<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置28の操作ハンドルが回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、第1特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、第2特電入賞装置37、特図表示部38及び普図表示部39等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、第1特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及び第2特電入賞装置37については、入球が発生すると所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合及び第2作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、第1特電入賞装置32への入球が発生した場合及び第2特電入賞装置37への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1特電入賞装置32に係る賞球個数よりも第2特電入賞装置37に係る賞球個数が多い、又は第2特電入賞装置37に係る賞球個数よりも第1特電入賞装置32に係る賞球個数が多いといったように、両特電入賞装置32,37の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した場合に遊技盤24の背面側に排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されずに当該遊技領域PEの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、第1特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35及び第2特電入賞装置37への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
第1作動口33は、下側領域PE4に設置されている。第1作動口33は上向きに開放されており、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第1作動口33への入賞確率は一定となっている。また、第1作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は第1作動口33に入賞し易くなっている。第1作動口33には検知センサ33aが設けられており、当該検知センサ33aにより第1作動口33に入賞した遊技球が検知される。ここで、上記のように第1作動口33が下側領域PE4に設けられている構成ではあるが、釘24bなどの規制部材の存在によって右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には第1作動口33への入賞が不可となっている。
第2作動口34は、右側領域PE3に設置されている。つまり、第2作動口34は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
第2作動口34の構成について図4を参照しながら説明する。図4(a),(b)は第2作動口34の構成を示す概略図である。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物34aが設けられている。
普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された普電用の駆動部34bに連結されており、当該普電用の駆動部34bにより駆動されて図4(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図4(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物34aが第2作動口34の入口部分から外方に突出し、遊技領域PEを流下する遊技球を下方から受けることが可能となり、第2作動口34への入賞をガイドする。第2作動口34には検知センサ34cが設けられており、当該検知センサ34cにより第2作動口34に入賞した遊技球が検知される。
なお、第2作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、普電役物34aが前後方向に移動又は横方向の回動軸を中心として前後に回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
右側領域PE3において第2作動口34の上方にはスルーゲート35が設けられている。つまり、スルーゲート35は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。スルーゲート35には検知センサ35aが設けられており、当該検知センサ35aによりスルーゲート35に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図表示部39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
また、普図表示部39に隣接した位置には、普図保留表示部41が設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部41の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
ここで、第2作動口34及びスルーゲート35は、第1作動口33よりも上方に配置されており、遊技領域PEの上部から第2作動口34及びスルーゲート35の位置までに存在する遊技球にとっての障害物の数は、遊技領域PEの上部から第1作動口33の位置までに存在する遊技球にとっての障害部の数よりも少ない。これにより、釘24bの調整にもよるが、開放状態となっている第2作動口34及びスルーゲート35の方が、第1作動口33よりも入賞し易くなっている。
また、右側領域PE3の横幅は、左側領域PE2から第1作動口33の位置までの横幅よりも狭く、右側領域PE3を流下する遊技球の流下経路パターンは、左側領域PE2を流下して下側領域PE4を流下する遊技球の流下経路パターンよりも少ない。これにより、釘24bの調整にもよるが、開放状態となっている第2作動口34及びスルーゲート35の方が、第1作動口33よりも入賞し易くなっている。
また、右側領域PE2を流下した遊技球が第1作動口33に入賞するためには、当該遊技球は鉛直方向だけでなく、横方向にも大きく移動する必要があるのに対して、左側領域PE3を流下した遊技球が第2作動口34又はスルーゲート35に入賞するためには、当該左側領域PE3に沿って鉛直方向に移動するだけでよい。これにより、釘24bの調整にもよるが、開放状態となっている第2作動口34及びスルーゲート35の方が、第1作動口33よりも入賞し易くなっている。
第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。詳細は後述するが、当該当たり抽選において当たり結果となった場合には、上記表示演出の終了後に、第1特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。また、当たり結果となった場合には、開閉実行モード後の遊技状態が有利遊技状態に移行する、又は有利遊技状態の継続条件が変更される。
一方、詳細は後述するが、第2作動口34への入賞が発生した場合には、その入賞が発生した状況にもよるが、内部抽選が行われることなく当たり結果となる。この場合に、第2作動口34への入賞が発生したことを示す表示演出が、特図表示部38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42にて実行される。そして、当該表示演出の終了後に、第2特電入賞装置37への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。また、所定確率で、開閉実行モード後の遊技状態が有利遊技状態に移行する、又は有利遊技状態の継続条件が変更される。
有利遊技状態は、特図表示部38において絵柄の変動表示が中止されることなく終了することが、内部的に決定された回数分行われるまで継続する遊技状態であり、当該有利遊技状態においては通常遊技状態よりも、単位時間当たりにおける第2特電入賞装置37への入賞頻度が向上する。
特図表示部38について詳細には、特図表示部38には、第1特図表示部38aと、第2特図表示部38bとが設けられている。第1特図表示部38aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。この場合、抽選結果が当たり結果である場合には、当たり結果の種類に対応した表示がなされる。また、第2特図表示部38bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われる。そして、当たり結果の種類に対応した表示がなされる。
なお、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
図柄表示装置42について詳細には、図柄表示装置42は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置42では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われる。また、図柄表示装置42では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。
図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置42の表示画面42aを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置42の表示画面42aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示画面42aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面42aには、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口33への入賞に基づいて表示画面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、開閉実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組み合わせが形成される。この場合、同一の奇数図柄の組み合わせが形成された場合の方が、同一の偶数図柄の組み合わせが形成された場合よりも、開閉実行モード後に移行する有利遊技状態が継続する遊技回数(以下、継続回数とも言う)が多くなる構成となっている。
なお、待機表示とは、各図柄列Z1〜Z3と第1有効ラインL1〜第3有効ラインL3とが交差する位置を各停止位置とした場合に、図柄表示装置42において全図柄列Z1〜Z3における図柄のスクロール表示が終了され、各停止位置に対象となる各図柄が停留し且つ揺動表示されている状態のことを言い、静止表示とは、各停止位置に対象となる各図柄が表示され、さらにその表示された各図柄の表示態様が変化しない状態のことを言う。
第2作動口34への入賞に基づいて表示画面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、有利遊技状態ではない状況であれば、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。その後、全図柄列Z1〜Z3の図柄が同時に待機表示される状態となり、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、有利遊技状態である状況であれば、各図柄列Z1〜Z3において図柄のスクロールが行われることなく、静止表示されている各図柄が消えて再度図柄の静止表示が行われる切り替え表示が1回のみ行われる。そして、有利遊技状態である場合及び有利遊技状態ではない場合のいずれにおいても、図柄の変動表示が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって、有利遊技状態への移行に対応している場合又は有利遊技状態の継続条件が変更される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組み合わせが形成される。また、図柄の変動表示が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって、有利遊技状態への移行に対応していない場合及び有利遊技状態の継続条件の変更に対応していない場合には、全ての有効ライン上に同一の図柄の組み合わせは形成されないが、いずれかの有効ライン上に、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、上記構成に限定されることはなく、有利遊技状態への移行に際して設定される継続回数が複数種類設定されている構成において、同一の奇数図柄の組み合わせが形成される場合の方が、同一の偶数図柄の組み合わせが形成される場合よりも、多い継続回数が設定され易い構成としてもよい。また、「7」や「3」の図柄といったように、所定の奇数図柄の組み合わせが形成される場合には、最も多い継続回数が設定される又は多い継続回数が最も設定され易く、他の奇数図柄の組み合わせが形成される場合には、次に多い継続回数が設定される又は多い継続回数が次に設定され易く、偶数図柄の組み合わせが形成される場合には、最も少ない継続回数が設定される又は少ない継続回数が最も設定され易いといったように、図柄表示装置42における停止図柄と継続回数との関係が3段階以上に区分けして設定されている構成としてもよい。
また、第2作動口34への入賞に基づき図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合において、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって有利遊技状態への移行に対応している場合又は有利遊技状態の継続条件が変更される場合には、いずれかの有効ライン上に、同一の奇数図柄の組み合わせが形成され、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって有利遊技状態への移行に対応していない場合及び有利遊技状態の継続条件が変更されない場合には、いずれかの有効ライン上に、同一の偶数図柄の組み合わせが形成される構成としてもよい。
また、図柄表示装置42における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置42にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
可変表示ユニット36の前面側において図柄表示装置42の下方には、図3に示すように、特図保留表示部43が設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部43の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。但し、第2作動口34に入賞した個数は保留されないため、これに対応した保留表示部は設けられていない。
第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて当選となった場合には、第1特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。一方、第2作動口34への入賞が発生した場合には、第2特電入賞装置37への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
第1特電入賞装置32は下側領域PE4において第1作動口33の下方であってアウト口24aの上方に設けられている。当該第1特電入賞装置32は、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可である。一方、第2特電入賞装置37は、右側領域PE3において第2作動口34の下方の位置に設けられている。当該第2特電入賞装置37は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
但し、これに限定されることはなく、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合であっても第1特電入賞装置32への入賞が可能となる構成としてもよい。また、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には第2特電入賞装置37への入賞が不可となる構成に代えて、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合であっても第2特電入賞装置37への入賞が可能となる構成としてもよい。
両特電入賞装置32,37はいずれも同一の構成となっているため、ここでは第2特電入賞装置37を例に挙げて、その構成を具体的に説明する。図6(a)は閉鎖状態である場合の第2特電入賞装置37の縦断面図であり、図6(b)は開放状態である場合の第2特電入賞装置37の縦断面図である。なお、以下の第2特電入賞装置37についての構成の説明では、第1特電入賞装置32において対応する構成を括弧書きで示す。
第2特電入賞装置37(第1特電入賞装置32)は、遊技球が通過可能な大きさの第2大入賞口37a(第1大入賞口32a)が形成されているとともに、当該第2大入賞口37a(第1大入賞口32a)を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える特電側の第2開閉部材37b(特電側の第1開閉部材32b)を備えている。特電側の第2開閉部材37b(特電側の第1開閉部材32b)は特電用の第2駆動部37c(特電用の第1駆動部32c)により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。また、第2特電入賞装置37(第1特電入賞装置32)には、第2大入賞口37a(第1大入賞口32a)を介して第2特電入賞装置37(第1特電入賞装置32)内に入球した遊技球が必ず通過する位置に第2入賞用通過部37d(第1入賞用通過部32d)が形成されており、さらに当該第2入賞用通過部37d(第1入賞用通過部32d)の位置に検知領域が存在するようにして第2大入賞口用の検知センサ37e(第1大入賞口用の検知センサ32e)が設けられている。当該第2大入賞口用の検知センサ37e(第1大入賞口用の検知センサ32e)によって、第2特電入賞装置37(第1特電入賞装置32)に入賞した遊技球が個別に検知される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラーランプ部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
なお、基板ボックスには、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けることが好ましい。痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、ROM83及びRWM84が内蔵されている。
ROM83は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM83は、MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM84は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM83よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM84は、ROM83内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU82又は主制御基板81には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU82に対してROM83及びRWM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び各種入賞検知センサ32e,33a,34c,35a,37eなどが接続されている。停電監視基板85には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ32e,33a,34c,35a,37eの検知結果に基づいて、MPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、第1作動口33への入賞に基づいて当たり抽選及び振分抽選を実行するとともに、第2作動口34への入賞に基づいて振分抽選を実行する。さらにまた、MPU82では、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び音光制御装置91が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU82の出力側には、第1特電入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる特電用の第1駆動部32c、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、第2特電入賞装置37の開閉部材37bを開閉動作させる特電用の第2駆動部37c、第1特図表示部38a、第2特図表示部38b及び普図表示部39が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
また、MPU82の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子と、有利遊技状態中であることを示す有利中信号の外部出力を行うための端子とが含まれている。MPU82は、RWM84に設けられた外部出力バッファに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板79に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置71から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、発射操作装置28に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構27を駆動する。
音光制御装置91は、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63、エラーランプ部64及びスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置92を制御するものである。表示制御装置92では、音光制御装置91から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置42の表示制御を実行する。
<MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図8を用いて説明する。
MPU82は、各種カウンタ情報を用いて、当たり抽選、普電役物34aの開放抽選、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、普図表示部39の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モード後に設定する遊技状態の種別の抽選に使用する当たり種別カウンタC2と、開閉実行モードへの移行が発生しない場合で図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、普電役物34aを開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する普電乱数カウンタC4と、を用いることとしている。なお、上記カウンタC1〜C4,CINI,CSは、RWM84の抽選用カウンタエリア101に設けられている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。
当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33への入賞が発生した場合に特図保留エリア102に格納される。また、当たり種別カウンタC2の数値情報は、第2作動口34への入賞が発生した場合に特図保留エリア102に格納される。特図保留エリア102は、第1特図保留エリア103と、第1特図用の実行エリア104と、第2特図用の実行エリア105と、を備えている。
第1特図保留エリア103は、第1エリア103a、第2エリア103b、第3エリア103c及び第4エリア103dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア103a〜103dに格納される。
この場合、第1エリア103a〜第4エリア103dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア103a→第2エリア103b→第3エリア103c→第4エリア103dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア103a〜103dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリア103において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第1特図用の実行エリア104は、第1特図表示部38aにて変動表示を開始する際に、第1特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部38aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア103の第1エリア103aに格納された保留情報が第1特図用の実行エリア104に移動される。
一方、第2作動口34及び第2特図表示部38bについては、保留記憶するためのエリアは設けられておらず、第2特図用の実行エリア105のみが設けられている。第2特図用の実行エリア105は、第2特図表示部38bにて変動表示を開始する際に、第2特図用の振分判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。つまり、第2特図用の実行エリア105には、当たり種別カウンタC2から取得した数値情報のみが格納される。また、第2特図用の実行エリア105には、第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示、及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であって第2特図用の実行エリア105に未処理の数値情報が格納されていない状況で第2作動口34への入賞が発生することで、当たり種別カウンタC2の数値情報が格納される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に普図保留エリア106に格納される。普図保留エリア106は、第1エリア106a、第2エリア106b、第3エリア106c及び第4エリア106dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア106a〜106dに格納される。
この場合、第1エリア106a〜第4エリア106dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア106a→第2エリア106b→第3エリア106c→第4エリア106dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア106a〜106dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア106において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
また、普図保留エリア106には、普図用の実行エリア107が設けられている。普図用の実行エリア107は、普図表示部39にて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部39の変動表示を開始する際には、普図保留エリア106の第1エリア106aに格納された保留情報が普図用の実行エリア107に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず当たり乱数カウンタC1について説明する。
当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜399の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜399)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで第1特図保留エリア103に格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに第1特図用の当否テーブルとして記憶されている。当該第1特図用の当否テーブルは、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される。一方、既に説明したとおり、第2作動口34への入賞が発生した場合には、内部抽選が実行されることなく当たり結果となるため、第2特図用の当否テーブルは設けられていない。
図9(a)は第1特図用の当否テーブルを説明するための説明図である。図9(a)に示すように、第1特図用の当否テーブルには、当否結果として、当たり結果と、外れ結果とが設定されている。当たり結果となる乱数の数は2個に設定されており、第1特図用の当否テーブルが参照されることで当たり結果となる確率は1/200となる。
第1特図用の当否テーブルが参照されることで当たり結果となった場合、及び第2作動口34への入賞が発生することで当たり結果となった場合には、開閉実行モードへ移行する。開閉実行モードとなった場合、それが第1作動口33への入賞を契機としている場合には第1特電入賞装置32が開閉され、それが第2作動口34への入賞を契機としている場合には第2特電入賞装置37が開閉される。
開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続時間が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が対象となる特電入賞装置32,37に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が1ラウンドに設定されているもののみが存在している。
ここで、開閉実行モードとなった場合における特電入賞装置32,37への遊技球の入賞可能個数について、図10のタイムチャートを参照しながら説明する。図10(a)は開閉実行モードの実行状況を示し、図10(b)は対象となる特電入賞装置32,37の開放状況を示し、図10(c)は遊技球の発射状況を示す。
本パチンコ機10では、図10(c)に示すように、発射操作装置28が遊技者により継続して操作されている状況では一定の周期T1で遊技球が発射される。この発射周期T1は、0.6secとなっている。
一方、開閉実行モードに移行した場合には最初にオープニング状態(t1のタイミング〜t2のタイミング)となる。このオープニング状態が継続される時間は、0.3secとなっており、上記発射周期T1よりも短い時間となっている。オープニング状態が終了した場合に、対象となる特電入賞装置32,37の開放が開始される。つまり、ラウンド遊技が開始される。
当該ラウンド遊技における上記特電用の上限個数は、開閉実行モードの契機となった作動口33,34の種類、及び遊技状態に関係なく、一定となっており、具体的には10個に設定されている。また、上記特電用の開放継続時間T2も、開閉実行モードの契機となった作動口33,34の種類、及び遊技状態に関係なく、一定となっており、具体的には1.7secとなっている。この場合に、上記のとおり遊技球の発射周期は0.6secとなっている。そうすると、ラウンド遊技では、遊技球の発射周期T1と、特電用の上限個数との積未満の開放継続時間T2が設定されていることとなり、対象となる特電入賞装置32,37への入賞を狙う態様で発射操作が継続されたとしても、上限個数の入賞が発生しない。したがって、ラウンド遊技は、上記特電用の開放継続時間T2が経過することで常に終了することとなる。
但し、当該特電用の開放継続時間T2は、遊技球の発射周期T1よりも長い時間として設定されており、より詳細には当該発射周期T1の2倍以上であって3倍未満の時間として設定されている。したがって、開閉実行モードに移行した場合には、対象となる特電入賞装置32,37に対して2個又は3個の遊技球が入賞することが期待できる。
ラウンド遊技が終了した場合には最後にエンディング状態(t3のタイミング〜t4のタイミング)となる。このエンディング状態が継続される時間は、オープニング状態と同様に0.3secとなっており、上記発射周期T1よりも短い時間となっている。エンディング状態が終了することで、開閉実行モードが終了される。
次に、当たり種別カウンタC2について説明する。
当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
当たり種別カウンタC2は、第1作動口33への入賞に基づき取得される場合には、開閉実行モードの終了後における有利遊技状態の継続回数を決定するために利用される。また、当該当たり種別カウンタC2は、第2作動口34への入賞に基づき取得される場合には、開閉実行モードの終了後に有利遊技状態とするか否か又は有利遊技状態の継続回数を変更するか否かを決定するために利用されるとともに、有利遊技状態とする場合又は継続回数を変更する場合には、当該有利遊技状態の継続回数を決定するために利用される。
ここで、通常遊技状態及び有利遊技状態について説明する。
通常遊技状態と有利遊技状態とは、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間の選択態様、第1作動口33への入賞を契機とした場合の開閉実行モードへの移行確率、第1作動口33への入賞を契機とした場合の有利遊技状態への移行確率(又は有利遊技状態の継続回数が再設定される確率)、第1作動口33への入賞を契機とした場合における有利遊技状態の継続回数の選択態様、第2作動口34への入賞を契機とした場合の開閉実行モードへの移行確率、第2作動口34への入賞を契機とした場合における有利遊技状態への移行確率(又は有利遊技状態の継続回数が再設定される確率)、第2作動口34への入賞を契機とした場合における有利遊技状態の継続回数の選択態様、開閉実行モードの実行態様、第2作動口34の普電役物34aがサポート実行モードとなる頻度、及び当該サポート実行モードの実行態様は、同一となっている。
一方、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間の選択態様は、通常遊技状態と有利遊技状態とで相違している。この相違する内容について、図11を参照しながら説明する。
図11(A)〜(C)は通常遊技状態と有利遊技状態との違いを説明するためのタイムチャートであり、図11(A)及び図11(B)は通常遊技状態の場合を示し、図11(C)は有利遊技状態の場合を示す。また、図11(A)〜(C)において(a)は第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の実行状況を示し、(b)は開閉実行モードの実行状況を示す。
図11(C)に示すように、有利遊技状態の場合には、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間はT3となっており、常に一定となっている。一方、図11(A)及び図11(B)に示すように、通常遊技状態の場合には、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間はT4及びT5といったように複数種類設定されており、それら複数種類の表示継続時間の中から使用する表示継続時間が抽選で選択される。
また、有利遊技状態の場合の上記表示継続時間T3は、通常遊技状態の場合に第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回において選択され得る全ての表示継続時間(例えばT4やT5)よりも短い時間となっている。さらに、当該表示継続時間T3は遊技球の発射周期T1よりも短い時間、具体的には0.5secであるのに対して、通常遊技状態の場合に選択される表示継続時間は上記発射周期T1よりも長く、さらに第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回において選択される表示継続時間(10sec〜20sec)よりも長い時間、具体的には40sec〜80secとなっている。
上記構成であることにより、第2作動口34の普電役物34aがサポート実行モードとなる頻度や、開閉実行モードとなった場合の第2特電入賞装置37への入賞機会を通常遊技状態と有利遊技状態とで同一としながら、遊技球の発射を継続した場合における開閉実行モードの実行回数を通常遊技状態よりも有利遊技状態の方が多くなるようにすることが可能となる。
また、遊技領域PEにおける右側領域PE3を流下するように遊技球の発射操作を開始した場合に、その開始後において最初に第2特電入賞装置37に遊技球が入賞可能となるまでに要する最短時間は3secとなっており、この最短時間は、開閉実行モードが開始され第2特電入賞装置37の閉鎖が完了するまでに要する時間(具体的には2sec)よりも長い時間となっている。そうすると、開閉実行モードが開始されてから遊技球の発射を開始させたとしても第2特電入賞装置37に遊技球を入賞させることができない。
この場合に、上記のとおり有利遊技状態では第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間は一定となっているため、第2特電入賞装置37が開放されるタイミングを把握し易い。また、その表示継続時間は、0.5secと遊技球の発射周期T1よりも短い時間となっているため、遊技球の発射を継続させたとしても、無駄となる遊技球の数は少ない。より具体的には、当該遊技回の開始後から第2特電入賞装置37の開放が開始されるまでに要する時間は0.8secであり、その時間は遊技球の発射周期T1よりも長く、発射周期T1の2倍よりも短い。そうすると、上記無駄となる遊技球の数はせいぜい1個又は2個であり、開閉実行モード中に第2特電入賞装置37への入賞に基づき得られることが期待される遊技球の個数(「開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間(1.7sec)を遊技球の発射周期(0.6sec)で割った場合の値」(2.8)×「第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合の賞球個数」(15)の値)よりも少ない。
なお、有利遊技状態において、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の開始後から第2特電入賞装置37の開放が開始されるまでに要する時間が遊技球の発射周期T1以下である構成としてもよい。
一方、上記のとおり通常遊技状態では第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間はランダムとなっているため、第2特電入賞装置37が開放されるタイミングを把握しづらい。
特に、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、各図柄列Z1〜Z3において図柄の待機表示が開始されてから静止表示が終了されるまでの時間(以下、待機開始後時間)が短く設定されており、当該待機開始後時間と、開閉実行モードが開始され第2特電入賞装置37の閉鎖が完了するまでに要する時間(具体的には2sec)と、を足したとしても、上記最短時間よりも短い時間となっている。したがって、仮に図柄表示装置42における図柄列Z1〜Z3に沿った図柄のスクロール表示が終了されたタイミングで遊技球の発射を開始させたとしても、第2特電入賞装置37に遊技球を入賞させることができない。
また、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、当該遊技回の終了直前に実行される待機表示の開始タイミングが把握しづらくなるように構成されている。具体的には、図柄列Z1〜Z3に沿った図柄のスクロール表示は、各図柄列Z1〜Z3において同時に終了される。また、当該スクロール表示は、その終了に向けて一定の態様でスクロール表示速度が低下される構成ではなく、開始から終了まで同一の表示速度で行われる。さらには、図柄のスクロール表示が開始されてから図柄が待機表示されるまでを単位表示回とした場合に、当該単位表示回が一の遊技回において複数回行われる場合もある。したがって、図柄表示装置42におけるスクロール表示の態様からは、第2特電入賞装置37が開放されるタイミングを把握しづらい構成となっている。
