JP2013117710A - 微細パターン形成方法、及びパターン微細化用被覆形成剤 - Google Patents

微細パターン形成方法、及びパターン微細化用被覆形成剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化する、新規なレジストパターンの形成方法を提供すること。
【解決手段】(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)光により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程と、露光工程と、露光後のレジストパターンを現像する現像工程と、レジストパターン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成する、被覆膜形成工程と、被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱する、パターン厚肉化工程を含む方法によりレジストパターンを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細パターン形成方法、及びパターン微細化用被覆形成剤に関する。
レジストにより微細パターンを形成する方法は、種々の製品の製造に使用されている。特に半導体素子では、半導体の性能向上に伴いレジストパターンのさらなる微細化が求められており、種々の検討が行われている。
かかる微細なレジストパターンの形成方法として、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物、つまり露光によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化学増幅型レジスト組成物と、有機溶剤を含有する現像液とを組み合わせた新しいネガ型現像プロセスも提案されている(例えば特許文献1参照)。ポジ型の化学増幅型レジスト組成物は、露光によってアルカリ現像液に対する溶解性が増大するが、このとき相対的に有機溶剤に対する溶解性が低下する。そのため、ネガ型現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されてレジストパターンが形成され、従来のポジ型の現像プロセスと比較して、トレンチパターンやホールパターンの形成に有利と考えられる。
また、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化する方法として、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンに、酸の存在下、レジストパターンとの界面に架橋層を形成する架橋層形成材料を作用させ、レジストパターンを構成する樹脂と架橋層形成材料とを架橋させ、架橋層を形成することを含むパターン形成方法も提案されている(特許文献2を参照)。
特開2008−292975号公報 特開2008−310314号公報
上記の、レジストパターンの微細化の要求と、ネガ型現像プロセスの利点とから、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化する方法が求められている。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化する、新規なレジストパターンの形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程、
前記レジスト膜を露光する露光工程、
露光後のレジスト膜を、前記現像液により現像してレジストパターンを形成する現像工程、
前記レジストパターン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成する、被覆膜形成工程、及び
前記被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱して、前記レジストパターン表面に高分子量化を伴わないで前記現像液に対して難溶な層を形成してパターンを厚肉化する、パターン厚肉化工程を含む方法によりレジストパターンを形成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程、
前記レジスト膜を露光する露光工程、
露光後のレジスト膜を、前記現像液により現像してレジストパターンを形成する現像工程、
前記レジストパターン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成する、被覆膜形成工程、及び
前記被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱して、前記レジストパターン表面に高分子量化を伴わないで前記現像液に対して難溶な層を形成してパターンを厚肉化する、パターン厚肉化工程を含む微細パターン形成方法である。
本発明の第二の態様は、第一の態様の微細パターン形成方法において用いられる、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する、パターン微細化用被覆形成剤である。
本発明によれば、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化する、新規なレジストパターンの形成方法を提供することができる。
本発明の微細パターン形成方法の概略を示す図である。
本発明の微細パターン形成方法は、それぞれ所定の、レジスト膜形成工程、露光工程、現像工程、被覆膜形成工程、及びパターン厚肉化工程を含み、必要に応じ第二現像工程を含んでいてもよい。以下各工程について順に説明する。
≪レジスト膜形成工程≫
レジスト膜形成工程では、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材(以下「(A)成分」ともいう)と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下「(B)成分」ともいう)と、(C)溶剤(以下「(C)成分」ともいう)とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する。
以下、レジスト膜形成工程において用いる、レジスト組成物と、レジスト膜形成方法とについて、順に説明する。
<レジスト組成物>
以下、レジスト組成物に必須に含まれる(A)成分、(B)成分、及び(C)成分と、任意成分とについて順に説明する。
[(A)成分]
(A)成分について、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物を意味する。基材成分としては、通常、分子量が500以上の有機化合物が用いられる。分子量が500以上であることにより、充分な膜形成能を備えると共に、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。「分子量が500以上の有機化合物」は、非重合体と重合体とに大別される。非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。本明細書及び特許請求の範囲において「高分子化合物」は分子量が1000以上の重合体を示す。高分子化合物の場合、「分子量」はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
(A)成分は、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少するものであれば特に限定されない。(A)成分として、好適なものとしては、親水基(水酸基、カルボキシ基等)を有する樹脂の親水性基を、酸解離性の保護基により保護された「酸分解性基」とした樹脂(A1)を含む材料が使用される。親水基を有する樹脂としては、例えばノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン(PHS)やヒドロキシスチレン−スチレン共重合体等の、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を有する樹脂(PHS系樹脂)、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するアクリル系樹脂等が挙げられる。
ここで本明細書及び特許請求の範囲において、「酸分解性基」は、酸(露光により(B)成分から発生する酸)の作用により、酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン」とは、α位の炭素原子(フェニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているヒドロキシスチレンの他、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子又は基)が結合しているもの、並びにそれらの誘導体も含む。具体的には、少なくともベンゼン環と、ベンゼン環に結合する水酸基が維持されており、例えば、ヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等の置換基に置換されたもの、並びに、ヒドロキシスチレンの水酸基が結合したベンゼン環に、さらに炭素数1〜5のアルキル基が結合したものや、この水酸基が結合したベンゼン環に、さらに1〜2個の水酸基が結合したもの(このとき、水酸基の数の合計は2〜3である。)等を包含する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子(アクリル酸のカルボニル基が結合する炭素原子)に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子又は基)が結合しているものも含む。α位の炭素原子に結合する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
ヒドロキシスチレン又はアクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部又は全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部又は全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
ヒドロキシスチレン又はアクリル酸エステルのα位に結合する基としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
以下、(A1)成分について、アクリル酸エステル誘導樹脂(樹脂(a))について説明する。
(樹脂(a)(アクリル酸エステル誘導樹脂))
樹脂(a)は、酸分解性基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する。また、樹脂(a)は、構成単位(a1)に加えて、さらに、−SO−含有環式基を含み、アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a0)、ラクトン含有環式基を含みアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。樹脂(a)は、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。さらに、樹脂(a)はヒドロキシスチレン又はその誘導体から誘導される構成単位(a4)、スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位(a5)を含んでいてもよい。なお、樹脂(a)は、本発明の目的を阻害しない範囲で、構成単位(a1)〜(a5)の他に、従来使用されているレジスト組成物用のアクリル酸エステル誘導樹脂に含まれる、種々の構成単位を含んでいてもよい。
〔構成単位(a1)〕
構成単位(a1)は、酸分解性基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。構成単位(a1)における酸分解性基は、露光により(B)成分から発生した酸の作用により分解して、親水性基に変化することにより、有機溶剤を含む現像液に対する有機溶剤を含む現像液に対して可溶である樹脂(a)の溶解性を低下させるものである。
構成単位(a1)において酸分解性基を形成する酸解離性基としては、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂において酸解離性基として提案されている基から、適宜選択できる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基等が広く知られている。
「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状又は環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボン酸の第3級アルキルエステルであり、酸解離性を有する基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、分岐鎖状脂肪族基を含有する酸解離性基や、脂肪族環式基を含有する酸解離性基が挙げられる。
ここで、「分岐鎖状脂肪族」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「分岐鎖状脂肪族基を含有する酸解離基」の構造は、炭素及び水素からなる基(炭化水素基)に限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和又は不飽和の何れでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状の酸解離性基としては、例えば、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基が挙げられる。式中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基の炭素数は、4〜8が好ましい。−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基の具体例としては、tert−ブチル基、2−メチルブタン−2−イル基、2−メチルペンタン−2−イル基、及び3−メチルペンタン−3−イル基等が挙げられ、tert−ブチル基が特に好ましい。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基又は多環式基であることを示す。「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素及び水素からなる基(炭化水素基)に限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、炭化水素基は、飽和又は不飽和の何れでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されているか、されていないモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、及びテトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。また、これらのモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基又はポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されたものであってもよい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性基としては、例えば、
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、酸解離性基に隣接する原子(例えば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子又は基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基等が挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、例えばアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば後述する式(1−1)〜(1−9)中のRa4と同様の基が挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。また、前記(ii)の基の具体例としては、例えば、下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(1−1)〜(1−9)中、Ra4はアルキル基であり、gは0〜8の整数である。]
Figure 2013117710
[一般式(2−1)〜(2−6)中、Ra5及びRa6は、それぞれ独立してアルキル基である。]
上記Ra4のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。直鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1又は2が特に好ましい。直鎖状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、及びn−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、3〜10が好ましく、3〜5がより好ましい。分岐鎖状のアルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、及びネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基がより好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
a5〜Ra6のアルキル基としては、Ra4のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(1−1)〜(1−9)、及び(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。また、上記一般式(1−1)〜(1−9)、及び(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等の酸素を含有する親水性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。アセタール型酸解離性基としては、例えば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(p1)中、Ra7,Ra8はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基又は脂肪族環式基を表す。]
上記式(p1)中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、0が最も好ましい。Ra7,Ra8のアルキル基としては、上記アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
a7,Ra8のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(p1−1)中、Ra7、n、Yは一般式(p1)と同じである。]
