JP2013117499A - 放射線遮蔽材 - Google Patents

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淳一 岩村
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Abstract

【課題】安価で汎用的な素材によって、簡易な放射線遮蔽材を提供する。
【解決手段】発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンからなる群から選択される少なくとも1の層を有することを特徴とする放射線遮蔽材。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線遮蔽材およびそれを使用して得られた放射性物質保管容器に関する。
東日本大震災における原子力発電所事故によって、放射性物質の拡散が発生したことから、その処理が重大な問題とされている。特に放射性物質が拡散した地域においては、汚染された土壌を洗浄し、除染することが必要とされる。
しかし、このようにして除染を行った後には、廃棄物として高濃度に濃縮された放射性物質が生成してしまう。このような放射性物質の保管については、必ずしも従来と同様の保管方法を採用できない場合がある。なぜなら、土壌処理は処理すべき土地の近隣で行うことが好ましいものであるが、汚染されたすべての場所に原子力発電所等と同レベルの処理設備や保管施設を設置することは難しいためである。
また、土壌処理を行うための装置においても、濃縮過程にある放射性物質が存在するため、作業者の健康を維持するためには、設備においても放射線の遮蔽を行うことが必要である。そして、その際にはこれまでの放射性物質を取り扱う施設のような、厚いコンクリート等の放射線の遮蔽設備を備えた設備を作ることは現実的ではない。
更に、放射性物質を移動させる場合には、移動に際して放射線を遮蔽することが必要である。しかし、原子力発電所事故以前においては、このような土壌除染およびそれに基づく廃棄物の保管・移動等は行われたことはない。よって、このような問題は現在検討すべき極めて重要な問題である。
このような廃棄物の保管に際しては、放射能遮蔽性能に加えて、容器や設備等の腐食によって放射性物質が外部に漏出しないようにすることも重要である。さらに、このような放射線遮蔽環境は、一時的に設置されるものであることも想定されるため、鉛などのような重量の大きい物質で形成することは必ずしも好ましくない。
一方、軽量気泡コンクリートが外壁材として汎用されている。市販の軽量気泡コンクリートとしては、旭化成建材社のヘーベルパワーボード(商品名)が知られている。これは、コンクリート中に多くの気泡が形成された素材であり、例えば、材料を凝固させ180℃という高温で、高圧の蒸気を掛けて10時間以上養生させたもの等が知られている。このような製造工程において水素ガス等のガスが発生することによって、形成された気泡が多数存在している。
しかし、このような軽量気泡コンクリートを放射性物質の遮蔽材料として使用することは検討されていない。
特許文献1、2には、放射性物質を保管するための材料としてセラミックを使用することが記載されている。しかし、このような材料として軽量発泡コンクリートを使用することは記載されていない。また、このような保管材料は、原子力発電所等において使用することを想定したものであり、一般の農地等での土壌の除染作業において生じた放射性物質の保管や運搬を想定したものではない。
又、事故現場付近においては、外部放射能から屋内の人を守る必要も生じる。このため、建物の放射線遮蔽能を向上させる方法も求められている。
特開2006−138717号公報 特開2006−132976号公報
本発明は上記に鑑み、安価で汎用的な素材によって、簡易な放射線遮蔽材を提供することを目的とするものである。
本発明は発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンからなる群から選択される少なくとも1の層を有することを特徴とする放射線遮蔽材である。
