JP2013119361A - シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シートバックのリクライニング動作に連動してシートクッションが前後に移動するシートにおいて、シートクッションの上下方向の大きさを小型化する。
【解決手段】固定フレーム10と、固定フレーム10に対して前後に移動可能に支持されシートクッションを構成する可動フレーム20と、固定フレーム10に対して前後に回動可能に結合されたシートバックを構成するシートバックフレーム30と、当該シートバックフレーム30を後傾させたときに可動フレーム20を前に移動させるとともに後傾状態から起こしたときに可動フレーム20を後ろに移動させる連動機構Mとを備えたシートである。可動フレーム20は、固定フレーム10に対し上下方向において少なくとも一部が重なるように配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、シートバックのリクライニング動作に連動してシートクッションが前後に移動するシートに関する。
シートバックを後ろへ倒すと、シートバックとシートクッションとの間に望ましくない段差が生じるため、シートバックを後ろに傾けた状態で長時間座っていると、腰が圧迫されたり、腰がシートバックの下端部により前に押し出される状態となって着座姿勢が不安定になることがある。このため、従来、シートバックを後ろに倒す動作に連動してシートクッションが前に移動するシートが考え出されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−257242号公報
しかし、特許文献1のシートは、固定フレームの上に可動フレームが配置された構造であったため、シートクッションが上下方向に非常に大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、シートバックのリクライニング動作に連動してシートクッションが前後に移動するシートにおいて、シートクッションの上下方向の大きさを小型化することができるシートを提供することを目的とする。
前記した目的を達成するための本発明は、固定フレームと、前記固定フレームに対して前後に移動可能に支持されシートクッションを構成する可動フレームと、前記固定フレームに対して前後に回動可能に結合されたシートバックを構成するシートバックフレームと、当該シートバックフレームを後傾させたときに前記可動フレームを前に移動させるとともに後傾状態から起こしたときに前記可動フレームを後ろに移動させる連動機構とを備えたシートであって、前記可動フレームは、前記固定フレームに対し上下方向において少なくとも一部が重なるように配置されたことを特徴とする。
このような構成によれば、可動フレームと固定フレームとが、上下方向において少なくとも一部が重なっているので、シートクッションの上下方向の大きさを小さくすることができる。
このシートにおいて、前記固定フレームは、左右に対向して配置された一対のプレート状の固定サイドフレームを有し、前記連動機構は、前記固定サイドフレームに対し左右方向の一方側に配置され、前記シートバックフレームから駆動力が入力される第1伝達機構と、当該第1伝達機構と前記可動フレームに結合され、前記固定サイドフレームに対し左右方向の他方側に配置された第2伝達機構とを備えてなる構成とすることができる。
このように、連動機構を固定サイドフレームの左右の一方と他方に分けて配置(つまり、1つの連動機構を、1つの固定サイドフレームの両側に跨がるように配置)することで、固定サイドフレームと可動フレームの間には、連動機構の一部のみが配置されることになり、固定サイドフレームと可動フレームを左右方向に近づけて配置することができる。これにより、連動機構のリンクを左右に大きくずらす必要が無く、連動機構の剛性を高くすることができる。
このシートにおいて、前記可動フレームは、前記左右の固定サイドフレームの内側で前記第2伝達機構に結合され、前記第1伝達機構は、前記左右の固定サイドフレームの外側に配置されるのが望ましい。