Yのアルキル基としては、上記アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基は、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、例えば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(p2)中、Ra8、Ra9はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は水素原子であり、Ra10は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。又は、Ra8及びRa10がそれぞれ独立に直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であって、Ra8の末端とRa10の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
a8、Ra9において、アルキル基の炭素数は、1〜15が好ましい。Ra8、Ra9がアルキル基である場合、アルキル基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキル基としては、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。特にRa8、Ra9の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
a10は直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であり、その炭素数は、1〜15が好ましい。であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れでもよい。Ra10が直鎖状、分岐鎖状のアルキル基である場合、その炭素数は1〜5が好ましい。Ra10としては、エチル基、メチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
a10が環状の場合、その炭素数は4〜15が好ましく、4〜12がより好ましく、5〜10が特に好ましい。Ra10が環状のアルキル基である場合の具体例としては、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されているか、されていないモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、Ra8及びRa10がそれぞれ独立に直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、Ra10の末端とRa8の末端とが結合していてもよい。
この場合、Ra8と、Ra10と、Ra10が結合した酸素原子と、酸素原子及びRa8が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(a1−0−1)〜(a1−0−2)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Xa1は酸解離性基であり、Ya1は2価の連結基であり、Xa2は酸解離性基である。]
一般式(a1−0−1)において、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
a1は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基等を挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。Xa2は、一般式(a1−0−1)中のXa1と同様である。Ya1の2価の連結基としては、特に限定されず、例えばアルキレン基、2価の脂肪族環式基、2価の芳香族環式基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
a1がアルキレン基である場合、その炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。
a1が2価の脂肪族環式基である場合、脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基であること以外は上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。Ya1における脂肪族環式基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン又はテトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基が特に好ましい。
a1が2価の芳香族環式基である場合、芳香族環式基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。芳香族炭化水素環の炭素数は、6〜15が好ましい。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、及びアントラセン環等が挙げられる。これらの中でもベンゼン環又はナフタレン環が特に好ましい。
芳香族炭化水素環が有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
a1がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、式−A−O−B−で表される基、式−[A−C(=O)−O]m’−B−、−A−O−C(=O)−B−で表される基等が挙げられる。ここで、式−A−O−B−、[A−C(=O)−O]m’−B−、又は−A−O−C(=O)−B−中、A及びBは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、−O−は酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。
a1が−NH−である場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5が特に好ましい。
a1が−A−O−B−、[A−C(=O)−O]m’−B−、又は−A−O−C(=O)−B−である場合、A及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。炭化水素基が「置換基を有する」とは、炭化水素基における水素原子の一部又は全部が、水素原子以外の基又は原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基等のアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
これら直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜12がより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
Bとしては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基又はアルキルメチレン基がより好ましい。アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、式−[A−C(=O)−O]m’−B−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、1が最も好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(a1−1)〜(a1−4)中、R、Ra7、Ra8、n、Y及びYa1はそれぞれ前述の定義と同じであり、Xa3は第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]
一般式(a1−1)及び(a1−3)において、Xa3は、前述の第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
a7、Ra8、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるRa7、Ra8、n、Yと同様のものが挙げられる。
a1としては、上記一般式(a1−0−2)におけるYa1と同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。構成単位(a1)としては、上記の中でも、一般式(a1−1)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には、前記式(a1−1−1)〜(a1−1−4)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、式(a1−1−26)、式(a1−1−32)〜(a1−1−33)及び式(a1−3−25)〜(a1−3−32)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、式(a1−1−1)〜(a1−1−3)及び式(a1−1−26)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)及び式(a1−1−32)〜(a1−1−33)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)で表されるもの、式(a1−3−29)〜(a1−3−32)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるものが好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a1−1−01)〜(a1−1−02)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し、Ra11は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Ra12は炭素数1〜5のアルキル基を示し、hは1〜6の整数を示す。]
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。Ra11のアルキル基は、Rにおけるアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。Ra12のアルキル基は、Rにおけるアルキル基と同様ものが挙げられ、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a1−3−01)〜(a1−3−02)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を示し、Ra4はアルキル基であり、Ra13は水素原子又はメチル基であり、yは1〜10の整数であり、n’は1〜6の整数である。]
一般式(a1−3−01)又は(a1−3−02)中、Rについては上記と同様である。Ra13は、水素原子が好ましい。Ra4のアルキル基は、前記式(1−1)〜(1−9)中のRa4と同様であり、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。yは、1〜8の整数が好ましく、2〜5の整数が特に好ましく、2が最も好ましい。n’は1又は2が最も好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a1−3−03)中、Rは前記と同じであり、Ya2及びYa3はそれぞれ独立して2価の連結基であり、Xa4は酸解離性基であり、wは0〜3の整数である。]
一般式(a1−3−03)中、Ya2、Ya3における2価の連結基としては、上記一般式(a1−3)におけるYa1と同様のものが挙げられる。Ya2としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。Ya3としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。Xa4における酸解離性基は、前述のものと同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、1が最も好ましい。
また構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−5)で表される単位も好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a1−5)中、Rは水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Ya4は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、Zは第3級エステル型酸解離性基又はアセタール型酸解離性基を含む酸分解性基を末端に有する1価の有機基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、且つ、a+b=1〜3であり、c、d、eはそれぞれ独立して0〜3の整数である。]
一般式(a1−5)中、Rの具体例は前述と同様である。なかでも、Rとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
一般式(a1−5)中、Ya4は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基である。Ya4における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよい。脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部を置換する置換基として、具体的には、例えばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
置換基がアルコキシ基である場合、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。置換基がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。置換基がハロゲン化アルキル基である場合、炭素数1〜5のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。置換基がアルキル基である場合、炭素数1〜5のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
a4が直鎖状、分岐鎖状の脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。具体的には、鎖状のアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
a4が環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)である場合、脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素及び水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされず、その環(脂肪族環)の構造中に酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和の何れでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基の何れでもよい。脂肪族環式基は、低級アルキル基、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよい。脂肪族環式基の例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、及びテトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、及びシクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、脂肪族環式基は、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
一般式(a1−5)において、Ya4が脂肪族環式基である場合、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
一般式(a1−5)中、Zは第3級エステル型酸解離性基又はアセタール型酸解離性基を含む酸分解性基である。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「有機基」は、炭素原子を含む基を意味し、炭素原子以外の原子(例えば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
Zが第3級エステル型酸解離性基を含む酸分解性基である場合の好適な例としては、第3級アルキルオキシカルボニル基、及び第3級アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。第3級アルキルオキシカルボニル基に含まれるアルキレン基は、メチレン基、エチレン基等の炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。
第3級エステル型酸解離性基を含む酸分解性基に含まれる、好適な第3級アルキル基は、分岐鎖状であっても、環状の脂肪族基を含む基であってもよい。第3級アルキル基が分岐鎖状である場合の好適な例としては、前述の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基が挙げられる。−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基の具体例としては、tert−ブチル基、2−メチルブタン−2−イル基、2−メチルペンタン−2−イル基、及び3−メチルペンタン−3−イル基等が挙げられ、tert−ブチル基が特に好ましい。第3級アルキル基が環状の脂肪族基を含む基である場合の好適な例としては、前述の一般式(1−1)〜(1−9)、及び一般式(2−1)〜(2−6)で表される基が挙げられる。
Zの中では、第3級エステル型酸解離性基を含む酸分解性基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましい。第3級アルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−アミルオキシカルボニル基等が挙げられ、tert−ブチルオキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(a1−5)中、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、且つ、a+b=1〜3である。aは1が好ましく、bは0が好ましく、a+bは1であることが好ましい。
また、cは0〜3の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。dは0〜3の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。eは0〜3の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(a1−5)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a1−5−1)又は(a1−5−2)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a1−5−1)中、R,Z,b,c,d,及びeはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2013117710
[一般式(a1−5−2)中、R,Z,a,b,c,d,及びeはそれぞれ前記と同じである。c”は1〜3の整数である。]
一般式(a1−5−2)中、c”は1〜3の整数であり、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
一般式(a1−5−2)におけるcが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、cが0の場合、末端の酸素原子と環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
