前記冷却部は前記レーザ光の照射領域の移動と同期して移動可能な冷却ノズルを有し、前記冷却ノズルは前記気体が通過する空洞を備え、当該空洞を前記レーザ光が通過可能に構成されている。
本発明の第15の態様にかかる強化ガラス板切断装置は上述の強化ガラス板切断装置において、前記冷却部は、前記曲率を有する箇所に前記気体が吹き付けられるように固定されたノズルを有する。
本発明により、品質を劣化させることなく、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置を提供することができる。
強化ガラス板の断面図である。 図1に示す強化ガラス板の残留応力の分布を示す図である。 強化ガラス板の切断方法を説明するための図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1のB−B線に沿った断面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法における冷却の効果を説明するための図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法における冷却の効果を説明するための図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルの一例を示す断面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルの他の例を示す断面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルの他の例を示す上面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルの他の例を示す側面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルの他の例を示す側面図である。 実施の形態にかかる強化ガラス板の切断装置を説明するための図である。 強化ガラス板から切り出されたサンプルの評価方法を説明するための上面図である。 強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの評価結果を示す表である。 強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの最大寸法誤差δmaxとの関係を示すグラフである。 強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの寸法誤差の平均値δavgとの関係を示すグラフである。 強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの評価結果を示す表である。 強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの寸法誤差幅Δδとの関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、強化ガラス板の構造と、強化ガラス板の切断方法の原理について説明する。
図1は強化ガラス板の断面図であり、図2は図1に示す強化ガラス板の残留応力の分布を示す図である。図1において、矢印の方向は応力の作用方向を示し、矢印の大きさは応力の大きさを示す。
図1に示すように、強化ガラス板10は、圧縮応力が残留する表面層13および裏面層15と、表面層13と裏面層15との間に設けられ、引張応力が残留する中間層17とを有する。図2に示すように、表面層13および裏面層15に残留する圧縮応力(>0)は、強化ガラス板10の表面12および裏面14から内部に向けて徐々に小さくなる傾向がある。また、中間層17に残留する引張応力(>0)は、ガラスの内部から表面12および裏面14に向けて徐々に小さくなる傾向がある。
図2において、CSは表面層13や裏面層15における最大残留圧縮応力(表面圧縮応力)(>0)、CTは中間層17における内部残留引張応力(中間層17の残留引張応力の平均値)(>0)、DOLは表面層13や裏面層15の厚さをそれぞれ示す。CS、CT、およびDOLは、強化処理条件で調節可能である。例えば、風冷強化法を用いた場合、CS、CT、およびDOLはガラスの冷却速度などで調節可能である。また、化学強化法を用いた場合、CS、CT、およびDOLは、ガラスを処理液(例えば、KNO溶融塩)に浸漬してイオン交換するので、処理液の濃度や温度、浸漬時間などで調節可能である。なお、表面層13および裏面層15は、同じ厚さ、同じ最大残留圧縮応力を有するが、異なる厚さを有してもよいし、異なる最大残留圧縮応力を有してもよい。
図3は、強化ガラス板の切断方法を説明するための図である。図3に示すように、強化ガラス板10の表面12にレーザ光20を照射し、強化ガラス板10の表面12上で、レーザ光20の照射領域22を移動(走査)させることで、強化ガラス板10に応力を印加して、強化ガラス板10を切断する。
強化ガラス板10の端部には、切断開始位置に初期クラックが予め形成されている。初期クラックの形成方法は、一般的な方法であって良く、例えばカッタやヤスリ、レーザで形成される。工程数を削減するため、初期クラックを予め形成しなくてもよい。特に、強化ガラス板10の端部が切断前に予め回転砥石などで研削されている場合、研削時にマイクロクラックが形成されるので、初期クラックを形成しなくて良い。
強化ガラス板10の表面12上において、レーザ光20の照射領域22は、強化ガラス板10の端部から内側に向けて、切断予定線に沿って、直線状や曲線状に移動される。これによって、強化ガラス板10の端部から内側に向けてクラック31を形成し、強化ガラス板10を切断する。レーザ光20の照射領域22は、P字状に移動されても良く、この場合、移動経路の終端は、移動経路の途中と交わる。
レーザ光20の光源としては、特に限定されないが、例えば、UVレーザ(波長:355nm)、グリーンレーザ(波長:532nm)、半導体レーザ(波長:808nm、940nm、975nm)、ファイバーレーザ(波長:1060〜1100nm)、YAGレーザ(波長:1064nm、2080nm、2940nm)などが挙げられる。レーザ光20の発振方式に制限はなく、レーザ光を連続発振するCWレーザ、レーザ光を断続発振するパルスレーザのいずれも使用可能である。また、レーザ光20の強度分布に制限はなく、ガウシアン型であっても、トップハット型であってもよい。