このような構成によれば、可動フレームが固定サイドフレームの内側で第2伝達機構と結合されるので、可動フレームが第2伝達機構で支持される位置のスパン(左右方向の距離)が短くなり、軽量化と剛性向上を図ることができる。
前記した第1伝達機構と第2伝達機構を有するシートにおいて、前記固定サイドフレームは、上縁もしくは下縁に設けられる凹部または左右に連通する貫通孔を有し、前記第1伝達機構と前記第2伝達機構とは、前記凹部または前記貫通孔を通って結合することができる。
このように、第1伝達機構と第2伝達機構を固定サイドフレームの凹部または貫通孔を通して結合することで、シートクッションの上下方向の大きさをより小さくすることができる。
このシートにおいて、前記可動フレームは、後ろが下がるように斜めに配置され、側方から見て後部が前記固定サイドフレームと重なっており、前記凹部または前記貫通孔は、前記可動フレームと前記固定サイドフレームとが重なる領域の下に位置することが望ましい。
このような構成にすると、第1伝達機構と第2伝達機構が結合される部分が、可動フレームと固定サイドフレームが重なる領域の下、つまり、シートクッションの後部となる。そのため、シートバックと第1伝達機構と第2伝達機構が結合される部分の距離が短くなり、連動機構の前後方向の大きさを小さくすることができる。
前記した第1伝達機構と第2伝達機構を有するシートにおいては、前記可動フレームの前部および前記固定サイドフレームの前部と回動可能に結合されたフロントリンクをさらに備え、当該フロントリンクは、可動範囲において、側方から見て前記固定サイドフレームと重なっていることが望ましい。
このように、フロントリンクが、その可動範囲において、側方から見て前記固定サイドフレームと重なっていると、シートクッションの上下方向の大きさをさらに小さくすることができる。
このシートにおいて、前記可動フレームの後部および前記固定サイドフレームの後部と回動可能に結合されたリアリンクをさらに備え、前記第2伝達機構は、前記第1伝達機構との結合部から後方に延び、前記リアリンクに結合していることが望ましい。
このように、第2伝達機構が第1伝達機構との結合部から後方に延びた上でリアリンクに結合していると、フロントリンクとリアリンクとが前後に離れた位置で可動フレームを支持することができるので、可動フレームを安定して支持することができる。
請求項1に記載の構成によれば、シートクッションの上下方向の大きさを小さくすることができる。
請求項2に記載の構成によれば、連動機構のリンクを左右に大きくずらす必要が無く、連動機構の剛性を高くすることができる。
請求項3に記載の構成によれば、シートクッションの軽量化と剛性向上を図ることができる。
請求項4に記載の構成によれば、シートクッションの上下方向の大きさをより小さくすることができる。
請求項5に記載の構成によれば、連動機構の前後方向の大きさを小さくすることができる。
請求項6に記載の構成によれば、シートクッションの上下方向の大きさをさらに小さくすることができる。
請求項7に記載の構成によれば、可動フレームを安定して支持することができる。
本発明の一実施形態に係る車両用シートの側面図である。 シートフレームの構造を説明する斜視図である。 シートフレームの構造を説明する、左側面図である。 シートフレームの構造を説明する、左のサイドフレームを内側から見た図である。 図4のX矢視図である。 図4のY矢視図である。 図3のZ−Z断面図である。 シートバックを後傾させた状態のシートフレームの側面図である。 シートバックを後傾させたときに、左のサイドフレームを内側から見た図である。 車両用シートの動作を説明する図であり、シートバックを前に倒した状態のシートフレームの側面図である。 変形例に係るシートフレームを説明する図であり、(a)は、左の固定サイドフレームの側面図を示し、(b)は、(a)のW−W断面図である。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明において、前後、左右および上下は、シートに座る人を基準とする。
図1に示すように、シートの一例としての車両用シート1は、シートクッションSCと、シートクッションSCに対し回動可能、すなわち、リクライニング動作が可能に固定されたシートバックSBとを備えて構成されている。車両用シート1は、シートバックSBを後傾させたときには、シートクッションSCを前に移動させ、シートバックSBを後傾状態から起こしたときには、シートクッションSCを後ろに移動させる連動機構Mを有している。