樹脂(a)中、構成単位(a1)の割合は、樹脂(a)を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。構成単位(a1)の割合をかかる範囲とすることにより、パターンの形成が容易であるレジスト組成物を調製しやすい。
〔構成単位(a0)〕
構成単位(a0)は、−SO−含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。ここで、−SO−含有環式基とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。−SO−含有環式基においては、その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、ひとつ目の環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。また、−SO−含有環式基は、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環であることが好ましい。
−SO−含有環式基の炭素数は、3〜30が好ましく、4〜20がより好ましく、4〜15が特に好ましく、4〜12が最も特に好ましい。ただし、炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO−含有環式基は、−SO−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO−含有芳香族環式基であってもよく、−SO−含有脂肪族環式基がより好ましい。−SO−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO−又は−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH−が−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH−CH−が−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。脂肪族炭化水素環の炭素数は3〜20が好ましく、3〜12がより好ましい。
脂肪族炭化水素環から水素原子を好くなくとも1つ除かれた脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、及びシクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等が挙げられる。
−SO−含有環式基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”(R”は水素原子又はアルキル基である。)、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状であるのが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前述の−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、何れも、水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基であることが好ましい。R”が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が特に好ましい。R”が環状のアルキル基の場合の炭素数は、3〜15が好ましく、4〜12がより好ましく、5〜10が特に好ましい。環状のアルキル基としては、具体的には、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(0−1)〜(0−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(0−1)〜(0−4)中、A’は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、又は硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、Ra14はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基又はシアノ基であり、R”は水素原子又はアルキル基である。]
一般式(0−1)〜(0−4)中、A’は、酸素原子(−O−)若しくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、又は硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。アルキレン基が酸素原子又は硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端又は炭素原子間に−O−又は−S−が介在する基が挙げられ、例えば、−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基又は−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2の何れであってもよく、0が最も好ましい。zが2である場合、複数のRa14はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
a14におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(0−1)〜(0−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
−SO−含有環式基としては、上記の中でも、一般式(0−1)で表される基が好ましく、式(0−1−1)、(0−1−18)、(0−3−1)及び(0−4−1)の何れかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種がより好ましく、前記化学式(0−1−1)で表される基が最も好ましい。
構成単位(a0)の例として、より具体的には、下記一般式(a0−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(a0−1)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Ra15は−SO−含有環式基であり、Ra16は単結合又は2価の連結基である。]
式(a0−1)中、Rは前記と同様である。Ra15は、前述の−SO−含有環式基と同様である。Ra16は、単結合、2価の連結基の何れであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
a16における2価の連結基としては、特に限定されず、例えば、構成単位(a1)の説明中で挙げた一般式(a1−0−2)中のYa1における2価の連結基として挙げたものと同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、又はエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記Ya1における脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−Ra17−C(=O)−O−[式中、Ra17は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a0)は、下記一般式(a0−11)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a0−11)中、R及びRa15はそれぞれ(a0−1)と同様であり、Ra17は2価の連結基である。]
a17としては、特に限定されず、例えば、前記構成単位(a1)の説明中で挙げた一般式(a1−0−2)中のYa1における2価の連結基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
a17の2価の連結基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記Y2で好ましいものとして挙げた直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。上記の中でも、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基又はエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基又はアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CHCH−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合又はエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述の、一般式−A−O−B−、又は−[A−C(=O)−O]m’−B−又は−A−O−C(=O)−B−で表される基がより好ましい。なかでも、式−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましく、−(CHc0−C(=O)−O−(CHd0−で表される基が特に好ましい。c0は1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。d0は1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。
構成単位(a0)としては、特に、下記一般式(a0−21)又は(a0−22)で表される構成単位が好ましく、式(a0−22)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a0−21)〜(a0−22)中、R、A’、Ra14、z及びRa17はそれぞれ前記と同じである。]
一般式(a0−21)中、A’はメチレン基、酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
a17としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。Ra17における直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
一般式(a0−22)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a0−22a)又は(a0−22b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a0−22a)〜(a0−22b)中、R及びA’はそれぞれ前記と同じであり、f0、g0、及びh0はそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
樹脂(a)が含有する構成単位(a0)は1種であってもよく2種以上であってもよい。樹脂(a)中、構成単位(a0)の割合は、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、15〜40モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより感度、解像性、リソグラフィー特性が向上する。上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができ、また、有機溶剤に対する溶解性も良好である。
〔構成単位(a2)〕
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(=O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、樹脂(a)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高められる点で有効である。
構成単位(a2)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、例えばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子を1つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の具体例を以下に示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
樹脂(a)において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂(a)中、構成単位(a2)の割合は、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。
〔構成単位(a3)〕
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)である。樹脂(a)が構成単位(a3)を有することにより、樹脂(a)の親水性が高まり、感度、解像性、リソグラフィー特性等が向上する。なお、構成単位(a3)は、前記構成単位(a1)、(a0)、及び(a2)には該当しない構成単位である。すなわち、「極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位」あっても、前記構成単位(a1)、(a0)、及び(a2)に該当する構成単位は、構成単位(a3)には該当しない。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、フッ素化アルコール基(アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基)等が挙げられる。これらの中でも、水酸基、カルボキシ基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
構成単位(a3)において、脂肪族炭化水素基に結合する極性基の数は、特に限定されないが、1〜3個が好ましく、1個が最も好ましい。極性基が結合する脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、飽和であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
「直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」は、炭素数が1〜12であることが好ましく、1〜10がより好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子の一部又は全部が、極性基以外の置換基で置換されていてもよい。極性基以外の置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。また、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子間にヘテロ原子を含む2価の基が介在してもよい。「ヘテロ原子を含む2価の基」としては、前記構成単位(a1)の説明で、一般式(a1−0−2)中のYa1の2価の連結基として挙げた「ヘテロ原子を含む2価の連結基」と同様のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状である場合、構成単位(a3)としては、下記一般式(a3−1)又は(a3−2)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a3−1)、及び(a3−2)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R81は直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、R82は、ヘテロ原子を含む2価の基が介在してもよいアルキレン基である。]
一般式(a3−1)中、R81におけるアルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましい。一般式(a3−2)中、R82におけるアルキレン基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
アルキレン基が炭素数2以上のアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子間に、ヘテロ原子を含む2価の基が介在してもよい。「ヘテロ原子を含む2価の基」としては、構成単位(a1)の説明で、一般式(a1−0−2)中のYa1の2価の連結基として挙げた「ヘテロ原子を含む2価の連結基」と同様のものが挙げられる。
82としては、特に、ヘテロ原子を含む2価の基が介在しないアルキレン基、又はヘテロ原子として酸素原子を含む2価の基が介在するアルキレン基が好ましい。酸素原子を含む2価の基が介在するアルキレン基としては、−A−O−B−又は−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましい。式中、A、Bはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、構成単位(a1)の説明で挙げた−A−O−B−又は−A−O−C(=O)−B−におけるA、Bと同様のものが挙げられる。これらのなかでも、−A−O−C(=O)−B−で表される基が好ましく、−(CH−O−C(=O)−(CHg’−[式中、f及びg’はそれぞれ独立に1〜3の整数である。]が好ましい。
「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」としては、環状の脂肪族炭化水素基、環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、3〜30が好ましい。また、環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよく、多環式が好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基として、具体的には、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。例えば単環式の脂肪族炭化水素基としては、炭素数3〜20のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、炭素数7〜30のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、水素原子の一部又は全部が、前述の極性基以外の置換基で置換されていてもよい。極性基以外の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基が、構造中に環を含む場合、構成単位(a3)としては、下記一般式(a3−3)、(a3−4)又は(a3−5)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(a3−3)〜(a3−5)中、Rは前記と同じであり、jは1〜3の整数であり、k’は1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、l’は1〜5の整数であり、s’は1〜3の整数である。]
一般式(a3−3)中、jは1又は2が好ましく、1がさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
一般式(a3−4)中、k’は1が好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位又は6位に結合しているのが好ましい。
