JP2013113721A - 放射能汚染物の除染方法 - Google Patents
放射能汚染物の除染方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013113721A JP2013113721A JP2011260372A JP2011260372A JP2013113721A JP 2013113721 A JP2013113721 A JP 2013113721A JP 2011260372 A JP2011260372 A JP 2011260372A JP 2011260372 A JP2011260372 A JP 2011260372A JP 2013113721 A JP2013113721 A JP 2013113721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radioactive
- chlorite
- water
- granule
- contaminant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【課題】 放射能汚染物から放射能成分を高効率、低コストで容易に吸着・除去する除染技術を提供する。
【解決手段】 緑泥岩粉粒体を放射性セシウム、放射性ストロンチウム等を含有する放射性廃棄物(あるいは放射能汚染物)に接触せしめて、放射性成分を吸着・除去する。
破砕した緑泥岩粉粒体の平均粒径が50〜1,000μmが好ましい。
処理対象物は、固液混合スラリー又は溶液であってもよい。
処理対象物としては、原子力施設、医療施設等から排出される放射能汚染物、農作物、魚介類、農耕地土壌、道路表土、運動場表土、建造物等の放射能汚染物あるいは湖水、池水、河川水、海水等の放射能汚染水が挙げらる。
【選択図】なし
【解決手段】 緑泥岩粉粒体を放射性セシウム、放射性ストロンチウム等を含有する放射性廃棄物(あるいは放射能汚染物)に接触せしめて、放射性成分を吸着・除去する。
破砕した緑泥岩粉粒体の平均粒径が50〜1,000μmが好ましい。
処理対象物は、固液混合スラリー又は溶液であってもよい。
処理対象物としては、原子力施設、医療施設等から排出される放射能汚染物、農作物、魚介類、農耕地土壌、道路表土、運動場表土、建造物等の放射能汚染物あるいは湖水、池水、河川水、海水等の放射能汚染水が挙げらる。
【選択図】なし
Description
本願発明は、原子力発電所や使用済み核燃料の処理施設等から排出される放射性廃棄物、あるいは原子力発電所の爆発事故に伴って排出される放射性成分によって汚染された農作物、魚介類、土壌、河川水、池水等の放射能汚染物から放射性成分を吸着・除去するための放射能汚染物の除染方法に関するものである。
昨今、原子力発電所の爆発事故に伴い、放射性発生成分が数10kmあるいは100km以上に及ぶ周辺に飛散し、土壌、家屋等を放射性成分で汚染しており、生物生存上の大問題となっている。
そこで、その有効な除染技術の早期提供が要望されているが、半減期が非常に長い放射性セシウム(137Cs)や放射性ストロンチウム(90Sr)の放射性成分のみを濃縮してあるいは吸着・除去して別所に移動・保管することが試行されている。
そこで、その有効な除染技術の早期提供が要望されているが、半減期が非常に長い放射性セシウム(137Cs)や放射性ストロンチウム(90Sr)の放射性成分のみを濃縮してあるいは吸着・除去して別所に移動・保管することが試行されている。
しかし、従来の技術では上記半減期の長いセシウムやストロンチウム等の放射性成分を低コストで吸着・除去する方法が提供されていない。
したがって、本願発明は半減期の長い放射性成分を低コストで吸着・除去する除染技術を提供する。
したがって、本願発明は半減期の長い放射性成分を低コストで吸着・除去する除染技術を提供する。
すなわち、本願発明は下記構成の放射能汚染物の処理方法である。
[1] 緑泥岩粉粒体を放射能汚染物に接触せしめて、放射性成分を吸着・除去することを特徴とする放射能汚染物の除染方法。
[2] 緑泥岩粉粒体の平均粒径が50〜5,000μmであることを特徴とする[1]に記載の放射能汚染物の除染方法。なお、実験の結果では、特に平均粒径30〜50μmのものが好適であった。
[3] 緑泥岩粉粒体が、緑泥岩を300〜500℃で仮焼してなる仮焼緑泥岩粉粒体であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の放射能汚染物の除染方法。
[4] 処理対象物の放射能汚染物が、溶液又は固液混合スラリーであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
[5] 処理対象物の放射能汚染物が、穀物、野菜、果実等の農作物、魚介類、農耕地土壌、道路表土、運動場表土、建造物等の放射能汚染物あるいは湖水、池水、河川水、海水等の放射能汚染水であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
[6] 緑泥岩粉粒体が、緑泥片岩又は緑泥頁岩の粉粒体であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
[1] 緑泥岩粉粒体を放射能汚染物に接触せしめて、放射性成分を吸着・除去することを特徴とする放射能汚染物の除染方法。
