JP2013117385A - 超音波探触子 - Google Patents

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健一 木津
Tomoyuki Sawayama
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Abstract

【課題】任意の方向に自由に移動させることができ、且つ、S/N比が向上した超音波探触子を提供する。
【解決手段】超音波を放出し及び/又は超音波を受信する超音波振動子10が、球体形状を有する中空の球体ケース30に内蔵されている。球体ケースは外ケース40に回転可能に保持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波探傷試験等に好ましく使用することができる超音波探触子に関する。
従来から、種々の分野において、金属部品等の厚さを測定するため、あるいは、表面または内部の亀裂の発生やその大きさを調べるため、超音波を用いた探傷試験が行われている。超音波による厚さの測定は図3に示すようにして行うことができ、また、超音波による亀裂深さの測定は、図4に示すようにして行うことができる(例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。
図3は、従来の超音波による厚さ測定方法を示す図である。図3に示すように、超音波探触子90を測定対象物100の一方の表面上に配置し、次いで、超音波探触子90から測定対象物100内に超音波を入射する。さらに、測定対象物100の他方の表面で反射した超音波を超音波探触子90で受信し、超音波の送信から受信までの時間を計測する。この測定した時間から超音波の進んだ距離が算出される。この距離の1/2が測定対象物100の厚さとなる。
図4は、従来の超音波による亀裂深さの測定方法を示す図である。図4に示すように、送信用探触子91と受信用探触子92とをあらかじめ定めた距離を隔てて測定対象物100の表面上に配置する。このとき、送信用探触子91と受信用探触子92との間を測定対象物100の表面に形成されている亀裂101が横切るように、探触子91,92の位置を調整する。
次いで、送信用探触子91から測定対象物100内に超音波を入射する。さらに、亀裂101の底部101aを回折して送信用探触子91とは反対側に進む超音波を受信用探触子92で受信し、超音波の送信から受信までの時間を計測する。この測定した時間から超音波の進んだ距離が算出される。その後、算出した距離と、送信用探触子91から受信用探触子92までの距離とから、亀裂101の深さが算出される。
また、特許文献2には、一対の車輪の内部に送信用探触子及び受信用探触子をそれぞれ内蔵した超音波探傷装置が開示されている。この超音波探傷装置によれば、一対の車輪を回転させることにより送信用探触子及び受信用探触子を測定対象物から離すことなくその位置を移動させることができるので、効率よく連続して測定を行うことができる。
更に、特許文献3,4には、超音波振動子と測定対象物との間に球体を介在させた超音波探触子が記載されている。この超音波探触子によれば、探触子を測定対象物から離すことなく所望する位置に自由に移動させることができるので、測定対象物の厚さや亀裂深さを更に効率よく連続して測定することができる。
特開昭54−150188号公報 特開2005−315800号公報 特開2008−51557号公報 特開2011−127996号公報
「ブリティッシュ・スタンダード(BRITISH STANDARD)」、1993年、BS7706 ジョセフ・クラウトクレーマ(Josef Krautkramer)、ヘルベルト・クラウトクレーマ(Herbert Krautkramer)著、「ウルトラソニック・テスティング・オブ・マテリアルズ(Ultrasonic Testing of Materials)」、スプリンガー・ベルラーグ(Springer Verlag)、1990年、p.323 「超音波探傷試験III」、社団法人日本非破壊検査協会、1989年2月1日、p133−134
しかしながら、図3及び図4に示した測定方法においては、厚さの連続した変化を測定する場合あるいは多数の亀裂深さをそれぞれ測定する場合には、探触子の移動及び位置決めを繰り返す必要があり、多大な時間を要する。
