JP2013094964A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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宏昭 白川
Yuhei Oikawa
悠平 及川
Hironori Ishii
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Abstract

【課題】 顔料分散体、及び外添ポリマーの種類によっては、顔料の分散剤を起因とした堆積物の影響を考慮して駆動エネルギーを最適化したとしても、インクの吐出速度を一定に保つことができない場合がある。
【解決手段】 駆動エネルギーを供給することでインクを吐出する熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた記録ヘッドを走査して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、まず記録データに基づいて、吐出周波数を算出する。そして、吐出周波数に応じて、記録ヘッドに供給する駆動エネルギーを決定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法に関する。
インクジェット記録装置、特にプロッタのような大型のインクジェット記録装置において、記録画像の堅牢性(耐候性)への要求への高まりから、インク中の色材として、水に不溶性の色材、例えば顔料を用いたインクが採用されたモデルが増えている。
染料インクと異なり顔料インクでは、顔料粒子を樹脂等の分散剤により水中に分散して設けられている。そのためヒータの生じる熱によりインクを膜沸騰させて吐出するサーマル型インクジェット記録装置を用いて、このような顔料インクで記録動作を行うと、分散剤が破壊されて分散破壊物を生じ、これがヒータ上に堆積してしまう。このようにヒータ上に堆積物があると効率的に熱がインクに伝わらなくなり、インクの吐出速度が変化してしまうことが知られている。インクの吐出速度を一定に保つことができないと、記録動作中に色むらが発生することになり、画像品位の低下を引き起こすことになる。
特許文献1には、インク吐出部の駆動回数に応じて、駆動エネルギーの最適化を行うことで長期間にわたって吐出性能を安定的に維持できることが開示されている。
特開2004−330714号公報
近年、さらなる記録画像性能向上を達成するために、インクの高機能化が進められ、新たな顔料分散体の選択、及び付加する画像性能に応じて様々なポリマーを添加することが検討されている。
このような顔料分散体、及び外添ポリマーの種類によっては、引用文献1のように堆積物の影響を考慮して駆動エネルギーを最適化して記録動作を行ったとしても、インクの吐出速度を一定に保つことができない懸念があることがわかっている。
そこで、本願発明はインクにどのような顔料分散体および外添ポリマーが添加されていたとしても、最適な駆動エネルギーを用いて駆動することができる、信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
本発明のインクジェット記録装置は、駆動エネルギーを供給することでインクを吐出する熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた記録ヘッドを走査して記録媒体に記録を行い、記録データに基づいて、吐出周波数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された前記吐出周波数に応じて、前記記録ヘッドに供給する駆動エネルギーを決定する駆動エネルギー決定手段と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、最適な駆動エネルギーを供給することができ、安定した記録動作を行うことのできる信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することが出来る。
本発明のインクジェット記録装置の構成を示す外観斜視図である。 (a)本発明の記録ヘッドの構成を示す外観斜視図である。(b)記録ヘッド用基板を模式的に示した外観斜視図である。(c)エネルギー発生素子1つの回路構成を示す回路図である。 本発明のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 (a)インクAのK値と吐出速度の関係を示す図である。(b)インクAの吐出周波数と吐出速度の関係を示す図である。 (a)インクBのK値と吐出速度の関係を示す図である。(b)インクBの吐出周波数と吐出速度の関係を示す図である。 吐出周波数と最適なK値との関係を示す図である。 (a)1回の走査領域を複数のブロックに分割することを説明する図である。(b)第1の実施形態における駆動エネルギーの決定処理を示すフローチャートである。 (a)第2の実施形態における駆動エネルギーの決定処理を示すフローチャートである。(b)記録モードとK値との関係を示す表である。 予備吐出時の吐出周波数とK値との関係を示す図である。
