JP2013095908A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Takeshi Nakatsuji
毅 仲辻
Akihito Yoshiie
彰人 吉家
Takeshi Kaneda
健 金田
Kazumitsu Futami
和光 二見
Yoshiro Imai
吉郎 今井
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Abstract

【課題】 樹脂材料に金属粉末を添加して樹脂組成物を形成するにあたって、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制する。
【解決手段】 本発明に係る樹脂組成物は、水アトマイズ法により形成された金属粉末が樹脂に添加されてなる。したがって、本発明に係る樹脂組成物では、金属粉末が添加されているため、樹脂のみからなる樹脂組成物と比較して、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。また、本発明に係る樹脂組成物では、金属粉末が水アトマイズ法により形成されているため、金属粉末の表面におけるアンカー効果が高まり、また、金属粉末の比表面積が大きくなり、さらに、金属粉末の表面自由エネルギーが高くなるため、樹脂と金属粉末との接着性が向上され、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制することが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂材料中に樹脂の機械的強度を低下させることのない金属粉末を添加してなる樹脂組成物に関する。
従来、樹脂に金属粉末を添加して樹脂組成物を形成することによって、樹脂組成物の熱伝導性や耐摩耗性を向上する技術が知られている(特許文献1参照)。
ここで、上記樹脂組成物では、樹脂と金属粉末との親和性が低いことにより、樹脂と金属粉末との接着性が低下し、樹脂組成物の機械的強度が低下する恐れがある。
そこで、従来、カップリング剤を介して樹脂と金属粉末との結合を行うことにより、樹脂と金属粉末との接着性を向上する技術が知られている(特許文献2参照)。この技術では、カップリング剤として、分子中において、金属と親和性・反応性を有する加水分解基及び樹脂と化学結合する有機官能基を有する化合物を用いる。そして、金属粉末の表面にカップリング剤を塗布する処理を行った後に、金属粉末を樹脂に添加することによって、樹脂と金属粉末との接着性を向上している。
特開平2−53850号公報 特開2003−171577号公報
しかしながら、上記カップリング剤を介して金属粉末と樹脂材料との結合を行う技術では、工程管理が難しく、金属粉末に対して塗布されるカップリング剤の厚みにばらつきが生じ易い。したがって、金属粉末に対してカップリング剤を均一に塗布することが難しく、樹脂組成物において機械的強度の不均一が生じ、結果として、樹脂組成物の機械的強度が低下する恐れがある。また、金属粉末の種類に応じたカップリング剤の選定が難しい。さらに、樹脂組成物を製造するにあたって、処理工程及びコストが増加する。
本発明の課題は、樹脂材料に金属粉末を添加して樹脂組成物を形成するにあたって、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制することにある。
上記目的を達成するために、第一の発明に係る樹脂組成物は、水アトマイズ法により形成された金属粉末が樹脂に添加されてなることを特徴とする。
第一の発明に係る樹脂組成物では、金属粉末が添加されていることによって、樹脂のみからなる樹脂組成物と比較して、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。
ここで、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、形状が不規則形状(ポーラス状)となる。これにより、金属粉末の表面におけるアンカー効果が高まり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。
また、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、形状が不規則形状となることにより、他の方法により形成された金属粉末と比較して、比表面積が大きくなる。これにより、金属粉末と樹脂との接着面積が大きくなり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。ここで、他の方法とは、機械粉砕法、ガスアトマイズ法、電解法等をいう。
さらに、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、上記他の方法により形成された金属粉末と比較して、表面自由エネルギーが高く、濡れ性が高くなる。これにより、金属粉末の表面と樹脂との密着性が高まり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。
したがって、第一の発明に係る樹脂組成物によれば、樹脂と金属粉末との接着性が向上されることにより、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制することが可能となる。
以上のように、第一の発明に係る樹脂組成物によれば、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制しつつ、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。
第二の発明に係る樹脂組成物は、第一の発明に係る樹脂組成物において、前記金属は、磁性体金属であることを特徴とする。
第二の発明に係る樹脂組成物では、磁性体金属が添加されていることによって、磁気特性を付与することが可能となる。
第三の発明に係る樹脂組成物は、第一の発明に係る樹脂組成物において、前記金属は、Cuであることを特徴とする。
第三の発明に係る樹脂組成物では、Cuが添加されていることによって、Cuが放出するイオンによる殺菌作用を付与ことが可能となる。ここで、Cuが放出するイオンによる殺菌作用とは、Cuイオンが細菌内に取り込まれて、細菌内の酵素の阻害を引き起こす作用、Cuイオンの触媒作用により活性酸素が生成されて、生成された活性酸素が殺菌する作用等をいう。