また、特許文献2に示された超音波探傷装置では、探触子を測定対象物から離すことなく厚さや亀裂深さを連続して測定することができるが、一対の車輪の回転軸方向は固定されているので、超音波探傷装置を任意の方向に移動させながら連続して測定することはできない。
特許文献3,4に示された超音波探触子では、特許文献2の上記の問題は解消されるものの、超音波が超音波振動子と測定対象物との間の球体を通過する際に減衰し又は球体内で多重反射するのでS/N比が低いという問題がある。
本発明は、任意の方向に自由に移動させることができるという特許文献3,4の超音波探触子の特徴を備えながら、S/N比が向上し、測定精度が改善された超音波探触子を提供することを目的とする。
本発明の超音波探触子は、測定対象物に超音波を入射させ及び/又は前記測定対象物からの超音波を受信する超音波探触子であって、前記超音波を放出し及び/又は前記超音波を受信する超音波振動子と、前記超音波振動子が内蔵された、球体形状を有する中空の球体ケースと、前記球体ケースを回転可能に保持する外ケースとを備える。
本発明によれば、球体ケースが外ケースに回転可能に保持されているので、球体ケースを測定対象物に押し付けながら超音波探触子の位置を任意の方向に移動させることができる。従って、厚さや亀裂の測定を短時間で効率よく行うことができる。
また、超音波振動子が球体ケース内に内蔵されているので、超音波振動子と測定対象物との間の距離が短くなる。また、超音波が球体を通過しないので球体内で超音波が多重反射しない。従って、S/N比が向上し、測定精度を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる超音波探触子の構成を概念的に示した断面図である。 図2Aは、本発明の一実施形態にかかる超音波探触子に搭載されたスイッチの構成を概念的に示した図である。図2Bは、図2Aに示したスイッチの「開」状態を示した図である。 図3は、従来の超音波による厚さの測定方法を示した図である。 図4は、従来の超音波による亀裂深さの測定方法を示した図である。
上記の本発明の超音波探触子が、前記外ケースに対する前記超音波振動子の姿勢を一定に維持するための姿勢制御手段を更に備えることが好ましい。これにより、球体ケースを測定対象物に押し付けて回転させながら超音波探触子を移動させても、超音波振動子を常に所望する向きに向かせることができる。従って、S/N比を更に向上させることができる。
上記において、前記姿勢制御手段が、前記球体ケースの内側及び外側にそれぞれ設けられた磁石であることが好ましい。これにより、簡単な構成で超音波振動子の姿勢を一定に維持するための姿勢制御手段を容易に実現することができる。
上記の本発明の超音波探触子が、前記球体ケースの内外間で信号を伝達するための無線通信手段を更に備えることが好ましい。これにより、球体ケースの自由な回転と、球体ケースに内蔵された超音波振動子に対する信号の授受とを容易に両立することができる。
前記超音波振動子に対して高電圧パルス信号を出力する高電圧発生回路が、前記球体ケースに内蔵されていることが好ましい。これにより、低電圧のトリガー信号を超音波探触子に入力するだけで超音波を発する超音波探触子を実現できる。
前記超音波振動子からの出力信号を増幅する増幅回路が、前記球体ケースに内蔵されていることが好ましい。これにより、超音波探触子からの出力信号を増幅することなく、当該出力信号波形を表示装置に表示させることができる。
電池が前記球体ケースに内蔵されていることが好ましい。これにより、超音波探触子外から電力を供給することなく、超音波探触子内の高電圧発生回路や増幅回路などの電気回路を動作させることができる。
上記において、前記電池に接続された回路を開閉するためのスイッチが前記球体ケースに内蔵されていることが好ましい。この場合、前記スイッチの開閉動作を前記球体ケース外から行うことができることが好ましい。これにより、必要なときのみ回路をONすることができるので、電池が無駄に消耗するのを防止できる。また、スイッチの開閉動作を行うために球体ケースを分解する必要がないので、操作性が向上する。