以下添付図面を参照して本発明を適用可能な実施形態を説明する。
<記録装置概要>
図1は本発明に適用可能なインクジェット記録装置(以下、プリンタとも記す)の外観斜視図を示す。いわゆるシリアルスキャン型のプリンタであり、記録媒体Pの搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に記録ヘッドをスキャン(主走査)して画像を形成するものである。図1を用いてこのプリンタの構成および記録時の動作の概略を説明する。まず不図示の給紙モータ5とギヤを介して駆動される同じく不図示の給紙ローラーによって、記録媒体Pを保持しているスプール6より記録媒体Pが搬送される。一方、所定の搬送位置において不図示のキャリッジモータ3によりキャリッジユニット2を当該搬送方向と直交する方向に延在するガイドシャフト8に沿ってスキャンさせる。そして、このスキャンの過程で、エンコーダ7によって得られる位置信号に基づいたタイミングでキャリッジユニット2に着脱自在に装着される記録ヘッド9(後述)のインク吐出口(ノズル)から吐出動作を行わせる。そして、ノズル配列範囲に対応した一定のバンド幅を記録する。その後、記録媒体Pの搬送を行い、さらに次のバンド幅について記録を行う構成となっている。このようなプリンタでは、各スキャン間でバンド幅分の記録媒体搬送を行う場合もあるし、必要に応じて、1スキャン毎にバンド幅分の搬送を行わず、複数回スキャンを行ってから搬送を行う場合もある。また1スキャン毎に所定のマスクで間引かれたデータを記録してから1/nバンド前後の紙送りを行い、再度スキャンを行うことによって一画像領域に対し記録に関与するノズルを異ならせた複数回のスキャンと搬送とによって画像を完成させる方法行ってもよい。記録ヘッド9に対しては、吐出駆動のための信号パルスやヘッド温調用信号などを供給するためのフレキシブル配線基板が取り付けられている。フレキシブル基板の他端は、本プリンタの制御を実行する制御回路を備えた制御回路(後述)に接続されている。なお、キャリッジモータ3からキャリッジユニット2への駆動力の伝達には、キャリッジベルトを用いることができる。しかしキャリッジベルトの代わりに、例えばキャリッジモータ3により回転駆動され、主走査方向に延在するリードスクリュと、キャリッジユニット2に設けられ、リードスクリュの溝に係合する係合部とを具えたものなど、他の駆動方式を用いることも可能である。送給された記録媒体Pは、不図示の給紙ローラーとピンチローラーとに挟持搬送されて、プラテン4上の記録位置(記録ヘッド9の主走査領域)に導かれる。通常休止状態では記録ヘッド9のフェース面にはキャッピングが施されているため、記録に先立ってキャップを開放して記録ヘッド9ないしキャリッジユニット2をスキャン可能状態にする。その後、1スキャン分のデータがバッファに蓄積されたらキャリッジモータ3によりキャリッジユニット2をスキャンさせ、上述のように記録を行う。
<記録ヘッド>
図2(a)は、前記プリンタのキャリッジユニット2に搭載される記録ヘッド9を、インクが吐出される方向から示した発明に適用可能な記録ヘッドの模式的な外観斜視図である。ここで、記録ヘッド9には、主走査方向Sに異なる色調(色、濃度を含む)のインクを並置する。例えば、ブラック(Bk)、ライトシアン(Lc)、シアン(C)、ライトマゼンタ(Lm)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のインクを吐出可能な複数の記録ヘッド用基板50(11〜16)を並置できる。記録ヘッド用基板50のインク供給口56には、インク導入部23から記録ヘッド9内部のインク流路を介してインクが供給される。インク導入部23にはインクタンクより供給チューブを介してインクが導入される。これらのインクは、顔料粒子を樹脂等の分散剤等を調整して水中に分散して設けられた顔料インクである。インクの種類に応じて、使用される顔料が異なるため、顔料分散体、及び外添ポリマーの種類及び添加量は色に応じて異なっている。
図2(b)は記録ヘッド用基板50の模式的な外観斜視図である。記録ヘッド用基板50は、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子52を備えたシリコンからなる基体51と、基体51の上に設けられた流路部材54と、を有している。流路部材54は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物で設けることができ、液体を吐出するためのノズル55と、ノズル55に連通する流路59とを構成している。流路壁部材14に設けられたノズル55は、供給口56に沿って所定のピッチで列をなすように2列設けられている。ノズル55に対応するように設けられたエネルギー発生素子52は、所定のピッチで配列されることで素子列を構成しており、インク供給口56を挟んで2列設けられている。