本発明によれば、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制しつつ、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂中に、該樹脂の機械的強度を低下させることのない金属粉末が添加されて形成される。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を添加しても構わない。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、造核剤、滑剤、離型剤、強化材(ガラス繊維、炭素繊維等)、摺動材、着色剤等を添加しても構わない。特に、添加剤(熱伝導助剤)としてビスマスを添加することによって、樹脂組成物の熱伝導性(熱伝導率)を向上することが可能となる。
さらに、本発明に係る樹脂組成物では、樹脂と金属粉末との結合にカップリング剤を用いても構わない。
(樹脂について)
本発明に係る樹脂組成物を形成する樹脂としては、1種類の樹脂、又は、複数種類の樹脂を混合して用いる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、ポリオレフィン等が挙げられる。
汎用プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、熱硬化性エラストマー等が挙げられる。
(金属粉末について)
本発明に係る樹脂組成物を形成する金属粉末としては、1種類の金属粉末、又は、複数種類の金属粉末を混合して用いる。金属粉末を形成する金属としては、銅(Cu)、鉄(Fe)、銀(Ag)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、錫(Sn)、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ステンレス(SUS)、セレン(Se)、テルル(Te)、白金(Pt)、コバルト(Co)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、錫(Sn)これらの合金等、各種の金属を用いることができる。
特に、本発明に係る樹脂組成物の形成に用いる金属粉末としては、水アトマイズ法によって形成された金属粉末を用いる。
水アトマイズ法では、金属を融解させた溶湯をタンディッシュに貯留して、この溶湯をタンディッシュの底部から流出させる。そして、タンディッシュの底部から流出する溶湯に高圧水(ジェット流)を噴射することによって、溶湯を粉砕して液滴として凝固させて金属粉末が形成される。
金属粉末の粒径は、3μm〜30μm、好ましくは5μm〜20μmとする。また、金属粉末の表面酸素量は、2%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下とする。
そして、樹脂組成物における金属粉末の混合割合(重量%)は、10%〜80%、好ましくは10%〜70%、さらに好ましくは10%〜50%とする。
(樹脂組成物の作用効果)
本発明に係る樹脂組成物では、金属粉末が添加されていることによって、樹脂のみからなる樹脂組成物と比較して、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。
特に、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の磁性体金属の金属粉末を添加することによって、磁気特性を樹脂組成物に対して付与することが可能となる。
また、銅(Cu)の金属粉末を添加することによって、Cuが放出するイオンによる殺菌作用を樹脂組成物に対して付与することが可能となる。ここで、Cuが放出するイオンによる殺菌作用とは、Cuイオンが細菌内に取り込まれて、細菌内の酵素の阻害を引き起こす作用、Cuイオンの触媒作用により活性酸素が生成されて、生成された活性酸素が殺菌する作用等をいう。
さらに、本発明に係る樹脂組成物では、水アトマイズ法により形成された金属粉末が添加されていることによって、以下の作用効果を奏することが可能となる。
すなわち、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、形状が不規則形状(ポーラス状)となる。これにより、金属粉末の表面におけるアンカー効果が高まり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。
また、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、形状が不規則形状となることにより、他の方法により形成された金属粉末と比較して、比表面積が大きくなる。これにより、金属粉末と樹脂との接着面積が大きくなり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。ここで、他の方法とは、機械粉砕法、ガスアトマイズ法、電解法等をいう。
さらに、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、上記他の方法により形成された金属粉末と比較して、表面自由エネルギーが高く、濡れ性が高くなる。これにより、金属粉末の表面と樹脂との密着性が高まり、樹脂と金属粉末との接着性を向上することができる。
ここで、水アトマイズ法により形成された直後の金属粉末は、表面が活性化状態となっており、その表面に接触した物質に対して強い酸化・還元作用を発揮する。そこで、水アトマイズ法により形成された金属粉末は、窒素ガス、アルゴン、炭酸ガス、真空中に封じ込めて、表面の活性化状態を維持することが好ましい。これにより、樹脂と金属粉末との接着性をさらに向上することが可能となる。
そして、本発明に係る樹脂組成物では、樹脂と金属粉末との接着性が向上されることにより、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明に係る樹脂組成物によれば、樹脂組成物の機械的強度の低下を抑制しつつ、熱伝導性、電気伝導性、電磁シールド性、耐摩耗性を向上することが可能となる。
本発明に係る樹脂組成物は、バッテリーケース、ブレーキディスク、ギア、回路筐体、モーター用コイルのボビン、磁気軸受、磁気健康器具等の例示のほか多用途に適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(1)引張試験
