JP2013099207A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、バッテリからの出力を効率よく取り出す。
【解決手段】制御装置は、一例として、バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得する取得部と、前記出力電圧と前記電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記バッテリユニットを制御する制御部とを有する。
【選択図】図8

Description

本開示は、例えば、バッテリの出力を効率よく外部に出力する制御装置および制御方法に関する。
バッテリ等の電源から供給される電圧を昇圧または降圧するDC−DCコンバータが広く使用されている。下記特許文献1には、バックアップコンデンサの電圧が基準電圧より小さくなるときに、DC−DCコンバータをオフさせる技術が記載されている。
特開2003−158877号公報
一般に、DC−DCコンバータが動作すると、DC−DCコンバータで電力が消費されるため効率が低下する。このため、必要に応じてDC−DCコンバータをオン/オフさせることが望ましい。特許文献1に記載の技術は、通常の動作時には常にDC−DCコンバータを動作させるものであり、上述したように効率が低下してしまう問題があった。
したがって、本開示の目的の一つは、例えば、DC−DCコンバータのオン/オフを制御することで、バッテリからの出力を効率よく外部に出力する制御装置および制御方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本開示は、例えば、
バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得する取得部と、
出力電圧と電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、出力電圧が出力される、または、出力電圧が変換されて出力されるように、バッテリユニットを制御する制御部と
を有する制御装置である。
本開示は、例えば、
バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得し、
出力電圧と電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、出力電圧が出力される、または、出力電圧が変換されて出力されるように、バッテリユニットを制御する
制御装置における制御方法である。
本開示は、例えば、
第1のバッテリおよび第1の変換部を有する第1のバッテリユニットと、第2のバッテリおよび第2の変換部を有する第2のバッテリユニットと、外部機器とに対して接続可能とされ、
放電するバッテリを第1のバッテリから第2のバッテリに切り替える切替部と、
第2のバッテリの出力電圧と外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、出力電圧がされる、または、出力電圧が変換されて出力されるように、第2のバッテリユニットを制御する制御部と
を有する制御装置である。
本開示は、例えば、
放電するバッテリを、第1のバッテリユニットが有する第1のバッテリから第2のバッテリユニットが有する第2のバッテリに切り替え、
第2のバッテリの出力電圧と外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、出力電圧が出力される、または、出力電圧が変換されて出力されるように、第2のバッテリユニットを制御する
制御装置における制御方法である。
少なくとも一つの実施形態によれば、バッテリの出力を効率的に取り出すことができる。
システムの構成例を示すブロック図である。 コントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 コントロールユニットの電源系統の構成例を示すブロック図である。 コントロールユニットにおける高圧入力電源回路の具体的な構成の一例を示す。 バッテリユニットの構成例を示すブロック図である。 バッテリユニットの電源系統の構成例を示すブロック図である。 バッテリユニットにおけるチャージャー回路の具体的な構成の一例を示す。 DC−DCコンバータをオン/オフする制御を説明するためのブロック図である。 Aは、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフである。Bは、ある曲線により太陽電池の電圧−電流特性が表される場合における、太陽電池の端子電圧と太陽電池の発電電力との関係を表したグラフ(P−V曲線)である。 Aは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対する動作点の変化を説明するための図である。Bは、コントロールユニットおよび複数のバッテリユニットにより協調制御を行う制御システムの構成例を示すブロック図である。 Aは、太陽電池に対する照度が減少した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。Bは、太陽電池からみた負荷が増加した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。 太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。 放電制御の第1の例を説明するための図である。 放電制御の第2の例を説明するための図である。 放電制御の第2の例における処理を説明するための図である。 放電制御の第2の例の変形例を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
なお、以下に説明する実施形態および変形例は、本開示の好適な具体例であり、これらの実施形態および変形例に限定されないものとする。
<1.一実施形態>
「システムの構成」
図1は、本開示における制御システムの構成の一例を示す。制御システムは、1または複数のコントロールユニットCUと、1または複数のバッテリユニットBUとから構成される。図1に例示する制御システム1は、1のコントロールユニットCUと、3個のバッテリユニットBUa、BUb、BUcとから構成される。以下の説明において、個々のバッテリユニットを区別する必要がないときは、バッテリユニットBUと適宜称する。
制御システム1では、複数のバッテリユニットBUを独立して制御することが可能とされている。さらに、複数のバッテリユニットBUはそれぞれ独立して、制御システム1に接続できる。例えば、バッテリユニットBUaおよびバッテリユニットBUbが制御システム1に接続された状態で、新たにバッテリユニットBUcを制御システム1に接続することができる。バッテリユニットBUa〜バッテリユニットBUcが制御システム1に接続された状態で、バッテリユニットBUbのみを制御システム1から離脱することができる。
コントロールユニットCUとそれぞれのバッテリユニットBUとが、電力ラインによって接続されている。電力ラインは、例えば、コントロールユニットCUからバッテリユニットBUに電力が伝送される電力ラインL1と、バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに電力が伝送される電力ラインL2とからなる。コントロールユニットCUとそれぞれのバッテリユニットBUとの間で、信号ラインSLを介した双方向の通信がなされる。通信は、例えば、SMBus(System Management Bus)やUART(Universal asynchronous Receiver-Transmitter)などの仕様に準じた通信がなされる。
信号ラインSLは、1または複数のラインによって構成され、用途に応じて、使用されるラインが定義されている。信号ラインSLは共通化されており、信号ラインSLに対して各バッテリユニットBUが接続される。各バッテリユニットBUは、信号ラインSLを介して伝送される制御信号のヘッダ部を分析して、自己に対する制御信号か否かを判別する。制御信号のレベル等を適宜、設定することで、バッテリユニットBUに対するコマンドを伝送できる。バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに対する応答は他のバッテリユニットBUにも伝送されるが、他のバッテリユニットBUは、応答が伝送されることに応じた動作をすることはない。なお、この例では、電力の伝送および通信が有線により行われるものとして説明するが、無線によって行われるようにしてもよい。
「コントロールユニットの構成の概要」
コントロールユニットCUは、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12を含む構成とされる。コントロールユニットCUは、1または複数の第1の装置を有する。この例では、コントロールユニットCUは、2個の第1の装置を有し、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12がそれぞれ第1の装置に対応している。なお、高圧および低圧という表現を使用しているが、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12に入力される電圧が同じ入力範囲でもかまわない。高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12が受け入れることができる電圧の入力範囲が重複しても一向に構わない。
高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12に、環境に応じて発電する発電部によって生成された電圧が供給される。例えば、発電部は、太陽光や風力によって発電する装置である。一方で、この発電部は、自然環境に応じて発電する装置に限られない。例えば、発電部が人力によって発電する装置として構成されてもよい。このように、発電エネルギーが環境や状況に応じて変動する発電装置を想定しているが、変動しない物も受けいれることが可能である。そのため、図示しているように、AC電力の入力も行われるようになっている。なお、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12には、同一の発電部または異なる発電部から電圧が供給される。そして、発電部によって生成される電圧が第1の電圧の一例とされる。
高圧入力電源回路11には、例えば、太陽光発電によって生成された75V(ボルト)〜100V程度のDC(Direct Current)電圧(V10)が供給される。高圧入力電源回路11に、100V〜250V程度のAC(Alternating Current)電圧が供給されてもよい。高圧入力電源回路11は、太陽光発電から供給される電圧V10の変動に応じて第2の電圧を生成する。例えば、電圧V10が、高圧入力電源回路11によって降圧されることで第2の電圧が生成される。第2の電圧は、例えば、45〜48Vの範囲内のDC電圧である。
高圧入力電源回路11は、電圧V10が75Vのときは、電圧V10を45Vに変換する。電圧V10が100Vのときは、電圧V10を48Vに変換する。電圧V10が75Vから100Vの範囲を変化するのに応じて、高圧入力電源回路11は、45Vから48Vの範囲で略リニアに変化させて、第2の電圧を生成する。高圧入力電源回路11は、生成した第2の電圧を出力する。なお、変化率をリニアにせず、各種フィードバック回路を用いて、その出力をそのまま利用するようにしてもよい。
低圧入力電源回路12には、例えば、風力発電や人力によって生成された10V〜40V程度の範囲のDC電圧(V11)が供給される。低圧入力電源回路12は、高圧入力電源回路11と同様に、電圧V11の変動に応じて第2の電圧を生成する。低圧入力電源回路12は、電圧V11が10V〜40Vの範囲を変化することにともなって、電圧V11を、例えば、45V〜48Vの範囲のDC電圧に昇圧する。昇圧されたDC電圧が低圧入力電源回路12から出力される。
高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12からの出力電圧の両方もしくは一方が、バッテリユニットBUに供給される。図では、バッテリユニットBUに供給されるDC電圧がV12として示されている。上述したように、電圧V12は、例えば、45〜48Vの範囲のDC電圧である。電圧V12によって、複数のバッテリユニットBUのうち全部または一部が充電される。なお、放電しているバッテリユニットBUに対しては、充電はなされない。
コントロールユニットCUに対して、パーソナルコンピュータが接続可能とされてもよい。例えば、USB(Universal Serial Bus)によって、コントロールユニットCUとパーソナルコンピュータとが接続される。パーソナルコンピュータを使用して、コントロールユニットCUに対する制御がなされるようにしてもよい。
「バッテリユニットの構成の概要」
第2の装置の一例であるバッテリユニットの構成の概要について説明する。以下、バッテリユニットBUaを例にして説明するが、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcは、特に断わらない限り同一の構成とされる。
バッテリユニットBUaは、チャージャー(充電)回路41aと、ディスチャージャー(放電)回路42aと、バッテリBaとを含む構成とされる。他のバッテリユニットBUも同様に、チャージャー(充電)回路と、ディスチャージャー(放電)回路と、バッテリとを含む構成とされている。以下の説明において、個々のバッテリを区別する必要がないときは、バッテリBと適宜称する。
チャージャー回路41aは、コントロールユニットCUから供給される電圧V12をバッテリBaに適応した電圧に変換する。変換された電圧に基づいて、バッテリBaが充電される。なお、チャージャー回路41aは、電圧V12の変動に応じて、バッテリBaに対する充電レートを変化させる。
バッテリBaから出力された電力がディスチャージャー回路42aに供給される。バッテリBaからは、例えば、12〜55V程度の範囲のDC電圧が出力される。ディスチャージャー回路42aによって、バッテリBaから供給されたDC電圧V13に変換される。電圧V13は、例えば、48VのDC電圧である。電圧V13が、電力ラインL3を介して、ディスチャージャー回路42aからコントロールユニットCUに対して出力される。なお、バッテリBaから出力されたDC電圧が、ディスチャージャー回路42aを介さずに、外部機器に対して直接、供給されるようにしてもよい。
バッテリBは、リチウムイオンバッテリ、オリビン型リン酸鉄リチウムイオンバッテリ、鉛バッテリなどである。各バッテリユニットBUのバッテリBが異なるバッテリでもよい。例えば、バッテリユニットBUaのバッテリBaおよびバッテリユニットBUbのバッテリBbは、リチウムイオンバッテリで構成される。バッテリユニットBUcのバッテリBcは、鉛バッテリで構成される。バッテリBにおけるバッテリセルの個数および接続態様は適宜、変更可能である。複数のバッテリセルが直列または並列に接続されてもよい。複数のバッテリセルが直列に接続されたものが並列に接続されるようにしてもよい。