そして、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間は、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間よりも長く設定されており、その表示継続時間は、「開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間(1.7sec)を遊技球の発射周期(0.6sec)で割った場合の値」(2.8)×「第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合の賞球個数」(15)×「遊技球の発射周期」(0.6)の算出値(25.5sec)よりも長い時間となっている。したがって、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回中に遊技球の発射を継続させた場合には、仮に第2特電入賞装置37への入賞を発生させることができたとしても、その入賞により得られる個数よりも多くの遊技球を消失している可能性が高い。
さらにまた、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間として最短となる時間(40sec)は存在するが、当該遊技回では、当該最短となる時間に対して上記算出値を足した時間よりも長い表示継続時間の方が、それよりも短い表示継続時間よりも選択され易い構成となっている。したがって、当該遊技回の最短となる時間の経過後に遊技球の発射を開始させ、そのまま遊技球の発射を継続させて、仮に第2特電入賞装置37への入賞を発生させることができたとしても、その入賞により得られる個数よりも多くの遊技球を消失している可能性が高い。
当たり種別カウンタC2に関する構成の説明に戻り、当たり種別カウンタC2に対する振分結果はROM83の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルとしては、第1作動口33への入賞に基づき取得された情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
図9(b)は第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。図9(b)に示すように、第1特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜14」が第1設定結果に対応しており、「15〜24」が第2設定結果に対応しており、「25〜29」が第3設定結果に対応している。
第1設定結果、第2設定結果及び第3設定結果は、開閉実行モード終了後における有利遊技状態について設定される継続回数が相違している。具体的には、第1設定結果の場合には継続回数が100回に設定され、第2設定結果の場合には継続回数が200回に設定され、第3設定結果の場合には継続回数が300回に設定される。
図9(c)は第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。図9(c)に示すように、第2特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2のうち、「0〜28」が変更無し結果に対応しており、「29」が第4設定結果に対応している。
変更無し結果は、有利遊技状態への移行及び有利遊技状態の継続回数の再設定がいずれも実行されない結果である。第4設定結果は、有利遊技状態への移行又は有利遊技状態の継続回数の再設定が行われる結果であり、当該第4設定結果となった場合には継続回数が400回に設定される。
ここで、第2特図用の振分テーブルが参照される場合に選択され得る継続回数は、第1特図用の振分テーブルが参照される場合に選択され得る継続回数以上となっている。これにより、第1作動口33への入賞に基づき開閉実行モードが発生し、その終了後に有利遊技状態となった状況で、第2作動口34への入賞に基づき有利遊技状態の継続回数の再設定が行われる場合に、再設定後の継続回数が再設定前の継続回数よりも少なくなってしまう事象の発生が抑制される。また、第2特図用の振分テーブルが参照される場合に選択される継続回数は1種類のみとなっている。これにより、有利遊技状態において第2作動口34への入賞に基づく有利遊技状態の継続回数の再設定が複数回行われる場合に、後側の再設定において再設定後の継続回数が再設定前の継続回数よりも少なくなってしまう事象の発生が抑制される。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで第1特図保留エリア103に格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置42における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置42を備え、開閉実行モードの終了後に有利遊技状態への移行が発生する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置42における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置42の表示画面42aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回では行われ得るが、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では行われない。また、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回においては、有利遊技状態への移行契機となる遊技回ではリーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行され、有利遊技状態への移行契機とならない遊技回では、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。
変動種別カウンタCSは例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間を決定する場合、及び通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間を決定する場合に用いられる。変動種別カウンタCSは、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回の開始時及び通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の開始時における変動パターン決定に際して取得される。
表示継続時間の決定に際しては、ROM83の表示継続時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている表示継続時間テーブルが参照される。この表示継続時間テーブルは、第1作動口33への入賞に基づき実行される遊技回に対して複数種類設定されており、これら表示継続時間テーブルはいずれも、遊技状態が通常遊技状態であるか有利遊技状態であるかに関係なく共通して使用される。そして、これら表示継続時間テーブルが参照される場合には、10sec〜20secの範囲で設定された複数種類の表示継続時間のうち、いずれかの表示継続時間が選択されることとなる。また、表示継続時間テーブルは、通常遊技状態において第2作動口34への入賞に基づき実行される遊技回に対して1種類設定されている。当該表示継続時間テーブルが参照される場合には、40sec〜80secの範囲で設定された複数種類の表示継続時間のうち、いずれかの表示継続時間が選択されることとなる。
次に、普電乱数カウンタC4について説明する。
普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に入賞したタイミングで普図保留エリア106に格納される。そして、普電乱数カウンタC4の値を利用して普電役物34aを開放状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
<MPU82にて実行される各種処理について>
次に、MPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図12のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM84のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU82の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置78に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM84の初期化として当該RWM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置91に送信する。また、払出制御装置77のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図13のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU82にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板81には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU82との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU82にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU82に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU82では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU82における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU82における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU82の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板85から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34b,37cに行うための処理を実行する。例えば、第1特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の第1駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2特電入賞装置37を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の第2駆動部37cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ32e,33a,34c,35a,37eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、第1特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35及び第2特電入賞装置37への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RWM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ32e,33a,34c,35a,37eの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回の実行制御、及びその後に続く開閉実行モードの実行制御を行うための第1特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS215では、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の実行制御、及びその後に続く開閉実行モードの実行制御を行うための第2特図特電制御処理を実行する。また、ステップS216では、普電役物34aのサポート抽選及び普電役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。
続くステップS217では、直前のステップS214及びステップS216の処理結果に基づいて、第1特図表示部38aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部43に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部39に係る保留情報の増減個数を普図保留表示部41に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS217では、直前のステップS214〜ステップS216の処理結果に基づいて、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部39の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS218では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置42の表示内容をデモ表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS219では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS220では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS221では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板79への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み許可の設定を行う。MPU82では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、タイマ割込み処理のステップS214にて実行される第1特図特電制御処理、ステップS215にて実行される第2特図特電制御処理、及びステップS216にて実行される普図普電制御処理について説明する。
<普図普電制御処理>
まず、ステップS216にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート発生判定を行い、さらにそのサポート発生判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート発生判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
さて、普図普電制御処理では、図14のフローチャートに示すように、まずステップS301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、スルーゲート35への入賞が発生していることを条件として、普電乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を普図保留エリア106に格納する処理を実行する。但し、当該普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。
続くステップS302では、RWM84に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、ROM83から普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、普電役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、普電役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもMPU82にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305に進み、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS306の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS307の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS308の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS309の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS310の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS306〜ステップS310のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS310の処理について個別に説明する。
<普図変動開始処理>
まず、ステップS306の普図変動開始処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、まずステップS401にて、普図側の保留情報の合計数NSが1以上であるか否かを判定する。「0」である場合にはそのまま本普図変動開始処理を終了し、1以上である場合にはステップS402に進む。
ステップS402では、普図保留エリア106のシフト処理を実行する。当該シフト処理では、普図保留エリア106の第1エリア106aに格納されている保留情報を普図用の実行エリア107にシフトするとともに、そのシフト後に第1エリア106aをクリアする。また、第2エリア106b→第1エリア106a、第3エリア106c→第2エリア106b、第4エリア106d→第3エリア106cといった具合に各エリア内の保留情報をシフトする。
続くステップS403では、サポート用の当否判定処理を実行する。当該当否判定処理では、サポート用の当否判定テーブルを読み出し、普図用の実行エリア107に現状格納されている数値情報がサポート当選に対応した数値情報であるか否かを判定する。この場合に、サポート当選となる確率は遊技状態に関係なく一定となっており、具体的には4/5の確率でサポート当選となる。
続くステップS404では、普図変動時間の読み出し処理を実行し、ステップS405にて、その読み出した普図変動時間を普図普電タイマカウンタにセットする。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS306〜ステップS310の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図13)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。なお、ここでセットされる普図変動時間は遊技状態に関係なく一定となっており、具体的には5secに設定されている。
その後、ステップS406にて、普図表示部39の変動表示を開始させるための処理を実行するとともに、ステップS407にて、普図普電カウンタの数値情報を1加算した後に、本普図変動開始処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新する。
<普図変動中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS307の普図変動中処理では、普図表示部39における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、普図変動時間の経過を確認したことを条件として、最終停止時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
<普図確定中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS308の普図確定中処理では、図16のフローチャートに示すように、まずステップS501にて、普図変動中処理にて普図普電タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。
最終停止時間が経過していない場合には、そのまま本普図確定中処理を終了し、最終停止時間が経過している場合には、ステップS502にて、今回の変動表示の契機となったサポート用の当否判定の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、ステップS503にて、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS504に進む。
ステップS504では、RWM84に設けられた普電開放カウンタに「4」をセットするとともに、ステップS505にて、RWM84に設けられた普電入賞カウンタに「10」をセットする。普電開放カウンタは今回のサポート実行モードにおける普電役物34aの残り開放回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、普電入賞カウンタは今回のサポート実行モードにおいて第2作動口34への入賞が上限個数分発生したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。その後、ステップS506にて、普図普電タイマカウンタに普電用の開放継続時間(具体的には1.5sec)の数値情報をセットする。
その後、ステップS507にて普電役物34aを開放状態とさせるための普電開放用処理を実行するとともに、ステップS508にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普図確定中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新する。
<普電開放中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS309の普電開放中処理では、図17のフローチャートに示すように、まずステップS601にて、普図普電タイマカウンタにセットされた普電用の開放継続時間が経過しているか否かを判定する。普電用の開放継続時間が経過している場合には、ステップS602にて、普電開放カウンタの数値情報を1減算した後に、ステップS603にて、普電用の閉鎖継続時間を普図普電タイマカウンタにセットする。普電用の閉鎖継続時間は、遊技状態に関係なく一定となっており、具体的には3secに設定されている。ちなみに、この普電用の閉鎖継続時間は、普電用の開放継続時間よりも長い時間となっている。
一方、ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS604にて、第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS604にて否定判定をした場合にはそのまま本普電開放中処理を終了する。ステップS604にて肯定判定をした場合には、ステップS605に進み、普電入賞カウンタの数値情報を1減算した後に、ステップS606にて普電入賞カウンタの数値情報が「0」となっているか否かを判定する。ステップS606にて否定判定をした場合にはそのまま本普電開放中処理を終了し、ステップS606にて肯定判定をした場合にはステップS607にて普図開放カウンタの数値情報を「0」クリアする。
ステップS603の処理又はステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にて、普電役物34aを閉鎖状態とさせるための普電閉鎖用処理を実行するとともに、ステップS609にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普電開放中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「3」から「4」に更新する。
<普電閉鎖中処理>
普図普電制御処理(図14)におけるステップS310の普電閉鎖中処理では、図18のフローチャートに示すように、まずステップS701にて、普電開放カウンタの数値情報が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、ステップS702にて、普図普電タイマカウンタにセットされた普電用の閉鎖継続時間が経過しているか否かを判定する。経過していない場合にはそのまま本普電閉鎖中処理を終了し、経過している場合にはステップS703に進む。
ステップS703では、普電用の開放継続時間を普図普電タイマカウンタにセットする。当該普電用の開放継続時間は既に説明したとおり1.5secで一定となっている。続くステップS704では、普電役物34aを開放状態とさせるための普電開放用処理を実行する。その後、ステップS705にて普図普電カウンタを1減算した後に、本普電閉鎖中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「4」から「3」に更新する。
一方、ステップS701にて肯定判定をした場合には、ステップS706にて普図普電カウンタを「0」クリアした後に、本普電閉鎖中処理を終了する。
以上のように普図普電制御処理が実行されることにより、スルーゲート35への入賞が発生した場合には遊技状態に関係なく一定の確率(具体的には4/5)でサポート当選となり、サポート実行モードとなる。サポート実行モードは遊技状態に関係なく一定の態様で行われる。詳細には、サポート実行モードでは、第2作動口34への普電用の上限個数分の入賞(10個)が途中で発生しない限りは、第2作動口34の開放が特定の複数回、具体的には4回発生する。これら各回の普電用の開放継続時間は一定となっており、具体的には1.5secとなっている。したがって、サポート実行モードとなった場合、第2作動口34が開放状態となっている最大の合計時間は1.5sec×4の6.0secである。
この場合に、既に説明したとおり、遊技球の発射周期T1は0.6secであり、普電用の上限個数は10個であるため、上記最大の合計時間は遊技球の発射周期T1と普電用の上限個数との積の値と同一となる。これにより、サポート実行モードとなった場合には、普電役物34aは上限回数(4回)分、開放される確率が高く、さらに各回において普電用の開放継続時間に亘って普電役物34aの開放状態が維持される確率が高い。
また、サポート実行モードにおいて各回の開放状態の間では普電役物34aが閉鎖状態とされるが、この閉鎖状態となっている普電用の閉鎖継続時間は3secで一定となっている。つまり、1回目の開放回が終了してから2回目の開放回が開始されるまでの間は、3sec間に亘って普電役物34aが閉鎖状態とされ、2回目の開放回が開始されてから3回目の開放回が開始されるまでの間は、3sec間に亘って普電役物34aが閉鎖状態とされ、3回目の開放回が開始されてから4回目の開放回が開始されるまでの間は、3sec間に亘って普電役物34aが閉鎖状態とされる。なお、4回目の開放回が終了した後も3sec間に亘って普電役物34aが閉鎖状態とされる。
<第1特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS214にて実行される第1特図特電制御処理について説明する。
第1特図特電制御処理では、第1作動口33への入賞が発生している場合に第1特図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、第1特図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について第1特図用の当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行する。さらに、開閉実行モード中の処理を実行する。
さて、第1特図特電制御処理では、図19のフローチャートに示すように、まずステップS801にて、第1特図側の保留情報の取得処理を実行する。第1特図側の保留情報の取得処理では、第1特図保留エリア103における第1特図側の保留情報の合計数が最大数未満(具体的には4未満)である状況で第1作動口33への入賞が発生している場合に、前回のステップS202にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第1特図保留エリア103の空きエリア103a〜103dのうち最初のエリアに格納する。
続くステップS802では、RWM84に設けられた第2特図特電カウンタの数値情報が3以上であるか否かを判定する。第2特図特電カウンタとは、第2特図表示部38bの表示制御、及び第2特電入賞装置37の開閉制御を行うための第2特図特電制御処理(ステップS215)においていずれの段階の処理を実行すべきであるかをMPU82にて特定するためのカウンタである。そして、詳細は後述するが、第2特図特電カウンタが3以上である状況というのは、第2作動口34への入賞に基づき第2特電入賞装置37が開閉される開閉実行モードとなっている状況である。本パチンコ機10では、このような状況においては、第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示を行わない及び変動表示中であれば中止することで、第2特電入賞装置37が開閉される開閉実行モードの実行中に、第1特電入賞装置32の開放が開始されないようにしている。さらにまた、第2特電入賞装置37が開閉される開閉実行モードの実行中に、第1作動口33への入賞を契機とした第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示が行われないようにしている。
かかる作用を生じさせるための処理構成について詳細には、ステップS802にて肯定判定をした場合には、ステップS803にて、RWM84に設けられた第1特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。第1特図特電カウンタとは、第1特図表示部38aの表示制御、及び第1特電入賞装置32の開閉制御を行うための本第1特図特電制御処理においていずれの段階の処理を実行すべきであるかをMPU82にて特定するためのカウンタである。続くステップS804では、第1特図表示部38aが絵柄の変動表示中であれば、その絵柄の変動表示を終了させる処理を実行する。
第1特図表示部38aでは、絵柄の変動表示中においては、複数のセグメント発光部のうち点灯及び消灯が行われるセグメント発光部が順次切り換えられるようにすることで、いずれの抽選結果であったとしても同一のパターンで変動表示が行われるようにし、停止表示時には、抽選結果に対応した種類(1種類又は複数種類)のセグメント発光部を点灯状態とすることで、抽選結果に対応した表示態様が停止表示されるようにしている。この場合に、第1特図の変動中止処理では、第1特図表示部38aにおける変動表示のパターンがいずれの表示タイミングであるかに関係なく、外れ結果に対応した表示態様とした状態で当該変動表示を中止させる。なお、このように変動表示が中止される際の表示態様は、常に同一の態様となっている。
続くステップS805では、第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示を中止させたことを条件として、第1中止コマンドを音光制御装置91への出力対象として設定する。音光制御装置91では、第1中止コマンドを受信した場合には、第1作動口33への入賞を契機として実行している音出力による演出及び光出力による演出を中止するための処理を実行する。また、第1中止コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドを受信した場合には、第1作動口33への入賞を契機として実行している図柄表示装置42における表示演出を中止するための処理を実行する。ステップS805の処理を実行した後は、本第1特図特電制御処理を終了する。
一方、ステップS802にて、第2特図特電カウンタの数値情報が「3」未満であると判定した場合には、ステップS806に進む。ステップS806では、第1特図特電カウンタの数値情報を読み出し、ステップS807ではROM83から第1特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS808にて、第1特図特電アドレステーブルから第1特図特電カウンタの数値情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS806〜ステップS808の処理内容について説明する。
既に説明したとおり第1特図特電制御処理には、第1作動口33への入賞を契機とした遊技回用の演出に係る処理及び開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である第1特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である第1特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である第1特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、第1特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である第1特電開始処理と、第1特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である第1特電開放中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である第1特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、第1特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、第1特図特電アドレステーブルには、第1特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
第1特図特電アドレステーブルについて説明すると、第1特図特電カウンタは「0」〜「5」の数値情報を設定可能となっており、第1特図特電アドレステーブルには第1特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA5」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は第1特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は第1特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は第1特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は第1特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は第1特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は第1特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
第1特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における第1特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて更新される。したがって、各処理回における第1特図特電制御処理では、第1特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、第1特図特電カウンタ及び第1特図特電アドレステーブルを利用して、第1特図変動開始処理、第1特図変動中処理、第1特図確定中処理、第1特電開始処理、第1特電開放中処理及び第1特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS808の処理を実行した後は、ステップS809に進み、ステップS808にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS810の第1特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS811の第1特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS812の第1特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS813の第1特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS814の第1特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS815の第1特電終了処理にジャンプする。ステップS810〜ステップS815の処理を実行した場合には、本第1特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS810〜ステップS815の処理について個別に説明する。
<第1特図変動開始処理>
まずステップS810の第1特図変動開始処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS901では、第1特図保留エリア103に保留情報が記憶されているか否かを判定する。保留情報が記憶されていない場合には、そのまま本第1特図変動開始処理を終了する。保留情報が記憶されている場合には、ステップS902にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、まず保留数Nを1減算するとともに、第1特図保留エリア103の第1エリア103aに格納されたデータ(すなわち、保留情報)を第1特図用の実行エリア104に移動する。その後、第1特図保留エリア103の各エリア103a〜103dに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア103a〜第4エリア103dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア103aのデータをクリアするとともに、第2エリア103b→第1エリア103a、第3エリア103c→第2エリア103b、第4エリア103d→第3エリア103cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、第1特図保留エリア103のデータのシフトが行われたことを音光制御装置91に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
データ設定処理を実行した後は、ステップS903にて、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ROM83に設けられた第1特図用の当否テーブルを参照して、第1特図用の実行エリア104に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が当たり結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS904では、ステップS903における当否判定処理の結果が当たり結果であるか否かを判定する。当たり結果である場合には、ステップS905にて第1振分判定処理を実行する。第1振分判定処理では、第1特図用の実行エリア104に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、ROM83に設けられた第1特図用の振分テーブルを参照して、上記把握した当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、第1設定結果、第2設定結果及び第3設定結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS906では、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第1特図表示部38aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部38aに停止表示される絵柄の態様の情報が、少なくとも当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、同一の当たり結果に対して絵柄の態様の情報が1種類のみ設定されている構成としてもよく、絵柄の態様の情報が複数種類設定されている構成としてもよい。
続くステップS907では、第1振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM84には各当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS907では、それら各当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS905の第1振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS904にて、当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS908にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第1特図表示部38aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、第1特図表示部38aにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっているとともに、第2特図表示部38bにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS907及びステップS908のいずれかの処理を実行した後は、ステップS909にて、第1特図用の表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置42にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、当たり結果ではない場合であっても、第1特図用の実行エリア104に格納されているリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM83に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM83に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間の情報を取得する。この場合、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