実施例として、本発明に係る樹脂組成物によりJIS(K7162)に規定された1A形の試験片を形成した。そして、形成した試験片について、JIS(K7161)に準拠した引張試験を行った。
なお、試験片の標点間距離は50mm、試験片の全長は289mm、試験片の端部の幅は20mm、試験片の厚さは3mm、試験速度は50mm/min、つかみ具間の初めの距離(支点間距離)は180mmとした。
実施例に係る試験片として、表1に示すように、PA66樹脂にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片1a‐1〜9、PA66樹脂にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片1b‐1〜8、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片1c‐1〜5、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片1d‐1〜8、PA6樹脂にCF及びCuの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片1e‐1〜5、PA6樹脂にCF及びCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片1f‐1〜5、PP樹脂にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片1g‐1〜7、PP樹脂にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片1h‐1〜6、PA66樹脂(1300S)にS45Cの金属粉末を添加した試験片1i‐1〜4、PA66樹脂(1300S)に混合金属粉末(SUS+S45C)を添加した試験片1j‐1〜4、PA66樹脂(1300S)にSUS(錆)の金属粉末を添加した試験片1k‐1〜12を形成した。
また、比較例に係る試験片として、PA6樹脂(CFを添加)に金属粉末が添加されていない試験片1x‐1〜2、PA66樹脂(1300S)に金属粉末が添加されていない試験片1y‐1〜3、PA66樹脂(1300S)にCu(電解)の金属粉末を添加した試験片1z‐1〜12を形成した。
なお、実施例及び比較例において、「CF」は炭素繊維を示し、「1300S」は、レオナ(登録商標)1300S(旭化成ケミカルズ社製)を示し、「S45C」は、機械構造用炭素鋼を示す。また、「SUS」は、SUS410を示し、「SUS(錆)」は、SUS410であって、その表面を腐食(錆)させたものを示す。ここで、SUSの金属粉末の表面酸素量は、0.52%、SUS(錆)の金属粉末の表面酸素量は、1.64%となっている。さらに、「Cu(電解)」とは、電解法によって形成されたCuの金属粉末(粒径4.0〜6.0μm、表面酸素量0.05〜0.3%)を示す。
各試験片について行った引張試験の結果を表1に示す。
ここで、最大引張応力は、最大引張荷重を試験片の初期の断面積で除した値である。また、伸びとは、最大引張応力時の伸びをいう。さらに、破断点つかみ具間伸びは、破断時のつかみ具間の距離の増加量をつかみ具間の初めの距離で除した値である。
試験片1a‐1〜9の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表2に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表3に示す。なお、表2及び表3では、試験片1a‐1〜9の引張試験の結果を、試験片1y‐1〜3及び試験片1k‐1〜12の引張試験の結果と比較して表示している。
試験片1b‐1〜8の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表4に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表5に示す。なお、表4及び表5では、試験片1b‐1〜8の引張試験の結果を、試験片1y‐1〜3及び試験片1z−1〜12の引張試験の結果と比較して表示している。
試験片1c‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表6に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表7に示す。
試験片1d‐1〜8の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表8に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表9に示す。
試験片1e‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表10に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表11に示す。
試験片1f‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と最大引張応力(MPa)との関係を表12に示し、混合割合(%)と破断点つかみ具間伸び(mm)との関係を表13に示す。
一般的に、樹脂に金属粉を添加して形成された樹脂組成物では、金属粉の添加量が増加するほど、最大引張応力が低下する。
これに対して、本実施例では、表1等に示すように、金属粉の添加量(混合割合)の増加に対する最大引張応力の低下が抑制されている。
また、実施例に係る試験片1a〜1bの最大引張応力は、比較例に係る試験片1yの最大引張応力と同等となっている。さらに、実施例に係る試験片1c〜1fの最大引張応力は、比較例に係る試験片1xの最大引張応力と同等となっている。
(2)曲げ試験
実施例として、本発明に係る樹脂組成物により試験片を形成して、JIS(K7171)に準拠した曲げ試験を行った。
なお、試験片の幅は20mm、試験片の厚さは3mm、支点間距離は48mm、圧子の半径は5mm、支持台の半径は2mm、試験速度は2mm/minとした。
