本発明を説明するにあたり、名称の意味合いを説明しておく。
「遊技者に有利な状態となる場合」とは、大当たり状態となる場合のみならず、リーチ状態となる場合も含まれる。
「識別情報を変動表示する」とは、識別情報を所定方向にスクロール表示する場合の他に、識別情報を自転させることで変動表示をする場合(図44参照)等も含まれる。
「主識別情報」とは、最良の形態における装飾図柄等である。
「副識別情報」とは、最良の形態におけるミニゲーム用図柄等である。
「副識別情報確定入力手段」とは、最良の形態におけるミニゲーム用ボタン900、ミニゲーム用スイッチ705等である。
「副制御装置」とは、最良の形態における表示制御装置45等である。
「副識別情報出現決定手段」とは、最良の形態におけるミニゲーム出現タイミング決定部708a等である。
「副識別情報表示確定制御手段」とは、最良の形態におけるミニゲーム用変動図柄停止制御部707等である。
「待機画面表示期間」とは所謂デモ画面と称される待機画面期間の他に、変動終了後その終了時の停止画像のままデモ画面に変わるまでの期間を含む。
手段1においては、遊技者に有利な状態となるとなるか否かを表示するための主識別情報の変動表示、及び、この主識別情報による表示が遊技者に有利な状態となる場合にそのような状態になることを示唆する副識別情報の表示を実行する表示装置と、上記副識別情報の表示内容を確定させる副識別情報確定入力手段と、遊技の進行を統括する主制御装置からの演出制御コマンドを受信して、演出制御コマンドに応じた変動パターンに基づいて副識別情報の表示演出を実行する副制御装置とを有する遊技機において、
前記副制御装置は、上記主識別情報による表示とは関係なく上記副識別情報を出現させるか否かを決定する副識別情報出現決定手段と、上記副識別情報出現決定手段によって上記副識別情報が出現されている期間中に、上記副識別情報確定入力手段からの確定信号が入力されたときに、上記副識別情報の最終表示内容を確定する副識別情報表示確定制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成であれば、主識別情報による表示とは関係なく副識別情報が出現するので、遊技者に退屈感を与えるのを抑制することが可能となる。具体的には、以下の通りである。
即ち、近年、確率変動状態が継続する確率が向上したことに伴って、大当たり確率は低下する傾向(例えば、従来は大当たり確率が1/330程度であったのに対して、近年は大当たり確率が1/500程度)にある。このため、遊技者の期待感を向上させるスーパーリーチ等の出現確率が低下する傾向にあり、遊技者に退屈感を与える。
また、近年、等価交換等、景品交換率が向上する傾向にあることから、遊技球が始動口に入賞し難くなっており、主識別情報が変動していない時間(デモ画面状態を含む)が長時間続くことも多い。この結果、やはり遊技者に退屈感を与える。
そこで、上記如く、主識別情報による表示とは関係なく上記副識別情報が出現する構成であれば、スーパーリーチ等の出現確率が低下したり、主識別情報が変動していない時間が長くなっても、遊技者は副識別情報の表示内容を確定するというゲームを行なうことができるので、遊技者に退屈感を与えるのを緩和できる。
加えて、通常、遊技場では遊技可能開始時刻より前に遊技者を遊技場に入場させるようになっている(例えば、10時開店の店舗では10分程度前に入場可能である)。そうすると、遊技者が入場してから遊技可能開始時刻までは遊技(この遊技とは、発射ハンドルにより遊技球を有効領域内に発射すること)を行なうことができないので、遊技者に退屈感を与える。これに対して、上記構成であれば、遊技者が入場してから遊技可能開始時刻までの間も副識別情報の表示内容を確定するというゲームを行なうことができるので、遊技者に退屈感を与えるのを緩和できる。
手段2:手段1の遊技機において、
前記副制御装置は、待機画面表示期間及び少なくとも主識別情報の変動表示中の何れかの期間においてのみ、上記副識別情報確定入力手段からの確定信号を有効とし、それ以外の期間では上記副識別情報確定入力手段から確定信号を無効とする確定信号有効期間設定手段を備えたことを特徴とする。
上記構成の如く、副識別情報確定入力手段から確定信号を無効とする期間を設けていれば、むやみやたらに副識別情報確定入力手段を作動するような行為を抑制できるので、副識別情報確定入力手段の損耗、破損を抑えることができる。
手段3:手段2の遊技機において、
前記表示装置の主識別情報による変動表示は、複数種類の識別情報を連ねて構成される複数の主識別情報列による変動表示であり、
前記確定信号有効期間設定手段は、
確定信号有効期間の設定制御を行う有効期間設定制御手段と、
待機画面期間中か変動期間中かで異なる論理値がセットされる待機画面フラグと、
前記複数の主識別情報列のうち最初に停止する主識別情報列の変動表示が高速変動から減速変動するまでの期間を計測し、該期間経過時に告知信号を前記有効期間設定制御手段に出力するタイマ手段と、
を備え、
前記有効期間設定制御手段は、待機画面フラグが待機画面中を示す論理値である場合、及び、待機画面フラグが変動期間中を示す論理値であって且つ前記タイマ手段からタイマ告知信号がない場合のみ、上記副識別情報確定入力手段からの確定信号を有効とすることを特徴とする。
上記構成により、待機画面中の他に、変動表示期間中においても、複数の識別情報列のうち最初に停止する識別情報列の変動表示が高速変動から減速変動するまでの期間は、副識別情報確定入力手段による確定入力操作が可能となる。
手段4:手段2の遊技機において、
前記表示装置の主識別情報による変動表示は、複数種類の識別情報を連ねて構成される複数の主識別情報列による変動表示であり、
前記確定信号有効期間設定手段は、
確定信号有効期間の設定制御を行う有効期間設定制御手段と、
待機画面期間中か変動期間中かで異なる論理値がセットされる待機画面フラグと、
複数の主識別情報列のうち最初に停止する主識別情報列が停止するまでの期間を計測し、該期間経過時に告知信号を前記有効期間設定制御手段に出力するタイマ手段と、
を備え、
前記有効期間設定制御手段は、待機画面フラグが待機画面中を示す論理値である場合、及び、待機画面フラグが変動期間中を示す論理値であって且つ前記タイマ手段からタイマ告知信号がない場合のみ、上記副識別情報確定入力手段からの確定信号を有効とすることを特徴とする。
上記構成により、待機画面中の他に、変動表示期間中においても、複数の主識別情報列のうち最初に停止する識別情報列が停止するまでの期間は、副識別情報確定入力手段による確定入力操作が可能となる。
手段5:手段1〜4の遊技機において、
上記副識別情報出現決定手段は、
出現決定用乱数を発生させる出現決定用乱数発生手段と、
前記出現決定用乱数発生手段からの出現決定用乱数に対応した出現タイミング時刻を決定する出現タイミング時刻決定手段と、
前記出現タイミング時刻決定手段により決定された出現タイミング時刻を計測し、出現タイミング時刻に達したときに出現タイミング信号を前記副識別情報表示確定制御手段に出力する出現決定用タイマ手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成により、副識別情報はランダムに出現する。
手段6:手段1〜4の遊技機において、
上記副識別情報出現決定手段は、
副識別情報の出現タイミング時刻を記憶する出現タイミング時刻記憶手段と、
前記タイミング時刻記憶手段から出現タイミング時刻を読出し、この読出された出現タイミング時刻をセットして出現タイミング時刻を計測し、出現タイミング時刻に達したときに出現タイミング信号を前記副識別情報表示確定制御手段に出力する出現決定用タイマ手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成により、副識別情報は、出現タイミング時刻記憶手段に記憶されている出現タイミング時刻毎に出現する。
手段7:手段1〜6の遊技機において、
上記副識別情報出現期間決定手段は、
出現期間決定用乱数を発生させる出現期間決定用乱数発生手段と、
前記出現期間決定用乱数発生手段からの出現期間決定用乱数に対応した出現期間を決定する出現期間決定手段と、
前記出現期間決定手段により決定された出現期間を計測し、出現終了時間に達したときに出現終了信号を前記副識別情報表示確定制御手段に出力する出現期間決定用タイマ手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成により、副識別情報はランダムに退去する。
手段8:手段1〜6の遊技機において、
上記副識別情報出現決定手段は、
副識別情報の出現期間を記憶する出現期間記憶手段と、
前記出現期間記憶手段から出現期間を読出し、この読出された出現期間をセットして出現時間を計測し、出現終了時間に達したときに出現終了信号を前記副識別情報表示確定制御手段に出力する出現期間決定用タイマ手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成により、副識別情報は、出現時間記憶手段に記憶されている出現時間が終了する毎に退去する。
手段9:手段1〜8の遊技機において、
上記副識別情報出現決定手段によって出現決定された場合には上記表示装置内にキャラクタが出現し、上記副識別情報が当該キャラクタ内に設けられることを特徴とする。
手段10:手段1の遊技機において、
上記表示装置には連続的に又は断続的にスクロールする背景画面が設けられ、この背景画面内に上記副識別情報が設けられていることを特徴とする。
このような構成であれば、一定時間毎に必ず副識別情報が出現するので、副識別情報が出現する前の背景画面の状態で、遊技者はなるべく始動口に入賞させようとする。なぜなら、始動口に入賞しなければ、遊技者に有利な状態となるとなるか否かを表示するための主識別情報が変動表示しないため、副識別情報の結果が主識別情報の変動表示に反映されず、遊技者の期待感が向上しないからである。
このように副識別情報が出現する前の背景画面の状態で、遊技者はなるべく始動口に入賞させようとすることにより、遊技者の緊張と緩和とに基づく遊技の興趣を向上させることができる。
手段11:手段1〜10の遊技機において、
主識別情報における1回の変動表示中に、複数の副識別情報が出現することを特徴とする。
このような構成であれば、副識別情報の表示内容を確定するというゲームを複数回行なうことができるので、遊技者に退屈感を与えるのをより緩和できる。