一般式(a3−5)中、t’は1が好ましく、l’は1が好ましく、s’は1が好ましい。式(a3−5)中、カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)は、ノルボルナン環の2位又は3位に結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコール基は、ノルボルニル基の5位又は6位に結合していることが好ましい。
樹脂(a)が含有する構成単位(a3)は1種であってもよく2種以上であってもよい。構成単位(a3)としては、上記一般式(a3−1)〜(a3−5)の何れかで表される構成単位を有することが好ましく、一般式(a3−3)で表される構成単位を有することが特に好ましい。
樹脂(a)が構成単位(a3)を有する場合、樹脂(a)中の構成単位(a6)の割合は、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対して1〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
〔構成単位(a4)〕
構成単位(a4)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−2)の構造のものを例示することができる。
Figure 2013117710
[一般式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Ra18はハロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、pは1〜3の整数であり、qは0〜4の整数である。ただし、p+qは1以上5以下である。一般式(a5−2)中、Xa5は酸解離性溶解抑制基を示す。]
一般式(a4−1)〜(a4−2)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Rとして好適なものとしては、前述と同様のものが挙げられる。
一般式(a4−1)〜(a4−2)中、Ra18は、ハロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。Ra18のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。Ra18の低級アルキル基は、炭素数1〜5の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の低級の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。Ra18のハロゲン化アルキル基は、Ra18の低級アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられ、フッ素化低級アルキル基であるのが好ましい。
一般式(a4−1)〜(a4−2)中、pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位の何れでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2又は3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
一般式(a4−1)〜(a4−2)中、qは0〜4の整数であり、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
a18の置換位置は、qが1である場合はo−位、m−位、p−位の何れでもよい。qが2である場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のRa18は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。ただし、p+qは、1以上5以下である。
前記式(a4−2)中、Xa5は、酸解離性基であれば特に限定されない。酸解離性基の好適な例としては、前述の第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基等を挙げることができ、アセタール型酸解離性基が好ましい。好適な酸解離性基の具体例としては、前述の一般式(p1)、及び(p2)で表される基が挙げられる。
(A1)成分において、構成単位(a4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(a)における構成単位(a4)の割合は、一般式(a4−1)で表される構成単位については、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対して10〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%が好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。一般式(a4−2)で表される構成単位については、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対して5〜90モル%であることが好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
〔構成単位(a5)〕
構成単位(a5)は、スチレンから誘導される構成単位である。本発明において、構成単位(a5)は必須ではないが、これを含有させると、有機溶剤を含む現像液に対する樹脂(a)の溶解性を調整しやすい。
本明細書において「スチレン」とは、スチレン及びスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。スチレンは、フェニル基の水素原子が炭素数1〜5のアルキル基等の置換基で置換されていてもよい。
構成単位(a5)として、具体的には、下記一般式(a5−1)の構造のものを例示することができる。
Figure 2013117710
[一般式(a5−1)中、Rは前記と同じであり、Ra19はハロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、rは0〜3の整数である。]
一般式(a5−1)中、Rは、上記式(a4−1)におけるRと同じである。Ra19は、上記式(a4−1)におけるRa18と同様のものが挙げられる。rは0〜3の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
rが1である場合、Ra18の置換位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位の何れでもよい。rが2又は3である場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。複数のRa18は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
構成単位(a5)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(a)が構成単位(a5)を有する場合、樹脂(a)中の構成単位(a6)の割合は、樹脂(a)を構成する全構成単位の合計に対して1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましく、5〜15モル%がさらに好ましい。
以上説明した(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、特に限定されず、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて適宜調整される。
[(B)成分]
(B)成分は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物であり、レジスト膜形成用の材料において酸発生剤として使用される化合物から適宜選択して、使用することができる。(B)成分として用いる化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸発生剤の例としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類等のジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b1)又は(b2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013117710
[一般式(b1)、及び(b2)において、Rb1〜Rb3,Rb5〜Rb6は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又はアルキル基を表す。一般式(b1)におけるRb1〜Rb3のうち、何れか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。Rb4は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。Rb1〜Rb3のうち少なくとも1つはアリール基を表し、Rb5〜Rb6のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
一般式(b1)中、Rb1〜Rb3はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又はアルキル基を表す。なお、一般式(b1)におけるRb1〜Rb3のうち、何れか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。また、Rb1〜Rb3のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。Rb1〜Rb3のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、Rb1〜Rb3の全てがアリール基であることが最も好ましい。
b1〜Rb3のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、アリール基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていることを意味する。アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシアルキルオキシ基、−O−Rb7−C(=O)−(O)n”−Rb8[式中、Rb7はアルキレン基又は単結合であり、Rb8は酸解離性基又は酸非解離性基であり、n”は0又は1である。]等が挙げられる。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシアルキルオキシ基としては、例えば、下記一般式で表される基が挙げられる。
−O−C(Rb9)(Rb10)−O−Rb11
[一般式中、Rb9及びRb10はそれぞれ独立して水素原子又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、Rb11はアルキル基であり、Rb10及びRb11は相互に結合して1つの環構造を形成していてもよい。ただし、Rb9及びRb10のうち少なくとも1つは水素原子である。]
b9、Rb10について、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。そして、Rb9及びRb10は、一方が水素原子であり、他方が水素原子又はメチル基であることが好ましく、Rb9及びRb10が何れも水素原子であることが特に好ましい。
b11のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよい。Rb11における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
b11における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
b10及びRb11は、相互に結合して1つの環構造を形成していてもよい。この場合、Rb10とRb11と、Rb11が結合した酸素原子と、酸素原子及びRb10が結合した炭素原子とにより環式基が形成される。この場合の環式基は、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。
上記のアリール基の水素原子が置換されていてもよい基である、−O−Rb7−C(=O)−(O)n”−Rb8において、Rb7におけるアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、その炭素数は1〜5が好ましい。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、及び1,1−ジメチルエチレン基等が挙げられる。
b8における酸解離性基としては、酸(露光時に(B)成分から発生する酸)の作用により解離しうる有機基であれば特に限定されず、例えば前記(A)成分の説明で挙げた酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。中でも、第3級アルキルエステル型のものが好ましい。
b8における酸非解離性基の好適な例としては、デシル基、トリシクロデシル基、アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)メチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。
b1〜Rb3がアルキル基である場合、特に限定されない。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れるレジスト組成物を調製しやすい点から、アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、及びデシル基等が挙げられる。これらのアルキル基の中ではメチル基がより好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。「置換基を有する」とは、アルキル基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていることを意味する。アルキル基が有してもよい置換基としては、前述のアリール基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
一般式(b1)中、Rb1〜Rb3のうち、何れか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。形成された環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、形成された環は、単環であってもよく、多環であってもよい。例えば環を形成する2つのうちの一方又は両方が環式基(環状のアルキル基又はアリール基)である場合、それらが結合すると、多環式の環(縮合環)が形成される。
b1〜Rb3のうちの2つが結合して環を形成する場合、一般式(b1)中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であるのが好ましく、5〜7員環であるのがより好ましい。
b1〜Rb3のうちの2つが結合して形成される環の具体例としては、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、チオキサントン、チアントレン、フェノキサチイン、テトラヒドロチオフェニウム、テトラヒドロチオピラニウム等が挙げられる。Rb1〜Rb3のうち、何れか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つはアリール基であることが好ましい。
一般式(b1)で表される化合物のカチオン部のうち、Rb1〜Rb3が全て、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、つまりカチオン部がトリフェニルスルホニウム骨格を有する場合の好ましい例としては、下記式(b1−1)〜(b1−14)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
また、これらのカチオン部におけるフェニル基の一部又は全部が、置換基を有していてもよいナフチル基で置換されたものも好ましいものとして挙げられる。3つのフェニル基のうち、ナフチル基で置換されるのは、1又は2が好ましい。
また、一般式(b1)で表される化合物のカチオン部のうち、Rb1〜Rb3のうちの何れか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合の好ましい具体例としては、例えば、下記一般式(b1−15)〜(b1−18)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(b1−15)、及び(b1−16)中、Rb12は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基又は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rb13は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又は水酸基であり、uは1〜3の整数である。]
Figure 2013117710
[一般式(b1−17)、及び(b1−18)中、Zb1は単結合、メチレン基、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、カルボニル基、−SO−、−SO−、−SO−、−COO−、−CONH−又はN(Rb20)−(Rb20は炭素数1〜5のアルキル基である。)であり、Rb14、Rb15〜Rb19はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基又はヒドロキシアルキル基であり、n1〜n5はそれぞれ独立して0〜3の整数であり、n6は0〜2の整数である。]
一般式(b1−15)〜(b1−16)中、Rb12〜Rb13において、フェニル基又はナフチル基が有していてもよい置換基としては、Rb1〜Rb3がアリール基である場合に、アリール基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。また、Rb12〜Rb13におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、Rb1〜Rb3がアルキル基である場合に、アルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。uは1〜3の整数であり、1又は2が好ましい。
一般式(b1−17)〜(b1−18)中、Rb14〜Rb19において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基が特に好ましい。アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
b14〜Rb19に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のRb14〜Rb19はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。n1は、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。n2及びn3は、それぞれ独立に、0又は1が好ましく、0がより好ましい。n4は、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。n5は、0又は1が好ましく、0がより好ましい。n6は、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