本実施形態において、この連動機構Mは、後にその構成を詳述するように、シートバックSBが基準姿勢S1よりも後ろに位置する範囲ではシートバックSBとシートクッションSCを連動させ、シートバックSBが基準姿勢S1よりも前に位置する範囲では、少なくとも一部の部材間の係合が外れることでシートバックSBの動きにシートクッションSCが連動しなくなっている。ここでの基準姿勢S1は、例えば、車両用シート1に座る人の、通常乗車時(リクライニングさせていない、通常の運転姿勢時)の姿勢である。また、シートが乗物用のシート以外のシート、例えば、映画館のシートや家庭用のソファなどである場合には、基準姿勢は、例えば、シートをリクライニングさせていない、人が座るのに適した姿勢のうち最もシートバックが起立した姿勢である。しかし、本発明における基準姿勢は、これらの姿勢に限定されるわけではなく、そのシートの使い方に応じて適宜設定することができる。
車両用シート1の中には、図2に示すようなシートフレーム1′が入っている。シートフレーム1′は、固定フレーム10と、固定フレーム10に対して前後に移動可能に支持された可動フレーム20と、固定フレーム10に対して前後に回動可能に結合されたシートバックフレーム30とを備えている。シートクッションSCは、可動フレーム20に図示しないクッション部材と表皮部材を被せることで構成され、シートバックSBは、シートバックフレーム30に図示しないクッション部材と表皮部材を被せることで構成されている。なお、図2においては、連動機構Mなどの詳細な構成は省略している。
シートバックフレーム30は、左右に対向して設けられた一対のシートバックサイドフレーム31と、シートバックサイドフレーム31の上端を連結するアッパーフレーム32とを備えてなる。シートバックサイドフレーム31は、図示しないリクライニング機構を介して固定フレーム10に対して、支軸41C回りに回動可能に支持されている。また、左のシートバックサイドフレーム31の外側の面には、連動機構Mの一部としての突起48(第1当接部)が、左右方向外側に向けて突出するように設けられている。なお、後述する回動リンク41が、リクライニング機構を含んでもよい。
固定フレーム10は、左右に対向して配置された一対の固定サイドフレーム10Aを備えている。固定サイドフレーム10Aは、後述するように第1固定サイドフレーム11と、第2固定サイドフレーム12(図3参照)からなり、左右の第1固定サイドフレーム11は、前部において2本のパイプ状の第1連結部材15,16により連結され、後部において1本のパイプ状の第2連結部材17により連結されている。
第1連結部材15は、第1固定サイドフレーム11の前部のうち、下の方に配置され、第1連結部材16は、第1連結部材15の上方に配置されている。第1連結部材15と第1連結部材16は、それぞれ金属板18に溶接などにより固定されることで一体化されている。これにより、固定フレーム10は、上から見て枠状の非常に剛性が高い構造となっている。
次に、図3〜図7を参照して、可動フレーム20を移動させるための構成について説明する。なお、図3および図4は、シートバックフレーム30が基準姿勢S1にあり、可動フレーム20が最も後ろに位置している状態で表している。
図3に示すように、第1固定サイドフレーム11は、前後に長い金属のプレート状の部材であり、その後端部において支軸41C回りでシートバックフレーム30を回動可能に支持している。図4に示すように、第1固定サイドフレーム11は、その縁が左右方向内側に折り曲げられてフランジを形成しており、特に、下側の縁は、左右に広いフランジに形成されて、車両のシート支持部79に固定される固定部11Fとなっている。図3に示すように第1固定サイドフレーム11の下縁には、その中央付近に、上に向けて凹む凹部11Aが形成されている。