上記放射線遮蔽材は、発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンからなる群から選択される少なくとも1の層、並びに、鉛板、鉄板、アルミ板、並びに、鉛粉、活性炭およびゼオライトのうち少なくとも一種を含有する塗料によって形成された塗膜からなる群から選択される少なくとも1の層を有することがより好ましい。
上記放射線遮蔽材は、板状であることが好ましい。
本発明は上述した放射線遮蔽材を使用して得られたことを特徴とする放射性物質保管容器でもある。
本発明の放射線遮蔽材は、安価、軽量であり、かつ、効率的に放射線を遮蔽することができるものである。
実施例1の発泡スチロールの厚みと遮蔽率の関係を示す図である。 実施例1の軽量気泡コンクリートの厚みと遮蔽率との関係を示す図である。 鉄板の厚みと遮蔽率の関係を示す図である。 鉛板の厚みと遮蔽率との関係を示す図である。 鉛粉末含有塗料を塗布した低密度発泡スチロールの厚みと遮蔽率との関係を示す図である。
本発明の放射線遮蔽材は、発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンからなる群から選択される少なくとも1の層を有する放射線遮蔽材である。発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンは建築分野において汎用されている材料である。しかし、発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンは、その放射線遮蔽能について確認がなされていない。
発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンは軽量であることから、取り扱い性が良好である。このため、従来のような原子力発電所等で使用されるものではなく、原子力発電所の事故による放射能物質の拡散への対策として、一般的土地や一時的に設けられる放射性物質の処理設備・保管設備用の材料として好適に使用できるものである。更に、放射性物質の保管容器の素材として使用することもできる。
本発明の発泡スチロールは、樹脂を発泡させた一般的に汎用されているものを使用することができる。
本発明の軽量気泡コンクリートは、コンクリート中に多数の気泡を形成させた素材であり、外壁材として汎用されている。これらのなかでも、高温高圧蒸気養生させた軽量気泡コンクリートが好ましい。このようなものの市販のものとしては、旭化成建材社のヘーベルパワーボード(商品名)などが好適である。
このような軽量気泡コンクリートとしては市販の一般的なものを使用することができる。その形状は特に限定されるものではないが、板状のものが入手が容易であること、壁材等への使用が容易であることから、特に好ましい。
上記発泡ウレタンは、発泡剤を加えて重合させたウレタン樹脂であり、断熱材として一般的に汎用されているものを使用することができる。
上記発泡ウレタンは、厚みとしては15〜50mmのものを使用することができる。また、密度は5〜50kg/mのものを使用することができる。また、強度を高めるために、金属網等を含有するものであってもよい。
上記軽量気泡コンクリートは、厚みとしては30〜125mmのものを使用することができる。また、嵩比重は0.2〜0.6kg/Lのものを使用することができる。また、強度を高めるために、金属網等を含有するものであってもよい。
上記発泡スチロールは、厚みとしては15〜250mmのものを使用することができる。また、密度は5〜35kg/mのものを使用することができる。また、強度を高めるために、金属網等を含有するものであってもよい。
本発明の放射線遮蔽材は、上記軽量気泡コンクリート、および発泡スチロール、発泡ウレタンのような発泡樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの層に加えて、更に、鉛板、鉄板、アルミ板のような金属板、並びに、鉛粉のような金属粉末、活性炭のような木質炭化素材およびゼオライトのような岩石粉末のうち少なくとも一種を含有する塗料あるいは表面処理剤によって形成された塗膜からなる群から選択される少なくとも1の層を有するものであることが好ましい。