エネルギー発生素子の素子列は互いに、半ピッチずらして配置することで、所望の記録解像度を実現している。ここで、記録ヘッド用基板11〜16のそれぞれについて同じ記録密度およびノズル数とすることもできるし、異なる記録密度およびノズル数とすることもできる。本実施形態では、記録ヘッド用基板11〜16では各インクとも1cmあたり約470ノズルの密度で1280個のノズルが配列されている。
このようなエネルギー発生素子52は、通電することで発熱する材料(例えばTaSiNやWSiNなど)からなり、インクなどの吐出に用いられる液体との絶縁を図るために、SiN等のシリコン化合物などの絶縁性材料からなる絶縁層で被覆されている。さらに吐出のための液体の発泡、収縮に伴うキャビテーション衝撃などからエネルギー発生素子52を保護するために、絶縁層の上にタンタル等からなる耐キャビテーション層を設けることもできる。
供給口56から供給されたインクは流路59に運ばれ、さらに電圧が印加され通電されることでエネルギー発生素子52が発生する熱エネルギーによってインクが膜沸騰することで気泡が生じる。このときに生じる圧力によりインクが、ノズル55から吐出されることで、記録動作が行われる。
なお、本例ではエネルギー発生素子52が基体51に対して垂直方向にインクを吐出させる方式の吐出部を用いているが、平行な方向にインクを吐出させる形態の吐出部を用いるものでもよい。
図2(c)は1つのエネルギー発生素子52について模式的に示した回路図である。エネルギー発生素子52には、駆動するタイミングのON/OFFを制御するためのスイッチとして用いられるMOS−FET等のスイッチ素子60と、VH電源とGNDH電源とに接続されている。スイッチ素子60で通電がONされることにより、エネルギー発生素子52に駆動パルス(電圧パルス)が印加されインクが吐出される。
<制御系の構成例>
図3は本発明に適用可能なプリンタの制御回路の構成例を示す。図3において、101はプログラマブル・ペリフェラル・インターフェース(以下PPIとする)であり、ホストコンピュータ100から送られてくる指令信号(コマンド)や記録データを含む記録情報信号を受信してMPU102に転送する。さらに、101は、ホストコンピュータ100に対しては必要に応じプリンタのステータス情報を送出する。また、ユーザーがプリンタに対して各種設定を行う設定入力部やユーザーに対してメッセージを表示する表示部などを有したコンソール106との間で入出力を行う。さらに、キャリッジユニット2ないし記録ヘッド9がホームポジションにあることを検出するホームポジションセンサや、キャッピングセンサなどを含むセンサー群107よりの信号入力を受容する。MPU(マイクロプロセッシングユニット)102は、制御用ROM105に記憶された処理手順、設定に対応した制御プログラムに従って、プリンタ内の各部を制御する。103は受信した信号を格納し、あるいはMPU102のワークエリアとして使用され、また各種データを一時的に記憶するためのRAMである。104はフォント発生用ROMで、コード情報に対応して文字や記録等のパターン情報を記憶しており、入力したコード情報に対応して各種パターン情報を出力する。121はRAM103等に展開された記録データを記憶するためのプリントバッファであって、M行記録分の容量を持つ。記憶手段として用いられる制御用ROM105には上記制御プログラムのほか、本発明における吐出周波数の検出や駆動エネルギーの設定に必要なデータを含む各種データを格納しておくことができる。データとしては、例えばマルチパス記録を行う際の記録パス数や、キャリッジ速度、記録ヘッドの高さ設定、記録媒体単位面積あたりのインクの打ち込み量、記録方向がある。またその他、マルチパス記録を行う際に適用されるデータ間引き用のマスク種類や、記録ヘッド9の駆動条件(たとえばエネルギー発生素子52に印加する駆動パルスの形状,印加時間等)、ドットのサイズ、記録媒体搬送の条件がある。これらの各部は、アドレスバス117およびデータバス118を介して、MPU102により制御される。114〜116は、それぞれ、キャッピングモータ113、キャリッジモータ3および給紙モータ5をMPU102の制御に応じて駆動するためのドライバである。109はシートセンサであり、記録媒体Pの有無、すなわち記録媒体Pが記録ヘッド9による記録が可能な位置に供給されたか否かを検知する。111は記録情報信号に応じて記録ヘッド9のエネルギー発生素子52を駆動制御するためのドライバ部を示している。120は上記各部へ電源を供給する電源部であり、駆動電源装置としてACアダプタと電池とを有している。