複数のバッテリユニットが放電するときは、負荷が軽い場合には、出力電圧が最も高い電圧が電圧V13として電力ラインL2に供給される。負荷が重くなるにつれて、複数のバッテリユニットからの出力が合成され、合成された出力が電力ラインL2に供給される。電力ラインL2を介して、電圧V13がコントロールユニットCUに供給される。電圧V13がコントロールユニットCUの出力ポートから出力される。コントロールユニットCUに対しては、複数のバッテリユニットBUから分散して電力を供給することができる。このため、個々のバッテリユニットBUの負担を軽減することが可能となる。
例えば、以下のような使用形態が考えられる。バッテリユニットBUaから出力される電圧V13がコントロールユニットCUを介して外部機器に供給される。バッテリユニットBUbに対しては、コントロールユニットCUから電圧V12が供給され、バッテリユニットBUbのバッテリBbが充電される。バッテリユニットBUcは、予備電源として使用される。例えば、バッテリユニットBUaの残容量が低下した際に、使用するバッテリユニットをバッテリユニットBUaからバッテリユニットBUcに切り換える。バッテリユニットBUcから出力された電圧V13が外部機器に供給される。もちろん、上述した使用形態は一例であり、これに限定されることはない。
「コントロールユニットの内部構成」
図2は、コントロールユニットCUの内部構成の一例を示す。上述したように、コントロールユニットCUは、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12を含む構成とされる。高圧入力電源回路11は、AC入力をDC出力に変換するAC−DCコンバータ11aと、電圧V10を45V〜48Vの範囲のDC電圧に降圧するDC−DCコンバータ11bとを含む構成とされる。AC−DCコンバータ11aおよびDC−DCコンバータ11bの方式については、公知のものを適用できる。なお、高圧入力電源回路11にDC電圧のみが供給されるときは、AC−DCコンバータ11aがなくてもよい。
DC−DCコンバータ11bの入力段および出力段のそれぞれに、電圧センサと、電子スイッチと、電流センサとが接続されている。図2および後述する図5では、電圧センサを四角で、電子スイッチを丸で、電流センサを斜線が付された丸で、それぞれ簡略化して示している。DC−DCコンバータ11bの入力段には、電圧センサ11cと、電子スイッチ11dと、電流センサ11eとが接続されている。DC−DCコンバータ11bの出力段には、電流センサ11fと、電子スイッチ11gと、電圧センサ11hとが接続されている。各センサによって得られるセンサ情報が後述するCPU(Central Processing Unit)13に供給される。各電子スイッチのオン/オフがCPU13によって制御される。
低圧入力電源回路12は、電圧V11を45V〜48Vの範囲のDC電圧に昇圧するDC−DCコンバータ12aを含む構成とされる。低圧入力電源回路12の入力段および出力段のそれぞれに、電圧センサと、電子スイッチと、電流センサとが接続されている。DC−DCコンバータ12aの入力段には、電圧センサ12bと、電子スイッチ12cと、電流センサ12dとが接続されている。DC−DCコンバータ12aの出力段には、電流センサ12eと、電子スイッチ12fと、電圧センサ12gとが接続されている。各センサによって得られるセンサ情報が後述するCPU13に供給される。各スイッチのオン/オフがCPU13よって制御される。
なお、図において、センサから延びる矢印が、センサ情報がCPU13に供給されることを示している。電子スイッチに対する矢印は、電子スイッチに対してCPU13による制御がなされることを示している。
高圧入力電源回路11の出力電圧がダイオードを介して出力される。低圧入力電源回路12の出力電圧がダイオードを介して出力される。高圧入力電源回路11の出力電圧および低圧入力電源回路12の出力電圧が合成され、合成された電圧V12が電力ラインL1を介してバッテリユニットBUに出力される。バッテリユニットBUから供給された電圧V13が、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給される。次に、コントロールユニットCUに供給された電圧V13が、電力ラインL3を介して外部機器に供給される。なお、図において、外部機器に供給される電圧を電圧V14として示している。
電力ラインL3がバッテリユニットBUと接続されてもよい。このような構成により、例えば、バッテリユニットBUaから出力された電力が、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給される。供給された電力が電力ラインL3を介してバッテリユニットBUbに供給され、バッテリユニットBUbを充電することができる。なお、図示は省略しているが、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給された電力が、電力ラインL1に供給されるようにしてもよい。
コントロールユニットCUは、CPU13を含む構成とされる。CPU13は、コントロールユニットCUの各部を制御する。例えば、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12における電子スイッチをオン/オフする。さらに、CPU13は、各バッテリユニットBUに制御信号を供給する。CPU13は、例えば、バッテリユニットBUの電源をオンさせる制御信号や、充電または放電を指示する制御信号を、バッテリユニットBUに供給する。CPU13は、バッテリユニットBU毎に異なる内容の制御信号を出力することができる。
CPU13は、バス14を介してメモリ15、D/A(Digital to Analog)変換部16、A/D(Analog to Digital)変換部17および温度センサ18と接続されている。バス14は、例えば、I2Cバスで構成される。メモリ15は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成される。D/A変換部16は、各種の処理で使用されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。
CPU13には、電圧センサや電流センサにより測定されたセンサ情報が入力される。センサ情報は、A/D変換部17によってデジタル信号に変換された後に、CPU13に入力される。温度センサ18は、環境温度を測定する。例えば、コントロールユニットCU内部の温度や、コントロールユニットCUの周囲の温度を測定する。
CPU13が通信機能を有していてもよい。例えば、CPU13とパーソナルコンピュータ(PC)19との間で通信のやり取りがなされてもよい。パーソナルコンピュータに限らず、インターネットなどのネットワークに接続された機器とCPU13との間で通信がなされるようにしてもよい。
「コントロールユニットの電源系統」
図3は、コントロールユニットCUの、主に電源系統に関する構成の一例を示す。高圧入力電源回路11の出力段には、逆流防止用のダイオード20が接続されている。低圧入力電源回路12の出力段には、逆流防止用のダイオード21が接続されている。ダイオード20およびダイオード21により、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12がOR接続される。高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12の出力が合成されてバッテリユニットBUに供給される。実際には、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12の出力のうち、電圧が高い一方の出力がバッテリユニットBUに供給されるものの、負荷となるバッテリユニットBUの電力消費量に応じて、両方から電力が供給される状況にもなる。
コントロールユニットCUには、ユーザによって操作可能なメインスイッチSW1が設けられている。メインスイッチSW1がオンされることでCPU13に電力が供給され、コントロールユニットCUが起動する。CPU13に、例えば、コントロールユニットCUに内蔵されるバッテリ22から電力が供給される。バッテリ22は、リチウムイオンバッテリなどの充電可能なバッテリである。バッテリ22からのDC電圧がDC−DCコンバータ23によって、CPU13が動作する電圧に変換される。変換された電圧がCPU13の電源電圧として供給される。このように、コントロールユニットCUの起動時には、バッテリ22が使用される。バッテリ22に対する制御は、例えば、CPU13によってなされる。
高圧入力電源回路11や低圧入力電源回路12、あるいはバッテリユニットBUから供給される電力によってバッテリ22を充電することができる。バッテリユニットBUから供給された電力がチャージャー回路24に供給される。チャージャー回路24は、DC−DCコンバータを含む構成とされる。バッテリユニットBUから供給された電圧V13がチャージャー回路24によって所定のレベルのDC電圧に変換される。変換されたDC電圧がバッテリ22に供給される。供給されたDC電圧によってバッテリ22が充電される。
なお、高圧入力電源回路11や低圧入力電源回路12、あるいはバッテリユニットBUから供給される電圧V13によってCPU13が動作するようにしてもよい。バッテリユニットBUから供給された電圧V13がDC−DCコンバータ25によって所定のレベルの電圧に変換される。変換された電圧が、電源電圧としてCPU13に供給され、CPU13が動作する。
コントロールユニットCUが起動した後に、V10およびV11の少なくとも一方が入力されると電圧V12が生成される。電圧V12が、電力ラインL1を介してバッテリユニットBUに供給される。このとき、CPU13は、信号ラインSLを使用してバッテリユニットBUと通信を行う。この通信によって、CPU13は、バッテリユニットBUに対して起動および放電を指示する制御信号を出力する。そして、CPU13は、スイッチSW2をオンする。スイッチSW2は、例えば、FET(Field Effect Transistor)から構成される。IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)によって構成されてもよい。スイッチSW2がオンされることで、バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに電圧V13が供給される。
スイッチSW2の出力側には、逆流防止用のダイオード26が接続されている。ダイオード26を接続することにより、太陽電池や風力発電などから供給される不安定な電力が、外部機器に直接供給されることを防止できる。そして、外部機器には、バッテリユニットBUから供給される安定した電力を供給できる。もちろん、安全のために、バッテリユニットBUの最終段にもダイオードを設けてもよい。
バッテリユニットBUから供給された電力を外部機器に供給するときは、CPU13は、スイッチSW3をオンする。スイッチSW3がオンされることで、電圧V13に基づく電圧V14が、電力ラインL3を介して外部機器に供給される。なお、電圧V14が他のバッテリユニットBUに供給され、他のバッテリユニットBUのバッテリBが電圧V14によって充電されてもよい。
「高圧入力電源回路の構成例」
図4は、高圧入力電源回路の具体的な構成の一例を示す。図4に示すように、高圧入力電源回路11は、DC−DCコンバータ11bと、後述するフィードフォワード制御系とを備えている。図4では、電圧センサ11c、電子スイッチ11d、電流センサ11e、電流センサ11f、電子スイッチ11gおよび電圧センサ11hならびにダイオード20などの図示を省略している。
低圧入力電源回路12は、DC−DCコンバータ12aが昇圧型のDC−DCコンバータとされること以外は、高圧入力電源回路11の構成とほぼ同様の構成を備えているため、図示および説明を省略する。
DC−DCコンバータ11bは、例えば、スイッチング素子などを含む一次側回路32と、トランス33と、整流素子などを含む二次側回路34とから構成される。図4に例示するDC−DCコンバータ11bは、電流共振型のコンバータ(LLC共振コンバータ)である。
フィードフォワード制御系は、オペアンプ35、トランジスタ36、抵抗Rc1、Rc2およびRc3を含み、フィードフォワード制御系の出力は、例えば、DC−DCコンバータ11bの一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に入力される。DC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を調整する。
高圧入力電源回路11がフィードフォワード制御系を備えることにより、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。したがって、高圧入力電源回路11を備えるコントロールユニットCUは、例えば、太陽電池などからの入力電圧の変化に応じて出力電圧を変化させる電圧変換装置の機能を有している。
図4に示すように、高圧入力電源回路11からは、コンデンサ31を含むAC−DCコンバータ11a、一次側回路32、トランス33、二次側回路34を介して出力電圧が取り出される。AC−DCコンバータ11aは、コントロールユニットCUの外部からの入力が交流電源であるときに配置される力率補正(Power Factor Correction)回路である。
コントロールユニットCUからの出力は、電力ラインL1により、バッテリユニットBUに送出される。例えば、個々のバッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・は、逆流防止用のダイオードD1、D2、D3、・・・を介して、出力端子Te1、Te2、Te3、・・・にそれぞれ接続される。
以下、高圧入力電源回路11に備えられたフィードフォワード制御系について説明する。
オペアンプ35の非反転入力端子に対しては、高圧入力電源回路11への入力電圧をkc倍(kc:数十〜百分の一程度)した電圧が入力される。一方、オペアンプ35の反転入力端子c1に対しては、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0をkc倍した電圧が入力されている。オペアンプ35の反転入力端子c1に対する入力電圧(kc×Vt0)は、例えば、D/A変換部16から印加される。電圧Vt0の値は、例えば、D/A変換部16の内蔵メモリに保持され、必要に応じて、電圧Vt0の値を変更することが可能とされている。電圧Vt0の値が、バス14を介してCPU13に接続されたメモリ15に保持され、これをD/A変換部16に転送するようにしてもよい。
オペアンプ35の出力端子はトランジスタ36のベースに接続されており、トランジスタ36により、オペアンプ35の非反転入力端子に対する入力電圧と反転入力端子に対する入力電圧との差に応じた電圧−電流変換が行われる。
トランジスタ36のエミッタに接続された抵抗Rc2の抵抗値は、抵抗Rc2と並列に接続される抵抗Rc1の抵抗値に対して大とされている。
例えば、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧であったとする。このとき、トランジスタ36はオンであり、抵抗Rc1および抵抗Rc2の合成抵抗の値が抵抗Rc1の抵抗値より小となるため、図4に示すf点の電位はグラウンド電位に近づく。