一般式(b1)〜(b2)中、Rb4は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。Rb4におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
環状のアルキル基の炭素数は、4〜15が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10が特に好ましい。
b4におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子及び水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。ハロゲン化率が高いほど、発生する酸の強度が強くなるので好ましい。
b4におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。Rb4におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましい。
b4について、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。Rb4における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:Rb20−Qb1−[式中、Qb1は酸素原子を含む2価の連結基であり、Rb20は置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基としては、Rb4において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子等が挙げられる。
b20−Qb1−で表される基において、Qb1は酸素原子を含む2価の連結基である。Qb1は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、例えば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基、及び非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせとしては、例えば、−Rb21−O−、−Rb22−O−C(=O)−、−C(=O)−O−Rb23−、−C(=O)−O−Rb24−O−C(=O)−(式中、Rb21〜Rb24はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。Rb21〜Rb24におけるアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCH3)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
b1としては、エステル結合又はエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−Rb21−O−、−Rb22−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Rb23−又は−C(=O)−O−Rb24−O−C(=O)−が好ましい。
b20−Qb1−で表される基において、Rb20が炭化水素基である場合、Rb20は芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30が好ましく、5〜30がより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、芳香族炭化水素基の炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、1が特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。芳香族炭化水素基のが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい。芳香族炭化水素基の芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換される場合の例としては、アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
b20における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れでもよい。
b20において、脂肪族炭化水素基は、脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
b20における「ヘテロ原子」としては、炭素原子及び水素原子以外の原子であれば特に限定されず、例えばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、及び臭素原子等が挙げられる。
「ヘテロ原子を含む置換基」(以下、ヘテロ原子含有置換基ということがある。)は、ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、ヘテロ原子以外の基又は原子を含む基であってもよい。
脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基としては、例えばO−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。−NH−である場合、そのHを置換してもよい置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、−C(=O)−Rb25[Rb25はアルキル基である。]、−COORb26[Rb26は水素原子又はアルキル基である。]、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、酸素原子(=O)、硫黄原子、スルホニル基(SO)等が挙げられる。
ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。アルコキシ基におけるアルキル基の炭素数は1〜30が好ましい。アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状である場合、その炭素数は1〜20が好ましく、1〜17がより好ましく、1〜15がさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。具体的には、この後例示する直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基の具体例と同様のものが挙げられる。アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30が好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、4〜12が特に好ましく、5〜10が最も好ましい。アルキル基が環状である場合、単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。モノシクロアルカンの具体例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、ポリシクロアルカンの具体例としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。これらのシクロアルキル基は、その環に結合した水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、フッ素化アルキル基等の置換基で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
ヘテロ原子含有置換基としての−C(=O)−Rb25、−COORb26において、Rb25、及びRb26におけるアルキル基としては、前述のアルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルキル基におけるアルキル基としては、アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が特に好ましい。
ヘテロ原子含有置換基としてのハロゲン化アルコキシ基としては、アルコキシ基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。ハロゲン化アルコキシ基としては、フッ素化アルコキシ基が好ましい。
ヘテロ原子含有置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、アルコキシ基におけるアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基が有する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、又は環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が最も好ましい。直鎖状の飽和炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、及びドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましく、3〜10が最も好ましい。分岐鎖状の飽和炭化水素基の具体例としては、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、及び4−メチルペンチル基等が挙げられる。
不飽和炭化水素基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4が特に好ましく、3が最も好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、及びブチニル基等が挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、及び2−メチルプロペニル基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としてはプロペニル基が特に好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。脂肪族環式基の炭素数は3〜30が好ましく、5〜30がより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、例えば以下の式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(L2)、(S3)、及び(S4)中、Qb2は、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでいてもよいアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子であり、一般式(L4)中、mは0又は1の整数である。]
式中、Qb2におけるアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、その炭素数は1〜5が好ましい。具体的には、メチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。これらの中でも、メチレン基又はアルキルメチレン基が好ましく、メチレン基、−CH(CH)−又はC(CH−が特に好ましい。
b2がアルキレン基である場合、アルキレン基は、酸素原子(−O−)若しくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい。その具体例としては、アルキレン基の末端又は炭素原子間に−O−又はS−が介在する基が挙げられ、例えばO−Rb27−、−S−Rb28−、−Rb29−ORb30−、−Rb31−S−Rb32−等が挙げられる。ここで、Rb27〜Rb32はそれぞれ独立にアルキレン基である。アルキレン基としては、前記Qb2におけるアルキレン基として挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。中でも、−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、及び−CH−S−CH−等が好ましい。
これらの脂肪族環式基は、水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよい。脂肪族環式基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、−C(=O)−Rb25[Rb25はアルキル基である。]、−COORb26[Rb26は水素原子又はアルキル基である。]、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、酸素原子(=O)、硫黄原子、スルホニル基(SO)等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、前述のヘテロ原子含有置換基としてのアルコキシ基におけるアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。かかるアルキル基の炭素数は、特に、1〜6が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であるのが好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
置換基としてのハロゲン原子、アルコキシ基、−C(=O)−Rb25、−COORb26、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン化アルコキシ基としては、それぞれ、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
脂肪族環式基の水素原子を置換する置換基としては、上記の中でも、アルキル基、酸素原子(=O)、水酸基が好ましい。脂肪族環式基が有する置換基の数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。置換基を複数有する場合、複数の置換基はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
b20としては、置換基を有していてもよい環式基が好ましい。Rb20が環式基である場合、環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよい。これら中では、置換基を有していてもよい脂肪族環式基がより好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。多環式の脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)で表される基等が好ましい。
本発明において、Rb4は、置換基としてRb20−Qb1−を有することが好ましい。この場合、R4bとしては、Rb20−Qb1−Yb1−[式中、Qb1及びRb20は前述と同様であり、Yb1は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
b20−Qb1−Yb1−で表される基において、Yb1のアルキレン基としては、Qb1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
b1の具体例としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
b1としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が特に好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。これらの中では、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−がより好ましい。
上記のアルキレン基又はフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基又はフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、アルキレン基又はフッ素化アルキレン基における水素原子又はフッ素原子の一部又は全部が、水素原子及びフッ素原子以外の原子又は基で置換されていることを意味する。アルキレン基又はフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
一般式(b2)中、Rb5〜Rb6はそれぞれ独立にアリール基又はアルキル基を表す。また、Rb5〜Rb6のうち、少なくとも1つはアリール基を表し、Rb5〜Rb6の全てがアリール基であるのが好ましい。Rb5〜Rb6のアリール基としては、Rb1〜Rb3のアリール基と同様のものが挙げられる。Rb5〜Rb6のアルキル基としては、Rb1〜Rb3のアルキル基と同様のものが挙げられる。これらの中で、Rb5〜Rb6は、全てフェニル基であることが最も好ましい。式(b2)中のRb4としては、上記式(b1)のRb4と同様のものが挙げられる。
一般式(b1)、又は(b2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート;ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート;トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部をメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート等のアルキルスルホネート;d−カンファー−10−スルホネート、ベンゼンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等のスルホネートにそれぞれ置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を下記一般式(bI)〜(bVIII)の何れかで表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩も用いることができる。
Figure 2013117710
[一般式(bI)〜(bIII)中、v0は0〜3の整数であり、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、t3は1〜3の整数であり、Rb33は置換基であり、Rb34は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2013117710
[一般式(bIV)〜(bVIII)中、t3、Rb33、Qb2はそれぞれ前記と同じであり、m1〜m5はそれぞれ独立に0又は1であり、v1〜v5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数である。]
b33の置換基としては、アルキル基、ヘテロ原子含有置換基等が挙げられる。アルキル基としては、Rb20の説明で、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。また、ヘテロ原子含有置換基としては、Rb20の説明で、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部を置換してもよいヘテロ原子含有置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
b33に付された符号(r1〜r2、w1〜w5)が2以上の整数である場合、同一の化合物中の複数のRb33はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
b34におけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基としては、それぞれ、上記Rb4におけるアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