このような金属系の素材層を設けることによって、更に放射線遮蔽性能を向上させられる点で好ましい。また、金属系素材の欠点である耐久性や重量という点については、上述した発泡スチロール、軽量気泡コンクリートおよび発泡ウレタンからなる群から選択される少なくとも一つの層によって改善されるものである。
上記鉛板、鉄板、アルミ板のような金属板、並びに、鉛粉のような金属粉末、活性炭のような木質炭化素材およびゼオライトのような岩石粉末のうち少なくとも一種を含有する塗料あるいは表面処理剤によって形成された塗膜は、それぞれ具体的には特に限定されるものではなく、公知の任意のものを使用することができる。これらの層の厚みは、1.5〜35mmであることが好ましい。これらを張り合わせるに際しては、通常の接着剤等によって貼付することができる。また塗膜を形成するに際しては、密着性を向上させるためにプライマー層等を設けても良い。
これらの層構成については、特に限定されず、これらを2以上組合せてもよい。組合せについては特に限定されるものではないが、例えば、軽量気泡コンクリート板と鉛板とを交互に1枚ずつ、又は2枚以上ずつ積層させたもの、等を好適に使用することができる。
本発明の放射線遮蔽材は、簡易的な放射線処理施設における放射線の遮蔽や、放射性物質の保管などにおいて使用することができる。たとえば、放射線処理施設や放射性物質保管装置の外壁、放射性物質を保管するための保管容器、放射性物質処理装置を設置した場合、装置と作業者との間に設ける保護壁などとして使用することができる。
また、本発明の放射線遮蔽材は、家屋等の建造物の壁、天井等に貼付して使用することもできる。これにより、リフォーム等の大掛かりな工程を必要とせず、一般の住宅等の建造物に対しても放射線遮蔽効果を付与することができる。また、新規建築時またはリフォーム時に、床下、壁裏、天井裏等に貼付してもよい。
また、本発明の放射線遮蔽材は、放射性物質を保管するための保管容器として使用することもできる。その場合、成型に際して箱状・筒状等の形状としてもよいし、板状の放射線遮蔽材を複数組み合わせて貼り付けることで箱状の形状を成型してもよい。また、金属、樹脂等の素材によって所望の放射線材料保管容器の形状を作成し、その内面および/又は外面に本発明の放射線遮蔽材を貼付・ビス止め等の方法で容器を得ることもできる。
本発明の放射線遮蔽材は、上述した層以外の層を一部に有するものであってもよい。例えば、表面に耐候性を得るための無機塗料による無機塗膜を形成したもの等であってもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
(放射線遮蔽能の測定方法)
遮蔽された空間において、遮蔽物をはさむように、線源と線量計(Radi PA−300、株式会社堀場製作所)を向かい合わせに置いた。測定期間中の、遮蔽物がないときの値は約1.6μSv/hrから1.7μSv/hrの間であった。
遮蔽効果を調べるに当たっては、まず、自然放射線の線量を独立して7回測定し、これらの値の平均をバックグラウンドとした(以下、この値を「バックグラウンド」と呼ぶ)。次に測定対象となる各材質について、放射線の遮蔽率を調べた。
まず、向かい合わせに置いた線源と線量計との間に何も置かない状態で、線量を独立して7回測定し、これらの値からバックグラウンドを引いた値の平均を算出した。(以下、この値を「直接線量」と呼ぶ)。次に、向かい合わせに置いた線源と線量計との間に被測定サンプルを置き、このときの線量を独立して7回測定し、これらの値からバックグラウンドを引いた値の平均を算出した。(以下、「透過線量」と呼ぶ)。
遮蔽率は、上述のように測定された直接線量、透過線量の値から、次のような計算式を用いて算出された。
遮蔽率=100×(直接線量−透過線量)/直接線量 (式1)
(実施例1)
本実施例では、各種材質の板状遮蔽物を単独で用いた場合の、放射線遮蔽効果を調べた。
(実施例1−1)