すると、フォトカプラ37を介して接続された、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が低下する。制御用端子に対する入力電圧の低下を検出したDC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を引き上げる。
逆に、例えば、コントロールユニットCUに接続された太陽電池の端子電圧が低下し、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0に近づいたとする。
高圧入力電源回路11に対する入力電圧が下がってくると、トランジスタ36の状態が、オンからオフの状態に近づく。トランジスタ36の状態がオンからオフの状態に近づくに伴い、抵抗Rc1および抵抗Rc2には電流が流れにくくなり、図4に示すf点の電位が上昇する。
すると、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が一定に保たれなくなるため、DC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を引き下げる。
すなわち、高圧入力電源回路11は、入力電圧があらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧である場合には、出力電圧を引き上げる。また、高圧入力電源回路11は、太陽電池の端子電圧が低下して、入力電圧があらかじめ定められた一定の電圧Vt0に近づくと、出力電圧を引き下げる。このように、高圧入力電源回路11を備えるコントロールユニットCUは、入力電圧の大きさに応じて出力電圧を動的に変化させる。
さらに、以下に説明するように、高圧入力電源回路11は、コントロールユニットCUの出力側で必要とされる電圧の変化に対しても出力電圧を動的に変化させる。
例えば、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに対して電気的に接続されるバッテリユニットBUの数が増加したとする。すなわち、太陽電池の発電中において、太陽電池からみた負荷が増加したとする。
この場合、コントロールユニットCUに対して新たにバッテリユニットBUが電気的に接続されることにより、コントロールユニットCUに接続されている太陽電池の端子電圧が下がることになる。すると、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が低下するに伴い、トランジスタ36の状態が、オンからオフの状態に近づくこととなり、高圧入力電源回路11からの出力電圧が引き下げられる。
一方、例えば、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに対して電気的に接続されたバッテリユニットBUの数が減少したとすると、太陽電池からみた負荷が減少するため、コントロールユニットCUに接続された太陽電池の端子電圧が上昇する。高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧になると、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が低下し、高圧入力電源回路11からの出力電圧が引き上げられる。
なお、抵抗Rc1、Rc2およびRc3の抵抗値は、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値があらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように適宜選択される。すなわち、抵抗Rc1およびRc2の抵抗値により、高圧入力電源回路11からの出力電圧の上限がきめられる。トランジスタ36は、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が所定の値を超えているときに、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された上限の電圧値を超えないようにするために配置されている。
一方、高圧入力電源回路11からの出力電圧の下限は、後述するように、チャージャー回路41aにおけるフィードフォワード制御系のオペアンプの反転入力端子に対する入力電圧によってきめられる。
「バッテリユニットの内部構成」
図5は、バッテリユニットBUの内部構成の一例を示す。ここでは、バッテリユニットBUaを例にして説明する。特に断らない限り、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcは、バッテリユニットBUaと同様の構成とされる。
バッテリユニットBUaは、チャージャー回路41aと、ディスチャージャー回路42aと、バッテリBaとを含む構成とされる。コントロールユニットCUからチャージャー回路41aに対して、電圧V12が供給される。バッテリユニットBUaからの出力である電圧V13が、ディスチャージャー回路42aを介してコントロールユニットCUに供給される。ディスチャージャー回路42aから外部機器に対して、直接、電圧V13が供給されるようにしてもよい。
チャージャー回路41aは、DC−DCコンバータ43aを備える。チャージャー回路41aに入力される電圧V12が、DC−DCコンバータ43aによって所定電圧に変換される。変換された所定電圧がバッテリBaに供給され、バッテリBaが充電される。所定電圧は、バッテリBaの種類等によって異なる。DC−DCコンバータ43aの入力段には、電圧センサ43bと、電子スイッチ43cと、電流センサ43dとが接続されている。DC−DCコンバータ43aの出力段には、電流センサ43eと、電子スイッチ43fと、電圧センサ43gとが接続されている。
ディスチャージャー回路42aは、DC−DCコンバータ44aを備える。バッテリBaからディスチャージャー回路42aに供給されるDC電圧が、DC−DCコンバータ44aによって電圧V13に変換される。変換された電圧V13がディスチャージャー回路42aから出力される。DC−DCコンバータ44aの入力段には、電圧センサ44bと、電子スイッチ44cと、電流センサ44dとが接続されている。DC−DCコンバータ44aの出力段には、電流センサ44eと、電子スイッチ44fと、電圧センサ44gとが接続されている。
バッテリユニットBUは、CPU45を備える。CPU45は、バッテリユニットBUの各部を制御する。例えば、電子スイッチのオン/オフを制御する。過充電防止機能や過電流防止機能などの、バッテリBの安全を確保する処理をCPU45が行うようにしてもよい。CPU45は、バス46に接続されている。バス46は、例えば、I2Cバスである。
バス46には、メモリ47と、A/D変換部48と、温度センサ49とが接続されている。メモリ47は、例えば、EEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリである。A/D変換部48は、例えば、電圧センサや電流センサによって得られるアナログのセンサ情報をデジタル情報に変換する。A/D変換部48によってデジタル信号へと変換されたセンサ情報がCPU45に供給される。温度センサ49は、バッテリユニットBU内の所定箇所の温度を測定する。温度センサ49は、例えば、CPU45が実装される基板の周囲の温度と、チャージャー回路41aおよびディスチャージャー回路42aの温度と、バッテリBの温度とを測定する。
「バッテリユニットの電源系統」
図6は、バッテリユニットBUaの、主に電源系統に関する構成の一例を示す。バッテリユニットBUaには、メインスイッチは設けられていない。バッテリBaとCPU45との間には、スイッチSW5aおよびDC−DCコンバータ39が接続されている。バッテリBaとディスチャージャー回路42aとの間には、スイッチSW6aが接続されている。チャージャー回路41aの入力段には、スイッチSW7aが接続されている。ディスチャージャー回路42aの出力段には、スイッチSW8aが接続されている。それぞれのスイッチSWは、例えば、FETにより構成される。
バッテリユニットBUaは、例えば、コントロールユニットCUからの制御信号によって起動される。コントロールユニットCUから、所定の信号ラインを介して、例えば、ハイレベルの制御信号が常に供給されている。このため、バッテリユニットBUのポートを所定の信号ラインに接続するだけでハイレベルの制御信号がスイッチSW5aに供給され、スイッチSW5aがオンされる。スイッチSW5aがオンすることで、バッテリユニットBUが起動する。スイッチSW5aがオンすることで、バッテリBaからのDC電圧がDC−DCコンバータ39に供給される。DC−DCコンバータ39によって、CPU45を動作させる電源電圧が生成される。生成された電源電圧がCPU45に供給され、CPU45が動作する。
CPU45は、コントロールユニットCUの指示に応じた制御を実行する。コントロールユニットCUからCPU45に対して、例えば、充電指示の制御信号が供給される。充電指示に応じて、CPU45は、スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオフした後にスイッチSW7aをオンする。スイッチSW7aがオンされることで、コントロールユニットCUから供給される電圧V12が、チャージャー回路41aに供給される。チャージャー回路41aによって電圧V12が所定電圧に変換され、変換された所定電圧によってバッテリBaが充電される。なお、バッテリBに対する充電方法は、バッテリBの種類に応じて適宜変更することができる。
コントロールユニットCUからCPU45に対して、例えば、放電指示の制御信号が供給される。放電指示に応じて、CPU45は、スイッチSW7aをオフし、スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオンする。例えば、スイッチSW6aをオンしてから、一定時間後にスイッチSW8aをオンする。スイッチSW6aがオンされることで、バッテリBaからのDC電圧がディスチャージャー回路42aに供給される。ディスチャージャー回路42aによって、バッテリBaからのDC電圧が電圧V13に変換される。変換された電圧V13が、スイッチSW8aを介してコントロールユニットCUに供給される。なお、本例では省略しているが、他のバッテリユニットBUからの出力と衝突しないようにするため、スイッチSW8aの後段にダイオードを追加するようにしてもよい。
なお、CPU45の制御によって、ディスチャージャー回路42aのオン/オフを切り換えることができる(図中のCPU45からディスチャージャー回路42aに出ているおON/OFF信号線)。例えば、スイッチSW6の出力側に、図示しないスイッチSW(説明の便宜を考慮して、スイッチSW10aと称する)が設けられている。スイッチSW10aは、ディスチャージャー回路42aを経由する第1の経路と、ディスチャージャー回路42aを経由しない第2の経路とを切り換えるスイッチである。
ディスチャージャー回路42aをオンするときは、CPU45は、スイッチSW10aを第1の経路に接続する。これにより、スイッチSW6からの出力がディスチャージャー回路42aを介してスイッチSW8aに供給される。ディスチャージャー回路42aをオフするときは、CPU45は、スイッチSW10aを第2の経路に接続する。これにより、スイッチSW6aからの出力がディスチャージャー回路42aを介さずに直接、スイッチSW8aに供給される。
「チャージャー回路の構成例」
図7は、バッテリユニットにおけるチャージャー回路の具体的な構成の一例を示す。図7に示すように、チャージャー回路41aは、DC−DCコンバータ43aと、後述するフィードフォワード制御系およびフィードバック制御系とを備えている。なお、図7では、電圧センサ43b、電子スイッチ43c、電流センサ43d、電流センサ43e、電子スイッチ43f、電圧センサ43gならびにスイッチSW7aなどの図示を省略している。
各バッテリユニットBUにおけるチャージャー回路も、図7に示すチャージャー回路41aの構成とほぼ同様の構成を備えている。
DC−DCコンバータ43aは、例えば、トランジスタ51、コイル52、制御用IC(Integrated Circuit)53などから構成される。トランジスタ51は、制御用IC53により制御される。
フィードフォワード制御系は、高圧入力電源回路11と同様に、オペアンプ55、トランジスタ56、抵抗Rb1、Rb2およびRb3を含む。フィードフォワード制御系の出力は、例えば、DC−DCコンバータ43aの制御用IC53に備えられた制御用端子に入力される。DC−DCコンバータ43a中の制御用IC53は、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、チャージャー回路41aからの出力電圧を調整する。
すなわち、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系は、高圧入力電源回路11に備えられたフィードフォワード制御系と同様に作用する。
チャージャー回路41aがフィードフォワード制御系を備えることにより、チャージャー回路41aからの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。チャージャー回路からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値に調整されることにより、コントロールユニットCUに電気的に接続された各バッテリBに対する充電電流が、高圧入力電源回路11からの入力電圧の変化に応じて調整される。したがって、チャージャー回路を備えるバッテリユニットBUは、各バッテリBに対する充電レートを変化させる充電装置の機能を有している。
コントロールユニットCUに電気的に接続された各バッテリBに対する充電レートが変化させられることにより、各バッテリユニットBUのチャージャー回路に対する入力電圧の値(高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力電圧の値といってもよい。)が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。
チャージャー回路41aへの入力は、例えば、上述したコントロールユニットCUの高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力である。したがって、例えば、図4に示す端子Te1、Te2、Te3、・・・のいずれかと、チャージャー回路41aの入力端子とが接続されている。
図7に示すように、チャージャー回路41aからは、DC−DCコンバータ43a、電流センサ54、フィルタ55を介して出力電圧が取り出される。チャージャー回路41aの端子Tb1には、バッテリBaが接続される。すなわち、チャージャー回路41aからの出力は、バッテリBaに対する入力となる。
後述するように、各チャージャー回路からの出力電圧の値は、各チャージャー回路に接続されるバッテリの種類に応じて、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整されている。各チャージャー回路からの出力電圧の範囲は、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値が適宜選択されることにより調整される。