r1〜r2、w1〜w5は、それぞれ、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。v0〜v5は0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。t3は、1又は2が好ましく、1がより好ましい。q3は、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1が特に好ましい。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、上記の一般式(b1)又は(b2)において、アニオン部を下記一般式(b3)又は(b4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は一般式(b1)又は(b2)と同様)。
Figure 2013117710
[一般式(b3)、及び(b4)中、Xb1は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Yb2、Zb2は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
b1は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数は2〜6であり、3〜5が好ましく、3がより好ましい。
b2、及びZb2は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、アルキル基の炭素数は1〜10であり、1〜7が好ましく、1〜3がより好ましい。
b1のアルキレン基の炭素数、又はYb2、及びZb2のアルキル基の炭素数は、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、上記炭素数の範囲内で小さいほど好ましい。
また、Xb1のアルキレン基又はYb2、及びZb2のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また波長200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、70〜100%が好ましく、90〜100%がより好ましく、100%が特に好ましい。つまり、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基が特に好ましい。
また、上記一般式(b1)又は(b2)において、アニオン部(Rb4SO )を、Rb7−COO[式中、Rb7はアルキル基又はフッ素化アルキル基である。]に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b1)又は(b2)と同様)。Rb7としては、前記Rb4と同様のものが挙げられる。Rb7−COOで表わされるアニオンの具体的としては、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオン、1−アダマンタンカルボン酸イオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、従来からレジスト組成物用において使用されるものから、任意に選択して用いることができる。
Figure 2013117710
[一般式(B1)中、Rb35、Rb36はそれぞれ独立に有機基を表す。]
b35、Rb36の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(例えば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
b35の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基又はアリール基が好ましい。これらのアルキル基、又はアリール基は置換基を有していてもよい。置換基は、特に限定されず、例えばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基又はアリール基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、炭1〜10がより好ましく、1〜8がさらに好ましく、1〜6が特に好ましく、1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基の炭素数は4〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10が特に好ましい。アリール基としては、特に、部分的又は完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
b35としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
b36の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、又はシアノ基が好ましい。Rb36のアルキル基、アリール基としては、前記Rb35で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
b36としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤としてさらに好ましいものとしては、下記一般式(B2)又は(B3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(B2)中、Rb37は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。Rb38はアリール基である。Rb39は置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2013117710
[一般式(B3)中、Rb40はシアノ基、置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。Rb41は2又は3価の芳香族炭化水素基である。Rb42は置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。p”は2又は3である。]
一般式(B2)において、Rb37の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が最も好ましい。Rb37としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。Rb37におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されているのが好ましく、70%以上フッ素化されているのがより好ましく、90%以上フッ素化されているのが特に好ましい。
b38のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
b38のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。置換基におけるアルキル基又はハロゲン化アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。又はロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
b39の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が特に好ましい。Rb39としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
b39におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されているのが好ましく、70%以上フッ素化されているのがより好ましく、90%以上フッ素化されているのが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
一般式(B3)において、Rb40の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基としては、上記Rb37の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。Rb41の2又は3価の芳香族炭化水素基としては、上記Rb38のアリール基からさらに1又は2個の水素原子を除いた基が挙げられる。Rb42の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基としては、上記Rb39の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。p”は、2が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2013117710
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン等が挙げられる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。(B)成分の含有量を上記範囲とする場合、でレジスト組成物を用いて良好にパターンを形成しやすい。
[(C)成分]
レジスト組成物は、材料を溶剤(以下、(C)成分という。)に溶解させて製造される。(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであれば特に限定されず、公知のレジスト組成物用の溶剤から宜選択して用いることができる。
溶剤の具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、多価アルコール類又はエステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
これらの溶剤の中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル(EL)、シクロヘキサノン(CH)が好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、PGMEA:極性溶剤として、1:9〜9:1が好ましく、2:8〜8:2がより好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、1:9〜9:1が好ましく、2:8〜8:2がより好ましい。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、1:9〜9:1が好ましく、2:8〜8:2がより好ましく、3:7〜7:3が特に好ましい。
また、(C)成分として、その他には、PGMEA、PGME、CH及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(C)成分の使用量は特に限定されず、レジスト組成物が基板等に塗布可能な固形分濃度となるように、適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となるように、(C)成分が用いられる。
[任意成分]
以下、レジスト組成物が含有していてもよい任意成分について説明する。
((D)成分(クエンチャー))
レジスト組成物は、任意の成分として、クエンチャー(以下、(D)成分という。)を含有してもよい。(D)成分としては、酸拡散制御剤、すなわち露光により上記の(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、公知のものから任意に選択できる。
(D)成分としては、通常、低分子化合物(非重合体)が用いられている。(D)成分としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、脂肪族アミンが好ましく、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、脂肪族基は炭素数が1〜20であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、例えば、アンモニア(NH)の水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミン又はアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミン及びアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアミン及び/又はアルキルアルコールアミンが好ましい。
環式アミンとしては、例えば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾール又はこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,2’−ジビリジル、4,4’−ジビリジル等が挙げられる。
また、(B)成分について説明した、一般式(b1)で表されるオニウム塩のカチオン部分と、ヒドロキシイオン、又はパーフルオロアルキルカルボン酸イオンとを組み合わせたオニウム塩も、クエンチャーとして使用することができる。パーフルオロアルキルカルボン酸イオンに含まれる、パーフルオロアルキルの炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
これらの(D)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範
囲で用いられる。(D)成分の使用量をかかる範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
((E)成分(有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸類))
レジスト組成物は、さらに、任意の成分として、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、有機カルボン酸、並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、(E)成分という。)を含有してもよい。
好適な有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、及びサリチル酸等が挙げられる。好適なリンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中ではホスホン酸がより好ましい。リンのオキソ酸の誘導体としては、例えば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられる。この場合の、炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、及び炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステル等が挙げられる。ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステル等が挙げられる。ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステル等が挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(E)成分は、通常、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
((F)成分(含フッ素化合物))
レジスト組成物は、さらに、任意の成分として、含フッ素化合物成分(F)(以下、(F)成分という。)を含有してもよい。本発明において、(F)成分は、塩基解離性基を含有する構成単位(f)を有する含フッ素高分子化合物(F1)(以下「(F1)成分」という。)を含む。塩基解離性基を含有する構成単位(f)の例としては、下記一般式(f1)で表される単位が挙げられる。
Figure 2013117710
[一般式(f1)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Qは単結合又はフッ素原子を有していてもよい2価の連結基であり、Rf1はフッ素原子を有していてもよい有機基である。]
における2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。Qにおける2価の連結基は、「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」、「ヘテロ原子を含む2価の連結基」にそれぞれフッ素原子が含まれているものでもよく、フッ素原子が含まれていないものでもよい。
における2価の連結基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の芳香族環式基若しくはヘテロ原子を含む2価の連結基、又はこれらの何れかにフッ素原子が含まれているものが好ましい。これらの中でも、フッ素原子を有していてもよいヘテロ原子を含む2価の連結基が特に好ましい。
が直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基である場合、アルキレン基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。具体的には、前記「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
が2価の芳香族環式基である場合、芳香族環式基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等で、且つ、その芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、連結基の好ましいものとしては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NR04−(R04はアルキル基、アシル基等の置換基である。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、式−C(=O)−O−R08−で表される基、式−O−R08−で表される基、式−R09−O−で表される基、式−R09−O−R08−で表される基等が挙げられる。
08は、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキレン基、アルキルアルキレン基がより好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基が特に好ましい。アルキルアルキレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。これらR08には、フッ素原子が含まれていてもよく、フッ素原子が含まれていなくてもよい。
09は、2価の芳香族環式基であり、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基が好ましく、ナフチル基から水素原子をさらに1つ除いた基が最も好ましい。
一般式(f1)において、Rf1の構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。Rf1において、有機基の炭素数は1〜20が好ましく、炭1〜15がより好ましく、1〜10が特に好ましく、1〜5が最も好ましい。
f1は、フッ素化率が25%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
「フッ素化率」は、有機基における(水素原子及びフッ素原子の合計数)に対する(フッ素原子数)の割合(%)である。
f1としては、例えば、メチル基、エチル基、置換基を有していてもよいフッ素化炭化水素基が好ましく挙げられる。