第2固定サイドフレーム12は、一対の第1固定サイドフレーム11の内側に配置された一対の金属板からなる部材である。図4に示すように第2固定サイドフレーム12は、前後に長く形成され、前後および下側の縁が左右方向内側に折り曲げられてフランジを形成している。特に、下側の縁は、左右に広いフランジに形成されて、車両のシート支持部79に固定される固定部12Fとなっている。
第1固定サイドフレーム11の固定部11Fと第2固定サイドフレーム12の固定部12Fは、前後に離れた2箇所に、上下に貫通する孔(図示省略)が形成されており、この孔を利用して、各第1固定サイドフレーム11と第2固定サイドフレーム12は、前後に離れた2箇所で脚部材72によりシート支持部79に固定されている。このように、第1固定サイドフレーム11と第2固定サイドフレーム12は、脚部材72により一体化されて固定フレーム10を構成している。なお、シート支持部79は、車両の床であったり、スライドレールであったりする。
可動フレーム20は、フロントリンク61およびリアリンク62により第2固定サイドフレーム12に支持されている。フロントリンク61は、その下端がピン61Aにより第2固定サイドフレーム12の前部に回動可能に結合され、その上端がピン61Bにより可動フレーム20の前部に回動可能に結合されている。リアリンク62は、その下端がピン62Aにより第2固定サイドフレーム12の後部に回動可能に結合され、その上端がピン62Bにより可動フレーム20の後部に回動可能に結合されている。これにより、可動フレーム20は、フロントリンク61、リアリンク62および第2固定サイドフレーム12とともに、ピン61A,61B,62A,62Bを節点とする4節リンク機構を構成している。フロントリンク61およびリアリンク62は共に、可動範囲において、側方から見て固定サイドフレーム10Aと重なっている。このため、フロントリンク61およびリアリンク62は、シートクッションSCの上下方向の大きさに影響を与えないので、シートクッションSCの小型化を図ることができる。
可動フレーム20を支持するフロントリンク61およびリアリンク62は、第1固定サイドフレーム11とは別の第2固定サイドフレーム12に支持される構成であるので、第2固定サイドフレーム12にフロントリンク61およびリアリンク62を組み付けて構成されるサブアセンブリを、第1固定サイドフレームに組み付ける組立方法を採用することができる。このため、フロントリンク61およびリアリンク62の組み付けが容易である。可動フレーム20は、この後にフロントリンク61およびリアリンク62に組み付けるとよい。なお、可動フレーム20を、フロントリンク61およびリアリンク62を用いて第2固定サイドフレーム12に取り付けてサブアセンブリを構成し、このサブアセンブリを、第1固定サイドフレーム11に組み付けられた脚部材72に組み付けてもよい。
フロントリンク61およびリアリンク62の後側には、第2固定サイドフレーム12から左右内側に向けて突出するストッパ12A,12Bがそれぞれ設けられている。ストッパ12A,12Bは、図4に示した可動フレーム20が最も後ろにある状態でフロントリンク61およびリアリンク62に当接して、フロントリンク61およびリアリンク62の最後部の位置を規制している。
図3および図4に示すように、連動機構Mは、シートバックサイドフレーム31に設けられた突起48と、固定サイドフレーム10Aに対して左右方向の一方側、本実施形態では、左右方向の外側に配置された第1伝達機構40と、左右方向の他方側、本実施形態では、左右方向の内側に配置された第2伝達機構50とを備えてなる。
図3に示すように、第1伝達機構40は、回動リンク41と、第1延長リンク42と、第1揺動リンク43とを備えてなる。
回動リンク41は、シートバックフレーム30の回動軸(支軸41Cの中心)と同軸で回動するように固定フレーム10に支持されている。回動リンク41は、第2当接部の一例としての入力アーム41Aが上方に突出して設けられているとともに、出力アーム41Bが、下方へ突出して設けられている。すなわち、入力アーム41Aは、回動リンク41の回動軸よりも上に設けられ、出力アーム41Bは、回動軸よりも下に設けられている。