このように、各チャージャー回路からの出力電圧の範囲が、チャージャー回路に接続されるバッテリの種類に応じて個別にきめられるため、バッテリユニットBUに備えられるバッテリBの種類は特に限定されない。各チャージャー回路内の抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値を、接続されるバッテリBの種類に応じて適宜選択すればよいからである。
なお、図7ではフィードフォワード制御系の出力が制御用IC53の制御用端子に入力される構成を例示したが、バッテリユニットBUのCPU45が、制御用IC53の制御用端子に入力を与えるようにしてもよい。例えば、バッテリユニットBUのCPU45が、信号ラインSLを介してバッテリユニットBUに対する入力電圧に関する情報をコントロールユニットCUのCPU13から取得するようにしてもよい。コントロールユニットCUのCPU13は、電圧センサ11hや電圧センサ12gなどの測定結果から、バッテリユニットBUに対する入力電圧に関する情報を取得することが可能である。
以下、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系について説明する。
オペアンプ55の非反転入力端子に対する入力は、チャージャー回路41aへの入力電圧をkb倍(kb:数十〜百分の一程度)した電圧とされる。一方、オペアンプ55の反転入力端子b1に対する入力は、高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力電圧の下限として設定しようとする電圧Vbをkb倍した電圧である。オペアンプ55の反転入力端子b1に対する入力電圧(kb×Vb)は、例えば、CPU45から印加される。
したがって、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系は、チャージャー回路41aに対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vbよりも十分に高い電圧である場合に、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き上げる。また、チャージャー回路41aに対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vbに近づくと、フィードフォワード制御系は、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き下げる。
トランジスタ56は、図4に示すトランジスタ36と同様に、チャージャー回路41aに対する入力電圧が所定の値を超えているときに、チャージャー回路41aからの出力電圧の値が、あらかじめ設定された上限を超えないようにするために配置されている。なお、チャージャー回路41aからの出力電圧の値の範囲は、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値の組み合わせによってきまる。そのため、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値は、各チャージャー回路に接続されるバッテリBの種類に応じて調整される。
また、チャージャー回路41aは、上述したように、フィードバック制御系をも備えている。フィードバック制御系は、例えば、電流センサ54、オペアンプ57およびトランジスタ58などから構成される。
バッテリBaに供給される電流量があらかじめ設定された規定値を超えると、フィードバック制御系により、チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられ、バッテリBaに供給される電流量が制限される。フィードバック制御系による、バッテリBaに供給される電流量の制限の程度は、各チャージャー回路に接続されるバッテリBの定格にあわせてきめられる。
フィードフォワード制御系またはフィードバック制御系により、チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられると、バッテリBaに供給される電流量が制限されることになる。バッテリBaに供給される電流量が制限されると、結果として、チャージャー回路41aに接続されたバッテリBaに対する充電が減速される。
「ディスチャージャー回路のオン/オフ制御」
次に、ディスチャージャー回路のオン/オフ制御の一例について説明する。この制御は、ディスチャージャー回路におけるDC−DCコンバータをオン/オフさせる制御である。
図8に示すように、バッテリユニットBUaのバッテリBaが、スイッチSW6aを介してスイッチSW10aに接続されている。バッテリBaから放電がなされるときは、スイッチSW6aがオンされる。バッテリBaから放電がなされないときは、スイッチSW6aがオフされる。
スイッチSW10aは、接点61aまたは接点62aへの接続を切り替えるスイッチである。バッテリBaの放電時に、スイッチSW10aが接点61aに接続されるときは、バッテリBaの出力電圧が逆流防止用のダイオード63aを介してそのまま出力される。バッテリBaの放電時に、スイッチSW10aが接点62aに接続されるときは、バッテリBaの出力電圧がディスチャージャー回路42aに供給される。そして、ディスチャージャー回路42aにおけるDC−DCコンバータ44aによって、バッテリBaの出力電圧が所定電圧に変換される。変換された所定電圧がダイオード63aを介して出力される。
バッテリユニットBUbのバッテリBbが、スイッチSW6bを介して、スイッチSW10bに接続されている。バッテリBbから放電がなされるときは、スイッチSW6bがオンされる。バッテリBbから放電がなされないときは、スイッチSW6bがオフされる。
スイッチSW10bは、接点61bまたは接点62bへの接続を切り替えるスイッチである。バッテリBbの放電時に、スイッチSW10bが接点61bに接続されるときは、バッテリBbの出力電圧が逆流防止用のダイオード63bを介してそのまま出力される。バッテリBbの放電時に、スイッチSW10bが接点62bに接続されるときは、バッテリBbの出力電圧がディスチャージャー回路44bに供給される。そして、ディスチャージャー回路42bにおけるDC−DCコンバータ44a´によって、バッテリBbの出力電圧が所定電圧に変換される。変換された所定電圧がダイオード63bを介して出力される。
バッテリユニットBUcのバッテリBcが、スイッチSW6cを介して、スイッチSW10cに接続されている。バッテリBcから放電がなされるときは、スイッチSW6cがオンされる。バッテリユニットBUcから放電がなされないときは、スイッチSW6cがオフされる。
スイッチSW10cは、接点61cまたは接点62cへの接続を切り替えるスイッチである。バッテリBcの放電時に、スイッチSW10cが接点61cに接続されるときは、バッテリBcの出力電圧が逆流防止用のダイオード63cを介してそのまま出力される。バッテリBcの放電時に、スイッチSW10cが接点62cに接続されるときは、バッテリBcの出力電圧がディスチャージャー回路42cに供給される。そして、ディスチャージャー回路42cにおけるDC−DCコンバータ44a´´によって、バッテリBcの出力電圧が所定電圧に変換される。変換された所定電圧がダイオード63cを介して出力される。
スイッチSW10a、10bおよび10cは、例えば、コントロールユニットCUのCPU13の制御によって切り替えられる。スイッチSW10a、10b、10cは、独立して切り替えることができる。CPU13からの制御信号(以下、適宜、スイッチ切替信号と称する)が、共通の信号ラインSLを介して各バッテリユニットBUに供給される。各バッテリユニットBUは、スイッチ切替信号のヘッダを解析することで、自己に対するスイッチ切替信号であるか否かを判別できる。
なお、スイッチ切替信号は、各バッテリユニットBUのCPU45に供給される。そして、スイッチ切替信号に応じたCPU45の制御によって、スイッチSW10のオン/オフが切り替えられる。なお、CPU13からのスイッチ切替信号がスイッチSW10に直接、供給され、スイッチSW10のオン/オフが切り替えられるようにしてもよい。
例えば、DC−DCコンバータ44aをオフするときは、CPU13は、スイッチSW10aを接点61aに接続させるスイッチ切替信号を生成する。このスイッチ切替信号がバッテリユニットBaのCPU45に供給される。供給されたスイッチ切替信号に応じて、CPU45は、スイッチSW10aを端子61aに接続する。
DC−DCコンバータ44aをオンするときは、CPU13は、スイッチSW10aを接点62aに接続させるスイッチ切替信号を生成する。このスイッチ切替信号がバッテリユニットBaのCPU45に供給される。供給されたスイッチ切替信号に応じて、CPU45は、スイッチSW10aを端子62aに接続する。このように、スイッチSW10aを切り替えることで、DC−DCコンバータ44aをオンまたはオフすることができる。スイッチSW10bおよびスイッチSW10cを同様に制御することで、DC−DCコンバータ44a´およびDC−DCコンバータ44a´´をそれぞれオン/オフすることができる。
なお、上述したDC−DCコンバータをオン/オフする制御は一例であり、他の制御方法によってDC−DCコンバータがオン/オフされてもよい。例えば、一般のスイッチングDC−DCコンバータの中には、スイッチング動作を停止することで、DC−DCコンバータへの入力電圧をスルーして出力するものがある。このようなDC−DCコンバータの場合には、上述した出力経路を切り替える制御ではなく、スイッチング動作を停止することでバッテリの電圧をそのまま出力するようにしてもよい。
次に、MPPT制御と、電圧追従法による制御とを例にとり、それぞれの制御方式について説明した後に、本開示において実行されてもよい協調制御について説明する。
「MPPT制御」
まず、以下に、MPPT制御の概略について説明を行う。
図9Aは、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフである。図9A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。図9A中、Iscは、光照射時において、太陽電池の端子間を短絡したときの出力電流を表し、Vocは、光照射時において、太陽電池の端子間を開放したときの出力電圧を表している。IscおよびVocは、それぞれ短絡電流および開放電圧と呼ばれる。
図9Aに示すように、光照射時において、太陽電池の端子電流は、太陽電池の端子間を短絡したときが最大であり、このとき、太陽電池の端子電圧はほぼ0Vである。一方、光照射時において、太陽電池の端子電圧は、太陽電池の端子間を開放したときが最大であり、このとき、太陽電池の端子電流はほぼ0Aである。
いま、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが、図9Aに示す曲線C1で表されるとする。ここで、太陽電池に対して負荷を接続したとすると、接続される負荷の必要としている消費電力により、太陽電池から取りだされる電圧と電流がきまる。このときの太陽電池の端子電圧および端子電流の組により表される、曲線C1上の点を、太陽電池の動作点という。なお、図9Aは、動作点の位置を模式的に示したものであり、実際の動作点の位置を示すものではない。本開示の他の図における動作点に関しても、同様とする。
太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線上において動作点を変化させると、端子電圧と端子電流との積、すなわち発電電力が最大となる端子電圧Vaおよび端子電流Iaの組が見つかる。太陽電池により得られる電力が最大となる端子電圧Vaおよび端子電流Iaの組により表される点は、太陽電池の最適動作点と呼ばれる。
太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが図9Aに示す曲線C1で表されるとき、太陽電池から得られる最大の電力は、最適動作点を与えるVaとIaとの積により求められる。すなわち、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが図9Aに示す曲線C1で表されるとき、太陽電池から得られる最大の電力は、図9Aにおいて網掛けで示された領域の面積(Va×Ia)により表される。なお、(Va×Ia)を(Voc×Isc)で割った量がフィルファクタである。
最適動作点は、太陽電池に接続される負荷の必要としている電力により変化し、最適動作点を表す点PAは、太陽電池に接続される負荷の必要としている電力の変化にしたがって曲線C1上を動く。負荷の必要としている電力量が少ない場合、負荷への電流の供給は、最適動作点における端子電流よりも少ない電流で事足りる。そのため、このときの太陽電池の端子電圧の値は、最適動作点における電圧値よりも高い値になる。一方、負荷の必要としている電力量が、最適動作点で供給できる電力量よりも大きい場合には、この時点の照度で提供できる電力を超えているため、太陽電池の端子電圧が0まで低下していくものと考えられる。
図9Aに示す曲線C2およびC3は、例えば、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。例えば、図9Aに示す曲線C2は、太陽電池に対する照度が増加した場合における電圧−電流特性に対応し、図9Aに示す曲線C3は、太陽電池に対する照度が減少した場合における電圧−電流特性に対応する。
例えば、太陽電池に対する照度が増加し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C1から曲線C2に変化したとすると、最適動作点も太陽電池に対する照度の増加に伴って変化する。なお、このとき、最適動作点は、曲線C1上の点から曲線C2上の点にうつる。
MPPT制御とは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対して最適動作点を求め、太陽電池から得られる電力が最大となるように、太陽電池の端子電圧(または端子電流)を制御することにほかならない。
図9Bは、ある曲線により太陽電池の電圧−電流特性が表される場合における、太陽電池の端子電圧と太陽電池の発電電力との関係を表したグラフ(P−V曲線)である。
図9Bに示すように、最大動作点を与える端子電圧において、太陽電池の発電電力が最大値Pmaxをとるものとすると、最大動作点を与える端子電圧は、山登り法と呼ばれる手法により求めることができる。以下に説明する一連の手順は、一般的には、太陽電池と、電力系統との間に接続されるパワーコンディショナー(power conditioner)のCPUなどにより実行される。
例えば、まず、太陽電池から入力される電圧の初期値をV0として、このときの発電電力P0が計算される。次に、V1=V0+ε(ここではε>0とする。)として、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV1として、このときの発電電力P1が計算される。次に、得られたP0とP1とが比較され、P1>P0である場合には、V2=V1+εとして、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV2として、このときの発電電力P2が計算される。次に、得られたP1とP2とが比較され、P2>P1である場合には、V3=V2+εとして、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV3として、このときの発電電力P3が計算される。