f1における置換基を有していてもよいフッ素化炭化水素基について、炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよいが、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。Rf1としては、フッ素化飽和炭化水素基又はフッ素化不飽和炭化水素基であることが好ましく、フッ素化飽和炭化水素基、すなわちフッ素化アルキル基であることが特に好ましい。
フッ素化アルキル基としては、下記の無置換のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。フッ素化アルキル基は、無置換のアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された基であってもよく、無置換のアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であってもよい。無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れであってもよく、また、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
無置換の直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
無置換の分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜8がより好ましい。分岐鎖状のアルキル基としては、第3級アルキル基が好ましい。無置換の環状のアルキル基としては、例えば、モノシクロアルカン、又はビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のモノシクロアルキル基;アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等のポリシクロアルキル基等が挙げられる。無置換の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組み合わせとしては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。フッ素化炭化水素基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基等が挙げられる。
(F)成分としては、特に下記の様な構成単位を有する、含フッ素高分子化合物(F1−1)が好ましい。
Figure 2013117710
[一般式(F1−1)中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。j”は0〜3の整数であり、R30は炭素数1〜5のアルキル基であり、h”は1〜6の整数である。]
式(F1−1)中、Rは、前述の構成単位(a1)におけるRと同様である。j”は、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が最も好ましい。R30は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が特に好ましく、エチル基が最も好ましい。h”は、3又は4が好ましく、4が最も好ましい。
(F)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、2000〜100000
が好ましく、3000〜100000がより好ましく、4000〜50000がさらに好ましく、5000〜50000が最も好ましい。かかる質量平均分子量(Mw)を有する(F)成分を用いる場合、(F)成分をレジスト組成物中に溶解させやすく、また、得られるレジスト組成物を用いて断面形状の良好パターンを形成しやすい。また、(F)成分の分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.8が特に好ましい。
(F)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。レジスト組成物における(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.3〜30質量部が特に好ましく、0.5〜15質量部が最も好ましい。(F)成分を、かかる範囲の量で用いる場合、液浸露光用として好適な疎水性を有すると共に、リソグラフィー特性に優れるレジスト組成物を得やすい。
(その他の任意成分)
レジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料等を適宜、添加含有させることができる。
<レジスト膜形成方法>
レジスト膜形成方法を、図1(a)、及び(b)により説明する。以上説明した成分を含む、レジスト組成物を基板10上に塗布され、基板10上にレジスト膜11が形成される。レジスト組成物を基板10上に、塗布する方法は、レジスト組成物を、所望の膜厚で基板上に良好に塗布することができれば特に限定されない。塗布方法の具体例としては、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法等が挙げられ、スピンコート法がより好ましい。
レジスト組成物を基板10上に塗布してレジスト膜11を形成した後、必要に応じて基板上のレジスト膜11を加熱(プリベーク)する。これにより、不溶な溶剤の除去された膜を均一に形成することができる。プリベークの温度は特に限定されないが、50℃〜160℃が好ましく、60℃〜140℃がより好ましい。
本発明において膜を形成する基板10の種類は特に限定されない。基板10の例としては、シリコン、SiN、SiOやSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、さらにはその他のフォトアプリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。
レジスト膜11を形成する前に、基板10上に予め反射防止膜(不図示)を塗設してもよい。反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型の何れも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
≪露光工程≫
露光工程を図1(c)、及び(d)により説明する。露光工程では、基板10上に形成されたレジスト膜11に対して、紫外線や電子線等の活性エネルギー線12により選択的に露光を行う。露光方法は特に限定されず、従来から、レジスト膜11への露光方法として採用されている種々の方法から適宜選択できる。好適な方法としては、レジスト膜11に、所定のマスク13を通して紫外線や電子線等の活性エネルギー線12を照射する方法が挙げられる。
かかる露光により、レジスト膜11中に、露光部14と、未露光部15とが形成される。レジスト膜形成工程では、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含むレジスト組成物を用いているため、露光部14は、(B)成分により発生した酸の作用によって、有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少している。一方、未露光部15は、活性エネルギー線13が照射されていないため、有機溶剤を含む現像液に溶解しやすいままである。
活性エネルギー線12としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等が挙げられる。これらの中では、波長が250nm以下、好ましくは220nm以下、より好ましくは1〜200nmである、遠紫外光が好ましい。遠紫外光の具体例としては、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(13nm)等が挙げられる。
露光工程では、必要に応じ、光学レンズ部とレジスト膜との間を液浸媒体で満たして露光を行う液浸露光方を適用することもできる。液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、且つ、使用されるレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する液体であれば特に限定されるものではない。このような液浸媒体としては、水(純水、脱イオン水)、水に各種添加剤を配合して高屈折率化した液体、フッ素系不活性液体、シリコン系不活性液体、炭化水素系液体等が挙げられるが、近い将来に開発が見込まれる高屈折率特性を有する液浸媒体も使用可能である。フッ素系不活性液体としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体が挙げられる。これらのうち、コスト、安全性、環境問題、及び汎用性の観点から、193nmの波長の露光光(ArFエキシマレーザー等)を用いる場合には水(純水、脱イオン水)が好ましく、157nmの波長の露光光(Fエキシマレーザー等)を用いる場合にはフッ素系不活性溶剤が好ましい。
露光が終了した後には、ベーク(PEB)を行うのが好ましい。PEBの温度は、良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されるものではなく、通常40℃〜160℃である。
≪現像工程≫
現像工程を図1(e)、(f)、及び(g)により説明する。現像工程では、露光後のレジスト膜11を、有機溶剤を含む現像液16により現像してレジストパターン17を形成する工程である。上記の通り、レジスト膜11における露光部14は、有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が低下しており、未露光部15は有機溶剤を含む現像液に対して溶解しやすい。このため、露光後のレジスト膜11と、現像液16とを接触させることにより、未露光部15が現像液16に溶解し、露光部14は、現像液16に溶解せずに、レジストパターン17として現像される。
現像液16に含まれる有機溶剤は、未露光部15(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤は、構造中にC−C(=O)−Cを含む有機溶剤である。エステル系溶剤は、構造中にC−C(=O)−O−Cを含む有機溶剤である。アルコール系溶剤は、構造中にアルコール性水酸基を含む有機溶剤であり、「アルコール性水酸基」は、脂肪族炭化水素基の炭素原子に結合した水酸基を意味する。アミド系溶剤は構造中にアミド基を含む有機溶剤である。エーテル系溶剤は構造中にC−O−Cを含む有機溶剤である。有機溶剤の中には、構造中に上記各溶剤を特徴づける官能基を複数種含む有機溶剤も存在するが、その場合は、有機溶剤が有する官能基を含む何れの溶剤種にも該当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤何れにも該当するものとする。また、炭化水素系溶剤は、炭化水素からなり、置換基(水素原子及び炭化水素基以外の基又は原子)を有さない炭化水素溶剤である。
各溶剤の具体例として、ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、鎖状のエステル系溶剤として、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。また、環状のエステル系溶剤として、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、後述する一般式(S1)で表される溶剤又は後述する一般式(S2)で表される溶剤を用いるのが好ましく、一般式(S1)で表される溶剤を用いるのがより好ましく、酢酸アルキルを用いるのが特に好ましく、酢酸ブチルを用いるのが最も好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール、3−メトキシ−1−ブタノール等の1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の、水酸基を含むグリコールエーテル系溶剤;等が挙げられる。これらの中でもグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記水酸基を含むグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の、水酸基を含まないグリコールエーテル系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。これらのなかでも、水酸基を含むグリコールエーテル系溶剤、水酸基を含まないグリコールエーテル系溶剤等のグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
これらの有機溶剤は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて
もよい。また、上記以外の有機溶剤や水と混合して用いてもよい。
有機系現像液に用いる有機溶剤としては、下記一般式(S1)又は(S2)で表される溶剤が好ましい。
00−C(=O)−O−R01 …(S1)
02−C(=O)−O−R03−O−R04 …(S2)
[一般式(S1)中、R00及びR01はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子であり、R00及びR01は互いに結合して環を形成してもよい。一般式(S2)中、R02及びR04はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子であり、R02及びR04は互いに結合して環を形成してもよく、R03は、アルキレン基である。]
一般式(S1)中、R00及びR01におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状が好ましく、その炭素数は1〜5が好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基としては例えば水酸基、カルボキシ基、シアノ基等が挙げられる。
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基におけるアルキル基として前記アルキル基と同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
00及びR01は、それぞれ、水素原子又はアルキル基が好ましい。
一般式(S1)で表される溶剤(以下、溶剤(S1)ということがある。)の具体例としては、例えば酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
溶剤(S1)としては、上記の中でも、R00及びR01が無置換のアルキル基であるものが好ましく、酢酸アルキルがより好ましく、酢酸ブチルが特に好ましい。
一般式(S2)中、R02及びR04は、それぞれ前述のR00及びR01と同様である。
03におけるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状が好ましく、その炭素数は1〜5が好ましい。アルキレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては例えば水酸基、カルボキシ基、シアノ基等が挙げられる。また、アルキレン基の炭素数が2以上である場合、アルキレン基の炭素原子間に酸素原子(−O−)が介在してもよい。
一般式(S2)で表される溶剤(以下、溶剤(S2)ということがある。)の具体例としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、等が挙げられる。
溶剤(S1)〜(S2)は何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、溶剤(S1)として、又は溶剤(S2)として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、溶剤(S1)及び(S2)から選ばれる少なくとも1種を、その他の溶剤と混合して用いてもよい。
その他の溶剤としては、使用する溶剤(S1)又は(S2)と分離することなく混合できるものであれば特に限定されず、例えば上述したエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等のなかから適宜選択できる。それらの中でも、水酸基を含むグリコールエーテル系溶剤、水酸基を含まないグリコールエーテル系溶剤等のグリコールエーテル系溶剤(以下、溶剤(S3)ということがある。)が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基を含むグリコールエーテル系溶剤がより好ましい。
溶剤(S1)と溶剤(S2)とを混合する場合、(S1)/(S2)の質量比は99/1〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、90/10〜70/30がさらに好ましい。
溶剤(S1)と溶剤(S3)とを混合する場合、(S1)/(S3)の質量比は99/1〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、90/10〜70/30がさらに好ましい。
溶剤(S1)と溶剤(S2)と溶剤(S3)とを混合する場合、(S1)/(S2)/(S3)の質量比は90/0.1/9.9〜50/15/35が好ましく、85/0.5/14.5〜60/10/30がより好ましく、80/1/19〜70/5/25がさらに好ましい。
溶剤(S1)を2種以上混合する場合、鎖状のエステル系溶剤と環状のエステル系溶剤とを混合することが好ましい。その場合の質量比(鎖状/環状)は、99.9/0.1〜80/20が好ましく、99/1〜85/15がより好ましく、98/2〜90/10がさらに好ましい。
現像液16に用いる有機溶剤としては、現像に用いる溶剤のコスト削減の観点から、ハロゲン原子を含まない有機溶剤を用いることが好ましい。有機系現像液の総重量に占めるハロゲン原子を含まない有機溶剤の含有量は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。有機系現像液に用いる有機溶剤の沸点は、50℃以上250℃未満が望ましい。有機系現像液に用いる有機溶剤の発火点は、200℃以上が望ましい。
現像液16には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。添加剤としては例えば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、前述の公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基等が挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基等同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)等を同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げられる。さらに、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、等を挙げることができる。