リーチ非発生用表示継続時間テーブルが参照される場合及びリーチ発生用表示継続時間テーブルが参照される場合のいずれであっても、選択され得る表示継続時間は10sec〜20secの範囲内となっている。この選択され得る表示継続時間は、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される表示継続時間よりも短く、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択され得る表示継続時間よりも長い表示継続時間となっている。さらに説明すると、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される最長の表示継続時間は、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される最短の表示継続時間の1/2以下の時間となっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、保留数Nと表示継続時間との関係が上記の関係とは逆であってもよい。また、表示継続時間テーブルが、当たり結果の種類に応じて設定されていてもよく、これに加えて又はこれに代えて、当たりリーチ時の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。
続くステップS910では、ステップS909にて取得した第1特図用の表示継続時間に対応した情報を、第1特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ割込み処理(図13)のタイマ更新処理(ステップS210)にて実行される。
ここで、遊技回用の演出として、第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われるとともに図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態で最終停止時間に亘って静止表示される。この場合に、ステップS910にてセットされる情報は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、ステップS910にてセットされる表示継続時間に対応した情報を静止表示前の時間と換言することもできる。また、最終停止時間は当否判定結果や第1振分判定結果に関係なく一定の0.2secとなっており、この時間は遊技球の発射周期T1(0.6sec)以下の時間として設定されている。
続くステップS911では、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを出力対象に設定する。第1変動用コマンドには、第1特図用の表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される第1特図用の表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される第1特図用の表示継続時間と異なっているため、第1変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音光制御装置91では第1特図用の表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、第1変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、第1変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、第1種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、第1種別コマンドには、遊技結果の情報として、外れ結果の情報、第1設定結果の情報、第2設定結果の情報、及び第3設定結果の情報のうちいずれかの情報が含まれる。ステップS911にて出力対象として設定された第1変動用コマンド及び第1種別コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。
音光制御装置91では、詳細は後述するが、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを受信した場合には、それら第1変動用コマンド及び第1種別コマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第1変動用コマンド及び第1種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
第1特図変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS911の処理を実行した後は、ステップS912にて第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS913では、第1特図特電カウンタを1加算する。この場合、第1特図変動開始処理が実行される場合における第1特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS913の処理が実行された場合には第1特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本第1特図変動開始処理を終了する。
<第1特図変動中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図19)におけるステップS811の第1特図変動中処理について説明する。
第1特図変動中処理では、静止表示を開始させるタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、静止表示を開始させるタイミングではない場合には第1特図表示部38aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、静止表示を開始させるタイミングとなるまで第1特図変動中処理にて待機するのではなく、静止表示を開始させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本第1特図変動中処理を終了する。したがって、第1作動口33への入賞を契機として遊技回用の演出が開始された後は、静止表示を開始させるタイミングとなるまで、第1特図特電制御処理が起動される度に第1特図変動中処理が起動される。
また、静止表示を開始させるタイミングとなった場合には、前回の第1特図変動開始処理(図20)においてステップS907又はステップS908にて設定した停止結果の態様で第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示を終了させるとともに、第1特図特電タイマカウンタに最終停止時間(0.2sec)の情報をセットする。また、第1変動終了コマンドを出力対象に設定する。その後に、第1特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を第1特図変動中処理に対応したものから第1特図確定中処理に対応したものに更新する。
上記第1変動終了コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、第1変動終了コマンドを受信した場合には、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドの受信に対応させて設定された音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了させる。また、音光制御装置91は、第1変動終了コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合には、対応する遊技回の表示演出を終了させる。
<第1特図確定中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図19)におけるステップS812の第1特図確定中処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1001では、第1特図の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合にはそのまま本第1特図確定中処理を終了する。ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002にて、RWM84に設けられた継続回数カウンタの数値情報が1以上であることを条件として、当該継続回数カウンタの数値情報を1減算する処理を実行する。継続回数カウンタは、有利遊技状態の継続回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、継続回数カウンタの数値情報が「0」となった場合に遊技状態が有利遊技状態から通常遊技状態に復帰することとなる。
続くステップS1003では、今回の遊技回が当たり結果に対応した遊技回であるか否かを判定する。当たり結果ではない場合には、ステップS1004にて、第1特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第1特図確定中処理を終了する。
ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では、第1オープニングコマンドを出力対象に設定する。第1オープニングコマンドには、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードを開始することを示す情報と、今回の遊技回が第1設定結果、第2設定結果及び第3設定結果のいずれに対応しているのかを示す情報とが含まれる。
第1オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、詳細は後述するが、第1オープニングコマンドを受信した場合には、当該第1オープニングコマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第1オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の開閉実行モード用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
第1特図確定中処理(図21)の説明に戻り、ステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006に進む。ステップS1006では、ROM83に予め記憶されているオープニング時間の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、第1特図特電タイマカウンタにセットする。当該オープニング時間は、当たり結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期T1以下の時間として、0.3secが設定されている。
続くステップS1007では、第1特図特電カウンタを1加算する。この場合、第1特図確定中処理が実行される場合における第1特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS1007の処理が実行された場合には第1特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本第1特図確定中処理を終了する。
<第1特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図19)におけるステップS813の第1特電開始処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、第1特図特電タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。ステップS1101にて否定判定をした場合にはそのまま本第1特電開始処理を終了し、ステップS1101にて肯定判定をした場合にはステップS1102に進む。
ステップS1102では、RWM84に設けられた特電入賞カウンタに「9」をセットする。特電入賞カウンタは、一のラウンド遊技において上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。
続くステップS1103では、特電用の開放継続時間の情報を読み出し、それを第1特図特電タイマカウンタにセットする。特電用の開放継続時間は、開閉実行モードの実行契機となった当たり結果の種類や、開閉実行モードが発生した際の遊技状態の種類に関係なく、一定となっており、具体的には既に説明したとおり1.7secとなっている。
続くステップS1104では、第1特電入賞装置32を開放状態とさせるための第1特電開放用処理を実行する。その後、ステップS1105にて、第1特図特電カウンタを1加算した後に、本第1特電開始処理を終了する。この場合、第1特電開始処理が実行される場合における第1特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップS1105の処理が実行された場合には第1特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。
<第1特電開放中処理>
次に、第1特図特電制御処理(図19)におけるステップS814の第1特電開放中処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、特電用の開放継続時間が経過したか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進む。
一方、ステップS1201にて否定判定をした場合には、ステップS1202にて、第1特電入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS1202にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特電開放中処理を終了する。ステップS1202にて肯定判定をした場合にはステップS1203にて特電入賞カウンタの数値情報を1減算し、続くステップS1204にて当該特電入賞カウンタの数値情報が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはそのまま本第1特電開放中処理を終了し、「0」となっている場合にはステップS1205に進む。
ステップS1205では、第1エンディングコマンドを出力対象に設定する。第1エンディングコマンドには、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードを終了することを示す情報が含まれる。
第1エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、第1エンディングコマンドを受信した場合には、今回の開閉実行モード用に設定されている演出系の音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第1エンディングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドを受信した場合には、今回の開閉実行モード用に設定されている表示パターンによる演出を終了するための処理を実行する。
第1特電開放中処理(図23)の説明に戻り、ステップS1205の処理を実行した後は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、ROM83に予め記憶されているエンディング時間の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、第1特図特電タイマカウンタにセットする。当該エンディング時間は、当たり結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期T1以下の時間として、0.3secが設定されている。
続くステップS1207では、第1特電入賞装置32を閉鎖状態とさせるための第1特電閉鎖用処理を実行する。その後、ステップS1208にて、第1特図特電カウンタを1加算した後に、本第1特電開始処理を終了する。この場合、第1特電開放中処理が実行される場合における第1特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップS1207の処理が実行された場合には第1特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。
<第1特電終了処理>
次に、第1特図特電制御処理(図19)におけるステップS815の第1特電終了処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合にはそのまま本第1特電終了処理を終了し、ステップS1301にて肯定判定をした場合にはステップS1302に進む。
ステップS1302では、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第1設定結果であるか否かを判定し、第1設定結果である場合には、ステップS1303にてRWM84の継続回数カウンタに「100」をセットする。また、ステップS1302にて否定判定をした場合には、ステップS1304にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第2設定結果であるか否かを判定し、第2設定結果である場合には、ステップS1305にてRWM84の継続回数カウンタに「200」をセットする。また、ステップS1304にて否定判定をした場合には、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第3設定結果であることを意味するため、ステップS1306にてRWM84の継続回数カウンタに「300」をセットする。
ステップS1303、ステップS1305又はステップS1306の処理を実行した後は、ステップS1307にて第1特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第1特電終了処理を終了する。
以上のように第1特図特電制御処理が実行されることにより、第1作動口33に入賞が発生した場合には4個を上限として保留情報が保留記憶され、保留情報が取得されている場合には、第1特図表示部38aにおいて絵柄の変動表示が行われていないこと及び開閉実行モードではないことを条件として、最も先に取得されている保留情報について当否判定処理及び第1振分判定処理などが実行され、さらに第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示及び図柄表示装置42における図柄の変動表示が開始される。この場合に、当該遊技回の表示継続時間は10sec〜20secの範囲で選択される。
また、当否判定処理では、1/200の確率で当たり結果となり、当たり結果となった場合には遊技回用の演出が終了した後に開閉実行モードに移行する。開閉実行モードでは、0.3secのオープニング時間が経過した後に、1.7secに亘り第1特電入賞装置32が開放状態となる。そして、その閉鎖後に0.3secのエンディング時間が経過した場合に当該開閉実行モードが終了する。
また、当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に確実に遊技状態が有利遊技状態とされる。この場合に、当該有利遊技状態の継続回数は当たり結果の種類により相違しており、この当たり結果の種類は第1振分判定処理にて決定される。具体的には、当該第1振分判定処理では、最も高い確率である1/2の確率で第1設定結果となり、次に高い確率である1/3の確率で第2設定結果となり、最も低い確率である1/6の確率で第3設定結果となる。そして、第1設定結果となった場合には最も少ない継続回数である100回が設定され、第2設定結果となった場合には次に少ない継続回数である200回が設定され、第3設定結果となった場合には最も多い継続回数である300回が設定される。
<第2特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図13)のステップS215にて実行される第2特図特電制御処理について説明する。
第2特図特電制御処理では、第2作動口34への入賞が発生したことを条件として第2振分判定処理を実行し、さらにその第2振分判定判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、第2振分判定の結果に関係なく、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行する。さらに、開閉実行モード中の処理を実行する。
さて、第2特図特電制御処理では、図25のフローチャートに示すように、まずステップS1401にて、第1特図特電カウンタの数値情報が3以上であるか否かを判定する。第1特図特電カウンタとは、既に説明したとおり、第1特図表示部38aの表示制御、及び第1特電入賞装置32の開閉制御を行うための第1特図特電制御処理(ステップS214)においていずれの段階の処理を実行すべきであるかをMPU82にて特定するためのカウンタである。そして、既に説明したとおり、第1特図特電カウンタが3以上である状況というのは、第1作動口33への入賞に基づき第1特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードとなっている状況である。本パチンコ機10では、このような状況においては、第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を行わない及び変動表示中であれば中止することで、第1特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードの実行中に、第2特電入賞装置37の開放が開始されないようにしている。さらにまた、第1特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードの実行中に、第2作動口34への入賞を契機とした第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示が行われないようにしている。
かかる作用を生じさせるための処理構成について詳細には、ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1402にて、RWM84に設けられた第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。第2特図特電カウンタとは、既に説明したとおり、第2特図表示部38bの表示制御、及び第2特電入賞装置37の開閉制御を行うための本第2特図特電制御処理においていずれの段階の処理を実行すべきであるかをMPU82にて特定するためのカウンタである。続くステップS1403では、第2特図表示部38bが絵柄の変動表示中であれば、その絵柄の変動表示を終了させる処理を実行する。
第2特図表示部38bでは、絵柄の変動表示中においては、複数のセグメント発光部のうち点灯及び消灯が行われるセグメント発光部が順次切り換えられるようにすることで、いずれの振分判定結果であったとしても同一のパターンで変動表示が行われるようにし、停止表示時には、振分判定結果に対応した種類(1種類又は複数種類)のセグメント発光部を点灯状態とすることで、振分判定結果に対応した表示態様が停止表示されるようにしている。この場合に、第2特図の変動中止処理では、第2特図表示部38bにおける変動表示のパターンがいずれの表示タイミングであるかに関係なく、中止されない場合において停止結果として表示されない表示態様とした状態で当該変動表示を中止させる。
なお、このように変動表示が中止される際の表示態様は、常に同一の態様となっている。また、この中止される際の表示態様を、第1特図表示部38aにおいて絵柄の変動表示が中止される場合に停止表示される表示態様と同一としてもよい。この場合、絵柄の変動表示が中止されたか否かの確認の容易化が図られる。
続くステップS1404では、第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を中止させたことを条件として、第2中止コマンドを音光制御装置91への出力対象として設定する。音光制御装置91では、第2中止コマンドを受信した場合には、第2作動口34への入賞を契機として実行している音出力による演出及び光出力による演出を中止するための処理を実行する。また、第2中止コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドを受信した場合には、第2作動口34への入賞を契機として実行している図柄表示装置42における表示演出を中止するための処理を実行する。ステップS1404の処理を実行した後は、本第2特図特電制御処理を終了する。
一方、ステップS1401にて、第1特図特電カウンタの数値情報が「3」未満であると判定した場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では、第2特図特電カウンタの数値情報を読み出し、ステップS1406ではROM83から第2特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS1407にて、第2特図特電アドレステーブルから第2特図特電カウンタの数値情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS1405〜ステップS1407の処理内容について説明する。
既に説明したとおり第2特図特電制御処理には、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回用の演出に係る処理及び開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である第2特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である第2特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である第2特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、第2特電入賞装置37が開閉される開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である第2特電開始処理と、第2特電入賞装置37の開放中の状態を制御するための処理である第2特電開放中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である第2特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、第2特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、第2特図特電アドレステーブルには、第2特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
第2特図特電アドレステーブルについて説明すると、第2特図特電カウンタは「0」〜「5」の数値情報を設定可能となっており、第2特図特電アドレステーブルには第2特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SB0」〜「SB5」)が設定されている。この場合、開始アドレスSB0は第2特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSB1は第2特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSB2は第2特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSB3は第2特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSB4は第2特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSB5は第2特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
第2特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における第2特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて更新される。したがって、各処理回における第2特図特電制御処理では、第2特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、第2特図特電カウンタ及び第2特図特電アドレステーブルを利用して、第2特図変動開始処理、第2特図変動中処理、第2特図確定中処理、第2特電開始処理、第2特電開放中処理及び第2特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS1407の処理を実行した後は、ステップS1408に進み、ステップS1407にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSB0である場合にはステップS1409の第2特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSB1である場合にはステップS1410の第2特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSB2である場合にはステップS1411の第2特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSB3である場合にはステップS1412の第2特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSB4である場合にはステップS1413の第2特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSB5である場合にはステップS1414の第2特電終了処理にジャンプする。ステップS1409〜ステップS1414の処理を実行した場合には、本第2特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS1409〜ステップS1414の処理について個別に説明する。
<第2特図変動開始処理>
まずステップS1409の第2特図変動開始処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。第2作動口34への入賞が発生していない場合にはそのまま本第2特図変動開始処理を終了し、第2作動口34への入賞が発生している場合にはステップS1502に進む。
ステップS1502では第2特図側の取得処理を実行する。当該取得処理では、前回のステップS202にて更新した当たり種別カウンタC2の数値情報を、第2特図用の実行エリア105に格納する。
続くステップS1503では第2振分判定処理を実行する。第2振分判定処理では、第2特図用の実行エリア105に格納された振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、ROM83に設けられた第2特図用の振分テーブルを参照して、上記把握した当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、変更無し結果及び第4設定結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS1504では、第2特図用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている第2特図用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この第2特図用の停止結果テーブルには、第2特図表示部38bに停止表示される絵柄の態様の情報が、少なくとも当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。なお、同一の当たり結果に対して絵柄の態様の情報が1種類のみ設定されている構成としてもよく、絵柄の態様の情報が複数種類設定されている構成としてもよい。
続くステップS1505では、第2振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM84には各当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS1505では、それら各当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS1503の第2振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
続くステップS1506では、RWM84に設けられた継続回数カウンタの数値情報が1以上であるか否かを判定する。ここで、継続回数カウンタの数値情報が1以上の場合というのは遊技状態が有利遊技状態の場合であることを意味している。したがって、ステップS1506では、遊技状態が通常遊技状態及び有利遊技状態のうち有利遊技状態であるか否かを判定している。
継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合、すなわち遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS1506にて否定判定をしてステップS1507に進む。ステップS1507では、今回の遊技回における表示継続時間を把握するための処理として、長継続時間の把握処理を実行する。
長継続時間の把握処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、当該数値情報に対応した表示継続時間を、ROM83に設けられた長継続時間テーブルから読み出す処理を実行する。ここで、図27を参照しながら長継続時間テーブルの内容を説明する。
図27に示すように、長継続時間テーブルには、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回において選択され得る全ての表示継続時間よりも長い表示継続時間であって、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回において選択される表示継続時間よりも長い表示継続時間が設定されている。
具体的には、40sec〜80secの範囲内で複数種類の表示継続時間が設定されており、より詳細には、40sec、47sec、53sec、55sec、61sec、66sec、73sec及び80secが設定されている。これにより、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される表示継続時間を、「開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間(1.7sec)を遊技球の発射周期(0.6sec)で割った場合の値」(2.8)×「第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合の賞球個数」(15)×「遊技球の発射周期」(0.6)の算出値(25.5sec)よりも長い時間とすることが可能となる。
また、40sec、47sec、53sec、55sec、61sec及び66secはそれぞれ15/199の確率で選択され、73secは55/199の確率で選択され、80secは54/199の確率で選択される。これにより、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間を、当該遊技回の最短となる表示継続時間に対して上記算出値を足した時間よりも長い表示継続時間の方が、それよりも短い表示継続時間よりも選択され易くすることが可能となる。
第2特図変動開始処理(図26)の説明に戻り、ステップS1507における長継続時間の把握処理を実行した後は、ステップS1508にて、その把握処理にて把握した表示継続時間に対応した情報を第2特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ割込み処理(図13)のタイマ更新処理(ステップS210)にて実行される。
一方、継続回数カウンタの数値情報が1以上である場合、すなわち遊技状態が有利遊技状態である場合には、ステップS1506にて肯定判定をしてステップS1509に進む。ステップS1509では、今回の遊技回における表示継続時間として、ROM83から短継続時間の情報を読み出し、その読み出した情報に対応した情報を第2特図特電タイマカウンタにセットする。当該短継続時間は、第2振分判定処理の結果やその他の遊技状況に関係なく一定の0.5secとなっており、この時間は既に説明した遊技球の発射周期T1(0.6sec)以下の時間として設定されている。
ここで、遊技回用の演出として、第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示が行われるとともに図柄表示装置42において図柄の変動表示が行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態で最終停止時間に亘って静止表示される。この場合に、ステップS1508又はステップS1509にてセットされる情報は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、ステップS1508又はステップS1509にてセットされる表示継続時間に対応した情報を静止表示前の時間と換言することもできる。また、最終停止時間は遊技状態や第2振分判定結果に関係なく一定の0.2secとなっており、この時間は遊技球の発射周期T1(0.6sec)以下の時間として設定されている。
ステップS1508又はステップS1509の処理を実行した後は、ステップS1510にて、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを出力対象に設定する。第2変動用コマンドには、第2特図用の表示継続時間の情報が含まれる。また、第2種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、第2種別コマンドには、遊技結果の情報として、変更無し結果の情報、及び第4設定結果の情報のうちいずれかの情報が含まれる。ステップS1510にて出力対象として設定された第2変動用コマンド及び第2種別コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。
音光制御装置91では、詳細は後述するが、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを受信した場合には、それら第2変動用コマンド及び第2種別コマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第2変動用コマンド及び第2種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
第2特図変動開始処理(図26)の説明に戻り、ステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511にて第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS1512では、第2特図特電カウンタを1加算する。この場合、第2特図変動開始処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS1512の処理が実行された場合には第2特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本第2特図変動開始処理を終了する。
ここで、第2特図変動開始処理では、第1特図表示部38aにおいて絵柄の変動表示が行われているか否かに関係なく第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を開始させる。したがって、第1特図表示部38aにおける絵柄の変動表示と第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示とは重複して実行され得る。なお、このような重複表示が行われる場合における図柄表示装置42の表示態様については後に説明する。
<第2特図変動中処理>
次に、第2特図特電制御処理(図25)におけるステップS1410の第2特図変動中処理について説明する。
第2特図変動中処理では、静止表示を開始させるタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、静止表示を開始させるタイミングではない場合には第2特図表示部38bにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、静止表示を開始させるタイミングとなるまで第2特図変動中処理にて待機するのではなく、静止表示を開始させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本第2特図変動中処理を終了する。したがって、第2作動口34への入賞を契機として遊技回用の演出が開始された後は、静止表示を開始させるタイミングとなるまで、第2特図特電制御処理が起動される度に第2特図変動中処理が起動される。