前記超音波を放出し及び/又は前記超音波を受信する前記超音波振動子の端面が浸漬されるように、前記球体ケース内に液体が内蔵されていることが好ましい。これにより、超音波振動子と測定対象物との間の音響インピーダンスの低下が少なくなるので、S/N比が更に向上する。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる超音波探触子1の構成を概念的に示した断面図である。本実施形態の超音波探触子1では、超音波を放出し及び/又は超音波を受信する超音波振動子10が、内ケース20に保持されている。そして、超音波振動子10及び内ケース20は、球体形状を有する中空の球体ケース30内に収納されている。球体ケース30は外ケース40に回転可能に保持されている。以下の説明の便宜のために、図1の紙面の上側を超音波振動子1の上側と呼び、図1の紙面の下側を超音波振動子1の下側と呼ぶ。また、図1の紙面の左右方向を超音波振動子1の水平方向と呼ぶ。但し、この「上」、「下」、「水平方向」は、超音波振動子1の実際の使用状態での向きを意味するものではない。図1において、30cは、球体ケース30の中心である。1aは、球体ケース30の中心30cを通り、上下方向に延びた超音波探触子1の中心軸(特に外ケース40の中心軸)である。100は、測定対象物である。
内ケース20は、球体の下側の一部を削除したのと類似した形状を有している。超音波振動子10の、超音波を放出し及び/又は超音波を受信する端面10aが内ケース20とは反対側を向くように、超音波振動子10が内ケース20の下面に取り付けられている。超音波振動子10としては、特に制限はなく、圧電素子の両面に貼り付けられた電極に高電圧パルス信号を印加することで、圧電素子を伸縮させ、超音波を発する公知の振動子を用いることができる。
内ケース20には、超音波送受信機12が搭載されている。超音波送受信機12は、超音波振動子10に対して高電圧パルス信号を出力する高電圧発生回路(図示せず)と、超音波振動子10からの出力信号を増幅する増幅回路(図示せず)と、これら高電圧発生回路及び増幅回路を動作させるための電力を供給する電池(図示せず)とを含む。電池は、一次電池、二次電池のいずれであってもよい。超音波振動子10と超音波送受信機12とは、配線13を介して接続される。
内ケース20の上側の外表面は、球体ケース30の内周面に沿った球面又はこれに近似した形状を有している。内ケース20の当該外表面には、ボールローラ22、磁石24、送受装置26、スイッチ50が、球体ケース30の内周面に対向するように取り付けられている。
球体ケース30は、一定の厚さを有し、その外周面及び内周面はいずれも球面である。球体ケース30内には、液体32が封入されている。超音波探触子1の使用時には、図1に示すように超音波振動子10の端面10aが液体32に浸漬される。このように、端面10aと球体ケース30との間が液体32で満たされていると、両者間に液体32ではなく空気が存在する場合に比べて、端面10aと球体ケース30との間に存在する異物質間の境界面での音響インピーダンスの差が小さくなるので、S/N比を向上させることができる。液体32としては、音響インピーダンスが大きく且つ粘性の低い物質が好ましく、例えば水、油等を用いることができ、特に水が好ましい。液体32は、球体ケース30内の空間を満たしていてもよいが、図1に示すように、球体ケース30内の空間容積より少量であってもよい。
球体ケース30は、例えば、その中心30cを通る面に沿って分割された一対の半球面体を接合することにより構成することができる。この場合、一対の半球面体の接合面は、液体32が漏出しないように封止される。
球体ケース30の材料としては、特に制限はないが、例えばアクリル樹脂(PMMAなど)、高密度ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属材料、BRゴム、シリコンゴム、NBRゴム、ウレタンゴム、バイトンゴムなどのゴム系材料等を用いることができ、これらの中でも、アクリル樹脂や高密度ポリスチレン等の樹脂材料が好ましい。球体ケース30は、単一の材料から構成されている必要はなく、例えば2以上の異種材料層が積層されて構成されていてもよい。例えば、球体ケース30の内周面側に、硬質の樹脂材料(例えばアクリル樹脂)からなる基層を備え、外周面側にゴム系材料(例えばBRゴム)からなる弾性層を備えた2層構成であってもよい。球体ケース30の外周面が相対的に弾性変形しやすい弾性材料で構成されていることにより、球体ケース30を測定対象物100に押し付けたときに、球体ケース30の外側層が変形して、ある面積を有する領域で球体ケース30と測定対象物100とが密着する。これにより、球体ケース30と測定対象物100との間での超音波の伝播が容易になるので、超音波探傷において通常必要である超音波探触子と測定対象物との間に付与される接触媒質が不要になる。
