以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器の概略構成を示す機能ブロック図である。本発明の電子機器101の一例としては、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末、携帯音楽プレイヤー等が挙げられる。以下、本実施形態では、電子機器101は、ユーザがサッカーゲームを体験できるゲーム機であるとする。この電子機器101は、表示部103及び接触検出部104を備えるタッチパネル102と、記憶部105と、荷重検出部106と、触感呈示部107と、音声出力部108と、制御部109とを有する。
制御部109は、タッチパネル102と、記憶部105と、荷重検出部106と、触感呈示部107と、音声出力部108とにそれぞれ接続している。
表示部103は、操作キー、ボタン、選手、ボールなどの画像(以下、「オブジェクト」と記す)を表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成される。
接触検出部104は、ユーザの指やスタイラスペン等(接触物)による接触を検出するもので、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成される。接触検出部104は、接触を検出すると、当該接触の位置に関する接触位置情報を制御部109に出力する。なお、接触検出部104が接触を検出する上で、接触物が接触検出部104を物理的に接触することは必須ではない。例えば、接触検出部104が光学式である場合は、接触検出部104は接触検出部104上の赤外線が指やスタイラスペン等で遮られた位置を検出するため、接触物が接触検出部104を接触することは不要である。
記憶部105は、公知技術によるメモリで構成することができ、接触に関する各種情報(例えば、接触位置情報)や後述する所定の荷重基準などを記憶するとともに、ワークメモリ、電子機器101を機能させるためのプログラム格納メモリ等としても機能する。
荷重検出部106は、接触検出部104に対する押圧荷重を検出するもので、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子などの素子を用いて構成される。
触感呈示部107は、接触検出部104を振動させ、接触検出部104を接触しているユーザの指やスタイラスペンなど(接触物)に触感を呈示するもので、例えば、圧電素子などの振動素子を用いて構成される。呈示する触感は、何らかの振動であればよく、周波数、周期(波長)、振幅、波形を、呈示する触感に応じて適宜設定することができる。
また、触感呈示部107は、単なる振動ではなく、機械的なキーを押した際に感じられるカチッとした硬質的な触感(リアルなクリック感)を接触物に対して呈示することもできる。触感を呈示する条件(例えば、押圧荷重が1N[ニュートン]を超えること)を設定することにより、この条件を満たすまでは、ユーザの圧覚を刺激し、条件を満たすと、触感呈示部107が接触検出部104を振動させてユーザの触覚を刺激することが可能になる。このように、ユーザの圧覚と触覚を刺激することにより、カチッとした硬質的な触感をユーザに呈示できる。接触検出部104自体は、接触されても機械的なキーのように物理的に変位しないが、上記のような触感を接触物に呈示することにより、ユーザは、機械的なキーを操作した場合と同様のリアルなクリック感を得ることができる。これにより、ユーザは、接触によるフィードバックが本来ない接触検出部104への入力操作を違和感なく行うことが可能となる。カチッとした硬質的な触感は、例えば140Hz〜500Hzのサイン波を1周期又は矩形波を1周期呈示することにより実現できる。
なお、荷重検出部106及び触感呈示部107が圧電素子を用いて構成される場合には、圧電素子を共用して、荷重検出部106及び触感呈示部107を構成することができる。圧電素子は、圧力が加わると電力(電圧)を発生し、電力(電圧)が加えられると変形するためである。なお、触感呈示部107は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて電子機器101を振動させることにより、接触検出部104を間接的に振動させるように構成してもよいし、接触検出部104に圧電素子を配設することにより、接触検出部104を直接的に振動させるように構成してもよい。
音声出力部108は、制御部109の制御により、試合状況に応じた音声中継や音楽などを出力するもので、例えばスピーカである。
制御部109は、電子機器101の各機能ブロックをはじめとして電子機器101の全体を制御及び管理する。ここで、制御部109は、CPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして構成したり、処理ごとに特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ))によって構成したりすることができる。制御部109の行う処理については、後述の図2の説明にて詳述する。
続いて、電子機器101がボール挙動を表示する方法について、図2、図3及び図4を参照して説明する。図2は、図1の電子機器が行う処理を示すフローチャートである。図3は、図1の表示部の表示画面例である。図4は、第1実施形態に係る押圧荷重と荷重閾値との関係の一例を示すグラフである。
表示部103は、例えば図3のように、メイン表示部111とキー表示部113とで構成されている。メイン表示部111は、サッカーゲームの試合の様子を示すものである。図3では、制御部109は、メイン表示部111に、パスを出す選手115と、パスを受けようとする選手117と、ボール119とを表示させている。また、キー表示部113は、サッカーゲームの試合に登場するオブジェクト(選手、ボール等)を操作するために使用されるキーやボタン等を表示するものである。図3では、制御部109は、キー表示部113に、ボール119に対応し、選手117にボールを操作させるために使用されるボールボタン121を表示させている。本実施形態では、ボールボタン121は、選手117がボール119をトラップするために使用される。