また、静止表示を開始させるタイミングとなった場合には、前回の第2特図変動開始処理(図26)においてステップS1504にて設定した停止結果の態様で第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示を終了させるとともに、第2特図特電タイマカウンタに最終停止時間(0.2sec)の情報をセットする。また、第2変動終了コマンドを出力対象に設定する。その後に、第2特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を第2特図変動中処理に対応したものから第2特図確定中処理に対応したものに更新する。
上記第2変動終了コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、第2変動終了コマンドを受信した場合には、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドの受信に対応させて設定された音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了させる。また、音光制御装置91は、第2変動終了コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合には、対応する遊技回の表示演出を終了させる。
<第2特図確定中処理>
次に、第2特図特電制御処理(図25)におけるステップS1411の第2特図確定中処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、第2特図の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特図確定中処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602にて、RWM84に設けられた継続回数カウンタの数値情報が1以上であることを条件として、当該継続回数カウンタの数値情報を1減算する処理を実行する。
ここで、既に説明したとおり、継続回数カウンタは、有利遊技状態の継続回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、継続回数カウンタの数値情報が「0」となった場合に遊技状態が有利遊技状態から通常遊技状態に復帰することとなるが、当該継続回数カウンタの数値情報は、第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が行われる遊技回が終了した場合だけでなく、第1特図表示部38aにおいて絵柄の変動表示が行われる遊技回が終了した場合にも1減算される。つまり、有利遊技状態の継続回数は、第1作動口33への入賞を契機とした遊技回が1回完了する場合に1減算され、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が1回完了する場合にも1減算される。
続くステップS1603では、第2オープニングコマンドを出力対象に設定する。第2オープニングコマンドには、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードを開始することを示す情報と、今回の遊技回が変更無し結果及び第4設定結果のいずれに対応しているのかを示す情報とが含まれる。
第2オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、詳細は後述するが、第2オープニングコマンドを受信した場合には、当該第2オープニングコマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第2オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の開閉実行モード用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
第2特図確定中処理(図28)の説明に戻り、ステップS1603の処理を実行した後は、ステップS1604に進む。ステップS1604では、ROM83に予め記憶されているオープニング時間の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、第2特図特電タイマカウンタにセットする。当該オープニング時間は、当たり結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期T1以下の時間として、0.3secが設定されている。また、このオープニング時間は、第1作動口33への入賞を契機として実行される開閉実行モードにおけるオープニング時間と同一となっている。
続くステップS1605では、第2特図特電カウンタを1加算する。この場合、第2特図確定中処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS1605の処理が実行された場合には第2特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本第2特図確定中処理を終了する。
<第2特電開始処理>
次に、第2特図特電制御処理(図25)におけるステップS1412の第2特電開始処理について説明する。
第2特電開始処理では、既に説明した第1特電開始処理(図22)と同様の処理を実行する。つまり、第2特図特電タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過していることを条件として、RWM84に設けられた特電入賞カウンタに「9」をセットし、特電用の開放継続時間の情報を第2特図特電タイマカウンタにセットする。特電用の開放継続時間は、開閉実行モードの実行契機となった当たり結果の種類や、開閉実行モードが発生した際の遊技状態の種類に関係なく、一定となっており、具体的には既に説明したとおり1.7secとなっている。また、この特電用の開放継続時間は、第1作動口33への入賞を契機として実行される開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間と同一となっている。その後、第2特電入賞装置37を開放状態とさせるための処理を実行した後に、第2特図特電カウンタを1加算する。この場合、第2特電開始処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、当該第2特図特電カウンタの数値情報が1加算された場合にはその数値情報は「4」となる。
<第2特電開放中処理>
次に、第2特図特電制御処理(図25)におけるステップS1413の第2特電開放中処理について説明する。
第2特電開放中処理では、既に説明した第1特電開放中処理(図23)と同様の処理を実行する。つまり、第2特電開放中処理では、第2特電入賞装置37への入賞が発生している場合に特電入賞カウンタの数値情報を1減算する処理を実行する。また、特電用の開放継続時間が経過していること又は特電入賞カウンタの数値情報が「0」となっていることを条件に、第2エンディングコマンドを出力対象に設定する。第2エンディングコマンドには、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードを終了することを示す情報が含まれる。
第2エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、第2エンディングコマンドを受信した場合には、今回の開閉実行モード用に設定されている演出系の音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第2エンディングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドを受信した場合には、今回の開閉実行モード用に設定されている表示パターンによる演出を終了するための処理を実行する。
また、第2エンディングコマンドを出力対象として設定した場合には、ROM83に予め記憶されているエンディング時間の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、第2特図特電タイマカウンタにセットする。当該エンディング時間は、当たり結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期T1以下の時間として、0.3secが設定されている。また、このエンディング時間は、第1作動口33への入賞を契機として実行される開閉実行モードにおけるエンディング時間と同一となっている。
その後、第2特電入賞装置37を閉鎖状態とさせるための処理を実行した後に、第2特図特電カウンタを1加算する。この場合、第2特電開放中処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、当該第2特図特電カウンタの数値情報が1加算された場合にはその数値情報は「5」となる。
<第2特電終了処理>
次に、第2特図特電制御処理(図25)におけるステップS1414の第2特電終了処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特電終了処理を終了し、ステップS1701にて肯定判定をした場合にはステップS1702に進む。
ステップS1702では、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第4設定結果であるか否かを判定し、第4設定結果である場合には、ステップS1703にてRWM84の継続回数カウンタに「400」をセットする。その後、ステップS1704にて第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第2特電終了処理を終了する。
一方、ステップS1702にて否定判定をした場合には、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が設定無し結果であることを意味する。この場合には、継続回数カウンタの数値情報を設定する処理を実行することなく、ステップS1704にて第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第2特電終了処理を終了する。
以上のように第2特図特電制御処理が実行されることにより、第2特図表示部38bにおいて絵柄の変動表示が行われておらず、さらに開閉実行モードではない状況において、第2作動口34への入賞が発生した場合には、当たり種別カウンタC2から数値情報が取得され、その数値情報について第2振分判定処理が実行され、第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示及び図柄表示装置42における図柄の変動表示が開始される。この場合に、当該遊技回の表示継続時間は、通常遊技状態であれば40sec〜80secの範囲で選択され、有利遊技状態であれば0.5secが選択される。
また、当該遊技回が終了した後には、確実に開閉実行モードに移行する。開閉実行モードでは、0.3secのオープニング時間が経過した後に、1.7secに亘り第2特電入賞装置37が開放状態となる。そして、その閉鎖後に0.3secのエンディング時間が経過した場合に当該開閉実行モードが終了する。
また、開閉実行モード後の遊技状態は第2振分判定処理により決定された当たり結果の種類により相違している。具体的には、当該第2振分判定処理では、最も高い確率である29/30の確率で変更無し結果となり、最も低い確率である1/30の確率で第4設定結果となる。そして、変更無し結果となった場合には継続回数は開閉実行モードの前後で変更されず、第4設定結果となった場合には継続回数が400回に設定される。
<遊技の流れ>
次に、MPU82にて上記処理が実行されることに基づく遊技の流れについて、図30の概略図を参照しながら説明する。
通常遊技状態(ST1)において第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生すること(ST2:YES)で、短継続時間(0.5sec)以外の表示継続時間による遊技回が実行される(ST3)。つまり、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回では10sec〜20secの範囲で表示継続時間が選択され、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では40sec〜80secの範囲で表示継続時間が選択される。
その遊技回が終了した場合、第1作動口33への入賞を契機としている場合であれば当否判定結果が当たり結果であることを条件に開閉実行モードが発生し、第2作動口34への入賞を契機としている場合であれば確実に開閉実行モードが発生する(ST4:YES)。この場合、0.3secのオープニング時間が経過した後に、第1特電入賞装置32及び第2特電入賞装置37のうち対象となる側が1.7secに亘って開放状態とされ、その後に0.3secのエンディング時間が発生する(ST5)。
ここで、第1作動口33への入賞が発生した場合には1/200の確率で有利遊技状態への移行が発生するのに対して、第2作動口34への入賞が発生した場合には1/30の確率で有利遊技状態への移行が発生し、当該移行確率は後者の方が高い。しかしながら、第2作動口34への入賞を発生させるためには、スルーゲート35への入賞を発生させ、さらにサポート実行モードの発生当選(4/5の確率で当選)となる必要がある。したがって、発射個数当たりでの移行頻度は、第1作動口33への入賞を狙った場合と、第2作動口34への入賞を狙った場合とで、同一又は略同一となっている。
また、第1特図表示部38aにおいて絵柄が変動表示されている状況で第1作動口33への入賞が発生した場合には保留情報が保留記憶され、さらにその保留記憶される個数は最大4個であるのに対して、第2特図表示部38bにおいて絵柄が変動表示されている状況で第2作動口34への入賞が発生したとしても保留情報は保留記憶されない。したがって、通常遊技状態において遊技球の発射を継続した場合のメリットは、第1作動口33への入賞を狙って左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させる場合の方が大きい。
また、通常遊技状態において第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回ではリーチ表示の発生を含めて各種表示演出が実行されるのに対して、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回ではこのようなリーチ表示が行われることはなく、表示演出の内容が乏しい。そうすると、通常遊技状態においては、第1作動口33への入賞を狙って左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させる場合の方が、遊技者は演出を楽しむことが可能となる。
また、通常遊技状態において第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回では10sec〜20secの範囲で表示継続時間が選択されるのに対して、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では40sec〜80secの範囲で表示継続時間が選択される。そうすると、通常遊技状態においては、第1作動口33への入賞を狙って左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させる場合の方が、単位時間当たりの遊技回の消化率を高めることが可能となる。
また、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回では、図柄表示装置42における表示態様を確認することで、その終了タイミングを判断可能であるのに対して、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、図柄表示装置42における表示態様を確認したとしても、その終了タイミングを判断することができない。この場合に、開閉実行モードでは既に説明したとおり0.3secのオープニング時間の後に1.7secに亘って対象となる特電入賞装置32,37が開放されるのに対して、遊技球発射機構27における遊技球の発射位置及び遊技球の発射速度との関係で、発射操作が開始されて最初に発射された遊技球が第2特電入賞装置37に入賞可能となる位置に到達するまでに最短で3sec程度を要する。そうすると、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が終了した直後に遊技球の発射操作を再開したとしても、その発射操作により発射された遊技球は第2特電入賞装置37に入賞しない。
また、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、40sec〜80secの範囲で表示継続時間が選択され、その選択幅は、「開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間(1.7sec)を遊技球の発射周期(0.6sec)で割った場合の値」(2.8)×「第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合の賞球個数」(15)×「遊技球の発射周期」(0.6)の算出値(25.5sec)よりも長い。さらに、当該遊技回における最短の表示継続時間と上記算出値とを足した時間よりも長い表示継続時間が選択される確率の方が、それよりも短い表示継続時間が選択される確率よりも高い。そうすると、40secが経過する直前に発射操作を再開して、その発射操作を開閉実行モードが終了するまで継続させることで、第2特電入賞装置37への入賞を発生させることができたとしても、それまでの継続操作によって消化している遊技球数の方が、第2特電入賞装置37への入賞に基づき払い出される遊技球数よりも多くなってしまう。したがって、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を発生させるべく発射操作を行ったとしても、遊技者が所有する遊技球の数を増加させることはできない。
以上より、第2作動口34への入賞が発生した場合の方が第1作動口33への入賞が発生した場合よりも有利遊技状態への移行確率が高いとしても、遊技者は第1作動口33への入賞を発生させるべく左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行うものと考えられる。但し、第1作動口33への入賞を発生させるべく左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行うか、第2作動口34への入賞を発生させるべく右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作を行うかは、遊技者が選択することであり、通常遊技状態においては遊技者の目的に応じた発射操作が行われることになる。
図30の説明に戻り、開閉実行モードの終了後は、当該開閉実行モードの実行契機となった結果が第1設定結果、第2設定結果、第3設定結果及び第4設定結果のいずれかであれば、有利遊技状態に移行することとなる(ST6:YES)。
有利遊技状態(ST7)では、遊技球の発射が継続された場合に単位時間当たりに普電役物34aが開放状態となる頻度、サポート実行モードの実行態様、開閉実行モードへの移行確率、及び開閉実行モードの実行態様が通常遊技状態の場合と同一である一方、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が0.5secとなる。また、第2作動口34に入賞した場合には確実に開閉実行モードに移行することとなる。したがって、有利遊技状態においては右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させることで、左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させる場合や通常遊技状態において右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させる場合に比べて、単位時間当たりの開閉実行モードの発生回数を多くすることが可能となる。
つまり、有利遊技状態では第2作動口34への入賞を狙った方が遊技者にとって有利であるため、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作が行われる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合(ST8:YES)には、短継続時間(0.5sec)による遊技回が行われ、その終了後には開閉実行モードに移行する(ST10)。
開閉実行モードの終了後は、当該開閉実行モードの実行契機となった結果が第4設定結果であれば継続回数の再設定が行われ有利遊技状態が継続する(ST11:YES)。一方、開閉実行モードの実行契機となった結果が変更無し結果である場合(ST11:NO)には、継続回数カウンタの数値情報が「0」となっているか否かが判定され(ST12)、「0」ではない場合(ST12:NO)には有利遊技状態が継続され、「0」である場合(ST12:YES)には通常遊技状態に遊技状態が移行する。
<有利遊技状態の有利性の説明>
次に、有利遊技状態の有利性の説明について、図31のタイムチャートを参照しながら説明する。
図31(a)は1回のサポート実行モードにおける普電役物34aの状態を示し、図31(b)は通常遊技状態において第2特図表示部38bの変動表示が継続される様子を示し、図31(c)は通常遊技状態における開閉実行モードの実行状況を示し、図31(d)は有利遊技状態において第2特図表示部38bの変動表示が継続される様子を示し、図31(e)は有利遊技状態における開閉実行モードの実行状況を示す。
図31(a)に示すように、サポート実行モードとなった場合には、第2作動口34への普電用の上限個数分の入賞(10個)が途中で発生しない限りは、閉鎖状態を間に挟むようにして、第2作動口34が4回開放される。この場合に、各回の普電用の開放継続時間T6は1.5secとなっており、各回の普電用の閉鎖継続時間T7は3secとなっている。
ちなみに、遊技球の発射周期T1は0.6secであり、普電用の上限個数は10個であるため、1回のサポート実行モードにおいて第2作動口34が開放状態となっている最大の合計時間は、遊技球の発射周期T1と普電用の上限個数との積の値と同一となる。したがって、サポート実行モードとなった場合には、普電役物34aは上限回数(4回)分、開放される確率が高く、さらに各回において普電用の開放継続時間に亘って普電役物34aの開放状態が維持される確率が高い。
上記のようにサポート実行モードが実行される構成において、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、表示継続時間T8は40sec〜80secの範囲で選択される。そうすると、図31(b)に示すように、サポート実行モードにおける第2作動口34の最初の開放回で当該第2作動口34への入賞が発生したとしても、その入賞に基づく遊技回が終了した場合には当該サポート実行モードは終了しており、図31(c)に示すように、当該サポート実行モードの終了後に開閉実行モードが発生することとなる。つまり、通常遊技状態においては1回のサポート実行モードに対して最大で1回の開閉実行モードしか発生しない。なお、開閉実行モードは、T9の時間(0.3sec+1.7sec+2.3sec)に亘って継続する。
また、第2作動口34への入賞に対する第2振分判定処理用の情報は保留記憶されないため、第2特図表示部38bの変動表示中に第2作動口34への入賞が発生したとしても、当該入賞に対する遊技球の払い出しは実行されるものの、その入賞は遊技回の開始契機及び開閉実行モードの開始契機とはならない。この点からも、通常遊技状態においては1回のサポート実行モードに対して最大で1回の開閉実行モードしか発生しない。
一方、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、図31(d)に示すように、表示継続時間T10は0.5secで一定となっている。また、遊技回が終了した場合には直後に開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードは、図31(e)に示すように、特電用の上限個数が設定されているものの、T9の時間として2.3secに亘って確実に継続する。
これらT9の時間とT10の時間との和の時間は2.8secであり、第2作動口34が1回開放状態となる時間(1.5sec)と、各開放回の間において1回閉鎖状態となる時間(3sec)との和の時間(4.5sec)未満となっている。これにより、第2作動口34が1回開放されるのに対して、開閉実行モードが1回発生する機会が与えられる。
特に、上記T9の時間とT10の時間との和の時間(2.8sec)は、第2作動口34がサポート実行モードにおいて各開放回の間において1回閉鎖状態となる時間(3sec)以下となっている。これにより、サポート実行モード中における第2作動口34の一の開放回において当該第2作動口34への入賞が発生して第2特図表示部38bの変動表示及び開閉実行モードへの移行が発生した場合に、その開閉実行モードは第2作動口34の次の開放回が開始されるまでに終了することとなる。よって、サポート実行モードの各開放回の開始時から、開閉実行モードへの移行契機となる第2作動口34への入賞を発生させる機会が与えられる。
その一方で、既に説明したとおり、第2作動口34への入賞に対する第2振分判定処理用の情報は保留記憶されないため、第2特図表示部38bの変動表示中に第2作動口34への入賞が発生したとしても、当該入賞に対する遊技球の払い出しは実行されるものの、その入賞は遊技回の開始契機及び開閉実行モードの開始契機とはならない。したがって、第2作動口34が1回開放されるのに対して、開閉実行モードが1回発生する機会が与えられるとしても、各開放回において第2作動口34への入賞を発生させる必要が生じる。よって、第2作動口34への入賞が発生するか否かについての注目度が高められ、興趣向上が図られる。
さらにまた、普電用の上限個数の入賞が第2作動口34に対して発生した場合には当該第2作動口34が4回開放されていなくてもサポート実行モードは終了することとなる。そうすると遊技者は、4回目の開放回が開始される前に普電用の上限個数の入賞が発生しないようにしながら第2作動口34への入賞を狙う必要が生じ、この点を踏まえながら発射操作を行う必要が生じる。よって、第2作動口34への入賞の状況に応じて発射操作の態様を調整する必要が生じ、興趣向上が図られる。
ここで、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードでは第2特電入賞装置37が1.7sec開放されるため、1回の開閉実行モードで当該第2特電入賞装置37に2.8個の入賞が発生することが期待できる。そして、第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入球した場合には15個の遊技球が払い出されるため、1回の開閉実行モードで42個の遊技球が払い出されることが期待できる。この場合に、例えば有利遊技状態において第2作動口34への入賞が1分間に10回発生するとした場合、開閉実行モード中の上記払い出し個数及び第2作動口34への入賞による遊技球の払い出し個数(3個)との関係で、1分間で450個の遊技球の払い出しが期待できる。一方、遊技球の発射周期T1は0.6secであるため、遊技球の発射を継続しているのであれば、1分間で100個の遊技球を使用することとなる。そうすると、有利遊技状態においては1分間に350個の遊技球が増加することが期待できる。
<第1特図表示部38aの変動表示と第2特図表示部38bの変動表示とが重複し得ることの作用>
次に、第1特図表示部38aの変動表示と第2特図表示部38bの変動表示とが重複し得ることの作用について、図32のタイムチャートを参照しながら説明する。
図32(a)は1回のサポート実行モードにおける普電役物34aの状態を示し、図32(b)は第2特図表示部38bの変動表示が継続される様子を示し、図32(c)は開閉実行モードの実行状況を示し、図32(d)は第1特図表示部38aの変動表示が継続される様子を示し、図32(e)は有利遊技状態の設定有無を示す。
サポート実行モード中における1回目の第2作動口34の開放回であるt11のタイミングで第2作動口34への入賞が発生する。この場合、有利遊技状態中であるため、t11のタイミング〜t12のタイミングに亘って短継続時間による変動表示が第2特図表示部38bにおいて行われ、さらにt12のタイミング〜t13のタイミングに亘って第2特電入賞装置37が開閉される開閉実行モードが実行される。そして、当該開閉実行モードが終了するタイミングであるt13のタイミングで有利遊技状態が終了し、通常遊技状態に遊技状態が移行する。
但し、サポート実行モードは継続しており、さらに2回目の第2作動口34の開放回が即座に開始されるため、遊技者の意思に関係なく、通常遊技状態下での第2作動口34への入賞が発生し得る。そして、実際に当該第2作動口34への入賞が発生することで、t14のタイミングで長継続時間による変動表示が第2特図表示部38bにおいて開始される。この場合に、第2特図表示部38bにおいて変動表示している場合には、第1特図表示部38aにおいて変動表示されない構成とすると、遊技者は長継続時間による変動表示が終了するのを待つ必要が生じる。
これに対して、第1特図表示部38aの変動表示と第2特図表示部38bの変動表示とが重複し得る構成であることにより、第2特図表示部38bの変動表示中であるt15のタイミングで第1作動口33への入賞を発生させることで、第2特図表示部38bにおける変動表示が継続している最中であっても、第1特図表示部38aにおける変動表示が開始される。そして、t16のタイミングで当該第1特図表示部38aにおける変動表示が終了する。この場合に、当該遊技回が当たり結果に対応している場合には、その変動表示の終了後に開閉実行モードに移行し、さらにその際に第2特図表示部38bにおける変動表示が中止される。
一方、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードが発生しない場合には、第2特図表示部38bにおける変動表示は、当該変動表示の開始に際して設定された長継続時間が経過するタイミングであるt17のタイミングまで継続することとなる。
以上のように、サポート実行モード中に遊技状態が有利遊技状態から通常遊技状態に移行した場合には、通常遊技状態における第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が遊技者の意思に反して開始される可能性があるが、その場合であっても第1作動口33への入賞を発生させることで、第2特図表示部38bの変動表示中に第1特図表示部38aの変動表示を開始させることが可能となり、第2特図表示部38bの変動表示が終了するのを待つことなく、第1作動口33への入賞を狙った遊技を行うことが可能となる。
<演出の実行制御>
次に、音光制御装置91にて実行される演出制御処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出制御処理は、定期的(例えば2msec周期)に起動される。
まずステップS1801では、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS1802にて、第1変動用コマンドに対応した表示継続時間を、第1変動計測用のカウンタにセットし、さらに第1変動用コマンド及び第1種別コマンドに対応した演出パターンをセットする。この演出パターンには、第1変動用の音出力パターン及び発光パターンが定められている。そして、ステップS1803にて第1変動パターンコマンドを表示制御装置92に送信する。
表示制御装置92では、第1変動パターンコマンドを受信することで、当該第1変動パターンコマンドに対応した表示演出パターンをセットする。当該表示演出パターンがセットされた場合には、図柄表示装置42では、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始され、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、開閉実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組み合わせが形成される。この場合、同一の奇数図柄の組み合わせが形成された場合の方が、同一の偶数図柄の組み合わせが形成された場合よりも、開閉実行モード後に移行する有利遊技状態の継続回数が多くなる構成となっている。
続くステップS1804では、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示が図柄表示装置42にて実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1805にて肯定判定をした場合には、ステップS1805にて、第1画面分割コマンドを表示制御装置92に送信する。当該第1画面分割コマンドは、図柄表示装置42の表示画面42aを分割表示して、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示と、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示とを同時に行うことを表示制御装置92に指示するためのコマンドである。
ステップS1801にて否定判定をした場合、ステップS1804にて否定判定をした場合、又はステップS1805の処理の実行後には、ステップS1806にて、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS1807にて、第2変動用コマンドに対応した表示継続時間を、第2変動計測用のカウンタにセットし、さらに第2変動用コマンド及び第2種別コマンドに対応した演出パターンをセットする。この演出パターンには、第2変動用の音出力パターン及び発光パターンが定められている。そして、ステップS1808にて第2変動パターンコマンドを表示制御装置92に送信する。
表示制御装置92では、第2変動パターンコマンドを受信することで、当該第2変動パターンコマンドに対応した表示演出パターンをセットする。当該表示演出パターンがセットされた場合には、図柄表示装置42では、有利遊技状態ではない状況であれば、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始され、全図柄列Z1〜Z3において図柄の待機表示が同時に開始され、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。この場合に、全図柄列Z1〜Z3において図柄の待機表示が同時に開始されるタイミングは、表示制御装置92において抽選により決定される。かかる抽選は、表示継続時間の種類に関係なく実行される。これにより、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、図柄表示装置42の表示内容から当該遊技回の終了タイミングを把握しようとしてもそれが行いづらくなっている。一方、有利遊技状態である状況であれば、各図柄列Z1〜Z3において図柄のスクロールが行われることなく、静止表示されている各図柄が消えて再度図柄の静止表示が行われる切り替え表示が1回のみ行われる。
また、有利遊技状態である場合及び有利遊技状態ではない場合のいずれにおいても、図柄の変動表示が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって、有利遊技状態への移行に対応している場合又は有利遊技状態の継続条件が変更される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組み合わせが形成される。また、図柄の変動表示が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応している場合であって、有利遊技状態への移行に対応していない場合及び有利遊技状態の継続条件の変更に対応していない場合には、全ての有効ライン上に同一の図柄の組み合わせは形成されないが、いずれかの有効ライン上に、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
続くステップS1809では、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示が図柄表示装置42にて実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1809にて肯定判定をした場合には、ステップS1810にて、第2画面分割コマンドを表示制御装置92に送信する。当該第2画面分割コマンドは、図柄表示装置42の表示画面42aを分割表示して、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示と、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示とを同時に行うことを表示制御装置92に指示するためのコマンドである。
ステップS1806にて否定判定をした場合、ステップS1809にて否定判定をした場合、又はステップS1810の処理の実行後には、ステップS1811にて、第1変動終了コマンド及び第2変動終了コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。いずれかの変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1812にて音光制御装置91に設けられたサブ側継続回数カウンタの数値情報を1減算する。当該サブ側継続回数カウンタは、有利遊技状態の継続回数を音光制御装置91において計測するためのカウンタである。
続くステップS1813では、受信した変動終了コマンドに対応した音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了させるための演出終了処理を実行する。続くステップS1814では、第1変動終了コマンドを受信している場合には第1終了コマンドを表示制御装置92に送信し、第2変動終了コマンドを受信している場合には第2終了コマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、受信した終了コマンドに対応した表示演出を終了させるための処理を実行する。
なお、有利遊技状態においては残りの継続回数が表示画面42aにおいて表示されることになるが、表示制御装置92は、当該残りの継続回数を表示している状況で第1変動終了コマンドを受信した場合にはその継続回数を1減算させ、同様に、第2変動終了コマンドを受信した場合にはその継続回数を1減算させる。
ここで、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示と第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示とが同時に行われる様子を、図34(a)〜(d)を参照しながら説明する。
図34(a)に示すように、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示が行われている最中に、表示制御装置92が第1変動パターンコマンド及び第1画面分割コマンドを受信した場合には、図34(b)に示すように、表示画面42aが左右に均等となるようにして2分割される。この場合、先に変動表示されている対象が、第1作動口33への入賞を契機としたもの、及び第2作動口34への入賞を契機としたもののうちいずれであるかに関係なく、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示が第1表示領域である左側の表示領域にて行われ、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示が第2表示領域である右側の表示領域にて行われる。
ちなみに、このように各図柄の変動表示が同時に行われる場合には、音光制御装置91による音出力制御及び発光制御は、各図柄の変動表示のそれぞれに対応させて行われ、仮に一方の図柄の変動表示に対応した音出力タイミングと他方の図柄の変動表示に対応した音出力タイミングとが重複した場合や、一方の図柄の変動表示に対応した発光タイミングと他方の図柄の変動表示に対応した発光タイミングとが重複した場合には、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示側が優先される。但し、これに限定されることはなく、優先度が逆であってもよい。
その後、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示を終了させるタイミングが、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示を終了させるタイミングよりも先に発生するため、表示制御装置92は第1変動終了コマンドを受信する。この場合、左側の表示領域において図柄の静止表示が開始され、最終停止時間の経過後に、表示画面42aの分割表示が終了される。これにより、図34(d)に示すように、表示画面42aの全体において、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示が継続されることとなる。