界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、現像液16の全質量に対して、通常、0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像液16によりレジストパターン17を現像する方法は、特に限定されず、公知の現像方法から適宜選択して実施できる。好適な現像方法としては、例えば、現像液16中に露光後のレジスト膜11を備える基板10を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、露光後のレジスト膜11の表面に現像液16を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、露光後のレジスト膜11の表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板10に対して、露光後のレジスト膜11に向けて一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液16を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
また、現像を行う工程の後に、現像液16を他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像工程の後には、有機溶剤を含むリンス液を用いてレジストパターン17を洗浄してもよい。
リンス工程に用いるリンス液は、レジストパターンを溶解しなければ特に限定されず、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。リンス液として使用できる有機溶媒としては、現像液16が含んでいてもよい有機溶剤と同様のものが挙げられる。リンス液は、上記の有機溶剤を複数含んでいてもよく、上記以外の有機溶剤を含むものであってもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、現像後の基板10上のレジストパターン17を上記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されず、現像液16による現像と同様の方法により行うことができる。
≪被覆膜形成工程≫
被覆膜形成工程を図1(f)、及び(g)により説明する。被覆膜形成工程では、レジストパターン17上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜18を形成する。
レジストパターン17上に、被覆形成剤を塗布して被覆膜18を形成する方法としては、レジスト膜形成工程において、基板10上にレジスト膜11を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
また、被覆形成剤に含まれる(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂は、レジスト膜形成工程において用いるレジスト組成物に含まれる(A)成分と同様の樹脂を使用することができる。(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂の例としては、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含むアクリル酸エステル誘導樹脂や、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位を含むヒドロキシスチレン誘導樹脂等が挙げられる。
さらに、被覆形成剤に含まれる(B)溶剤は、レジスト膜形成工程において用いるレジスト組成物に含まれる(C)成分と同様の溶剤を使用することができる。
なお、被覆形成剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、レジスト組成物に含まれる、(A)成分、及び(B)成分以外の、種々の成分を含んでいてもよい。
なお、被覆形成剤としては、レジスト膜形成工程において用いるレジスト組成物を用いることもできる。レジスト組成物と異なる組成の被覆形成剤を用いる場合、レジスト組成物を基板表面に供給する設備と、被覆形成剤を基板表面に供給する設備とが必要となり、微細パターンを形成するための生産設備の構成が複雑なものとなる。しかし、被覆形成剤としてレジスト組成物を用いる場合、被覆形成剤を基板表面に供給する設備が不要になり、微細パターンを形成するための生産設備の構成を簡素化することができる。この場合、生産設備において故障等のトラブルの発生頻度が低減するため、メンテナンス費用を低減し、微細パターンを形成するための生産設備の稼働率を向上させることができる。
≪パターン厚肉化工程≫
パターン厚肉化工程を図1(g)、及び(h)により説明する。パターン厚肉化工程では、被覆膜形成工程において、被覆形成剤が塗布されたレジストパターン17を加熱して、レジストパターン17表面に、高分子量化を伴うことなく、現像液に対して難溶な層19(以下、難溶層ともいう)を形成してレジストパターン17を厚肉化する。
レジスト組成物には、(B)成分として、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が含まれているため、露光部14に相当するレジストパターン17には、(B)成分により発生した酸が残存している。このため、被覆形成剤が塗布されたレジストパターン17を加熱する場合、レジストパターン17と、被覆膜18との界面を通じて、レジストパターン17中に存在する酸が、被覆膜18へと拡散する。
そして、被覆膜18を形成する被覆形成剤には、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂が含まれている。このため、レジストパターン17から拡散する酸の作用によって、被覆膜18のうち、被覆膜18とレジストパターン17との界面付近の部分について、有機溶剤に対する溶解性が低下し、レジストパターン17の表面に難溶層19が形成され、レジストパターン17が厚肉化される。
レジストパターン17を加熱する温度は、難溶層19が良好に形成される限り特に限定されない。加熱温度及び加熱時間は、用いるレジスト組成物の種類、被覆形成剤の種類、及びレジストパターンの微細化量に応じて、適宜選択することができる。加熱温度は、典型的には、30℃〜200℃が好ましく、60℃〜180℃がより好ましく、80℃〜160℃がさらに好ましい。
このようにして、パターン厚肉化工程後に、基板10上に、微細化されたレジストパターン17(難溶層19を含む)が形成される。パターン厚肉化工程後のレジストパターン17は、その表面に、難溶層19に変化していない被覆膜18中の可溶部が残存している。このため、レジストパターン17上に残存する被覆膜18中の可溶部は、第二現像工程において、要時にレジストパターン表面から除去される。
≪第二現像工程≫
第二現像工程について図1(h)、及び(i)により説明する。図1(h)に示されるように、パターン厚肉化工程後のレジストパターン17(難溶層19を含む)上には、被覆膜18中の可溶部が残存している。かかる被覆膜18中の可溶部は、有機溶剤を含む現像液により現像を行うことにより除去される。
第二現像工程における、現像方法と、現像液とは、現像工程と同様のものを適用できる。また、第二現像工程において、現像後には、現像工程と同様に、有機溶剤を含むリンス液を用いて、レジストパターン17を洗浄するのが好ましい。
以上説明した本発明の微細パターン形成方法によれば、ネガ型現像プロセスにより形成されたレジストパターンをさらに微細化することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7及び参考例1]
以下、実施例1〜7及び参考例1で用いたレジスト組成物に含まれる成分について説明する。
<(A)成分>
レジスト組成物に含まれる(A)成分として、下記の構成単位から構成される樹脂を用いた。なお、各構成単位内に記載される数字は、各構成単位の樹脂に含まれる全構成単位に対するモル%を意味する。なお、下記の構成単位から構成される樹脂の質量平均分子量は7000であった。
Figure 2013117710
<(B)成分>
レジスト組成物に含まれる(B)成分である光酸発生剤としては、下式の化合物を用いた。
Figure 2013117710
<(C)成分>
レジスト組成物に含まれる(C)成分である溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の含有量が90質量%であり、シクロヘキサンノン(CH)の含有量が10質量%である、PGMEAとCHとの混合溶剤を用いた。
<(D)成分>
レジスト組成物に含まれる(D)成分であるクエンチャーとしては、下式の化合物を用いた。
Figure 2013117710
<(E)成分>
レジスト組成物に含まれる(E)成分である、有機カルボン酸としてはサリチル酸を用いた。
<(F)成分>
レジスト組成物に含まれる(F)成分である、塩基解離性基含有樹脂としては、下記の構成単位から構成される樹脂を用いた。なお、各構成単位内に記載される数字は、各構成単位の樹脂に含まれる全構成単位に対するモル%を意味する。なお、下記の構成単位から構成される樹脂の質量平均分子量は23000であった。
Figure 2013117710
また、上記以外の成分として、ガンマブチロラクトンを、レジスト組成物に配合した。実施例1〜7及び参考例1で用いた、レジスト組成物の各成分の組成を、以下の表1に示す。
Figure 2013117710
〔実施例1〕
膜厚82nm「ARC29A(ブリューワサイエンス社製)」の反射防止膜が形成されたシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物をスピンナー塗布し、105℃で60秒間ベーク処理することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。その後、得られたホトレジスト膜に対し、露光装置(ニコン株式会社製、商品名「NSR−S302A」)を用いて、スペース幅130nm、ピッチ幅260nmのマスクを介して所定のパターンで露光を行い、95℃で60秒間加熱処理した。次いで、酢酸ブチルを用いて23℃で16秒間の現像処理を施すことにより、ラインアンドスペースパターンを形成した。
次いで、ラインアンドスペースパターン上に、レジスト組成物に含まれる(A)成分と同じ樹脂100質量部と、酢酸ブチル5000質量部とからなる被覆形成剤をスピンナー塗布し、膜厚175nmの被覆膜を形成した。被覆膜が形成されたパターンを、130℃で60秒加熱した後、酢酸ブチルを用いて23℃で16秒間の第二現像処理を施すことにより、微細化されたパターンを形成した。実施例1について、現像工程後のパターンのスペース幅に対する、第二現像工程後のパターンのスペース幅の減少量を求めた。評価結果を、表3に示す。
〔実施例2〜7〕
被覆形成剤に含まれる樹脂を、それぞれ、下記の構成単位から構成される樹脂に変えることの他は、実施例1と同様にして微細化されたレジストパターンを形成した。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
実施例2〜7で、被覆形成剤に用いた樹脂の質量平均分子量を、下記表2に示す。
Figure 2013117710
各実施例について、実施例1と同様にして、現像工程後のパターンのスペース幅に対する、第二現像工程後のパターンのスペース幅の減少量を求めた。各実施例の評価結果を、表3に示す。
〔参考例1〕
被覆形成剤を用いないことの他は、実施例1と同様にして、パターン厚肉化工程と、第二現像工程を行い、レジストパターンを形成した。参考例1について、実施例1と同様にして、現像工程後のパターンのスペース幅に対する、第二現像工程後のパターンのスペース幅の減少量を求めた。参考例1の評価結果を、表3に示す。
Figure 2013117710
表3に記載の、実施例1〜7の結果によれば、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、レジスト膜を露光した後にレジストパターンを現像し、現像されたレジストパーン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成し、被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱することによって、レジストパターンが良好に微細化されることが分かる。
また、実施例1、及び2によれば、所定の構造の構成単位を含むアクリル酸エステル誘導樹脂を、被覆形成剤の成分として用いる場合、特に、レジストパターンの微細化が良好に行われることが分かる。
[実施例8〜20及び参考例2〜4]
以下、実施例8〜20及び参考例2〜4で用いたレジスト組成物に含まれる成分について説明する。
<(A)成分>
レジスト組成物に含まれる(A)成分として、下記の構成単位から構成される樹脂を用いた。なお、各構成単位内に記載される数字は、各構成単位の樹脂に含まれる全構成単位に対するモル%を意味する。なお、下記の構成単位から構成される樹脂の質量平均分子量は8500であり、分散度は1.81であった。
Figure 2013117710
<(B)成分>
レジスト組成物に含まれる(B)成分である光酸発生剤としては、下式の化合物を用いた。
Figure 2013117710
<(C)成分>
レジスト組成物に含まれる(C)成分である溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の含有量が90質量%であり、シクロヘキサンノン(CH)の含有量が10質量%である、PGMEAとCHとの混合溶剤を用いた。
<(D)成分>
レジスト組成物に含まれる(D)成分であるクエンチャーとしては、下式の化合物を用いた。
Figure 2013117710
<(E)成分>
レジスト組成物に含まれる(E)成分である、有機カルボン酸としてはサリチル酸を用いた。
<(F)成分>
レジスト組成物に含まれる(F)成分である、塩基解離性基含有樹脂としては、下記の構成単位から構成される樹脂を用いた。なお、各構成単位内に記載される数字は、各構成単位の樹脂に含まれる全構成単位に対するモル%を意味する。なお、下記の構成単位から構成される樹脂の質量平均分子量は23000であり、分散度は1.30であった。
Figure 2013117710
実施例8〜20及び参考例2〜4で用いた、レジスト組成物の各成分の組成を、以下の表4に示す。
Figure 2013117710
〔実施例8〕
膜厚90nm「ARC295(ブリューワサイエンス社製)」の反射防止膜が形成されたシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物をスピンナー塗布し、105℃で60秒間ベーク処理することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。その後、得られたホトレジスト膜に対し、露光装置(ニコン株式会社製、商品名「NSR−S609B」)を用いて、ホール径70nm、ホール間ピッチ140nmのハーフトーンマスクを介して所定のパターンで露光を行い、85℃で60秒間加熱処理した。次いで、酢酸ブチルを用いて23℃で16秒間の現像処理を施すことにより、ホールパターンを形成した。
次いで、ホールパターン上に、下記の構成単位から構成される樹脂(質量平均分子量10000)100質量部と、酢酸ブチル5000質量部とからなる被覆形成剤をスピンナー塗布し、膜厚60nmの被覆膜を形成した。被覆膜が形成されたパターンを、120℃で60秒加熱した後、酢酸ブチル(BuOAc)を用いて23℃で16秒間の第二現像処理を施すことにより、微細化されたパターンを形成した。実施例8について、現像工程後のパターンのホール径に対する、第二現像工程後のパターンのホール径の減少量を求めた。評価結果を、表6に示す。
Figure 2013117710
〔実施例9〜20〕
実施例9〜13では、実施例8と同じ被覆形成剤を用いた。また、実施例14〜20では、被覆形成剤に含まれる樹脂を下記の構成単位から構成される樹脂に変更した。
Figure 2013117710
Figure 2013117710
Figure 2013117710
実施例14〜20で用いた被覆形成剤に含まれる樹脂の質量平均分子量を、下記表5に示す。
Figure 2013117710
実施例9〜20では、被覆膜の加熱温度を、表6に記載の温度とし、第二現像処理に、表6に記載の溶媒を用いることの他は、実施例8と同様にして微細化されたレジストパターンを形成した。なお、表6に記載のMAKは、2−ヘプタノンを意味する。実施例9〜20について、現像工程後のパターンのホール径に対する、第二現像工程後のパターンのホール径の減少量を求めた。評価結果を、表6に示す。
〔参考例2〜4〕
実施例8と同様にして微細化されていないホールパターンを形成した。形成された微細化されていないホールパターンを、表6に記載の温度で60秒加熱した。参考例2〜4について、加熱前のパターンのホール径に対する、加熱後のパターンのホール径の減少量を求めた。評価結果を表6に示す。
Figure 2013117710
表6に記載の、実施例8〜20の結果によれば、(A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、レジスト膜を露光した後にレジストパターンを現像し、現像されたレジストパーン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成し、被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱することによって、ホールパターンについても、レジストパターンを良好に微細化できることが分かる。
また、表6に記載の実施例の結果によれば、第二現像に用いる溶媒の種類によらず、レジストパターンが良好に微細化されることと、被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱する温度を高めることにより、よりレジストパターンを微細化しやすいことと、が分かる。
参考例2〜4によれば、所定の被覆形成剤を塗布しない場合、レジストパターンを加熱しても、レジストパターンが微細化されないことが分かる。
10 基板
11 レジスト膜
12 活性エネルギー線
13 マスク
14 露光部
15 未露光部
16 現像液
17 レジストパターン
18 被覆膜
19 難溶層

Claims (5)

  1. (A)酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する基材と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有するレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程、
    前記レジスト膜を露光する露光工程、
    露光後のレジスト膜を、前記現像液により現像してレジストパターンを形成する現像工程、
    前記レジストパターン上に、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する被覆形成剤を塗布して被覆膜を形成する、被覆膜形成工程、及び
    前記被覆形成剤が塗布されたレジストパターンを加熱して、前記レジストパターン表面に高分子量化を伴わないで前記現像液に対して難溶な層を形成してパターンを厚肉化する、パターン厚肉化工程を含む微細パターン形成方法。
  2. さらに、前記パターン厚肉化工程の後に、前記現像液により前記被覆膜中の可溶部を除去する第二現像工程を含む、請求項1記載の微細パターン形成方法。
  3. 前記(A)成分が、酸の作用により脱保護される保護基を有する繰り返し単位を含む樹脂であって、前記パターン厚肉化工程において、前記被覆膜中の(A)成分の脱保護反応により前記難溶層が形成される、請求項1記載の微細パターン形成方法。
  4. 前記被覆形成剤として、前記レジスト組成物が使用される、請求項1記載の微細パターン形成方法。
  5. 請求項1記載の微細パターン形成方法において用いられる、(A)酸の作用により有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)溶剤とを含有する、パターン微細化用被覆形成剤。
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