本実施形態では、選手117がパスを受ける際のボールの挙動として、選手117がパスを受けないことにより、ボール119が選手117を通過することと、ボール119が選手117の足元で止まることと、ボールがはじかれ、選手117から離れたところで止まることとの3種類が存在するとする。以下、上記3種類のボールの挙動を、所定のボール挙動とする。なお、本発明は、所定のボールの挙動として、3種類に限定されるものではなく、例えば、選手117によりシュートされるということなどを含むことができる。
まず、選手115がパスをだすとする。すると、制御部109は、メイン表示部111内で転がるボール119の軌跡情報からボールの速さを算出する(ステップS101)。なお、軌跡情報から算出されるボール119の速さとは、例えば、選手115がボール119を蹴った瞬間のボール119の速さや所定時間内移動したボール119の平均速さである。
そして、制御部109は、ボール119の速さに基づいて、所定のボール挙動に対応する所定の荷重基準を設定する(ステップS102)。所定の荷重基準を満たすこととは、例えば、接触検出部104に対する押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることや、接触検出部104に対する押圧荷重が所定の荷重閾値を越えること、接触検出部104に対する押圧荷重が一定時間荷重閾値以上であることなどである。本実施形態では、所定の荷重基準を満たすこととは、押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることとする。
本実施形態では、所定のボール挙動が3種類あるため、制御部109は、所定の荷重閾値として荷重閾値A及び荷重閾値B(B>A)の2つを設定する。現実のサッカーでは、選手が強い力でトラップするほど、ボールははじかれることが想定される。よって、制御部109は、ボール119が選手117の足元で止まることに荷重閾値Aを対応させ、ボール119が選手117から離れたところで止まることに荷重閾値Bを対応させる。つまり、ボールボタン121に対する押圧荷重が、荷重閾値A未満であると、選手117は、ボール119をトラップせず、ボール119は選手117を通過する。また、ボールボタン121に対する押圧荷重が、荷重閾値A以上荷重閾値B未満であると、ボール119は選手117の足元で止まる。更に、ボールボタン121に対する押圧荷重が、荷重閾値B以上であると、ボール119は選手117から離れたところで止まる。なお、所定の荷重閾値の数は、所定のボール挙動の数に応じて、1つ又は複数存在することができる。
更に、制御部109は、ボール119の速さに応じて、所定の荷重基準を変更する。つまり、制御部109は、所定の荷重閾値を変更する。現実のサッカーでは、ボールの速さが大きいほど、選手が同じ力でトラップしても、ボールははじかれることが想定される。よって、制御部109は、ボール119の速さが大きいほど、上記荷重閾値A及び荷重閾値Bの値を小さくする。これにより、ボール119の速さが大きい場合、ボールボタン121への押圧荷重が小さくても、選手117はボールをはじくことになる。
以下、本実施形態では、制御部109は、速さ閾値STを設け、ステップS101で算出された速さと比較し、ボール119が速いか否かを判定する。そして、制御部109は、ボール119の速さが速さ閾値ST以上である場合、荷重閾値Aの値をA1とし、荷重閾値Bの値をB1とする。また、制御部109は、ボール119の速さが速さ閾値ST未満である場合、荷重閾値Aの値をA2(B1>A2>A1)とし、荷重閾値Bの値をB2(B2>B1)とする。つまり、荷重閾値は、図4のようになる。制御部109は、設定した荷重基準について記憶部105に記憶させる。なお、本発明は、ボール119の速さの判定が1つの速さ閾値STにより実現されるものに限定されるものではなく、例えば、ボール119の速さに応じて荷重閾値A及び荷重閾値Bの値を連続的に変化させることもできる。
続いて、ユーザは、選手117にパスを受けさせる(ボール119をトラップさせる)ために、ボール119が選手117に届く前に、ボール(オブジェクト)119に対応する位置であるボールボタン121を押圧する。すると、接触検出部104は、ボールボタン121への指の接触を検出し(ステップS103)、接触位置情報を制御部109に出力する。制御部109は、当該接触位置情報から、指が接触した場所はボールボタン121であることを特定する。なお、本発明は、ボール(オブジェクト)に対応する位置とは、オブジェクトに対応するボタンやキー等の位置に限定されるものではなく、メイン表示部111に表示されているオブジェクトそのもの(ボール119)の位置であってもよい。
そして、荷重検出部106は、接触検出部104に指が物理的に接触した時点から(図4の時刻t1)、接触検出部104に対する押圧荷重を検出し始める(ステップS104)。
図4の時刻t2に、ボール119が選手117に届くと、制御部109は、そのときの押圧荷重が記憶部105に記憶されている荷重基準を満たすか否か判断する(ステップS105)。なお、ボール119が選手117に届くとは、厳密に選手117の位置にボール119が重なることに限定されるものではなく、例えば、選手117がボール操作を行うことのできる範囲にボール119が入ったことを意味することもできる。選手117がボール操作を行うことのできる範囲は、ゲームに応じて適宜設定できる事項である。
そして、制御部109は、所定の処理として、押圧荷重に応じて、対応する所定のボール挙動をメイン表示部111に表示させる(ステップS106)。ボール119が選手117に届いたときの押圧荷重は、図4のように、荷重閾値A2(B1)以上荷重閾値B2未満であるとする。
ボール119の速さが速さ閾値ST以上である場合、押圧荷重は閾値B1以上であるため、制御部109は、所定の処理として、ボール119が選手117から離れたところに止まるボール挙動をメイン表示部111に表示させる(ステップS106)。
ボール119の速さが速さ閾値ST未満である場合、押圧荷重は荷重閾値A2以上荷重閾値B2未満であるため、制御部109は、所定の処理として、ボール119が選手117の足元で止まるボール挙動をメイン表示部111に表示させる(ステップS106)。よって、ボール119の速さに基づき、同じ押圧荷重でボールボタン121が押圧されても、ボール119の挙動が異なることになる。