レーザ光20に対する強化ガラス板10の吸収係数をα(cm−1)、強化ガラス板10の厚さをt(cm)として、強化ガラス板10とレーザ光20とが、0<α×t≦3.0の式を満たす場合、レーザ光20のみの作用ではなく、中間層17の残留引張応力によるクラックの伸展を利用して強化ガラス板10を切断することができる。すなわち、上記条件で、レーザ光20の照射領域22における中間層17を徐冷点以下の温度で加熱することによって、中間層17の残留引張応力によって強化ガラス板10に生じるクラック31の伸展を制御して、残留引張応力によるクラック31によって強化ガラス板10を切断することが可能となる。なお、中間層17を徐冷点以下の温度で加熱するのは、徐冷点を超えて加熱すると、レーザ光が通過する短時間でもガラスが高温となり粘性流動が発生しやすい状態となるため、この粘性流動によりレーザ光によって発生させた圧縮応力が緩和されるからである。
強化ガラス板10に入射する前のレーザ光20の強度をIとし、強化ガラス板10中を距離L(cm)だけ移動したときのレーザ光20の強度をIとすると、I=I×exp(−α×L)の式が成立する。この式は、ランベルト・ベールの法則と呼ばれるものである。
α×tを0より大きく3.0以下とすることで、レーザ光20が、強化ガラス板10の表面で吸収されずに内部にまで到達するようになるため、強化ガラス板10の内部を十分に加熱できる。その結果、強化ガラス板10に生じる応力は、図1に示す状態から、図4や図5に示す状態に変化する。
図4は、図3のA−A線に沿った断面図であって、レーザ光の照射領域を含む断面図である。図5は、図3のB−B線に沿った断面図であって、図4に示す断面よりも後方の断面である。ここで、「後方」とは、レーザ光20の走査方向上流側を意味する。図4および図5において、矢印の方向は、応力の作用方向を示し、矢印の長さは、応力の大きさを示す。
レーザ光20の照射領域22における中間層17では、レーザ光20の強度が十分に高いので、温度が周辺に比べて高くなり、図1および図2に示す残留引張応力よりも小さい引張応力、または、圧縮応力が生じる。残留引張応力よりも小さい引張応力、または、圧縮応力が生じている部分では、クラック31の伸展が抑制される。クラック31の伸展を確実に防止するため、図4に示すように、圧縮応力が生じていることが好ましい。
なお、図4に示すように、レーザ光20の照射領域22における表面層13や裏面層15では、図1および図2に示す残留圧縮応力よりも大きい圧縮応力が生じているので、クラック31の伸展が抑制されている。
図4に示す圧縮応力との釣り合いのため、図4に示す断面よりも後方の断面では、図5に示すように、中間層17に引張応力が生じる。この引張応力は、残留引張応力よりも大きく、引張応力が所定値に達している部分に、クラック31が形成される。クラック31は強化ガラス板10の表面12から裏面14まで貫通しており、図3に示す切断は所謂フルカット切断である。
この状態で、レーザ光20の照射領域22を移動させると、照射領域22の位置に追従するようにクラック31の先端位置が移動する。すなわち、図3に示す切断方法では、強化ガラス板10を切断する際に、レーザ光の走査方向後方に発生する引張応力(図5参照)によりクラック31の伸展方向を制御し、レーザ光が照射されている領域に発生する圧縮応力(図4参照)を用いて、クラック31の伸展をおさえながら切断している。よって、クラック31が切断予定線から外れて自走することを抑制することができる。
ガラスは、用途によっては、高い透明度が要求されるので、使用レーザ波長が可視光の波長領域に近い場合はα×tは0に近いほどよい。しかし、α×tは、小さすぎると吸収効率が悪くなるので、好ましくは0.0005以上(レーザ光吸収率0.05%以上)、より好ましくは0.002以上(レーザ光吸収率0.2%以上)、さらに好ましくは0.004以上(レーザ光吸収率0.4%以上)である。
ガラスは、用途によっては、逆に低い透明度が要求されるので、使用レーザ波長が可視光の波長領域に近い場合はα×tは大きいほどよい。しかし、α×tが大きすぎるとレーザ光の表面吸収が大きくなるのでクラック伸展を制御できなくなる。このため、α×tは、好ましくは3.0以下(レーザ光吸収率95%以下)、より好ましくは0.1以下(レーザ光吸収率10%以下)、さらに好ましくは0.02以下(レーザ光吸収率2%以下)である。
吸収係数(α)は、レーザ光20の波長、強化ガラス板10のガラス組成などで定まる。例えば、強化ガラス板10中の酸化鉄(FeO、Fe、Feを含む)の含有量、酸化コバルト(CoO、Co、Coを含む)の含有量、酸化銅(CuO、CuOを含む)の含有量が多くなるほど、1000nm付近の近赤外線波長領域での吸収係数(α)が大きくなる。さらに、強化ガラス板10中の希土類元素(例えばYb)の酸化物の含有量が多くなるほど、希土類原子の吸収波長付近で吸収係数(α)が大きくなる。
1000nm付近の近赤外線波長領域での吸収係数(α)は、用途に応じて設定される。例えば、自動車用窓ガラスの場合、吸収係数(α)は3cm−1以下であることが好ましい。また、建築用窓ガラスの場合、吸収係数(α)は0.6cm−1以下であることが好ましい。また、ディスプレイ用ガラスの場合、吸収係数(α)は0.2cm−1以下であることが好ましい。
レーザ光20の波長は、250〜5000nmであることが好ましい。レーザ光20の波長を250〜5000nmとすることで、レーザ光20の透過率と、レーザ光20による加熱効率とを両立できる。レーザ光20の波長は、より好ましくは300〜4000nm、さらに好ましくは800〜3000nmである。
強化ガラス板10中の酸化鉄の含有量は、強化ガラス板10を構成するガラスの種類によるが、ソーダライムガラスの場合、例えば0.02〜1.0質量%である。この範囲で酸化鉄の含有量を調節することで、1000nm付近の近赤外線波長領域でのα×tを所望の範囲に調節可能である。酸化鉄の含有量を調節する代わりに、酸化コバルトや酸化銅、希土類元素の酸化物の含有量を調節してもよい。
強化ガラス板10の厚さ(t)は、用途に応じて設定されるが、0.01〜0.2cmであることが好ましい。化学強化ガラスの場合、厚さ(t)を0.2cm以下とすることで、内部残留引張応力(CT)を十分に高めることができる。一方、厚さ(t)が0.01cm未満になると、ガラスに化学強化処理を施すことが難しい。厚さ(t)は、より好ましくは0.03〜0.15cm、さらに好ましくは0.05〜0.15cmである。
以上で説明した方法を用いることで、強化ガラス板を切断することができる。