手段12:手段1〜10の遊技機において、
主識別情報における1回の変動表示中に、副識別情報の表示演出が複数回行なわれることを特徴とする。
このような構成であれば、副識別情報の表示内容を確定するというゲームを複数回行なうことができるので、遊技者に退屈感を与えるのをより緩和できる。
〔第1の形態〕
以下、本発明の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げるが、本発明は、パチンコ機の入賞装置の他に、球体を用いて遊技盤上で遊技を行う遊技機一般の入賞装置を対象とすることができる。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図である。図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられガラス板137を保持する前面枠セット14と、樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図2で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。図2は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33、第2の始動口34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(投物)が配設されている。
上記可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41を備えている。
上記第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43a,43bと保留ランプ44(図3参照)とを備えている。この実施例では、第2図柄用の表示部43aは、例えば、第1図柄表示装置42の表示両面の上方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、第2図柄用の表示部43bは、表示部43aの右側に隣接して設けられ、前述の表示部43aと同様に、その外観形状は「×」形状となっている。第2図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43a、43bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、表示部43a,43bが交互に光り、表示部43aで停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口31を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43a,43bは、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中、及び右の3箇所に識別情報としての図柄が表示される(図3参照)。これら図柄が自転されるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。また、可変表示装置ユニット35には、第1図柄主表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄主表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄主表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路(図示せず)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシールS1,S2を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1を参照しつつより詳細に説明する。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
さらに、灰皿22の上方には、後述のミニゲーム用ボタン900が設けられている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるROM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
ROM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図6参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータが駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における特別図柄等の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて第1図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分は時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
ここで、第1図柄表示装置42の表示内容について説明する。第1図柄表示装置42には、図3に示すように、表示画面の下側端部に特別図柄が表示される特別図柄表示部42bが設けられ、表示画面の中央部には、基本的には右から左にスクロールする装飾図柄が表示される装飾図柄表示部42aが設けられる。特別図柄表示部42bには左・中・右の3つの図柄列が表示され、装飾図柄表示部42aには上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの図柄列Z1〜Z3が表示される。ここでは、特別図柄表示部42bに表示される特別図柄を主として説明する。
特別図柄表示部42bには、「○」「△」「☆」「×」「#」「*」の6種類の特別図柄が表示されるものであり、左・中・右の3つにそれぞれ区分けされた横長楕円形状の各表示領域にて、「○」「△」「☆」「×」「#」「*」、「○」の順に繰り返して表示される図柄列を構成する。この特別図柄の変動表示は始動口33(図2参照)への入賞に基づいて開始され、一定時間後に3つの特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に「○」「△」「☆」「×」「#」「*」のうちいずれかの図柄が3つ揃って停止すると大当たりとなり、その後に大当たり動画が表示される。一方、変動表示の停止時に特別図柄が3つ揃っていなければ外れとなり、始動口33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図5に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCSと、特別図柄表示部42bの左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI,CS、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、始動口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄(本実施形態においては「○」の図柄)の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時という。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置42の特別図柄表示部42bにおける変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、特別図柄が6種類設定されているので、6個(0〜5)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜5の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり5)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。なお、本実施形態においては、大当たりの際に表示される特別図柄は記号の図柄であり、装飾図柄は数字の図柄であるが、特別図柄も装飾図柄と同様に数字の図柄で、かつ、同一数字に設定するようにしてもよい。また本実施形態においては、大当たりの際に表示される特別図柄が「○」の時(装飾図柄では奇数の時)には、次の大当たりが発生するまで確変となり、特別図柄が「○」以外の時(装飾図柄では偶数の時)には次の大当たりが発生するまで確変でない通常状態となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜11の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり11)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後に最終停止図柄が大当たりとならずに停止する「外れリーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0は外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=1〜11は完全外れに該当する。
ここで、リーチとは、第1図柄表示装置42の表示画面に表示される特別図柄(又は装飾図柄)が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で第1図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、リーチの抽選は、第1図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順位1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。この変動種別カウンタCSによって、ショートリーチ(変動開始から変動停止までの変動時間が15秒から16秒)、ミドルリーチ(変動時間が20秒から22秒)、又は、ロングリーチ(変動時間が30秒から32秒)にするか等、特別図柄のリーチ種別が決定される。変動種別カウンタCSの値を構成する「0〜198」のそれぞれに対応していずれのリーチとするかは、大当たり時と外れリーチ時とに対して別々の比率で予め割り当てられる。主制御装置261のROM502には、変動種別カウンタCSの値と各リーチ種別(または各変動時間)毎に対応したコマンドとが予め対応付けて記憶されている。ここで,変動種別カウンタCSを必ずしも1つだけ設けてリーチ種別を決定する必要はなく、2以上の変動種別カウンタCSを使用してリーチ種別を決定しても良い。
カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による装飾図柄および特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCSのバッファ値が取得される。
左・中・右の図柄列毎に使用される第1〜第3外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左図柄列、中図柄列、右図柄列の外れ停止図柄を決定するためのものである。各図柄列には「○」「△」「☆」「×」「#」「*」の6種類の特別図柄の何れかが表示されることから、各図柄列にそれぞれ対応した6個(0〜5)のカウンタ値が用意されている。カウンタ値が0に対しては「○」の特別図柄が対応し、カウンタ値が1に対しては「△」、カウンタ値が2に対しては「☆」というように1つのカウンタ値に対してそれぞれの特別図柄が対応している。第1外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の図柄が決定され、第2外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の図柄が決定され、第3外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM503の外れリーチ図柄バッファB7及び完全外れ図柄バッファB8の何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて外れリーチ図柄バッファB7及び完全外れ図柄バッファB8の何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3変動種別カウンタCSの大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図6から図13のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,5,11)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B1〜B3に格納する。その後は、始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図12のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS703で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリア700の空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い第1図柄主表示装置42の特別図柄表示部42bにて、特別図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後に特別図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する特別図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図13はNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図13のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPUのNMI端子に出力され、MPUは実行中の制御を中断して図13のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図6は主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102),RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置に設けたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチがオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114),RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116),後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチがオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図7のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS208〜S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄主表示装置42による特別図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、特別図柄の変動開始時において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCSの各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図8を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列に対応する第1外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、第1外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列に対応する第2外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、第2外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列に対応する第3外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位2ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に3を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組合せであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組合せでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判断し(S307)、リーチ図柄の組合せであれば(S307:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の外れリーチ図柄バッファB9に格納する(S308)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せは外れリーチ以外の外れ図柄(完全外れ)の組合せになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の完全外れ図柄バッファB10に格納する(S309)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CR更新処理(S203)の終了後は、図7の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、第1図柄表示装置42による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S205)。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図9を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S207)、既に所定時間が経過していれば(S207:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S207:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI、及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(S208,S209)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S208)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、カウンタCSの更新を実行する(S209)。具体的には、カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、カウンタCSの更新値をRAM503の変動種別カウンタバッファB6に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様にカウンタCSについてもランダムに更新することができる。
次に、図9及び図10のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S205)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に第1図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、第1図柄主表示装置42による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具体に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図10を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、特別図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