なお、本発明は、荷重基準の比較対象となる押圧荷重は、ボール119が選手117に届いたときの押圧荷重に限定されるものではない。例えば、ボール119が選手117に届いたときにボールボタン121が押圧された場合、制御部109は、ボール119が選手117に届いたときから所定時間経過後の押圧荷重を荷重基準と比較することができる。
ステップS104において、制御部109は、押圧荷重が荷重閾値以上になるごとに当該荷重閾値に応じた触感をユーザの指に呈示するように触感呈示部107を制御することができる。ユーザは、呈示される触感により、押圧荷重が荷重閾値以上になったか否かを判断することができ、所望のボール操作を選手117にさせることができる。
また、ステップS106において、制御部109は、表示するボール挙動に応じた音声を出力するように音声出力部108を制御することができる。ユーザは、ボール挙動を画像のみならず、音からも認識することができる。
このように本実施形態では、制御部109は、メイン表示部111に表示されているボール119の速さを検出し、当該検出されたボール119の情報(速さ)に基づき所定の荷重基準を設定する。これにより、ユーザは、同じボール操作を選手117に行わせる場合にも、ボール119の速さに応じてボールボタン121に対する押圧荷重を調整することが求められる。つまり、ユーザは、現実のサッカーの試合のように、ボール119の状況に応じて、異なる操作を行う必要があるため、臨場感を得ることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、ボールの速さに基づき、所定の荷重基準を設定する場合について説明したが、第2実施形態では、位置や速度に基づき、所定の荷重基準を設定する場合について説明する。なお、第2実施形態に係る電子機器201の構成要素は、第1実施形態に係る電子機器101の構成要素と同一であり、表示部203及び接触検出部204を備えるタッチパネル202と、記憶部205と、荷重検出部206と、触感呈示部207と、音声出力部208と、制御部209とを有する。制御部209以外の機能部202〜208は、第1実施形態の機能部102〜108と同じ機能を有するので、説明は省略する。
制御部209が行う処理について、図5、図6及び図7を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係る電子機器が行う処理を示すフローチャートである。図6は、第2実施形態に係る表示部の表示画面例である。図7は、第2実施形態に係る押圧荷重と荷重閾値との関係の一例を示すグラフである。
表示部203は、第1実施形態と同様、例えば図6のように、メイン表示部211とキー表示部213とで構成されている。メイン表示部211は、サッカーゲームの試合の様子を示すものである。図6では、制御部209は、メイン表示部211に、ボール219を蹴り上げる選手215と、ボール219をヘディングしようとする選手217とを表示させている。ボール219は、位置219aから位置219bに移動するとする。位置219aは、選手215により蹴り上げられた瞬間のボール219の位置を表し、位置219bは、選手217の頭上に移動したボール219の位置を表す。
キー表示部213は、サッカーゲームの試合に登場するオブジェクト(選手、ボール等)を操作するために使用されるキーやボタン等を表示するものである。図6では、制御部209は、キー表示部213に、ボール219に対応し、選手217にボールを操作させるために使用されるボールボタン221を表示させている。本実施形態では、ボールボタン221は、選手217にジャンプして、ヘディングさせるために使用される。
本実施形態では、選手217がヘディングする際のボールの挙動として、選手217がボール219に届かず、選手217の頭上を通過することと、選手217がボール219の縁をヘディングし、ボール219が選手217の近くに飛ぶことと、選手217がボール219の中心をヘディングし、ボール219が選手217の遠くに飛ぶこととの3種類が存在するとする。以下、上記3種類のボールの挙動を、所定のボール挙動とする。なお、本発明は、所定のボールの挙動として、3種類に限定されるものではない。
まず、選手215がボール219を蹴り、ボール219が位置219aから位置219bに飛んだとする。すると、制御部209は、ボール219の位置219bと、選手217の頭の頂上の位置から、位置219bと選手217の頭の頂上との間の距離d1を算出する(ステップS201)。なお、本発明は、距離d1が位置219bと選手217の頭の頂上との間の距離であることに限定されるものではなく、例えば、選手217のヘディング可能範囲内に飛んできたボール219と選手217の頭との最短距離とすることもできる。選手217のヘディング可能範囲は、ゲームに応じて適宜設定できる事項である。
そして、制御部209は、算出した距離に基づいて、所定のボール挙動に対応する所定の荷重基準を設定する(ステップS202)。所定の荷重基準を満たすこととは、例えば、接触検出部204に対する押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることや、接触検出部204に対する押圧荷重が所定の荷重閾値を越えること、接触検出部204に対する押圧荷重が一定時間荷重閾値以上であることなどである。本実施形態では、所定の荷重基準を満たすこととは、押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることとする。
本実施形態では、所定のボール挙動が3種類あるため、制御部209は、所定の荷重閾値として荷重閾値C及び荷重閾値D(D>C)の2つを設定する。現実のサッカーでは、選手はボールの縁よりも中心をヘディングするほうが、正確性が要求され負荷が大きいことが想定される。よって、制御部209は、選手217がボールの縁をヘディングし、ボール219が選手217の近くに飛ぶことに荷重閾値Cを対応させ、選手217がボールの中心をヘディングし、ボール219が選手217の遠くに飛ぶことに荷重閾値Dを対応させる。つまり、ボールボタン221に対する押圧荷重が、荷重閾値C未満であると、選手217はボール219に届かず、ボール219は選手217を通過する。また、ボールボタン221に対する押圧荷重が、荷重閾値C以上荷重閾値D未満であると、ボール219はヘディングにより選手217の近くに飛ぶ。更に、ボールボタン221に対する押圧荷重が、荷重閾値D以上であると、ボール219は選手217の遠くに飛ぶ。なお、所定の荷重閾値の数は、所定のボール挙動の数に応じて、1つ又は複数存在することができる。