[2] 緑泥岩粉粒体の平均粒径が50〜5,000μmであることを特徴とする[1]に記載の放射能汚染物の除染方法。なお、実験の結果では、特に平均粒径30〜50μmのものが好適であった。
[3] 緑泥岩粉粒体が、緑泥岩を300〜500℃で仮焼してなる仮焼緑泥岩粉粒体であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の放射能汚染物の除染方法。
[4] 処理対象物の放射能汚染物が、溶液又は固液混合スラリーであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
[5] 処理対象物の放射能汚染物が、穀物、野菜、果実等の農作物、魚介類、農耕地土壌、道路表土、運動場表土、建造物等の放射能汚染物あるいは湖水、池水、河川水、海水等の放射能汚染水であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
[6] 緑泥岩粉粒体が、緑泥片岩又は緑泥頁岩の粉粒体であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
本願発明によれば、放射能汚染物から放射性成分を高効率で、容易な手段でかつ低コストで吸着・除去することができる。
本願発明者の実験によれば、放射性セシウムで汚染された土壌を水洗して得られた放射能汚染水に本願発明の緑泥岩粉粒体を混合し、吸着・除去したところ、80%以上の放射能除染ができた。
本願発明者の実験によれば、放射性セシウムで汚染された土壌を水洗して得られた放射能汚染水に本願発明の緑泥岩粉粒体を混合し、吸着・除去したところ、80%以上の放射能除染ができた。
本願発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明に用いる緑泥岩は、例えば比重が3.03であり、多数の微細孔を有するものである。
そして緑泥岩は、片岩あるいは頁岩であるものでもよい。
また、緑泥岩は変成岩であって、雲母系鉱物(黒雲母)が変成作用を受けて粘土化した緑泥岩(クロライト)を主要構成鉱物としており、例えば成分組成がSiO2:64.5%、Al2O3:18.4%、Fe2O3:4.7%、CaO:2.9%、K2O;0.3%、MgO;1.0%、MnO2;0.1%、Ig.Loss:7.0%である。
本願発明においては、特に緑泥岩の頁岩が好ましいものである。
まず、本発明に用いる緑泥岩は、例えば比重が3.03であり、多数の微細孔を有するものである。
そして緑泥岩は、片岩あるいは頁岩であるものでもよい。
また、緑泥岩は変成岩であって、雲母系鉱物(黒雲母)が変成作用を受けて粘土化した緑泥岩(クロライト)を主要構成鉱物としており、例えば成分組成がSiO2:64.5%、Al2O3:18.4%、Fe2O3:4.7%、CaO:2.9%、K2O;0.3%、MgO;1.0%、MnO2;0.1%、Ig.Loss:7.0%である。
本願発明においては、特に緑泥岩の頁岩が好ましいものである。
緑泥岩を破砕して粉粒体とするには、例えば、衝撃型粉砕機や摩砕型粉末機等を用いてもよく、そして複数の粉砕機を用いて段階的に粒度を細かくしてもよい。
放射性セシウム、放射性ストロンチウム等を含有する放射性廃棄物あるいは汚染物(例えば汚染土壌)に接触させるには、例えば緑泥岩粉粒体(例えば平均粒径が50〜5,000μm)を、水を混ぜた放射能汚染物(スラリー)に添加混合処理して放射能成分を吸着させた後、処理後の緑泥岩粉粒体を保管容器に収納して別所に移送・保管する。
あるいは、予め水に放射能汚染物を攪拌混合し、抽出された放射性成分を含む水溶液に対して、緑泥岩粉粒体を添加混合して水溶液中の放射性成分を吸着させ、沈降させて除染することもできる。
放射性セシウム、放射性ストロンチウム等を含有する放射性廃棄物あるいは汚染物(例えば汚染土壌)に接触させるには、例えば緑泥岩粉粒体(例えば平均粒径が50〜5,000μm)を、水を混ぜた放射能汚染物(スラリー)に添加混合処理して放射能成分を吸着させた後、処理後の緑泥岩粉粒体を保管容器に収納して別所に移送・保管する。
あるいは、予め水に放射能汚染物を攪拌混合し、抽出された放射性成分を含む水溶液に対して、緑泥岩粉粒体を添加混合して水溶液中の放射性成分を吸着させ、沈降させて除染することもできる。
また、粗砕した緑泥岩を300〜500℃で仮焼し、更に微粉砕してなる仮焼緑泥岩粉粒体を用いて、放射能汚染物に接触させて吸着・除去することもできる。
この仮焼緑泥岩粉粒体は、加熱処理によって同緑泥岩粉粒体中の細孔中の水分、揮発性物質等が完全に放出されて細孔がすべて開口するため、放射能成分を高効率で有効に吸着・除去することができる。
この仮焼緑泥岩粉粒体は、加熱処理によって同緑泥岩粉粒体中の細孔中の水分、揮発性物質等が完全に放出されて細孔がすべて開口するため、放射能成分を高効率で有効に吸着・除去することができる。
300メッシュ篩通過の緑泥岩粉粒体を使用して、セシウム(Cs)及びカドミウム(Cd)の吸着試験を行った。
まず、Cs10ppm含有水溶液1000mlと、Cd10ppm含有水溶液1000mlを用意し、各々の水溶液に上記緑泥岩粉粒体100gずつを添加し各々6時間混合した。
そして30分間静置後に孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過し、得られた溶液についてCs及びCdの濃度を測定してCs及びCdの除去率を求めた。
また、比較例として、活性炭粉粒体を使用して同様にしてセシウム(Cs)及びカドミウム(Cd)の吸着試験を行った。