次に、図10のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。テーブルには、大当たり図柄カウンタC2の数値「0」に対して「○」の特別図柄の表示を示す停止図柄コマンドが割り当てられ、「1」に対しては「△」を示すコマンドが、「2」に対しては「☆」を示すコマンドが、「3」に対しては「×」を示すコマンドが、「4」に対しては「#」を示すコマンドが、「5」に対しては「*」を示すコマンドが、それぞれ割り当てられる。また、大当たり図柄のうち、「○」の特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、他の特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの特別図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファB6に格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生(外れリーチの発生)か否かを判別する(S504)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜11の何れかであり、そのうち「0」が外れリーチ発生に該当し、「1〜11」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
外れリーチ発生の場合(S504:Yes)、RAM503の外れリーチ図柄バッファB7に格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S505)。また、外れリーチを表示するための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S506)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファB6に格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファB8に格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S507)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファB6に格納されている変動種別カウンタCSの値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
なお、完全外れの変動パターンは、変動開始時における作動保留球数Nの値に応じて定めても良く、例えば、作動保留球数Nが3以上のときに開始される完全外れの変動時間は、作動保留球数Nが3未満で開始される完全外れの変動時間より短くするようにしても良い。速やかに待機中の変動表示を消化して無駄な始動入賞を抑制しつつ、且つ、変動表示が途絶え難くなり、変動停止の状態が継続して遊技者の遊技意欲が減衰することを防止することができる。
次に、図3、図15〜図18を参照して第1図柄主表示装置42に表示される特別図柄と装飾図柄とについて表示制御装置45の制御と共に説明する。
第1図柄主表示装置42には、その中央部に3つの図柄列(装飾図柄の図柄列)Z1〜Z3が表示される装飾図柄表示領域42aと、その画面下側端部に「○」「△」「☆」「×」「#」「*」の6種類の特別図柄が表示される特別図柄表示領域42bとが設けられる。
特別図柄表示領域42bには、始動口33への入賞時に取得された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりであるときに3つ揃った図柄が停止して遊技者に大当たりの発生が示される。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄と装飾図柄との2種類が設けられている。特別図柄は、図柄の種類を少なくして主制御装置261と表示制御装置45とのコマンドの種類を低減するために設けられたものである。一方、装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。これら2種類の図柄を併用することにより、パチンコ機10に多彩な演出を備えつつ、主制御装置261から表示制御装置45へ送信するコマンドの種類を低減して主制御装置261の制御プログラムを簡略化したり、主制御装置261のROM502,RAM503等の記憶装置の使用領域を少なくすることができる。
なお、必ずしも特別図柄と装飾図柄とを別々に設けて第1図柄表示装置42の表示制御を行わせる必要はなく、特別図柄に代えて装飾図柄の表示内容を主制御装置261の制御で直接決定するようにしても良い。また、表示制御装置45に対し、装飾図柄を特別図柄と同時に変動を開始し、または変動を停止するように制御を行わせる必要はない。特別図柄の変動表示と装飾図柄の変動表示とが同期して行われる、即ち、各図柄の変動表示が共に始動入賞に基づいて同一回数分行われるものであれば、装飾図柄と特別図柄の変動開始または変動停止の少なくとも一方のタイミングが一致しないように表示制御装置45に表示制御を行わせても良い。例えば、特別図柄の変動に遅れて、装飾図柄の変動を開始させたり、特別図柄の変動より先に装飾図柄の変動を停止させるようにしても良い。
次に装飾図柄表示領域42aに表示される装飾図柄について説明する。第1図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42aには、図3に示すように、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1〜Z3が表示される。装飾図柄は、図3に示すように、例えばキャラクタ付きの「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい貝からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。
図14は、装飾図柄の図柄列Z1〜Z3を展開してその配列を示した図である。装飾図柄の図柄列Z1〜Z3のうち上段図柄列および下段図柄列Z1,Z3は、縦に18個の図柄を連ねて形成される。また、中段図柄列Z2は、縦に20個の図柄を連ねて形成される。各図柄列は、通常時には、特別図柄の変動開始と同時に周期性をもって右から左へとスクロールするように変動表示され、特別図柄が停止する前にすべての図柄列の変動が停止する。
次に、各図柄列Z1〜Z3は、通常時には全て右から左へスクロールして変動表示が行われるものであり、図柄列Z2,Z3においては左方へ向けて数字が昇順に配置されているため主図柄の数字が昇順に現れ、図柄列Z1においては左方へ向けて数字が降順に配置されているため主図柄の数字が降順に現れる。
また、装飾図柄は、図3に示すように、第1図柄表示装置42の装飾図柄表示部42aにおいて、上段・中段・下段の各図柄列毎に上・中・下の3段に表示される。始動口33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、主制御装置261により選定された変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、第1図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄(キャラクタ付きの数字の図柄)が3つ以上揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ以上揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次に、図15から図18を参照して装飾図柄表示部42aに停止表示される図柄制御の内容について説明する。表示制御装置45のMPU520は、主制御装置261から送信されるコマンドに基づいて装飾図柄の表示内容を選定する。図15は、表示制御装置45のRAM523に設けられ、装飾図柄表示部42aに表示する装飾図柄の選定に使用する各種カウンタの概要を模式的に示した図である。
第1〜第3装飾図柄カウンタS1〜S3は、各図柄列に表示する装飾図柄を決定するためのものである。図15に示す各図柄列Z1〜Z3の変動停止時には、コマ数分の装飾図柄の何れかが表示されることから、図柄列Z1,図柄列Z3については各18個(0〜117)、図柄列Z2については20個(0〜19)のカウンタ値がそれぞれ用意されている。第1装飾図柄カウンタS1により図柄列Z1の停止図柄が決定され、第2装飾図柄カウンタS2により図柄列Z2の停止図柄が、第3装飾図柄カウンタS3により図柄列Z3の停止図柄がそれぞれ決定される。
また、本実施の形態では、MPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタS1〜S3の値をランダムに更新する。即ち、各装飾図柄カウンタS1〜S3の更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビット(即ち「0〜7」)の値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に各最大値分減算されて今回値が決定される。各装飾図柄カウンタS1〜S3は更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが、RAM523の大当たり図柄バッファB20、リーチ図柄バッファB21及び完全外れ図柄バッファB22の何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始を示す変動パターンコマンドを受信した際に、コマンドの内容に応じて大当たり図柄バッファB20、リーチ図柄バッファB21及び完全外れ図柄バッファB22の何れかのバッファ値が取得される。
次に、図16から図18を参照して、表示制御装置45のMPU521により実行される各処理について説明する。図16は、表示制御装置45のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