記録情報信号を供給するホストコンピュータ100からなる記録システムでは、ホストコンピュータ100よりパラレルポート、赤外線ポート、あるいはネットワーク等を介して記録データ送信する際、その先頭部分に所要のコマンドが付加される。そのコマンドとしては、例えば記録の行われる記録媒体の種類(普通紙,OHPシート,光沢紙等の種類や、さらには転写フィルム,厚紙,バナー紙等の特殊な記録媒体の種別)、媒体サイズ(A0判,A1判,A2判,B0判,B1判,B2判など)がある。さらに、記録品位(ハヤイ,標準,キレイ,特定色の強調,モノクローム/カラーの種別など)、給紙経路(プリンタが備える記録媒体の送給手段の形態や種類に応じて定められる。例えばロール紙,手差しなど)、およびオブジェクトの自動判別の有無などがある。これらのコマンドに従って、プリンタ側では前述したROM105から記録に必要なデータを読み込み、それらのデータに基づいて記録を行う。
<駆動エネルギー量>
エネルギー発生素子52に印加する駆動パルスの幅をPとし(複数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、印加する電圧をV、ヒータの抵抗をRとすると、エネルギー発生素子52への投入エネルギーEは、
E=PxV^2/R (1)
と表わすことができる。
つまり、このようなエネルギー発生素子52への投入エネルギーは、駆動パルスの幅または、印加する電圧を調整することで変えることができる。
つまり長期間記録動作を行うことで、顔料インク中の分散剤が破壊されてエネルギー発生素子上に堆積物(コゲとも称する)が発生し、効率的にエネルギー発生素子52の発生したエネルギーがインクの吐出に用いられなくなったことを仮定する。このような場合でも駆動パルスの幅または、印加する電圧を増やすことで投入エネルギーを増やし、一定の吐出速度および吐出量を確保することができる。
次に、インクを吐出するために最小限必要なエネルギー発生素子に投入するエネルギーをEthとし、実際に駆動を行う時のエネルギー発生素子を安定に駆動するために投入するエネルギーをEopとすれば、
r=Eop/Eth (2)
という式が求められる。
このようなEthの求め方を以下に示す。
1 駆動パルスの幅を一定にして印加する電圧を変更することで投入エネルギーを調整している場合
最初に、吐出口からインクを吐出可能な、適当な印加電圧を見つけて駆動し吐出が行われていることを確認する。次に、徐々に電圧を下げてゆき、吐出が止まる電圧を見つける。この電圧の直前の電圧が、吐出可能な最小電圧がインクの吐出に最低限必要なエネルギーEthを供給するための電圧Vthとなる。
このときの実際に駆動で使用されている電圧をVopとすれば、式(2)のr値は、
r=(Vop/Vth) (3)
で求めることができる。
2 電圧を常に一定にして駆動パルスの幅を変更することで投入エネルギーを調整している場合。
最初に、吐出口からインクを吐出可能な、適当なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々にパルス幅を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つける。このパルス幅の直前のパルス幅が、インクの吐出に最低限必要なエネルギーEthを供給するための最小パルス幅Pthとなる。
このとき実際に駆動で使用されているパルス幅をPopとすれば、式(2)のr値は、
r=Pop/Pth (4)
で求めることができる。
なお式(3)と式(4)とから、同一r値においては、Vの2乗とPは反比例するように見える。しかし実際はパルス波形が矩形でないことや、エネルギー発生素子周辺の基板への熱拡散が異なることや、電圧が異なるとエネルギー発生素子からインクへの熱流束が異なり発泡状態が変化する等のインクジェット特有の現象がある。そのため、Vの2乗とPとの関係は単純な反比例ではない。そのため、上記(3)(4)で述べた方法は、それぞれ独立した例として扱う必要がある。
以下説明する実施形態においては、駆動エネルギー量を表す指標値としては上記r値をベースとし以下定義されるK値という表現を用いるものとする。
K値=√(r)=√(Eop/Eth)
なお式(3)からK値は、駆動パルス幅が一定である場合の、インクを吐出するために最小限必要なエネルギー発生素子に投入する最小の駆動電圧に対する、実際に安定した記録動作を行うためにエネルギー発生素子に投入する電圧の比を示す指標値ともいえる。
(第1の実施形態)
顔料インクは主に顔料分散体、外添ポリマー、溶剤、界面活性剤より構成される。このうち、顔料分散体、外添ポリマーの選択によってはインク吐出時の吐出挙動が大きく変わる事が確認された。
図4、図5に、本発明に好適な顔料分散体が異なる(添加ポリマーは共通)2種類のインク(インクA、インクB)の特性の例を示す。両図中(a)は、K値(横軸)を変化させた際の吐出速度の変化(縦軸)を2種類の吐出周波数に関して示しおり、両図中(b)は、吐出周波数の変化(横軸)に対する吐出速度の変化(縦軸)を3種類のK値に関して示している。