ここで、P3<P2であったとすると、最大動作点を与える端子電圧は、V2とV3との間にある。このように、εの大きさを調節することにより、任意の精度で最大動作点を与える端子電圧を求めることができる。上述した手順に、二分法(bisection method algorithm)を適用してもよい。なお、太陽電池の光照射面に部分的に影ができたときなど、P−V曲線が2以上のピークを有していると単純な山登り法では対応できないため、制御プログラムに工夫が必要である。
MPPT制御によれば、太陽電池からみた負荷が常に最適になるように端子電圧が調整されるため、それぞれの気象条件下で、太陽電池から最大の電力を取り出すことができる。その一方で、最大動作点を与える端子電圧の計算にアナログ/デジタル変換(A/D変換)が必要とされるほか、計算に乗算が含まれるために、制御に時間を要してしまう。そのため、MPPT制御では、空が急に曇りだして太陽電池に対する照度が急激に変化したときなど、太陽電池に対する照度の急激な変化に対応できないときがある。
「電圧追従法による制御」
ここで、図9Aに示す曲線C1〜C3を比較すると、太陽電池に対する照度の変化(電圧−電流特性を表す曲線の変化といってもよい。)に対して、開放電圧Vocの変化は、短絡電流Iscの変化と比較して小さい。また、いずれの太陽電池もよく似た電圧−電流特性を示し、最大動作点を与える端子電圧は、結晶シリコン太陽電池の場合、開放電圧のおよそ80%の付近にあることが知られている。したがって、太陽電池の端子電圧として適当な電圧値を設定し、太陽電池の端子電圧が、その設定された電圧値となるようにコンバータの出力電流を調整すれば、太陽電池から効率よく電力を取り出せると予想される。このような電流制限による制御は、電圧追従法と呼ばれる。
以下に、電圧追従法による制御の概略を説明する。前提として、太陽電池とパワーコンディショナーとの間にスイッチング素子が配置され、太陽電池とスイッチング素子との間に電圧測定手段が配置されているものとする。また、太陽電池は、光照射がされた状態にあるものとする。
まず、スイッチング素子がオフとされ、スイッチング素子のオフから所定の時間が経過した時に、電圧測定手段により太陽電池の端子電圧が測定される。スイッチング素子のオフから太陽電池の端子電圧の測定までに所定の時間の経過を待つのは、太陽電池の端子電圧が安定するのを待つためである。このときの端子電圧は、開放電圧Vocである。
次に、測定により得られた開放電圧Vocの例えば80%の電圧値が、目標電圧値として計算され、目標電圧値がメモリなどに一時的に保持される。次に、スイッチング素子がオンとされ、パワーコンディショナー内のコンバータへの通電が開始される。このとき、太陽電池の端子電圧が、目標電圧値となるように、コンバータの出力電流が調整される。上述した一連の手順が、任意の時間間隔で実行される。
電圧追従法による制御は、MPPT制御と比較して、太陽電池により得られる電力の損失が大きいが、簡単な回路で実現でき、低コストであるため、コンバータを備えるパワーコンディショナーを、安価なものとできる。
図10Aは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対する動作点の変化を説明するための図である。図10A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図10A中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図10A中の黒丸は、電圧追従法による制御を行ったときの動作点を表している。
いま、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5であったとする。次に、太陽電池に対する照度の変化に伴い、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5からC8に順に変化したとすると、それぞれの制御方式による動作点も太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に伴って変化する。なお、太陽電池への照度の変化に対する開放電圧Vocの変化が小さいため、図10A中においては、電圧追従法による制御を行ったときの目標電圧値をほぼ一定の値Vsとみなしている。
図10Aからわかるように、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6である場合には、MPPT制御の動作点と電圧追従法による制御の動作点との間の乖離の度合いは小さい。そのため、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6である場合には、いずれの制御の場合においても、太陽電池により得られる発電電力に大きな違いはないと考えられる。
一方、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C8である場合には、MPPT制御の動作点と電圧追従法による制御の動作点との間の乖離の度合いが大きい。例えば、図10Aに示すように、MPPT制御を適用したときの端子電圧と電圧追従法による制御を適用したときの端子電圧との差△V6および△V8を比較すると、△V6>△V8となっている。そのため、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C8である場合には、MPPT制御を適用したときに太陽電池から得られる発電電力と電圧追従法による制御を適用したときに太陽電池から得られる発電電力との差は大きい。
「コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調制御」
次に、コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調制御の概略を説明する。以下、コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調(連動)による制御を、協調制御と適宜称する。
図10Bは、コントロールユニットおよび複数のバッテリユニットにより協調制御を行う制御システムの構成例を示すブロック図である。
図10Bに示すように、例えば、コントロールユニットCUには、チャージャー回路およびバッテリの組を備える1または複数のバッテリユニットBUが接続される。図10Bに示すように、1または複数のバッテリユニットBUは、電力ラインL1に対して並列に接続されている。なお、図10BではコントロールユニットCUが1つの場合を例示したが、制御システムがコントロールユニットCUを複数備える場合も同様に、1または複数のコントロールユニットCUは、電力ラインL1に対して並列に接続される。
一般的には、太陽電池から得られた電力により1台のバッテリの充電を行おうとする場合、太陽電池とバッテリとの間に介在されたパワーコンディショナーにより、上述したMPPT制御または電圧追従法による制御が実行される。該1台のバッテリには、複数のバッテリが内包されて一体として動作する物も含まれるが、該1台のバッテリは、複数のバッテリとはいえ、単一の種類からなることが一般的である。言い換えれば、上述したMPPT制御または電圧追従法による制御は、太陽電池と、1台のバッテリとの間に接続されるパワーコンディショナーの単体で実行されることが想定されている。そして、充電中における、充電の対象となるバッテリの台数、構成(並列、直列等の接続の態様)には変化がなく、充電中における、充電の対象となるバッテリの台数、構成は、一般に固定されている。
一方、協調制御においては、コントロールユニットCUおよび複数のバッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・のそれぞれが、コントロールユニットCUの出力電圧と、複数個のバッテリユニットBUの必要とする電圧とのバランスがとれるように自律的に制御を行う。上述したように、バッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・に内包されるバッテリBは、いずれの種類でもよい。すなわち、本開示によるコントロールユニットCUは、複数種のバッテリBに対する協調制御を行うことが可能とされる。
さらに、図10Bに示す構成例では、個々のバッテリユニットBUの着脱も自在であり、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに接続されるバッテリユニットBUの数も変化しうる。図10Bに示す構成例では、太陽電池の発電中において、太陽電池からみた負荷も変化しうるが、協調制御によれば、太陽電池に対する照度の変化のみならず、太陽電池の発電中における、太陽電池からみた負荷の変化にも対応が可能である。これは、従来の構成にはなかった大きな特徴の一つである。
上述したコントロールユニットCUとバッテリユニットBUとを接続することにより、コントロールユニットCUからの供給能力に応じて充電レートを動的に変化させる制御システムを構築することが可能となる。以下、協調制御の一例についての説明を行う。なお、以下の説明では、初期の状態において、コントロールユニットCUに対して1のバッテリユニットBUaが接続された制御システムを例にとるが、コントロールユニットCUに対して複数のバッテリユニットBUが接続されている場合も同様である。
例えば、コントロールユニットCUの入力側に太陽電池が、出力側にバッテリモジュールBUaが接続されているとする。また、例えば、太陽電池の出力電圧の上限が100Vであるものとし、太陽電池の出力電圧の下限を75Vに抑えたいとする。すなわち、Vt0=75Vと設定されており、オペアンプ35の反転入力端子に対する入力電圧が、(kc×75)Vであるとする。
また、コントロールユニットCUからの出力電圧の上限および下限が、例えば、48Vおよび45Vにそれぞれ設定されているものとする。すなわち、Vb=45Vと設定されており、オペアンプ55の反転入力端子に対する入力電圧が、(kb×45)Vであるとする。なお、コントロールユニットCUからの出力電圧の上限である48Vという値は、高圧入力電源回路11内の抵抗Rc1およびRc2を適宜選択することにより調整されている。言い換えれば、コントロールユニットCUからの出力の目標電圧値が、48Vに設定されているものとする。
さらに、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aからの出力電圧の上限および下限が、例えば、42Vおよび28Vにそれぞれ設定されているものとする。したがって、チャージャー回路41a内の抵抗Rb1、Rb2およびRb3は、チャージャー回路41aからの出力電圧の上限および下限がそれぞれ42Vおよび28Vとなるように選択されている。
なお、チャージャー回路41aへの入力電圧が上限であるときが、バッテリBaに対する充電レート100%である状態に対応し、入力電圧が下限であるときが、バッテリBaに対する充電レート0%である状態に対応する。すなわち、チャージャー回路41aへの入力電圧が48Vであるときが、バッテリBaに対する充電レートが100%である状態に対応し、チャージャー回路41aへの入力電圧が45Vであるときが、バッテリBaに対する充電レートが0%である状態に対応する。入力電圧が45V〜48Vの範囲で変動することに応じて、充電レートが0〜100%の範囲で設定される。
なお、協調制御とは別に、バッテリへの充電レート制御を平行して行うようにしてもよい。すなわち、充電初期では定電流充電が行われるため、チャージャー回路41aからの出力をフィードバック調整して充電電流を一定以下に保てるように充電電圧を調整し、最終段階では、充電電圧を一定以下に保つようにする。ここで、調整される充電電圧は、上記協調制御で調整された電圧以下とされる。これにより、コントロールユニットCUから供給される電力内で充電処理がなされる。
まず、太陽電池に対する照度が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。
図11Aは、太陽電池に対する照度が減少した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図11A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図11A中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図11A中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図11Aに示す曲線C5〜C8は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。
いま、バッテリBaの必要としている電力が100w(ワット)であるものとし、太陽電池の電圧−電流特性が、曲線C5(最も晴れた状態)により表されるとする。このときの太陽電池の動作点は、例えば、曲線C5上のa点により表され、太陽電池から高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力(供給量)が、バッテリBaの必要としている電力(需要量)を上回っているとする。
太陽電池からバッテリBaに供給される電力が、バッテリBaの必要としている電力を上回っている場合、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧(電圧V12)は、上限の48Vとなる。すなわち、バッテリユニットBUaへの入力電圧が上限の48Vであるため、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aからの出力電圧が上限の42Vとされ、バッテリBaに対する充電が、充電レート100%で行われる。なお、余剰分の電力は、例えば、熱などとして捨てられる。なお、バッテリへのチャージを100%で行うよう説明したが、バッテリへのチャージは100%に限定されず、充電レートは、バッテリの特性に応じて適宜調整が可能である。
この状態から空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線は、曲線C5から曲線C6へと変化する。空が曇りだすことにより、太陽電池の端子電圧が徐々に低下し、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧も徐々に低下する。したがって、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5から曲線C6へと変化することに伴い、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C6上のb点にうつる。
この状態からさらに空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6から曲線C7へと変化し、太陽電池の端子電圧が徐々に低下することに伴って、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧も低下する。コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧がある程度低下すると、制御システムは、バッテリBaに対して100%の電力を供給できなくなってくる。