入力アーム41Aの前(前回り側)には、シートバックサイドフレーム31の突起48が配置され、入力アーム41Aの前面は、突起48と当接可能である。突起48は、シートバックフレーム30が基準姿勢S1にあるときに、入力アーム41Aにちょうど接している。このときの入力アーム41Aの位置を基準位置S2とする。入力アーム41Aは、シートバックフレーム30が後ろに倒されたときに、突起48に押されることで駆動力が入力される。
出力アーム41Bは、第1延長リンク42の後端、すなわち、連動機構Mの他の部分にピン41Dにより回動可能に結合されている。
第1延長リンク42は、前後に長く延びる部材であり、その前端が第1揺動リンク43の中央よりやや上の位置に、ピン42Cにより回動可能に結合されている。第1延長リンク42の前後方向中央付近には、上に突出する舌状部42Aが形成されており、舌状部42Aにはバネ係止孔42Bが形成されている。バネ係止孔42Bには、付勢部材としてのバネ44の後端が係止されている。
第1揺動リンク43は、基準姿勢S1において略鉛直方向に延びる部材であり、下端において、後述するブレーキ機構80の入力軸81に固定されている。すなわち、第1揺動リンク43は、入力軸81と一体でのみ回動可能である。そして、第1揺動リンク43の上端には、バネ係止孔43Bが形成されており、バネ係止孔43Bに、バネ44の前端が係止されている。バネ44は、引っ張りバネであり、常時、第1揺動リンク43の上端と舌状部42Aとを引っ張っている。これにより、可動フレーム20を、常時、後方へ付勢しているとともに、第1伝達機構40の各リンクの結合の遊びを無くし、第1伝達機構40のがたつきを防止している。
図4に示すように、第2伝達機構50は、第2揺動リンク51と、第2延長リンク52とを備えてなる。
第2揺動リンク51は、基準姿勢S1において略鉛直方向(第1揺動リンク43と同じ方向)に延びる部材であり、下端において、ブレーキ機構80の出力軸82に固定されている。すなわち、第2揺動リンク51は、出力軸82と一体でのみ回動可能である。第2揺動リンク51の上端は、第2延長リンク52の前端に、ピン51Cにより回動可能に結合されている。
第2延長リンク52は、前後に長く延びる部材であり、その後端が、リアリンク62の、上端部622のうち、ピン62Bより後ろの部分に、ピン52Cにより回動可能に結合されている。これにより、第2伝達機構50は、固定サイドフレーム10Aの内側で、リアリンク62を介して可動フレーム20に結合されている。第2伝達機構50が固定サイドフレーム10Aの内側で可動フレーム20に結合されていることで、可動フレーム20が第2延長リンク52で支持される位置の左右方向の間隔は小さくなっており、可動フレーム20の軽量化と剛性向上を図ることができる。また、上述の構成から分かるように、第2伝達機構50は、第2揺動リンク51および第2延長リンク52により第1伝達機構40との結合部から後方に延びてリアリンク62に結合されており、これにより、フロントリンク61とリアリンク62とが前後に離れた位置で可動フレーム20を支持することができるので、可動フレーム20を前後に長いスパンで安定して支持することができる。
なお、リアリンク62は、図5に示すように、第2固定サイドフレーム12に結合される下端部621よりも第2延長リンク52や可動フレーム20に結合される上端部622の方が左右方向内側に位置しており、下端部621から上端部622に向け、内側に向けてクランク状に屈曲している。第2延長リンク52は、リアリンク62の上端部622に対し外側に配置されているが、この屈曲によりリアリンク62との干渉が防止されている。また、図6に示すように、フロントリンク61も、リアリンク62と同様に、下端部611に対し上端部612が左右方向内側に位置しており、下端部611から上端部612に向け、内側に向けてクランク状に屈曲している。
また、図4に示すように、第2固定サイドフレーム12と、第2揺動リンク51と、第2延長リンク52と、リアリンク62とは、出力軸82、ピン51C、ピン52Cおよびピン62Aを節とする4節リンク機構を構成している。そして、基準姿勢S1において、ピン62Aとピン52Cを結ぶ線分(リンクの延びる方向)は、後ろに傾いている。