以上のように表示制御装置92において表示制御が行われることにより、第1特図表示部38aの変動表示と第2特図表示部38bの変動表示とが重複して発生し得る構成において、一の図柄表示装置42のみを用いて、各変動表示に対応した図柄の変動表示を行うことが可能となる。
演出制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS1811にて否定判定をした場合、又はステップS1814の処理の実行後には、ステップS1815にて、第1中止コマンド及び第2中止コマンドのいずれかを受信したか否かを判定する。いずれかの中止コマンドを受信している場合には、ステップS1816にて、受信した中止コマンドに対応した音出力パターン及び発光パターンによる演出を中止させるための中止処理を実行する。続くステップS1817では、第1中止コマンドを受信している場合には第1中止コマンドを表示制御装置92に送信し、第2中止コマンドを受信している場合には第2中止コマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、受信した中止コマンドに対応した表示演出を中止させるための処理を実行する。
ここで、図柄の変動表示が中止される様子を、図35(a)〜(c)を参照しながら説明する。
図35(a)に示すように、図柄表示装置42の表示画面42aが分割表示されており、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示と、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示とが同時に行われている状況において、図35(b)に示すように、第1作動口33への入賞を契機とした図柄の変動表示が終了する。この場合、当該図柄の変動表示は開閉実行モードの移行に対応していることにより、左側の表示領域において一の有効ライン上に「1・1・1」の図柄の組み合わせが停止表示される。但し、当該状況であっても、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示は右側の表示領域において継続している。
既に説明したとおり、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードが発生する場合には、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回は中止され、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードが発生する場合には、第1作動口33への入賞を契機とした遊技回は中止される。したがって、図35(b)に示す状態となった場合には、第2中止コマンドを受信することとなり、第2作動口34への入賞を契機とした図柄の変動表示は中止され、図35(c)に示すように、表示画面42aの分割表示が終了され、図35(b)に示す左側の表示領域の表示内容が、表示画面42aの全体において表示されることになる。
演出制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS1815にて否定判定をした場合、又はステップS1817の処理の実行後には、ステップS1818にて、第1オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。第1オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS1819にて、オープニング時間をオープニング計測用のカウンタにセットし、さらに今回の開閉実行モードにおけるボーナス演出パターンをセットする。このボーナス演出パターンには、開閉実行モード中の音出力パターン及び発光パターンが定められている。
続くステップS1820では、第1ボーナスパターンコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、第1ボーナスパターンコマンドを受信することで、当該第1ボーナスパターンコマンドに対応した表示演出パターンをセットする。この場合に、上記第1オープニングコマンドには継続回数の情報が含まれているため、第1ボーナスパターンコマンドにも当該継続回数の情報が含まれており、表示制御装置92は表示画面42aにおいて今回設定される継続回数を表示する。
続くステップS1821では、第1オープニングコマンドに含まれる継続回数の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を上記サブ側継続回数カウンタに上書きする。
ステップS1818にて否定判定をした場合、又はステップS1821の処理の実行後には、ステップS1822にて、第2オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。第2オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS1823にて、オープニング時間をオープニング計測用のカウンタにセットし、さらに今回の開閉実行モードにおけるボーナス演出パターンをセットする。このボーナス演出パターンには、開閉実行モード中の音出力パターン及び発光パターンが定められている。
続くステップS1824では、第2ボーナスパターンコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、第2ボーナスパターンコマンドを受信することで、当該第2ボーナスパターンコマンドに対応した表示演出パターンをセットする。この場合に、上記第2オープニングコマンドには継続回数の情報が含まれ得るため、当該継続回数の情報が含まれている場合いは、第2ボーナスパターンコマンドにも当該継続回数の情報が含まれることになる。
続くステップS1825では、第2オープニングコマンドに継続回数の数値情報が含まれているか否かを判定する。継続回数の数値情報が含まれている場合には、ステップS1826にて、第2オープニングコマンドに含まれる継続回数の数値情報と、サブ側継続回数カウンタに現状セットされている継続回数の数値情報との差分を算出する算出処理を実行する。但し、サブ側継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、当該算出処理を実行しない。続くステップS1827では、上記差分が算出されたことを条件として、その算出処理の結果に対応した差分の数値情報を含む上乗せコマンドを表示制御装置92に送信する。
表示制御装置92は、第2ボーナスパターンコマンドのみを受信した場合には、開閉実行モード用の演出とともに継続回数を表示画面42aに表示させる。一方、第2ボーナスパターンコマンドとともに上乗せコマンドを受信した場合には、開閉実行モード用の演出として、上乗せ演出を表示画面42aにて行わせる。
ここで、有利遊技状態の継続回数の表示が変更される様子を、図36(a)〜(d)を参照しながら説明する。
図36(a)に示すように、有利遊技状態である場合には遊技回中であるか開閉実行モード中であるかに関係なく、残りの継続回数が表示画面42aの一部にて表示される。図36(a)では、主制御装置71の継続回数カウンタに58がセットされており、表示画面42aでは「残り58回」という表示がなされている。かかる表示がされている状況では、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回が終了することで継続回数が1減算された表示に更新され、同様に、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回が終了することで継続回数が1減算された表示に更新される。
当該表示がなされている状況で、第2作動口34への入賞が発生し、第2振分判定処理の結果が第4設定結果となった場合には、主制御装置71の継続回数カウンタは400に上書きされる。但し、表示制御装置92に対しては、第2ボーナスパターンコマンドとともに上乗せコマンドが送信されるため、表示画面42aでは継続回数が上乗せされたかのような表示演出がなされる。具体的には、図36(b)に示すように、直前の継続回数の内容である「残り58回」という表示がなされている状況で、新たな継続回数と上記直前の継続回数との差分の内容である「342UP!!」という表示と、「+342回」という表示とがなされる。
また、図36(c)では、主制御装置71の継続回数カウンタに399がセットされており、表示画面42aでは「残り399回」という表示がなされている。当該表示がなされている状況で、第2作動口34への入賞が発生し、第2振分判定処理の結果が第4設定結果となった場合には、主制御装置71の継続回数カウンタは、図36(b)の場合と同様に400に上書きされる。但し、図36(b)の場合と異なり、新たな継続回数と上記直前の継続回数との差分が「1」であるため、上書き用の表示として、「1UP!!」という表示と、「+1回」という表示とがなされる。
以上のとおり、主制御装置71における継続回数の設定では、単に第4設定結果に対応した400が継続回数カウンタに上書きされるだけであるが、表示画面42a上では、差分の表示がなされるため、遊技者に対して、直前の継続回数に対して、継続回数が上乗せされたかのような印象を与えることが可能となる。例えば、第4設定結果となった場合に単に400回が再設定された表示のみを行うと、図36(c)のように残りの継続回数が399回の状況で第4設定結果となった場合に、遊技者は399回分損したかのような印象を抱くおそれがある。これに対して、継続回数が上乗せしたかのような表示を行うことで、図36(c)及び図36(d)のような場合であっても、遊技者は継続回数が増えたという印象を持つこととなり、上記のような喪失感を与えないようにすることが可能となる。
また、上乗せ表示は、新たに設定された継続回数と直前の継続回数との差分として表示されるため、当該差分として取り得る数値の数分の上乗せ表示態様を提供することが可能となる。よって、上乗せ表示の多様化を図ることができる。
さらにまた、上記のように上乗せ表示を行う構成において、主制御装置71は当たり結果の種類に対応した継続回数の情報を継続回数カウンタに対して単に上書きするだけでよく、差分の算出処理はサブ側の制御装置である音光制御装置91にて行われる。したがって、主制御装置71の処理負荷の増加を抑制しながら、上記のような上乗せ表示を行うことが可能となる。
演出制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS1827の処理を実行した後は、ステップS1828にて、第2オープニングコマンドに含まれる継続回数の数値情報を上記サブ側継続回数カウンタに上書きする。
ステップS1822にて否定判定をした場合、ステップS1825にて否定判定をした場合、又はステップS1828の処理の実行後には、ステップS1829にて、その他の処理を実行した後に、本演出制御処理を終了する。その他の処理では、上記各コマンドとは異なるコマンドを受信した場合に対応した演出設定用の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利遊技状態においては、普電役物34aの1回のサポート実行モード中に、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回の実行及びそれに続く開閉実行モードの実行が完了し、さらに当該サポート実行モードが当該開閉実行モードの終了後も継続し得る構成となっている。これにより、サポート実行モードが発生することの有利性を従来よりも高めることが可能となり、普電役物34a及び第2特電入賞装置37という既存の構成を利用して、興趣向上を図ることが可能となる。
また、1回のサポート実行モードにおいて閉鎖状態を間に挟んで第2作動口34が複数回、開放状態とされる構成において、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回の表示継続時間と、それに続く開閉実行モードが継続する時間との和の時間が、第2作動口34が1回開放状態となる時間と、各開放回の間において1回閉鎖状態となる時間との和の時間以下となっている。これにより、1回のサポート実行モードにおいて1回の開放状態に対して、遊技回及び開閉実行モードの組み合わせを1回完了させることが可能となり、サポート実行モードの各開放回において開閉実行モードを1回発生させることが可能となる。よって、遊技者にとっては、サポート実行モード中において第2作動口34が開放状態となる回数分の開閉実行モードを発生させることが可能となり、サポート実行モード中における第2作動口34の各開放回への注目度を高めることが可能となる。
また、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回の表示継続時間と、それに続く開閉実行モードが継続する時間との和の時間が、第2作動口34がサポート実行モードにおいて各開放回の間において1回閉鎖状態となる時間以下となっている。これにより、サポート実行モード中における第2作動口34の一の開放回において当該第2作動口34への入賞が発生して第2特図表示部38bの変動表示及び開閉実行モードへの移行が発生した場合に、その開閉実行モードは第2作動口34の次の開放回が開始されるまでに終了することとなる。よって、サポート実行モードの各開放回の開始時から、開閉実行モードへの移行契機となる第2作動口34への入賞を発生させる機会が与えられる。
また、第2作動口34への入賞に対する第2振分判定処理用の情報は保留記憶されないため、第2特図表示部38bの変動表示中や開閉実行モード中に第2作動口34への入賞が発生したとしても、当該入賞に対する遊技球の払い出しは実行されるものの、その入賞は遊技回の開始契機及び開閉実行モードの開始契機とはならない。したがって、第2作動口34が1回開放されるのに対して、開閉実行モードが1回発生する機会が与えられるとしても、各開放回において第2作動口34への入賞を発生させる必要が生じる。よって、第2作動口34への入賞が発生するか否かについての注目度が高められ、興趣向上が図られる。
また、普電用の上限個数の入賞が第2作動口34に対して発生した場合には当該第2作動口34が4回開放されていなくてもサポート実行モードは終了することとなる。そうすると遊技者は、4回目の開放回が開始される前に普電用の上限個数の入賞が発生しないようにしながら第2作動口34への入賞を狙う必要が生じ、この点を踏まえながら発射操作を行う必要が生じる。よって、第2作動口34への入賞の状況に応じて発射操作の態様を調整する必要が生じ、興趣向上が図られる。
また、第2作動口34がサポート実行モードにおいて1回開放状態となる時間は、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回の表示継続時間と、それに続く開閉実行モードが継続する時間との和の時間以下となっている。これにより、1回のサポート実行モードにおいて1回の開放回に対して、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回及びそれに続く開閉実行モードの組み合わせを1回完了させることを可能とした構成において、サポート実行モードの1回の開放回において上記組み合わせを2回発生させづらくなる。これにより、1回のサポート実行モードに対して開閉実行モードの実行可能な最大回数をある程度制限することが可能となり、射幸性を適度に抑えることが可能となる。
また、通常遊技状態においては、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が有利遊技状態の場合よりも長くなり、当該表示継続時間は1回のサポート実行モードが実行される時間以上となっている。これにより、有利遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態とすることが可能となる。
特に、通常遊技状態と有利遊技状態との間で表示継続時間の長さを変化させるのみであって、スルーゲート35への入賞発生に対するサポート実行モードの発生確率、当該サポート実行モードの実行態様、第2作動口34への入賞発生に対する開閉実行モードの発生確率、及び当該開閉実行モードの実行態様を変化させないようにしながら、有利遊技状態では、単位時間当たりの開閉実行モードの実行可能回数を増加させる構成である。これにより、処理構成の簡素化を図りながら、有利遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態とすることが可能となる。
また、有利遊技状態においては第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間は、発射を継続させた場合に使用される遊技球の数が開閉実行モード中に期待できる遊技球の払出個数よりも少ない数となるように設定されており、さらにはその表示継続時間は遊技球の発射周期以下の時間となっている。これにより、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回において遊技球の発射を継続させたとしても、無駄になる遊技球の数を抑えることが可能となる。
通常遊技状態においては、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、図柄表示装置42における表示態様を確認したとしても、その終了タイミングを判断することができない。この場合に、開閉実行モードでは0.3secのオープニング時間の後に1.7secに亘って対象となる特電入賞装置32,37が開放されるのに対して、遊技球発射機構27における遊技球の発射位置及び遊技球の発射速度との関係で、発射操作が開始されて最初に発射された遊技球が第2特電入賞装置37に入賞可能となる位置に到達するまでに最短で3sec程度を要する。そうすると、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が終了した直後に遊技球の発射操作を再開したとしても、その発射操作により発射された遊技球は第2特電入賞装置37に入賞しない。
また、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回では、40sec〜80secの範囲で表示継続時間が選択され、その選択幅は、「開閉実行モードにおける特電用の開放継続時間(1.7sec)を遊技球の発射周期(0.6sec)で割った場合の値」(2.8)×「第2特電入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合の賞球個数」(15)×「遊技球の発射周期」(0.6)の算出値(25.5sec)よりも長い。さらに、当該遊技回における最短の表示継続時間と上記算出値とを足した時間よりも長い表示継続時間が選択される確率の方が、それよりも短い表示継続時間が選択される確率よりも高い。そうすると、40secが経過する直前に発射操作を再開して、その発射操作を開閉実行モードが終了するまで継続させることで、第2特電入賞装置37への入賞を発生させることができたとしても、それまでの継続操作によって消化している遊技球数の方が、第2特電入賞装置37への入賞に基づき払い出される遊技球数よりも多くなってしまう。したがって、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を発生させるべく発射操作を行ったとしても、遊技者が所有する遊技球の数を増加させることはできない。
以上より、通常遊技状態と有利遊技状態との間で表示継続時間の長さを変化させるのみであって、スルーゲート35への入賞発生に対するサポート実行モードの発生確率、当該サポート実行モードの実行態様、第2作動口34への入賞発生に対する開閉実行モードの発生確率、及び当該開閉実行モードの実行態様を変化させない構成において、通常遊技状態の場合に第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行うことのメリットが低減され、有利遊技状態の有利性が高められる。
開閉実行モードの発生を契機として、遊技状態が通常遊技状態から有利遊技状態に移行した場合に、スルーゲート35への入賞発生に対するサポート実行モードの発生確率、当該サポート実行モードの実行態様、第2作動口34への入賞発生に対する開閉実行モードの発生確率、及び当該開閉実行モードの実行態様を変化させないようにしながら、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が短くなる構成となっている。これにより、サポート実行モード及び開閉実行モードといった遊技者の利益に直結するモードを変更させないようにしながら、遊技回の消化率を高めることが可能となる。よって、サポート実行モード及び開閉実行モードの処理構成の簡素化を図りながら、遊技に抑揚を与えることが可能となる。
主制御装置71における継続回数の設定では、単に当たり結果に対応した継続回数が継続回数カウンタに上書きされるだけであるが、表示画面42a上では、差分の表示がなされるため、遊技者に対して、直前の継続回数に対して、継続回数が上乗せされたかのような印象を与えることが可能となる。また、上乗せ表示は、新たに設定された継続回数と直前の継続回数との差分として表示されるため、当該差分として取り得る数値の数分の上乗せ表示態様を提供することが可能となる。よって、上乗せ表示の多様化を図ることができる。さらにまた、上記のように上乗せ表示を行う構成において、主制御装置71は当たり結果の種類に対応した継続回数の情報を継続回数カウンタに対して単に上書きするだけでよく、差分の算出処理はサブ側の制御装置である音光制御装置91にて行われる。したがって、主制御装置71の処理負荷の増加を抑制しながら、上記のような上乗せ表示を行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、有利遊技状態への移行を発生させる上での構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図37は、第1作動口33への入賞を契機として実行される当否判定及び第1振分判定の内容を説明するための説明図であり、図37(a)は第1特図用の当否テーブルを説明するための説明図であり、図37(b)は低確率モードにおける第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図であり、図37(c)は高確率モードにおける第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。
図37(a)に示すように、第1特図用の当否テーブルには、当否結果として、当たり結果と、確率上昇結果と、外れ結果とが設定されている。
外れ結果は、上記第1の実施形態と同様に、開閉実行モードへの移行及び有利遊技状態への移行(又は継続回数の再設定)の両方が発生しない結果である。当たり結果は、上記第1の実施形態と同様に開閉実行モードへの移行を発生させる結果であるが、上記第1の実施形態と異なり、開閉実行モードへの移行は発生するが、有利遊技状態への移行(又は継続回数の再設定)は発生しない場合もあり得るものとなっている。
確率上昇結果は、開閉実行モードへの移行を発生させるものであって、当該開閉実行モードの終了後には有利遊技状態への移行確率(又は継続回数の再設定確率)を高めるものである。但し、確率上昇結果となったとしても、有利遊技状態への移行(又は継続回数の再設定)は発生しない。また、確率上昇結果となり、有利遊技状態への移行確率が相対的に低確率である低確率モードから、当該移行確率が相対的に高確率である高確率モードに、移行確率モードが移行したとしても、その高確率モードは、第1作動口33への入賞を契機として実行された遊技回、及び第2作動口34への入賞を契機として実行された遊技回の合計の完了回数が終了基準回数となった場合に終了し、当該移行確率モードは低確率モードに復帰する。
第1特図用の当否テーブルでは、1/10の確率で当たり結果となり、1/400の確率で確率上昇結果となり、残りは外れ結果となる。
当否判定処理にて当たり結果となった場合には、第1振分判定処理が実行されることとなる。この場合に、移行確率モードに応じて参照される振分テーブルが異なっている。まず低確率モードにおける第1特図用の振分テーブルについて説明する。
低確率モードにおける第1特図用の振分テーブルでは、図37(b)に示すように、振分結果として、第1設定結果と、変更無し結果とが設定されている。変更無し結果は、上記第1の実施形態と同様に、有利遊技状態への移行及び継続回数の設定が行われない結果である。
第1設定結果の場合には、有利遊技状態の継続回数が100回に設定される。また、遅延回数が0回に設定されるとともに、復活回数が500回に設定される。
遅延回数とは、開閉実行モードの終了後において有利遊技状態への移行を遅延させる遊技回数のことであり、遅延回数が設定されている場合には、継続回数カウンタへの継続回数の設定が、第1作動口33への入賞を契機として実行された遊技回、及び第2作動口34への入賞を契機として実行された遊技回の合計の完了回数が遅延回数分となるまで遅延される。
復活回数とは、有利遊技状態の終了後において、再度、有利遊技状態への移行を発生させるのに必要な遊技回数のことであり、復活回数が設定されている場合には、有利遊技状態の終了後において、第1作動口33への入賞を契機として実行された遊技回、及び第2作動口34への入賞を契機として実行された遊技回の合計の完了回数が復活回数分となることで、遊技状態が通常遊技状態から有利遊技状態に移行する。
低確率モードにおける第1特図用の振分テーブルでは、1/20の確率で第1設定結果となり、残りは変更無し結果となる。そして、上記のとおり低確率モードにおいて第1作動口33への入賞を契機として当否判定が行われた場合には、当たり結果となる確率は1/10となっている。したがって、低確率モードにおいて第1作動口33への入賞を契機として当否判定及び第1振分判定が行われた場合には、1/200の確率で有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が行われる。
高確率モードにおける第1特図用の振分テーブルでは、図37(c)に示すように、変更無し結果は設定されていない。したがって、高確率モードにおいて第1作動口33への入賞を契機として当否判定が行われ当たり結果となった場合には、有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が確実に発生する。つまり、高確率モードにおいて第1作動口33への入賞を契機として当否判定及び第1振分判定が行われた場合には、1/10の確率で有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が行われる。
高確率モードにおける第1特図用の振分テーブルの振分結果としては、第1設定結果と、第2設定結果と、第3設定結果と、第4設定結果と、第5設定結果とが設定されている。第1設定結果は15/40の確率で発生し、第2設定結果は10/40の確率で発生し、第3設定結果は5/40の確率で発生し、第4設定結果は5/40の確率で発生し、第5設定結果は5/40の確率で発生する。
第1設定結果は、上記のとおり、継続回数が100回に設定され、遅延回数が0回に設定され、復活回数が500回に設定される結果である。第2設定結果は、継続回数が100回に設定され、遅延回数が3回に設定され、復活回数が500回に設定される結果である。第3設定結果は、継続回数が100回に設定され、遅延回数が7回に設定され、復活回数が500回に設定される結果である。第4設定結果は、継続回数が200回に設定され、遅延回数が5回に設定され、復活回数が300回に設定される結果である。第5設定結果は、継続回数が300回に設定され、遅延回数が10回に設定され、復活回数が10回に設定される結果である。
つまり、高確率モードにおける第1特図用の振分テーブルが参照された場合には、遅延回数が多くなるほど、設定される継続回数が多くなる。したがって、遊技者は、第1作動口33への入賞を契機として開閉実行モードが発生した場合には、有利遊技状態となるまでの遅延回数が多いことを期待して遊技を行うこととなる。
但し、かかる効果をより好適に奏するようにする上では、遅延回数の遊技回を第1作動口33への入賞を狙って消化する場合に必要な遊技球数が、その遅延回数分の遊技回の消化後に設定される継続回数分に亘って有利遊技状態が継続した場合に期待できる遊技球の払い出し数の50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。これにより、遅延回数が設定されたことに対する遊技者の不利益感を低減させることが可能となる。
図38は、第2作動口34への入賞を契機として実行される当否判定及び第2振分判定の内容を説明するための説明図であり、図38(a)は第2特図用の当否テーブルを説明するための説明図であり、図38(b)は低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図であり、図38(c)は高確率モードにおける第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。
上記第1の実施形態では、第2作動口34への入賞が発生した場合には当否判定処理が行われずに第2振分判定処理のみが行われる構成としたが、本実施形態では、第2作動口34への入賞が発生した場合にも当否判定処理が実行される。この際に、第2特図用の当否テーブルが参照される。
第2特図用の当否テーブルには、図38(a)に示すように、当否結果として、確率上昇結果と、当たり結果とが設定されている。こられ確率上昇結果及び当たり結果の内容は既に説明したとおりである。そして、これら確率上昇結果及び当たり結果は、いずれも開閉実行モードを発生させる結果である。したがって、上記第1の実施形態と同様に、第2作動口34への入賞を契機として抽選が行われる場合には、開閉実行モードへの移行が確実に発生する。
当否判定処理にて当たり結果となった場合には、第2振分判定処理が実行されることとなる。この場合に、移行確率モードに応じて参照される振分テーブルが異なっている。まず低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルについて説明する。
低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルでは、図38(b)に示すように、振分結果として、変更無し結果と、第6設定結果とが設定されている。変更無し結果は、上記第1の実施形態と同様に、有利遊技状態への移行及び継続回数の設定が行われない結果である。第6設定結果の場合には、有利遊技状態の継続回数が400回に設定され、復活回数が10回に設定される。但し、遅延回数の設定は行われない。
低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルでは、1/40の確率で第6設定結果となり、残りは変更無し結果となる。そして、上記のとおり低確率モードにおいて第2作動口34への入賞を契機として当否判定が行われた場合には、当たり結果となる確率は399/400となっている。したがって、低確率モードにおいて第2作動口34への入賞を契機として当否判定及び第2振分判定が行われた場合には、約1/40の確率で有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が行われる。
高確率モードにおける第2特図用の振分テーブルでは、図38(c)に示すように、設定されている振分結果が、低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルと同一となっており、変更無し結果と第6設定結果とが設定されている。但し、第6設定結果となる確率は相違しており、当該振分テーブルでは3/4の確率で第6設定結果となる。そして、上記のとおり高確率モードにおいて第2作動口34への入賞を契機として当否判定が行われた場合には、当たり結果となる確率は399/400となっている。したがって、高確率モードにおいて第2作動口34への入賞を契機として当否判定及び第2振分判定が行われた場合には約3/4の確率で有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が行われる。
<第1特図変動開始処理>
次に、本実施形態における第1特図変動開始処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、第1特図保留エリア103に保留情報が記憶されているか否かを判定する。保留情報が記憶されていない場合には、そのまま本第1特図変動開始処理を終了する。保留情報が記憶されている場合には、ステップS1902にてデータ設定処理を実行する。データ設定処理の内容は上記第1の実施形態と同様である。
続くステップS1903では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ROM83に設けられた第1特図用の当否テーブルを参照して、第1特図用の実行エリア104に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、当たり結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、一致していない場合には確率上昇結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS1904では、ステップS1903における当否判定処理の結果が当たり結果であるか否かを判定する。当たり結果である場合には、ステップS1905にて第1振分判定処理を実行する。
第1振分判定処理では、RWM84に設けられた上昇中カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。上昇中カウンタは、移行確率モードが高確率モードであるか否か及び高確率モードである場合には当該高確率モードの残りの遊技回数をMPU82にて特定するためのカウンタである。上昇中カウンタの数値情報が「0」である場合には、ROM83に設けられた低確率モードにおける第1特図用の振分テーブルを参照して、第1特図用の実行エリア104に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、第1設定結果及び変更無し結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
一方、第1振分判定処理において、上昇中カウンタの数値情報が1以上であると判定した場合には、ROM83に設けられた高確率モードにおける第1特図用の振分テーブルを参照して、第1特図用の実行エリア104に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、第1設定結果、第2設定結果、第3設定結果、第4設定結果及び第5設定結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS1906では、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第1特図表示部38aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部38aに停止表示される絵柄の態様の情報が、少なくとも当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、同一の当たり結果に対して絵柄の態様の情報が1種類のみ設定されている構成としてもよく、絵柄の態様の情報が複数種類設定されている構成としてもよい。
続くステップS1907では、第1振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM84には各当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS1907では、それら各当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS1905の第1振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
ステップS1904にて、当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS1908にて、ステップS1903における当否判定処理の結果が確率上昇結果であるか否かを判定する。確率上昇結果である場合には、ステップS1909にて、確率上昇結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第1特図表示部38aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている確率上昇結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、第1特図表示部38aにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっているとともに、第2特図表示部38bにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっている。
続くステップS1910では、RWM84に設けられた確率上昇結果フラグに「1」をセットする。確率上昇結果フラグは、当否判定処理の結果が確率上昇結果であったことをMPU82において特定するためのフラグである。
ステップS1908にて、確率上昇結果ではないと判定した場合には、ステップS1911にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第1特図表示部38aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、第1特図表示部38aにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報及び確率上昇結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっているとともに、第2特図表示部38bにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報及び確率上昇結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS1907、ステップS1910及びステップS1911のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1912にて、第1特図用の表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置42にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。
ここで、当否判定処理において当たり結果となった場合であって第1振分判定処理において変更無し結果となった場合には、開閉実行モードへの移行が発生するものの、有利遊技状態への移行及び継続回数の再設定は行われない。この場合、図柄表示装置42では、いずれかの有効ライン上に、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。また、当否判定処理において確率上昇結果となった場合にも、開閉実行モードへの移行が発生するものの、有利遊技状態への移行及び継続回数の再設定は行われない。この場合、図柄表示装置42では、いずれかの有効ライン上に、同一の図柄の組み合わせとは異なり、さらに上記所定の図柄の組み合わせとも異なる特定の図柄の組み合わせ(例えば「1・4・3」)が形成される。これに対応させて、当否判定処理において当たり結果となった場合であって第1振分判定処理において変更無し結果となった場合、及び当否判定処理において確率上昇結果となった場合には、リーチ表示が発生しない。
一方、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果であって第1設定結果〜第5設定結果のいずれかである場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、外れ結果である場合であっても、第1特図用の実行エリア104に格納されているリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM83に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM83に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間の情報を取得する。この場合、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
リーチ非発生用表示継続時間テーブルが参照される場合及びリーチ発生用表示継続時間テーブルが参照される場合のいずれであっても、選択され得る表示継続時間は10sec〜20secの範囲内となっている。この選択され得る表示継続時間は、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される表示継続時間よりも短く、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択され得る表示継続時間よりも長い表示継続時間となっている。さらに説明すると、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される最長の表示継続時間は、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回にて選択される最短の表示継続時間の1/2以下の時間となっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、保留数Nと表示継続時間との関係が上記の関係とは逆であってもよい。また、表示継続時間テーブルが、当たり結果の種類に応じて設定されていてもよく、これに加えて又はこれに代えて、当たりリーチ時の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。