更に、制御部209は、ボール219と選手217の頭の頂上との間の距離d1に応じて、所定の荷重基準を変更する。つまり、制御部209は、所定の荷重閾値を変更する。現実のサッカーでは、ボールと選手の頭の頂上との間の距離が長いほど、選手はジャンプ力が要求されることが想定される。つまり、距離が長いほど、選手への負荷は大きくなる。よって、制御部209は、距離d1が長いほど、上記荷重閾値C及び荷重閾値Dの値を大きくする。これにより、距離d1が長い場合、ヘディングによりボール219を遠くに飛ばすためには、ボールボタン221への大きな押圧荷重が必要になる。
以下、本実施形態では、制御部209は、距離閾値DTを設け、ステップS201で算出された距離と比較し、距離d1が長いか否かを判定する。そして、制御部209は、距離d1が距離閾値DT未満である場合、荷重閾値Cの値をC1とし、荷重閾値Dの値をD1とする。また、制御部209は、距離d1が距離閾値DT以上である場合、荷重閾値Cの値をC2(D1>C2>C1)とし、荷重閾値Dの値をD2(D2>D1)とする。つまり、荷重閾値は、図7のようになる。制御部209は、設定した荷重基準について記憶部205に記憶させる。なお、本発明は、距離d1の長さの判定が1つの距離閾値DTにより実現されるものに限定されるものではなく、例えば、距離d1の長さに応じて荷重閾値C及び荷重閾値Dの値を連続的に変化させることもできる。
続いて、ユーザは、ボール219が位置219bに位置した時点で、選手217にヘディングさせるために、ボール(オブジェクト)219に対応する位置であるボールボタン221を押圧する。すると、接触検出部204は、ボールボタン221への指の接触を検出し(ステップS203)、接触位置情報を制御部209に出力する。制御部209は、当該接触位置情報から、指が接触した場所はボールボタン221であることを特定する。なお、本発明は、ボール(オブジェクト)に対応する位置とは、オブジェクトに対応するボタンやキー等の位置に限定されるものではなく、メイン表示部211に表示されているオブジェクトそのもの(ボール219)の位置であってもよい。また、ユーザが、ボールボタン221を押圧するタイミングは、厳密にボール219が位置219bに位置した時点に限定されるものではなく、例えば、厳密にボール219が位置219bに位置した時点の前後の所定の時間間隔以内であってもよい。
そして、荷重検出部206は、接触検出部204に指が物理的に接触した時点から(図7の時刻t3)、接触検出部204に対する押圧荷重を検出し始める(ステップS204)。
制御部209は、時刻t3から所定時間経過後の時刻t4で、押圧荷重が記憶部205に記憶されている荷重基準を満たすか否か判断する(ステップS205)。その後、制御部209は、所定の処理として、押圧荷重に応じて、対応する所定のボール挙動をメイン表示部211に表示させる(ステップS206)。時刻t4での押圧荷重は、図7のように、荷重閾値C2(D1)以上荷重閾値D2未満であるとする。
距離d1が距離閾値DT未満である場合、押圧荷重は閾値D1以上であるため、制御部209は、所定の処理として、ヘディングによりボール219が選手217の遠くに飛ぶボール挙動をメイン表示部211に表示させる(ステップS206)。
距離d1が距離閾値DT以上である場合、押圧荷重は荷重閾値C2以上荷重閾値D2未満であるため、所定の処理として、ヘディングによりボール219が選手217の近くに飛ぶボール挙動をメイン表示部211に表示させる(ステップS206)。よって、距離d1に基づき、同じ押圧荷重でボールボタン221が押圧されても、ボール219の挙動が異なることになる。
なお、本発明は、距離d1を算出する上でのボール219の位置を、ボール219が実際に移動した場合の位置219aとすることに限定されるものではない。例えば、制御部209は、位置219aでのボール219の速度(速さ及び向きを含む概念)を検出し、当該速度からボール219の軌跡を求め、ボール219が選手217の頭上に位置するときの座標を求めることができる。これより、制御部209は、ボールが位置219bに移動する前に予め距離d1を算出し、荷重基準を設定することができる。よって、ユーザは、ボール219が位置219bに位置する時点よりも前から押圧を開始し、制御部209は、ボール219が位置219bに位置した時点での押圧荷重を荷重基準と比較することができる。この場合、ボール219(オブジェクト)の速度に基づいて、荷重基準が設定されることになる。
ステップS204において、制御部209は、押圧荷重が荷重閾値以上になるごとに当該荷重閾値に応じた触感をユーザの指に呈示するように触感呈示部207を制御することができる。ユーザは、呈示される触感により、押圧荷重が荷重閾値以上になったか否かを判断することができ、所望のボール操作を選手217にさせることができる。
また、ステップS206において、制御部209は、表示するボール挙動に応じた音声を出力するように音声出力部208を制御することができる。ユーザは、ボール挙動を画像のみならず、音からも認識することができる。
このように本実施形態では、制御部209は、メイン表示部211に表示されているボール219の位置と選手217の頭の位置とを検出し、当該検出されたボール219及び選手217の情報(位置)に基づき所定の荷重基準を設定する。これにより、ユーザは、同じボール操作を選手217に行わせる場合にも、ボール219と選手217と位置に応じてボールボタン221に対する押圧荷重を調整することが求められる。つまり、ユーザは、現実のサッカーの試合のように、ボール219及び選手217の状況に応じて、異なる操作を行う必要があるため、臨場感を得ることができる。
(第3実施形態)