その結果、(1)Cs除去率は、上記緑泥岩粉粒体では96%、活性炭粉粒体では48%、(2)Cd除去率は、上記緑泥岩粉粒体では99%、活性炭粉粒体では99%であった。
以上の結果からみて、本願に係る緑泥岩粉粒体は特にセシウム(Cs)の吸着性能に優れていることが理解される。
まず、Cs10ppm含有水溶液1000mlと、Cd10ppm含有水溶液1000mlを用意し、各々の水溶液に上記緑泥岩粉粒体100gずつを添加し各々6時間混合した。
そして30分間静置後に孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過し、得られた溶液についてCs及びCdの濃度を測定してCs及びCdの除去率を求めた。
また、比較例として、活性炭粉粒体を使用して同様にしてセシウム(Cs)及びカドミウム(Cd)の吸着試験を行った。
その結果、(1)Cs除去率は、上記緑泥岩粉粒体では96%、活性炭粉粒体では48%、(2)Cd除去率は、上記緑泥岩粉粒体では99%、活性炭粉粒体では99%であった。
以上の結果からみて、本願に係る緑泥岩粉粒体は特にセシウム(Cs)の吸着性能に優れていることが理解される。
Claims (6)
- 緑泥岩粉粒体を放射能汚染物に接触せしめて、放射性成分を吸着・除去することを特徴とする放射能汚染物の除染方法。
- 緑泥岩粉粒体の平均粒径が50〜5,000μmであることを特徴とする請求項1に記載の放射能汚染物の除染方法。
- 緑泥岩粉粒体が、緑泥岩を300〜500℃で仮焼してなる仮焼緑泥岩粉粒体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射能汚染物の除染方法。
- 処理対象物の放射能汚染物が、溶液又は固液混合スラリーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
- 処理対象物の放射能汚染物が、穀物、野菜、果実等の農作物、魚介類、農耕地土壌、道路表土、運動場表土、建造物等の放射能汚染物あるいは湖水、池水、河川水、海水等の放射能汚染水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
- 緑泥岩粉粒体が、緑泥片岩又は緑泥頁岩の粉粒体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射能汚染物の除染方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011260372A JP2013113721A (ja) | 2011-11-29 | 2011-11-29 | 放射能汚染物の除染方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011260372A JP2013113721A (ja) | 2011-11-29 | 2011-11-29 | 放射能汚染物の除染方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013113721A true JP2013113721A (ja) | 2013-06-10 |
Family
ID=48709381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011260372A Pending JP2013113721A (ja) | 2011-11-29 | 2011-11-29 | 放射能汚染物の除染方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013113721A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163730A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Taiheiyo Cement Corp | 放射性物質の固定化材および放射性汚染物の処理方法 |
JP2015096814A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | 忠 松井 | 放射性物質含有汚染水処理用ドラム、当該ドラムを用いた処理装置及び放射性物質含有汚染水処理方法 |
JP2015114267A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 学校法人近畿大学 | 放射性物質吸着材 |
-
2011
- 2011-11-29 JP JP2011260372A patent/JP2013113721A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163730A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Taiheiyo Cement Corp | 放射性物質の固定化材および放射性汚染物の処理方法 |
JP2015096814A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | 忠 松井 | 放射性物質含有汚染水処理用ドラム、当該ドラムを用いた処理装置及び放射性物質含有汚染水処理方法 |