ここで、太陽電池の端子電圧が、100Vから、下限であるVt0=75Vに近づいてくると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaに対する出力電圧を、48VからVb=45Vに向けて引き下げはじめる。
コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧が引き下げられると、バッテリユニットBUaへの入力電圧が低下するため、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aは、バッテリBaに対する出力電圧を引き下げはじめる。チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられると、バッテリBaに供給される充電電流が減少されることとなり、チャージャー回路41aに接続されたバッテリBaに対する充電が減速される。すなわち、バッテリBaに対する充電レートが引き下げられる。
バッテリBaに対する充電レートが引き下げられると、消費電力が低下することになるため、太陽電池からみた負荷が小さくなる。すると、太陽電池からみた負荷の減少分だけ太陽電池の端子電圧が上昇(回復)する。
太陽電池の端子電圧が上昇すると、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧の引き下げの度合いが減少し、バッテリユニットBUaへの入力電圧が上昇する。バッテリユニットBUaへの入力電圧が上昇することにより、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aは、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き上げ、バッテリBaに対する充電レートを引き上げる。
バッテリBaに対する充電レートが引き上げられると、太陽電池からみた負荷が大きくなり、太陽電池からみた負荷の増加分だけ太陽電池の端子電圧が低下する。太陽電池の端子電圧が低下すると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaに対する出力電圧を引き下げる。
以後、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧が、ある値に収束して電力の需要量と供給量との間のバランスのとれるまで、上述した充電レートの調整が自動的に繰り返される。
協調制御は、MPPT制御とは異なり、ソフトウェアによる制御ではない。そのため、協調制御には、最大動作点を与える端子電圧の計算が不要である。また、協調制御による充電レートの調整においては、CPUによる計算が介在しない。そのため、協調制御は、MPPT制御と比較して消費電力が小さく、上述した充電レートの調整も、数ナノ秒〜数百ナノ秒程度と短時間で実行される。
また、高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aは、自身に対する入力電圧の大きさを検知して出力電圧を調整するだけなので、アナログ/デジタル変換も不要であり、コントロールユニットCUとバッテリユニットBUaとの間の通信も不要である。したがって、協調制御は、複雑な回路を必要とせず、協調制御を実現するための回路は、小さなものとなる。
ここで、曲線C5上の点aにいたときはコントロールユニットCUが100wの電力を供給できていたと仮定し、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧がある値に収束したとする。すなわち、太陽電池の動作点が、例えば、曲線C7上のc点にうつったとする。このとき、バッテリBaに対して供給される電力は100wを下回ることとなるが、図11Aに示すように、電圧Vt0の値の選び方によっては、MPPT制御行った場合と比較しても遜色のない電力をバッテリBaに対して供給することができる。
さらに空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線は、曲線C7から曲線C8へと変化し、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C8上のd点にうつる。
図11Aに示すように、協調制御のもとでは、電力の需要量と供給量との間のバランスが調整されるので、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回ることはない。すなわち、協調制御のもとでは、太陽電池に対する照度が極端に低下した場合であっても、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回ることはない。
太陽電池に対する照度が極端に低下した場合、太陽電池の端子電圧が、電圧Vt0に近い値となり、バッテリBaに対して供給される電流量は、ごくわずかなものとなる。したがって、太陽電池に対する照度が極端に低下した場合には、バッテリBaの充電に時間を要することとなるが、制御システムにおける電力の需要量と供給量との間のバランスがとれているため、制御システムがダウンすることはない。
上述したように、協調制御による充電レートの調整は、非常に短時間で実行されるため、協調制御によれば、急に空が曇りだして太陽電池に対する照度が急激に減少した場合であっても、制御システムのダウンを回避することができる。
次に、太陽電池からみた負荷が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。
図11Bは、太陽電池からみた負荷が増加した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図11B中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図11B中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。
いま、太陽電池に対する照度の変化がないものとし、太陽電池の電圧−電流特性が、図11Bに示す曲線C0により表されるとする。
制御システムの起動の直後においては、制御システム内部の電力消費がほぼないと考えられるため、太陽電池の端子電圧は、開放電圧にほぼ等しいと考えてよい。したがって、制御システムの起動の直後における太陽電池の動作点は、例えば、曲線C0上のe点にあるものと考えてよい。なお、このときのコントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧は、上限である48Vと考えてよい。
バッテリユニットBUaに接続されたバッテリBaに対する電力の供給が開始されると、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C0上のg点にうつる。なお、本例の説明においては、バッテリBaの必要としている電力が100wであるため、図11Bに網掛けで示す領域S1の面積は、100wに等しい。
太陽電池の動作点が曲線C0上のg点にあるときの制御システムの状態は、太陽電池から高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力が、バッテリBaの必要としている電力を上回っている状態である。したがって、太陽電池の動作点が曲線C0上のg点にあるときの太陽電池の端子電圧、コントロールユニットCUからの出力電圧およびバッテリBaに供給される電圧は、それぞれ100V、48Vおよび42Vである。
ここで、バッテリユニットBUaと同様の構成を備えるバッテリユニットBUbが、コントロールユニットCUに対して新たに接続されたとする。バッテリユニットBUaに接続されているバッテリBaと同様に、バッテリユニットBUbに接続されているバッテリBbが、充電のために100wの電力を必要とするものとすると、消費電力が増加し、太陽電池からみた負荷が急激に大きくなる。
合計で200wの電力を2つのバッテリに供給するためには、例えば、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aおよびバッテリユニットBUbのチャージャー回路41bからの出力電圧を維持させたまま、出力電流の合計を2倍にしなければならない。
ところが、発電装置が太陽電池である場合、チャージャー回路41aおよび41bからの出力電流の増加に伴って太陽電池の端子電圧も低下してしまうため、太陽電池の動作点がg点にあるときと比較して、出力電流の合計を2倍より大きくする必要がある。そうすると、図11Bに示すように、太陽電池の動作点が、例えば、曲線C0上のh点になければならないこととなり、太陽電池の端子電圧が極端に低下してしまう。太陽電池の端子電圧が極端に低下すると、制御システムがダウンするおそれがある。
協調制御では、バッテリユニットBUbが新たに接続されたことにより、太陽電池の端子電圧が低下すると、制御システムにおける電力の需要量と供給量との間のバランスの調整がなされる。具体的には、バッテリBaおよびバッテリBbに供給される電力が合計で例えば150wとなるように、2つのバッテリに対する充電レートが自動的に引き下げられる。
すなわち、バッテリユニットBUbが新たに接続されたことにより、太陽電池の端子電圧が低下すると、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧も低下する。太陽電池の端子電圧が、100Vから、下限であるVt0=75Vに近づいてくると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧を、48VからVb=45Vに向けて引き下げはじめる。
コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧が引き下げられると、バッテリユニットBUaおよびBUbへの入力電圧が低下する。
すると、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aおよびバッテリユニットBUbのチャージャー回路41bは、バッテリBaおよびBbに対する出力電圧をそれぞれ引き下げはじめる。チャージャー回路からの出力電圧が引き下げられると、チャージャー回路に接続されたバッテリに対する充電が減速される。すなわち、それぞれのバッテリに対する充電レートが引き下げられることになる。
それぞれのバッテリに対する充電レートが引き下げられると、全体として消費電力が低下することになるため、太陽電池からみた負荷が小さくなり、太陽電池からみた負荷の減少分だけ太陽電池の端子電圧が上昇(回復)する。
以後、太陽電池に対する照度が急激に減少した場合と同様にして、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧が、ある値に収束して電力の需要量と供給量との間のバランスのとれるまで、充電レートの調整が行われる。
なお、実際に収束する電圧値がいくつになるかは状況によって異なる。そのため、実際に収束する電圧値ははっきりとはわからないが、太陽電池の端子電圧が下限であるVt0=75Vになると充電がなされなくなるため、下限であるVt0の値よりは若干高い電圧で収束するものと推定される。また、個々のバッテリユニットは連動制御されていないため、個々のバッテリユニットが同じ構成であっても、使用される素子のばらつきにより充電レートは異なっているものと推測される。ただし、結果として全体を協調制御できることに変わりはない。
協調制御による充電レートの調整が非常に短時間で実行されるため、バッテリユニットBUbが新たに接続されると、太陽電池の動作点は、曲線C0上のg点からi点へとうつる。なお、図11Bにおいては、説明の都合上、曲線C0上に太陽電池の動作点の一例としてh点を図示したが、協調制御のもとでは、太陽電池の動作点が実際にh点にうつるわけではない。
このように、協調制御では、太陽電池からみた負荷の増加に対して、個々のバッテリユニットBUのチャージャー回路が、自身に対する入力電圧の大きさを検知して、個々のバッテリユニットBUのチャージャー回路が、自身の吸いこむ電流量を自動的に抑制する。協調制御によれば、コントロールユニットCUに対して接続されるバッテリユニットBUの数が増加して太陽電池からみた負荷が急激に増加した場合であっても、制御システムのダウンを回避することができる。
次に、太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。
図12は、太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図12中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図12中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図12に示す曲線C5〜C8は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。
まず、コントロールユニットCUに対して、充電のために100wの電力を必要とするバッテリBaを備えたバッテリユニットBUaが接続されているものとする。また、このときの太陽電池の電圧−電流特性が、曲線C7により表され、太陽電池の動作点が、曲線C7上のp点により表されるとする。
図12に示すように、p点における太陽電池の端子電圧が、太陽電池の出力電圧の下限としてあらかじめ設定された電圧Vt0にかなり近づいているとする。太陽電池の端子電圧が電圧Vt0にかなり近づいていることは、制御システムにおいて、協調制御による充電レートの調整が実行され、充電レートが非常に抑えられていることを意味する。すなわち、太陽電池の動作点が図12に示すp点により表される状態では、チャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力が、太陽電池から高圧入力電源回路11に供給される電力を大幅に上回っていることを示している。したがって、太陽電池の動作点が図12に示すp点により表される状態においては、充電レートの調整が大きくなされ、バッテリBaを充電するチャージャー回路41aに対しては、100wよりもかなり小なる電力が供給されている。
次に、太陽電池に対する照度が増加し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C7から曲線C6へと変化したとする。また、バッテリユニットBUaと同様の構成を備えるバッテリユニットBUbが、コントロールユニットCUに対して新たに接続されたとする。このとき、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C7上のp点から、曲線C6上のq点にうつる。
コントロールユニットCUに対して2つのバッテリユニットが接続されたことにより、チャージャー回路41a、41bがバッテリBa、Bbにフルで充電する際の消費電力は200wとなるが、太陽電池に対する照度が十分でない場合、協調制御が継続され、消費電力が、200w未満(例えば150wなど)に調整される。