表示制御装置45のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S811)、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。その後、S812からS815の処理を4ms毎に繰り返し実行して、第1図柄主表示装置42の表示内容を制御する。
まず、各表示装置41,42の表示内容にあわせた音声を出力するために音声ランプ制御装置262へ音声出力のコマンドを送信する外部出力処理を行い(S812),その後に上述した装飾図柄カウンタS1〜S5の更新を行う(S813)。
ここで、図17を参照して、装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を説明する。図17は、図16のメイン処理の中で実行される装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を示したフローチャートである。
まず、いずれの図柄列の装飾図柄カウンタの更新時期かを判別し、その更新時期に合わせて更新時期となった図柄列の装飾図柄カウンタを更新するカウンタ更新処理(S821)を行う。具体的には、左図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第1図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1を更新する。一方、第1図柄列Z1の更新時期でなければ、第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2を更新する。同様に第3図柄列Z3の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2を更新し、カウンタ更新処理(S821)を終了する。
上記S821の処理における装飾図柄カウンタS1〜S3の更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に最大値分を減算し、その演算結果を装飾図柄カウンタS1〜S3の今回値とする。上記S1〜S3の更新処理によれば、第1〜第3図柄列Z1〜Z3の各装飾図柄カウンタS1〜S3が1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより通常処理を3回実行する毎に装飾図柄カウンタS1〜S3の1セット分が更新される。
その後、上記更新した装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S826)、大当たり図柄の組合せであれば(S826:Yes)、そのときの装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRAM523の大当たり図柄バッファB20に格納し(S828)、本処理を終了する。大当たり図柄の組合せの判別としては、3列の図柄列に設定される有効ラインのいずれかに大当たり図柄の組合せが形成されるカウンタ値の組合せをすべて予め表示制御装置45のROM522に記憶させておき、その値と比較することにより行われる。
S826の処理において大当たり図柄の組合せでなければ(S826:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し(S827)、リーチ図柄の組合せであれば(S827:Yes)、その時の装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRAM523のリーチ図柄バッファB21に格納する(S829)。装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S826:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S827:No)、装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せは完全外れの組合せ(リーチなし)になっているので、かかる場合には、その装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRAM523の完全外れ図柄バッファB22に格納する(S830)。ここで、リーチ図柄の組合せと完全外れの組合せとは、通常停止変動、順停止変動および挟み停止変動の各変動パターンによりそれぞれ異なる場合があるが、各変動パターン毎に対応する図柄バッファをそれぞれ設けて、各変動パターンに対応する図柄の組合せを記させれば良い。
装飾図柄カウンタS1〜S3更新処理(S813)の終了後は、図16のメイン処理へ戻って第1図柄主表示装置42の装飾図柄表示部42aにおける装飾図柄の変動表示を進行させる装飾図柄表示処理を行う(S814)。その後には、特別図柄表示部42bにおける特別図柄の変動表示を進行させる特別図柄表示処理を行う(S815)。S814及びS815による表示制御は、主制御装置261より受信したコマンドに基づいて設定される図15に示す演出実行エリア701の内容に従って行われる。
次に、前回のS812の処理の開始からの経過時間を確認する(S816)。S816の処理においてその経過時間が4ms未満であれば(S816:No)、4msが経過するまでS816の処理を繰り返す。S816の処理において4msが経過したことが確認されると(S816:Yes)、処理をS812へ移行し、その後の処理を実行する。
S816の処理にてS812の処理からの経過時間に基づいて処理を進行させることにより、S812からS815の処理を4ms毎に行うことができ、4ms毎に装飾図柄カウンタS1〜S3の更新を行うことができる。なお、必ずしも装飾図柄の組合せを決定するためのカウンタを図柄列の数分設ける必要はなく、中央の1つの図柄列分だけカウンタを設け、その他は予め定めた組合せに従って固定的に表示しても良い。また、リーチとなる変動パターンを予め複数設定したテーブルを表示制御装置45に記憶し、そのテーブルから変動パターンを導出するようにしても良い。
次に、図18を参照して、表示制御装置45により行われるコマンド受信処理について説明する。図18は、表示制御装置45のコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、表示制御装置45において主制御装置261からコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御装置261から送信されたコマンドに予め対応付けされた処理が表示制御装置45で行われる。
コマンド受信処理では、受信したコマンドを確認し(S841)、そのコマンドが変動パターンコマンドであれば(S841:変動パターンコマンド)、変動パターンコマンドを演出実行エリアに書き込む(S842)。この変動パターンコマンドに対応して特別図柄における変動時間とリーチの有無などの変動パターンが予め定められており、主制御装置261のMPU502で行われた各種の抽選に対応した変動表示が第1図柄表示装置42にて行われる。
次に、受信した変動パターンコマンドの内容を確認し(S843)、大当たりの変動パターンコマンドであれば(S843:大当たり)、大当たり図柄カウンタバッファB20の値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として書き込んで格納する(S844)。S843の処理において受信したコマンドがリーチのものであれば(S843:リーチ)、変動パターンに対応したリーチ図柄バッファB21の値を演出実行エリア701に書き込む(S845)。受信したコマンドが完全外れのものであれば(S843:完全外れ)、変動パターンに対応した完全外れ図柄バッファB22の値を演出実行エリア701に書き込む(S846)。S844からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定することで、特別図柄と装飾図柄とが共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができる。
その後、音声ランプ制御装置262へ保留ランプ46を1つ消灯させるランプ消灯コマンドを送信する(S847)。このS847の処理においては、RAM523に設けられたコマンド送信用のエリア(送信バッファ)にランプ消灯コマンドが一旦書き込まれ、前述した外部出力処理(S812)によってランプ消灯コマンドは送信される。S847の処理後、第1図柄表示装置42によって特別図柄と装飾図柄との変動表示を開始させ(S848)、コマンド受信処理を終了する。
S841の処理において受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば(S841:停止図柄コマンド)、停止図柄のデータを演出実行エリア701に書き込み(S849)、コマンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば(S841:確定コマンド)、変動表示を確定停止させ(S850)、コマンド受信処理を終了する。また、S841の処理において受信したコマンドが、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、及び、確定コマンドのいずれでもなければ(S841:他のコマンド)、受信したコマンドに応じた各処理を実行して(S851)、コマンド受信処理を終了する。
このように、表示制御装置45においては、主制御装置261から変動パターンコマンドを受信した場合にS843からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定する。これにより、主制御装置261によって行われる抽選結果に対応して特別図柄と装飾図柄とを共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができ、主制御装置261の大当たりおよびリーチ抽選の結果に対応した装飾図柄の変動表示を実行することができる。
(本発明の特徴部分の具体的内容)
本発明の特徴部分としてはミニゲームを実行することができることにあり、その具体的内容を以下に述べる。