次に、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法について説明する。図6は、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法を説明するための図である。図6は、強化ガラス板10を上面から見た図である。また、強化ガラス板10に示す破線は、上記で説明した切断方法を用いて、強化ガラス板10からサンプル40を切り出す際の切断予定線32を示している。サンプル40は、所定の曲率半径Rを有する4つのコーナー部41、42、43、44、および直線部51、52、53、54を有する四角形である。なお、図6に示す形状のサンプル40は一例であり、他の任意の形状のサンプルを強化ガラス板10から切り出す場合にも、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法を用いることができる。
強化ガラス板10からサンプル40を切り出す際は、切断予定線32を通過するようにレーザ光を走査する。つまり、切断開始位置45からレーザ光の走査を開始し、直線部51、コーナー部41、直線部52、コーナー部42、直線部53、コーナー部43、直線部54、コーナー部44、を経由して、直線部51上の切断終了位置46までレーザ光を走査する。このとき、切断開始位置45、つまり強化ガラス板10の端部には初期クラックが予め形成されている。初期クラックは、例えばカッタ、ヤスリ、レーザで形成することができる。
このように、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する場合、強化ガラス板の切断条件を最適化する必要がある。すなわち、強化ガラス板の切断条件が不適切な場合、クラックが意図しない方向に伸展し、切断線が切断予定線から外れ、切断後の強化ガラス板の品質が劣化してしまうという問題があった。
特に、図6に示す形状のサンプル40では、曲率を有する4つのコーナー部41、42、43、44を有する。この曲率を有する箇所は、直線部よりもクラックが意図しない方向に伸展しやすい。よって、コーナー部41、42、43、44を切断する際は特に切断条件を最適化する必要がある。
本実施の形態では、強化ガラス板10を切断する際に、レーザ光が照射されている領域に発生する圧縮応力(図4参照)を用いて、レーザ光の走査方向後方に発生する引張応力(図5参照)によるクラックの伸展をおさえながら切断している。このとき、走査方向後方に発生する引張応力によるクラックの伸展は、レーザ光の走査軌跡の接線方向に向かう性質がある。このため、曲率を有する箇所は、直線部よりもクラックが意図しない方向に伸展しやすい。特に、コーナー部の曲率半径が小さくなると(つまり、カーブが急になると)、走査方向後方に発生する引張応力によるクラック伸展方向の制御ができなくなるため、クラックが意図しない方向に伸展しやすくなる。
そこで、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法では、強化ガラス板10を曲率を有するように切断する場合、曲率を有する箇所(コーナー部41、42、43、44)を冷却しながら切断している。このとき、曲率半径が小さくなるにつれて曲率を有する箇所がより低温となるように冷却してもよい。
図7は、強化ガラス板10上においてレーザ光を走査した際に、強化ガラス板10の板厚中心部分に発生する応力の分布を示す図である(冷却なし)。図7に示すように、強化ガラス板10のレーザ光の照射領域22には圧縮応力33が発生する。また、レーザ光の照射領域22の中心X1から距離D1だけ離れた走査方向後方の位置X2には引張応力35が発生する。本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法では、レーザ光の照射により発生する引張応力35をクラック31の端部に作用させつつ、レーザ光の照射領域22に働く圧縮応力33を用いてクラックの伸展を抑えることで、走査方向後方におけるクラック31の伸展方向を制御しながら強化ガラス板10を切断している。
図8は、強化ガラス板10上においてレーザ光を走査した際に、強化ガラス板10の板厚中心部分に発生する応力の分布を示す図である(冷却あり)。図12に示す場合も同様に、強化ガラス板10のレーザ光の照射領域22には圧縮応力33が発生する。また、レーザ光の照射領域22の中心X1から距離D2だけ離れた走査方向後方の位置X2'には引張応力35が発生する。そして、図8に示す場合は、強化ガラス板10の表面を冷却しているので、圧縮応力33が発生する位置X1と引張応力が発生する位置X2'との距離D2が、冷却をしていない場合の距離D1(図7参照)と比べて短くなっている。このため、強化ガラス板10の表面を冷却した場合は、圧縮応力33が発生する位置X1と引張応力が発生する位置X2'とを近づけることができるので、走査方向後方におけるクラックの伸展方向を精度よく制御することができる。よって、レーザ光を走査して強化ガラス板を切断する際に強化ガラス板を冷却することで、切断時にクラックが切断予定線から外れて意図しない方向に伸展することを抑制することができる。
このとき、例えば強化ガラス板10の表面側および裏面側の少なくとも一方から気体を吹き付けることで 曲率を有する箇所(コーナー部41、42、43、44)を冷却してもよい。つまり、強化ガラス板10の表面にのみ気体を吹き付けることでコーナー部41、42、43、44を冷却してもよく、強化ガラス板10の裏面にのみ気体を吹き付けることでコーナー部41、42、43、44を冷却してもよく、強化ガラス板10の表面および裏面の両方にそれぞれ気体を吹き付けることでコーナー部41、42、43、44を冷却してもよい。
冷却に用いる気体として、例えば空気や窒素等を用いることができる。また、冷却能力を高めるために、気体に微小水分を含んだミストを含めてもよい。また、冷却に用いる気体として、強化ガラス板が切断される周囲の温度よりも低温の気体を用いてもよい。更に、冷却に用いる気体として、空気の熱伝達率よりも熱伝達率が大きい気体を用いてもよい。
図9は、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる冷却ノズルを説明するための断面図である。図9に示す冷却ノズル28は、強化ガラス板10の表面側から気体を吹き付ける場合に用いられる。図9に示すように、冷却ノズル28は、冷却ノズル28の内部を気体が流れるように、テーパー状の空洞が形成されている。このとき、テーパー状の空洞は、レンズ25で集光されたレーザ光20が冷却ノズル28の内部を通過できるような大きさとする。また、冷却ノズル28は、レーザ光の照射領域の移動と同期して(つまり、レーザ光と同じ走査速度で)移動することができるように構成する。