図4(a)においてインクAの2種類の吐出周波数の特性を比較する。低周波数(100Hz)ではK値が1.06以下の領域において吐出速度が低下しており、高周波数(10kHz)駆動においてはK値1.15以下の領域において吐出速度が低下していることがわかる。
画像のむらを防止するためには、吐出周波数に応じて指標値であるK値を選択し、このK値に対応させて、エネルギー発生素子に投入する投入エネルギーEopを変更することで吐出速度低下を回避することができる。
画像に対する吐出速度変動の許容度は、プリンタの使用目的、使われ方等で一概には言えないが、1m/s以上吐出速度が変動すると、顕著にむらが視認されるようになるため制御を行うことが好ましい。所望の吐出速度を12m/sとすると、11m/s〜13m/sとなるように制御を行う必要がある。図4(a)からインクAは、100kHzの吐出周波数の場合は、K値が1.04未満となると、吐出速度が吐出速度変動許容幅外となってしまうため、K値が1.04以上の範囲で駆動することが必要である。そして、10kHzの吐出周波数の場合は、K値が1.13未満となると、吐出速度が吐出速度変動許容幅外となってしまうため、K値が1.13以上の範囲で駆動することが必要であることがわかる。
また、同様に図5(a)からインクBは、100kHzの吐出周波数の場合は、K値が1.13未満となると、吐出速度が吐出速度変動許容幅外となってしまうため、K値が1.13以上の範囲で駆動することが必要である。そして、10kHzの吐出周波数の場合は、K値が1.21未満となると、吐出速度が吐出速度変動許容幅外となってしまうため、K値が1.21以上の範囲で駆動することが必要であることがわかる。
次に、K値における吐出周波数と吐出速度との関係を図4(b)図5(b)に示す図を参照して説明する。図4(b)図5(b)ではK値(1.05、1.17、1.25)の3種類における吐出周波数と吐出速度を示している。
インクAにおいては吐出周波数を上げると500Hz付近まで急峻に吐出速度が低下し、その後5kHz付近にかけてゆるやかに低下していることがわかる。
インクBにおいては吐出周波数を上げると500Hz付近まで急峻に吐出速度が低下し、その後10kHz付近にかけてゆるやかに低下していることがわかる。
次に、エネルギー発生素子52に供給するエネルギーEopと記録ヘッドの寿命について説明する。
実際にエネルギー発生素子52に投入するエネルギーEopとK値とは、K値=√(Eop/Eth)との関係を有するため、Eopを大きくすれば、確実にインク滴が吐出し、インクの吐出速度も確保することができる。
しかしながら、エネルギー発生素子Eopを必要以上に多く供給すると、エネルギー発生素子52を被覆する絶縁層や耐キャビテーション層に必要以上の熱エネルギーがかかることになり、耐キャビテーション層の酸化が進むことになる。耐キャビテーション層は酸化するとインク中に溶解してしまうため、インクを吐出する際のキャビテーションで絶縁層が破損することになる。つまり、正常に記録動作を行えなくなり記録ヘッドを使用できる期間(寿命)が短くなってしまう。
図4(a)の例を用いて具体的に説明する。
インクAで低周波数(10kHz)での最適な駆動エネルギー(K値=1.13)を供給して、高周波数(100kHz)の記録動作を行ったとする。この場合は、インク吐出速度は吐出速度変動許容幅内であるため、所望の位置にインクを着弾させることができるが、必要以上の駆動エネルギーを供給していることになり、耐キャビテーションの酸化が早くすすみ記録ヘッド寿命の低下を招くことになる。
一方、高周波数(100kHz)での最適な駆動エネルギー(K値=1.04)を供給して、低周波数(10kHz)での記録動作を行ったとする。この場合は、インク吐出速度は吐出速度変動許容幅をはずれるため、所望の位置にインクを着弾させることができず、むらなどの画像劣化を生じることになる。
つまりエネルギー発生素子52に投入するエネルギーEop(すなわちK値)は、周波数毎に適宜設定することにより、インクの吐出速度を確保しつつ、記録ヘッドの寿命を延ばすことができるといえる。
また、図5(a)のインクBの場合は、インクAとはまた異なっていることから、インク種類が異なる場合でも、エネルギーEopを変更する必要がある。
こうしたインクAおよびインクBの特性をもとに、吐出周波数(横軸)毎の最適なK 値の例を図6に示す。
図6は吐出周波数(横軸)毎の最適なK値をプロットした表を示している。例えば、インクAの場合には、500Hzまでの吐出速度の急峻な変化に対応してK値が大きくなるように制御し、その後5kHzまでは吐出速度変化は緩やかになるためそれに合せてK値の変化量は多少小さくなるように設定することが好ましいといえる。そして吐出周波数が5kHz以上の領域では吐出速度の低下が見られないためK値は1.13に固定することが好ましいといえる。なお、図6では図4(b)図5(b)に示すような3種類のK値の結果に基づいて変曲点間を補完して作成した表であるが、これに限られるものでなく、実際の特性に追随しさらに細かく設けることができる。