JP2015114267A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 学校法人近畿大学 | 放射性物質吸着材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mariana et al. | Recent advances in activated carbon modification techniques for enhanced heavy metal adsorption | |
Ajmal et al. | Adsorption studies on Parthenium hysterophorous weed: removal and recovery of Cd (II) from wastewater | |
Bagherifam et al. | Uranium removal from aqueous solutions by wood powder and wheat straw | |
CN101690882A (zh) | 一种去除水中重金属离子的天然吸附剂及其制备方法和应用 | |
Wang et al. | Fabrication of δ-MnO2-modified algal biochar for efficient removal of U (VI) from aqueous solutions | |
Kavisri et al. | Effective removal of fluoride ions from aqueous solution by marine microalgae as natural biosorbent | |
JP2013113721A (ja) | 放射能汚染物の除染方法 | |
JP2014224696A (ja) | 放射能汚染水の除染方法 | |
Sharma et al. | Comprehensive and critical appraisal of plant-based defluoridation from environmental matrices | |
Hilal et al. | Removal of acid dye (AR37) by adsorption onto potatoes and egg husk: a comparative study | |
El-Khalafawy et al. | Enhanced biosorption of europium and cesium ions from aqueous solution onto phalaris seed peel as environmental friendly biosorbent: Equilibrium and kinetic studies | |
Hefne et al. | Removal of silver (I) from aqueous solutions by natural bentonite | |
Yi et al. | Removal of uranium from aqueous solution by using activated palm kernel shell carbon: adsorption equilibrium and kinetics | |
JP5018989B1 (ja) | 放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する方法 | |
Gurav et al. | The potential of self-activated carbon for adsorptive removal of toxic phenoxyacetic acid herbicide from water | |
JP6238214B2 (ja) | 放射性物質汚染粒状物質の除染方法 | |
JP2013068484A (ja) | 琉球石灰岩を用いる放射能廃棄物の処理方法 | |
Shariful et al. | Biosorption of arsenic from contaminated water: composite of algae and Fe-nano particles | |
KR101579795B1 (ko) | 고정화된 견운모를 이용한 세슘 제거방법 | |
Zhirong et al. | Effect of pH on the adsorption of uranyl ions by peat moss | |
JP2013044575A (ja) | 放射性物質を含む下水汚泥中の放射性物質を集約する方法 | |
Hassan et al. | Removal of Pb (II) from Aqueous Solutions Using Mixtures of Bamboo Biochar and Calcium Sulphate, and Hydroxyapatite and Calcium Sulphate. | |
JP6592973B2 (ja) | セシウム吸着材、その利用、および、セシウム吸着材の製造方法 | |
Aiyesanmi et al. | Adsorption of Nickel (II) from Aqueous Solution Using Leucaena leucocephala Shells | |
JP2016020884A (ja) | 放射性物質汚染土壌の除染方法 |