発泡スチロール板による放射線の遮蔽、発泡スチロール板の厚みと遮蔽率との関係、および発泡スチロール板の密度と遮蔽率との関係――
31.7kg/m、17.8kg/m、8.2kg/mという密度を有する発泡スチロール板を用意した。本明細書では、それらを密度の高い順から、高密度発泡スチロール板、中密度発泡スチロール板、低密度発泡スチロール板と呼ぶこととする。また、用意されたそれら発泡スチロール板の大きさは、密度の高い順から、50mm厚×20cm×30cm、20mm厚×10cm×19.5cm、30mm厚×20cm×30cmであった。また、発泡スチロール板の厚みと遮蔽率の関係を調べる際、発泡スチロールの厚みは同じ種類の板を重ねることで調整された。
種々の密度および厚みを有する発泡スチロールの遮蔽率の測定結果を表1から表3に示す。それぞれの値は平均値±S.D.(n=7)で表す。また、これらの測定値を厚み―遮蔽率グラフ上にプロットしたものを図1に示す。図1のグラフから、発泡スチロールの厚みと遮蔽率の関係は、その密度にほとんど影響されないことは明らかである。このことから、発泡スチロールには、その密度に関係なく一定の遮蔽効果があることがわかった。また図1のグラフから、厚みが約50mmの場合、どの密度の発泡スチロールについても、その遮蔽率は約7割であることは明らかである。また、厚みが約100mmの場合、高密度発泡スチロールおよび低密度発泡スチロールについて、その遮蔽率は約8割であることは明らかである。このように、発泡スチロールは、壁材などの建築材として利用できる範囲内の厚みで、効果的に放射線を遮蔽することがわかった。
(実施例1−2)
軽量気泡コンクリートによる放射線の遮蔽、および軽量気泡コンクリートの厚みと遮蔽率との関係
試験を行った軽量気泡コンクリートの大きさは、38mm厚×20cm×20cmであった。密度は570kg/m3であった。また、軽量気泡コンクリートの厚みと遮蔽率の関係を調べる際、その厚みは同じものを重ねることで調整された。
種々の厚みの軽量気泡コンクリートの遮蔽率の測定結果を表4に示す。それぞれの値は平均値±S.D.(n=7)で表す。この結果、厚みが114mmの時の遮蔽率は約9割であった。軽量気泡コンクリートは、壁材などの建築材として利用できる範囲内の厚みで、高い遮蔽率を有することがわかった。また、表4の測定値を厚み―遮蔽率グラフ上にプロットしたものを図2に示す。このグラフ上のプロットに対して近似曲線を計算した結果、厚みと遮蔽率の関係は、
(遮蔽率)= 7×10−5×(厚み)−0.0219×(厚み) +2.3642×(厚み) (式2)
で表されることがわかった。そこでこの関係式を用いて、遮蔽率が約100%になる場合の厚みを計算した結果、その厚みは約153mmであった。このことから、軽量気泡コンクリートを用いれば、建築材として利用しやすい厚みで顕著な遮蔽効果を得られると考えられる。
(実施例1−3)
鉄板による放射線の遮蔽、および鉄板の厚みと遮蔽率との関係
試験を行った鉄板の大きさは、8mm厚×20cm×30cmの鉄板であった。また、鉄板の厚みと遮蔽率の関係を調べる際、その厚みは同じものを重ねることで調整された。
種々の厚みの鉄板の遮蔽率の測定結果を表5に示す。それぞれの値は平均値±S.D.(n=7)で表す。また、表5の測定値を厚み―遮蔽率グラフ上にプロットしたものを図3に示す。このグラフ上のプロットに対して近似曲線を計算した結果、厚みと遮蔽率の関係は、
(遮蔽率)=0.0014×(厚み)−0.1325×(厚み) +5.5389×(厚み) (式3)
で表されることがわかった。そこでこの関係式を用いて、遮蔽率が約100%になる場合の厚みを計算した結果、その厚みは約36mmであった。
(実施例1−4)
鉛板による放射線の遮蔽、および鉛板の厚みと遮蔽率との関係
測定に使用した鉛板の大きさは、2mm厚×15cm×15cmであった。また、鉛板の厚みと遮蔽率の関係を調べる際、その厚みは同じものを重ねることで調整された。
種々の厚みの鉄板の遮蔽率の測定結果を表6に示す。それぞれの値は平均値±S.D.(n=7)で表す。また、表6の測定値を厚み―遮蔽率グラフ上にプロットしたものを図4に示す。このグラフ上のプロットに対して近似曲線を計算した結果、厚みと遮蔽率の関係は、