ミニゲームは、第1図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42aに、図19に示すような魚のキャラクタ801が出現した場合に実施することができるようになっている。このキャラクタ801の出現タイミングとしては、通常の遊技機の如く、装飾図柄の変動開始直後、又は、装飾図柄の変動開始から若干の時間(0.5〜1.0秒)をおいて出現するような構成に限定するものではなく、装飾図柄表示領域42aにおける装飾図柄の変動とは無関係に出現するような構成となっている。また、キャラクタ801の出現位置としては、右端部から出現するような構成に限定するものではなく、中央部又は左端部等任意の位置から出現させて良いことは勿論である。
ここで、キャラクタ801には、図20に示すように、略中央部にミニゲーム用図柄を表示するためのミニゲーム図柄表示領域801aが設けられている。ミニゲーム図柄表示領域801aには、左側・中央・右側の3つの図柄列Y1〜Y3が表示される。ミニゲーム図柄は、図21に示すように、例えば「7」の数字、及び、楕円中にREPLAYの文字が描かれている図柄からなるミニゲーム用主図柄と、主図柄より小さい黒点からなるミニゲーム用副図柄とにより構成され、これら各ミニゲーム用主図柄およびミニゲーム用副図柄によってミニゲーム用図柄列が形成される。
次に、各ミニゲーム用図柄列Y1〜Y3は、通常時には全て上から下へスクロールして変動表示が行われるものであり、装飾図柄の図柄列Z1が高速変動中にミニゲーム用ボタン900を押すことにより、Y1→Y2→Y3の順に変動表示が停止し、ミニゲーム図柄表示領域801aには縦1×横3の3個のミニゲーム図柄が表示結果として表示される。
そして、図21に示すように、「7」の数字からなるミニゲーム用主図柄が揃った場合には、図22に示すように、装飾図柄により表示される図柄列がリーチ状態となる。この後、大当たり抽選に当選している場合には、例えば、図26に示すように、右下斜め方向の一直線上に同一の装飾図柄用主図柄(キャラクタ付きの数字の図柄であり、図26においては、蟹のキャラクタに9の数字が付されたもの)が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めのいずれにも同一の装飾図柄用主図柄が3つ以上揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
また、図23に示すように、ミニゲーム用主図柄が揃わなかった場合には、図24に示すように、装飾図柄により表示される図柄列がリーチ状態とはならず、また、図25に示すように、楕円中にREPLAYの文字が描かれているミニゲーム用主図柄が揃った場合には、再度ミニゲーム用ボタン900を押すことが可能な状態となって、ミニゲームを再び実施することができるようになる。
尚、ミニゲーム用ボタン900の有効期間としては、装飾図柄の図柄列Z1が高速変動中に限定するものではなく、装飾図柄が変動していない状態(デモ画面状態を含む)であっても押すことができる。装飾図柄が変動していない状態では、装飾図柄の停止状態を予告するという意味合いはなく、単なる暇つぶしとしての意味合いを有するのみである。
また、本実施の形態における背景図柄は、図27(尚、図27においては、理解の容易のために装飾図柄とミニゲーム用図柄とを省略して描いている)に示すように、ゆっくりと左方向(図中A方向)に動いているような構成となっている。
(本発明の特徴部分の電気的構成)
次いで、本発明のパチンコ機のさらなる特徴部分の電気的構成について、図28及び図29を用いて説明する。図28は主制御装置261及び表示制御装置45の機能ブロック図であり、図29は演出ミニゲーム表示装置の具体的な構成を示すブロック図である。図28に示すように主制御装置261は、第1図柄表示装置42での図柄の変動表示結果が予め設定した特定の図柄の組合せ(大当たり図柄)となったことを必要条件に特別遊技状態を発生させる機能を有するものである。要するに、主制御装置261は、0〜676までの値をとり得る大当たり乱数カウンタC1(特別遊技状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)に基づいて特別遊技状態を発生させているのである。
具体的には、主制御装置261のCPU501は、図28に示すように、大当たり乱数カウンタC1を発生させる第1乱数発生部400(第1乱数群発生機能)を有している。
主制御装置261のRAM503は、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する保留球格納エリア(第1乱数記憶部402)を備えている。また、主制御装置261のCPU501は、この保留球格納エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当たり値であるか否かを判定する第1判定部404(判定機能)も有している。
なお、第1の始動口33に設けられた作動口スイッチでの遊技球の入賞検出のタイミングで、第1乱数発生部400での大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)がRAM503の保留球格納エリア(第1乱数記憶部402)に記憶されるようになっている。また、低確率時においては、第判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)が2個の値「337,673」であれば大当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)が10個の値「67,131,199,289,337,401,483,523,601,661」であれば大当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第1乱数発生部400、第1判定部404は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
そして、CPU501で大当たり乱数カウンタC1の値が当たり値であると判定した場合には、主制御装置261から可変入賞装置32に特別遊技状態とするための信号が出力される。可変入賞装置32は、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動するという大当たり動作を実行する。
また、この実施例のパチンコ機10は、図28に示すように、大当たり乱数カウンタC1(第1乱数群)とは別の乱数群であって、第1図柄表示装置42の特別図柄表示部42bに表示すべき第1図柄の変動表示内容を決定するための第2乱数群(リーチ乱数カウンタC3)を発生させる第2乱数発生部406と、作動スイッチでの入賞(入球)検出に基づいて、第2乱数発生部406で発生させた第2乱数群(リーチ乱数カウンタC3)のうちの一の第2乱数の値(リーチ乱数カウンタC3の値)を記憶する第2乱数記憶部408と、この第2乱数記憶部408に記憶された第2乱数の値(リーチ乱数カウンタC3の値)が所定値であるか否かを判定する第2判定部410と、この第2判定部410での判定結果に応じた制御信号(変動パターンコマンド)を第1図柄表示装置42に出力する入出力ポート505を備えている。
具体的には、主制御装置261のCPU501は、第2乱数発生部406と第2判定部410とを備えている。つまり、CPU501を所定のプログラムに従って動作させることで、主制御装置261において第2乱数発生部406及び第2判定部410なる機能を実現している。また、主制御装置261のCPU501は、第2判定部410での判定結果に応じた制御信号(変動パターンコマンド)を第1図柄主表示装置42に出力するように入出力ポート505を制御する。
さらに、表示制御装置45は、主制御装置261からの各種コマンド(変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド等)を受信し、この各種コマンドに基づいて、第1図柄主表示装置42に所定の変動表示演出を表示させるようになっている。
この表示制御装置45は、主制御装置261からの各種コマンドを受信して受信コマンドの内容を解析する受信コマンド解析部700と、第1図柄表示装置42の表示制御を行う第1図柄表示制御部701と、第2図柄表示装置41の表示制御を行う第2図柄表示制御部702と、表示演出に応じた音響制御データ及びランプ点灯制御データを音声・ランプ制御装置262の音声制御部262A及びランプ制御部262Bに送信する音声・ランプ制御データ送信部703と、ミニゲーム表示制御部706とを有する。第1図柄表示制御部701は、装飾図柄表示部42aの表示制御を行う装飾図柄表示制御部701Aと、特別図柄表示部42bの表示制御を行う特別図柄表示制御部701Bとを有する。
ここで、本発明の主たる特徴であるミニゲーム表示制御部706の具体的な構成を図29を参照して詳述する。ミニゲーム表示制御部706は、ミニゲーム用変動図柄確定制御部707と、ミニゲーム用図柄発生制御部708とを有する。ミニゲーム用変動図柄確定制御部707は、待機画面期間(所謂デモ画面と称される待機画面期間の他に、変動終了後その終了時の停止画像のままデモ画面に変わるまでの期間を含む)中か否かを示す待機画面フラグF1と、変動期間中においてミニゲーム確定ボタン900の操作を有効とする期間を管理する2つの第1タイマTM1(保留球が3未満の場合のミニゲーム確定ボタン900の操作有効期間管理用),第2タイマTM2(保留球が3以上の場合のミニゲーム確定ボタン900の操作有効期間管理用)と、ミニゲーム確定ボタン900の操作信号の受付を行うスイッチ受付部710と、スイッチ受付部710の受付動作を許可するか、許可しないかを示す許可・不許可信号を出力するスイッチ受付制御部711とを有する。
待機画面フラグF1は待機画面期間中か変動表示期間中かを示すフラグであり、このフラグF1は、待機画面間中においては論理「0」と設定され、変動表示期間中においては論理「1」に設定されている。このフラグF1の設定処理は、スイッチ受付制御部711によって行われる。即ち、初期化処理ではフラグF1は論理「0」に設定されており、遊技状態において演出制御コマンド(完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、大当たり等のコマンド)を受信すると、スイッチ受付制御部711はフラグF1を論理「1」に設定する。また、変動表示期間終了時にはフラグF1を論理「0」に設定する。これにより、待機画面中は、フラグF1は論理「0」に設定され、変動表示期間中は論理「1」に設定される。