図3および図7に示すように、第1伝達機構40と第2伝達機構50とは、ブレーキ機構80により結合されている。ブレーキ機構80は、入力軸81と、入力軸81と一体に回転する出力軸82と、ハウジング83とを有し、ハウジング83が第2固定サイドフレーム12に固定(支持)されている。ブレーキ機構80は、公知の機構であり、入力軸81に回転力を入力すると、入力軸81および出力軸82がハウジング83に対し回転できるが、出力軸82に回転力を入力しても、入力軸81および出力軸82がハウジング83に対して回転できないようになっている。これにより、シートバックフレーム30側からの連動機構Mの駆動は許容されるが、可動フレーム20側からの駆動は阻止されることとなる。
ブレーキ機構80は、前後方向において、第1連結部材15,16と、第2連結部材17の間に配置されている。また、ブレーキ機構80は、側面視において、前記した第2固定サイドフレーム12の凹部11Aに一部が入り込むように配置されている。もちろん、凹部11Aにブレーキ機構80のすべてが入り込むように配置されていてもよい。
連動機構Mは、図示は省略しているが、右側の固定サイドフレーム10Aの周囲にも、左側の連動機構Mと左右対称に構成された連動機構が設けられている。もっとも、連動機構Mは、左右の一方にのみ設けられていてもよい。
可動フレーム20は、前記したようにシートクッションSCのフレームであり、図3および図4に示すように、後ろが下がるように斜めに配置され、側方から見て後部が第1固定サイドフレーム11と重なっている。なお、前記した第1固定サイドフレーム11の凹部11Aは、この可動フレーム20と第1固定サイドフレーム11が重なる領域の下に位置している。そのため、第1延長リンク42は、比較的短く構成されており、高い剛性を確保できるとともに、連動機構Mは前後方向に小さくなっている。
以上のように構成された車両用シート1の動作について説明する。
図3および図4に示した、基準姿勢S1から、シートバックSBを後ろに倒すと、シートバックフレーム30に設けられた突起48が、回動リンク41の入力アーム41Aに当接して、図8に示すように、回動リンク41を図8の時計回り(後回り)に回動させる。
すると、回動リンク41の下端の出力アーム41Bが前方へ移動し、出力アーム41Bに結合された第1延長リンク42が前に移動して、第1揺動リンク43を前方に回動させる。ブレーキ機構80は、入力軸81からの回転を許容するので、第1揺動リンク43の回動に伴って、図9に示すように第2揺動リンク51が前方に回動する。
そして、第2揺動リンク51により、第2延長リンク52が前方に引っ張られ、第2延長リンク52の後端がリアリンク62の上端部622を前方に引っ張る。これにより、可動フレーム20を支持している4節リンク機構が作動して、リアリンク62とフロントリンク61が前方に回動して、可動フレーム20がやや上昇しながら前方に移動する。なお、このとき、出力軸82、ピン51C、ピン52Cおよびピン62Aを節とする4節リンク機構は、ピン62Aとピン52Cを結ぶ線分(リンクの延びる方向)が後ろに傾いていたことから、第2延長リンク52によりリアリンク62が前方へ起こされると、ピン52Cは斜め上方へ向かって移動し、これに伴い、第2延長リンク52の後部は上昇してリアリンク62の下端部621から離れていく。このため、第2延長リンク52は、リアリンク62の下端部621とは干渉しない。
図8および図9のシートバックフレーム30が後傾している状態から、シートバックフレーム30を起こしていくと、後ろに傾けるときと逆の動きをして可動フレーム20が後方へ移動する。そして、図3および図4に示すように基準姿勢S1になったときに、フロントリンク61およびリアリンク62が、それぞれストッパ12A,12Bに当接して、それ以上後ろへ回動しなくなる。このため、回動リンク41の入力アーム41Aは、基準位置S2よりシートバックフレーム30の前回りに対応する移動が規制される。
そして、図10に示すように、シートバックフレーム30を基準姿勢S1からさらに前に倒していくと、突起48は、入力アーム41Aから離間するので、シートバックフレーム30から回動リンク41に駆動力は伝わらず、可動フレーム20は前後に移動しない。