次に、空が晴れあがるなどして、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C6から曲線C5へと変化したとする。このとき、太陽電池に対する照度の増加に伴って太陽電池の発電電力が増加してくると、太陽電池からの出力電流が増加する。
太陽電池に対する照度が十分に増加し、太陽電池の発電電力がさらに増加すると、あるところで太陽電池の端子電圧が電圧Vt0と比較して十分大きい値となる。太陽電池から高圧入力電源回路11ならびにチャージャー回路41aおよび41bを介して2つのバッテリに供給される電力が、2つのバッテリを充電するのに必要としている電力を上回ると、協調制御による充電レートの調整が緩和されるか、自動的に解除される。
このとき、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C5上のr点で表され、個々のバッテリBaおよびBbに対する充電は、100%の充電レートで行われる。
次に、太陽電池に対する照度が減少し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5から曲線C6へと変化したとする。
すると、太陽電池の端子電圧が低下し、太陽電池の端子電圧があらかじめ設定された電圧Vt0に近づくと、協調制御による充電レートの調整が再び実行される。このときの太陽電池の動作点は、曲線C6上のq点で表される。
次に、太陽電池に対する照度がさらに減少し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C6から曲線C8へと変化したとする。
すると、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回らないように充電レートが調整されるため、太陽電池からの端子電流が減少し、太陽電池の動作点が、曲線C6上のq点から、曲線C8上のs点にうつる。
協調制御では、個々のバッテリユニットBUに対する入力電圧があらかじめ定められた電圧Vt0を下回らないように、コントロールユニットCUと個々のバッテリユニットBUとの間で電力の需要量と供給量との間のバランスが調整される。したがって、協調制御によれば、個々のバッテリユニットBUからみた入力側の供給能力に応じて、個々のバッテリBに対する充電レートをリアルタイムで変化させることができる。このように、協調制御によれば、太陽電池に対する照度の変化のみならず、太陽電池からみた負荷の変化に対しても対応が可能である。
上述したように、本開示は、商用電源を必要としない。したがって、電源装置や電力網が整備されていない地域においても、本開示は有効である。
「放電制御の第1の例」
ところで、上述したように、DC−DCコンバータが動作すると、DC−DCコンバータで電力が消費される。本開示では、この点を考慮し、必要に応じてDC−DCコンバータをオン/オフさせる。
始めに、一つのバッテリユニットで放電させる第1の例について説明する。図13に示すように、コントロールユニットCUに対してバッテリユニットBUaと外部機器とが接続されている。バッテリユニットBUaは、DC−DCコンバータ44aおよびバッテリBaを含む構成とされる。バッテリユニットBUaの詳細な構成については、図示を簡略化している。なお、図13ではバッテリユニットBUaのみ図示しているが、これは、放電するバッテリユニットがバッテリユニットBaのみであることを示している。充電するバッテリユニットや予備電源としてのバッテリユニットがコントロールユニットCUに接続されていても構わない。
コントロールユニットCUとバッテリユニットBUaとが電力ラインL2を介して接続されている。電力ラインL2には、カソード側がコントロールユニット側に、アノード側がバッテリユニットBUa側になるように、ダイオード61aが接続されている。ダイオード61aによって、バッテリユニットBUaのバッテリBaに逆バイアスがかかることが防止される。図13において点線で示すように、コントロールユニットCUからバッテリユニットBUaに対してスイッチ切替信号が供給される。
コントロールユニットCUには、電力ラインL3を介して外部機器が接続されている。外部機器は、例えば、DC電圧をAC電圧に変換するインバータ70である。コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUaから供給されるDC電圧を、電力ラインL3を介してインバータ70に供給する。なお、コントロールユニットCUとインバータ70との間で通信が可能とされるようにしてもよい。
コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUaのバッテリBaの出力電圧を取得する。コントロールユニットCUは、例えば、バッテリユニットBUaと通信を行うことでバッテリBaの出力電圧を取得する。コントロールユニットCUのメモリ15に、バッテリユニットBUaの識別子(ID)と出力電圧とが対応付けられて記憶されてもよい。コントロールユニットCUは、通信によりバッテリユニットBUaのIDを取得する。そして、IDに対応する出力電圧をメモリ15から読み出すことで、出力電圧を取得するようにしてもよい。バッテリユニットBU毎のIDを使用して、ネットワークに接続されるサーバなどから、IDに対応する出力電圧を取得するようにしてもよい。取得電圧を取得する方法は、適宜、変更できる。出力電圧は、バッテリBaの種類や接続のされ方によって異なる。この例では、バッテリBaの出力電圧が40Vまたは100Vの場合について説明する。
コントロールユニットCUは、外部機器が対応する電圧の範囲を取得する。コントロールユニットCUは、例えば、インバータ70が対応する入力電圧範囲を取得する。コントロールユニットCUは、例えば、通信によりインバータ70の入力電圧範囲を取得する。インバータ70の入力電圧範囲がメモリ13に記憶され、メモリ13から入力電圧範囲を読み出すようにしてもよい。入力電圧範囲を取得する方法は、適宜、変更できる。この例では、入力電圧範囲が例えば、DC35VからDC50Vの範囲に設定されている。
以下に例示する放電制御は、例えば、コントロールユニットCUにおけるCPU13によって実行される。放電制御は、例えば、バッテリユニットBUaから放電を開始させる前に実行される。
始めに、CPU13は、バッテリBaの出力電圧とインバータ70の入力可能電圧とを比較する。バッテリBaの出力電圧が40Vである場合は、バッテリBaの出力電圧がインバータ70の入力可能電圧の範囲内である。この場合には、CPU13は、DC−DCコンバータ44aをオフさせる制御を行う。すなわち、CPU13は、スイッチSW10aを接点61aに接続するスイッチ切替信号を生成する、生成されたスイッチ切替信号がバッテリユニットBUaのCPU45に供給される。CPU45は、供給されたスイッチ切替信号に応じて、スイッチSW10aを接点61aに接続する。
CPU13は、コントロールユニットCUにおけるスイッチSW2およびスイッチSW3をオンする。続いて、CPU13は、CPU45に対する放電指示の制御信号を供給する。CPU45は、自分宛ての放電指示の制御信号に応じて、スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオンする。スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオンされることで、バッテリBaが放電される。バッテリBaの出力電圧がDC−DCコンバータ44aを経由しないで、そのままバッテリユニットBUaから出力される。つまり、バッテリユニットBUaから40VのDC電圧がそのまま出力される。バッテリユニットBUaから出力されたDC電圧がコントロールユニットCUを介してインバータ70に供給される。DC−DCコンバータ44aを経由しないため、DC−DCコンバータ44aが動作することに伴う電力の損失が発生しない。
バッテリBaの出力電圧が100Vである場合は、バッテリBaの出力電圧がインバータ70の入力可能電圧の範囲外である。この場合には、CPU13は、DC−DCコンバータ44aをオンさせる制御を行う。すなわち、CPU13は、スイッチSW10aを接点62aに接続するスイッチ切替信号を生成する。生成されたスイッチ切替信号がバッテリユニットBUaのCPU45に供給される。CPU45は、供給された自分宛てのスイッチ切替信号に応じて、スイッチSW10aを接点62aに接続する。
CPU13は、コントロールユニットCUにおけるスイッチSW2およびスイッチSW3をオンする。続いて、CPU13は、CPU45に対する放電指示の制御信号を供給する。CPU45は、自分宛ての放電指示の制御信号に応じて、スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオンする。スイッチSW6aおよびスイッチSW8aをオンされることで、バッテリBaが放電される。
バッテリBaからの出力電圧が接点62aを介して、ディスチャージャー回路42aに供給される。そして、出力電圧がディスチャージャー回路42aのDC−DCコンバータ44aに供給される。DC−DCコンバータ44aによって、出力電圧が所定電圧に変換される。出力電圧が、例えば、48VのDC電圧に降圧される。48VのDC電圧がバッテリユニットBUaからコントロールユニットCUを介してインバータ70に供給される。DC−DCコンバータ44aが動作することで、インバータ70が対応する電圧を生成することができる。このように、外部機器が対応する電圧に応じて、DC−DCコンバータ44aをオンまたはオフさせることができる。
「放電制御の第2の例」
次に、放電制御の第2の例について説明する。図14に示すように、コントロールユニットCUに対して、バッテリユニットBUa、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcが接続されている。電力のやりとりがなされるラインを実線で示し、制御信号のやりとりがなされる態様を点線で示している。なお、上述したように、制御信号は共通の信号ラインSLを介して伝送される。
コントロールユニットCUには、外部機器の一例であるインバータ70が接続されている。なお、以下の説明する例では、バッテリBaの出力電圧が40Vとし、バッテリBbの出力電圧が45Vとし、バッテリBcの出力電圧が60Vとして説明する。さらに、インバータ70の入力電圧範囲が35V〜50Vの範囲として説明する。
図15を参照して、放電制御の第2の例について説明する。時刻t0のタイミングより前には、全てのバッテリユニットが出力停止とされている。時刻t0のタイミングで、コントロールユニットCUに対してインバータ70が接続され、インバータ70からコントロールユニットCUに対して放電要求がなされる。コントロールユニットCUのCPU13は、放電要求に応じて例えば、バッテリユニットBUaに対する放電指示の制御信号を出力する。バッテリユニットBUaは、自分宛ての放電指示の制御信号に応じてバッテリBaを放電させる。
ここで、バッテリBaの出力電圧は40Vであり、インバータ70の入力電圧範囲の範囲内である。したがって、コントロールユニットCUは、DC−DCコンバータ44aをオフする。DC−DCコンバータ44aがオフされることで、バッテリBaの出力電圧がバッテリユニットBUaからそのまま出力される。なお、この制御は、放電制御の第1の例における制御と同様であるので、重複した説明を省略する。時刻t0のタイミングでは、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcからの放電はなされない。つまり、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcは、出力停止の状態とされている。
所定時間が経過し、タイミングが時刻t0から時刻t1に遷移する。時刻t1でバッテリBaの放電を停止させる必要が生じる。例えば、バッテリBaの残容量が低下した場合や、バッテリBaに異常が生じた場合などにバッテリBaを停止させる必要がある。通常このような場合には、外部機器をオフし、外部機器を他のバッテリユニットにつなぎ替え、外部機器を再起動する必要がある。このような一連の処理を行うために大幅は時間を要していた。本開示のシステムでは、複数のバッテリユニットBUを接続でき、さらに、複数のバッテリユニットBUを独立して制御できる。このため、あるバッテリユニットBUが放電できない状態になった場合でも、他のバッテリユニットBUを放電させることで外部機器に対する電力の供給を継続できる。
コントロールユニットCUは、放電処理を行うバッテリユニットを、バッテリユニットBUaからバッテリユニットBUbに切り替える。このとき、コントロールユニットCUは、バッテリBbの出力電圧を取得する。バッテリBbの出力電圧が予め取得されるようにしてもよい。ここで、バッテリBbの出力電圧(45V)は、インバータ70の入力電圧範囲の範囲内である。したがって、コントロールユニットCUは、DC−DCコンバータ44a´をオフする。処理の詳細は、放電制御の第1の例と同様の処理である。
コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUbに放電指示の制御信号を出力する。放電指示の制御信号に応じて、バッテリユニットBUbのバッテリBbから放電がなされる。DC−DCコンバータ44a´がオフされているため、バッテリユニットBUbから45VのDC電圧が出力される。バッテリユニットBUaの出力電圧が低下しているため、電圧が高いバッテリユニットBUb側の出力電圧が、コントロールユニットCUを介してインバータ70に供給される。ダイオード63aが接続されているため、バッテリユニットBUbからの出力電圧は、バッテリユニットBUaのバッテリBaおよびバッテリユニットBUcのバッテリBcに影響しない。
本例では、電圧が40Vから45Vに上がる場合で説明したが、バッテリユニットBUbが先に放電されていて、次にバッテリユニットBUaを後から起動する場合には、電圧が45Vから40Vに下がることになる。しかし、この場合でも、ダイオード63aが接続されているため問題がない。
時刻t2のタイミングで、コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUaに対する放電停止の制御信号を出力する。放電停止の制御信号に応じて、バッテリBaからの放電が停止され、バッテリユニットBUaが出力停止の状態とされる。このようにして、切り替え先のバッテリユニットのバッテリを最大効率で放電させることができる。
放電処理を行うバッテリユニットを、バッテリユニットBUaからバッテリユニットBUcに切り替えるようにしてもよい。この場合には、バッテリBcの出力電圧がインバータ70の入力電圧範囲外である。したがって、バッテリユニットBUcから放電するときは、コントロールユニットCUは、DC−DCコンバータ44a´´をオンしてから、バッテリBcを放電させる制御を行う。
バッテリユニットBUを切り替える際に、DC−DCコンバータをオンさせてもよい。図16に示すように、t1のタイミングでバッテリユニットBUaのDC−DCコンバータ44aをオンする。DC−DCコンバータ44aがオンされることで、バッテリBaの出力電圧が、例えば、48VのDC電圧に変換される。変換されたDC電圧がバッテリユニットBUaから出力される。