このような吐出周波数とK値との関係を、予め記憶手段として用いられる制御用ROM105等に記憶させておくことで、記録動作時の周波数に応じて最適なK値を選択することができる。そして、K値に応じた最適な駆動エネルギーを用いて駆動することで、インクにどのような顔料分散体および外添ポリマーが添加されていたとしても、最適な駆動エネルギーを用いて駆動することができ、色むらが発生しない記録動作をおこなうことができる。
またエネルギー発生素子52への最適なエネルギーEopを投入する際には、駆動電圧もしくは駆動パルスのどちらを調整してもよい。
吐出周波数に応じて最適なK値(最適エネルギーEop)を用いて記録を行う際の制御を、フローチャートを用いて説明する。
本実施形態においては、キャリッジを1回走査(1パス)する際に記録する領域を所定幅のブロック毎に分割し、各ブロック毎における吐出周波数を基に最適なK値を設定する制御を説明する。
図7(a)はブロック分割イメージ図である。記録ヘッドの走査方向に対して所定走査幅ごとに分割している。分割幅が細かい程、制御性が向上するため望ましいが、実際はデータ処理等の記録装置の性能に応じて決定されるものである。図7(b)は、ブロック毎の吐出周波数に応じてK値を設定する制御のフローチャートである。このような制御をインクの種類ごとに行う。
初めにステップ701において吐出周波数を算出する上で必要となる記録モード情報(キャリッジ速度、記録解像度)を取得する。そして続くステップ702において対応するブロックの記録データを取得し、ノズル毎の最大吐出周波数を算出する(ステップ703)。なお前記吐出周波数に関しては、最大に限定されるものでなく、平均吐出周波数を用いても構わない。
さらにステップ703で算出した全てのノズルの最大吐出周波数に基づいて、記録ヘッドの吐出周波数代表値を求める(ステップ704)。
次に制御用ROM105に記憶された、吐出周波数とK値との関係を示すテーブルを参照して、ステップ704で求めた吐出周波数代表値に対応するK値を読み出す。さらに、予め測定しておいたインクの吐出に最低限必要なエネルギーEthと、K値とを用いて、エネルギー発生素子52への最適なエネルギーEopを求め、これを駆動エネルギーとして決定し、設定する。具体的にはMPU102等が、駆動エネルギーを決定する駆動エネルギー決定手段として用いられる。
なおここでは、吐出周波数代表値は、全てのノズルの吐出周波数に基づいて決定したが、ノズル列の領域毎に求め、ノズル列の領域毎にEopを設定してもよい。
以上のように、ブロック毎に最適なエネルギー発生素子Eopを求めて、駆動することにより、色むらを低減した信頼性の高い記録動作を行うことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ブロック毎に吐出周波数代表値を取得して駆動エネルギーを設定する例を説明したが、ここでは画像品位に応じた記録モードで想定されるK値をあらかじめ設定したテーブルを用いて、駆動エネルギーを設定する例を示す。
図8(a)は、記録モードに応じて設定する制御を示すフローチャートである。図8(b)は、あらかじめ制御用ROM105に記憶しておくテーブルの一例である。
図8(b)に示すテーブルは、記録モード毎設定されるキャリッジ速度、記録解像度、記録パス数、カラム間引き量、最大打ち込み量を基に想定される最大吐出周波数を算出し、これに対して適切なK値を設定したテーブルである。テーブル中のK値は、インクA用の設定例を示したものである。
初めにステップ801で、ユーザーに選択された記録モードが何かを取得する。次に、図8(b)に示すテーブルを参照して、ステップ801で取得した記録モードに対応するK値を読み出す(ステップ802)。
さらに、予め測定しておいたインクの吐出に最低限必要なエネルギーEthと、K値とを用いて、エネルギー発生素子52への最適なエネルギーEopを求め、これを駆動エネルギーとして設定する(ステップ803)。
このように、記録モードに応じて想定される周波数をもとに駆動エネルギーを決定することで、第1の実施形態と同様に色むらを低減した信頼性の高い記録動作を行うことができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、画像記録時の駆動エネルギーの設定方法について説明したが、ここでは予備吐出の際には画像記録時とは異なる駆動エネルギーを設定方法について説明する。具体的な駆動エネルギーの設定方法については、第1の実施形態または第2の実施形態に記載の方法を用いることができる。