ステップS1913以降の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステップS910以降の処理内容と同一となっている。
なお、遅延回数が設定される当たり結果の場合には、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドが主制御装置71から送信されることに基づき、図柄表示装置42では、遊技回の終了に際して、有利遊技状態への移行が発生しないが開閉実行モードへの移行が発生する場合と同一の停止結果(いずれかの有効ライン上に「3・4・1」が成立する)が表示される。さらに、遊技回中及び開閉実行モード中の演出も、有利遊技状態への移行が発生しないが開閉実行モードへの移行が発生する場合と区別がつかないように行われる。したがって、図柄表示装置42に注目している遊技者は遅延状態であるか否かを判断することができない。但し、遅延状態となる場合であっても第1特図表示部38aでは当たり結果の種類に対応した停止結果が表示されるため、遊技ホールの管理者は第1特図表示部38aを確認することで、上記遅延状態となっていること及び遅延回数を把握することが可能となる。
<第1特図確定中処理>
次に、本実施形態における第1特図確定中処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、第1特図の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合にはそのまま本第1特図確定中処理を終了する。ステップS2001にて肯定判定をした場合には、ステップS2002にてRWM84の上昇中カウンタの数値情報が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS2003にて上昇中カウンタの数値情報を1減算し、続くステップS2004にて上昇中カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。上昇中カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2005にて、上昇終了コマンドを出力対象に設定する。
上昇終了コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、上昇終了コマンドを受信した場合には、移行確率モードが高確率モードであることに対応した音出力パターン及び発光パターンによる演出を終了させる。また、音光制御装置91は、上昇終了コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合には、移行確率モードが高確率モードであることに対応した演出パターンによる表示演出を終了させる。
ステップS2002にて否定判定をした場合、ステップS2004にて否定判定をした場合、又はステップS2005の処理を実行した後は、ステップS2006にて、RWM84の継続回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。
ステップS2006にて肯定判定をした場合、つまり継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2007にて、RWM84に設けられた遅延回数カウンタの数値情報を1減算するとともに、ステップS2008にて、RWM84に設けられた復活回数カウンタの数値情報を1減算する。遅延回数カウンタは、遅延回数をMPU82において計測するためのカウンタであり、復活回数カウンタは、復活回数をMPU82において計測するためのカウンタである。一方、ステップS2006にて否定判定をした場合、つまり継続回数カウンタの数値情報が1以上である場合には、ステップS2009にて、継続回数カウンタの数値情報を1減算する。
ステップS2008又はステップS2009の実行後は、ステップS2010にて、今回の遊技回が当たり結果又は確率上昇結果に対応した遊技回であるか否かを判定する。当たり結果又は確率上昇結果である場合には、ステップS2011にて、第1オープニングコマンドを出力対象に設定する。第1オープニングコマンドには、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードを開始することを示す情報と、今回の遊技回が変更無し結果、第1設定結果、第2設定結果、第3設定結果、第4設定結果及び第5設定結果のいずれに対応しているのかを示す情報とが含まれる。
第1オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、詳細は後述するが、第1オープニングコマンドを受信した場合には、当該第1オープニングコマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第1オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の開閉実行モード用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
ステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2012に進む。ステップS2012では、ROM83に予め記憶されているオープニング時間の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、第1特図特電タイマカウンタにセットする。当該オープニング時間は、上記第1の実施形態と同様となっている。
続くステップS2013では、第1特図特電カウンタを1加算する。この場合、第1特図確定中処理が実行される場合における第1特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS2013の処理が実行された場合には第1特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本第1特図確定中処理を終了する。
一方、ステップS2010にて否定判定をした場合、つまり今回の遊技回が外れ結果に対応した遊技回である場合には、ステップS2014にて、継続回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2015にて、遅延中フラグに「1」がセットされており、且つ遅延回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。遅延中フラグは、有利遊技状態への移行又は継続回数の再設定が遅延された状態であることをMPU82において特定するためのフラグである。なお、遅延中フラグは、ステップS2015にて肯定判定をした場合にクリアされる。
ステップS2015にて肯定判定をした場合、つまり上記遅延された状態である場合には、ステップS2016にて、継続回数カウンタへの設定処理を実行する。後述するように、第1特電終了処理において遅延回数カウンタに数値情報が設定される場合には、それに合わせて、RWM84に設けられた設定予定値カウンタに設定予定の継続回数の数値情報がセットされる。ステップS2016では、当該設定予定値カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を継続回数カウンタにセットする。
続くステップS2017では、遅延終了コマンドを出力対象に設定する。当該遅延終了コマンドは、上記遅延された状態が終了することをサブ側の制御装置である音光制御装置91に認識させるためのコマンドであって、遅延終了後の有利遊技状態において設定される継続回数の情報が含まれている。この継続回数の情報は、上記設定予定値カウンタにセットされている数値情報である。つまり、遅延終了コマンドを出力対象として設定する際には、上記設定予定値カウンタの数値情報を参照し、その参照した結果の数値情報を遅延終了コマンドに含ませる。
音光制御装置91では、遅延終了コマンドを受信した場合には、音出力パターン及び発光パターンを有利遊技状態に対応したものに変更させる。また、音光制御装置91は、遅延終了コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合、当該遅延の終了を契機として有利遊技状態への移行が発生したことを示す表示演出を図柄表示装置42にて行わせるとともに継続回数の表示を開始させる。
ステップS2015にて否定判定をした場合、すなわち遅延された状態ではない場合には、ステップS2018にて、復活回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。復活回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2019にて、継続回数カウンタへの設定処理を実行する。具体的には、当該設定予定値カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を継続回数カウンタにセットする。
続くステップS2020では、復活発生コマンドを出力対象に設定する。当該復活発生コマンドは、復活回数分の遊技回が消化されたことを理由に有利遊技状態に遊技状態が移行することをサブ側の制御装置である音光制御装置91に認識させるためのコマンドであって、復活発生後の有利遊技状態において設定される継続回数の情報が含まれている。この継続回数の情報は、上記設定予定値カウンタにセットされている数値情報である。つまり、復活発生コマンドを出力対象として設定する際には、上記設定予定値カウンタの数値情報を参照し、その参照した結果の数値情報を復活発生コマンドに含ませる。
音光制御装置91では、復活発生コマンドを受信した場合には、音出力パターン及び発光パターンを有利遊技状態に対応したものに変更させる。また、音光制御装置91は、復活発生コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合、復活回数分の遊技回が消化されたことを契機として遊技状態が通常遊技状態から有利遊技状態に移行したことを示す表示演出を図柄表示装置42にて行わせ、さらに継続回数の表示を開始させる。
ステップS2014にて否定判定をした場合、ステップS2017の処理を実行した場合、ステップS2018にて否定判定をした場合、又はステップS2020の処理を実行した場合には、ステップS2021にて、第1特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第1特図確定中処理を終了する。
<第1特電終了処理>
次に、本実施形態における第1特電終了処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS2101にて否定判定をした場合にはそのまま本第1特電終了処理を終了し、ステップS2101にて肯定判定をした場合にはステップS2102に進む。
ステップS2102では、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第1設定結果であるか否かを判定し、第1設定結果である場合には、ステップS2103に進む。ステップS2103では、継続回数カウンタに「100」をセットし、遅延回数カウンタに「0」をセットし、復活回数カウンタに「500」をセットし、設定予定値カウンタに、上記継続回数カウンタにセットした数値情報と同一の「100」をセットする。
ステップS2102にて否定判定をした場合には、ステップS2104にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第2設定結果であるか否かを判定し、第2設定結果である場合には、ステップS2105に進む。ステップS2105では、継続回数カウンタへの数値情報のセットを行わずに、設定予定値カウンタに「100」をセットし、遅延回数カウンタに「3」をセットし、復活回数カウンタに「500」をセットし、遅延中フラグに「1」をセットする。
ステップS2104にて否定判定をした場合には、ステップS2106にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第3設定結果であるか否かを判定し、第3設定結果である場合には、ステップS2107に進む。ステップS2107では、継続回数カウンタへの数値情報のセットを行わずに、設定予定値カウンタに「100」をセットし、遅延回数カウンタに「7」をセットし、復活回数カウンタに「500」をセットし、遅延中フラグに「1」をセットする。
ステップS2106にて否定判定をした場合には、ステップS2108にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第4設定結果であるか否かを判定し、第4設定結果である場合には、ステップS2109に進む。ステップS2109では、継続回数カウンタへの数値情報のセットを行わずに、設定予定値カウンタに「200」をセットし、遅延回数カウンタに「5」をセットし、復活回数カウンタに「300」をセットし、遅延中フラグに「1」をセットする。
ステップS2108にて否定判定をした場合には、ステップS2110にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第5設定結果であるか否かを判定し、第5設定結果である場合には、ステップS2111に進む。ステップS2111では、継続回数カウンタへの数値情報のセットを行わずに、設定予定値カウンタに「300」をセットし、遅延回数カウンタに「10」をセットし、復活回数カウンタに「10」をセットし、遅延中フラグに「1」をセットする。
ステップS2110にて否定判定をした場合には、ステップS2112にて、その他設定処理を実行する。その他設定処理では、図42のフローチャートに示すように、まずステップS2201にて、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が確率上昇結果であるか否かを判定し、確率上昇結果である場合には、ステップS2202に進む。ステップS2202では、上昇中カウンタに「30」をセットする。その後、ステップS2203にて、上昇開始コマンドを出力対象に設定した後に、本設定処理を終了する。
上昇開始コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、上昇開始コマンドを受信した場合には、移行確率モードが高確率モードであることに対応した音出力パターン及び発光パターンによる演出を開始させる。また、音光制御装置91は、上昇開始コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信した場合には、移行確率モードが高確率モードであることに対応した演出パターンによる表示演出を開始させる。
ステップS2201にて否定判定をした場合には、ステップS2204にて、継続回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。継続回数カウンタの数値情報が1以上である場合にはそのまま本設定処理を終了する。継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2205にて、遅延中フラグに「1」がセットされており、且つ遅延回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。なお、遅延中フラグは、ステップS2205にて肯定判定をした場合にクリアされる。
ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2206にて、継続回数カウンタへの設定処理を実行するとともに、ステップS2207にて、遅延終了コマンドを出力対象に設定した後に、本設定処理を終了する。これらステップS2206及びステップS2207の処理内容は、上記第1特図確定中処理(図40)におけるステップS2016及びステップS2017の処理内容と同様である。
ステップS2205にて否定判定をした場合には、ステップS2208にて復活回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。ステップS2208にて否定判定をした場合にはそのまま本設定処理を終了し、ステップS2208にて肯定判定をした場合には、ステップS2209にて、継続回数カウンタへの設定処理を実行するとともに、ステップS2210にて、復活発生コマンドを出力対象に設定した後に、本設定処理を終了する。これらステップS2209及びステップS2210の処理内容は、上記第1特図確定中処理(図40)におけるステップS2019及びステップS2020の処理内容と同様である。
<第2特図変動開始処理>
次に、本実施形態における第2特図変動開始処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。第2作動口34への入賞が発生していない場合にはそのまま本第2特図変動開始処理を終了し、第2作動口34への入賞が発生している場合にはステップS2302に進む。
ステップS2302では第2特図側の取得処理を実行する。当該取得処理では、前回のステップS202にて更新した当たり乱数カウンタC1の数値情報と、当たり種別カウンタC2の数値情報とを、第2特図用の実行エリア105に格納する。
続くステップS2303では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ROM83に設けられた第2特図用の当否テーブルを参照して、第2特図用の実行エリア105に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、当たり結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS2304では、ステップS2303における当否判定処理の結果が当たり結果であるか否かを判定する。当たり結果である場合には、ステップS2305にて第2振分判定処理を実行する。
第2振分判定処理では、RWM84に設けられた上昇中カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。上昇中カウンタの数値情報が「0」である場合には、ROM83に設けられた低確率モードにおける第2特図用の振分テーブルを参照して、第2特図用の実行エリア105に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、変更無し結果及び第6設定結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
一方、第2振分判定処理において、上昇中カウンタの数値情報が1以上であると判定した場合には、ROM83に設けられた高確率モードにおける第2特図用の振分テーブルを参照して、第2特図用の実行エリア105に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報がいずれの種類の当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、変更無し結果及び第6設定結果のうちいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS2306では、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、第2特図表示部38bに停止表示される絵柄の態様の情報が、少なくとも当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、同一の当たり結果に対して絵柄の態様の情報が1種類のみ設定されている構成としてもよく、絵柄の態様の情報が複数種類設定されている構成としてもよい。
続くステップS2307では、第2振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM84には各当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS2307では、それら各当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS2305の第2振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
ステップS2304にて、当たり結果ではないと判定した場合には、当否判定処理の結果が確率上昇結果であることを意味する。この場合、ステップS2308にて、確率上昇結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM83に予め記憶されている確率上昇結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、第2特図表示部38bにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっているとともに、第1特図表示部38aにおいて当たり結果の場合に選択される停止絵柄の態様の情報とは異なっている。
続くステップS2309では、RWM84に設けられた確率上昇結果フラグに「1」をセットする。確率上昇結果フラグは、当否判定処理の結果が確率上昇結果であったことをMPU82において特定するためのフラグである。
ステップS2307及びステップS2309のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2310〜ステップS2316の処理を実行する。当該ステップS2310〜ステップS2316の処理内容は、上記第1の実施形態における第2特図変動開始処理(図26)のステップS1506〜ステップS1512の処理内容と同様である。
<第2特図確定中処理>
次に、本実施形態における第2特図確定中処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、第2特図の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS2401にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特図確定中処理を終了する。ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2402にて上昇中カウンタの数値情報が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS2403にて上昇中カウンタの数値情報を1減算し、続くステップS2404にて上昇中カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。上昇中カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2405にて、上昇終了コマンドを出力対象に設定する。上昇終了コマンドを送信することにより、音光制御装置91及び表示制御装置92にて実行される処理の内容は、既に説明した内容と同様である。
ステップS2402にて否定判定をした場合、ステップS2404にて否定判定をした場合、又はステップS2405の処理を実行した後は、ステップS2406にて、継続回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。
ステップS2406にて肯定判定をした場合、つまり継続回数カウンタの数値情報が「0」である場合には、ステップS2407にて、遅延回数カウンタの数値情報を1減算するとともに、ステップS2408にて、復活回数カウンタの数値情報を1減算する。一方、ステップS2406にて否定判定をした場合、つまり継続回数カウンタの数値情報が1以上である場合には、ステップS2409にて、継続回数カウンタの数値情報を1減算する。
ステップS2408又はステップS2409の実行後は、ステップS2410にて第2オープニングコマンドを出力対象に設定する。第2オープニングコマンドには、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードを開始することを示す情報と、今回の遊技回が変更無し結果及び第6設定結果のいずれに対応しているのかを示す情報とが含まれる。
第2オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に送信される。音光制御装置91では、第2オープニングコマンドを受信した場合には、当該第2オープニングコマンドに対応した演出系の音出力パターン及び発光パターンを設定するための処理を実行する。また、音光制御装置91は、今回の第2オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の開閉実行モード用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするための処理を実行する。
ステップS2410の処理を実行した後は、ステップS2411にて、ROM83に予め記憶されているオープニング時間の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、第2特図特電タイマカウンタにセットする。当該オープニング時間は、上記第1の実施形態と同様となっている。
続くステップS2412では、第2特図特電カウンタの数値情報を1加算する。この場合、第2特図確定中処理が実行される場合における第2特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS2412の処理が実行された場合には第2特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本第2特図確定中処理を終了する。
<第2特電終了処理>
次に、本実施形態における第2特電終了処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2501では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS2501にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特電終了処理を終了し、ステップS2501にて肯定判定をした場合にはステップS2502に進む。
ステップS2502では、RWM84のフラグを参照することで、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第6設定結果であるか否かを判定し、第6設定結果である場合には、ステップS2503に進む。ステップS2503では、継続回数カウンタに「400」をセットし、復活回数カウンタに「10」をセットし、設定予定値カウンタに、上記継続回数カウンタにセットした数値情報と同一の「400」をセットする。一方、ステップS2502にて否定判定をした場合には、ステップS2504にて、その他設定処理を実行する。その他設定処理の処理内容は既に説明したとおりである。
ステップS2503又はステップS2504の処理を実行した後は、ステップS2505にて第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第2特電終了処理を終了する。
<遊技の流れ>
次に、MPU82にて上記処理が実行されることに基づく遊技の流れについて、図46(a)〜(c)の説明図を参照しながら説明する。
なお、以下の遊技の流れの説明は、通常遊技状態においては第1作動口33への入賞を狙って遊技領域PEの左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行い、有利遊技状態においては第2作動口34への入賞を狙って右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作を行うことを前提とする。
図46(a)に示す状況では、通常遊技状態であって低確率モードである状態(ST21)において、第1作動口33への入賞が発生することで、当たり結果を契機とした開閉実行モードが発生する(ST22)。但し、低確率モードにおいては、1/10の確率で開閉実行モードが発生するものの、有利遊技状態への移行は当たり結果となった際の1/20であるため、有利遊技状態への移行は発生しづらい。したがって、開閉実行モード後は、高い確率で、通常遊技状態であって低確率モードである状態が継続する(ST23)。そして、このような状態が継続すると、遊技回の実行回数が、前回の有利遊技状態への移行に際して設定された復活回数に達する。そうすると、有利遊技状態への移行に対応した当たり結果の発生を要することなく、遊技状態が有利遊技状態に移行する(ST24)。当該有利遊技状態の継続回数は、前回設定された継続回数と同一の継続回数が設定される。
以上のとおり、本実施形態では、有利遊技状態の終了後の通常遊技状態において、遊技回の実行回数が復活回数に達した場合には、有利遊技状態への移行に対応した当たり結果が発生しなくても、有利遊技状態への移行が発生する。これにより、有利遊技状態への移行が発生する場合の態様を多様化することが可能となる。また、有利遊技状態への移行が発生しない遊技回の実行が多数の遊技回に亘って継続した場合の遊技者への救済措置として有利遊技状態への移行を発生させることができる。
図46(b)に示す状況では、通常遊技状態であって低確率モードである状態(ST31)において、第1作動口33への入賞が発生することで、確率上昇結果を契機とした開閉実行モードが発生する(ST32)。この場合、開閉実行モード後には、通常遊技状態であって高確率モードである状態(ST33)となる。なお、当該高確率モードである状態は、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回及び第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の合計回数が終了基準回数に達するまで継続することになる。
当該高確率モードである状態において、第1作動口33への入賞が発生して第1設定結果となった場合には、当たり結果を契機とした開閉実行モード(ST34)の終了直後に、継続回数が100回の有利遊技状態(ST35)に移行する。
一方、上記高確率モードである状態において、第1作動口33への入賞が発生して第4設定結果となった場合には、当たり結果を契機とした開閉実行モード(ST36)の終了後に遅延状態(ST37)となる。当該遅延状態となった場合、遅延回数分の遊技回が実行されるまでは通常遊技状態が継続することとなる。
この場合に、遅延状態となる場合には、図柄表示装置42では、有利遊技状態への移行が発生しないが開閉実行モードへの移行が発生する場合と同一の停止結果(いずれかの有効ライン上に「3・4・1」が成立する)が表示され、さらに遊技回中及び開閉実行モード中の演出も、有利遊技状態への移行が発生しないが開閉実行モードへの移行が発生する場合と区別がつかないように行われる。したがって、図柄表示装置42に注目している遊技者は遅延状態であるか否かを判断することができず、さらに有利遊技状態ではないため、それまで第1作動口33への入賞を狙って発射操作を行っていた遊技者は当該発射操作を遅延状態においても継続させるものと考えられる。そして、遊技回の実行回数が遅延回数に達した場合には、継続回数が200回の有利遊技状態(ST38)に移行する。
ちなみに、遅延状態となる場合であっても第1特図表示部38aでは当たり結果の種類に対応した停止結果が表示されるため、遊技ホールの管理者は第1特図表示部38aを確認することで、上記遅延状態となっていることを把握することが可能となる。
高確率モードである状態は、遊技回の実行回数が終了基準回数に達していなければ、有利遊技状態への移行が発生したとしても継続される。また、第2作動口34への入賞を契機とした場合にも当否判定処理にて確率上昇結果となり得る。したがって、第2作動口34への入賞を狙って発射操作が行なわれることになる有利遊技状態においても、高確率モードとなり得る。そして、高確率モードである場合には、低確率モードである場合よりも、有利遊技状態の継続回数の再設定が発生し易くなる。
以上のとおり、本実施形態では、当否判定処理の結果として確率上昇結果が設定されていることにより、有利遊技状態への移行が発生し易い状態と発生しにくい状態とを生じさせることができるとともに、有利遊技状態の継続回数の再設定が発生し易い状態と発生しにくい状態とを生じさせることができる。よって、遊技に抑揚を与えることが可能となり、遊技の画一化が防止され、興趣向上が図られる。
また、有利遊技状態への移行に対応した当たり結果となったとしても、即座に有利遊技状態が発生するのではなく、開閉実行モードの終了後における遊技回の実行回数が遅延回数に達した場合に有利遊技状態が発生する場合がある構成となっている。これにより、開閉実行モードの終了直後に有利遊技状態が発生しない場合であっても、そこから僅かな遊技回を消化したのみで有利遊技状態が発生する状況を生じさせることが可能となり、開閉実行モードの終了直後に有利遊技状態が発生しなかったとしても遊技者に有利遊技状態の発生を期待させることが可能となる。よって、有利遊技状態が発生することへの遊技者の期待感を好適に持続させることが可能となり、興趣向上が図られる。特に、上記遅延状態となる当たり結果は遅延回数が複数種類存在するように設定されているため、遅延状態の多様化が図られる。
また、第2作動口34への入賞を契機として有利遊技状態の継続回数の設定が行われる場合には遅延回数は設定されない。これにより、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として継続回数の再設定が行われる場合には、開閉実行モードの終了直後に当該再設定が行われる。よって、有利遊技状態において無意味に遅延状態が発生してしまうことを防止することが可能となる。
図46(c)に示す状況では、最初に継続回数が100回に設定され、当該継続回数の残り回数が68回となった有利遊技状態において、第2作動口34への入賞が発生して第6設定結果となることで継続回数が400回に再設定され、さらにその再設定後の継続回数分の遊技回の実行が完了している(ST41)。この場合、通常遊技状態であって低確率モードである状態(ST42)に移行する。但し、直前の当たり結果が第6設定結果であるため、復活回数は10回に設定されている。したがって、遊技回が10回実行されることで、再度、有利遊技状態に遊技状態が移行する。当該有利遊技状態の継続回数は、第6設定結果の場合に設定される継続回数と同じ回数(400回)となっている。
以上のとおり、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として第6設定結果となった場合には、長い継続回数が再設定されるだけでなく、復活回数も短い回数が設定されるとともに復活回数分の遊技回が消化されて有利遊技状態に移行する場合には上記長い継続回数が設定される。これにより、有利遊技状態において継続回数の再設定が行われることの有利性を高めることが可能となり、有利遊技状態中における遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、上記第2の実施形態の内容を次のように変更してもよい。
・有利遊技状態においては、遅延回数が設定されている当たり結果となったとしても、当該遅延回数を無視して、継続回数の再設定が行われる構成としてもよい。
・遅延回数が設定され、有利遊技状態への移行が遅延されている状態では、遅延回数の設定が発生する当たり結果が新たに発生した場合、当該遅延回数の設定は行われない構成としてもよく、遅延回数が「0」に設定され、当該当たり結果を契機とした開閉実行モードの終了後は有利遊技状態となっている構成としてもよい。この場合、有利遊技状態への移行が遅延されている状態が継続しつづけてしまうことが防止される。
・復活回数の設定が、MPU82への動作電力の供給が開始された場合に行われる構成としてもよい。この場合に設定される復活回数は、前回の動作電力の停止時に設定されていた復活回数であってもよく、動作電力の供給が開始された場合に抽選により決定する構成としてもよく、動作電力の供給が開始された場合には常に同一の復活回数が設定される構成としてもよい。また、動作電力の供給が開始された場合に設定される復活回数を、遊技ホールの管理者が可変設定可能な構成としてもよい。
・有利遊技状態が発生する場合に設定される継続回数及び当該有利遊技状態後の復活回数は、これら継続回数及び復活回数の設定に対応した当たり結果が発生するまで変更されない構成としてもよい。この場合、当該当たり結果が発生するまでは、有利遊技状態が開始される場合には同一の継続回数が設定され、当該有利遊技状態が終了した場合には同一の復活回数が設定されることになる。
・遅延回数及び復活回数の少なくとも一方が、当たり結果の種類に対応させて設定されているのではなく、有利遊技状態の継続回数が設定される場合に抽選により決定される構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、第2作動口34への入賞を契機とした有利遊技状態の継続回数の設定は、通常遊技状態中は発生しない構成となっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図47は、本実施形態における第2特電終了処理を示すフローチャートである。
ステップS2601では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS2601にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特電終了処理を終了し、ステップS2601にて肯定判定をした場合にはステップS2602に進む。
ステップS2602では、今回の開閉実行モードが有利遊技状態中の当たり結果を契機としているか否かを判定する。つまり、継続回数カウンタが1以上である状況で当否判定処理にて当たり結果となったか否かを判定する。ステップS2602にて肯定判定をした場合にはステップS2603に進む。
ステップS2603では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類が第4設定結果であるか否かを判定し、第4設定結果である場合には、ステップS2604にてRWM84の継続回数カウンタに「400」をセットする。その後、ステップS2605にて第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第2特電終了処理を終了する。
一方、ステップS2602にて否定判定をした場合又はステップS2603にて否定判定をした場合には、継続回数カウンタの数値情報を設定する処理を実行することなく、ステップS2605にて第2特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本第2特電終了処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態では、第2作動口34への入賞を契機とした有利遊技状態の継続回数の設定は、通常遊技状態中は発生しない。これにより、通常遊技状態中において第2作動口34への入賞を狙って右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作を行うメリットは一切なく、通常遊技状態中は第1作動口33への入賞を狙って左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行うこととなる。よって、通常遊技状態と有利遊技状態とで入賞を狙う作動口33,34を異ならせることが可能となり、遊技者に対して遊技状態に応じた打ち分けを行わせることが可能となる。したがって、発射操作が画一化してしまうことが防止され、興趣向上が図られる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)サポート実行モードにおける普電用の上限個数は10個に限定されることはなく、例えば普電用の上限個数が1回のサポート実行モード中で第2作動口34が開放状態となる回数と同一の数である構成としてもよい。つまり、上記各実施形態のように1回のサポート実行モードにおいて第2作動口34が4回開放状態となる構成においては、普電用の上限個数を4個とする。この場合、各開放回に対してそれぞれ開閉実行モードを1回発生させるためには、各開放回における第2作動口34への入賞個数を1個のみに調整する必要があり、サポート実行モード中における遊技の緊張感が高められる。なお、このように緊張感を高めるためには、第2作動口34における1回の開放回の開放継続時間を、当該第2作動口34に2個以上の遊技球が入賞し得る時間とすることが好ましい。
また、1回のサポート実行モード中における第2作動口34の各開放回に対してそれぞれ開閉実行モードが少なくとも1回発生するようにする上では、普電用の上限個数を1回のサポート実行モード中における第2作動口34の開放回数以上の数とすることが好ましい。
(2)有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間は、サポート実行モード中における第2作動口34の1回の開放回における継続時間よりも短い時間である構成に限定されることはなく、当該継続時間以上の時間としてもよい。但し、この場合であっても、サポート実行モード中に発生する開閉実行モードの回数が、通常遊技状態の場合よりも有利遊技状態の方が多くなるようにする上では、上記表示継続時間は、第2作動口34への入賞を契機として実行される開閉実行モードの継続時間との和の時間が、サポート実行モードにおいて第2作動口34の最初の開放開始タイミングから当該第2作動口34の最後の開放終了タイミングまでの時間よりも短い時間とすることが好ましい。
例えば、サポート実行モードでは第2作動口34の開放状態が複数回発生する構成において、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が、第2作動口34の一の開放回の継続時間よりも長く、第2作動口34の一の開放回とそれに続く一の閉鎖回との各継続時間を足した時間以下の時間である構成が挙げられる。