コントロールユニットCUは、バッテリBUbのDC−DCコンバータ44a´をオンする。そして、コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUbに放電指示の制御信号を出力する。放電指示の制御信号に応じて、バッテリBaから放電がなされる。DC−DCコンバータ44a´がオンされていることから、バッテリBaの出力電圧が、例えば、48VのDC電圧に変換される。変換されたDC電圧が、バッテリユニットBUbから出力される。
時刻t2のタイミングで、コントロールユニットCUは、バッテリユニットBUaに対して放電停止の制御信号を出力する。放電停止の制御信号に応じて、バッテリBaからの放電が停止される。そして、効率を向上させた放電を行うため、コントロールユニットCUは、DC−DCコンバータ44a´をオフする制御を行う。
このように、バッテリユニットBUaおよびバッテリユニットBUbから出力される出力電圧を一旦、所定電圧に揃えるようにしてもよい。これにより、コントロールユニットCUに対して供給される電圧が、バッテリユニットBUaの出力電圧からバッテリユニットBUbの出力電圧に急に切り替わることを防止できる。
なお、コントロールユニットに接続される外部機器の入力電圧範囲が決まっており、バッテリユニットのバッテリの出力電圧が入力電圧範囲の範囲内であれば、処理を単純化してもよい。すなわち、1のバッテリユニットから放電するときは、そのバッテリユニットのDC−DCコンバータをオフする。複数のバッテリユニットから放電するときは、全てのバッテリユニットのDC−DCコンバータをオンするようにしてもよい。
一方で、負荷であるインバータ70は多少の電圧変動では問題なく動作し続ける前提で説明しているが、負荷によっては大きすぎる電圧変動に追従できない場合がある。そのような場合にも、DC−DCコンバータを介して切替調整することで大幅な電圧電動を抑えることができる。例えば、上述の例では、バッテリBaの出力電圧を40Vとし、バッテリBcの出力電圧を60Vとして説明している。出力先をバッテリBaからバッテリBcに切り替える場合には20Vの電圧変動がある。しかし、例示した48VのDC−DCコンバータを介することで、8Vおよび12Vの電圧変動でそれぞれ切り替えることができ、変動量を抑えることができる。
<2.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。実施形態における構成、数値、材料などは全て一例であり、例示した構成等に限定されることはない。例示した構成等は、技術的矛盾が生じない範囲において、適宜、変更することができる。
制御システムにおけるコントロールユニットおよびバッテリユニットが携帯可能とされてもよい。上述した制御システムが、例えば、自動車や家屋などに適用されてもよい。
なお、本開示は、以下の構成をとることもできる。
(1)
バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得する取得部と、
前記出力電圧と前記電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記バッテリユニットを制御する制御部と
を有する制御装置。
(2)
前記制御部は、
前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内である場合に、前記出力電圧が出力されるように前記バッテリユニットを制御し、
前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外である場合に、前記出力電圧が変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力されるように前記バッテリユニットを制御する
(1)に記載の制御装置。
(3)
前記バッテリユニットは、前記バッテリの出力電圧が出力される第1の経路と、前記バッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第2の経路と、前記第1の経路および前記第2の経路を切り替えるスイッチとを有し、
前記制御部は、
前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内である場合に、前記バッテリが前記第1の経路に対して接続されるように前記スイッチを制御し、
前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外である場合に、前記バッテリが前記第2の経路に対して接続されるように前記スイッチを制御する
(1)または(2)に記載の制御装置。
(4)
前記変換部が、昇圧型または降圧型のDC−DCコンバータである(1)乃至(3)のいずれか1に記載の制御装置。
(5)
バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得し、
前記出力電圧と前記電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記バッテリユニットを制御する
制御装置における制御方法。
(6)
第1のバッテリおよび第1の変換部を有する第1のバッテリユニットと、第2のバッテリおよび第2の変換部を有する第2のバッテリユニットと、外部機器とに対して接続可能とされ、
放電するバッテリを前記第1のバッテリから前記第2のバッテリに切り替える切替部と、
前記第2のバッテリの出力電圧と前記外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、前記出力電圧がされる、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記第2のバッテリユニットを制御する制御部と
を有する制御装置。
(7)
前記制御部は、
前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内であれば、前記出力電圧が出力されるように前記第2のバッテリユニットを制御し、
前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外であれば、前記出力電圧が前記第2の変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力されるように前記第2のバッテリユニットを制御する
(6)に記載の制御装置。
(8)
前記第1のバッテリユニットは、前記第1のバッテリの出力電圧が出力される第1の経路と、前記第1のバッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第2の経路と、前記第1の経路および前記第2の経路を切り替える第1のスイッチとを有し、
前記第2のバッテリユニットは、前記第2のバッテリの出力電圧が出力される第3の経路と、前記第2のバッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第4の経路と、前記第3の経路および前記第4の経路を切り替える第2のスイッチとを有し、
前記制御部は、
前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内であれば、前記第2のバッテリが前記第3の経路に対して接続されるように前記第2のスイッチを制御する第1の制御を行い、
前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外であれば、前記第2のバッテリが前記第4の経路に対して接続されるように前記第2のスイッチを制御する第2の制御を行う
(6)または(7)に記載の制御装置。
(9)
前記第1のバッテリが前記第1の経路に接続されている場合に、前記制御部は、前記第1のバッテリが前記第2の経路に接続されるように前記第1のスイッチを制御した後に、前記第1の制御または前記第2の制御を行う(8)に記載の制御装置。
(10)
前記制御部は、前記第1のスイッチを制御した後に前記第1の制御を行う場合に、前記2のバッテリが前記第4の経路に接続されるように前記第2のスイッチを制御した後に、前記第2のバッテリが前記第3の経路に接続されるように前記第2のスイッチを制御する(9)に記載の制御装置。
(11)
前記第1のバッテリの出力電圧および前記第2のバッテリの出力電圧が、互いに異なる(6)乃至(10)のいずれか1に記載の制御装置。
(12)
放電するバッテリを、第1のバッテリユニットが有する第1のバッテリから第2のバッテリユニットが有する第2のバッテリに切り替え、
前記第2のバッテリの出力電圧と外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記第2のバッテリユニットを制御する
制御装置における制御方法。
1・・・・制御システム
11・・・・高圧入力電源回路
12・・・・低圧入力電源回路
13・・・・CPU
41a・・・・チャージャー回路
44a・・・・DC−DC
CU・・・・コントロールユニット
BU・・・・バッテリユニット
Ba・・・・バッテリ

Claims (12)

  1. バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得する取得部と、
    前記出力電圧と前記電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記バッテリユニットを制御する制御部と
    を有する制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内である場合に、前記出力電圧が出力されるように前記バッテリユニットを制御し、
    前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外である場合に、前記出力電圧が変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力されるように前記バッテリユニットを制御する
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記バッテリユニットは、前記バッテリの出力電圧が出力される第1の経路と、前記バッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第2の経路と、前記第1の経路および前記第2の経路を切り替えるスイッチとを有し、
    前記制御部は、
    前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内である場合に、前記バッテリが前記第1の経路に対して接続されるように前記スイッチを制御し、
    前記出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外である場合に、前記バッテリが前記第2の経路に対して接続されるように前記スイッチを制御する
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記変換部が、昇圧型または降圧型のDC−DCコンバータである請求項2に記載の制御装置。
  5. バッテリユニットにおけるバッテリの出力電圧と、外部機器が対応する電圧の範囲とを取得し、
    前記出力電圧と前記電圧の範囲とを比較し、比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記バッテリユニットを制御する
    制御装置における制御方法。
  6. 第1のバッテリおよび第1の変換部を有する第1のバッテリユニットと、第2のバッテリおよび第2の変換部を有する第2のバッテリユニットと、外部機器とに対して接続可能とされ、
    放電するバッテリを前記第1のバッテリから前記第2のバッテリに切り替える切替部と、
    前記第2のバッテリの出力電圧と前記外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、前記出力電圧がされる、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記第2のバッテリユニットを制御する制御部と
    を有する制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内であれば、前記出力電圧が出力されるように前記第2のバッテリユニットを制御し、
    前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外であれば、前記出力電圧が前記第2の変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力されるように前記第2のバッテリユニットを制御する
    請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記第1のバッテリユニットは、前記第1のバッテリの出力電圧が出力される第1の経路と、前記第1のバッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第2の経路と、前記第1の経路および前記第2の経路を切り替える第1のスイッチとを有し、
    前記第2のバッテリユニットは、前記第2のバッテリの出力電圧が出力される第3の経路と、前記第2のバッテリの出力電圧が前記変換部によって所定電圧に変換され、該所定電圧が出力される第4の経路と、前記第3の経路および前記第4の経路を切り替える第2のスイッチとを有し、
    前記制御部は、
    前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲内であれば、前記第2のバッテリが前記第3の経路に対して接続されるように前記第2のスイッチを制御する第1の制御を行い、
    前記第2のバッテリの出力電圧が前記電圧の範囲の範囲外であれば、前記第2のバッテリが前記第4の経路に対して接続されるように前記第2のスイッチを制御する第2の制御を行う
    請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記第1のバッテリが前記第1の経路に接続されている場合に、前記制御部は、前記第1のバッテリが前記第2の経路に接続されるように前記第1のスイッチを制御した後に、前記第1の制御または前記第2の制御を行う請求項8に記載の制御装置。
  10. 前記制御部は、前記第1のスイッチを制御した後に前記第1の制御を行う場合に、前記2のバッテリが前記第4の経路に接続されるように前記第2のスイッチを制御した後に、前記第2のバッテリが前記第3の経路に接続されるように前記第2のスイッチを制御する請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記第1のバッテリの出力電圧および前記第2のバッテリの出力電圧が、互いに異なる請求項6に記載の制御装置。
  12. 放電するバッテリを、第1のバッテリユニットが有する第1のバッテリから第2のバッテリユニットが有する第2のバッテリに切り替え、
    前記第2のバッテリの出力電圧と外部機器が対応する電圧の範囲との比較結果に応じて、前記出力電圧が出力される、または、前記出力電圧が変換されて出力されるように、前記第2のバッテリユニットを制御する
    制御装置における制御方法。
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