(遮蔽率)=12.03×(厚み) (式4)
で表されることがわかった。そこでこの関係式を用いて、遮蔽率が約100%になる場合の厚みを計算した結果、その厚みは約8.3mmであった。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で調査された各種材質の板状遮蔽物を組み合わせて、積層体として用いた場合の放射線遮蔽効果を調べる。使用した高密度発泡スチロール板、鉛板、軽量気泡コンクリート、および鉄板は上記で使用されたものである。これら板状遮蔽物を組み合わせて、以下のIからVの積層体を作製した。
積層体Iは,鉄板,鉛板,および軽量気泡コンクリートをそれぞれを線源側から、鉄板(厚み24mm)−軽量気泡コンクリート(厚み38mm)−鉛板(厚み2mm)−軽量気泡コンクリート(厚み38mm)−鉛板(2mm)−軽量気泡コンクリート(38mm),の順で積層したものである。
積層体IIは,鉄板および軽量気泡コンクリートをそれぞれ線源側から、鉄板(厚み24mm)−軽量気泡コンクリート(厚み114mm)の順で積層したものである。
積層体IIIは、鉛板および軽量気泡コンクリートをそれぞれ線源側から,軽量気泡コンクリート(厚み38mm)−鉛板(厚み2mm)−軽量気泡コンクリート(厚み38mm)の順で積層したものである。
積層体IVは、鉛板および軽量気泡コンクリートをそれぞれ線源側から,軽量気泡コンクリート(厚み38mm)−鉛板(厚み2mm)−軽量気泡コンクリート(厚み38mm)−鉛板(厚み2mm)−軽量気泡コンクリート(厚み38mm)の順で積層したものである。
積層体Vは、高密度発泡スチロールおよび鉛板をそれぞれ線源側から,高密度発泡スチロール(厚み50mm)−鉛板(厚み2mm)−高密度発泡スチロール(厚み50mm)−鉛板(厚み2mm)−高密度発泡スチロール(厚み50mm)の順で積層したものである。
以上のIからVの積層体の遮蔽率の測定結果を表7に示す。9割以上の遮蔽率を有する積層体の中で最も薄かったのは、積層体IVであった。このことから、軽量気泡コンクリートと鉛板とを交互に積層することで、比較的薄い厚みで、遮蔽率の高い積層体を作製できることがわかった。
(実施例3)
本実施例では、耐候性処理が放射線遮蔽率に及ぼす影響を調べる。上記で使用した高密度発泡スチロールの片面に耐候性処理を施し、その遮蔽率を、耐候性処理を施さなかったものと比較した。それぞれの遮蔽率の測定結果を表8に示す。この結果から、耐候性処理は少なくとも遮蔽率の低下は引き起こさないことが分かった.
(実施例4)
本実施例では、鉛粉末懸濁塗料の塗布が放射線遮蔽率に及ぼす影響を調べる。
鉛粉末を懸濁した塗料を塗布した低密度発泡スチロール板の遮蔽率
鉛粉末を塗料中に懸濁し、上記で用いた低密度発泡スチロール板の片面に塗布した。塗料に懸濁された状態で塗布された鉛粉末の密度は,0.028Kg/m,0.056Kg/m,0.083Kg/mの3種類であった。次に、同じ鉛粉末密度で塗布されたものどうしを1枚から3までの間で積層し、その時の遮蔽率を測定した。結果を表9および図5に示す。
図5から、全体の厚みが30mmの場合,最も高い密度で鉛粉末が塗布された発泡スチロール(図5,0.083kg−Pb/m2)の遮蔽率は,それより低い密度で鉛粉末が塗布された発泡スチロールの遮蔽率と比べて,有意に高いことは明らかである。このことは,鉛粉末を含む塗料の塗布は,遮蔽率向上のための有効な手段になりうることを示している。
片面に鉛粉末を懸濁した塗料を塗布し、別の片面に耐候性処理を施した高密度発泡スチロール板
上記で使用された、片面に耐候性処理が施された高密度発泡スチロール板に,鉛粉末を懸濁した塗料を塗布し、その時の遮蔽率を調べた.ただし,塗料を塗布した面は,耐候性処理を施した面と反対側の面であった.塗料に懸濁された状態で塗布された鉛粉末の密度は、0.017Kg/m,0.033Kg/m,0.050Kg/mの3種類であった.また,これら3種類の板を1枚ずつ積層した場合の遮蔽率も調べた.さらに,これら3種類の板のうち,鉛粉末の密度が0.056Kg/mになるように塗料が塗布されたもの1枚と,耐候性処理が施されただけのもの2枚とを積層した場合の遮蔽率も調べた.これらの結果を表10に示す。