第1タイマTM1及び第2タイマTM2は、前述したように、変動期間中におけるミニゲーム確定ボタン900の入力操作可能な期間を管理するものであり、本実施例では変動期間中におけるミニゲーム確定ボタン900の入力操作可能期間としては、変動開始から第1図柄列Z1が高速変動から減速変動するまでの期間(高速変動期間)に設定されている。さらに、本実施例のパチンコ機では、保留球が3又は4の時は、保留球が3未満の時に比べて、変動期間が短縮されているので、高速変動期間も短くなっている。そこで、第1タイマTM1は、保留球が3未満の時の第1図柄列Z1の変動期間中における高速変動期間W1を管理し、一方、タイマTM2は、保留球が3又は4の時の第1図柄列Z1の変動期間中における高速変動期間W2を管理するようになっている。なお、スイッチ受付制御部711は、待機画面フラグF1が論理「0」のときにスイッチ受付部710に受付動作許可信号を出力するとともに、待機画面フラグF1が論理「1」のときであってもタイマTM1,TM2の設定期間中においては、スイッチ受付部710に受付動作許可信号を出力する。これにより、待機画面中及び第1図柄列Z1の高速変動期間中に、ミニゲーム確定ボタン900の入力操作により、ミニゲーム用キャラクタ上で変動する変動図柄を停止させて図柄を確定することが可能となっている。
ミニゲーム用スイッチ705は、ミニゲーム確定ボタン900の押圧操作の度ごとに入力信号をスイッチ受付部710に出力する。スイッチ受付部710が受付動作許可状態となっている場合には、スイッチ受付部710はミニゲーム用スイッチ705からの入力信号を受付けて、画像形成部720に確定信号を出力する。一方、スイッチ受付部710が受付動作不許可状態となっている場合には、スイッチ受付部710はミニゲーム用スイッチ705からの入力信号を受付けず、従って、画像形成部720に確定信号を出力されることはない。
ミニゲーム用図柄発生制御部708は、ミニゲーム出現タイミング決定部708aと、ミニゲーム出現期間決定部708bと、設定時間がそれぞれ異なる3つのミニゲーム出現時間設定用タイマTM11〜TM13とを有する。
ミニゲーム出現タイミング決定部708aは、ミニゲーム出現のタイミングを決定する出現タイミング信号を生成してランダムに出力する回路部であり、この出現タイミング信号はミニゲーム出現期間決定部708b及びミニゲーム用図柄画像形成部723にそれぞれ与えられる。出現タイミング信号がミニゲーム用図柄画像形成部723に与えられると、ミニゲーム用図柄画像形成部723はミニゲーム用図柄画像の形成を開始する。
一方、ミニゲーム出現期間決定部708bはミニゲームの出現時間を決定する回路部であり、出現タイミング信号がミニゲーム出現期間決定部708bに与えられると、ミニゲーム出現期間決定部708bはミニゲーム用図柄画像形成部723に出現状態中を示す信号を出力する。これと同時に、ミニゲーム出現期間決定部708bは、タイマTM11〜TM13のうち予め定められた順序に従って選択されたタイマをセットする。そして、選択されたタイマがタイムアップすると、ミニゲーム出現期間決定部708bはミニゲーム用図柄画像形成部723に出力されている出現状態中を示す信号のレベルを変化させる(例えばローレベル)。これにより、ミニゲーム用図柄画像形成部723は、ミニゲーム用図柄の画像形成を停止する。
こうして、ミニゲーム用キャラクタが、待機画面中及び変動期間中を通してランダムに出現するとともに、確定ボタン900の操作により、ミニゲーム用キャラクタ内で変動している副図柄を停止させ、その停止図柄からリーチ発生の有無を知ることが可能となる。
尚、上記ミニゲーム出現タイミング決定部708aは、例えば、出現決定用乱数を発生させる出現決定用乱数発生手段と、この出現決定用乱数発生手段からの出現決定用乱数に対応した出現タイミング時刻を決定する出現タイミング時刻決定手段と、この出現タイミング時刻決定手段により決定された出現タイミング時刻を計測し、出現タイミング時刻に達したときに出現タイミング信号を装飾図柄表示制御部701に出力する出現決定用タイマ手段とから構成すれば良い。
また、副識別情報の出現タイミング時刻を記憶する出現タイミング時刻記憶手段と、このタイミング時刻記憶手段から出現タイミング時刻を読出し、この読出された出現タイミング時刻をセットして出現タイミング時刻を計測し、出現タイミング時刻に達したときに出現タイミング信号を装飾図柄表示制御部701に出力する出現決定用タイマ手段とから構成しても良い。
一方、ミニゲーム出現期間決定部708bは、出現期間決定用乱数を発生させる出現期間決定用乱数発生手段と、この出現期間決定用乱数発生手段からの出現期間決定用乱数に対応した出現期間を決定する出現期間決定手段と、この出現期間決定手段により決定された出現期間を計測し、出現終了時間に達したときに出現終了信号を装飾図柄表示制御部701に出力する出現期間決定用タイマ手段とから構成すれば良い。
また、副識別情報の出現期間を記憶する出現期間記憶手段と、この出現期間記憶手段から出現期間を読出し、この読出された出現期間をセットして出現時間を計測し、出現終了時間に達したときに出現終了信号を装飾図柄表示制御部701に出力する出現期間決定用タイマ手段とから構成しても良い。
装飾図柄表示制御部701は、ミニゲーム用キャラクタの変動パターンに関するテーブルTBを備えている。このテーブルTBには、ミニゲーム用キャラクタの変動パターンが予め格納されており、ミニゲーム用図柄画像形成部723が画像形成に際してテーブルTBを参照することにより、ミニゲーム用キャラクタの変動が決定される。ここで、ミニゲーム用キャラクタの変動とは、例えばミニゲーム用キャラクタが第1図柄表示装置42の表示面において上から下へスクロール表示される場合を意味する。
画像形成部720は、装飾図柄画像を形成するためのものであり、背景画像を形成する背景画像形成部721と、変動装飾図柄(キャラクタ)画像を形成するキャラクタ画像形成部722と、ミニゲーム用キャラクタ出現時にミニゲーム用図柄画像を形成するミニゲーム用図柄画像形成部723と、背景画像が形成されたレイヤとキャラクタ画像が形成されたレイヤとミニゲーム用図柄画像が形成されたレイヤとから1フレーム画像を生成するフレーム画像形成部724とを有する。これらの背景画像形成部721、キャラクタ画像形成部722は、コマンド解析部700で解析された演出制御コマンド(完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、大当たり等のコマンド)が与えられると、図示しないテーブルに基づき演出制御コマンドに対応付けられた変動パターンを読出す。背景画像形成部721は読出した変動パターンに基づいて背景画像を形成し、キャラクタ画像形成部722は読出した変動パターンに基づいてキャラクタ画像を形成する。そして、フレーム画像形成部724は、背景画像が形成されたレイヤと、キャラクタ画像が形成されたレイヤとから1フレーム画像を生成する。なお、ミニゲーム用キャラクタ出現時には、上記の背景画像形成部721による背景画像の形成、キャラクタ画像形成部722によるキャラクタ画像の形成に加えて、ミニゲーム用図柄画像形成部723によるミニゲーム用図柄画像が形成され、これら画像の各レイヤからフレーム画像形成部724は、1フレーム画像を生成する。
なお、ミニゲーム用図柄画像形成部723は、図30に示すように、第1〜第3ミニゲーム用図柄カウンタY1〜Y3を備えている。第1〜第3ミニゲーム用図柄カウンタY1〜Y3は、ミニゲーム用の各変動図柄列の停止図柄を決定するためのものである。第1ミニゲーム用図柄カウンタY1により左図柄列の停止図柄が決定され、第2ミニゲーム用図柄カウンタY2により中図柄列の停止図柄が、第3ミニゲーム用図柄カウンタY3により右図柄列の停止図柄がそれぞれ決定される。各カウンタS1〜S3の値はランダムに更新されるとともに、それらミニゲーム用図柄カウンタY1〜Y3の組合せが、当たり図柄バッファB10、リプレイ図柄バッファB11及び外れ図柄バッファB12の何れかに格納される。そして、確定ボタン900の操作により、受信コマンドの内容に応じて当たり図柄バッファB10、リプレイ図柄バッファB11及び外れ図柄バッファB12の何れかのバッファ値が取得される。
音声・ランプ制御データ送信部703は、演出制御コマンドを送信データとして、音声・ランプ制御装置262に出力する。これにより、音声制御部262Aは、図示しない音声用テーブルから演出制御コマンドによって決定される音声パターンを読出し、この音声パターンでスピーカを音響駆動する。また、ランプ制御部262Bは、図示しないランプ用テーブルから演出制御コマンドによって決定される光パターンを読出し、この光パターンでランプを点灯駆動する。
(ミニゲームに関連する処理)
次いで、上記構成のパチンコ機のミニゲームに関連する処理について説明する。本発明の主たる特徴は、変動期間中(正確には変動開始時から、第1図柄列Z1が高速変動から低速変動に変化するまでの期間中)にミニゲーム用キャラクタが出現した場合に、確定ボタン900の操作によりミニゲーム用変動図柄を確定させることが可能であり、且つ、ミニゲーム用変動図柄が確定されたときはその確定図柄によりリーチ発生の有無を知ることが可能とされていることである。かかるミニゲームに関連する処理について、図31、図32を参照して説明する。
図31はスイッチ受付制御部711によるミニゲーム用スイッチ705の有効期間設定処理(ミニゲーム有効処理)を示すフローチャートである。
図31を参照して、スイッチ受付制御部711による変動表示画面中のミニゲーム有効処理について説明する。電源投入時の初期化処理によって待機画面フラグF1は、論理「0」に設定されている。その後、ミニゲーム用キャラクタの出現か否かを判断する(S1)。ミニゲーム用キャラクタの出現か否かは、具体的には、スイッチ受付制御部711が、ミニゲーム出現タイミング決定部708aからのキャラクタ出現信号を入力したか否かで判断する。ミニゲーム用キャラクタ出現時であれば、表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2)。表示コマンドを受信した場合は(S2:Yes)、待機画面フラグF1を論理「1」に設定する(S3)。次いで、保留球が3未満か否かを判断し(S4)、YESであれば第1タイマTM1に確定信号有効期間としての高速変動期間W1をセットする(S4)。ステップS4でNOであれば保留球が3以上であるので、第2タイマTM2に確定信号有効期間としての高速変動期間W2をセットする(S6)。次いで、ステップS5、ステップS6のいずれの場合であっても、ステップS7に移り、スイッチ受付部710に受付状態許可信号を出力する。即ち、待機画面フラグF1が論理「1」であっても、第1タイマTM1又は第2タイマTM2のセット期間中はスイッチ受付部710に受付状態許可信号を出力する。これにより、スイッチ受付部710は、確定スイッチ705の操作を受け付ける受付可能状態となる。