画像の記録を実際に行う記録動作時は、色むら等の画像品位の低下を防止するため吐出速度の変動を極力抑えるためにK値を設定することを第1の実施形態および第2の実施形態で説明した。しかしながら、実際の画像記録を開始する前でノズルの状態を最適に保つために行う予備吐出の場合には画像品位への影響がないため、画像記録時と比べると吐出速度変動に対する許容度が広い。そのため、予備吐出用の吐出周波数とK値との関係を示すテーブルをさらに設け、予備吐出時には、画像記録とは別のK値となるように制御する。
本実施形態では、予備吐出時の吐出速度変動許容量として2m/sに設定した場合の例を示す。図9に図4のインクAにおける画像記録用と予備吐出用の吐出周波数とK値との関係を示す。
図9からわかるように、吐出速度変動許容量が広がることにより、K値を低く設定することができる。つまり、エネルギー発生素子52に供給する駆動エネルギーを低減することができ、画像記録と予備吐出を共通で設定する場合に比べて、記録ヘッドの寿命を延ばすことができる。
2 キャリッジユニット
9 記録ヘッド
52 エネルギー発生素子
102 MPU
105 制御用ROM
111 ヘッドドライバ
121 プリントバッファ

Claims (8)

  1. 駆動エネルギーを供給することでインクを吐出する熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた記録ヘッドを走査して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録データに基づいて、吐出周波数を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出された前記吐出周波数に応じて、前記記録ヘッドに供給する駆動エネルギーを決定する駆動エネルギー決定手段と、
    を備えることを特徴としたインクジェット記録装置。
  2. 前記算出手段は、前記記録ヘッドを1回走査して記録する記録データを複数に分割したブロックごとに前記吐出周波数を算出し、
    前記駆動エネルギー決定手段は、前記ブロックごとに前記駆動エネルギーを決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記駆動エネルギー決定手段は、前記吐出周波数が大きくなるほど、前記駆動エネルギーが大きくなるように決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. インクジェット記録装置は、吐出周波数と対応する駆動エネルギーとに関する情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記駆動エネルギー決定手段は、前記吐出周波数に基づいて前記記憶手段に記憶された情報を参照して、前記駆動エネルギーを決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. インクの種類ごとに対応した複数の前記記録ヘッドを有しており、
    前記記憶手段には、前記インクの種類ごとに吐出周波数と駆動エネルギーとに関する情報が記憶されていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクジェット記録装置で用いられるインクは、顔料インクであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 駆動エネルギーを供給することでインクを吐出する熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた記録ヘッドを走査して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録モードに応じて、吐出周波数を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出された前記吐出周波数に応じて、前記記録ヘッドに供給する駆動エネルギーを決定する駆動エネルギー決定手段と、
    を備えることを特徴としたインクジェット記録装置。
  8. 駆動エネルギーを供給することでインクを吐出する熱エネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた記録ヘッドを走査して、記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置の制御方法であって、
    記録データに基づいて、吐出周波数を算出する工程と、
    算出された前記吐出周波数に基づいて、駆動エネルギーを決定する工程と、
    前記決定された駆動エネルギーを用いて前記記録ヘッドを駆動する工程と、
    を備えることを特徴としたインクジェット記録装置の制御方法。
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