外ケース40は、球体ケース30を内蔵するための内腔を備える。外ケース40の下面には、当該内腔に連通した開口41が形成されており、この開口41から球体ケース30の一部が下方に向かって突出している。外ケース40の球体ケース30に対向する内周面は、球体ケース30の外周面に沿った球面又はこれに近似した形状を有している。外ケース40の当該内表面には、ボールローラ42、磁石44、送受装置46が、球体ケース30の外周面に対向するように取り付けられている。外ケース40の上面には、超音波探触子1を保持するためのハンドル49が取り付けられている。本実施形態の外ケース40は、上下方向に分割可能な上ケース40aと下ケース40bとの少なくとも2部品で構成されている。但し、外ケース40を構成する部品数や分割構造は、これに限定されない。
ボールローラ22,42としては、1つのメインボールと、当該メインボールより相対的に小さな複数のサブボール(図示せず)と、メインボール及び複数のサブボールを保持する筐体とを備えた周知のボールローラ装置を用いることができる。メインボールが球体ケース30に当接する。複数のサブボールは、メインボールに対して球体ケース30とは反対側に配置される。複数のサブボールは、メインボールが球体ケース30上を転がりながら移動できるように、メインボールを支持する。このようなボールローラ22及びボールローラ42が、中心軸1a方向の異なる位置に、また、中心軸1a回りの異なる位置に、球体ケース30に当接するように、それぞれ複数個配置されている。内ケース20と球体ケース30との間に複数のボールローラ22が介在しているので、球体ケース30は内ケース20に対して、両者間距離を一定に保ったまま、任意の方向に自由に回転することができる。同様に、外ケース40と球体ケース30との間に複数のボールローラ42が介在しているので、球体ケース30は外ケース40に対して、両者間距離を一定に保ったまま、任意の方向に自由に回転することができる。また、ボールローラ42は、球体ケース30の中心30cよりも上側に加えて下側にも配置されているので、外力や衝撃が加えられても、外ケース40の開口41から、球体ケース30が脱落することがない。
内ケース20の磁石24と外ケース40の磁石44とが球体ケース30を挟んで互いに対向できるように、磁石24と磁石44とからなる磁石対が、中心30cよりも上側に、中心軸1aの回りに等角度間隔(例えば、60°、90°、又は120°間隔)で複数配置されている。磁石24,44は、対をなす磁石24と磁石44とが互いに異なる極(即ち、S極とN極)で対向するように設置されている。従って、対をなす磁石24と磁石44とが対向するように外ケース40に対して内ケース20が配置されると、磁石24と磁石44との間の磁気吸引力により、球体ケース30内の内ケース20が外ケース40に吸引される。このとき、球体ケース30の外周面は外ケース40上のボールローラ42に当接し、球体ケース30の内周面は内ケース20上のボールローラ22に当接する。従って、この状態で、球体ケース30は、外ケース40及び内ケース20に対して回転することができる。球体ケース30が回転しても、外ケース40に対する内ケース20の距離や姿勢等の相対的な位置関係は変わらない。従って、磁石24,44は、内ケース20及びこれに保持された超音波振動子10の外ケース40に対する姿勢を一定に維持するための姿勢制御手段として機能する。このように、対をなす磁石24と磁石44との吸引力によって外ケース40に対して内ケース20及び超音波振動子10の姿勢が一定に維持された状態を、本発明では「姿勢制御状態」と呼ぶ。
内ケース20及び超音波振動子10が姿勢制御状態にあるとき、内ケース20の送受装置26と外ケース40の送受装置46とは、球体ケース30を介して対向する。このように対向した送受装置26及び送受装置46は、電磁誘導現象を利用して両者間で無線での信号伝達を行う無線通信手段を構成する。本実施形態では、無線通信手段を構成する送受装置26と送受装置46とからなる送受装置対が2つ設けられている。内ケース20側の2つの送受装置26は、配線27を介して超音波送受信機12に接続されている。外ケース40側の2つの送受装置46は、配線47を介して外ケース40の外表面に設けられた2つの端子48に接続されている。端子48は図示しない超音波探傷装置に接続される。