第2実施形態では、ボールの位置又は速度に基づき、所定の荷重基準を設定する場合について説明したが、第3実施形態では、複数のオブジェクトの相対速度に基づき、所定の荷重基準を設定する場合について説明する。なお、第3実施形態に係る電子機器301の構成要素は、第2実施形態に係る電子機器201の構成要素と同一であり、表示部303及び接触検出部304を備えるタッチパネル302と、記憶部305と、荷重検出部306と、触感呈示部307と、音声出力部308と、制御部309とを有する。制御部309以外の機能部302〜308は、第2実施形態の機能部202〜208と同じ機能を有するので、説明は省略する。
制御部309が行う処理について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第3実施形態に係る電子機器が行う処理を示すフローチャートである。図9は、第3実施形態に係る表示部の表示画面例である。
表示部303は、第2実施形態と同様、例えば図9のように、メイン表示部311とキー表示部313とで構成されている。メイン表示部311は、サッカーゲームの試合の様子を示すものである。図9では、制御部309は、メイン表示部311に、ボール319を蹴り上げる選手315と、ボール319を追い駆け、ヘディングしようとする選手317とが表示されている。選手317は、位置317aから位置317bに移動するとする。位置317aは、ボール319が選手315により蹴り上げられた瞬間の選手317の位置を表し、位置317bは、ボール319が頭上に位置する場所まで移動した選手317の位置を表している。また、ボール319は、位置319aから位置319bに移動するとする。位置319aは、選手315により蹴り上げられた瞬間のボール319の位置を表し、位置319bは、選手317の頭上に移動したボール319の位置を表す。
キー表示部313は、サッカーゲームの試合に登場するオブジェクト(選手、ボール等)を操作するために使用されるキーやボタン等を表示するものである。図9では、制御部309は、キー表示部313に、ボール319に対応し、選手317にボール319を操作させるために使用されるボールボタン321を表示させている。本実施形態では、ボールボタン321は、選手317にジャンプして、ヘディングさせるために使用される。また、制御部309は、キー表示部313に、選手317を移動させるための移動キー(十字ボタン)323を表示させている。移動キー323への接触が検出されると、制御部309は、移動キー323の全方向のうち接触された方向に、選手317を一定速度で動かすとする。
本実施形態では、選手317がヘディングする際のボールの挙動として、選手317がボール319に届かず、選手317の頭上を通過することと、選手317がボール319の縁をヘディングし、ボール319が選手317の近くに飛ぶことと、選手317がボール319の中心をヘディングし、ボール319が選手317の遠くに飛ぶこととの3種類が存在するとする。以下、上記3種類のボールの挙動を、所定のボール挙動とする。なお、本発明は、所定のボールの挙動として、3種類に限定されるものではない。
まず、選手315がボール319を蹴ると、ユーザは、選手317をボール319が移動する方向に移動させるために、選手317(オブジェクト)に対応する位置である移動キー323を押圧することになる。すると、接触検出部304は、移動キー323への指の接触を検出し(ステップS301)、接触位置情報を制御部309に出力する。制御部309は、当該接触位置情報から、指が接触した場所は移動キー323であることを特定する。なお、本発明は、選手317(オブジェクト)に対応する位置とは、オブジェクトに対応するボタンやキー等の位置に限定されるものではなく、メイン表示部311に表示されているオブジェクトそのもの(選手317)の位置であってもよい。この場合、制御部309は、例えば、ユーザがメイン表示部311上の選手317へ接触した状態でフリック(ドラッグ)を行うと、フリック方向に対応させて、選手317を移動する様子をメイン表示部311に表示させることができる。
すると、制御部309は、選手317が317aから方向を変えずに移動すると仮定し、位置319aでのボール319の速度と、選手317の速度とから、選手317の頭上にボール319が位置するときの選手317の位置317bとボール319の位置319bとを推定する。つまり、制御部309は、選手317とボール319との相対速度から、選手317がボール319をヘディングするときの位置を推定する(ステップS302)。
そして、制御部309は、推定された位置317bと位置319bとから、位置317bの選手317の頭の頂上とボール319の位置319bとの間の距離d2を算出する(ステップS303)。なお、本発明は、距離d2が選手317の頭の頂上と位置319bとの間の距離であることに限定されるものではなく、例えば、選手317のヘディング可能範囲内に位置するボール319と選手317の頭との最短距離とすることもできる。選手317のヘディング可能範囲は、ゲームに応じて適宜設定できる事項である。
そして、制御部309は、算出した距離に基づいて、所定のボール挙動に対応する所定の荷重基準を設定する(ステップS304)。そして、制御部309は、設定した荷重基準について記憶部305に記憶させる。ステップS304の詳細は、第2実施形態におけるステップS202と同様であり、制御部309は、距離d2が距離閾値DT未満である場合、ボール319が選手317の近くに飛ぶ荷重閾値Cの値をC1とし、ボール319が選手317の遠くに飛ぶ荷重閾値Dの値をD1とする。また、制御部309は、距離d2が距離閾値DT以上である場合、荷重閾値Cの値をC2(D1>C2>C1)とし、荷重閾値Dの値をD2(D2>D1)とする。つまり、荷重閾値は、図7のようになる。
続いて、ユーザは、選手317にヘディングさせるために、ボール319が位置319bに位置する前に、ボール(オブジェクト)に対応する位置であるボールボタン321を押圧することになる。すると、接触検出部304は、ボールボタン321への指の接触を検出し(ステップS305)、接触位置情報を制御部309に出力する。制御部309は、当該接触位置情報から、指が接触した場所はボールボタン321であることを特定する。なお、本発明は、ボール(オブジェクト)に対応する位置とは、オブジェクトに対応するボタンやキー等の位置に限定されるものではなく、メイン表示部311に表示されているオブジェクトそのもの(ボール319)の位置であってもよい。