冷却ノズル28の先端の開口部の直径φ1、および冷却ノズル28の先端と強化ガラス板10の表面12との距離Gap1は任意に決定することができる。ここで、冷却ノズル28の先端の開口部の直径φ1が小さい程、強化ガラス板10に吹き付けられる気体の流速が速くなるため、強化ガラス板10の表面12における冷却能力が向上する。また、冷却ノズル28の先端と強化ガラス板10の表面との距離Gap1が小さい程、強化ガラス板10の表面12における冷却能力が向上する。
また、強化ガラス板10の表面側および裏面側からそれぞれ気体を吹き付けることでコーナー部41、42、43、44を冷却する場合は、例えば、図10に示す冷却ノズルを用いることができる。図10に示す冷却ノズルは、図9に示した冷却ノズル28に加えて、強化ガラス板10の裏面側から気体を吹き付ける冷却ノズル29を備える。冷却ノズル29も冷却ノズル29の内部を気体が流れるように、テーパー状の空洞が形成されている。そして、冷却ノズル28と同様に、冷却ノズル29は、レーザ光の照射領域の移動と同期して(つまり、レーザ光と同じ走査速度で)移動することができるように構成する。
冷却ノズル29の先端の開口部の直径φ2、および冷却ノズル29の先端と強化ガラス板10の裏面14との距離Gap2は任意に決定することができる。ここで、冷却ノズル29の先端の開口部の直径φ2が小さい程、強化ガラス板10に吹き付けられる気体の流速が速くなるため、強化ガラス板10の裏面14における冷却能力が向上する。また、冷却ノズル29の先端と強化ガラス板10の裏面14との距離Gap2が小さい程、強化ガラス板10の裏面14における冷却能力が向上する。
なお、冷却ノズル28の開口部の直径φ1と冷却ノズル29の開口部の直径φ2はそれぞれ異なるようにしてもよい。また、冷却ノズル28の先端と強化ガラス板10の表面12との距離Gap1と、冷却ノズル29の先端と強化ガラス板10の裏面14との距離Gap2は、それぞれ異なるようにしてもよい。しかし、強化ガラス板に作用する応力を考慮すると、冷却ノズル28の開口部の直径φ1と冷却ノズル29の開口部の直径φ2とを同一にし、冷却ノズル28の距離Gap1と冷却ノズル29の距離Gap2とを同一にし、更に冷却ノズル28、29に流す気体の流量を同一にすることが好ましい。つまり、強化ガラス板10の表面側および裏面側のそれぞれから吹き付けられる気体の流速を略同一とすることが好ましい。
冷却ノズル28、29には、例えば気体供給部83(図14参照)から冷却用の気体が供給される。また、図9では冷却ノズル28を用いて強化ガラス板10の表面12を冷却する場合について、図10では冷却ノズル28、29を用いて強化ガラス板10の表面12および裏面14を冷却する場合について説明した。しかし、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法では、冷却ノズル29のみを用いて強化ガラス板10を冷却してもよい(つまり、裏面側のみ冷却してもよい)。
また、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法では、曲率を有する箇所に気体を吹き付ける際に固定された冷却ノズルを用いてもよい。図11は、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる固定された冷却ノズルを示す上面図である。また、図12は、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法に用いられる固定された冷却ノズルを示す側面図(冷却ノズル63、64側からみた図)である。
図11に示すように、固定された冷却ノズル61、62、63、64は、強化ガラス板10から切り出されるサンプル40のコーナー部41、42、43、44に、冷却用の気体を吹き付けることができるように配置されている。このとき、図12に示すように、冷却ノズル63、64(冷却ノズル61、62も含む)は、強化ガラス板10の表面12のレーザ光20の走査位置に冷却用の気体を吹き付けることができるように配置されている。また、図12に示すように、強化ガラス板10の裏面14を冷却するための冷却ノズル73、74を設けてもよい。なお、強化ガラス板10は、ガラス保持駆動部82に保持されているため、図10に示した冷却ノズル29を用いた場合は、冷却ノズル29とガラス保持駆動部82とが接触する場合も想定される。このような場合は、図12に示す固定された冷却ノズル73、74を用いることで、冷却ノズル29とガラス保持駆動部82とが接触することを防ぐことができる。
なお、各冷却ノズルには、例えば気体供給部83(図14参照)から冷却用の気体が供給される。また、図12では固定された冷却ノズルを強化ガラス板10の表面側および裏面側の両方に設けた場合を示したが、固定された冷却ノズルは強化ガラス板10の表面側にのみ設けてもよく、強化ガラス板10の裏面側にのみ設けてもよい。また、図9、図10に示した冷却ノズル28、29と、図11、図12に示した冷却ノズル61、62、63、64、73、74を組み合わせて用いてもよい。
例えば、図13(側面図)に示すように、強化ガラス板の表面12の冷却に図9、図10に示した可動式の冷却ノズル28を用い、強化ガラス板の裏面14の冷却に図11、図12に示した固定された冷却ノズル73、74(実際には、図11に示すように4つのコーナー部に設けられている)を用いてもよい。
また、本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法では、曲率を有する箇所を冷却しながら切断することに加えて、強化ガラス板10に照射される単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーを曲率半径が小さくなるにつれて大きくしてもよい。このように、レーザ光の照射エネルギーを曲率半径が小さくなるにつれて大きくすることで、レーザ光の走査方向後方に発生する引張応力を大きくすることができ、曲率半径が小さい場合であっても、レーザ光の走査方向後方におけるクラックの伸展方向を制御しながら強化ガラス板10を切断することができる。
ここで、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)は、レーザ光の出力をP(W)、レーザ光の走査速度をv(mm/s)、強化ガラス板10に照射されるレーザ光のビーム径をφ(mm)とすると、次の式で表すことができる。