スイッチ50は、超音波送受信機12の電池を含む電源回路に直列に接続され、当該電源回路を開閉する。図2Aにスイッチ50の概略構成を示す。中空の筐体51内に、上下方向に重ね合わされた2枚の薄い金属板52a,52bが収納されている。金属板52a,52bは、配線53a,53bを介して超音波送受信機12に接続されている。図2Aは、金属板52aと金属板52bとが接触しており、配線53aと配線53bとが導通した「閉」状態を示している。
図2Bに示すように、スイッチ50の上方に磁石54を配置すると、上側の金属板52aが磁石54の磁気吸引力によって磁石54側に弾性的に変形する。その結果、金属板52aと金属板52bとが離間し、配線53aと配線53bとの導通が遮断された「開」状態になる。
図1に戻り、略L字形状を有する回動部材55が、その上下方向に延びた回動軸56の回りに回動可能に、外ケース40に設けられている。回動軸56の下端に、水平方向に延びた回動アーム57が接続されている。回動アーム57の先端の下面に磁石54が取り付けられている。回動軸56の上端は外ケース40外に突出し、その先端に操作ノブ58が取り付けられている。操作ノブ58をある方向に回転させて、磁石54をスイッチ50の上方に移動させると、磁石54の磁気吸引力が球体ケース30を介して上側の金属板52aに作用して、図2Bに示したようにスイッチ50が「開」状態になる。この状態から操作ノブ58を上記とは逆方向に回転させて、磁石54をスイッチ50の上方から退避させると、図2Aに示したように金属板52aは弾性回復し、スイッチ50は「閉」状態になる。このように球体ケース30外に配置された回動部材55を操作することにより、超音波送受信機12の電源のON/OFFを可逆的に切り替えることができる。
次に、本実施形態の超音波探触子1の使用方法を説明する。
図3で説明したのと同様に、1つの超音波探触子1を、超音波の送信機及び受信機として使用して測定対象物100の厚さ測定や測定対象物100内の亀裂検出をする方法を説明する。
2つの端子48を超音波探傷装置(図示せず)に接続する。また、回動部材55の操作ノブ58を操作してスイッチ50を「閉」状態とし、超音波送受信機12の電源回路をONする。そして、図1に示すように、中心軸1aが測定対象物100の表面に垂直になるように超音波探触子1の球体ケース30を測定対象物100に押し付ける。内ケース20は姿勢制御状態にあるから、測定対象物100に対する外ケース40の傾きに応じて、内ケース20及びこれに保持された超音波振動子10の向きが変化する。
超音波探傷装置から2つの端子48のうちの一方に、超音波を発生させるためのトリガー信号(例えばパルス信号)を入力する。トリガー信号は、端子48から、配線47、送受装置46、送受装置26、配線27を順に通って超音波送受信機12に入力される。超音波送受信機12内の高電圧発生回路は、入力されたトリガー信号に基づいて高電圧パルス信号を発生させる。この高電圧パルス信号は、配線13を介して超音波振動子10に入力される。超音波振動子10は、高電圧パルス信号に基づいて端面10aから超音波を放出する。超音波は、液体32、球体ケース30を順に通過して測定対象物100内に入射する。入射した超音波は測定対象物100の入射面とは反対側の面に到達し、ここで反射されて、上記と逆の経路を通って超音波振動子10に入射してこれを振動させる。超音波振動子10はこの振動を電気信号に変換して出力する。超音波振動子10からの出力信号は、配線13を介して超音波送受信機12に入力される。超音波送受信機12内の増幅回路は入力信号を増幅して出力する。超音波送受信機12からの出力信号は、配線27、送受装置26、送受装置46、配線47、端子48(トリガー信号が入力された端子48とは別の端子48)を順に通って、超音波探傷装置に入力される。超音波探傷装置は、例えば入力された信号波形を、上記トリガー信号波形とともに表示装置に表示する。両波形間の時間を計測すれば、測定対象物100の厚さを測定することができる。また、両波形間に別の信号波形が認められる場合には、測定対象物100内に亀裂が存在すると推定することができる。