次いで、変動期間中に、第1タイマTM1(又は第2タイマTM2)により高速変動期間W1(第2タイマTM2の場合は高速変動期間W2)経過したことが告知されたときは(S8)、第1タイマTM1(又は第2タイマTM2)をリセットする(S9)とともに、待機画面フラグF1が論理「1」であるので、スイッチ受付部710に受付状態不許可信号を出力する(S10)。これにより、変動表示中において、高速変動期間W1(第2タイマTM2の場合は高速変動期間W2)経過後は確定ボタンによる確定が不可となる。そして、変動期間が終了すると(S11)、待機画面フラグF1を論理「0」に設定し(S12)、スイッチ受付部710に受付状態許可信号を出力する(S13)。これにより、待機画面中は、スイッチ受付部710は確定スイッチ705の入力を受け付ける受付可能状態となる。なお、ステップS2においてNoの場合は、ステップS13に移行する。
こうして、確定ボタン900の有効期間の設定により、待機画面中にミニゲーム用キャラクタが出現した場合には、ミニゲーム用キャラクタ期間中全て確定ボタン900を有効に使用でき、変動表示中にミニゲーム用キャラクタが出現した場合には、第1図柄列の変動表示が高速変動から減速変動するまでの期間中確定ボタン900を有効に使用できる。
次いで、図32を参照して、ミニゲーム用図柄画像形成部723によるミニゲーム確定処理について説明する。図32はミニゲーム確定処理を示すフローチャートである。ミニゲーム確定信号を受信したか否かを判断する(S20)。受信した場合は(S20:Yes)、装飾図柄がリーチか否かを判断する(S21)。具体的には、主制御装置261からの受信コマンド(完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のコマンド)により判断する。装飾図柄がリーチであれば(S21:Yes)、当たり図柄バッファB10に格納されている当たり図柄(本実施例では「7」、「7」、「7」の図柄)を取得し、この当たり図柄の画像形成を行う。この結果、第1図柄表示装置42の表示面においてミニゲーム用変動図柄が「7」で揃えられる(S22)。
装飾図柄がリーチでなければ(S21:No)、リプレイか否かを判断する(S23)。リプレイでなければ(S21:No)、外れ図柄バッファB12に格納されている外れ図柄を取得し、この外れ図柄の画像形成を行う。この結果、第1図柄表示装置42の表示面において、ミニゲーム用変動図柄が揃えない。(S24)。リプレイであれば(S21:No)、リプレイ図柄バッファB11に格納されているリプレイ図柄を取得し、このリプレイ図柄の画像形成を行う。この結果、第1図柄表示装置42の表示面において、ミニゲーム用変動図柄が「リプレイ」で揃えられる(S25)。そして、この場合は、ミニゲーム用図柄が再変動し、処理はS20に戻り、確定ボタン900の再操作が可能となる。
次いで、図33を参照して、ミニゲーム演出処理を具体例に則して的説明する。図33はミニゲーム演出処理の具体例を示すタイミングチャートである。ここでは、保留球がない状態で、且つ、変動中に確定ボタン900が操作された場合を想定する。第1回目の変動表示では、図33(1)に示すように、変動開始時刻t1から第1〜第3図柄列Z1〜Z3は共に高速変動し、次いで時刻t2で第1図柄列Z1は減速変動し、時刻t3で停止する。第2図柄列Z2、第3図柄列Z3も時刻t2以降順次減速変動し、第3図柄列Z3が停止し、次いで時刻4で第2図柄列Z2が停止し、全ての変動が終了する。
なお、図33(1)に示す変動期間及び待機期間中において、ミニゲーム用キャラクタは、図33(2)に示すように、時刻t10から時刻t11までの期間と、時刻t12から時刻t13までの期間出現しているものと想定する。
この変動表示中において、確定ボタンの有効期間は、図33(3)に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間(第1図柄列Z1の高速変動期間(保留球が3未満の場合は期間W1に相当))である。この期間中の時刻t14(図33(4)参照)において、確定ボタン900が操作され、確定スイッチ705からの操作信号を入力すると、上記した処理により、時刻t14でミニゲーム用左図柄が停止し(図33(5)参照)、時刻t15でミニゲーム用右図柄が停止し(図33(6)参照)、時刻t16でミニゲーム用中図柄が停止する(図33(7)参照)。このミニゲーム用図柄の停止図柄により、遊技者はリーチ発生の有無を知ることができる。ミニゲーム用変動図柄停止後、一定時間経過した時刻t18において、ミニゲーム用変動図柄は変動を開始する。
なお、待機画面中において、ミニゲーム用キャラクタが出現している場合は(図33(2)参照)、確定ボタン900の操作は可能とされている(図33(3)参照)。この待機画面中にミニゲーム用キャラクタが出現している場合において、時刻t18で確定ボタン900が操作されると、時刻t18でミニゲーム用左図柄が停止し(図33(5)参照)、時刻t19でミニゲーム用右図柄が停止し(図33(6)参照)、時刻t20でミニゲーム用中図柄が停止する(図33(7)参照)。但し、装飾図柄が変動していない状態では、装飾図柄の停止状態を予告するという意味合いはなく、単なる暇つぶしとしての意味合いを有するのみである。
このようにして、長時間にわたって特定の表示態様が生じない場合であっても、ミニゲームを実施することができるので、遊技者に退屈感を与えてしまうという従来例の課題を解決できる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態では、変動表示中におけるミニゲーム用スイッチの有効期間は、第1図柄列Z1の高速変動期間中に限られていたけれども、本発明はこれに限定されるものではなく、第1図柄列Z1の変動が停止するまでミニゲームを実行可能とするようにしてもよい。また、リーチ状態が出現する直前までミニゲームを実行可能とするようにしてもよく、更にリーチ状態が出現した後もミニゲームを実行可能としても良い。尚、リーチ状態が出現した後のミニゲームは、例えば、7の主図柄が揃った場合にはスーパーリーチに発展し、7の主図柄が揃わなかった場合にはスーパーリーチに発展しないような構成とすれば良い。
(2)上記実施の形態では、装飾図柄による変動表示がリーチ状態となるか否かについてのみ、ミニゲームによるゲーム結果で表示するような構成としているが、このような構成に限定するものではなく、ミニゲームによるゲーム結果でノーマルリーチ状態、スーパーリーチ状態或いはプレミアムリーチ状態となるか否かまで表示するような構成であっても良い。この場合には、ミニゲームにおいて上記実施の形態の如く7の数字が揃えば、装飾図柄による変動表示がノーマルリーチ状態となり、図34に示すように、ミニゲームにおいて上記実施の形態とは異なる色の7の数字が揃えば、装飾図柄による変動表示がスーパーリーチ状態となり、図35に示すように、7の数字が揃った後にキャラクタ801が驚いた状態に変化すれば、装飾図柄による変動表示がプレミアムリーチ状態となるような構成とすれば良い。
尚、各リーチ状態を、以下のように定義しておく。
a.ノーマルリーチ状態
ノーマルリーチ状態とは、図36に示すように、キャラクタが出現する等の状態変化を伴わずに図柄列Z2が停止するような状態であって、大当たり状態となる確率が低い状態をいう。
b.スーパーリーチ状態
スーパーリーチ状態とは、図37に示すようにリーチ状態開始時に泡650が出現し、その後図38に示すようにサンゴ礁651が出現して図柄列Z2が通常とは異なる停止パターンを醸し出す(例えば、図柄列Z2がゆっくりと変動した後に停止する等)ような状態であって、大当たり状態となる確率が中程度の状態をいう。
c.プレミアムリーチ状態
プレミアムリーチ状態とは、図39に示すようにリーチ状態開始時に赤色の魚群652が出現し、その後図40に示すようにキャラクタであるマリンちゃん653が出現して図柄列Z2が通常とは異なる停止パターンを醸し出す(例えば、図柄列Z2がゆっくりと変動した後に停止する等)ような状態であって、大当たり状態となる確率が極めて高い(略100%)の状態をいう。
(3)上記実施の形態では、ミニゲーム図柄表示領域801aは魚のキャラクタ801中に設けられる構成であるが、このような構成に限定するものではなく、図41に示すように、背景画面内(図41の場合には水草810内)に設けても良い。このような構成とした場合には、魚のキャラクタ801の場合とは異なり、一定の周期毎に必ずミニゲーム図柄表示領域801aが出現することになる。
(4)また、ミニゲーム図柄表示領域801aは1つに限定するものではなく、2つ以上設けても良い。例えば、図42に示すように、水草810内のみならず魚のキャラクタ801内にも設けたり、図43に示すように、2匹の魚のキャラクタ801内に設けたりするような構成とすれば良い。
(5)ミニゲーム用図柄列Y1〜Y3は、Y1→Y2→Y3の順に変動表示が停止しているが、このような順に限定するものではなく、Y1→Y3→Y2の順に停止しても良いし、また、同時に停止しても良い。
(6)上記実施の形態では、装飾図柄の変動表示として、装飾図柄を所定方向(横方向)にスクロール表示させたけれども、装飾図柄を自転させることで変動表示をするようにしてもよい。自転による変動表示とは、例えば、図44(1)に示すように「一」、「二」、…の数字からなり矢印方向に自転する装飾図柄ZYを左、中、右の3箇所L,M,Rに表示し、それらの装飾図柄を図44(2)に示すように自転表示させることにより変動表示を行う場合が該当する。
(7)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
尚、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。