E(J/mm)=P(W)/(v(mm/s)×φ(mm)) ・・・式1
すなわち、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)は、レーザ光が単位時間(1秒間)に強化ガラス板10を走査する面積あたりのエネルギーである。以下では、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーを、単位エネルギーとも記載する。
なお、直線は曲率半径Rが∞であるので、直線部51、52、53、54を切断する際のレーザ光の単位エネルギーは、コーナー部41、42、43、44を切断する際のレーザ光の単位エネルギーよりも小さくすることができる。
例えば、上記の式1より、レーザ光の照射領域の移動速度(走査速度)を遅くすることで、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を大きくすることができる。また、レーザ光の出力を大きくすることで、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を大きくすることができる。また、レーザ光の照射領域の面積(つまり、ビーム径φ)を小さくすることで、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を大きくすることができる。
また、本実施の形態では、強化ガラス板10の吸収係数αが大きくなるにつれて、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を小さくしてもよい。吸収係数αが大きい場合は、強化ガラス板10に吸収されるエネルギーが多くなるため、その分だけ単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を小さくすることができる。
また、強化ガラス板の厚さtが厚くなるにつれて、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を大きくしてもよい。強化ガラス板の厚さtが厚い場合は、強化ガラス板10に供給するエネルギーを多くする必要があるため、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を大きくすることが好ましい。また、強化ガラス板10の熱膨張係数が大きくなるにつれて、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を小さくしてもよい。強化ガラス板10の熱膨張係数が大きいとレーザ光の走査方向後方に発生する引張応力が大きくなるため、その分だけ単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーE(J/mm)を小さくすることができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法により、品質を劣化させることなく、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断することができる。
次に、上記で説明した本実施の形態にかかる強化ガラス板の切断方法を実施するための強化ガラス板切断装置について説明する。図14は、本実施の形態にかかる強化ガラス板切断装置を説明するための図である。本実施の形態にかかる強化ガラス板切断装置80は、レーザ出力部81、ガラス保持駆動部82、冷却ノズル28、気体供給部83、制御部84、および制御プログラム生成部85を有する。なお、図14では、強化ガラス板10の切断時に強化ガラス板10の表面および裏面の少なくとも一方を冷却する冷却部の一例として可動式の冷却ノズル28を示した。しかし、固定された冷却ノズル(図11、図12参照)や、可動式の冷却ノズルと固定された冷却ノズルとを組み合わせたもの(図13参照)を冷却部として用いてもよい。
レーザ出力部81は、強化ガラス板10を切断するためのレーザ光20を出力する。レーザ光20の光源としては、例えば、UVレーザ(波長:355nm)、グリーンレーザ(波長:532nm)、半導体レーザ(波長:808nm、940nm、975nm)、ファイバーレーザ(波長:1060〜1100nm)、YAGレーザ(波長:1064nm、2080nm、2940nm)などを用いることができる。
ここで、近赤外のレーザ光を用いる場合、近赤外における吸収を増加させるために強化ガラス板にFe等の不純物を添加する必要がある。近赤外において吸収特性を持つ不純物を添加した場合、可視光領域の吸収特性にも影響を与えるため、強化ガラス板の色味や透過率に影響を及ぼす場合がある。このようなことを防止するために、レーザ光20の光源として、波長が2500〜5000nmの中赤外のレーザを用いてもよい。波長が2500〜5000nmの帯域ではガラス自体の分子振動に起因する吸収が発生するため、Fe等の不純物の添加が不要となる。
レーザ出力部81は、レーザ光の焦点を調整するための光学系を備えている。レーザ光のパワー(レーザ出力)、レーザ光のビーム径(焦点)、レーザ照射のタイミングなどは、制御部84を用いて制御される。
ガラス保持駆動部82は、加工対象である強化ガラス板10を保持すると共に、強化ガラス板10を所定の方向に移動する。すなわち、ガラス保持駆動部82は、レーザ光が強化ガラス10の切断予定線を走査するように、強化ガラス板10を移動する。ガラス保持駆動部82は、制御部84を用いて制御される。ガラス保持駆動部84は、加工対象である強化ガラス板10を多孔質板等を用いて吸着することで固定してもよい。また、ガラス保持駆動部82は、強化ガラス板10の位置を決定するための画像検出器を備えていてもよい。位置決め用の画像検出器を備えることで、強化ガラス板10の加工精度を向上させることができる。
なお、図14に示した強化ガラス板切断装置80では、レーザ光20の照射領域が強化ガラス板10上を移動するように、ガラス保持駆動部82を用いて強化ガラス10を移動している。このとき、レーザ出力部81および冷却ノズル28は固定されている。しかし、ガラス保持駆動部82に保持されている強化ガラス板10を固定し、レーザ出力部81および冷却ノズル28を移動させることで、レーザ光20の照射領域を強化ガラス板10上において移動させてもよい。また、ガラス保持駆動部82に保持されている強化ガラス板10とレーザ出力部81と冷却ノズル28とがそれぞれ移動するように構成してもよい。この場合は、冷却ノズル28が、レーザ光の照射領域の移動と同期して移動するようにする。