(実施例5)
本実施例では、発泡ウレタンのみ、および、発泡ウレタンとアルミ板とを組み合わせて積層体として用いた場合の放射線遮蔽効果を調べる。使用した発泡ウレタンの大きさは、40mm厚×20cm×30cmであった。密度は35kg/mであった。また、使用したアルミ板の大きさは、0.15mm厚×20cm×30cmであった。これらを組み合わせて、以下のVIからIX積層体を作製した。遮蔽率の測定結果を表11に示す。それぞれの値は平均値±S.D.(n=7)で表す。
積層体VIは、アルミ板および発泡ウレタンをそれぞれ線源側から、アルミ板(厚み0.15mm)−発泡ウレタン(厚み40mm)−アルミ板(厚み0.15mm)の順で積層したものである。
積層体VIIは、アルミ板および発泡ウレタンをそれぞれ線源側から、アルミ板(厚み0.15mm)−発泡ウレタン(厚み40mm)の順で積層したものである。
積層体VIIIは、アルミ板および発泡ウレタンをそれぞれ線源側から、発泡ウレタン(厚み40mm)−アルミ板(厚み0.15mm)の順で積層したものである。
IXは、発泡ウレタン(厚み40mm)単独である。
表11の結果より、発泡ウレタンは、壁材などの建築材として利用できる範囲内の厚みで、効果的に放射線を遮蔽することがわかった。
(実施例6)
本実施例では、活性炭含有塗料およびゼオライト含有塗料の塗布が放射線遮蔽率に及ぼす影響を調べる。活性炭が10%添加された水性塗料、ゼオライトが5%あるいは10%添加された水性塗料をろ紙に塗布し、遮蔽率を測定した結果を表12に示す。測定の繰り返し回数は7回であり、遮蔽率は、平均値±標準偏差で示す。なお、ろ紙のみの場合と比較した時の有意差を、T−testにより検定した。塗料を塗布したすべての場合において、studentのT−testによって計算されたP値が0.001以下であった。このことから、実施例で使用された塗料の塗布は、有意に遮蔽率を向上することがわかる。
表12から、水性塗料のみの時と比べて、活性炭およびゼオライトを添加した時の方が、放射線遮蔽率は有意に高かったことは明らかである。このことは、水性塗料に、活性炭およびゼオライトを混入することで、放射線遮蔽率が相乗的に向上することを示している。このことは、発泡樹脂等の表面に活性炭あるいはゼオライトを塗布すること、あるいは発泡樹脂等の表面に塗布する水溶性塗料等に活性炭あるいはゼオライトを混入することは、遮蔽率を改善する有効な手段になることを示している。
本発明の放射線遮蔽材は、簡便な素材によって高い放射線遮蔽性能を得ることができるものである。これによって、放射線処理・保管施設における放射線の遮蔽、放射性物質保管用の容器等を得ることができる。

Claims (5)

  1. 軽量気泡コンクリート、および発泡スチロール、発泡ウレタンのような発泡樹脂からなる群から選択される少なくとも1の層を有することを特徴とする放射線遮蔽材。
  2. 軽量気泡コンクリート、および発泡スチロール、発泡ウレタンのような発泡樹脂からなる群から選択される少なくとも1の層、並びに、鉛板、鉄板、アルミ板のような金属板、並びに、鉛粉のような金属粉末、活性炭のような木質炭化素材、およびゼオライトのような岩石粉末のうち少なくとも一種を含有する塗料あるいは表面処理剤によって形成された塗膜からなる群から選択される少なくとも1の層を有することを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽材。
  3. 上記放射線遮蔽材は、板状である請求項1又は2記載の放射線遮蔽材。
  4. 請求項1、2又は3記載の放射線遮蔽材を使用して得られたことを特徴とする放射性物質保管容器。
  5. 請求項1、2又は3記載の放射線遮蔽材を使用して得られたことを特徴とする建築材料。
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