そして、荷重検出部306は、接触検出部304に指が物理的に接触した時点から、接触検出部304に対する押圧荷重を検出し始める(ステップS306)。
制御部309は、ボール319が選手317の頭上に位置したときの押圧荷重が記憶部305に記憶されている荷重基準を満たすか否か判断する(ステップS307)。その後、制御部309は、所定の処理として、押圧荷重に応じて、対応する所定のボール挙動をメイン表示部311に表示させる(ステップS308)。ボール319が選手317の頭上に位置したときの押圧荷重は、荷重閾値C2(D1)以上荷重閾値D2未満であるとする。
距離d2が距離閾値DT未満である場合、押圧荷重は閾値D1以上であるため、制御部309は、所定の処理として、ヘディングによりボール319が選手317の遠くに飛ぶボール挙動をメイン表示部311に表示させる(ステップS308)。
距離d2が距離閾値DT以上である場合、押圧荷重は荷重閾値C2以上荷重閾値D2未満であるため、所定の処理として、ヘディングによりボール319が選手317の近くに飛ぶボール挙動をメイン表示部311に表示させる(ステップS308)。よって、選手317とボール319との相対速度から求まる距離d2に基づき、同じ押圧荷重でボールボタン321が押圧されても、ボール319の挙動が異なることになる。
なお、本発明は、荷重基準の比較対象となる押圧荷重は、ボール319が選手317に届いたときの押圧荷重に限定されるものではない。例えば、ボール319が選手317に届いたときにボールボタン321が押圧された場合、制御部309は、ボール319が選手317に届いたときから所定時間経過後の押圧荷重を荷重基準と比較することができる。
ステップS306において、制御部309は、押圧荷重が荷重閾値以上になるごとに当該荷重閾値に応じた触感をユーザの指に呈示するように触感呈示部307を制御することができる。ユーザは、呈示される触感により、押圧荷重が荷重閾値以上になったか否かを判断することができ、所望のボール操作を選手317にさせることができる。
また、ステップS308において、制御部309は、表示するボール挙動に応じた音声を出力するように音声出力部308を制御することができる。ユーザは、ボール挙動を画像のみならず、音からも認識することができる。
このように本実施形態では、制御部309は、メイン表示部311に表示されているボール319の速度と選手317の速度との相対速度を検出し、当該検出されたボール319と選手317との情報(相対速度)に基づき所定の荷重基準を設定する。これにより、ユーザは、同じボール操作を選手317に行わせる場合にも、ボール319と選手317との相対速度に応じてボールボタン321に対する押圧荷重を調整することが求められる。つまり、ユーザは、現実のサッカーの試合のように、ボール319及び選手317の状況に応じて、異なる操作を行う必要があるため、臨場感を得ることができる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、ボールの相対速度に基づき、所定の荷重基準を設定する場合について説明したが、第4実施形態では、オブジェクトに対応する位置への接触タイミングと押圧荷重とに基づき、ボール挙動が異なる場合について説明する。なお、第4実施形態に係る電子機器401の構成要素は、第3実施形態に係る電子機器301の構成要素と同一であり、表示部403及び接触検出部404を備えるタッチパネル402と、記憶部405と、荷重検出部406と、触感呈示部407と、音声出力部408と、制御部409とを有する。制御部409以外の機能部402〜408は、第3実施形態の機能部302〜308と同じ機能を有するので、説明は省略する。
制御部409が行う処理について、図10、図11及び図12を参照して説明する。図10は、第4実施形態に係る電子機器が行う処理を示すフローチャートである。図11は、第4実施形態に係る表示部の表示画面例である。図12は、第4実施形態に係る押圧荷重と荷重閾値との関係の一例を示すグラフである。
表示部403は、第3実施形態と同様、例えば図11のように、メイン表示部411とキー表示部413とで構成されている。メイン表示部411は、サッカーゲームの試合の様子を示すものである。図11では、制御部409は、メイン表示部411に、パスを出す選手415と、パスを受けようとする選手417と、ボール419とを表示させている。また、キー表示部413は、サッカーゲームの試合に登場するオブジェクト(選手、ボール等)を操作するために使用されるキーやボタン等を表示するものである。図11では、制御部409は、キー表示部413に、ボール419に対応し、選手417にボールを操作させるために使用されるボールボタン421を表示させている。
本実施形態では、選手417がパスを受ける際のボールの挙動として、選手417がパスを受けないことにより、ボール419が選手417を通過することと、ボール419が選手417によりトラップされ足元で止まることと、選手417によりダイレクトシュートされることとの3種類が存在するとする。以下、上記3種類のボールの挙動を、所定のボール挙動とする。なお、本発明は、所定のボールの挙動として、3種類に限定されるものではない。
まず、選手415がパスをだすとする。すると、制御部409は、メイン表示部411内で転がるボール419の軌跡情報からボール419の速さを算出する(ステップS401)。なお、軌跡情報から算出されるボール419の速さとは、例えば、選手415がボール419を蹴った瞬間のボール419の速さや所定時間内移動したボール419の平均速さである。
そして、制御部409は、ボール419の速さに基づいて、所定のボール挙動に対応する所定の荷重基準を設定する(ステップS402)。所定の荷重基準を満たすこととは、例えば、接触検出部404に対する押圧荷重が所定の荷重閾値以上になること、接触検出部404に対する押圧荷重が所定の荷重閾値を越えること、接触検出部404に対する押圧荷重が一定時間荷重閾値以上であることなどである。本実施形態では、所定の荷重基準を満たすこととは、押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることとする。