測定対象物100上の測定位置を変えるには、球体ケース30を測定対象物100に押し付けたままで超音波探触子1を任意の方向に移動させればよい。移動中、球体ケース30は測定対象物100上を転がるが、測定対象物100に対する外ケース40の傾きを一定に維持すれば、測定対象物100に対する超音波振動子10の向き(姿勢)は一定に保たれる。超音波探触子1を移動させながらトリガー信号を一定間隔で継続して超音波送受信機12に入力すれば、厚さ測定や亀裂検出を連続的に行うことができる。
測定対象物100に対して外ケース40を傾けると、外ケース40の傾きに応じて超音波振動子10も傾く。このようにして、測定対象物100の表面に対して超音波を斜めに入射させることも可能である。これにより、例えば、測定対象物100の超音波の入射面とは反対側の表面に形成された厚さ方向に延びた亀裂を検出することができる。
図4で説明したのと同様に、2つの超音波探触子1を用いて測定対象物100の表面に形成された亀裂の深さを測定することもできる。この場合には、2つの超音波探触子1のうちの一方を超音波を送信する送波子とし、他方を超音波を受信する受波子とする。送波子側の超音波探触子1に超音波を発生させるためのトリガー信号を入力し、受波子側の超音波探触子1からの出力信号を検出する。トリガー信号波形と出力信号波形との間の時間や出力信号波形の振幅から、亀裂の深さを測定することができる。
測定対象物100上の測定位置を変えるには、2つの超音波探触子1の各球体ケース30を測定対象物100に押し付けたままで、2つの超音波探触子1を一体的に任意の方向に移動させればよい。2つの超音波探触子1の相対的位置関係が変化しないように、治具等で2つの超音波探触子1を一体化させることが好ましい。
以上のように、本実施形態の超音波探触子1は、測定対象物100に当接し且つ自由に回転可能な球体ケース30を備えるので、測定対象物100上で超音波探触子1を任意の方向に移動させながら厚さや亀裂の測定を連続的に効率よく行うことができる。
超音波振動子10が球体ケース30内に内蔵されているので、超音波振動子10の超音波が出入する端面10aと測定対象物100との間の距離が短い。また、超音波が球体を通過する際に球体内で超音波が多重反射するという特許文献3,4の超音波探触子で起こる現象が、本実施形態の超音波探触子1では生じにくい。さらに、端面10aと測定対象物100との間の異物質間の界面数が少ない。これらにより、超音波の減衰が低減し、また、多重反射によるノイズも低減する。これらの結果、特許文献3,4の超音波探触子に比べて、S/N比が向上し、測定精度が向上する。
球体ケース30内に液体32が封入されているので、端面10aと測定対象物100との間での超音波の減衰が更に低減し、S/N比が更に向上する。
球体ケース30内に、高電圧発生回路と増幅回路とを有する超音波送受信機12を備えているので、超音波探触子1に接続する超音波探傷装置は、低電圧のトリガー信号を発生する回路と、超音波探触子1からの出力信号を処理する装置(例えば信号波形を表示する表示装置、所望の演算を行う演算装置など)とを備えていればよい。従って、超音波探傷装置の構成を簡単化することができるので、例えば超音波探傷装置の小型軽量化を可能にする。
上記の実施形態は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態では、球体ケース30内に高電圧発生回路と増幅回路と電源回路とを有する超音波送受信機12を備えていたが、超音波送受信機12を省略してもよい。この場合、スイッチ50及びスイッチ50を開閉する回動部材55も省略することができる。従って、超音波探触子1を小型軽量化することができる。超音波探触子1の端子48には、高電圧発生回路及び増幅回路を備えた超音波探傷装置が接続される。あるいは、超音波送受信機12が、高電圧発生回路及び増幅回路のいずれか一方を備えていなくてもよい。
上記の実施形態では、球体ケース30は内ケース20及び外ケース40に対してボールローラ22,42を介して回転可能に支持されていたが、ボールローラ22,42以外の任意の支持機構を用いてもよい。あるいは、球体ケース30が内ケース20及び外ケース40上を摺動することにより球体ケース30が回転可能であってもよい。