気体供給部83は、冷却ノズル28に冷却用の気体を供給する。気体供給部83は、冷却ノズル28に供給される気体の流量を調整する流量調整部を備えている。制御部84は、この流量調整部を制御することで、強化ガラス板10における冷却の度合いを調整することができる。
制御部84は、レーザ出力部81、ガラス保持駆動部82、気体供給部83を、制御プログラム生成部85で生成された制御プログラムに基づき制御する。
制御プログラム生成部85は、強化ガラス板10の熱膨張係数、厚さ、レーザ光に対する強化ガラス板の吸収係数、および強化ガラス板の中間層の残留引張応力の少なくとも一つに応じて、強化ガラス板に照射される単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーを制御する制御プログラムを生成する。
また、制御プログラム生成部85は、強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、曲率を有する箇所を冷却しながら切断する制御プログラムを生成する。このとき、制御プログラム生成部85は、切断予定線の曲率半径が小さくなるにつれて曲率を有する箇所がより低温となるように冷却する制御プログラムを生成してもよい。
例えば、制御プログラム生成部85は、予め入力された切断予定線に関する情報に基づいて冷却が必要な箇所(所定の曲率を有する箇所)を決定する。そして、レーザ光の走査位置がこの冷却が必要な箇所に到達した際に、気体供給部83から冷却ノズル28に冷却用の気体が供給されるようなプログラムを生成する。
なお、制御プログラム生成部85は、強化ガラス板10の切断予定線における曲率半径に応じて、レーザ光の照射領域の面積(つまり、ビーム径φ)、レーザ光の出力、およびレーザ光の走査速度を制御する制御プログラムを生成してもよい。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる発明により、品質を劣化させることなく、レーザ光を用いて強化ガラス板を切断する強化ガラス板の切断方法、および強化ガラス板切断装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。実施例1では、強化ガラス板の表面側から強化ガラス板を冷却した場合について説明する。また、実施例2では、強化ガラス板の表面側および裏面側から強化ガラス板を冷却した場合について説明する。
<実施例1>
実施例1では、板厚が1.1mm、大きさが50mm×90mm(W=50mm、L=90mm)、残留引張応力CTが22MPaの強化ガラス板を用いた。強化ガラス板を切断する際は、実施の形態で説明した切断方法(図6参照)を用いた。また、強化ガラス板から切り出すサンプルのコーナー部の曲率半径はR=5mmとした。強化ガラス板の端部の切断開始位置には、初期クラックを予め形成し、強化ガラス板の表面には、スクライブ線を形成しなかった。レーザ光の光源は、ファイバーレーザ(中心波長帯:1070nm)とした。
レーザ光のビーム径は0.1mmとした。レーザ光の走査速度は直線部では5mm/sとし、コーナー部では2.5mm/sとした。また、本実施例では、レーザ光を走査して強化ガラス板を切断する際に、図9に示した冷却ノズル28を用いて強化ガラス板の表面12を冷却しながらレーザ光を走査した。このとき用いた冷却ノズルと強化ガラス板10の表面12との距離Gap1は3mmとした。また、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーは300J/mmとした。
また、強化ガラス板から切り出されたサンプルは、次のようにして評価した。図15は、強化ガラス板から切り出されたサンプル40の評価方法を説明するための上面図である。図15に示すように、サンプル40のコーナー部と直線部との境界付近の幅W1、W3、長手方向中央部の幅W2、コーナー部と直線部との境界付近の長さL1、L3、幅方向中央部の長さL2の合計6つの寸法をノギスを用いて測定した。つまり、コーナー部と直線部との境界付近の幅W1、W3と長さL1、L3とを測定することで、コーナー部における切断の精度を評価することができる。そして、各寸法について寸法誤差を計算した。
ここで寸法誤差とは、測定した寸法から設計寸法を引いた値である。具体的には、例えば幅Wの測定した寸法が50.43mmであった場合は、設計寸法が50mmであるので寸法誤差は0.43mmとなる。このようにして求めた寸法誤差のうち、幅(W1〜W3)の寸法誤差の最小値をδWmin(mm)、幅(W1〜W3)の寸法誤差の最大値をδWmax(mm)、長さ(L1〜L3)の寸法誤差の最小値をδLmin(mm)、長さ(L1〜L3)の寸法誤差の最大値をδLmax(mm)とした。また、このようにして求めた寸法誤差を用いて、寸法誤差幅Δδ、最大寸法誤差δmax、および寸法誤差の平均値δavg(mm)を求めた。
図16に、強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの評価結果を示す。サンプルNo.1では、強化ガラス板を切断する際に冷却を実施しなかった。サンプルNo.1は、切断途中で強化ガラス板が割れたため評価することができなかった。サンプルNo.2では、冷却ノズルの開口部の直径φ1を2mmとし、冷却ノズルを流れる気体の流量f1を15L/minとした。このとき強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速は80m/sであった。また、サンプルNo.3では、冷却ノズルの開口部の直径φ1を2mmとし、冷却ノズルを流れる気体の流量f1を50L/minとした。このとき強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速は265m/sであった。また、サンプルNo.4では、冷却ノズルの開口部の直径φ1を1mmとし、冷却ノズルを流れる気体の流量f1を15L/minとした。このとき強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速は318m/sであった。
このような条件で切り出したサンプルNo.2〜No.4について、上記手法を用いてδWmin、δWmax、δLmin、δLmaxをそれぞれ求めた。また、寸法誤差幅Δδ、最大寸法誤差δmax、および寸法誤差の平均値δavgについてもそれぞれ算出した。