本実施形態では、所定のボール挙動が3種類あるため、制御部409は、所定の荷重閾値として荷重閾値E及び荷重閾値F(F>E)の2つを設定する。現実のサッカーでは、ボールを足元に止めることよりも、ダイレクトシュートすることのほうが困難であることが想定される。つまり、ダイレクトシュートのほうがボールを止めるよりも、選手への負荷は大きい。よって、制御部409は、ボール419が選手417の足元で止まることに荷重閾値Eを対応させ、ボール419が選手417によりダイレクトシュートされることに荷重閾値Fを対応させる。つまり、ボールボタン421に対する押圧荷重が、荷重閾値E未満であると、選手417はボール419をトラップせず、ボール419は選手417を通過する。また、ボールボタン421に対する押圧荷重が、荷重閾値E以上荷重閾値F未満であると、ボール419は、選手417の足元で止まる。更に、ボールボタン421に対する押圧荷重が、荷重閾値F以上であると、ボール419は、選手417によりダイレクトシュートされる。なお、所定の荷重閾値の数は、所定のボール挙動の数に応じて、1つ又は複数存在することができる。
更に、制御部409は、ボール419の速さに応じて、所定の荷重基準を変更する。つまり、制御部409は、所定の荷重閾値を変更する。現実のサッカーでは、ボールの速さが大きいほど、選手はボールを足元で止めることやダイレクトシュートを行うことが困難になることが想定される。つまり、ボールの速さが大きいほど、選手への負荷は大きくなる。よって、制御部409は、ボール419の速さが大きいほど、上記荷重閾値A及び荷重閾値Bの値を大きくする。これにより、ボール419の速さが大きい場合、選手417がボール419を足元で止めたり、ダイレクトシュートするためには、ボールボタン421への大きな押圧荷重が必要になる。
以下、本実施形態では、制御部409は、速さ閾値STを設け、ステップS401で算出された速さと比較し、ボール419が速いか否かを判定する。そして、制御部409は、ボール419の速さが速さ閾値ST未満である場合、荷重閾値Eの値をE1とし、荷重閾値Fの値をF1とする。また、制御部409は、ボール419の速さが速さ閾値ST以上である場合、荷重閾値Eの値をE2(F1>E2>E1)とし、荷重閾値Fの値をF2(F2>F1)とする。つまり、荷重閾値は、図12のようになる。制御部409は、設定した荷重基準について記憶部405に記憶させる。なお、本発明は、ボール419の速さの判定が1つの速さ閾値STにより実現されるものに限定されるものではなく、例えば、ボール419の速さに応じて荷重閾値E及び荷重閾値Fの値を連続的に変化させることもできる。
続いて、ユーザは、選手417にパスを受けさせるために、ボール419が選手417に届く前に、ボール(オブジェクト)419に対応する位置であるボールボタン421を押圧する。すると、接触検出部404は、ボールボタン421への指の接触を検出し(ステップS403)、接触位置情報を制御部409に出力する。制御部409は、当該接触位置情報から、指が接触した場所はボールボタン421であることを特定する。なお、本発明は、ボール(オブジェクト)に対応する位置とは、オブジェクトに対応するボタンやキー等の位置に限定されるものではなく、メイン表示部411に表示されているオブジェクトそのもの(ボール419)の位置であってもよい。
そして、荷重検出部406は、接触検出部404に指が物理的に接触した時点(図12の時刻t5)から、接触検出部404に対する押圧荷重を検出し始める(ステップS404)。
続いて、制御部409は、接触検出部404に指が物理的に接触した時点(接触タイミング)が、タイミング基準を満たすか否かを判断する(ステップS405)。タイミング基準とは、例えば、接触タイミングが基準時以降でありボール419が選手417に届くまであることなどである。基準時とは、例えば、ボール419の位置が、選手417の位置から所定の距離未満になった時刻や、ボール419が選手417に届く時刻の所定時間前の時刻などである。現実のサッカーでは、選手がパスを受けるために体勢を整えるのは、ボールが選手に届く直前であることが想定される。よって、タイミング基準を設けることにより、ボール419が選手417の近くに位置しない(ボール419の位置が、選手417の位置から所定の距離以上離れている)場合には、ユーザによるボールボタン421への押圧を無効にできる。これにより、ユーザは、選手417にボールが届く直前にボールボタン421を押圧する必要がある。以下、本実施形態では、タイミング基準とは、接触タイミングが基準時以降でありボール419が選手417に届くまであることとする。
接触タイミングが、基準時よりも前である場合(ステップS405のNo)、たとえボールボタン421に対する押圧荷重が荷重基準を満たしても、選手417は、パスを受けることができない。よって、制御部409は、ボール419が選手417を通過するボール挙動をメイン表示部411に表示させる。
接触タイミングが、基準時以降であり場合(ステップS405のYes)、制御部409は、ボール419が選手417に届いたとき(図12の時刻t6)の押圧荷重が記憶部405に記憶されている荷重基準を満たすか否か判断する(ステップS406)。なお、ボール419が選手417に届くとは、厳密に選手417の位置にボール419が重なることに限定されるものではなく、例えば、選手417がボール操作を行うことのできる範囲にボール419が入ったことを意味することもできる。選手417がボール操作を行うことのできる範囲は、ゲームに応じて適宜設定できる事項である。
そして、制御部409は、所定の処理として、押圧荷重に応じて、対応する所定のボール挙動をメイン表示部411に表示させる(ステップS407)。ボール419が選手417に届いたときの押圧荷重は、図12のように、荷重閾値E2(F1)以上荷重閾値F2未満であるとする。
ボール419の速さが速さ閾値ST未満である場合、押圧荷重は閾値F1以上であるため、制御部409は、所定の処理として、ボール419が選手417によりダイレクトシュートされるボール挙動をメイン表示部411に表示させる(ステップS407)。