スイッチ50及びこれを開閉させるために機構(回動部材55)は、上記の実施形態に限定されない。
超音波送受信機12を動作させるための電力を超音波探触子1の外部から供給することも可能である。この場合には、球体ケース30内に電池を含む電源回路備える必要はなく、また、スイッチ50及び回動部材55を省略することができる。
超音波振動子10は、内ケース20に対して偏芯又は傾斜していてもよい。
図1は、超音波探触子の構成を説明するためのものに過ぎない。従って、中心軸1aを通る1つの断面上に図1に示した全ての構成部材が存在している必要はない。各構成部材は、例えば超音波探触子1内の空間を有効に利用することができるように、中心軸1a方向及び中心軸1a回り方向の任意の位置に配置することができる。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えば超音波探傷の分野に広く利用することができる。特に、超音波探触子を測定対象物から離すことなく任意の方向に移動させて連続的に厚さや亀裂を高精度で測定することができるので、厚さが連続的に変化する場合や多数の亀裂が存在する場合に、効率よい測定を行うことができる。例えば、配管やタンクの肉厚測定、蒸気タービンケーシングや弁箱、ガスタービン動翼、風力発電翼などの亀裂測定などに利用できる。
1 超音波探触子
10 超音波振動子
10a 超音波振動子の端面
12 超音波送受信機
20 内ケース
22 ボールローラ
24 磁石(姿勢制御手段)
26 送受装置(無線通信手段)
30 球体ケース
32 液体
40 外ケース
42 ボールローラ
44 磁石(姿勢制御手段)
46 送受装置(無線通信手段)
50 スイッチ

Claims (9)

  1. 測定対象物に超音波を入射させ及び/又は前記測定対象物からの超音波を受信する超音波探触子であって、
    前記超音波を放出し及び/又は前記超音波を受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子が内蔵された、球体形状を有する中空の球体ケースと、
    前記球体ケースを回転可能に保持する外ケースと
    を備えることを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記外ケースに対する前記超音波振動子の姿勢を一定に維持するための姿勢制御手段を更に備える請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記姿勢制御手段が、前記球体ケースの内側及び外側にそれぞれ設けられた磁石である請求項2に記載の超音波探触子。
  4. 前記球体ケースの内外間で信号を伝達するための無線通信手段を更に備える請求項1〜3のいずれかに記載の超音波探触子。
  5. 前記超音波振動子に対して高電圧パルス信号を出力する高電圧発生回路が、前記球体ケースに内蔵されている請求項1〜4のいずれかに記載の超音波探触子。
  6. 前記超音波振動子からの出力信号を増幅する増幅回路が、前記球体ケースに内蔵されている請求項1〜5のいずれかに記載の超音波探触子。
  7. 電池が前記球体ケースに内蔵されている請求項1〜6のいずれかに記載の超音波探触子。
  8. 前記電池に接続された回路を開閉するためのスイッチが前記球体ケースに内蔵されており、前記スイッチの開閉動作を前記球体ケース外から行うことができる請求項7に記載の超音波探触子。
  9. 前記超音波を放出し及び/又は前記超音波を受信する前記超音波振動子の端面が浸漬されるように、前記球体ケース内に液体が内蔵されている請求項1〜8のいずれかに記載の超音波探触子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106053598A (zh) * 2016-05-26 2016-10-26 中国大唐集团科学技术研究院有限公司西北分公司 一种汽轮机叶轮轮缘超声波检测方法
CN112376932A (zh) * 2020-11-03 2021-02-19 马鞍山安慧智电子科技有限公司 一种空鼓维修机器人
WO2023115706A1 (zh) * 2021-12-23 2023-06-29 烟台杰瑞石油服务集团股份有限公司 阀箱检测系统

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