ここで、寸法誤差幅Δδは、幅の寸法誤差δWと長さの寸法誤差δLのうち最大のものと最小のものとの差で定義される。具体的には、幅の寸法誤差の最大値δWmaxと長さの寸法誤差の最大値δLmaxの大きい方と、幅の寸法誤差の最小値δWminと長さの寸法誤差の最小値δLminの小さい方との差である。サンプルNo.2の場合を例に説明すると、幅の寸法誤差の最大値δWmax=0.54mmと長さの寸法誤差の最大値δLmax=0.59mmとでは、長さの寸法誤差の最大値δLmax=0.59mmのほうが大きい。また、幅の寸法誤差の最小値δWmin=0.23mmと長さの寸法誤差の最小値δLmin=0.16mmとでは、長さの寸法誤差の最小値δLmin=0.16mmのほうが小さい。よって、寸法誤差幅Δδは、長さの寸法誤差の最大値δLmax=0.59mmと幅の寸法誤差の最小値δWmin=0.16mmとの差0.43mmとなる。
最大寸法誤差δmaxは、幅の寸法誤差δWの絶対値と長さの寸法誤差δLの絶対値のうち最大のものである。具体的には、幅の寸法誤差の絶対値の最大値δWmaxと長さの寸法誤差の絶対値の最大値δLmaxのうちの大きいほうである。サンプルNo.2の場合を例に説明すると、最大寸法誤差δmaxは長さの寸法誤差の最大値δLmax=0.59mmとなる。
寸法誤差の平均値δavgは、幅(W1〜W3)の寸法誤差と長さ(L1〜L3)の寸法誤差の平均値である。
図17Aに、強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの最大寸法誤差δmaxとの関係を示す。また、図17Bに、強化ガラス板の冷却条件と切り出されたサンプルの寸法誤差の平均値δavgとの関係を示す。図16、図17A、図17Bに示すように、サンプルNo.2(流速80m/s)では、最大寸法誤差δmaxが0.59mm、平均値δavgが0.38mmであった。サンプルNo.3(流速265m/s)では、最大寸法誤差δmaxが0.54mm、平均値δavgが0.37mmであった。サンプルNo.4(流速318m/s)では、最大寸法誤差δmaxが0.48mm、平均値δavgが0.23mmであった。このように、強化ガラス板を切断する際に吹き付けられる気体の流速が速くなる程、最大寸法誤差δmaxおよび平均値δavgが小さくなった。
これは、強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速が速くなる程、強化ガラス板の表面における冷却能力が向上したからであると考えられる。つまり、冷却能力が向上するにつれて、強化ガラス板の圧縮応力が発生する位置と引張応力が発生する位置との距離を短くすることができ、走査方向後方におけるクラックの伸展方向を精度よく制御することができたからであると考えられる。
以上で説明したように、強化ガラス板を切断する際に強化ガラス板の表面側から強化ガラス板を冷却することで、強化ガラス板から精度よくサンプルを切り出すことができた。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、強化ガラス板を切断する際に、強化ガラス板の表面側および裏面側から強化ガラス板を冷却した。本実施例では、板厚が1.1mm、大きさが30mm×45mm(W=30mm、L=45mm)、残留引張応力CTが22MPaの強化ガラス板を用いた。強化ガラス板を切断する際は、実施の形態で説明した切断方法(図6参照)を用いた。また、強化ガラス板から切り出すサンプルのコーナー部の曲率半径はR=5mmとした。強化ガラス板の端部の切断開始位置には、初期クラックを予め形成し、強化ガラス板の表面には、スクライブ線を形成しなかった。レーザ光の光源は、ファイバーレーザ(中心波長帯:1070nm)とした。
レーザ光のビーム径は0.1mmとした。レーザ光の走査速度は、直線部およびコーナー部ともに1mm/sとした。また、本実施例では、レーザ光を走査して強化ガラス板を切断する際に、図13に示した冷却ノズル(上部冷却ノズル)28および固定された冷却ノズル(下部冷却ノズル)73、74を用いた。なお、下部冷却ノズルは図11に示すように、切り出されるサンプル40の4つのコーナー部に配置した。上部冷却ノズルは、レーザ光の照射領域の移動と同期して移動させた。このとき用いた上部冷却ノズルの開口部の直径φ1は1mmとし、上部冷却ノズルと強化ガラス板10の表面との距離Gap1は2mmとした。また、上部冷却ノズルを流れる空気の流量f1は15L/minとした。また、単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーは1000J/mmとした。強化ガラス板から切り出されたサンプルは、実施例1と同様の方法で評価した。
図18に、強化ガラス板の冷却条件(下部冷却ノズルの条件)と切り出されたサンプルの評価結果を示す。サンプルNo.5では、強化ガラス板を切断する際に下部冷却ノズルによる冷却を実施しなかった(上部冷却ノズルを用いた冷却は実施した)。サンプルNo.6では、下部冷却ノズルの開口部の直径φ2を4mmとし、冷却ノズルを流れる気体の流量f2を50L/minとした。このとき強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速は66m/sであった。また、サンプルNo.7では、冷却ノズルの開口部の直径φ2を1mmとし、冷却ノズルを流れる気体の流量f2を15L/minとした。このとき強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速は318m/sであった。
このような条件で切り出したサンプルNo.5〜No.7について、上記手法を用いてδWmin、δWmax、δLmin、δLmaxをそれぞれ求めた。また、寸法誤差幅Δδ、最大寸法誤差δmax、および寸法誤差の平均値δavgについてもそれぞれ算出した。
図19に、強化ガラス板の冷却条件(下部冷却ノズルの条件)と切り出されたサンプルの寸法誤差幅Δδとの関係を示す。図18、図19に示すように、サンプルNo.5(下部冷却なし)では寸法誤差幅Δδが0.11mmであった。サンプルNo.6(流速66m/s)では寸法誤差幅Δδが0.1mmであった。サンプルNo.7(流速318m/s)では寸法誤差幅Δδが0.05mmであった。このように、強化ガラス板を切断する際に下部冷却ノズルから吹き付けられる気体の流速が速くなる程、寸法誤差幅Δδが小さくなった。