(3)上記各実施形態では、第2特図表示部38bの変動表示中や開閉実行モード中に第2作動口34への入賞が発生したとしても、内部判定用の情報が保留記憶されない構成としたが、保留記憶される構成としてもよい。この場合に、当該保留記憶される上限個数は、第1作動口33への入賞が発生した場合に取得される保留情報の上限個数よりも少ない数としてもよく、当該上限個数と同一の数としてもよく、当該上限個数よりも多い数としてもよい。かかる構成であっても、有利遊技状態においては、サポート実行モード中に第2作動口34への入賞が発生し、それを契機とした遊技回及びそれに続く開閉実行モードが、当該サポート実行モード中において第2作動口34の最後の開放回が終了するタイミングよりも前のタイミングで終了し得る構成とすることで、仮に最初の開放回などで第2作動口34への入賞が保留情報の上限個数分発生したとしても、当該サポート実行モード中にさらに当該保留情報を取得させる機会が与えられることになる。
(4)有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が常に一の表示継続時間である構成に限定されることはなく、当該表示継続時間が抽選により決定される構成としてもよい。但し、この場合であっても、サポート実行モード中に発生する開閉実行モードの回数が、通常遊技状態の場合よりも有利遊技状態の方が多くなるようにする上では、その抽選対象となる各表示継続時間がいずれも、第2作動口34への入賞を契機として実行される開閉実行モードの継続時間との和の時間が、サポート実行モードにおいて第2作動口34の最初の開放開始タイミングから当該第2作動口34の最後の開放終了タイミングまでの時間よりも短い時間とすることが好ましい。また、サポート実行モード中の第2作動口34の各開放回に対して少なくとも1回は開閉実行モードが発生する機会を付与する上では、上記抽選対象となる各表示継続時間がいずれも第2作動口34が開放状態で維持される時間よりも短い時間であることが好ましい。
(5)通常遊技状態においては第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間がサポート実行モードの継続時間よりも長い時間となることで、1回のサポート実行モードにおいて、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回及びそれに続く開閉実行モードの組み合わせの実行が完了する回数が0回である構成としたが、これに限定されることはなく、通常遊技状態においても当該組み合わせの実行完了回数が1回以上となる構成としてもよい。但し、この場合であっても、有利遊技状態を遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とすべく、上記組み合わせの実行完了回数が、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも多くなる構成とすることが好ましい。
(6)第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間は、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも確実に短くなる構成に限定されることはなく、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも短い表示継続時間が選択され易い構成としてもよい。例えば、通常遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間として、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間以下のものと、当該表示継続時間よりも長いものとを用意し、有利遊技状態における表示継続時間以下のものが選択される確率を、当該表示継続時間よりも長いものが選択される確率よりも低くする構成が考えられる。
(7)上記各実施形態では、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回中に、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードが開始された場合に、当該第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が中止される構成としたが、当該遊技回の実行中に第1作動口33への入賞を契機とした遊技回が開始された場合には、その時点で、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が中止される構成としてもよい。この場合、第2作動口34への入賞を契機とした遊技回を早期に中止させることが可能となる。同様に、第1作動口33への入賞を契機とした遊技回の実行中に第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が開始された場合には、その時点で、第1作動口33への入賞を契機とした遊技回が中止される構成としてもよい。
(8)第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回中に、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードが開始されたとしても、当該第2作動口34への入賞を契機とした遊技回が中止されない構成としてもよい。同様に、第1作動口33への入賞を契機として実行される遊技回中に、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードが開始されたとしても、当該第1作動口33への入賞を契機とした遊技回が中止されない構成としてもよい。これらの場合、第1特電入賞装置32が開放状態となる開閉実行モードと第2特電入賞装置37が開放状態となる開閉実行モードとの少なくとも一部が重複し得る。
(9)上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態において、第1作動口33、第1特電入賞装置32及び第1特図表示部38aが不具備である構成としてもよい。この場合、通常遊技状態及び有利遊技状態のいずれであっても、遊技者は第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行うことになるが、第2作動口34、スルーゲート35、第2特電入賞装置37、第2特図表示部38b及び図柄表示装置42に関して上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態と同様の構成を適用することで、通常遊技状態と有利遊技状態とを設定することが可能となる。
(10)上記各実施形態では、第2作動口34への入賞を契機として遊技回が実行される場合における有利遊技状態の継続回数の設定確率が、第1作動口33への入賞を契機として遊技回が実行される場合における有利遊技状態の継続回数の設定確率よりも高い構成としたが、これに代えて、両設定確率が同一又は略同一である構成としてもよく、後者の設定確率の方が前者の設定確率よりも高い構成としてもよい。かかる構成を上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態に適用することで、通常遊技状態において第1作動口33への入賞を狙うのではなく、第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行うメリットが低減され、通常遊技状態においては第1作動口33への入賞を狙って発射操作を行う意義が高められる。
(11)第2作動口34、スルーゲート35及び第2特電入賞装置37のうち少なくとも一の入球部への入賞頻度を遊技ホールの管理者が調整可能とする球衝突部材(例えば釘)を不具備とする構成としてもよい。例えば、上記対象となる入球部の周囲に存在し、当該入球部への入賞頻度に他の部材よりも影響を与える球衝突部材として、遊技盤24の表面に対する角度及び上記対象となる入球部との距離の変更を不可とする部材のみを設ける構成が考えられる。また、遊技盤24に打ち付けられる釘に代えて、樹脂製の釘を対象となる入球部に対して一体形成することで、当該釘の向き調整を不可とする構成が考えられる。これらの場合、遊技ホールにおいて第2作動口34への入賞頻度を調整しようとしても、それが行いづらくなるため、第2作動口34への単位時間当たりの入賞頻度を変更させる遊技状態が存在していない構成において当該第2作動口34への入賞頻度が遊技ホール間で大きく相違してしまうという事態が発生しづらくなる。
(12)有利遊技状態では、サポート実行モード中における第2作動口34の開放継続時間及び閉鎖継続時間の少なくとも一方が通常遊技状態よりも長くなるようにしてもよい。この場合、有利遊技状態では通常遊技状態の場合よりも第2作動口34への入賞を契機とした遊技回の表示継続時間を短くしなくても、サポート実行モード中に発生する開閉実行モードの回数を両遊技状態間で相違させることが可能となる。
具体的には、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の継続時間及びそれに続く開閉実行モードの継続時間は、通常遊技状態と有利遊技状態とで同一としながら、サポート実行モード中における第2作動口34の開放継続時間及び閉鎖継続時間の少なくとも一方を、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも長くすることで、第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回及びそれに続く開閉実行モードの組み合わせの実行完了が、有利遊技状態においては1回以上発生し、通常遊技状態においてはその発生回数が有利遊技状態よりも少ない又は発生しない構成が挙げられる。
ちなみに、当該構成において、第2作動口34の開放継続時間は通常遊技状態と有利遊技状態とで同一としながら、第2作動口34の閉鎖継続時間を有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも長くなるようにすることで、第2作動口34への入賞頻度を通常遊技状態と有利遊技状態とで相違させないようにしながら、上記のような構成とすることが可能となる。
(13)右側領域PE3を流下する遊技球は、第1作動口33への入賞が発生しない構成に代えて、右側領域PE3を流下する遊技球であっても第1作動口33への入賞が発生し得る構成としてもよい。この場合であっても、可変表示ユニット36のステージ36aへの誘導通路の入口が左側領域PE2に対して設けられ、右側領域PE3に対して設けられないようにすることにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易くなるようにすることが可能となる。また、右側領域PE3における遊技部品や釘24bの配列を、当該右側領域PE3を流下した遊技球は第1作動口33への入賞がほとんど発生しないように設定してもよい。
(14)第2作動口34への入賞を契機として遊技回が開始される場合には確実に開閉実行モードが発生する構成に代えて、100%未満の所定の確率で開閉実行モードが発生する構成としてもよい。この場合、第2作動口34に入賞したことの有利性を高める上では、第2作動口34への入賞を契機として遊技回が開始される場合の90%以上の確率で開閉実行モードが発生することが好ましく、95%以上の確率で開閉実行モードが発生することがより好ましく、99%以上といったように略100%の確率で開閉実行モードが発生することが更に好ましい。
また、上記のように第2作動口34への入賞を契機として遊技回が開始される場合に100%未満の所定の確率で開閉実行モードが発生する構成においては、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を契機として実行される遊技回の表示継続時間が、サポート実行モードにおける第2作動口34の1回の開放回の継続時間よりも短い時間とすることで、一の開放回において第2作動口34への入賞に対して抽選結果が外れ結果となったとしても、当該開放回において第2作動口34への入賞を再度狙う機会が遊技者に与えられる。
(15)第1作動口33と第2作動口34とで入賞が発生した際の賞球個数が同一である構成に代えて、第1作動口33と第2作動口34とで入賞が発生した際の賞球個数が異なる構成としてもよい。例えば、第1作動口33の方が第2作動口34よりも、入賞が発生した際の賞球個数が多い構成としてもよい。この場合、通常遊技状態において第1作動口33への入賞を狙って発射操作を行うことの有利性が高められる。一方、第2作動口34の方が第1作動口33よりも、入賞が発生した際の賞球個数が多い構成としてもよい。この場合、第2作動口34への入賞が発生することの有利性がより高められる。
(16)通常遊技状態と有利遊技状態とで、単位時間当たりで第2作動口34が開放状態となっている頻度が変化する構成としてもよい。例えば、単位時間当たりで第2作動口34が開放状態となっている頻度が通常遊技状態よりも有利遊技状態の方が高くなる構成とすることで、有利遊技状態の有利性をより高めることが可能となる。
当該頻度を高めるための構成としては、例えば通常遊技状態と有利遊技状態とでは、普電乱数カウンタC4を用いた抽選におけるサポート実行モード当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、有利遊技状態では通常遊技状態よりも、サポート実行モード当選となった際に第2作動口34が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている構成が挙げられる。また、当該構成以外にも、有利遊技状態を通常遊技状態よりも単位時間当たりに第2作動口34が開放状態となる頻度を高くする上では、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりもサポート実行モード当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回のサポート実行モードの発生抽選が行われてから次の当該発生抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、有利遊技状態では通常遊技状態よりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の発生抽選が行われてから次の発生抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、単位時間当たりで第2作動口34が開放状態となっている頻度を高めてもよい。
また、通常遊技状態と有利遊技状態とで、単位時間当たりで第2作動口34が開放状態となっている頻度が異なるものの、第2作動口34の見た目上は当該頻度が同様であると遊技者が認識する構成としてもよい。また、サポート実行モードの実行態様についても同様で、通常遊技状態と有利遊技状態とで、第2作動口34が開放状態となっている時間や閉鎖状態となっている時間は異なるものの、第2作動口34の見た目上はサポート実行モードの実行態様が同様であると遊技者が認識する構成としてもよい。
(17)通常遊技状態と有利遊技状態とでサポート実行モードの継続時間は同一又は略同一となるようにしながら、第2作動口34の1回の開放継続時間及び1回の閉鎖継続時間が通常遊技状態と有利遊技状態とで相違する構成としてもよい。例えば、有利遊技状態では、第2作動口34の1回の開放継続時間が通常遊技状態よりも長く、第2作動口34の1回の閉鎖継続時間が通常遊技状態よりも短いことで、サポート実行モードの継続時間は同一又は略同一としながら、有利遊技状態の方が通常遊技状態よりも有利である構成としてもよい。
(18)開閉実行モードはラウンド遊技が1回のみ行われる態様に限定されることはなく、ラウンド遊技が複数回行われる開閉実行モードが設定されている構成としてもよい。
(19)第1作動口33への入賞を契機とした場合、及び第2作動口34への入賞を契機とした場合のいずれにおいても同一の態様で開閉実行モードが行われる構成に限定されることはなく、前者の場合の方が後者の場合よりも開放対象となる特電入賞装置32,37への入賞頻度が高い開閉実行モードが発生する又は発生し易い構成としてもよく、後者の場合の方が前者の場合よりも開放対象となる特電入賞装置32,37への入賞頻度が高い開閉実行モードが発生する又は発生し易い構成としてもよい。
例えば、第1作動口33への入賞を契機とした場合には、サポート実行モードの継続時間よりも長い時間に亘って継続することとなる開閉実行モードが発生し、第2作動口34への入賞を契機とした場合には、サポート実行モードの継続時間よりも短い時間に亘って継続することとなる開閉実行モードが発生する構成としてもよい。この場合、第1作動口33への入賞を契機とした開閉実行モードでは、第2作動口34への入賞を契機とした開閉実行モードよりも、得られる利益が高くなるようにする一方、有利遊技状態において第2作動口34への入賞を狙った場合にサポート実行モード中に発生し得る全開閉実行モードにより得られる利益の方が、第1作動口33への入賞を契機とした1回の開閉実行モードよりも高くなるようにすることで、通常遊技状態よりも有利遊技状態の有利性を高くすることが可能となる。
当該構成としてより具体的には、第1作動口33への入賞を契機とした1回の開閉実行モードにおいて開放対象となる特電入賞装置32が開放状態となるトータルの時間は、第2作動口34への入賞を契機とした1回の開閉実行モードにおいて開放対象となる特電入賞装置37が開放状態となるトータルの時間よりも長い一方、有利遊技状態において1回のサポート実行モード中の第2作動口34への入賞に基づき発生し得る開閉実行モードの最大回数分について開放対象となる特電入賞装置37が開放状態となっている時間を合計した時間よりも短い構成とする。
(20)発射個数当たりでの有利遊技状態への移行頻度が、第1作動口33への入賞を狙った場合と、第2作動口34への入賞を狙った場合とで、同一又は略同一である構成に限定されることはなく、前者の場合の方が後者の場合よりも高い構成としてもよく、後者の場合の方が前者の場合よりも高い構成としてもよい。
(21)サポート実行モード中において第2作動口34が開放状態となる合計時間が、サポート実行モードにおける普電用の上限個数と発射周期との積の時間と同一である構成に限定されることはなく、前者の合計時間が後者の積の時間よりも短い構成としてもよく、前者の合計時間が後者の積の時間よりも長い構成としてもよい。
(22)第2作動口34への入賞を契機として実行される開閉実行モードの態様は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく任意であり、例えばオープニング時間及びエンディング時間のうち少なくとも一方が設定されていない構成としてもよい。また、開放対象となる特電入賞装置37が開放状態となっている時間は、遊技球の発射周期以上の時間であれば任意であり、例えば遊技球の発射周期以上であって発射周期の2倍未満である構成としてもよく、発射周期の2倍以上であって発射周期の3倍未満である構成としてもよく、発射周期の3倍以上であって発射周期の4倍未満である構成としてもよい。
(23)上記第1の実施形態又は上記第3の実施形態において、第1作動口33への入賞を契機として開閉実行モードが発生する場合であっても有利遊技状態への移行が発生しないことがあり得る構成としてもよい。つまり、開閉実行モードが発生する場合の所定確率(100%未満)で有利遊技状態への移行が発生するように、有利遊技状態への移行を発生させるか否かの抽選が行われる構成としてもよい。
(24)第1特電入賞装置32と第2特電入賞装置37とで別々の特電入賞装置が設けられている構成に代えて、一の特電入賞装置が設けられている構成としてもよい。この場合、第1作動口33への入賞を契機として開閉実行モードが発生する場合、及び第2作動口34への入賞を契機として開閉実行モードが発生する場合のいずれであっても、その一の特電入賞装置が開閉されることとなる。
(25)第1特図表示部38aにて変動表示が行われる場合、及び第2特図表示部38bにて変動表示が行われる場合のいずれであっても、一の図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる構成に代えて、第1特図表示部38aに対応した図柄表示装置と、第2特図表示部38bに対応した図柄表示装置とを個別に設け、第1特図表示部38aにて変動表示が行われる場合には対象となる図柄表示装置にて図柄の変動表示が行われ、第2特図表示部38bにて変動表示が行われる場合には対象となる図柄表示装置にて図柄の変動表示が行われる構成としてもよい。
(26)有利遊技状態において継続回数を再設定する条件が成立した場合には、継続回数カウンタに当該再設定用に新たに取得された継続回数を上書きする一方、表示画面42aでは、新たに再設定された継続回数とそれまで設定されていた継続回数との差分の数値が表示される構成とすることで、内部的には継続回数カウンタに対して再設定用の継続回数を上書きしているだけであるにも係わらず、遊技者に対して継続回数が上乗せされたかのような印象を与えることができるという効果に着目した場合、当該構成(以下、再設定についての構成とも言う)を、他の有利遊技状態に対して適用してもよい。
例えば、パチンコ機において、遊技状態として、当たり確率が上昇する高確率状態が設定されているとともに、当該高確率状態中の遊技回の実行回数が継続回数に達した場合に当該高確率状態が終了する構成に対して、上記再設定についての構成を適用してもよい。また、単位時間当たりに第2作動口34が開放状態となる頻度が高くなる高頻度サポートモードが設定されているとともに、当該高頻度サポートモード中の遊技回の実行回数が継続回数に達した場合に当該高頻度サポートモードが終了する構成に対して、上記再設定についての構成を適用してもよい。
また、上記再設定についての構成を、複数種の図柄が周方向に付された複数のリール(周回体)を備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、各リールに1対1で対応させて設けられたストップボタンが操作されることで対応するリールが停止し、その停止後において表示窓部から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンに適用してもよい。
例えば、所謂リプレイ役が高確率で発生するRT状態が設定されているとともに、当該RT状態中の遊技回の実行回数が継続回数に達した場合に当該RT状態が終了する構成に対して、上記再設定についての構成を適用してもよい。また、ストップボタンの押し順が内部的に決定された押し順と一致した場合に入賞が成立する押し順抽選役を備えた構成において、当該押し順抽選役に当選した際に内部的に決定された押し順が遊技者に報知されることとなるAT状態が設定されているとともに、当該AT状態中の遊技回の実行回数が継続回数に達した場合に当該AT状態が終了する構成に対して、上記再設定についての構成を適用してもよい。また、RT状態とAT状態との両方の特典が付与されるART状態が設定されているとともに、当該ART状態中の遊技回の実行回数が継続回数に達した場合に当該ART状態が終了する構成に対して、上記再設定についての構成を適用してもよい。
また、上記のように各有利遊技状態に対して上記再設定についての構成を適用する場合において、継続回数の再設定に際して、それまでの継続回数以上の回数のみが設定される構成に代えて、それまでの継続回数よりも少ない回数が設定され得る構成としてもよい。この場合であっても、それまで設定されていた継続回数と新たに設定された継続回数との差分を算出し、内部的には継続回数の再設定が行われるだけであるが、表示画面42aでは継続回数の減少分の数値を報知する構成としてもよい。
(27)第1作動口33の入賞を狙っている状況と第2作動口34の入賞を狙っている状況とで発射操作装置28に対する発射操作の態様を相違させるための遊技領域PE内の構成は上記実施形態の構成に限定されることはなく、例えば、第1作動口33が左側領域PE2に設けられており、第2作動口34が上側領域PE1又は右側領域PE3に設けられている構成としてもよい。また、第1作動口33が右側領域PE3に設けられており、第2作動口34が左側領域PE2又は下側領域PE4に設けられている構成としてもよい。また、上側領域PE1や下側領域PE4において狙い分け可能な程度に横方向に離間された位置に、第1作動口33と第2作動口34とが設けられている構成としてもよい。
また、左側領域PE2及び右側領域PE3の一方が不具備であり、上側領域PE1の所定の位置にて遊技球の流下が開始された場合には当該遊技球は他方の側部領域や下側領域PE4に流れることなく遊技領域PEから排出される構成においては、上記所定の位置に第1作動口33及び第2作動口34の一方を設けるとともに、側部領域又は下側領域PE4に第1作動口33及び第2作動口34の他方を設ける構成としてもよい。
また、第1作動口33と、普電役物34a付きの第2作動口34とは、狙い分け不可又はしづらいように、縦方向や横方向に並設されているものの、スルーゲート35が第1作動口33とは狙い分け可能なように設けられている構成としてもよい。この場合、第1作動口33とスルーゲート35との位置関係として、第1作動口33と第2作動口34との上記実施形態の位置関係を採用してもよく、第1作動口33と第2作動口34との上記別形態の位置関係を採用してもよい。また、本構成において、第1作動口33が上方及び第2作動口34が下方となるように縦方向に並設された両作動口33,34が下側領域PE4に設けられている構成としてもよい。
(28)サポート実行モードではない状況であっても第2作動口34への入賞は可能であるが、サポート実行モードでは第2作動口34への入賞がより発生し易くなる構成としてもよい。
(29)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音光制御装置91により表示制御装置92が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置92が音光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音光制御装置91と表示制御装置92とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。
(30)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップボタンが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1遷移状態とそれよりも入球しづらい又は入球不可な第2遷移状態とのそれぞれに遷移可能な遷移入球部(第2作動口34)と、
当該遷移入球部を前記第2遷移状態から前記第1遷移状態に遷移させ、その後に前記第2遷移状態に復帰させるための第1遷移制御を実行する第1制御手段(主制御装置71のMPU82における普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1状態とそれよりも入球しづらい又は入球不可な第2状態とのそれぞれに遷移可能な可変入球部(第1特電入賞装置32、第2特電入賞装置37)と、
当該可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、その後に前記第2状態に復帰させるための第2遷移制御を実行する第2制御手段(主制御装置71のMPU82における第1特電開始処理、第1特電開放中処理、第2特電開始処理、及び第2特電開放中処理をを実行する機能)と、
遷移発生条件が成立した場合に、前記第1遷移制御が行われる特定遊技状態(サポート実行モード)とする第1状態設定手段(主制御装置71のMPU82における普図確定中処理を実行する機能)と、
演出を実行する演出実行手段(第1特図表示部38a、第2特図表示部38b、図柄表示装置42)と、
所定演出を行った後に終了状態となるように前記演出実行手段を制御する演出制御手段(主制御装置71のMPU82における第1特図変動開始処理、第1特図変動中処理、第1特図確定中処理、第2特図変動開始処理、第2特図変動中処理、及び第2特図確定中処理を実行する機能、音光制御装置91及び表示制御装置92)と、
前記遷移入球部に遊技球が入球し、前記演出実行手段において前記所定演出が行われ前記終了状態となったことを少なくとも一の条件として、前記第2遷移制御が行われる所定遊技状態(開閉実行モード)とする第2状態設定手段(主制御装置71のMPU82における第2特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
1回の前記特定遊技状態が開始されてから終了するまでに、当該特定遊技状態中に前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行完了及びそれに続く前記所定遊技状態の実行完了の組み合わせが発生し、当該組み合わせの発生後に当該特定遊技状態中に前記遷移入球部への遊技球の入球が発生する状況が発生し得ることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、1回の特定遊技状態中に、遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした所定演出の実行及びそれに続く所定遊技状態の実行が完了し、さらにその所定遊技状態の終了後であっても当該特定遊技状態中において遷移入球部への遊技球の入球が発生し得る。これにより、特定遊技状態が発生することの有利性を従来よりも高めることが可能となり、遷移入球部及び可変入球部という既存の構成を利用して、興趣向上を図ることが可能となる。
なお、「前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球部(スルーゲート35)と、当該契機入球部に遊技球が入球した場合に契機情報を取得する取得手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS301の処理を実行する機能)と、を備え、前記第1状態設定手段は、前記取得手段により前記契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として前記特定遊技状態とするものである。」という構成を適用することで、特定遊技状態の発生契機も発射操作に基づき生じさせることが可能となる。
また、「演出実行手段」として具体的には、「絵柄の変動表示を行う絵柄表示手段」が挙げられる。
上記特徴A1の具体的な構成としては、「前記第1制御手段は、前記特定遊技状態が開始されてから当該特定遊技状態における前記遷移入球部の前記第1遷移状態が終了するまでの期間が、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間と、それに続く前記所定遊技状態の実行期間とを合計した期間よりも長い期間となるように、前記特定遊技状態の期間の設定を行う特定制御手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS506の処理、ステップS603の処理及びステップS703の処理を実行する機能)を備えている」という構成が挙げられる。
特徴A2.前記第1制御手段は、前記特定遊技状態が開始されてから当該特定遊技状態における前記遷移入球部の前記第1遷移状態が終了するまでの期間が、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間と、それに続く前記所定遊技状態の実行期間とを合計した期間よりも長い期間となるように、前記特定遊技状態の期間の設定を行う特定制御手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS506の処理、ステップS603の処理及びステップS703の処理を実行する機能)を備え、
当該特定制御手段は、前記期間の設定を、前記所定演出の実行状況及び前記所定遊技状態の実行状況を踏まえることなく行うものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定遊技状態中に所定演出の実行状況や所定遊技状態の実行状況を踏まえて当該特定遊技状態の継続期間を調整する必要がないため、処理負荷が増大してしまうことを抑制しながら、上記特徴A1にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A3.前記第1制御手段は、
1回の前記特定遊技状態において前記第1遷移制御が特定の複数回実行されるようにする手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS504の処理を実行する機能)と、
前記遷移入球部において前記第1遷移状態が開始されてから当該第1遷移状態の終了後に続く前記第2遷移状態が終了するまでの期間が、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間と、それに続く前記所定遊技状態の実行期間とを合計した期間以上の期間となるようにする特定制御手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS506の処理、ステップS603の処理及びステップS703の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技者は、特定遊技状態中における第1遷移状態の各実行回において遷移入球部への入球を発生させることで、それだけ多くの所定遊技状態を発生させることが可能となる。よって、特定遊技状態中における第1遷移状態の各実行回において遷移入球部に遊技球を入球させることの意義が高められ、興趣向上が図られる。
特徴A4.前記特定制御手段は、前記特定遊技状態における前記遷移入球部の一の前記第1遷移状態と次の前記第1遷移状態との間の前記第2遷移状態が継続する期間が、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間と、それに続く前記所定遊技状態の実行期間とを合計した期間以上の期間となるようにするものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特定遊技状態中における第1遷移状態の一の実行回において遷移入球部への入球が発生して所定演出及び所定遊技状態が発生した場合に、その所定遊技状態は次の第1遷移状態が開始されるまでに終了することとなる。よって、特定遊技状態の各第1遷移状態の実行回の開始時から、所定遊技状態を発生させることを可能とする遷移入球部への入球を発生させる機会が与えられるため、遊技者が利益を受け易くなる。
特徴A5.前記特定制御手段は、一の前記第1遷移状態が継続する期間が、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間と、それに続く前記所定遊技状態の実行期間とを合計した期間以下の期間となるようにするものであることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、1回の特定遊技状態において1回の第1遷移状態に対して、所定演出及び所定遊技状態の組み合わせを1回完了させることを可能とした構成において、1回の第1遷移状態において上記組み合わせを2回発生させづらくなる。これにより、1回の特定遊技状態に対して所定遊技状態の実行可能な最大回数を制限することが可能となり、射幸性を適度に抑えることが可能となる。
特徴A6.前記第1制御手段は、1回の前記特定遊技状態中に前記遷移入球部に入球した遊技球の合計個数が規定個数となった場合に、前記第1遷移制御を前記特定の複数回実行していなかったとしても当該特定遊技状態を終了させる手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS606及びステップS607の処理を実行する機能)を備え、
前記規定個数は、前記特定の複数回の数以上に設定されていることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定遊技状態の終了条件として、遷移入球部に入球した遊技球の合計個数が規定個数となった場合という条件が設定されていることにより、1回の特定遊技状態において第1遷移制御が実行される度に、所定遊技状態を発生させることを可能とする遷移入球部への入球を発生させるためには、各回の第1遷移状態における遷移入球部への入球個数を調整する必要がある。よって、遷移入球部への入球の状況に応じて発射操作の態様を調整する必要が生じ、興趣向上が図られる。
特徴A7.前記遷移入球部に遊技球が入球した場合に判定用情報を取得する判定用取得手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1502の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2302の処理を実行する機能)を備え、
前記第2状態設定手段は、前記判定用取得手段により前記判定用情報が取得されたことを少なくとも一の条件として、前記所定演出が行われ前記終了状態となった後に前記所定遊技状態とするものであり、
前記判定用取得手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行中、及びそれに続く前記所定遊技状態の実行中に前記遷移入球部に遊技球が入球したとしても前記判定用情報を取得しないものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遷移入球部が1回、第1遷移状態となるのに対して、所定遊技状態が1回発生する機会が与えられるとしても、第1遷移状態の各実行回において遷移入球部への入球を発生させる必要が生じる。よって、遷移入球部への入球が発生するか否かについての注目度が高められ、興趣向上が図られる。
特徴A8.前記第2状態設定手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機として前記所定演出が実行される場合、当該所定演出の実行後には100%又は略100%の確率で前記所定遊技状態が発生するようにする手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遷移入球部に遊技球が入球した場合には確実に又は非常に高い確率で所定遊技状態が発生するため、所定遊技状態の発生契機が明確化され、それに伴って遊技内容が極端に複雑化してしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A9.前記所定遊技状態は、当該所定遊技状態が開始されてから当該所定遊技状態における前記可変入球部の前記第1状態が終了するまでの期間が、遊技者による発射操作が開始されてその開始後に最初に発射された遊技球が前記可変入球部に入球可能となる位置に到達するまでの期間よりも短いことを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、所定演出が開始された場合には発射操作を中断し、当該所定演出が終了した場合に発射操作を再開することで、遊技球の使用個数を抑えようとしても、それが不可となる。よって、1回の特定遊技状態の発生に対して所定遊技状態を複数回発生させることを可能とした構成において、特定遊技状態中に遊技者が所有する遊技球を積極的に使用させることが可能となり、射幸性を適度に抑えることが可能となる。
特徴A10.前記演出制御手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている期間以下の期間を選択する期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1509の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、所定演出及び所定遊技状態の組み合わせの実行が特定遊技状態中に完了するようにした構成においては、これらの組み合わせの実行期間に制約が生じることとなるが、所定演出の実行期間を短くすることで、そのような制約が生じている状況において所定遊技状態の実行期間を長く確保することが可能となる。
特徴A11.遊技状態として、1回の前記特定遊技状態が開始されてから終了するまでに、当該特定遊技状態中に前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行完了及びそれに続く前記所定遊技状態の実行完了の組み合わせが所定回数発生可能な第1遊技状態(有利遊技状態)と、前記特定遊技状態中における当該組み合わせの発生可能な回数が前記所定回数未満である又は前記特定遊技状態中に当該組み合わせが発生することが不可である第2遊技状態(通常遊技状態)とを含むことを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、1回の特定遊技状態の発生に対する所定遊技状態の発生頻度が遊技状態に応じて変動することとなり、遊技の多様化が図られる。
特徴A12.前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで、単位時間当たりに前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている頻度が同一又は略同一である
又は
前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで、前記特定遊技状態中における前記第1遷移制御の実行態様が同一又は略同一である