このようにして、本実施形態の車両用シート1によれば、シートバックフレーム30を基準姿勢S1よりも後ろの範囲で回動させた場合には、可動フレーム20が前後に移動するが、シートバックフレーム30が基準姿勢S1よりも前に位置する範囲では、可動フレーム20が前後に移動しない。このため、シートバックSBを前に倒してもシートクッションSCと干渉しにくく、シートバックSBを前に容易に倒すことができる。また、シートバックSBの前への移動動作に連れられて、シートバックSBとシートクッションSCの間に物が引き込まれることもない。
そして、本実施形態の車両用シート1では、シートバックフレーム30自体に連動機構Mの連動/非連動を切り替える要素としての突起48が設けられているので、基準姿勢S1を精度良く設定することができる。また、連動/非連動のための構成を簡易にすることができる。
また、入力アーム41Aは、回動リンク41の回動軸よりも上に設けられ、出力アーム41Bは、回動軸よりも下に設けられているため、入力アーム41Aと連動機構Mの他の部分との干渉は起こりにくく、連動機構Mをコンパクト化することができる。
連動機構Mがブレーキ機構80を有することで、連動機構Mの異音を抑制することができる。そして、この連動機構Mは、前後方向において第1連結部材15,16と第2連結部材17との間に設けられているので、ブレーキ機構80を組み付けるときの作業性が良好である。また、連動機構Mを1つの固定サイドフレーム10Aの左右の一方と他方に分けて配置することで、固定サイドフレーム10Aと可動フレーム20の間には、連動機構Mの一部のみが配置され、固定サイドフレーム10Aと可動フレーム20を左右方向に近づけて、連動機構Mの剛性を高くすることができる。
また、本実施形態の車両用シート1は、第1固定サイドフレーム11の凹部11Aにブレーキ機構80の一部が入り込んでいるので、ブレーキ機構80は左右方向外側に大きくは突出せず、車両用シート1を左右方向と上下方向に小型化することができる。
そして、本実施形態において、可動フレーム20は、側方から見て固定サイドフレーム10Aと重なっているので、シートクッションSCの上下方向の大きさを小さくできる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、固定サイドフレーム10A(第1固定サイドフレーム11)は、下縁に凹部11Aが設けられ、第1伝達機構40と第2伝達機構50とは、この凹部11Aを通って結合されていたが、第1伝達機構40と第2伝達機構50を結合する部材が通る凹部11Aは、固定サイドフレーム10Aの上縁に設けられていてもよい。また、図11(a),(b)に示すように、固定サイドフレーム110に、第1揺動リンク43の回動を支持する支軸180を中心とする円弧状の貫通孔110Aを形成し、この貫通孔110Aを通してピン51Cとピン42Cとをカラー190により結合してもよい。このように、第1揺動リンク43と第2揺動リンク51を揺動軸(支軸180)から離れた位置でカラー190などの部材により結合した場合には、第1揺動リンク43から第2揺動リンク51への動力の伝達を支軸180のみで行う場合よりも、しっかりと動力の伝達をすることができる。なお、図11のように、ブレーキ機構80を設けない場合には、連動機構Mのいずれかの要素、例えば、支軸180を、摩擦力を伴って動くように構成するとよい。
前記実施形態においては、可動フレーム20は、固定フレーム10に対し、上下方向において一部のみが重なるように配置されていたが、全部が重なるように配置されていてもよい。
前記実施形態において、第1当接部は、シートバックフレーム30に設けた突起48としたが、第1当接部は、突起に限らず、例えば、シートバックフレーム30に設けられた溝の一端部の壁であってもよい。また、連動機構は、前記した構成には限られず、例えば、第1延長リンク42を無くして回動リンク41の出力アーム41Bを第1揺動リンク43に結合する構成や、出力アーム41Bを、直接可動フレーム20に結合する構成などを採用することもできる。さらに、連動機構Mのうち、シートバックSBの姿勢によって係合が外れる部分は、回動リンク41と突起48の係合に限られず、任意のリンク同士の結合部分とすることができる。例えば、第1延長リンク42と第1揺動リンク43の結合を、ピン42C回りの回動とするのではなく、第1延長リンク42に長孔を設けて、この長孔にピン42Cを係合させる構成とすることもできる。この場合、シートバックSBを基準姿勢S1よりも後ろに倒すときには、ピン42Cと長孔の端部を係合させ、シートバックSBを基準姿勢S1よりも前に倒すときには、ピン42Cが長孔内を滑るように長孔の位置を設定するとよい。