ボール419の速さが速さ閾値ST以上である場合、押圧荷重は荷重閾値E2以上荷重閾値F2未満であるため、所定の処理として、ボール419が選手417の足元で止まるボール挙動をメイン表示部411に表示させる(ステップS407)。よって、ボール419の速さに基づき、同じ押圧荷重でボールボタン421が押圧されても、ボール419の挙動が異なることになる。
なお、本発明は、荷重基準の比較対象となる押圧荷重は、ボール419が選手417に届いたときの押圧荷重に限定されるものではない。例えば、ボール419が選手417に届いたときにボールボタン421が押圧された場合、制御部409は、ボール419が選手417に届いたときから所定時間経過後の押圧荷重を荷重基準と比較することができる。
ステップS404において、制御部409は、押圧荷重が荷重閾値以上になるごとに当該荷重閾値に応じた触感をユーザの指に呈示するように触感呈示部407を制御することができる。ユーザは、呈示される触感により、押圧荷重が荷重閾値以上になったか否かを判断することができ、所望のボール操作を選手417にさせることができる。
また、ステップS407において、制御部409は、表示するボール挙動に応じた音声を出力するように音声出力部408を制御することができる。ユーザは、ボール挙動を画像のみならず、音からも認識することができる。
このように本実施形態では、制御部409は、メイン表示部411に表示されているボール419の速さを検出し、当該検出されたボール419の情報(速さ)に基づき所定の荷重基準を設定する。これにより、ユーザは、同じボール操作を選手417に行わせる場合にも、ボール419の速さに応じてボールボタン421に対する押圧荷重を調整することが求められる。つまり、ユーザは、現実のサッカーの試合のように、ボールの状況に応じて、異なる操作を行う必要があるため、臨場感を得ることができる。また、制御部409は、ボールボタン421への接触タイミングを検出し、接触タイミングがタイミング基準を満たさない場合には、押圧荷重に依らず、選手417の操作を無効にする。これにより、ボール419が選手417の傍に位置する場合にのみ、ユーザに選手417を操作させることができる。よって、ユーザは、短い間隔で的確にボールボタン421を押圧する必要があり、現実のサッカーにおける瞬間の動作に伴う緊張感を得ることができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
上述の本発明の実施形態の説明において、例えば、閾値「以上」または閾値「未満」のような表現の技術的思想が意味する内容は必ずしも厳密な意味ではなく、電子機器の仕様に応じて、基準となる値を含む場合又は含まない場合の意味を包含するものとする。例えば、閾値「以上」とは、比較対象が閾値に達した場合のみならず、閾値を超えた場合も含意し得るものとする。また、例えば閾値「未満」とは、比較対象が閾値を下回った場合のみならず、閾値に達した場合、つまり閾値以下になった場合も含意し得るものとする。基準時「以降」という表現も同様に、基準時を含む場合又は含まない場合の意味を包含するものとする。
また、上述した本発明の実施形態の説明における「表示部」及び「接触検出部」は、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されてもよい。このような表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものがある。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することにより、タッチ位置を検出することができる。
また、上述した本発明の実施形態の説明においては、電子機器がクラムシェル型(折りたたみ式)として記載したが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、本発明の電子機器は、一面からなるタッチパネルを有するタブレット端末により実現することもできる。
また、上述した本発明の実施形態の説明における荷重閾値は、制御部が表示部に表示するボールの挙動を決定するための基準として設けられているものであるが、本発明は、ボールの挙動に関係しない荷重閾値を設けることもできる。例えば、タッチパネルの破壊防止のための荷重閾値を設け、当該荷重閾値以上の押圧荷重が検出されると、制御部は、表示部、触感呈示部又は音声出力部を制御し、映像、触感又は音声により、ユーザに押圧荷重を小さくするよう指示することができる。
また、上述した本発明の実施形態の説明においては、メイン表示部とキー表示部について詳述したが、これらメイン表示部とキー表示部の前面には、それぞれ接触検出部が配設されていてもよいし、メイン表示部又はキー表示部の一方のみに接触検出部が配設されていてもよい。メイン表示部とキー表示部に、それぞれ接触検出部が配設されている場合には、それぞれの接触検出部に荷重検出部が配設されていてもよいし、一方のみに荷重検出部が配設されていてもよい。
また、上述した本発明の実施形態の説明においては、荷重検出部について詳述したが、荷重検出部は、接触検出部に対する接触物による接触の接触面積の大小により、検出する押圧荷重を推定してもよい。つまり、この場合、荷重検出部は、接触検出部に対する接触物による接触の接触面積が大きい場合には、大きな押圧荷重が検出されたとし、接触検出部に対する接触物による接触の接触面積が小さい場合には、小さな押圧荷重が検出されたとするものである。
そして、荷重検出部が圧電素子として構成される場合、本発明の「接触検出部に対する押圧荷重を検出する」には、「接触検出部に対する押圧荷重に基づき電圧を出力(発生)する」ことが含まれるものである。また、同様に、本発明の「荷重基準」には、電圧による基準である電圧基準が含まれるものである。また、同様に、「荷重検出部により検出される押圧荷重」には、「圧電素子により出力(発生)する電圧」が含まれるものである。このように、荷重検出部として圧電素子を用いて、圧電素子が接触検出部に対する押圧荷重に基づき電圧を出力(発生)する場合には、制御部は、圧電素子が出力する電圧から接触検出部に対する押圧荷重の算出などすることなく、圧電素子が出力する電圧に基づき、所定の処理を行うか否かの判断を行ってもよい。この場合は上述のとおり、制御部は、圧電素子が出力する電圧が電圧基準を満たした場合に、オブジェクトに対する所定の処理を行うものである。