ことを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遷移入球部の制御に関して処理の簡素化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A13.前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が開始されてから終了するまでに、当該特定遊技状態中に前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行完了及びそれに続く前記所定遊技状態の実行完了の組み合わせが発生し、さらに当該組み合わせの発生後に当該特定遊技状態中に前記遷移入球部への遊技球の入球を可能とする期間を選択する第1期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1509の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2313の処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が開始されてから終了するまでに、当該特定遊技状態中に前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行完了及びそれに続く前記所定遊技状態の実行完了の組み合わせが発生した後に当該特定遊技状態中に前記遷移入球部への遊技球の入球が発生することを不可とする期間を選択する第2期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1507の処理及びステップS1508の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2311の処理及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定演出の実行期間を調整するだけで、第1遊技状態と第2遊技状態とを設定することが可能となり、遊技状態として第1遊技状態及び第2遊技状態を存在させる上での処理の簡素化が図られる。
特徴A14.前記第2期間選択手段は、前記第2遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が開始されてから終了するまでに、当該特定遊技状態中に前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行完了及びそれに続く前記所定遊技状態の実行完了の組み合わせが発生することを不可とする期間を選択するものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、所定演出の実行期間の設定を通じて、第2遊技状態では、1回の特定遊技状態に対して所定遊技状態が最大で1回のみ付与されるようにすることが可能となり、処理の簡素化を図りながら、第1遊技状態と第2遊技状態との有利性を明確に区別することが可能となる。
特徴A15.前記第2期間選択手段は、前記第2遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が終了するのに要する期間以上の期間を選択するものであることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第2遊技状態においては、遷移入球部が第1遷移状態である状況にて所定遊技状態となることが防止される。これにより、特定遊技状態と所定遊技状態との関係についても、第1遊技状態と第2遊技状態とで明確に区別することが可能となる。
特徴A16.前記第1期間選択手段は、前記第1遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている期間以下の期間を選択するものであることを特徴とする特徴A13乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、所定演出及び所定遊技状態の組み合わせの実行が特定遊技状態中に完了するようにした構成においては、これらの組み合わせの実行期間に制約が生じることとなるが、所定演出の実行期間を短くすることで、そのような制約が生じている状況において所定遊技状態の実行期間を長く確保することが可能となる。
特徴A17.前記演出制御手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間が、前記第1遊技状態において一定期間となるようにするものであることを特徴とする特徴A11乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、第1遊技状態においては所定演出が終了するタイミングを遊技者が認識し易くなり、当該所定演出の終了後に続く所定遊技状態において可変入球部への入球を狙った発射操作を行い易くなる。
特徴A18.前記演出制御手段は、前記第1遊技状態においては、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間が、発射操作が継続された場合に遊技球を発射するための駆動制御が行われる周期以下となるようにするものであることを特徴とする特徴A11乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1遊技状態においては所定演出の実行中に発射操作を継続したとしても、使用する遊技球は極僅かとなる。よって、第1遊技状態の有利性を高めることが可能となる。
特徴A19.前記所定遊技状態が開始されてから当該所定遊技状態における前記可変入球部の前記第1状態が終了するまでの期間が、遊技者による発射操作が開始されてその開始後に最初に発射された遊技球が前記可変入球部に入球可能となる位置に到達するまでの期間よりも短い構成であり、
前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間を抽選により決定する第2期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1507の処理及びステップS1508の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2311の処理及びステップS2312の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、所定演出が開始された場合には発射操作を中断し、当該所定演出が終了した場合に発射操作を再開することで、遊技球の使用個数を抑えようとしても、それが不可となる。この場合に、第2遊技状態においては所定演出が終了するタイミングを遊技者が把握しづらいため、当該第2遊技状態において遊技者は発射操作を継続させる必要が生じる。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態との有利性の違いを明確にすることが可能となる。
特徴A20.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球部(第1作動口33)を備え、
前記第2状態設定手段は、前記所定入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記可変入球部又はそれとは別の可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、その後に前記第2状態に復帰させるための第2遷移制御が行われる所定遊技状態とするものであり、
前記所定入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させるか否かの判定を行う移行判定手段(主制御装置71のMPU82における第1振分判定処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段の判定結果が前記第1遊技状態への移行に対応した判定結果であることを少なくとも一の条件として、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる第1状態移行手段(主制御装置71のMPU82における第1特電終了処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、第2遊技状態においては所定入球部への入球を狙って発射操作を行い、第1遊技状態においては遷移入球部への入球を狙って発射操作を行うというように、第1遊技状態と第2遊技状態とで入球を狙うべき対象を変更させることが可能となり、遊技の画一化を防止することが可能となる。
なお、特徴A20の構成は、以下の構成に対して適用するとより効果的である。
「前記所定入球部は、前記遊技領域の所定領域を流下する遊技球が入球可能となる位置、又は当該所定領域とは異なる特定領域を流下する遊技球よりも前記所定領域を流下する遊技球の方が入球し易くなる位置に配置されており、前記遷移入球部は、前記特定領域を流下する遊技球が入球可能となる位置、又は前記所定領域を流下する遊技球よりも前記特定領域を流下する遊技球の方が入球し易くなる位置に配置されている。」
また、特徴A20の構成に対して、「前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機として前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に遊技状態が移行することは発生しない。」という構成を適用することで、第2遊技状態においては所定入球部への入球を狙って発射操作を行い、第1遊技状態においては遷移入球部への入球を狙って発射操作を行うという段階的な遊技を確実に提供することが可能となる。
特徴A21.前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において前記所定入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間が、前記第2遊技状態において前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間よりも短い期間となるように、当該実行期間の選択を行うものであることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、第2遊技状態において所定入球部への入球を狙って発射操作を行うことのメリットが高められる。
特徴A22.前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出が実行されている最中に、前記所定入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出を開始させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特定遊技状態中に第1遊技状態から第2遊技状態への移行が発生した場合、第2遊技状態中に遷移入球部への入球が遊技者の意思に反して発生してしまい、長時間を要する所定演出が実行されてしまうことが懸念される。これに対して、特徴A22によれば、このような事態が発生した場合には、所定入球部に遊技球を入球させることでそれを契機とした所定演出を開始させることができるため、長時間の所定演出が終了するのを無意味に待つ必要がなくなる。
特徴A23.前記第1状態移行手段は、前記移行判定手段の判定結果が遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる判定結果となった場合に、その後に前記所定演出が遅延基準回数実行された後に、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる遅延手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2015〜ステップS2017の処理、ステップS2205〜ステップS2207の処理を実行する機能)を備えており、
前記遅延基準回数には、前記所定入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行回数が含まれることを特徴とする特徴A20乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、移行判定手段の判定結果が遊技状態を第1遊技状態に移行させる判定結果となったとしても、当該第1遊技状態への移行が即座に発生する場合と、所定演出が遅延基準回数実行された後に発生する場合とが生じる。これにより、第1遊技状態への移行が発生することを期待する機会が多くなり、興趣向上が図られる。
特徴A24.前記第1遊技状態において前記所定演出の実行回数が終了対応の回数となった場合に、遊技状態を前記第2遊技状態に移行させる状態移行手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1506にて否定判定をする機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2310にて否定判定をする機能)と、
遊技状態が前記第1遊技状態に移行する場合に前記終了対応の回数を設定する回数設定手段(主制御装置71のMPU82における第2特電終了処理を実行する機能)と、
を備え、
当該回数設定手段は、前記第1遊技状態において予め定められた変更条件が成立した場合に、前記終了対応の回数を変更するものであることを特徴とする特徴A11乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、第1遊技状態において遊技者は当該第1遊技状態がより長く続くことを期待しながら遊技を行うこととなり、当該第1遊技状態中の遊技の興趣向上が図られる。
特徴A25.前記回数設定手段は、前記変更条件が成立した場合に、それまでの前記終了対応の回数を無効とし、当該変更条件が成立した場合に新たに取得された回数を前記終了対応の回数として設定するものであり、
前記変更条件が成立した場合に新たに取得される回数は、前記第1遊技状態に移行する場合に設定される前記終了対応の回数以上として設定されていることを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、終了対応の回数を変更する場合には、終了対応の回数の加算処理や減算処理を行う必要がなく、単に終了対応の回数を再設定するだけでよいため、かかる処理の簡素化が図られる。この場合に、当該再設定に際して、終了対応の回数が減少してしまうことを防止することが可能となる。
特徴A26.前記回数設定手段は、前記変更条件が成立した場合に、それまでの前記終了対応の回数を無効とし、当該変更条件が成立した場合に新たに取得された回数を前記終了対応の回数として設定するものであり、
前記変更条件が成立して前記終了対応の回数の再設定が行われる場合に、新たに設定される前記終了対応の回数と、それまでに設定されていた前記終了対応の回数との差分を算出する差分算出手段(音光制御装置91におけるステップS1826の処理を実行する機能)と、
当該差分算出手段による算出結果の数を遊技者が認識可能となるように報知制御を実行する報知制御手段(音光制御装置91におけるステップS1827の処理を実行する機能、表示制御装置92)と、
を備えていることを特徴とする特徴A24又はA25に記載の遊技機。
特徴A26によれば、終了対応の回数を変更する場合には当該終了対応の回数の再設定のみを行えばよい構成としながら、遊技者に対しては当該回数が上乗せされたかのような印象を与えることが可能となる。また、当該上乗せの報知は、再設定される回数と直前の回数との差分として報知されるため、当該差分として取り得る数値の数分の上乗せ報知態様を提供することが可能となる。よって、当該上乗せ報知の態様の多様化を図ることができる。
特徴A27.遊技の進行を制御する主制御手段(主制御装置71)を備え、
前記報知制御手段は、前記主制御手段が出力する指令情報の内容に対応した報知制御を実行するものであり、
前記主制御手段が前記回数設定手段を備え、前記報知制御手段が前記差分算出手段を備えることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
特徴A27によれば、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1遷移状態とそれよりも入球しづらい又は入球不可な第2遷移状態とのそれぞれに遷移可能な遷移入球部(第2作動口34)と、
前記遷移入球部を前記第2遷移状態から前記第1遷移状態に遷移させ、その後に前記第2遷移状態に復帰させるための第1遷移制御を実行する第1制御手段(主制御装置71のMPU82における普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1状態とそれよりも入球しづらい又は入球不可な第2状態とのそれぞれに遷移可能な可変入球部(第1特電入賞装置32、第2特電入賞装置37)と、
当該可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、その後に前記第2状態に復帰させるための第2遷移制御を実行する第2制御手段(主制御装置71のMPU82における第1特電開始処理、第1特電開放中処理、第2特電開始処理、及び第2特電開放中処理をを実行する機能)と、
遷移発生条件が成立した場合に、前記第1遷移制御が行われる特定遊技状態(サポート実行モード)とする第1状態設定手段(主制御装置71のMPU82における普図確定中処理を実行する機能)と、
演出を実行する演出実行手段(第1特図表示部38a、第2特図表示部38b、図柄表示装置42)と、
所定演出を行った後に終了状態となるように前記演出実行手段を制御する演出制御手段(主制御装置71のMPU82における第1特図変動開始処理、第1特図変動中処理、第1特図確定中処理、第2特図変動開始処理、第2特図変動中処理、及び第2特図確定中処理を実行する機能、音光制御装置91及び表示制御装置92)と、
前記演出実行手段において前記所定演出が行われ前記終了状態となったことを少なくとも一の条件として、前記第2遷移制御が行われる所定遊技状態(開閉実行モード)とする第2状態設定手段(主制御装置71のMPU82における第2特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記所定演出の実行期間として長期間を選択する又は短期間よりも長期間を選択し易い長期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1507の処理及びステップS1508の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2311の処理及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記所定演出の実行期間として前記短期間を選択する又は前記長期間よりも前記短期間を選択し易い短期間選択手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1509の処理を実行する機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2313の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定遊技状態が発生した場合に、単位時間当たりに前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている頻度は同一又は略同一としながら、前記長期間選択手段により前記所定演出の実行期間が選択される第2遊技状態(通常遊技状態)から前記短期間選択手段により前記所定演出の実行期間が選択される第1遊技状態(有利遊技状態)に移行させる移行手段(主制御装置71のMPU82における第1特電終了処理及び第2特電終了処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、長期間選択手段により所定演出の実行期間が選択される第2遊技状態から短期間選択手段により所定演出の実行期間が選択される第1遊技状態に移行することで、所定演出の消化率が向上し、スピード感のある遊技状態とすることが可能となる。また、当該移行は所定遊技状態が発生した後に発生するため、遊技者にとっては第2遊技状態から第1遊技状態への移行が発生するか否かに関して、注目すべき状況が明確となる。さらにまた、当該移行に際して、単位時間当たりに遷移入球部が第1遷移状態となっている頻度は同一又は略同一とされるため、遊技者の利益に直結するモードを変更させないようにしながら、所定演出の消化率を向上させることが可能となる。
なお、上記特徴B1の構成に対して「前記所定演出は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として開始されるものである」という構成を適用してもよい。
また、当該構成に加えて、
「前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球部(第1作動口33)を備え、
前記演出制御手段は、
前記遷移入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記所定演出を開始させる手段(主制御装置71のMPU82における第2特図変動開始処理を実行する機能)と、
前記所定入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記所定演出を開始させる手段(主制御装置71のMPU82における第1特図変動開始処理を実行する機能)と、
を備えている」
という構成を適用してもよい。
また、「前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な契機入球部(スルーゲート35)と、当該契機入球部に遊技球が入球した場合に契機情報を取得する取得手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS301の処理を実行する機能)と、を備え、前記第1状態設定手段は、前記取得手段により前記契機情報が取得されたことを少なくとも一の条件として前記特定遊技状態とするものである。」という構成を上記特徴B1の構成に適用することで特定遊技状態の発生契機も発射操作に基づき生じさせることが可能となる。
また、「演出実行手段」として具体的には、「絵柄の変動表示を行う絵柄表示手段」が挙げられる。
特徴B2.前記移行手段は、前記所定遊技状態の終了後において前記所定演出が遅延基準回数実行された後に、遊技状態を、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる遅延手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2015〜ステップS2017の処理、ステップS2205〜ステップS2207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、所定遊技状態が発生したとしても、短期間選択手段により所定演出の実行期間が選択される第1遊技状態への移行が即座に発生しなかったとしても、その後に当該第1遊技状態への移行が発生し得るため、遊技者は所定遊技状態の発生後は第2遊技状態が継続したとしても第1遊技状態への移行を期待することとなる。これにより、第1遊技状態への移行が発生することを期待する機会が多くなり、興趣向上が図られる。
特徴B3.前記移行手段は、前記第2遊技状態において前記所定演出が移行基準回数実行された場合に、前記所定遊技状態が発生していなくても、単位時間当たりに前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている頻度は同一又は略同一としながら、遊技状態を、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させる別移行手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2018〜ステップS2020の処理、ステップS2208〜ステップS2210の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1遊技状態への移行を伴う所定遊技状態が発生しないまま所定演出の実行回数が連続した場合には、当該実行回数が移行基準回数となったことを条件として第1遊技状態への移行が発生する。これにより、第1遊技状態への移行態様を多様化することができるとともに、遊技者に対して救済手段を提供することができる。
特徴B4.前記移行手段は、
前記所定遊技状態の発生後に前記第1遊技状態が発生する場合に、当該第1遊技状態の終了後に発生する前記第2遊技状態の終了条件となる前記所定演出の実行回数を決定する回数決定手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2103の処理、ステップS2105の処理、ステップS2107の処理、ステップS2109の処理、ステップS2111の処理、及びステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において前記所定演出の実行回数が前記回数決定手段により決定された実行回数となった場合に遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる別移行手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2018〜ステップS2020の処理、ステップS2208〜ステップS2210の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1遊技状態への移行を伴う所定遊技状態が発生しないまま所定演出の実行回数が連続した場合には、当該実行回数が移行基準回数となったことを条件として第1遊技状態への移行が発生する。これにより、第1遊技状態への移行態様を多様化することができるとともに、遊技者に対して救済手段を提供することができる。
また、1回の所定遊技状態の発生に対して、その後に続く第1遊技状態の内容だけでなく、当該第1遊技状態の終了後に続く第2遊技状態の終了条件までもが決定されるため、所定遊技状態に対する注目度の向上が図られる。
特徴B5.前記移行手段は、
前記所定遊技状態の後に発生する前記第1遊技状態の終了条件となる前記所定演出の実行回数を第1移行基準回数として決定し、その後に発生する前記第2遊技状態の終了条件となる前記所定演出の実行回数を第2移行基準回数として決定する回数決定手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2103の処理、ステップS2105の処理、ステップS2107の処理、ステップS2109の処理、ステップS2111の処理、及びステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態において前記所定演出の実行回数が前記第1移行基準回数となった場合に遊技状態を前記第2遊技状態に移行させる前側移行手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1506にて否定判定をする機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2310にて否定判定をする機能)と、
前記第2遊技状態において前記所定演出の実行回数が前記第2移行基準回数となった場合に遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる後側移行手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS2018〜ステップS2020の処理、ステップS2208〜ステップS2210の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1遊技状態への移行を伴う所定遊技状態が発生しないまま所定演出の実行回数が連続した場合には、当該実行回数が移行基準回数となったことを条件として第1遊技状態への移行が発生する。これにより、第1遊技状態への移行態様を多様化することができるとともに、遊技者に対して救済手段を提供することができる。
また、所定遊技状態の後に発生する第1遊技状態の終了条件、及びその後に発生する第2遊技状態の終了条件の両方が、所定演出の実行回数として設定されているため、各遊技状態の終了条件が遊技者にとって分かり易いものとなる。また、1回の所定遊技状態の発生に対して、その後に続く第1遊技状態だけでなく、当該第1遊技状態の終了後に続く第2遊技状態の終了条件までもが決定されるため、所定遊技状態に対する注目度の向上が図られる。
特徴B6.前記第2移行手段により移行された前記第1遊技状態は、その終了条件となる前記所定演出の実行回数が前記第1移行基準回数と同一であることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、所定遊技状態の発生後に、第2遊技状態の発生を間に挟んで第1遊技状態が複数回発生する構成において、これら複数回の第1遊技状態の第1移行基準回数を同一のものとなる。これにより、第1移行基準回数が遊技者にとって明確となる。
特徴B7.前記所定遊技状態が発生した場合に、その後の遊技状態を前記第1遊技状態とするか否かを決定する移行決定手段(主制御装置71のMPU82におけるステップS1905の処理及びステップS2305の処理を実行する機能)を備え、
当該移行決定手段により遊技状態を前記第1遊技状態とする移行決定がなされた場合に、前記回数決定手段による決定が行われる構成であり、
前記回数決定手段は、前記移行決定手段により遊技状態を前記第1遊技状態とする移行決定がなされた場合に、終了条件となる実行回数の設定を新たに行うものであることを特徴とする特徴B4乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、所定遊技状態の発生を契機として、第1移行基準回数や第2移行基準回数の再設定を行うことが可能となり、第1遊技状態や第2遊技状態の終了条件が画一化してしまうことが防止される。
特徴B8.前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで、前記特定遊技状態中における前記第1遷移制御の実行態様が同一又は略同一であることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遷移入球部の制御に関して処理の簡素化を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B9.前記長期間選択手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が終了するのに要する期間以上の期間を選択するものであり、
前記短期間選択手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、1回の前記特定遊技状態が終了するのに要する期間未満の期間を選択するものであることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1遊技状態においては、遷移入球部が第1遷移状態である状況にて所定遊技状態となることが可能である一方、第2遊技状態においては、遷移入球部が第1遷移状態である状況にて所定遊技状態となることが防止される。これにより、特定遊技状態と所定遊技状態との関係についても、第1遊技状態と第2遊技状態とで明確に区別することが可能となる。
特徴B10.前記短期間選択手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間として、前記遷移入球部が前記第1遷移状態となっている期間未満の期間を選択するものであることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1遊技状態において、遷移入球部が第1遷移状態である状況にて所定遊技状態となる機会を高められる。
特徴B11.前記短期間選択手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間が、発射操作が継続された場合に遊技球を発射するための駆動制御が行われる周期以下となるようにするものであることを特徴とする特徴B9又はB10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、第1遊技状態においては所定演出の実行中に発射操作を継続したとしても、使用する遊技球は極僅かとなる。よって、第1遊技状態の有利性を高めることが可能となる。
特徴B12.前記所定遊技状態が開始されてから当該所定遊技状態における前記可変入球部の前記第1状態が終了するまでの期間が、遊技者による発射操作が開始されてその開始後に最初に発射された遊技球が前記可変入球部に入球可能となる位置に到達するまでの期間よりも短い構成であり、
前記長期間選択手段は、前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間を抽選により決定することを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、所定演出が開始された場合には発射操作を中断し、当該所定演出が終了した場合に発射操作を再開することで、遊技球の使用個数を抑えようとしても、それが不可となる。この場合に、第2遊技状態においては所定演出が終了するタイミングを遊技者が把握しづらいため、当該第2遊技状態において遊技者は発射操作を継続させる必要が生じる。これにより、第1遊技状態と第2遊技状態との有利性の違いを明確にすることが可能となる。
特徴B13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球部(第1作動口33)を備え、
前記演出制御手段は、
前記遷移入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記所定演出を開始させる手段(主制御装置71のMPU82における第2特図変動開始処理を実行する機能)と、
前記所定入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記所定演出を開始させる手段(主制御装置71のMPU82における第1特図変動開始処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させるか否かの判定を行う移行判定手段(主制御装置71のMPU82における第1振分判定処理を実行する機能)を備え、
前記移行手段は、前記移行判定手段の判定結果が前記第1遊技状態への移行に対応した判定結果であることを少なくとも一の条件として、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる第1状態移行手段(主制御装置71のMPU82における第1特電終了処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、第2遊技状態においては所定入球部への入球を狙って発射操作を行い、第1遊技状態においては遷移入球部への入球を狙って発射操作を行うというように、第1遊技状態と第2遊技状態とで入球を狙うべき対象を変更させることが可能となり、遊技の画一化を防止することが可能となる。
特徴B14.前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において前記所定入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間が、前記第2遊技状態において前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出の実行期間よりも短い期間となるように、当該実行期間の選択を行うものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、第2遊技状態において所定入球部への入球を狙って発射操作を行うことのメリットが高められる。
特徴B15.前記演出制御手段は、前記第2遊技状態において前記遷移入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出が実行されている最中に、前記所定入球部に遊技球が入球したことを契機とした前記所定演出を開始させることが可能な構成であることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特定遊技状態中に第1遊技状態から第2遊技状態への移行が発生した場合、第2遊技状態中に遷移入球部への入球が遊技者の意思に反して発生してしまい、長時間を要する所定演出が実行されてしまうことが懸念される。これに対して、特徴B15によれば、このような事態が発生した場合には、所定入球部に遊技球を入球させることでそれを契機とした所定演出を開始させることができるため、長時間の所定演出が終了するのを無意味に待つ必要がなくなる。
<特徴C群>
特徴C1.開始条件が成立したことに基づいて、1回の遊技動作が行われる遊技動作実行手段(第1特図表示部38a、第2特図表示部38b、図柄表示装置42)と、
前記遊技動作を行った後に終了状態となるように前記遊技動作実行手段を制御する動作制御手段(主制御装置71のMPU82における第1特図変動開始処理、第1特図変動中処理、第1特図確定中処理、第2特図変動開始処理、第2特図変動中処理、及び第2特図確定中処理を実行する機能、音光制御装置91及び表示制御装置92)と、
前記遊技動作実行手段において前記遊技動作が行われた後に前記終了状態となったことを少なくとも一の条件として、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置71のMPU82における第1特図確定中処理及び第2特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第2遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な第1遊技状態(有利遊技状態)が設定されており、
当該遊技機は、
前記第1遊技状態において前記所定演出の実行回数が終了対応の回数となった場合に、遊技状態を前記第2遊技状態に移行させる状態移行手段(第1の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS1506にて否定判定をする機能、第2の実施形態では主制御装置71のMPU82におけるステップS2310にて否定判定をする機能)と、
遊技状態が前記第1遊技状態に移行する場合に前記終了対応の回数を設定する回数設定手段(主制御装置71のMPU82における第2特電終了処理を実行する機能)と、
を備え、
当該回数設定手段は、変更条件が成立した場合に、それまでの前記終了対応の回数を無効とし、当該変更条件が成立した場合に新たに取得された回数を前記終了対応の回数として設定するものであり、
当該遊技機は、
前記変更条件が成立して前記終了対応の回数の再設定が行われる場合に、新たに設定される前記終了対応の回数と、それまでに設定されていた前記終了対応の回数との差分を算出する差分算出手段(音光制御装置91におけるステップS1826の処理を実行する機能)と、
当該差分算出手段による算出結果の数を遊技者が認識可能となるように報知制御を実行する報知制御手段(音光制御装置91におけるステップS1827の処理を実行する機能、表示制御装置92)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1遊技状態の終了対応の回数は変更条件が成立した場合に変更されるため、第1遊技状態において遊技者は当該第1遊技状態がより長く続くことを期待しながら遊技を行うこととなり、当該第1遊技状態中の遊技の興趣向上が図られる。
また、終了対応の回数を変更する場合には当該終了対応の回数の再設定のみを行えばよい構成としながら、遊技者に対しては当該回数が上乗せされたかのような印象を与えることが可能となる。また、当該上乗せの報知は、再設定される回数と直前の回数との差分として報知されるため、当該差分として取り得る数値の数分の上乗せ報知態様を提供することが可能となる。よって、記憶容量の増大化を抑制しながら、当該上乗せ報知の態様の多様化を図ることができる。
特徴C2.遊技の進行を制御する主制御手段(主制御装置71)を備え、
前記報知制御手段は、前記主制御手段が出力する指令情報の内容に対応した報知制御を実行するものであり、
前記主制御手段が前記回数設定手段を備え、前記報知制御手段が前記差分算出手段を備えることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、主制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴C群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
パチンコ機やスロットマシンといった遊技機においては、遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態が設定された構成が知られている。
かかる有利遊技状態としては、パチンコ機であれば、当たり確率が上昇する高確率状態が挙げられる。また、遊技球の入球が当たり判定の契機となる入球部として、遊技球が入球可能な第1遷移状態と当該第1遷移状態よりも遊技球が入球しづらい又は入球が不可となる第2遷移状態との間で遷移可能な遷移入球部を備えた構成においては、当該遷移入球部が単位時間当たりに第1遷移状態となる頻度が向上する遊技状態が存在する。
また、スロットマシンであれば、所謂リプレイ役が高確率で発生するRT状態や、ストップボタンの押し順が内部的に決定された押し順と一致した場合に入賞が成立する押し順抽選役を備えた構成において、当該押し順抽選役に当選した際に内部的に決定された押し順が遊技者に報知されることとなるAT状態や、RT状態とAT状態との両方の特典が付与されるART状態などが挙げられる。
上記のような有利遊技状態の終了条件としては、その終了契機を遊技者にとって分かり易いものとするために、終了対応の回数分の遊技回が実行された場合に終了させる構成が挙げられる。
この場合に、終了対応の回数が設定される場合の態様を工夫することで、有利遊技状態中の興趣向上が図られると考えられる。しかしながら、当該態様の工夫に際して、記憶容量が極端に増加してしまうことは好ましくない。