前記実施形態においては、シートの一例として車両用シートを示したが、本発明のシートは、船舶や航空機用などの他の乗物用シートであってもよいし、映画館や家庭用などのシートであってもよい。
1 車両用シート
1′ シートフレーム
10 固定フレーム
10A 固定サイドフレーム
11 第1固定サイドフレーム
11A 凹部
12 第2固定サイドフレーム
12A,12B ストッパ
15,16 第1連結部材
17 第2連結部材
20 可動フレーム
30 シートバックフレーム
31 シートバックサイドフレーム
40 第1伝達機構
41 回動リンク
41A 入力アーム
41B 出力アーム
42 第1延長リンク
43 第1揺動リンク
48 突起
50 第2伝達機構
51 第2揺動リンク
52 第2延長リンク
61 フロントリンク
62 リアリンク
80 ブレーキ機構
M 連動機構
S1 基準姿勢
S2 基準位置
SB シートバック
SC シートクッション

Claims (7)

  1. 固定フレームと、前記固定フレームに対して前後に移動可能に支持されシートクッションを構成する可動フレームと、前記固定フレームに対して前後に回動可能に結合されたシートバックを構成するシートバックフレームと、当該シートバックフレームを後傾させたときに前記可動フレームを前に移動させるとともに後傾状態から起こしたときに前記可動フレームを後ろに移動させる連動機構とを備えたシートであって、
    前記可動フレームは、前記固定フレームに対し上下方向において少なくとも一部が重なるように配置されたことを特徴とするシート。
  2. 前記固定フレームは、左右に対向して配置された一対のプレート状の固定サイドフレームを有し、
    前記連動機構は、前記固定サイドフレームに対し左右方向の一方側に配置され、前記シートバックフレームから駆動力が入力される第1伝達機構と、当該第1伝達機構と前記可動フレームに結合され、前記固定サイドフレームに対し左右方向の他方側に配置された第2伝達機構とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のシート。
  3. 前記可動フレームは、前記左右の固定サイドフレームの内側で前記第2伝達機構に結合され、前記第1伝達機構は、前記左右の固定サイドフレームの外側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のシート。
  4. 前記固定サイドフレームは、上縁もしくは下縁に設けられる凹部または左右に連通する貫通孔を有し、
    前記第1伝達機構と前記第2伝達機構とは、前記凹部または前記貫通孔を通って結合されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシート。
  5. 前記可動フレームは、後ろが下がるように斜めに配置され、側方から見て後部が前記固定サイドフレームと重なっており、
    前記凹部または前記貫通孔は、前記可動フレームと前記固定サイドフレームとが重なる領域の下に位置することを特徴とする請求項4に記載のシート。
  6. 前記可動フレームの前部および前記固定サイドフレームの前部と回動可能に結合されたフロントリンクをさらに備え、当該フロントリンクは、可動範囲において、側方から見て前記固定サイドフレームと重なっていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のシート。
  7. 前記可動フレームの後部および前記固定サイドフレームの後部と回動可能に結合されたリアリンクをさらに備え、
    前記第2伝達機構は、前記第1伝達機構との結合部から後方に延び、前記リアリンクに結合していることを特徴とする請求項6に記載のシート。
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