これは、下部冷却ノズルから強化ガラス板に吹き付けられる気体の流速が速くなる程、強化ガラス板の表面および裏面における冷却能力が向上したからであると考えられる。つまり、冷却能力が向上するにつれて、強化ガラス板の圧縮応力が発生する位置と引張応力が発生する位置との距離を短くすることができ、走査方向後方におけるクラックの伸展方向を精度よく制御することができたからであると考えられる。
以上で説明したように、強化ガラス板を切断する際に強化ガラス板の表面側および裏面側から強化ガラス板を冷却することで、強化ガラス板から精度よくサンプルを切り出すことができた。
以上、本発明を上記実施の形態および実施例に即して説明したが、上記実施の形態および実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
10 強化ガラス板
12 表面
13 表面層
14 裏面
15 裏面層
17 中間層
20 レーザ光
22 照射領域
25 レンズ
28、29 冷却ノズル
31 クラック
32 切断予定線
33 圧縮応力
35 引張応力
40 サンプル
41、42、43、44 コーナー部
45 切断開始位置
46 切断終了位置
51、52、53、54 直線部
61、62、63、64 冷却ノズル
73、74 冷却ノズル
80 強化ガラス板切断装置
81 レーザ出力部
82 ガラス保持駆動部
83 気体供給部
84 制御部
85 制御プログラム生成部

Claims (15)

  1. 圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、当該表面層および裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有する強化ガラス板を、当該強化ガラス板に照射されるレーザ光の照射領域を移動させることで切断する強化ガラス板の切断方法であって、
    前記強化ガラス板と前記レーザ光とは、前記レーザ光に対する前記強化ガラス板の吸収係数をα(cm−1)、前記強化ガラス板の厚さをt(cm)として、0<α×t≦3.0の式を満たし、
    前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所を冷却しながら切断する、
    強化ガラス板の切断方法。
  2. 前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて前記曲率を有する箇所がより低温となるように冷却する、請求項1に記載の強化ガラス板の切断方法。
  3. 前記強化ガラス板の表面側および裏面側の少なくとも一方から気体を吹き付けることで前記曲率を有する箇所を冷却する、請求項1または2に記載の強化ガラス板の切断方法。
  4. 前記気体が通過する空洞を有し、当該空洞を前記レーザ光が通過可能に構成された冷却ノズルを前記レーザ光の照射領域の移動と同期して移動することで、前記曲率を有する箇所を冷却する、請求項3に記載の強化ガラス板の切断方法。
  5. 前記曲率を有する箇所に前記気体が吹き付けられるように固定されたノズルを用いて前記曲率を有する箇所を冷却する、請求項3に記載の強化ガラス板の切断方法。
  6. 前記気体はミストを含む、請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の強化ガラス板の切断方法。
  7. 前記気体は、前記強化ガラス板が切断される周囲の温度よりも低温の気体である、請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の強化ガラス板の切断方法。
  8. 前記気体の熱伝達率は空気の熱伝達率よりも大きい、請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の強化ガラス板の切断方法。
  9. 前記強化ガラス板の表面側および裏面側のそれぞれから吹き付ける気体の流速が略同一である、請求項3〜8のうちいずれか一項に記載の強化ガラス板の切断方法。
  10. 更に、前記強化ガラス板に照射される単位照射面積あたりのレーザ光の照射エネルギーを前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて大きくする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の強化ガラス板の切断方法。
  11. 圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、当該表面層および裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有する強化ガラス板を、当該強化ガラス板に照射されるレーザ光の照射領域を移動させることで切断する強化ガラス板切断装置であって、
    前記強化ガラス板を保持すると共に、当該強化ガラス板を所定の方向に移動するガラス保持駆動部と、
    前記強化ガラス板を切断するためのレーザ光を出力するレーザ出力部と、
    前記強化ガラス板の切断時に当該強化ガラス板の表面および裏面の少なくとも一方を冷却する冷却部と、
    前記ガラス保持駆動部、前記レーザ出力部、および冷却部を制御プログラムに基づき制御する制御部と、
    前記制御プログラムを生成する制御プログラム生成部と、を備え、
    前記制御プログラム生成部は、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所を冷却しながら切断する制御プログラムを生成する、
    強化ガラス板切断装置。
  12. 前記制御プログラム生成部は、前記強化ガラス板を曲率を有するように切断する場合、前記曲率を有する箇所の曲率半径が小さくなるにつれて前記曲率を有する箇所がより低温となるように冷却する制御プログラムを生成する、請求項11に記載の強化ガラス板切断装置。
  13. 前記冷却部は、前記強化ガラス板の表面側および裏面側の少なくとも一方から気体を吹き付けることで前記強化ガラス板を冷却する、請求項11または12に記載の強化ガラス板切断装置。
  14. 前記冷却部は前記レーザ光の照射領域の移動と同期して移動可能な冷却ノズルを有し、
    前記冷却ノズルは前記気体が通過する空洞を備え、当該空洞を前記レーザ光が通過可能に構成されている、
    請求項13に記載の強化ガラス板切断装置。
  15. 前記冷却部は、前記曲率を有する箇所に前記気体が吹き付けられるように固定されたノズルを有する、請求項13に記載の強化ガラス板切断装置。
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