実施例に係る試験片として、表14に示すように、PA66樹脂にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片2a‐1〜9、PA66樹脂にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片2b‐1〜8、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片2c‐1〜5、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片2d‐1〜8、PA6樹脂にCF及びCuの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片2e‐1〜5、PA6樹脂にCF及びCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片2f‐1〜5、PP樹脂にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片2g‐1〜7、PP樹脂にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片2h‐1〜6、PA66樹脂(1300S)にS45Cの金属粉末を添加した試験片2i‐1〜4、PA66樹脂(1300S)に混合金属粉末(SUS+S45C)を添加した試験片2j‐1〜4、PA66樹脂(1300S)にSUS(錆)の金属粉末を添加した試験片2k‐1〜12を形成した。
また、比較例に係る試験片として、また、比較例に係る試験片として、PA6樹脂(CFを添加)に金属粉末が添加されていない試験片2x‐1〜2、PA66樹脂(1300S)に金属粉末が添加されていない試験片2y‐1〜3、PA66樹脂(1300S)にCu(電解)の金属粉末を添加した試験片2z‐1〜12を形成した。
各試験片について行った曲げ試験の結果を表14に示す。
試験片2a‐1〜9の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表15に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表16に示す。なお、表15及び表16では、試験片2a‐1〜9の引張試験の結果を、試験片2y‐1〜3及び試験片2k‐1〜12の引張試験の結果と比較して表示している。
試験片2b‐1〜8の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表17に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表18に示す。なお、表17及び表18では、試験片2b‐1〜8の引張試験の結果を、試験片2y‐1〜3及び試験片2z‐1〜12の引張試験の結果と比較して表示している。
試験片2c‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表19に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表20に示す。
試験片2d‐1〜8の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表21に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表22に示す。
試験片2e‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表23に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表24に示す。
試験片2f‐1〜5の引張試験の結果について、混合割合(%)と曲げ強さ(MPa)との関係を表25に示し、混合割合(%)と曲げ弾性率(MPa)との関係を表26に示す。
一般的に、樹脂に金属粉を添加して形成された樹脂組成物では、金属粉の添加量が増加するほど、曲げ応力が低下する。
これに対して、本実施例では、表14等に示すように、金属粉の添加量(混合割合)の増加に対する曲げ応力の低下が抑制されている。
また、曲げ弾性率は、金属粉の添加量(混合割合)に関わらず、ほぼ一定となっている。
(3)熱伝導率試験
実施例として、本発明に係る樹脂組成物により試験片を形成して、ASTM1530(定常熱流計法)に準拠して熱伝導率を算出した。
実施例に係る試験片として、表27に示すように、PA66樹脂(1500)にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片3a〜3d、PA66樹脂(1500)にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片3e〜3i、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片3j〜3k、PA66樹脂(1300S)にSUSの金属粉末(粒径5μm)及びCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片3l、PA66樹脂(1300S)にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片3m〜3o、PA6樹脂にCF及びSUSの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片3p〜3q、PA6樹脂にCF及びCuの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片3r〜3s、PP樹脂にSUSの金属粉末(粒径15μm)を添加した試験片3t、PP樹脂にCuの金属粉末(粒径5μm)を添加した試験片3u〜3xを形成した。
なお、実施例及び比較例において、「1500」は、レオナ(登録商標)1500(旭化成ケミカルズ社製)を示す。
各試験片について計測した熱伝導率を表27に示す。
本実施例では、表27に示すように、金属粉の添加量(混合割合)の増加するほど、熱伝導率が上昇している。

Claims (3)

  1. 水アトマイズ法により形成された金属粉末が樹脂に添加されてなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記金属は、磁性体金属であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記金属は、Cuであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。

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